06/01/13 薬事・食品衛生審議会化学物質安全対策部会 平成18年1月13日議事録 薬事・食品衛生審議会 化学物質安全対策部会 議事録 1.日時及び場所   平成18年1月13日   10:00〜 厚生労働省共用第8会議室 2.出席委員(15名)五十音順    安 藤 正 典、○板 倉 ゆか子、 井 上   達、◎井 村 伸 正、    植 田 和 弘、 内 山 巌 雄、 沖   幸 子、 神 山 美智子、    黒 川 雄 二、 竹 居 照 芳、 土 屋 利 江、 新 村 眞 人、     百 濟 さ ち、 安 田 峯 生、 渡 部   烈   (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(3名)五十音順    岸   玲 子、  佐 野 真理子、 中 西 準 子                     3.行政機関出席者   佐々木 弥生(化学物質安全対策室長)  他 4.備考   本部会は、公開で開催された。 ○化学物質安全対策室長 それでは定刻になりましたので、平成17年度第1回化学物質 安全対策部会を開催いたします。私、化学物質安全対策室長の佐々木でございます。本 日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。  本日の部会でございますけれども、委員数18名のうち現在14名の御出席をいただい ておりますので、薬事・食品衛生審議会令第9条の規定に従いまして、定足数に達して いることを御報告申し上げます。植田委員は御出席予定でございますが、少し遅れられ ているという状況でございます。  もう一点でございますが、公開と非公開の別でございますけれども、委員の自由な発 言が制限され公正な審議に支障を及ぼすおそれ、あるいは個人の秘密等の開示によって 特定の方に不当な利益又は不利益をもたらすおそれはいずれもないと判断されたことか ら、本部会は公開ということで開催させていただいております。  続きまして今回は平成17年度の第1回ということでございますので、化学物質安全対 策部会の委員の方々を御紹介させていただきます。私の右から、部会長の井村委員、部 会長代理の板倉委員、安藤委員、井上委員、内山委員、沖委員、神山委員、黒川委員、 竹居委員、土屋委員、新村委員、百濟委員、安田委員、渡部委員、以上でございます。 それでは井村部会長、司会進行をよろしくお願いいたします。 ○井村部会長 それでは審議に入ります前に、事務局の方から本日の資料の確認をお願 いいたします。 ○事務局 では資料の確認をさせていただきたいと思います。まず議事次第といたしま して一枚紙、審議事項が議題1、報告事項が議題1、その他となっております。次にこ れも一枚紙の座席表。それから資料1といたしまして、昨年12月1日に厚生労働大臣よ り薬事分科会長でございます井村先生あてに当該物質の指定について諮問書が出ており ます。資料2といたしまして、「2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4, 6-ジ-tert-ブチルフェノールに関する調査報告書」。資料3-1といたしまして、化 学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく審査状況のまとめ。資料3-2とい たしましてこちらも審査状況でございますが、最後に第一種監視化学物質とされている ものでございます。資料3-3といたしましてはまた同じでございますが、最後に第二種 監視化学物質及び第三種監視化学物質。資料3-4は3-3と全く同じものでございますが、 3-3は既存化学物質、それから3-4は新規化学物質とさせていただいております。それ から参考1といたしまして、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律における 第一種特定化学物質の取扱いについて」。参考2といたしまして、化学物質の審査及び 製造等の規制に関する法律における第一種特定化学物質に関する人影響一覧。参考3と いたしまして、「化学物質審査規制法に基づく第一種特定化学物質に該当し得る化学物 質の毒性についての3省合同審議会の審議等について(お知らせ)」。参考4といたしま して、「監視化学物質への該当性の判定等に係る試験方法及び判定基準」。以上、資料 でございますが、不足等ございましたら事務局の方までよろしくお願いいたします。 ○井村部会長 いかがでございましょうか。そろっておりますでしょうか。それでは議 事に入らせていただきます。本日の審議事項でございますが、2-(2H-1,2,3-ベン ゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノールという物質の取扱いに ついてでございます。本日配付してあります資料1の諮問書でございますが、今御説明 がございましたように、この物質については平成17年12月1日に厚生労働大臣から薬 事・食品衛生審議会に対して諮問がなされました。したがいまして、この部会に付議さ れております。本部会の下にございまして実際に大変な調査を担当してくださっており ます化学物質調査会がございますが、その調査会において既に審議がなされておりまし て、その審議結果の報告書が本日の資料2としてここに出てきております。本日はその 報告書に基づきましてこの部会で審議をしていただくということになります。それでは 最初に事務局の方から御説明をお願いできますでしょうか。 ○事務局 本日の審議事項について御説明いたします。御審議をお願いいたしますのは 先ほど申し上げた物質でございます2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)- 4,6-ジ-tert-ブチルフェノールを第一種特定化学物質に指定すべきかということ でございます。本物質は専門の調査会において、難分解でありかつ高濃縮であるという ことが既に結論されておりまして、おととしの9月に第一種監視化学物質に指定されて いるところでございます。