06/06/21 中央社会保険医療協議会総会平成１８年６月２１日議事録


０６／０６／２１　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　　第８８回総会議事録　	

(1)日時　　平成１８年６月２１日（水）１０：４５～１２：１０
(2)場所　　霞が関東京會舘「ゴールドスタールーム」
(3)出席者　土田武史会長　遠藤久夫委員　室谷千英委員　小林麻理委員
　　　　　 対馬忠明委員　小島茂委員　勝村久司委員
           丸山誠委員　大内教正委員　松浦稔明委員　
           竹嶋康弘委員　鈴木満委員　飯沼雅朗委員　石井暎禧委員　
           邉見公雄委員　黒﨑紀正委員　渡辺三雄委員　山本信夫委員
           大島伸一専門委員　古橋美智子専門委員
　　　　　 ＜参考人＞
           上田座長　
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 水田保険局長　麦谷医療課長　榮畑総務課長　今別府保険課長　
           石原調査課長　二川経済課長　他
(4)議題　　○　類似薬選定のための薬剤分類について
　　　　　 ○　第１５回医療経済実態調査について
　　　　　 ○　手術に係る施設基準についての今後の検討の進め方について
　　　　　 ○　「自宅以外の多様な居住の場」における在宅医療の推進について
　　　　　 ○　臨床検査の保険適用について
　　　　　 ○　医療機器の保険適用について
　　　　　 ○　施設基準に適用するものとして承認がなされた高度先進医療について
           ○　健康保険法等の一部改正する法律の公布を受けて、直ちに中医協に
              おいて検討すべき事項について
(5)議事内容
○土田会長　ただいまより、第８８回中央社会保険医療協議会総会を開催いたしま
す。
　まず最初に、委員の選任について御報告申し上げます。６月１６日付で岡谷専門
委員が退任され、その後任として同日付で古橋美智子専門委員が発令されておりま
す。それから、６月２０日付で宗岡委員が退任されまして、その後任として同日付
で丸山誠委員が発令されております。
　なお、事務局より、今回発令されました委員の方々から、「自らが国家公務員で
あり、高い倫理を保って行動する旨の宣誓をいただいている」旨の報告を受けてお
ります。
　それでは、新任の丸山委員及び古橋専門委員より、一言御挨拶をお願いいたしま
す。
○丸山委員　ただいま御紹介賜りました丸山でございます。この名簿にございます
ように、日本経団連社会保障委員会医療改革部会長代理という、そういう立場で参
加させていただいております。ベテランの宗岡さんのように、とてもそうはいきま
せんので、よろしくお願いいたしたいと思います。
　実は、私、個人的なことを言いますと、お医者さんと看護師さんに足を向けて眠
れない立場の人間でございまして、私の５０代というのは、ほとんど１０年間は闘
病の歴史でございました。医療ミスもございまして、３度大きな手術をして、最後
には肝臓の転移を取り除いて、よく奇跡的に生き返ったなと言って、うちの健管セ
ンターのお医者さんにあきれ返られている者でございます。したがって、本当に、
お医者さん、看護師さんには、もう感謝感激なのです。
　一方、健康保険組合の理事長という立場をその後何年か経験いたしまして、理事
長の立場だと、これは医療費の問題が大変厳しく、しかもここ５～６年の間という
のは、日本の企業というのは大変な不況と構造改革の中でやってきた。会社の業績
は伸びない、従業員は賞与を削減する、そんな中で、何とか健康保険料を抑えて健
康保険組合を維持しようという、そういう経験も５～６年やってまいりました。
　今回こういう委員という立場に相なりまして、健康保険制度が持続的に健全に発
展していける、そういう立場で何とかお役に立てればと思っております。どうぞよ
ろしく御指導を賜りたいと思います。よろしくお願いします。
○古橋専門委員　それでは、御挨拶を申し上げます。このたび専門委員を拝命いた
しました古橋でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
　私は、現在、日本看護協会の副会長の立場にございますけれども、この会議にお
きましては、看護職として医療現場、一部介護の現場からさまざまに見えてまいり
ますことを十分に把握して、生意気を申すようですけれども、医療のサービスを受
ける側の視点を大事にしながら、問題をとらえ、考えていくように努めてまいりた
いと思っております。
　実際には、本日も先に開かれました小委員会でも出てまいりましたけれども、医
療保険と介護保険がさまざまに錯綜しております問題は、私ども例えば訪問看護で、
あるいは介護の施設で働きます立場からも、わかりにくいという部分もございます。
国民の皆様の側からすれば、さらにわかりにくいというようなこともあるように思
えてならないわけでございます。やはり適切な医療が提供されていくための診療報
酬と介護報酬や保険の仕組みについて、今後一層多様になります中で国民のわかり
やすさも視点において検討されることが必要ではないかというふうに思っておりま
す。
　どうぞよろしくお願い申し上げます。
○土田会長　どうもありがとうございました。どうぞお二人にはよろしくお願い申
し上げたいと思います。
　次に、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、青柳委員、飯塚委員、
針ケ谷専門委員及び白石専門委員が御欠席です。
　次に、小委員会及び部会の委員構成につきましてお諮りしたいと思います。
　資料、総－１－２をごらんください。丸山委員には、診療報酬基本問題小委員会、
調査実施小委員会、薬価専門部会及び保険医療材料専門部会に所属していただきた
いと思います。それから古橋専門委員には、診療報酬基本問題小委員会に所属して
いただきたいと思います。
　これにつきまして御意見等ございましたら、お伺いしたいと思いますが、こうい
うことでよろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　それでは、議事に入らせていただきます。
　まず、「類似薬効選定のための薬剤分類」について議題としたいと思います。類
似薬選定のための薬剤分類に関する委員会の上田座長に御出席をいただいておりま
す。最初に御説明をお願いいたします。
○上田座長　薬剤分類委員会の座長の上田でございます。私から、「類似薬選定の
ための薬剤分類（改訂第３版案）」につきまして御説明申し上げます。
　資料、総－２－１をごらんください。本委員会は、平成１１年１２月の中医協の
御了解に基づき設置されまして、効能・効果、薬理作用等に着目した既存薬の分類
作業を行い、その結果を類似薬選定のための薬剤分類として取りまとめました。こ
の分類表は、平成１３年１０月の中医協総会で御了解を得た後公表されまして、以
来、薬価算定作業における基本資料として用いられているものでございます。この
分類表につきましては、平成１３年３月時点で薬価収載をされていました薬剤を対
象として作成いたしましたが、その後、平成１５年４月までの２年間に薬価収載さ
れた７２成分の新薬の追加を行い、第２版として報告をし、さらに平成１５年６月
から平成１７年４月までに新たに薬価収載されました４５成分を分類表に追加する
ための検討を行ってきたところでございます。
　具体的には、まずその本委員会の下に設置されております作業委員会、分類班、
臨床班と２つございますが、そこにおきまして、一昨年、昨年と２回に分けて会合
を開催いたしまして、改訂案を作成・検討し、その内容につきまして、本委員会で
検討・確認を行いました。
　その後改訂の内容につきまして関係する製薬企業からも意見聴取を行い、ここに
「類似薬選定のための薬剤分類（改訂第３版案）」として取りまとめ、本日御報告
に至ったものでございます。
　資料の総－２－２をごらんください。少し厚い資料でございますが、表紙を１枚
おめくりいただきますと、今回の改訂で追加した新薬のリストがございます。それ
から、この資料の８ページをごらんいただきますと、催眠鎮静薬につきまして、新
たに薬価収載されました医薬品が網掛け部分として追加されております。以降、こ
の資料の網掛けをした部分が追加あるいは改訂した部分でございます。このほか、
今回の改訂では、この２年間に薬価基準から削除された医薬品を分類表から削除す
るなどの整備を行いました。
　最後に、本分類表は、薬価算定における基本資料として重要な役割を果たしてい
