05/11/30 第6回補装具等の見直しに関する検討委員会の議事録について 補装具等の見直しに関する検討委員会 第6回議事録 厚生労働省社会・援護局 第6回補装具等の見直しに関する検討委員会議事次第                                   日 時:平成17年11月30日(水)14:00 〜16:13 場 所:三田共用会議所3階大会議室(D・E会議室) 1.開 会 2.議 事  (1)補装具等の種目、価格設定に関するルール作りについて  (2)その他 3.閉 会 ○伊藤座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第6回の「補装具等の見直 しに関する検討委員会」を開催したいと思います。 初めに、事務局から委員の出欠状況及び配布資料について御説明をお願いします。 ○高木専門官 それでは、着席のまま進めさせていただきます。 本日、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。どうぞ、よろしく お願いいたします。 本日、三村委員が御都合により御欠席、笹川委員が御都合により、30分ほど御到着が遅 れるとの御連絡をいただいております。森委員が若干遅れているようですので、現在13 名の委員の皆様にご出席いただいております。 続きまして、資料の確認をいたしたいと思います。 まず、表紙に会議次第が1枚。次に、座席表が1枚。 資料1といたしまして「『委員会』の設置等について」という2枚もののペーパーを御 用意しております。 資料2といたしまして「第5回補装具等の見直しに関する検討委員会意見概要」という 5枚もののペーパーを御用意しております。 更に、その後に3枚とじの資料がございますが、内訳は参考1としまして「補装具基準 外交付実績(平成16年度)」が1枚。 参考2「交付基準(抜粋)」が1枚。 参考3「補装具給付事務の取扱いに関する指針について(抜粋)」。これは、現行の基 準外補装具の取扱いの部分を抜粋したものでして、これが1枚でございます。 それと、委員の先生方には、前回の議事録を配布させていただいております。先生方に は、1度お目通しをいただいておりますけれども、再度、お間違いないか御確認いただき、 もし何かございましたら、恐縮ではございますが、来週末まで、事務局の方まで御連絡を いただきたいと思います。最終的に御確認をいただいた上、厚生労働省のホームページに て公開させていただきたいと思います。 あと、委員の先生方の机には、前回同様ファイルを御用意しております。中身は、前回 までの資料となっておりますので、御参考にされてください。よろしくお願い申し上げま す。 配布資料は以上ですが、足りないもの等ございましたら、声おかけください。 ○伊藤座長 御確認よろしいですか。 それでは、本日の会議の進め方なんですけれども、資料1が提示されておりますけれど も、前回までの検討で、何らかの基準のことについての検討をしていく上では、委員会の ようなものを設置して、その場でいろいろと調査した結果や申請の内容を調査した結果等 々を資料にして討議して、それで結論を出していきたいというようなオープンの形でもっ てきちんとやっていくんだ。厚労省の中で決めてしまうのでもなくて、厚労省の中は中だ けれども、こういう委員会のようなものをもって、そこで検討をして、その結果を答申す るという形をとりたいというような話で意見は大体一致しているのではないかと思うんで すけれども、その点でよろしゅうございますでしょうか。そういう場を設けるということ ですね。 A団体から申請がありました。B社から申請がありました。それを厚労省が直接受けて、 中で決めてしまうのではなくて、そういうふうなものをベースにこういうような委員会を 設けて、そこでディスカッションをして、それで一応の結論を出して、それを厚労省の方 に申請するということですが、そういうような委員会を持つ。これは、1つの委員会で全 部やるかどうかは別問題として、そういうような方式をとろうというようなことでは、大 体一致していると思うんですけれども、よろしければ、それを前提にして今日は話を進め たいと思います。よろしいですね。 それでは、資料1で、前回までの討議の内容を少しまとめてございますので、これにつ いて事務局の方から説明をお願いします。 ○高木専門官 それでは、資料1に基づきまして御説明申し上げます。 委員会の設置というものを今、皆さん、御承諾いただきましたように、それを前提に前 回の議論を踏まえまして、検討すべき内容を整理いたしました。ただ、事務局としてはま だ一定の方向性というところまでまとめ切れておりませんので、もう少しこの場で議論を 深め、進めていただきたい、またお知恵をお貸しいただければと思います。 資料1ですけれども「『委員会』の設置等について」。ここで言う「委員会」というの は「種目の見直しや価格設定の検討を行う組織」というふうに、仮に位置づけております。 検討内容としまして、まず委員会の「構成等」としまして、委員の構成はどうすべきな のか。 また、定期的な見直しという御意見もございましたが、それはどの程度の期間が妥当か というところで、それに対応する「前回の関連する意見」としまして、右の方に書いてご ざいますが、種目の取り入れ等について、委員会で検討を行い、その報告を踏まえて、行 政で財政措置し告示等に反映する流れとしてはどうか。 また、定期的な種目見直し、価格チェック等の機関が必要であるというような意見が出 されております。 次の事項としまして「種目の見直し」。種目の取り入れ等に関して、必要な情報の内容 はどのようなものか。交付基準等の見直しについては、種目見直しと併せて、必要に応じ、 この委員会で検討することでよいか。 交付基準等といいますのは「補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準」でございま して、参考2を参照していただければと思います。参考2には、例といたしまして、車い すの交付基準の方が載ってございます。 これに対応する「前回の関連する意見」としまして、委員会では要望内容を基に、デー タ等に基づいた検討を行い、補装具の種目、基準額としての適否を検討し報告することと してはどうか。 利用者が困っていることに着目し、どんな補装具が必要かという視点が必要。 障害の状況と補装具の組み合わせの概念整理が必要ではないか。 別種目の補装具の組み合わせを1つの補装具ととらえるという考え方も1つあるのでは ないか。 個々人の生活の場面ごとに、姿勢保持機能の付いた補装具が必要な場合がある。これは、 つまり生活実態に合わせた補装具という視点が必要である。 車いすや補聴器等は「その他」に分類されておりますが、そこから独立させるべきでは ないか。 車いすと座位保持装置などは、概念整理も含めて今、垣根がなくなっているという現状 もあるので、基準の整理が必要ではないかというような意見が出されておりました。 次の検討項目としまして「基準額の設定」。検討内容としましては、価格設定の具体的 な方法はどうすべきか。更に詳細に言いますと、価格調査の方法はどのようにすべきか。 また補装具の価格上げ要素と価格下げ要素は、それぞれどのようなものがあるのか。また、 これをどのように基準額に反映させるのか。 