06/04/24 第10回社会保険新組織の実現に向けた有識者会議平成18年4月24日議事録 第10回 社会保険新組織の実現に向けた有識者会議                      日時:平成18年4月24日(月)                                              場所:厚生労働省 専用第18〜20会議室  佐藤座長 定刻になりましたので、ただいまより第10回目の社会保険新組織の実現に 向けた有識者会議を開催させていただきます。本日は、岸井委員が御都合がつきません で欠席です。  前回の会議では、社会保険庁改革関連法案につきまして御議論いただくとともに、第 1回目の業務改革に関するフォローアップを行いました。特に改革関連法案につきまし ては、その概要を御了承いただきましたので、その後、政府内において更に検討、調整 がなされ、国会に提出されたところであります。本日はこうした法案の内容も踏まえた 上で、社会保険庁改革の重要な各論であります新人事評価制度、システム改革、地方組 織の改革について御議論いただくとともに、第2回目の業務改革に関するフォローアッ プを行いたいと思っております。よろしくお願いします。  本日は、厚生労働大臣は御所用がございまして御退席になられるということですので、 最初に御挨拶をいただきたいと存じます。よろしくお願いします。  川崎厚生労働大臣 それでは一言、御挨拶申し上げます。委員の皆様方には、今日で 10回目を迎えましたが、いろいろ建設的な御議論をいただいてまいりまして、心から御 礼を申し上げたいと思っております。  皆さん方にいろいろ御協議いただいた法案については3月10日に国会に提出させて いただきました。ただ、国会審議は3月中は予算の審議、また参議院においては決算の 審議が優先でございます。また4月になりまして行政改革法案、これが特別委員会でご ざいまして、私も含めて全大臣出席する委員会が開かれておりますので、先に出させて いただいた医療制度改革、健康保険法の審議もなかなか進んでいないのが実情でござい ます。明日、明後日と参考人質疑が行われ、金曜日にも3回目の委員会の審議をお願い 申し上げたいということで、今、衆議院の委員会で調整中でございます。そういった国 会審議の予定がございますので、新しい法案の審議がおくれておりますが、何とか健康 保険法の審議に続いて、この新しい社会保険庁のねんきん事業機構をはじめとした審議 をお願い申し上げたいと思っております。  一方で、今日の夕刊で報道されておりますとおり、今日の朝、厚生年金と共済年金の 一元化について、政府与党方針を大体方向づけを決めさせていただいたところでござい ます。そういった意味では、一昨年の年金を巡る議論の中で残された課題として社会保 険庁改革と厚生年金、共済年金の一元化、この2つが大きな課題でございましたが、ど うやら両方とも、車の両輪が回り始めたということになろうかと思います。  また、6月には歳入と歳出の一体改革、すなわち予算の中で社会保障の予算というの は極めて大きいわけでございますので、そうしたものも見ながら給付の方の社会保障、 そしてそれを保険料プラス税で運営をする、この仕組みをどういうふうにつくり上げる かというところが議論になってまいると思います。そういった意味では年金制度を早く きちんとしたものにしていくということが極めて大事なところでございます。また制度 全体としては、でき上がりましても、国民年金等の未納というものをどう減らすことが できるかというのが大きな課題になってまいります。そういった意味では、法律は法律 といたしまして、組織の中にどう魂を入れていくか、どう運営をしていくかというとこ ろは極めて大事な話でございます。  今日は新しい組織の、その中における人事評価制度をはじめとしての組織のあり方を 御議論いただく予定になっております。どうぞまたいろいろな意味で御意見を賜りまし て組織が改革されて前に進んでいきますよう、そしてその結果として国民の信頼という ものが向上し、そして納付率の向上につながっていきますよう、皆さん方の御議論をど うぞよろしくお願い申し上げまして、一言ごあいさつとさせていただきます。今日はあ りがとうございました。  佐藤座長 それでは本日の議題に移りたいと存じます。最初に新人事評価制度の議論 を行いまして、その後、システム改革及び地方組織の改革の議論とともに、業務改革に 関するフォローアップも行いたいと思っておりますので、よろしくお願いします。  まず、事務局より新人事評価制度に関する資料の御説明をお願いします。  清水参事官 新人事評価制度につきましては、昨年9月のこの会におきまして御論議 いただいたところであります。その上で昨年10月から半年間、管理職などを対象に試行 実施させていただきました。本日は、それを踏まえまして、試行結果、それから改善内 容案について御説明を申し上げます。  石井総務課長 それでは資料に沿いまして新人事評価制度の試行の結果、改善の案、 こちらの方を順次説明させていただきます。  まず資料1−1について説明いたします。試行の対象者は本庁、地方社会保険事務局、 社会保険事務所の7級以上のすべての職員と、事務所に関しましては7級未満の者であ っても課長職にある者、これは対象にするということで、資料にありますように被評価 者の数といたしまして4,648名の者を対象に実施いたしております。試行の期間ですが、 昨年の10月から今年の3月までの間ということであります。  試行に当たり研修を行っておりまして、昨年の10月、およそ2週間程度の間の中で8 ブロック実施させていただきました。受講者の方ですが、47あります事務局の事務局長 全員、それから事務局の総務課長も全員、それから312の事務所の事務所長全員、その ほかに事務所の場合、課長が複数おるわけですが、その事務所の課長1名参加というよ うなことで、本庁の職員を合わせまして合計で805名というような受講者数でブロック 別の研修をしております。  次のページですが、そのような形でブロック別研修に参加した者が自分の所属の職場 に戻りまして受けた内容を伝達するという形での研修を行わせておりまして、これは事 務局の方で、受けた者が立ち会うというような形できちんと徹底を図ったということで あります。  社会保険大学校の職階別の研修も幾つかありますが、こちらの研修の方にも人事評価 制度についてのコマを新たにつくりまして、これを組み込んだ研修をやっております。  アンケート調査の関係ですが、この人事評価制度がうまく組織の中に定着するかどう かは、職員がこの制度を公平なものとして受けとめるかということと並んで、納得性と いうものを持って受けとめることができるかというのがポイントになろうというような 考え方からアンケートを2回実施しておりまして、1回目は今年の1月の上旬になりま すが、目標の設定を終えた時点でのアンケート。2回目が、今度は評価期間が、少し短 い期間ではあったわけですが、2月の下旬にその目標に対して成果がどうだったかと。 その評価も含めての評価を終えた時点でのアンケートというのを2回実施しております。 社会保険庁LANという仕組みを活用いたしまして、職員の声の吸い上げも同時にさせ ていただいております。  そのような試行の実施結果、あるいはそのアンケート調査等による職員の声、こうし たものをすべて踏まえまして、3月の下旬でありますが、本庁の幹部職員と、平成20 年10月から地方組織がブロックという形で再編になるわけですが、そのときブロック担 当事務局となるであろうと想定されるそのような事務局の事務局長、そういう幹部から なる運営会議を設置、開催いたしまして、本格実施に向けた議論をしております。後ほ ど説明させていただくその資料の方には、その議論の結果として行うこととさせていた だく改善案を盛り込んでいるわけであります。  こちらの資料、引き続きましてアンケート調査における意見なども内容を項目別に簡 単に説明させていただこうと思いますが、まず人事評価制度の重要な柱となります目標 管理の中の目標の設定についてですが、試行に当たりまして、実施した研修によりまし てほぼ80%の被評価者が人事評価制度、あるいは細かな話でありますが、目標達成シー トというツールについての記入方法を理解した上で目標は設定できたというふうな回答 を寄せております。  目標管理の仕組みについての理解度でありますが、試行の過程における評価を終えた 段階でのアンケートでは85%の者が人事評価制度の概要をトータルで理解できた、ある いは目標達成シートの自己評価の記入方法は理解できたと回答しておりまして、この試 行を通じまして、目標の設定から始まりまして自己評価までの流れが一応多くの職員に おいて理解されたのではないかと受けとめております。  この人事評価制度のマネジメントの中でポイントになりますのが面談でございます。 成果・実績の追求と並んで、その過程において上司と部下がきちんとコミュニケーショ ンを図るということも大事なねらいとしているわけでございまして、この面談というの が重要なそうした場になるわけであります。これがきちんと実行されたかどうかという ことでありますが、期初における目標を設定するとき、評価期間が終わって成果につい ての確認をするとき、いずれの時点におきましても面談の進め方についてはほぼ90%の 被評価者が面談は適正に実施されたと回答しております。  4ページをお願いいたします。目標管理の仕組みの導入による効果でありますが、こ こに3点、整理させていただいておりますように、目標を意識して業務を遂行するよう になったというようなものが77%、評価期間の中において評価者から指導・助言があっ たというのが70%、コミュニケーションの機会が以前よりふえたというものが57%とな っておりまして、職員の意識にプラスの方向での変化が見られるようになったのではな いかと思っております。  もちろん課題もございまして、寄せられた声として比較的多いのが、庶務のような業 務でありますが、なかなか定性的な面があって目標設定が難しいということ。部下の多 い職場の評価者は面談の負担が大きい。時期的に4月は業務繁忙期であり、また人事異 動の時期で、業務の内容、特に新しい者を把握するのが難しい時期でありますが、こう いう時期に目標の設定なり、面談を完了するというのは、スキーム上そうなっているわ けですが、難しいといった声が寄せられております。  次に5ページの実績評価ですが、試行を通じて被評価者のおよそ77%の者が実績評価 の一次評価の方法は理解できたとしております。二次評価の方法の理解度については 59%という数字であります。  その評価がどのくらいきちんとなされているかということでありますが、評価を終え た後の評価者に対するアンケート結果では、一次評価者の70%が適正に評価できたと回 答しております。また、二次評価者に今度は一次評価者の評価についてどうだったか聞 いたところ、86%の二次評価者が一次評価者の実績評価は適正に評価されていたと回答 しておりまして、一部に改善の必要な点が見られたわけではありますが、おおむね私ど もが想定しているような形で進んでいるのではないかという感じを持っております。  