06/05/24 中央社会保険医療協議会総会平成１８年５月２４日議事録


０６／０５／２４　中央社会保険医療協議会
　　　　　　　　　第８７回総会議事録　	

(1)日時　　平成１８年５月２４日（水）１２：０６～１２：４７
(2)場所　　厚生労働省専用第１８会議室
(3)出席者　土田武史会長　遠藤久夫委員　室谷千英委員　小林麻理委員
　　　　　 対馬忠明委員　小島茂委員　勝村久司委員
           宗岡広太郎委員　大内教正委員　松浦稔明委員　
           竹嶋康弘委員　鈴木満委員　飯沼雅朗委員　石井暎禧委員　
           邉見公雄委員　黒﨑紀正委員　渡辺三雄委員　山本信夫委員
           大島伸一専門委員　白石小百合専門委員
　　　　　 ＜参考人＞
           早川薬価算定組織委員長　
　　　　　 ＜事務局＞
　　　　　 水田保険局長　麦谷医療課長　榮畑総務課長　石原調査課長　二川経済課長　
           他
(4)議題　　○　医薬品の薬価収載について
　　　　　 ○　医療機器の保険適用について
　　　　　 ○　先進医療専門家会議の検討結果について
(5)議事内容
○土田会長　それでは、大変長い間お待たせいたしました。ただいまより、第８７
回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。
　まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、青柳委員、飯塚委員、
針ケ谷専門委員、岡谷専門委員及び白石専門委員が御欠席です。
  なお、宮島審議官は公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。
　それでは、議事に入らせていただきます。
　まず、「医薬品の薬価収載」について議題としたいと思います。
　薬価算定組織の早川委員長より御説明をお願いいたします。
○早川委員長　それでは、報告したいと思います。
　今日の資料、総－１の１ページをごらんいただきたいと思いますが、エビリファ
イ錠から８番のニコチネルまで、８品目ございます。
　それではまず、資料の２ページをごらんいただきたいと思います。エビリファイ
錠３mg、６mg、散１％について報告いたします。エビリファイは、アリピプラゾー
ルを有効成分とした統合失調症を効能・効果とする内用薬でございます。
　資料３ページをごらんいただきたいと思いますが、我々の薬価算定組織で検討い
たしました結果、本剤は、効能・効果などが類似するオランザピンを最類似薬とし
た類似薬効比較方式（I）による算定が妥当と判断いたしました。
　したがいまして、ちょっとまた２ページに戻っていただきますが、エビリファイ
錠の算定額は、最類似薬であるオランザピンとの１日薬価合わせによりまして、６
mg１錠１２４円となりますが、これは、外国平均価格調整の対象、すなわち０．１
２倍なのですけれども、その調整後の最終的な算定結果は６mg１錠１８６円となり
ました。また、３mgは、規格間調整によりまして、１錠９８円３０銭となりました。
また、散薬の算定額は、同じくジプレキサ細粒１％との１日薬価合わせによりまし
て、１％１ｇ１９８円３０銭となりました。
　それでは次に、ジェイゾロフト錠について説明申し上げます。資料４ページをご
らんいただきたいと思います。本剤は、塩酸セルトラリンを有効成分とし、うつ
病・うつ状態あるいはパニック障害を効能・効果とする内用薬でございます。
　資料５ページに移っていただきますが、薬価算定組織で検討しました結果、本剤
は、効能・効果、薬理作用などが類似する塩酸パロキセチン水和物を最類似薬とし
た類似薬効比較方式（I）による算定が妥当と判断いたしました。
　また４ページに戻っていただきますが、本剤の算定額は、最類似薬でありますパ
キシル錠１０mgとの１日薬価合わせによりまして、２５mg１錠１３７円２０銭とな
り、規格間調整により、５０mgの方は、１錠２４１円１０銭となりました。なお、
本剤につきましては、２５mg１錠の算定薬価が外国平均価格より低く、５０mg１錠
の算定価格が反対に外国平均価格より高いことから、本年度の薬価制度改革があっ
たわけで、少しルールが変わりましたが、外国平均価格調整による引き上げ対象か
ら除外するとされた「複数の規格があり、外国平均価格と比べて高い規格と低い規
格とが混在する場合」に該当すると判断し、外国平均価格調整により引き上げをす
ることは行いませんでした。
　それでは次に移ります。ベシケア錠２．５mg、同５mgでございます。資料６ペー
ジをごらんいただきたいと思いますが、本剤は、コハク酸ソリフェナシンを有効成
