06/04/27 平成18年4月27日中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織各分科会 DPC評価分科会議事録 06/04/27 診療報酬調査専門組織       平成18年度第1回DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成18年4月27日(木)13:00〜16:00 (2)場所  第一ホテル東京 「 ラ・ローズI 」 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、原正道分科会長代理、池上直己委員、        伊藤澄信委員、柿田章委員、熊本一朗委員、齋藤壽一委員、        酒巻哲夫委員、嶋森好子委員、武澤純委員、田所昌夫委員、        信友浩一委員、松田晋哉委員、三上裕司委員、山本義一委員、        山口俊晴委員、吉田英機委員、邉見公雄(オブザーバー) 事務局:福田企画官、眞鍋課長補佐  他 (4)議題  ○ DPCに係る診療報酬改定について       ○ 平成17年度7月から10月の退院患者に係る調査       ○ 平成17年度特別調査       ○ 平成18年度調査について (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまから平成18年度「第1回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を開催させ ていただきます。  委員の出欠状況でございますが、本日は谷川原委員より御欠席との連絡をいただいてお ります。なお、本日はオブザーバーといたしまして中医協委員でございます邊見委員に御 出席いただいております。どうぞよろしくお願いします。池上委員が少し遅れていらっし ゃるようでございますが、間もなくおいでになることと存じます。よろしくお願いします。  それでは、まず資料の確認を事務局の方からお願いします。 ○事務局  はい、それでは事務局より資料の確認をさせていただきます。本日の資料は大変分厚い ものになってございます。まず、あるか、ないかということを事務的に御確認させていた だきたいと思います。  封筒をお開けいただきまして、一番表にありますのが本日の座席表でございまして、そ れを一枚おめくりいただきますと、本日の議事次第がございます。次からは資料でござい まして、診調組D-1としまして、「DPCによる支払対象病院の拡大」というタイトルのもの がございます。次に、診調組D-2といたしまして、「7月から10月までの退院患者に係る 調査について」という、少し分厚いホチキスどめのものがございます。その次に、診調組 D-3といたしまして、「在院日数の平均の理由の検討について」というタイトルの資料がご ざいます。その次に、こちらは一番分厚い資料でございまして、製本した形になっている かと思いますが、診調組D-4といたしまして、「平成17年度データの集計」というもので ございます。その次に、今度はちょっと薄くなってございますが、診調組D-5-1というこ とでございまして、「診断群分類の妥当性に関する調査(MDCごとの作業班について)」で あります。次に、診調組D-5-2といたしまして、「再入院に係る調査について」でありま す。これもやや分厚いものになっております。その次の資料が、診調組D-5-3でございま す。こちらは平成17年度の医療連携と退院後受療に係る調査」であります。次に、診調組 D-5-4といたしまして、「医療の達成度、患者満足度に係る調査」でございます。その次に、 診調組D-5-5といたしまして、「平成17年度看護必要度にかかる特別調査について」とい うことでございます。そして最後、最後は一枚紙でございますが、診調組D-6としまして 「平成18年度におけるDPCに関する調査について」という一枚の紙がございます。  以上、資料があるか・ないか御確認いただきまして、もし途中で乱丁・落丁あるいは資 料がないなどございましたら、事務局の方にお申しつけいただければと思います。以上で す。 ○西岡分科会長  資料は揃っていますでしょうか。もし、ないようでございましたら、今御指摘がありま したように事務局の方にお申しつけください。  それでは議題に移りたいと存じます。本日は議事次第にありますとおり、まず平成18年 度DPC改定の概要について御報告いただきます。その後、平成17年度調査の結果について、 事務局及び特別調査の担当の先生からそれぞれ御報告いただきまして、最後に本年度の調 査のあり方について御議論いただく予定でございます。時間が3時間を予定しております が、議題も盛りだくさんでございますので、効率的に議事を進めていきたいと思いますの で、御協力方どうぞよろしくお願いします。  最初の議題でございます「DPCに係る平成18年度診療報酬改定について」、これにつき まして事務局より御説明をお願いします。 ○事務局  はい、それでは資料の御説明をさせていただきます。資料の番号は、診調組D-1でござ います。こちらの資料を用いまして、平成18年度の診療報酬改定の概要について御説明申 し上げます。  まず、こちらの資料の構成でございますが、1ページ目から7ページまでは改定の資料で ございます。そして8ページ以降が先日行われました、4月19日に行われました中医協で 「DPC対象病院に係る作業の進捗状況」ということで、作業の進捗状況を御報告したときの 資料でございます。以上を用いて御説明申し上げます。  まず、平成18年度診療報酬改定でございますが、DPCに関しましてはこの1ページにご ざいますように、急性期の入院医療における診断群分類別の総括評価、こちらのDPCを拡 大していくということが合意されました。具体的な内容としましては、○がひとつ、ふた つとございますが、「DPC対象病院」、それから「DPC準備病院」というものを位置づける ということでございます。これまで平成17年度までは対象病院、それから試行的適用病院、 そして調査協力病院ということで、それぞれ82病院、62病院、228病院あったわけでござ いますが、そういう試行的適用という位置づけではなくて、「対象病院」という位置づけ と、それから将来対象病院となる「準備病院」というような位置づけに、2つに大きく分け てはどうかというようなことで御議論をいただきまして合意が得られております。  そのうち対象病院としては、現行の対象病院82の特定機能病院を中心とする病院、それ から試行的適用病院、それからDPCの適用を希望する調査協力病院のうち、こちらの分科 会で御議論いただきましたそういう基準を満たす病院を位置づけるということでございま す。これで幾つ位置づけられるかは後ほど御説明します。ほかにDPC準備病院としまして は、今年度また新たに募集する病院などが入ってくるということでございます。  下に参考としまして、「DPC対象病院となる病院の基準」と書いてございます。こちらは 昨年の12月、もう年末も押し迫ったころに、先生方には大変御苦労をお願いしたんですが、 第5回のDPC評価分科会におきまして、DPC対象病院となる病院の基準として御議論をいた だいた案のものでございます。このまま中医協の方では了承いただいております。具体的 に申し上げますと、看護配置基準が2:1以上であることということでございます。それか ら、診療録管理体制加算を算定している、または同等の診療録管理体制を有すること。あ とは調査にちゃんと協力できることということでございます。これが必ず満たしていただ くべき基準でございまして、この基準に加えまして下の5つの基準を満たすことが望まし いというような結論になっております。いわゆる特定集中治療室の管理料を算定している。 救命救急入院料を算定している。病理診断料を算定している。麻酔管理料を算定している。 画像診断管理加算を算定している。こういうものが望ましい基準ということで規定された ところでございました。  それでは1ページおめくりいただきまして、具体的な内容に入ってまいりますが、2ペー ジは「診断群分類及び診断群分類ごとの診療報酬点数の見直し」であります。これは後ほ ど齋藤委員の方から御報告いただく内容に直接関連してくるところでございますが、MDC の作業班の方で今回いろいろ精力的に検討をいただきまして、こちらの2ページの一番下 のポツが3つ並んでございますが、手術による分岐の簡素化ですとか、手術・処置等2に よる分岐の精緻化、それから検査入院・教育入院の廃止、あとは副傷病の検証と、こうい う作業をしていただきまして、分類数自体はかなり減ってございまして、昨年度までは 3,074であったわけでございますが、これは中医協の資料の時点では2,500と書いてござい ますが、最終的には2,347分類というようになってございます。そのうち包括で支払われ るものは1,438ということになります。  次に3ページでございますが、こちらは「入院期間I」というような、入院初期の点数 を若干嵩上げしているようなところがございますが、そういうところの期間を見直したと いうことでございまして、特に短期入院が多いと思われるような診断群分類については入 院期間Iを短くして、その分点数を高くするというような措置を講じました。  それから次に4ページにおきましては、DPCによる包括評価の範囲の見直しでございま す。こちらも具体的な内容の、1つ目の○などにつきましてはこちらのDPC評価分科会で、 これはマイナーチェンジでございますが、画像診断管理加算について包括評価の対象外と するとか、あるいは手術前後の医学管理料については包括評価の対象とするとか、そうい うことを御議論いただきまして、こちらも中医協でお認めいただいております。  次に5ページでありますが、「DPCにおける調整係数の見直し」であります。こちらは平 成18年度改定は史上最大のマイナス改定ということでございまして、これはいろいろな報 道にも出ておりますとおり、「−3.16%」を全体で改定しましたということでございます。 それでDPCにつきましても、DPCによる支払対象病院の包括範囲に係る収入が−3.16%とな るように調整係数を設定するということで、そのように私どもは計算させていただきまし た。  以上が主な内容でございまして、6ページ、7ページがこちらが中医協から答申書として 出されたものでございます。6ページは答申書の頭紙でございますが、答申に際しまして附 帯意見というものがついてございます。それが7ページに書いてございます。1〜6とござ いますが、4のところでDPCについて触れられております。「DPCについては円滑導入への 配慮から制度の安定的な運営への配慮に重点を移す観点も踏まえ調整係数の取り扱いなど 適切な算定ルールの構築について検討を行うこと」というようになってございます。こち らの算定ルールというようになりますと、直接に当分科会というよりは、基本問題小委員 会というところで御議論いただく内容に属することかと思いますが、大事だと思っており ますのは制度の円滑導入という配慮の段階から安定的な運営を行っていくという、そうい う段階だというように中医協の方からは見られておりまして、そういう配慮が必要だとい うことでございます。そういうところを今回は受けて御議論いただければというように思 っております。  次に8ページでございます。こちらは4月19日の中医協で御報告させていただきました 内容であります。まず、「DPC対象病院に係る作業の進捗状況」ということでございます。 中医協答申後の経緯としまして、調査協力病院228病院を対象としました説明会を2月24 日に開催いたしました。答申が2月15日でございますので、その後10日ほどたちまして 行ったわけでございます。その後、約10日間おきまして、DPC対象病院となる希望の有無、 それから御議論いただきまして決めていただきました基準につきまして、適合しているか どうかということについて書類を御提出いただいたわけであります。その後、事務的にそ の書類を見させていただきまして、基準を満たしているという病院に対しまして開始希望 月というのをアンケートしました。参考となっております基準のところは、これは説明を 割愛させていただきます。  2としまして、DPC対象病院となる希望がある病院数でありますが、まず希望病院数は216 でございました。228病院のうち、216病院が対象病院になることを希望するということで ございます。そのうち、こちらも中医協で御議論いただきましたのは、4月から7月にかけ て順次拡大していくというようなことで同意いただいておりますが、あともう一つは病院 さんの方の準備状況ということもあると思いますが、4月の希望をされるところが51病院 ございました。それで5月が24病院、6月が64病院、7月で77病院というようになって ございます。引き算しますと、228から216を引きますと12病院ということになるんです が、こちらは今年は不参加ということで回答が返っておりまして、そのうち2病院は今年 度の調査についても不参加の意向というように承っております。  次に9ページでありまして、今後の予定としましては今申し上げましたとおり、もう4 月1日以降、これはもう過ぎておりますが、7月1日までの間に順次適用を拡大していく予 定でございます。  そして12ページが、こちらは既に対象となってございます4月1日から新たにDPC対象 病院となる病院の調整係数と、それから病院のリストでございます。  13ページ以降14ページまで、この2ページにわたって書いておりますのが5月1日以降 順次拡大していく病院の名前と調整係数でございます。それで私どもは当然病院さんから は5月、6月、7月それぞれどの病院が何月を希望しているかというのを当然持っておりま すが、病院さんの方で準備の状況とかで若干早まったりということも実は一つございまし て、あるいは遅くなったりするところもありますので、そこはこちらでは明示はしており ませんが、これらの病院が7月1日までにDPCの適用となるということでございます。  以上、DPCに係る平成18年度診療報酬改定について御説明をいたしました。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それではただいまの御説明に対しまして御質問等はございま せんでしょうか。よろしいでしょうか。これはこれまで論議してきたものの最終結果でご ざいますが。  どうもありがとうございました。ないようでございますので、次に進めさせていただき ます。  次は平成17年度DPC導入の影響評価のための調査についてでございます。平成17年度 の7月から10月までの退院患者に係る調査について、事務局より御説明をいただきまして、 その後、各特別調査について担当された先生から御説明をお願いします。それではまず平 成17年度の「7月から10月までの退院患者に係る調査について」、事務局より御説明をお 願いします。 ○事務局  はい、それでは続きまして「7月から10月までの退院患者に係る調査について」御報告 させていただきます。  資料の構成をまず御説明いたします。診調組D-2、それからD-3、D-4でございます。こ ちらの資料を用いまして御説明をさせていただきます。実はここは非常に大部な資料でご ざいまして、またDPCの基盤的な調査でありますので若干お時間をいただくことになろう かと思います。  それでは7月から10月までの退院患者に係る調査について御報告申し上げます。済みま せん、1点申し上げるのを忘れておりました。昨年のDPC評価分科会の段階で中間報告とし まして7月、8月、昨年の11月4日だと思いますが、第3回のDPC評価分科会で、2カ月 分のデータを用いまして御説明をさせていただきました。今日はフルの4カ月分のデータ セットで再集計をし直したものが基本になっております。それプラス、今回は新しいデー タが幾つか入ってございますので、それもあわせて御説明をさせていただきたいと思いま す。  それでは診調組D-2のこちらの資料に基づきまして、まず7月から10月までの退院患者 に係る調査の概要について御説明申し上げます。こちらは1ページ目でございますが、ま ず調査対象病院というところを御説明します。DPC対象病院は82、それからDPC試行的適 用病院が62、次にDPC調査協力病院が228ございました。そのうちDPC調査協力病院のう ち、平成15年度から調査に御協力いただいている病院が20ございまして、16年度から調 査に参加していただいている病院が125ございます。次に平成17年度から新しく入った病 院が83病院ございました。これらをあわせまして228ということでございます。  調査票に関しまして後ろの方につけてございますが、次に調査の実施状況でありますが、 こちらは中医協の方で今年の調査はどうするかというところで御議論が長引いた結果もあ りまして、7月からの調査ではあったんですが6月14日に、非常に直前の状況だったんで すが、説明会を開催させていただきました。これは2回にわたって開催させていただきま して、7月以降各病院からデータを出していただいたということでございます。  1ページおめくりいただきまして、「集計結果について」ということでございます。そち らの3つ目の○で、「病院別の状況について」ということで書いてございます。結果表等 でいろいろ、これは例年出しているものが最初の方に並んでございますが、結果表等の中 の「再入院の状況」というところは今回新しくデータを少し出させていただいているとこ ろがございます。それからもう一つは、こちらの2ページ目で御説明申し上げますと、今 回は精神病者に係る調査も行わせていただいております。そういう結果も今から御説明申 し上げたいと思います。  それでは3ページでありますが、「データ処理フロー」としまして、今年の平成17年度 調査のところにおきまして、一般病棟に係る、いわゆるDPCで支払う対象となり得るとこ ろでありますが、そこのデータであります。まず、全データは109万件ほど受領いたして おります。つまり、109万件の退院データをいただいておるということ。入退院のデータを いただいておると。その後、データクリーニングと分析対象外データというのをクリーニ ングしまして、こちらの約100万件のデータを用いまして分析を行うことになりました。  そして1ページおめくりいただきまして、4ページでありますが、「分析対象データ」で ありますが、データとしましてはDPCの支払いとならないとか、あるいは自費のみですと か、そういう症例は除かせていただきまして、そこは除いたものを分析の対象としており ます。それから4ページの2の方で、「平成14〜16年調査の再集計結果との比較の条件」 でありますが、過去のデータにつきましてもこちらの上の条件に合わせまして再整理しま して比較をしております。