改善が必要な例といたしましては、そこに2点ほど書いておりますが、項目別の評価 は役職に期待される水準を上げたというものがすべてなのに対して、それらを総合した 形で下されるべき全体評価がどうもCというようなことで水準を下回ったという、ちょ っと合致していないようなケースであるとか、人によってえらく厳しい評価をする方、 あるいは甘い評価をする方なども散見されております。二次評価者において相対評価の 構成比というのをきちんと遵守させるようにしておりますが、これは守られておりまし た。  課題でありますが、今回の試行対象者の多くは今後、評価者になりますので、したが って、より一層研修を充実しておくことが必要であると。その場合、特に留意すべき点 としては、具体的な事例というものをしっかり示して、実践的な研修を徹底するという ことが肝要かと思っております。  6ページの能力評価ですが、こちらにつきましても実績評価と同様に能力評価の一次 評価の方法を理解できた、あるいは二次評価の方法を理解できたという者が64%、ある いは55%となっておりますが、この数字、実績評価の方と比べて少し低い数字になって おります。ここに一つ課題があります。  評価の実施状況でありますが、同様に一次評価者が自らの評価としては66%ができた のではないか。二次評価者による一次評価者の評価の内容でありますが、79%が適正に 評価という回答になっております。しかしながら、評価者によって評価のばらつきとい う問題もあるということでありまして、課題でございますが、実績評価と同様に、この 能力評価につきましても一層研修を充実させることが必要と思っております。  このほか、能力評価と実績評価に共通の事項についての声を寄せてもらっておりまし て、まず評価グループにつきましては、これは私どももちょっと身の尽くしきれなかっ た面があるわけですが、両方の評価のグループが若干異なっておりまして、少しやりに くい状況が生じたということがあります。これは統一することが必要という声が寄せら れております。  面談・評価の実施人数ですが、部下の多い一次評価者については、その大きな負担を 軽減させるために何か工夫が要るのではないかという声であります。面談・評価の実施 時期ですが、先ほど申し上げたように、繁忙期で期間内に実施できなかったということ とか、4月という業務多忙期、あるいは人事異動期、この月に関する声が寄せられてお ります。研修につきましては今後も充実してほしいということであります。  アンケート調査の概略を申し上げたわけでありまして、以下、個別に整理したものが ありますが、これは割愛させていただきます。  このようなアンケート調査等の声を踏まえまして、資料1−2の方ですが、整理した のがこの改善内容案で5点あります。  1点目は、先ほどもちょっと触れました上期の個人目標を策定、設定する時期であり ます。当初案では4月中に策定もし、面談も行うようにとしているわけでありますが、 職員の声欄にありますような指摘があります。これを受けまして、私どもの方も目標の 策定そのものを4月中にやってもらうことを原則とすると。これは譲れないわけであり ますが、ただ、評価者の判断によりまして面談そのものは5月末までに柔軟に広げると。 そして目標を確定するということも認めようではないかという方向で対処してはどうか と考えております。  2番目、目標達成シートに記入する際に、庶務業務などについてはどうもつかみどこ ろのない定性的な目標が多いということで例示をしてほしいという声があったわけでご ざいますが、これにつきましても、その声を受けまして例示を代表的なものについてと いうことで示し、社会保険庁LAN、あるいは研修において徹底を図っていきたいと思 っております。  2ページの実績評価の評価期間についてですが、上期、下期とも、評価期間、評価の 時期はその当初案に記載のとおりの姿になっているわけでございますが、特に、先ほど もちょっと触れましたが、職員の意見として保険料の納付期限の問題でありますが、例 えば年度末3月分は4月末までが納期となっております。そういうことを踏まえての意 見でありまして、保険料の収納率については出納整理期間の4月末までの数字が年度の 最終目標となっていることもあるので、4月末までの数字を評価に反映させる、あるい は4月末までを評価期間としてほしいという声であります。これについては私どももか なり内部で議論をしたわけですが、人事における評価の制度の基本スキーム、提示され ているものが年度単位にするというふうにして示されているというようなこと、そうし たことから評価期間を3月までとせざるを得ないということが一つあります。  もう一つ、評価期間を4月末までとした場合に事務的な問題が生じる可能性があると いうことでありまして、この場合は、実績を確定するのが5月の下旬から6月の頭ぐら いにあるわけですが、そのようなタイミングですと6月末の賞与の勤勉手当のところの 支給に向けた事務処理期間が十分にとれなくなりまして、支給そのものに支障を来すこ とになるのではないかというようなことから、当初案でここのところは勘弁願えないだ ろうかという結論になっているわけであります。  4点目は評価者の体制でございますが、これは部下が多い評価者につきましては、負 担ばかりが大きくて内容がおろそかになってもいけないということで、対処方針欄にあ りますように、適正な評価ができないと判断できる場合に限って、評価補助者という者 を設置することができるように処置したいと思っております。  5点目、研修の充実ですが、私どもの方もこの5月に本庁主催のブロック別研修とい うのをやります。それから伝達研修、大学校における職務階層別の研修もこれまで以上 にしっかりやろうと思っております。職員の理解度を高めるために具体例を盛り込んだ 研修教材の開発、マニュアルの整備というのも進めようと思っております。  これらの見直しを踏まえて整理したものが次のページから続く別添の新人事評価制度 の概要であります。この概要の中には、このような視点に立った見直し部分とは別に、 実は国家公務員の給与法について改正がなされまして、それに伴って人事院規則が改正 されました。それに連動する形で立てていた私どもの基準の一部、これも見直すことに なりましたので、あわせてポイント的に御説明させていただきたいと思います。  最初に別添の11ページをお願い申し上げます。2つ、左右に表がありますが、両方の 表について訂正があります。まず左側の実績評価の表ですが、原案では構成比、1〜2 級のところのSは0%、Aは30%と置いておりました。これは1〜2級と申しますと入 社して10年ぐらいまでの者であって、比較的実績面で大きな差がつくことは考えにくい のではないかということなどからそのような置き方をしたわけですが、人事院規則の改 正によりまして、「特に優秀」というこのSの部分は5%から10%を置きなさいと。「優 秀」の部分、つまりAのところの構成比でありますが、ここは25%ないし30%とせよと いうふうに示されたわけでありまして、これらに合わせてSは1〜2級でも5%、Aは 30だったものを、5をSに持っていったということもあり、25%という置き方にさせて いただいているというのが一つであります。  この同じページの右側の表の方でございますが、こちらについても社会保険庁の案と いう表の中の左側の部分、一般職員、特定職員の「良好でない」、「特に良好でない」と いうところの成績率、これを訂正しております。具体的には、社会保険庁案の一般職員 の「良好でない」というところは、これまで委員の方々にご覧いただいたものは100分 の65という形だったのですが、今回、69。「特に良好でない」というところは100分の 60だったものを67というふうに置かせていただいております。  これは人事院の規則体制、これを踏まえた厚生労働本省人事課の方で策定します懲戒 処分を受けた職員や、あるいは懲戒まで至らずとも強制処分を受けた職員、これについ ての成績率、これがもう少し高目の設定になっておりまして、それとの均衡を図る観点 から、若干このような調整を現段階ではさせていただいているわけでございます。ただ、 厚生労働本省の人事課の方の最終的な結論もまだ出ておりませんので、とりあえず現時 点の数字ということでありまして、今後変更がありました場合には、また御報告をさせ ていただこうと思っております。  この関係で次の12ページの表ですが、右側の大きな表の中の実績評価に対応するファ ンドというところ、表が2つあるわけですが、上の表のS、Aのところの1〜2級のと ころの該当のところ、0%、30%だったわけですが、5%、25%というふうに置かせて いただいたと。この表のすぐ下の「良好でない」、「特に良好でない」というところの数 字でありますが、100分の69、100分の67というふうに、今御説明したように置かせて いただいているわけであります。  13ページですが、4月1日付で人事院が昇給の区分を示してまいりました。人事院規 則の改正の内容に沿って社会保険庁の昇給区分を再設定しております。具体的には(3)の 昇給区分の決定というところの中の社会保険庁案というところの「特定職員」、「特定職 員以外」のところの、例えば標準のところで4号俸となっておりますが、この上の「特 に良好」の8号俸、「勤務成績がやや良好でない」2号俸、「勤務成績が良好でない」昇 給なし、ここら辺の置き方であります。能力評価・実績評価の結果を総合的に勘案して 昇給に反映させる部分ですが、今後、引き続きどのような運用にしていくのか検討して いきたいと思っております。  次の14ページですが、今申し上げたように、給与法の改正に伴って、その俸給の体系 が全体として減額された。勤勉手当の「良好でない」、「特に良好でない」、C、Dに相当 する成績率がちょっと上向きの方向に変更されたということで、試算をやり直しました。 その結果といたしまして、例えば社会保険事務所長の場合、社会保険事務所の係長の場 合、それぞれ差額が、これまでご覧いただいたものよりも少し縮んでおります。その下 の10年間経過したときの年収の差でありますが、これも150万円を切って148万円とい うような数字になっているわけであります。  変更点は以上です。少し長くなりましたが、以上です。  佐藤座長 ありがとうございます。資料1−1、これが試行結果についてであります。 その結果に基づいた改善内容案、これが資料1−2ですが、これをご覧いただきながら、 皆さんから御質問、御意見があればどうぞ。  袖井委員 一つは意見なのですが、資料1−1ですが、細かい数字の御説明はなかっ たのですが、私はこのグラフの黒いところを注目した方がいいと思うんですね。という のは、日本人は「どちらかと言えば」とか「まあまあ」という回答が物すごく多いので、 「そのとおり」というところをかなり注目して見ていかないと、合わせちゃって全体と して7割、8割だった、9割だった、「めでたし、めでたし」というふうに読むのはすご く危険だと思うんですね。ですから、できれば黒いところをちゃんと見ていただきたい ということです。  もう一つ気がついたのは、被評価者よりも評価者の方がシビアな答えをしているんで すね。例えば17ページと25ページを見ていただきたいのですが、これは同じ項目につ いて、「成果や取組内容について評価者と認識の共有が測れた」というのは、被評価者は 「そのとおり」というのが48%あるんですね。