05/12/19 第2回運動指針小委員会議事録      第2回運動指針小委員会     日時:平成17年12月19日(月) 場所:虎ノ門パストラル新館6階アジュール  中野補佐 皆様おはようございます。定刻になりましたのでただいまから第2回運動 指針小委員会を開催させていただきたいと思います。なお事前に、御欠席をいただいて いる委員でございますけれども、鏡森委員、坂本委員、田中委員、戸山委員、吉池委員 におかれましては、御欠席と登録をいただいております。  次に本日の配布資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元に配布しており ますけれども、最初に議事次第のホッチキスどめでつづりがございます。その中に委員 の名簿、座席表、資料配布一覧が入っています。資料1が1枚紙でございます。そして 資料2でございますが、運動指針の国民向けの骨子案というのがホッチキスどめでござ います。一応以上でございますけれども、もし不足、落丁等がございましたら、事務局 までお申しつけいただけますでしょうか。よろしいでしょうか。  では続きまして、本小委員会の座長をお願いしております太田委員に以後の議事運営 に関してお願いしたいと思います。よろしくお願いします。  太田座長 皆さん、おはようございます。本日もどうかよろしくお願い申し上げます。 事前に資料が配られておりますので、ある程度ごらんになっていただいていると思いま すが、今日はこの議事次第に沿いまして、主に3つの案件、特に国民向けの骨子につい て、一人一人の先生方の御意見を伺えればというふうに思っております。  それではまず1番目の運動指針に関する発言メモ、第1回の運動指針の小委員会のま とめにつきまして、事務局から簡単な御説明をお願いします。  中野補佐 それでは資料1でございますが、先週の金曜日に事前に皆様方には配布し ておりますので、こういった形で取りまとめたという御説明だけをさせていただきたい と思います。  第1回の小委員会で、それぞれの先生方から順に御意見をいただきましたので、その 御意見の中で全体としての発言なのか、運動指針の国民向けの意見なのか、指導者向け の意見なのかということを、それぞれ体系的に分けさせていただいて、こういった先生 方の意見がございましたということを、ここで整理をさせていただいて、次の議論に進 めたいということで事務局で作成させていただきました。そういった意味で今回の議論 のきっかけになるということでございますので、御参考までということでごらんいただ ければと思っております。以上でございます。  太田座長 ありがとうございました。多少自分の言ったことが抜け落ちているという ことがございましたら、また事務局の方に言っていただければ、これのバージョン2が できるかもしれません。  前回それぞれの先生方からお話をいただきまして、随分イメージがわいてきたことと。 それから特に魅力的な表現の問題とか御意見をいただきましたこと、本当にありがとう ございました。  それでは引き続きまして、今日の本題に近いのですが、健康づくりのための運動指針 の国民向けの骨子案につきまして、事務局の方から説明をお願い申し上げます。  中野補佐 それでは資料2でございます。資料2で健康づくりのための運動指針、国 民向けの骨子案というものを本日資料として提示させていただきました。これに関しま しては、事前に先生方の中で、一部の先生方と打ち合わせをさせていただいて、まずこ れを作成させていただきました。具体的には田畑委員、久野委員、下光委員、この御三 名にあと竹中委員にも一部御参画いただきながら、骨子案やイメージ案に関しまして作 成を事務局でさせていただいております。  事前にいろいろとディスカッションをしながらやりとりをしておりますけれども、こ れをもとに今日御説明させていただきまして、委員の皆様方から意見をいただいた上で、 また次回これに肉づけした形で提示させていただきたいというような形で考えておりま すので、あらかじめ御了承いただければと思っております。  それでは骨子でございますけれども、最初にはじめにということ。そして策定にあた っての考え方、運動指針、留意点という大きな4つの項目を考えています。あと参考資 料としまして主に例示を中心に、国民向けでございますので国民にわかりやすい例示を どういった工夫をするのかということが必要かと思います。本文だけではなく参考資料 ということで、いろいろな体力の観点から例示をさせていただいたり、あと具体的にそ れぞれの年代、ライフサイクルに応じて、いろいろ皆さん活動が違いますので、そうい ったことから例示をそれぞれさせていただきたいというふうに考えております。  続きまして2ページ目からイメージ案ということで、骨子に関しましてさらに少しブ レークダウンしたものということで、最初の部分でもいろいろな策定の経緯とか現状、 そしてあと運動と生活習慣病の関連について、初めに書かせていただきました後、その 次に考え方ということで、二重括弧の方は考え方ということで、ここに書くということ ではございませんが、国民にわかりやすく浸透しやすいものというものを策定して、方 針として書いていきたいということで、ここで書かせていただきました。  あと対象者ということで広く国民に向けて作るということです。特に健康な人を対象 にしておりますが、それだけではなく健診において、軽度の異常を指摘されている人も 含むということで、対象者を考えております。  あと基本的な骨格、中心的な部分でございますけれども、指針にはキャッチフレーズ を主に載せていくということで、前回の指針にもキャッチフレーズ等がございましたの で、できるだけ国民にわかりやすくやさしく、前回の意見でも感情的なエモーションに 訴えかけるもの等々の意見もございました。表現方法の工夫とか伝達方法の工夫、そう いったものを考え合わせた上で、キャッチフレーズを作っていかないといけないのでは ないかということで、ここで書かせていただいております。  身体活動運動の効果ということで、一体どういう効果があるのかということで、国民 に対して御説明をするべきだろうということで、身体的の効果、心理的効果、社会的、 経済的効果。そういったことについての効果をここで記載させていただきたいというふ うに考えております。  3番目でございますけれども、運動指針の例示ということで、ここが中心部分になろ うかと思っております。スローガンを掲げていくということで、事務局あるいは一部の 先生方といろいろと検討した結果、一応大きく2つの標語を考えてみました。1つは「歩 こう一日一万歩」ということで、運動所要量の身体活動の目標に対応したものという位 置づけで整理をさせていただいておりますが、身体活動所要量の方では、まだ予定では ございますけれども、週に23METs・時間と書いてありますけれどもこれは、時の間違い で時間の間を削っていただきたいと思います。23METs・時ということで、その身体活動 のエネルギー消費を推奨するという予定でございます。  そういったことでこれを1日の歩数に換算いたしますと、大体6,000歩ぐらいだろう ということでございますけれども、ただ自宅内、歩数計をつけていない、移動する未知 数の部分の数というのがいろいろな研究発表がございまして、それで1日およそ2,000 から4,000歩あるというふうに書かれておりますので、それらを合計いたしますと約 8,000から1万歩ということですので、こういった意味で大体裏づけとしてもある程度 1万歩というのが、ここで書いてもおかしくないのではないかということで、目標とし て単純明快ということで、1万歩を目標として掲げさせていただいております。  それにプラスして歩数を増やすヒントということで、(1)から(6)まで、どういったこと で歩数として理解してそれを増やす工夫をしていくかということを、順々に記載させて いただいております。これがもう少し何かこういったものを書くべきだとか、あるいは こういったものはちょっと余分だという御意見がありましたら御意見をいただければと 思います。  あと標語2ということで「運動もバランス良く」ということです。これに関しまして は運動所要量の運動の目標に対応しております。運動もバランス良くということで、最 近では有酸素性運動だけではなく、レジスタンス運動、筋力トレーニングとか、あるい は柔軟性運動。そういったことについての重要性が、指摘されております。そういった 意味で、運動も、食事のバランス良くということ引っかけたような形のキャッチフレー ズでございますけれども、それぞれの体力という観点で、代表的なものについてそれぞ れ入れるということで、大きく3つをここに掲げさせていただいております。その1つ が有酸素性運動。  そして以下にサブキャッチフレーズというのを少しつけ加えさせていただいておりま す。そういうことで1つの有酸素性運動のサブキャッチフレーズが、「週1時間の息の 弾むような運動で体力アップ」ということで、キャッチフレーズを考えさせていただき ました。  そしてその次のページでございますけれども、レジスタンス運動、筋肉トレーニング の部分では、「貯筋で活力 維持しよう」ということで筋力トレーニングについても、 日ごろからやることで、貯筋というお金のものと少しかけ合わせた形で、日ごろからの 貯筋というのが大切なんだということをここでスローガンとして掲げさせていただいて おります。  あと柔軟性運動では、「ストレッチングで怪我知らず」ということで、体力という大 きな観点とは、少し上の2つとは違うのかもしれませんけれども、準備運動、整理運動、 そういったところ、あるいは入浴後のストレッチング等でもある程度のエネルギーが消 費できるだろうということで、余り場所をとらずに簡単にできるということで、ストレ ッチングということも効果として、この中に入れてみてはどうかということで、大きく 3つの柱で入れさせていただいております。  そういいながらもやっぱり重要なのは、有酸素性運動であったりレジスタンス運動と いうことなので、一応図として6対3対1ぐらいのバランスの割合でしましょうという ような形で、図も入れさせていただいて提示してはどうかということで、ここの部分を 書かせていただいております。  その次の最後の留意点というところでは、今までの対象者、それぞれいろいろな対象 者、どういった方々に対してこの指針はつくられているのか。あるいは運動というのは 個人差があって、より効果的な運動をするためには、この指針だけではなく、いろんな 観点で専門家に相談をした方がいいのではないかとか。あるいは事前に健康チェックを した上で、自分の身体状況を確認した上で、運動をする必要があるとか、あるいは前後 の準備運動、整理運動というのをきちんと行うことが必要ですよということを、ここで 留意点で記載させていただきたいというふうに考えております。  以上が全体の本文のイメージ案でございます。その後からは参考資料ということで、 それぞれの運動と、METs・時の考え方、どういった例示があるのか、そのイメージを見 ていただくための図を作ったり。あるいは有酸素性運動ではどういった運動があるのか。 それについて運動所要量で示したものとの関係で、どのくらいの時間運動しないといけ ないのか。そういったことを、図、言葉、絵などで示してまいりたいと考えております。  次のページには、レジスタンス運動の一覧ということで、レジスタンス運動について も、絵と言葉で御説明をさせていただく。4番目には柔軟性運動についても同様に考え ております。  そして5番目ということで、身近な人を例にした身体活動、運動の例示ということで、 冒頭申し上げましたけれども、それぞれのライフステージ、あるいは運動の実際の歴史 と経歴、あるいは身体状況。