(資料1)

第9回研究会における主な議論の概要
( 未定稿 )


(市町村児童家庭相談等実情調査の結果について)

 北海道喜茂別町は人口が2,700人、北海道の南西部、札幌から車で90分ほどの自治体。児童人口260人程度。毎年の出生児数は20人弱。高齢化率は30%をわずかに超えている。役場の職員が64人。

 「主たる相談窓口」は特定の1か所としておらず、住民福祉課、健康福祉課、教育委員会、保育所、地域子育て支援センターと言ったように、それぞれの機能を活かして相談に対応している。総括的な役割を担うのが住民福祉課。

 「主たる相談窓口の担当職員」は住民福祉課の係長と健康推進課の保健師が中心となって児童家庭相談に対応。

 毎年新生児が20人弱生まれるということであるが、すべての新生児宅を保健師が訪問して発育状況を把握している。乳幼児健診も100%の受診。また、民生委員などを中心とした地域での取り組みや、就学前はすべての幼児が保育園に所属する状態で、すべての子育て家庭について、細かな状況まで把握している。ここ数年具体的な相談はない。

 「夜間・休日の対応について」は、対応体制そのものは組まれていないが、村民が役場の職員の自宅の電話番号を知っているので、問題が起きれば電話が入ってくることもあり得る。

 「研修の受講状況について」は、北海道では児童相談所を中心とした研修会を開催しており、その研修会に参加している。また、地域の保育連絡協議会が実施した研修にも担当の保健師、保育士が参加。

 「児童家庭相談を実施する上での困難点について」は、さまざまな業務が市町村へおりてきて手一杯の状況。

 「要保護児童地域対策協議会」は、平成14年11月に不登校児童への取組、学校との連携を推進するために組織した「児童福祉対策連絡会議」があり、それを発展させた形で平成17年4月にスタート。ただ、設立会議を開催しただけで、以後の会議予定はまだ定まっていない。

 北海道大滝村は、人口約1,500人、児童人口は195人。毎年の出生児数は10人程度、高齢化率は28%を超えた状況。役場の一般職員は50人。来年の3月に伊達市との合併が予定されている。

 「主たる相談窓口」は役場の住民福祉課。担当する職員は住民福祉課の補佐、係長及び保健師が対応。いずれの職員も兼務。

 新生児は10人弱であり、すべての新生児宅に保健師が2〜3回訪問して発育状況を確認している。乳幼児健診も100%受診。民生委員が比較的地域の状況を把握しているので、相談に至るケースはない。

 「休日・夜間の対応について」は、役場が宿日直体制をしいている。役割分担されており、休日昼間は役場職員、夜間は広域消防組合へ連絡が入る。

 「児童家庭相談を実施する上での困難点について」は専門性のある専任の職員を望む。今後、伊達市との合併が予定されており、その後に解決する見込みがある。

 「地域協議会の設置状況について」は現段階では未設置。平成16年2月に民生委員が中心の「児童虐待防止対策連絡チーム」を設置していて、民生委員児童委員協議会と協力して村役場に事務局を設置済。伊達市と合併した後は伊達市の地域協議会に組み入れる予定。

 山梨県早川町は、静岡県との県境に位置し、人口は1,600人程度。児童人口は150人程度。毎年の出生児童数は7〜8人。高齢化率は48%。役場の職員は約70人。

 「主たる相談窓口」は保健福祉課。窓口担当と指名された1人の保健師が中心に対応。課長以下7人が兼務で対応。

 この町も、すべての新生児宅に3回程度訪問して発育状況を確認している。また、小さな町なので家庭の情報は入りやすく、相談に至るケースはほとんどない。

 「夜間・休日の対応について」は、役場に宿日直体制があり、必要に応じて担当者へ電話が入る体制になっている。

 「研修の受講状況」は児童相談所が面接技術などを中心とした研修会を実施。また、地方振興局が児童福祉法の改正などの説明などの研修を行い、それぞれの職員が参加。

 「地域協議会の設置状況」は平成17年3月に「要保護児童対策地域協議会」を設置。その時点で設立会議を行ったが、それ以後の会議については定例化されていない。

 「地域協議会設置によるメリットと活動上の困難点」は、協議会の設置により養護教員や保健師が問題を抱え込むことが避けられ、精神的負担が軽減されるメリットがある。また、小さい町なので、関係機関の職員数も少なく、同じ委員がさまざまな会議に重複して出席せざる得ないことや、協議会で受理するケースかどうか判断基準があいまいとの問題点がある。
 また、町民が顔見知りであり、協議会に守秘義務があっても、協議会に問題が提示された場合、多くの関係者が事実を知ることになり公然の秘密になる恐れがあることを心配。

