06/02/09 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 平成18年2月9日議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事録         厚生労働省食品安全部企画情報課 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事次第    日 時:平成18年2月9日(木)14:00〜16:07                  場 所:経済産業省別館9F944号会議室 1 開 会 2 あいさつ 3 審 議   議 事:1 議題       (1)食品添加物の指定の可否について       (2)農薬の残留基準の設定について       (3)動物用医薬品の残留基準設定について       2 報告事項       (1)FAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス委員会)第38回食品添加         物・汚染物質部会での対応について       (2)ポジティブリスト制度に関する報告事項について       (3)BSEに関する報告事項について       (4)平成16年度食品からのダイオキシン類一日摂取調査等の調査結果につ         いて 4 閉 会 ○平子補佐 それでは、定刻となりましたので、ただ今から薬事・食品衛生審議会食品衛 生分科会を開催させていただきます。  本日は、御多忙のところ御参集いただきまして、厚く御礼申し上げます。  本日の出席状況について御報告させていただきます。熊谷委員、児玉委員、田中委員、 土屋委員、丸井委員から御欠席との連絡を事前に受けております。長尾美奈子委員は遅れ るとのことでしたが、先ほど本日は欠席との連絡を受けております。また、倉田委員、正 田委員が少し遅れるとの連絡を受けております。分科会員総数20名のうち14名の御出席 をいただく予定になっており、現在開始時におきまして12名の御出席をいただいており ます。出席委員が過半数に達しておりますので、本日の分科会は成立いたしますことを御 報告申し上げます。  それでは、開催に当たりまして、松本食品安全部長から御挨拶を申し上げます。 ○松本食品安全部長 食品安全部長の松本でございます。  先生方には本当にお忙しいところを御参集いただきまして、誠にありがとうございます。 委員の先生方におかれましては、それぞれの立場から食品安全行政の推進に御支援いただ いておりますことを、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。  現在、食品安全行政につきましては、BSE問題を初めとする輸入食品の安全性の確保、 ポジティブリスト制度の施行に向けての作業あるいは食品添加物の衛生対策、健康食品の 表示・安全性の確保といったさまざまな問題が山積みしております。これらに対しまして、 しっかりとした対策を立て実施していくことが、厚生労働省の重要な役割だと考えており ます。  米国産牛肉輸入問題に関しましては、食品安全委員会の答申を踏まえまして、昨年12 月12日より全頭からのSRMの除去、20か月齢以下の牛由来の牛肉あるいは内臓のみの 輸出を認めるなど、一定の条件で管理された米国産牛肉等の輸入再開を決定したところで あります。しかしながら、新聞等で御存知かと思いますけれども、1月20日に成田空港 の農林水産省動物検疫所におきまして、せき柱を含む米国産の子牛牛肉が発見されまして、 同日2つの条件を満たしていないということで、すべての米国産牛肉の輸入手続を停止し ているところであります。詳細につきましては、本日別途御報告いたしますけれども、引 き続き適切な対応をとってまいりたいと考えております。  また、我が国が議長国を務めまして昨年9月に千葉県幕張で開催されました、コーデッ クスバイオテクノロジー応用食品特別部会におきましては、遺伝子組換え動物由来食品の 安全性評価に関するガイドライン等の策定作業を行うことが合意されました。それを受け まして、原案作成のための作業部会の一つにつきましては、日本とオーストラリア共同で 開催することになりました。引き続きその準備に鋭意取り組んでまいりたいと思っており ます。  このように、国民の健康の保護を図るために厚生労働省といたしましては、食品安全行 政の一層の推進に鋭意取り組んでまいりたいと存じますので、一層の御理解・御協力のほ どをよろしくお願い申し上げます。  さて、本日の分科会での議題でございますけれども、3つございます。1つは、食品添 加物の指定の可否ということ。2つ目が、農薬の残留基準の設定についてということで、 これはポジティブリスト制度の施行に絡むものでございます。また、同じく動物用医薬品 の残留基準の設定についてということでございます。この3題について御審議をお願いし たいと考えております。  また、報告といたしまして、FAO/WHO合同食品規格計画第38回食品添加物・汚染 物質部会での対応、また、ポジティブリスト制度に関する報告事項について。更に、先ほ ど申し上げましたがBSEに関する報告事項でございます。4番目として、平成16年度 食品からのダイオキシン類一日摂取調査等の調査結果がまとまりしたので、それについて 御報告をさせていただきたいと思います。  食品安全行政の更なる推進を図りたいと考えておりますので、委員の先生方におかれま しては忌憚のない御意見をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○平子補佐 それでは、大変恐縮ではございますが、食品安全部長は国会用務のため退席 させていただきたいと思いますので、御了承いただければと思います。よろしくお願いい たします。  それでは、本日の議事次第につきましては、先ほど部長の方から御説明させていただき ましたが、議題の1番目としまして食品添加物の指定の可否について、2番目は、農薬の 残留の基準の設定について、3番目は、動物用医薬品の残留基準の設定についての3題を 予定しております。具体的には、ブタノールの食品添加物としての指定の可否について、 ジノテフランの残留基準の設定について、マラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリ ーンの残留基準の設定についてを考えております。  また、報告事項といたしましてはFAO/WHO合同食品規格計画コーデックス委員会第 38回食品添加物・汚染物質部会での対応について、2番目として、ポジティブリスト制度 に関する報告事項について、3番目として、BSEに関する報告事項について、4番目と して、平成16年度食品からのダイオキシン類一日摂取調査等の調査結果についての4点 を御報告させていただきたいと考えております。  それでは、次に配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第を1枚めくっ ていただきますと座席図、そして、本日の分科会資料一覧がございます。  資料につきましては、資料1−1〜3が一まとめのホッチキスどめにしております。  それぞれ資料2も、資料2−1、2−2、2−3。  資料3につきましても、資料3−1、3−2、3−3を一まとめにしております。  落丁等ございましたら事務局までお申し付けいただけますようお願い申し上げます。  それでは、以後の進行につきましては、吉倉分科会長にお願いいたしたいと思いますの で、よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 それでは、最初の議題からいきたいと思いますが、最初はブタノールの 説明をお願いいたします。 ○伏見課長 資料1−1に基づきまして、ブタノールの食品添加物としての指定の可否に ついて御説明させていただきます。恐れ入ります、座って説明させていただきます。  まず、資料1−1を御覧いただきたいんですが、一番上についておりますのが諮問書で ございまして、厚生労働大臣から薬食審の会長あてに本品の食品添加物の指定の可否につ いて諮問させていただいております。  1枚めくっていただきますと資料1−2になってございますが、これが食品安全委員会 に本品の食品健康影響評価を依頼しておりまして、それに対する委員会の回答でございま す。9月22日付けのものでございます。また改めて御説明いたしますが、結論といたし ましては「ブタノールは、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと考え られる」という御結論をいただいております。  その後に3ページ目以降、食品安全委員会の評価書が添付されておりまして、更に12 ページ以降が資料1−3といたしまして、薬食審の長尾部会長の食品添加物部会でまとめ ていただいた報告書になっております。  まず、本品の説明といたしまして、3ページ目以降の安全委員会の評価書に沿って、ま ず説明をさせていただきたいと思います。5ページを御覧いただきますと、安全委員会に おける審議の経過でございますけれども、平成17年3月7日に厚生労働大臣から安全委 員会に評価依頼をいたしまして、その間、何回か安全委員会で御検討いただきまして、9 月22日に結論をいただいております。  6ページ以降が審議結果でございまして、ここに本品の概要もございますので、こちら で簡単に御説明をさせていただきます。ブタノールでございますけれども、フルーツ様の 香気を有し、果実等の食品に天然に含まれる成分であって、欧米では焼き菓子、アイスク リーム、ゼリー・プリン、清涼飲料等さまざまな加工食品において香りを再現するために 添加されているものということでございます。  背景等でございますけれども、これは平成14年にこちらの食品衛生分科会で御了承い ただいた件でございますが、日本国内で認められていない食品添加物でございましても、 JECFAで国際的に評価が終了し、安全性が確認されており、かつ、米国及びEUで広く 使用が認められていて国際的に必要性が高いと考えられる添加物については、国が主体的 に資料の収集等を行って指定に向けた作業を行うという方針が固まっています。それに基 づきまして、本品につきましても作業を進めてまいったわけでございます。  名称はそちらにございますような形で、構造式も直鎖のアルコールでございます。  以降、6ページ目の下から安全性に関する評価がございますけれども、まず、遺伝毒性 でございますが、簡単に申し上げますとAmes試験、それから、染色体異常試験、小核試 験、いずれにおきましても陰性という結果が出ておりまして、7ページ目の上から2行目 でございますけれども、本品ブタノールには遺伝毒性はないものと考えるというのが結論 でございます。  それから、反復投与毒性試験でございますけれども、ここは2種類の試験がございまし て、上の段落では28日間のラットでの反復投与試験が行われておりまして、これはJECFA で評価されたものでございますけれども、この試験では無影響量として940mg/kg体重/ 日という無作用量が導き出されております。  もう一つの試験が第2段落でございますけれども、SDラットを用いまして13週間、 およそ90日の反復投与試験を行っております。