06/01/25 児童自立支援施設のあり方に関する研究会第7回議事録 第7回児童自立支援施設のあり方に関する研究会 議事録 日時:2006年1月25日(水)15:30〜18:00 場所:厚生労働省 共用第6会議室(2階) 出席者:  委員   津崎座長、岩田委員、小木曽委員、野田委員、瀬戸委員   服部委員、藤岡委員、山内委員、吉岡委員  事務局   北井雇用均等・児童家庭局長、清川家庭福祉課長、   相澤総務課長補佐、佐藤児童福祉専門官   芝海家庭福祉課措置費係長 議事:  1. 開会  2. 議題    (1)児童自立支援施設のあり方に関するまとめ    (2)その他  3. 閉会 配付資料:  ・児童自立支援施設のあり方に関する研究会 第7回議事次第  ・座席表  ・資料 「児童自立支援施設のあり方に関する研究会」報告書(案)   ○芝海家庭福祉課係長  定刻には少し早いのですけれども、ただ今から第7回児童自立支援施設のあり方に関 する研究会を開催させていただきます。本日はご多忙のところ当研究会にご参集いただ きまして誠にありがとうございます。本日の研究会は、委員9名全員のご出席をいただ いております。  それでは議事に入りたいと思います。津崎座長、よろしくお願いします。 ○津崎座長  それでは、本日配られております資料の確認および内容の説明を事務局からお願いし ます。 ○芝海家庭福祉課係長  それでは資料の確認をさせていただきます。上から順番に「児童自立支援施設のあり 方に関する研究会第7回議事次第」、「座席表」、「配付資料一覧」、それから資料として 「「児童自立支援施設のあり方に関する研究会」報告書(案)」です。また、これは当研究会の 資料ではありませんが、近畿児童自立支援施設協議会より委員宛の要望書が届きましたの で、委員の皆様には配付させていただいております。資料がない場合はお知らせくださ い。 ○津崎座長  今日は相澤総務課長補佐、佐藤児童福祉専門官から資料のご説明いただくと伺ってお ります。よろしくお願いします。 ○相澤総務課長補佐  報告書(案)について説明をさせていただきます。前回までの議論を踏まえて、報告書 (案)を作成させていただいております。  まず「はじめに」については、制度面から施設機能の強化が図られたことについて、 9年度改正・15年度改正・16年度改正について触れ、そのあと児童自立支援施設の状況に ついて触れ、さらには取り組むべき課題について書いております。それに付け加えて、 少年法改正の動きということに触れさせていただき、その上で、将来を見据えた今後の あるべき方向について、2ページ目に抜本的な見直しを図る時期であるということを書 かせていただきまして、当研究会の設置目的として課題解決に向けた取り組むべき方向 性とか将来の構想などを打ち出して、施設機能の充実・強化を図ることを念頭に置きつ つ、児童福祉分野における少年非行対策の充実・強化を図るために設置されたという目 的について触れ、追記に8回と書いておりますが、これは、あくまでも予定ということ す。  それで当研究会の議論を踏まえて、当面早急に取り組むべき課題を中心に、取組の方 向性を可能な限り具体的に整理したものであるということを「はじめに」で申し述べさ せていただき、次に、「1.児童自立支援施設における自立支援についての基本的な考え方」 に触れるということにしております。  ここについては、子どもの健全な発達・成長のための最善の利益の確保など、子ども の権利擁護を基本として、子どもが抱えている問題性の改善・回復や発達課題の達成・ 克服など個々の子どものニーズに応じた支援を実施することが重要であるということを 前提にしつつ、その後、次のような考え方に立脚し、施設運営や自立支援を行うことが 必要であるということが書かれています。これを説明していますと、討議の時間がなく なりますし、前もって委員には配布させていただいておりますので、それが6項目書か れているということで、ここでは、できるだけ、ポイントだけを説明させていただきた いと思っています。  3ページ目ですが、そういう考え方に基づき、適切な自立支援を行うため、これまで 施設は、生活環境・空間、生活時間という限定された枠の中で、「よく働き、よく食べ、 よく眠る」といった言葉に象徴されるような生活を共に営む中で、子どもの持つ生活力 や子ども集団の持つ力を活用して、全人的な支援やケアを展開してきた。しかしながら、 それが十分に機能していない施設も見られ、本来施設が持つべき中心的機能の回復や充 実を図る必要があるということ、このために、理念の再構築とか再確認をする必要があ る。  4ページですが、支援を担う高い専門性の人材の確保と質の高いサービスを提供でき る施設、設備の整備が重要であることは言うまでもないということを申し述べまして、 さらに次のような自立支援機能の充実・強化及び施設の運営体制の充実・強化をはかっ ていくことが必要であるということで、大きな2番目として、「2.自立支援機能の充実・ 強化」という所を次に触れることにしました。ここは、入所から退所に向かって流れて 行くという構成で書かせていただいております。従って、「(1)支援技術・方法について」 ということですが、まずは「○アセスメント及び自立支援計画の策定のあり方」という ことで、前回「子ども自立支援計画ガイドライン」等についても活用するというご意見 がありましたので二つ目の黒ポツに入れさせていただきました。さらには、ケースカン ファレンス等の必要性ということも委員から出ましたので、三つ目の黒ポツの最後の方 ですが、ケース検討会議などを開催するといった児童自立支援施設と児童相談所との協 働による計画策定のためのシステムづくりを行うことも必要であるということをここに 付け加えさせていただいております。  続きまして、「○集団生活において個別の支援・援助が必要となった場合の支援・援助 のあり方」ということですけれども、5ページ目にできるだけ具体的にということです ので、より効果的な個別支援ができる個別寮や個別対応室などの設置が望まれ、施設の 建て替え等の際に整備を促進することが重要であるということをここに加えております。  さらに、発達障害というだけではなくて、被虐待経験ということもきちんと入れるべ きだということでしたので、タイトルとして「○被虐待経験や発達障害等を有する特別 なケアを要する子どもの支援・援助のあり方」ということで書かせていただいておりま す。  三つ目の黒ポツに個々の子どもの特性・ニーズに適合する教育的・治療的に構造化さ れた支援方法や非行などの行動上の問題など個々の問題性に対する効果的な改善・回復 方法などについて、日々の実践の中で検討し、精緻化していくことが必要であるという ことや、さらに医療機関との連携の必要性ということで、四つ目の黒ポツですが、専門 医師の配置や外部医療機関との連携・協力体制の整備、さらには、一番下の黒ポツにな りますけれども、心理療法担当職員については、集団で行うグループワークを担当する 職員と個別的にカウンセリングや個別療法を行う職員の複数配置、さらには心理療法室 の設置も望まれるということを加えさせていただいております。  続きまして6ページです。最初は「○被害者の視点を取り入れた教育のあり方」とい うタイトルでしたが、これだけでは十分ではないというご指摘もありましたので、こう いうタイトルが良いのかどうかわかりませんが、「○加害性と被害性の視点を取り入れた 教育のあり方」ということで、後ほど議論していただきたいと思いますけれども、そう いうタイトルをつけさせていただきました。ここでは、まず加害性と被害性の視点を取 り入れた教育については、子どもの持っている被害性の回復を図る中で、他者の苦痛な どを感じられるようになり、被害を受けた当事者や地域社会に対して責任を果たそうと する態度を形成していくことが、真の社会的規範の内面化にも結びつくものであり欠か せない取組であるということを書かせていただいております。また、こうした取組は、 被害者への配慮という観点からも重要であるということを書かせていただき、さらに、 子どもの年齢・発達段階などに留意して行う必要がある。具体的には、個別指導、個別 面接、作文のほか、個別的だけではなく全体的な取組も必要ということから、集団講話 とかグループワークということについても、ここに書かせていただきました。最後に、 こういう教育については、少年院における取組の成果の活用ということも、ここに付け 加えさせていただいております。  それから、7ページの「○リービングケア(退所準備)のあり方」ですけれども、実際 にリービングケアを行うことができる自活寮などの設置が必要であるということを、こ こに述べさせていただいております。さらには、実際の実践モデルやプログラムの研究・ 開発、さらに職場体験・職場実習の実施など職業感を身につける取組が重要であり、地 域の企業の協力を得ることやハローワークなどとの連携が必要であるといったようなと ころも付け加えさせていただいております。  それから、「○アフターケアのあり方」ですが、これについても、入所の段階から想定 して取り組むべきものであるということで、アフターケアは退所後の子どもの自立生活 を見通した計画をたてることが重要であること。さらには、つまずいたときの支援体制 を築くことが特に重要ということで、四つ目の黒ポツですが、退所後のアフターケアを 担う地域におけるサポートシステムの構築ということが重要であるというようなことと、 五つ目の黒ポツには具体的にサポートシステムを構築するための方法について、家庭訪 問や施設行事への参加、さらには施設職員が取り組むべきアフターケアの具体的な内容 について記載させていただいております。  8ページの「○親(保護者)支援・家族支援のあり方」ですが、これについては十分な 連携を図ることが必要であるということで、具体的には、最後のところに書かせていた だいておりますが、家族での宿泊を通じた関係調整や、家族療法を実施するなど家庭環 境の調整を図ることが重要だということを付け加えさせていただいております。  それから、「(2)学校教育(学習指導)について」ですけれども、実際に58施設中31施設 と、約半数に止まっており、従って、学校教育を実施すべく国においても積極的に促進 を図る必要があるということを付け加えさせていただいております。前回ご議論いただ きましたけども、二つ目の黒ポツですが、施設との連携状況など導入後の実施状況につ いて検証・評価するなど、今後のあり方を検討する必要があるということと、最後に施 設職員を教員として有効活用するなどの方策についても検討する必要があるということ を付け加えさせていただいております。  9ページですが、進路指導などについてのご意見がありましたので、最後の黒ポツで すが、進路指導や原籍校復学の問題などへのスムーズな対応を図るためにも、連絡会な どを実施して連携を図っておく必要があるということも、ここで付け加えさせていただ いております。  それから、「(3)施設機能の拡充について」ですが、これについては、拡充すべきとい う意見と、本来の機能がある程度機能できるようになってから施設機能は拡充すべきだ という議論がありましたので、全体として施設機能を拡充にするためには、本来担うべ き自立支援機能が有効に働き、子どもの自立支援が効果的に展開されることが前提であ り、その上で、次のような機能については、子どもの自立支援に支障のない範囲で拡充 することが大切であるということを最初に申し述べさせていただいております。  その上で、「○相談機能のあり方」ということで、具体的には9ページの一番下に利用 者の利便性を考慮し、児童自立支援施設との連携が可能な場所に児童家庭支援センター などを設置して相談援助を行うような取組も考えられるということを加えさせていただ いております。  さらに、10ページですが、「○通所支援機能のあり方」ということで、これについて も二つ目の黒ポツに、今後、通所支援機能の充実を図っていくために、例えば退所直後 の子どもを家庭から一定期間施設に通所させて、家族調整などを行いながらスムーズな 社会復帰を図るような取組をモデル的に実施することなどが必要であるということで、 具体的にはそういうことをここに付け加えさせていただいております。  それから、「○一時保護機能・短期入所機能のあり方」ですけれども、一時保護機能に ついては、二つ目の黒ポツに、施設間での委託一時保護についても実施するように児童 相談所の運営指針に示されているが、入所を前提としない委託一時保護については入所 児童に影響を及ぼす危険性があり、接触することのない生活ゾーンの設置など支障のな い範囲で受け入れるための方策について検討することが必要であるということ。さらに 短期入所については、効果が期待できる入所対象児童はどのようなタイプの子どもなの か、また、その子どものニーズに適合した自立支援プログラム作成のための検討を行い、 モデル的に実施して検証した上で本格実施に結びつけていくことが必要であるというこ とを、ここに加味しております。  続きまして、「3.施設の運営体制」ですが、これについては、これまで指摘してきた自 立支援の充実・強化を図るためには、施設の運営体制を充実・強化することが必要不可 欠である。