そういった等々の状況に応じて、ではどういうふうなこと を自分は運動すればいいのか。あるいは実際どれだけの運動を自分はしているのかとい うことを簡易的に理解していただくために、それぞれのパターン、この名前は単純に書 きすぎてはいるんですけれども、9人の場合、代表的な特徴を示を示しながら自分はど こら辺に当てはまるのかということを見ていただいて、その中に自分は一体どれだけの 運動量を毎日しているのか、あとどれぐらい運動しないといけないのか。そういったこ とを簡単に、そしてそれをこなすためにはどういった筋力トレーニングだったり、柔軟 性運動だったり、有酸素性運動だったり、こういったものをどういった時間、どういう 形で示していったらいいのかということを少し具体的な形でお示しさせていただけない かなということで、ここで一応こういったことを指し示させていただきたいというふう に、今のところ考えています。  一応こういった形で骨子案、イメージ案というのを作成させていただきましたので、 本日はこれについて御意見をいただいて、また次回にはこれをもう少し具体的にしたよ うな形で御意見をいただければというふうに考えております。以上でございます。  太田座長 ありがとうございました。今骨子案につきまして御説明いただきましたけ れども、これに対する質問みたいなことをいちいちやっているよりは、もしできました ら、順番でいくと久野先生からですが、御自分の御意見も含めて、またそれぞれの方々 から御意見をいただく方が、いいのかなと思っておりますけれども、そんなふうでどう でしょうか。  中野 資料の確認のところで申し忘れてしまいましたが、左の方に、お手元の方に、 4部資料を追加させていただきました。これは事前の金曜日に皆様方にメールでお送り してFAX等で御意見をいただいたときに、御意見をお返しいただいた先生方から資料 として提出されたものということで、久野委員、下光委員、竹中委員、能勢委員という 4名の委員から事前に資料をいただいております。なお竹中委員におかれましては欠席 ということでございましたので、御一読いただければということで、御提示いただいた ものという御理解で提出させていただきました。  太田座長 全体の御意見を伺っているやり方で、一つ一つやっていくと、ちょっとま だ大きな枠組みを皆さんの御意見の中から固めていく時期だと思います。できましたら そういうふうにやろうと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。多分各 先生方には総論的なアグリーメントみたいな部分とそれから各論的な部分で、どうして もこれは事務局が知っていた方がいいという部分と両方おありになると思いますが、そ ういうふうな視点でもしお話いただければというふうに思っています。  久野先生が考えている時間を作るために、私が最初にこれも意見の1つとしてです。  全体的なフレームは何となくいいなという感じがしています。前回の各先生方の御意 見をかなり反映した形になっているのではないかと思います。具体的なキャッチフレー ズの中にやはり引き込まれるようなというんでしょうか、あるいはそういうモチベーシ ョンが高まるような部分のキャッチフレーズが欲しいなと、勝手に思ったのです。では 具体的にそのキャッチフレーズを考えろと言われてちょっと考えてみたのですが、なか なかいい案は出ませんでした。  そういうことを感じながら、個別の意見としてはそういう部分が、キャンペーン的な 意味合いのキャッチフレーズ、引き込まれるような、あるいはやってみようと思うよう な、あるいは継続していきたいと思うような、そういうものが欲しいなと思ったのです が、つくれなかったので、今はちょっと少し声を弱くして言っていますが、よろしくお 願いします。それでは久野先生、よろしくお願いします。  久野委員 筑波大学の久野です。よろしくお願いします。今中野補佐の方から御説明 があったように、これのたたき台づくりのミーティングに何回か出ていますので、基本 的には、この方向で考えている1人です。  その中でもう一度金曜日にいただいて今日まで見てきた中で、これを作るときに非常 に多くの国民がこれを見て運動していただくということを前提にしていますので、今ま でやらなかった方がどうやったらやっていただけるだろうという視点が、本当にこれか ら読み取っていただけるかどうかということが、1つこれを見ていく上でポイントかな というふうに思っています。  そういう中で全体的な、中によく読むと、例えば歩数が少ない人は徐々に増やしてい きましょうとかそういう例示はあるのですが、自分が大体どんなレベルにあるかという こと。1つは運動に自信があるとか自信がないとか、過去の経験、そういう割合行動変 容的なところはかなり入ってきていると思いますが、いわゆるどれぐらいの体力的なレ ベルかというような簡単なテストみたいなものがさらに加わるといいのかなという感じ が、再度見直しをして感じました。  それからもう1つここでぜひ議論をしていただきたいのは、運動の内容です。大分ミ ーティングでも議論をしたのですが、有酸素運動と筋力系プラス柔軟運動が並列的に入 っているところが、個人的にはどうもやはりすっきりきません。柔軟運動という形を入 れていいのかどうか、こういう形で出すかどうかというのは、少し議論が必要だという ふうに感じています。以上でございます。  太田座長 ありがとうございました。一般的に有酸素とレジスタンスと、だれも異論 はないと思いますが、柔軟性という言葉がいいのか。もう少しちょっと言葉が適当かど うか、関節可動域みたいな話がいいのかわかりませんが。そういう柔軟性、これはこう いうことに入れることは、結構大事なんでしょうけれども、表現のことも含めてという ことなんですね。  久野委員 そうです。もちろん柔軟運動が必要ではないという意味では、決してあり ません。それが必要だという前提で、並列的に体力の要素として含めて合わせていいの かどうかというのが、もう少し慎重な検討が必要かもしれないということです。  太田座長 ありがとうございました。では斎藤先生、お願いします。  斎藤委員 私は今日御出席の先生方の中で、多分信藤さんと私だけが、運動とか医療 の専門家以外なんです。私はスポーツクラブも経営していますので、そういう意味では スポーツ、運動をやりましょうというのは、それはそれでいいのですが。ただそういう 経営者ということよりも、経営をする意味で効果的に物事を進めていくというようなこ とを日ごろ考えている人間として、意見を述べたいと思います。  一般的に国とか運動の団体が作る標語というのは余りにも至れり尽くせりで、刺激的 ではないんです。そのとおりだねと言われてそれで終わりになるようなものよりは、も う何回もやっているわけですから、少し刺激的にしたらどうだろうかと。  余り冗談みたいなこと言っても何なので、10年近く前にアメリカで公衆衛生局長官が 分厚いレポートを出して運動させようとしたときに、ちょっと英語の文章は忘れました ので概略の訳です。運動をしないとあなたの健康を損ないますというような脅迫的な文 章だったんです。ですからこれはアメリカの食生活その他を考えて、もうどうしようも ないということでそこまで書いたんでしょうけれども、それでもアメリカはそれ以降よ くなった兆しはありません。必ずしもそう書けばよくなるという保証はないのですが、 かなり刺激的に書く必要があるのではないかという気がします。  ですからただ「歩こう、一日一万歩」というようなことだけではなく、どのように。 これはどう書いても刺激的にはならないと思います。  あともう1つの標語例2の方です。こちらの方も歩くには、もう1つは楽しくという よりは何か目的を持って歩き続けられるように、普通何もしないで一万歩歩くなんてい うのは到底無理です。何か目的を持たせるような工夫を、文化財を訪ねるとか、あるい はいろんな興味のあるものを見て歩くとか。  私はこの間、ここで言ったか他の委員会で言ったか忘れましたけれども、秋葉原の刺 激的なものを見て歩くとかというような刺激が加わると、一万歩ぐらいすぐ超えてしま うというようなこともありました。  それから歩くというようなことは、健康日本21の初めから行き渡っていると思うの で、レジスタンス運動と有酸素運動、このあたりを強調していただきたい。  それともう1つはここで友達と一緒に、パートナーと一緒に運動するとか。あるいは 我々でいうと、それをアシストしてくれる人にアドバイスを受けながら運動するという ようなこととか。週に1回時間を決めてだれかと約束をして運動しましょうとか、運動 を促進するような工夫をどこかに盛り込む。標語の本体には盛り込めないかもしれませ んが、何らかの意味でそういうような続けられる工夫を盛り込む必要があるのかなとい うような気がします。  それと一番最初の刺激的というのを一般的な人に言うのも難しいでしょうから、やは り一番状況をよくするためには、運動していない人を運動させるような工夫をしたらど うだろうか。ですからメインの表にそれを入れるわけにはいかないでしょうから、最後 の方にあって、おもしろいと思ったのは、太郎さんとか花子さんとかありましたね。太 郎さん、花子さんというといかにもお役所なんです。だから運動しない人を象徴的に表 すように、例えば電車男のきみとか、カウチポテト女のあなたとか。そこには脅迫的な 文章を盛り込んだらどうだろうかと。今のままだとあなたは40歳で死にますとか。そこ までいかないまでも、健康を害してみじめな一生に終わりますとか。その辺のところを カウチポテト女には、今が楽しくても後で泣きますとか。  例えばその辺のところ、毒とユーモアを入れるようなことをサブで、押さえで入れた らどうかなと。それがやっていない人に対する脅迫になるというようなことも含んだら どうかなと思います。以上です。  太田座長 ありがとうございました。今斎藤先生が御自分で言われましたように、国 民の目といいますか、あるいはユーザーの目とそれから今は経営者でいらっしゃいます からそういうユーザーのニーズみたいなもの。あるいは状況を感じながら、その中で多 分、こういう運動の専門家と違う切り口を言っていただきましてありがとうございまし た。  今の刺激的がどこまで刺激的にできるかわかりませんが、私が最初に申し上げた、何 かその気になるというような話も、さっき言われた目的を持ってというのにかなり通じ るところがあるのかなと思って聞かせていただきました。  それでは下光先生、お願いいたします。  下光委員 東京医大の下光です。私もこの国民向けのドラフト作成にちょっとかかわ っていたものですから、今日は他の委員の先生方からたくさんの意見をいただいて、ま たたたいていただいてブラッシュアップしていただきたいというふうに思っています。  1つ、私は資料を準備させていただいたのですが、1枚の紙がお手元にあると思いま す。国民向け運動指針案への御提案ということです。これを準備させていただいたのは、 骨子で何かちょっと欠けているような感じがしたものですから、やはり国民に向けて、 国民一人一人がどういうことを、これを見てやっていったらいいのだろうか。自分の活 動目標がクリアになるような、そういうスキーマというんでしょうか、一目でわかるよ うな標語、あるいはこういうものがあればいいなということで、今日提案させていただ いております。  ちょっとミスプリがありまして御訂正いただきたいのですが。まずMETs/hourのと ころですが、MET・時間と書いてありますけれども、これは、METs・時というふうに間 をとっていただきたいと思います。  