比較の前提を整えております。ここでまた本日の資料の注意点 でございますが、次ページ以降、平成18年度からDPC対象病院となった病院もすべて医療 機関の名前は出させていただいております。これまで調査協力病院、15年度調査協力病院、 16年度調査協力病院、平成17年度調査協力病院というように、そういうような名前で出さ せていただいていたんですが、今回新たに対象病院となった施設につきましてはすべて病 院名も含めて出させていただいております。  それでは5ページ以降、こちらは分析対象としたデータの状況でございます。ここは各 病院でそんなにばらつきはないんでございますが、この表の一番右下、「95%」というとこ ろがございます。これは集めていただきましたデータの95%を今回分析の対象としておりま すと、そういう意味でございます。申しおくれましたが、各委員の先生の机には薄い拡大 鏡を配布させていただいておりますので、もし必要がありましたらそれをお使いいただけ ればと思います。  それで次に6ページに行きまして、こちらは6ページの上の方は、これは試行的適用病 院の同じ分析対象の割合でありますが、こちらも上の表の一番右下のところを見ていただ きますと「95%」というようになってございます。実は医療機関ごとに見ていきますと、若 干低い病院もございます。上の表の下から1/3ぐらいのところに「77%」というような、 これは赤穂中央病院というところでしょうか、そういうところもございますが、大体、全 体としては95%ということでありました。その下、やや小さい表ですが、こちらは平成15 年度からの調査協力病院であります。  そして7ページ、8ページが、こちらは平成16年度からの調査協力病院でございます。 こちらも94%でございます。  それで、9ページが平成17年度からの調査協力病院でございまして、こちらが94%と、 大体いただいたデータの95%、94%程度が分析対象となっておるというように思っていただ ければと思います。  それでは次に、ここまでが前提でございまして、10ページ以降、在院日数につきまして 分析の結果を御説明申し上げます。在院日数の状況でございますが、10ページの一番上の 表で、対象病院の在院日数が18.26日でございました。試行病院が15.10日、調査協力病 院は15.46日でございました。調査協力病院で15、16、17とスタートの年を比較してみま しても、大体15.4とか、15.1とか、15日のオーダーで収まっております。その中で「17 年度DPC対象病院」というように書いてございますのが10ページのこちらの棒グラフであ ります。最も短いのが、一番上の東海大学医学部附属病院でございまして、2番目に短いの は国立がんセンターの中央病院でございまして、これまで一番短かったというように記憶 しております慶應大学病院はほぼ一緒でございますが、数字上は3つ目というようになっ てございます。こちらは短い病院ということでございまして、下の方に行くにつれてこれ は長い病院になってございますが、一番下の病院が鹿児島大学病院ということでございま す。  次に11ページであります。11ページの上のこちらの山が試行的適用病院の山でございま して、短いところは医療法人の敬愛会中頭病院でございました。次に平成15年度からの調 査協力病院の平均在院日数をその下に書いてございます。平均15.43日となってございま す。  12ページ、13ページでございますが、12ページが16年度からの調査協力病院の在院日 数の状況でございます。一番短いのが一番上にあります財団法人脳血管研究所の美原記念 病院でございました。次に13ページも同じように書いてございまして、それぞれ平均在院 日数がどんなものであったかということを示しております。  これを過去のデータと比較してみましたものが14ページ、15ページ、16ページでござ います。このデータもいつまでこのような形で出し続けるかはちょっと疑問があるところ ですが、今年度までは4年間のデータを出させていただいております。ほぼすべてのDPC 対象病院におきまして、下から年次が古いようになっておりますが、14、15、16、17とい うように並んでございます。先ほど申し上げましたように、今年のデータで一番短かった のは東海大学医学部附属病院でありました。次に15ページは同じようなグラフをDPC試行 的適用病院について作成したものでございます。次に16ページに、DPC調査協力病院で15 年度から御協力いただいている病院、それから16年度に参加していただいた病院と、こち らも名前を示させていただきまして、こちらの方も在院日数の比較をさせていただいてお ります。  以上が個別の医療機関の経年の変化でございました。これを数値で見てみましたものが 次のページからでございます。17ページであります。17ページでございますが、こちらは DPC対象病院の在院日数の平均でございます。これは各病院別に見ていくのは大変でござい ますので、一番下の行を見ていただきますと、DPC対象病院全体でどのような変化があるか ということでございます。このDPC対象病院という行を見ていただきまして、ちょうど網 掛けをしております「21.22日」というこちらが平成14年のデータでございました。それ から右側に行きまして「19.70」、これは15年のデータ。16年データは同じように「19.13 日」というようなデータであります。そして今回平成17年の方は「18.26日」となってご ざいまして、平成14年から比べますと約3日間在院日数が短くなっておると。そして特に 間を見ていただきますと、それぞれ各年ごとに短くなってきているということが見てとれ るわけであります。  次に18ページでございますが、同じような分析を試行的適用病院についても行っており まして、15年度では「16.53日」とありましたものが、17年度は今回のデータでは「15.10 日」となっております。大体1.4日程度短くなっております。こういうことをやらせてい ただいております。  それから次に調査協力病院のデータでありますが、19ページはちょっと飛ばしていただ きまして、20ページでありますが、20ページは平成16年度から参加していただいている 100幾つの病院でありますが、こちらは逆に見ていただきますと「14.93日」から「15.15 日」というように、0.21でありますが延びております。調査協力病院においては延びたと ころもあったというところでございまして、全体では延びているということでございまし た。  次に「在院日数の平均の差に関する検討」でありますが、こちらの22ページ以降の御説 明を申し上げます。この分析も定例のものでございますので、余り詳しく御説明をし直す 必要はないかもしれませんが、若干加えさせていただきますと、在院日数が短くなってい る、あるいは延びているということなんですが、全体的に短くなっているとすればそれは どういう要因によるものなのかということを分析する一つのツールとしてこのようなもの を使っております。22ページでありますが、例えばこちらの22ページの表を一つ一つ読み 上げると時間がかかりますので、簡単にまとめて申し上げますと、例えば22ページの一番 上の表で「−2.0日」と、2日間短くなったと。その要因が何かというものでございます。  それで次の表では在院日数の平均の変化によるものなのかどうかというものを見ており まして、DPCの診断群分類の構成を平成16年度にそろえると。平成16年度にそろえますと、 在院日数が変わったことによる変化をちゃんと見ることができると。つまり、患者さんの 構成を全国に合わせてみるというようなことをすると変化が見えると。そうして見てみま すと、例えばこの例を出しますと「7.0日」というように、在院日数が7日短くなったんだ なということがわかります。 それから逆に患者の構成はどうなったんでしょうかと。つまり、在院日数の長い患者さ んをたくさん入れるようになれば、高い割合で入れるようになれば、それは当然在院日数 が長くなりますので、そういう影響はどうなんでしょうというようなことを検証している のが下のやり方であります。これで見ますと、在院日数をそろえますとこちらの方では例 で出しているデータでは「+6日」となってございます。それで、これを見ますと、影響と しては在院日数の変化が「−7」で、患者構成の変化というのは「+6」で、その影響の大 きさというか、影響力の強さで「−2.0日」とこういう変化が出てきたんだなということで あります。当然これは患者構成とか在院日数とかいろいろシミュレーションをしておりま すので、+6と−7を足しても−2にはなりませんが、こちらはあくまで在院日数の変化な のか、あるいは患者さんの構成の変化なのかということの、どちらの影響が強いんだとい うようなことを見るものとして定例的に出しておるものでございます。  それを前提に23ページ以降御報告いたします。23ページでございますが、平均の差、こ ちらは対象病院、特定機能病院等の対象病院でございますが、14年と17年の差でございま す。一番下の行を見ていただきますと、左から6つ目に「−2.96」というような値を書い てあるところがございます。これは生データで出てまいります「2.96日」と、これは在院 日数が短くなったものでございます。それが一番右の2つのカラムを見ていただきますと、 一番右がDPC、つまり患者さんの構成の差による影響というものが一番右の列のものでござ います。それから一つ左の「−4」となっておりますが、こちらは在院日数が変わったこと による影響ということでございます。それで、こちらの「−4」と、それから「+1.42」と いうのを見ていただきまして、診断群分類ごとに全体的に在院日数が短くなっていること の影響が「−4」と。その上で、患者構成としましては「1.42」というように、これはプラ スになってございますので、いわゆる在院日数が長くなるような患者さんをだんだん受け 入れてきているということで、患者さんの受け入れは進んでいると。ただ、全体的に在院 日数は短くなっていて「−2.96」という、そういう在院日数の変化が出てきたんだという ように読み取れるかと思います。  それで同じように24ページ、25ページというように、こちらは同じDPC対象病院で今年 度は17年度でございますので、15年度と17年度を比べて、25ページの方は16年度と17 年度を比べております。当然、絶対値は小さくなるんですが、いずれも同じように在院日 数の変化という方が大きくて、それからDPCというか、患者さんの構成の差による影響と いうものがこれはプラスに振れていると。それで全体的には在院日数の影響の方が大きく て、在院日数自体は縮まる傾向にあるということであります。  それで同じような分析を、今度は26ページで。こちらは試行的適用病院にやったもので ございます。試行的適用病院を同じように見ていただきますと、平均の差は「−1.38日」 というように読み取れるわけであります。一番下の行でございますが、1.38日でございま す。そして右側、2つのこちらから見ていただきますと、患者さんの構成の差による影響は 「+1.44日」と。逆に在院日数が下がったことによる影響が「−2.43日」ということで、 これで全体的にはマイナスに振れているということでございまして、これは15年と17年 の比較であります。  右側のページ、27ページに行きまして、こちらの16年と17年でも絶対値は小さくなっ ていますが、同じような傾向であります。  次に29ページでございますが、こちらは調査協力病院で16年度と17年度を比較したも のでございますが、こちらも同じような傾向が出ております。  さて、次のページに行かせていただきまして、30ページでありますが、今のような影響 分析を今度は施設類型ごとにやってみました。それで、特定機能病院を中心とするDPC対 象病院の在院日数がやはり長いということは何によるものなんだろうということでござい ます。それで、これは同じ手法を、30ページの一番上の表を見ていただきますと、これは DPC対象病院と試行的適用病院の差でありますが、こちらは3日ほどございます。それをど ういうような理由なのかということでございますが、差の要因は一番右側のカラムを見て いただきますと、DPCの患者さんの構成の差による影響が「−2.54」でありまして、その一 つ下を見て行きますとDPCごとの在院日数の影響が「−0.19日」でございます。この在院 日数の差が3日ほどございますのは、患者さんの構成によるものがそういう影響が大きい んだなということが見てとれるわけであります。  次にその下の表を見ていただきまして、DPC対象病院と調査協力病院を比べましても同じ ような傾向が出ておりまして、差自体は「3.37日」あるわけでございますが、要因としま しては患者さんの構成の差による影響の方が大きくて、逆にDPCごとの在院日数の影響と しては、調査協力病院の方が少し長いような傾向にあるということが「+0.54」というあ たりで読み取れるわけであります。それを15年度でやったものが30ページ、16年度でや りましたものが31ページでございます。同じような傾向で出てきてございます。  次に在院日数の分析はこれぐらいにしまして、33ページ以降は救急の機能がどうであっ たかということでございます。33ページの上にありますのが救急車による搬送の率でござ います。下がその実数でございます。それでDPC対象病院が一番左側の4つの棒グラフで ございまして、少し減少傾向にあるのかわかりませんが、8.7%から7.9、8.3、7.7という ようになってございます。それで実数を見ていただきますと、16年度までは実数自体は伸 びていたわけでありますが、17年度は実数は落ちているということでございます。それで 幾つかの病院の影響で落ちておりまして、幾つかの病院でかなり落ちている病院がござい ました。実は私どもは問合せをしたんですが、一応その値で正しいということでございま したので、その値を活用してこの形になってございます。それで、後の分厚い資料の方に はそれぞれの病院でどのぐらい救急を受け入れているかも全部書いてございますので、ど の病院が件数が減ったかというのも見ていただけることになります。  それでは次のページ、34ページでございますが、こちらは緊急入院の割合でございます。 一番上のDPC対象病院でございますが、平成17年度は若干下がっておるんですが、横ばい 程度と思っていいのかどうかはわかりません。対象病院の実数の方を見ていただきますと、 14年、15年、16年と伸びておりましたものが、17年度は若干伸びているんですが横ばい という形になってございます。DPC試行的適用病院を見ていただきますと、割合としては横 ばいであります。それから実数を見ますと、15年から16年にかけて伸びておりまして、17 年度はほぼ横ばい、微増という形であります。15年度からの調査協力病院を見ますと、割 合としてはちょっと減っておるような形でありますが、実数自体は16年度よりはちょっと 減っておりますが、大体横ばいということでございます。  次に他院よりの紹介ありの率でございます。35ページでありますが、上に同じように割 合を取っておりまして、下に実数を取っております。割合自体はDPC対象病院では14年度 が最も高くて、その後15年度に一回落ちまして、そこから少し持ち直して来ておるという 状況でありますが、実数自体は下で見ていただきますとおり若干増加傾向にあります。特 に15、16、17は増加しておるということでございます。これは試行的適用病院も16年度 から17年度は増加しておるということでございます。15年度からの調査協力病院、16年 度からの調査協力病院も、16年から17年の間には伸びておると、実数は伸びておるという ことがわかるかと思います。  次に退院先の状況であります。こちらは36ページでございます。こちらは退院先の状況 でございますが、こちらのグラフの見方は一番下の多い割合を占めておりますのが外来自 院で、これは外来で管理をしているというところに至ったものが少し網掛けされている一 番割合の多いところでございます。その上が外来で、ほかの医療機関、他院でございます。 その上にまた網掛けされておりますのが、これが転院でございます。その上が終了、それ からその上がその他となってございます。それで傾向を見ていただきますと、DPC対象病院 では外来自院の割合が増加しておるということでございます。それから試行的適用病院で はほぼ横ばいかなということでございます。平成15年度からのDPC調査協力病院におきま しては、15から16に外来自院の割合は少し下がりまして、ほぼ横ばいということでござい ます。  次に退院時転帰の状況であります。こちらはこれまでもこちらの分科会でも御議論いた だいたところでございますが、37ページでありますが、対象病院、試行病院と並んでおる のは同じでございまして、一番下に網掛けされておりますのが治癒という割合でございま して、その上が軽快の割合であります。治癒と軽快を足した割合はほぼ8割で、こちらは 14年、15年、16年、17年、こちらは変わってございません。それで治癒の割合が逆に減 っておったというようなことが指摘されております。それは14年、15年、16年で減って おったんですが、16年、17年の割合を見ますとこれはほぼ同じということで、この状況で 推移するのかどうかというところだと思います。次に試行的適用病院でどうかということ でございますが、試行的適用病院は15年、16年、17年というように治癒の割合は下がる 傾向にありまして、治癒と軽快を足すと大体同じぐらいの割合ということでございます。 それから15年度の調査協力病院を見ますと、15年から16年では若干治癒の割合が下がっ たんですが、17年度では少し持ち直しておると。それで次に16年度からのDPC調査協力病 院で治癒の割合を見ますと、こちらは治癒の割合自体は上がっておりますが、治癒と軽快 を足した割合は少し下がっておるというようなことになっております。  次に再入院の状況であります。再入院に関しましては今後また再入院調査というのをや ってございますので、そちらの特別調査の方で御報告いただくことになろうかと思います が、こちらは全体の傾向であります。DPC対象病院、試行病院、それから調査協力病院でも 共通して再入院の割合というのは伸びていく傾向にあると。それで、DPC対象病院の表を見 ていただきますと、こちらは一番下の薄い網掛けが、これが同一疾患での6週間以内の再 入院であります。その上の濃い網掛けが、こちらは同一疾患での6週間以降の再入院であ ります。その上の白く抜いてあります長いところは、異なる疾患での6週間以内の再入院、 その上が異なる疾患での6週間以降の再入院であります。  