06/06/08 薬事・食品衛生審議会医療材料部会 平成18年6月8日議事録 薬事・食品衛生審議会 医療材料部会 議事録 1.日時及び場所   平成18年6月8日(木) 14:00〜   厚生労働省専用第15会議室 2.出席委員(10名)    飯 田 寛 和、 飯 沼 雅 朗、 小 田   豊、 笠 貫   宏、    許   俊 鋭、 倉 根 一 郎、◎土 屋 利 江、 橋 本 久 邦、   ○長谷川 紘 司、 松 村 英 雄  (注) ◎部会長 ○部会長代理   欠席委員(8名)    菅 野   純、 北 村 惣一郎、 勝 呂   徹、 高久田 和 夫、    田 野 保 雄、 橋 本 信 夫、 牧 野 恒 久、 山 口 照 英  3.行政機関出席者   山 本 弘 史(医療機器審査管理室長)、   金 井 雅 利(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)、   木 下 勝 美(独立行政法人医薬品医療機器総合機構医療機器審査部長) 他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等を含む部分においては非公開で開催された。 ――― これより非公開 ――― ○医療機器審査管理室長 それでは定刻を多少過ぎておりますが、医療材料部会の開催 をお願い申し上げます。委員の先生方におかれましては御多忙中にもかかわらず御出席 をいただきありがとうございます。本日は当初の議題の予定を変更いたしまして、最初 にまず個別品目の御審議を頂きましてこちらは非公開とさせていただいたのちに公開の 部に移るようにいたします。  本日は医療材料部会の委員の18名のうち10名のちょうど過半数を賜っておりまして、 薬事・食品衛生審議会令第9条第3項に基づき定足数に達していることをまず御報告を 申し上げます。  本日は非公開案件後、引き続き、医療機器の認証基準、承認基準、JIS規格に関す る報告事項という公開の部分がございます。こちらの方につきましては平成13年1月 23日の薬事・食品衛生審議会決議に基づき、傍聴の方を入れて会議を公開させていただ きます。審議に先立ちまして、日本医師会常任理事の田島知行委員が退任されまして、 その後任として、日本医師会常任理事の飯沼雅朗委員が就任されましたことを御報告を 申し上げます。飯沼先生。 ○飯沼委員 飯沼です。よろしくお願いいたします。 ○医療機器審査管理室長 また、部会の事務局を担当させていただいております、私ど もの医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室につきまして、室長補佐の束野が異動い たしまして、後任に広瀬が参っておりますので御紹介を申し上げます。 ○事務局 広瀬と申します。どうもよろしくお願いいたします。 ○医療機器審査管理室長 あと、当省におきましては6月1日から夏季の省エネルギー 対策の一環といたしまして軽装の励行期間となっておりまして、そのため事務局職員の うち特に厚生労働省の職員がネクタイをしていない姿になっておりますが、その点につ きましては御了承いただければと思います。  なお、各委員の先生におかれましてもこの夏季の6月1日〜9月30日の期間におきま してはその旨の御了解の上、軽装していただければと思います。よろしくお願い申し上 げます。では、部会長の土屋先生以後の審議をよろしくお願いいたします。 ○土屋部会長 それでは審議に入ります。最初に、事務局より資料の確認をお願いしま す。 ○事務局 それでは配付資料を確認させていただきます。まず、公開案件といたしまし て、資料1-1、認証基準(案)というものがございます。次に資料2-1が承認基準(案)、 資料3-1として医療機器関係のJIS一覧というものがございます。資料3-2として 今年度制定・改正予定のJIS一覧、参考資料といたしまして参考資料1-1、除染・滅 菌用洗浄器認証基準について、参考資料1-2が医療機器の認証基準に関する基本的考え についてというもの、参考資料1-3が認証基準において引用する日本工業規格(案)で、 参考資料2-1が汎用冷凍手術用ユニット承認基準について、参考資料2-2が医療機器 の承認基準に関する基本的考え方についてでございます。また、非公開案件であります、 今回先に御審議頂くものでございますが、資料4-1としては医療機器クックゼニスAA Aエンドバスキュラーグラフトのもので厚い資料でございます。資料4-2といたしまし て青いもののクックゼニスAAAエンドバスキュラーグラフトの審査報告というもの で、5-1といたしまして、部会報告品目についてというものでございます。  それから本日参考で当日配付資料とさせていただきましたものが、腹部大動脈瘤ステ ントグラフト実施基準についてで3枚に閉じたものでございます。特に資料番号等はふ らせていただいておりませんが、こちらは本日審議予定となっております、腹部大動脈 瘤ステントグラフト実施基準ということで関連学会の方からおまとめ頂いたものござい ます。  それから、一点だけ差し替えがございまして、4-1の添付文書の部分の差し替えを卓 上に配布させていただいております。この4-2、5-1、参考配布資料と添付文書の差 しかえにつきましては本日配付させていただいている資料になります。お手元に資料が 足りない委員がいらっしゃいましたら事務局にお申し出頂きますようお願いいたしま す。 ○土屋部会長 よろしいでしょうか。それでは審議品目議題1の新医療機器審議に入り ます。なお、本審議品目に関しては関与委員がいないことを御報告いたします。それで は審議品目の概要について事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 本日、御審議頂きます、新医療機器は1品目でございます。医療機器クックゼ ニスAAAエンドバスキュラーグラフトの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の 要否、輸入承認の可否及び再審査期間の指定について御審議お願いいたします。申請者は 株式会社メディコスヒラタでございます。  本品目は腎動脈下の腹部大動脈から腸骨動脈の間に発生した腹部大動脈瘤の瘤内部へ の血流を遮断することにより動脈瘤の拡大、破裂を阻止することを目的として使用する ステントグラフトでございます。詳細な審査の概要及び委員の皆様から事前に頂きまし たコメントの説明につきましては実際に審査を行いました、独立行政法人医薬品医療機 器総合機構の方から御説明をさせていただきます。よろしくお願いします。 ○機構 そうしましたら、医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます、資料番号 4-2を御覧ください。本品の審査におきましては医薬品医療機器審査センター及び医薬 品医療機器総合機構による審査にわたり御覧の専門委員の御意見を頂きました。本申請 品目の外観写真をお示しいたします。本品は腹部大動脈瘤への血流遮断を目的として使 用する人工血管部分とそれを血管壁に押し広げる役割のステント部分から基本骨格がで きております。また、図の下に示しますのはステントグラフトを経皮的に病変部に挿入 留置するために使用するデリバリーシステムでございます。本品は腎動脈下の腹部大動 脈から腸骨動脈に発生した腹部大動脈瘤の瘤内部への血流を遮断することにより動脈瘤 の拡大、破裂の阻止を目的として留置されるステントグラフトと留置に使用するデリバ リーシステムから構成される品目でございます。  次に開発の経緯を示します。今回、本機器の適用になります、腹部大動脈瘤につきま しては従来は外科的な開腹手術により大動脈瘤を人工血管に置換するという人工血管置 換術が行われております。しかし、患者の基礎疾患や状態によっては外科的な開腹手術 による人工血管置換術が行えない場合が少なからず存在いたします。そのような患者に 対しまして本機器は開腹手術を行わずに大動脈瘤への血流を遮断し動脈瘤の拡大、破裂 を阻止することができますので、非常に有用であると考えられております。  また、現在はこのような症例に対し、日本でもステントグラフト内挿術が行われてい るのですが、その際に使用されるステントグラフトがいずれも企業製造のものではなく 医師が自作して対応しているという現状がございます。このような背景のもとで企業製 造のステントグラフトの導入が待ち望まれ本品が開発されてきたという経緯がございま す。海外における使用状況を示します。1998年CEマーク、2003年にFDAで承認を受 けてから2006年3月までに米国を中心に4万個を超える販売実績がございます。なお、 2003年にFDAで承認を受けてから2005年12月までにFDAに報告された本品の手技 に関する不具合についてこちらに記載したとおりでございます。  本機器に係る物理的、化学的試験として米国FDAのガイダンスを中心にこちらに示 す試験が行われました。促進腐食試験、MRI試験を除いていずれも問題がないとする 成績が提出されております。