投与量を上げるにしたがいまして運動失 調、運動機能の低下あるいは赤血球数等への影響が見られております。そういった影響が ありますけれども、影響が出ない無毒性量としては125mg/kg体重/日という値を御評価い ただいておるところでございます。  発がん性に関しましてはIARC、ECB、EPA、NTPでは評価がなされておりません。  発生毒性に関しましては、ラットで試験を行っておりまして、最大投与量群で母体ある いは胎児への影響が出ておりますが、無毒性量といたしましては1,454mg/kg体重/日と結 論されております。  「なお」以下のところでございますけれども、別の発生毒性に関する報告では、胎児に 脳室拡張、水頭症、腎盂拡張等が見られておりますが、2004年の上記試験ではこれらの異 常は認められなかったということでございます。この部分は安全委員会でも少し議論がな されておりまして、異常が見られたとする試験は実験に用いられた動物種が、要するに、 こういった動物実験で汎用される確立した系統のものではなくて、自家繁殖されたもので あるということで、そういった動物の背景データが十分でない点があるということもござ います。2004年にGLPに準拠いたしまして追試を行いまして、これらの異常は認められ なかったことから、安全委員会としては、この2004年の追試の結果を採用しているとい うことでございます。  それから、7ページ目、摂取量の推定でございますけれども、本物質の全量を仮に全人 口の10%の方が消費すると仮定する計算を行いますと、一人一日当たりの摂取量が我が国 ではおよそ800〜1,640μgの範囲にあると推定されるということになります。  先ほどの幾つかの毒性試験の中で無毒性量の一番小さな値125mg/kg体重/日と、今申し 上げました想定される推定摂取量を比較いたしますと、安全マージンとしておよそ3,800 〜7,800の値が得られるということになっております。  そういうような毒性の評価あるいは推定量の評価を行いまして、10番の評価結果でござ いますけれども、安全委員会として最終的に「ブタノールを食品の着香の目的で使用する 場合、安全性に懸念がないと考えられると評価した」という結論をいただいております。  この評価結果を踏まえまして、12ページ目以降でございますけれども、薬食審の添加物 部会でこの報告書をまとめていただいております。13ページ以降がその内容でございます が、先ほどの安全委員会の報告書と内容的に重複する部分がございますので省略させてい ただきまして、結論の部分を申し上げますと14ページになります。新規指定についてと いうことでございますけれども「本物質を食品衛生法第10条の規定に基づく添加物とし て指定することは差し支えない。ただし、同法第11条第1項の規定に基づき、次のとお り使用基準と成分規格を定めることが適当である」ということでございまして、使用基準 案といたしましては『香料として使用される場合に限定して食品健康影響評価が行われた ことから、使用基準は「着香の目的以外に使用してはならない。」とすることが適当である』。  それから、成分規格案でございますけれども「成分規格を別紙1のとおり設定すること が適当である。なお、併せて成分規格中で用いられる試薬(ジブチルエーテル)の規格を 別紙2のとおり設定することが適当である。(成分規格等の設定根拠は別紙3、JECFA規 格等との対比表は別紙4のとおり)」とございます。後ろに成分規格がございまして、成分 規格自体は15ページでございまして、16ページが成分規格で用いる参照IRスペクトル でございます。  これらの規格はJECFAあるいはFCCといった米国の規格との整合化も考慮した上で 定めておりまして、20ページにJECFAあるいは海外の規格との比較対照表を掲載させて いただいております。  事務局からの説明は以上でございます。御審議よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 いかがですか。本日お休みということですが、長尾先生がおられると追 加があったかもしれません。  これは、たくさん食べさせるか飲ませるかどっちか知りませんけれども、やると段々運 動失調になるというのは酔っ払うからですか。普通のものを投与したときと、こういうア ルコールなどと意味合いが違うように思うんですが。 ○伏見課長 確かにそうなんですが、運動失調というのは体重当たり500mgですので、 香料としてはかなり想定できないような量であるのかなと考えております。 ○吉倉分科会長 いや結構です。  何かコメントはありますか。割と単純なことなので、これでよろしいでしょうか。14ペ ージを見て頂いて、一つはこのブタノールを新規指定にするかしないか。それから、する とした場合に、使用基準案で「香料の目的以外に使用してはならない」というのを付けて、 あと、成分規格案がその後ろにありますが、これを付けて、この新規指定を次の使用基準 案並びに成分規格案のとおり、こういう条件のもとに指定していいかということですが、 よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 そうしますと、ここで指定していいということで合意されたとすれば、 今後のWTOその他はいかがでしょう。 ○伏見課長 御説明申し上げます。本品の指定の件に関しましては、WTO通報で現在手 続をしております。したがいまして、WTO通報に掛けた後、仮に意見が寄せられた場合、 寄せられた意見とその回答等を分科会の各先生方に送付いたしまして、各先生方からの御 意見を踏まえて、分科会長に再度分科会で御審議を願う必要があるかどうか御判断してい ただきたいと考えております。仮に、特に再度分科会で御審議いただく必要がないと御判 断いただきました場合には、分科会報告と答申をいただき、その後、告示改正の手続を進 めていきたいと考えております。  また、WTO通報に基づきましていただいた意見等あるいはそれへの回答に関しまして は、答申とともに公表する予定としております。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。今後は、そういう手続でやろうということです。  では、次をお願いします。ジノテフラン。 ○伏見課長 それでは次は、資料2のシリーズでございますけれども、農薬でございます ジノテフランにつきまして、食品衛生法第11条第1項の規定に基づき、農産物に係る次 のジノテフランの残留基準の設定について御審議を願えればと思います。資料2−1が、 8月31日付けで厚生労働大臣から薬食審の会長あてに本件について諮問をさせていただ いている文書でございます。  資料2−2でございますけれども、基準を設定するに当たりまして、食品安全委員会に このものにつきまして食品健康影響評価を依頼しておりました、その結果でございます。 6月16日付けで安全委員会委員長から厚生労働大臣に回答をいただいておりまして、結 論といたしましては、ジノテフランの一日許容摂取量を0.22mg/kg体重/日と設定すると いうことでございます。  これも先ほどの添加物と同じような資料の構成になっておりまして、安全委員会の評価 書がその後ずっと続いておりまして、61ページ以降が井上先生に座長をしていただいてお ります農薬・動物用医薬品部会でまとめていただいた報告書になっております。  まず、資料に添付されている順番に従いまして、安全委員会の評価結果から概略を説明 させていただきたいと思います。  9ページに検討の経緯、審議経過が出されておりまして、本品は平成14年4月24日、 コメ等につきまして初回の農薬登録がなされております。農薬としては、この時点から使 用されていたわけでございますけれども、食品衛生法上の食品への残留基準は策定されて おりません。  その後、平成16年2月25日でございますが、農薬の登録申請、要するに適用作物の拡 大の申請がなされております。  それを受けまして、同じ年の4月28日に私どもの厚生労働大臣から残留基準設定に際 して、食品健康影響評価について安全委員会に依頼をしております。その後、安全委員会 で何回か御検討いただきまして、昨年6月15日に安全委員会の専門調査会の座長から安 全委員会委員長に報告があって、翌日6月16日付けで厚生労働省に戻されております。  本品の内容でございますが、11ページ以降を簡単に御説明申し上げます。7に開発の経 緯等がございますが、本品ジノテフランは、テトラヒドロフリルメチル基を有するネオニ コチノイド系という構造を有する殺虫剤でございます。適用害虫はウンカ、ヨコバイ、カ メムシ等となっております。  このジノテフランを評価するに当たりまして各種試験が行われておりますが、それが資 料に記載されておりますが、少し飛んでいただきまして43ページに総合評価という部分 がございます。この部分で簡単に御説明させていただきたいと思います。  まず、第1段落でございますけれども、ラットを用いた動物体内運命試験というのがご ざいまして、ここでは結論としては主な排泄経路は尿中に排泄されるということでござい ます。  それから、次のパラグラフで植物体内運命試験の結果が出ております。水稲、ナス、キ ャベツ、インゲン、イチゴ、カブ等を用いた植物体内運命試験を行いまして、葉面処理で はジノテフランは可食部への移行はわずかであり、土壌を処理した場合でも果実部及び根 部での分布はわずかであったということが認められております。  その次のパラグラフでございますけれども、土壌中運命試験の結果といたしましては、 ジノテフラン及び代謝物は、土壌中で速やかに分解されることが示されており、土壌中半 減期はジノテフランでは最大でも10〜11週、代謝物では16週程度であるということが言 われております。  その後、水中分解試験の結果がございまして、ジノテフランの半減期が水中ではpH9 で40℃で170日ということでございます。  それから、一番下のパラグラフで水中光分解試験でございますが、ジノテフラン、代謝 物とも速やかに分解されるということが示されております。  次のページへ行っていただきまして、上から3行目のパラグラフでございますけれども、 ここで言っておりますのはジノテフラン及び代謝物に関する作物残留試験で、一部の代謝 物で残留が多いものもあるけれども、多くの作物で代謝物は不検出または0.12ppmであり、 主な残留体はジノテフランそのものであったとされております。  44ページの上から3分の1辺りのところでございますけれども、各種試験結果から、農 産物中の暴露評価の対象物質をジノテフランの親化合物と設定するとされております。  その後、毒性試験の評価がなされておりまして、幾つか急性毒性試験の結果がLD50値 が書かれております。それから、亜急性毒性試験、慢性毒性試験の結果が書かれておりま す。後ろにまとめてテーブルがございますので、そちらを御覧いただきたいと思います。  それから、44ページの下から3分の1辺りのところで、遺伝毒性試験の結果が書かれて おりますけれども、これも結論から申し上げますと、本体及び代謝物については、復帰突 然変異試験、Ames試験が実施されておりますけれども、結果は陰性で遺伝毒性を発現し ないと考えられております。  