 山梨県甲州市は、平成17年11月に塩山市、勝沼町、大和村の合併で誕生。 人口36,000人、児童人口6,000人。高齢化率は27.4%。市の職員は正規だけでも440人を超える。

 「主たる相談窓口」は市役所の子育て支援課に置くとともに、旧勝沼町と旧大和村に置かれた地域総合局の市民福祉課にも相談を受けられる体制。

 「主たる相談窓口の担当職員」は、本庁の子育て支援課では家庭相談員1人と保健師4人。保健師は母子保健事業のかたわら児童家庭相談に対応。地域総合局の市民福祉課では、課員が事務のかたわら相談に対応。

 新生児は300人程度なので、妊娠届けを受理した後、妊娠中に2回家庭訪問し、出生届けを受理した後、すべての新生児宅を少なくとも2回は訪問し発育状況を確認。必要に応じて家庭訪問事業による育児支援や家庭支援を行う体制をとり、重篤化する前に対応。母子保健分野が主導的に活動。

 「夜間・休日の対応について」は、市役所に宿日直者がおり、緊急の場合は宿日直者を通じて担当課の課員に連絡が入る。

 「研修の状況」は児童相談所と地方振興局が主導的に研修を実施。また保健所が児童虐待に関する研修会を開催しており、これには保健師が受講。

 「児童家庭相談を実施する上での困難点」は人員増や専門職の配置に課題があり、合併によるメリットを活かして人員の確保を図りたい。

 「地域協議会について」は、年度内には設置できるよう今後準備を進めたい。

 三重県の旧紀和町は平成17年11月1日に熊野市と合併。旧紀和町は人口1,718人。児童人口は147人。全国第2位の高齢化率(52%)。

 「主たる相談窓口」は合併によって児童家庭相談は福祉事務所が担当。旧紀和町では紀和保健センターが担当していた。保健センターを相談窓口とした理由は保健師が子育て相談を行っていたことや、母子保健事業を実施していたから。

 「主たる相談窓口の担当職員」は、兼任で2人の職員が配置。1人は保健師で精神保健福祉士の資格があり、もう1人は保育所担当の一般行政職。

 旧紀和町における「夜間・休日の対応について」は、保健グループと福祉グループ各々待機順番が決められており、役場の当直から業務携帯電話へ連絡が入る仕組みになっていた。常に2人で対応。

 「研修の受講状況」は、県の児童相談センターが実施した研修会へ参加。

 「児童家庭相談を実施する上での困難点」は、児童家庭相談のための人材確保が必要。

 「地域協議会」は、地域協議会及び虐待防止ネットワークともに未設置。理由は母子保健を中心とした「紀南地域母子保健医療推進協議会」が実際に稼働しており、設置する必要がなかったから。平成18年4月を目途に紀南地域で広域の地域協議会を設置予定。

 三重県志摩市は平成16年10月1日に5町が合併して誕生した市。三重県の南西部に位置し、人口61,336人、児童人口9,885人。

 「主たる相談窓口」は家庭児童相談室。

 「主たる相談窓口の担当職員」は2名、専任の社会福祉主事と非常勤の相談員。

 「外部人材の活用」は、要保護児童地域対策協議会の委員である大学教授、弁護士、心理職の3人を活用。

 児童相談所との役割分担で、ケースによる振り分けはしない。市に相談や通告があったケースすべてを児童相談所に入れて児童相談所の判断をあおいでいる。

 「夜間・休日の対応」は市の宿日直が電話等で連絡を受けて児童福祉課職員へ連絡する体制。

 「研修の受講状況について」は、児童相談所が主体となった研修を受講。

 「要保護児童対策地域協議会」は、平成17年6月23日に「志摩市児童虐待防止ネットワーク」から移行して「志摩市子ども家庭支援ネットワーク」という名称で設置。

 「守秘義務について」で、関係者の間に会議で発言しても大丈夫という安心感が生まれ、情報伝達が円滑になされるようになった。

 「地域協議会の目的について」で当初は「早期発見・早期対応」にウエイトが置かれていたが、これからは「発生予防」「保護・支援」にウエートが高まっていくのではないか。

 「地域協議会の児童虐待防止以外の業務分野」は、「非行」、「不登校」、「ひきこもり」「配偶者からの暴力対策」の取り組みも合わせて対応。

 「地域協議会の中で特に工夫していること」は「知恵を出し合って、支え合う」をキャッチフレーズにして関係機関自らの手作りのマニュアルを作成。「知恵」を出し合って、その「知恵」を共有していくことを目指している。