ると認識しており、今後も新薬の承認や薬理学の進歩等を踏まえ、適切なタイミン
グで見直しを行っていく必要があると考えております。
　以上で報告を終わります。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞお願いします。
　よろしいですか。それでは、特に御質問ないようですので、本件に係る審議はこ
れで終わりにしたいと思います。よろしいですか。
　どうもありがとうございます。
　上田座長におかれましては、どうもありがとうございました。
○上田座長　ありがとうございました。
　　　　　　　　　　　　　　　　〔上田座長退席〕
○土田会長　それでは、次の議題に移らせていただきます。「第１５回医療経済実
態調査」につきまして議題としたいと思います。
　本件につきましては、医療機関等調査と保険者調査につきまして、本日開催され
ました調査実施小委員会において調査結果が取りまとめられました。小委員会の委
員長である私の方から、最初に簡単に御報告を申し上げたいと思います。
　この調査は、医療機関、保険薬局における医業経営等の実態や医療保険の保険者
の財政状態の実態を明らかにしまして、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備
することを目的に実施したものでございます。医療機関等調査につきましては、平
成１７年６月の状況を、また保険者調査につきましては、平成１６年度の状況をそ
れぞれ調査いたしました。このたび調査に御協力いただきました医療機関、保険薬
局、保険者の皆様及び関係者各位の皆様に、この場をおかりしてお礼を申し上げた
いと思います。
　それでは、第１５回医療経済実態調査につきまして、先ほど開催されました調査
実施小委員会においてその審議を行った結果について御報告申し上げたいと思いま
す。
　なお、具体的な内容につきましては、後ほど事務局の方から報告をお願いしたい
と思います。
　まず、医療機関等調査につきまして御説明申し上げます。この医療機関等調査は、
昨年１１月、最終数値といたしまして、介護保険事業に係る収入のない医療機関の
集計、いわゆるＡ集計というものと、それから介護保険事業に係る収入のない医療
機関等及び介護保険事業に係る収入のある医療機関等の集計、いわゆるＣ集計でご
ざいますが、それの収支状況を中心に、速報として御報告を行ったところでござい
ます。それで、今日の本報告では、これらに速報で報告しなかった医療機関等にお
ける１年間の借入金や返済額の状況等の項目を加えまして取りまとめております。
　なお、参考といたしまして、「定点観測的手法を用いた調査の試行結果」、それ
から調査票の「回答時期に着目した収支状況」などについても取りまとめを行って
おります。
　次に、保険者調査につきまして御説明申し上げます。この保険者調査は、医療保
険制度の平成１６年度決算の状況、また１６年度末における健康保険組合と共済組
合が保有する土地及び直営保養所、保健会館の状況をそれぞれ取りまとめたもので
ございます。
　以上が調査結果の御報告でございますが、本報告の結果を踏まえまして、次回の
医療経済実態調査の検討・設計を行っていくことになりますので、次につなげる観
点もあわせてごらんいただければありがたいと存じます。
　それでは次に、その内容につきまして事務局の方から御報告をお願いいたします。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　保険医療企画調査室長でございます。
　中医協総－３－１から５までがこの医療経済実態調査の結果でございますけれど
も、３－１を中心に、簡単に御説明申し上げたいと思います。
　この調査につきましては、速報を１１月２日に行っておりますが、それに先立ち
まして、昨年の３月１６日の調査実施小委員会の際に、速報の時期については最大
限１月前倒しをするということで、１１月２日に報告ができたものでございます。
そしてその際あわせまして、本報告については１８年６月末までを目標に報告する
こととし、速報で報告しない項目を中心にまとめ、次々回以降の、その時点での
次々回なのですけれども、以降の診療報酬改定の審議に供することとする、こうい
うふうにされたものでございまして、今回御報告を申し上げるものでございます。
　できるだけ先ほどとの重複を避けるような形で進めたいと思いますが、１ページ
のところはごらんいただきたいと思います。今回は、これまで医療機関等からの回
答率などが少し下がってきたものにつきまして、ホームページを活用したり、ある
いはその関係団体からの働きかけをしていただいた結果もございまして、有効回答
率としては、少し高くなっているところでございます。
　６ページのところをごらんいただきますと、病院及び一般診療所についてはＡ集
計を中心に、それから介護収入の少ない保険薬局と歯科診療所についてはＣ集計の
みの調査というふうにしてございます。
　そのあとは、１１月２日に報告させていただいたものと大体似ているといいます
か、同一のものでございまして、今回は確定値を使って１１月２日の時点から報告
させていただいておりますので、重複を避ける観点で申し上げますと、先ほど調査
小委でもございましたいろいろな分析をしてみなさいという話がございまして、こ
の概況の中でも、３２ページのところを見ますと、一般病院の病床規模別の収支と
いったようなものが出てございます。
　そうしまして、あと厚い方の総－３－２の方になりますけれども、１００床当た
りの収支額というものを設置主体別に区別した収支なども盛り込んでいるというこ
とを御報告させていただきたいと思います。そこの部分は今回の本報告で初めて明
らかにしているものでございます。
　そうしまして、あとこの今の概況の６６ページのところをおあけいただきますと、
今回追加いたしました集計といたしまして、療養病床を有する病院の収支状況等に
つきまして、療養病床６割以上の一般病院、それから療養病床を有する一般病院、
そして療養病床を有しない病院の集計をそれぞれしているところでございます。
　そしてまた、９０ページのところには、借入金の状況といったものを今回整理を
させていただいてございまして、そこで、借入金の残高、それから当期の借入金そ
れから当期の返済額、支払利息等につきまして整理させていただいております。
　なお、これらを含めました医療機関の資産・負債といったようなもの、あるいは
設備投資金額がどれぐらいあるのかといったようなことにつきましては、本報告の
方に載せてございますので、後でごらんいただければというふうに存じますし、ま
た、先ほどの調査小委員会の中で、次回の改定に向けてのまたいろいろな分析的な
ことをすべきだというようなことがございましたので、御指示に従いまして整理を
して、また議論に、御審議に供したいというふうに考えておるところでございます。
　それから、中医協の総－３－３のところには、今回試行的に「定点観測的手法」、
それから「回答時期に着目した収支状況」といったようなものをまとめてございま
して、一部速報時点で御報告申し上げたところもございますが、今回「定点」ある
いは７月、８月、９月といった「回答時期に着目した収支状況」というのも整理さ
せていただいているところでございます。
　以上でございます。
○事務局（真鍋数理企画官）　数理企画官でございます。
　引き続きまして、中医協総－３－４で、保険者調査について御説明申し上げます。
　１ページお開きいただきますと、今回４，３５９の保険者からの調査でございま
すけれども、組合の合併・解散、それから市町村の合併に伴いまして、前回より７
８５保険者が減った結果でございます。
　３ページをお開きいただきますと、１６年度の決算状況が出てございます。前回
は速報ということで、市町村からの報告等、精査をちょっとする時間がなく御報告
申し上げておりましたけれども、今回は確定値ということで、そういう意味で、国
保につきまして数値が若干変わっております。市町村国保につきましては、収支差
が５０億円ほど大きくなりまして、組合につきましては、プラス５億円ということ
で御報告申し上げていたのが、今回マイナス１５億円という結果になってございま
す。ただ、全体といたしましては、１４年改正の効果がございまして、かなり収支
差は改善しておりますし、特に被用者保険につきましては、大幅に改善していると
いったような状況でございます。そういう状況につきましては変更がございません。
　４ページ以降につきましては、若干いろいろ適用状況につきまして、つけ加えて
ございますけれども、１５年度改正で総報酬制が導入されましたことから、健保組