そのほか、ジノテフランそのものではなくて混在いたしますジクロロメタンあるいは45 ページにFPZという混在物につきまして遺伝毒性を示す所見が得られておりますけれど も、ジクロロメタンの場合は原体中で0.2%以下と微量であるため、特に問題があるとは 考えられなかった。それから、FPZにつきましては、in vivoの染色体異常試験で陽性 反応が認められているけれども、小核試験では陰性であったということから、生体で問題 となるような毒性とは考えにくいというのが結論でございます。  46ページを御覧いただきたいんですが、ここに各種毒性試験の無毒性量が一まとめにさ れております。この中で一番下でございますが、イヌの90日の亜急性毒性試験のメスで 58mg/kg体重/日未満ということで無毒性量が設定されておりませんけれども、これに関し ましては、より長期のイヌの52週間の慢性毒性試験でメスの無毒性量が22mg求められ ておりまして、この値を食品安全委員会としてADIの設定根拠しております。この22 というのが、ほかのマウス、ラット、ウサギ等の各種試験の無毒性量と比べましても一番 小さい値ということで、この22をADIを設定する際の根拠といたしております。  その下にございますように、この22に対しまして安全係数100を掛けまして0.22mg/kg 体重/日というのが許容一日摂取量ADIということになっております。これが安全委員会 での評価の概要でございます。  少し飛んでいただきまして、資料2−3、61ページ以降を御覧いただきたいと存じます。 これは薬食審の井上先生の部会でまとめていただいたものでございますが、その62ペー ジ以降でございますけれども、ここに報告書の概要がございます。まず、項目5といたし まして、適用病害虫の範囲及び使用方法ということでございまして、ジノテフランは水和 剤での散布、粒剤では土壌混和等で使用される。コメ、キュウリ、ナス、トマト、メロン、 大豆等広範囲の作物に使用が認められる、あるいは申請中ということでございます。  これらの作物につきまして作物残留試験が行われておりまして、その結果が79〜83ペ ージに出ております。それぞれ79ページ以降の一番右のカラムに最大残留量が出ており まして、この中で幾つか簡単に説明させていただこうと思いますが、例えば80ページを 御覧いただきますと、下から3分の1ぐらいのところにブロッコリーというのがございま すけれども、これですと農薬を使用して3日経った時点で最大の残留が認められておりま す。2つ検体がありますけれども、高い方の値が0.64ということでございます。基準値案 を検討するに当たりましては、ここに記載の最大残留量を参考に設定しております。  部会の報告書といたしましては、作物残留データの評価が69〜76ページまであるわけ でございますけれども、今申し上げました総括表のような内容になっております。  それから、76ページ以降、乳汁移行試験がございますけれども、乳汁移行は認められな かったということでございます。  それから、77ページにいきましてADIの評価でございますが、これは安全委員会の先 ほど御説明いたしました数字でございまして、0.22ということでございます。  最後に、基準値案の説明に移らせていただきます。77ページの10番でございます。基 準値案でございますけれども、残留の規制対象ということでは先ほど申し上げましたよう にジノテフラン、親化合物のみということです。それから、基準値の案は84ページにや や細かいですけれども、別紙2として掲げております。この表に記載されておりますのは、 先ほど申し上げました作物残留試験を用いるあるいは畜産物につきましては、海外の基準 を参考にし、基準値案を設定してございます。  こういった形で決めさせていただいておりまして、次に、前後して申し訳ございません が、戻っていただきまして、こういった形で基準値案を設定しておりますけれども、その 暴露評価でございます。78ページの(3)でございますが、先ほど申し上げました基準値案 につきまして、各食品について基準値案の上限まであるいは作物残留試験成績のデータか ら推定される基準値案の上限まで、または作物残留試験成績等のデータから推測される量 のジノテフランが残留していると仮定した場合、それぞれの食品について国民栄養調査結 果に基づき試算される一日当たり摂取される農薬の量のADIに対する比でございますけ れども、それは以下のとおりということでございます。結論から申し上げますと、国民平 均で見ますと9.3%、幼小児で見ますと17.4%、妊婦で見ますと7.5%、高齢者で見ますと 9.9%ということでございまして、いずれのケースもADIの範囲内に収まっているという ことが認められますので、先ほどの基準値案を食品衛生法による基準値と設定しても、安 全性の上では大きな問題はないのではないかと考えております。  最後、結論でございますけれども、87ページが各作物ごとの基準値案でございます。答 申案という形で付けさせていただいております。  以上、説明が前後いたしまして申し訳ございませんでした。よろしく御審議をお願いい たします。 ○吉倉分科会長 そうすると、この議題はジノテフランについて87ページの残留基準値 の答申案のところで合意するかどうかということですね。この数値というのは、先ほどの 暴露から人がどのくらい摂取するかとかそういうような計算の上でこれを出したというこ とだと思います。  そうすると、87ページの数値と84ページの数値で変わっているものもあるんですかね。 大体同じですか。 ○伏見課長 84ページ、85ページの食品名の左から2つ目のカラム、基準値案です。 ○吉倉分科会長 それから、暫定基準のものが少し数字が変わっているものがあるんです か。 ○伏見課長 若干ございます。 ○吉倉分科会長 暫定基準だと今まで0.2だったものが、この辺はどうですか。暫定基準 から残留基準に数値が変わっているものはどの辺か、例えば挙げてもらうといいと思いま すが。 ○事務局 84ページの表でございますが、一番右端に「暫定基準値(最終案)」とござい ますが、これが11月29日に告示させていただきましたポジティブリスト制度の暫定基準 という形で置いてある数字でございます。これにつきまして今回、リスク評価に基づいた 数字が右端の基準値案というところでございますが、ここで左と右を対比させていただき ますと、例えば、上からいきますとサトイモとかカンショ、暫定基準では0.2とございま すけれども、今回の基準値案では作物残留試験成績等から削除されているということでご ざいます。右端と左から2番目のカラムを対比させていただきますと、消えている部分は 削除したところでございますし、数値の若干の変動がございます。 ○吉倉分科会長 例えば、メキャベツは5から1.4になったということですね。大きくな ったものもあるんですか。 ○事務局 ダイコンが0.2から0.5ということでございます。 ○吉倉分科会長 そうですね、ラディッシュを含むという。こういう具合に少しずつ変わ っていると。 ○渡邊委員 残留量がいろいろ出ていますが、例えば、メロンのようなものは可食部だけ の残留を測るのか、皮ごと全部測るのかというのを教えてください。メロンでもモモでも 何でもいいんですけれども。 ○事務局 検体についてはものによって変わってきまして、皮ごとのものもあれば中だけ 測るというものもございまして、今メロンを確認しております。 ○渡邊委員 食べるところを測っているわけですか。 ○事務局 いえ、ものによって皮ごと測るというものもございます。 ○吉倉分科会長 メロンの場合はどうなんですか。 ○事務局 今、確認させていただいております。 ○渡邊委員 私は、全体を通じて差し支えないと思うんですが、41ページの一般薬理試験 のところで、真ん中辺りでけいれん誘発作用というのが書いてありまして、概要を見ます と「2,000mg/kg体重投与群で死亡例の増加傾向が認められたが、有意ではなかった」と ありますね。これは恐らく1群10匹でありまして、この投与量ありなしで何匹死んだか 生きているかというχ二乗検定をやったと思うのですけれども、例えば、10匹で3匹ぐら い死んでもパワー不足のために有意差が出ないということがあると思うんですよ。ですか ら、検出力が足りないから有意差がない場合と、検出力は十分あるけれども有意差が出な い場合と両方ありますので、このように書いてありますと余り大した害じゃないように受 け取られてしまうので、そこは厳密に区別して10匹中2匹死んだとか、3匹死んだとい う記載の方がよろしいのではないかと思います。 ○吉倉分科会長 井上先生、今の点いかがですか。 ○井上委員 御指摘は、41ページのマウスの死亡の件でございますか。確かに御指摘のよ うに、死亡の例は2,600での死亡がありますが、2,000のところではございませんで、先 生も御承知のとおり、2,000mg/kgというのは非常に高濃度でございますので、このライ ンで問題がなければ毒性試験としてはよろしいのではないかと判断しているところでござ います。2,600の表現は先生の御指摘を伺いながら工夫するように、この答申そのものは 食品安全委員会の管轄でございますので私どもでどうこうすることはできませんけれども、 目を付けていくようにいたします。  それから、御質問がありましたので付け加えますけれども、この剤は大変毒性の低いも のでございまして、にもかかわらず、表とか資料を御覧いただきますと、神経毒性を示唆 する所見であるとか、それから、毒性の最低容量が低い値になっているところがございま して、危惧をなさる先生方がおられるかもしれませんが、その一つの原因は、動物のこの 剤に対する忌避性がありまして、摂取を非常に嫌がる、中身はネズミに聞いてみないとわ からないんですけれども、苦いんだか何だかわからないんですが、非常に忌避性が強うご ざいまして、設定濃度を変えなければならかったようなことを記載してございます。  それから、神経毒性用の変化については、これは極めて高濃度のところでのみ出ていて 低容量ではないようですので、食品安全委員会の御判断ではございますが、私からも問題 ないものと付け加えさせていただきます。  以上です。 ○吉倉分科会長 よろしいでしょうか。そうしたらば、まずはジノテフランの残留基準を 設定してよろしいかどうか。 ○伏見課長 先ほどのメロンですけれども、一応、残留農薬の基準を設定する際には、各 食品ごとにどの部分を検体とするかというのを告示で定めております。それぞれ食品ごと、 食物ごとに違うわけでございますけれども、スイカ、マクワウリ及びメロン類の果実に関 しましては、果皮を除去したものを検体とすると定めております。 ○吉倉分科会長 皮は食べてはいかんわけですね。  それでは、もしもほかになければ、このジノテフランに関して残留基準を設定すると。 設定値については87ページのものにする。よろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、合意されたということで、今後の手続をお願いします。 ○伏見課長 どうもありがとうございました。本件につきましても、現在WTO通報への 手続中でございますので、WTO通報に掛けた後、先ほどと同様の手続をとらせていただ きたいと考えております。 ○吉倉分科会長 それでは、次のマラカイトグリーン、昔からのものですが、お願いしま す。 ○伏見課長 それでは、資料3のシリーズでございます。まず、一番頭にございますのが 諮問書でございまして、11月16日付けで薬食審に対して厚生労働大臣からお願いをして おります。内容は、畜水産食品中に残留する次の動物用医薬品の基準設定についてという ことで、マライカトグリーン及びロイコマラカイトグリーンに関するものでございます。  2ページ目以降が、食品安全委員会での評価結果でございます。また、後ほど御説明い たしますけれども、結論といたしましては「発がん性のメカニズムを明らかにすることは できず、ヒトにおける発がんリスクは明確ではないが、現時点で評価した試験結果からみ る限り、げっ歯類における発がん性が示唆され、遺伝毒性も否定できないことからマラカ イトグリーン及びロイコマラカイトグリーンにADIを設定することは適当でない」とい う御意見をいただいておるところでございます。  資料の構成といたしましては、その後、安全委員会の評価書が添付されておりまして、 18ページ目以降に資料3−3といたしまして、井上部会長のところでまとめていただきま した部会報告が添付されております。  それでは、戻っていただきまして安全委員会の評価書に沿って御説明させていただきま す。5ページ目をまず御覧いただければと存じます。まず、1番目に審議の経過というと ころがございますけれども、平成17年9月13日に安全委員会に対して厚生労働省から食 品健康影響評価を依頼しております。11月24日に評価結果をいただいておるというとこ ろでございます。  6ページ目でございますけれども、本品の概要でございます。「はじめに」というところ がございますが、マラカイトグリーンというのは名前のとおり緑色の合成色素でございま して、工業用にはいろいろな用途に使われておりまして染料としてよく使われております けれども、抗菌活性を有しておりますところから、水産業において水カビ病の治療薬とし て広く使用されてきております。遺伝毒性が疑われる物質との類似性が指摘されるなど、 近年、食用動物への使用が制限されてきております。国際的な評価機関での評価はなされ ておりませんけれども、欧州等の諸外国においては養殖水産動物への使用は禁止されてお ります。我が国におきましても、平成17年7月31日付けをもって食用水産用動物に対し ての使用が禁止されております。  これは抗菌活性を有するということですので、現行の食品衛生法の規制といたしまして は、合成抗菌剤を含有してはならないとされておりますので、検出された食品は流通・販 売されないというように管理はされておるわけでございます。  しかしながら、要するに、個別に毒性評価を行って不検出という基準を置かれているわ けではありません。他方、こういった海外で規制されている、あるいは遺伝毒性が示唆さ れるような状況でございますので、今般きちんとした形で評価をして、必要があれば不検 出の措置をとるべきであろうと考えまして、安全委員会に食品健康影響評価を依頼したと いうことでございます。  6ページの中段以降でございますけれども、ロイコマラカイトグリーンというのがござ います。これはマラカイトグリーンの代謝物でございまして、魚の体内でマラカイトグリ ーンが還元されてロイコマラカイトグリーンになるわけでございます。このロイコマラカ イトグリーンはマラカイトグリーンに比べますと半減期が長うございまして、後段にござ いますが、ナマズにおきましてはマラカイトグリーンは1日ないし2日で検出限界になる のに対しまして、ロイコ体は4週間程度まで検出されるということでございます。  したがいまして、ロイコマラカイトグリーンというのはマラカイトグリーンを使えばこ そ検出されるわけでございますけれども、ロイコマラカイトグリーンに関しましては、現 時点で基準なり規制する手だてがないという状況でございます。したがいまして、今般マ ラカイトグリーンと併せまして、その代謝物であるロイコマラカイトグリーンに関しても、 食品健康影響評価を安全委員会に依頼したというところでございます。  7ページ目以降が毒性試験の概要でございます。まず、亜急性毒性試験というのが7〜 8ページに掛けてまとめがございます。簡単に申し上げますと、マラカイトグリーンに関 しましては、マウスで貧血傾向が見られたということ。ラットに関しましては、7ページ の下から2行目辺りにございますように、γ−glutamyltransferase活性の増加等のいわ ゆる肝毒性を示唆する所見が得られております。  それから、次の8ページ、ロイコマラカイトグリーンに関しましては、これもラットに おきましては貧血を疑わせる所見、それから、同じくラットにおきまして肝臓重量の増加 あるいは肝臓の酵素活性の増加といった肝毒性を疑わせる所見が得られております。  その後、発がん性試験の解析結果が数ページにわたって書かれておりますけれども、そ れらをまとめますと15ページまで飛んでいただければと思います。15ページの下から半 分ぐらい「MGとLMGの発がん性について」という段落でございますが、そこにかいつ まんだ結論がございまして、マラカイトグリーン、ロイコマラカイトグリーンの発がん性 について評価するためのデータは、現時点ではそこまで述べたNTPの試験のみであると いうことで、対照群との比較では明確な統計学的に有意な腫瘍性病変発生数の増加が認め られた例はほとんどなかったが、幾つかマラカイトグリーンのメスラットの肝細胞腺腫、 それから、ロイコマラカイトグリーンのオスラットの甲状腺濾胞上皮細胞腺腫がん腫、そ れから、メスラットの肝細胞腺腫、メスマウスの肝細胞腺腫がん腫については、容量と発 生数からは無視し得ないと考えられたということでございます。  一番下の3行でございますけれども「これらのことから、現時点において得られている 知見からは、LMGが雌マウスの肝臓に発がん性を有することが示唆された。また、ラッ ト肝臓及び甲状腺に発がん性が弱いながらも示唆された。MGは雌ラット肝臓及び乳腺に おける発がん性が弱いながらも示唆された」というのが現時点で得られる知見であるとし ております。  それから、次の16ページに遺伝毒性についてのまとめがございます。遺伝毒性試験に つきましてはin vitroの幾つかの試験、それからin vivoの小核試験等々で、ほとんど の試験において陰性の結果が得られておりますけれども、また、幾つかの試験では陽性が 得られております。上から5行目辺りからですが、マラカイトグリーンについては、Ames 試験の1つの試験で陽性、コメットアッセイで陽性、それから、DNA付加体形成試験で 陽性が得られています。  それから、ロイコマラカイトグリーンについては、小核試験で弱い陽性とかBig Blue マウスを用いた導入cII遺伝子の突然変異試験でも弱い陽性等が得られたということでご ざいます。  なかなかクリアな結果ではないんですけれども、それらをまとめますと「食品健康影響 評価について」というところの上の2行辺りですが、「MG、LMGが遺伝毒性を有する可 能性は否定できないと判断するのが賢明であると判断された。なお、確実な結論を得るに は、さらなる試験の追加が必要であろう」というのが遺伝毒性に対する安全委員会のコメ ントでございます。  それらをまとめまして、食品健康影響評価についてというところでございますけれども、 まず「MG及びLMGは、現時点において発がん性を評価するのに適当な唯一の資料と考 えられたげっ歯類を用いた2年間発がん試験の結果から、LMGが雌マウスの肝臓に発が ん性を有することが示唆され、LNGのラット肝臓及び甲状腺、MGの雌ラット肝臓及び 乳腺の発がん性が弱いながらも示唆された」ということ。  16ページの下の3行でございますけれども、これがまとめでございまして「以上のよう に、発がん性のメカニズムを明らかにすることはできず、ヒトにおける発がんリスクは明 確ではないが、現時点で評価した試験結果からみる限り、げっ歯類における発がん性が示 唆され、遺伝毒性も否定できないことからMG及びLMGにADIを設定することは適当 でない」というのが安全委員会の結論でございます。  これを踏まえまして18ページ以降が、薬食審での審議をまとめていただいたものでご ざいます。  19ページは、品目の概要あるいは化学名、構造式等でございます。  20ページでございますけれども、許容一日摂取量評価というところでございますが、こ れは安全委員会の結論を基本的に引用しております。  それから、3番目が諸外国における規制状況ということでございますが、国際機関での 毒性評価はなされておりませんけれども、欧州等の諸外国において養殖水産動物への使用 が禁止されております。特にEUにおきましては、マラカイトグリーン及びロイコマラカ イトグリーンの和として2μg/kgのMRPLs、検出限界のようなものと理解しております が、養殖水産動物について設定されております。また、オーストラリア、ニュージーラン ドにおいては不検出で、その検出限界が同じく2μg/kgということになっております。  それから、米国、カナダにおきましても基本的には使用が禁止される、あるいは含有し てはならないという規制が置かれております。  そういうことを踏まえまして、部会での御結論といたしましては『食品安全委員会にお ける評価結果を踏まえ、MG及びLMGの残留基準として「不検出」を設定することとす る』というふうに御結論をいただいたところでございます。  それから、22ページ、23ページでございますけれども、この部会の結論につきまして 厚生労働省のホームページに掲載いたしましてパブリックコメントを募集いたしました。 その結果3件の御意見をいただいております。御紹介させていただきますと、1番目の御 意見ですが「平成17年8月以降、国内でも中国産うなぎにおいてMGの検出が相次いだ が、LMGを含めた残留基準値が設定されておらず、また分析法が規定されていないため、 輸入検疫におけるモニタリング検査などでの違反を発見できなかったことも類推される。 以上のことから、両物質について、諸外国の基準を満たす高感度分析法を整備していただ きたい」ということでございます。  これに対する回答といたしましては、今般、食品中に不検出とする基準を設定すること としている両物質につきましては、諸外国における規制と同様、検出限界を2ppbとする 試験法を整備し、監視を行っていくこととしておりますと御回答させていただいておりま す。  御意見2といたしましては、マラカイトグリーンと同様のトリフェニルメタン構造を有 するクリスタルバイオレットというものがあるようでございますけれども、この検出事例 の報告がEUではされているということで、こういった新規のものにつきましても、関連 化合物についての同時分析も視野に入れ、輸入検疫での監視をより一層強化していただき たいという御意見でございまして、回答といたしましては、本品クリスタルバイオレット に関しましては、現在試験法について検討を進めておりますと御回答させていただいてお ります。  それから、意見3でございますけれども、分析法の検出限界について。「不検出基準の重 要なポイントは、それを担保する分析法や検出限界であるが、今回の意見募集ではそれら が示されておらず、不十分である。