促進腐食試験においてバーブの取りつけ等に使用されてい る半田に腐食の証拠が観察されました。この腐食が臨床試験でみられた、これは後述し ますが、不具合に関与しているのではないかと考えましたがこちらに示した理由から、 腐食によるリスクは本品のベネフィットが上回ることがないと判断いたしました。ただ し、スズ半田の腐食についてもしくはさらには、バーブの離断については添付文書にお いて注意喚起することといたしました。  次に、MRI試験に関してですが、本機器は設定した値を超える磁場相互作用をうけ ることが確かめられましたことから、本品を留置した後のMRI撮影を原則禁忌とする とともに現時点で得られているMRI適合性及び安全性についての情報を添付文書に掲 載し情報提供を行うことといたしました。本品には御覧のとおりの規格試験が設定され ており、すべての試験に適合することを確認し了承しております。本品の安定性はこちら にお示します、実時間を保存検定を用いた長期保存試験が行われこれらの成績から滅菌 後の有効期間を3年とすることを了承いたしました。生物学的安全性試験についてはI SO10993に準じこちらにお示しする項目について実施され、ステントグラフト部の血 液適合性試験を除いて問題がないとする成績が提出されております。ステントグラフト 部の血液凝固性試験において陽性値が認めらたことにつきまして申請者に見解を求めま したところ陽性値とは言ってもわずかな活性レベルであること、それで合否基準からし ますと合格となるレベルであること、さらに□□を用いた□□月の留置試験において血 栓形成による閉塞が見られないこと、また米国試験の血液検査において特に問題がなか ったことから臨床使用上の問題となる程度でないと回答しております。総合機構は申請 者の見解を専門協議の議論を踏まえ妥当と判断し了承いたしました。  また、補体系試験について陽性値が認められたことについて申請者に考察を求めまし た。人工血管については漏血防止、器質化治療促進の測点の観点から補体を活性化する 素材が従来から使用されてきたこと又本品に使用されているポリエステルグラフトにつ きましても他社で使用されている人工血管と同じ製造元で製造され既に使用されている 実績のある人工血管であり、その人工血管と補体活性を含む生態的様子の比較試験をし たところ補体活性値が同等であることを確認していますことから、本品に使用されてい るポリエステルグラフトの補体活性は既存の人工血管と同程度であり、本品のベネフィ ットを上回るリスクを許されると判断し、総合機構はこれを了承いたしました。性能試 験としまして、ステントグラフトで留置時の有効性、安全性を評価する急性期評価試験、 留置□□□□□か月後の血管造影、剖検を行い、ステントグラフトの開存性、血栓の有 無などを評価しました、慢性期評価試験及びin vitroでの性能試験としてこちらに示す 試験が行われ、いずれにおいても問題がないとする成績が提出されております。  次に臨床試験でございます。本品の臨床使用上の有効性、安全性を担保するため本機器 を使用した標準リスク群、200例、標準リスク群とランダバイズされた患者群に外科的 治療を施した外科手術群80例及び外科的治療の高リスクとなるような患者をエンロー ルした高リスク群100例、各施設が手技を受ける最初の被験者が組み込まれるロールイ ン群の52例の4群、計432例についてこちらにお示しする患者を対象に臨床試験が行わ れました。この臨床試験におきましては、安全性の評価として有害事象及び合併症発生 率関連因子において標準リスク群と外科治療群を比較し、標準リスク群において外科治 療群より有害事象発生率が少ないことを検証すること、有効性については技術的成功、 手技的成功、治療的成功及び12か月後の動脈瘤破裂がない生存率を評価項目として、標 準リスク群と外科手術群で同等であることを検証し、その目的として臨床試験が実施さ れております。  こちらのスライドは臨床試験成績を示したものでございます。安全性の評価項目であ る術後30日の有害事象発生率が標準リスク群で20%、外科治療群で46.3%であり、先 の安全性評価で示しました、標準リスク群と外科手術群を比較し、標準リスク群により 外科手術より有害事象発生率が少ないことという目標が検証されました。また、有効性 評価項目につきましてはいずれも外科群と同等の成績であり、こちらも先の有効性評価 項目の過程を満たす結果が得られております。  したがいまして、総合機構は本臨床試験の目的である2つの仮説を証明することがで きましたことから、米国における本品の腹部大動脈瘤の治療における有効性、安全性が 確認できたとする申請者の見解を専門協議の議論を踏まえ了承いたしました。本品の日 本人における臨床使用上の有効性、安全性を担保するため対象患者としましてこちらに お示します患者を対象に4施設、97症例の臨床試験が行われました。主要評価項目は有 効性については1年後の評価でエンドリーク残存、デバイスの移動、破損の有無、血管 の開存、動脈瘤の縮小の有無、安全性評価項目についてはエンドリーク、本機器の閉塞、 移動、破損に関連する合併症、不具合の有無について評価しております。  しかし、本臨床試験では安全性情報の調査が不十分であったことから申請後に再度安 全性情報の収集を依頼し、その情報を基に安全性に係る参考資料とし、評価することと いたしました。留置1年後にフォローアップされた93例中術後1年でI型のエンドリー クを一例に認めるものの91例については動脈瘤の拡大もなく、ステントグラフトの閉 塞、移動、破損、動脈瘤の破裂が発生した症例はございませんでした。臨床試験終了後 に再収集した有害事象の情報によりますと、発熱以外の有害事象の発生率は90%と高い 数字でございましたが、米国治験と指標を揃えて整理した有害事象発生率は27%であり まして、この数値は米国臨床試験の血管内治療群成績に近く、外科治療群の成績よりも 低いものでした。これらの成績から国内においても本品は安全に使用できるものだと考 えております。  次に総合評価です。前のスライドでお示しましたようにバーブの離断が起こる可能性 は否定することは難しいと言えますが、現在まで得られている情報を踏まえ専門委員と の協議において議論した結果バーブの離断によるリスクは臨床上の有用性を上回るもの ではないと考えております。しかし、バーブの離断が臨床試験において観察されている ことから今後も重点的に観察する必要があること及び重篤な有害事象につながることの ないようバーブの離断を誘引するような行為について添付文書において注意喚起するこ とといたしました。本品の性能を十分に生かし、より安全に使用するためには十分な教 育訓練を受けた医師によって使用されることが大変重要であると考えましたことから、 十分な知識、経験を有する医師に使用されるよう適切に管理されることが必要と考え、 後述する承認条件を付すことといたしました。  また、本品の留置に伴い動脈瘤が損傷した場合、速やかに人工血管置換術を行う必要 がありますことから、腹部大動脈瘤に対する緊急の人工血管置換術ができる体制が整っ た医療機関で本品が使用されるよう必要な措置を講じることという承認条件を付すこと が妥当と考えました。本品は十分な画像診断の知識を持った医師によって解剖学的適応 を判断し使用されることが必要であること考えられますことから、適応できる解剖学的 な条件を本品の使用目的に付し、本品の使用が適切な患者に適応を限定することが必要 と判断いたしました。本品は有効な治療手段であると考えられますが、長期間追跡した 十分な臨床成績が得られていませんことなどを勘案しますと、本品の適応を判断するに 際し、従来行われていた外科的手術よりも本品を使用することが本当に患者にとって望 ましいかどうかを判断することが求められると考えております。  したがいまして、添付文書において本品の使用を検討する際には院内の腹部大動脈瘤 の外科的治療及び内科的・薬物治療を施行するスタッフとともに患者のリスク認証を十 分に評価し、他の治療方法の選択を含め総合的に判断するという旨を記載しより慎重な 適応判断を求めることといたしました。以上の審査を踏まえまして、総合機構は承認条 件としてこちらにお示しする2つの承認条件を課すことが妥当と考えております。  また、本品を用いた治療が適した病態のみ使用されることが本品の安全使用において 重要であると考えましたことから、使用目的に解剖学的適応を付記した上でこちらにお 示します、使用目的で承認することが妥当であると総合機構は判断いたしました。本品 は新性能医療用具でありますことから、再審査期間は3年が適当であると考えます。  なお生物由来製品又は特定生物由来製品の該当性につきましては非該当と考えており ます。御審議のほどよろしくお願いいたします。さらに、事前にコメントを頂いており まして、東京女子医科大学の笠貫先生から頂きましたコメントを御紹介させていただき ます。「本品が新性能医療用具であり、日本での臨床試験は4施設、97症例に過ぎず、 かつ本品に直接関連する有害事象の多くは手技に関連するものである。