分とし、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を効能・効果とす
る内用薬でございます。
　資料７ページをごらんいただきます。薬価算定組織で検討いたしました結果、最
類似薬については、効能・効果、抗コリン作用なのですが、が類似しますバップフ
ォーという大鵬薬品の薬がありますが、これを最類似薬とした類似薬効比較方式
（I）による算定が妥当と判断いたしました。
　したがいまして、また６ページに戻っていただきますが、本剤の算定額は、最類
似薬でありますバップフォー錠１０との１日薬価合わせによりまして、５mg１錠１
９６円６０銭となりますけれども、これは、外国平均価格調整の対象、すなわち０．
７倍ということなので、調整後の最終的な算定薬価は、５mg１錠２０１円６０銭と
なり、規格間調整により２．５mgの方は１１９円７０銭となりました。
　次に４番目でございますが、デトルシトールカプセル２mg、４mgでございます。
資料８ページをごらんいただきたいと思いますが、この薬は、酒石酸トルテロジン
を有効成分といたしまして、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失
禁を効能・効果とする薬剤であります。前の薬と同じ効能・効果でございます。
　資料９ページをごらんいただきたいと思いますが、薬価算定組織で検討いたしま
した結果、最類似薬につきましては、効能・効果、薬理作用などが類似します、や
はりバップフォー錠を最類似薬とした類似薬効比較方式（I）による算定が妥当と
判断いたしました。
　したがいまして、８ページに戻っていただきますが、本剤の算定額は、最類似薬
でありますバップフォー錠１０との１日薬価合わせによりまして、４mg１カプセル
１９６円６０銭となりますが、これは外国平均価格調整の対象、すなわち０．６７
倍でございますので、調整後の最終的な算定薬価は、４mg１カプセル２０４円３０
銭というふうになりました。また、２mg１カプセルは規格間調整によりまして１２
１円３０銭となりました。なお、本剤については、２mg１カプセルの算定価格も外
国価格より低くなりましたが、先ほど説明しました本年度の薬価制度改革によりま
して、外国平均価格調整による引き上げ対象から除外するとされた、「外国平均価
格が１カ国のみの価格に基づき算出されることとなる場合」に該当すると判断し、
２mg１カプセルの変化率をゼロとして平均変化率を求め、外国平均価格調整が行わ
れたわけでございます。
　次に５番目の薬ですが、アムビゾーム点滴静注用５０mgでございます。資料１０
ページをごらんいただきたいと思いますが、本剤は、アムホテリシンＢを有効成分
とし、アスペルギルス属などによる感染症あるいは発熱性好中球減少症という病気
がありますが、これを効能・効果とする注射薬でございます。
　資料１１ページをごらんいただきたいと思いますが、薬価算定組織で検討いたし
ました結果、本剤につきましては、今までの薬品の中に効能・効果などが類似する
ものがありませんでしたので、原価計算方式による算定が妥当と判断いたしました。
　したがいまして、１０ページに戻っていただきますが、本剤の算定額は、５０mg
１瓶９，９５８円となりました。
　それでは、次の６番目の薬に移りたいと思います。ファンガード点滴用２５mgで
ございます。資料１２ページをごらんいただきたいと思います。本剤は、ミカファ
ンギンナトリウムを有効成分とする抗真菌薬の注射薬でございます。
　１３ページをごらんいただきたいと思いますが、薬価算定組織で検討いたしまし
た結果、本剤については既に同一成分の別規格品であるファンガード点滴用５０mg
が薬価収載されておりますので、この規格間比を用いた調整によりまして算定する
のが妥当と判断いたしました。また、補正加算につきましては、本剤の用法用量に
小児にかかわるものが明らかに含まれておりますので、小児加算を適用することが
よろしいというふうに判断しまして、本剤の小児用量設定の困難性、臨床試験結果
などを勘案した結果、結局、加算率、Ａ＝５％が妥当と判断いたしました。この幅
は、３から１０％あるのですけれども、５％をとりました。
　したがいまして、１２ページに戻っていただきますが、本剤の算定額は、ファン
ガード点滴用５０mgを比較薬とし、規格間調整により２５mg１瓶３，７５２円とな
りますけれども、これに先ほどの小児加算５％を適用いたしますと、加算後の最終
的な算定薬価は２５mg１瓶３，９７４円ということになりました。
　それでは次に、イヌリード注について報告いたします。１４ページをごらんいた
だきたいと思います。イヌリンを有効成分として、糸球体ろ過量の測定による腎機