それでこちらを見ていただきますと、DPC対象病院で伸びてきているわけでありますが、 こちらの伸びの主要な原因というのは、こちらの一番下の薄い網掛けの同一疾患での6週 間以内の再入院というのが増えてきているということが主な原因です。次に試行的適用病 院でも同じような傾向にございまして、同一疾患で6週間以内の再入院ということが増え てきている原因で、主な原因というように見られます。次に、ある程度の数があります平 成16年度からのDPC調査協力病院を見ますと、こちらはDPCの支払いを行っていないわけ でありますが、ここでも同一疾患での6週間以内の再入院というのが増えてきておるとい うことでございます。それで、再入院に関しましては、この6週間以内の再入院に限りま してより詳しい調査を後ほど御説明いただくことになっておりますので、ここではこの程 度に止めさせていただきます。  それから39ページ以降は今回初公開のデータでございます。こちらは新しいデータでご ざいまして、再入院の状況というものが何%ありましたかと、入院の中の何%が再入院だっ たかということを各病院別に出したデータでございます。病院別に出しますと、上から1 /4ぐらいのところを見ますと空欄のところがございますが、空欄の病院が2つございます が、データを出していただけなかったということでございます。こういうこともわかるよ うになってしまいますが、とりあえず今回はすべてデータを出させていただいております。 それで当然左側のグラフにありますように再入院自体が伸びておりますので、全体的な傾 向として各病院で伸びる傾向にあるというのはわかると思いますが、やはり各医療機関で ばらつきがあるということがわかるかと思います。  まず再入院の状況は39ページの一番下の行を見ていただきますと、DPC対象病院全体で はこちらは「12.79%」というものが、こちらが再入院の全体の平均でございます。その後 個別に見ていただきますと、高い病院と低い病院があるということがわかろうかと思いま す。例えば一番上の札幌医科大学病院ですと、14年度では7.37%だったものが、17年度で は17.88%と非常に伸びているような状況にございます。逆にその次の北海道大学病院です と、14年度は10.1%だったんですが、それが17年度では11.17%ということで、余り増えて いるというわけではないというようなところが見てとれるわけであります。ほかにもそう いうように見ていただきますと、高いまま安定しているところもあれば、低いまま安定し ているところもあり、逆にどんどん伸びていっているところもあるというようなところが 見てとれるかと思います。  例えば、これは公立の施設でございますが、国立がんセンター中央病院というのが上の ところにございますが、国立がんセンター中央病院を見ていただきますと、14年度のデー タはちょっとなくて、15年度データから25.81%、24.46%、27.22%というようになってござ いまして、ここは再入院の割合自体はそんなに変化はないわけでありますが、もともとや はりがんを集中的に治療して化学療法とかをやっていらっしゃるということなんだと思い ますが、その分析は後で出てまいりますが、もともと高いまま推移しているところもござ います。逆に、先ほどのように上昇しているところもございます。このように特定機能病 院を見ていただきますと、それぞれ病院がどのような状況だったかということがわかるわ けでございます。  それで次の40ページが、こちらは試行的適用病院の在院日数の状況であります。14年度 はデータは当然ございません。15年度からどうだったかということでございます。一番上 にあります病院ですと、9%から逆にこの病院は下がっておるというような傾向にあります。 9%、6%、5%というように下がってきてございます。最も高いのが上から5つ目の日鋼記念 病院さんが28.18%というように高いですね。それでこの病院も15年度から若干数字が伸び てきているような状況にございます。こちらも一番下から見ていただきますと、DPC試行的 適用病院全体としましては11.92%の再入院率でありましたが、これより著しく高かったり、 著しく低いというところに何らかの理由があるのか・ないのか、そういうところを見て何 らか標準的なものに近づけられることができないのか・できるのかと、そういう一つの指 標としてお使いいただけるのではないかなというように思っております。  それで見ていただきますと、日鋼記念病院さんも高いんですが、ほかにも高い病院が幾 つかございまして、下の方に行きまして国立病院機構の大阪南医療センター、こちらも15 年度は14%、16年度は15%、それで17年度は19%と。もう少し下の、下から数えた方が早 いんですが、こちらの九州医療センターに関しましても13%、17%、20.18%というように上 昇してきているような傾向にございます。  次に41ページでありますが、こちらは調査協力病院の状況であります。調査協力病院は 調査して協力していただいた年次が若いので、そういう経年的な影響がなかなか見れない ところがございますが、やはりこちらも調査協力病院全体で見ると、43ページの一番下の 表では11.95%というように、大体どの類型を見ても20%弱ぐらいで、20%内外で大体収まる わけでありますが、ここの中でも幾つか高い病院がございます。41ページで申し上げます と、上から1/3ぐらいのところにあります旭川赤十字病院が24.29%ですとか、高い病院が ございます。  それから次のページに行きまして、42ページに行きますと、こちらは国立病院機構の姫 路医療センターは22%ですとか、同じく国立病院機構の呉医療センターは20%と。その下の 真ん中ぐらいに佐世保の市立病院ですと23.27%。逆に低いのはその一つ上でございまして、 大村市立病院に関しましては7.66%というようなデータが出てきております。もう一つ低い データがございまして、これが下から十幾つ目だと思いますが、6.96%という病院がありま して、こちらは自治医科大の大宮医療センターであります。このように差が見えてとれる ということであります。  再入院に関しまして個別の医療機関のデータを御紹介しました。こちらのデータは今回 新しく用意させていただいたものでございます。  次に44ページでありますが、こちらは定例に出しているものでございまして、各病院類 型での患者構成がどう違うかというところでございます。表を見ていただきますと、DPC 対象病院は試行病院と並んでおりまして、こちらはDPC対象病院と試行病院とでやはり差 がございます。例えばMDCで申し上げますと、上から6つ目の呼吸器疾患、循環器疾患、 消化器系疾患、胆、肝、膵、こちらのメジャーな非常に患者さんが多いと思われるような 疾患ですが、こちらの方は試行的適用病院で見ますと呼吸器疾患が11.24%、これは平成17 年度の値ですが、循環器系の疾患が10.36%とか、あるいは消化器系が21.55%と、こういう 割合であるのに対してDPC対象病院の17年を見ますと、それより数%ずつ低いというよう なことが出ておりまして、ここはやはり特定機能病院を中心とする病院とそれ以外の病院 とで少し患者層は違うということが見てとれるわけであります。  次に45ページでありますが、こちらの方を見ていただきますと、こちらは細かい表をつ けているわけでございまして、DPCの診断群分類ごとに14年度、15年度、16年度、17年 度でどのぐらい件数があって、在院日数の値が幾らであったかということでございます。 これはまさに拡大鏡を使っていただかないと見えないかもしれませんが、見方を申し上げ ますと例えば一番上の行で「0100101××××××」とありますが、これは脳腫瘍の検査入 院のそういう診断群分類ですが、その右側を見ていただきますと、平成14年度で件数が 「236」という、これはあった件数を書いております。その次に「平均値」とありますのは、 これは在院日数の平均値でございます。その右側が変動係数と言いまして、どのぐらいば らつきがあるかということでございます。これをすべて類型の病院につきまして出させて いただいております。これは定例に出させていただいております。  それでちょっと飛びまして、次に98ページであります。こちらは今回の対象病院・調査 協力病院の中で精神病棟を持っている病院のデータを今回いただきました。それで、同じ く19万件のうち、7千件が今回の分析対象となっております。それで集計としましてはそ の下に書いてありますように、疾患別に件数、在院日数というのを分けてみたと。それか ら重症度の分類の一つとしましてGAFの尺度別の件数、在院日数というのを見ております。  1ページ飛ばしていただきまして、こちら100ページ以降は前のところで御説明したよう に、同じように分析対象としたデータの状況でございます。精神病床を持っていない病院 が多数ございますので、そういうところは「0」と出ております。これは調査に協力いただ けなかったということではなくて、これは精神病棟を持っていないということで、そう御 理解いただければと思います。  それで次に104ページまで飛んでいただけますでしょうか。104ページを見ていただきま すと、これは比較的大きな表でありますが、DPC対象病院、試行病院、調査協力病院でそれ ぞれ分析対象の入院が何件あったかということ。それぞれの在院日数の平均がどれぐらい あったかということを示しております。実は対象病院と試行病院とでそんなに差がなくて、 逆に調査協力病院では短い傾向にあったということであります。  それを今度は疾患別に見たものが105ページであります。次にGAFで見たものが108ペ ージに載せてございます。ただ、件数がまだ十分に集まりきれない部分もありまして、も う少し母数がふえるともうちょっとおもしろい分析ができていくかなということでござい ますが、こちらはDPCの今回の調査で精神病者も対象としましたのでつけ加えさせていた だきました。まずは、こちらの退院患者の調査について御報告いたします。  それで、私ばかりしゃべって申しわけないんですが、続けさせていただきます。平成17 年度の在院日数の平均の差でございます。この差を検証したわけでございますが、これを 診調組D-3で御説明します。これもホチキスどめの資料でございます。  診調組D-3の資料でありますが、これを同一医療機関の中の差というのを見てきたわけ でございますが、今度は医療機関ごとにどういう要因で在院日数に差があるんだろうとい うことを分析したものでございます。こちらは昨年の11月4日に7月分、8月分のデータ で同じ分析をいたしまして、そのときにはたしか三田の共用会議所の会議室だったと思い ますが、スライドを使いましてパワーポイントで御説明を主査の堀の方から御説明申し上 げましたが、きょうはちょっとそこまでの用意はできておりませんが、後ろの方にカラー で分析を示しております。まず、どういうようなことで分析したかということだけ御説明 を申し上げます。  まず、1ページ目でありますが、1ページの真ん中にあるのは手法についてであります。 ここの(3)集計方法というところをごらんいただければと思います。まず、全国の平均を 出そうということで、平成17年度調査に参加している全372医療機関のデータを用いてそ れぞれのDPCごとの診断群分類ごとの在院日数の平均値と、DPCごとの患者構成を集計しま した。その上で、患者構成の差というのを見るということでございまして、一言で言いま すと重い患者さんが多いから在院日数が長いのか、軽い患者さんが多いから在院日数が短 いのかというような、そういうところで見るとそうなりますが、そういう差についてこの ような方法で見るということでございますが、患者構成の差については各医療機関での診 断群分類ごとの在院日数を平成17年度全国に合わせた上で、医療機関ごとの患者構成を用 いて患者構成の差を評価いたしております。つまり、同じ疾患名で同じことであれば、在 院日数を全国に合わせると。その上で患者構成はその病院のものを適用しますので、在院 日数の長い患者さんがその病院に多ければ、当然在院日数は長く出るということでござい ます。  次に、DPCごとの在院日数の差については、各医療機関の患者構成を平成17年度全国に 合わせて、医療機関ごとの在院日数を用いてDPCごとの在院日数の差を評価しております。 これはどういうことをしているかと言いますと、要は同じ疾患でも医療機関によって長い のか・短いのかというところでございます。それで、これを比較を要因するために、一番 下の行でございますが、DPCごとの在院日数を平成17年度全国平均に合わせた際の医療機 関別の在院日数を、ここは云々とちょっと難しくなりますが、要はここは後で御説明しま すグラフをどのように見るかということを説明しております。  こちらの例でお示しした表がございます。例えばこのA病院というところでございます が、こちらの在院日数が例えば件数が3,932ございまして、医療機関別在院日数の平均が 19.43日でありましたと。それで全国平均は18.82日でございましたと。そうすると、在院 日数としては長いわけでございますが、全国平均よりは長いんですが、それはどういう差 によるものかということでございます。それで先ほど患者構成の指標、それから在院日数 の指標と言いましたが、上の文章で書いてあるような処理を行いますと、患者構成の指標 としては「1.15」という値が出てくると。在院日数の指標としては「0.95」という値が出 てくるということでございまして、これは患者構成の指標が1.15ということは、それだけ 在院日数の長い患者さんをたくさん診ているということでございます。それで在院日数の 指標が0.95ということは、同じ疾患で見たときにこの病院では若干在院日数は長い方に振 れているということでございます。0.95というのは全国に比べて0.95、これは長い方に振 れているというようなことでございます。つまり、この患者構成の指標が1より多ければ 大きいほど在院日数の長い患者さんをたくさん診ている。それから在院日数の指標が1を 超えれば超えるほど、同じ疾患でも在院日数は短いというようなことが、そういうような 御理解をいただければと思います。  それで3ページは、これは全体でございますが、大事なところは上から4行目でござい まして、「該当症例が10件未満の施設については空白としています」と、そういうことを しております。  それで4ページ以降はこれは数字だけが羅列しておりまして、これを御説明し出すと時 間が幾らあっても足りないのできょうは割愛させていただきますが、一つだけ4ページの 国立がんセンター中央病院の値が、これを見ると後で特異的な値が出てくるのでわかりや すいと思いますので御説明申し上げますが、こちらはDPC対象病院で国立がんセンター中 央病院は真ん中より少し上にございますが、そこをずっと右側に見て行っていただきます と、患者構成の指標というのは「1.40日」ということで、これが一番大きい値であります。 それでその2つ右のカラムでは、在院日数の指標は「1.14日」となってございます。ここ の値は後で御説明申し上げますので、ちょっと記憶の片隅に止めておいていただければと 思います。これの値をすべて医療機関について分析したのが後ろの表であります。  それで傾向を95ページ以降のグラフを用いて御説明申し上げたいと思います。95ペー ジ、こちらはカラー刷りになってございます。それで、こちらの青い四角のダイヤ型の、 こちらの点一つ一つがこちら側の特定機能病院を中心とするDPC対象病院の今の値をプロ ットしたものでございます。それで見ていただきますと、一番右側に飛びぬけて「1.40」 のところに高い病院がありますが、これは先ほど申し上げましたがんセンターの値でござ います。ですから、こちらは患者構成の指標として1.40日ということでございますので、 全国的に見ると非常に在院日数が長くなるような患者さんをたくさん診ているというよう な、そういうような分析結果になろうかと思います。かつ、在院日数の指標、縦軸ですが、 縦軸も1.14だと思いますが、そういう値でございまして、それぞれ疾患ごとに見ましても 在院日数は短い方にあるということでございます。ですから、この右上に行けば行くほど 難しい患者さんを診ていて、なおかつ在院日数が短いというようなことが言えるというよ うに思います。  それで、ここで見ていただきますとDPC対象病院、特定機能病院等を中心とするDPC対 象病院はほぼすべての病院が、患者構成の指標は原点より右側にあります。というのは、 やはり全国平均よりは在院日数の長い患者さんをたくさん診ているということでございま す。在院日数は1.0を中心としまして上と下にそれぞればらけています。次にDPC試行的 適用病院、これは白地に黄色なのでなかなか見にくいんですが、こちらの方を見ていただ きますと、原点を中心にこちらは結構ばらけております。  それで次のページ、96ページを見ていただきますと、こちらは調査協力病院、96ページ の上のグラフは調査協力病院で同じように分析したものでございます。大きな塊は患者構 成の指標としては1.0、1.0という、そういう中心点からは左のところに大半があるのかな というところでありますが、右側に患者構成の指標としては点数が1.0を超えているよう な病院、それから在院日数の指標も1.0を超えているような病院も幾つかございます。  これを3類型をプロットしたのが96ページの下のグラフでございまして、黄色の試行的 適用病院は余り明確な傾向というのはなかなか出てこないんですが、やはり特定機能病院 を中心とする対象病院と、青い点と赤い点は少しすみ分けができているのかなというとこ ろが見てとれるということでございます。  また1ページ飛ばさせていただきまして、98ページ、99ページでございます。こちらは 病床希望別に切ってみたものであります。98ページの上が200床以上で切ったもの。特定 機能病院のDPC対象病院はすべて200床以上、500床以上でございますが、こういう分布で あります。それで300床以上がその下で、400床以上はその右上です。99ページの右上の 方です。それで99ページの下のグラフは500床以上ということでございまして、特段病床 で切ったからといってそんなに明確にここは変化するというところは見てとれないところ であります。  次に100ページと101ページでありますが、これは102ページまでなんですが、診療報 酬上のいろいろな加算がございます。医療機関の機能を評価するようなことで、実は今回 の改定でなくなってしまったんですが、急性期特定入院加算、対象病院と急性期入院加算 を算定するDPC試行的病院と、それからこれも急性期入院加算を算定する調査協力病院で 見たものでありますが、ここでもこれまで見た全体の傾向を覆すような傾向はないです。  