特に、「福祉は人なり」と言われているように、児童自立支援施設の目的を達 成するためには、人間的にも優れた専門性の高い人材を確保することが極めて重要であ るということを、ここで申し述べさせていただいております。  その上で、「(1)施設長・児童自立支援専門員等の資格要件と人事システムについて」 ということで、「○施設長の資格要件・人事システムのあり方」としては、前回、委員か ら出されたように、ここでは児童相談所長に対して研修を義務化したのと同様に、児童 自立支援施設の施設長などの管理職に対しても研修の義務化を図ることが必要であると いうことを付け加えさせていただいております。それから、「○児童自立支援専門員等の 資格要件・人事システムのあり方」ですが、これについても、児童福祉司の任用資格要 件が改正されたのと同様に、少なくとも児童福祉に関係したことのない職員が任用され ることのないよう児童福祉施設最低基準第82条第7号を改正することが必要であるとい うことを加えさせていただいております。さらに、人事について、11ページの一番下で すが、寮舎の安定的運営を図るためには10年程度の経験が必要であると言われており、 また、職員の専門性を確保する観点からも、地方自治体は、経験の蓄積により、より専 門的で効果のある支援を図られるよう任用期間についても考慮するということについて 加味させていただいております。  それから、「(2)寮舎の運営形態について」の「○小舎夫婦制の維持・充実・強化のあ り方」ということですけれども、二つ目の黒ポツです。国は、国立児童自立支援施設に 小舎夫婦制勤務できる職員を確保し、地方自治体のニーズに応じて人事交流ができる仕 組みをつくることが望まれる。さらに、国は、将来的に非行少年などを養育してきた専 門里親を職業化して、寮舎を受け持つ形態での寮運営の仕組みを検討することが必要で あり、モデル的な取組を実施していくことが必要であるということを加味しております。  さらに、「○交替制寮舎の充実・強化のあり方」については、交替制の施設職員の専門 性を確保し、資質の向上を図るために、子どもへの支援の参考事例についても収集し、 提供することが必要である。13ページに、さらに寮舎の運営形態については入所児童の 特性に応じた効果的な自立支援を展開する上でも、小舎制が望ましい。寮舎の改築や新 設に当たっては、可能な限り小舎を整備することが望ましいということを加味しており ます。  それから、「(3)設置運営主体について」ですが、これについては、施設が持っている リスク等についてまずここで述べるべきだというご意見がありましたので、一つ目の黒 ポツで、児童自立支援施設が持っているリスク要因等について書かせていただいており ます。入所している子どもの特徴、さらには集団生活を維持・確保するための専門性の 高さ、一度そういう生活秩序が壊れたときの建て直しを図るための期間またはその期間 における子どもに対する影響等をここで述べさせていただいております。その上で、前 回書かれていたことを踏まえ、14ページですが、できるかなどの検討をすることが必要 である。とりわけ財政的基盤のあり方、現行と同等以上の支援の質を確保するための人 的配置、公的支援・連携システム、事件・事故があった場合の対応システム等々につい て慎重に検討することが必要だということを、ここに加味しております。  それから、「4.関係機関との連携」の「(1)児童相談所との連携」についてですが、児童 相談所との連携は極めて重要だというご指摘があり、二つ目の黒ポツに、例えば、ケー ス情報、援助指針などの提供及び児童自立支援施設側からのケース情報、自立支援計画 などの提供が十分でないといった状況、あるいは子どもの入所時期について、入れる側 の児童相談所と受け入れる側の施設の間で齟齬が生じるということがあるため、相互理 解を深め、信頼関係の構築を図るためにも積極的に人事交流や合同研修などを行う必要 がある。実際に人事交流をやって、機能強化につながっているという取組が見られると いうことも最後に付け加えさせていただいております。  それから、「(2)学校・市町村等地域との連携について」ですが、これについても施設 職員と教育現場、福祉局サイドとの人事交流や研修を含めた連携のあり方が必要だとい うことと、教育サイドで設置している少年サポートチーム等をアフターケアのための社 会資源として有効に活用することも重要であるということ。さらには15ページに、医療 機関との連携が重要であるというご指摘がありましたので、適切な診断を受けるために も医療機関との連携が重要であることを、さらには、その連携の上でも、特に児童相談 所、学校、警察、市町村、施設間での連携を深めることが重要であるということを加え ております。それと実際にその連携のあり方ですけれども、児童自立支援施設において は、さまざまなケース検討会議を積み重ねて連携のあり方を検討するということで、ケ ースカンファレンスをきちんとやるというようなご指摘がありましたので、ここに付け 加えさせていただいております。  さらに、「(3)児童福祉施設・少年院との連携について」ですが、具体性に欠けるとい うご指摘がありましたので、まず、児童自立支援施設と少年院においては、それぞれの 支援技術・方法や連携のあり方について情報交換を進めていくことが必要であり、合同 研修や人事交流を行うことが必要であるということ。それから、児童養護施設との連携 については、児童自立支援施設を退所した子どもの受け入れの円滑化を図るため、連絡 協議会や合同研修会などを定期的に開催するなど相互に有効活用できる方策について検 討することが必要である。  さらに、「(4)家庭裁判所・警察との連携について」ということを、ここに柱立てさせ ていただき、児童自立支援施設と家庭裁判所の定期的な連絡会を開催することによって 連携を強化していくということについて触れさせていただいております。また、警察と の連携ということについても書かせていただいております。  それから、さらに項目立てとして、「(5)児童自立支援事業に関する広報・啓発につい て」ということで、児童自立支援施設は閉鎖的で、どのような支援を行っているのかわ からないという指摘もあることから、国民一般に理解してもらうことが必要であるとい うことで、児童自立支援施設の実践等を紹介する出版物の定期的な発刊や、あるいはホ ームページの開設などで広報・啓発を行うことが必要であるということを加えさせてい ただいております。  最後に、「5.児童自立支援施設の将来構想」として、「(1)都道府県における児童自立支 援施設のセンター化について」ということで、非行などの行動上の問題のある子どもや 支援の難しい子ども等に対しては総合的な対応ができるセンターとして運営していくこ とが望まれるということです。  それから、「(2)国立児童自立支援施設の総合センター化について」ということで、「○ 自立支援機能の充実・強化のあり方」としては、リーダーシップを発揮するとともに、 効果的な寮運営モデル・実践プログラムなど児童自立支援事業全般に関する研究・開発 及びその成果の提供、さらにはここでご指摘いただいた支援技術・方法についての開発 や精緻化及び相談・通所・一時保護・短期入所機能の拡充などについてのモデル実施な ど、機能強化に積極的に取り組むことが必要である。  17ページですが、児童福祉分野で即戦力として業務を担うことができる人材の養成や 派遣、さらには職員の専門性の強化のための研修などを行うことが求められている児童 福祉や少年非行に関する情報発信センターとしての機能ということを、ここに書かせて いただいて、そういう機能を図るため国立武蔵野学院においては、相談・通所部門など を設置するとともに、養成所においては養成・研修部門の拡充や研究部門を設置し、独 立した組織として運営することが望まれる。国立きぬ川学院においても、養成・研修機 能を拡充するとともに相談・通所部門を設置し、両院が協働して事業を積極的に推進し ていくことが重要である。  「将来構想」としては、地方の児童自立支援施設では支援が困難な子どもに対応でき る高度専門的な役割を持つとともに、職員の専門性の向上、新たな技術やサービスの開 発・研究・情報の発信を行う総合センターとして国立児童自立支援施設の再編整備が求 められているということです。  最後に、「おわりに」ということで、少なくとも、これについてはまず早急に取り組む べき課題について、着実に一つずつ解決して成果を上げることが期待されることと、今 後の将来構想を踏まえて継続的に検討を行いながら、事業を推進していくことが必要で あるということで、「おわりに」とさせていただきました。  以上です。 ○津崎座長  それでは、引き続いて佐藤児童福祉専門官からご説明がありますでしょうか。 ○佐藤児童福祉専門官  補佐の相澤から説明させていただいた通りです。別添資料について、一つだけ付け加 えさせていただきますと、これは今回の報告書に盛り込む基本資料ということです。報 告書の内容に対応したものとして、幾つかご提示させていただきました。後ほどお目通 しいただいて、過不足等ありましたら、ご意見をいただきたいと思います。以上です。 ○津崎座長  それでは、ただ今説明がありました報告書(案)を基にして、その取りまとめに向けた 議論をお願いしたいと思います。順番に区切った形で、意見をお伺いしたいと思います。  まず、「はじめに」および「1.児童自立支援施設における自立支援についての基本的な 考え方」、1ページから4ページの上段の区切りまでです。そこまでの部分について、ご 意見等をお伺いしたいと思いますので、各委員の方々からご発言いただければと思いま す。  服部委員どうぞ。 ○服部委員  各論に入る前に、全般的なことについて少し意見を述べたいのですが、よろしいでし ょうか。  この報告書(案)には、大変多数の要望が入っています。ただ、網羅的というのは、あ る意味ゼロに等しいという面もあるわけです。そこで、重要項目については、具体的な 提案を盛り込み、具体的な提案が出ているものについてはさらに具体化していくという ような重点の置き方ということが一つあるだろうと思うのです。そこを意識して案を練 っていく必要があるのではないかというのが1点です。  2点目は、これは後ほど各論の中で、述べたいと思いますが、やはり子どもの視点が 弱いところがあるように思います。児童自立支援施設の一番重要な住人である子どもの 視点というものをきちんと踏まえ、子どもの声を聴き、また、子どもに説明をしていく というような視点をしっかり立てておく必要があるように思います。これは、後ほど各 論の中で述べたいと思います。 ○津崎座長  以上でよろしいですか。最初に言われた重点の置き方を踏まえてまとめるということ ですが、例えば、具体的に今(案)に示されている内容を、服部委員の考え方に基づくと どのように編成し直したら良いのか。その辺のお考えを少し述べていただきたいと思い ますが、いかがでしょうか。 ○服部委員  提案書(案)を並列的に読んでしまうということがあり得ると思います。例えば、この 研究会では福祉を支える人事のことをかなり重点的に話しました。そこはもっと強調す るというか、もっと前面に出す必要があるのではないかと思います。そういう、さらに 立体的な報告書にしていく必要があるのではないかという意味です。 ○津崎座長  そういうことであれば、例えば、人事のことを「はじめに」の前提の中でもっと取り 入れて強調すべきということなのでしょうか。 ○吉岡委員  それに関連すると思うのですが。これは総花的になっていると思います。数えてみた ら、「重要である」とか「必要である」というのが、75以上あるのです。見逃したもの もあると思うから、多分80以上あると思います。児童自立支援施設は、それだけ必要な ものがあるという事態になっているのです。その現状を解決するために、どこにポイン トを置くかということが一つ。それから、こういう現状を招いた原因が一つと、もう一 つは第一回のときに局長が言われた少年法改正の問題に対して我々がどう思うかという ことや、公設民営ということも大きなポイントだと思いますし、その他に服部委員がい われた専門性の確保など、重要なポイントを決めて、大きな大木の幹はどこで枝はどこ かということを考えないと、これでは少し細かなことが多すぎると思います。 ○津崎座長  そうすると前回の話では事前にお配りいただいたこの報告書に修正等を含めて意見を 頂戴して、まとめたいという事務局の方のお考えもあったわけですが、もっとかなり組 み替えないといけないという理解になるのでしょうか。 ○服部委員  全部重要だと思います。実はまだ足りないくらいだと思います。しかし、現場を良く したいという気持ちを私たちは持っていて、そのためには力点の置き方というものがあ ると思うのです。そういうめりはりをつけた報告書を作る必要があるのであって、何か を削ってしまうという意見ではありません。 ○吉岡委員  私もそうです。これを順番にやっていってもいいと思いますけれども、私の言った点 についてそこを膨らませるとか、「はじめに」と「おわりに」の所に我々がこれを設置した 理由と何を検討したのかということを入れていただければ結構です。途中の所は専門性 の確保や運営形態という所を重点的に書いていただければそれで十分です。 ○津崎座長  今のご意見をお伺いすると、絞り込むポイントのもう少しめりはりをつけたものを、 「はじめに」あるいは「おわりに」の所でもう少し強調的に書いて、全体が羅列的に書 かれているという印象を少なくする、強調点をはっきりわかりやすくするという理解で よろしいでしょうか。  そういうことのようですので、今回の研究会が開かれた経緯や背景などを多少は文章 の中に取り込みながら、今回の論議の中で特に強調すべき点について、再度「はじめに」 ないし「おわりに」の中でより強調した形でクローズアップさせるという全体の構成と いうことをご検討いただきたいということで、よろしくお願いしたいと思います。  それでは先ほどの範囲の所で、中身の具体的な文章の修正等も含めたご意見を伺いた いと思いますが、いかがでしょうか。 ○瀬戸委員  まず1ページですが、結論だけはメールで事務局の方に送っているのですが、まず本 文の3行目です。「少年非行における低年齢化や凶悪化」と書いてあるのですけれども、 低年齢化はいいと思うのですが、凶悪化についてはあまり最近は言わなくなっています ので、「低年齢化など」で止めておいて十分ではないかと思います。凶悪化についてはい ろいろな意見がありますので。  次に同じく1ページの下から3行目です。「相次ぐ年少少年による」と書いてあります けれども、「相次ぐ」というのは将来に向けておりますので「相次いだ」としてもらいた いというのが私の意見です。  それから、一番下の行です。少年法の改正につきまして、これは一部でありまして、 調査をめぐっての児童福祉の問題と警察の権限等の問題もありますので、特に少年院に 収容するというところで「この点については」ということを「従来」の前に入れていた だきたい。  それから、2ページの1・2行目です。これは元々児童福祉領域が対応してきたものを 少年院における援助の道を拓こうとする目的のものであるというような形のものにして いただきたいという意見です。この研究会の一つのきっかけであることは当然認めるわ けですけれども、法改正についてそれぞれ議論のある中で、正しい児童福祉のあり方と いう点でしていただきたいということです。  つぎに、2ページの下から7行目です。「生活力を基本にしながら」とありますが、基 本にしていないのではないかと私は思います。素人ながらの感じですが、「志向する」と いうようなのがいいのではないかと思いました。  それから、下から3行目です。「支援基盤を構築することが必要である」と書いてある のですけれども、前回私が欠席したときにいろいろご議論いただきましたけれども、「支 援基盤を構築することが必要である」ということは構築基盤がないということになると 思うのですが、そうではなくて基本的にそれはあると思います。これは重要であるとい うことを確認して、なおかつ自他の権利を擁護するためにも基盤の充実に取り組むこと が必要であるというような形の方がいいのではないかという印象を持ちました。  3ページの下から8行目です。「よく働き、よく食べ、よく眠る」という言葉ですが、 伝統的にそう言われていたと思うのですけれども、これは義務教育6年の時代の話では ないかという感じがします。これを出されると素人は、ここは学びがなく働いて食べて 寝るだけの所かという誤解を招くかと感じましたので、「生活や学びを共に行う中」とい うような表現がいいのではないかと思いました。 ○津崎座長  他の委員の方はいかがでしょうか。 ○岩田委員  「はじめに」の所です。平成9年の児童福祉法の改正の位置づけの所で「教護院」か ら「児童自立支援施設」に名称が変更したということと、「その機能については、単に入 所児童を教育・保護するだけでなく」という表現をしているのですけれども、「教護」と いうことが単に教育・保護だけだったのかというと、従来からも基本的には社会の中で 自立をさせていくということを目的としていたと思うのです。ですから、今までの教護 院をこういう捉え方で表現されるのはいかがかなという感じがします。だから素直に、 機能としては通所という機能が付け加えられたのだという表現にしてはどうかという事 が一点です。  それから3ページの基本的な考え方の(6)の所です。「地域住民の福祉ニーズに対応した サービス提供が展開できるよう運営することが必要である」という表現があるのですが、 児童自立支援施設の場合は都道府県に一つであって、理念としてわからないことはない のですが、現実には「地域住民の福祉ニーズに対応したサービス提供」というのはあまり 重要な要素ではないのではないのかと感じます。もちろん地域との関係で、場合によっ ては迷惑な施設であるという捉え方をされるので地域との関係は重要視しなければいけ ないのですけれども、「地域住民に対するサービス提供」という所を基本的な考え方の中 に入れると少し違ってくるのではないかという印象を持ちました。  それから3ページの下から4行目です。「現状においては、このような機能が十分とは いえない施設も見られ」という所は、その通りではないかと思いますけれども、きちんと やっている所もあるので、「このような機能を発揮することが困難になってきている施設 も見られ、こういう施設については何よりも本来施設が持つべき中心的機能の回復や充 実を図る必要がある」という表現にしてはどうかと思います。そういうなかなか発揮で きないような施設についてはどこを柱としてやっていくのかといったときに、やはり中 心の機能をきちんと回復していくという取組みが必要であるという表現をしてはどうか と思います。それから続いてその流れの中で、「このため、自立支援の理念を再確認する とともに」に加えて、「新たなニーズにも対応できる自立支援の理念を再構築することが 必要である」というのは流れないのです。一旦そこで切らなければいけないと思います。 「理念を再確認する」ということ、そして「その取組みをする」、それからさらに発達障 害の子どもたちなどという問題が出てきているので、そういうニーズにも対応できる理 念の構築が必要であるというような、少し丁寧な表現ができないのかと思います。 ○津崎座長  他の委員の方はいかがでしょうか。 ○山内委員  全般的に基本的な考え方については重要なポイントを置いていただいていると思うの ですが、特に前にも議論がありました「枠のある生活」というところで、逆に非常に丁 寧に子どもたちの自主性などを書き込みながらやっていただいているのですが、先ほど 服部委員が言われたように、ここに最初に書いてある子どもの権利擁護というところを もう少し前面に出していただいて、子どもの声を聞くとか子どもが主体であるとか、意 見箱であるとか第三者委員とかいろいろな取組はできていますけれども、なかなか児童 自立支援施設での子どもの声をどのように聞くのか、あるいは「枠のある生活」の中で 子どもの声をどう生かしていくのかという非常に難しい問題があるのですが、非常に重 要な問題ですので、特にこの(1)・(2)の所にそういった部分をもう少し強調して入れてい ただくと、子ども主体の取組が必要なのだというところが出てくるのではないかと思い ます。 ○津崎座長  他にご意見はありませんか。 ○小木曽委員  大変細かいことですが、2ページの下の所です。「枠のある生活」の説明で「心温まる」 という表現があるのですが、どちらかというと少し情緒的なのかなという感じがします。 例えば「子どもの発達段階や衣食住も含めて個別的な段階に合わせて保障する」という ような表現をされた方がいいのではないかと思います。 ○相澤総務課長補佐  ここは「家庭的で」というところに引っかけたのですが。 ○津崎座長  他にご意見はないですか。  私もこの部分で気になりましたのは、瀬戸委員が言われた1ページの3行目の「凶悪 化」ということです。流れで見ていくと、どこかに「重大事件の発生」という文言で説 明されていた部分がありました。最近かなり重大事件が発生していますので、何も書か ないと若干抜けているかと思いますので、むしろそういう表現でされるといいと思いま す。「凶悪化」ではなくて「重大事件の発生」というような事があるということを踏まえた 表現はいるのではないかと感じました。  それから3ページの「(6)地域住民の福祉ニーズに対応して」のところです。岩田委員が おっしゃったように、児童自立支援施設は地域と多少距離があるのですが、ただ退所児 童が地域に帰ったときにその子どもたちが適応しやすい状況については、地元の学校や 地域の調整が要りますので、その辺はいろいろな機関連携の中でそういう地域性という 事も踏まえた一定のサービスというものが要るのかという気も少ししました。そういう 意味では、退所児童に関連付けて書いていただくとあまり抵抗がないのではないかと思 いました。  他にご意見はありませんか。 ○服部委員  今の津崎座長のご指摘ですが、地域住民との交流というのは児童自立支援施設で生活 している段階から必要なことだと思います。いろいろな行事がありますが、施設の中だ けでやるのではなく地域の行事に参加したり、例えばプールも外に行って利用してみた り、そういうことを含めての開放施設だと思うのです。それは児童自立支援施設にとっ て大変重要な要素で、卒園後だけの話ではないと思います。 ○岩田委員  ここの地域住民といったときに、子どもの地元という意味であるのか、施設が存在し ている地域住民のことなのかという問題があります。施設が存在している地域住民との 関係では、存立を地域の人にきちんと理解してもらうという意味で、地域との交流とい うのは大事なことなのです。しかし、その施設の存在している地域住民の福祉ニーズに 答えるということになると、施設の性格からすると若干異なる所があります。子どもの 地元である地域との関係だとすると退所後地元で生活していくわけですから、そこでの 地域の見守りの体制づくりについていろいろな努力をしないといけないということでは ないのかと思います。 ○服部委員  きれいにまとめていただいて、私もその通りだと思います。 ○相澤総務課長補佐  ここで強調したいのは、確かに開かれているといってもなかなか活用できないのです けれども、しかしながら施設としては地域福祉のニーズにこたえるという意味としては、 近隣で行われる講習会の講師を務めるとか、そういう地域福祉のニーズにこたえられる ものは積極的にこたえていくということはどこかできちんと入れておく方がいいのかと、 そういう意味も含めて書かせていただきました。 ○津崎座長  今おっしゃっていただいたように、地域との幾つかの連携の仕方というものがあるよ うに思いますので、その辺の例示的説明のようなものも入れ込んでいただくと、多少誤 解が減るのかという気がします。 ○吉岡委員  先ほど津崎座長や瀬戸委員も言われたかもしれませんが、1ページに「相次ぐ年少少 年による重大事件」と書かれているのですけれども、瀬戸委員は「相次いだ」にして欲し いと言われていましたが、私の認識不足かもしれませんが年少少年による重大事件がそ れ程相次いだのでしょうか。17歳ぐらいというのはたくさんあったと思うのですが、14 歳未満の子どもでそれ程相次いだという記憶があまりありません。以前から服部委員の 研究でも年少少年の重大事件はそれ程増えていないという具体的な数字も出ていますか ら、こういう表現を使うと根本的に変なことになるという気がしますが、いかがでしょ うか。 ○瀬戸委員  ただこの少年法改正の動機というか、立法動機としては「相次いだ」年少少年による 重大事件・触法事件を契機にしていることは間違いないことなので、それが正しいとい う意味ではなくて、今の立法作用としてはそういうことの対策として打ち出しているの で、その説明自体は間違いではないだろうという意味で申し上げました。 ○津崎座長  マスコミに大きく取り上げられて、印象が強かったということでしょうか。 ○吉岡委員  そうです。だからそれに乗らないようにしなければならないと私は思います。かつて もたくさんいましたから。私も具体的に何人も知っています。 ○津崎座長  その辺の具体的な表現は、少し工夫をしていただくということでお願いしたいと思い ます。ここの部分ばかりになると次に進めませんので、次に進みたいと思います。 ○藤岡委員  3ページの(3)です。「子どもと職員との間で愛着関係・信頼関係を育み、深めていくこ とが重要である」という所ですけれども、確かにそうなのですが、一つは年少のいわゆ る重大な犯罪を犯した子どもたちが児童養護施設や福祉の場面で思えるような愛着関 係・信頼関係というものを育めるのかどうかという問題があって、要は重大な犯罪行為 を犯さなくなればいいのであって、愛情などに関連づけて子どもを引っ張っていくとい うのとは違う技法が当然あり、それがだんだん重要になってきている時代なのかと思い ます。愛着関係・信頼関係が大事なのは、職員を通して愛着関係を持ったらそこに同一 視して、社会的な価値観や態度を身に付けていくという所が次のポイントになるので、 愛着関係を深めていくことが重要であるというのはその一歩手前の一要素に過ぎないの で、そこの所をもう一つ書いて欲しいという気がしました。 ○津崎座長  今の意見は、現役の施設長はいかがですか。 ○岩田委員  この問題は以前に全国児童自立支援施設協議会(全児協)で児童自立支援施設の将来像 を描いたときに、基本理念の中で少し考えたところです。