ところが評価した人は30%で、18%の差 があるということですね。全体に見て、どの項目も評価者の方がネガティブというか、 消極的な答えが多いので、これを見ると評価される人よりも評価する人の方にプレッシ ャーがかかっているのではないかという気がしますので、評価者に対する研修とか、あ るいは評価者同士の認識や基準の共有とか、そういうことをちゃんとした方がいいと思 うんですね。  例えば29ページのところをちょっと見ていただきますと、第一次評価者の回答として、 評価に当たり第一次評価者同士での事前の打ち合わせを行ったというのがとても少ない わけですね。「どちらかと言えば」というのを入れても29%しかないですよね。ですか ら、この辺のところをちゃんと合意が得られるようにしないと、私は評価者に対するプ レッシャーが非常に大きくなって、これは非常に圧力になるのではないかなということ を危惧しております。  もう一つは質問ですが、これは資料1−2の2ページ目の(3)の実績評価の評価期間の ところで、枠の一番下のところで、「なお、見込数値と確定値に大きく差異が生じた場合 に限り、事後的な評価の修正を可能とする」という、この辺がよくわからないのですが、 これは例えばボーナスなんかを払って後から返せとか、そういうことかなと思うので、 その辺ちょっと御説明をお願いします。  佐藤座長 いかがでしょうか。御意見が2つありました。あと御質問もございました。  石井総務課長 1点目の評価者の評価の仕方についての御指摘ですが、実は初めてや ったことでして、プレッシャーがかかっているかどうか、それも実はよくわからないと いうのが率直なところであります。ただ、私どもも評価者であると同時に評価をする立 場にも立って、今回、経験をそれなりにさせていただいたわけでありますが、私の場合 だと総務課という課の責任者ということになるわけでありますが、例えば総務部にはほ かにも課があるわけでありまして、ほかの課の課長さん方の評価、ここら辺もどこか頭 の中には気になるところが実はあります。したがって、そこら辺をいろいろ勘案しなが ら、しかしながら自分の責任領域についての評価をできるだけ客観的に出そうというよ うなことで望んでみたわけではありますが、おっしゃるように、今回の取り組みの一つ の知恵として、一次評価者同士が何らかの形で、いわば評価に当たっての基準と言いま すか、あるいは視点と言いますか、そうしたものを共有するといった形で望むというこ とは、プレッシャーということはちょっとわからないのですが、それなりに私は有効だ と個人的には感じました。そのような声はほかの評価者の皆さんからもあったように思 っております。  もう一つ、資料1−2の実績評価の評価期間に関する御指摘ですが、実はそこのとこ ろ、大きな食い違いがあった場合に、事後的に評価の修正をするのか。このところは具 体的にどうするか。大変恐縮なのですが、詰めてこれで行くというような結論をまだ出 してはおりません。ここは宿題ということで御指摘を承らせていただければと思います。 恐縮です。  佐藤座長 ただいまのような回答で、よろしいですか。  袖井委員 今いただいた回答で結構です。  小林委員 この結果のまとめを見ますと、特徴的だなと思いますのは、ほとんど予想 どおりではあるのですが、定性的な業務についての目標設定なり評価が難しいというこ とと、それにもかかわらず、最終的には相対評価の構成比は遵守されていると。この2 点なんですね。つまり目標設定は、評価は難しいという中で、最終的には帳じりを合わ せているという、Sを何%、A何%と。これは実は私どもも、前回も申し上げましたが、 苦労の多いところでございまして、裏から言いますと、何で自分が彼と違うのかという ことが、ほとんど能力が同じ、実績も同じ、成果を上げているにもかかわらず、構成比 を最終的にきちんとやらされるということで、差をつけざるを得ないということで、下 手をすると職場のモラルダウンにつながる恐れがあるところでございます。企業も全く このとおりでいつも悩んでいるわけですが、したがいまして、だからどうするというと ころが難しいのですが、このようなアンケートを継続的におやりいただいて、可能な微 修正を、恐らく職種によっても違うと思うのですが、特に定性的な目標の設定しにくい 職場についての制度の微修正というものを常にアンケートを通じてお考えいただければ いいのかなと思います。  石井総務課長 構成比がびしっと最終的には合っているという点でありますが、これ は何しろ合わせることが二次評価者のミッションであるということを徹底しましたので、 かなり苦しい状況の中で、こういう形で評価をつけたということだろうと思うんですね。 定性的な業務、目標、これの扱いが、例えばそういうような局面においても問題になり 得ると思うのですが、全く私どももそういうふうに思っておりまして、特に庶務業務と いうのが、本当に調整だったり、あるいは個々にとらえたときになかなか数値化しにく いようなさまざまなものからなるわけでありますが、ここのところも直ちに数値に結び つくような形で例示をすることはなかなか難しいと思っておりますが、より具体的にき ちんと代表的な業務の姿というものを叙述する、記述するということを通じて、いわば 異なる部署間での評価にアンバランスが出ないようにしていく必要があるんだろうと思 っております。そういう意味で、先ほど対処方針のところで例示を出していきたいと申 し上げましたが、このところをしっかりとやっていきたいと思っております。  アンケートでありますが、改めて私どもやってみて、これはおっしゃるように必要だ なという実感を持っております。そういうことで、より精度の高いものになるように工 夫をしながら今後とも続けさせていただきたいと思っております。  稲葉委員 アンケートについてですが、被評価者の自らに対する評価についての意見 というのは聞いているんですか。それが1点と、資料1−2の評価者体制のところで、 評価補助者を設置することができることとするとあるのですが、この評価補助者の役割 ですね。本来の評価者との関係というのはどういうふうに整理されるのでしょうか。そ の2点、お聞かせいただければと思います。  石井総務課長 まず被評価者に対して、その者に付与された評価を伝えているかとい うことでありますが、これは伝えておりません。ただ、例えば実績評価の結果などは、 賞与の勤勉手当のところの成績率、そこにはっきりと出ますので、どういう形で示すか は検討中ではありますが、今回、試行の中ではまだそこまでやっておりませんが、今後、 本格実施の中で、これはやはりきちんと示さなくてはいけないと思っております。  2点目の評価補助者の件ですが、平均的に見ますと、一次評価者が担当する人員とい うのは大体15人以内というところがほとんどなわけですが、部署によっては60人、70 人というようなところがあります。前々からそういうところの評価者の負担をどうする かというのは、私ども内部で検討してはきたわけでありますが、面談をするだけで相当 な時間がとられて業務にまで支障が出るという形にもなりかねませんので、補助者を使 うということをするわけでありますが、まず補助者を使うことにしたいという場合、私 ども人事評価担当部署、こちらの方に申請をしてもらおうと思っております。その必要 性というのをきちんと承知させてもらうと。同時に、どういう立場の者を補助者として 使うかと。その使い方、これについてもきちんと聞くと。  基本形でありますが、これもこれから検討しなくてはいけないわけでありますが、例 えば目標を設定する段階で行われる面談、メインは評価者でありますが、評価補助者を 同席させるということでヒアリングにおける認識の共有化を図る。それから評価期間の 間における記録ですね。さまざまな職務遂行の状況についての記録をつけるということ でありますが、これについても補助者によるサポートというのが考えられるのか、考え られないのか。  最後、成果のところでありますが、これは例えば補助者が仮の案をつくると。参考的 な形で何らかのものをつくって、それを本来の評価者が参考的に利用すると。そういう ような形態が考えられるのであろうと思うのですが、何しろ具体的にその辺をどうする か。これもまた大変恐縮ですが今後の検討課題ということで、早急に詰めていきたいと 思っています。  小林委員 実績評価については、被評価者へのフィードバックはなされているけれど も、能力評価についてはまだだと。こういうことを今おっしゃいましたか。  石井総務課長 フィードバックをするのは実績評価の方を考えております。能力評価 の方は、これは人事における利用ということで申し上げますと、例えば能力評価がSと かAとかいう数字になったからといって直ちに抜擢人事をせよとか、こういう話になっ ても非常に困りますので、また、能力というのはもう少し長いスパンで見る必要も任用 上はあるのではないかとも考えておりますので、そこのところの扱いは慎重にしなけれ ばいけないのではないかと思っておりまして、現時点において能力評価の内容を本人に 伝えるということは、これは見合わせてはどうかと考えております。  小林委員 今はそれで多分いいんだと思いますが、中長期的には能力評価についても 本人にフィードバックをするというような方向を検討された方がいいのではないかとい う気が経験則上いたします。私どもも数年前までは、賞与にしても、能力評価にしても、 本人へのフィードバックというのは、やりやすい人はやるけれども、やりにくい人には やらないみたいなところが結構あったのですが、労働組合等からもいろいろ注文が出て、 こういうものの制度をちゃんと運用するためには透明性が必要だということで、数年前 からは必ずフィードバックをしろと。理由をちゃんと明示して、なぜあなたはAなんだ、 なぜあなたはBなんだと。結論として、大変やりにくい、難しい話でございまして、先 ほどおっしゃったプレッシャーが評価者にはさらにかかるわけですが、ただ、結果とし てはどうやらそれが全体としての満足度の向上につながっているという気がしておりま すので、結果としては難しいけれども、やはり評価は本人にフィードバックするという ような方向を将来的には施行された方がいいかなという感じを持っております。  佐藤座長 今の点は御検討いただくということでよろしいですか。  石井総務課長 今お話のあった事柄も、これは大変貴重なお話でありますので、十分 参考にさせていただきながら検討させていただきたいと思います。  佐藤座長 ほかの委員の先生方、いかがですか。将来はある程度時間をかけても今お っしゃったような形になっていくと、かえって納得度が高くなる可能性は当然あるので しょうね。あとは客観性も出てくるわけでしょうから。御検討いただいてということで、 よろしゅうございますか。ほかの委員の皆様、いかがでしょうか。特にございませんで したら、今日いろいろ出ました御意見を御検討いただいて、スムーズに新人事評価制度 を進めていただければありがたいと思います。よろしくお願いします。  次にシステム改革、地方組織の改革と業務改革のフォローアップについて御検討いた だきたいと思いますので、事務局の方から御説明ください。  清水参事官 3つの種類の資料です。資料2−1と資料2−2はシステム関係であり まして、これは企画課長の方から御説明させることにしたいと思います。