逆に100ページの下のグラフでは少し傾向が出ているかなというところがございまして、 急性期特定入院加算を算定するDPC試行的病院、それから急性期特定入院加算を算定する 調査協力病院でありますが、調査協力病院はこれはピンクの点をプロットしますと、患者 構成の指標が左側に、つまり1.0を切っていたような病院が少し減ってきて、右側という か、1.0を超えているような病院の割合がふえる、残る病院がふえるということでございま す。そして右側には、こちらは地域医療支援病院入院加算とか、臨床研修病院を加算、こ ちらのものを算定しているかどうかを見ています。  次に102ページは、こちらは救命救急入院料とか、ICUの管理料を算定しているかどうか。 103ページはNICUを算定しているかどうかということです。総合周産期を算定しているか どうかというように、診療報酬上の項目でどんな傾向があるかというのを見ております。  次に、だんだんと駆け足になって申しわけございませんが、104ページ以降はこちらは MDCごとに、いわゆる疾患をくくりにしたときにどのような分布かというのを見たものであ ります。104ページからMDC01から並んでおりますが、1が神経系の疾患であります。これ は特にDPC対象病院とそれ以外の病院とで余り差は見られないところですが、MDC02の眼科 系疾患になりますと青いポツとピンクと黄色のポツで若干分布が分かれるのかなと。それ が顕著なのがMDC03でございまして、耳鼻咽喉科系の疾患でありますと、こちらは特定機 能病院の中でも患者構成の指標が随分ばらつきがあります。逆に在院日数は1.0のところ に張りついておると。それから調査協力病院や試行的適用病院は在院日数は短いけれども、 患者構成の指標としては1を切るというようなことで、こういうところは機能が違うのか なというところが見てとれるわけであります。それで呼吸器系の疾患も若干そのような傾 向が見てとれます。  次に循環器系の疾患、106ページでございますが、MDC05循環器系もそんな傾向が見てと れるかと思います。106ページも、これは非常にクリアに消化器系の疾患でございますが、 患者構成の指標で長いところに関しましては右側に特定機能病院、対象病院などが明確に 出てきておりまして、そこにはピンクのポツは余りない、黄色のポツも余りないという状 況が見えております。  次に筋骨格系疾患はそんなに変わりはなくて、MDC08の皮膚・皮下組織の疾患ではやはり 在院日数というよりは、患者構成の指標が長いところが大学病院に多いというところでご ざいます。  108ページ、109ページ、こちらはこれも見てとおりの傾向で、そんなに大きな傾向はご ざいませんが、強いて挙げるとすればMDC12で女性生殖器系及び産褥期疾患であれば、特 定機能病院はやはり患者構成の指標が右側にできているということでございます。  次に110ページでありますが、こちらの方は見ていただきますと調査協力病院のいわゆ るピンクのポツがかなりばらついているなというのがわかると思います。血液・造血器・ 免疫臓器の疾患、それからMDC14が新生児疾患、先天性奇形ということでございますが、 ピンクと黄色のポツが在院日数は短いけれど、そういうところは患者構成の指標としては やはり低いところにばらついているというところが見えるかと思います。  大体そんなところでございます。次に112ページ以降はこれは各施設類型で経年変化を 見たものでございます。ここも全体的な傾向をバクッと把握していただくためのものと御 理解いただければと思いますが、112ページの上の茶色の「×」の表が、これが各対象病院 での平成14年のプロットでございます。それを15年、16年、17年となりますと、17年が 一番右下の青いポツでございますが、だんだんと上に上がってきているということが見て とれるかと思います。  それをまとめたのが114ページの一番上のグラフでございまして、やはり左下には茶色 の「×」が多くて、それがだんだんと右上の青いポツに変わってきているというところが 傾向として見えると。  同じようなものを試行的適用病院に見たものが116ページの上でございます。あとは調 査協力病院はちょっと数が少のうございますので、ちょっとこのプロットからは余りもの が言えないかなと思っております。  では最後、この分厚いやつ、これは全部を説明するつもりは全くございませんので、も う少し御容赦いただければと思います。こちらは平成17年度データの集計であります。前 回の分科会、それから昨年度の分科会を通じてデータの公表が大事だというように御指摘 いただいておりまして、データの公表をするという観点からかなり部厚い集計を出させて いただいております。しかも、これは私どもが集計しております表のすべてでは実はござ いません。これを超えると印刷できないと言われまして、とりあえずこれぐらいの厚さに しておりますが、きょうはこういうデータが出せるということを御説明しまして、実際に 我が省のホームページに後で載せるわけでございますが、それはもう少し後で申し上げま すものが増えたものになります。  それでこれを1ページおめくりいただきまして、2ページをごらんいただきますと、今回 集計対象としましたのは平成17年度にいただきましたデータであります。それで集計条件 と公表条件でありますが、特異的な疾患で1例しかないとかそういうものもございますの で、そういうところはちょっと配慮が必要だということですが、すべての集計について5 施設以上、10症例以上出現した場合には集計を行っております。そういう症例については 集計を行っておりますが、ただ、そういうものであっても施設によってはそういう症例が1 症例だったりということがありますが、そういうところは公表の対象外としているという ことで「−」を入れさせていただいております。ある程度数があるということで集計して おります。  次に集計表については次の3ページに書いてございます。こちらは(1)〜(8)まで表をつく らせていただいております。(1)がMDC別・医療機関別件数であります。それで、こちらは 各病院別に、それから手術の有無別にMDCごとに何件あったかということを出しておりま す。それから(2)が、こちらは疾患別の医療機関別のものでございまして、次のページが、 (2)が19ページから始まるんですが、これは非常に大部になっておりまして、60ページぐら い続くものでございます。それから(3)の様式1でございます。主な診療行為・医療機関別 ・MDC別件数というようになってございます。こういうものの調査をさせていただいており ます。  典型例を一つだけ御説明申し上げますと、例えば19ページをお開けいただきますと、こ れは(2)の疾患別・医療機関別件数でございますが、19ページでこれもまた細かい字で大変 恐縮なんですが、一番上に疾患で何を取っているかというのが並んでおります。一番上を 見ますと脳梗塞が並んでおりまして、くも膜下出血、次が未破裂脳動脈瘤、それからだん だんと行きまして、その何番目かに「脳梗塞」というのがございます。そこを上からたど っていきますと、例えば札幌医科大学病院では「手術あり」が24件、「なし」が13件と なっているわけですね。これをざっと下の方まで降りて行っていただきまして、途中で下 から1/5ぐらいのところだと思いますが、「376」件というようなデータがございます。 これは「手術あり」の件数ですが、施設を見ますと国立循環器病センターということで、 こういう脳梗塞というのは国立循環器病センターではかなり見られているんだなと、こう いう見方ができるということでございます。  それではまた3ページに戻らせていただきまして、(4)、(5)でございますが、こちらは救 急の機能はどうかというところを見たものでございます。これは141ページから数ページ にわたって続いています。ページ数は表紙に書いてありますので適宜御参照ください。  それから(6)が、入院から24時間以内の死亡の有無でございます。これは医療機関別、そ れからMDC別に集計しております。  それから(7)が、こちらは手術難易度医療機関別・MDC別集計、これは割合でございます。 これは150ページからでございます。これはかなり分厚い集計になってございます。こち らの集計を行いました理由は、昨年のDPC評価分科会、この分科会におきまして各医療機 関に外保連が分類しております手術の難易度というのがございます。そちらで医療機関別 に出しているわけで、たしか山口委員からだったと思いますが、これは疾患別というか、 MDC別に見ないとちゃんと見られないという御指摘をいただきましたので、こちらはその御 指摘を受けまして各病院、それからMDC別に見ております。  それから(8)としまして、今回これは新しい集計データでございますが、こちらは医療機 関別というわけではないんですが、こちらは診断群ごとの集計でございます。これはちょ っと解説が必要かと思いますので、320ページを開けていただけますでしょうか。こちらが 320ページからだんだん並んでおりますが、こちらから御説明申し上げますと、例えば 「0500501××××××」ということで、狭心症、慢性虚血性心疾患(検査入院)というこ ういう診断群分類でございます。それで、その下の網掛けに入っていただきまして、DPC 対処病院、その右側にDPC対象病院以外、この2つに類型を分けて計算しております。そ の右側に「全体」というところがありますのは、これはわかりますでしょうか。その中の 「件数」というカラムがございまして、そこに「20360」という数が入ってございます。こ れが全体の件数でございまして、この診断群分類で17年度データでこれだけの件数がこの 診断群分類に該当したというデータでございます。それで、これは後ろに同じ表を診断群 分類別に300枚つけさせていただいております。これはこの件数が多い順に上から300分 類、同じ紙をつくりましてつけさせていただいております。ホームページで公表するとき には全分類ができるかなというように思っております。  ただ、この300件のデータだけで大体入院患者さんを7割ぐらいカバーすることになり ます。ここをだんだんと見ていきますと、そういう順番で並べております。それで最も多 いのがこの狭心症と慢性虚血性心疾患の検査入院でありましたということでして、その下 には性別が書いてございまして、男性・女性でどのぐらいの割合だったかということが書 いてございます。その下に年齢分布というような表がございまして、対象病院・対象病院 以外で年齢階級別にどの段階が一番多いかということが書いてあります。それから入院経 路も、DPC対象病院と対象病院以外でどんな割合にあるのかということをこちらは集計して おります。やはり狭心症とか慢性虚血性心疾患では、救急車による来院というのはこの検 査入院ではやはり少ないということであります。それで外来からの入院ですとか、他院の 入院が多いということでございます。  次に退院時転帰と在院日数、それから下の方に行きまして、医療資源を最も投入した傷 病ICDというのがありますが、これはICD10で見てどの分類に該当するかというところで ございます。それで下に、これは検査入院などで余り出てきておりませんが、手術でこれ は今回の診療報酬改定で傾向が変わってしまっているところがありますので、若干参考に し切れないところがあるんですが、前の点数表で言うとどの手術のコードが何%できている かということをお示ししたものであります。  こういう分類をつくることによりまして、こういうそれぞれの診断群分類ごとにどんな 患者さんの構成割合でありますとか、どういうような手術が行われるかとか、そういうこ とを。同じように下には主要な処置が書いてありますが、人工呼吸が行われるのか、人工 腎臓が行われるのかということが書いてございますが、主要な処置とか手術というのがわ かっていただけると。こういうのを参考にするとこの疾患に対してどんな治療が行われて いるかの参考になるんではないかというように思っておりまして、こういう集計を今回は 新たにつけ加えさせていただきました。  大変長くなってしまって申しわけございませんでした。以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。非常に膨大なデータでございますが、これにつきまして何か 御質問・コメント等はございませんでしょうか。 ○齋藤委員  大変膨大な資料を、中身の濃い資料をおつくりになったことに敬意を表したいと思いま す。幾つかあるんですが、例えば再入院も相当詳細なデータが出てきておりますが、施設 によって大変再入院率の高いところと低いところが歴然としているということがわかった わけですが、再入院を例えば粗診粗療の一つの指標になり得るかというような議論が昨年 度ありましたが、そういうことも含めて再入院率の差というものが何に由来しているのか、 その辺を伺わせていただけますか。 ○事務局  はい、今御指摘いただきましたことは実は昨年度のこの分科会でも、あるいは中医協の 基本問題小委の方でも御指摘があったところでございます。それで、そこはぜひ後で再入 院調査という特別調査がございまして御報告いただくことになっておりますので、それを 踏まえて御議論いただくのがいいのかなと思いますが、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  もう一つ報告がございますので、そのときお願いします。ほかには何かございませんか。 ○酒巻委員  膨大な資料で本当に読むのが大変なんですが、最初の方の資料にありますとおり、中医 協で議論されていることも含めて、今後例えば算定ルール等を変えていくというような議 論が当然出てくるのだろうというように私は思っております。そういう中でこのDPC病院 が今回拡大されまして、以前にも増して増えてロジュナスになったと思うのですが、一体 どういう要因で増えてロジュナスなのか、あるいは増えてロジュナスを今後どのように扱 っていくのかというような考え方をしておかないと、後々、さまざまな算定ルールを考え るときに問題になってしまうのではないかというように思います。そういう意味で、今回 出されたこの非常に複雑なデータそのものを、もう少し不均一性というものを上手に説明 する資料として検討していただけないかということをお願いしたいと思います。 ○西岡分科会長  非常に貴重な御意見でございますが、これに関しましてはいかがでしょうか。先ほどお 出しいただきました在院日数平均の差の理由のところで、かなり施設ごとでばらつきが出 ているというところでございます。はじめに導入しましたDPC対象病院では最初のデータ にかなりばらつきがあったのですが、ある一つのところに収束しつつあるというデータも 出てきておりますが、これにつきまして何か御意見等はございますか。昨年出していただ きましたばらつきの表が非常に印象的であったということで、またそれがさらに特定機能 病院の場合にはかなり収束した図になって特徴が出てきたということがございます。その 他の病院では2年、あるいは3年たってもまだかなりばらつきが残っているような傾向で ございますが。もし何でしたら、これにつきましてはさらに細かく掘り下げて検討すると いうことにさせていただくことになろうかと思いますが。 ○松田委員  本体調査の方ではないんですが、この在院日数の指標と患者構成の指標を用いて研究班 の方で集めていただいているデータを使いまして、こういうデータに基づいて施設の類型 というのを今研究しておりますので、それを使いますとある程度いろいろな区分ができる と思いますので、今の増えてロジュネイティの話ですけれど、その研究班の結果が出次第 またこちらの方で研究成果を発表させていただきたいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。では、そういう形で、酒巻委員よろしいでしょうか。これは 非常に重要なポイントだと思いますが、それ以外に何か御意見は。 ○池上委員  この在院日数の平均の理由の検討についてという、ここにあります在院日数の指標とそ れと患者構成の指標によって表しているわけですが、患者構成の指標というのは確かによ り重症な患者が入院しているという面もありますし、他方ではアップコーディングの可能 性もあるわけですね。それで、そのアップコーディングについては特に25%が長いのと短い ので似たようなDPC分類の場合に、その移行を見ることができれば検証できるんですが、 このデータからはこれはわからないんですが、逆に松田先生はその点を分析されています でしょうか。 ○松田委員  一応、アップコーディングにつきましては検証しております。これは私どもの研究班の 中では東京医科歯科大学の伏見先生がやってくださっているんですが、一応DPCの上6桁 毎のところでずっと見ていきまして、14桁でもやっておりますが、アップコーディングが もし起こっているのであれば分布が変わってくるだろうということで検証しておりまし て、その方法についてはまた詳しいことを研究の結果の報告書を基にして御説明したいと 思いますが、私どもが検証した限りにおきましてはいわゆるアップコーディングというの はさほど起こっていないというように、今のところそういう結論を得ております。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに何か御意見はございませんでしょうか。 ○信友委員  DPCごとの在院日数の推移・変化の意味づけなんですが、意図的にしなければDPCごとの 在院日数の数字というのは正規分布すると思うんですね。その正規分布の検証はしてある のかどうか。 ○西岡分科会長  これはいかがでしょうか。 ○事務局  そういう分析はやってございません。もしやれということであれば、やることはできま す。 ○信友委員  もし正規分布していないのであれば、どこかの病院がそれを意図的に何かを無理に在院 日数の減をやったのであればそこに問い合わせて、どういう意図で在院日数を減らされた のか知っておきたいですね。通常の常識的な努力をして平均的に減があれば正規分布して いると思いますので。 ○事務局  一応、全体として正規分布かどうかというようなところはちょっと見ていないんですが、 余りにも在院日数が長すぎるようなところとかそういうものにつきましては私どもは個別 に医療機関に一回データを返して、それで必要があればレセプトまで見させていただくよ うなことで、データを出すようなことをやらせていただいております。それは短すぎるも のも長すぎるものも、これはちょっとヘンだなというものがありましたら、それは医療機 関に個別に一回照会するようなことはしております。 ○西岡分科会長  信友先生、そういうあたりでよろしいでしょうか。答えではございませんが。  