リサイクルあるいはレンタルについて、どのような考え方で基準に反映させるかという ことについて御議論いただきたい。 関連する前回意見としましては、利用者、事業者ともにコスト意識が必要。これは、限 られた財源の有効活用という視点が必要である。 大きくカテゴライズすることで、合理性が出てきて、低価格化できる可能性があるので はないか。 重度障害者の補装具というものは、なかなか市場原理が働きにくい。 同一機能のものでも、製作方法によって価格差があり、完成用部品を使うと高くなる傾 向がある。 輸送コスト、適合技術料などへの配慮が必要ではないか。 児童の補装具は、リサイクルやレンタルの仕組みを導入することで、価格適正化を図れ ないか、というような意見がございます。 次の項目として「基準外の整理」。基準外補装具をどのように概念整理するか。 基準外として給付する際の条件とは何か。これは、仮に更生相談所の判断を条件とする 場合、この判断基準はどのように整理すべきか。これは、参考3に現行の取扱いの要領を 示しております。 対応する意見として、基準外の概念整理が必要である。その上で、どこまでを基準内と し、どこからを基準外とするのか整理が必要である。 「その他」としまして、諸外国における種目見直しや価格の設定方法というものも、我 我は参考にしていかなければいけないと思っておりますが、そういった情報収集をどのよ うにして行うか。 対応する意見としまして、スウェーデンの例というものをお話しいただきました。テク ニカルエイドセンターにおいて、利用できる種目の見直しや価格の妥当性のチェックが毎 年行われており、福祉用具は公的に無償で利用者へ貸与されているとのことでした。 以上が資料1の内容でございます。 ○伊藤座長 ありがとうございました。 それでは、これらの順を追って、少し皆さんからの御意見をお願いをしたいと思います。 前回、具体的な意見を持ってきて欲しいというふうにお願いをしたところでありますので、 ひとつ具体的な話を進めたいと思うんです。ただ、委員の構成というのは今、説明では委 員の構成となっておりますが、これは委員会の在り方そのものも含めて、少し検討したい と思います。ですから、具体的にどういう人が出るかとかという話の前に、委員というの はどういう位置づけで、1個でいいのかどうかということも含めて、少し御意見を伺えれ ばと思っております。 それでは、委員会の在り方や委員の構成のところの御意見をいただきたいと思います。 あるいは全体を通してこうだというような意見でも構いません。どうぞよろしくお願いし ます。 ○坂本委員 ちょっと事務局の方に確認したいんですけれども、補装具小委員会と新しく つくる検討委員会というのはどういう関係になっているんですか。補装具小委員会を一応 御破算にして、新しく検討委員会を立てるということになるんですか。 ○高木専門官 昔、補装具小委員会というものがございましたが、今、義肢装具等専門委 員会ということで、国リハの研究所の方々に御協力をいただいて開催しております。そこ で行っている内容は、義肢装具等の完成用部品のチェックということでございまして、こ れとはまた別の委員会と考えております。 ○坂本委員 わかりました。 ○伊藤座長 専門委員会の方は、主に今の種目の中にある、例えば義足のパーツだとかと いうふうなものの耐久性だとか、調査をきちんとして、それが適切であるかどうかという ような検討をしている場所でありまして、ここでやろうとしていますのは、むしろこの種 目の取り入れとか、定義にかなったものでしょうけれども、そういう取り入れだとか、あ るいは受託報酬の額だとか、そういう基準について検討しようというわけで、ちょっと違 うと思います。もっと大きな枠のところでの話です。 どうぞ。 ○光野委員 委員の構成についてというのは、基本はこの委員会がベースになるんだろう とは思うんですけれども、前回も別の角度から話させていただいたんですが、やはり関係 団体が参画しての委員会だろう。そういう中で、ここに欠けている部分とすれば、いわゆ る中間ユーザーと言われている方々が、そういう面では伊藤先生が処方する側の立場のド クター。もう一つは、やはり実際にその処方に基づいて具体的に適合を図っていくグルー プ、いわゆる中間ユーザー、セラピストを中心にした部分。実際に供給する側。勿論、当 事者が中心になりますから、そういう一定の補装具あるいは日常生活用具が供給されるに 当たって関わる小団体、あるいはそういう当事者が参画して構成されるべきだろう。これ は私が言うまでもないことだと思いますけれども、まずそこがスタートだと思いますが、 よろしいでしょうか。 ○伊藤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 どうぞ。 ○石井委員 全体の委員会については、今、光野委員がおっしゃるような形でよろしいか と思いますけれども、そこに至るまでの各種目ごとの専門的な要素というのはたくさんあ ると思うんです。私ども、補聴器の場合でしたら、薬事法に定める補聴器、身障法に定め る日常生活用具、そういう法的な背景がいろいろありまして、そういうものをここにすぐ 上げても非常に難しい面があると思うので、供給側のメーカーと販売店側、ユーザーの方、 全難聴の方、ドクター、日本耳鼻咽喉科学会、そういう先生方も含めて、一旦そういう種 目別の専門的なものを委員会でやって、それからここにも上げていくというような構図も 必要かと思います。 ○伊藤座長 ありがとうございます。 それは、今の入っている種目の中での話ですか。それとも新しい種目という意味ですか。 ○石井委員 両方含めてということです。 ○伊藤座長 前者の方の話であれは、先ほどの専門委員会の方だと思うんです。そういう 資料を整えて出せばいいわけです。要するに、新しいものが出てきたときにも同じような ことが必要だということですね。 ○石井委員 そういうことですね。その点について、どれだけ普及したらどうするかにつ いては、また後ほど意見を出したいと思います。 ○伊藤座長 ほかにございますでしょうか。 どうぞ。 ○松枝委員 今までの委員会というのが、現場から少し遠のいた人というんでしょうか、 そういう方で構成されているということも、ややもすればあった。ですから、これから構 成されるということで、中庸にしておく必要があるのではないかと思うのが、より現場感 覚というんでしょうか、現役というんでしょうか、そういうことを中心に構成していく必 要があるのではないかなというところであります。 以上です。 ○伊藤座長 ほかにございますでしょうか。 構成に関しましては、私も難しいなと思っているのは、中間ユーザーの話もそうですし、 当事者の方々もそうだと思うんですが、何といっても利害が絡むものですから、それをど うするか、どう客観的にオープンな形でもってできるようにするかという話だと思います。 ですから、一定の基準を設けないといけないんだろうと思うんです。 その前に、いろんなものがあるだろうと思うんです。そのいろんなものをいかに俎上に 乗せるか。話題の俎上に乗せるという作業がまず1つあります。ここは、私はできるだけ 門戸を広げたいというふうに思うんです。ただ、その後、これをきちんと調査しなくては いけないのではないか。