資料3、これ は地方組織関係であります。これにつきましては総務課長から御説明を申し上げること にさせたいと思います。資料4−1、4−2、資料5ですが、これは業務改革の関係で、 フォローアップ、あるいは改訂案といったものですので、これにつきましては企画室長 から御説明申し上げさせることにいたします。よろしくお願いいたします。  中野企画課長 まず社会保険業務・システムの最適化計画の概要について御説明させ ていただきます。資料の方は資料2−1、資料2−2となっております。資料2−2の 方が本文、全体の計画文書となっておりますが、概要版、2−1に従いまして御説明さ せていただきます。  社会保険オンラインシステムにつきましては平成16年1月から業務・システムの実態 把握、予備的調査に着手いたしまして、検討を重ねてまいりました。各府省情報統括責 任者補佐官等連絡会議という政府部内の会議の御了解を得まして、去る3月末に見直し のための計画、最適化計画を決定、公表させていただきました。  計画は、ご覧いただきまして1ページの方に計画の理念、(1)から(4)の視点が上の方に 記載されております。こういった視点に立って社会保険業務・システムの見直しの計画 を立てているものであります。  柱でありますが、1ページの最適化の実施内容、1.業務施策というもの、2.シス テム施策、次のページをご覧いただきまして安全性・信頼性、調達施策、ITガバナン ス体制の確立、こういった柱で組み立てられております。  業務面につきましては、まずお客様のサービス向上という観点から、年金加入状況な どの情報提供の充実等の施策、効率化・合理化のための施策として業務の集約化など、 品質向上といたしまして、全国統一の業務処理基準の作成などの改革を行っていくこと といたしております。  一方、システム面につきましては、1ページの下の方にありますが、記録管理システ ム、基礎年金番号管理システム、この2つの大きなシステムにつきまして全面的な見直 しを行いまして、システムのオープン化を行っていくことといたしております。  (2)の方に記載をいたしておりますが、年金給付システムにつきましては、それを 運用しておりますハードウェアについて、これをまとめていくことでハードウェア資源 の集約化を図ることで経費の節減、効率化を図っていくということといたしております。  (3)に記載しておりますが、現在、コンピュータセンター、データセンターが3カ 所に分散いたしておりますので、これを1カ所に統合していく方向であります。  2ページ目でありますが、安全性・信頼性の施策としましては、個人情報についての 暗号化、利用者認証機能の強化。これは機械を操作する職員などの本人認証機能の強化 を図っていくということであります。  こういった大きなシステム開発を行うに当たりまして、調達施策としまして一般競争 入札による調達を原則とすること、著作権など、必ずその際に知的所有権の取得を行う ことといたしております。  こういった全体の見直しを行っていくに当たっての最適化の実施に向けた体制整備を 図るということで、1点目は組織の内部にシステム検証委員会という組織を設けて、個 別のシステム案件の審査・確認を行っていく。そして全体として専門性の高い職員の確 保を図っていくといったことといたしております。  これらの見直しに伴いまして、今後5年間をかけて新たなシステムの開発を行ってま いりますが、2ページの下の方にございますが、1番のところにございます、平成18 年度からの5年間でオープンシステムの構築、新たなシステムの構築に約1,300億円の 経費が必要と見込んでおります。  しかしながら、その削減効果の方でございますが、新たなシステムが稼働いたしまし た後には、年間運用コストを35%程度削減できるのではないかと見込んでおります。し たがいまして、初期コストを約4年強で回収できると見込んでおります。また、さらに それに加えまして、業務・システムの効率化施策を通じて9,000人から9,100人の人員 削減が図れると見込んでおります。  3ページですが、こういった業務・システムの見直しの全体を図の形でお示しいたし ております。コンピュータシステムを裏づけとしまして、この図の上にありますような お客様へのサービスの向上を図ってまいりたい。また、この図の下の方にございますが、 業務品質の向上、あるいは効率化・合理化といった施策を講じていくということになる わけでございます。  4ページに参りまして、システム構成につきまして現行のシステムの構成と刷新後の 姿を概略としてお示ししております。右の方の刷新案の方では、メインフレーム、大型 コンピュータを限定的な部分に使う形にして、大きな部分をサーバと言われますコンピ ュータ群で業務の処理をしていく形に改めていきたいということであります。  5ページをご覧いただきますと、社会保険オンラインシステムのこういった見直しを していくに当たりまして、今後の必要な経費の見込みをグラフの形でお示しいたしてお ります。平成23年度以降、この新たなシステムが本格稼働いたします。その段階でこの 削減効果があらわれてくるということを見込んでおります。  6ページはそのシステム構築に向けましたスケジュールをお示しさせていただいてお ります。18年度、本年度から、いよいよこれらの大規模なシステム開発に具体的に着手 してまいることになります。こういった業務を今後円滑に進め、社会保険業務全般の効 率化を、システム面での裏づけも含めて整備をしていくということにいたしているとこ ろであります。簡単ですが以上です。  石井総務課長 引き続き資料3、地方組織の改革の具体的なあり方について、こちら の説明をさせていただきます。なお、これから御説明申し上げます内容でありますが、 組織の査定権限を保有しておられます総務省の関係部局との調整はしておりません。こ れは20年の10月という時期まで時間が少しあるものですから、まだ未調整であります。 そういう意味で、私どもの考えを整理させていただいているとお受けとめいただければ と思います。  地方組織の改革に関しましては大きく5つの検討項目があると思っております。まず 第1点は、社会保険事務局のブロック化であります。2ページ目に地方監査についての 先行実施というのを書いておりますが、その部分を除きまして、平成20年10月に新組 織が発足するタイミングで、地方監査業務の部分を除きます業務はすべてブロック事務 局の方に移るということであります。  地方組織の姿でありますが、まず地方年金局というのがブロック単位に設けられます。 ブロックの数、区域は、申し上げましたように、今後、関係省庁と調整の上で正式決定 ということになるわけであります。  事務所の方でありますが、年金事務所という名前に改めまして、箇所数としては現在 の社会保険事務所の箇所数と同じ312カ所というものを見込んでまいりたいと思ってお ります。これにつきましては2つの法案を今、国会に提出させていただいておりますが、 法案が成立した後に愛称を公募していきたいと思っております。  ブロック化の利点でありますが、5点、そこに整理してありますように、ガバナンス の強化、広域人事管理、事務の集約化による要員の簡素化を通じた他業務へのシフト、 業務の均質化、優れた取組みの普及、県単位の意識などの打破というような点でプラス が期待できると思っております。  役割でありますが、地方組織の集合物というよりも、むしろ本庁と一体となって、本 庁が担う内部統制機能、これを分掌するガバナンス組織という形で再編を図りたいと思 っております。事務所などの進捗管理、広域的な集約事務処理、こういう役割も担うと いうことであります。  次のページですが、ブロック化の先行部分でありまして、本年10月から、地方監査業 務につきましてはブロック化を行いたいと思っております。この取組みの前提となりま すブロック体制ですが、下の表にありますように、現時点においては9つのブロックか らなる体制というものを考えております。このときの本庁の体制ですが、上の方の枠囲 いにありますように、本庁のところでは、これは18年10月からということになります が、民間よりおいでいただきまして、2名を特別監査官、4名を特別監査官補佐という ことで、その専門性を発揮していただくと。これらの方々のもとに業務執行組織として 経理課、サービス推進課、それぞれ会計監査、業務監査、これを担う部隊がつくという 形で本庁の監査、ブロック担当局の監査などを担うという姿であります。  地方の方ですが、左の(1)のところをご覧いただきますと、156名の地方社会保険監察 官がいるわけでありますが、これを121名に削減いたしまして、そしてこれを9カ所に 集約配置すると。そこには統括地方社会保険監察官というのを置くということで、この 面での本庁のガバナンスを効かせたいということであります。本庁の特別監査官、補佐 の先行実施と連動する形で、民間の感覚を取り入れた監査を地方へ浸透させていきたい と思っているわけであります。  3ページですが、今度は社会保険事務所が担っているさまざまな業務、これを集約化 して効率的な業務の実現を図ろうというものでございまして、集約事務センターなる組 織への事務処理の集約化と地域における事務所の活動強化でございます。現在、社会保 険事務所には、届出にせよ、申請にせよ、入力、あるいは確認、審査、そうした事務が 多数ございます。これを県単位で数カ所の事務所の統合、事務の切り出し、集約によっ てそのロットにまとめようとしても、その程度ではロットにならないと。けれども、ブ ロック単位で切り出して集めれば一定のまとまりのある事務になると。そういうような ものがいろいろあります。そういうような形で、ブロック単位でセンターをつくり、そ の集約をしようということでありまして、このように集約されたものは外部委託という 方法と組み合わせて業務の効率化を図りたいと思っているわけであります。  そのような取組みの結果といたしまして、年金事務所の取扱事務が、ここにあります ように事業所の調査ですとか、職権適用、保険料の徴収・免除、年金相談、いわば地域 に密着した、どちらかと言えば非定型的な業務、まさに正規の職員が担当すべき業務、 そういう形に特化されていくというイメージを私どもは持っております。  続きまして、1ページ飛ばしていただきまして5ページの社会保険事務所の配置の見 直しであります。そのような形で再編されていく事務所ですが、まずもって第一弾の取 組みとして、18年度において首都圏の社会保険事務所に関しまして配置の見直しを予定 しております。これは前回、2月のこの会議のときに、2法案とあわせて御説明を申し 上げておりますが、超大規模事務所というのがありまして、大変混雑をしていたり、徴 収対策の強化、苦労しておりますが、首都圏に限定する形でありますが、この10月に越 谷、市川、青梅と3つの事務所を設置すると。それに見合う数の分だけ、23区の中で2 カ所配置されている区がありますので、それを財源として、3増3減というのをやらさ せていただくということであります。  その後の取組みですが、20年度以降、新組織発足以降の取組みになろうかと思ってお りまして、その場合の視点でありますが、そうした超大規模事務所の解消を図っていく。 小規模事務所については統合や分室化を図る。