したがって、承 認後の安全な普及をどのように図るかは極めて重大な問題である。したがって、再審査 期間の3年間は全ての症例の登録を義務付けることが不可欠と考えられる。そしてその 結果を分析し、安全な普及システムを確立していくことが必要である」というコメント を頂いております。それにつきまして総合機構は安全な普及については本品により大変 重要な問題と認識しております。したがいまして、市販後調査では承認後400症例に達 するまで全症例を登録して調査をすることとしております。また、市販後調査には年次 報告が課せられておりますので1年次報告、2年次報告の内容をリアルタイムに市販後 の安全対策に反映させることによってより安全な普及システムにつなげていきたいと考 えております。以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○事務局 続きまして、今説明がありました、市販後調査の試験計画につきましては本 日の資料4-1の最後のところにメーカー側から計画書が案として示されておりますの でそちらも御参照いただければと思います。腹部大動脈瘤ステントグラフトにつきまし ては有効性、安全性確保の観点から承認条件を付させていただいたところですが、関連 学会合同で実施基準を検討いただきまして本日参考配付ということで資料No.をふってお りませんが、「腹部大動脈瘤ステンドクラフト実施基準」という形で取りまとめていた だいております。今後、本品の安全性の確保を図るためには申請者に対する承認条件に 加えまして実施基準の遵守というのを促してまいりたいと考えおります。 ○土屋部会長 ありがとうございました。それでは本品は臨床の現場で待ち望まれてい た大動脈瘤ステントグラフトということでございまして、従来先生がみずから作ってお られたということもございますのでその辺りもよく考えていただきまして御意見等をい ろいろいただければと思います。よろしくお願いします。いかがでございますでしょう か。 今回は外部の専門家からなります、9学会の先生方から実施基準というものも出してい ただいております。承認後の不具合を発生しないようにするための学会からの実施基準 や承認の条件、並びに添付文書のあり方というものも提出されておりますので、市販後 のことにつきましても御意見等いただければと思います。 ○許委員 私は埼玉医大の許でございますけれども、ブルーのところにも私の名前も載 せていただいていろいろこの件については検討させていただきました。これはまさに今 の世界の流れから言いますと日本が遅れているという状況で腹部動脈瘤に関しまして3 年前にステントグラフト治療の手技料は保険にのったわけです。私どもも手技料をいた だきながらみずから手作りで一生懸命していたというので待ちに待ったというものでご ざいます。  ただ、この間やはり私どもの教室のデータにおきましても、あるいはゼニスのデータ の資料4-1の11ページの表2を御覧に頂いたら分かりますけれども、確かに早期死亡 あるいは後期死亡は非常に低く、この辺はステントグラフトは非常にいい点でございま す。ただ、一番下の段の二次的なインターベンションという項目がございまして、これは 外科手術とは比べものにならないくらい頻度が高く、最初は合っていても、1年、2年、 3年経つうちに動脈瘤の方が大きくなってしまうという症例もございます。 ○医療機器審査管理室長 今、先生がおっしゃっているのは審査報告書の11ページで …。 ○許委員 資料4-1の11ページの表2です。ブルーの方には詳しいデータが記載され ていないものですから。 ○医療機器審査管理室長 最初に付いております、ひもで閉じてある厚い資料で審査報 告書と書いてございますが、その11ページのところについて今許先生から御紹介を賜っ ております。 ○許委員 表2でございます。早期死亡、後期死亡、標準リスク群、外科手術群、高リス ク群、ロールイン群と、これは本当にこのデバイスが安全に行えるということなのでご ざいますけれども、最大的問題点は二次的なインターベンションの率が全然違っていま す。やはり1年、2年、3年におきまして動脈瘤が大きくなり外科的にしなくてはいけ ない症例やもう一回ステントグラフトを入れなくてはならないというふうなことがござ います。こういうことがあるものですから、先ほど笠貫先生がおっしゃいました400例を ロールインして、そのあと市販後調査をするということが非常に大事であります。やは りそうしないと10%程度の二次的なインターベンションの群というのがあとで問題に なってきます。  そういうことから言いますと、これが私どもの外科サイドが従来フォローアップして いたような形でしっかりすることが大事でございます。通常私どもの施設や世の中の施 設を見ていますとこれまで放射線科医あるいは内科の先生方は動脈瘤をほとんど診断し てそのまま外科に送られてこられたものですから、術後のフォローアップということを 実際に行ってきたのは血管外科医であります。こういう流れのなかで実施する際の承認 条件はこれで非常にいい条件を作っていただいたのでいいのでございますが、術後のフ ォローアップにおきましも、これまで特に長期のフォローアップの経験は内科医や放射 線科医にはございません。やはり血管外科医が定期的にフォローアップするということ をしていかないと二次的なインターベンションあるいは外科医の外科手術の変更という ところで10%以上の人が脱落する可能性がありまして、ここのところだけはもう少し承 認条件にフォローアップのことも入れていただいたらどうかというのが一点でございま す。  それからもう一点は先生方がよく御存じのとおり、アメリカでも施設認定あるいはガ イドラインがございます。腹部大動脈瘤に関しましてステントグラフト治療のガイドラ インが1990年の中頃にできたと思いますけれども、しっかりとしたガイドラインがござ います。ただ、今日アメリカでは腹部から胸部にステントグラフト治療が移っておりまし て、昨年くらいの資料でも30%、40%近い胸部大動脈瘤症例がステントグラフトで治療 されております。確かにアメリカでは初期に腹部大動脈瘤のステントグラフト治療のガ イドラインを作ったわけでございますが、そのままになっており私の知る限りでは胸部 大動脈瘤に関しては施設基準がないように思います。ただ、腹部のまま同じような技術 を持ってするのでそのままずるずるといっているということでございます。今回最初の 厚生労働省の学会に対する御指示では大動脈瘤のステントグラフト治療に関する実施基 準ということで、私どもは心臓血管外科あるいは心臓外科学会等はお腹も胸もないのだ と大動脈というのは胸からお腹まで全部続いているわけでその真ん中をステントグラフ トで治療することもございますし、まもなく胸部のステントグラフトがゴアテックス社 それからクック社も出てまいります。  そういうことで今回腹部大動脈瘤と限られたステントグラフトの施設基準をお作りな ったことがその胸部の方をどうするかという議論をアメリカと同様にずるずるとなし崩 し的に胸部もいってしまえという形になっていくことが危惧されます。今回私はむしろ 手技上、我々は腹部も胸部も共通でしておるわけですから、胸部も含めた実施基準とい うことで大動脈瘤ステントグラフト治療実施基準あるいは施設基準というものを作った 方がよろしいかと思います。ただ9学会の方で議論なさって腹部でいくということなの でこの際胸部が出てきたときは胸部もアメリカのようにそのままいかずにしっかりした 基準を作るべきであるということを付帯の意見として申し上げさせていただきます。以 上です。 ○土屋部会長 ありがとうございます。それでは将来、胸部大動脈瘤ステントグラフトが 出てきました時には、それにつきましてはきちんとしたものを改めて検討していただく と、それから承認条件のところでフォローアップいわゆる血管外科医のフォローアップ 体制がもう少し承認条件の中に盛り込まれないかということですが、いかがでしょうか。 ○機構 まず、外科医のフォローアップについてでございますけれども、非常に大事な ことだと私たちも考えておりまして、これまで適切に治療をされてこられた血管外科医 の先生方が大動脈瘤を評価されてこられ、フォローアップについてもよく御存じでいら っしゃるということですから、まず基本的にはチームにおいてしていただきたいと。循 環器内科の先生がすることをとめるものではないのですけれども、それで循環器内科の 先生が手技をされたとしてもそのあとのフォローアップについては血管外科を含めてた チームにおいてフォローしていただきたいということを私たちもずっと強く申し上げて いきたいと考えておりまして、それにつきましては添付文書に警告の中でまず先ほど少 し御紹介させていただきましたが、院内の腹部大動脈瘤の外科的治療及び薬物治療を施 行するスタッフとともに総合的判断をして、まず外科手術が安全にできるという患者さ んだけに使ってくださいということで、今先生の御意見をいただきましてそういったと ころのフォローアップについてもまず盛り込んでいきたいというふうに思いまして、そ こにまず一つ入れていきたいと思います。  