それから最後のところの一番下ですが、なお週1回1時間の代わりに週2回30分云々 とありますけれども、これはちょっとペースト間違いで、なお以下は削除していただき たいと思います。  まずこの表のコンセプトですけれども、田畑先生に、運動所要量の委員会の内容、そ ういうものとの整合性を合わせておく必要があるだろうと。もちろんこの案は、そうい うものとの整合性は合っているのですけれども、それをもう少しわかりやすく表現して、 国民一人一人の活動目標がクリアにわかるような、そういうふうなものが作れないかと いうことで作成しております。  まず横軸と縦軸の2つに分かれております。活動歴、身体活動の度合いです。それか ら運動の度合い、そういう運動所要量の基準を満たしているかどうか。これがはい、い いえということになるわけです。それから縦軸の方が今後運動しようと思うかどうかと いうことで、これで4分割にしております。  これも何人かの先生とディスカッションしたのですが、この表を作成するに当たって 一番困ったのは、やはり運動所要量については身体活動量とそれから運動という2つの 切り口がございます。ということでそれをどうやってうまくこの中に当てはめるかとい うことで考えて、こういう表になったわけです。  現在活動的な生活を送っている。これは運動所要量の基準、運動の基準ですこれが、 4METs・時です。それからあと身体活動量は23METs・時、1週間に23METs・時という ことになるわけです。そのいずれかを満たしているかどうか。いずれかを満たしている ものが左になるわけです。  そして運動しようと思うか、これから運動しようというふうに、はいと答えた人が左 の上段ということになります。ここは例えば行動変容の段階、ちょっと違うのですけれ ども、段階ステージで考えてみますと、実行期、維持期に当たるものなんですけれども、 この辺は、運動の所要量の基準4METs・時をさらに増やして、体力に合わせて運動量を 増やしましょうというような活動目標になっております。  そのはいの下なんですけれども、運動しようとは思わない。運動所要量の基準を満た していて運動しようと思わないというのは、これは身体活動量の基準は満たしていると いうことです。1週間、23METs・時の身体活動量は満たしていますけれども、運動はし ていない。こういう人たちに対しては現在の身体活動量を保ちましょう、しかしやはり 少しでも運動を始めてみませんかということで、活動目標を立ててもらう。  今度は上の右ですけれども、活動的な生活を送っていない、しかし運動をしようと思 っている。ここはやはり関心期に当たるものだと思います。とりあえず運動を始めてみ ましょうということで、4METs・時以上の有酸素運動を勧めるという形になっています。 そして右下の活動的な生活をこれまで送っていない。そして運動しようとも思っていな いという人たちに対しては、運動というのが少しバリアがあるということで、とりあえ ず日常的な身体活動量を増やそうというようなことを活動の目標にしていただく。ここ は無関心期に当たるのかもしれません。  そういうような形で国民全体に対して、一人一人が活動目標を持てるような表という ものを提案させていただいております。以上でございます。  太田座長 ありがとうございました。この表、御提案は、ある意味で現状の自分を見 る、評価するという意味のマトリックスになっていると思います。多分それをベースに して、どういうような大まかな指導をして方向性を出すのかということだと思います。  これも一種の動機づけの手法ですね。  下光委員 はい。  太田座長 どうもありがとうございました。僕自身はなかなかおもしろいなと思って 見させていただきました。では鈴木先生、お願いします。  鈴木(茂)委員 健康運動指導士会の鈴木でございます。運動指針の具体的なところ を読ませていただきまして、具体的には標語としてはよくまとまっているのではないか なというふうな感じを持っております。  ただ、私も今現場でいろいろな指導をさせてもらっているのですが、どうしても運動 をする、あるいは運動を習慣化するというのは、運動していない人にとっては非常に難 しいというのを痛感しております。  これは1つの気がついた点なのですが、どうしてもお医者さんから、例えば水泳がい いです、あるいは運動しなさいということで、もう何十年前は当然そういうリスクを持 っている方は、民間のスポーツ施設では、すいません、健康診断でちょっとリスクがあ るので、うちはだめですよという部分がだんだん変わってきて、今は運動で習慣病を治 していこうというふうに変わってきています。我々から言うと、お客さんもそういう方 が多くなってきている。  逆に指導者の側から言うと、常にその辺のリスクを持っている人がいると。中にはニ トログリセリンをポケットに入れながら来る方もいらっしゃいます。そういう意味で、 もちろん運動しないといけないと感じるのが、自分にそういうリスクがあった人がかな り多いと。そして普段なかなか気がついていない人。本当は必要なんだけれども、気が ついていない人が、なかなか運動を習慣化するのが難しいということです。  1つここにある標語は、一般的に全体の標語になっていると思います。その辺からい って先ほど久野先生のお話にもありましたように、今あなたはどこがどうなんだという ところからスタートして、もちろんリスクのある方は、以前若いときにがんがん運動を していたという人もいらっしゃいますので、じゃやりましょうというと、ばーんとやっ て、長続きしないということもあります。せっかく機会はあるんだけれども長続きして いかないというのが、ひとつ現場として常に悩んでいるところです。  その辺から申しますと、さっき久野先生からお話があったように、まず自分の今の状 態を知るということを、もう少し中に、サブタイトルのような形で入れていただければ なと。そこからどうしますか。あなたは十分できます。あなたはここの段階でゆっくり やった方がいいですよというような部分が1つと。  それからもう1つは、いろいろ考えてみますと、僕も小学校のときから夏休みなんて いうと、ラジオ体操とか行ってノートもらったり○をつけてもらったりというようなこ とでした。ラジオ体操というのは全国民的にものすごく浸透した、そういう時代背景は あったんでしょうけれども、中国のテレビを見ると、よく太極拳をやっている方が映り ますけれども、あのようなイメージで朝6時半のラジオ体操というのは相当な、各県で ラジオ体操連盟までできて活動していると思います。  そういうことで運動を続けていくには、個人が運動が必要だという強い意識を持つこ とはもちろん必要ですが、得てしてなかなか続かないということで、1つは家族です。 お父さん歩きましょうというような家族の単位です。それからもうちょっと広がって仲 間、先ほど斎藤先生のお話もありましたが、仲間です。それからもう1つ大きくなると 地域、ここには運動を指導するリーダーというのが必要になってくるのではないかと思 いますけれども、この辺がもう少しスローガンとは別に具体的な取り組み方として表現 ができないかなというような感じがしております。  太田座長 ありがとうございました。体力レベルを知るというんでしょうか。ちょっ と状況をちゃんと理解してもらうというところについて、ほとんどの先生方、今4人お 話いただいた方々が皆さん言われましたので、それはとても大事な意見だなというふう に思っております。では鈴木さんよろしくお願いします。  鈴木(志)委員 神奈川県立保健福祉大学の鈴木です。よろしくお願いします。指針 を見て、例えば一日一万歩と書いてあったらそうなんだと思って、それ以上読まないと 思ったので、ものを考えて動かないといけない時代になってきたということで、賢く動 いて体力アップとかというキャッチをつけました。  1番で自分の力で体重を移動すべし。2番、筋肉に刺激を入れるべし。3番、体を気 持ちよく伸ばすべし。あるいは使った部分は伸ばすべしみたいな、何をすべきかという のを見ないと何を言いたいのかというのがわからなく。  その中の1番にはレベル1、レベル2、レベル3という形で置いて、そのレベル1は 指導者なしでもできることに関して書くと。例えば持久系のトレーニングで有酸素系だ とレベル1に関しては、目指せ一日一万歩でもいいです。2番、3番に関しては、ちょ っと指導者がなくてはできないような方法論を入れていくとか。  レジスタンストレーニングに関して、腕立てをやった方がいいことはわかっていても、 自分の家で腕立てを本当に毎日やるかといったら、ほとんどの方は、腕立てはいいのね ということはわかっても腕立てはやらないような気がします。レベル1に関してはもう ちょっと取り入れやすいレジスタンストレーニングの、自分でもこれはできると思わせ るようなことを入れて、2番、3番に関しては集ってやりましょうとか、指導者のとこ ろに行くべきですみたいな形と。  3番に関しても同じようにストレッチでも自分のところでできること、見なくても読 めば、こういうことをやればいいのねと、2番、3番に関してはもうちょっと専門的に 教えてもらわないとだめねという設定をして。あとは個人でスタートラインの制定のた めの例示を置いて、私のスタートラインはどこにあるのかというのを明確にして、どこ のレベルから始めればいいかということを、目で見てわかるようにというふうにすると、 指針としては、全部をとりあえず読まないと、自分にとっての運動を選ぶことができな いということになるのでいいかなと考えました。以上です。  太田座長 ありがとうございました。ちょっと全部さっと理解できなかったのですが、 表現も含めて、何というんですか。さっきの刺激的という言葉が適当かどうかはわかり ませんが、もう少しはっとするような表現だとか、あるいは具体的なディレクションを しっかり示すような、あとを押せるようなものとか。  それから後半言われたのは、多分レベルはしっかりわかって、そこからどうしたらい いのということが、一目瞭然みたいな話なんだろうと思います。もしよろしければまた 後でちょっと今の御発言内容とか具体的な絵がもしあったら、事務局の方にどんな格好 でもいいですからお届けいただければ。  これは最後に言おうと思っていたのですけれども、ちょうどそういう状況になったの で、先に言ってしまいましたが、よろしくお願いします。  それでは相馬先生、よろしくお願いします。  相馬委員 相馬です。私も運動の専門家ではないので、ここに示されている指針の例 というのは、これでいいのかなというふうに思っておりますけれども。国民に対するコ ミュニケーションの問題ですけれども、どういうレベルでコミュニケーションをするか によって、随分表現というのが変わってくるのではないかと思っています。  基本的なガイドラインを設定して、それを印刷物等で示されるのであれば、こういう 具体的な標語でも構わないと思うんですけれども、これが一般的な国民に対する言葉で あれば、まだまだ基本的なコンセプトワードのような気がします。これからどうコミュ ニケーションワードに持っていくかということが、実際の国民に対するアプローチにな っていくのかな。  その言葉を作るということは、実は非常に困難な作業で、このコンセプトをどういう ふうに、国民レベルにブレークダウンしていくかというところから始めていかないとい けないので、1回全部解体しなければならない作業から、実はコミュニケーションとい うのは始まっていくわけです。  そういうことから考えていきますと、ここに示されている例というのは非常にわかり やすくていいんですが、今私が申しましたような、どのレベルでコミュニケーションを するのか。