能検査のための薬でございます。
　資料１５ページをごらんいただきたいと思います。本剤につきましては、従来こ
のような薬品がございませんでしたので、原価計算方式による算定が妥当と判断い
たしました。
　したがいまして、１４ページに戻りまして、本剤の算定額は、結局、４ｇ４０ｍ
L１瓶、溶解液付ということですが、８，９９３円ということになりました。
　それでは最後のニコチネルＴＴＳ１０・２０・３０でございます。本薬は、ニコ
チンを有効成分とし、禁煙の補助を効能・効果とする外用薬でございます。
  １７ページをごらんいただきたいと思いますが、薬価算定組織で検討いたしまし
た結果、本剤については、従来このような薬品がありませんでしたので、原価計算
方式による算定が妥当と判断いたしました。
　したがいまして、１６ページに戻っていただきますが、本剤の算定額は、１７．
５mg１０cm2 １枚３５５円８０銭、３５mg２０cm2 １枚３７４円３０銭及び５２．
５mg３０cm2 １枚４０１円８０銭ということになりました。
　以上で、報告を終わります。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　また、事務局の赤川管理官の方から補足の説明があるとのことです。よろしくお
願いします。
○事務局（赤川薬剤管理官）　１点だけつけ加えさせていただきます。この総－１
の資料の１枚目でございますけれども、ちょっと下の注をごらんいただきたいと思
います。８番目のニコチネルＴＴＳの薬剤料につきましては、ニコチン依存症管理
料の算定に伴って処方された場合に限り算定できることとしたいということでござ
います。また、処方せんによりまして投薬された場合につきましては、これは保険
薬局の方で調剤することになるわけでございますけれども、その際、この趣旨の運
用の明確化を図る観点から、処方せんの備考欄に、「ニコチン依存症管理料の算定
に伴う処方である。」という記載をすることとしたいというふうに考えております。
　以上でございます。
○土田会長　ありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして質問、御意見ございましたら、どうぞ。
○飯沼委員　１２ページを教えていただきたいのでありますが、薬価が１瓶３，９
７４円ということで、１日薬価が３，１７９円ということは、分注をして使えとい
うことですね、これは、そうじゃないですか。
○事務局（赤川薬剤管理官）　本剤につきましては、小児ということでございまし
て、この１日薬価につきましては、何を標準とするかということでございまして、
通常私どもは２０キログラムの小児に必要な用量に対応する薬価ということで書か
せていただいておりますので、ちょっと半端な価格になっております。ちょっとわ
かりにくくて申し訳ございませんでした。
○土田会長　ほかにございますでしょうか。
○宗岡委員　この最後の８番目の薬についてなのですけれども、御記憶だと思いま
すけれども、もともとニコチン依存症についての医療保険に入れるということにつ
いて、我々は非常に問題だというふうに思っておりましたけれども、最終的にこう
いう結果になったわけです。あの議論の中で、ニコチンパッチまで保険適用すると
いう議論をした覚えはないので、そういう意味で手続き的にも疑問があるというこ
となのですけれども、１日の薬価というのは最大どのぐらいになるというふうに予
想されるのでしょうか、それをまず聞いてから御質問したいと思うのですけれども。
○事務局（赤川薬剤管理官）　これは、１枚、どの用量から使うかというのはござ
いますけれども、通常はこのニコチネルＴＴＳの３０の方から、１日１枚、禁煙を
開始しようと決意した日からお使いいただく。通常はですから、ＴＴＳの３０で４
週間、それからその次にＴＴＳの２０で２週間、最後にＴＴＳの１０で２週間、計
８週間、こういうものを１枚ずつ張って使うということでございます。
○宗岡委員　ということは、１カ月で最大でも１，６００円とかそういうイメージ
ですか。
○事務局（赤川薬剤管理官）　ちょっと具体的な額を全部足すとあれなのですけれ
ども、薬剤料は、ですから大体２万円ちょっとです。
○宗岡委員　２万円ちょっとですか。ありがとうございました。
　何が言いたいかといいますと、もともと好んでたばこを買って、それでやめられ
なくなった人というのが対象になっているわけですけれども、そういう、こういう
ニコチン治療を要するというふうに思われる人というのは、恐らく月々のたばこの
お金だけでも今おっしゃったような額になっているのではないかと思うのです。そ
ういうたばこをやめることによって自分自身にも御利益があるわけなので、この費