結局、今度の姉歯さんの話も出ていますけれども、いずれにして も、自分たちの持っているデータで申請して、はい、それを信じてくださいというわけに はいかないので、それなりの市場調査なりをして、客観的にデータを出して、それでもっ て判断をするというような手順を踏む必要があるように思うんです。できるだけオープン にして、皆さんに納得できるような形でもって決めていくためには、私はそれなりの調査 が必要だろうというふうに思います。 そういう意味で、例えば補装具の定義に合致しているかどうかとか。これは議論すれば いいことだと思います。委員会でできると思いますが、例えば、使用の用途、それの効果 だとか、使用の頻度、代替品があるかどうかとか、普及度だとか、それを取り入れた場合 の予算措置だとか、いろいろと検討しなければならない課題はあろうかと思うんです。そ ういうふうなものを、ではどこでどのようにやるのかという過程があって委員会に出てこ ないと、そういうデータが出てこないと、皆さん、判断の材料がないんだろう。 例えば、今、専門的なという話がありました。そうすると、専門的な補聴器なら補聴器 という話になると、わからない方々はたくさんいらっしゃるわけで、そうすると、その方 が述べることを信じるようになるわけです。それでは、ディスカッションにならないもの ですから、できれば、その辺についての客観的なデータをここに付して出していただくと いうような取組みができれば、一番理想的なのではないかなというふうに思うんです。問 題は、そのためにお金がかかり過ぎても困ってしまうわけで、それをどうするかです。 1つの案として、できるだけ門戸を広げる意味で、そういう団体や関係者が集まる会議。 これは、この前、大濱委員から出たんです。1対1で厚労省とこうやって、放射線状に皆 さんが話をしてというのではなくて、こういう場で出し合いたいよという話ですので、そ ういう会も設けてもよろしいのではないか。そこでは、基本的なルールをつくっていただ いて、そのルールに基づいてその中から選択をしていただく。皆さんが合致して、これは 出しましょうというふうなものについて調査をかけるというようなことをしてはどうかな というのが私のアイデアでございます。 その上で、もう一つ別な委員会で、要するにこの会議になるわけですけれども、ここで は、むしろできるだけ第三者のいわゆる利害関係が生まれない。ただ、わからない人たち は困りますから、団体の代表者だとかという方々には入っていただかざるを得ないわけで すけれども、そういうわかる方々にも入っていただいた上での話ですけれども、そこでそ ういう資料に基づいて客観的なディスカッションをするというようなやり方はどうかなと いうふうな提案をしてみたいと思いますが、これについていかがでしょうか。 ○樫本委員 今、伊藤座長がおっしゃったように、補装具の使用の効果といいますか、補 装具を今、更生相談所で判定して出しているわけですけれども、その効果があったかどう かという見極めは、とても大事なんです。宮城県で毎月のように、1か月分の補装具の出 した分について検討委員会をやっているんです。一番最初が基準外の補装具だけで始まっ たんですが、最近はそうではなくて、判断に困ったものとかというようなものも含めて、 全部のです。 それで、担当者には、出して何か月か使ってもらった結果をきちんと調べさせて、基準 外であれば、一体幾らで出して、本当にそれを出してよかったのかをきちんと調べなさい ということで資料をつくらせてやっている。始めたら、これは非常に意義がありまして、 こういう理由で出しますというようなことをはっきり言えないと、そして出してよかった ということがはっきりわからないと、出した意味がなかったと言ったらあれですけれども、 次の判断の役に立つわけです。その委員会の中には、県内の市町村の代表者も入っていま す。他の市町村が結局決定したものに対しても、あなたの市町村だったらこれは出します か、出しませんかというようなことをやったりするんですけれども、そんな感じで、こう いう大きい委員会をつくると、国全体の新しい種目にしろ、外れる種目にしろ、そういう 市場調査をして、そういうことを検討するというようなことが大事ではないかと思うんで す。 ちょっと話はずれたかもしれませんけれども、そういうことをしていく委員会の在り方 といいますか、それが大事ではないかと思います。 ○伊藤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 私は、そういう調査データが欲しいと言っていますのは、お金がないから駄目よとか、 そんなふうにして門前払いされてしまうのはちょっと問題があるわけで、きちんと理屈が 通るものであれば、それをオープンにして、それで皆さんの評価を受けたいというふうに 思うんです。ですから、そういう意味では、きちんとデータを出していきたいというふう に思うんですが、ほかにございませんでしょうか。 ですから、私の提案は二重構造になるんです。それをまた同じ委員会でやるのもおかし いですから、そこで皆さん、できるだけ集まっていただいて、皆さんから出していただい たものを選択して、調査して、データが出てきたものについて検討する委員会をその上に もつくることです。そういうようなやり方ができないものだろうか。1つの委員会だけで 全部やり切るのはちょっと難しいかなという気はしているということです。その間にちょ っとタイムラグが起こってくるわけで、調査の時間が必要でございますので、テクノエイ ド協会等もございますし、厚生科学研究もあろうかと思いますし、皆さんの力でもって実 態の調査をするという手もあるでしょうし、いろんな意味で用途や効果や頻度や普及度と いうことについて調査をして、そのデータに基づいて検討したいなというふうに思ってお ります。 そんなイメージなんですけれども、いかがでしょうか。異論はございませんでしょうか。 どうぞ。 ○石井委員 各業界には、そういう学会が付いているとか、業界の団体とかございますね。 全難聴さんも含めてですけれども、我々のところでも補聴効果の調査というのをやってい くんです。そういうものがメーカー側、販売店側、ユーザー側、医師側という形で出てい ますので、そういうのを活用していくということが考えられます。 ○伊藤座長 私も、既にできているものについては、そういうものも1つの活用の対象だ と思います。 ただ、何といってもここでやるのは、新しい種目を入れるかどうかですから、今まで普 及している種目を、今、ある品目をどうのこうのでございませんので、そういう意味では なかなかどのくらい普及するのかとかということについても、想像の域を出ないこともあ るかと思うんです。よろしいですか。 それでは、具体的にどういうような構成員がいいのかという意味でいうと、最初のいろ んなものを出してもらうというのは、中間ユーザーを含めてできるだけたくさん、いろん なところから出てくるんだと思いますので、そういう当事者を含めた関係団体が集まった 方がよろしいかと思います。問題は、それをデータに基づいて、最終的に結論を出すとこ ろ、そのとおりに行くわけではないでしょうけれども、その結論を出すための委員会をど ういう構成でいくのかという点で、いかがでしょうか。 余り大人数になっても仕方がないなという気はいたします。事務局、これはそこまで意 見だけここで出せばいいですか。 ○高木専門官 今日は、いろいろと意見をいただきたいと思います。 ○伊藤座長 御意見があればの話で結構です。なければ、それで次に進めさせていただき ます。 どうぞ。 ○大濱委員 新しく開発されたものということになりますと、例えば1年ぐらい前に開発 された筑波大のロボットなどが実際あるわけで、海外のトレッドミルとかがあるわけです。 そこら辺をどれぐらいまで効果があるかというのを見極めるのは、筑波大などは開発され てから1年以上経って、最近、一般普及化しているから皆さん、興味を持っているんです けれども、その後、例えばトレッドミルも海外からかなり日本に影響しているわけですね。 そこら辺の兼ね合いというのは、ですから、やはり開発者をある程度入れて、開発者の出 したエビデンスをきちんと出していただいて、まずそれをきちんと見て、それが今後、普 及するかどうかを含めたそういう委員会は、やはり最初はベーシックにつくられていった 方がいいのかなという気がしたんです。 ○伊藤座長 開発者については、こういう会議でプレゼンテーションしてもらうというの はいかがですか。委員としてではなくて、むしろプレゼンテーションとしてヒアリングを するために呼んで、そこでやってもらうという方がよろしいかなという感じがします。 ○大濱委員 そうですね。それをきちんとエビデンスを付けていただいた方が。 ○伊藤座長 ほかにございますでしょうか。 ○坂本委員 補装具に関していつも疑問に思っている部分があるんですけれども、実は昭 和55、56年の当時だったと思うんですけれども、補装具の構造、材料、価格というような ものを、厚生科学研究で2年間やったんですけれども、実はメーカーあるいは業者の方が、 やはり材料の価格を教えていただくというのがすごく苦労する部分なんです。実は、ここ では価格チェックも含まれますよという話でいくと、かなり細かい基礎データを出してく れないと、価格チェックできないんです。そうしますと、一方では、補装具の基本構造が 出てきてないと、材料チェックでこれ幾らかとわからない部分があるんだろうと思うんで す。ですから、この調査をするときには、必ず業者を巻き込んで基本的な価格構造もすべ て出してください。在庫量とかいろいろ取っているところもありますので、非常に難しい ところはあるかとも思うんですけれども、そういうオープンにして欲しいなというところ は、調査するときには1つのポイントかなと思っているんです。 ○伊藤座長 今の意見に対して、いかがでしょうか。何かございますか。 54年でしたか、厚生科学研究でやったときの話でいうと、そういう業者の方は、研究者 側には入っていなかったということですか。 ○坂本委員 研究の協力者として参加していただいて、できるだけデータを出してくださ いという形で、お願いの感じでやったんです。かなりデータそのものは集まってきたので、 協力していただいたと思っているんです。 ○伊藤座長 ほかにございますか。 どうぞ。 ○稲垣委員 ただいまの話は、大変いい意見だと思いますが、私ども義肢装具に関しまし て、完成用部品が余りにも膨大に多くなり過ぎまして、実はどれを使ってどれをどうする かということを皆さんが把握しているかというと、おそらく把握していないと思うんです。 ですから、そういうものもある程度整理していただいてやっていただかないと、例えば完 成用部品の輸入業者などが申請する。それは、すべて国の方で定められる、承認されると いうと、それはまた増える。使っていないものもそのまま現状で残っていくというような ことがもう今、随分ありまして、実は前にもそのようなことはお願いしてあるんですけれ ども、やはりそういうところをもう一度、検討委員会などで整理していただく。どなたが この装具を、例えば、義足のひざにしてみますと、このひざがこの方にはどれがいいんだ という把握をして指導される先生方は、失礼ですけれども、おそらくいらっしゃらないと 思うんです。ですから、何としても、我々つくる側の意見が100 %尊重されてしまいます。 そうすると、そこには非常にもらわれる障害者の方と我々つくる側との間に、非常に金 銭面にしても、いろんな疑問点が出てくるわけなんです。ですから、そういうところは大 いに検討をしていただいて、すべてのものに対しては、完成用部品というものは整理して いただくというようなことの方が、指示される先生方も一番いいのではないかと思うんで すが、いかがでございましょうか。 ○伊藤座長 ただいまの御意見は、私は全くそのとおりだと思うんですけれども、大変難 しいなというのが実態ですね。 これは、専門委員会の方と、新しくつくるであろう補装具等の検討委員会との役割のこ とについては、先ほども出ましたので、この次までには少し明確に出したい。これは、事 務局の方で考えていただきたいと思うんですが、ちょっとそこはきちんとすみ分けましょ う。 今の話は、いろんな完成用部品を検討しているのは、今、専門委員会の方なんです。た だ、その前に、どういう基準でもってそれを見るかという意味では、多分これからこちら でやりたい課題でもあるわけです。ですから、そこはちょっとすみ分けをしていこう。こ れからつくるであろう、この検討委員会と専門委員会との間のすみ分けについては、少し 事務局の方で考えてください。 ほかになければ次に進みたいと思います。どうぞ。 ○松枝委員 以前、立位保持措置という検討委員会というのがあったんですが、結果とし ては、治療用装具的な色彩が強いということで、暗礁に乗り上げたままになっていまして、 特に発達障害の種目というのは、将来にわたって訓練要素も含めた補装具という概念が必 要であるという、前回までの報告書の中にも盛り込まれてあったと思うんですが、そうい った概念的な広がりというものを少し考慮しておく必要があるのではないかなというよう なことを、ちょっと考えています。 ○伊藤座長 そういう委員会で一番困るのは、例えば今のように治療用装具の範疇だ。だ とすれば、それは保険だろうという話ですね。でも、それは管轄が違う。したがって、棚 上げになってしまったままになってしまうんです。 しかし、本当のところ、それはなかなかリンクしにくい部分なんですね。これは、厚労 省の中だけで決められない話でもあるわけなので、この辺はどうなんですか。事務局、何 か御意見ございませんか。 ○高木専門官 ちょっとその前に御確認なんですけれども、どういったものを想定をされ ているんでしょうか。 ○松枝委員 今、挙げたように、一番は立位保持です。 ○高木専門官 立位保持装置。 ○松枝委員 そうです。座位保持装置の中で、立位保持に近い形態のものもつくることは 可能になったんですが、それは訓練的意味合いのものではないというものがありまして、 立位保持用のものとして位置づけられていると思います。 実際には、立位保持というのはものすごい数がつくられていまして、それが今は基準外 なんですね。それが補装具概念から外れますということで、治療用装具としての保険の対 象になっていないということになると、器がなくなるんです。入れ物が。ですから、今、 基準外交付というのも、市町村に移管された後には、相当数縮小されていまして、ほとん ど受け付けないなどという地域も幾つか出てきています。そういった意味で、何かきちん とした器があればいいんですけれども、そういうふうにとらえているんですか。 ○伊藤座長 ちょっと事務局、待ってください。 今、2つの問題があると思うんです。1つは、補装具の概念の中で、これを入れ込める か、入れ込めないかという話ですね。今後は、基準外交付はできるだけ避けたいというこ ともありますし、今の姿勢保持の範疇ですから、その辺の範疇までは補装具として取り込 めるものではないかという意見の方が、多分多勢を占めるのではないかというふうに思い ます。ですから、そういうふうに取り込められるものは問題ないと思うんです。そこはそ れとして、問題は完全に取り込めないよ、これは治療を急ぐだろうという話になってしま ったときに、さあそれは保険の方とリンクできますかという話なんです。では、保険の方 に投げましたということさえもできないのかなという気もするし、投げましたよと、ただ 向こうが答えてくれません。こういうことはあると思うんです。でも、投げましたよとい うふうなところまで、本当にいけるのかどうかということも含めて、事務局からお話を聞 きたい。そこら辺の実態がよくわからないんです。 ○長田室長 本音の話をすると、こちらの補装具と治療用補装具とは、考え方としては、 本当はおそらくリンケージをしているんだろうと思うんです。ただ、ではこちらの補装具 と治療用の補装具と、部局が違うので、関係をどうやってもっているかというと、現実に は、これは更生用補装具としての範疇には入らないから、保険でいかですか、検討をお願 いできませんかという持ち出し方しか今、していない。それは、事務的な持ち出し方であ って、それを向こうがどういうふうに受け止めてくれるかということだと思うんです。 逆に言うと、同様に向こうからこちらにというのも勿論、あるでしょうけれども、それ もある意味事務的なという意味です。システムとして、これらを合同で何かをするという ようなことには現在はなっていないということです。 ○伊藤座長 実は、診療報酬点数の問題で、医療課の方に何とかいきますでしょう。いろ いろとディスカッションをすることはしばしばあるわけですけれども、全く別の問題と考 えているわけです。それはそうなんです。それに関係する団体だとか、そういうところは 全部持ち上がってきたルールがありまして、それで診療報酬を決めていくものですから、 そういう仕組みががっちりとできているんです。それは、今、ある程度見直そうとされて おりますけれども、いずれにしても、そういう今までの体系があるわけです。やはり、そ れに乗せないとなかなかうまくいかないわけです。 そうすると、こちらでそうなりましたよということになったら、事務的には投げておい てもらって、そちらはそちらでまたこちらからそのルートでもって上げていくという作業 をしないといけないという話です。向こうは今、見直しが行われておりますから、今後、 こういうものをできるだけリンクしてもらえるように、これは省の中の話ですから、して もらう努力はするにしても、結局なかなか人のやることですから、それぞれの仕組みの中 で動いていますと、そう簡単にはリンクしない。そう言われたからといって、はいOKと お金が出てくるわけではございませんから、やはり努力しては、投げかけておいて、こち らからはこちらのルートで上げてもらうという作業が必要だろうとは思います。それは現 状では現実的なのではないでしょうか。 どうぞ。 ○光野委員 少し今の議論から外れるのですが、関係するので確認したいんですが、伊藤 座長の方でもおっしゃったように、座位保持装置という概念を少し大きくして、姿勢保持 装置という枠組みでお願いしたいということ。座位保持装置ができたころから、我々お願 いしてきた項目なんですが、そのことについても一度、しっかり議論して、検討していた だきたいとお願いします。 ○伊藤座長 それでは、種目の見直しの点で、御意見いただけますでしょうか。 ○長田室長 その前に1つ、定期的な見直しといったときに、先ほど座長からも御提案あ りましたけれども、調査をするというような期間も含めて、我々の念頭にあるべき一定期 間というのは、どうあるべき、どのぐらいのことをイメージしておくのかなというのを少 し先にザジェスチョンいただければありがたいと思います。 ○伊藤座長 定期的にこういう会議をもってその場でそういう検討をしていこう。そして、 見直しを図ってもらうという話なわけですけれども、その期間ですね。どのぐらいの期間 ごとにそれを行うのか。 これは、事務的な作業も大変ですので、事務局としてはできるだけ長い方が楽なんでし ょうけれども、これを要求する側としては、できるだけ短い方がいいという話もあるでし ょうし、そこのところをどのぐらいのところで折り合いを付けるのかという話だと思いま すが、いかがでしょうか。 ○光野委員 一応、全体的な、トータルな見直しをするというのを、できれば1年とお願 いしたいところなんだけれども、それは例えば、3年に1回とか2年に1回というのでも いいと思うんです。 ただ、やはり先ほどのお話で出てきた、専門委員会とかというのは、通年で毎年いつぐ らいまでにそういうものを申し込んでいただければ、その結果についてはここら辺で出し ます。これは、もう通年という形で、毎年積み重ねていく。それと、親会といったらあれ ですけれども、そういうものはこのくらいの頻度で、3年に1回に見直します。そんな委 員会の性質によって年数が決まるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ○伊藤座長 今の話は、窓口として皆さんから集めてもらうという作業は毎年やろうじゃ ないか。それを調査にかけて、それで決めていくのは2、3年に1回とか、そういう少し スパンがあってもいいかもしれないということですね。 ほかにございますでしょうか。 ○石井委員 私も、最近、いろんな世の中の進歩というのは非常に激しいし、特に電子工 学等の関連する補装具等でしたら、その進化というのは非常に早いので、やはり2年に1 回ぐらいの方がよろしいかと思うんです。検討して市場に出したときに1年遅れてくると いうのは状況ですので、遅くとも2年に1回は必要かと思います。 ○伊藤座長 ただ、その場合も調査が長引いてしまったりしてしまうものはその次に送る しかなくなるでしょうから、少なくとも2年に一編はやって欲しいということですね。 ほかにございませんでしょうか。どうぞ。 ○笹川委員 私も、やはり2年に1回の方がいいと思います。白杖は非常に開発が遅れて いて、今、国土交通省や経産省でいろんなものを開発していますけれども、非常に進歩が 早いです。ですから、3年となると、ちょっと待ち時間が長すぎるかなという気がします。 ○伊藤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 では、今、2年とか3年とかという話が出ましたけれども、基本的には2年の方がよろ しいというのが皆さんの御意見のようでございますが、そういう結論でここの意見として はよろしゅうございますか。あと、事務的な問題とか調査の問題がありまして、それは難 しければ、その品目については少し遅れるのはやむを得ないこともあるかもしれませんが、 基本的にはそのくらいのスパンで見直しを図っていくということでございますが、そのほ か、種目の見直しについて御意見ございませんでしょうか。 ○石井委員 補聴器については、身体障害者福祉法等で公的給付の分が全体の出荷率の大 体10%ぐらいなんです。