それからもう一点市販後調査において400例の連続調査が始まりますので、そのなか でフォローアップをきちんとすることを明記させまして、それから実態調査を行ってい くとそれを参考にさせていただきながらできたら今後の対策はまた御相談いただきなが らしていきたいとしていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。 ○許委員 恐らく今まで何十年にわたって外科医が大動脈瘤を99%みてきた、確かに放 射線の先生は画像診断をしますけれども、長期の経過でどういうふうに形が変わってい くかというのが余りお分かりなっていないものですから。我々は外科医の眼によるフォ ローアップというのが非常に大事であろうと思います。この治療が10年くらい経ちまし て普及した段階では内科の先生方あるいは放射線科の先生方の眼も非常に訓練されるで しょうから、当初今おっしゃった400例というものに関しては従来治療してきた血管外 科医が例えば報告書にサインをするとか、そういう形で今まで何十年にもわたってこの 疾患の治療にあたってきた外科医が評価するような形でみていった方がよろしかろうと いうことで今の御意見は非常に賛成でございます。 ○土屋部会長 どうもありがとうございました。笠貫先生、お願いします。 ○笠貫委員 先ほど許先生からお話がありましたように、この新しい治療法は日本では 非常に待たれていた機器ではあると思うのですが、その施行者が非常に限られていまし て、日本ではほとんどが心臓血管外科医が治療していました。それで内科医がどこで手 術の適用にするかということを判断をしていたと思います。ステント治療という血管内 治療の導入も遅れたこともそこに原因の一つがあるかもしれません。ごく一部の施設で 行われて、それが外科医だけではなくて放射線科医、場合によっては血管内科治療を専 門にする内科の医師がしていたということからこれをどういうふうに普及するかについ ては先ほど御報告がありました。10学会にその施設基準あるいは施行医の基準を作って いただいたということは非常に画期的なことだと思いますし、大変すばらしいことだと いうふうに思います。  そういう意味で10学会でまとめられたことを是非実施していただきたいと思います。 施行するということと、どのようにしてそれをフォローするか、それも外科医、放射線 科医、内科医の3者のチーム医療でのフォローアップが必要で大事であるという御指摘 があったのですが、もう一つその前に適用を決めることが非常に難しいだろうと私は思 っております。大動脈瘤は腹部エコーとそれから腹部CTの普及によってどんどん発見 率が増えてきているのです。腹部大動脈瘤が5cmにするのか、腸骨動脈では4cmにする か、1年間の拡大率でどれくらいで決めるのか、あるいは形はどうなのか、大動脈瘤を 見つかったらみんなステント治療をするあるいは手術をするということにはなりませ ん。破裂を予測するという方法が今確実なものがないのです。そうすると適用を決める ところで内科医が非常に大事な役割を果たしてくるので、適用を決めるときには必ず、 今まで手術に回すか、回さないということで外来でフォローしていた循環器内科の専門 医とのチームワークということから、警告のなかで「内科的治療を施行するスタッフと ともに」と書いてあるのだと思いますし、薬物療法も非常に大事ではないかと思います。    そこでまだ破裂を予測するという方法が確立されたものがない限りはやはり適用を決 めるときにもチーム医療ということを強調していただきたいと思います。この治療は適 用の決めるところ、それから実施するところ、フォローアップするところ、いずれもこ のチーム医療が必要だということを是非強調していただけたらと思います。以上でござ います。 ○土屋部会長 どうもありがとうございました。この添付文書の警告欄にはチームで治 療ないし、適用それからフォローアップで警告の中でフォローアップという文書が欠け ているということでしょうか。   ○事務局 一応、フォローアップのところにつきましては特にチームという点では書い ていないのかもしれませんけれども。右欄の一番下のところに差し替えでお配りした資 料がございますかと思いますが、本品の留置後エンドリークを含むグラフト周囲の血流、 瘤の拡大エンドバスキュラーグラフトの構造及び位置の変化など定期的に確認すること ということできちんと留置した後の状況を観察しなさいということは警告文書の中には 記載はございます。 ○土屋部会長 そうしますと、実際3年間に400例の全部の患者さんのフォローアップ スタディを行われますので、その中で先ほど言われましたようにそれぞれの先生方のサ イン等をいろいろ入れて実際行われているということが進むような形でしていただけれ ばというふうに思います。 ○機構 先ほどチームということを笠貫先生、許先生もおっしゃっていたと思うのです けれども、やはりフォローアップについてもチームという部分は大事だと私どもも考え ておりますので、部会長がおっしゃられましたように、市販後調査の中にはそういった 内容を含め具体的に管理ができるような仕組みをまず構築するとともに添付文書の中に はフォローアップについてもチームでしっかりと判断できるようにしなさいと、それか ら適用についてもチームで判断できるような体制をとりなさいということを両方とも盛 り込んでいくことが大事だと思います。そういうふうにして添付文書については改訂を 考えます。そういった方向でよろしいでしょうか。 ○土屋部会長 先生、いかがでございますでしょうか。 ○倉根委員 門外漢からの質問なのですが、生物学的安全性試験のところで補体を活性 化するということなのですが、これはin vitroで見るということなのでしょうか。それ ともこれを留置した場合には常にその生体内で補体の活性化が微量ではあるけれども、 常に起こっていることなのでしょうか。資料4−2でいきますと生物学的安全試験の7 〜8と書いてあります、性能の一つ前です。 ○土屋部会長 よろしいでしょうか。私もそれを最初に問題にしたのですけれども、一 つにはほかの先生も挙げられたかもしれませんが、実際はポリエステルというのは市販 されて使用しております。これまでの状況からin vivoでは余り問題がないと、それか らそういったリスクに対してメリットがあるということで今回は了承ということになっ たわけです。もちろん補体活性ももっと低く、血液凝固系も非常にノンエフェクトがい いわけですがそれを徹底して安全性をしてますといつまでも承認されないということが ございます。他の生物学的試験でも言い出せばいくらでもあるのですけれども、やはりこ の緊急性ということで、今回はこのメリットに対してそれほど大きなリスクではないと いうことでパスということにいたしました。 ○倉根委員 そうするとそれなりの生体の反応が起こっていることはあるだろうけれど も、恐らくこれまでの治験からするとそれが患者さんにおいて病的な状態を引き起こす ものとは判断されないというような…。 ○土屋部会長 そうですね。 ○機構 確かに補体活性試験自身はin vitroの試験ですので強い陽性in vitroのみで ございます。ただ、米国等ではきちんと臨床検査値等ではどこまで分かるかというところ がもちろんありますけれども、そのところでは大きな異常は認めてなかったということ です。それからかなり多く使われているものと全く同じ人工血管だったということで今 有しているポリエステルグラフトを全体と持ってリスクを上回ることはないということ から了承をしても構わないのではないかと判断させていただきました。 ○土屋委員 いかがでございますでしょうか、笠貫先生。 ○笠貫委員 ステントはこれから2つの方向で普及していくと思います。一つは添付資 料の概要の313ページでお分かりになるように大動脈瘤というのは非常に高齢者が多 く、動脈硬化がベースにありますので脳、心臓、腎臓などにハイリスク疾患を抱えてい るために手術ができないか、手術のリスクが高い人にステントがより使われるだろうと いうことです。もう一つは手術まで侵襲度は高くないところからどんどん適用を広める ということだろうと思います。この2つの面から適用のところできちんと縛りをつけた いということです。  それから先ほどの多少の問題があったとしても臨床な現場としては手作りでするとい う状況は一刻も早くなくしたいという願いがございます。先ほどの3年間の見直しとい うことは妥当だと思うのですけれども、全症例は400例までだというお話がございまし た。それを年次報告でリアルタイムでフィードバックさせることもすばらしく一つの仕 組みができあがっていくだろうと思いますが、これでもし400例で不具合が出てきた場 合にはこの400例をもっと延期するとか、もう一度施設基準を見直すとかの対応は考え ていらっしゃるのでしょうか。 ○土屋部会長 いかがでしょうか。 ○機構 やはり、もちろん危ない情報が出たときには市販後の安全部、安全対策課と連 携してさらに厳しいアラートを出す必要があるかどうか若しくは施設基準などに対して も適切に情報を反映していき、議論をしていかなくてはいけないだろうと考えておりま す。  