 「地域協議会機能充実のための課題」は、各委員に事前に出身母体となる職種全体の意見を集めた上で会議に臨んでもらう「宿題方式」の代表者会議の形式を心がけている。

 福岡県中間市は、人口約48,000人、北九州市の南に隣接し、産炭地域だった。高齢化率は25%。

 「主たる相談窓口」は総務部内の「明るい街づくり課」内に家庭相談係をおいている。また相談室も設置。

 「主たる相談窓口の担当職員」は女性係長が専任で1人。相談にくるのが女性が多いという配慮から、相談には専任の女性係長が対応。

 「外部人材の活用」は弁護士を報酬なしにて依頼している。担当係長との個人的なつながりを活かしてお願いしている。

 各ケースについて児童相談所に連絡するか否かの振り分け基準はない。担当係長の経験則に基づいた判断。

 「夜間・休日の対応」は、一義的な窓口は中央児童相談所が担っている。中央児童相談所に電話が入り、市に要請する必要がある場合には市が作っている連絡網を活用して連絡をする仕組み。

 「要保護児童対策地域協議会」は、市の保健センターの保健師、市立病院の小児科医、弁護士などのスタッフで協議会を設置。

 「要保護児童対策地域協議会の目的」が「保護・支援」から「早期発見・早期対応」「発生予防」に重点が移行した。幅が拡がった。

 「要保護児童対策地域協議会の児童虐待防止以外の業務分野」はいじめ、非行、不登校、ひきこもり、DVが複合的にからんでいるので、すべてを対象にしている。

 「要保護児童対策地域協議会の運営上の工夫」は関係機関と定例連絡会議を実施し、関係強化に努めている。小中学校とは年5回実施。

 福岡県稲築町は人口約20,000人。福岡県の真ん中に位置する。高齢化率は26%。平成18年3月27日に合併予定。

 「主たる相談窓口」は地域子育て支援センターが対応。担当職員はセンター職員の女性1人。保育士であるため、小学生以上の子どもの対応に苦慮している状況。

 各ケースについて、受け付けた相談はすべて児童相談所に連絡している。

 受理会議は月1回開催。メンバーは「子育て支援連絡会」のメンバーをいれている。

 「夜間・休日の対応」は一義的な窓口を児童相談所が担っていて、町は緊急連絡網を作って緊急の場合に対応する仕組み。

 「研修の受講状況」は県などが開催する研修に積極的に参加。

 「児童家庭相談を実施する上での困難点」は相談を担当する職員が保育士なので、小学校以上の子どもへの対応について、専門知識が乏しいので、専門知識を有する職員の配置が必要。

 「要保護児童対策地域協議会」は未設置。但し、虐待防止ネットワークは設置されている。

 志摩市が三重県でトップレベルのことをやっているのは、非常に熱心に取り組む職員がいて、それを支えて理解する上司がいるから。紀和町は生まれてくる子どもを町をあげて守り育てるという印象がある。非常に熱心な職員が外部委員をうまく活用しながらコーディネート力を発揮して、それを上司が支えるという構図でうまく行っているという印象がある。

 北海道は2町村とも新生児については全家庭にきめ細かく把握できていて、問題になる前に対応ができている。保健師が中心となって対応しており、保健師の気持ちは、何かあったときに児童相談所に相談するよりは、まず道庁の保健所へ相談するケースが多いと聞いた。

 大滝村は、もともと民生委員を中心に学校を回る「児童虐待防止対策連絡チーム」を持っており、うまく活用されていた。伊達市との合併でそれがなくなるか心配をしたが、地区の中で大事にしていきたいと話があった。

 中間市の印象は、窓口を民生部ではなく、総務部内に課を設置している。警察OBを嘱託にしており、かなり非行に力をいれている。女性相談員の後任の補充を求めても適任者がいないということでなかなか補充がないと聞いた。