意義のあるリスクコミュニケーションが行われるよう、 分析法や検出限界について示した上で議論すべきであると考える」という御意見でござい まして、回答といたしましては、今後は十分なリスクコミュニケーションが図れるよう努 めてまいりたいと御回答させていただきたいと考えております。  事務局からの説明は以上でございます。よろしく御審議をお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長 井上先生、何かコメントございますか。 ○井上委員 ございません。 ○吉倉分科会長 最初にパブリックコメントでもあるように、日本でのマラカイトグリー ン、ロイコマラカイトグリーンの検出感度としては、どの辺まで把握しておられるか、も しもよければ。 ○伏見課長 これは、今回不検出という形で食品衛生法の上で告示を設けることにつきま して、その上で試験法も告示で定めることになる、このまま御了解いただければそういう 形で進めることになると思いますけれども、その時点でここにございますように、2ppb を検出限界とする試験法をこれも告示で定めるという形で今、準備を進めております。 ○吉倉分科会長 要するに、試験法も今から決めるという話ですか、そこがちょっとよく わからないんですが。 ○事務局 試験法につきましては、今回の御審議に並行いたしまして、既に国立医薬品食 品衛生研究所の方で御検討いただいております。結論としましては、既に2ppbここまで は確保できるという形で試験法の構築が行われているところでございます。 ○吉倉分科会長 そういう状況のようですが、これについて何かコメントはありますか。 ということは要するに、検出限界を今の2ppbにするという整理をしつつ、マラカイトグ リーンについては不検出、20ページの一番下ですね。マラカイトグリーン、ロイコマラカ イトグリーンについては、食品安全委員会の評価結果を踏まえて不検出を設定する、要す るに見つかったらだめよという話です。よろしいですか。  ちょっと文章の中で気になるんですが、肝臓のcII遺伝子とか、肝臓のlacIとか書い てあるので、ああいうのはちょっと誤解を招くんじゃないかと思いますが、井上先生、こ れはコメントをいただけるといいと思いますが。 ○井上委員 これは、遺伝毒性を観察するためにバクテリアの遺伝子を導入したマウスで、 in vivoレベルでマウスの体の中でバクテリア等の突然変異を臓器別に見る方法で、その ときに観察するBig Blueの場合にはファージのcIIを見ることになるんですけれども、 これを観察したいということであります。毒性が哺乳類のような動物の標的オルガンに到 達して、そこでの変異原をファージの変異で見るという試験法でございます。In vitro でサルモネラや大腸菌の突然変異を直接観察するよりも、哺乳類の中ではどういうふうに その物質が臓器に到達したか、例えば肝臓なら肝臓で変異を起こしやすいかということを 臓器レベルで見ることができるという意味があります。そういう点で、in vitroの試験を 補完してin vivoでの変異原性を類推をするという方法で、最近さかんに実施されている 遺伝子改変によるin vivo試験でございます。 ○吉倉分科会長 要するに、ファージの遺伝子ですね。 ○井上委員 そうです。 ○吉倉分科会長 そのトランスジェニック動物を使ったアッセイ法、だから、この遺伝子 はlacIとかR2はマウスの遺伝子ではないわけですね。 ○井上委員 マウスの遺伝子ではございません。 ○吉倉分科会長 そういう新しい方法を、わざわざ導入してやる。  それでは、20ページの一番下にあるようなことでよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 そうすると、これはWTO通報、パブリックコメントその他は済んでい ると考えていいんですか。 ○伏見課長 パブコメは先ほど御紹介したとおりでございまして、WTOへの通報に向け た手続中でございますので、これもWTO通報に掛けた後何か意見が出てくれば、先ほど と同様に吉倉分科会長に御相談させていただきたいと考えております。 ○吉倉分科会長 どうもありがとうございました。  あとは報告事項ですね。では、最初にFAO/WHO合同コーデックス委員会の対応につ いてお願いします。 ○伏見課長 報告資料1でございます。FAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス委 員会)第38回食品添加物・汚染物質部会での対応についてということでございます。こ こに書きました第38回の食品添加物・汚染物質部会というのは昨年の4月の終わりにご ざいます。また、その後6月から7月ごろにコーデックス委員会総会がございますけれど も、そこでここ何年間かずっと食品中のカドミウムの残留基準値の検討が行われておりま す。それにつきまして、これまでの経過を簡単に御報告いたしまして、今後どういった方 向で臨んでいくかということを御報告させていただきたいと思います。  資料を1枚めくっていただきますと、プレスリリースが添付されております。これは昨 年7月11日にコーデックス委員会の総会がございまして、そこの結果でございます。検 討結果の(2)のところでございますけれども、精米については原案0.4ppmを国際基準値案 としてステップ5で予備採択した上、ステップ6に進めて部会で引き続き検討することと いうような結果になっております。したがいまして、今年の4月以降の会議では、またこ のことについて引き続き議論が行われるわけでございます。  簡単にこれまでの経緯を御説明いたしますと、資料といたしましては4ページでござい ます。「これまでの経緯」というところがございます。ここにございますように、国際的な 食品規格設定の場であるコーデックス委員会において、食品中のカドミウムの基準値が検 討されております。  特に2番目でございますけれども、平成10年に検討がなされておりまして、当初精米 に関しましては0.2ppmというのが提案されたわけでございます。この資料には書いてご ざいませんが、平成16年のコーデックスの場で日本といたしましては、日本国内におけ る農作物に含まれるカドミウムの実態調査結果及び食品摂取量調査結果をコーデックス委 員会に提出いたしまして、消費者の健康保護を確保しつつ合理的に達成可能でできるだけ 低い基準値を置くべきであると主張いたしております。  その後、平成17年にコーデックスは別の専門家の会合でございますが、JECFAでもそ のことが議論されまして、コーデックスの基準値案、最初0.2が提案されておりましたが、 その当時は0.4という基準値案がございまして、その0.4あるいはその上下の値、0.2とか 0.5を設定した場合の食品からのカドミウムの摂取量あるいはヒトへの健康影響はほとん ど差がないとJECFAでもそういった結論が付けられております。  そのような経緯がございまして、コメにつきましては当初0.2ppmとされていた基準値 案が、現時点ではコーデックスとしての案が0.4ppmという形に変更されておりまして、 プレスリリースにございますように、前回7月のコーデックス総会で0.4でステップ6に 持っていくべきであるということで合意されております。  引き続き、これが今年も議論されるわけでございますけれども、我が国といたしまして は、基本的にこれまで日本側が主張してきた意見が認められる方向でございますので、こ れを支持する方向で会議に臨んでまいりたいと考えております。  簡単ではございますけれども、御報告させていただきます。 ○吉倉分科会長 カドミウムは、ここでも1回暴露評価も含めて紹介、それから、議論を していただいたところですが、何かございますか。  それでは、これは報告ということです。では、次をお願いします。 ○伏見課長 引き続きまして、報告資料2「ポジティブリスト制度に関するこれまでの審 議経緯等」というものでございます。ポジティブリスト制度に関しましては、昨年10月 7日のこの分科会で大変分厚い資料をお配りいたしまして御審議いただいたところでござ います。お陰様をもちまして、昨年11月29日に厚生労働省の告示としてファイナライズ することができました。改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。  1枚目の紙は審議経過でございまして、平成15年の食品衛生法の改正以降、こちらの 薬食審の分科会あるいは農動薬部会で精力的に御審議をいただいた結果、今日に至ったわ けでございます。今年5月29日に施行ということで、今いろいろな準備作業を私どもと しても行っているところでございます。  昨年10月7日の分科会以降の動きを御報告させていただきたいと思います。1ページ めくっていただきますと、安全委員会からこれは昨年4月でございますけれども、ポジテ ィブリスト制度導入に関して御意見をいただいております。この意見の内容につきまして は、10月7日の分科会でも御紹介させていただいたところでございますけれども、3ペー ジ目、4ページ目にございます。  簡単に申し上げますと、6件御意見をいただいておりまして、1つは、いわゆる暫定基 準を置くわけでございます。個々の物質の農薬の残留基準を逐一毒性評価をした上で設定 しているだけの暇がないということで、海外の基準をも参考にして暫定的に基準を置くと いうことでございますけれども、その暫定基準を置くものについて国際的なリスク評価の 状況も含めて慎重に再検討しろということでございます。これにつきましては、最終的に 暫定基準を758の農薬について置くということで告示をしたところでございます。  それから、2番目でございますが、先ほど申し上げましたように暫定基準ということで、 各農薬ごとのリスク評価を行わないままに基準値が設定されております。したがいまして、 今後ここにございますように、当該制度の導入後に実施する食品健康影響評価の結果を踏 まえて見直す必要があることから、優先的にリスク評価を実施すべき物質についての考え 方を整理した上で、リスク評価の効率的な実施に資するためのリスク評価計画を策定し、 当委員会の了承を得ることというふうに御指摘をいただいております。  それから、3番目が、いわゆるポジティブリスト制度の対象外物質と言っているもので ございまして、ヒトの健康を損なうおそれがないことが明らかである物質について、その 根拠を明らかにしろということ。  それから、4点目は、いわゆる分析法でございますけれども、これを極力たくさん策定 すべきであるということ。  それから、5番目でございますけれども、国民が理解できるよう積極的なリスコミを行 うこと。  6点目は、適宜安全委員会に報告をするということでございます。  これに関しまして5ページ目でございますが、11月に安全委員会でも御議論いただきま して、最終的に11月28日付けでこのような形で安全委員会にお返しをしております。  その中身が6ページ目以降でございまして、(1)については、暫定基準を置く物質を慎 重に選びなさいということでございまして、それにつきましては758を確定させたという こと。  