合につきましても標準賞与額といったようなことをとれるようになったわけでござ
いますが、健保組合につきましては、３．１月分ぐらいの賞与が出ているというこ
とでございます。政管につきましては１．６月分ということでございますので、そ
こはかなり格差があるということでございます。総報酬ベースになりますと、ボー
ナスからも保険料が取れるということで、賦課ベースが広がるわけでございますけ
れども、そこの対応は健保組合によって、ほとんど下げなかったり、あるいはかな
り下げたりということでございますが、平均的に見ますと、賦課ベースが広がった
ほどには保険料を下げなかったというようなことでございます。
　それから、５ページの表４でございますけれども、これは法定給付費に要する保
険料率の分布を見たものでございますが、総報酬制が導入されましたことから、か
なり分布が、保険料率の低い方にシフトしているといったようなことと、ばらつき
がかなり小さくなっているといったようなことが見てとれるわけでございますが、
やはり賦課ベースが総報酬になった以上に所要保険料率は低下しておりまして、そ
れは１４年改正の被用者保険の本人、それから家族、入院の３割負担といった、そ
ういう改正の影響が出ているということでございます。
　６ページにつきましては、共済組合の状況でございますが、やはりボーナスで保
険料が取れるようになったほどは保険料を下げないでいるというようなことも見て
とれるわけでございます。
　７ページ、８ページは、国民健康保険の状況でございますが、国民健康保険につ
きましては、市町村合併で保険者は６９３減ってございますけれども、世帯数・被
保険者数については相当増えているという状況でございます。
　それから、９ページ以降は土地に関する調査結果でございますが、これは前回速
報で御報告申し上げたのと同じ結果でございます。
　それから、次の中医協総－３－５の方につきましては、報告本体でございますが、
これはそれ以外のいろいろなクロス分析をやっておりますけれども、後ほどまた御
高覧いただきたいと思います。
　以上でございます。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　それでは、ただいまの御説明につきまして御質問などございましたら、どうぞお
願いします。
○渡辺委員　１つ教えていただきたいのですが、今回初めて定点観測的手法が試行
的に行われましたが、これについて何か評価をされておりますでしょうか、お伺い
したいと思いますので、お願いいたします。
○事務局（堀江保険医療企画調査室長）　病院のところだけ速報のときにはしてお
りまして、サンプル数も、もちろんこういったものでございますので、推移として、
例えば医療法人の病院であれば、収支差がむしろ厳しめになっているなとかいうあ
たりの議論はいたしましたが、特にこれで、この医療経済実態調査、当時の調査小
委の場でも、無作為抽出を中心にしてということでございましたので、この定点観
測をもって中心的に分析しようというふうにはなっておりません。
　歯科診療所のところを見ていただきますと、１０ページのところに出てございま
すけれども、個人歯科診療所と法人とで合わせまして５８のものがなってございま
すけれども、こちらで申し上げますと、比較的似たと言ってはあれなのですけれど
も、全体と比べれば似たような状況、すなわち収入を下げつつ、支出の方をより抑
制して、よって収支差額の部分については前回よりもよかったというような傾向は、
歯科診療所も全体の部分と一緒かというふうに見ています。
○土田会長　ほかにございますか。
　よろしいですか。それでは、ほかに御質問などないようでしたら、「第１５回医
療経済実態調査」の結果につきまして、調査実施小委員会の報告のとおり中医協と
して承認をするということにしたいと思います。
　よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　次の議題に移らせていただきます。「手術に係る施設基準についての今後の検討
の進め方」につきまして議題としたいと思います。
　本件につきましては、診療報酬基本問題小委員会におきまして検討が進められて
まいりました。その結果について事務局より資料が提出されております。説明をお
願いします。

○事務局（麦谷医療課長）　資料は総－４でございます。タイトルは、「手術に係
る施設基準についての今後の検討の進め方」ということで、前々回の基本問題小委
で御議論いただいた内容でございます。簡単に御説明申し上げますと、まず、手術
の成績と、それから手術の症例数、こういったものに相関があるかどうかというこ
とを検証しようということで、そのための分科会を診療報酬調査専門組織につくっ
てはどうかということで御議論をいただきました。実際の検討事項は、そのような
手術の症例数と成績だけではなくて、患者さんにどのように手術の情報を開示する
かという情報開示の視点、それからさらに、こういったことを進めるに当たって、
逐次あるいは適宜、診療報酬基本問題小委へ報告するというようなことをお決めい
ただいております。
　実際の調査の仕方につきましては２ページを開いていただきまして、研究計画は、
基本的に前向きの調査とすると。最初からプロトコルを決めておきまして、患者さ
んの重症度、年齢、性別あるいは手術そのもの、あるいは合併症等をあわせて、あ
わせてというのはそろえて、同じ土台で比較ができるように前向きの調査をすると
いうことは決まっております。
　それから、医療機関の手術件数のみならず医師固有の件数や、周術期死亡率など
を勘案しながら調査を行うということでございまして、対象の手術につきましては、
ここで数は出ておりませんが、あまり大幅に広げても調査は時間がかかりますし、
前向きの詳細な調査ですので、手術数は限るにしても、ある一定程度以上数を集め
るべきだという結論になっております。
　それで、時期でございますが、３ページをごらんください。今日もし総会で御了
解をいただけますと、来月直ちにこの分科会を発足させます。調査をできるだけ早
く始めるという観点からは、直ちにそのプロトコルをつくるということで、夏ごろ
からもう始めたいと思っております。１年ぐらいかかると思いますので、途中で一
度中間報告をするというようなスケジュールで今考えております。
　ちなみに、分科会のメンバーでございますが、４ページにありますとおり、各界
の先生方、医師ということに偏らず、広くお願いをする予定でございますが、何し
ろ手術でございますので、各科、分野は、例えば整形外科とか心臓外科とか、それ
はおのおの入っております。
　以上です。
○土田会長　ありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御意見、御質問などございましたら、どうぞ。
○邉見委員　ちょっと意見を２つほど述べさせていただきます。１つは地方の医師
の代表的な意見、もう１つは外科医としての意見、２つに分けて述べさせていただ
きたいと思います。
　１つは、まず、数が大事というのはある程度わかるのですけれども、数というこ
と、前の手術の施設基準というのは、数をあまりにも言ったわけですね。例えば島
根県のように、７０万人しかおらないところと、東京のように２，０００万人おる
ところ、同じような数でやるのでなくて、私はパーセンテージ、例えばこの手術に
ついてはその医療圏で何％を占めている上位２つを選ぶとか、その方が本当は合理
的ではないかと。
　それから、石井委員が前回言いましたように、疾病特性というものがありますね、
脳の病気とか心臓血管疾患のように、もう１時間以内が勝負と。どんなうまい先生
がおるところへでも、行っている間に死んでしまうということと、がんのようなも
のは違うと思うのです。だから、そのような疾病特性を考えたこともやはりやらな
くてはいけないと思います。
　それから、例えば兵庫県の北の方の医療圏では、東京都と同じ面積でありながら
２０万人しか人はおりません。豊岡を中心とした但馬地区ですが、人口密度は１０
０分の１です。こういうふうなところを同じように扱うのかどうか。手術になれば
江戸へ行けとか、浪速へ行けとか言う、江戸の末期とか明治初期と同じようになっ
ていいのかということです。これは交通の発達がありますから、ある程度はいいの
かもわかりませんけれども、例えば冬になれば、飛行機も飛びませんし、汽車はし
ょっちゅう遅れますので、そういうふうな、１億２，５００万人の国民がほとんど
が都市に住んでいるということではないと思います。半分近く、４割ぐらいはそう
いう田舎におるわけですから、そういう人たちのことも考えなければいけない。そ