また、先ほど低リスクの患者さんに対する適用につきましても現時点では有効性・安 全性に関してもこちらの方が優れているというデータが出ていない現状ですから、そう いったところについても引き続きガイドラインの整備等を含めて継続的にそういうこと を議論をしていかなければならないと考えております。 ○土屋部会長 いかがでございますでしょうか。よろしいでしょうか。笠貫先生、今の 御意見でよろしいでしょうか。 ○笠貫委員 結構でございます。ありがとうございます。 ○土屋部会長 先生、どうぞ。 ○橋本(久)委員 細かいところですが、添付文書(案)で有害事象が幾つか出ております が、有害事象として出す場合には発性頻度というものを通常書くのではないでしょうか。 どうでしょうか。 ○土屋部会長 いかがでしょうか。添付文書には書かなくいいかどうかという…。 ○橋本(久)委員 発性頻度ですね。 ○機構 パーセンテージを書くという一般的なルールがございますのでそれを含め本質 の見直しをかけたいと思います。 ○土屋部会長 それではそろそろ時間がございますのでそこの見直しの点につきまして はあとで橋本先生に御連絡をさせていただきます。それからフォローアップについても きちんとチームでされるということ、実際には、リアルタイムで分析して将来の方針も どんどん考えていくということでございます。それではこの新医療機器につきまして承 認ということでよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。  それでは本部会としては御了承いただいたということで本品目を6月26日に開催さ れます、薬事分科会において報告いたします。以上です。続いて報告事項について事務 局より報告をお願いします。 ○事務局 資料5-1で平成18年2月1日〜平成18年4月30日に承認された品目のうち 本部会への報告対象となっている品目につきまして御報告させていただきます。全部で 18品目ございます。詳細につきましては審査を行わせていただきました、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の方から御説明をいただきます。 ○機構 それでは総合機構から御説明させていただきます。資料5-1を御覧ください。 まず、1品目めはマイクロプレックスコイルシステムでございます。本品は株式会社カ テックスより輸入承認申請をされたものでございます。本品の概要を簡単に申し上げま す。 本品は脳動脈瘤に留置することにより瘤内の血栓化を引き起こし、動脈瘤の拡大、 破裂を防止するために用いる脳動脈瘤用塞栓コイルとデリバリーシステムでございま す。本品の改良点はコイルの離脱に造影剤を用いる点でございます。  次はプロループ、株式会社ゲッツ ブラザーズより輸入承認申請がされたものでござ います。本品はヘルニアの修復に用いるポリプロピレン製のプラグ及びオンレイからな ります。プラグはモノフィラメントのポリプロピレンで編まれたシートを折り曲げて円 錐形にしたものであり、モノフィラメントのループが多数突起した形状、構造となって おります。これらの形状、構造について承認前例がないことから、改良医療機器をとし て審査されたのものでございます。簡単に説明をします。  3品目めはシンセシス、ソーリン・グループ・イタリアより外国性製造承認申請がさ れたものであります。本品は膜型人工肺でございますが、動脈フィルターを内蔵する承 認前例がないことから改良申請されたものでございます。  次にEDコイル、株式会社カネカより製造の一変承認申請がされたものでございます。 これも脳動脈用の塞栓コイルでございまして、内部線の追加、コイルの素線径変更、コ イルの寸法の変更を行った一変申請でございます。  スーパーフィクソーブ30、タキロン株式会社より製造の一変申請がされたものでござ いますが、これは再審査期間中における一部変更承認申請でございまして、形状及び使 用前例のある色素マーカー、包装材料の追加でございます。既承認の品目の残余期間を 再審査期間として付してございます。  テーパードスクリューベントMPー1、株式会社インプラテックスより輸入申請がさ れたものでございますが、これはチタン合金製歯科用インプラント材でございまして、 自社製品の既承認品と寸法、形状、構造は同一ですが新たにハイドルキシアパタイトコ ーティングをされていることが新しいところでございます。  マイクラス マイクロコイルデリバリーシステム、これは株式会社ゲッツ ブラザー ズより輸入承認申請されたものでございますが、これも脳動脈瘤の塞栓コイルでござい ます。こちらはコイル離脱に電気エネルギーを用いておりますが、既承認のGDCシス テムは電流による主軸の電気分解を利用しているのに対して本品は電気エネルギーによ る抵抗加熱を用い、離脱時間が短縮されているということが新しいところでございます。  次のその3を御覧ください。テクノグラフト、住友電工ファインポリマー株式会社よ り製造一変申請がされたものでございます。こちらはポリテトラフルオロエチレンの人 工血管でございます。人工血管の外側を補強するために補強糸の追加、両端がテーパー 状の製品の追加等を目的とした一変でございます。  次は、メニアクリ、株式会社メニコンより製造申請がされたものでございますが、マ ルチピースで折り畳み型の単焦点眼内レンズでございまして、グリスニングの低減を目 的として新規原材料を添加したことが新しいところでございます。  次は、アルコン アクリソフ ナチュラル シングルピース、日本アルコン株式会社 より輸入承認申請がされたものですが、こちらは光学部と支持部が一体タイプの折り畳 み型の単焦点眼内レンズでございます。こちらは自然な見え方をするためにアゾ系の黄 色色素を添加したことが新しいところでございます。  次が虹彩付ソフト、株式会社シードより一変製造申請がされたものでございますが、 こちらは終日装用のコンタクトレンズでございまして、使用されている色素をアゾ系の 赤色色素に変更したものでございます。  その4を御覧ください。シードAqua、株式会社シードより製造申請されたもので ございます。本品は終日装用及び最長一週間連続装用可能なハードコンタクトレンズで ございます。これはレンズの比重を軽くするために新規原材料を混合しているという点 が新しいところでございます。  次は、シーボンド、コーム ラボラトリーズ インコーポレイテッドより外国承認申 請がされたものでございますが、こちらはシートタイプの義歯床安定用糊材でございま す。こちらは既承認のものの不織布に光沢を少なくする目的で微量の酸化チタンが添加 されたところが新規性を有するところになっております。  次が、骨補填材 オスフェリオン60、オリンパスバイオマテリアル株式会社より製造 承認申請されたものです。こちらはβ-TCPからなるセラミックの骨補填材で気孔率を 下げて機械的強度高めた点が新規性があるというふうに判断されたところでございま す。  次は、パーフェクト フレッシュ、それから後ろのデプラークの2点は株式会社エス エヌディより製造承認申請されたものですが、これは併用して使うものでございまして、 歯磨カップ等を用いて歯面清掃を行っていないものを改良して圧搾空気の加圧力を利用 して歯面清掃する機械本体と歯科用の研磨剤でございます。  次のページにいきまして、カットファースト、株式会社カネカより製造承認申請され たものでございますが、こちらは経皮的冠動脈形成術におきまして通常のPTCAバル ーンカテーテルでは十分な拡張が得られない病変に対して使用するカッティングバルー ンでございます。このバルーンの表面にブレードの装着方法を改良したことが新規性の あるところでございます。  最後ですが、アパセラム-AX、ペンタックス株式会社より製造承認申請されたもので ございますが、水酸化カルシウムとリン酸からなる水酸アパタイトセラミック製の骨補 填剤でございますが、こちらも気孔率を高く設定したために改良医療用具として申請さ れたものでございます。以上でございます。 ○土屋部会長 どうもありがとうございました。コメントと御質問等をございますでし ょうか。 ○倉根委員 少し教えていただきたいのですが、輸入というのと外国製造とでは何が違 うのですか。 ○医療機器審査部長 これは薬事法上の手続だけでございまして、両方とも輸入である ことは間違いございません。外国の製造メーカーが直接承認申請をすることができると いう制度となっておりまして、それでもって外国の製造メーカーが申請されたのが外国 製造承認となっておりまして、国内の輸入メーカーが申請すると輸入承認になるだけで ございます。 ○土屋部会長 そのほかにございませんでしょうか。それでは小田先生。 ○小田委員 シーボンドというシートタイプの義歯床安定剤のところの説明に既承認品 では酸化チタンを含有していないのですが、光沢を少なくする目的で申請品に添加した というふうに書いてあります。最近、酸化チタンは抗菌性を出すなどいろいろなものに 添加していますが、光沢を少なくする目的でというふうな意味がよく理解できません。 