06/06/07 中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会平成18年6月7日議事録 06/06/07 中央社会保険医療協議会 第27回保険医療材料専門部会 議事録 1 日     時 平成18年6月7日(水)11:15〜11:29 2 場     所 厚生労働省専用第15会議室 3 出  席  者 遠藤久夫部会長 土田武史委員 室谷千英委員 小林麻理委員  対馬忠明委員 小島茂委員 宗岡広太郎委員 松浦稔明委員  竹嶋康弘委員 鈴木満委員 黒崎紀正委員 山本信夫委員  小野孝喜専門委員            〈事務局〉  宮島審議官 麦谷医療課長 今別府保険課長 石原調査課長  古都老健局振興課長 福田企画官 他 4 議     題  ○保険医療材料制度に係る今後の検討の進め方について 5 議 事 内 容 ○遠藤部会長  それでは、委員の皆様おそろいのようなので、ただいまより第27回保険医療材料専 門部会を開催したいと思います。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、松本専門委員と山崎専門 委員が御欠席です。  また、保険局長は、公務により御欠席とのお知らせを受けております。  それでは、早速議題に入りたいと思います。  本日は、昨年度の平成18年度保険医療材料制度改革に当たっての検討を踏まえまし て、「保険医療材料制度に係る今後の検討の進め方」について事務局より資料が提出さ れておりますので、これについて御審議いただきたいと思います。  それでは、事務局より説明をお願いいたします。企画官、どうぞ。 ○事務局(福田企画官)  医療課企画官でございます。お手元の資料、中医協材−1をごらんいただきたいと思 います。「保険医療材料制度に係る今後の検討の進め方について」ということでござい ます。先ほどお話しございましたように、昨年度、平成18年度の保険医療材料制度改 革による対応ということで、中医協の材料専門部会等で御議論いただいて、幾つかの実 施事項を今次改定で実施をし、さらに幾つかの点につきましては、引き続き検討するこ とというふうにされたところでございます。まず、その従来の議論されてまいりました 概要につきまして御説明を申し上げまして、その後、今後の対応につきまして御提案を 申し上げたいというふうに思います。  まず、「平成18年度保険医療材料制度改革による対応」ということで、中医協にお きましておまとめいただいた内容の概要につきまして簡単に御説明いたします。基本的 な考え方といたしまして、基本的には、革新的な新規の医療材料、こちらについては迅 速な保険導入を図る。あわせまして、引き続き適正な評価を行うこととし、既収載品に つきましては、不合理な内外価格差を是正する観点から、価格のさらなる適正化を図る ということを基本として見直しを行ったということが今回の改定の基本的な内容でござ います。  主な内容といたしまして、実施事項につきましては、それぞれにつきましての細かい 御説明はもう省略させていただきますけれども、(1)といたしまして、新規医療材料 の保険適用時期ということで、C2を年4回という形のものを新たに導入をいたしまし た。既にこの考え方によりまして、4月にはこのC2につきまして1件が新たに認めら れたというような形で、もう既に適用をされているところでございます。  (2)といたしまして、市場実勢価格の加重平均値一定幅方式におきます一定幅、こ ちらにつきましても、ダイアライザーにつきましては、従来14%であったものを1 1%、フィルムにつきましては、従前6.5%だったものを5%というような形で引き 下げを行っております。  (3)でございますけれども、外国価格による再算定につきましては、その対象範囲 を拡大いたしまして、16年度には138機能区分でございましたものを、今回の改定 では281機能区分を対象といたしまして、再算定につきましての議論を進めたという ことでございます。  (4)といたしまして、既存の機能区分の見直しもあわせて行っているところでござ います。  2ページをごらんいただきたいと思いますけれども、以上が基本的に既に実施をされ ているものでございますが、引き続き検討することとされた事項として、幾つかござい ます。まず第1点といたしまして、外国価格によります再算定についてでございますけ れども、こちらにつきましては、本制度がより効果的なものとなるよう、精度高く特定 保険医療材料の外国価格を収集するための方策として、平成18年度の早い時期から検 討を行うこととされております。また、その際には、外国価格によります再算定ルール についてもあわせて検討を行うこととされております。  