うすると、数ということを、あまり集約化、効率化ばかり考えるのはよろしくない
のではないかという点が１点です。
　それからもう１つは、外科離れということが非常に進んでおります。私は母校で
今、医局講座制廃止ということで、医局が人事にタッチしないということで、我々
の地方病院も非常に困りまして、ＮＰＯ、中間法人の理事長を仰せつかっていろい
ろやっていますが、今年、母校の３つの外科教室に入ったのは３名です。結局１人
来なくて２名になりました。今までは２０～３０人も入っていたわけですけれども、
この手術の施設基準も少し影響があると思います。これからはやはり被訴訟率が多
い産科、小児科、麻酔科などと並んで、手間、暇、リスクのかかる割に診療報酬も
低いし、手術はほとんど原価割れと聞いていますし、それからもう１つは、一人前
になるのが非常に遅い、麻酔科医あるいはナースを必要とするチーム医療で１人で
はできない、ビル診療所も開業できないとか、いろいろなことがありまして、そう
いうところへ一番初めに輪っかの様なものをいれるとか、根っこをつけるのは、何
かもっとほかの病気を先にすべきでは、手術が一番結果が出やすいということでこ
れがついたのかと思いますけれども、ちょっと腑に落ちない、もっと評価すべき病
気が先にあったのではなかろうかというふうに私は思います。
　それから、田舎の人は、「江戸の横綱よりもおらがふんどし担ぎ」と、言葉は悪
いですけれども、ここで手術してほしいと言う人もいっぱいおるわけです。だから、
そのふんどし担ぎの人が一生懸命横綱になろうと思って頑張って技術を磨いている
というのを、これはスポイルというか邪魔するのではないかというふうな感じがし
ます。
　例えば奈良県の南の方の病院、私はペーペーのときに行きました。そこの部長は
こう言いました。「邉見君、ここは手術が少ないから、手術の前にシャドーオペレ
ーションをしなさい。一生懸命勉強しなさい」、「手術中に一生懸命精根込めて手
術しなさい」、「手術が終わって手術記録を書くときにもう一回手術しなさい」、
こういうふうに３回、１つの手術で私はやったつもりです。そういうところの病院
が、例えば東京の大きながんセンターのようなところの研修医よりも悪い、１００
分の７０しか手術報酬がもらえないのであれば、これは私は非常に問題だと思いま
す。個人につけるべきであって、施設につけるのは間違いだろうというふうに思い
ます。
　それから、手術は命にかかわることですから、例えは悪いかもわかりませんけれ
ども、ゴルフに月１０回行く人が５回行く人より必ずうまいかというふうな問題に
もなるかとは思います。手術の統計とか手術の調査ほど難しいものはありません。
外科学会でも、出てきたら、必ずこれはどこかにうそがありはしないかと、我々は
そういうふうに発表を聞いております。だから、保険者側の方々の言うのも、国民
の方々の気持ちもわかりますけれども、あまり拙速にならずに、ちゃんとしたデー
タを出して、我々も「ああ、そうか」というふうな委員会にしてほしいなという注
文です。
　委員のメンバーを見ていますと、やはり田舎の中小病院は委員に選ばれません。
例えば我々が一生懸命お願いしても、「私が行ったらその日手術ができないので
す」と。そうすると、地方でも、５人、１０人おる大きな県立中央病院クラスの人
しか委員には選ばれないのですね。本当の地方の小病院の方々、本当の困っている
ところからは出ませんので、これは非常に難しいことかもわかりません。
　以上、そのような意見を代表して述べさせていただきました。よろしくお願いい
たします。
○土田会長　どうもありがとうございました。
○勝村委員　ただいまの邉見委員の御発言の趣旨は、幾つか本当に理解できるとこ
ろなのですが、一定バランス感覚が必要で、都会にいっぱい医療機関があるところ
に同じような手術をする医療機関が乱立しているのも、やはり質の向上につながら
ない。かといって、あまりに地域の人が遠くまで行かないと必要な手術ができない
というのももちろん問題であるということで、一定、質も上がり、あまりにも不便
なことにもならないという落ちつき先というものを、本当に適切にきちんと整理し
てほしいという思いがあります。
　それともう１点、質の向上ということを考えたときに、邉見委員をはじめ、現場
のお医者さんたちは、本当に手術をする医師や、外科とか産科とか小児科とかが、
なり手が少ないということで困っておられるのだろうというふう思うわけですけれ
ども、その原因が、事故が多いから避けられているのだという言い方だけにしてし
まうのはよくないと思います。本当は、質は非常に高いのだけれども、それでも産
科や小児科や外科というのは、時々事故が起こるものだと、そのことが訴訟につな
がるために若い医者に避けられているのだというふうな誤解になると思うのです。
ところが、皆さんも本当に訴訟になっている事例を見ていただいたら、よく精査し
ていただいたらわかるのですけれども、普通のお医者さんが見れば、「何なんだ、
これは」と驚くようなとんでもない質の低い医療、外科でも産科でも、そういうよ
うなものがやはり訴訟になっているのです。僕はいろいろな医療裁判とかを僕は見
てきた立場からいうと、やはり訴訟になっているようなあまりにも・・な医療は避
けなければいけない。質の向上が必要なのです。実は、あまりにもいい加減な医療
が訴えられているのであって、一生懸命やっても結果が悪かったら訴えられるのだ
というふうな誤解を若いお医者さんたちに与えるような発言というのは、僕として
はできれば控えてほしい。本当にそんな裁判というのはほとんどないのではないか。
これはあまりにひどいというような事例が外科でも幾つもあったのではないか。意
外とこういうところに来られているような良識的なお医者さんは、そういうことを
あまり御存じないと思うのです。そんなひどい外科手術をしているところがあるの
か、そんな医師がいるのか、信じられないというようなことが一部で起こっている
ので、僕としてはやはりその点は至急になくしていただきたい。そのための一定の
質の向上のための施設基準というのは、この外科をはじめとしていろいろな科で、
やはり質の確保、担保はしていってほしいというふうに思っています。
　そういう意味で、ちょっと事務局に質問なのですけれども、別紙に委員の案が出
ていますけれども、この専門家の中に、実際外科では最近こんな事故が起こってい
る、こういう訴訟が起こっている、こういう判決が出ているということを知らない
人もおられるのではないか。つまり、実際に起こっている事故を知らない人たちで
質の向上ということはなかなか難しいのではないかと思うのです。本当に質を向上
したい、底上げというのを僕はしてほしいのですけれども、そのためには、どうい
う施設基準が必要なのかという観点でぜひ議論していただきたいということをお願
いしたいのです。そういう意味で考えられている委員の方というのはおられるので
しょうか。
○事務局（麦谷医療課長）　特に特定の委員の方々にこのようなことということで
割り振っておりませんが、例えば今邉見先生が御指摘の島根県立中央病院長、こう
いう人口の少ないところの病院長が入っておりますし、また、大所高所から、例え
ば事故とか学問的なことを取り上げていただくのに、例えば東北大学の公衆衛生の
教授、あるいは国立保健医療科学院の政策科学部長といった、実際に手術と直接関
係ない医療の方々にも入っていただいておりますし、もちろんデータをまとめると
いう意味では、医療情報経済学の教授とか、それから生物統計学の先生とかに入っ
ていただいております。また、医療事故のこと、あるいは法律的なことが必要であ
れば、その都度、この分科会はもちろん公開しておりますので、そのような専門家
というのでしょうか、その分野の詳しい方を呼んで分科会として公開の場でヒアリ
ングするということも十分可能ですので、いかようにも対処できるというふうに理
解しております。
○大島専門委員　この問題は、私は思うには、医療事故の問題が公表されるように
なって、その実態がいろいろな形でもって表に出てきた。その結果、勝村委員が言
われたように、信じられないようなことが起こっているというようなことも間違い
なく事実としてあったと思うし、実際にあると思うのです。それで、国全体として
も非常に大きな問題になって、患者本位の医療、あるいは安全と質というのは医療
の根幹であるというようなことをベースにした医療改革を徹底的に推し進めようと
いう流れが今できつつはあるのですが、そういう大きな流れの中で、ちょっと誤解
のないように御理解いただきたいのですけれども、現場というのか、現場の患者さ