ですから、市販されるものを基準にしたものが判断される要素が 非常に高いんです。そういう面から見て、現在、標準型高度難聴用という性能区分がある んですけれども、やはり難聴者の方からしてみると、標準より高度という名称の方が非常 に聞こえるのではないかということで、標準型を交付しても要らないという錯覚が起こる んです。市販では、軽度難聴用、中度難聴用、重度難聴用という表現なんですね。これは、 難聴度に合わせてという名称なので、こういう名称の市場とのリンク。箱型と耳かけと挿 耳型とか、日本語的に非常に漢字の表記が多いのです。これも市場では、ポケット型とか、 非常になじみやすい名称が使われています。ですから、そういう名称等の品目ということ もまた、見直す必要があるかと思います。 先ほどのいろんな検討委員会で出るんでしょうけれども、新しいものが出たとき、特に 児童などで早期訓練をする場合、こういう機能のものでやった方が非常に効果が上がると いうのも出てきます。そういうものの品目追加とかということがありますので、市場の原 理を一応の参考にしてということを1つ申し上げたい。 もう一つ、今、品目の中で既にもう過去の商品、製品というのがあるんですね。それの 市場の出荷率とかというものも見て、5%がいいのか2%がいいのか。そういうものは、 もう変えていく。そういうような市場動向を見ながら、1つの参考にしてというといかが でしょうか。 ○伊藤座長 既に市場に出回っているものにつきましては、比較的そういう材料があるよ うに思うんです。こういう名称などの変更は、こういう委員会がきちんとできていけば、 これまでのようなことはなくスムーズにいく確立が非常に高くなるように思うんですけれ ども、オープンで皆さんが一致すればよろしいわけですから、それをかたくなに変えない などというようなことは余り考えられないでしょうね。 ○高木専門官 それはないと思います。 ○伊藤座長 どう見てもそうと思います。これは、常識的に見てそうだと思うんです。 ただ、問題は逆に市場できちんとあるという話であれば、ではそれでいいではないかと いう話にもなるわけで、そこのところは普及度の問題で検討したりしなければならなくな るかもしれません。 ほかにございませんでしょうか。どうぞ。 ○松枝委員 新しい種目を取り入れるということで、今までは基準外交付というのを積み 重ねることによって、必要性というのをある程度判断していたのではないかと思うんです が、基準外に乗らない品目というのが、ではどうして必要だということが言えるのか。そ ういう必要性というのは、どこで判断するんだということになってくるわけです。 ですから、例えば出荷実績を積まないと、こういう議題に上がらないということであれ ば、永久に上がってこない。今までの基準外というのが、どちらかといえばそういう役割 を果たしていたということになってくると思います。 もう一つ。現在の基準外の定義として、補装具の種目にあるものの範疇だというのが、 以前に比べますと少し狭くなっていまして、全く新しい品目の基準外というのが、もう発 生しなくなっているんです。そうすると、それこそ科学の進歩とか技術進歩ということで、 新しい品目とかというのがなかなか出てきにくい状況になっているのではないかというの はあります。 ○伊藤座長 例えば、具体的なイメージをちょっと教えていただけますか。新しい品目と いうと、今のこの品目にないものも問題になってきます。 ○松枝委員 車いす当たりも相当進化していまして、半ばこれから、例えばの話なんです が、外付けのサイボーグ的な移動器具のようなものがもう既にトヨタ辺りから出ていまし て、ああいうものは義足なのか車いすなのかよくわからないものが今後、出てくる可能性 もあります。実態としては、あれは基準外でも出せるようなものではないと思います。こ れは、あくまでも例えばです。 例えば、先ほども言いましたけれども、立位保持装置は基準外でずっと展開していまし たけれども、あるいはあくまでも起立保持具というのがありまして、起立保持具の概念の 中から初めて出てきたものであるんですが、今後、基準外でそれが認められなくなるとな ると、もう実績を積みようがないということになってきます。そういった意味で、むしろ こういった委員会のところから、先ほど実際の中間ユーザーの現場から必要性というもの を吸い上げていく必要があるのではないかなという気がしています。 ○伊藤座長 勿論、残すけれども、今、基準外をできるだけなくそうよというのが、これ からは現物給付ではなくて、補装具費の給付になるのですから、むしろできるだけ今の品 目に当て込むような努力をしてもいいのではないか。そういう場合、例えばそういう移動 用装具、移動用の器具を出したらば、移動用の車いすに近いものを出したらば、一般の車 いすは出しませんよという話になりますね。よく、電動車いすを出したらば、靴代は出し ませんよというのと同じですね。 ですから、そういう意味で2つのものを出さないよという話であれば、これは普通型の 車いすの価格でもって補装具費の給付をしますよという話になってしまいますから、そう すると御本人様の負担額が残りあるわけですね。それを出せば、それでもって買えてしま うわけです。そういう条件が生まれてくるわけで、できるだけ今の品目の中に取り入れる ような条件が働きますね。そうすると、結構、怪しげな境目のものも入れることは可能な のではないかなと思うんです。それを外れるような種目が出てくるか。それは、新しいも のが生まれてくるはずで、生まれてきたらそれはそのときに大議論しなくてはいけないん だろうと思いますけれども、私はそんなふうなイメージがあるんですけれども、そこは事 務局はいかがですか。 ○高木専門官 今、おっしゃられたのは、できるだけ今、ある種目の概念に取り入れてい こうということですね。姿勢保持装置に関しては、先ほど議論が途中だったんですけれど も、こちらとしましては、やはりそこは概念整理が必要であろう。というのは、先ほどの 議論もあったように、治療用補装具との関連においてもまだ整理できていないところもあ るので、そこは整理すべきものは整理しながら、もう現実として数多く給付されているも ので、概念的にも問題ないものについては取り入れるというふうな気持ちでおります。 ○伊藤座長 私が申し上げているのは、そういう概念整理をしないということではなくて、 我々の見方として、違うから、むしろこうではなくて、受け入れる側の方に立って見ても いけるのではないか。要するに、現物給付とはちょっと見方が変ってきますねという立場 なんです。 ○松枝委員 私たちが知る範囲では、最もそういう意味では、先生がいらっしゃる横浜が 広義にとらえてもらえる地域だというふうに伺っていまして、ほとんどの地域は狭義にと らえる方向に今、移っているんです。ですから、そういう意味でいくと、あいまいな形と いうのは、むしろ駄目な地域を増やすような方向になるのではないかなという気はしてい るんです。多分、交付状況でいくと、現時点でも横浜はかなりの先進地域だというふうに とらえています。 ○伊藤座長 わかりました。ですから、今のようにそういう格差が開くようなことだった ら困りますので、そうしたら新しい概念をつくった方がよろしいと。それはそのときの議 論ですね。 ○長田室長 まだ、我々が何かの方向性を持っているわけではないのですけれども、今、 議論になりそうなことは、恐らく基準外で交付すべきものは一体何だろうか。あるいは新 しい種目とは、どう概念整理すればいいのだろうということと関わってくるのだと思いま す。その意味で言うと価格をどうするかということによっても、随分整理の仕方が違って くるのかもしれないと思います。 例えばですけれども、電動車いす型義足のような製品があるとした時、それを読み込め るような概念整理をした場合に、それの妥当な金額というのは一体どれくらいだという話 になります。そこで基準外のものと、基準内のものと区別するという考え方が出てきてし まうかもしれない。そこの価格設定、基準内で読むとすれば、その価格設定は一体どうす ればいいのだろうかということとも関連してくると思われるので、一番最後の検討課題の 基準外の整理の話まで行って、もう一遍議論していただけるとありがたいと思います。 ○伊藤座長 新しい概念をつくりました、お金がありませんでは、結局出さないわけです ね。ですので、そういうことを考えると、欲しい人に一定の費用の補助もできないわけで す。今度の補装具費の給付というのは、ある意味そういうように自分でお金を出せば、必 要なものが手に入ると。そのときに補助がもらえるというようなよさもあるわけです。だ から、そのよさを追及するということになれば、額の方はもうパイは決まっているようで ございますので、そのことは別問題として検討しなければいけないにしても、まずは門戸 を広げるという考え方もあろうかと思うんです。 ですから、そういう点で、後でこれもまた議論したいと思いますが、できるだけ私は、 必要な人がいて、それがそれなりの効果があるというふうに認められたものであれば、補 装具費の給付なのですから、補助金を出して、あとはその人に御自由にお買い求めいただ くというような方向性が広がっていく方が、今回の見直しの主旨に合っているのではない かと思います。 どうぞ。 ○笹川委員 視覚障害者の場合、補装具といっても、今は白杖と点字器、かろうじてその ほかに義眼や遮光眼鏡が入っておりますけれども、ほかの補装具に比べると大変劣ってい るというか、遅れているということがあると思います。 視覚障害者が社会参加する上で、まず保障されなければならないのは、移動の保障です。 それから、読み書きです。これが解消しなければ、どこまで行っても完全参加できない。 そういう意味で、品目としてはあくまでも白杖と点字器は補装具として規定してもらいた いと思います。 そのほか最近、例えば、漢字読取装置のようなものも開発されてきております。そうい うものが実際に使えれば、読みという点でもかなり問題が解消しますので、そういう新し い品目についても是非検討していただきたいと思います。 先般来から、どうも白杖と点字器は補装具から外されるようなことがありまして、今、 私どもの中では大変大きな問題になっております。そういうことがないように、是非ひと つ御配慮いただきたいと思います。 ○伊藤座長 どうぞ。 ○大濱委員 せっかくこういう形で委員会ができても、これはできるだけ効果がある、将 来的にも新しいもの、要するに、基準外という形以外に、新規のフレームで取り込むもの は救っていただきたと思っているんです。 今、笹川さんから話がありましたように、本当に科学は日進月歩でしてニューロエンジ ニアリングとか、神経工学の部分で、ブレイン・コンピュータ・インターフェースとか、 かなり新しいものがすごい勢いでできているんです。そういうことを考えると、数が全国 的に最初は10とか5ぐらいかもしれませんけれども、そういうものをテスト的に取り入れ ていくようなスタイルがあってもいいのかなと。それが本当にどれぐらい効果的なのかと いうのは、5件、10件とか、数十例でもいいですからまずやってみて、それが逆に非常に 効果があるということになるかもしれませんし、将来的にそこら辺の埋もれているもの、 例えば、白杖の場合ですと、今、いろんなコンピュータとドッキングしたようなものが新 しくできているわけです。そこら辺を十数件でもいいですからやるというような新規の枠 をきちっとつくった方がいいと思っています。 ○伊藤座長 ですから、そこは調査研究だろうと思いますので、研究費をそれなりに持っ ているわけですから、厚生科学研究でも、テクノエイドの研究でも、ですからそういう中 でそれはできると思うんです。 効果というのは、必ずしも普及とはまた別問題として、先ほども言ったような精神でい けば、御本人様がちゃんとお金を出すよという話であると、これはかなり広げることがで きると思います。 ですけれども、全然お金出しませんよという話になると、それはなかなか難しいだろう と。予算の問題が絡んできますと、やはりこれは高過ぎるからやめましょうという話がど うしても出てきてしまうんですが、そういうものを外して考えることができれば、かなり 我々としては範囲を広げることができるようになるんではないかという見方もあると思い ます。 ほかに見直しの件でよろしいですか。どうぞ。 ○松枝委員 あと2点ありますが、カーシート、車載用座位保持装置というのが、いろん な地域で供給にいろんな支障を来しているというのが実態であるんですが、福岡の肢体不 自由養護学校2校分を通学だけで調査しました。送迎バスがありまして、その送迎バスに 乗せている車載用座位保持装置、カーシートです。それを調査した結果が、小学部で83%、 中学部で41%、高等部で21%という数字が出まして、実数で言いますと、小学部で115 人に対して95人がカーシートを必要としているわけです。これは、まだ交付制度がなくて、 この前の資料の中にも基準外実績というのも実際に上がっていません。これは制度の読み 換えということで交付されたり、日常生活用具で交付されておりまして、これは子どもた ちの学校を含めた、いろんな通園施設も含めた社会参加に欠くことのできない道具だとい うことで、品目の中に是非追加していただきたいというのが、私の現場からの意見として 思います。なかなかこれが調査しても上がってこない状況になっているんです。それが1 点です。 もう一つ、これはものすごく大胆な発想ということで聞いてもらってもいいんですが、 例えば、介護保険の中で介護認定で介護度によっていろいろ金額が設定されております。 そういった意味合いを持った、例えば、1年に補装具費用としてこういうレベルの人は幾 らぐらいまでは公的な補助があってもいいんではないかと。例えば、このレベルの人は10 万とか、このレベルの人は40万とか、いろんな段階的なものがあって、その範囲内は生活 に必要であれば何でも供給しましょうと。勿論、とんでもないものはいけないんですが、 介護保険でも補装具にないような品目とかが給付対象、購入助成の対象になっておりまし て、そういう柔軟な発想もあってもいいんではなかろうかという提案です。 ○伊藤座長 ありがとうございました。要は、これは完全な補助金システムにしてほしい と、そういう考え方があってもいいという問題ですね。是非種目の見直し、ルールづくり のための見直しの意見を言ってほしいわけですので、その辺について意見ございませんか。 どうぞ。 ○森委員 日身連の森でございます。