 稲築町は合併を控えている。虐待の取り組みは進んでいるが、それでも子育て支援センターの中の専門職の保母が1人で頑張っているのは大変だという印象を持った。

 京都府では、児童家庭相談を市町村が児童相談所へすべて通告受理することはない。児童相談所へ援助依頼する場合と送致する場合の違いもある程度話をしている。

 三重県では、市町村を経ずに直接児童相談所へ相談に来るケースがほとんど。その中で特に虐待ケースはランクをつけて市町村へ返すという作業を続けている。県内児童相談所では、これが出来ているところとそうでないところがある。

 山梨県は、簡単な助言指導で終わるものはその場で対応してもらい、それ以上の継続指導が必要なものには、基本的に児童相談所が一緒に対応することを原則としている。山梨県では全体でそういう対応を進めている。

(フォーラム分科会)

 県と市町村との関係で、小さい市町村では虐待よりもむしろ障害の方が県へたくさん持ち込まれている。虐待以外のことも相当考えていかなければならない。

 市町村内部の問題で、人の量の問題と専門性・質の問題が非常に大きな課題。特に質の問題が市町村のレベルではなかなか確保できない。

(要保護児童対策地域協議会が果たす役割)

 ネットワークは何のためにあるかは、「子どもの安全を守るためにある、家族を支援するためにある」ことを共通認識にしたい。そのために機関同士が連携して、情報を共有しながらどういったことをその機関でやってくれるのかを知り、リスクをきっちり把握できるよう研修体制や問題の共有理解をしていくことが課題。

 「何のためのネットワーク会議なのか」は、代表者会議などの各会議にはそれぞれ役割がある。ただまだ流動的。地域の中で何ができるのか、出席して役に立つ会議づくりを検討していくことが必要。
 また、児童相談所等との関係は、当面一緒にやっていく姿勢が重要。市町村ネットワーク、要保護児童対策地域協議会で、失敗事例があっても再検討していくこと、また成功事例を通じて「子どもが地域で安全に家族と暮らすため」に創意工夫を凝らし、いい援助、防止策を求めて違いに切磋琢磨していくことが課題。

(市町村の相談体制・都道府県との関係)

 市町村と児童相談所とのケースの取扱いの関係は、虐待なら全部児童相談所へ投げて、児童相談所と一緒にアセスメントしていくとか、児童相談所にアセスメントしてもらってその中で対応しているという所と、ケースの状況に応じて振り分けた上で児童相談所に送っているところと大きく2つに分かれる傾向がある。

 横須賀市の場合、重度のものは児童相談所へ。中程度で迷うときは、先ず児童相談所へ相談して、通告するかどうかを決める。今後についても市町村として受けていく部分と、児童相談所と一緒に動いて行く部分はあるかと思う。ガイドラインなどしっかりしたものがあってもきっと悩むだろう。どの段階で児童相談所へ通告、連絡するか全国保健師協会でアンケートをとったら、ほとんど個人の判断でというところが多かった。組織として会議を開いて決定している所はまだ少ない。市町村レベルで受理する所、児童相談所へ送る所、終結する所、すべてにおいて会議で決めていくという体制がまだまだとれていないと感じる。

 経過的な考え方で、志摩市の場合、基本的にケースで分けない。市民の相談に係る情報はすべて児童相談所へ連絡する。だから通告すべきかどうかの迷いはない。児童相談所が判断するのは関わり合いの度合いとか中身をどうすべきかということ。所長はこのやり方が一番安心できると言っていたが、今後、志摩市が力をつけてくればこの辺の整理も変わると思う。

 ケースをどこが主管するかということと、どんな役割を担うかの住み分けは、ケースによる住み分けとそれぞれの持っている市町村の機能による住み分けがよい。ただ、責任の問題がある。

 相模原市の場合、市へ通告があったら、市で対応できるものはすべて市で対応する。その場合の情報は児童相談所へ全くいれていない。児童相談所の役割は、一つは市が対応に困ったときに相談をする。もう一つは、児童相談所が法的に持っている役割、権限を行使して、一時保護とか児童福祉司指導が必要などと市が判断するときは児童相談所へ送致する。

 やがて市町村の力がついていくと、一次的な判断は市町村がして、情報提供ぐらいの単純なもので、相談というよりも、「今こんなケースはほとんど市がやっております。」というくらい流しておいて、ときどき県の方でスクリーニングして、「ちょっと待って。危険度が高いからこれはもう少し持ってきなさい。」というようなやり方もある。中心は市町村の判断能力を高めるという方に行かないと、この児童福祉法の改正はあまり意味がない。