この結果、本物質の製造、輸入者には経済産業大臣への生産 量の届けを義務付けるなどの規制を受けているところでございます。今回第一種特定化 学物質に指定という結論になりますと、これは政令で指定されることになるものでござ いますが、製造輸入に許可が必要になるという厳しい規制を受けることになります。  第一種特定化学物質の概要については参考1を御覧ください。この第一種特定化学物 質の指定についての要件がございまして、「第一種特定化学物質の特性」というところ を御覧いただければと思うのですが、難分解性かつ高濃縮性であって、すなわち環境中 に残存しやすく、しかも生物濃縮を受けやすいという特性がございまして、かつ継続的 に摂取した場合には人の健康を損なうおそれがあるということ。または、これは環境面 から新たに平成16年度に付け加えられたものでございますが、継続的に摂取される場合 には高次捕食動物の生態・生育に支障を及ぼすおそれがあるものであること。そのいず れかの要件を満たしますと、第一種特定化学物質に該当するとなっているものでござい ます。本日こちらの審議会では継続的に摂取した場合には人の健康を損なうおそれがあ るかということの御審議をお願いしたいと思っております。  これまでに第一種特定化学物質に指定されたものでございますが、先生方は既に御存 じとは思いますけれども、その下に並んでいる15物質でございます。1のPCB、それ から7のDDTなどがございます。また、昨年本部会で御審議いただいた14のジコホル、 それから15のヘキサクロロブタ-1,3-ジエンがございます。参考2にそれぞれどのよう な物質でどのような毒性があったかということを一覧表にまとめさせていただいており ます。こちらは御審議の際の御参考によろしくお願いいたします。それぞれ物質名、指 定年月日、毒性などの概要を記載しているものでございます。  参考1の「第一種特定化学物質に対する規制措置」でございますが、先ほど申し上げ たように製造、輸入が許可制という厳しい規制下に置かれることになりますけれども、 これまで指定された15物質について製造、輸入が許可されたということはございませ ん。すなわち、これらの15物質はこれまでに通常の製造、輸入がされたということはご ざいません。もし本物質も指定されると同じような規制対象ということになります。  それから化学物質としてではなく製品に含まれて輸入されてくる可能性がございます ので、第一種特定化学物質を使用した製品についてはその輸入を禁止することができま す。一番下の部分の2でございますが、本日御審議をお願いしております物質が第一種 特定化学物質に該当すると御判断いただいた場合には、海外における用途などの公電調 査、すなわち海外から入ってくる可能性のある製品をピックアップした上でそれを取り まとめた後で、必要に応じ輸入禁止対象となる使用製品について指定すべきかどうか、 先生方に御審議いただくことを予定しておりますので、またよろしくお願いいたします。 そちらについては後日また御案内を差し上げたいと思います。  それから調査会における審議結果について、資料2に基づいて御説明したいと思いま す。それから参考3としまして恐縮ですが、重要なことということで調査会における審 議結果を既に公表させていただいております。そちらにそのとき発表させていただいた 資料を添付しておりますので、そちらも御覧いただければと思います。  まず資料2の2ページを御覧ください。別添1でございますが、本物質は真ん中に構 造式がございますようにこのような構造をしているものでございます。本物質は淡黄色 の結晶性粉末でありまして、水に不溶という性質を持っております。用途としては紫外 線をよく吸収するということで紫外線吸収剤として用いられております。ただ、そのま ま用いられるということではなく、プラスチック樹脂などに1%ですとか、少量を混合 されてプラスチックなどが変色、変質しないようにするという用途で用いられているも のでございます。  次に、5ページ真ん中ぐらいの「2.実験動物及びin vitro系における毒性影響」と いうところを御覧ください。(1)急性毒性試験でございますが、本物質の急性毒性は非 常に弱く、ラットに体重1kg当たり2gというかなりの大量を投与しても異常が見られ ないということでございます。8ページには遺伝子に対する影響を見る試験もなされて おりますが、いずれも陰性という結果を得ております。しかしながら、28日間反復投与 をいたしますと、ラットにおいて主に肝臓に対する毒性が見られ、心臓に対する影響も 見られているというものでございまして、急性毒性は弱いのですが、長期に投与いたし ますと毒性影響が見られる可能性があるということで、厚生労働省の方でラットを用い た1年間の慢性投与毒性試験を実施したところでございます。1年間毎日投与いたしま した結果、ラットの特に雄において毒性影響が強く見られているのですが、体重1kg当 たり0.5mgという量で肝臓に対する影響が見られております。肝臓においては前がん病 変との可能性がある明細胞変異肝細胞巣というものが見られておりまして、こちらに基 づいて人に対する健康被害をもたらすおそれがあると判断されたところでございます。  最後に1ページを御覧ください。これは報告の案でございますが、1段落目には既に 御説明いたしましたとおり難分解、高濃縮であり、第一種特定化学物質に指定済みとい う、既にこの二つの要件は満たしているということを記載しております。「さらに」か ら始まる2段落目でございますが、案といたしましては厚生労働省が実施したラットを 用いた1年間反復投与毒性試験の結果などを審議していただいた結果、継続的に摂取し た場合には人の健康を損なうおそれがあり、第一種特定化学物質に指定することが適当 であるという調査会の審議結果を基に案として記載させていただいております。  