それから、(2)でございますけれども、JECFAとかJMPRでADIが設定されていな いものについては、基準値を置かなくても済むものは不検出とするとか、あるいは基準そ のものを設定しないという扱いをしておりまして、どうしても現時点で使われているよう なものにつきましては、今後優先的に安全委員会でのリスク評価を受けるということで暫 定基準を置いたということを説明しております。  6ページの下の2でございますけれども、これが安全委員会に今後リスク評価をお願い するときの基本的な考え方でございます。  これにつきましては、9ページ目にもう少し詳しい評価依頼計画を作成しております。 食品健康影響評価の対象物質の区分ということで(1)と(2)とございます。(1)は優先評価 物質、(2)が優先評価以外。優先評価物質につきましては、先ほど申し上げましたように 国際評価機関でADIが設定できないとされているもので暫定基準を置いているようなも の、これは現時点では5物質ございます。その他、あと厚生労働省でずっとマーケットバ スケット調査を行っておりますけれども、そういった調査の結果、我が国の食生活を通じ た一日当たりの摂取量が比較的多いと推定されるもの、あるいはその他新しい発がん性等 の重要な知見が得られたものというようなことで、こういったものを優先的に評価する物 質としたいと考えております。  ただ、数的には優先評価以外のものが大部分になるわけでございますが、それは(2)で ございまして、可能な範囲で毒性試験成績などのリスク評価に必要な資料を収集し、リス ク評価を依頼するということにしております。  リスク評価の依頼といたしましては、2でございますけれども、平成18年度から5年 間を目途に、758ございますので大体ならしますと各年度150程度になるわけでございま すが、150農薬等についてリスク評価の依頼を行うこととしたいということで計画を策定 しまして、安全委員会の方もこれで了承をいただいております。これがリスク評価計画で ございます。  それから、7ページに戻っていただきまして、安全委員会から指摘を受けたほかの項目 でございますけれども、3について、いわゆる対象外物質について設定の根拠を物質ごと に回答しなさいということでございます。これにつきましては、この資料で言いますと11 ページ以降にアタッチしております。11ページで対象外物質の選定の基本的な考え方とい うことで、これはこちらの分科会でも御説明させていただいた考え方でございますけれど も、(1)(2)(3)ということで、明らかにヒトの健康を損なうおそれがないものでありますとか、 農薬取締法で特定農薬と指定されているものでございますとか、海外で残留基準を設定す る必要がないとされている農薬とか飼料添加物で、更にこの使用方法等に制限を設けてい ない物質ということ、こういったことを基準に物質を選んでいきました。  12ページ以降に65の対象外物質について、それぞれどういう根拠で選んだかというこ とを個別に御説明させていただいております。  例えば、一番上の亜鉛の場合ですと、このもの自身はミネラルでございますけれども、 備考欄にございますように、いわゆる飼料安全法において使用量の制限がない。それから、 EUにおいても残留基準を設定する必要がなく、使用方法に制限を設けていないというよ うに、他法令で安全性が担保されている、あるいは海外で安全性が担保されているといっ た情報を基に、設定根拠としてそれぞれ記載をさせていただいております。  それから、また7ページに戻っていただきまして4番目、安全委員会の指摘としては分 析法をできるだけ早く策定しろということでございます。これにつきましては、中段辺り でございますけれども、529という数字がございますが、11月29日の時点で529の農薬 等につきまして分析法をお示しさせていただいております。全部合わせますと799のもの について基準が設けられているわけでございますので、まだすべてカバーしているわけで はございません。したがいまして、これは引き続き作業をしていきたいと考えておりまし て、告示までにあと1回か2回分析法を追加でお示しできる予定でございますし、告示後 も引き続きできるだけ早く積み上げを図っていきたいと考えております。  それから、5番目、リスクコミュニケーションをしっかりしろということでございまし て、これにつきましては、これまでもいわゆるリスコミという名がついたものもございま すし、いろいろな消費者団体あるいは食品関係団体が主催される勉強会、セミナー等にも 可能な範囲で講師派遣をして、演者として参加させていただいております。  安全委員会からの指摘に対する回答として11月末にこういった形で回答させていただ いておりますことを御報告申し上げました。 ○吉倉分科会長 ありがとうございました。何か御質問ございますか。  これは、安全委員会は頼めば幾らでもやってあげるよという話なんですか。金は結構掛 かると思うんですが。 ○伏見課長 確かに大変な数でございます。ですから、これは評価を依頼する話で、依頼 を受けていただいた後どういう形で評価をされるかというのは基本的に安全委員会の方の 話なんですけれども、そこの評価の仕方につきましては、今、安全委員会の方と事務レベ ルで調整をしているところでございます。 ○吉倉分科会長 この評価もそうだし、それから、こういう検出法をやる場合には結構金 がかかる話でしょう。消費者の側は何でもやってくれとなるんですが、金も時間もあるの かなと、そういうことはどうなんですか。そういう考慮というのは、それなりにされてい るんですか。 ○伏見課長 分析法に関しましては厚生労働省の仕事として何年か前から、要するに、ポ ジティブリストを導入するという話になった時点から、ある程度予算措置をして進めてき ております。ただ、途中いろいろな作業で暫定基準を置いた品目が増えたりした格好もあ りまして、少し今年度あるいは来年度に事業としてずれ込んでいる部分もございますけれ ども、そこは一定の予算的な裏付けはございます。 ○吉倉分科会長 この分科会も一種リスクコミュニケーションの場ですから、そういう点 では現状認識を共有したほうがいいと思います。  さて、それでは、次は牛になりますが、よろしくお願いします。 ○道野室長 それでは、報告資料3を御覧ください。米国及びカナダ産の牛肉輸入再開問 題につきまして、御報告申し上げます。  BSE問題に関しましては、以前せき柱に関しては基準設定ということで当審議会にお 諮りをして進めたところでございますけれども、こういった輸入の関係の問題ということ につきましては、食品衛生法に基づく審議事項になっていないというようなこともありま して、適宜機会をとらえて当分科会には経緯等について御報告をしてきたところでござい ます。  資料3の最初のページにありますように、直近の話としては解禁後の1月20日に成田 空港で子牛の肉、4〜5か月齢ぐらいの子牛だということなんですが、子牛肉にせき柱が くっついたものがあったということで、米国産牛肉の輸入手続を1月20日、その日に停 止したということでございまして、これに関しましては報道等で御承知のことかと思いま す。ここに至る経緯ということで御報告をいたそうと思います。  報告資料3の5ページをお願いいたします。昨年12月12日でございますけれども、12 月8日に食品安全委員会から米国及びカナダ産の対日輸出牛肉に関するリスク評価結果を 答申としていただきまして、12日に農水省と連名で輸入再開ということで米国、カナダ政 府に通知をいたしました。その際に、食品安全委員会の方から脊髄除去の監視を図ること が必要であるとか、それから、十分なサーベイランスの継続が必要だとか、飼料規制につ いての強化の問題、こういったことについて附帯事項ということで要請がありましたので、 こういったことについて両国政府に改めて要請をした上で輸入を再開したというようなこ とでございます。  6ページ以降は、その際に情報提供をした内容でございます。  7ページは、米国産牛肉等の輸入再開に当たってということで、行政庁の方の考え方を まとめたものでございます。記に列記してありますように、米国産牛肉等の輸入条件の遵 守ということで、米国・カナダ両国おける輸入条件の確実な実施について、厚生労働省・ 農林水産省として担保していくということの考え方を示してございます。  それから、次のページにもありますけれども、国民の皆様への情報提供ということで、 特に輸入再開に当たっては12日にこういったことで両国政府に通知をいたしましたが、 15日から全国9か所で説明会を開催しまして、具体的な輸入条件、担保措置等々について 説明をいたしております。  それから、3つ目でございますけれども、米国産・カナダ産の牛肉輸入再開に関しまし ては、いろいろな御意見が寄せられたということもございまして、やはり選択ができるよ うにという観点での原産地表示の推進ということについても併せてお知らせをしておりま す。  12月13日から米国とカナダに担当職員を派遣いたしまして、まさに遵守の状況につい て査察という形で調査をしてまいっております。それが9ページからでございます。  10ページ以降が、具体的な米国における日本向け牛肉認定施設の査察結果報告というこ とでございまして、約12日間にパッカー11施設。パッカーというのは、と畜場とそれに 付随した食肉の加工施設で、生産されるものというのはブロック肉です。5kgとか6kg ぐらいの単位の各部位に分かれるわけですけれども、そういった形の牛肉の製品が製造さ れるわけですが、そういったものを製造する施設だと御理解いただければいいと思います。  コロラド、カンザス、テキサス、ネブラスカ、カリフォルニア、主に中西部、最もこう いった産業の盛んな地域と御理解いただければいいと思います。  日本向け輸出プログラムの実施状況ということで、日本向けの輸出条件として20か月 齢以下の牛に由来するものということと、特定危険部位をすべて除去するというのが日本 向けの輸出条件ということで、月齢確認、SRMの除去、そういった製品を向こうで製造 加工する際の国内向け、その他の国向けの製品との分別・識別といったものについてどう やっているかということについて確認してまいりました。  そのほかに、対日輸出施設の関連施設での飼料規制の遵守についても、これはサンプリ ング調査みたいなものですけれども、併せて確認をしてまいりました。  米国において12ページの最後に、今後対応することとした事項ということで、特に2 番目で、SRMの定義が日本向けの輸出基準と米国の国内規制で異なるということがある ので、処理に当たっての留意事項について認定施設の品質マニュアルを明記するように日 本側から申し入れまして、米国政府の方で対日認定施設の方へ通知徹底するというような こともこの段階では協議をされ、実行されたというような経緯でございます。  カナダにつきましても、こちらは施設が少ないですが4施設について同じような査察を 行いました。この情報につきましては、12月26日に公表してございます。  