(市町村の職員体制の確保・専門性の向上)

 市町村における専門性とはどういうものか一つの課題。指針・手引きなどには概念的・理念的であり、市町村が求める具体的な専門性という目に見える形に迫ってこない印象がある。個々の指針でいっているのは、異動があった職員に対する研修。それではなかなか次の専門性は育たない。教職員や保健師や福祉一般事務職員が人事異動してきても耐えられるような基礎的な研修の実施が必要。

 基礎研修レベルは各自治体が自前でやって、専門的な研修は、各児童相談所辺りがオプションで上乗せするような形の研修をするというようになると、5年から10年くらいのスパンで考えていくと、人事のローテーションとか、人材もかなり育成していけるのではないか。

 市町村が相談の体制を整えるのは、児童相談所の側からも非常に切実な課題。京都府では、当分の間、市町村の職員を対象にした研修会を行う予定。

 専門性の問題で一番のキーは、兼務の問題。兼務はいろいろな仕事についてのエキスパートな部分を要求されるため、一点に集中するわけにはいかない。専門性をあげていくためには「当面3年間はこの仕事の専任ですよ。」というような位置づけが必要。1人の専任と2〜3人のそれを支える管理職が必要だと思う。

 受理会議等の会議の位置づけについても、「何月何日にどこで開きます。」といったような形にとらわれずに、誰かと話すことでこれを会議とするといったような考え方も必要ではないか。

 市町村には児童家庭相談を受ける部屋がないなど、ハードの部分に問題がある。

(要保護児童地域対策協議会)

 協議会の活動内容は、市町村と児童相談所との役割分担に関係していると思う。多くの協議会では市町村が主催しながら、県の担当児童福祉司にきてもらっている。そこで何を丁寧にやっていくか明らかになれば市町村と児童相談所の役割分担が進むと考える。

 協議会へNPOも参画するなど、直接支援ではなくても地域で電話相談をしている人たちの声が反映されるといい。県が主導で協議会の設置をすすめているという話をきくので、そのタイミングでネットワークの活用のことも含めて言っていただけると市町村も取り入れやすい。

 志摩市の場合、市町村が受けた受理会議・ケース検討会議を協議会で行っている。協議会の実務者会議で受理会議を行い、協議会のケース検討会議でケース検討会議を行っている。当然メンバーには児童相談所が入っているので、協議会が活性化している。但し、ケースが来るごとに協議会開催となるため担当者としては非常に大変との事。

 横須賀市の場合、協議会での個々のケースについての検討は考えていない。抱える人口面と参加者面から回数を増やすことはきつい。事例検討や研修のような形で、もう少し地域の中の問題をその地域でどういうことが起きているかを皆で情報提供しあって、検討する場に位置づけている。

 2つの機関が関わる場合には情報交換の連携・通常の業務の流れでいいが、3者ぐらいが関わることになると協議会的なニュアンスになる。いろいろ工夫しながら結局その中心になる職員が走り回っていろいろなネットをつないでいる感じがある。

(福祉事務所・その他について)

 相談員や保健師が各集会所を利用して「相談を受けます。」と出前相談をしたが、相談があまりなかった。体制を変えて、むしろ遊びの広場のような形で、その中にスタッフがさりげなくいて困ったことがあったら相談を受けるという感じにしてみたところ、集まってくる人が多くなった。
 相談の動機付けがあれば窓口を作っても来るだろうが、ちょっとした悩みから相談を拾い上げるときは、むしろつどいの広場のような場にスタッフが入っていくという気がする。
 市町村はさまざまな事業を行っている。何かあれば相談を拾っていく、軽微な相談でも情報を与えると助かる人は多くいる。

 相談とは何かというところから相談体制を整えていくことと、いろいろな事業をしていく中で住民の声を拾っていくという市町村の役割を改めて明らかにしていく。その中で本当に相談したい人を家庭児児童相談室などへつないでいく。さらに大変な場合には児童相談所も紹介できる一連の流れの中で、それぞれが役割を担うとうい相談体制をどうやってつくっていくか課題。

 子どもは里子、連れ子のどちらでも親試しをする。その親試しでしつけと称してたたいたりして命を落とす場合が多い。児童相談所がからまない場合のような子連れで再婚したケースの子どものフォローが必要。

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