我々の施設というのは非行の 子どもたちを受け入れているわけで、そういう意味では社会にもう一度戻すときに規範 意識というものをもう少しきちんとした形に作り上げて戻していくという課題を背負っ ている。その規範意識はどうやって身に付くかといったときに、信頼できる大人を通し てそれが形成されるのだという捉え方をしたわけです。そういう意味で信頼関係を作る ことが非常に重要な要素になってくるという意味合いで書いたので、多分ここに書かれ たこともそういうことが前提になった上での表現であろうと思うのです。だからさらに それを一歩先まで表現するかどうかということであろうかと思います。 ○山内委員  今までどちらかといえば児童自立支援施設は岩田委員がおっしゃったように、まずは 愛着関係・信頼関係をベースに子どもの成長発達を促していく。またそういったことを 通じて自立あるいはアフターケア、地域に帰りながらそういった態度とか社会に対する 規範性をもっと身に付けていけるような土壌を作っていくことを目的にやってきたわけ です。  もう一つは今おっしゃっている重大事件の関係のその後にも出てくる被害者性や加害 者性を意識した教育と、両方が非常に大事になってきているのでそういう流れの中にあ るのは確かなのですが、基本は子どもの児童自立支援施設の教育なり援助の仕方として は、子どもと職員あるいは子ども同士の信頼関係が基本であって、ここを一番の基礎に してこれからも続けていかなければならない。次のステップについては新しい考え方を 取り入れていくことを次の章で書いていただいているので、ここでは私はこのままの書 き方でいいのではないかと思います。 ○津崎座長  両方の意見が出てきましたので、表現をどうまとめるのか難しいです。 ○相澤総務課長補佐  藤岡委員がおっしゃることはその通りだと思いますが、非行の行為が改善されればい いということが目的になりますけれども、合わせて子どもの発達・成長という事もその 中で考えていかなければならないという観点からしますと、関係性が非常にとりにくい 子どももいることは間違いないと思いますが、しかしながらその関係性を重要視しなく てもいいということではありませんので、そういう観点からこのように入れさせていた だくということで、ここはこのままにしていただきまして、藤岡委員がおっしゃったこ とについては違った所で表現を入れ込ませていただくということでよろしいでしょうか。 ○津崎座長  はい、そういうことで結構です。  それでは次に移りたいと思います。4ページの「2.自立支援機能の充実・強化」の「(1) 支援技術・方法について」という部分で、8ページの中段までの内容についてご意見を いただきたいと思います。いかがでしょうか。 ○瀬戸委員  まず5ページです。4行の文のすぐ後に付け加えていただきたいことがあります。こ こでは個別寮や個別対応室の設置について書かれていて、これについてはもちろん賛成 なのですが、私としては元々のこの議論の一つのきっかけである少年法の改正との絡み も含めまして、強制的措置対応寮のあり方についても私個人の考えも申し上げましたし、 同様の考えの方も一部おられたと思います。希望としては、こういった個別寮や個別対 応室とともに整備の過程では、少年法改正の動きとも関連して、強制的措置対応寮のあ り方についても合わせて検討して整備する意見も一部あったということを入れたいとい うのが私の意見です。  次に同じく5ページの下から三つ目の黒ポチです。「医療・心理・福祉・教育のスタッ フ」と書いてありますが、心理はスタッフにはならないのではないかと思います。教育の スタッフ・福祉のスタッフ・医療機関のスタッフというのはわかるのですが、「各機関な ど」というようにして言葉の使い方に気をつけていただきたいと感じました。  6ページの「加害性と被害性」の所です。最初のところで「加害性と被害性の視点を取 り入れた教育について」とはせずに、「入所児童が」の後に「施設での生活を送る中で」 というような言葉を入れて、説明をして、そのような意味でこの文の最後に「施設の支 援のあり方として被害者性と加害者性の視点を取り入れる教育という観点も重要であ る」というような形の方が説明としてわかりやすいのではないかと思いました。  それから、加害性と被害性のところですけれども、これは子ども自体の加害性・被害 性ということと外部の人が受けた被害というのがわかりにくいですので、3行目の「被害 を受けた当事者」という所は例えば「非行によって」などと入れた方がわかりやすいので はないかと思いました。  次の黒ポチの「こうした取組は、被害者への配慮という観点からも重要である」という 書き方はしっくりこないので、「求められている」などの方がいいのではないかと思いま した。 ○津崎座長  他の委員の方はいかがでしょうか。 ○服部委員  4ページの「○アセスメント及び自立支援計画策定のあり方」の部分ですが、ここは要 するに児童自立支援施設のスタートをどう築いていくかということだと思うのです。そ ういう視点からいうと抜け落ちている点があって、子どもと親へ適切な情報を提供する ということが必要です。  6ページの「○加害者性と被害者性の視点を取り入れた教育のあり方」の所で、瀬戸委 員の指摘には賛成ですが、子どもの被害者性に関し大変重要な調査結果があって武蔵野 学院の元ドクターの阿部さんの調査結果ですが、収容児童の自傷行為、それから自殺企 図の比率が極めて高いのです。約半分が希死念慮をもった、4人に一人に自殺企図があ るという結果が出ていて、このような問題をきちんと踏まえておくことが大事だと思い ます。非行によって本人が被害を受けたというよりも、もっと根本的な被害者性があっ て、それを受けとめていかないといけないのではないかと思います。 ○野田委員  今の部分に関連してですが、この研究会の場ではなくて外から読んだときに、日頃自 分が使っている言葉との関係から考えてみても、この加害性・被害性という表現の仕方 で、理解ができるのかどうか疑問に思います。被害者性・加害者性というところと、生 い立ちの中でいろいろ傷を負っているみたいなところ、それから先ほどもおっしゃられ た、事件によっての被害者というのがはっきり想定できる類系のものと、そうでないも のとがあると思います。そこのところをクリアにしていただけるといいということで、 私も文書的には既に素案として出してあります。  ただその中で、これは先ほど出ましたけれども、被害者が想定できるものに関しての この部分というのは、例の贖罪教育その他も含めていろいろ社会的にも求められている 側面があるので、そのことについてきちんと、特にその被害者が発生しているような問 題行動にかかわった子どもに関しては、ここに書かれているように、行った行為と同時 にその被害者のことに思いを至らすという処遇が片方で必要です。しかし、本来的にそ こまで成熟してない子どもであり、かつ実年齢としてもまだ幼いということと、その生 い立ちの中で被害経験を持っているというあたりから、単純に悪かったのだからどうか という話だけではなくて、それを受けとめられるような丁寧な育ちを支えるというそこ の構造・段階を分けてクリアにしていただくと、誤解が生じないのかなと感じています。 ○津崎座長  他の委員の方はいかがでしょうか。 ○岩田委員  4ページの「アセスメント及び自立支援計画策定のあり方」の表題は、計画策定のあ り方という形になっているのですが、計画を策定しないといないわけですけれども、そ の計画に基づいて支援をしていくという内容が入らないといけないのかと思います。そ の場合に大事なことは、計画策定のためケース会議に加えて、実際にそれを支援してい く、その過程で評価をしていく、そういうシステムが必要であって、その場合に寮の職 員だけではなくて、施設の管理的な立場にある人間がスーパーバイズをしたり、あるい は場合によっては外部からの委員を入れてスーパーバイズをしながら、自立支援計画に 基づく支援をやっていく必要があることを書かないといけないと思います。それが施設 長の資格の問題とか、どういう人間が求められるかということにつながってくるのでは ないかと思いますので、そういう書き方をしたらどうかと思います。  それから2番目の「集団生活において個別の支援・援助が必要となった場合の支援・ 援助のあり方」という所です。何か突然これが入ってくる感じがします。なぜこの問題 がわざわざ項目としてあがっているかというのは、児童自立支援施設の中で施設が崩壊 する、あるいは寮が崩壊するという事態が発生することがあり、私たちの施設は福祉的 なアプローチをするという建前になっていますけれども、子どもがかなり暴力的な行為 に出るということがあって、それに対する対応がきちんとできなければ、施設の本来的 な機能が発揮できない側面がある。そういう側面から個別の支援・援助が必要となった 場合の対策が、きわめて重要な問題になるという前置きをしないといけないのではない か。  それから「加害性・被害性」の所です。表題も考えていただきたいと思いますけれど も、いきなりこの表現がくるのではなく、先ほど言った児童自立支援施設が非行の子ど もたちに対する基本的な取組のスタンスです。それは入ってくる子どもたちが、本当に 大事に育てられなかったという成育上の問題を抱えていて、それに対して入所した子ど もたちを、職員の大人が一人の人間として丁寧にかかわっていく。こういうことによっ て人間に対する愛着関係を作っていって、そしてそれを規範意識の問題に結び付けてい くという取組がベースにある。それは極めて大事な取組である。しかし一方で重大な事 件を引き起こしたケース等があって、その場合に被害者の問題についてきちんと向き合 う必要がある。そういう時の取組のスタンスは、どういうスタンスなのか。こういう整 理をしていかないといけないのではないかと思います。  それから3点目は7ページの「アフターケアのあり方」の所です。ここも少し表現は 構造的に変えてもらいたいと思うのです。一点は、退所した後施設がどういう取組をす るのかということ。それから地域に帰すよりは、別の社会資源でアフターケアなり、自 立を支えていく仕組みが必要であるということ。それから3点目は、地域に戻った場合 の地域のサポート体制をどう充実していく必要があるのか。少し整理をした形で表現を したらどうかと思います。 ○津崎座長  他の委員の方はいかがでしょうか。 ○相澤総務課長補佐  「加害性と被害性の視点を取り入れた教育のあり方」というこのタイトルですけども、 事務局としましても、どういうタイトルを付けていいか非常に悩みました。これは非常 に難しいです。先ほど説明しましたように、ここについてはご議論いただきたいという ことで、こういうタイトルであればこの研究会としてはいいという、具体的に何かいい 提案があればぜひ言っていただけたら助かります。 ○津崎座長  具体的な表現の仕方でこういう表現がいいのではないかというご意見があれば出して いただいたらありがたい。加害性と被害性をうまく表現するような言い回しです。 ○吉岡委員  それは先ほど野田先生が整理されて出されたということではなかったのですか。 ○野田委員  タイトルを整理したわけではないのですが、岩田委員がおっしゃったのと同じように、 二つの側面があると思います。その子自体の育ちに寄り添う、あるいは元々持っている ここで言う被害性みたいなことと、それをどうやっていくかという問題と。ただ私の中 ではどうしてももう一つ、被害者の存在として児童自立支援施設に何を期待していいの か、あるいは被害者サイドから言ったら、我々のことは視野に入れてくれないのかとい う問題。これは多分、すっきりと分けて被害者の存在とか、あるいは自分の行った加害 行為についてきちんと向き合うことに関して一項目立て、そして育ちを支えるためにど うするのかという形ならば、すっきりいくと思います。これを包括して一つの項目でと いうことになると、私の中で価値分裂を起こすので少し黙ってしまいます。 ○相澤総務課長補佐  具体的にはないという感じですか。 ○吉岡委員  だから一緒に書くのは難しいので、児童自身の中の加害性と被害性ということと、社 会にとって、そういう二つの側面があると思う。一緒に書くとおかしくなる可能性があ る。 ○津崎座長  今のご提案に対してご意見ありますか。元々の子どもの被害性を独立させて書く。そ うしてその被害性が加害に転化した対社会との関係についても、一定のまとめをむしろ 分けて表現する方がいいということでいいですか。 ○服部委員  被害性という言葉が出てきたので、子どもの内にある被害性にも触れないといけない ということになっているわけです。でもその部分は、岩田委員が指摘されたように、前 提としてあって、そのために何が必要かという順序だと思うのです。ですから子どもの 被害性というのが、当然前提としてあるはずで、そこを書き分けるよりも、もし項目を 置くのであれば、被害者との関係に焦点を当てて、報告書を作る方がいいのではないか と思います。 ○津崎座長  だから前提のところの被害性はもっと違う所できちんと説明をする。ここの部分では どちらかと言うと、子どもと被害者との関係というタイトルにして、その問題に対して、 どう具体的に向き合うのかということをポイントに据えて整理する。こういうことでよ ろしいでしょうか。 ○藤岡委員  いい考えがないのでしゃべれないのですけれども、子どもの被害性は当たり前のこと というご意見が出たのですが、当たり前のこととは言いながらきちんと扱われていない という感じはしています。「かわいそう」と言って、外から見てこの子父親に虐待された のだと職員が話しているかもしれないけれども、子どもがそのときに何を感じたのか、 そのことがその後の非行行動にどう関係したのかということは、きちんと聞かれてはい ないと思います。したがってそれをきちんと扱っていくことが、その子が加害行動する ことになってきたことの前提として、とても大事なことになってくると思います。  それから子ども自身の被害性と加害性のことと、被害者への何らかの謝罪なり償い行 動を分けて書くということはあり得ることだと思います。例えば、対等で協力的な関係 を持つための教育とか、暴力を考えるとか、自他を傷つけないとか、そういうキーワー ドを持ってくるという可能性もあると思います。ただ個人的には社会的な認知がないの で提案しにくいのですが、RJの概念、修復的正義とか回復的正義というキーワードを 持ってくると、ぴたりと来る感じはしています。それは本人と被害者と地域社会の人々 全ての回復を求める方向性ということです。加害者、子ども本人にとっては自分の被害 性を認識し、その上で加害をしたことの責任を負っていくという回復を助けることにな りますし、被害者に対しても受けた被害を回復させるための手立てを、本人も施設も社 会も追っていくことになりますし、社会全体でそういった暴力の被害を考えていくとい うアプローチになると思います。ただ少し大風呂敷です。  それとここにもう一つ、実は私は入れていただきたいと思っているのは、これも入ら ないのかもしれないのですけれども、子ども本人への働きかけばかりが強調されている のですが、当然ここにも「親子関係・家族関係・友達関係を含む生活全般の見直しの中 で行われているのが実態であるが」と書いてある通り、このことを扱いだすと、親との 関係とか、それから加害者は親と仲間・学校でのいじめ、それからその他の大人からの 加害とか、ものすごくたくさんの被害を子どもたちが受けていて、子どもたちのやった この責任を追及するだけで、この子どもに加害を与えた事は置いておくのかという話が 出てくるのではないかと思っています。 ○津崎座長  今、藤岡委員がおっしゃった親との関係の問題は8ページには出てきます。「○親(保 護者)支援・家族支援のあり方」。この項目の中で今おっしゃった親との関係、あるいは 親だけではなくて周りの大人とか、そういうものも含めてここで述べるのかどうか。い ずれにしましても、いろいろな関係の中で被害を受けているということを、しっかりと 踏まえた形での支援が明確になるような形が望ましいということだと思います。 ○野田委員  質問を含めてですが、この間、被害者対策の基本要綱的なものが全省庁をあげてまと められているかと思いますが、児童自立支援施設のこの部分に関しては、何か触れられ ているのかということを分かる範囲内で結構なので教えていただきたいということが一 点です。  私自身も子どもの育て直しの所に力点を置いて、ここの部分というのは非常に必要な ことだと思っている一方で、昨今の少なくとも被害者を二次的なものにしないというと ころでは、その立ち位置ということもきちんと尊重していくというか、守っていくとい うか、そのことをこの時期のまとめとして、柱として立てておいた方がいいと思ってい ます。それは決して矛盾することでもないだろうと思う一方で、きちんと児童自立支援 施設に行って帰ってきた子どもが、被害者に対して非常に態度が悪いという形で、間違 いなくサンクションが出てきますので、その中で児童自立支援施設がどういうスタンス で何ができるのかということも書き加えておいた方がいいのかと思っております。 ○津崎座長  事務局の方でいかがですか。 ○清川家庭福祉課長  被害者基本計画の中で、直接児童自立支援施設に関しての取り扱いについて盛り込ま れているということはありません。ただ、少年院等について、保護処分を受けて少年院 に入ったような少年について、被害者への情報開示等の観点から、いろいろ検討をして いくというような項目については、法務省の観点から入っていて、広い意味ではそこに 含まれてくると言えるかと思っていますが、直接児童自立支援施設においてというよう なものは入っていない形になっています。 ○岩田委員  育ちの中で愛情のある扱いを受けなかったというところを被害性という言葉で表現す るというのは、私は抵抗があります。実際に子どもが相手に加害行為をしているという、 そこの相手に対する視点みたいなことが今重要な視点として考えなくていけないという 問題提起がありますから、その問題と、自分自身の被害性と言葉で言ってしまうと、言 葉が被害者・被害性と並びますから、非常に混乱してくる。だから被害性という所は、 もう少し丁寧な言葉で説明すればいいのではないのかと思います。 ○瀬戸委員  私は分けなくてもいいと思うのです。今おっしゃっていただいたように、基本的に今 焦点なっているわけですから、例えば、長いですけれども「非行によって被害を受けた者 への配慮の視点を取り入れた教育のあり方」という形で書いて、ただそのためには「被害 性」という言葉を使わないでも、本人のそういう問題をやった上でこそ初めてできるとい う説明の仕方でいいのではないかと思いました。  ただし今の被害者基本対策法という言葉から言うと、被害者への配慮という言葉でい いのかどうか。少し不十分ではないかと気になります。  それから非行によって被害を受けた者という言葉遣いをすることが、被害者の立場に ある方からすると、違和感がないのかあるのかよくわからない所があります。犯罪の被 害者であるとおっしゃるわけで、そこが気になります。留保です。 ○津崎座長  他にご意見はいかがですか。ここは多様な意見が出て、事務局の方どうまとめていい のか難しいですね。 ○清川家庭福祉課長  その辺については、今日いただいたご意見、あるいは被害者基本計画との関係等と踏 まえて、もう一度事務局の方で整理いたしまして、案を作らさせていただきます。 ○津崎座長  よろしくお願います。それでは時間も押していますので次の部分に移りたいと思いま す。  8ページの「(2)学校教育(学習指導)について」及び、9ページ「(3)施設機能の拡充 について」の部分です。11ページの1行目までの所でご意見をいただきたいと思います が、いかがでしょうか。 ○服部委員  学校教育についての部分です。48条は改正されたわけですので、学校教育を導入する 必要はあるという所まではいいのですが、積極的に促進をはかる必要があるというだけ では不十分だと思います。重要なことが二つあると思います。一つは児童自立支援施設 がこれまで築いてきた暮らしの教育との調和を図っていくという点です。いわゆる「生教 分離」というような事態がおきないように、両者の関係をうまく作っていくという点が一 つ。  もう一つは教育権の保障の中身です。単に学校教育導入の施設の数が増えればいいと いうことではなしに、大事なのはその中身だと思います。学校という場で、教職資格を 持つ教員が指導すればいいということではない。それはあくまでも形式的な問題であっ て、より本質的には、生きる力の保障へとつなげるものとして、実践していかなければ ならないという点です。  高校進学あるいは原籍校との関係づくりなどの点で、生きる力の保障としての学校教 育が行われる必要があるという点を確認しておく必要があると思います。 ○野田委員  私もほぼ同意見で、この書き方の中で確かに施設と学校教育との具体的な現場におけ る連携の所の書き込みが少ないというか、無いような印象を受けるので、そこの所で今 言われたようなことも含めての、自立支援に向けた総合的な取組を互いに支え合うのだ という、そこの部分を強調していただければいいと思います。 ○岩田委員  言葉なのですが、9ページの最後の黒ポツのところで「原籍校」という表現になって いるのですが、学校教育が始まると学籍を移しますので、原籍という概念がなくなるの です。従って通常は「前籍校」という言葉を使ったりしていていますので、表現は「前 籍校」としたらどうかと思います。場合によっては(原籍校)にしてもいいです。  それから私も学校教育との関係で、施設の中に設置をされた学校であるというその特 性を踏まえた教育でなければならないと思うのです。従ってそういうことについて、少 し書き込めないかと思います。 ○津崎座長  他はいかがでしょうか。 ○小木曽委員  前回、八並先生がいらっしゃったときに少しお話になったと思うのですが、今も岩田 委員がおっしゃったように、施設におけるある意味特殊性というか、暮らしに基づいた とかということで、なかなか数が増えていかないという現状がある一方で、31施設が、 要するに児童自立支援施設における教育というものの実践をどう繋げていくかというこ とでは、お互いの教育の成果をつなげて練磨していく、そういう活動が必要ではないか とご意見があったと思うのですが、そういうものも志向的に加えていただけるとありが たいなと思います。 ○津崎座長  私も感じましたのは、今のご意見と絡むのですが9ページの3行目の所です。最初の 黒ポチの所ですが、「個別支援を充実させていくことが求められる」その後に「求められ ると共に生活場面との連携を図った取組の工夫が必要である」というふうに生活と一体 化して、そういう教育をしっかりとすべきだという文言はいかがでしょうか。  それから10ページの「○一時保護機能・短期入所機能のあり方」の上から5行目の所 です。「接触をすることのない生活ゾーンの設置」と書かれているのですが、物理的に難 しいと思いますので、むしろ「影響を及ぼす危険性があり、混乱のない生活やプログラ ムの配慮など支障のない範囲で」としていただく方がより現実的かと思いました。 ○服部委員  今の点に関しまして、そもそも児童自立支援施設への委託一時保護には私は消極的で すが、実施する場合には、今言った物理的な条件の問題だけでなくやはり内容面です。 さらに、子どもへの情報提供・説明という視点が必要です。今それが抜け落ちてしまっ ていて、子どもがどんな状況かわからない中で委託一時保護されるということがありま すので、そこは子どもの視点・子どもへの説明ということを充実していくことがぜひ必 要だと思います。 ○岩田委員  10ページの「○一時保護機能・短期入所機能のあり方」の所で、短期入所機能という のは「短期入所機能」という表現で使えるものなのでしょうかということが一つあります。 つまり、このことについて議論した時には、結果として短期になることはあるかもしれ ないけれど、最初から短期という設定をした入所のあり方というのは馴染まないのでは ないかという意見だったと思うのです。そうすると「短期入所機能」という形で、もう存 在しているかのごとき表現は避けなくてはいけないのではないかと思っております。 ○津崎座長  他にご意見はありますでしょうか。 ○野田委員  以前、一時期、短期処遇がはやって、特に東北の幾つかの園で多かったと思うのです。 いろいろな実践報告なども出たと思うのですが、最近はおっしゃる通り確かに現場の中 でその文化が引き継がれていないからなのか、あるいは効果が必ずしも期待できない、 あるいは期待されている役割が違うからかも知れないのですが見られなくなりました。 むしろ流れとして今後そういうことがあり得るのかということです。私が少し違和感を 覚えましたのは、一時保護と短期入所というのは、入ってくる子どもが長期のプログラ ムに乗るわけではないという意味では共通するのですが、議論の論点としてはかなり違 うニュアンスを持っているのではないかと思います。例えば一時保護そのものがそれで いいのかということもありますし、もし入れるなら十全な配慮をということがあります。 もう片方は、今後社会からのタイムアウト的なニュアンスで、何かプログラムに落ちて いるのがもしかしたらあるのかも知れない。そこがよくわからないのですが、特にその 枠のあるという辺りがもう少し権利を守られながらクリアになると、そういうものがあ る余地はあるのかなと思うので、少し置き場所が違うような印象を受けますので、これ は切り口の違いだと思うのですが、ご検討いただけたらと思います。 ○吉岡委員  私も以前からこの一時保護機能・短期入所機能のことにはすごく引っかかっているの ですが、二つ目の黒ポツに「児童相談所の運営指針において、施設の間での委託一時保 護についても実施するように示されている」とありますが、養護などについては何か特 別の事情があった場合に委託一時保護をするのであって、こういう書き方で進んでいく と児童自立支援施設が非行少年の委託一時保護を受けるのだと、一時保護をするのだと いうことにつながりかねないと思うのです。以前の資料で一時保護の実績が出ていまし たが、一つは入所前提で、あとは一時保護所が対応できないからという理由で入ってき ています。私は前から言っているのですが、一時保護は一時保護所のメインの機能なの です。何らかの特別な事情がない限り、私は積極的に受ける必要は全然ないと思うので、 ここを大きくクローズアップすると、今の児童相談所の実態からすれば、特に一時保護 所は脆弱ですからすぐこちらに頼むと言ってきます。