また、次の丸でございますけれども、内外価格差の問題についてでございますが、こ れは、我が国特有の流通システムでございますとか、審査期間等が医療機器の価格に与 える影響、これを定量的に把握し、その上で、内外価格差の是正のための根本的な取り 組みに努めるとともに、適正な価格設定につきまして平成18年度以降検討を行うこと とされております。また、アジアの国々におきます医療材料の流通や購入状況等につき ましても、こういった検討に資するため、平成18年度以降調査を行うことの必要性も 含めまして検討を行うこととされております。  また、既存の機能区分の見直しにつきましても、平成18年度以降、特定保険医療材 料の機能区分の在り方について、これは一定幅の見直しも含め検討を行うこととされて いるところでございます。  以上が、今まで御議論いただいたことを整理をしたものでございます。それを踏まえ まして、「今後の検討の進め方(案)」でございますけれども、この了解事項に従いま して、以下のような検討を進めていくこととしてはどうかということで、3ページをご らんいただきたいと思いますけれども、こちらに大きく3点で整理をさせていただいて おります。  第1点目でございますけれども、まず、医療材料業界から以下の事項につきまして意 見聴取を行ってはどうかということでございます。先ほど了解事項の中にも論点として 示されておりました外国価格データの収集状況や収集に当たっての問題点等について、 そして、我が国特有の流通システムや審査期間等が医療機器の価格に与える影響につい て、さらには機能区分の在り方について、医療材料業界の方から意見聴取を行ってはど うかということでございます。  また、並行いたしまして、2番目の丸でございますけれども、内外価格差の是正のた めの根本的な取り組みを検討するに当たり有用であると考えられますアジア各国への実 地調査を行ってはいかがかということでございます。  さらに3番目でございますけれども、こういった業界からの意見聴取、そしてアジア 各国における実地調査の結果なども踏まえつつ、内外価格差の是正のための方策、機能 区分の在り方、それから保険医療材料制度についての全般をこれから行っていただくと いう形で進めていったらいかがかということでございます。  4ページをごらんいただきたいと思いますけれども、「アジア地域における医療材料 価格等に係る調査」ということで、中医協におきます議論の中でも、そういった必要性 の検討ということにつきましては、何人かの委員の先生からも言及をされているところ でございまして、了解事項の中にも書かれているということで、それを受けまして、現 時点では、具体的な知見というものがアジア地域についてございませんので、まずはそ の全体像を効率的に把握をさせていただければ、具体的に議論が深まる際に当たって参 考になるのではないかということで、こういった調査を行ってはどうかということで提 案をさせていただいているものでございます。  目的につきましては、先ほど申し上げました部分のところでございまして、第2パラ グラフのところに、アジア地域においては、我が国と同様に大部分の医療材料を海外か ら輸入しているにもかかわらず安価であるとの指摘があるということで、アジア地域に おきます医療材料価格とともに、流通システムでございますとか審査体制、さらには附 帯サービスの提供状況などについて実態を把握してはいかがかということでございます。  調査対象国といたしましては、この中医協の場でも具体的な国名が挙がっておりまし たが、こちらに書いてございます韓国、シンガポールをはじめといたしまして、タイ、 インドネシア、フィリピンなど5カ国くらいを調査対象として考えてはどうかというこ とでございます。  調査時期につきましては、お認めいただいた場合、またいろいろ今後事務局サイドで 検討を進めた上でということになりますので、早くても平成18年の夏ごろ以降という 形になろうかと思っております。  調査概要につきましては、こちらの方にお示しをしていることでございまして、細か くは御説明いたしませんが、具体的な調査項目としては、(1)のaでございますが、 医療材料に係る価格情報等ということで、特に内外価格差が指摘されております循環器 及び整形外科領域の医療材料に係る取引価格などを中心にして、その価格の決定のメカ ニズムなどを含めまして調べていけたらいいのではないかということでございます。  bといたしまして、医療機関におきます購入形態ということでございまして、医療材 料の取引規模や共同購入の問題、さらには、先ほどもありましたが、附帯的サービスの 実態などについてもあわせて調査をしたらどうかということでございます。  5ページをごらんいただきたいと思いますけれども、そういった議論を進めるに当た りまして、バックグラウンド情報としての医療提供体制、医療保険制度、薬事制度につ きましても、可能な限り情報を収集してはどうかということでございます。  (2)の調査対象機関といたしましては、やはり政府機関、そして医療機関、これに つきましては、医療機関も途上国の場合さまざまな形のものがあろうかと思いますので、 ある程度類型の違いとそれによります対象患者さんの違いといったようなことも念頭に 置きながら、医療機関については類型化をして調べていく必要があるのではないかとい うふうに思ってございます。  そのほか、製造販売業者等につきましても、必要に応じて実施をしたらどうかという ことでございます。  具体的な調査手法でございますけれども、現時点でまとまった知見というものを持ち 合わせてございませんので、効率的に調査を実施するというような観点から、まずはイ ンターネットや関係団体などのお力を得まして、国内で収集できる情報をあらかじめ取 りまとめ、整理をする、そういったことを踏まえまして、質問表などを事前に各国政府 等にお送りをいたしまして、その後具体的な調査を訪問などを通じて実施をして、その 内容を掘り下げるというような形で進めていけたらいいのではないかということでござ います。  事務局からの説明は、以上でございます。 ○遠藤部会長  どうもありがとうございました。  ただいま、18年度改定の概要についての整理、それから今後引き続き検討すべき課 題の整理、それから今後の検討の進め方の具体的な案というものが出されたわけであり ますけれども、ただいまの御説明に関しまして御意見、御質問等あれば、いただきたい と思います。よろしくお願いします。 ○対馬委員  医療材料の場合、内外価格差の問題というのは常に議論されてきているわけですから、 今回こういった形でもって意見聴取もして、さらにはアジアの調査を行うというのは大 変結構だろうというふうに思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。  それで、この場での話ではないのかもしれませんけれども、医薬品についても、欧州、 米国を中心に議論されているのですけれども、やはりこういったアジアなんかも一体ど ういった形でもって医薬品を決めているのかと、海外価格調整の問題等もありますので、 そういったこともちょっと視野に入れて事務局検討いただければありがたいなと、こう いうふうに思います。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。それでは、薬価部会の際に、対馬委員、もう一度アジアをと いうこと、今の発言をいただければ、正式な議題とさせていただきたいと思いますので。  これは従前から議論になっている内容のことをそのまま今後の課題としてやりましょ うということでありまして、このアジアに関する調査をするというところが大きな課題 なわけでありますけれども、何か御質問ございますでしょうか。 ○小野専門委員  私はずっと国内の流通業をやっていただけで、大したことは言えないのですけれども、 ただ、一般的に聞いている限りでは、東南アジアというのはかなり価格が低いというこ とはわかっているのですけれども、価格がひとり歩きしないようなことをお願いしたい ということと、今までは欧米のことだけを分析していたというか、要因分析をしていた のですけれども、東南アジアの要因分析をして比較検討する材料にして、材料価格とい うことは基本的なテーマなのですけれども、材料価格という点に絞らないで、要因の比 較、今まであいまいではっきりされなかった内外価格差発生の構造分析にこの研究を使 っていただければと思います。  以上です。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。非常に貴重な御意見だと思います。ということも踏まえて、 この案の中には、ただ価格だけではなくて、その背後にある諸制度についても調べると いうことがふんだんに書いてありますので、十分その辺については考慮するつもりであ ります。ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。  よろしゅうございますか。では、ほかに御意見ないということでありましたら、次回 に医療材料業界から意見聴取を行いまして、また並行しまして、アジア地域における調 査を可能であれば行うということで、これらを踏まえまして、保険医療材料制度につい て検討することとしたいと思います。  このような方向でよろしゅうございますでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  それでは、本日の材料専門部会、これまでとしたいと思います。本日はこれにて閉会 いたします。  また、この後結果検証部会がございますので、御関係の委員の方はそのままお残りく ださい。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第二係 代表 03−5253−1111(内線3276)