資料1


清野参考人提出資料



PDF:170KB)



若手医師確保と女性医師(子育て)支援

大阪厚生年金病院 清野 佳紀


日本人医師の増減(2000〜2002)

  医師数 増減/年
(人)

(%)
246,387 3,186 100
209,558 1,205 85.1
36,829 1,981 15.0
<29歳 25,949 256 100
17,654 96 68.1
8,295 352 32.0
(厚生労働省)


国別、年齢別就労女性の割合

国別、年齢別就労女性の割合のグラフ

Rate of working women= Working women

Number of woman( >15yrs)
(厚生労働省)


小児科医師数(性別・年齢階級別)

小児科医師数(性別・年齢階級別)のグラフ

(単位・人) 出典:平成16年医師・歯科医師・薬剤師調査


男女別小児科医の就業率推移

男女別小児科医の就業率推移のグラフ
(病院小児科・医師現状調査。日本小児科学会、2004)


問.あなたが充実した仕事を続ける上で支障は?

問.あなたが充実した仕事を続ける上で支障は?のグラフ

 ほぼ全項目で女性のキャリアアップに支障あり
 「育児」では、男女間で39.7ポイントの乖離


問.あなたの職場は次の制度がありますか?

問.あなたの職場は次の制度がありますか?のグラフ

 育児中、育児休業中の制度未整備が目立つ
 同時に、院内制度についての理解度も低い


医師及び女性医師を取り巻く現行の法制度/支援制度

1.男女雇用機会均等法
2.労働基準法
3.3世代育成支援対策推進法


男女雇用機会均等法における働く女性の母性健康管理、母性保護に関する法律(抜粋)

女性労働者の母性健康管理と母性健康管理の措置:

 「事業主は、女性労働者が妊産婦(妊娠中/産後1年を経過しない女性)のための保健指導叉は健康診査を受診するために*必要な時間を確保することができるようにしなければならない。」
(法第22条関係)

 「妊娠中/出産後の女性労働者が、健康診査を受け、主治医から指導を受けた場合は、その女性労働者が、その指導を守る事ができるようにするために、事業主は、勤務時間の変更や勤務の軽減などの措置を講じなければならない。」
(法第23条関係)


保育施設整備関連の補助
(厚生労働省発医政第060001号通知)

 院内保育所運営費補助事業各都道府県知事宛に、「子供を持つ看護婦確保経費補助事業の実施について」は廃止し、平成14年4月1日から「病院内保育所運営費補助事業実施要綱」により病院内保育所運営費補助事業が行われる。「病院/診療所に従事する職員のために保育施設を運営する事業について助成しーーーー」、「看護婦」から医師を含む「職員」に拡大。

過去の経緯により、看護師優先が現状


3世代育成支援対策推進法

 地方自治体及び従業員300人以上の事業主は、次世代支援対策のため、労働者が職業生活と家庭生活の両立を図れるようにするため、必要な雇用環境の整備を行う事により、自ら次世代育成支援対策を実施するよう努めるとともに、国または地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならない。

5年ごとに、育児中の男女が働きやすい環境を作るための行動計画を提出する義務


産休は取りましたか。

産休は取りましたか。のグラフ
東京都医師会 清水 美津子

育児休暇は取れますか。

育児休暇は取れますか。のグラフ
東京都医師会 清水 美津子


解決すべき課題 取り組みと対策

1. 子育て支援
2. 勤務制度面の改善
3. 病院の拠点化と地域連携
4. 生涯教育,再教育支援

写真


大阪厚生年金病院の臨時職員の出産・育児に伴う休暇支援(社会保険適用者を対象)

就業規則別比較表
【去年まで】
  職員 フェロー等 パートタイマー
年次有給休暇 年20日付与、
最大繰越20日
年20日付与、
最大繰越20日
法定日数
  ・産前・産後休暇 産前6週、産後8週 なし なし
  ・出産休暇 3日以内 なし なし
  ・リフレッシュ休暇 年3日以内 年3日以内 なし

【今年より】
  職員 フェロー等 パートタイマー
年次有給休暇 年20日付与、
最大繰越20日
年20日付与、
最大繰越20日
法定日数
  ・産前・産後休暇 産前6週、産後8週 産前6週、産後8週(6割) 産前6週、産後8週(6割)
  ・出産休暇 3日以内 3日以内(6割) 3日以内(6割)
  ・子育て支援休暇 検討中 7日以内(6割) 7日以内(比例付与)(6割)
  ・リフレッシュ休暇 年3日以内 年3日以内 なし


図


現在、常勤職員で両立支援中の女性医師の内訳

リハビリテーション科 M. K 34歳 1歳、3歳 10〜16時勤務
残業なし・当直なし
産婦人科 N. E 36歳 2歳 保育園送り迎え可能の時間内勤務
残業なし・当直なし
産婦人科 K. Y 35歳 3歳 保育園送り迎え可能の時間内勤務
残業なし・当直月1回
産婦人科 W. A 28歳 0歳 育児休暇中
内科 A. M 31歳 2歳、妊娠中 保育園送り迎え可能の時間内勤務
残業なし・当直なし
内科 I. R 41歳 1歳 保育園送り迎え可能の時間内勤務
残業なし・当直なし


1週間のスケジュール(新体制の1例)

 
8:30


外来業務 休み 外来・病棟業務 外来業務 休み 救急業務 2週間に1度救急日
12:00


 
17:00
     
18:00


救急業務 救急業務
23:00
             
土日は平日とは独立して分担している。
全科当直は免除された。


両立支援の課題に関して国が取り組むべきと考える事項について

1.時差出勤・フレックスタイム・ワークシェアの導入

医師の場合、常勤・非常勤に待遇の差をつけるべきではない。労働時間に応じて、報酬を支払うという原則が必要。常識的には、週30時間以上は保険給付が義務付けられているので、週30時間以上は労働時間に応じて報酬を支払う形で雇用すればよい。今後は、両立支援中の女性医師に限って、保険給付のための労働時間を下げたりする工夫が必要であろう。

2.現状の保育園に関する問題点

(1) 4月に集中的に保育園に入園する今の制度では、医師が転勤する場合に、ほとんど入園できない事態になる。

(2) 現在の地方自治体の入園方式は、職種を問わず、機械的に順番通り受け付けているので、必要度に応じて入園できる方式になっていない。民間の保育園などは、地方自治体が関与せずに、保育園単独に入園できる枠があれば、社会の必要度に応じて保育園に入園することが可能となる。

(3) 病院に保育園を開設する際には、徹底的に補助すべきである。細かい基準を設けずに、施設に応じた保育園の設置に絶大なる助成をしていただきたい。

(4) 民間の保育園がとくに両立支援が必要な事業所(例えば病院など)と契約を結ぶことには、例外的に認めるべきである。


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