そういう目的が本来、義歯安定剤に必要なのかなというところがありまして、本来そう いう目的で申請していて、言いたいところは実は抗菌性を書いて売り出しているのでは、 とそのあたりがどうなのかと思ったものですから。 ○土屋部会長 いかがでしょうか。 ○機構 機構より御説明申し上げます。審査の過程においては申請者より抗菌性につい ての配合目的というのは提示されておりませんで、あくまでも申請者側から提示された 配合理由について機構で検証いたしまして今回承認いたしております。もしかすると先 生がおっしゃるような配合目的があるかもしれませんが、そういうことについては実証 されていないということで審査の中身にも又適応にも入っておりません。 ○土屋部会長 それではそのほかございませんでしたら、以上でございます。事務局か ら連絡等の報告はございますか。 ○事務局 次回の医療機器体外診断薬部会と医療材料部会は合同で開催できる見込みで ございます。9月1日の2時から会場の方は未定となっております。お忙しいこととは 存じますが、御都合をつけていただきまして御出席いただけますようお願い申し上げま す。  なお、11月以降の医療機器体外診断薬部会と医療材料部会の開催につきましては現段 階では予定が立たない先生がいらっしゃると伺っておりますので、7月初旬に改めて日 程調整を行わせていただきたいと考えております。 ○医療機器審査管理室長 それでは以上で個別品目の非公開の部について審議を終了と いたし以後公開の案件等になりますので今、廊下でお待ちの一般傍聴者の方に入ってい ただきますので、このまま5分間ほどお待ち頂いて、引き続き公開の部に移りたいと思 いますのでよろしくお願いいたします。 ○土屋部会長 どうもありがとうございました。 ――― これより公開 ――― ○医療機器審査管理室長 それでは審議を再開いたしたいと思います。 まず、一般傍聴 者の皆様方におかれましては、事務局の都合で議題と時刻の変更がございまして御協力 を賜りましてありがとうございました。これから公開案件をいたしますけれども、本日 は医療材料部会の委員数18名のうち当初10名の御出席を賜っていましたが、実は笠貫 先生がやむを得ない事情で御退席をされました。これで9名ということになりまして、 薬事・食品衛生審議会令第9条第3項に基づき、現状では定足数に達しておらないとい う状況になってしまっております。  そういうことでここから先は審議事項ではなく、報告事項のみであるということを踏 まえまして、懇談会という形で事実上、資料につきましての御紹介及び御質疑、御確認 をいただきまして、後日先生方に配付資料等をお送りして御確認を頂くというようなこ とで進めさせていただきたいと思いますけれども、部会長、そのような進行をさせてい ただいてよろしゅうございましょうか。 ○土屋部会長 本日、通常通り御報告を頂きまして改めて御欠席及び早退の先生方に資 料の確認をしていただくということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。どう もありがとうございます。それではそのようにさせていただきたいと思います。 ○医療機器審査管理室長 ありがとうございます。では、急遽、懇談会という形でもって いたしますけれども、資料につきましては、部会資料として用意したものをそのまま使 わせていただきます。それでは、議事進行をよろしくお願い申し上げます。 ○土屋部会長 それではまず、議題に入ります前に資料の確認をお願いします。 ○事務局 先ほど、部会の前後が入れ替わりました関係で資料を一旦御紹介させていた だいたのですが、傍聴の方もいらっしゃいますので、もう一度資料の確認をさせていた だきます。資料1−1、認証基準(案)、資料2−1、承認基準(案)、資料3−1、医療 機器関係のJIS一覧、資料3−2、今年度制定改正予定のJIS一覧、参考資料1− 1、除染・滅菌用洗浄器認証基準(案)について、参考資料1−2、医療機器の認証基準 関する基本的考え方について、参考資料1−3、認証基準において引用する日本工業規 格(案)、これは委員のみの配付とさせていただいております。参考資料2−1、汎用冷 凍手術用ユニット承認基準について、参考資料2−2、医療機器の承認基準に関する基 本的考え方についてでございます。足りない資料等がございましたら、事務局の方に申し でていただければと思います。 ○土屋部会長 ありがとうございます。それでは資料等は先ほど委員の先生方は確認い ただいておりますので、それでは議題に入ります。議題1ですが、7の医療機器の認証 基準について御報告いただきます。事務局より説明をお願いします。 ○事務局 それでは、認証基準におきまして事務局の方より御説明させていただきます。 使用する資料におきましては縦型の資料1−1、さらに参考資料といたしまして、参考 資料1−1、参考資料1−2、参考資料1−3というものがございます。  まず、参考資料1−2に認証制度の概要について記載しておりますけれども、御参加 いただいている先生方は何回も御審議に御協力いただきましたので十分に御存じのこと かと思いますので、中身に軽く目を通していただいて今回におきましては詳しく御説明 することを省かせていただきますので御了承ください。  それでは、認証基準の7項につきまして横書きの参考資料1−1を用いまして簡単に 始めから御説明いたします。まず参考資料1−1を一枚めくっていただきますでしょう か。一番目は、除染・滅菌用洗浄器の認証基準というふうにおきまして、使用された、 鋼製小物等を一度洗ってさらにその上から蒸気で滅菌をして当該医療機器を洗浄すると いうようなものなのですけれども、この品目につきましては現在制度においては承認審 査基準又は申請資料に添付すべき資料に関する通知等というのは示されておりません。 これにつきまして今般、認証基準をどのように作成させていただいたかと言いますと、 日本工業規格JIS T7322医療用高圧蒸気滅菌器という基準がございます。これは高 圧蒸気滅菌のところの部分に除染洗浄用の水洗いに関する構造が加わったような当該製 品でございまして、それを踏まえましてJIS T7322を参考にして、参考資料1−3 にありますが仮版でまだ番号がふっていないのですけれども、JIS Tの××××、医 療用洗浄滅菌器というJIS7322を参考に作成をしております。  今般、当該機器の認証基準としてこのJISを引用させていただいて適切な評価を行 うことが可能であると判断いたしまして、認証基準として作成させていただきたいとそ ういうふうに考えております。  引き続き、横長ページをもう一枚めくっていただきますと歯科用材料の4つにつきま してまとめて書いてあるページを御確認いただければと思います。ここに書いてあるの は歯科用多目的グラスポリアルケノエートセメント及び暫間修復向けグラスポリアルケ ノエート系レジンセメント、色調遮蔽材料及び歯科技工用接着材料ということになって おります。やはり、これは現行制度において承認審査基準及び申請資料に関する資料と いうものが存在しておりません。これにつきまして、認証基準をどのように作成させて いただいたかと言いますと、平成17年3月25日に既に作成済みでおります、その他の 歯科材料で歯科レジン用接着材料のようなものが認証基準と同様に日本工業規格の生物 学的評価に関するJIS Tの0993-1及び歯科用医療機器の生体適合性の前臨床評価J IS Tの6001を要求項目とさせていただきたいと思います。それに加えまして、ほか の歯科材料の認証基準と既に作成済みのほかの歯科材料の認証基準とを同様に基本要件 チェックリストにおきまして平成17年4月28日付けの歯科材料の物理的、化学的及び 生物的試験の基本的考え方についてというところで評価方法を当該機器について明示す ることによってこの試験を行い、当該機器の認証評価が適切になるというふうに判断さ せていただきまして、今回他の歯科材料と同様に4つの歯科材料につきましても認証基 準を作成していきたいと考えております。  さらに1ページをめくっていただきますと、今度は、単回使用の眼科用ナイフに関す る認証基準について御説明させていただきます。これにつきましては、平成17年3月 25日の厚生労働省告示におきまして、当該機器の認証基準については作成済みでおりま す。ただ、3月25日時点では当該品目に関するJIS、ピンポイントの固有のJISが 存在しておりませんで、JIS T0993-1及びそのチェックリストで評価項目を定めて 認証基準とさせていただいていた経緯がございます。  今般、既に作成済みの眼科用以外の通常の手術用メスのJISがJIS T2107とい う形で既にありましたけれども、これと単回使用の眼科用ナイフに関する評価項目とい うのが非常に似通っておりまして、単回使用の眼科用のナイフに関する要求項目をJI Sにプラスアルファし、JISの改正というのを現在行っております。