近接したものもあるわけでありまして、 統合・再編を図るというようなことで、配置の見直しを全体として進めていきたいと思 っております。  トータルの数の問題ですが、一番下のアスタリスクで書いておりますが、団塊の世代 がこれから受給世代になっていくという、こういう状況前夜であります。そういうこと からいたしましても、この312カ所という数を縮減するということは非常に考えにくい ということを各方面にこれまでのところ申し上げておりまして、その考えはこれからも 続けさせていただこうと思っております。  次に6ページの総合コールセンターの整備です。これも比較的最近まで、電話相談セ ンターの電話の台数が少ないなどによりまして、かかりにくい状態などが発生しており ました。これを解消します。それから、事務所にお越しいただかなくても済むようにす るというようなこと。それから、職員を他の業務に集中しやすくする。こうしたねらい を込めまして、昨年の10月から「ねんきんダイヤル」という専用ダイヤルを設置いたし ました。後ほど説明がある資料の中に、応答率が上昇しているということを読みとって いただけると思います。  この電話相談体制でありますが、今後、社会保険業務センターの中央年金相談室の電 話相談、23カ所の電話相談センター、これを全国3カ所程度に集約して、総合コールセ ンターという姿で整備したいと思っております。民間委託方式でこれは取り組みたいと いう考えであります。  7ページですが、このような組織改革とともに内容的なガバナンスの向上というのを しっかり図る必要があるということで、組織管理、業務管理の関係を模式図的に整理し たものでありますが、例えば左上の新たな人事政策の確立。組織の基本は人であります ので、この中でも1番の能力と実績に基づく適材適所の人事配置、これが大基本と思っ ておりますが、これを実施していく上においても、その左下の新しい人事評価制度の実 施・活用、御議論いただいたわけですが、これをしっかり組織の中に定着させて、重要 な柱としてしっかり立てていくということを軸にしながら人事交流、戦略的な人材育成 というのを図っていくと。こういう組織管理面での取組みを進める。  一方で、右上の方ですが、毎年度、年金運営会議、あるいは地方においては運営評議 会の御意見というのをちょうだいしながら、毎年度、全国単位での組織目標というのを 定め、それを全国レベル、地方レベルで事業計画という形に引き直して実行する、実行 した後は実績評価をしていく、こういう形になるわけでありますが、数値だけを追い求 めているようなそういう取組みになってはいけない。それは避けなければいけないわけ で、むしろ業務の質そのものが同時に高まっていくような取組みを進める必要があるだ ろうということから、業務品質の管理の徹底というところが非常に重要な意味を持つと いうことでありまして、統一的な業務マニュアルの作成やら様式の統一は無論のことで すが、優れたノウハウのデータベース化、あるいは品質にかかわる調査というものをい ろいろと講ずることで内容的な確保をしていきたいと。  例えばノウハウの共有化、あるいは優れたマニュアルというものは、左下の人事評価 制度、この中で、目標達成の過程において、上司から部下へ、あるいは逆のコミュニケ ーションが図られるわけですが、そのプロセスにおいて活用されれば、これはこれで一 つの望ましい姿だろうと思います。  また、研修という形でそれが再構成されて利用されるということであれば、今度は左 上の人事政策の例えば(3)でありますが、戦略的な人材育成、こちらの方に活用もできる ということでありまして、こういうようなそれぞれのねらいというものが相互に有機的 な形で結びつくような、そういう業務運営、業務管理、組織管理をしていきたいと思っ ているわけであります。  最後8ページは、申し上げました地方組織の改革、これをスケジュールとして落とし たものでございまして、説明は省略させていただきます。  最後、参考といたしまして、政府管掌健康保険の方も同じ20年の10月に公法人にな ります。こちらの地方組織の姿でありますが、公法人に47都道府県1カ所ずつの支部と いうのが設けられまして、ここにそれぞれ1つずつですが評議会というのが設けられま して、都道府県ごとに財政運営を営んでいくという形になっていくということが予定さ れているわけでございます。地域の実情に応じた保健事業、そうしたものの展開が図ら れるということであります。  吉岡企画室長 続きまして、これまでの業務改革につきましての2回目のフォローア ップであります。資料4−1がその概要、4−2の方が120項目につきまして1項目ご とに整理した個票でありますので、資料4−1の方で御説明させていただきます。  1ページ目ですが、お客様の声に対応したサービスの改善につきましては、長官への メールというところを見ていただきますと、7,300件余りをいただいております。1月 末のときに6,600件余りでありましたので、この2カ月でまた700件というたくさんの 御意見等をいただいているところであります。  また、(3)お客様満足度アンケート、1月の調査結果ですが、「満足」あるいは「まあ満 足」という満足度を合わせますと、それぞれ87%、82%ということであります。前回、 昨年7月の調査結果をお示しいたしました。その際に89%、83%ということでありまし たので、若干、このパーセンテージは下がっておりますが、これは1月という時期が比 較的、年金相談の件数が多い時期であります。一方、7月の方は少ない時期ということ で、そうしたことを反映していると分析いたしておりまして、満足度は大きく変動はし ていないのではないかと思っておりますが、今後さらにその向上に向けた取組みを進め ていかなければならないと考えております。  次の2ページ目ですが、年金相談窓口の待ち時間、15分未満が60%、60分以上が6% ということであります。昨年7月の結果は15分未満が76%ということでありましたの で、これにつきましては今申しましたように年金相談が多い1月ということで低下をし ております。いずれにしても60分以上6%、これにつきましては早期になくしていかな ければなりませんので、予約制の導入などを初めとする取組みを今後さらに進めていき たいと思っております。  その下の電話応答率です。かつて20.5%ということで全然つながらないという状況が、 前回御報告したときには91.3%ということで大変お褒めをいただいたわけであります が、全体おしなべてみますと77.5%ということであります。これは1月、2月という期 間におきましては、いわゆる確定申告前ということで源泉徴収票の発行、あるいはそれ をなくした方の再発行に係る照会が急増いたしております。そういうことでおのずと低 下する傾向にあるわけでありますが、確定申告が過ぎた3月15日以降は90%以上に回 復しているという状況になっております。  次の3ページですが、年金個人情報の提供につきましては、インターネットを活用し た加入記録の即時提供をこの3月末から行っております。3月末から4月5日までの間 に2万5,000件の申し込みをいただいているところでありまして、年代層で見ますと50 歳代の方が44%を占め、その次は40歳代という状況であります。ただ私ども、この2 万5,000件、もう少し多い状況になるのではないかと見込んでおりましたので、より一 層のピーアールをこれからやっていきたいと思っております。  (4)のところですが、年金見込額試算の対象年齢につきまして、55歳以上から50歳以 上に引き下げております。3月末からですが、この間4,000件ほどの受け付けをいただ いているという状況でありまして、今後さらにこうした個人情報の提供を充実していき たいと思っております。  1ページ飛びまして5ページです。事務処理を迅速化しなければならないということ で、サービススタンダードというものを設定しておりますが、その達成状況につきまし ては右側のとおりであります。前回と大体同様な調査結果になっております。この中で 障害年金につきましては支給までに一定の審査などの時間を要するということで3カ月 半という若干長い期間にしておりましたが、障害基礎年金の達成状況を見ますと94%と いうことでありますので、その下にありますように設定項目の見直しということで、3 カ月半から3カ月以内に短縮したいと思っております。  また、健診の実施機関、その下にありますように、新たに290医療機関の追加で1,820 機関という状況になっております。  次の6ページの2つ目の大きな柱、年金制度の周知徹底でありますが、今後の取組み ということで(2)を追加いたしております。文部科学省との連携策ということで、学生に 対する年金制度、あるいは特例手続きの周知・広報等につきまして、大学等に対して必 要な協力を依頼して、具体的な取組みを今年度から進めていきたいと考えております。  次の7ページ目ですが、3つ目の柱、保険料収納率の向上であります。18年2月現在 の数字を見ていただきますと、対前年同期比3.3%増という収納率になっております。 前回12月末の時点で対前年比2.9%増ということでありましたので、さらに確かな上昇 傾向を示しているところであります。  次の8ページ目ですが、その要因を幾つか見てみますと、中ほど、実績のところをご 覧いただきたいと思います。コンビニでの納付というものが約529万件。昨年12月まで で429万件ということでありましたので、それから約100万件ほど増加をしているとい う状況もあります。  次の9ページをご覧いただきますと、強制徴収ですが、17年度、前回のときには14 万件という計画の数字を御報告申し上げましたが、最終的に最終催告状を送付したのが 17万件余りという状況であります。そのうち最終的に財産差押えに至ったのが2,700件 ということであります。今後、来年度につきましてはさらにその倍増の35万件の最終催 告状の発送、近い将来60万件までの拡大ということで進めていきたいと思っております。  1ページ飛びまして11ページですが、4つ目の柱、予算執行の無駄の排除であります。 一番下の欄をご覧いただきますと、調達案件を、調達委員会というところで厳格な審査 を行っております。削減額が約134億円ということであります。一番上のところにあり ますように、17年度の削減目標を10%以上としておりましたので、これによりまして昨 年度の計画額を達成することができたという状況になっております。以上が業務改革の フォローアップの状況であります。  次に、資料5をご覧いただきたいと思います。資料5につきましては、昨年の9月に この業務改革プログラムをおまとめいただいたわけでありますが、先般、法案を提出い たしましたので、法律に盛り込んだ事項などを中心としまして、このプログラムの追加・ 改訂を行いたいというものであります。  まず、3ページをご覧いただきたいと思います。3ページに新組織発足時における業 務改革の到達目標を掲げております。この中の右側、3つ目の柱の収納率の向上の下か ら3つ目の部分であります。市町村・事業主・関係団体及び関係制度との新たな協力・ 連携体制を確立するということを今回の法律の一つの柱として位置づけておりますので、 この到達目標を追加させていただいております。  