用を全部保険で適用しなければいけないという論理が私にはよく理解できないので
す。ですから、やめる決心をしたからには、それに相当するようなお金を、「混合
診療」というふうに事務局は考えているようですけれども、もともとガムをかむの
と同じような認識で考えれば、それを御自分が負担するということは何の不自然も
ないし、そういう意味で、こういう形で薬価に収載して使用するということに対し
ては非常に違和感を覚えるということを申し上げたいと思います。
○土田会長　ただいまの宗岡委員の意見について、どうでしょう。
○小島委員　これは宗岡委員と同じで、診療報酬改定のときの議論の中でも、１号
側としては今回の禁煙指導に対する保険適用については時期尚早だという意見を述
べてきました。最終的には、公益委員の意見書を了承したということであります。
その際には、我々１号側としては、この薬代、ニコチンパッチ等の保険適用につい
ては念頭に置いていなかった。指導管理料のみに保険適用ということを想定してい
たので、今回この保険適用については、違和感を感じているという意見です。
○勝村委員　ちょっと質問なんですけれども、今、１カ月あたり２万円ちょっとと
いうお話しで、少しわかりにくかったのですが、１日当たり、ＴＴＳ３０のもので
４００円ぐらいですから、１カ月あったら１万２，０００円ぐらいかと思うのです
が、その指導管理料も含めてという計算なのでしょうか。
○事務局（赤川薬剤管理官）　失礼いたしました。これは全コースで８週間で２万
円程度ということでございます。申し訳ございません。
○土田会長　よろしいですか。８週間、１コースで２万円ちょっとということだそ
うです。
○鈴木委員　今１号の委員の先生方から、非常にこの薬、ニコチンパッチの保険収
載に関してのお話をお伺いましたけれども、やはり生活習慣病で、禁煙をしなけれ
ばいけないけれども、なかなか禁煙ができないという方が相当おられまして、４月
にこういう管理料が通りましてから、非常に希望される方が多くて、このパッチを
やったらやめられるだろうという、それが一つのモチベーションになってやめられ
ればそれでいいと思っておりますけれども、また、恐らく保険の縛りで、失敗した
場合には、長期置かないとこれは保険適用ができないようになっておりますので、
費用対効果というような観点から、大きい目で見ていただいて、御了解をいただき
たいと、こう思います。
○宗岡委員　今、値段が最大で月１万円というふうになったわけなので、ますます
そう思うのですけれども、月のたばこ代金より安いような値段を自己負担したくな
いと、お医者様にかかって、それは健保で払ってくれと、そうしたらやめるからと、
そういう物の考え方というのは、国民的コンセンサスを得られるのでしょうか。当
初からこの問題については、まだ国民的にこの問題はコンセンサスを得ていないの
ではないでしょうかという問題提起をしているわけで、そういう意味でも非常な違
和感を感ずるということをあえて申し上げたいと思います。
○石井委員　中医協としてニコチン依存症というものに対する治療を保険適用する
ということは、もうこれは既に決まっているので、その話を蒸し返してみても、大
変まずいだろうと思う。
　ニコチンパッチの問題は、それに伴ってきているものであって、これを自費でと
言いますと、「混合診療」をここでこういう形で認めるということになりますので、
これはやはり問題があると思いますし、それを管理料の中に含めるというのもまた
これはどうかなと思うのです。管理料に含めるというのだったら、管理料の在り方
を再検討しなければいけません。あるいは指導ということだけを考えても、その指
導の手段としてこういった薬が出てきた場合は今回はやはり保険でやるべきだと思
います。
○宗岡委員　「混合診療」になるからおかしいという発想自体が我々は理解できな
いので、これを処方されて自分でもし払えば自由診療になってしまうという指導を
していること自体がおかしいのではないかなと思うのです。ですから、もっと少し
この制度自体の運用を柔軟に考えていけばいいのではないかということを申し上げ
ているつもりですし、それから、もともとニコチン中毒症についての基本議論をや
るというつもりはもちろんないので、これは認めた上で申し上げているのです。こ
の薬について意見を申し上げているということを御理解いただきたいと思います。
○土田会長　このニコチン依存症管理料については、先ほど来話がありましたよう
に、公益側が意見を出して、そこで取りまとめを行ったという経緯がございます。
そのときには、確かに私たちもこのニコチンパッチがその中に入ってくるというこ
とは考えておりませんで、その点では非常に不十分だったというふうに考えており
ます。