メディアでいえば一番高いレベルというとテレビコマーシャルだと思うんで すが、テレビコマーシャルでやるのか、あるいはポスターでやるのか、あるいはカタロ グでやるのか、ちらしでやるのか。それをどこでどういうふうなことでやるのかという ことを、まずコミュニケーションプラン、戦略を作った上で、ワードというのは、それ ぞれが存在していくことになっていきます。今一概にこの言葉がいいとか悪いとかとい う発言は、なかなかしにくいかなと思います。ただしコンセプトワードとしては、非常 にいいのかなというふうに思います。  それからもう1つ、この運動指針の、これはこれでいいと思うのですが。僕はもう1 つ大きな概念、それこそ運動を全くしていない人たちに対して運動をしてもらうという ことに関して言うと、もう1つ大きな概念が必要になってくるのではないかと。前回ど なたかおっしゃっていましたが、最初の一歩を踏み出す勇気を持っている人がいないわ けですから、その人たちに運動をしてもらわないとならないわけなのです。その人たち を動かす言葉というのが、この概念をもう1つ越えた概念の中に存在するのではないか と思います。 そういうワードをまず作っていく、あるいはそういうふうな戦略も考えていく必要があ るのではないかというふうに私は思っております。以上です。  太田座長 ありがとうございました。最初の一歩を踏み出すコミュニケーションワー ドということについて、本当に貴重な御意見をありがとうございました。私もそういう ことを前回も申し上げました。さっきもそういうことを言いたかったのですが、舌足ら ずだったかもしれません。本当にこの辺は、こういうことをやりたいというのは、僕ら はわかるんですが、具体的にどういう表現がいいかというのは、先ほど先生が言われま したように、きっと難しいんでしょうね。  そういうことも含めて、できるだけいいものを作っていくというような御発言が相次 いでいるので、私自身はとても喜んでおります。ありがとうございました。  では田中先生、よろしくお願いします。  田中委員 全体に、うまくまとめているのかなと思います。  しかし僕も最初に「歩こう一日一万歩」と見たときに、新鮮味を感じませんでした。 今まで言われ続けてきて、これで行動変容を起こすことができるのかということが気に なります。  能勢先生の御意見に僕も賛成なんですけれども、非常にわかりやすい標語例として個 人の体力に合わせて軽すぎず、きつすぎずというメッセージ。これが重要な気がするん です。  きのうおとといも実は佐賀県嬉野町との連携で、温泉へ健康ツアーというのをやりま した。それは一般の方に呼びかけで、きちんと体力測定をして運動のメニューを出すと いう試みです。体力測定結果を見て、本当にびっくりなさっているんです。非常に低い 人がいる。そういうことをすることによって、いかに自分が運動不足であるかと認識し ます。そういうような意識が生まれることが必要なのではないかという気がします。  あとは、「週1時間の息の弾むような運動で体力アップ」。確かにいいんですけれど も、20分で週3回で、本当に効果があるのかなと。我々はかなり一般の人に対して、1 日30分、週5回以上というようなことを推奨してきているものですから。そしてそれく らいやりますと、十分な効果があるということからすると、こういう4METs・時/週と なるのでしょうけれども、こういう呼びかけでいいのかどうかちょっと気になります。  前の運動所要量で週140分以上を目指すことにしていたわけですが、それに対し週1 時間というのは、あまりにも短すぎます。なぜ1時間にしたというのもわからないこと もないんですが、もう少し積極的に運動する必要があるというようなことを理解しても らうようなメッセージにならないのかなと思います。以上でございます。  太田座長 ありがとうございました。これは多分所要量との関係もきっとあるのでし ょう。ちょうどいい順番で田畑先生、よろしくお願いします。  田畑委員 私もこの案を作るのにかかわらさせていただきました。1つは大きな問題 ですけれども身体活動と運動ということで、今回は所要量の方もそうなんですけれども、 運動ということで、世界的な研究とかこういうムーブメントの潮流が身体活動というも のにかなり移っております。  今までの話を聞いていますと運動というのが最初にあったので、運動ということに注 目がいっているような感じがするわけです。運動と身体活動というのを分けて、例えば 斎藤委員が言われたように目的を持って歩きましょうというのは、ある意味習慣的なも のということで、それは運動ということになります。  運動と身体活動というものを分けて示しておりますので、運動といったらそういうふ うなことをやりましょう。しかし身体活動といったら生活の中でやれるような身体活動 という意味で行っています。ですから「歩こう一万歩」という場合には身体活動で一万 歩歩きましょうという。ですから一万歩にするために歩こうというと、意味があるんで すけれども、それが身体活動の中で自然に歩けるようなことで、一万歩やりましょうと いうふうな形にしようというふうにして、2つで示しています。  もう1つは、これについては中野補佐も含めていろいろ議論をしたわけですけれども、 指針というのは、指導者がいないときでも、わかるようなことにしていこうというよう なことで、考えてみたということです。  ですから今言われたような体力を測るというようなことについては、個人で測る、か なり概略的なことはわかるかもしれませんけれども、そういうことについては運動の専 門家に体力測定をしてもらったり、身体活動の評価をしてもらったりして、あなたはど ういうふうなことをすればいいのかということを支援というか、支援者の人の話を聞い てやりましょうというようなイメージで作っています。委員の皆様が、やはりそういう のでなく、もうちょっと国民がもっと知りたい人に対しても、ちゃんとしたものをつく れということであれば、またそういうものも考えなければいけないかなというふうに思 います。以上です。  太田座長 ありがとうございました。議事次第の3番目に指導者向けという言葉が書 いてございます。こういうものも、多分その中で論議に当たってきたんだろうと思いま す。指導者向けという言葉がそのまま適当かどうかは別にしましても、もう少しレベル の高い中身の濃いものが必要なのではないかということと。前にお話がありましたよう に指導者あるいはいろんな方々がサポーターになってやっていくんだというようなスタ ンス、御意見がありましたので、そういう意味合いで、もう少し効果とかあるいは方法 とか、いろんなものが、中身の詰まったものもあった方がいいのではないかという論議 は、多分田畑先生の検討の中でもあったんだろうというふうに思っています。  そういう中で、国民向け、セルフサービスでやれる部分を書いた形がこれになったと いう理解でよろしいでしょうか。ありがとうございました。  それでは津下先生お願いします。  津下委員 愛知健康の森の津下です。今回の指針を見て、まずは指針というのは、一 般論的で抽象論的で具体性がないものが多いかなと思うのですが、今回は例示をどれだ け生かせるかなというふうに、まず思いました。  標語の第1ですが、「歩こう一万歩」とありますが、先生方は万歩計を毎日つけてみ えるのでしょうか。私が講演とかで話を聞きますと、一般住民で40%ぐらいの方は万歩 計を持ってみえるんですが、実際にその場でつけてみえる方は数人しかいないというこ とで、大半の万歩計は眠っています。ちょっとつけるけれどもすぐにやめてしまうとい うのが、実情ではないかなと思います。「歩こう一万歩」というよりもそれよりももっ と低いレベルの方に対しては、「眠っていませんかあなたの万歩計」、みたいな形で、 まずモニタリングしてもらうことを訴えてはいかがでしょうか。肥満対策の第一歩もモ ニタリングからということで、体重測定をしていくということで、コントロール意欲が 出てきたりだとかということがあります。まずモニタリングをしてもらうということを 意識づけたらどうなのかなというふうに思っています。  それから先ほどのチェックリストで23METs・時ということがありましたけれども、そ れに達しているかどうかというのは、やはりチェックリストを作って、自分はどちらに 入るんだということが明確にわかることが必要だろうと思っています。  それから体力テストで、運動不足を実感する。これも大事なことだと思うので、一番 簡単な方法としては、片足立ちなどでもいいかなと。若い人は閉眼で、年配の方は開眼 片足立ちで、これはかなり基準が低いというのは自分でもわかるわけです。そういうチ ェックリストで、自分が今どんな状態になっているかというのをセルフモニタリングで きるということが、1つ示すといいかなというふうに思います。  それから例示なんですけれども、どういう例示、いろんな工夫がされて9例というこ となんですが、例示については、こういう人がどういう目的で運動を始めたのかとか。 その第一歩をスタートしたきっかけになるような思いの変化とか、単にこういう生活習 慣だったからここに入れて所要量に達しましたという形だと、まだ具体性がないんだろ うなと思います。どういう目的で、運動しなければいけないのかというふうに思って、 生活の中では、こういうふうに取り入れることを工夫したというようなこと。  そして効果があったということを見せないといけないのかなと。こういう活動をした ら、気になっていたこういうデータがこういうふうによくなりましたみたいな。そのよ うな目的と効果を明示していくということ。それからレディネス、思いの変化などを入 れていくということが、より具体的に自己決定を促すことにつながるのではないかなと。  この中の例示からプログラムというか、具体的な方法を決めるのは自分自身ですよと いうようなメッセージを発せるといいのかなというふうに思います。  それから例示の中で、健診でこれからメタボリックシンドロームの対策が強化される ということで、メタボリックシンドロームの人、またはその予備軍の人に対して、どう いうような例示を持つのかということ。  それから最近多いなと思うのが、今は健康状態に特に問題はないですけれども、がん の治療後、しばらく安静にしていて、そして自分の体力に自信がなくなってしまった方 が、運動の方法を聞きにみえる場合がままあります。がんというのも非常に多くなって きましたし、5生率も高くなってまいりましたので、そのような病気をきっかけに活動 性が落ちてしまった方に対する例示も、1つ入れていくのもいいのではないかというふ うに思います。以上です。  太田座長 ありがとうございました。津下先生も、多分いろんなツールを持ってみえ ると思うので、どこまで生かせるかわかりませんけれども、また御意見がありましたら 事務局の方にお知らせいただければ。また後で言いますがよろしくお願いします。  では能勢先生、よろしくお願いします。  能勢委員 別紙に私の言いたいことをまとめてまいりました。金曜日の5時半にメー ルが着きました。慌ててつくり上げたもので、ちょっと表現がドラスティックなもので あったかもしれないことをお許し願いたいと思います。ここにぱっと見た印象で書いて しまったんですけれども、このまま長野に持って帰ったら、むちゃくちゃ言われるだろ うなという感じがしました。申しわけございません。  一日一万歩歩けとか運動すること自身は、非常に大事だということは、皆さん御存じ です。はっきり申し上げて。レジスタンストレーニングも大事だ、スクワットも大事だ ということも皆さん御存じです。しかしなぜか知らないけれども、それがうまくいかな い。