4ページ目からが具体的な取組みでありますが、主な修正・追加点を御説明させてい ただきます。まず7ページをご覧いただきたいと思います。7ページの一番下のところ でありますが、住基ネットワークシステムを活用することにより、被保険者の方の氏名 変更、住所変更届を原則廃止できるということの取組みを追加させていただいておりま す。  次に10ページの右下の部分ですが、これは法案との関係はありませんが、政府全体と して電子政府の実現の取組みをさらに進めるということで、先般、年度末にオンライン 利用促進のための行動計画というものが取りまとめられました。その中で健保・厚年の 適用関係届書のうち6届書につきまして利用率25%という目標を定めまして、今後、電 子申請・磁気媒体での届出の利用促進の取り組みを進めていきたいと考えているところ であります。  ちょっと飛びまして15ページの下の中ほどですが、これは法案に盛り込んだ事項であ りまして、任意加入被保険者の方につきましては口座振替での納付を原則化するという ことであります。  次に19ページの左下のところですが、この国会に「競争の導入による公共サービスの 改革に関する法律案」、いわゆる市場化テスト法というものが提出されております。その 中に、国民年金保険料収納事業も対象になっているわけでありまして、19年度からこの 法案に基づく取組みとして進めていきたいということであります。  続いて20ページの申請手続きの簡素化でありますが、まず下の中ほどであります。学 生納付特例手続きでありますが、学生さん、それぞれ大学などに入られますと、大体何 年で卒業するかというのがわかるわけでありますので、最初の申請の際に卒業予定年月 を把握いたしまして、それまでの間は毎年簡単なことを記入すればよい、そういう方式 に来年の4月から変えていきたいということで考えております。  その下は法案に盛り込んだ事項でありますが、学生の代わりに大学が委託を受けて特 例手続きの申請を代行するという仕組みを導入するということであります。また右側の 欄につきましては、福祉事務所等からの情報を受けることによりまして、生活保護世帯 などにつきまして職権での免除手続きを行い、届出を省略できるようにするということ であります。  次の21ページが一つの柱として追加をしている部分であります。左側が市町村との連 携ということで、国年と国保の被保険者資格情報を相互に提供することによりまして、 適用の適正化を図るということ。またその下が、市町村の判断によりまして、国年の未 納者に対しまして短期の国保の被保険者証を交付できるようにするということ。左から 2つ目の欄につきましては、社会保険に密接にかかわる事業者等が社会保険料につきま して長期間未納の場合には、その指定などを認めないという仕組みを導入するという取 組み。またその隣でありますが、事業主さんへのお願いということであります。パート 労働者など従業員への国民年金に関する手続きの周知、保険料の納付の勧奨などにつき まして、事業主に対して必要な協力をお願いしていく。こうした様々な協力・連携策と いうものを進めていきたいということであります。  次に1ページ飛んで23ページですが、労働保険との徴収事務の一元化であります。こ れまで、様々なの取組みを進めてきておりますが、一番下にありますように、労働保険 における年度更新の期限を社会保険の届出の期限であります7月10日に統一するとい うことであります。  次の24ページ、予算執行の無駄の排除という中に、特別会計の見直しを右下に2つ掲 げております。これはいずれも、先ほど大臣の話にもありました、行革推進法の中にこ の関連の規定を盛り込ませていただいております。一つは厚生保険特別会計と国民年金 特別会計の統合による事務事業の合理化・効率化。19年度から行いたいということであ ります。また船員保険特別会計につきましては、健康保険に相当する部分などを全国健 康保険協会等に移管した上で、労働保険特別会計に22年度から統合するという2点であ ります。  次に25ページの左側の年金事務費の取扱いでありますが、これまでの状況のところに ありますように、これまで国の厳しい財政事情にかんがみて保険料を充てる財政上の特 例措置というものを行ってきたわけであります。今後、法案に盛り込みましたように、 受益と負担の明確化等を図るという観点から、年金事務費への保険料充当の仕組みを恒 久化したいということであります。ただし、事務費負担の財源区分につきましては17 年度、18年度と同様に職員人件費、あるいは内部管理経費につきましては国庫負担とい う形で取扱っていきたいということであります。  右側の流れがいわゆる施設規定の見直しであります。「被保険者等の福祉を増進する ために必要な施設をすることができる」という規定を根拠に、これまで施設の設置、あ るいは年金相談などを行ってきたわけであります。一方で、独立行政法人を設立しまし て施設の整理合理化に着手したところであります。こうした中で、今般の法案では、こ の「必要な施設をすることができる」という規定を廃止し、あわせて年金教育・広報な どにつきましての根拠規定を整備し、保険料財源で実施できる事業の範囲の明確化を図 ることにしたところであります。  1ページ飛んで27ページの個人情報保護の徹底についてでありますが、今回、法律で 2点の手当てをさせていただいております。左下にありますように、ねんきん事業機構 における年金個人情報の利用提供につきましては、法令上具体的に明記された事務以外 には認めないという規定を整備し、あわせて、右側にありますように、基礎年金番号を 年金原簿の記載事項として法定化すると同時に、基礎年金番号を適正に活用するための 利用制限などを規定したわけであります。以上が業務改革プログラムの追加修正事項と いうことであります。  その後29ページから、これら全体の取組みのスケジュールというものを32ページま で掲げさせていただいております。33ページからは、改めて全体像を整理したものであ ります。これまで全体として120項目の業務改革ということを申し上げておりましたが、 この追加によりまして130項目ということで、今後さらなる取り組みを進めていきたい と考えております。  佐藤座長 ありがとうございます。大変盛りだくさんですが、まずシステム改革、そ れから地方組織の改革、それから業務改革とございましたが、どうぞ、残された時間を 御自由に御質問なり御意見をいただきたいと思っております。よろしくお願いします。  杉山委員 4点ばかり質問をさせていただきたいのですが、一つが資料2−1のシス テム開発のところで、一番最初に大臣から、厚生年金と共済年金を一本化するというよ うなお話もあったのですが、そういうことをすると、システム開発をするのにまた相当 コストがかかってくるのではないかと思うのですが、そうすると、例えば2ページのと ころに、削減効果は4年間で初期コストを回収できるというような見通しにはなってい るのですが、これが果たしてそうなるのかどうなのかというのがちょっと気になるとい うか、また恐らく制度はどんどん変わっていくと思うので、そのたびにまたお金が必要 になってくるのかなと思うのですが、そのあたりどうなのかなというのをお伺いできた らと思います。  また話は飛ぶのですが、資料4のところの年金相談体制の充実というところですが、 ねんきんダイヤルというのができて、相談の満足度も上がってきたということなんです が、ここの相談時間の延長、毎週月曜日に延長したということと、毎月第2土曜日の休 日の相談を増やしたというのはあるのですが、もうこれは増やす予定はないのですか。 できればもう少し、24時間体制とまでは言いませんが、もうちょっとしてもいいのかな という気はするのですが、そのあたりはどうなのかなということと、次のページ、せっ かく年金の個人情報の提供の充実を図ってきているので、このあたりはもう少しマスコ ミ等を使って周知してサービスが向上したということをお伝えしていってもいいのかな という気がいたしました。  最後に、資料5の業務改革プログラムがまたさらに増えてきたということで、本当に 頑張っているなという印象を受けるのですが、ちょっと前のこちらの委員会でもお話に なりましたが、職員の方たちがついていけているのかどうかというのがちょっと心配で、 例えば精神的なケアであるとか、心の問題であるとか、以前も長官は、これも社会保険 庁の重大な仕事であるとおっしゃっていたかと思うのですが、このあたりはカウンセリ ングをやっているのかとか、そのあたりのフォローみたいなのはどうなっているのかな というあたりをお伺いできればと思います。  中野企画課長 まず厚生年金と共済年金の一元化に伴ってシステムの見直しにどのよ うな影響があるんだろうというお尋ねについてであります。先ほど大臣の方からお話を 申し上げましたように、被用者年金の一元化に向けた基本的な方向づけについてようや く政府全体としての方向性がまとまりつつあるという段階であります。今後、具体的に どこがどういう形の修正になっていくのか、その内容を見ませんと私どもへの影響とい うのが詳細にはまだつかめないということでありますが、基本的には、今回の被用者年 金の一元化については公務員の共済年金の制度を厚生年金に合わせるという考え方、給 付や負担についてもそういう方向性での改正でありますので、基本的に私どもの厚生年 金の仕組みに共済側が合わせる必要が非常に大きく生じてくるということであろうと思 います。今後、さらに具体的に、いつまでにどういう改正が必要になるのか、その辺を 十分私どもとしても検討してまいりますが、その際、施行までの期間を十分用意してい ただくことによって、私どもの見直しへの手戻り等の影響が大きく出てこないようにお 願いをしていきたいと考えております。  次に、ねんきんダイヤルの件でありますが、ねんきんダイヤルと相談体制について、 先ほど、月曜の夜と土曜日以外に拡大をする考えはないのかというお尋ねでありました が、時間の延長について、平成16年から試行的に実施をしてきております。現時点でそ れぞれの月曜、土曜のお客様のおいでいただいている実績などを見てまいりますと、ま だ月曜日の方はなかなか多数の方においでいただいていない状況にあります。土曜日の 方はかなり定着をしてきたことで、お客様においでいただいている状況であります。こ ういったことでピーアールを進めてまいりたいと考えております。日をさらに拡大する、 別の休日に事務所を開くということになりますと、コンピュータシステムを稼働させな ければいけないということが起こってまいります。現状では、私どものコンピュータシ ステムをそういった休日に追加的に稼働させることについては、休日にはさまざまな業 務を行っている関係で困難な面がありますが、今後、御利用の実態などを踏まえながら 検討をさせていただきたいと思います。  個人情報提供の関係についてですが、先ほどの資料の方でもお話を申し上げましたか ら、ID・パスワードによる年金個人情報の閲覧、その他個人情報の体制を拡充してま いりますが、この件についてはまだ御利用登録をいただいている方が若干少ない面があ ります。こういった面のピーアールを今後、十分に行って、積極的に御利用いただきた いと思います。