ん側全体の要求度がどんどん強くなってエスカレートしている明らかに感じます。
それで、非常に極端な言い方になるかもわかりませんけれども、医療事故というの
はあってはならないというのは、これは当たり前の話ですが、あってはならないと
いうことが、当然であると、医療というのは１００％保証されて当然であるという
ようなところまでエスカレートしてしまっているような、実際にはそんなことはな
いのでしょうけれども、そういったような非常に極端なところまで話が行くような
雰囲気があります。
　その結果一体どういうことが起こっているかというと、非常にリスクの高い部門
を引き受けるような医療、医者ですね、医療部門が非常に腰が引けています。腰が
引けていて、邉見委員のお話にもあったように、実際に、リスクが高いというのは
外科系、外科系の中でもいろいろなリスクの高いところはあるのですけれども、そ
ういったところの志望者がどんどん減っているというようなことが起こってきて、
実際の医療の現場では医療を行っている提供側の感覚と、医療を受ける側、患者さ
ん側の感覚との間に非常に大きなずれが広がりつつあるというのが今の状況ではな
いかなというふうに思われるのです。
　これは決していいことではないので、勝村委員の言われることも間違いない、確
かにそのとおりで、そうあらなければいけないということは非常によくわかること
です。そして邉見委員の言われることも、現実問題としてそういうことが実際に起
こっていることは理解できます。何が言いたいかというと、今手術ということを問
題にして医療現場の中に踏み込もうと思うと、これだけの問題が噴出してくる。ほ
かの切り口でも同じようなことが間違いなく起こってくると思うのです。従って白
か黒かで物事を決・・・・極端に走るようなやり方というのはやっていただきたく
ないということです。実態はきちんと調査していただかなければいけないし、それ
から、医療の安全と質というのはきちんと守ってもらわなければいけないのは当然
のことですけれども、極端から極端に走るような回答を出すと、その結果として不
利益をこうむるのは国民の側、患者の側にすべて行ってしまうということだけは十
分に御理解した上で調査を進めていただきたいということをお願いしたいと思いま
す。
○勝村委員　僕は邉見委員や大島委員の意見を非常によく理解できているつもりな
のですけれども、１点整理しておきたいと僕は思うのは、患者の要求ということに
関しては、皆さんの方がよく対応されていてわかっておられるかもしれませんけれ
ども、裁判をしている人、裁判になっている事例に関して言えば、本当にあまりに
質が低いか、隠し事をしているとか、健全な事故報告がされていないというような
納得できないことが放置されているから裁判がされているのであって、訴訟という
問題をみんな気にしているということであるならば、それはよほどひどいケースだ
けなのではないかということは僕は言えるのではないかと思っていますので、一生
懸命誠実にやっていても結果が悪かっただけで訴訟される可能性があるということ
を皆さんのような方が若いお医者さんに伝えるような表現は僕は事実ではないと思
っていますから、その点だけはお願いしたいということです。
　本当にお二人がおっしゃるように、僕もバランス感覚が非常に大事だと思ってい
ますので、数ばかりに固執したことがやはり一たん失敗したのだと思っております
から、だけど、こういうことをきちんとしていただきたい目的は、一定の質の確保
であって、一定の施設基準を設けることによって底上げをしていくという安心感に
つながると思う。それで、すべてをそれだけで全部きちんととはいかないかも知れ
ないけれども、そういう目的としては非常に大事なので、事務局にもお願いしたい
こと、繰り返しになりますけれども、一定そういう事故防止、底上げということを
特に意識をして施設基準の議論をしていただきたいというふうに思います。
○丸山委員　今日は初出席ですので、発言しないでお聞きするだけにしておこうと
思ったのですが、自分の経験も踏まえて一言申し上げたいと思うのです。田舎であ
ろうと都会であろうと、手術を受ける患者の立場から言うと、質が一定の医療をし
ていただくというのは、これはもう当然の患者の願いであるわけです。そのために
手術のいろいろな施設を集約し、効率化し、有効性を図る。確かにちゃんとした病
院で手術を受けることの方が安全で確実だということは一般的に言えると思うので
すが、私は、施設の能力とお医者さん個人の能力のマトリックスで見るべきだとい
うふうに思うのです。
　私自信にも医療ミスがあったと言いましたが、そのために私は１月半ばかり、２
度目の手術で入院しました。その場所は大変立派な大学病院であります。大学病院
というのは、全員が立派なお医者さんだとは限らない。それで、私は大変感謝して
いるとさっき言いましたのは、最後の手術もその病院でやりました。ミスをしたお
医者さんは私に謝りに来たから、「いいよいいよ、しっかり頼むぞ」とは言いまし
た。だけど、大きな立派な施設だからいい医者がいるとは限らない。小さな施設に
いい医者がいないとは限らない。だから、施設のレベルとお医者さんの能力のマト
リックスで見ることが大事。これはもう既に何度か議論されているようですが、ど
んなお医者さんでも報酬が同じ点数というのは、私は甚だ経済合理性に合わない、
あるいは人間の能力向上開発に合わない制度だと思う。我々患者の立場だと、あの
先生はいい、この先生はだめだというのは、そんなものは何年か行っている間にわ
かってしまう。だったら、それをもう少し合理的に、医師本人のレベルアップを期
する意味で、初級・中級・上級とは言いませんが、お医者さんのレベルをやはりあ
る意味ではランクづけせざるを得ない。本件は結局はそこに行きつく。大きな施設、
立派な施設を持っているところでも、手術が効率的で安全で有効だとは限らない。
だから、結論は医師個人の能力まで行かないとこの問題は私は解決しないと思いま
す。
　だから、調査するときもそういう観点で、今邉見先生がおっしゃったように、施
設を責めるのではなく、それは個人の問題だとおっしゃるのは、そのとおり私も思
う。だけど、施設条件も重要ですから、マトリックスで見るべきだと思います。調
査というのはそういう観点で両面からしっかり調査してある一定の現実にあるデー
タ、現実に庶民が、患者があの病院のあの先生はいいとか、これはああだめだとか、
それは個人の名前で言うのではなくても、そういうものが浮き彫りになるような調
査をぜひやっていただきたい、こういうふうに思うのです。
○大島専門委員　言葉で話されますと全く反論がないことで、そのとおりだと思い
ます。そのとおりなのですけれども、私も泌尿器科で外科手術をずっとやってきた
人間なものですからよくわかるのですが、例えば邉見先生が、これは邉見先生と打
ち合わせをしたわけではないから、どういうつもりなのかというのは同じような表
現で言えるのかどうかわかりませんが、今初級・中級・上級というふうに言われま
した。ＡランクからＥランクまで５段階に分けてもいいと思うのですが、要するに、
中級のレベルの外科医であれば、これも非常に大ざっぱで、分野によって多少違い
があると思いますけれども、全手術件数の９５％が問題なくいくだろうというよう
な形なのか、残りの５％に関しては、これはスーパーウルトラマンが間違いなく必
要です。とんでもない能力を持った外科医が必要だと思います。ところが、どこの
場所にいて、どの田舎におっても、都会であっても、最もいい外科医にきちんとし
た施設でやってもらいたいと思うのは当然でしょうと、こういうふうに言われると、
当然なのです。１００人の外科医がいて、１番から１００番まで順番をつけなさい
と言ったら、１番から１００番まで必ず順番がつくのです。１番にやってもらいた
い、せめて１０番以内にやってもらいたいというリクエストをどの患者さんでも持
つというのは当たり前だろうと言われたら、当たり前なんですね、これは。しかし、
実際には医療資源には限界があるし、能力にも限界があるし、その育った環境にも
限界がある。だけど、最低必要な安全と質だけは保証しようということについては、
これはやはり医療人としては当たり前だと思うのです。それではその基準をどこに
置くのかというようなことというのは非常に大変なことでして、これはなかなか口
では言えない部分があると思うのです。
　したがって、簡単に言ってしまえばそんな感じなのですが、医療側の人間の言う
ことがどこまでわかっていただけるのかというのが、いつも非常に限界を感じると
ころではあるのです。
○丸山委員　よくわかっています。だから、現実にそれをどうアプライするかとい