最初のページに戻っていただきますと、そういったことで1月20日までに約1,500t近 い米国産の牛肉が輸入されたわけですけれども、20日に冒頭お話をいたしましたとおり、 せき柱を含む子牛肉、これは全部で3箱55kgということですが、41箱輸入された子牛肉 の中に3箱入っていたということで、いわゆる米国政府と日本政府の間で一定の信頼関係 を基に、米国側での遵守が確保されるだろうということであったわけですけれども、対日 輸出基準の遵守というものが今回の、明確に遵守されなかったということが判明したわけ でございまして、当日輸入手続を停止、現在、米国産牛肉の輸入がストップしているとい うような状況でございます。  資料の2ページでございますけれども、20日は金曜日だったわけでございますが、23 日の月曜日に、既に米国から輸入された牛肉について、念のために20日に見つかったよ うなせき柱つきの肉がないかどうかということについて入念に確認しようということで、 関係の輸入業者の方に自主調査をしていただいて報告を求めましょうということで始めて おります。  2ページの調査内容のところにありますように、米国産牛肉のせき柱周囲部位へのせき 柱等の混入の有無について、輸入者が全箱開梱して目視による自主検査を行うということ です。せき柱等の混入が確認された場合には、直ちに厚生労働省まで連絡する。必要に応 じて、これは保健所の食品衛生監視員が立ち会うということになってございます。  3ページが、その時点で確認がされている調査の規模といいますか範囲でございます。 26業者の方が輸入されたものが既に国内に通関が終わっているということが判明いたし ました。重量が575tと書いていますけれども、要するに輸入手続が終了したか、もしく は輸入手続途中ということで言えば、米国産の牛肉に関しましては先ほど申し上げたよう に1,496tが日本に着いていたわけです。そのうち、輸入手続が終了したものが730t。 輸入手続が終了したということは、一応、国内で自由に流通ができるということになって いるわけです。この730tにつきまして、検疫所の方に届けられた届出の内容、それから、 米国政府の証明書を確認しまして、せき柱周囲の部位が入っているロットを特定しまして、 それが575t。勿論この中にはせき柱周囲の肉でないものも混じっていますので、そうい ったものは今後整理をして調査結果をまとめていくということにしておりますが、とりあ えずの調査対象が575tということになっています。  おおむね調査は終了しつつあるというところなんですけれども、現在までのところ、せ き柱等が見つかったという事例は報告されておりませんが、データがまとまり次第、近く 結果を公表したいと考えております。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 それでは、質問をどうぞ。 ○神田委員 別のところでまた詳しくやりたいと思いますが、せっかくですので1つ、2 つだけお聞きしたいと思います。  今の御報告の中で、日米の信頼関係を基に遵守されるだろうと思ったというような御説 明があったので、私たちはその辺を非常に心配していたところですので、そこはやはり甘 かったのではないかと思います。この間ずっと首相の国会での答弁を聞いておりましても、 米国が悪いということで日本の方については非がないようなことを言っているんですが、 国内での対応のところでどうだったのかということをやはりきちんと検証しなければ、こ の後につながらないのではないかと思っています。その辺のところをどうしているのかと いうことが1つ。  それから、骨の話ですけれども、今は私たちは月齢は大丈夫なのというのを心配してい るんですね。骨のところはチェックしてくださったというんですが、見えないところは心 配なさっていますか、それともそういうことは大丈夫だと思っていますか。その辺だけ聞 かせてください。 ○道野室長 まず、私の言葉足らずで、日米の信頼関係だけで勿論やっているわけではな く、基本的にはアメリカと日本とでそういう行政システム等々を比較した上で、米国側の システムというものについての合理性とか実効性というものも従来から判断してきている ところですけれども、それプラスそういったこともあって、輸入食品全般に言えることな んですが、やはり輸出国にしっかりしてもらうということが基本になってくる部分もござ いますので、そういった意味で申し上げただけでございます。  それから、今回の具体的な原因につきましては、説明のときに飛ばしてしまいましたけ れども、4ページにございますように、日米間の行政レベルで米国側に対して原因の究明 をしっかりやってもらって、再発防止というものについてきちんと報告をしてもらうと。 それまで日本側として内容について了承できるという段階までは、少なくとも現在の措置 を継続するというふうに考えております。  あと、全体のシステムの問題ということなんですけれども、システムそのものについて 現時点で問題があるかということについては、やはり報告される原因の内容を見て判断す るということであると思います。ただ、今までの輸入検査の場合、月齢などはわからない でしょうと言われればそういうことだと思います。ただ、それと12月の査察の結果であ るとか、それまでの米国側からの情報提供、状況説明等々を総合して判断すれば、現時点 で月齢のアメリカ側の確認システムに問題があるとは認識しておりません。ただ、今回の 問題が発生したということもありますので、原因の究明なり、それから、対策をどうやっ て講じていくかということは、アメリカ側から聴取する際にせき柱が混じったということ は、原因にもよりますけれども、システム全体についての米国側の考え方、それから、実 施状況についても改めて確認するということも必要だと考えております。 ○小沢委員 連日のようにいろいろな情報が流れていて、消費者も右往左往というか、何 が本当のことなのかよくわからないということが今の実態だと思います。今朝の新聞など も見ておりますと、ダウナー牛がどうも食用に回ったらしいとか、それから、生体牛の事 前の検査もすべて生体牛をきっちり検査しているのではなくて、それも何パーセントかと いうパーセンテージで、そういうものというのは全部を見るのではなくて、ところどころ 特定の牛だけを見ていくのか、その辺の様子がよくわからない。そのこと自体が、アメリ カの農務省の中の監査で指摘されているというような実態が新聞記事なりニュースなりで 伝わってくるということで、今回のせき柱の混入にかかわるようなシステムの問題だけで はなくて、一体どういう管理をしているのかということの全体像自体にとても不信感を持 つというか、基本はやはり信頼が得られるということでないと、安心して輸入したものを 食べられないという状況もあると思いますので、単なるシステムというよりも全体のとこ ろをもう少し明らかにというか、しっかり管理していただけるような方向で議論していた だきたいとも思っております。 ○道野室長 今日報道されておりましたのは、先週、農務省の中に監察官室といいますか、 行政監察をする部門がございまして、そこの調査結果ということで報道されていた内容で ございます。新聞記事には、起立不能の牛もしくは歩行困難な牛が食用処理されたのでは ないかというようなことが記載されているということであったかと思います。勿論この内 容につきましては、米国側にも私どもは照会しておりまして、監察をしてその時点で見つ かった問題については改善をしていく、特に対日輸出が始まったのは去年12月であるわ けですけれども、この調査自体は4〜6か月ぐらい前に終了しているということと、それ から、対日輸出施設については、問題があった場合にはそういった点については改善を確 認しているというふうにUSDAからは報告をもらっていますが、今回の成田で発見した問 題も含めて、その原因なり再発防止策の議論の中で、今回のこういった行政監察の報告の 内容についても十分アメリカ側に確認をして、対日輸出のものにそういった問題がないと いうことを更に詳細に確認していきたいと考えております。 ○柳川委員 月齢20か月以下というのと月齢21か月以上という、その境界をどの程度正 しく判断されているかというのは、やはり疑問があると思うんです。制度がどれだけ確保 されているか、どれだけ一致しているかということ、これは検証する方法はあると思うん ですよ。ただ、難しい問題なのかもしれないけれども、日本側から米国の協力を得て、向 こうの方法で判断した結果がどれだけ事実と一致するかと検証する方法はある。これはそ んなに難しい方法じゃないと思うんですが、そこまで踏み込むことができるのかどうか、 その辺のところをちょっと御意見をいただければと思います。 ○道野室長 月齢を判断する方法には2つございまして、1つは生産記録ということで、 それぞれの牛もしくはそのロットの牛でのいわゆる誕生日がある程度わかっているという ものと、もう一つが、多分、先生御指摘の生理学的な成熟度と申しまして、ポイントとし ては腰椎の棘突起の先端の軟骨の骨化というもので判断する。判断要素は幾つかあるんで すけれども、そこが中心になるわけです。それに関しましては、アメリカ側から月齢のわ かった牛で調査レポートが出てまいりまして、一応その判断ができるということで米国側 から提案がありまして、日本側でも専門家の先生方に御助言をいただきながら、基本的に はそういった技術で月齢の判定ということは可能であるだろうという結論は一旦出ており ます。勿論、今後いろいろな意味でフォローアップなり検証なりということは日米間で続 けていくとなっておるわけでございますけれども、一応そういった判断技術というのは応 用可能だろうというところまでは結論を得ています。米国側で更に月齢のわかった牛につ いてフォローアップ調査ということを継続するということは既に表明されておりますので、 その中で日本側がどういうふうにかかわっていくかということについても、また今後協議 をする余地というのは十分あると考えています。ただ、現時点ではアメリカ側の方で実施 している事項でもございますので、まずアメリカ側からフォローアップのデータについて も出すということで、A40といいまして生理学的成熟度による月齢の判断の技術的検証と いうのは日米間で進められております。 ○渡邊委員 3点教えていただきたいのですが、米国では子牛の生産記録の識別番号をす べての子牛につけているんですか。それとも、日本向けだけにつけているのでしょうか。  それから、2点目は、昔子牛を生きたままで日本に輸入して飼育して和牛として出すと いうのがあったんですが、それは今止まっているのでしょうか、それともまだ続いている のでしょうか。  それから、3点目は、最近メキシコからの輸入が増加しているということですが、米国 からの迂回輸出のような形というのはあるのでしょうか、ないのでしょうか。 ○道野室長 お答えいたします。まず、生産記録がすべての子牛にあるかということで言 いますと、月齢のわかった牛というのは、やはりアメリカ側でも今でも1割程度ではない かと思います。私どもが12月に見たところも非常に特殊なところで、いわゆる日本で言 えば和牛の純粋種を育てる農家のようなところで、向こうではアンガースという黒い同じ ような牛なんですけれども、そういったものというのは純粋種で特定の条件で飼育すると、 経済的なインセンティブがあるというかプレミアがつくというものでしたので、そういう ところのものは誕生日もみんなわかっているわけです。