何か具体的な方法が欲しいというところです。  私たちがやってきたことは、やはり個別に運動しよう。皆さん運動しようではないん です。能勢さん、運動しましょう。よくやりましたねというそういう褒めの言葉が、皆 さん欲しいんです。  特に高齢者の場合は、もう御存じだと思いますけれども、最大酸素摂取量というもの を指標にしてみた場合にも、若い人と比べてSD幅が2倍から3倍あるんです。ものす ごく個体差が大きいんです。そういう人に対して、皆さん一緒にやりましょうというこ と自身が、基本的に間違っているというふうに思うんです。  だから私の言いたいことの結論は、非常に明確です。個別運動処方、個別ということ を絶対入れてほしいんです。そうでないとこの指針は恐らく失敗すると思うんです。非 常に失礼な言い方であることをお許し願いたいですけれども。  レジスタンストレーニングにしても、個人の限界回数とか、物理量に変換せよとまで は言いませんけれども、何らかのそういう方向性でまとめてほしいというふうに思いま す。ぜひこれは私たちが8年間やってきて、ようやくたどり着いた結論です。ぜひこれ は入れてもらわないと、私がここにいる意味はないというふうに思います。  太田座長 能勢先生、先生の御意見は、私自身もよくわかるんですが、先生の場合は、 多分モチベーションのところから始まって、多分すべてのステージにわたって個別性が 必要だということですね。  能勢委員 そうです。  太田座長 多分個別性の問題は、まず先生のおっしゃるとおりだと思うんですが、ど れぐらい具体的に入れ込めるかという作業が、結構難しい部分が出てくるかもしれませ ん。  多分個人、個人の価値観、あるいはやりたい運動の種類。あるいは継続できる種類も 違います。それから多分感じ方も違います。随分違うなということはあると思うんです。 それを実際に表現した場合に、個別性を実行できるような指針、あるいはそれに付随す るプログラムといいますか、そういうふうなものまでどこまで用意できるかというとこ ろが、ちょっとまた教えていただければと思います。  能勢委員 ここに書いてある標語例として、個人の体力に合わせて、軽すぎず、きつ すぎずという、この言葉を入れてもらったらいいということです。  それともう1つは、この策定委員の最終的な目標は一体何であるかということです。 やはり生活習慣病を主とする医療費の削減というところに持っていくわけですから、で すよね。  太田座長 いや、健康づくりのためのだと思いますけれども、  能勢委員 いや、どうなんでしょうか。理念というか、策定委員の目標というのは一 体何なんですか。  太田座長 では参事官、お願いします。  中島参事官 基本的には国民の健康づくりですけれども、今の時期にこういう集中的 に御議論いただけなければいけないのは、医療費適正化のためにも、健康づくりという のが必要だということで、この時期に御議論をいただいているわけです。  ただこの委員会でどれだけ何をすると、どれだけ医療費適正化効果があるのかという ことを出していただくというつもりは、必ずしもないわけでございます。  とりわけここで御議論いただきたいと思っておりますのは、今の能勢先生の御意見と いうのは、大変ありがたいんですけれども、ポピュレーションアプローチとしてまずど ういうふうにやっていかないといけないのか。恐らく先生の御指摘というのは、ポピュ レーションアプローチをするにしても、ここまで国民というのを一般化してしまうと、 これは何の意味もないよと。やはりまずは個人の体力をそれなりに評価をするところか らしか、ポピュレーションアプローチも始まらないのではないかなという御指摘だろう と思っています。  そういうことも含めて原則としてある意味で、ポピュレーションアプローチとしては 国民の中に運動習慣を定着させるにはどうしたらいいかということを主眼に、議論をし ていただきたい。ただ欲を言えば、ここで作っていただいたプログラムというのが、ハ イリスクアプローチにおいても活用できれば、こんなにありがたいことはない。健診デ ータが出たときに、この健診データが悪いのは、こういうところに起因するんだと。そ れが食事と運動のバランスによって、このような形で改善し得るんだというところまで 示すときに、この運動指針といったものをお手元に示して、ここにこう書いてあります よねみたいな形をしていただければ、これは本当にある意味ではベストだろうと思って います。  だけども基本はポピュレーションアプローチとしての運動習慣の定着に向け、身近に 取り組もうとするにはどうすればいいかということを、主眼に考えていただければと思 っております。  能勢委員 ちょっと追加で、今もおっしゃいましたように、何が生活習慣病でどこそ こが悪いと言われたときに、フィードバックといいますか、どこが悪いかということを 持っていこうと思うと、データの蓄積性というのが非常に大事なんです。だからここで 行われることが今後の5年間行われるデータ蓄積というのが、非常に大事であるという ことですので、かなり具体的にそういうデータを集めるための指針にしていただきたい というふうに思います。だからこういう個別の運動処方ができるためのデータ蓄積にし てほしいということです。  太田座長 多分こういう指針を作って何らかの評価をしていくような仕組みができれ ば、それが一番いいと思います。可能か不可能か、難しいかわかりませんが、広い意味 でこういう指針を作って、国民がどう動いたのかというモニターができることも含めて、 またできる範囲で考えるように、事務局にもお願いしたいと思います。  実際にデータをどういうふうに蓄積していくのか。あるいはその辺のところは、いろ んな仕組みが考えられるかもしれませんが、必ずしもできるかどうかわかりませんが、 モニターというレベルの話はきっとある程度可能ではないかと思います。そういうこと もちょっと大きな検討課題、データの収集、あるいはモニターというものが、この委員 会の責任を全うする1つの術として考えていきたいと思っております。  事務局の方も基本的なスタンスは、そういう格好でよろしくお願いします。  それでは信籐委員、よろしくお願いします。  信籐委員 フィットネスジャーナルを発行しております信籐と申します。前回も申し 上げたんですけれども、私もやはり専門家ではなくて、なおかつ例えば治療や運動指導 の現場にタッチしているわけではありません。自分自身の中に確たるエビデンスがあっ て発言できることというのは、全くないんです。そういう非常にお恥ずかしい状況の中 で、自分の仕事や日常生活を通じて、自問自答してきたことを簡潔に述べさせていただ きたいというように思っております。  その意味で今日の資料を拝見して、ひとつ思いましたのは、健康づくりのための運動 指針の骨子に関しては、これはこれでいろんな御意見があると思うのですが、わかりや すくまとめられていて、僕自身はいいと思いました。  ただやはりどうしてもここから抜け落ちてしまう人たちが、いるんだろうなと思って、 そちらの方が多少気になってしまうんです。自分自身の少ない体験の中ですけれども、 親せきや知人を含めて、いわゆる生活習慣病にかかっていらっしゃる方というのは何人 かいらっしゃいます。全く本当にエビデンスのない話なので恐縮なんでけれども。  みんなやはり後ろ向きだなという感じがするんです。要するにどうせおれなんかみた いな感じで、何をやったってもうだめだみたいな、非常に後ろ向きの気持ちで生きてい らっしゃる。多分その方の50年なり60年なりの人生の中にいろんなつらいことがあっ て、そういう後ろ向きになっちゃったんだろうなというふうに、解釈はしているんです けれども。  その方たちに対して、いろんな運動のやり方をできるだけやさしく言っても、もしそ れに対してやる気が起こらなかった、もしくはやっても挫折したと。運動が続かなかっ た、できなかったと。運動が大事なのはよくわかっているけれども、おれは運動はだめ だからやはりだめなんだということで、余計挫折感や敗残感や劣等感だけが残ってしま うのではないのかなと。  そういう人たちに対しての部分、どういうメッセージをこちらから発信していくかと いうのが、すごくプラスαの部分で何か考えられないかなと、それをすごく感じていま す。  そういう意味でいくと、本当に自問自答の中での話で恥ずかしいのですが。自分が最 近感じているのは、逆に言うと運動は本当にどこまで、どういうふうに人の役に立って いるのかという、非常にナイーブな疑問を最近持っています。自分自身が普段最近やっ てるのは、もう運動、これくらい息の弾むぐらいの運動、こういうふうにこれぐらいの 時間を続けてやろうとか一切考えないで、どれぐらい自分が気持ちがいいかということ だけを考えて、少し実践してみたりとかしたんです。  あとはもう1つは、やはりいろんな運動の指導方法を見ているうちに、最近はヨガや ピラテスという、どちらかというと動かないでというか、移動しないでその場で行うト レーニングがはやりです。そういった流れの中で、昔からありますけれども、フェルデ ン・クライス・メソッドやフェルデン・クライス・メソッドを応用したようなそういう 指導の現場を見てみたんです。そうすると今まで自分が普段イメージしていた運動とは 全く違う。アクティブにダイナミックに体を動かすのではなくて、本当に指先が動く感 覚をまず感じてみてくださいと。自分で自分の体の動きを感じれば、それがもう立派な 運動なんですと。少しでも体が動く楽しさや心地よさを味わってくれれば、それが運動 なんですという、指導者の方がそういうおっしゃり方をしていました。僕自身は最近そ れが一番つぼにはまったといいますか、いい指導法だなと思ったんです。  話が散漫になってしまって申しわけなかったかもしれませんが。要するにさっき申し 上げたように、何らかの理由で人生に対して後ろ向きになっている方に、このぐらい歩 きましょうとか、こういうレジスタンストレーニングをやりましょうといっても、なか なか始めてくれないのではないかなと。  それよりはまず少しでも自分の体を感じる、動きを感じる、そういうところから始め てみませんかと。それも立派な運動の1つなんですよということで、今までの運動の概 念を崩すなり、壊すなり、広げるなり、何らかのそういう形のメッセージを発信してあ げないと、そこまで掘り起こしができないんじゃないかなというふうにすごく感じてい ます。  ですからキャッチフレーズという意味でいいますと、つたないんですけれども、最近 運動ではなくて、感動が必要だなというふうに、個人的には考えております。  それは動きを感じるということと、何かを感じて動くということと、2つの意味で自 分の中ではそういう言葉を大事にしているんです。そういう運動の下にあるというとあ れですが、始める前の人たちに対して、どれだけ平たくて心に響くようなメッセージを 編み出せるかというのが、大事だなと思っております。以上です。  太田座長 ありがとうございました。感動して聞いておりました。運動に感動という 言葉は、強烈なメッセージなのかもしれません。ちょっと蛇足ですが、以前健康運動指 導士会の方々と、なぜ運動しないのかという調査をやったときに、圧倒的に多いのが2 つありました。1つは全く好きでないというのと時間がないという、何かわき上がって くるものがないという感じのものが、圧倒的に多かったんです。それぞれが50%以上、 複数回答だった記憶があります。  一方で続けている人の中で多いのは、楽しいから、好きだからとか、そういう部分が 非常に多かったので、逆の言い方をすれば、そういうところをどうやって今のような形 で持ち上げたり、続けていくのかということなんだろうと思います。