うのはまた別の問題です。これは調査ですから、一遍そこのところを調査して、そ
のもやもやっとしたところを、患者が思っている気持ちを一遍調査で見てもらいた
い。施設料が治療結果と全く相関関係がないのなら、もうこれは完全に医者個人の
問題ですよね。あるいは、たまに運が悪いということもあるかもしれません。だか
ら、そこのところは一遍調査してほしい。調査をしてどのように実行するかどうか
は、運用はまた別の問題、おっしゃるようにリソースに限界があるのだから。
○大島専門委員　それについて私も全く初めから同じことを言っているので、全然、
今の私の言っていることを御理解していただければ、非常に私は満足なので、調査
に意味がないとかなんとか、そんなことは一言も言っていません。調査はこういっ
たようなことを十分に考えた上でお進めいただきたいということを言っているわけ
です。
○松浦委員　ちょっとすみません。私は前回も申し上げたのですが、診療報酬にこ
れを反映さすということが前提で調査をやるのなら、相当多岐にわたった要素を加
えながらやってもらわないと、単純にやってやると、それこそ格差の問題が出てき
ますね、私はそう思います。
○土田会長　どうもありがとうございます。
　この調査につきましては、もちろんこれから行うわけですが、前回の施設基準の
経験もありますので、ここでの議論を十分踏まえながら調査を進めていただきたい
というふうに思っておりますので、医療課長の方には、今日ここであった議論をこ
の新しく立ち上げる分科会の方に必ず伝えていただきたい。それを踏まえながら調
査を進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
○事務局（麦谷医療課長）　はい、承知しました。
○土田会長　ほかにございますでしょうか。
　よろしいですか。それでは、診療報酬調査専門組織といたしまして、新たに「手
術に係る施設基準等調査分科会」というものを設置するということと、それから手
術成績に影響すると考えられる諸因子と手術の成績との関係に関する調査及び評価
をその分科会にお願いするということにつきまして、中医協として了承したいと存
じますが、よろしいでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。それでは、そのようにさせていただ
きたいと思います。
　それでは、次の議題に進ませていただきます。「「自宅以外の多様な居住の場」
における在宅医療の推進」について議題としたいと思います。
　本件につきましては、先ほど開催されました診療報酬基本問題小委員会において
議論が取りまとめられたところですが、その結果について事務局より最初に説明を
お願いいたします。
○事務局（麦谷医療課長）　中医協総－５－１という資料をごらんください。これ
は先ほど診療報酬基本問題小委で御議論されていた資料と全く同じでございますの
で、診－１－１という資料番号も同時につけてございます。
　この内容につきまして簡単に申し上げます。基本的には、早急に措置を講じなけ
ればいけないものと時間をかけて中長期的に検討していくものとに分かれておりま
して、基本問題小委におきましては、早急に措置を講ずるものについて今日御理解
を賜っております。それから、中長期的に検討していくものについては、今後のこ
とでございますので、これもこのままで提出をされております。
　早急に措置を講ずるものでございますが、７月１日よりこのように取り扱うこと
としてはどうかという内容が３つございまして、(1)でございますが、これは介護保
険の特定施設に入居している方に対して、医療保険における在宅時医学総合管理料
を、末期の悪性腫瘍の患者さんに限らず広く適用してはどうかという内容でござい
まして、平成１８年改定前には算定不可でございましたが、今回、見直しによって
末期の悪性腫瘍の患者さんだけに拡大いたしましたが、それをさらに拡大するとい
う内容でございます。
　それから(2)は、特定施設という介護保険の概念がさらに介護保険で広がりまして、
外部サービスを利用する特定施設も今回創設されましたので、そのような外部サー
ビス利用型の特定施設は自宅と同じであるというふうに考えて、医療保険の在宅時
医学総合管理料、在宅患者訪問診療料が算定できるようにしてはどうかという提案
でございます。
　それから(3)でございますが、２ページ。これは、医療保険では基本的に医療機関
同士の、例えば診療情報提供料等につきましては、同一の理事長あるいは同一の経
営者の場合、特別な関係があるということで算定できないようになっておりますが、
同じように１８年から、在宅時医学総合管理料、在宅末期医療総合診療料について
も特別な関係は算定できないとしておりましたが、これは、これと近い点数であり
ます寝たきり老人等につきましては、既に１８年以前も算定できていたということ
でございましたので、さらに在宅医療を推進するという観点から、ここは見直しを
中医協の小委に御提案いたしまして、診療所に関しましては、在宅療養支援診療所
をとっていただければ、そこに在宅の２つの点数が算定できるようにしてはどうか
ということ、それから病院については、有料老人ホームやケアハウスに療養病床を
転換したところがあって、それは、これを算定させてもいいのではないか、あるい
はもう１つ条件がありまして、在宅療養支援診療所並みに２４時間の対応をするの
であれば、それは特別な関係にあっても、みずから療養病床を転換したケアハウス
等にみずからの医療機関から行くのであれば、そのまま引き続き算定させてもいい
のではないかということで、小委では一応御理解をいただきました。
　以上です。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御質問、御意見などございましたら、どうぞお願い
します。
○小島委員　先ほど基本問題小委員会の方ではちょっと言い忘れたことがありまし
て、要望、意見を言いたいと思います。基本的には、この今回の審議されている内
容で了承したいと思いますけれども、そこで、基本問題小委員会の方でも石井委員
の方から乱用にならないような運用面をきちっとすべきだという御意見がありまし
たけれども、特に(3)のところを、療養病床の転換に伴う特別の関係にあるところに
ついて、これがまさに乱用にならないような運用の仕方ということで、例えば、レ
セプト請求にいわば特別の関係にある施設の入居者に対して診療報酬請求をすると
いうことが明示できるような何か工夫をぜひお願いをしたいと思うのです。
○事務局（麦谷医療課長）　レセプトに記入させることまでは実際今のところ考え
ておりませんが、指導、監査あるいは審査でそれはできるだけ徹底するようにした
いと思っております。
○竹嶋委員　医療側の私たちからしますと、私たちも実は、これは医師会の中でご
ざいますが、ピア・レヴューをやっております。というのは、御存じのように、保
険者の皆さん方がチェックなさる前に、会内でもピア・レヴューをやっております。
初期指導、それから１年たったらその中期指導とか。そういう中で、私も先ほど来
この案件について御意見を拝聴しながら、新しい一つの方向ですね、今までなかっ
た、相当重く、重いというか、真剣に受けとめております。
　それから、さっき言われた乱用ということでございますけれども、私たちのとこ
ろを信じてほしいと。それでより以上に、もちろん必要なところでの保険者の皆様
方あるいは行政官庁で厳しい指導をしていただいて結構でございますが、我々みず
からこれはきちっとやっていくということにさせていただきたいと、そう思います。
医療をやる側と患者さんと、そういうところはやはり本当にぎすぎすならないよう
に、今さっき来の勝村さんの御意見、これは本当に苦しい思いで聞いておりました
けれども、大部分の医師は本当にそれなりの努力を一生懸命やっている、これにつ
いてはここで明言しますが、きちっとやっていきたいと思います。
○古橋専門委員　先ほどの基本問題小委員会では、特に訪問診療とそれから在宅療
養支援診療所に特化された議論でございましたので、発言を控えておりましたけれ
ども、この場では、ぜひ発言したいことがあります。訪問診療に対で連なっている
ことに必ず訪問看護サービスがございます。今後、療養病床の再編等がいや応なく
進みます中では、自宅以外の居住の場にある方々の医療ニーズが急速に拡大してい
くだろうと思っております。現在特養での、看護配置数の実態は大変に少ないわけ
でございまして、責任ある看護職は、毎晩自宅で、寝ているそばに携帯を置いて必
ず１～２回は連絡があるというような状態が、至るところで起きております。今後
は特養を含めまして、グループホームとかケアハウス等々でも、悪性腫瘍以外の方