今般、単回使用 の眼科用ナイフの認証基準として改訂のJISを引用した形で認証基準を作成させてい ただきたい、そして御説明いたしたとおり評価内容というのは完全に一致しておりまし て、JISのアップデートという中でしてきた経緯からJISのみを眼科以外だったも のから眼科用も含んだ形でJISとしてより適切な形に改正作業をし、単回使用の眼科 用ナイフに関する認証基準としてこのような形で作成させていただきたいと考えており ます。  最後にもう一枚めくっていただきますと単回使用の人工心肺用熱交換器基準というも のを御説明させていただきます。これにつきましては承認審査基準、審査基準というの はやはり現行制度においては同様にございませんけれども、人工心肺全体に関する要求 事項でありますと、ISO7199という基準がございまして、その中から人工心肺の熱交 換器に関する要求項目のみを抜き出した形でJIS Tの1704というJIS案を作成中 であります。このJISをJIS規格として認証基準を作成させていただきたいという ように考えております。  以上7品目について簡単に御説明させていただきました。次のページをめくっていた だきますと、少し細かいもので申し訳ございませんが、対照となる7基準について、ど ういう一般的名称を対照とした基準であるのかということを説明させていただいており ます。なお、最後に7ページのところにありますとおり先生方に御協力いただきまして 現在まで認証基準におきましては372基準、779機器に対して作成済みでございます。 それで作成中の認証基準はまだJISが発出されていない経緯もありまして、27基準、 44機器が今内部で手続中でございまして、JISと併せてこちらの方についてもしてい きたいというふうに考えております。ちなみにこれら認証基準におきましては4月18 日〜5月17日までパブリックコメントを実施しておりまして、特段中身に関して訂正 を促すような指摘等をいただけませんでしたが、パブリックコメントを行いまして、国 民の皆様から意見を頂く場を設けさせていただいて情報を適切に反映できるような体制 をとっておることを御報告させていただきます。  また、さらにクラス分類等検討小委員会をこの部会の前に行って審議をさせていただ いたのですけれども、今般、委員長の御都合と及び各先生方の日程の都合がつかなかっ たこともございまして、実際の会議を開催をせずに各委員の方には個別に資料をお送り いただきまして、この資料に関して個々に御意見を頂いて、各々の先生方には御意見に 対して御回答をいただき、了解をしていただいているという経緯になっております。簡 単ではありますが、認証基準について御説明をさせていただきました。よろしくお願い いたします。 ○土屋部会長 ありがとうございました。それでは事務局の説明に御質問等ございませ んでしょうか。今回、歯科関係が多いようですが、私から一つ、中身とは異なるのです が、3番の一般的名称の定義のところなのですが、「医薬品を含むものを除く」という 文章があるのですが、認証基準は含まないけれども、承認基準にはあり得ることと考え てよろしいのでしょうか。 ○事務局 先生方が御存じのとおり、認証基準というものが医療機器のクラスがI、II、 III、IVと低い方からございまして、そのクラスIIに対するものとして認証基準を作成さ せていただきたいというふうにしております。土屋先生から御指摘があった医薬品を含 有するというのは通常医薬品を含まないものよりリスクが高いと考えられていますこと からクラスIII以上のもの、つまり医薬品医療機器総合機構において審査すべき品目とな っております。ですので先生がおっしゃるように当該品目が承認基準を作りに足りるほ ど科学的見地があって、技術的表現が可能であれば承認基準を作るという制度になるか と思います。  ただ、現在、歯科材料で医薬品の効能・効果を期待したような製品を含有して人体に 対して働きかけるというものがほとんど存在しないような現状ですので、一朝一夕で当 該医薬品を含有してその効果を発揮するような歯科材料という承認基準が少し作れるか というとそれはまた先の話になるのかなという気がいたします。 ○土屋部会長 いかがでございますでしょうか。医療機器もこれから承認基準になるよ うなものではコンビネーション医療機器が世界戦略の一つになっています。ISOでは 既にドラッグエルーティングステントのISO標準化が現在行われております。  ですから、これから非常に治療効果のあるものというのはかなり組み合わせのものが 多く、クラスIVくらいになるのでしょうけれども、そういった製品が多く出てくると思 われます。歯科の領域もいかがなのでしょうか。全くここの話とは違うかもしれません が、先生、いかがでしょうか。 ○松村委員 土屋先生がおっしゃるように、将来は医薬品的効果を有する歯科材料が出 てくる可能性もなきにしもあらずですから、きょうの資料に示されていたとおり、逆に 認証ということでこれこれを除くという規格を作っていただくのは必要だと思います。  ですから、おっしゃるようなものが出てくる可能性がある段階で今度はクラスIII以上の もので認証ではなく承認の基準を作っていくという運びになると推測しております。以 上です。 ○土屋部会長 ありがとうございます。それでは特に御意見等ございませんでしたら、次 の議題に移りたいと思います。 議題2に入ります。議題2ですが、一つに医療機器の承 認基準(案)について御報告いただきます。事務局より説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは引き続きまして、一つの承認基準に関する御報告内容について御説 明をさせていただきます。  資料といたしましては2−1という基準そのもの及び参考資料2−1、2−2という ふうになっております。この承認基準におきましても、やはり参考資料2−2につきま しては制度の概要について記載しているところではございますが、やはり先生方御存じ のことと思いますので、省略をさせていただきます。  それでは承認基準の中身、汎用冷凍手術用ユニットに関する承認基準について御説明 いたします。参考資料2−1の1ページをめくっていただきますでしょうか。これにつ きましては従来の現行制度におきましては承認審査のための基準及び申請資料に添付す べき資料に関する通知等というものを示されておりません。今般、承認基準として何を 参考にさせていただいたかと言いますと汎用冷凍手術用ユニットに関する米国の要求事 項であります、ASTM F882−84という米国の規格がございまして、これを参考にさ せていただきながら、総合機構の承認審査が本当にそれで十分かという妥当性の方を考 慮いたしながら、ASTMの要求事項を参考とすることによって今般の承認基準の方に 反映させていただいたというような形になっております。  さらに一点注目すべきところといたしましては、縦書きの参考資料2−1の2ページ をめくっていただくとお分かりですけれども、「使用目的、効能又は効果」ということ で、この目的で一般的な皮膚科や口腔外科、耳鼻咽喉科等で使用される装置というもの に限定をしておりまして、眼科、心臓外科や脳外科という特殊な用途に付くものという のは現状省かせていただいております。これはどういう理由で省かせていただいたかと 言いますと、このような特殊な治療目的に対応するような承認前例というのが現状では 数が少ないということがまず第一にあるのが一つ、もう一つは参考にさせていただいた ASTMがこういう特殊な手技に関する評価を含めてASTMとして出来上がっており ませんで、一般的な冷凍手術装置が冷えてきちんと細胞を壊死させる温度に達するかど うかというような基本的なことに関する要求事項として作られていた経緯から今般とり あえず心臓、眼科、脳外科の適用というのは除外をさせていただいております。  ただ、承認前例としてもこういうような特殊用途というものもございますし、またメ ーカーの方からもこれについて承認基準として作成すべきではないかというような意見 も寄せられていることから、今般この承認基準を作成していただいた後に適用を拡大し て承認基準を作成できるかどうかというのを含めまして、今後議論をさせていただく予 定になっております。  以上が承認基準の中身ですけれども、行ったりきたりで申し訳ありませんが、横書き に戻っていただいて認証基準の方を同じように一枚めくっていただきますと、対照とな る医療機器の一般的名称及びその定義というものが定められております。またさらに一 部めくっていただきますと、承認基準作成状況ということで、作成済みの承認基準が日 付が古くなって大変申し訳ありませんが、現時点におきまして17基準、52機器で作成 中が7基準、12機器というふうになっております。やはり、これにつきましてもJIS との関係理由等々で少し遅れて作成中のものがこれだけでございますが、これについて も鋭意室内において作成の手続をさせていただいているところです。  また承認基準におきましても先ほどの認証基準と同様にパブリックコメントを実施さ せていただきまして、又クラス分類等検討小委員会の先生方にも個別に書類をお送りさ せていただいき御意見、御回答をさせていただいているというような状況になっていま す。委員長、以上です。 ○土屋部会長 どうもありがとうございました。それでは事務局に御質問等ございませ んでしょうか。私の方からですが、今回、眼科、心臓外科、脳外科等の治療を意図する ものを除くとなっていますけれども、一般的名称は汎用と書かれていますがここのとこ ろは間違いがないのかどうかということなのですけれども、将来拡大するという意味で 汎用は残っているのか、それから実際使用される際にはどのようして間違いをなくすよ うな措置になっているのでしょうか。 ○事務局 先生のおっしゃるように少し汎用というものが特定の疾病に用いられるもの についてどういうふうに間違いがないようにできるかということなのですが、脳外科や 眼科用というのはそもそも先端に付けるチップの形状は全く違っていて、それぞれの手 技に特化したようなものであるので、ものとして使用するにあたっては使用方法は各々 限定されるものだとありますので間違いがないかと思います。 汎用手術装置という一般 的名称の中に少し含まれてしまうのは告示状の扱いで大変申し訳ないのですが、これに ついては現在において早急に変えるというわけにはいきませんけれども、今回の承認基 準に関しましては汎用冷凍手術装置のうち、これらの適用を範囲に絞ったものとして基 準を作成いたしまして当然のその承認基準に適合して通った製品というのはこういうも のに用いるものであり、これこれの手技には使えなく、実行上でも使えないので、薬事 上の適用範囲においてもこれについては当然使ってはいけませんということを添付文書 等で使用する先生方に対して情報提供をしていただくというようなことによって適切に 使用できるかと考えております。以上でございます。 ○土屋部会長 よろしいでしょうか。許先生、お願いします。 ○許委員 心臓外科を除くということですけれども、心臓外科で不整脈のクライオアブ レーションというのは我々が最初始めてから20年経っています。幾つかの製品もあって 今回それを除くというふうにされた理由に承認前例が少ないという理由とそれからAS TMのルールが想定していないということでございますけれども、承認前例が少ないと いう方は心臓に関してはそんなに少ないのですか。  私たちは日本全国あまねく手術時の不整脈に対する治療としてクライオアブレーショ ンは恐らく90%以上施設で用いていると思います。一部はエレクトリックなアブレーシ ョンが出てきましたけれども、従来はずっとクライオで私どもはしてきたものですから、 前例が少ないため除くと言われると20年も実施してきてどうしてかなという気がする のですけれども、いかがでしょうか。 ○事務局 許先生のおっしゃるように非常に広くて行われているというようなお話は了 解しておりますが、実は承認前例として心臓に用いるようなものとして形状がそのため に設計されていて、なおかつその目的性を適切に評価されて明確に心臓に適応されるこ とが立証されているものというのは現状は数えられる程度しかありません。それが実行 上どのように使われているのかという話はまた別だと思います。  ただ先生のおっしゃるように広く使われていて、もう既に臨床上も明確であってそれ が評価として確立しているという話があり、さらに要求項目をどこから持ってきてどこ までを要求させていただくと承認基準に盛り込むかということを議論させていただかな ければできない話ではないと思うのですけれども、少し一足飛びにそこまで作るという ことに至らなかったので今後の課題とさせていただきたいと考えております。 ○許委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。 ○土屋部会長 そのほかございませんでしょうか。その承認基準というのは大体幾つく らいないと足りないと幾つまで必要だといつか言われたような気がしたのですけれど も。100くらいでしたか。80とか…。 ○事務局 理想を言えば、クラスIIIとクラスIVの製品全部にほしいところではあるので すけれども、ただそうはいきましてもIIIとIVのうち、今正確なデータを持っていないの で正式には言えないのですが、現在作れるであろうというのを検討すべきではないかと いう話で医療機器産業連合会等々の業界関係と相談させていただいているところでは 100をいくかいかないくらいだったと思います。  ただ、クラスIIIとクラスIVについては当然制度上作れるということになっていますの で、現在承認基準が作れないというふうに判断されている分野であっても今後承認基準 なしで数項出てきてその評価が確立するということであれば新たに承認基準の候補の中 に対して増えていくという話であると思っています。 ○土屋部会長 どうもありがとうございました。今、次世代医療機器評価指標というの も許先生などもしていただいているのですが、あのようなものは将来承認基準というの を作る計画などはどのようになっているのでしょうか。 ○医療機器審査管理室長 私の方からお答えします。この承認基準というのはクラスIII、 4というリスクの高い医療機器であっても、ある程度定型的なものについては基準にか なっていることのデータさえあれば臨床試験などのデータを個別に添えなくても審査は できるようにということで、ただし、リスクが高いことからあくまで総合機構、つまり 国の責任において審査をし、その中で審査の簡素化をするための基準というのが位置付 けでございます。  一方、今、部会長から御指摘がありました、次世代医療機器と言いますのは現在全く 製品がないものについてのいわば開発あるいは評価のための指標というものを模索的に しているという事業でございますので、言ってしまえば新医療機器がまだ出てくる前の 状態のものが今先生が御指摘の事業で検討されているものに対して、ここの場で御検討 頂いていますのは、むしろある程度確立されてたものについてさらに簡素化をするため のものがこちらで設定しています承認基準でございます。  もちろんそういう基準化をいろいろな形で進めていくことによって、できるだけ効率 性の高い審査をしていこうというのが基準を作る目的ではございますが、他方医療機器 というのはどうしても医学的な進歩に対応するあるいは技術的な進歩にもなりますの で、常に基準で定型的に図れない部分は残ります。そこに対しての個別的、専門的な採 用でその中でも特に専門的な部分をこうして審議会で個別にお図りをするというのが基 準と個別の審議の関係の整理ということではないかというふうに考えたところでござい ます。 ○土屋部会長 分かりました。どうもありがとうございます。そのほかに御質問等ござ いませんでしょうか。それでは議題3に移ります。医療機器JIS規格の確認、制定、 改正又は廃止について事務局より説明をお願いします。 ○事務局 そうしましたら、医療機器関係のJISに関しまして事務局より御報告させ ていただきます。まず、お手元にございます、資料3−1を御覧ください。こちらに現 在の医療機器関係のJISの一覧表がまとめてあります。左側に通し番号をふってござ いますが、このように本項におきまして現在医療機器関係のJISは合計392規格ござ います。なお、前回の3月3日の部会以降医療機器関係のJISで確認、制定、改正又 は廃止されたJISはございませんことを御報告いたします。  引き続きまして、資料3−2を御覧ください。こちらに平成18年度制定、改正予定の JISが一覧にまとめてあります。こちらに示されているものは前回の部会におきまし て平成17年度制定、改正予定のJISとして御報告させていただいたものがほとんどな のですが、平成17年度に間に合いませんでして、平成18年度の予定として盛り込まれ ております。今回追加された規格としては3つございます。先ほど認証基準の説明にお いて話が出てきましたが、通し番号4番、JIS T1704、人工心肺用熱交換器又通し番 号5番、JIS T2107、単回使用手術用メス、通し番号9番、JIS T3230、人工肺、 これらが追加されております。したがいまして、平成18年度の制定は29件、改正は13 件を予定しております。以上でございます。 ○土屋部会長 ありがとうございました。事務局の報告について御質問等はございませ んでしょうか。リスクの低いもののJIS、承認基準それから又一方先頭を引っ張る意 味での次世代評価指標というものがそれぞれの役割となって具体的に文書化されている というふうには感じています。全体を通しまして先生方コメント等ございませんでしょ うか。それでは特にないようでございましたら以上で報告事項について終わらせていた だきたいと思います。事務局方から何か連絡等ございませんでしょうか。 ○事務局 次回の部会の関係でございますけれども、先ほど御説明させていただきまし たが、合同部会に引き続きまして9月1日に開催させていただきますのでよろしくお願 いします。 ○医療機器審査管理室長 それでは以上で本日の材料部会に引き続きまして開催いたし ました懇談会を終了させていただきます。これですべて終了いたしました。本日は長時 間、どうもありがとうございました。 (了) 連絡先: 医薬食品局 医療機器審査管理室 室長補佐 広瀬(内線2912)