　しかしながら、これはお願いにもなるのですが、この依存症管理料を導入すると
きに、いろいろ検証を進めながら、２年後の時期改定のときにはその効果を判定し
て御議論をいただくということになっておりました。そういうことから、これはか
なり先ほど言ったようにお願いになるのですが、今回のこの薬剤につきましても、
その中の一環としてお認めいただいて、それで２年間のいわば経過措置を見て、再
度そこで御議論いただくという形で御意見が集約できれば一番望ましいということ
なのです。
　そういうことで、２号側の方は多分御賛同いただけるかと思います。１号側のい
うことも僕は非常によくわかります。確かにこれは個人の嗜好で個人の責任の問題
であるということにかかわってきますので、そこはもう繰り返しませんが、その場
合の薬剤についてどうかということは確かに議論しておりませんでした。この場で
急にそれを持ち出してお願いするというのは、ただひたすらお願いするしかないと
いうように考えておりますが、そこを御理解いただきたいというふうに私たちは考
えておりますが、いかがでございましょうか。
○対馬委員　ちょっと質問なのですけれども、今回のこのニコチンパッチというの
は、標準治療の一応のコースの中に入り込んでいるという話をよく聞くのですけれ
ども、実際そうなのかどうか。そして、もしそうだとするならば、何で今回の改定
のときにそういうことを事務局は提示しなかったのか。仮にそのときにちょっと水
が漏れたということであるのならば、早急に４月なりでもこういった議論の場があ
ったわけですから、そのときにでもやってもよかったのですけれども、なぜ今この
段階でこういう話になるのかということをお伺いしたいのです。
○土田会長　これは医療課長ですね。
○事務局（麦谷医療課長）　何も裏も表もなくて、３月６日に点数が告示されて、
４月に始まるまでに薬価収載されるだろうと思っていました。それが実情です。ど
こがもたもたしていたということではなくて、今日に及んだと、ただそれだけです。
○土田会長　わかりました。ということです。
○渡辺委員　私は歯科の方なのでちょっと一言申し上げたいのですが、歯科の方で
も、禁煙支援ということを一生懸命やっております。喫煙と歯周病との関係は非常
に強くつながっておりますので、そういう意味合いで患者さんに対して、例えば東
京都ですと、禁煙支援のシステムをつくっていろいろやっておりますけれども、そ
ういう意味で、この禁煙ということがきちっと医療の中に入るということは非常に
すばらしいことだと思っております。
　実際に、私たちは指導だけですので、患者さんが本当に禁煙までたどり着くのは
非常に難しいのです。そういう意味で、その補助という形でこういう実際に使える
ものがあって、それによって本当に禁煙に結びつくというのであれば、これは大き
な意味で医療費の大きな削減にもつながっていくと思いますので、そういう意味か
らも、一つの補助の手段としてこのニコチンパッチが認められるということは有意
義ではないかというふうに考えております。
○土田会長　また議論が先に戻りますが、ただ、有意義だということは１号側は十
分わかっているわけでして、それでしかもニコチン依存症の管理料については一切
もうこれ以上は議論しないということで、ただ、この薬剤について今ごろ出てくる
のは一体何だということだと思うのです。それで、それについては自己負担にすべ
きではないかというのが１号側の意見で、それは確かに議論としては筋の通った話
でございますが、ただ、このニコチン依存症というものに対して対応していくとい
う目的からいえば、それで禁煙というものを拡大していきたいという趣旨からいえ
ば、ここはやはり認めていただきたいというのが公益側の意見でございまして、い
かがでございましょうか、よろしいですか。
○宗岡委員　対馬委員に一任します。
○松浦委員　ちょっと一つそれでは、大枠で医療費はマイナス３．０幾らとかあり
ましたね。これはプラスの方向に行っているように思うのですけれども、これはそ
の範囲内にはおさまるのでしょうね。
○事務局（麦谷医療課長）　これは財政的に困るということはございません。
○対馬委員　この禁煙の問題、もしくは今回のニコチンパッチの問題なのですけれ
ども、支払側といっても、かなりこれは個々人の意見というところもあるわけです
けれども、ただ、会長をはじめ公益委員の先生方がたってのと言われますと、なか
なかちょっとやむを得ないのかなというふうに思うのです。
　ただ、前回管理料の問題についても、先ほど会長も言われましたけれども、全体
を見直すというお話がございますので、このニコチンパッチの問題も含めて、改め
て２年後の見直しということをぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