ありがとうござい ました。それでは、増田先生お願いします。  増田委員 私も特に運動の専門家ではありませんし。当財団といいますか、うちの財 団は国が推進されている健康づくり等の啓発の中で、いろいろなことが期待をされてい ると思っています。  そういう意味で当財団が厚労省から運営を任されております健康ネットというホーム ページがあります。2年前のデータですが、年間1,000万のアクセスがあるということ でございます。やはりかなりの中高年者というのが健康に興味というか、持たざるを得 ないという状況の中にあるのではないかと思っております。それはやはり医療費の問題 もあるし、例えば入院したら本当に奥さん、子供がいつ路頭に迷うか知れないという危 機感を持って皆さん働いておられるんだと思います。  そういう意味でやはり文科省のデータでも中高年の体力がよくなっているというデー タが、2〜3年前にあったと思います。しかし子供たちの体力は落ちているんだと。ま さしく結果だと思うんです。小さいときに運動しない子、本当にジャンクフードで育っ てきた子供たちが将来大人になって運動するのか、健康に気を使うのか。それはやはり 自分が病気になってから、これはちょっと考えないといけないなというふうになるんだ と思います。  極端かもしれませんが、まさしく今カギっ子で塾に通って、両親がまだ帰ってこなく て、どこかのコンビニで弁当を買ってそれを食べて。あとは暇なときは、時間があると きは、ゲームおたくというような子供たちをいかに運動させるか、スポーツなり、体を 動かすことが楽しんだということを教えていかないとだめだと思います。  そういう意味では厚労省としては、非常にエビデンスのはっきりしたすぐれた運動指 針を作ったんだから、あとは国民の責任ですよというのか。それともやはり前回ありま したように、総理大臣が自らジョギングをやったり何かして、国全体を挙げて健康づく りに取り組むんだというようなスタンスでやられるのなら、やはりもう少し文科省との 連携といいますか、そういうものも考えていただきたいと思います。  先ほど斎藤社長がおっしゃいましたように、流行語大賞をもらえるような標語でない と全然意味がないと思うんです。そういう意味では本当に刺激的なもの、非常に脅迫的 なものの標語。そういう意味で私は全然そういう才能がございませんから、流行語大賞 をもらえるような標語を募集するなり、厚労省として専門家に頼むか。まずそれをやっ ていただきたいと思います。  そういう中で当方で今までいろいろな調査ものをやっておりますが、高齢者の方が健 康体力づくりのイベントに、どうしてあなたは今回初めて参加されたんですかという調 査をいたしましたところ、やはり市町村の広報なり、新聞等で関連の記事があって、ち ょっと興味を持ち出したときに、隣の奥さんから明日ウォーキングに行きませんかとか 肩をたたかれたというのが、動機づけの一番大きな理由だというふうに答えられており ます。  まさしくこの標語の意味というのは、既に運動されている方々には関係なく、やはり 全く無関心期にある人をいかにして少し関心を持たせるかという。この肩をたたくとい うところだと思います。そういう意味ではやはり厚労省といいますか、国の責任、市町 村の責任、その辺を明らかにして、それぞれの分野での活動というのが大切だと思って おります。  我々は今健康日本21の民間団体125団体が一緒になって、健康日本21推進連絡協議 会というところの事務局をやらせていただいております。最近はやはり各団体が、我々 民がやらないとだめな部分があるんだと。国が全部やればいいという話ではなく、これ からは我々民間の団体、それぞれの団体で、近くの隣のおじさん、おばさんの肩をたた けるような運動を展開していこうというような、積極的な意見も会員団体から出てきて おります。  そういう意味で我々民間のお世話をさせていただいている財団として、やることはや らなければならないと思っておりますが。やはり厚労省は健康づくりの窓口でございま すので、他省庁、関連ある省庁、全省庁、国を挙げてのそういう運動に展開をしていっ ていただきたいなというふうに思っています。以上です。  太田座長 ありがとうございました。健康・体力づくり事業財団は、健康運動指導士 とか実践指導者等を養成していらっしゃいます。いろんな蓄積もおありになります。ま たよろしくお願い申し上げます。  では宮崎先生、お願いします。  宮崎委員 森林総合研究所の宮崎でございます。私は2つお話させていただこうと思 います。1つは、私が専門にしております快適性という観点からお話をさせていただき たいんですけれども。  快適性というのは一般的にマイナスの除去、欠乏欲求である消極的な快適性とプラス αの獲得をするという積極的な快適性に分かれると思います。  今先生方のお話を聞かせてもらって感じたのは、立っておられる立場が両方の立場の 先生がおられると思いました。これは立場の違いによってできる指針というのは、全く 違うものができると思います。ですからそこら辺の整理をするということが、1つ必要 かなと。  私自身はプラスαの快適性という観点に立っておりまして、能勢先生の考えと近いん ですけれども、個人の価値観というのが非常に重要だろうと。中島参事官が先ほど言わ れたように、ポピュレーションアプローチという、これはもちろんこの方法でいくとい うことだろうと思いますが。ポピュレーションというのが一般的に言われるように、1 つの型ではなくて、集団というのはいくつかのグループの集合であるという考え方にな ると思うんです。多型というポリタイピズムという、そういう考え方を入れて、グルー ピングをどういうふうにするかという、そこを整理するというのが重要ではないかと感 じました。あくまでも個人の価値観ですから、能動にいく。受動から能動にいくという のが、1つのキーワードになるだろうと思います。  2つ目は楽しいとか快適という観点が、入っていくといいなと思っています。  我々は今林野庁主導で、森林セラピー基地構想というのをやっています。そこで現実 にプログラムづくりをもうしないといけないという立場にありますので、私自身も今必 死でやっているわけでございます。例えば実験の中で都市と森林という2つで実験をす ると。そうするとそこにいるということだけで、例えば前頭前野の活動だとかコルチゾ ール、あるいは交感、副交感神経活動というのが有意に違うということがわかる。リラ ックスしている状態というのはパフォーマンスも高いということもわかっておりますの で、そういうどこにいるか、楽しい状態でやっているのかどうかという、そういう観点 も含めて、快適性というふうな概念が、この中に入っていくのが重要ではないかと感じ ております。以上です。  太田座長 ありがとうございました。今皆さん方からかなりダイレクトな御意見も含 めて、本当に建設的な御意見ばかりいただきました。  例えば現状をしっかり知る、あるいはモニターということもあったと思います。それ から踏み出すための一歩というためのいろんな工夫がさらに必要だという。もっと言う と、もっと違った言い方、感性でもっていかないとちょっと難しいのではないかと。も ちろんそのときに当然のことながら個別性の問題。それから能勢先生が言われた、こう いうものをどういうふうに、後をフォローするかという問題。かなり建設的ないい御意 見を、随分今日はいただけたと思います。  まだ少し30分近く時間がございます。今から20分ぐらいフリーディスカッションを させていただきたいと思います。  斎藤委員 質問というのは専門家の先生方に質問をしたいのですが。私は長野県の健 康づくりには敬意を表しています。能勢先生の言われることも、全くそのとおりだと思 います。  個別という点で、さっき座長も中島さんもおっしゃったことで、私も個別ということ を考えたのですが、いわゆる1つの大きなムーブメントを作るときに、個別ということ を余り前面に押し出していいものかどうか。  といいますのは、今中島さんがおっしゃった、ポピュレーションアプローチとハイリ スクアプローチで、特にハイリスクアプローチは、やはり運動処方が出てそれに適した 運動をいろんな機関、適切なる主体と書いてありましたが、我々のところでも協力をし ながらそういう活動をしなければならないんだと思います。  ただこのポピュレーションアプローチで考えなければいけないのは、今まで戦後から 特にこの数十年で運動をしない国民になってしまったという現実をどう見るかです。特 に小学生、中学生、子供もそうだし、大人もそうです。一部高齢者が最近いろんなとこ ろで、脅かされるので運動するようになった。我々のような業種も一生懸命やっている と、これもあるかもしれません。ただ大概のところで運動しなくなった。  これは公衆衛生学かもしれないのですが。要するに運動をしないで、生活習慣病にな って、悲惨な死に方をするときの死亡率だとか医療費、余りお金のことばかりを言って 誤解をされるといけないのですが。死亡率とか、そういうものと、本当に個別指導とい いますけれども、運動しすぎちゃって死んだ例、そのときの死に方の悲惨さとか。それ を区別して研究したことがあるのですかと。  私は個人的な心情でいうと、土曜日にいつもテニスをしているんですけれども、今は 死にたくないけれども、あと十数年してサーブでもしてぱたっと死ぬ。これが一番幸せ な死に方だろうと思っているんです。結構ぽっくり寺に行く人もいるという、こういう 世情もあるという中で、私は細かいことというと怒られるかもわからないけれども、こ れ以上運動すると危ないというようなことに余り気をつけて、おっかなびっくりの方針 を出すよりも運動しすぎ、病気になってもいいじゃないかと。あるいは運動しすぎて死 んじゃっていいじゃないかというくらいの気持ちで運動させる方にかたむけた方が、個 人の幸せ度だって向上するだろうし、運動するのを幸せと感じるという前提ですけれど も。  さっき言った楽しくなるとか、βエンドロフィンが出て麻薬的に楽しくなる部分もあ るんだから、そういうことも考えると。それからそうじゃないことの方向に行って、生 活習慣病になって、管につながれて、それで悲惨な死に方をする、どっちがいいかとい うようなことを、大きく舵を切る必要があるのかなと、ですから標語、そんなことをお 役所が出せるとは思いませんけれども、私だったら運動しすぎて死んだ方がいいんじゃ ないかというくらいの、これはブラックユーモアですけれども、それくらいの大胆な方 針。私は一応まじめなつもりで言っているわけですが、前提のそれこそエビデンスがあ ると僕は信じています。それを何かで証明できたら、運動しすぎるくらい子供のときか らやらせると。  戦後、やむを得ず逃げ回ったり、この世代は余りいないでしょうけれども、御飯も少 ない、だから粗食になったということで、今の食い逃げ世代といわれている60歳以上の 人たちは幸せな人生を終わりつつあるわけです。  ですからその後のぶくぶく太って、あれになっている子供以下の人たちは不幸せにな るとしたならば、強制的にでもそういうふうにするような、大きな動きをした方がいい のではないかと私は思うわけです。  その辺は余りおっかなびっくりやるよりは、大胆に運動する方に行って、そっちの害 はそうしない害よりも少ないんだということを、全部にいいものを考えないで、そのく らいの舵を1回切って。だめだったら10年たってからまた変えればいいじゃないですか というくらいの、今までどうせだめだったんだから、反対側のだめになってもいいくら いのことを思いっ切りやったらどうだろうかと私は思うのですが、いかがでしょうか。  太田座長 ありがとうございます。どなたか。