その恐れが非常に高いと思って懸 念しています。 ○津崎座長  今の点は児童自立支援施設の立場からするとそうなのです。ただご存じのように、一 時保護所が脆弱でありますし、例えば短期入所機能の中に児童養護施設がうまく子ども に対応できない時に緊急避難といいますか、場を変えて子どもの問題を再度子ども自身 にも整理をさせて、そして児童養護施設にまた復帰ということも実務的にはあるのです。 そうすると、最初からかなり長期ということを目指していない活用の仕方もありますの で、そのような諸々のことも含めた社会としての対応の仕方ということにおいて、児童 自立支援施設への期待がかかっているという部分もあるのだということは、できたらご 理解いただきたいと、その表現の仕方をどうするかということがありますが、社会的な 期待があるということについては踏まえていただきたいという気もします。 ○相澤総務課長補佐  今まで第6回までのご議論の中の議事録を読ませていただきますと、確かに消極的な 意見と、それから将来的なことを考えたときには、できる所であればきちんと機能を持 たせたらどうかという意見もあります。そういう意味で書き振りとしましては、本来の 機能をきちんと担った上でさらにできるのであればやってくださいと報告書の中では書 かせていただいておりますので、将来的な構想ということも含めて、現在だけではなく さらに10年後を考えた上でそういう機能をここに付け加えるということについて考え ておりますがいかがでしょうか。 ○山内委員  児童自立支援施設側の立場でも、私は一時保護機能というのも担っていくべきものが 施設としてあるのではないかということを考えておりますので、研究会の所でも一時保 護についてはむしろ積極的に考えていくべきではないかなと思っています。ただ、今ま で議論がありましたように、本体の今入所している子どもたちへの影響とか、あるいは プログラムをどうしていくのか、どういう意味合いで一時保護をこの子どもたちにやっ ていくのかといった所については、かなりいろいろと検討もしなければならないし、ま た施設の設備面、人的な問題、そういうものもかなりクリアしていかないと、かえって 混乱を引き起こすようなことがあってはいけないと思います。ただ、今の非行について、 暴力的な子どももいれば発達障害の子どももいます。児童自立支援施設が自分の所の中 だけでいいのかということになると、やはりこういったノウハウの部分を社会に還元し、 他の所に生かしていくことを期待されている部分、あるいは求められている部分、果た していく部分もあると思います。そういった所をきちんとある程度整理をして、どうい った時にどういう形でどういった子どもに対して一時保護機能あるいは短期入所機能が 一番いいのかということをこれから検討しながら進んでいくべきだと思っておりますの で、できたらそういった各委員の考えておられることを含めて少し前向きに記載をして いただけたらと思っています。 ○野田委員  そういう意味では最初に座長がおっしゃっていた、例えば「接触することのない生活 ゾーン」という所も、それはそれで一つ重要なことだと思います。つまり今現在明らか に受けている所と受けてない所が全国的にはかなりクリアに分かれる問題だと思うので す。これを機会に受けることになっているという話になってもらうことではなくて、山 内委員がおっしゃったように物理的な部分と、それから児童自立支援施設が不便な所に あると、一時保護に伴うソーシャルワークの足の便その他も現実に問題が指摘されてい ますので、そういうソフトウェアというかソーシャルワークの動き方も含めて、やはり 要検討なのだということを片方に置きながら書いていただく余地というか、この間の少 年法の中では少年鑑別所委託の話すら出てきているわけで、福祉のチャンネルの中でや れることを精いっぱいやっていくという方向性を一旦出しておくことには私は意味があ ると思っています。 ○岩田委員  私は今言ったような前提条件を置いた上で、本当にやむを得ない場合にそういう事を するということは絶対駄目だということではありません。ただ一時保護の機能は、本来 一時保護所の設備等をもう少しきちんとしたものにしていかないといけない。この問題 についてはほとんど改善がされていないという問題があって、その事をもう少し触れて もらいたいのです。しかしそこが不十分な時に、生活ゾーンの問題、物理的な問題、人 の配置の問題ということについて十分な配慮をした上で、一時保護機能を果たすという ことについて余裕があればやっていいと、そういうトーンではないかと思うのです。  短期入所については、まだ本格実施に結び付けていくというような表現ではなく、一 つの課題として、今後の検討課題であるというようなレベルではないのかと思います。 ○津崎座長  この件は幾つかの異なった意見がありますので、場合によっては率直にその辺の議論 もあるということを踏まえつつ、その他の施設や資源の整備状況も含めつつ、総合的に 福祉の中でこういう問題に対応していかなければならないというニュアンス、それぞれ がそれぞれの立場で整備努力することは求められているという形のものが伝わるような 表現に工夫を願えればと思いますが、いかがでしょう。いいですか。 ○相澤総務課長補佐  わかりました。ただ一点、ここで書いていないのは、例えば児童相談所の入所措置の 問題について、実際にその同意が得られないというものについて、定員改差の一つの原 因としてここでご議論いただいたわけですが、それにつきましては「今後の児童家庭相 談体制のあり方に関する研究会」で協議をしているわけです。例えば一時保護所の問題 とかそういうことについて、そちらの方に書いていくというようなことも事務局として は考えておりますので、その辺の内容を「今後の児童家庭相談体制のあり方に関する研 究会」の報告書に、例えば一時保護所の問題とか非行問題の対応とかを書くということ でよろしければそのようにいたしますし、この「児童自立支援施設のあり方に関する研 究会」の報告書の中にきちんと盛り込むべきだということであれば、それはそれとして 考えていかなければいけないと思っていますが、その辺はいかがでしょう。 ○津崎座長  あまりボリュームをたくさん盛り込むことは難しいと思いますので、今おっしゃって いただいたような場でも検討されているということも紹介しつつ、その辺の所がわかる ような形の表現にしていただいたらと思います。そういうことでよろしいですか。何か ご意見はありますか。 ○吉岡委員  一行でもいいと思うのです。確か、一時保護所の機能には短期の生活指導も指針の中 に入っていると思いますから「一時保護機能と短期入所機能は一時保護所の基本的な機 能であるが、しかし特別な理由がある場合には」などと、はっきりと書いてくれればい いと思います。 ○津崎座長  というようなご意見ですが、具体的な表現については少し工夫をいただくということ でお願いしておきたいと思います。  それでは次の11ページに移りたいと思います。「(1)施設長・児童自立支援専門員等の 資格要件と人事システムについて」という部分ですが、13ページの上段の所まででご意 見を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。はい。 ○瀬戸委員  11ページの下から二つ目の黒ポチの所です。「施設機能の再建を図る等の観点から、 国は、国立児童自立支援施設に一定の人材を確保し、地方自治体のニーズに応じて、一 定期間出向させる仕組み」と書いてありますが、これはいろいろな議論がありまして、 多数意見かどうかはわかりませんが、ブロックで人事交流をというような意見もあった 中で、自治体に対する説得力ということで多分こういう表現になったと理解をするので すが、これだけを読みますと、国立の施設にたくさん人材を採ってそれを地方に出向さ せるという見方もできるのです。もともとの出発点は、現実に機能して頑張っている施 設の人たちに、何人か行ってもらって活性化を図るということも必要なのではないかと いう意見が幾つかあったと思うのです。ですから、「従事している施設の自治体などの協 力を得るなどして」といった言葉を入れるような工夫をしていただけないかということ が一つです。  それからその後に三行あるわけですが、その後に、「国が一定地域の各施設が相互の機 能充実のために連携を深めるような仕組みを作ることも望まれる」というような主旨が 入らないかというのが意見です。  次が12ページの「○小舎夫婦制の維持・充実・強化のあり方」の最後の黒ポチの所で す。どうもよくわからないのですが、「非行少年などを養育してきた専門里親」という言 葉で、将来はいいのでしょうが、現時点でこれが説明になっているのかどうかがよくわ からなくて、「元施設職員として経験を積んだ者」とか、そういう例示のようなものがな くていいのかと疑問に思いました。  最後に12ページの一番下の行です。ここで「子どもへの支援の参考事例についても収 集し」と書いてあるのですが、これは「交替制施設における参考事例」とした方がいいの でなはいかと思いました。 ○津崎座長  他の委員の方はいかがでしょうか。 ○岩田委員  11ページの「○児童自立支援専門員等の資格要件・人事システムのあり方」の所で「施 設機能の再建を図る等の見地から」とありますが、これもいきなりここの表現が出てい るのですが、今、児童自立支援施設が置かれている状況の説明が少し必要なのだと思う のです。つまり、施設として本来の役割が果たせなくなっている施設が存在していて、 その再建を図るということが重要な課題になっているのだという、前提を置いてもらい たいと思います。  それから、12ページの「○交替制寮舎の充実・強化のあり方」の最初の黒ポチの所で、 「交替制に移行する際は、子ども集団の構成・適正規模や居室等の生活環境に配慮する ことが重要であり」と書いてあります。そうかなとは思うのですが、また最後には小舎 制が望ましいという表現があるのですが、現実には大舎制で建て替えをする所が出てお りますので、「大規模な寮舎の整備は基本的に避けるべきである」とか、ここでも少し表 現を入れておいて欲しいと思います。「職員体制を整備する」というのもそれはそうなの でしょうが、整備するに当たっては、他県できちんとやれている所の施設を視察したり、 研修に派遣したりして、交替制への移行を円滑に進めていくという取組が必要なのでは ないかと思います。そういう取組をしないでただ交替制に移行する、その県の中だけで 物事を考えてやっているということが円滑に進んでいない一つの理由でもあるように思 いますので、少しそういう表現を入れてもらったらどうかと思います。 ○津崎座長  他にはございませんか。 ○服部委員  少し絡んだ言い方になりますが、他県の様子を見る前に、やはり子どもの声を聴くと いうのが基本だと思うのです。これは前回の研究会でも述べたことですが、子どもの暮 らしの空間を保障していくというのがやはり基本で、そのために何を作っていくか、何 がふさわしいかということを基本に考えるべきだと思うのです。その点が交替制へ移行 するときに欠けていると思うのです。やはり、子どもにとって暮らしやすい空間、安心 できる空間をどう作っていくのか、成長をどう保障していくのかという、そこを原点に 考えていくことが必要だと思います。 ○吉岡委員  これは私が言うことではないと思いますが、なんとなく引っ掛かるのであえて申し上 げます。11ページの「施設機能の再建を図る等の視点から、国は、国立児童自立支援施 設に一定の人材を確保し、地方自治体のニーズに応じて、一定期間出向させる仕組みを つくることが望まれる」ということと、さらに12ページの「○小舎夫婦制の維持・充実・ 強化のあり方」の二つ目の黒ポチ「国は、国立児童自立支援施設に小舎夫婦制勤務がで きる職員を確保し、地方自治体のニーズに応じて人事交流ができるような仕組みをつく ることが望まれる」と書いてあります。それはそうしていただければ、地方の立場とし ては我々としては非常にありがたいのですが、かなり難しいことではないかと思ったり するのです。もしかして、山内委員は自分では言い辛いから黙っておられるのかなと思 うのですが、それでいいということであればいいのですが、少し気になるのです。それ だけ国が積極的にリードしてくれれば地方としてはありがたいのですが、老婆心という かそのような感じです。 ○津崎座長  山内委員、よろしいですか。 ○山内委員  国という立場の中でおっしゃっていただいているのですが、今、小舎夫婦制が減少し ている背景には、やはり夫婦の方々の人材の確保が難しいというところが一番大きな要 素としてあります。実は、私どもの養成所やあるいはそれを出た方々のネットワークと いうのが非常に充実をして、その中でも夫婦でやりたいという方が一定の数おられるの に、なかなかそれが実地に結び付かない。これはやはりそういった場を提供していかな いと、そういった方々を確保、あるいはそういう方々が職場に向かうことができにくい。 地方で今も夫婦を求められている施設も幾つかありますし、そういうところがなくて働 く場がないという所も中にはあるわけです。  人材バンクではないですが、こういったところをきちんと作り上げていかないと、こ の夫婦小舎制自体がこれから先非常に難しいだろうと思います。これは皆さんおわかり の通りだと思います。