○土田会長　これは今回の検証部会のテーマでございますので、必ず検証して、そ
の結果を踏まえてもう一度検討し直すということで。
○大内委員　今対馬委員の方から先生方の方向でというような御意見だったようで
ございます。私はこの問題、前回の審議のときにも申し上げましたけれども、これ
から蒸し返しの話をするつもりは全然ありません。ただ、これはあくまで嗜好の問
題ですから、だから、保険適用をするということ自体が私はどうかと思う。健康の
問題はいろいろありますけれども、先生方は一生懸命言われていますけれども、そ
んな話をやるのであれば、国内でたばこを販売禁止すべきと、その方が一番簡単な
のです。そのことは、私は対馬委員の意見でやむを得ないと思いますけれども、一
言だけ申し上げておきたい。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　それでは……
○勝村委員　ちょっと待ってください。私も一言。
○土田会長　一言だけでお願いします。
○勝村委員　さきほどまとめていただいたことへの直接の異論ではありませんが、
ちょっとここのところで素朴な疑問があります。一応ニコチンパッチというのはニ
コチンが入っているだけのものだと思うのです。ところがこれが、「医薬品」とい
うことで、薬効分類のところでは「治療を主目的としない医薬品」という名称にな
っているのですけれども、「医薬品」というものの定義が一般市民の感覚からした
ら少しわかりにくいという感じがします。ほかにも「治療を主目的としない医薬
品」というのを例えば列挙してもらったら、ああ、そういうものがあるのかと思う
のかもしれませんし、その「治療を主目的としない医薬品」というものについて少
し教えていただけたらと。今のこの段階で、今の会長のまとめに対しての直接の意
見ではなしに、ちょっと質問としてですが。
○土田会長　ここでごく簡単に説明できますか、それとも次回にしますか。
○事務局（赤川薬剤管理官）　後で……。
○土田会長　後でということですので、次回簡単に説明していただくということに
します。
　それでは、どうもありがとうございました。今回の新しい薬価収載の医薬品が８
点出てきておりますが、以上、まとめて御承認いただくということで御了解いただ
けますか。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　いいですか、どうもありがとうございました。
　早川委員長、長い時間、どうもありがとうございました。
○早川委員長　ありがとうございました。
　　　　　　　　　　　　　　　〔早川委員長退席〕
○土田会長　大分時間がたってしまいましたが、次の議題に移らせていただきたい
と思います。「医療機器の保険適用」について議題としたいと思います。
　区分Ａ２及びＢについて事務局から報告をお願いします。
○事務局（福田企画官）　医療課企画官でございます。
　お手元の中医協の資料、総－２をごらんいただきたいと思いますが、５月１日か
ら新たに保険適用となりました医療機器につきまして御報告申し上げます。
　まず１ページでございますが、医科の部分、区分Ａ２でございます。これは、特
定の診療報酬項目において包括的に評価されているものということでございまして、
１ページにお示ししてございますとおり、１７件でございます。
　次、２ページをごらんいただきたいと思いますが、区分Ｂでございます。こちら
の方は、材料価格として個別に評価をされているものということでございます。２
ページにお示ししてございますとおり、１７件でございます。
　次、最後３ページでございますが、歯科についてでございますけれども、歯科に
つきましては、区分Ａ２につきましてお示ししてございますように１件、それから
区分Ｂにつきましては、表でお示ししてございますとおり３件でございます。
　以上、医科、歯科合計で、３８件でございます。
　事務局からの報告は、以上でございます。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御質問ございますか。
　よろしいでしょうか。それでは、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思いま
す。
　最後の議題に入らせていただきます。「先進医療専門家会議の検討結果」につい
て議題としたいと思います。
　事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○事務局（福田企画官）　お手元の中医協資料、総－３をごらんいただきたいと思
います。５月１２日に開催されました先進医療専門家会議におきまして評価・検討