以上これまでの状況でございますが、先ほど申し上げたように既に難分解性、高蓄積 性という結論が出ておりますので、本日は継続的に摂取した場合には人の健康を損なう おそれがあるものであるか否かについて、そして当該物質を第一種特定化学物質として 指定することが適当か否かというところを、大所高所から御審議をお願いしたいと思っ ております。本日は国立医薬品食品衛生研究所の専門家の鎌田主任研究官にも事務局と してお越しいただいております。毒性の詳細などについては鎌田先生からお答えいただ くことがあるかもしれませんが、鎌田先生、何か追加はございますでしょうか。 ── 説明中、植田委員着席 ── ○事務局 特にありませんので、もし何かありましたら御発言をお願いいたします。 ○井村部会長 詳細に御説明いただきましてありがとうございました。ただいまの御説 明について御意見を伺うのですが、その前に化学物質調査会での審議に携わっていただ いた委員の先生方がいらっしゃいまして、井上委員、安田委員、渡部委員がそちらも兼 ねておられますが、何か補足がありましたらお願いします。調査会長の井上委員から何 か追加はございますでしょうか。 ○井上委員 御質問に応じてお答えさせていただこうと思いますが、毒性に明るい先生 方は御覧のとおり、また事務局も御説明したとおり、これは急性毒性が比較的軽うござ います。長期毒性でも1年しか試験をやっておりませんので、さらに長期のところは学 問的専門的な予測に基づいております。そこで危惧がなされるという構造になっており ます。そこでさらに長期に摂取した場合には腫瘍を含む、また心臓に対する影響を含む 毒性が危惧されたということが今回の御提案の趣旨になっております。補足いたします。 ○井村部会長 ありがとうございました。安田委員、渡部委員、何か特にございますか。 よろしゅうございますか。それではほかの委員の皆様方から御質問あるいは御意見をち ょうだいしたいと思います。いかがでございましょうか。この参考2の裏側に2,4,6- トリ-tert-ブチルフェノールという化学物質が挙がっておりまして、これもやはり 急性毒性は恐らく低くて、今御説明がありましたのと同じような毒性が出ているような 感じでございますね。いかがでございましょう。竹居委員、どうぞ。 ○竹居委員 今1年しかテストしていないということで、それはよく分かりました。専 門家の先生方が判断して危惧されるところがあるので指定するということにも賛成です が、長期毒性に関して1年だけ実験をやって結論を出してますが、将来についても継続 的に実験をやって、予測が本当にそうなのかどうかということについてのフォローはど うされるのでしょうか。そこは私知識がないものですから教えていただきたいのですが。 ○井村部会長 今の御質問について事務局から何かございますか。 ○事務局 今回の御審議の結果といいますか、今は危惧があるかどうかということで指 定を検討しているところでございますが、本日の結論によりましてもし今の時点ではま だ特段指定にないということでございますと、さらに試験なり専門的な見解を頂くとい うことになるかと思います。本日もしおそれが十分にあるというふうに御判断いただき ますと、試験をするのは動物愛護の観点なども含めて行わないという選択肢もあるかと 思いますので、そこはまた後日検討させていただくことになると思います。 ○井村部会長 竹居委員、いかがでございますか。 ○竹居委員 ついでに、ほかの既に指定されている物質について、1年しか実験してい ないけれども指定したというものがあって、その後、継続的にフォローしておられるも のがあるのかないのか、そういったことについて具体的な事例があれば教えていただき たいのですが。 ○井村部会長 いかがでしょう。 ○事務局 過去で一特になったものについて、特にその後実験その他をしているという ことはありません。指定されて結局製造ができませんので、世の中からフェーズアウト しているというものでありますので、さらに予算の適切な消費とか動物愛護の観点から 特にそれはフォローはしていません。ただ、文献検索その他でもし何かあれば考慮する ことはあると思います。 ○井村部会長 御質問の趣旨は、今までに指定されたものの中で1年以内の試験だけで 指定したものがあるかどうかということですか。 ○竹居委員 おっしゃるとおりです。それで、もしあるとすれば、結局先ほどの井上委 員の御説明もそうですが、本当に長期に調べたわけではないのですね。ただ専門家とし てそういうことが予測されるということでおっしゃっておられるのです。私はもちろん 専門家の意見を尊重したいと思うのですが、あくまでも専門家の予測でありまして本当 にそうなのかどうかというのは、例えば10年実験をやってみたらどうなのか。大したこ となかったではないかということがあり得るかどうか。そういった点が素人としてちょ っと分からないものですから教えていただきたいと思ったのですが。 ○事務局 この問題は難しいところがあるのですが、確かに人と動物の感受性の差とい うのはもともと存在します。あとは経済的理念も入ってきます。現在ほかのガイドライ ンも含めて実験動物で発がん性試験をする場合、2年でなくて1年でオーケーと。そし てある程度予測しましょうというふうになってきております。今回今までの一特関係で 1年以内の実験で判断しているものは確かに少ないです。ちょっと調べてみないと分か らないのですが、確かに今までは過去の実験ですので2年間の発がん実験とかそういう データを基にして判定している場合もあります。それから文献調査と。今回は比較的国 の予算で試験を行った結果からこのような諮問をさせていただいています。ですから過 去と現在で動物愛護の問題、その他安全性に対する考え方が若干違ってきています。で すからできるだけ短期の試験で人に対する予測をして、安全サイドに立った判断をして いきましょうという観点に立っておりますので、その辺過去と現在で判断の仕方が少し 違ってくるかと思います。 ○井村部会長 いかがでございましょうか。