私自身は、さっき斎藤先生が言われた、 最初の方の、個別性の問題とポピュレーションアプローチというのは、多分同時並行で 動くのではないかなと思っています。  例えば楽しむという話は、当然それぞれの楽しみ方は違うわけです。そういう別の切 り口をしていけば、多分個別性も含めて、さっきの能勢先生の言葉も、これも個別性を 考えながらポピュレーションに持っていける話だと思います。それはそれで、多分全く OKなのではないかと思っています。  それぞれリスクの問題につきましても、現状では基本的には斎藤先生のおっしゃると おりだろうと思うのですが、どれぐらい強く言うのかということなんだろうと思うんで す。ただ実際問題これだけ運動不足に伴ういろんな問題が出てきて、一方で運動をされ る方というのは、逆に言うと何というんでしょうか、御自分の責任でかなりやってみえ る部分もあります。そういう論理の整理をしていけば、結果的にかなり強く普遍的に進 めていくことが、決しておかしくはないというふうな論理はできると思います。  どうぞお願いします。  久野委員 今まで委員の方の御意見を聞かせていただいた中で、私はちょっと宮崎委 員の御意見とは違いまして、両方どちらかという議論ではなく、両方とも必要だと、余 り対立軸にしない方がいいだろうと、ちょっと議論がずれてくる可能性があるように、 個人的には感じます。  あとこの案には、表現の仕方で、基本的には個別性のことと全体の両方を入れようと いうことは入っているのですが。ただその出方がわかりづらくなっているということで、 そのあたりはさらに5ダッシュアップすることが必要なのかなと。  特にちょっと斎藤委員の御意見の中で、個別性の重要性というのは安全性だけでなく、 多分能勢先生がおっしゃりたかったのは、個別でやった場合、効果が非常に早く出て、 それを実感することが継続につながって非常にいい。いい循環にいくことが、多分能勢 先生が強く言われた個別性だというふうに私は理解しました。当然斎藤委員もそういう 御理解で言われたんだろうと思うのですが。  すいません、そういう中で私だけ配付資料を出しておきながら説明をしなかったので、 ちょっとだけ。そういう点で、私の場合40代50代の筋トレプログラム例ということで す。ポピュレーション的に考えた場合、平均的な方、あるいは低い体力の方、あるいは この場合は例として軽度の腰痛気味、これは膝痛の方とかそういう方によってまた分か れていくんですが、少なくともポピュレーションアプローチの場合もこの程度の個別性 が、少なくとも入ってくる必要があるのではないかというイメージで、例えばこういう プログラム例があるのではないかということで、出させていただいています。  そういう面では、先ほど、一応私は述べたつもりですし、津下委員もおっしゃったよ うな少しそのあたりが、いわゆる本当の指導者にいかなくても、この指針でまず一般の 国民の方が自分がどのレベルにあるかということを理解できるようなテストというか、 質問紙なのか、そこはちょっとわかりませんが、それがあった方がいいのかなと。  ただ留意点に個別、自分の体力を知るためには、専門の指導を受けなさいというふう に実は書いてあります。その辺の表現をもう少し表の方にもってきて、やはりちゃんと した指導を受けるべきだというメッセージを出すのかどうかです。そのあたりも少し議 論のポイントではないかというふうに、お聞きして感じました。以上です。  太田座長 後の方でまた、指導者向けの話が出てきますで、少しだけ時間をとってお きたいと思いますが。今僕がお聞きしていて、今回の骨子の案に対する御意見は、少な くとも数点以内に収束してきているのかなと思っております。多分その辺のところはか なりクリアできそうな雰囲気を感じています。一番難しいところは、多分最初の一歩を 踏み出すキャッチコピーなんだろうと。あるいはそこのとこなんだろうと多分皆さん、 感じてみえると思います。そこも含めてぜひこの後でも思いつかれたら。それからさっ き僕は信籐先生が言われた運動は感動という言葉、ああいう言葉が本当はいるのかもし れないなと思って、それがこういう指針になじむかどうかちょっとわかりませんが、ど れぐらい踏み出すのか、ちょっと言葉で踏み外すのかということも含めて、また御意見 をいただければと思います。  津下委員 キャッチフレーズというか心に響く言葉というのは、世代によって違うだ ろうと思います。ぜひキャッチフレーズ、運動は感動というのはすごく私も感動してい るんですけれども、その世代に合ってどきっとするようなキャッチフレーズをつけた方 がいいのかなと。一般論的ではなく、産後の体重が気になりませんかとか、いろいろあ るとは思うんですけれども。その世代に合ったキャッチフレーズを例示と合わせて出す なり。  世代に合わせた、食事バランスガイドでも、ライフステージに応じたものが出ている ように、そういうふうにされると、言葉が考えやすいのではないかなというふうに思い ます。  能勢委員 感動ですけれども、私たち中高年を対象にやっておりますと、自分が努力 したものがちゃんと数字になって残る。それが成果というか、効果、血圧が下がるので も体力がつくのでもいいんです。そういうのがちゃんと第三者から何%上がったよと言 われることに、すごく皆さん感動するんです。だからそういうふうなシステムを作って いくということが、すごく大事だと思います。感動させるためのシステムです。  太田座長 感動という言葉は、何というんでしょうか。僕が感動したのは、先生が言 われたような客観的な評価で感動する部分もありますし、それからやってみて、あれは 気持ちいいなと。あるいはやった後の汗の心地よさとか。あるいは交友関係とかいろん な切り口で見れるので、そういう意味で感動という言葉にちょっと感動したんです。  つまりさっき言いましたように、個別性も含んだ意味合いをたくさん持っていると思 いまして、なおかつポピュレーションアプローチ的な意味合いを強く持っている。とて も私自身は感動しちゃったんですが、そういう論理がこういうところで行われるという。 それはそれでとても。  鈴木(茂)委員 いろいろなスローガンというか標語の中で、病気にならないように するためにはどうしよう、こうしようというのはかなりテレビなどでもいろんな情報が 入ってきます。1つ健康はつくれますと。健康になりますではなく、そのような積極的 なアプローチをすれば、先ほど後ろ向きというような話もございましたけれども、要す るにじゃ健康をどうやって作るかというのが、一日一万歩とか、バランス良くという具 体的な方法になるのであって。ポピュレーションアプローチとしては、健康はできます、 作るもんなんです、つくれますよというような積極的なアプローチができればなという ような感じが、今ちょっとフラッシュアイディアなんですが、しました。以上です。  太田座長 どなたか他にいかがでしょうか。そうしましたら、この骨子について随分 煮詰まってきて、しかもかなり建設的な御意見をいただきました。先ほど僕は個別でも お願いしましたけれども、具体的にこういうようなもののイメージを考えているとか、 こんな資料があるというものがありましたら、どんな形でもいいですから事務局に。事 務局があるいは、さっきの田畑先生、久野先生、それから下光先生、竹中先生たちがま たどんなふうに考えてくれるか、ともかく出しておいていただいて、できるだけいいも のになればと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  斎藤委員 30秒で。この小委員会はこれで終わるかもしれないので。提案なんですけ れども、大体こういう運動を始めよう、ムーブメントを始めようというと、こういうこ とをやって、後また10年ぐらい忘れてしまうと、こういうことなので、できれば年1回 ぐらい、週間なり何なりを決めて、体育の日というのはありきたりなので、何か別の日 を。  実はサラリーマン川柳というのが第一生命がスポンサーで年に1回ぐらいやっていま す。厚生労働省主催で、なるべく多くスポンサーをいっぱい募って、健康づくり川柳を 募集して、そうするとまじめなやつも毒のあるやつも、脅しも何でもかんでもいっぱい 入ってくると思うんです。  大体運動づくりというと、みんなで集まって運動をやりましょう。今東京都もやって いるんですけれども、私がこういうことを言うとみんなでしらっと見られるんです。具 体的には言いませんけれども、まじめな運動をしている人というのは、そうじゃない人 を排除するきらいがあるんです。ですからそうじゃないことを受け入れるという意味で、 やるかどうかは知りませんけれども、そのぐらいの。このめざましい、このところの医 療改革に私は敬意を表しているので、この際最後に、それを決めて、あとはまた担当が 変わるなりなんなりして、そういうことをずっと続けるような方策を、今の体制のうち に作っておいたらいかがかなと思いますけれども。  ぜひ何か他の方法でもいいけれども、継続的にやると。運動が大好きな人だけが集ま るような気持ち悪い会にはしないというようなことを、できればやっていただきたいな と思います。  増田委員 まさしく国がやられるというのは難しいといいますか。今の。それを任さ れているのが財団だと思っております。  それで先ほど申し上げましたように、健康日本21の民間の全国連絡協議会というのに 125、まだ参加したい、なりたいというところもございます。実際申し上げて当財団とし て2年前までは、ほとんど全国連絡協議会の総会をやってそれで終わりだったのですが、 昨年、日本医師会の全面的な協力を得まして、またウォーキング協会の協力を得て、葛 西臨海公園で医師と歩こうと。10年ぐらい前に五島雄一先生が始められた運動だそうで すけれども、それを再度やったところ、やはり1万5,000人とか2万人の動員力。こと しは新木場の、ちょっと場所は忘れましたけれども、そこでやりました。1万5,000人 ぐらいは集めました。  残念ながら120何団体のうち、現在全面的にこういうイベントに協力していただいて いるというのは、去年よりは増えましたけれども、まだまだ団体のうちの限られた団体 の御協力しか得ておりません。先ほど斎藤委員がおっしゃったように、イベントとして 最も盛り上げたいというところは、我々もいろいろ考えております。  実は文科省さんが今まで体力づくりの全国大会というのをやってこられて、一応47 都道府県が終わって、また、同じよう各都道府県を回るのはやめようと。うちの財団は 厚労省と文科省、並びに総務省の共管でございますので、文科省の方から財団のやるイ ベント、11月に大体やっているのですが、乗りたいという話がございましたので、21 協議会には文科省の団体も入っています。PTAとかいろいろな文科省の所管している 団体も入っております。それが協力といいますか、もっと積極的にこの運動に参加した いと言っておりますので、そういう意味で活用、我々も努力をいたしますが、こういう ことをやったらどうだというようなアドバイスをいただければと思っております。以上 です。  太田座長 どうもありがとうございました。この骨子案のディスカッションは、この 辺でよろしいでしょうか。ありがとうございました。  では3つ目になりますが、指導者向けといいますか。あるいはもう少し中身の濃いも のといいますか。どういう表現が適当なのかわかりませんが。それについて第1回目の 各先生方の御意見の中に、複数かなりございましたので、これについて事務局とお話し ているとやはりそういうツールといいますか、具体的なモチベーションも含めたいろん なものが、あった方がいいのではないかという話をしています。これについていかがで しょうか。