されました科学的評価結果につきまして御報告を申し上げます。
　まず１ページでございますけれども、今回、先進医療専門家会議におきまして評
価をいただきましたのは、平成１８年３月受付分のものでございまして、お示しし
てございますように、計４件でございます。このうち、先進医療として適当とされ
た技術が１件、そして参考にお示ししてございますけれども、保留等とされた技術
が３件でございます。なお、保留等とされた技術につきましては、その他のところ
をごらんいただければと思いますが、いずれも薬事法の関係での適応外使用に該当
というものでございました。
　それでは、簡単に先進医療として適当とされた技術につきまして御説明申し上げ
ますが、１ページに概略をお示ししてございます。医療名といたしましては、「胎
児心超音波検査」でございます。適応症は、産科のスクリーニングで胎児の超音波
検査におきまして心疾患が強く疑われる症例ということでございます。先進医療費
用の区分、それから特定療養費分でございますが、これは典型的な症例においてと
いうことでお示ししてございますように、８，０００円と３万９，０００円という
ことでございます。総評としては適ということでございます。
　技術の概要につきましては、恐縮ですけれども、３ページの別紙１をごらんいた
だければと思いますが、「先進性」のところでございますけれども、これまで胎児
の生命予後に大きな影響を与える先天性の心疾患については、出生後にしか診断が
行われなかった。その結果、適切な周産期の管理が行われなかったということでご
ざいますが、今回胎児の先天性心疾患の診断確定を目的といたしました心臓の超音
波検査、これを施行することにより、出生前から先天性心疾患の診断が可能となり
まして、児の周産期管理が改善するということでございます。具体的には、出生前、
そして出生後、適切な対応を迅速にとることができるということでございます。
　具体的な施設基準につきましては、１ページお戻りいただきまして、２ページを
ごらんいただきたいと思いますけれども、医療機関の要件といたしまして、実施責
任医師の要件ということで、こちらにお示しをしているような内容でございます。
診療科として、小児科、循環器または産科ということで、それぞれ一定の専門性を
有する。それから、症例についても一定の数を有していただくということでござい
ます。
　それから、医療機関の要件といたしましても、やはり出産という部分もございま
すので、常勤の産科医師２名以上というようなことも含めまして、医療機関の体制
といたしまして、医療機器の保守管理体制、倫理委員会、安全管理委員会等につき
まして、いずれも必要というような形の要件となってございます。
　技術につきましては以上でございますが、参考までに、後ろの方、６ページから
８ページのところまででございますけれども、年度がかわったりもいたしまして、
先進医療専門家会議の構成員に一部異動がございまして、８ページの名簿でござい
ますけれども、岩砂委員と加藤委員が新たに委員としてお加わりになられました。
また、笹子委員につきましては役職に変更がございましたので、直近の構成員の名
簿ということで参考までにおつけいたしてございます。よろしくお願いいたします。
　事務局からの報告は、以上でございます。
○土田会長　どうもありがとうございました。
　ただいまの説明につきまして御意見、御質問ございますでしょうか。
　よろしいですか。それでは、中医協としては特段の意見がないということでよろ
しいですね。
　　　　　　　　　　　　　〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田会長　どうもありがとうございました。
　大変時間が長引いてしまいましたが、一応の議題は全部終了することができまし
た。
　本日の総会は、これで閉会としたいと思います。
　次回の日程について何かございましたら、どうぞ。
○事務局（麦谷医療課長）　先ほど申し上げました６月７日ですが、総会はあるか
どうかはちょっと未定でございますが、基本問題小委は、６月７日ございます。
○土田会長　どうもありがとうございました。
○事務局（赤川薬剤管理官）　先ほどの勝村委員の御質問でございますけれども、
「他に分類されない治療を主目的としない医薬品」ということで、一部、染色、色
をつけるのに用いる薬剤とか、それ自体で治療をするようなものでないものですと
か、あと体内診断薬的なものというものが入ってございます。
○土田会長　それでは終わりにします。どうもありがとうございました。
　　　　　　　　　　　　　
【照会先】
厚生労働省保険局医療課企画法令第１係
代表　０３－５２５３－１１１１（内線３２８８）