例えばほかの部会の取扱いなどでも、やは り毒性についてはかなり既存のデータを使って予測をするということで判断をしていく というふうにだんだん変わってきたようでございますので。ほかに御意見ございますか。 神山委員、どうぞ。 ○神山委員 質問なのですが、プラスチック建材に使われているということはどのよう なものなのでしょうか。紫外線吸収剤というからには、例えばブラインドのような紫外 線が当たるものにも使われてきているということでしょうか。 ○井村部会長 どうぞ、お願いします。 ○事務局 こちらはただいま経済産業省の方において、すべて日本における使用を網羅 的に調査しているところでございますが、例えば建材といたしましてよく洗面台にあり ますプラスチックの棚などにも0.4%ぐらい配合されているという情報を得ておりま す。それから、そのようなものについてはちょっと脱線させていただきますが、今後の 調査といたしましてはまず環境中にこの物質がどのぐらいあるのかということの測定を 予定しております。これは環境省の方で行っております俗に言う黒本調査というもので ございまして、どのぐらい環境中に存在していてこの物質が用途の関係でどのぐらいあ るかというところを調べるということを予定しております。それからもう一点でござい ますが、人が使うものに非常に近いものに使っている場合でございますが、そのプラス チックの中から本当に溶出するのかどうかというところも含めて事業者の方も検討して おりますし、私どもにおいても人の健康を直接暴露するという観点からそちらの溶出性、 本当に出てきて人に暴露しているのかというところを調査する予定にしております。 ○井村部会長 神山委員の御質問の中に、なぜ入れるのだというお言葉があったような 気がしないでもないのですが、例えば色が退色しないようにとか、そういうことで入れ ていると説明されておりますが。 ○神山委員 紫外線吸収剤と書いてありましたので、紫外線が当たりやすいところに使 っているのかと思ったのですが。 ○事務局 補足になりますけれども、例えば屋外の看板など色が付いていて退色すると 困るようなもの、それから舌足らずで申し訳ありませんが、11月18日の記者発表に転 写型の写真の装置というプリンターがございますが、これは写真の表面はまた別の樹脂 でコーティングするのですけれども、その真ん中の樹脂に入れて写真が退色しないよう にするとか、そのようなものにも用いられているようでございます。 ○井村部会長 我々が使っております浴室の浴槽などにも使われているそうでございま す。ほかにございませんでしょうか。沖委員、いかがでございますか。 ○沖委員 基本的には神山委員と同じなのですが、外国製品で既に市場に出回っている ものがあるかどうか。これは人との関係で非常に大事なことでございます。特におもち ゃなどに使われているのではないかという、これは予測でございますけれども、今携帯 のお話が出ましたが、外国ではどの程度直接人と接触する製品に使われているのかとい うことが現状でお分かりになればお教えいただきたいと思います。 ○井村部会長 いかがでございましょう。 ○事務局 まず一番懸念されるのが食品の包装などに使われているということでござい ますが、それは今のところ使われているという情報はございません。それから例えばお もちゃなどですが、そちらについても国内ではございませんし、海外の公電調査でも、 これは現在やっているので今すべて把握しているわけではありませんが、今のところお もちゃという話は聞いていないところでございます。とても身近なものですと、やはり 先ほど井村先生がおっしゃった浴槽では溶出性試験をして本当に暴露があるのかどうか というところは検討したいと考えております。また、おもちゃなどでございますが、こ の紫外線吸収剤は非常に高価な物質だそうでございまして、値段が高いので逆に安いも のには余り使わないというところがございます。 ○井村部会長 よろしゅうございますか。ほかにございますか。土屋委員、どうぞ。 ○土屋委員 私は高蓄積性で難分解能のこの物質が1年で肝臓や心臓の方に主にラット で毒性の前がん病変や肝臓においてはそのような兆候が見られるということで、第一種 特定化学物質とすることに賛成いたします。これからの開発で例えばこれの代替とか様 々なことが今後も行われると思いますので、もし現在の毒性の専門家の間で議論された 中で、この物質の毒性発現機構のようなものが現在のレベルで推測されるようなことが 分かりましたら発言していただければと思うのですが。 ○井村部会長 かなり難しい御質問だと思いますけれども、井上委員、いかがでござい ましょうか。 ○井上委員 結論としては分かりません。 ○井村部会長 今の段階ではちょっと難しいのではないかという気がいたします。どう ぞ。 ○事務局 別のところですけれども、実はこの物質にクロルが付いたものがありまして、 これも同じようにやっているのですが、差がとてもあります。ですから非常に難しいこ とになると思うのです。申し訳ないのですけれども、今後これはほかの方に代謝機構な どを調べていただくと有り難いのですが、現実問題としてはただクロルが一つ付いただ けで同じような発がん性の前がん病変が見られなくなることがあるので、ちょっと難し いところがあると思います。構造ですけれども、今日御審議されている物質が参考1の 3ページの17番、そしてその類似物質が18番、以上です。 ○井村部会長 ありがとうございました。内山委員、どうぞ。 ○内山委員 私も基本的には第一種に指定されるべきだと思うのですが、これもやはり 既存の物質でもう既に使われているものですので、できるだけ早く1年でそういう前が ん状態のようなものがあれば予防的にそこで使わなくてもよろしいと思うのですが、こ ういうもので恐らく外国にも発信されるのだろうと思います。日本で輸入禁止になれば、 外国にも何を根拠にしたかということは問われるかもしれないのですが、一つ報告書の 中でNOELと書いてありますけれども、これはやはり前がん状態のものですとNOA ELと書いた方がよろしいのかなという気はするのです。