それではもしまた後で、これは非常に膨大なデータでございますので、またオフィスに 戻られまして御検討いただいてお気づきの点がございましたら、ぜひとも事務局の方に御 意見を寄せていただければありがたいと思います。それでは今いただきました御意見も踏 まえまして、平成17年度の調査の最終報告書をつくらなければなりませんので、それの御 準備をいただきますようお願いします。  それでは次に、続きまして診断群分類の妥当性に関する調査、MDC毎の作業班について齋 藤委員の方から御説明をお願いします。 ○齋藤委員  お手元の資料、診調組D-5-1に沿って御説明します。  診断群分類が妥当であることがここのDPCを支える大変重要な要素であるという観点か ら、平成16年度のデータを主に利用しながら、専門家の方々、それから学会関係者、それ から統計の専門家、それからDPC担当の、つまり調査・研究の担当者の方などからお力添 えをいただきまして、全部で16ありますMDC毎の作業班を設置して、それぞれの班におい て診断群分類の妥当性を検証しました。  それで検証の視点は既に先回申し上げましたが、まず第一に医療資源の同等性が担保さ れていること。それから、臨床的類似性が担保されているということ。それから、分類は 可能な限り簡素であるべきである。ともすれば非常に精細である一方、複雑多岐にわたる という傾向がございますので、それをより簡素化すると。そして制度の運用上、問題が少 ないと。例えば診断に実際に到達するのは極めて困難であるとか、すぐほかの分類にシフ トする可能性のある診断群とか、そういうようなものは臨床上使いにくいということもあ りまして、その4つの視点で調査・検討を進めたわけであります。最終的にはそれらがお おむね達成されたというように考えております。  それで、その経過におきまして昨年の4月に、特にその時点で突出したもの、例えば脳 卒中におけるエダラボンであるとか、悪性リンパ腫に対するリツキシマブの使用、それか ら不整脈に対する電気生理学的な操作、そういうものがいわゆるアウトライヤー的な突出 事項になりまして、緊急避難的な対応を行うこともその中に加えられましたけれど、それ らも分類の中に取り込んでいくということを試みてまいりました。それで、その後の経過 としまして、特に分類の簡素化、それから制度運用上の問題が少ないということを中心に 作業をしたわけでございます。  それで、主な見直し点としましては、お手元の資料の3ページ目になりますが、まず手 術による分岐の見直しでございます。例えば胃、十二指腸等の炎症性の疾患の部分でも、 「手術あり」が非常に複雑多岐に分かれているというものをより簡素化して、かなりの部 分を「その他の手術」に包括するという形でよりスッキリさせることが行われました。他 の領域についても同じような試みがなされております。  それから4ページ目になりますと、やはりここでは「検査入院」「教育入院」というこ とがいろいろな領域で、特に例えば糖尿病であるとかそういうもので行われているわけで ありますが、その定義が非常にはっきりしなくて普通の治療を含めた入院にオーバーラッ プする部分が多いということで、これらの言葉はほとんどなくするということになりまし た。検査入院とか教育入院というものは基本的にはなくなるという形であります。それか ら、手術処置の見直し。これも領域によって非常にツリーの分け方がばらつきがあるとい うようなことがありまして、それらをMDCの領域による濃度差等を減らすような試みがか なりされて、より簡潔で、しかも整合性のある形を整えることができたというように思っ ております。  それで、それと同じことは6ページ目の「副傷病の検討」につきましても、やはりICD の範囲ごとに副傷病名の設定にばらつきが多いというように言われておりますので、それ らで非常に頻度がまれなものとか、そういうものは「その他」というものに統括するよう な形で粗密を均一化したというような作業がございます。  それから、診断群分類のときに特に問題になります横断的ないろいろな疾患についても、 例えば糖尿病で手術の有無による分岐の廃止ということで、手術の有無が全体の医療資源 その他に大きな影響を及ぼすものではないということが明らかになったものについては、 そういう分岐を廃止するということで、より実際に即した使いやすい診断群分類に到達す ることができたというように考えております。16領域の各責任者からの報告が来ましたけ れど、それぞれ自分たちとしてはおおむね納得できる分類に到達することができたという、 専門家としての御意見を個別にいただいております。  そのような経緯を経まして7ページにお示ししておりますように、16年度の分類が疾患 数として591であったものを521に、71減らすことができましたし、診断群分類数として は3,074ありましたものを今回は2,347と、727減らすことができたということであります。 それで、これから作業としましては、今後、当委員会での責務になるわけでありますが、 非常に大規模なグループよりはより選りすぐった学会からの推薦委員等を中心として、統 計の専門家、あるいは保険局医療課の担当官等を交えてさらにブラッシュアップしていく という作業を継続する必要があろうと、そういう結論に達した次第であります。以上であ ります。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。大変御苦労さまでございました。取りまとめをしていただくの に大変なお仕事ではなかったかと思います。今の御説明に関しまして御質問等はございま せんか。 ○池上委員  この1ページの4番目に指摘されている診断群分類の妥当性の指標として4つ取り上げ ていらっしゃいますが、この中に数が、患者数というのは考慮なさっているんでしょうか。 と言いますのは、ここの同等性を見る上でも、あるいは類似性を見る上でも、一定の数が ないとこれが担保できないわけです。その点が一点と。  もう一点は、そうは言っても患者はそれぞれ違うわけですので、アウトライヤーとして こういうものをグループのところから外して対応するという対応方法もあるかと存じます けれど、それについては御検討なさったんでしょうか。 ○西岡分科会長  では事務局の方からお願いします。 ○事務局  では、齋藤先生から御指名がございますので答えさせていただきます。  数も当然見てございまして、ある程度患者さんが分類をつくりましても、1例とかそれは できればほかのところとまとめるというような作業は、それは当然やらせていただきまし た。その結果、分類数は大分減ってございます。  それから、すごく外れるようなものに関しまして、その内容を見て、これは外すべきだ なと思うものは、もちろんそれは先生方に相談して外してやるようなことをしております。 ○池上委員  具体的に幾つ以下だったら集合させるという基準は設けたわけでしょうか。 ○事務局  いいえ特段、臨床的なまとまりという観点も大事だと思っておりまして、明確に何例以 上というようには実は設けてございません。大体MDCの検討班の会議の中で分類をお示し して、それで何例入っていますとお示しして、そのときに先生方から「これは例数は少な いからまとめていいよ」と言われればまとめていると。そういうような非常に感覚的な作 業になっていますが。 ○齋藤委員  疾病の分類というものはそもそもどういう視点であるべきかという非常に大きな問題が あって、今回もここに書いた4つの全く独立した視点が同時に並存するわけなんですね。 この分類作業には。だからそういう点で3つぐらいの項目については独立として考えたい けれど、そういう症例というのは年間で数例しかないとか、そういうものを独立として扱 うことはできないということで、現実的にはかなりこの4つの要素を森として眺めて、こ こはI群にしたらいいでしょうと、そういうアバウトな側面を否定することはできなくて、 それぞれを一定の基準で数値化しながら、これ以下ならこうしましょう、というような作 業はしていないと理解しています。 ○池上委員  くどいようで恐縮ですけれど、ただ実際にこれを包括評価の分類としてこれで支払うこ とを考えると、一定の数がないと実際に使われない、これはICDコードに準じたコードと して使うという疾病分類としては有用であるでしょうけれど、これは診療報酬のための分 類という側面が強いんではないかと思いますので、もう少しそこを明示化することはお考 えにならなかったんでしょうか。 ○齋藤委員  数はむしろあんまり少ないのは分類困難という形になりますね。小数では。だから、そ ういう点では大きなマスとして島をつくっているものが当然群として採用されている。だ から診療報酬支払いの使い方としては、むしろそういう方向にマッチしている分類ではな いかなというように考えているわけなんですが。 ○松田委員  私も幾つかのMDCの検討を手伝わせていただきましたので、どのような手続きでやった のかと言いますと、まず基本的には定義表の検討ということから始めました。その定義表 の検討の中で何をやっているのかを集めさせていただいているデータを集計させていただ いて、例えばICD10で漏れているものはないかとか、それから手術などのコードで漏れて いるものはないか、そういうものにつきましてそれぞれのものとその件数というものをま ず出していって、それをまた臨床の先生方に見ていただいて、それでこのDPC、いわゆる上 6桁で見たところの、DPCの上6桁に対応する、例えば手術が、足りて・不足しているもの はないか、手術・処置等Iで、ない・不足しているものはないか、そういう定義表の検討 をしていただきました。それに基づいて今度はいろいろと検討する中で、まずツリー図の 分岐の最初のたたき台のようなものを実際のデータに基づいて検討していきました。それ は今、先生の方から御指摘がありましたように、それぞれの在院日数の平均とその分布、 それからあとは出来高換算でやったところの平均とその分布、そういうものを検証しなが ら。それで大体数としましては、目安としては大体30症例というのが大体の基準としてあ って、それでCVなんかも全部計算しまして、それを見ていただいて、それで今、齋藤先生 からお話がありましたように、少ないけれど均一性が高いというように臨床科の方の先生 から判断されるものについては、この分類でいこうと。そういう形でデータに基づきなが ら臨床の先生方との話し合いで検討をやりながら、この分類を決めていったというそうい う流れになっています。  ですから、実際にデータはちゃんと当てはめて分析をして、一定の数のまとまりがあっ て、まとまりがなくても均一性が保証されるものにつきましてはそれでまとめていくとい う、そういう作業でやったというように認識しております。 ○西岡分科会長  池上先生、よろしいでしょうか。もともとDPCの包括払いの表に出てくるのは最低20例 以上という症例でないとあの表には出てまいりません。さらにそれよりも多い数の症例を 集められたということでございます。どうぞ。 ○池上委員  そうしますと、原則的に30症例以上、今度の分類ではあると考えてよろしいんですか。 ○松田委員  原則としてはそうなります。それともう一つは、その中でも、数が少なくても均一性が 高い、それを分離した方が望ましいと思われるような、いわゆる手術・処置等につきまして はそれを分離するという形で検討が行われました。 ○池上委員  そうしますと、実際の新しい分類に基づけば、これに対応する2,347の包括報酬額が理 論的には設定できると考えてよろしいんでしょうか。 ○松田委員  そのように考えていただいてよろしいと思います。 ○池上委員  ありがとうございました。それとあと1点だけ。アウトライヤーのことを伺ったんです が、確かに均一性があるけれど、それは数が非常に限られているという場合には必ずしも それをグループとして考えなくて、アウトライヤーの基準を別に設けて対応するという方 法もあるかと思いますが、その可能性については追求されましたか。 ○松田委員  アウトライヤーをどのようにするかというのは、どちらかと言うと研究班の方の仕事だ と思っておるんですが、アウトライヤーの定義というのが今回は私の方ではまだ明確なも のを出せておりませんので、いわゆる非常にばらつくようなものにつきましては、今回の 分類では基本的には包括の対象外という形になっているというように認識しております。 ○事務局  一点だけ補足させていただきます。2,347は診断群分類の数でございまして、そのうち包 括払いとなる数は1,438でございます。ですから、差の900分類ぐらいは、これは分類は あるけれど、箱はあるけれど、ここに入った症例は出来高になります。2,347は分類として あって、2,347のうち1,438が包括で支払われると。そこの包括払いのところの分類に関し ましてはMDC毎の検討班で見ますと、ある程度の症例数があって、なおかつばらつきが少 なかったと。そういうことでございます。 ○齋藤委員  池上委員から大変貴重な御指摘をいただいているんですが、池上委員の危惧としては、 この分類の形がどういうようであるとどんな不都合が発生するというようなお考えをお持 ちなんでしょうか。 ○池上委員  いいえ、先ほどの話だと、せっかく新たに2,347疾患分類をつくられたけれど、そのう ちの1,000は使われないわけですね。そうしますと、今後はデータが増えれば、あるいは 可能かもしれませんが、基本的にこれは何のための作業かと。大変失礼な言い方をすれば そういうことになりますので、先ほど分岐の仕方などについては統一的なルールで今回お 取り組みになったようでございますけれど、今後は30症例ということが基本的に確保され ているなら、逆に1,000の疾患群に対して包括のものが用意されていないというのはちょ っと理解しにくいので、もっとより徹底したルールの下に見直しを今後行っていく必要が あるのではないかという印象を持った次第です。 ○松田委員  アメリカのDRGのように、いわゆる処置の有無でこうやって分けていった分類の場合に はそういうことが可能なのかと思いますが、日本のDPCの場合にはどちらかと言うと、最 初にまずいわゆる臨床病名があって、それに対して何を行ったかという形で分けていきま すので。そうしますと、どうしても数は少ないけれど臨床的にまとめることができないと いう分類が出てきます。それで、DPC自体はいわゆるメディカル・プロファイリングという か、いわゆるどこで、どのような患者さんに、どういう傷病に対する、どのような治療が 行われたのかということを表現するためのいわゆる単位だと考えれば、必ずしもそのすべ てを支払いの対象としてまとめてしまうという発想でなくてもいいのではないかなという ように、個人的には思っています。ただ、将来的にそういうものがデータの比較を通して、 こういう形でまとめることができるのであればまとめた方がいいんじゃないかということ が臨床科の先生方の方からの合意で出てくれば、それはまとめていくという方が日本の医 療の現場にDPCというものをより広めていくためには望ましいのではないかと考えていま す。ですから、あくまでも使っていただく臨床の先生方が、これはまとめることが望まし いという、そういう合意を得られた上でないとそれから先に進むことはできないのではな いかというように認識しております。 ○酒巻委員  今回、随分前よりも簡素化されたんだろうと思いますが、逆に見ますとこのDPC分類と いうものがさまざまな統計等に利用されていくということを考えると、以前あったDPC分 類と現在の体系との間にどのような関係づけがなされているのかということもある程度知 っていないと、後々データの読みようが難しくなるということがあると思いますが、この あたりはどのように担保されているのか、あるいはどのように考えておられるんでしょう か。 ○松田委員  基本的にはまずちゃんとマッピングテーブルをつくらなければいけないだろうと思って います。ただ、後ろになればなるほど非常に情報がたくさん入ってきていますので、後の 方の分類で集めているものを後ろの方の古い分類に改めることは可能ですので、そういう 形でまとめることもできると思いますし。それからあとは冒頭にも申し上げましたように マッピングテーブルを、対応表をちゃんとつくることだろうと思っています。 ○西岡分科会長  ほかに御質問等はございませんか。では、ありがとうございました。それでは齋藤先生 と事務局の方とにおきまして、ただいまの御意見も踏まえた上での最終報告書の作成をお 願いしたいと思います。よろしくお願いします。  それでは次に4つの特別調査につきまして御担当の先生から5分程度で順番に御説明い ただきます。質疑は4つの特別調査の説明がすべて終わりましてからまとめて行うことに したいと思います。まず、再入院調査につきまして松田先生からお願いします。特に再入 院調査につきましては中医協でもいろいろな御指摘があるところでございますので、少し お時間をかけていただいても結構かと存じますので、よろしくお願いします。 ○松田委員  では、再入院に係る調査について説明させていただきます。  調査方法は従来と変わりません。7月から10月までの退院患者に係る調査期間中に収集 されたデータで、データ識別IDの重複のあったものすべて「再入院」と判定しまして、た だし期間としては6週間以内のものに限っております。それで、その中でその方につきま して「再入院あり」と判定された患者さんにつきまして再入院調査票というものを各病院 にお送りさせていただいて、その理由について調査をしたということをやらせていただき ました。それで、調査の実施状況につきまして1ページ目の「4」に説明がありますが、こ の日程でさせていただいております。それから、調査票につきましては別紙1の方に示し ておりますので、見ていただけたらと思います。  1枚めくっていただきまして、2ページ目になりますが、ここから調査結果の要約が記載 されております。17年度の調査対象機関は372医療施設だったんですが、そのうち前年調 査のデータのある368病院を今年度の対象としました。それで全体で約100万の症例のう ち、再入院症例が約10万ございましたので約10.3%ということで、そのうち書いていただ きましたのが99.8%という非常に高い回収率でさせていただきました。  それで結果でございますが、まず2ページ目の上の方に「再入院の状況」というのが書 いてございますが、このようにすべての施設におきまして再入院というものが増えている 状況にございます。それで一応その増えている内容につきまして詳しく検討を今回はさせ ていただきました。それで図を見ながらの方がよろしいと思いますので、ずっとめくって いただきまして、まず13ページを見ていただけますでしょうか。13ページにはDPC対象病 院、試行的適用病院、それから15年度からの調査協力病院という類型別に再入院の状況を 示しております。