このシステムは24時間365日、いつでも個人記録をご覧いただけるよう なシステムでありますので、そういう意味で、先ほどの年金相談体制の面で、24時間、 お知りになりたい場合に、部分的ではありますが、情報の御提供ができる。そういった 体制を整備していきたいと思います。  三枝職員課長 メンタルヘルス対策についてのお尋ねでございます。職員の健康管理 につきましては、メンタルヘルスの教育研修、あるいは健康管理医といったドクターの 設置等、厚生労働省全体としての取組みのほかに、社会保険庁独自の取り組みといたし まして、電話によりますメンタルヘルス相談、あるいは面接によるメンタルヘルス相談 窓口を設置いたしまして、心の悩みを持つ職員等について相談しやすい環境づくりに努 めているところであります。  特に本年1月から心の健康の対策について、一歩踏み込んだ取組みを推進したいとい うことで、毎月の初日の日を心と健康を考える日ということで設定いたしまして、その 日にメンタルに係るセルフチェックシート、これを活用いたしまして、自らの心の健康 状態を把握するということをやっていただくと。それとともに、フォローシートという ものも活用いたしまして、これは管理者が部下職員の心の健康状態を確認するというこ となど、4項目にわたります緊急の取組方針を取りまとめまして、その具体的な取組み を指示しているというところであります。これにつきましても毎月フォローアップして いきたいと思っております。  さらに先月ですが、この3月の15日には心の健康管理対策をより実効あるものとして 推進していくということで、心の不健康な状態への早期対応、あるいは円滑な職場復帰 を促すということに係ります対策例を取りまとめまして、具体的な指示を行っていると ころであります。  いずれにいたしましても、職員が心身ともに健康であるということは職場の管理者と して最も基本的なことであると認識しておりますので、今後とも職員の健康管理対策の 推進に取り組んでまいりたいと思っております。  杉山委員 ねんきんダイヤルの方が現状どうなっているのか、済みません、私が把握 していなかったんだと思うのですが、それともう一点、管理者が部下の職員のヘルスチ ェックをされていらっしゃると伺ったのですが、もしかしてその管理者は評価も、先ほ どの前段のお話にあるようなことをされているんだったら、部下の方たちというのは評 価を受ける人に、自分は今悩んでいるんですとなかなか言えないのではないかと思うの ですが、このあたりはむしろ職場に知られないようにそういった相談事ができたりとか、 第三者みたいなところでやるというようなシステムの方が職員にとってはいいのではな いかという気がするのですが、そのあたりはいかがでしょうか。  中野企画課長 ねんきんダイヤルの現在の状況というお尋ねについてですが、先ほど 若干御説明を申し上げましたが、昨年の10月31日にねんきんダイヤルという形で電話 の相談体制ネットワークを構築させていただきました。それによりまして、当初、年末 まで91.3%という応答率でしたが、年が明けまして1月、2月、かなり集中的なお電話 をいただいているということで、少し応答率が低下しております。しかしながら、3月 に入りまして改善傾向が見られます。これらについてさらに私ども、現在、入ってまい ります電話の状態を全国ネットワークで把握ができるようになりましたので、日々どの ぐらいの個数が入ってきているのか分析もできるようになってきております。まずは量 的な側面から、月の前半に応答率が低下する傾向がありますので、これをどのような形 で改善していけるのか。今後、応答の品質についていかにして改善を図っていくのか。 そういった点でさらにねんきんダイヤルの機能の向上をしていきたい。  それに加えて、先ほど来お話をしております総合コールセンターという形で全国の電 話相談拠点を集約することで一層の品質の向上と対応できる電話個数の増加を図ってい きたいという考え方であります。  三枝職員課長 メンタルの関係についてですが、当然、職場以外にも、先ほど申しま した健康相談、これは電話によりますが、24時間体制で周りの人に気づかれることなく 本人が直接そういう電話をかけて相談するということも可能ですし、面談も全国八十数 カ所設置しておりますので、そちらの方に行くことも可能ということになっているわけ ですが、一応私どもとしましては、セルフチェックシートというのは、実は職場に健康 管理者、あるいは健康管理補助者という者を設置しておりまして、より職員の身近なと ころでこの健康管理をチェックしていこうということでやっていることであります。い ろいろ項目を設けまして、部下にちょっとどうかなと思うような人の心当たりがある場 合は、その項目に従って健康管理医、あるいは健康管理補助者にチェックをしていただ きまして、必要なアドバイスをすると。一声かけるということで活用しているところで あります。  大山委員 システムの関係と、資料5について質問をしたいと思います。先ほど説明 がありましたように、今回のシステムの最適化計画については私も中身を見させていた だき、年金の納付システムを刷新するという計画は、個別分野の最適化としては十分で あると思います。  ただし、これはあくまで個別システムの最適化です。既に予定されている労働保険徴 収業務との一体化の話や、あるいは先ほどもありました厚生年金と共済年金のお話など、 今後、さまざまな変化が起こってくる可能性があると思います。この意味では、言いわ け的な言い方になりますが、先ずはレガシーシステムをオープン系に移行することで、 システム自体を柔軟にしようとしています。したがって、杉山委員から質問があったよ うに、システムの変更に費用が発生するのかと聞かれれば、やはりそれなりの費用が発 生するというのが答えになります。ただ、今までよりは安くなると期待できます。  いろいろなことをお話しするチャンスがあればとは思っていますが、今日は時間が余 りないので私の質問に入ります。資料2−1の2ページ目の5に、最適化の実施に向け た体制整備ということでITガバナンス体制の確立が記されています。この下に書いて ある(1)、(2)は、システムを入れ替えるための最適化計画までできたという観点で 見れば、これで良いのですが、本来のITガバナンスの確立から見ると、これでは不十 分であると考えます。  なぜならば、一般的に言われているPDCAサイクルの流れから見たときに、ITガ バナンスを有する体制を確立するには、ある社に、ある意味で丸投げしていたものをほ かの会社に丸投げすれば良いということではなく、社会保険庁の中にその体制ができ上 がることが不可欠だからです。  今回、プロジェクトマネジメント等で60名ぐらいの人が入ってくるという話を伺って います。これはこれでよかったと思っていますが、その方たちにガバナンスが移っても、 本来の目的は達成していません。社会保険庁さんの中に知識と経験が残らなければなり ません。このことを考えると、非常に心苦しいのですが、今日いらっしゃる幹部の事務 局の皆さん方はあと何年やっていただけるのでしょうという質問をしたくなります。い うまでもなく知識と経験は人に付くもので、組織に根付かせるには時間がかかります。 ですから、ここで担当者が変わってしまったらゼロに戻ってしまうので、ガバナンス体 制の確立という言葉が何の意味も持たなくなるのではないかと危惧します。  同じように、システム設計の調達をこれから行うことになりますが、現行の三鷹、高 井戸で用いるシステムの透明化、適正化を図り、それによって経費削減を徹底するのが 必要であると思います。さらには、周辺システムの調達もこれから行われると思います。 これらの機器を調達するときに、最終的にどのようなシステムを作り上げるのかに関す るビジョンとそこへ至る意思決定プロセスが極めて重要になります。先ほど来申し上げ ているITガバナンスが不十分だということは、そのプロセス自体が非常に脆弱になっ てしまうと危惧します。  逆に言うと、ITガバナンスが欠如すると、もとに戻してもう一回検討するほうが良 いというようなことが起きるのではないかということです。それが結果としてコスト増 につながってしまうということを、ぜひお考えいただきたいと思います。これがシステ ムに関する質問です。  2つ目は、資料5、27ページですが、この用語だけではわからなかったので教えてい ただきたいと思います。個人情報保護の徹底で、左側の今後の取組みの中に、「政府管掌 年金事業の運営に関する事務のほか、法令上具体的に明記された事務以外には云々」と 書いてあります。右側にも同じように、「基礎年金番号を年金原簿の記載事項として法定 化するとともに、基礎年金番号を適正に活用するための利用制限等」と書いてあります が、この「利用制限等」の意味は、ここの「法令上具体的に明記された事務以外には認 めない」ということを直接あらわしているのか、別の意味を持っているのかをまずお聞 きしたいと思います。  何らかの形で御回答いただいた上で次の質問は、住民票コードとどこが違うのかとい うのを具体的に教えていただきたいということです。違いがないとすれば、なぜ住民票 コードを使うことは無理と判断されたのか、そして利用制限等をかけられた意味はどこ にあったのかを、もう少し詳しく説明いただきたいと思います。  佐藤座長 ありがとうございます。ITガバナンスの件は専門家同士の話になってい ますので、むしろそこできちんとやっていただければいいと思います。  大山委員 一言だけ今のところを申し上げると、あと何年やってもらえますかという のを、これは本当に人事の話になって、ここで言う話ではないと思うのですが、後継者 を育てる前に代わってしまったら元も子もないということだけは、御理解いただきたい と思います。  中野企画課長 お答えをさせていただきます。大変貴重な御指摘、ありがとうござい ます。私どもも今回、18年度からこのような大規模なシステムの開発に着手をするわけ でありますし、またそれについてきちんとした管理ができるように、社会保険庁、ねん きん事業機構としてこれを管理していける体制をつくっていく。それを長期的に維持し ていくことができるような体制をつくるということが大きな課題だと認識しております。 その意味で、御指摘いただいたとおり、人の育成、社会保険業務に携わる職員の中に、 このシステムの管理、開発をきちんと見ていくことのできる人材をつくっていくという ことが重要だという御指摘かと思います。そういったことをいかにしてこの仕事の中に、 あるいは組織の中に組み込んでいけるか、今後また十分検討させていただきたいと思い ます。  基礎年金番号の関係についてのお尋ねですが、基礎年金番号につきまして、今回、住 基コードと突合することによりまして、住所変更、あるいは氏名変更というものが不要 になるようにしていこうということで、そういった形で住基コードと基礎年番の突合作 業をしようということを考えたわけであります。それに伴いまして、人口の非常に大き な部分についてのデータを私どもが持つことになってまいりますので、基礎年金番号に つきましてもきちんと住民基本台帳コードと同様の管理をしていくことが必要だろうと いうことで先ほどのような規制を設けることとしたということであります。  