これは普通にNOELと使わ れている場合もあると思うのですけれども、いわゆるアドバース・エフェクトの見られ ないと書いた方がいいのかなというところと。それから、もしそうであると前がん状態 で試験をやめてしまっていますので、これは発がん物質ということにはならないのでし ょうか。それとも前がん状態が出たということはこれは発がん物質と考えていいととる べきなのか、その辺の判断を教えていただきたいのです。もし発がん物質あるいはこの ぐらいはリスク評価をお教えしなければいけないようなときに、閾値があるかないかと いうことがまた問題になってくるかもしれないのですが、この実験系からその辺の判断 ができるのかどうかを少し教えていただければと思います。 ○井村部会長 いかがでございましょうか。 ○事務局 まずNOELとNOAELの問題なのですが、化審法上表記がNOELにな っているのです。こちらはそれに合わせております。それからNOELの根拠になって いるのは肝臓系の変化からNOELの値が出ています。確かに量的には増えているのが、 これは雌雄差があるということで雄しか出ておらず雌には出ていないと。なおかつ出て いるのはNOELの根拠になるように中間用量から出ています。ですからNOELの根 拠にはなりますし、NOAELとも判断はできると思います。  次に、これから先発がんするかしないか、確かに明確な変化ということでは弱いかも しれません。ですから危険性を考えた場合1年間の実験ですので、今後これがもっと増 えれば肝に対しての発がん作用があるかもしれないという推測の下に今回判断をしてい ます。それから遺伝的なものがあるかどうかなのですが、現在出ているデータとしては 染色体異常試験が陰性です。これ以外にまた小核試験をやるなどすればもう少しはっき り分かるかもしれませんが、今の段階ではちょっと明確なことはお答えできないと思い ます。 ○井村部会長 ありがとうございました。内山委員、その程度のことですがよろしゅう ございますでしょうか。ほかに御意見ございませんでしょうか。安藤委員、どうぞ。 ○安藤委員 この場で議論するお話ではないと思うのですが、先ほどこれからの対応と して溶出試験ということをおっしゃいましたけれども、その溶出試験はどういうことを 考えていらっしゃいますか。つまり、これは接触暴露を考えているのか、経口暴露を考 えているのか、経気道暴露か。経気道は多分ないだろうと。そうすると、使用方法から すると接触で経口的に入ることを考えているのか。ちょっとこの場では違うかもしれま せんが。 ○井村部会長 お答えいただけますか。 ○事務局 まずは溶出するか否かを検討させていただきたいと思いまして、この物質は 出るということが分かりましたら、暴露の方法についてはまた専門家の先生と御相談と いうことにはなるかと思います。取りあえずは人の接触の可能性が考えられます。例え ば浴槽でしたら実際にお風呂に使うような条件、つまり40〜50℃という条件で溶出する かどうかをまず検討させていただきたいということを、専門家の先生と御相談させてい ただきたいと思います。 ○安藤委員 と申しますのはこれは全然違うのですが、水道管の内面塗装というものが ございまして、そこでエポキシ樹脂を使っていました。それが昨年の年末に、使ってい るのではないかというお話がちょっとありまして、我々はもう20年ぐらい前にその溶出 試験をやって、それは大丈夫だということで決めたのですけれども、そういうことがご ざいますので、そこが非常に大事だというふうに思いました。  それからこの物質は先ほど井村先生から御指摘がございましたように、2,4,6-トリ -tert-ブチルフェノールと非常に構造が似ていると。ということは、こういうフェ ノール基にたくさん側鎖が出ているものは分解しにくいのだろうと思われると。そうす ると、この6に付いている化合物はここで切れるのかどうか。ということは、この先当 然そういうものについて全部洗う必要が出てくるのではないかという気がいたしまし て、ちょっと蛇足でございますが、代謝で尿中にどういうものが出てくるかということ がもしお分かりならお教えいただきたいと思います。 ○井村部会長 この代謝について何かデータはございませんでしょうか。 ○事務局 現在のところ事務局で調べた限りでは代謝に関するデータはないというとこ ろでございます。 ○井村部会長 ほかに御意見、御質問ございませんでしょうか。よろしゅうございます か。神山委員、どうぞ。 ○神山委員 参考に伺いたいのですが、これは一体いつごろから製造が開始されている ものなのでしょうか。 ○事務局 こちらは昭和48年の法律制定当時に既に既存化学物質として製造されてい たものでございますので、推測するにそれよりちょっと前から、つまり30年以上製造さ れているものだと思います。 ○井村部会長 環境調査でどのぐらい出てくるかちょっと心配ではありました。ほかに 御意見ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。もしこれ以上御意見がない ということでございましたら、この部会においては2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾ ール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノールを化審法における第一種特定化学 物質として指定すると決めさせていただいてよろしゅうございますか。植田委員、どう ぞ。 ○植田委員 意見ではないので教えていただけたら有り難いのですが、1973年の時点で 既に既存化学物質であったというお話だったので、随分前からあるということですね。 私遅れてきたせいもあって、なぜ今になってというのはどこかで既にお話しなされたこ とかもしれないのですが、それだけ教えていただきたいと思います。この結論には全く 異存はありませんが。 ○井村部会長 それはお答えいただけると思います。監視化学物質としては既に指定さ れていたものです。 ○事務局 この化審法の規制関連の試験でございますが、それぞれ各省庁で分担してや っております。分解度試験と蓄積性試験は経済産業省の方で実施しておりまして、こち らの物質は1996年に分解度試験が終了しておりまして、検出系など開発するのもなかな か難しい場合もありますので、この年に終了しております。それから1997年に難分解と いう判定が専門家の間でありまして、その後濃縮性試験を同時並行して行っているとこ ろでございます。1998年12月にはこの濃縮性が高いと判断されまして、それからこの 物質はラットを使った毒性試験ということになりますとお金も時間も掛かりますし、そ のような結論が出たものについては早急に厚生労働省の方で試験をさせていただいてい るところでございますが、長期毒性を予測するスクリーニング試験ということで28日間 反復投与を始めさせていただき、2002年6月には厚生労働省の28日間反復経口投与試 験が終了したところでございます。その後28日間反復投与毒性試験の報告書のとおり、 かなり毒性が強いので長期試験を実施すべきということで、これも先ほど申し上げまし たように厚生労働省の方で1年間の長期試験を実施して、昨年8月にその結果が出てま いりましたので、11月に調査会に御審議いただいたというスケジュールになっておりま す。 ○井村部会長 そういう経緯で来ているようでございます。よろしゅうございますか。 ○植田委員 経緯はよく分かりました。感想だけですけれども、つまりその間はずっと 使われ続けるわけですね。私自身は経済学なものですから全くこういうことに関して分 かりませんけれども、やや気に掛かるといえば気に掛かるといいますか、その間にどう いうことが起こっているのか。試験のためにものすごく時間が掛かるというときに、ど ういう考え方で意志決定すればいいのか、ちょっと…。 ○井村部会長 これは恐らくこの化審法ができてからみんながずっと同じような心配を しているところだとは思うのですが、いろいろな点でやむを得ないことでそういう取扱 いになっているかなと思います。事務局から今の御質問について何かございますか。 ○事務局 先ほど御指摘いただいた点でございますが、当方としてもどのような方法が いいかはまだありますが、できるだけ生産量が多くて難分解、高濃縮という疑いのある ものを中心に毒性試験をするようにしてきたところでございます。以上でございます。 ○井村部会長 井上委員、どうぞ。 ○井上委員 植田委員の御指摘はごもっともなところがあるのですが、毒性の方の立場 からいたしますともう一つの見方がございまして、本日ここで多くの委員の先生方がこ れを一特に認めるという方向でもって御意見が出ているところで、これはかなり画期的 なことだと受け止めております。と申しますのは幾つか念のためということで御指摘が ありましたように、これは短期の急性毒性試験で非常に毒性の程度が低うございます。 長期になっていくに従ってその毒性が明らかになっております。それも本格的な発がん 性試験をやりますと1億7,000万円ぐらい掛かります。これは本省から1年で専門家と して先を予測しろということで、毒性の専門家の方たちが協力されて、これは単なる危 惧にとどまらない、明らかにこれががんにつながっていく可能性はある。しかしながら、 ここでがんとしてNOELあるいはNOAELをとることはできないけれども、十分危 惧されるということで引っ掛かってまいりました。したがいまして、通常ですとこれは 見逃されていても全く不思議はない。この化審法の既存化学物質のスクリーニングがワ ークしたのだという考え方もできるのだということを補足させていただいて、今既存化 学物質の再点検が事務局のリードで進んでおります。これは膨大な化学物質がございま して、どうしても順序が要りますし、また、これは本当に危なそうだということになり ますと1年間の試験がこのように行われるわけですけれども、その際にも是非注意深く 見て、単なる危惧に陥らないで、かつ見落とさないという形で専門家の英知がしぼられ ることによって、化審法がワークしていくとお考えいただければと思います。 ○井村部会長 非常に分かりやすい御説明をありがとうございました。板倉委員、どう ぞ。 ○板倉部会長代理 この場での結論では皆様と一緒なのですけれども、その後のことに ついて。先ほど事務局の方から使用製品の輸入禁止というお話もございましたが、一般 的にこういったものは製造と輸入が禁止されても、製品がどういった形で入ってくるか についてしかもプラスチックに微量に使われているものということになりますと、輸入 業者のところでそこまで十分にチェックができるのかという問題もあります。非常にい ろいろなメリットがあり海外で使われて入ってくるということがありますと、結局のと ころ日本の業者だけがそういう規制を受けるという形になってしまいますので、なるべ くそういった面で見落としがないように政令等を早く決めていただければと思います。 ○井村部会長 ありがとうございました。今の御意見については今後の取扱いというこ とをこれから御説明いただけると思いますので、そこで議論していただこうと思います。 それでは特に追加の御意見はございませんでしょうか。なければ先ほど言いかけたので すが、この物質を第一種特定化学物質として指定するということでよろしゅうございま すか。それではそのようにさせていただきます。ありがとうございました。それでは今 申しましたように本件にかかわるこれからの手続等についてお願いいたします。 ○事務局 今後の手続について御説明いたします。この物質を指定という結論を頂いた ことで、まずパブリックコメントをさせていただいて広く意見を聞くということを予定 しております。その後また同時並行になりますが、WTOの義務がございますので諸外 国に対しても意見を聞くという手続を経まして、その結果また再度御審議をお願いする かもしれませんが、そのままですと指定、政令の改正ということを予定しております。 