それでDPC対象病院を例にとりますと、初年度の15年度は7.7%だったも のが、10.7%までに増加しております。それで他施設におきましてもこの増加の傾向は同様 の傾向でございます。  それで1ページめくっていただきまして、14ページでございますが、これは先ほどの施 設類型別にどのような病名で来たのかということで見ております。これを見てみますと、 「前回の入院と同一病名である」というものがいずれの施設においても増えております。 それでDPC対象病院について見てみますと、14年度の3.0%から17年度は5.6%に増えてお ります。  続きまして15ページの方に、同一病名と異なる病名で、どのような理由によって再入院 しているのかということを調査した結果をここに書いております。これを見てみますと、 いわゆる計画された再入院というのが非常に増えていることがわかります。件数にします と8,300から、DPC対象病院でありますが、8,300から18,000ということで約倍に増えて おります。それで%を見ましても急に増えております。他方で、異なる病名によるもの、あ るいは同一病名でありましても予期せぬ再入院というものは、%としては減少傾向にござい ます。  それで一枚めくっていただきまして、16ページでございますが、こちらの方で計画的再 入院においてどのような理由で来たのかということを示しております。いずれの施設にお きましても一番増えておりますのは、「化学療法・放射線療法のための再入院」というの が一番増えております。それからもう一つ、これは2つまとめて見ていただいた方がよろ しいかと思いますが、「検査入院後手術のため」「計画的手術・処理のため」というのも 若干の増加傾向にございます。  それで17ページの方に予期された再入院における理由の内訳でございますが、これは「予 期された傷病の悪化・再発のため」というのがいずれの施設でも最も多いわけですが、特 に増加傾向というのはDPC対象病院では観察されておりません。DPC試行的適用病院の場合 には若干の0.3ポイント増加していますので、これは若干の増加傾向があるかというよう に考えております。  続きまして18ページを見ていただきたいんですが、これは予期せぬ再入院における理由 の内訳を書いております。これはいずれのところにおきましても特に大きな年度間の変化 はございません。  それで19ページにつきまして、計画的再入院における理由のうち化学療法・放射線療法 のために該当した症例のMDC別の分布が書いてございます。これを見ていただきますと、 最も多いのがMDC12、それからMDC04、MDC06というところでこの化学療法・放射線療法の ための計画的再入院が増えております。  それで21ページは、続きましてこれを傷病で見たものでございます。最も多いのが、ど こも増えているわけでございますが、非常に多いものが卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍、肺 の悪性腫瘍、子宮頸・体部の悪性腫瘍、非ホジキンリンパ腫ということで、いずれもいわ ゆる新生物のところが非常に計画的な化学療法・放射線療法のための入院という形で増え ております。  続きまして23ページを見ていただきたいんですが、23ページは検査入院後手術のため、 計画的手術・処置のためというところで見ております。このところは非常にMDC別に見て みますと多いのが、MDCの5、それから6、それから7、11というところでございます。傷 病で見たものが25ページの方にございますが、狭心症・慢性虚血性疾患、肝・肝内胆管の 悪性腫瘍、肺の悪性腫瘍、白内障等、こういうものがいわゆる検査入院後手術のため、計 画的手術・処置のために多いものであります。  それで今回のもう一つの柱としましては、退院後何日以内に入院して再入院しているの かということを新たな軸として調査をしております。これで見ていただきますと、27ペー ジになりますが、最も多いのは15日から28日以内の再入院で、これはDPC対象病院で言 いますと約1.2ポイント増加しております。続いて多いものが8日から14日以内の入院と いうことで、これがDPC対象病院で言いますと1.7〜2.6と約0.9ポイント増加しておりま す。他方、3日以内の入院と言いますのは、DPC対象病院で言いますと0.74から0.82とい うことですが、ただ全体として退院患者数が増えておりますので件数としては増加してい るという状況がございます。  あとは29ページのところで見てみますと、計画的再入院における化学療法・放射線療法 のための機関別のものを見ておりますが、この場合に見ていただきますと、化学療法・放 射線療法のための再入院ということで見ますと、やはり多いのは15日から28日以内、次 いで8日から14日以内ということで、7日以内の短いものも約0.7ぐらいございますが、 さほど増えているという状況ではないようでございます。  それで31ページには、今度は検査入院後手術のためと計画的手術・処置のための期間別 のものが書いてありますが、これも先ほどと同様に15日から28日以内、8日から14日以 内が最も多いということで、3日以内の入院、それから4〜7日以内の入院というのは割合 としては増えていないという状況にございます。  ただ、これを今回はそのページ以降にございますが、各病院ごとに見させていただきま した。33ページ以降細かいデータがありますので、これはまた後で見ていただけたらと思 いますが、ここに各施設ごとの14年、15年、16年、17年の再入院率の割合。それからず っとめくっていただきまして、例えば化学療法によるものにつきましては、化学療法・放 射線療法による再入院につきましては、86ページからMDC単位でどのような状況であるの かということが一応%で示させていただいております。これを見ますと、ものによっては40% とか、30%とか非常に高い再入院率のところもございます。ただし、これで一応御注意して いただきたいのは、あくまでも%ですので件数が少ない場合にはその数字そのものは余り意 味がないと思いますので、再入院の数と合わせて御検討いただけたらというように考えて おります。  あとはほかにもいろいろあるんですが、ただこの中で非常に気になっておりますのが、 165ページに平成17年度のデータが、その前に16年度のデータもございますが、165ペー ジ以降に17年度以降の再入院率のデータが書いてございます。これを見ていただきますと、 3日以内の再入院の割合、それから4〜7日以内の再入院の割合、いわゆる短期の再入院の 割合というのが非常に施設によって大きなばらつきがございます。165ページを見ていただ きましても、これは大学病院・特定機能病院等とございますが、20%を超えるような施設も ございますし。  それから1ページめくっていただきまして169ページを見ていただきますと、これは調 査協力病院でございますが、3日以内の再入院が40%を越えるような施設もございます。こ のような短期の再入院がどのようなものであるのかということにつきましては、やはり詳 しい検証が必要であると思いますので、来年度、今年度以降また新たにこのような調査を するのであれば、恐らく非常に個別事例を少し詳しく見させていただくというような調査 が必要ではないかなというように考えております。  それで、まとめますとDPC導入以降いずれの施設におきましても再入院は増加傾向にご ざいますが、一応昨年までの分析結果と同様、今年度もいわゆる計画的な再入院がその増 加の主たる理由であると。その中でも特に化学療法・放射線療法によるものが増えている ということがポイントでございます。もう一つは、大体再入院までの期間としましては、 やはり8日から28日以内のようなところに入っている。ただ、個別に見ますと施設によっ て非常に再入院率の割合にばらつきがございますし、施設によっては3日以内の再入院が 非常に多いというようなことがございますので、今後の検証課題として個別の事例を詳し く見るということが必要であろうかというように考えております。以上であります。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。非常に貴重なデータです。先ほど齋藤委員が残しておられまし たのでお願いします。 ○齋藤委員  大変詳細な中身が見えてきて興味深く拝見したんですが、これを見ますと再入院率が年 々増えているという現象がありますけれど、これは医療の質の良し悪しとか、粗診粗療と いうことではなくて、日本の疾病に対する病院医療計画のあり方、見方が随分変わってき ているのかなと。例えば、がんの化学療法でずっと入院していたままやるというのが通常 だったけれど、何の支障もないから一たん退院していただいて、また何日後に来るという 計画もあるし、それからほかの疾病でも悪くなったときにはいつでも受け入れられますか らという予期した再入院というものが主体を占めていくと、必ずしも再入院率の増加とい うのが医療の質の低下を反映しないのかなというように私は理解するわけなんですが。当 初、粗診粗療の指標として再入院率をというものが一時出たことがあったわけですね。そ ういう側面というか、ニュアンスがここから読み取れる部分もあるのでしょうか。 ○松田委員  基本的には例えばDPCの支払いがそういうインセンティブになっているのであれば、多 分よりDPC対象病院と試行的な病院で増えていると思いますが、データを見ますといわゆ る調査協力病院でもかなり同じような傾向がございまして、むしろ調査協力病院で高いよ うなものもございますので。そう考えますと、実はこれは以前池上委員が御指摘されてお りましたが、日本全体の医療の提供のあり方というものが変わっている。それがDPCにも 重なっているということだろうと思います。そういう意味で、このDPCが入ったことによ って再入院が増えて、粗診粗療が増えているのかということではないだろうと考えます。  ただ、これはやはりもう少し詳しく検証するためには、せっかく退院時の転帰をとって いますので、今後これを退院時の転帰と組み合わせて、そういう短い再入院症例で転帰が どのようになっているのかということも含めて検証していくことが必要ではないかという ように考えています。 ○西岡分科会長  この議論をもう少し続けたいんですが、一応先に御報告をいただいてからということで、 よろしいでしょうか。先に続けさせていただきます。それで、またもう一度この問題に戻 らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  では次に、医療連携退院後受療調査につきまして、酒巻委員の方からお願いします。 ○酒巻委員  資料は診調組D-5-3です。この調査は第一次調査と第二次調査という2つのアンケート 調査からなっていまして、第一次調査で病院、診療科の診療傾向というのを調査しまして、 その中の一部分としましてどの病院、あるいは施設と診療連携をしているかという調査を しております。その後に、その相手先病院に対して第二次調査を行っているというもので す。目的と調査等は2ページ、3ページに書かれています。それで4ページ、5ページにそ れぞれの調査対象病院として御協力いただきました病院名が書かれております。おおよそ 90幾つかの病院でございまして、回収率はほぼ90%近くですので、回収率としては非常に よかったと思います。  それで6ページを見ていただきますと、第二次調査の対象医療機関については1,168施 設を挙げさせていただきまして、ここに調査票をお送りいたしました。回収できました病 院数は556施設でして、回収率47%です。下の表にその内訳が書いてありますが、DPC病院、 あるいは試行的適用病院、調査協力病院の報告それぞれについて特段分布の差はございま せん。  それで7ページ以降にまず一次調査の診療の傾向というものを何ページかに分けて示さ せていただいております。特に注目してもらいたいと思うものについてはカラーのグラフ 等をつけさせていただきましたが、実は前回調査しましたら何々診療科という診療科名が あったんですが、一体どのような診療をやっておられるのかわからなくて、結果的にはそ れがどのように病診連携にかかわっているのかということがなかなか分析しにくいという ことがありまして、今回は少し複雑にさせていただきました。  それでMDCはこんなふうに分布しておりますが、8ページを見ていただきますとわかりま すが、MDCの5あたりが非常に多いわけですが、これはDPC病院であれ、調査協力病院であ れほぼ同じ形でなっています。  それで9ページに複雑な病態の入院患者というアンケートをさせていただきました。こ れは診療科がどの程度複雑な病態の患者さんを扱っているかというのを、一応定義させて いただきまして答えていただいたんですが、DPC病院では例えば複雑な病態の患者さんの入 院というのは「ほぼ毎月以上」というのが、やや薄い黄色から赤、あるいは青というので 分布しているんですが、これはDPC病院の方がかなり多かったということになっています。  次のページはがんの患者さんの入院患者ですが、これもやはりDPC病院が非常にがんの 患者さんを扱っている率が大きいということになるわけです。これは診療科の傾向でござ います。どのように増加しているかというようなことも聞いておりますが、これについて もDPC病院の方がより「増えている」というように答えております。一方リハビリテーシ ョンについては余り大きな差はなかったということで飛ばさせていただきます。  次に13ページですが、ウェイティングリストにどの程度患者さんが載っているのかとい うことをお伺いしております。これは予測通りですが、DPC病院に非常に多くの患者さんが 集まっておりまして、入院待ち患者数の集計というのは14ページの左上にありますが、常 時10人以上、20人以上、あるいは著しく多いというこの3類型がDPC病院であわせますと 60%にも達するというような状態です。これが試行的適用病院や調査協力病院とは違う結果 です。それと待ち日数につきましても同じように10日以上の待ち日数であるというのが非 常に多いわけです。こういうウェイティングリストに載っている患者さんがどの程度増加 しているかとか、さまざまな調査結果がありますが、これは後でゆっくり見ていただくと いうことにしていただこうと思います。全体としてまとめは最後のページに置いてありま すので、それもお読みいただくことにいたします。  さて、第一次調査で1位、2位、3位の連携施設を挙げていただきましたので、それを二 次調査の対象にしました。23ページ以降がDPC病院等と連携している医療機関・施設の職 員に対する調査の結果です。対象者はそれぞれの病院・施設の職員の方を病院長などに選 んでいただきまして、3人から5人というような程度で随時答えていただいたということで す。実数につきましては回答した職員数についてということで、こういう分布になってお ります。  それで最も重要なことは、質問6のところで、27ページ、「この病院の当該診療科から の紹介患者さんの状態についてお尋ねします」ということで、変わらず、満足できる、あ るいは以前に比べて早すぎるとか、重篤な患者がふえたなどということを職員に聞いてお ります。それで、この集計は27ページの下側の四角の囲みの中に実数として書かれており ますが、簡単な統計学的な指標を持ってこれを比較しましたが、DPC病院と試行的適用病院、 あるいはDPC協力病院からの報告に基づくもの、このいずれの間にも有意の差をもったも のはありませんでしたが、その次の28ページの「4」以前に比べて患者様から聞く、この 病院の処遇や治療について満足度は変わりましたか」という部分だけが実はやや分布の差 がありまして、これはごくわずかの分布の差ですが、恐らく偶然というように私としては 考えおります。と言いますのは、医師からの集計とか看護師からの集計というものの中で はその分布は消えてしまっておりますので、偶然そういうことになったというように解釈 させていただいております。報告するべきは以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それでは続きまして医療達成度、患者満足度に係る調査を熊 本委員の方からお願いします。 ○熊本委員  はい、それでは医療の達成度、患者満足度に係る調査について御報告します。D-5-4の資 料を使わせていただきます。  研究要旨並びに体制、目的等は昨年度と同じでございますので、ちょっと省略させてい ただきます。昨年度も平成16年度も特定機能病院に対して、並びに社会保険病院等に対し て行いましたが、今回は3ページにございますように、調査対象機関をDPC病院以外の試 行的適用病院全部と調査協力病院のうち御希望されたところを対象に、全部で102施設に て行いました。下の方に調査対象、医療達成度は医師、看護師。回収率は74%で、平成16 年度が68%だったのですが、5%以上に上がっておりました。患者満足度調査は、調査期間の 間に退院を予定した患者さんを対象として、回収率が62.9%で、前回が51.4%ですから非常 に多くの方々、患者様を含めて御協力いただいたことをここでお礼を申し上げておきます。 それと、この報告書自体はまだちょっと最終版ではございませんで、幾つかまだ間違い・ 不都合等がございますので、そのことはご了承くださいませ。  あと実際のところに入ってまいりたいと思いますが、最初に結論的なことを申し上げま すと、8ページの診断群分類の理解度、続いて包括の範囲の理解度等、医師・看護師でちょ っと差がありますが、年代別では前回の調査と同じように、年代が上がるほど理解度は高 くなるということが医師や看護師でもありました。そのほか、DPC対象病院、試行的適用病 院、調査協力病院、もしくは設置主体としては先ほど言いましたが、国立、私立、社会保 険病院、公的病院、民間病院等に分けさせていただいて分析しましたが、差は見られてお りません。また、地域別でも見させていただきましたし、診療科としては大きく内科・外 科という形で分析しました。このところで今回の調査の大きな目的であります試行的適用 病院、調査協力病院と平成16年度の調査結果が違うかどうかというところですが、それは 大きく差はなかったというところでございます。  数字的にも理解度、続いて19ページの患者への説明状況、診断群分類ごとの平均日数の 利用状況等、特定機能病院だけを対象にした前回の調査とほとんど同じような、全体的な 数字は同じでございました。また、設置主体別に国立病院や社会保険病院等で回答割合が 多いとか幾つかございますが、有意な統計的な差はございませんでした。  クリティカルパスの利用等、ずっと続けて分析をさせていただきました。