それでは、一番の効果的な方法として何があるのだということに なれば、おっしゃるように各ブロックということもあると思うのですが、今、小舎夫婦 制自体がかなり偏った配置で全国的にばらつきがある中で、やはり国が一定のところを 担うべきではないかということで、今書いてある所についてはご心配いただいておりま すが、私としてもぜひこういった形を進めていければと思っています。 ○津崎座長  ご意見はございませんでしょうか。  少しだけ言わせて欲しい部分がありまして、11ページの「○施設長の資格要件・人事 システムのあり方」の二つ目の黒ポチの2行目に「一定程度の期間の配置」とあります が、これは多分一定継続したという意味ですね。あいまいな表現よりも「一定継続した」 と明確に書いていただく方がいいかなと思っています。  それから12ページの「○小舎夫婦制の維持・充実・強化のあり方」の最後の黒ポチの 所で、「専門里親を職業化して」の表現の仕方は、先ほど瀬戸委員からご意見がありまし たが、一つの方向性を示唆するものとしては非常に重要な提案だと思いますので、この 「専門里親を職業化して」という文言はそのまま入れておいて欲しいと思っていますの で、その二点を意見として付け加えさせていただきます。  他には特にないでしょうか。なければ次に移らせていただいてよろしいでしょうか。 次は13ページの「(3)設置運営主体について」という部分です。14ページの上段の所ま でです。ここは少し論議がある所だと思いますので、ここの部分でご意見を頂戴したい と思います。いかがでしょうか。 ○瀬戸委員  「(3)設置運営主体について」の最初の黒ポチの5行目で、言葉だけの問題ですが、「要 する危険性があり」というのが「要することも少なくなく」とかいう形にしないと危険 性というのは少し変な感じがします。それから6行目の「危険性を常に抱えている施設 である」というのは強調しすぎという感じがして、外から見たら怖いという感じがあり ますので、「危険性も抱えているとか」とそれはソフトで十分ではないかと思いました。  それから、三つ目の黒ポチの5行目になりますが、「非行児童に対する公の観点」の後 に、例えば「施設運営の安全性・継続性」ということをここでも入れて欲しいと思いま した。 ○津崎座長  他にご意見はございますか。 ○小木曽委員  14ページの6行目「サービス水準を確保するための評価システム」とありますが、評 価基準は、今取り組まれているその辺の社会福祉法からのいろいろな権利擁護とか、あ る意味社会的にも耐えうるような、もしくはきちんとそういうものをクリアをしている のだという、表明としてという部分もあるのですが、もう少しこれはいろいろな微妙な 「評価システムなどの課題について慎重に検討する」と書いてあるのですが、実際に試 行的にそういうものが作られた経過があったと思うので、もしくはそういったものの流 れというものは、もう一度ゼロからやるのであるか、もしくはそういったものを踏まえ た上で改めて検討し直すのか、少し加えていただきたいというか、試行的なものが実際 にあったと思うので、そこはどう整理をするのかと思いました。 ○野田委員  これは最初に吉岡委員がおっしゃられた重点論点の一つだろうと思います。関係者一 同、ここでどのような方針を出すのかということに対してはかなり関心があるというか、 ニーズが高いことだろうと思うのです。それにしては一般的には読み取りにくい印象を 受けるのではないかと思うので、かといって、実際一つの結論の方向でということでは なくて、ここにありましたような、仮に民の方でという話だとしても私の認識では頭に 「百歩譲って」と付けたいのですが、とりあえずこの辺りをダイジェストにして最初か最 後に書けというのが、最初のご議論だったかと思うので、そこの所がどのような表現に なるのかというトーンも含めて、もう少しコンパクトにメッセージが伝わるようにした 方がいいのかと思います。この辺りをお書きいただいた事務局の方からもお考えを聞か せていただけるとありがたいと思うのですが、私の中ではやはり危険性という表現でい いかどうかを別にしても、この間の民間施設における子どもの処遇、例えば児童養護施 設におけるさまざまな問題が発生していますが、そういうことをトータルで考えると、 当面は原則公設を維持せざるを得ないという方向性がありがたいと思っています。それ は、全体の中での投票で決める話でもないだろうと思います。そのあたりのトーンをク リアにしていただけるとありがたいと思います。  どのあたりまで打ち出せたらいいのかという、そもそもご下問いただいている流れと の関係で、この程度の書きぶりで答えたことになるのかどうかというのが私は一番気に なっています。   ○津崎座長  事務局として何かご意見ありますか。   ○清川家庭福祉課長  公設民営化の可否の問題については非常に関心が深い、また重要な論点だろうと思っ ているというのは事務局にとっても同じ認識でございます。その可否について若干読み にくい部分があるというご指摘があるのですが、私どものこれに対する捉え方といたし ましては、最初の黒ポツにあるように極めて他の施設とは異なるような特徴、難しさの ある施設である、そういった意味で公的な色彩が非常に強く、適正な運営のためには安 全性・安定性・継続性に加えて職員の専門性の確保などいろいろな条件が満たされるこ とが不可欠であると考えているところでございます。  現在、各地方自治体におきまして施設の運営をしているわけでございますけれども、 そういった所につきまして民間に委託するということを仮に計画される、考えられる場 合には、ここに書かれてあることを十分に踏まえていただいた上で、少なくとも最後の 黒ポツのところでいろいろとこういった検討すべき、あるいはきちんと整理すべき条件 などがある、こういったものにつきまして慎重に検討し、考えていただくことが必要な のではないだろうかと考えているところでございます。  さらに、こういったものについて考えていきたいといった自治体が出てきた場合につ きましては、私どもも、その計画などにつきまして十分聞かせていただきまして、そこ に挙げられている項目あるいはこの項目について、さらにもっとこういった点について 見るべきではないのかというご意見があればさらに伺えればと思っていたのですが、そ ういったものについて一つ一つ検証する作業は当然必要だろうと思っていますし、そう いったものも含めて今後必要な措置を講じていきたいと事務局としては考えているとこ ろでございます。   ○津崎座長  いいですか。   ○野田委員  はい、わかりました。  今は仮にとおっしゃっていただいたのですが、横浜市さんから文書が出たと思うので すが、民営化の枠組みで実際にこういう方向に走り出す施設というのが出るのかどうか というところの問題が一方にあるかと思います。そこの実務的なところで非常に気にな っています。いわゆる5対1の児童福祉施設の最低基準等を、この児童自立支援施設は 現実には相当いい意味で解離した運営を各地でなされているのではないかと思うのです。 現行の最低基準で民の方にほかはクリアしましたよという形で渡すというか、そういう 状態が発生したときに、これで本当に子どもたちの権利も含めてもつのかというところ に非常に現実問題として危惧しています。そういう意味では大きな分岐点になり得ると 思うのでこだわって発言させいただいているのですが、もしそうだとすると、単にこう いった基準をきちんとクリアしなさいと言うだけではなくて、このご時勢難しいのは 重々わかっていますが、現状の諸条件を公の場合にどうだったのかというところで洗い 直していただいて、必要な国サイドとしての基準の見直し等々、最低基準等あるいは予 算措置等含めてですが、そういう作業がむしろこちらの研究会レベルではいるのかと感 じています。  実際にいろいろな最低基準を出しても、4日ほど前でしたか、栃木県の児童自立支援 施設や一時保護所では最低基準に違反して調理を外注していたというのが新聞に載った ばかりだと思うのですが、地方の方へ渡してしまい、かつ民の方へとなると、このあた りがなし崩しになることが危惧としてあるだけではなくて、現実に発生しているもので すから、そのあたりに慎重さがいると思いますし、この研究会の責任の一端でもあるの かと感じています。   ○清川家庭福祉課長  野田委員のご指摘あるいは問題意識というものにつきましては事務局としても十分受 け止めているところでございます。先ほど言いましたように、原則公営という条件を維 持するということについて多数の委員がかなり意見を出されたということについては、 この研究会の報告の中でまとめさせていただいているところでございます。もし仮に民 営化を検討するにあたっては、とりわけ以下のところでもございますように、例えば人 的配置につきましては、現行と同等以上の支援の質を確保するための人的配置をどうや っていくのかというようなことですとか、そのための財政的基盤のあり方ですとか、そ ういったことについて十分慎重に検討していただく必要あるのでしょう。そういった中 には、現在、公的施設で行われているケアがどうなっているのかといったものの実際に おける検証というものも出てくるでしょうし、そういったものも含めて検討し、また私 どもの方でも検証していく必要があるだろうと考えているところでございます。   ○津崎座長  要はクリア条件をかなり具体的に明示するということで、実際的にそういう動きとい うか申し出があったとしても、その辺はしっかりと押さえの部分はしていくというご説 明だったと思うのですが、この点に関して他の委員はいかがでしょうか。   ○岩田委員  民営化を検討するにあたってはという表現の中で、私が一番心配しているのは、もし こういうことを実施してうまく立ち行かなくなったという場合に、どうしても不可欠な 施設なわけで、それを支えていく仕組みというのが担保されているかどうかという問題 があろうかと思うのです。いったん手放すと施設の要である人材の育成のところで断絶 が起こる。そこの問題についてフォローするような仕組みがあるのかどうか。こういう ことについても十分検討してもらいたいと思います。   ○津崎座長  今のご意見も踏まえた、例えば条件の中に運営そのものがうまくいかないときにサポ ートする、公として責任をもって義務設置としてサポートする、そういうものも含めて いただくといかがかと思います。この点に関して他はないですか。  なければ次に移らせていただいていいですか。次は14ページです。「4.関係機関等と の連携」ということで、16ページの中段まででご意見をいただきたいと思いますが、い かがでしょうか。   ○瀬戸委員  一点だけですが16ページの警察との連携の所です。少年法改正との絡みがありますの で、基本的には児童福祉の領域であるそういった触法少年とか虞犯少年ということが、 警察との権限との絡みで非常に微妙な段階でして、中に書いてあること自身はいいので しょうが、児童相談所がそういった問題について基本的に責任を負っているのだという ことを確認する意味で、例えば「児童相談所と共に行う」というようなことを入れたらい いのではないかと思いました。現実には児童自立支援施設の職員の方が警察と連絡を取 り合ってやっているのだろうということはよくわかっているのですが、児童相談所を中 心として児童福祉全体としてやるのだという言葉を入れていただきたいと思いました。   ○津崎座長  他には。   ○野田委員  14ページの学校・市町村連携のところで少年サポートチームが例示されているのです が、これは文部科学省の方の事業なのですか。これはかなり手厚く展開されている所と そうでない所と反応等もいろいろありまして、この報告書全体がそれこそ「児童自立支援 施設百年の計」みたいなところで書いている中でいいますと、少しバランスが悪いという 印象を受けるのです。教育サイドでやっているさまざまな取組とリンクするというのは 当然のことだと思うのですが。   ○津崎座長  他にはご意見いかがでしょうか。特にないでしょうか。私が一点気になったのは、16 ページの一つ目の黒ポチですが、家庭裁判所とのいろいろなことが書いてあります。そ の前に家庭裁判所の保護処分についてもいろいろ書いていただいてあって、できました ら一つ黒ポチを増やしていただいて、特に家庭裁判所の審判で入所する場合、入所させ ないといけないという時期の限定があります。時期の限定とか非行の配慮がいるのです。 その時に基本的には調整が必要であることが多い。その調整は当然広域の調整になるの です。その調整を図る必要が高いときに、行政区域を越えて相互活用の協力関係を強化 して取り組む必要があるというようなことを一つは入れられないのか。  いつも行政別で見ていくと、他県の子どもをとることに対する抵抗が働いていまして、 調整がうまくいかないということが実務で生じますので、むしろそういう都道府県レベ ルを超えた調整が必要なのだということをぜひ強調して書いておいていただきたいと思 っています。   ○吉岡委員  質問ですが、近畿の方では広域でやっているのですが、他の地域でもやっていますか。 私はそういう面が必要だと思って、関東でも是非やって欲しいと、基本的には津崎座長 と意見は同じなのですが、実態としては近畿だけではないのか。 ○野田委員  私が知る限り割合に西日本が多いのですが、必要に応じてやれていると思います。そ れはかなりインフォーマルに、あそこの施設長とこちらのワーカーが中一人を挟んでと いうレベルが先行しています。しかしこの間、議会などから突っ込まれる度に特定のと ころが閉じてしまうような感じで、この間まで年間十何人入れていたのに閉めてしまう というような例をよく聞くのです。ですから状況がそんなことだと認識しています。  今座長が言われたのは非常に重要なことなのですが、家庭裁判所との絡み一つではな くて、最後は前から瀬戸委員がおっしゃっているブロック制みたいなところも視野に入 ってしまうのかもしれません。確かに家庭裁判所調査官なんかに聞きますと、児童相談 所がそういう調整能力を発揮してくれないので、近辺の10くらいの児童自立支援施設に 電話をかけても、みんないっぱいだと言って、定数になっていないのに何をやっている のだと怒っている人などともよく出会います。そういった調整機能をどこでするのかと いう等々を含めて、あるいは都道府県の認識によってかなりそこに差が出るし、担当者 の認識によって差が出るということは事実なので、やはり一定の広域調整的な側面を視 野に入れて欲しいというのは私も同感です。それはこの項目がいいのか、あるいはもう ちょっと全体にかかるところでやっていただいたらいいのか。そして将来はブロック制 みたいなこともこれは課題として残るのだというお話があったかと思うので、視野に入 れていただくといいかと感じます。   ○山内委員  家庭裁判所との連携のところなのですが、特にこの研究会の立ち上げの一つの契機と 同じように、少年法の改正の中で14歳以下の子どもで特に必要なときには少年院という 案が出されています。少年院はそういう子どもが来たらどう対応したらいいのかと熱心 にいろいろと研究をして、実践をどうやっていくかということを調べていただいていま す。一方、家庭裁判所は判断をしていく一番大事なポストであるわけで、その家庭裁判 所が児童自立支援施設について、果たしてどれだけわかっていただいているのかという ところが少し心もとないところが実際のところあります。そうするとどういった場合に そういう子どもが行くのかというところが、事例の積み重ねなりそういう判断がこれか ら重要になってくると思うのです。  16ページのところではかなり書き込んでいただいているのですが、もう少し踏み込ん で合同の研修会をするとか、裁判官や調査官も含めて一緒に事例検討会あるいは定期的 な連絡会ということに加えて、もう少し交流ができるような仕組み作りをしていただく 必要があると思います。武蔵野学院では審判を開くこともありまして、裁判官の方に来 ていただくと、その時に初めて強制的措置についてわかったとか、あるいはその児童自 立支援施設について初めてこういうところはこういうものもあるのだなとわかっていた だくということもあります。ぜひともここのところをもう少し強調して書いていただく とありがたいと思っています。   ○津崎座長  ほかに特にご意見がないようでしたら、時間がかなりオーバーしていますので次に移 りたいと思います。  最後のところですが、「5.児童自立支援施設の将来構想」から「おわりに」のところま での部分でご意見を頂戴したいと思いますがいかがでしょうか。   ○岩田委員  16ページの「(1)都道府県における児童自立支援施設のセンター化について」というと ころですが、中身がこれだと何でセンター化なのかというのがよくわからないのです。 だからこの表題で書き込むというわけにはいかないのかと思います。それで、むしろこ こに将来構想のところで地域ブロックの問題、つまり児童自立支援施設というのは基本 的な都道府県のレベルで設置されている施設なのだが、だけどその非行の性質から集団 非行とかいう問題があったり、あるいは若干施設によって特色のある運営をしていたり することがあって、県のレベルを超えた措置とかそういうことについて将来的な課題と して検討してもいいのではないか、というようなことを書かれたらどうかと思います。   ○津崎座長  ほかに最後のまとめのところですが、構想も含めたまとめとしてのご意見とか。   ○瀬戸委員  前の方で言いました。今の意見に大賛成です。私もそうしていただきたいと思いまし た。   ○津崎座長  はい。   ○小木曽委員  今の岩田委員がおっしゃるように、いまひとつセンター機能というのが見えないので すが、今のお話の中で例えば瀬戸委員がおっしゃったように、ブロックで考えてそれぞ れその特色があるのですが、それが生かされていないということであれば、関東なら関 東エリアの中で措置がなかなかうまくいかないというところをどういうふうな機能を付 加してというところで、同じような子たちが集まってくるとまた問題なのかもしれませ んが。かなり行動的な問題を扱えるような所とか、先ほどお話があった時に言わなかっ たのですが、強制的措置というのを自由を拘束と言うのではなくて、一般寮とうまく図 っていくような国立の持っているノウハウも含めたものを引用するような所、公益的な 機能を全体的に描けるようなセンター化みたいなところです。それがきちんとそういっ た施設と繋げていく機能のセンターみたいなものをイメージしたのですが。   ○津崎座長  ほかにご意見ございませんでしょうか。   ○服部委員  私が今日最初に言ったことにまた戻るのですが、具体的な提言を数は限られても発信 していくことが大事だと思います。報告書としてゴツゴツしていても、ここで共有でき た点は積極的に打ち出していくことが必要だろう。例えば、少し戻りますが、児童相談 所との連携が大事だというのは当然のことで、では具体的にその提携をどう作っていく のかがまさに問われているわけです。そういう点で言えば、児童相談所の中に非行問題 専門の部署と人を置くことが実は大事になってきます。表題よりも今日の議論を踏まえ て具体的な提言を盛り込んで発信をしていくことがぜひ必要と思います。   ○岩田委員  これは国立の児童自立支援施設の総合センター化の問題なのですが、この最初の「○ 自立支援機能の充実・強化のあり方」の中で、通所機能の拡充などのモデル実施という 表現があるのですが、国立の施設で通所というのはどういう概念なのかというのが、地 域性がない施設で通所機能というのは理解ができないのですね。それから一時保護など にしても国立の施設がどうしてそういう問題にかかわってくるのかという感じがします。  それからあと、施設の運営体制のところで養成所において「養成・研修部門の拡充や 研究部門を設置し、独立した施設(組織)として運営することが望まれる」という表現 があるのですが、独立した組織という意味がよくわからないですね。こういうことにつ いて議論をした経過がないので、どういうことなのかなというのが疑問です。   ○野田委員  今の独立性というところでいうと、私も若干触れたかと思うのですが、法務省の場合 には矯正研修所であるとかいろいろな研究機構として独立しています。研究機構だけで という問題ではもちろんないと思うのですが、そこのところには若干要望としては、処 遇もし養成もし、と非常にお忙しいところですが、そういう発信基地であり、研究する 機能を確固たる形でもっていただきたいというのは申し上げておきます。   ○山内委員  一点目の委託一時保護とそれから通所のところはおっしゃる通り、国立の施設自体は 全国に子どもたちも散らばっていますし難しい面もあるのですが、実際には必要な関東 周辺の子どもたちについては、アフターケアの中で通所している例もあるのです。なか なか通所についてはこれからも難しい問題多々ある中で、国立の施設もそういった例を 検討する中で、一定のモデル的なものも含めてできるものがあれば、ぜひともやってい くべきであろう。そのモデル的なものが、もし他の所の児童自立支援施設でも生かせる ものがあれば、ぜひとも取り入れていただけるような事例をまとめて全国的にも発信す るのも必要であろう。ただおっしゃる通り、委託一時保護についても通所についても数 が少ない、あるいはしにくいという部分はあると思います。その辺は他の所の児童自立 支援施設とも共同しながら考えられる部分もあるのではないかなというふうに思ってい ます。  それから今おっしゃっていただいたとおり、今の養成所の役割は非常に大きなものが これからあるのですが、今の本体の学院全体の児童の援助あるいは支援というところか らすると、なかなかそちらの方にきちんとした対応が今のままでは不十分なところもあ って、できましたら組織的にもきちんとした組織の中で動かしたいと考えています。  また、組織をきちんと区別するとともに、できるだけ柔軟な組織にできるのではない か。本体と切り離すことによって、柔軟な組織としていろいろな部分を他にも、職員あ るいは体制も含めて動きやすい体制作り、あるいは他との連携をしやすい体制作りがで きるのではないかということも考えていますので、そういう意味で独立した組織という 形で記載をしていただいているのではないかと思っています。   ○津崎座長  かなり時間が超過していますが。   ○野田委員  置き場所がわからないのでこれまで黙っていました。既に発言のあったところなので すが、一つ目はやはりこの施設の処遇の難しさゆえに、子どもの権利を守る仕組みのよ うな項目が欲しいなと思っています。  そこでは自立支援というようなこちらからの働きかけだけではなくて、先ほどから服 部委員が何度もおっしゃっているように、子どもの最善の利益と子どもの声を聞くとい うことに代表される意見表明権みたいなことをはっきりと意識した施設としていくこと と、それから実務的には例えば子どもの権利ノートというのは全国かなりたくさんの児 童自立支援施設でも、県が作ったものだから、自分の所もあるけれど、でもそのままで は適用できないのでバージョンを変えてというようなことがかなり行われていまして、 やはりこのあたり置いてもらうと同時にできればそういう研究機構その他で研究してい ただけたらと思います。  処遇のマニュアルあるいはガイドラインを持っているところと持っていない所があり ます。当然持っていて高い水準を目指すのがしかるべきだと思います。そういった処遇 マニュアルやあるいはガイドライン的なものと、それから先ほど話に出ました社会福祉 法に規定される苦情解決の仕組みと、続きで出ている第三者委員をちゃんと置いて、子 どもたちあるいは保護者の声あるいは職員の声をきちんと聞くことができる仕組みとい うことは社会福祉サービスでは当然のことと要求されている。しかしこれがまだ完備さ れてないところが非常に多いと思います。  それからもう一つ軸が違うかもしれませんが、施設の中でペナルティを課す場面とい うのは現実にはあると思います。それは処遇の一環であったりもう少し強かったりとい う。しかしここが児童自立支援施設の非常に難しいところなので、そういう処遇につい て特にそのペナルティ的なことをしたときには記録を必ずきちんと取る。そして内部で きちんと管理職までそういう処遇が見える形にしていただく、というのは必要なのかな と思っています。  いずれにしても、この施設はあくまでも公立であって欲しいと思うし、そしてその中 では非常に処遇が難しいゆえに、この子どもの権利をきちんと守っていくというシステ ムの軸は欠かせないかなと思うので、突拍子もなく言い出した感があるかもしれません が、これまでも議論には出ていたのでよろしくお願いします。   ○津崎座長  他はよろしいでしょうか。 ○津崎座長 かなりの議論が出尽くしたかと思います。意見がたくさん出ておりますので、事務局の 方ももう一回開いていただかないと収まらないと思いますので、今日の議論を踏まえて もう一度報告書の修正案をお作りいただいて、次回にそれを最終的に議論するという形 にしたいと思います。  次回の研究会の予定について、事務局の方からご説明をお願いしたいと思います。 ○清川家庭福祉課長  次回の研究会につきましては、皆様の日程等を聞かせていただきまして、2月28日火 曜日が一番多くの方々のご都合がつくのではないかということで、2月28日を候補とし て考えています。今回よりも若干余裕がありますので、できれば次回は今回よりもう少 しゆとりのある日程で原案を作成してメールさせていただきまして、できれば2・3日後 に修文案をメール等でいただければ、それを受けて新たに2月28日に提出するものの中 に入れ込む、あるいは複数ある場合には例えばコピーして皆様にお配りさせていただい て、実際の意見案を見ながら議論するというような形で、次回2月28日に最終的な文言 まで固めるというようなやり方でやらせていただければと考えているところでございま す。 ○津崎座長  今、事務局からご提案ありましたように、案を事前にお配りいただいてそれに対する 修正案を各委員の方からメールまたはファックス等で事務局に送っていただく、それも 踏まえた形の最終の物をご用意いただくということで、できれば次回を最終の研究会と 位置づけたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。  今回の研究会はこれで終わりたいと思います。長時間ありがとうございました。 (了) 照会先  雇用均等・児童家庭局家庭福祉課措置費係(内7888) 11