資料1−2

統計分科会に「生活機能分類」に係る委員会を
設置する必要性について(案)

  国際分類ファミリーの中心分類としてのICD,ICF
 従来、保健医療福祉分野の我が国の統計分類としては、国際疾病分類(ICD)がその中心とされていた。しかし、近年、世界保健機関(WHO)は、この分野の統計情報が国際比較できるように、国際分類ファミリー(FIC)という概念を確立させ、その中心分類としてICDの他に国際生活機能分類(ICF)を位置づけ、平成13年の第54回WHO総会において承認を得ている。
 なお、ICDとICFは、国際連合経済社会理事会国連統計委員会における国際統計分類でもある。

  「生活機能分類」の審議の必要性
 「生活機能分類」は、人間の生活機能と障害の分類であり、心身機能・身体構造、活動、参加の三つの次元及び環境因子等の影響を及ぼす因子(例:バリアフリー)で構成され、約1,500項目に分類されている。「生活機能分類」は、障害者や疾病を持つ者の障害や疾病の状況に関する共通認識とその国際比較を可能とするものであり、すでにその理念は介護保険はじめ種々の政策に活用されている。今後は、例えば「中高年者縦断調査」などにみられるような健康、就業状況、社会活動の実態把握や福祉や医療サービスの提供、評価等の実態把握を行う調査への利用と、個別の政策への活用が見込まれる。
 本分類は、各国の事情を踏まえたものとすべきとされており、WHOにおいてもICDと同様な改善を行う恒常的な体制を構築しようとしているため、我が国の実情に適したものとなるよう、統計の基本事項として、統計分科会において審議する必要がある。
 統計分科会における審議については、ICDと同様に分類が極めて広い分野に渡る専門的知識が不可欠であることから、各分類に関わる幅広い分野の専門家からなる委員会を設置して、専門的立場から検討を行い、統計分科会はその結果の報告を受け審議する方法が適当と考える。
 このため、「「生活機能分類」に係る委員会の設置について」(社会保障審議会統計分科会)を定め、これに基づき委員会を設置するものである。

 * 用語について
・FIC(国際分類ファミリー)= Family of International Classifications
・ICD(国際疾病分類)= International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems
・ICF(国際生活機能分類)= International Classification of Functioning, Disability and Health

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