いらないという御意見もあるかもしれませんが、やるという方向なのか。や るならばどういう方向なのか。その辺について、ちょっと御発言をいただければと思い ます。どうぞお願いします。  鈴木(志)委員 ぜひ指導者向けといいますか、運動をサポートする側に対する指針 を作っていかないと、先ほど信籐委員が言われた、対策からもれ落ちてしまう、関心が なくて見ようともしない人たちに対して、この情報は届かないだろうしと思います。  例えば生活習慣病になってしまった人は、医療機関にはかかってみえるわけですし、 健診などの機会もあります。そういうところできっかけを作るとか、それから見守ると いうか。歩数計もつけないのはだれかが見てくれないからつけない。だれかが見て少し でも褒めてくれれば、達成感になるし。それで行動が起こったことで、これだけデータ が変わったということを前向きに評価して支援するという立場での、そういう指針が、 ぜひ、特にきっかけ、第一歩を踏み出す人たちを増やしたいということであれば、必須 だろうというふうに思っています。  太田座長 他にいかがでしょうか。能勢先生、お願いします。  能勢委員 いわゆる一般向けという話になりますと、体力科学系の専門用語というの は、使いづらいんです。そうすると非常に定義が曖昧になってきます。指導者向けのと ころには、例えば体力をどういうふうに測定するのかとか、それからトレーニングはど ういうふうにやるのかということを具体的に定量的にきちんと書くような指針が必要だ と思うんです。その二重構造になって初めて完璧なものになると思います。  下光委員 指導者向けは、やはり必要かなというふうに思います。この健康づくり、 健康日本21は、個人の健康づくりをいろんな組織やさまざまな団体とか、そういうとこ ろが、特に専門家ですけれども、そういう人たちが健康づくりを支援するという、そう いう概念のもとで運動は成り立っていると思うんです。  いろんな目標値は個人に向けたものですけれども、国民向けの一般向けの指針、これ が一番大事だろうと思うのですが、それと同時にやはり支援する人たちのガイドライン というようなものがあった方がいいだろう。  10年以上前にできた指針には、そういうものがなかっただろうと思いますので、新し い試みとして指導者向けというよりも、太田先生は支援者、支援という言葉が確かいい んだろうというふうにおっしゃっていたと思いますけれども、そういう意味で支援者向 けといいますか。そういうようなガイドというものが必要かなというふうに思っていま す。  太田座長 僕が支援とちょっと申し上げたのは、多分サポーターという言葉を最初に、 津下先生が言われて。それで結局専門家でなくても支援する人はいるだろうと思ったん です。それでどこまで広げるかというところで、僕は迷ったんですが、例えば夫婦の場 合、片方がサポーターになることがあるかもしれませんし、友人もサポーターになるか もしれない。そういう意味で専門性は少し落ちるかもしれないけれども、そういうサポ ーターの輪を広げることが、底をかなり広げるのではないかと思ったものですから、ち ょっと支援という言葉をあえてちょっと思い切って言っちゃったんですけれども。  今お話を伺っていると、こういうものが必要だという話で、大体よろしいような感じ ですが、よろしゅうございますか。  鈴木(志)委員 今太田先生がおっしゃったのは、支援者、パートナーの人がわかる というのと、指導者がわかるのは、ちょっとレベルが全然違うので。もし指導者という 形の人を置いて、ちゃんとレジスタンストレーニングというのを教えてもらうとか、そ ういう形になるのであれば、指導者向けで。  一般のところに返すときには、指導者用がつくられるようになれば、一般用の指針に はどこに行ったら会えるのか、どういう人のことを指導者と呼ぶのかということを明記 しておかない限りは、これを作ってもむだではないかと、指導者用を作ってもむだでは ないかというのと。  支援者という形で置くのであれば、こういうふうな指針を一般の人に向かって作って、 それを一緒にやる人はぜひみんなでこれを守りながらやろうよという支援者とかサポー ターとしての指針を作るのかというのによって、私はちょっと。  指導者向けというのを作るのであれば、一般の方に必ず指導者というのを明記して、 どういうところでそれを使ってもらえるかというのを明記すべきです。支援者でサポー ターとしてであれば、一緒にやる人の留意点とか注意事項に落とすべきですし。その2 つを区別しないと、もう1つの運動指針、サポーターなのか指導者なのかというのは、 違ってくると思うのですが。  太田座長 全くそのとおりだと思います。ちょっとお話がもとに戻りますが、さっき 下光先生が言われたように、もう1つの専門家向けといいますか、指導者向けと書いて ありますが、こういうものを作ることが、かなり二重構造というよりも、ものすごくす そ野を広げることになるわけです。ですから多分人のネットワークみたいなことだけで なく、運動の普及の広がりであるとか、運動の安全性、有効性すべてに効いてくるので、 そういう仕組みは必要だと思います。  そのときに、僕はちょっと安易に考えて、支援というのがいいのか、指導者向けがい いのかということを考えながらも、自分の中では、じゃ形はかなりさっき能勢先生が言 われたかっちりしたものを考えていたんです。それではそれは支援者向きにならないの ではないかと言われるということも、百も承知でわざと言っている部分もあるのですが。  形はしっかりしたものでいかないとしょうがないと思うんです。ただそれを使う人が ある程度、ある部分を理解して使われても、それは構わないのではないかというところ まで考えていたので、名前はどちらでもいいなと思っているんですけれども、個人的に はぜひ作っていただきたいなという話と。それでよろしいですかというお話になってき たですね。  もし皆さんよろしければ今の方向性をちょっとだけ確認させていただいて、それで作 業を進めていただくようにしようかと思っていますけれども、基本的には指導者向け的 な感覚でよろしゅうございますか。  津下委員 指導者の定義というか、想定する範囲は、今専門用語で運動の方でわかる 言葉と、医療サイドや保健師さんのわかる言葉、栄養士さんのわかる言葉と違うと思う んです。だから余りにも専門的で、運動の方しかわからない指針であれば、それは運動 の中で作っていただく話です。ここはある程度指導者の定義を明確にして、それをイメ ージして内容を考えないといけないのかなというふうに考えます。  太田座長 何というんでしょうか。表現の、普遍性というか、できるだけ多くの人に 理解していただくという部分と、正確さとか専門性というのは少しうまくミックスすれ ば、ある程度の幅はつくれるかもしれませんですけど。  斎藤委員 我々から見ると、お医者さんも、保健師も看護師も運動指導士も、我々よ り詳しいという上では変わりがないような気がするんです。ですからその人たちが共通 でわかるくらいのことを書いてもらわないと困るので。何かみんな言葉が違って通じな いとか、運動とスポーツが違うとか言われちゃうと、我々は混乱するので、その辺も今 後先生方でよく話し合って、言葉の統一とかわかりやすく知らせるというところをぜひ 作っていただきたいと、今の話を聞いているとだんだん心配になってきました。  太田座長 斎藤先生、今職種をいくつか列記されたけれども、ちょっともう1回。議 事録をとっていますね。今の感覚なんだろうなと僕も思いますので、それがわかるよう な、ぶれないようなものにしておけばいいんだろうと思います。もちろんそれはここで また見ていただくことになると思いますので、基本的な方向で作るということと、ある 程度専門的なことをしっかり書くんだけれども、わかるような状況にしておく。そこの ところまででよろしいでしょうか。  中島参事官 ちょっと事務方でも、中野補佐を中心に詰めさせていただきますけれど も、私の認識はやはり国民向けの運動指針が基本にあると思っています。  それでここで指導者向けというのは、国民向けの運動指針を作ったときに、その背景 にあるエビデンスをしっかり明記して整理し直すということと、その運動指針をもって どのような形で指導していくというのが効果的なのか、そしてさらにそれを発端により 高度な運動指導を望む人については、このようなやり方がありますよと。例えば久野先 生から今日提示していただいたようなペーパーというものを作っていくんだろうと思っ ています。  私としては、指導者向けの指針というのは、今日国民向け指針をさらに練り上げて、 我々が小中学校のときに、先生が教えるのに、我々の教科書がこうあって、ここに何か タネ本みたいなことが書かれていましたね、赤字で。ここは板書して教えるとか、ここ をより発展にすれば、こういう質問をここでしたらどうだというようなイメージで、指 導者向けの指針を作成していただくのかなという感じがしています。今後はちょっと事 務方と先生方と相談していきたいと。  それからもう1つは指導者の定義は何だというところ、これは大変あると思います。 極端に言えば、管理栄養士の人にでもわかるような言葉にするのと、今日お集まりの先 生方を対象にするのでは、かなり専門用語は変わってきますが、基本的には、この小委 員会でぜひとも御検討いただきたいのは、この運動指針をいかに普及定着させていくか ということも、お願いしたいことの一つです。  どういう場でこの国民向けの指針といったものが普及定着していくのかということを 念頭に置きつつ、そこで具体的に国民向けの指針を使って、運動指導をしていただく人 は、どのような人になるのでしょうかという指導者層のイメージを念頭に置きつつ、こ こでいう指導者というのを考えていただく必要があるのかなと思っております。いずれ にせよ、今日いただいた御意見を踏まえ、また事務方等で詰めさせていただきたいと思 います。  太田座長 ありがとうございました。多分これは一般的な言葉ですが、運動について いろいろ相談を受けたり、あるいは指導を頼まれたり、そういう立場にある人たちとい うのは、多分いろんな職種があるんだろうと思います。そういうところである程度利用 できるような、さっき参事官が言われた、バックデータというんでしょうか。あるいは いろんな質問に答え切れるような、あるいはもう少し効果的な指導ができるような、そ ういうようなものをイメージしていくということで、とりあえず作業をしていただこう かと思いますが、よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。  その他のことは特にありませんでしょうか。そうしましたら事務局でお願いします。  中野補佐 活発な御意見をありがとうございました。また今日いただいた御意見をも とに、関係した先生方とも御相談をしながら作ってまいりたいと思います。また今日御 指名をした先生方以外でも御協力いただける先生方におかれましては、ぜひ御協力の方 お願いしたいと思います。またその節はよろしくお願いいたします。  それでは次回につきましては、日程調整を改めて事務局からさせていただきたいと思 いますので、第3回目については、日程調整を先生方に事務局からお送りさせていただ きたいと思います。一応今のスケジュールでは、こういった形の検討状況と運動所要量 について、来年年明けにでも親検討会の方に御報告させていただきながら、進めてまい りたいと思っております。御了承の方、よろしくお願いしたいと思います。  全体としては以上でございます。  太田座長 それではどうも今日はありがとうございました。 (了) (照会先) 厚生労働省健康局総務課 生活習慣病対策室 内線2974,2338 - 5 -