でも、いわゆるターミナルステージにある、あるいは重篤な状態が継続していると
いうような状況になられた方については、訪問看護も実施できるよう、今後この議
論をぜひとも広げてしていただきたいと思っております。
　大きな医療転換の中で、在宅医療を進めることを実効性あるものにするには、こ
うした訪問看護の実践も、有効に、実効的に広がっていくということが大事でござ
います。訪問サービスが不要に拡がることを懸念する議論も出ておりますけれども、
私は必要にこたえる迅速な体制が整えられていきませんと、在宅医療が願うように
進まないだろう。特に、自宅以外の多様な居住の場で暮らされます医療ニーズを抱
えたケアの必要な方が増えるわけでございますので、そうした点で、訪問看護の拡
大の検討を今後こうした検討の拡大をぜひお願いしておきたいと思っております。
○山本委員　(1)の短期的な問題、早急に取り組むべき問題につきまして私も賛成で
ありますが、今の御意見の中にもございましたように、中長期的に検討していくも
のとして、(4)、(5)、(6)と挙げられております。その中で、例えば(5)でいいますと、
要するに、ここに書いてあるような状況の中では、医薬品につきましても医療の中
で十分な機能をしているはずでありますので、今後の議論の中で、今すぐにではご
ざいませんが、中長期的に検討していく段階では、ぜひ薬というものにつきまして
も十分念頭に置いた議論を進めていただきたいと思います。特に「入所したままで
看護師等のみにより必要な医療を確保」できないというような記載がございますわ
けですから、その辺を含めましても、薬の部分に関して言えば薬剤師というものに
つきましても活用をぜひお考えいただきたいというふうに思います。
○土田会長　ただいま古橋専門委員及び山本委員の方から御発言がありましたが、
その中長期的な問題につきましては、もちろん改めてしっかり議論したいと思いま
すので、その際にまた御発言をお願いしたいと思います。
　ほかにございますでしょうか。
　よろしいですか。それでは、ほかに質問もないようでしたら、資料の(1)から(3)ま
ででございます。(4)以下ではございませんが、(1)から(3)までの措置をことしの７月
１日より施行することにつきまして、中医協として了承したいということでよろし
いでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　それでは、次の議題に進ませていただきます。「臨床検査の保険適用」について
議題としたいと思います。
　事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○事務局（福田企画官）　医療課企画官でございます。
　お手元の中医協資料、総－６をごらんいただきたいと思います。「臨床検査の保
険適用について」でございますけれども、まず、恐れ入りますけれども、最初にそ
の資料の３ページをごらんいただきたいと思います。保険適用上の区分というもの
が臨床検査につきましてもございまして、大きく３つに分かれてございます。Ｅ１
と申しますのが「既存」のものということで、測定項目や測定方法とも既存の品目
でございます。Ｅ２というのは、「新方法」と書いてございまして、測定方法が新
しいもの、Ｅ３といいますのは、同じく今度は「新項目」でございまして、測定す
る対象の項目が新しいもの、こういった形で整理をされておりまして、これに基づ
いて議論が進められるという形でございます。
　以上がバックグラウンドの情報でございまして、恐れ入りますが、お手元の資料
１ページ、最初の方にお戻りをいただければと思います。今回御説明申し上げてお
りますのは、今申し上げました中での区分のＥ３と申しまして、測定項目が新しい
ものということでございます。表のところに一括してお示ししてございますので、
御説明させていただきたいと思いますが、今回はこの測定項目のイヌリンというも
の、これが新しいということでございます。測定方法の酵素法というのは、これは
既にある一般的な測定方法ということでございます。
　この新しい測定項目でありますイヌリンを使いまして、何を目的とするのかとい
うのが「主な測定目的」のところに書いてございますけれども、これは血液中・尿
中のイヌリンを測定いたしまして、早い話が、腎不全を未然に防ぐためとか、腎不
全の適切な治療をするために、腎機能をきちっと把握をするというものでございま
す。従来、さまざまな腎機能の測定方法はあったのですけれども、このイヌリンと
いうのが極めて正確に測定ができるということでございまして、資料の２ページに
もちょっと書いてございますけれども、対象疾患といたしまして、糖尿病性腎症と
か、慢性糸球体腎炎、やはり高齢社会そして生活習慣病の関係で、糖尿病等により
ます腎機能の障害というのは非常に重要な課題でございますので、適切に腎機能を
正確に把握をして、適切に治療を行う、予防を行う、これは非常に重要ということ
で、そういった臨床的な意義が高いというものでございます。
　点数につきましては、そこのところで参考点数で、腎機能をやはり同じような形
で測定をしているものから準用いたしまして、点数１２０点、判断料につきまして
は、生化学の検査の判断料を準用いたしまして、１５５点ということでございます。
　説明の方は、以上でございます。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞ。
　よろしいですか。それでは、本件につきましては、中医協として承認するという
ことで異存ございませんでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございます。
　それでは、次の議題に進みます。「医療機器の保険適用」について議題としたい
と思います。
　区分Ａ２及びＢについて事務局から報告をお願いします。
○事務局（福田企画官）　お手元の資料、中医協総－７をごらんいただきたいと思
います。平成１８年６月１日から新たに保険適用となりました医療機器につきまし
て御説明を申し上げます。
　まず、医科についてでございますけれども、１ページでございますが、区分Ａ２、
これは特定の診療報酬項目におきまして包括的に評価をされている区分ということ
でございまして、今回は６月１日から新たに保険適用となりましたもの、こちらの
方に表でお示ししておりますとおり、１８件でございます。
　次に、資料の２ページにお移りいただきたいと思いますけれども、区分Ｂでござ
います。こちらは、材料価格として個別に特定保険材料の価格として評価をされて
いるというものでございまして、左端にその具体的な価格なども表としてお示しを
してございます。２ページから３ページの真ん中くらいまでお示しをしているとお
りでございまして、２３件でございます。
　次に、資料の４ページをごらんいただきたいと思いますけれども、歯科について
でございます。歯科につきましては、Ａ２につきましては今回該当ございませんで、
区分Ｂにつきましてこちらの方に表でお示しをいたしてございます。件数といたし
ましては、トータルで９件でございます。
　以上、医科、歯科合わせまして、合計５０件ということでございます。
　事務局からの説明は、以上でございます。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御質問などございますでしょうか。
　よろしいですか。それでは、次の議題に移らせていただきます。「施設基準に適
合するものとして承認がなされた高度先進医療」について議題としたいと思います。
　事務局より説明をお願いいたします。
○事務局（福田企画官）　お手元の資料、中医協総－８をごらんいただきたいと思
います。「施設基準に適合するものとして承認がなされた高度先進医療」というこ
とでございまして、平成１８年５月の承認分でございます。仕組みにつきましては、
恐れ入りますが、まず資料の６ページのところをごらんいただきたいと思いますけ
れども、これは高度先進医療につきましても、既に施設基準が設定されているもの
につきましては、医療機関から承認の申請があった場合には、下線が引いてあると
ころでございますけれども、「施設基準への適合性を審査した上で承認した旨を厚
生労働大臣は中央社会保険医療協議会に報告するものとする。」ということでござ
いまして、今回、このルールにのっとって承認されたものについて御報告をしてい
るというものでございます。
　恐れ入りますが、また１ページにお戻りをいただきまして、そのような形で、今
回５月承認分として承認なされたものがこちらにお示ししてございますとおり、５