27ページの右側の「利用制限等」ということの意味合いですが、こちらの方は、例え ば民間でレンタルビデオでレンタルをする際に基礎年金番号の申告を求めたり、あるい はそういったデータをコンピュータシステム中に構築をしていったり、民間におけるそ ういった利用については住民基本台帳コードと同様に制限をかけさせていただくと。27 ページの左側にありますような行政目的で使う際については、その目的に沿った基礎年 金番号の使い方をしていくと。こういう形で今回の基礎年金番号の取り扱いを整理した ということであります。  大山委員 後の質問に対する答えはわかりました。前の質問に関しては、担当課長は 言いづらいと思うのであえて申し上げますが、同じ部署にキャリアの皆さん方が、例え ば6年間いらっしゃることは、今の人事制度では有り得ないと思います。ということは、 今のスタッフをふやして、次に繋ぐこと、すなわち少なくとも1年間の重なりをつくっ て、引き継いでいくべきであると思います。今の担当課長が抜けて、次の方が入ったら 振り出しに戻ってしまう危険性が高いということだけははっきりしています。ここはぜ ひ、形はどうあれ、内部で工夫していただきたいと思います。ITガバナンスを育てる には、スタッフ業務をしっかりすることが不可欠で、外部から人がたくさん入れば確立 すると言うものではありません。この点をぜひ御理解いただきたいと思います。  佐藤座長 ということで、強い御要請がありましたが、その部分は私ども素人でも何 となくわかりますから、ひとつよろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。  陶山委員 大山先生から人事の問題の御意見がありましたので、それに関連してとい うわけではありませんが、一言私の感じを申し上げたいと思いますのは、資料3の7ペ ージに、地方組織のガバナンスの向上という項目の中の新たな人事政策の確立として、 人事交流の活発化という(2)の項目があります。これはここに書かれているように、既に 本庁と地方間、あるいは各地域間の人事の交流の拡大が図られているということが数字 の上では出ておりますので、大変結構なことであると思いますが、ここで一つ、私自身 が片田舎の出身なものですからよくわかるのですが、かつ、現役の時代に全国組織の人 事を担当した経験があるものですから、そういう経験で申し上げますと、田舎に参りま すと、今後、少子化がますます一般的になって、子供さんが2人いる御家庭というのが そう多くない。1人というケースも多い。しかも娘さん1人というようなことになりま すと、就職をするときにできるだけ親の近くで勤めを探してもらいたい。子供さんもそ う思うし、両親もそう思うというケースがかなり多いわけであります。両親の老後を近 場にいてあげたいという人情もあるし、いろいろな事情から、ぜひ可能性があれば近場 で仕事を見つけてほしい。  そういうときに、例えば能力のある、採用したいなという人が、県内だけならいいけ れども、ほかの県に転勤を伴うようなことはできませんとかいうことが実は結構あるわ けです。田舎に参りますと、これは御案内のところですが、学校の先生とか、市役所の 職員とか、農協とか、そういうところが、もちろん民間企業、事業所が少ないというこ ともありますが、人気職種でありますから、そういうところは非常に倍率も多くなりま す。民間企業では、これは小林委員とか木村委員がプロでいらっしゃるのでしょうが、 全国ベースの転勤を伴わないことを前提として採用された人たちがいらっしゃるわけで すね。転勤があっても、そう広域でないところに限定して、あってもその範囲で動くと。 一切転勤はないというようなケースもあるやに聞いております。  社会保険庁のような全国の組織でなかなか難しいと思いますのは、いろいろなポジシ ョンを経験して、そしてその中から適材適所に有能な人をつけていくという人事政策本 来のやり方を徹底しようとすると、できるだけ異動のローテーションを多くした方がい い。しかし、今申し上げたような事情もあるということになりますと、ちょっと聞き逃 しておいていただいていいのですが、少なくとも当面は、地方事務官という特異な人事 制度が50年以上続いてきたというその残滓を引きずらない、早く断ち切るという意味に おいても、できるだけ人事交流を活発化するということが望ましいと思いますが、将来 のある意味の課題として、少子化の状況というような、あるいは地域によってそうした 状況はもちろん同じでありませんが、いわば働く環境と言いますか、環境条件と言いま すか、そういうことの特殊性というものを勘案しながら有能な人を簡抜していくという ような意味において、転勤・異動というベースを何種類かに分けたような民間会社のよ うな形態も検討してみる価値はあるのかもしれない。  しかしそれはモラルにも影響があるような難しい問題ですから、一概にそれがいいと は言えませんが、いろいろ総合的に民間のそうしたいろいろな実績とか状況なんかも勘 案しながら新しい年金事業の地方組織についても場合によって考えてみる価値はあるの かもしれないというような感じをいたしております。  佐藤座長 今の御意見は承っておくということでよろしいですか。ほかにいかがです か。  袖井委員 学生の納付についてちょっとお聞きしたいのですが、確かに大学に協力を 求めるのは非常にいいことだと思うんですね。というのは、田舎のというか、出身地の 社会保険事務所に行くということは大変面倒くさいので、多分、学生は行かないと思う のです。、ただ、学生は今、ほとんど住民票を移していないんですよね。ですから、どう いうふうにするかということはいろいろ問題ですが、ただ「入りましょう」というよう なパンフレットを配ったり説明するだけではよくないと思うので、できましたら、今の 学生は皆、パソコンができますから、ネットで自分の出身地のところへ行けるというよ うな、そういうことをちゃんとうまく説明してあげてほしいなと思います。  これからどういう形で広報なさるのかわかりませんが、私は今まで、お茶の水女子大 学で毎年、厚労省の年金課の課長さんなんかに来て授業をやってもらっていたのですが、 配られるパフレットがとても親切じゃないんですよね。「は?」という感じなので、もっ と具体的に、どうやって申し込むか、そういうことをちゃんと丁寧に説明して、ネット でちゃんと情報が得られるようにぜひしていただきたいと、これは希望です。  佐藤座長 ほかにいかがですか。  木村委員 資料4−1の業務改革の中ですが、年金個人情報の提供の充実という3ペ ージのところですが、パスワードの認証方式による即時提供で、申し込み件数が6日間 ぐらいで2万5,000件というのがあるのですが、インターネットによる年金見込額試算 の17年度の8万件と比べるとパスワードによる認証の方式をとることによってこれだ け短い期間で件数がこれだけ増えたわけです。  その次の加入記録のお知らせというもの、これは177万人に行って、確認、チェック をして返信しているのですが、そのときに年金の見込額を知りたいということでお知ら せを出したのは113万件であるということで、普通は知りたいということになるはずだ と思うのです。そのあたりの意識というかどのようにアクセスして、どういったものが とれるのかということについて、年金というものの意味合いを個人がどのように考えて いるかということにかかわってくると思うのです。ホームページでの年金見込額試算の 受付件数という対象年齢の引き下げとか、これも4,000件ぐらいあったり、中間点での 実施などさまざまな対策が行われていて、これはこれで非常に評価できる、そういう対 応の一つだと思うのです。前もちょっと申し上げたのですが、いろいろ充実してもきり がない点もあります。システム的にも、大山先生のあらゆるケースを想定したものをつ くっていくというのは無理だし、それを統一的にやっと全部つくり終えたら、もう最初 の方が陳腐化していたというようなことにもなりかねないので、いろいろなサービスは それなりの評価をして、まとめたり、やめたり、そういうことを大胆に考えていった方 が結局はみんなのためになると考えます。そのあたりを十分チェック&レビューをして いかれた方がいいと思います。  佐藤座長 実は時間をオーバーしておりますが、特にここで発言をしておきたいとい うお方はおいでになりますか。よろしいですか。いろいろ多分おありだと思いますが、 一応今日はこれで終わらせていただきたいと思っておりますが、よろしいでしょうか。 システム開発、あるいは地方組織の改革につきましては、さらに検討を重ねていただい て対応をしていただくと。こういうことになっておりますので、また個別的に御意見等 があれば、おっしゃっていただければと思います。業務改革につきましては、資料5を ここで一応お認めいただいたということにさせていただいて、これで進めていただきた いと思います。そういうことでよろしゅうございますか。  最後になりますが、長官、一言よろしくお願いいたします。  村瀬社会保険庁長官 本日は御熱心な議論を賜りまして、まことにありがとうござい ます。大臣は所用でさっき失礼させていただきましたので、私の方からお礼と、簡単に 御報告を申し上げたいと思います。まず一点は人事評価制度ですが、先ほどいろいろ御 議論いただきましたが、私自身の認識は、現場の第一線はまじめに取り組んでくれたと いう認識をしております。現行の公務員制度の中での改革になりますので、どうしても 制約要件はありますが、職員の意識を変える、組織内でのコミュニケーションを上げる、 組織を一体化していくということからすれば、不可欠な制度だと思っておりまして、長 期的な視点に立ってしっかり対応していきたいと考えております。  システムの改革の問題でありますが、実は、大山先生に個々に局面ごとに適切なアド バイスをいただいておりまして、まずここまで来たということで、お礼を申し上げたい と思います。計画自体は5年間の長期スパンにわたる開発でございまして、そういう点 では気を緩めることはできません。しっかりこれをなし遂げるということが社会保険庁 改革につながっていくと思っておりまして、今後とも適切なアドバイスをまた大山先生 にはお願い申し上げたいと思います。  業務改革プログラムということで、今回130項目に拡げさせていただきましたが、ま さにこの業務改革、それから先ほど申し上げました職員の意識改革、そして20年10月 の組織改革、これをしっかりやり遂げることが国民の皆さんから信頼を得る組織に変わ っていくことになるだろうと思っております。業務改革につきましては、引き続きしっ かりフォローしながら運営をし、さらに進化をさせる面も出てこようかと思いますので、 今後とも、有識者会議の皆さん方から適切なアドバイスをお願い申し上げたいというこ とをお話し申し上げまして、今日の会議のお礼と今後の取り組み姿勢についての御報告 とさせていただきます。ひとつよろしくお願い申し上げます。  佐藤座長 どうもありがとうございます。本日の会議はこれで閉会させていただきま す。次回につきましては最終回ということになっておりますが、7月を予定しておりま す。具体的な日時につきましては改めて御連絡申し上げますので、よろしくお願いしま す。今日は長時間ありがとうございました。閉会いたします。 (了) 【照会先】  政策統括官付社会保障担当参事官室   津曲、川島   03−5253−1111   (内7702、7708)