37ページがク リティカルパスの利用状況ですが、前回の調査と比べて大きく増えているとかそういう傾 向も特にございませんでした。ここでクリティカルパスではちょっと種別、DPC病院の中で 幾つか、38ページですが、差が見られておりましたが、試行的適用病院ではよくなされて いるということでございました。クリティカルパスの利用に関しては43ページ、これも前 回の調査とほとんど変わりませんでした。  それで今回、前回の調査に比べまして今回新しく追加した部分をこれから御説明してい きたいと思いますが、49ページに「医療内容の変化」ということでお聞きしました。これ も差はなかったのですが、具体的内容をお聞きしたいと思いましたので、今回の調査では 55ページのように挙げましたような項目に関して、後ろの方に調査票をつけておりますが、 選択してつけていただくという形で、フリーランでなくてそういう項目で選んでいただき ました。これはちょっと実際には大きく変化したという方に○をつけていただくようにし ていたんですが、それ以外のことでも○をつけていただいた方がいらっしゃったものです から、それを集計しておりますのでこの%等にちょっと誤りがありますので、それは最終版 で訂正させていただきたいと思います。  それで、医師と看護師でちょっと違ったことが出ていますが、医師の場合には入院期間 が短縮した、続いて書類などの事務作業が煩雑になった、コスト意識が高くなった。看護 師さんの方でも入院期間が短縮した、クリティカルパスの利用が増加した、患者への説明 が増加した、そういうところが特徴的にお答えいただいておりました。  よろしいでしょうか。ちょっと端折らせていただきます。こういうものに対して最初に 質問しましたDPCの内容に対する理解度や、包括範囲の認識度とかそういうものとクロス 分析しましたところは、やはり内容の変化に対する認識とかそういうものと相関がござい ました。64ページが患者様からの信頼感の醸成、続いて67ページが看護師さんの方の看護 の方法や療養生活支援の遂行状況、こういうところもおおむね良好な満足度が、達成度に 関しても良好なお答えが得られておりました。  新しいこととしまして、重要なこととしましては82ページ、入院目的の達成状況等も「よ く達成できている」というところ「少し達成している」ところ等も含めまして、割合は高 こうございました。  それと94ページに、これも新しい質問だったのですが、DPC導入により出来高払の場合 と比べて裁量の幅がふえるなど、診療のやりやすさが変化しているかどうかをDPC病院、 試行的適用病院にお伺いしましたが、「しやすくなった」「少ししやすくなった」という 割合は15%に止まっておりまして、変わらないという方が多かったようですが、「少ししに くくなった」「非常にしにくくなった」という答えも出てきておりました。  97ページが、これも新しい質問でお伺いしたのですが、医療連携や地域医療への影響と いうことで、これは酒巻先生の質問と同じようなことを特定機能病院は同じ病院にも対象 とさせていただきましたので、またこれをこれから深く検討したいという思いでお聞きし たところでございます。今のところ単なる数値でございますが、「患者へのわかりやすい 情報提供につながる」等、そういう評価をDPC導入で影響があったということを御指摘い ただいております。よろしいでしょうか。  医療の達成度はこのぐらいにさせていただきまして、続きまして患者満足度調査もDPC 病院並びに調査協力病院等からも同じように結果をいただいております。109ページから が。これもDPC病院、試行的適用病院、調査協力病院等で大きな変化等、地域もしくは設 置主体別等でも大きな差はございませんで、前回と同じようにおおむね良好な満足度をい ただいているようでございます。詳しいところは数値等を見ていただきたいと思います。 入院の目的の達成状況、122ページ、退院時の評価等も前回のものと同じでございました。  126ページがDPC導入後、1年以上前に入院経験のあった方が再度入院された場合に変化 があったかということも、これは前回も特定機能病院でお聞きしたのですが、今回もお聞 きしました。これも特に変化はございませんでした。種別でちょっと調査協力病院のとこ ろで「変わらない」、「少し変化がある」というのがちょっと優位差を持って多ございま したが、調査協力病院の数がちょっと少ないものですからこれの意味づけはこれからまた 検討したいと思います。  128ページからがここに書いてございます14の施設、社会保険病院並びに特定機能病院 等におかれましては16年度もお願いし、また17年度もということで、2年間続けてお願い した施設でございます。14施設だけでございますが、それを簡単に数字だけグラフ化した ものですが、これを見ていただきますとほとんど16年度と17年度では変化はございませ んでした。診断群分類についての理解度や包括範囲についての理解度、説明状況等は少し 上がらなければいけない面もあるのかもしれませんが、いろいろ人も変わったりするとい うことと、こういうDPCに対する認識を啓発していくというようなそういうことも必要か と思います。その点は特に、医療従事者の場合の達成度や満足感というのはこの理解度等 にもクロス集計でも出ておりましたので、そういうことが必要かと思います。再度、重ね になりますが、DPC導入によってやはり患者様への説明はふえたと。しかし、医療従事者と しては事務的作業がふえたということが出ておりましたので、そういうところに対する配 慮等も今後は必要かなと思いました。以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。それでは続きまして看護の必要度調査について嶋森委員の方 からお願いします。 ○嶋森委員  はい、診調組D-5-5の資料に基づき説明させていただきます。  研究目的は報告書に書いてあるとおりです。調査は2つ行いました。1つの調査が看護必 要度の調査です。この調査は、DPCの導入病院と試行的導入病院の中うち、「看護必要度に かかる調査」協力の承諾を得られた98の病院を対象に、特定集中治療室、ハイケアもしく は、重症患者が最も高い病棟及び、一般的な患者が多い病棟と3つの病棟で調査を行いま した。また、もう一つの調査は、DPC導入病院と試行的導入病院でDPC導入前後の看護管理 上の変化に対する調査を行いました。この調査は、本調査に承諾を得られた、88病院の看 護管理者に対して質問紙調査を行いました。  調査期間は報告書に書いたとおりです。看護必要度の調査は、平成17年10月3日から9 日の1週間、看護管理上の変化に対する質問紙調査は、12月から1月にかけて行いました。  具体的な方法は、「3」に書いてあるとおりです。看護必要度に関する調査は、まず患者 の看護の必要度を適切に評価できるようになるために、教育が必要ですから、調査担当者 を各病院で決めていただき、その方たちに集まっていただいて、調査の説明会と、評価者 のための研修を一日かけて行いました。その他については報告書をご覧下さい。  看護必要度にかかる調査の結果です。対象者の概況ですが、特定集中治療室、ハイケア、 一般病棟合わせて355の病棟を調査しております。患者の特性については、男性がどうい うわけか特定集中治療室、ハイケア、一般病棟ともに多いという状況です。患者の年齢階 層は60代が最も多く、70代、次に50代ということになっています。  入棟状況ですが、外来からが67%で、他の病棟からが24%です。調査対象が、ハイケア、 特定集中治療室等ですから、他病棟からという回答の割合も多くなっています。退棟状況 については、調査期間が1週間ですから、未退棟が66%、他の病棟が12%、自宅が18%と低 い数値になっています。  3ページが、DPCの分布状況です。この調査期間が1週間でしたので、診断名がついてい ない事例が多くなっておりまして、2ヶ月後に再度病名を尋ねましたが、それでも病名がつ いてこなかった事例があります。その事例が欠測事例となっておりまして、この事例を除 く、3,639事例を分析しています。その中で、診断群6の消化管が最も多く21%、循環器が 16%、呼吸器疾患、神経系疾患の順になっています。  次の4ページを開けて下さい。患者別の分類分布です。特定集中治療室(ICU)の「重症 度」評価票がありますが、診療報酬の特定集中治療(ICU)室管理加算を得るためには、こ こに入院している患者を毎日これに沿って評価しなければなりません。この評価で一定の 基準を超えた患者がICU対象患者となります。また、ハイケアユニット入院医療管理料を 得るためには、やはり「重症度・看護必要度」の評価票に沿って日々評価を行い、重症度 の高い患者がHCUの対象患者になります。その2つの評価指標で評価して、「A」の患者は ICUかつハイケアに入るべき患者、「B」はICUの患者、「C」はハイケアの患者、「D」が その他の一般病棟に入るべき患者というように分類できます。この評価指標による、各病 棟の患者のタイプの割合を見ました。1-7の表をごらん下さい。ICUでは、約80%が「A」の 患者です。「B」の患者はわずかですが、「D」の患者も9%ほどいます。ハイケア病棟の患 者の33%がICU対象で、B・Cタイプの患者が8%、約40%が「D」の患者です。逆に一般病棟 をみますと、21%の患者さんがが「A」、つまりICUに入ってもいいような患者さんである と言うことがわかりました。また、「一般病棟」にももICUやハイケアの対象の患者が2 割ほどいらっしゃるという状況です。  次に5ページをごらんください。これは各病院の3つの病棟の患者さんの中で、A、B、C の各タイプ、つまりICUとHCU対象の患者さんの割合を見たものですこの割合が最も多い 病院では、75%がICUとHC対象患者さんです。この図で、最も低いものでも約40%ほどが、 A、B、C、の患者さんでした。このデータは、各病院のICUとHCU,と一般病棟の3病棟しか 調査していませんから、病院全体の割合を現しているとはいえませんが、病院ごとに非常 に大きな差があるという現状が明らかになりました。  次に6ページですが、DPCの診断群別の得点分布状況を見たものです。1-8の表です。「重 症度」及び「重症度・看護必要度」の評価票はA得点とB得点と2つ得点で評価すること になっています。A得点は点滴を3本以上やっているとか、特殊な治療をやっているとか、 モニターがついているとかという、診療に関わる看護の必要度についての評価の得点です。 このA得点の平均値が高い診断群を上から見ますと、13の血液・造血器官の疾患です。こ れが0.98です。それから5は循環器疾患です。これが0.83。続いて、新生児の疾患が0.43。 それから16の外傷という順に濃厚な治療を受けている、A得点の高い患者さんがいらっし ゃるということがわかりました。  次の、表1-9ですが、これはB得点の状況です。B得点は、身体的なケアの必要度を表し ている得点で、“胸元まで挙げられる”かどうかとか、“移乗ができる”かどうかという 身体的なケアの必要度を見た点数です、これによると、看護必要度の高い患者は、診断群 分類の2の眼科疾患、9の乳房疾患、8の皮膚疾患、3の耳鼻科というように“感覚器疾患 が高くなっています。先ほどからのいくつかの調査で報告されているように、DPCの導入病 院は耳鼻科・眼科でも非常に高度の治療を受けていて手のかかる患者が多いということが 分かります。このようにA得点とB得点それぞれに違いのある患者が入院していると言う ことが分かります。  次の7ページに調査の限界について述べています。本調査の結果として、病院間の重症 者の割合を示しましたが、各病院の3病棟だけの調査ですので、今後、病院全体に占める 重症度の高い患者の割合を見る必要があるとしたら、全体の調査が必要と考えられます。  次に看護管理上の変化ですが、一般病棟、ICUともに、平均在院日数が少し短くなってお ります。表2-2ですが、ICU関係部門の有無ですが、これをごらんになっておわかりになる ように、「あり」が86.4%で、わずかですがICUの設置などが増加していることが分かりま す。それから2-3の表をごらんいただきますと、平均在院日数は17に減って、病床利用率 も減っております。入院患者も減っておりまして、外来患者が増えています。看護要員も 増えていて、看護単位もわずかに増えています。それから離職率がこれもわずかですが減 っています。  それから、今後の増員計画「あり」が77.3%で、今年度あたりに増員するということだと 思います。夜間看護加算につきましては、上位区分の1は少し減っていますが、2と3の区 分が増加して、4と5は減っています。つまり、特定集中室等を設置していますので、病棟 にICU並みの重傷者は減っていても、全体の重症度は高くなっていて、夜勤人数を増員し たところが増えているということになります。  DPC導入後の勤務体制の変化については、夜勤専従者等を入れたかということについて は、12%が「入れた」と答えており、夜勤の増員をしたところが43%になっております。  次のページですが、後発医薬品を導入したことによって、新しく覚えることがふえたと 答えているものが70%もございます。またベッドコントロールが大変になった。クリティカ ルパスの利用については、先ほど医師よりも看護師の方の利用が高かったという調査結果 がありましたが、ここでも65%になっています。専門的な機能を担う看護職員を配置したと いう答えが58%ございます。下に棒グラフがありますが、その内容は、リスクマネジャー、 感染管理担当者、退院調整担当者、地域連携担当者などの専任者が増加しています。その 他については次のページをごらんください。WOCナースを増員、がんや感染、救急などの認 定看護師を増員したという答えをいただいております。  患者のケアニーズを把握しているかについては、88%が把握しているということです。 「毎日」把握しているが79%、約8割です。「週に1回」が16%、「月に1回」が2.6%です。 把握の方法ですが、これまで使われてきておりました「看護度」が一番多くて65%ですが、 今回使いましたICUの重症度の評価票を使っているものは46%、その下ですが、ハイケアユ ニットの評価票を使っているものが、7.7%と、重複して使っているところもあるようです が、5割以上が看護必要度の調査票を使って日々ケアニーズを把握しているということがわ かります。こちらに図等は載せておりませんが、ケアニーズの把握の方法について、今後 看護必要度の評価票を使いたいという意見がございました。  まとめですが、 1.DPC導入後、在院日数等が減りまして看護師の数はわずかに増えております。入院1日 目の患者への看護の手のかかり方というのは、看護必要度の開発途中の調査のデータに よると、入院1日目は155分ですが、2日目以降は約60分という結果が出ています。そ れを考えると在院日数が短縮しているということは、手がかかる患者が増えているとい うことになります。そのことが夜勤の人数の増員や、わずかでも看護要員の増員につな がっていると考えられます。 2.DPCの導入後、業務量が増えています。例えば後発医薬品を導入すると、新たに覚える ことが増えることになっています。現場の忙しさというのは、DPCの導入後に増強してい ると考えられます。看護要員の増員はわずかでありまして、対応できているかどうかに は疑問があります。「今後、増員計画がある」という回答が77%ありまして、今年度以降 増員が考えられていると答えております。特に診療報酬でも入院基本料として7:1看護 の区分ができましたので、増員傾向は強くなると考えられます。  外来も同様の現象があります。在院日数が短くなり、外来患者が増加しております。 外来も業務密度の増加に対応できない可能性もあるというように思われます。ただ、看 護管理者は幾つかの工夫をしているということが分かります。 3.看護単位が少し増えておりまして、規模を小さくして管理者を配置することで、機能分 化を図る動きがあるのではないかと考えられます。ハイケアユニットを設置したいと考 えているが、全体の在院日数と看護要員の関係で難しいという答えが返ってきています。 重症患者の割合が増加していることを考えると、ハイケアユニット設置を推進するよう な働きかけが必要ではないかと思います。このアンケートの中でも夜勤の増員、早出、 遅出というような様々な工夫で対応していることが見て取れます。特に配置が義務づけ られていない退院調整看護師等を配置することで、入退院の調整をしているというよう な工夫が見られています。 4.わずかですが離職率が減っているのは、専任者を導入するなどやり甲斐を感じられるよ うな働き方が推進されているのではないかと考えられます。DPCの導入によって在院日数 が短くなり、ハイケアを設けたりしていますが、一般病棟にも手のかかる患者さんが多 くなっています。そのために、今後もICUやハイケアユニットを設置するなど、機能分 化を図りたいという看護管理者が多くなっており、それに向けての工夫をしております。 これを推進することによって、病院においても機能分化が図られていくのではないかと 思われます。現状でも看護管理者は幾つかの工夫をしているという状況が見てとれまし た。長くなって失礼しました。  ○西岡分科会長  ありがとうございます。これで御報告をいただいたわけでありますが、この4つの御報 告につきまして最初の再入院調査も含めまして御議論をお願いしたいと思います。どうぞ、 よろしくお願いします。 ○山口委員  時間がないので簡単にちょっとお伺いしたいんですが、再入院の調査で再入院の理由が 例えば化学療法だということで調査されておりますが、ではその患者さんに実際に化学療 法が行われたかどうかというそういう検証はされているんでしょうか。つまり、病院の申 告ですよね。そのときに、体裁が悪いから計画的に入院したと回答する可能性もあります よね。 ○松田委員  一応、調査は性善説に基づいてやっていますので、確認はしていないんですが、確認す ることは可能ですので、実際に確認をしてみたいと思います。 ○山口委員  それからもう一つ、3日以内に入院されるという方は、私はこれは非常にまずいんじゃな いかと。こういうのは決して進歩ではなくて、無理矢理退院させるに違いないと思うんで すね。というのは、例えばこのD-5-4の患者の満足度のところに、これの56ページですか。 計画的入院が行われているかどうかということに関して、必ずしもそうじゃないというよ うなデータもありますし、これの124ページをちょっと見ていただけますか。ここに確か に「カ」のところに書かれていますが、退院について適切でなかったという回答がやや高 いというのは、これは結構大きな意味があって、患者さんの中にはかなり不満を持って退 院されている方が多いんだということを強調されるべきではないかと思います。