つの医療機関から件数としては５件、そして高度先進医療技術の種類といたしまし
ては４種類ということでございます。それぞれの医療機関からの具体的な内容につ
きましては２ページに、そして施設基準につきましては３ページ、４ページにお示
しをしてございます。
　事務局からの報告は、以上でございます。
○土田会長　ありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御質問、御意見ございますでしょうか。
　よろしいですか。それでは、次の議題に移ってよろしいでしょうか。次は最後に
なりますが、「健康保険法等の一部を改正する法律の公布を受けて、直ちに中医協
において検討すべき事項」が出てまいりました。
　このことにつきまして、最初に事務局より資料が提出されておりますので、説明
をお願いいたします。
○事務局（麦谷医療課長）　中医協総－９という横向きの資料をごらんください。
衆参両院で法律案が可決されましたので、健康保険法等の一部を改正する法律の公
布、いろいろ盛りだくさんございますが、この中で中医協として早急に検討して結
論を出さなければいけない事項というのは、大きく２つございます。四角で囲って
おりますので、１ページ目の真ん中、（３）の真ん中に囲っております「療養病床
に入院する高齢者－－具体的には７０歳以上ですが－－の食費・居住費の負担を見
直」すということで、平成１８年１０月にこれは施行する予定ですので、早急に入
院時生活療養費の額の算定に関する基準等について、基本問題小委で整理の上、総
会において諮問・答申の手続をとることになりますので、議論を開始していただき
たいと思います。
　もう１つございまして、２ページ目、下の方に、「その他」でございますが、
「保険診療と保険外診療との併用について、将来的な保険導入のための評価を行う
かどうかの観点から再構成」するという課題が投げかけられておりまして、これも
平成１８年１０月施行でございますので、早急に取りかからなければいけないので
すが、具体的には、評価療養と選定療養の中身につきまして、類型の指定等につい
て基本問題小委で整理をしていただきまして、総会で諮問・答申の手続をしていた
だきます。
　それぞれの大まかな説明につきましては、参考資料として、療養病床の食事、そ
れからいわゆる「混合診療」問題の対応での評価療養・選定療養の考え方、これは
既に何回も説明しておりますので、これについてはそこに参考資料としてつけてご
ざいます。
　ですから、１８年１０月に向けて、ちょっと中医協は忙しくなるような感じがい
たしますが、早急にこの２点につきましては小委・総会で御議論をいただきたいと
思っております。
　以上です。
○土田会長　ありがとうございました。
　ただいま医療課長から説明がありましたように、この２つの課題、ちょっと重い
ですが、１０月１日から施行したいということですので、それまで議論を集中的に
行わなければいけないという状況になっております。
　これにつきまして御意見などございましたら、どうぞ。
○対馬委員　中医協としてもいろいろな課題を抱えているわけですが、その中でも
特に今回ここに医療制度改革関連の法案が通ったということで、１０月までにとい
うことはあるのですが、これ以外にも、例えば竹嶋委員と一緒に出させていただき
ましたけれども、先ほどのお話にありましたが、医療制度改革の附帯決議、２１項
目の中にも中医協のマターで、例えば後期高齢者医療の診療報酬体系については基
本的な考え方を１８年度中に取りまとめるということがあるわけです。それは中医
協で直接的に直ちにやるのか、それともほかの、方針にかかわるので、医療部会・
医療保険部会、こういったところも巻き込むのかどうか、そのあたりはちょっと私
もよくわかりかねるところもあるのですが、いずれにせよ、非常に大きな課題がこ
れまで抱えてきた課題に加えられるわけですので、全体的な工程表を、できれば２
年分と言いたいところですけれども、特に差し当たりここ１年間で一体何をやるの
だろうか、大体どのタイミングでどういった議論をするのだろうかと、そういう全
体感のスケジュールをお出しいただければ、それに基づいて、ここは抜けていると
か、ここはもう少し早くにやるべきであるとか、メリハリをつけるべきだといった
議論ができるのではないかというふうに思いますので、事務局の方にはできればこ
こ１年ぐらいの大きなスケジュール感覚、それがわかるような資料をお出しいただ
ければと思うのです。
○土田会長　大変重要な指摘だと思いますので、それは次回に出していただきたい
と思いますが、とりあえず今日お答えできる範囲内で。
○事務局（麦谷医療課長）　次回、１年というのはちゃんとできるかどうかわかり
ませんが、できるだけ長いタームでスケジュール表というのでしょうか、見通しの、
やらなければいけないもの、あるいはその締め切りがあるもの、今のは１０月です
が、それより先に、例えば附帯決議があった療養病床の検討等ですとか、それから
中医協みずからが今やると言っている手術の話、それから材料、それから薬の話も
ありますので、ちょっとそれを少し整理して次回にはお出ししたいと思います。
　それから、今の後期高齢者の話は、施行は２０年４月ですので、もう少し時間的
余裕があるかなと。もちろん考え方はもっと早く示せということですが、少し時間
があるので、これはもうちょっとゆっくりでもいいかなと私どもは思っております
ので、そういうことも含めてスケジュール表を用意したいと思います。
○土田会長　ただいま対馬委員から話がありました、例えば新しい老人にかかわる
診療報酬体系の基本的な考え方などはどこでやるかということもまだ決まっていな
いようですが、それも大体ある程度わかりましたら。
○事務局（榮畑総務課長）　これはまずやはりこれからの検討にはなりますけれど
も、基本的には点数という形では中医協ということになるのだろうと思っておりま
すけれども、ただ、基本的な方向性というのは、先般の中医協改革の中でも、基本
的な方向性は中医協でない別の場で示させていただいて、それを受けて中医協で点
数の論議に入るというのが、先般の中医協改革の流れだろうと思っております。そ
の流れに沿うような形で後期高齢者の診療報酬体系についても検討をお願いしたい
と、そういうふうなことを現段階で私どもとして考えてございます。
○土田会長　どうもありがとうございました。
○竹嶋委員　ちょうどよかったと思います。対馬委員が出してこられて。私も何回
かこの会議に出てきて、一回はそういう発言をしたことがあるのですが、中医協の
いわゆる役割、これのちょうど今の問題はいい問題だと思うのですけれども、私も
いただきましたこの「中央社会保険医療協議会について」というところで、根拠と
か所掌事務とありますね。そこに、「厚生労働大臣の諮問に応じて審議・答申する
ほか、自ら建議する」ことができるという項があるのです。ですから、今のような
診療報酬に係る問題、基本的なものは、どういう考えをベースにしておくというこ
とがなければ、本当の話、我々はぽんと出されたものを、さあ右から左に点数をど
うしようという、これはやはり少しでも戻さなければいと私は思います。中医協の
委員としてそう思いますので、そういう意味では、対馬委員が言われたこと、やは
りそこに踏み込んで我々としても議論することがあってもいいではないかと思いま
す。
　それから、今日先ほど出された、とはいいながらも、当面の１０月１日から実施
の２つの案件、これはもう時間がないです。小委員会をつくられてと、急いでやら
なければいけない、それは賛成でございます。
○土田会長　どうもありがとうございます。
　ほかに御意見ございますでしょうか。あるいは御質問ございますでしょうか。
　よろしいですか。それでは、この問題につきましては、基本問題小委員会の方で
改めて検討させていただくということにしたいと思います。
　これで、今日用意してありました議題はすべて終了いたしました。時間も、大分
急いだのですが、予定より１０分程度オーバーということで、許容範囲ではないか
と思います。どうもありがとうございました。
　次回につきまして予定がありましたら、お願いします。
○事務局（麦谷医療課長）　特にまだ決まっておりませんので、また御連絡申し上
げます。
○土田会長　それでは、本日の総会はこれで閉会といたします。どうもありがとう
ございました。

【照会先】
　厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
　代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）




1