それから先ほど申し上げましたように、製品の方はまた別途お願いするということもあ るかと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○井村部会長 ありがとうございました。国際的な関係はいかがでございますか。 ○事務局 このような難分解性でしかも高濃縮性の物質はPOPs条約、別名ストック ホルム条約でございますが、持続的に残ってしまうような有機化学物質に関する規制の 条約と。このような高濃縮性、難分解性でしかも健康被害などが懸念されるもの、PC BやDDTなど今回15物質御紹介させていただきましたが、このものの多くがこの条約 の対象となっておりまして、日本もその条約を批准しているところでございます。今後 でございますが、この物質がそういう条約の対象となるかどうかなどはまた検討させて いただくということを予定しております。よろしくお願いいたします。 ○井村部会長 ありがとうございました。板倉委員、よろしゅうございますか。それで は次の議題でございまして、報告事項に移らせていただきたいと思います。化学物質の 審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づく新規化学物質等の判定結果につい てという議題でございますが、事務局から御説明をお願いいたします。 ○事務局 では資料3-1の表を御覧ください。これまで調査会において専門家の先生方 に御審議いただいた物質の数でございますが、今回こちらに概要として御紹介させてい ただいているものでございます。審議をしてきた物質数は、前回は平成16年の第9回ま で御報告さしあげたところですが、第10回以降、平成17年1〜7回まで開催しており まして、その間新規の化学物質といたしまして272物質の審議が行われております。そ れから既存化学物質は昭和48年の当時に既に製造されていた物質でございますが、こち らのものは厚生労働省などの点検が済んだということでございまして、そちらの48物質 について御審議いただいているところでございます。  既存化学物質のうちで次の御審議をいただいた結果、真ん中辺りのカラムに「第一種 監視化学物質とされた物質の数」とございまして、「3」となっておりますが、こちら は高濃縮性であり難分解性であるという第一種監視化学物質に該当すると判断されたも のでございまして、資料3-2の方に概要を記載させていただいております。このような 第一種監視化学物質については優先的に点検していくというものでございます。次に第 二種監視化学物質とされた物質の数でございますが、それぞれ新規が9物質、既存化学 物質が48のうち22物質でございます。それから第三種監視化学物質は環境に対する影 響の方でございますが、新規化学物質が7、既存化学物質が21について、こちら若干重 複がございますが、審議されているところでございます。  そちらの物質の概要でございますが、それぞれ資料3-3、3-4に今回監視化学物質に相 当するとしたものの調査報告書を配付させていただいております。資料3-3でございま すが、前回まで既存化学物質についても非公開とさせていただいておりましたが、昨年 9月より既存物質については企業秘密情報ということはございませんので、こちらは公 開で審議会も開催しておりますし、またこれらの調査報告書などについてもすべて公開 していくということになっております。ですので、資料3-3については公開情報という ことで既にウェブサイトなどに載せる手続をしているところでございます。  それから資料3-4は新規のものでございまして、企業などの情報がございますので、 こちらについては恐縮ですが厳重管理ということで、御意見がある場合は番号でお願い したいということでございます。  それから補足でございますが、資料3-2の3物質は第一種監視化学物質ということで 手続を進めておりまして、本日付けで告示がなされております。以上でございます。 ○井村部会長 ありがとうございました。ただいまの報告事項の御説明について御意見、 御質問がございましたらどうぞ、お願いいたします。調査会でこれについての御審議が いろいろあったはずでございますが、何か調査会の委員を兼ねておられる先生方から補 足がありましたら。よろしゅうございますか。それではただいまの御説明について御質 問あるいは御意見がありましたらどうぞ、お願いいたします。いかがでございましょう か。神山委員、どうぞ。 ○神山委員 化審法が変わってから化審法の仕組みがものすごく分かりにくくなって、 第一種特定化学物質、第一種監視化学物質というもともとのことがふに落ちていないと いう部分が、専門の方は別としてそうでない人は分からないということがあると思うの です。せっかく参考資料として配っていただいているので、とにかくここでもう一遍化 審法の大まかな仕組みを説明していただいた方がいいのではないかと思うのですが。 ○井村部会長 化審法の大まかな仕組みというと、かなり大変なことになるかもしれま せんので、例えば第一種特定化学物質、それから監視化学物質の一種、二種、三種とい うのはどういう定義なのだという、その辺のことでよろしゅうございますか。事務局、 お願いいたします。 ○事務局 第一種、第二種、第三種と監視化学物質が三種ございます。それから特定化 学物質は第一種、第二種がございますが、今回は先ほど第一種特定化学物質の御説明を いたしましたので、監視について主に御説明させていただきます。第一種監視化学物質 については高濃縮性、難分解性という両方の性質を備えておりまして、環境中に残存し やすくてしかも生物濃縮を受けやすいということで、これらは優先的に生産の報告や生 産量報告などをしていただきます。それから実際に気を付けていただくということもご ざいますし、また政府などにおいてはこれは優先的にチェックをしていく対象となると いうものでございます。それから第二種、第三種でございますが、概念的にはほぼ一緒 でございまして、両者とも難分解性であるという性質を持っているものでございます。  