そういう飼い方のものもあります し、そうではなくて、要するに自然に近いような放牧をして子牛を生産して、最終的には フィードロットというところで集中的に穀物飼育をして仕上げるというやり方もあります し、最後の段階というのは純粋種といいますか、月齢のわかったものもわかっていないも のも同じですけれども、そういう最初の段階の管理の仕方は、言ってみればいろいろある というか多様だと御理解いただければと思います。  それから、子牛につきましては、農水省の方で動物検疫というのはやっておるわけです けれども、BSE発生以降は少なくとも生きた牛というのはアメリカから輸入が止まって います。そういった意味でいうと、2年ちょっと前に牛関連の食品なり、そういった生体 も含めて関係の製品というのは輸入がストップしていたわけでございまして、昨年12月 に2年ぶりに肉と関連の内臓に関して輸入を認めましたが、子牛については米国から輸入 されておりません。  それから、メキシコからの迂回輸入ということでございますけれども、日本とメキシコ の間に二国間で輸入される牛肉の条件というものの取り決めがございます。その中でメキ シコ原産のものということをメキシコ政府が確認したもののみが輸出されるというような 仕組みになっております。ただ、そうはいってもアメリカの例もそうですし、カナダの例 もそうですけれども、BSEが発生しないと言っていても1頭出ればいろいろな規制が変 わってしまうということがございますので、現在、非発生国であっても、いわゆるSRM と言われている部分に関しては、日本側の輸入業者の方に輸入を自粛してくださいという ことで、そういった特定危険部位の入ったものは非発生国であっても輸入を自粛していた だいているというような状況でございます。 ○犬伏委員 2つほどお尋ねします。今、生体を目視で20か月未満かどうかわかるとい うお話ですが、今回輸入されたものは私ども素人でも見てわかるようなものが輸出されて しまったということを考えますと、向うの業界の方々が骨の先端を見て20か月未満か否 かを見分けられると信じられないのが一般的な国民の思いです。まだまだ先の話ではあり ますが、20か月未満かそうでないかの見分け方の研修体制を確立し、実証されない限り 輸入はあり得ないということをしっかり条件づけていただきたいと思います。  もう1点、先程既に輸入された1500tのうち市場に出ている565tについて12 業者の方たちに、骨付きがあったかどうか問い合わせているとのことでしたが、以前初め てBSEの発生を受け、在庫国産牛肉を調べた時、輸入牛を国産と偽ったという経験があ りました。その経験から思いますのに、輸入牛肉は骨の有る無しに係わらずすべて回収す るほうが効果的なのではないでしょうか。手元に未開封の肉を持っておられる業者の方は たとえ骨付きであっても口を拭っていればわからないのではと杞憂してしまいます。同じ 轍を踏まないための措置は取っておられるのでしょうか。 ○道野室長 まず、1点目のいわゆる生理学的成熟度による月齢の判別ということなんで すが、向こうでチェックをしているのは農務省の格付け官で、日本でも牛肉の格付けとい うのをやっていますけれども、向こうは公務員が格付けをやっています。実は、その格付 けの要素の中に軟骨が骨化する度合いによって、話がちょっと細かくなりますけれども、 要するに、少し月齢が高い牛について評価するときに調整するために、ある程度成熟度が 高い低いという判断をしているんです。そういう技術の一部を使って判断をしましょうと いうことですので、勿論一定のトレーニングは要ると思いますけれども、そもそもそうい ったことをやっている専門家の人が対応するということでスタートしています。  ただ、御指摘のとおり、成田で見つかったものはせき柱そのものということもあって、 勿論こういったものが輸出されないように、システムとしては問題があってもそれがうま く結果に結びつかないようにしていくというのが品質管理システムの基本ですから、その 幾つかのハードルがどうして機能していなかったのかということについては、今後の原因 というところで十分詰めていきたいと思いますし、そういったことが解決されないと、な かなか輸入再開というところまではたどり着かないということは御指摘のとおりだと思い ます。  それから、2点目なんですけれども、国内流通品の調査ということでございます。過去 には例えばアメリカ・カナダ、国内でそれぞれ発生した段階で、いわゆる特定危険部位そ のもの、それから、それが入っている可能性がある加工品について、以前の輸入したヒス トリーをずっと調べていって、輸入業者をたどって調査するということをやりました。そ の際も確かに自主的なといいますか、ある程度事業者の方で調べてもらわないと、行政側 で全部調べるというのはなかなか難しいということもございますし、そういったことで対 応して来てございます。今回の場合は、そういうSRM全般というところまで必要ないわ けですけれども、今回の成田で見つかったようなせき柱の混入がないかということの確認 ということでございます。それに関しても、なるべく時間的に早く確認をするということ も重要ですし、かといって業者の方に任せっ放しということについては、客観的に見た場 合にデータとしてどうなのかという御指摘があるのも十分私どもとしても理解してござい ます。そういったことで、すべて保健所の食品衛生監視員が立ち会うというのは無理です けれども、そこは無作為に、勿論保健所の方もこれだけやっているわけではありませんの で、ただ、立会いも必要に応じてやるということで行政側としても対応していくと。  それから、事業者の方もこれだけ社会的にかなり注目をされている事柄でもあり、それ から、1つの会社だけが関係しているわけではございませんので、そういった意味で言う と、かなり今回に関して言えば、事業者の方も的確に対応していただいているのではない かと、私どもとしては受け止めてございます。 ○吉倉分科会長 今のお話であったんですが、要するに、輸入するのは輸入業者さんが輸 入するわけですね。それから、輸入する輸入業者さんは、アメリカのどこかの会社から買 うわけですね。 ○道野室長 勿論それぞれ契約して。 ○吉倉分科会長 だから、そこの関係の責任というものが一つあって、なおかつ、政府の 監督というのがあるわけですね。政府の監督というのは、そんなに安上がりで済むもので はない。人間はどんどん減らされるし、金はない、一体どうしてくれるんだと。それは、 消費者の方も、国は非常に難しい状況でやっているというのは理解していただく必要があ ると思います。アメリカ側もそうですし、日本側もそうだと思います。  それでは、今日はどうもありがとうございました。あと何か事務局からございますか。 ○桑崎課長 もう一つだけ。簡単に。 ○吉倉分科会長 みんな興奮していたから。すみません。 ○桑崎課長 報告資料4です。例年継続的に実施しています食品からのダイオキシン類の 摂取量調査の結果がまとまりしたので。これは、国衛研の佐々木先生が研究を実施されて おりまして、目的は2つあって、平均的な食生活でどれくらいダイオキシンがとられてい るのか、それから、個別の食品はどれくらいダイオキシンに汚染されているのか、です。  調査方法はここに書いてございます。トータルダイエットでいきますと全国7地域の9 機関で、120品目の食品を購入して、栄養調査の食品別摂取量表に基づいて目方を測って、 できる限り食べる状態に近いものに調理して、もしくはそのままにして13群に大別して、 混合し均一化したものを測っているというのが1点。  それから、個別食品については国内産及び輸入食品合計112試料について測っていると いうことでございます。  調査項目については、ここに書いてあるとおりでございまして、ポリ塩化ジベンゾ‐パ ラ‐ジオキシン、PCDD7種類、それから、PCDF10種類、それから、コプラナーPCB12 種類の計29種類について図っているということでございます。  結果の概要でございますが、(1)に書いてございますが、食品からのダイオキシン類の 一日摂取量は1.41±0.66pgTEQ/kgbw/日ということでございまして、この数値は平成14 年、平成15年とほぼ同じようなレベルということですし、我が国において定められてお りますTDI4pgTEQ/kgbw/日よりも低かったという結論でございます。  それから、取り急ぎ恐縮ですが、4ページに先ほど個別食品について調査していると申 し上げましたが、その一覧表を記載してございますので、参考までに御覧いただければと 思います。  それから、7ページ目に、同一の個体から挙げられた部位別のダイオキシン濃度を測っ てございます。これを御覧いただくと、筋肉と内臓と皮というところで測っておりますけ れども、やはり筋肉部よりは内臓や皮の部分の方がダイオキシン類濃度が高いという傾向 にあるということだろうと思います。  それから、8ページ目には、マグロ試料中の部位別のダイオキシン類濃度の比較も記載 してございまして、赤身、中トロ、大トロとなっておりますけれども、脂肪含量の多い部 分がやはり高いかなということでございます。  概要を取り急ぎ説明申し上げました。なお、この調査結果につきましては、例年公表し ております。本日報告いたしますことに加えまして、食品によってはいろいろ濃度にばら つきがあるということですから、やはりバランスの正しい食生活が重要だということも併 せて公表したいと思います。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 長期的に見れば、1ページの表を見れば余り変わらないということです ね。ただ、7ページの表を見るとおいしいところはみんな多いということですね。 ○渡邊委員 4ページ以下の表を出していただいたのは大変助かるのですが、スズキとか タチウオとかかなりばらつきの大きいものもあるのですけれども、これは養殖と天然とい うものをもう一つ区別していただくと、更に助かると思います。これはわかるわけですよ ね。 ○桑崎課長 大抵タチウオは養殖はないのではないかと思いますが、スズキはどうでしょ う。 ○渡邊委員 ススギとかブリとか、よろしくお願いします。 ○吉倉分科会長 これで終わりですか。どうもありがとうございました。  それでは、事務局から何かあればアナウンスをお願いします。 ○平子補佐 長時間御審議いただき、ありがとうございました。  次回の予定でございますけれども、次回につきましては現在日程調整をお願いしている ところですが、まだ皆さんの御都合が合わないところもございますので、再度日程表を送 らせていただくことがあろうかと思います。よろしくお願いいたします。  次回の議題につきましては、食品添加物の公定書について、もう一つが、農薬の残留基 準の設定についての2題を今のところ想定しておりますが、開催日時・議題等につきまし ては、後日確定次第お知らせさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいた します。 ○吉倉分科会長 それでは、どうもありがとうございました。 照会先:                   厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課                   TEL:03−5253−1111(2449)