以上です。 ○池上委員  この資料の、特にD-2の40ページ以下を見せていただくと、随分再入院率が高い施設と、 平均的からアウトライヤーと言ってもいいぐらいに、例えば20%とか28%というとんでもな いところが、とんでもない数があるんですが、これは病気の理由によって例えば化学療法 のようなものの患者さんが多いがゆえにこういう再入院率が多いのか、それとも別の理由 で意図的に再入院率が、これは30%近くというのは3人に1人が再入院してくると。これは 初めて見せていただくと、何かとんでもない話かなという気がするから。逆に3人に1人 が再入院になるところと、平均的に10人に1人が再入院するところと、同じようなDPCの コーディングで評価ができるんでしょうか。 ○松田委員  基本的には3日以内の再入院が多いところ、再入院の確率が非常に高いところというの はMDCベースで見るとやっぱり13です。いわゆる血液です。ですから実際の再入院の高い ところをざっと見て行きますと、かなり血液を一生懸命にやっている病院が多いというよ うに思います。そういう意味で扱っている疾患によって違うんだということが一つあるだ ろうと思っています。ただ、非常に個人的にやらなければいけないなというのは、何曜日 に退院しているかというのはちゃんとやらなければいけないなと思っています。何曜日に 退院して、何曜日に入院しているのか。こういうところは少しきっちり見て、患者さんの 側から見てやっぱりおかしい提供体制であるなら、それを正す方向で何らかのことはやら なければいけないんではないかなと、僕は個人的には思っています。 ○齋藤委員  医療制度改革の中で病院医療というのは、これから都道府県単位で地域特性をよく見な がら行うべきだという基本的な姿勢があるわけですね。そういう点に照らして、例えば再 入院という問題の地域差とか、ブロック差というのはないかということも大変気になって。 これは先ほどの熊本委員の患者満足度でもブロックごとにいろいろ成績を出しておられた ので、地域差というものがどういう格好で出ているのかなという気がしていました。その 平成16年度のデータを分析した17年度の資料でも、例えばどこも平均在院日数は短くな るんですが、特定機能病院で病床利用率が非常にそのまま下がっていってしまう地域、北 海道・東北がそうですね。それに対して全然変わらないのは関東地区なんですね。そうい う地域差というのは、例えば再入院などに見られないんでしょうか。 ○松田委員  まだ地域差については検証しておりませんので、この後検証してみたいと思います。 ○熊本委員  満足度は統計的な差というのはなかったのですが、報告書に書いてありますように地域 でやや高い傾向があるとか、いろいろな傾向が出ておりますので、それに関してもやはり さらにいろいろ調査すべきかなと考えております。 ○信友委員  また再入院のことなんですが、この意味づけをするときに他の病院に再入院したという 症例は除いての再入院例を解析したということなんですね。 ○松田委員  そのとおりです。 ○信友委員  例えば他院に再入院したというのはどのぐらい見ておけばいいんですか。そういうこと はないんですか。九大病院を退院して、福岡大学病院にとか。これはDPCで同じだからわ かるかもしれませんが。 ○松田委員  他院への再入院というのはこれからどのように取るかという話になってくるかと思いま すが、今の枠組みでやれることは恐らくDPC対象病院、DPCのデータを出していただいてい る病院に同じ病気でほかの病院に入院したことが過去数カ月にあるか・ないかという形で 聞くというのは一つの方法だと思いますが、患者さんのIDをずっと持ち続ける、ユニーク なIDを社会全体として持つことができればレセプト等からいろいろ拾うことができると思 いますが、現時点ではちょっと全体を把握する方法についてはちょっと難しいかなと考え ております。 ○信友委員  例えば条件づきの再入院を意味づけているというように理解している方がいいんです か。それとも、これはもう確定的なコメントと。 ○松田委員  基本的には多分、私は性善説ですので、多くの医療機関というのは多分計画的にそれを やっていますので、やったり取ったりというのは施設間でいろいろ移動させるというよう なことは恐らくやっていないんじゃないかなと。むしろ一連の治療計画の中で短期の入院 を繰り返していくという、そういう計画的入院が増えているというように解釈しています。 ○信友委員  昨年の日経新聞の調査によると、診療所に疑問を持った人が大体6割ぐらいおるそうで す。その診療所に疑問を持った人の半数は転院しているんですね。そういう数字を基にす れば、この再入院に関してはどうこれから意味づけていったらいいのか、そこにちょっと 戻って考えなければいけないかもしれない。 ○山口委員  酒巻先生の御報告の中で、このD-5-3という資料がありますが、これの29ページを拝見 すると、看護師さんからの集計で、「以前に比べてこの病院における退院の決定は十分だ」 というのが321で、「そうじゃない」というのが195もあるんですね。その前のページの 28ページを見ると、これは医師の集計ですが、「この入院期間で十分だ」というのが535、 「多くなった」が80というのは、これは間違いだと思いますが、ちょっと横の数字が合わ ないのでもうちょっと多いと思いますが、いずれにしても看護師さんがこれだけ、見て「早 すぎる」と考えているというのは相当問題があると私は思うんですが、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  この再入院の問題と満足度の問題につきましては、これは中医協の基本問題小委員会か らも常時指摘されていることでございます。これが本当の意味での必要な形での計画的再 入院かどうかというのは、今回出されましたデータからしますと特定の医療施設に非常に 高い値などが出てきておりますところから考えますと、やはりその施設からのヒアリング なども含めた形での調査をやらなければいけないんじゃないかと思うんですが、その点、 松田委員はいかがでございましょうか。 ○松田委員  この手のアンケートは回答の解釈が難しいというように思っているんですが。実はDPC の方ではずっと手術を受けてから退院するまでの日数というデータを持っています。これ を見る限り、実は手術前の日数はかなり短くなってきているんですが、手術を受けてから 退院するまでの日数というのは、15、16、17を比較しても余り変わらないというか、ほと んど変わらないんですね。ですから、そういう意味ではこの「早すぎる」、「他院で紹介 されてくることが多くなった」というのは、また別の意味があるのではないかというよう に考えています。ですから、もう少しMDCベースとか詳しく見ていく必要があるだろうと いうように考えます。 ○酒巻委員  このデータそのものは各病院の診療科と結びつけて解析することは可能です。そういう 意味合いでは、どこに集中しているのかということをもう一度検討させていただいて、本 当にこの数値そのものに大きな意味合いがあるかどうかということについては後日御報告 させていただきたいと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。ほかに何か。 ○池上委員  看護必要度の調査について、調査1の方は3つの病棟から患者の特性をとらております が、これは病院によってこの3つの病棟の構成比が違うことはなかったんですか。つまり、 ICUが全体に占める割合、それから背景やユニットが全体に占める割合、それから一般の病 棟が占める割合と、病院によって違うとしたらこれは病院としての患者の分類を比較して も余り意味がないんじゃないかという気がしましたけれど、いかがでしょうか。 ○嶋森委員  はい、御指摘のとおりです。調査の限界というところで申し上げましたが、病院によっ ては10床のICUというところもありますし、20〜30床持っているところもございます。調 査は3つの病棟だけが対象ですから、病院全体を必ずしも反映していません。並べてみる のは問題があると思います。その辺を調査の限界と申し上げました。そういう意味では病 院全体の患者を対象に看護必要度の調査をする必要があると思います。 ○原分科会長代理  看護必要度についてお伺いしますが、看護量はDPC実施後増加していると。それに対し て看護師の離職率はそれほど下がっていないという。普通なら仕事がふえたら離職率はふ えるんじゃないかと一般に思うんですが、これについてはどういうようなコメントでしょ うか。 ○嶋森委員  先ほどちょっと申し上げたつもりですが、いろいろな工夫がされておりまして、夜勤者 を増員したり、一部ですが夜勤専従者を入れています。退院調整看護師やWOCナース、感 染管理等の認定看護師も導入していまして、その人たちが専門的に全体の患者を見るとい うような役割をとっています。ですから、忙しい割には横断的な仕事をする人が増えてい るので、病棟の仕事がやりやすくなっているのではないかと考えられます。つまり、業務 の分担がそれぞれの役割に応じてできるようになっているのではないかと思われます。現 場の実感としても、例えばWOCナースや感染管理ナースになりたいと希望して研修に行く 人たちも増えておりますの。そういうような新しい分野の学習をして役割を引き受けて少 し頑張ってやれば、キャリアアップができるのではないかという印象がかつてよりも強く なっているように思います。新たな業務分担をし合うことによって、やりがいと感じて働 く人が増えて離職率が低くなっているのではないかと思われます。この調査結果を見た限 りでは、そのように捉えられます。 ○原分科会長代理  関東地区では、私の知っている範囲では、非常に看護師の絶対数が少ないと。向こう何 年間は充足しないという状況だというように考えておりますが、そういうこととこの調査 は何となしに少しかけ離れているような印象を受けたんですが、そういうことに関しては いかがでしょうか。 ○嶋森委員  絶対数が本当に必要数に足りないのかどうかは分かりません。例えばここ2〜3年前から 看護師が足りないという不足感は強くなっております。しかし、一方で、看護師は働きや すいところに行っているという実感はあります。今年度の診療報酬で7:1看護の新しい区 分が出ましたので、一斉に看護師を増員しようとする動きがあって不足感がさらに強くな っているのではないかと思われます。そのために一層、看護師が働きやすいところには定 着する傾向がはっきりしてきているのではないかと思います。 ○西岡分科会長  まだいろいろ御意見があると思います。それで、もしいろいろサジェスチョンがござい ましたら事務局の方にお出しいただきたいと思います。それを受けまして、各委員の先生 方、きょう御担当いただきました先生方に最終報告書を作成していただくという形にした いと思います。それで、この最終報告書が出ましたところで、これを中医協の基本問題小 委員会の方へ私から報告させていただくということにさせていただきたいと思います。そ ういう形でよろしいでしょうか。  もう一つ議題が残っておりますが、時間が来てしまいました。私の進行が悪くて申しわ けございません。もし、ないようでございましたらそういう手順にさせていただきたいと 思いますので、委員の先生方、事務局の方に御意見の御提出お願いします。  それでは最後に平成18年度の調査につきまして、事務局より資料の説明をお願いします。 ○事務局  はい、ありがとうございます。それでは最後の議題とします。  平成18年度におけるDPCに関する調査について、簡単に御説明申し上げます。  本年度の調査でございますが、先ほど膨大な調査を御報告させていただきまして、また 各委員から御説明をいただきました。ここに書いてございますとおり(1)〜(6)の調査がござ いまして、基盤的な調査としましては7月から10月までの調査。そしてMDCの作業班。そ して特別調査としまして、各委員から再入院調査、医療連携、そして医療の達成度、患者 満足度、看護の必要度というようなことで御報告をいただいたところでございます。  平成18年度調査につきましては、先ほどの冒頭申し上げました診療報酬の改定における 答申に附帯意見がついておりまして、円滑導入への配慮から制度の安定的な運営の配慮と いうことでございますので、こういうことも踏まえて18年度調査についてもDPC導入の影 響評価と導入の影響評価という観点からは少し性格を変えて、制度としても安定的に運営 していくというような視点に基づく調査としてはどうかと考えております。  具体的には、17年度でやりました調査のうち定例的にやります基盤的な調査であります (1)、(2)でありますが、こういう調査を基本とするこういう調査体系としてはどうかと。さ らに、1に関しましては、今後標準的なDPCの電子レセプトは作業が進んでおりますが、そ ういうことを踏まえて通年の調査ということを将来的な念頭に置きながら、今年度としま しては例えば12月までというような形で、7月から10月を、例えば7月から12月までと いったように少し延ばして、さらに安定的な季節変動がないような形で、よりきょういた だいた指摘も踏まえて詳細な分析自体はどんどん突っ込んで行っていくというようなこと でやらせていただいたらどうかと。  同時に、本日もこのデータに関しまして御説明させていただきましたが、これはデータ を定常的に公表していくと。厚労省のホームページに載せて公表していくということを定 常的なこととさせていただいたらどうかと。  あとは特別調査なんですが、きょう御報告いただきましたが、傾向が変わらないものも ございましたという観点と、あとは今回対象施設が大分ふえまして、そういうこともあり まして少し選択と集中がいるかなと事務局としては思っておりまして、これまでの中医協 の基本小委とか、あるいは評価部会、そちらで御指摘のあります外来診療の状況、それか らきょうまさに多くの時間を割いて御議論いただきました再入院の実態、これは再入院調 査と思いますが、こういうものに集中して引き続き実態を把握したいというように思って おりますが、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。この件につきましていかがでございましょうか。特に再入院の 問題は非常にいろいろなものを含んでおりますので、先ほどちょっと出ましたように本来 のそれぞれの病院・施設のヒアリングも視野に置いた形で実態調査をしていかなければい けないということでございます。 ○三上委員  特別調査の外来診療と再入院の実態というのは非常にやっていただいたらいいんじゃな いかと思います。基本的にはこの包括支払方式の中で、いわゆる性善説ではなくて性悪説 で診療行動というか起こっているというように考えるべきですから、その視点でやるとい うことが大切だと思います。  また、今回調整係数が出ましたけれど、0.8のところと1.2を超えるところがあって、非 常に大きな差がありますし、それも一般の医療法人だというようなことを考えますと、ど のような診療行動が行われているのかということを、上位3つぐらいと下位3つぐらいと いうか、個別の立ち入り調査のような形をしていただいたらというように思っております。 どんな診療行動が行われているかということを報告していただければ、DPC導入の影響とい うのがわかるんじゃないかと思いますが。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。心強い御意見でございます。これは中医協の基本問題小委員会 に説明に上がりましたときには必ずそれを御指摘されるところでございますので、ヒアリ ングというような形で対応していけばと思っておりますが。 ○武澤委員  DPCの安定的な運用ということですので、調整係数のことももちろん大事なんですが、機 能評価係数に関してもやはりこの際見直しに入るというか、どういう形の機能評価のあり 方がいいのかということに関して、ぜひこの18年度の調査の中にも加えていただくことを 検討していただけないでしょうか。 ○西岡分科会長  これは事務局の方でお答えできますでしょうか。 ○事務局  はい、ありがとうございます。まず三上委員の御指摘の部分でございますが、一応こち らは中医協の関連組織の分科会でございまして、立ち入りの権限はございませんので、そ こはどういう形が可能かどうかはぜひそこは我々事務局でちょっと権限も含めて考えさせ ていただきたいと思います。それも今後の調査に反映させていただきたいと思います。  あとは調整係数と機能評価係数のあり方ですが、まさにこちらで御議論いただいて提案 いただくことも可能かと思いますが、基本的には基本問題小委員会の議論事項であるとい うことでございます。 ○西岡分科会長  ほかに御意見はございませんでしょうか。  では先ほどの外来の調査に関しましては、松田班の研究班の方でさらにこれを掘り下げ たようなリサーチをしていただいておりますので、その調査結果が出ましたところでまた こちらの方に御報告いただくという展開にしてはと考えておりますが、松田委員の方でよ ろしくお願いします。  それでは、これまでの議論を踏まえまして平成18年の調査のあり方についても、この当 分科会の意見として中医協の基本問題小委員会に私の方から報告させていただきたいと思 います。先ほどと同様に、内容につきましては私の方に御一任いただければと思っており ますので、それでよろしいでしょうか。もし御一任いただけるようでしたら、そうさせて いただきたいと思います。 ○全員  異議なし。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  それでは本日の議論は以上としたいと思います。事務局の方から何かお知らせはござい ますでしょうか。 ○事務局  一点だけ。今後のスケジュールでございますが、本日御議論いただきました内容に関し ましてはまとめまして、分科会長から恐らく5月に開かれます基本問題小委員会に御報告 いただくことになろうかと思います。それで調査自体はまた7月から始まることと思いま すので、その調査の説明会も中医協での了承が得られた後開催させていただきまして、ス タートということになろうかと思います。以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。それでは平成18年度第1回の診療報酬調査専門組織・DPC評価 分科会を終了させていただきたいと思います。私の司会がまずく、予定時間をオーバーし 御迷惑をおかけしました。本日はどうもお忙しい中、ありがとうございました。 −了− 【照会先】  厚生労働省保険局医療課医療係  代表 03−5253−1111(内線3276)