参考4といたしまして、「監視化学物質への該当性の判定等に係る試験方法及び判定 基準」を配付させていただいておりますが、こちらに判定の大まかな基準で、これにつ いて実際には専門的な御判断を頂くということになっておりますけれども、これはあく までも一応の目安ということでございます。第二種の方は人の毒性、つまりラットなど を用いた試験などにおいて人の健康に影響を与えるのではないかと判断される物質につ いて指定していくというものでございます。難分解性でありまして、ただ高濃縮性では ございませんので、今回御審議いただいた物質のように生物濃縮を受けやすいといった ことはございません。懸念といたしましては第一種よりは少ないのではないかと思われ ますが、こちらについても監視化学物質ということで御注意いただくということになっ ております。  それから第三種は環境への影響ということでございまして、実際スクリーニング試験 といたしましては先ほど人毒性の方はラットなどを用いると申し上げましたが、環境の 方については環境省でミジンコや魚を用いた試験で、実際この物質が環境中に出た場合 に難分解ですので、残った場合にそういう生物に影響を与えないかどうかスクリーニン グをしていくと。実際にそのような強い影響が見られたものについては監視化学物質と して管理としている制度でございます。以上でございます。 ○井村部会長 よろしゅうございますか。ほかに御意見、御質問ございますか。安藤委 員、どうぞ。 ○安藤委員 今の御質問と同じように私もちょっと混乱してまいりましたが、資料3-4 で少し気になることがございます。例えば7の物質がございます。また7の変化物があ ります。それから8があります。そして8の変化物1、2があります。ということは多 分7、8の分解物が7の変化物あるいは8の変化物1、2だろうと思うのです。そこで 上の方に人健康影響は第二種監視、それから生態影響は第三種監視となっているわけで、 ちょっとよく分からない。そうすると、人に対しては第二種程度ということで、生態影 響というのは第三種でないということは壊れるという考え方なのでしょうか。生態影響 はないと。 ○事務局 こちらについて第三種でないという場合は、スクリーニング毒性において毒 性影響がそれほど見られないというところでございまして…。 ○安藤委員 それは人の健康影響ということですね。 ○事務局 生態の方でございます。生態の場合に第三種監視化学物質相当でないという ものについては、この判定基準から専門的に御判断いただいて参考にいただきまして、 毒性学的にハザードとしてこれに該当するほど強くないと。それから蛇足で恐縮でござ いますが、分解物の考え方は化審法においてはある物質が環境に出て微生物などで変化 を受ける、分解したりする可能性がございます。その場合はその分解したものが残存す るかどうかという観点から見ておりまして、そのために分解物のハザードを見ていると いう仕組みになっております。つまり、環境に残るのは最終的にどのようなものなのか、 その観点からその物質を見ていくという形になっておりまして、恐縮でございますが、 このように分解しやすいものについてはその分解物の毒性の影響を見て、そして本体、 もとの物質についてもどのようなものに相当するかという判断をしております。 ○井村部会長 ありがとうございました。ほかに御質問ございますでしょうか。神山委 員、どうぞ。 ○神山委員 第一種の監視化学物質3物質の三番目なのですけれども、用途が「公表資 料なし」となっていて、第一種監視化学物質は製剤量や輸入数量は届け出たり、これか ら監視をしていかなければならないものだと思うのですが、何に使われているか分から ないというものなのですか。それとも公表資料はないけれども、何に使われているかは 分かっているということでしょうか。 ○井村部会長 事務局お願いします。 ○事務局 こちらについては今後この監視化学物質に指定されると、製造量や用途など を届け出るという法律上の義務が生じますので、今後はこちらの生産量についても公表 になると。ただ、今の時点ではまだでございますので、今のところ企業の方の情報とい うことになっておりまして、このように書かせていただいたところでございます。 ○井村部会長 よろしゅうございますか。ほかにございませんでしょうか。もしなけれ ば、ただいまの報告事項についてはこの部会で確認をさせていただいたということでよ ろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。次の議題としてはその他と なっておりますけれども、事務局から何か特にございますか。 ○事務局 特にございませんけれども、何度も申し上げて恐縮でございますが、議題1 にてご審議いただいた物質の用途などについての情報が集まりましたらまた部会をお願 いするかもしれませんので、そのときはよろしくお願いいたします。日程などについて はまた調整させていただきます。どうぞよろしくお願いします。 ○井村部会長 ありがとうございました。議事は一応終了いたしましたが、全体を通し て何か委員から特別な御発言はございますでしょうか。多少そのような意味の御発言も ありましたようですが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。それで は事務局の方から何か連絡事項がありましたらどうぞ。 ○事務局 資料3-2と3-4については企業情報が入っているということでございまして、 恐縮でございますが、本日回収とさせていただきたいと思います。机の上に置いておい ていただけますよう、よろしくお願いいたします。 ○井村部会長 以上をもちまして平成17年度第1回薬事・食品衛生審議会化学物質安全 対策部会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。   ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 化学物質安全対策室 室長補佐 江原(内線2426) - 1 -