実は、この委員の中にオストミー協会の人たちがい らっしゃらない、私ども日身連の方にオストミー協会が加入したものですから、ちょっと お聞きしたいんですが、オストミーの用具そのものは、補装具から外れるのか外れないの か、非常に微妙なところがあるだろうと思っておりますが、私自身もそんなに勉強してな いので、この辺よくわからないんですけれども、今、お考えがもしあるとすれば、何か教 えていただければと思っております。 ○伊藤座長 そういう話は、ここではやらないということを前回から申しておりますので、 種目については個々の団体と厚生労働省の方とで直接お話し合いをしていただきたいと思 います。ここでは、種目の見直しをこういう委員会でやるとしたときに、どういうルール でやったらいいのか、その辺のお考えをいただきたいと思っております。 ○森委員 わかりました。先ほど、白杖の問題等が出ましたので、ちょっとと思ったわけ でございますが、一応取り消します。 ○伊藤座長 御意見としてお伺いしておきます。 どうぞ。 ○大濱委員 今、森さんからお話があった件なんですが、要は、先ほど来出ております医 療費か日常生活とか補装具の方に入るのか、そのぎりぎりのライン上にあるような、例え ば、ストマは典型的な例だと思うんです。あと私たちにとっては、収尿器とかいろんなも のがあるわけですが、そこら辺が本当に医療費なのか、補装具部分なのか、ライン上にあ るそこら辺のものが、かなり微妙かなと思っているんです。そこら辺は、どういうふうに 整理していけばいいのかと思います。 ○伊藤座長 質問のような、意見のような、よくわからないんですけれども、私の今まで の考えでお答えしますと、できるだけこの補装具の定義に合ったものにしていきたいとは 思っているんです。そうじゃないと、多分疑問を投げかけられてしまって、その分の予算 を削られる可能性もあるわけです。 ですので、きちんと理屈を付けて皆さんに公表している。その結果、皆さんが納得して もらうというようなルールをきちっと守りたい。 そうなったときに、しかし、これまで歴史的に入っているものを、だからといってむげ に出すよという話にはならないですということなんです。ですから、そのことについては 個々とお話をして、それの代替となるような保障が別にできれば、それはそれでよろしい でしょうし、ですから、そういう意味できちっとその保障を今までしてきたものをゼロに しますということにはならないということです。 それは、例えば、医療の方で出すよという話になれば、それはそちらで出してもらって もいいわけですね。ですから、そういう代わりになるような保障をきちっと付けていこう と、そういう話し合いはしてもらわないといけないと思います。 今後の話で、私が今、言いたいのは、そういう問題が出てきたときには、そういうルー ルをつくりたいと思うんです。例えば、これは医療でちゃんと出しますので、こちらでは いいですよとか。これは、こういう市場で非常に安く売られているからいいですよとか、 何かそれに代わる保障をきちっと示していただくということが前提のように思います。入 れたり、出したりすることもですね。比較的それによって議論ができやすいと思います。 今あるものを出すのは、逆に言えば非常に難しいです。それは今やってもらっているわけ ですけれども、各団体と話し合ってもらっているわけですけれども、これからの話で言え ば、新しいものを入れる、その代わりにこういうものが要らなくなったから、これはもう 補装具から外してもいいだろうというような議論が出てくると思うんです。その場合に、 理屈としてこれを出すときに、新しいものによって代替できれば古いものは要らないです。 同じように、それが医療費で出すというふうに話が付いてしまえば、この委員会だけでは ないですよ、実際上医療費の方から出るという保障が取れれば、これは抜いてもいいです ね。ですから、そういう話し合いが必要だろうということです。こちらが一方的に向こう だとか、そういうことを言っても話になりませんので。 ほかにございますでしょうか。どうぞ。 ○長田室長 私ども、今日のテーマであります、種目を取り入れる際に、どういう情報を 得て、その俎上に上せるかというときに、今までの御議論でありますと、その使用の効果 がどうだろうかとか、あるいは使用の頻度はどうだろうかというような情報が必要だろう というお話も出ていましたけれども、ほかに何か、これは欠かすべきではないという情報 があるのだろうかということを、少し教えていただければありがたいと思います。 ○伊藤座長 ですから、それを今お聞きしているんです。こんなルールが必要だとか、こ んな情報が必要だということがあれば、ルールだけではなくて情報について。 ○坂本委員 先ほど話したんですけれども、まずどういう材料を使っているかという情報 が欲しいというのは当たり前なんですけれども、どういう価格構造を持っているかという ことは、しっかり情報として提供してくれないと判断できないと思います。 ○伊藤座長 今のところ出ているのは、用途、効果、頻度、代替品、普及度、価格構造、 材料費だとか、そういうものは絶対必要でしょうねという話ですが、これは受託の額を決 める方ですね。報酬の額の設定のときですね。それによってまた取り入れるかどうかが決 められるわけですので。 ほかにございますか。どうぞ。 ○宮田委員 価格が一定になりますと、業者さんとしては新しい開発というところが、ど ちらかというと消極的になるんじゃないかというおそれがあると思うんですけれども、そ の辺りでは新しい要素が組み込まれたかどうかというところが1点。 それから、後で話が出てくるかと思うんですけれども、リサイクルしたものの価格とい うところで、恐らく下げなければならぬのですけれども、下げていくだけでは、やはりこ れも業者さんも消極的にならざるを得ないわけで、そういったところでは、例えば、薬の ジェネリック医薬品を使うと、患者さんのお支払いになる額は下がるし、処方する医者は プラスになるし、そして処方する薬局もプラスになるというようなやり方がありますね。 その辺りで、いわゆるリサイクル品をつくったときに、お互いが益を得るような要素が要 るんではないかと思います。 ○伊藤座長 ありがとうございました。 ほかにございますか。どうぞ。 ○石井委員 補聴器関係では、これから出てくる商品といいますか、現在も少しずつ普及 率が高くなってきて、人工内耳とか、さっきの医療なのか補装具なのかという接点があり ますけれども、そういうもの。それから、児童の赤外線とか、FMとか、こういうものが 出てきたときに、当人からすれば絶対必要なものということになるんでしょうけれども、 これの普及率とか、先ほど言いました、ここの委員会に出る前にそのような当事者、また は医療・教育関係のところから1つの答えを出していただいて、そしてまた検討するとい うこともあるかと思います。 ○伊藤座長 補装具という定義からすると、かなり医療との接点は免れない条件になると 思うんです。ですから、これをどちらで出すのかという話は、結局、将来的にかなり出て きそうな問題は、今まで以上にますます高まるだろうと、そういうことはちょっと予知し ておかなければいけないかなとは思います。 ほかにございますか。どうぞ。 ○樫本委員 新しい装具を、基準の中に入れるかどうかというのは、ほとんどは、いわゆ る既成品として出回って、もう市場で使われている、そういうものを今までは基準の中に 入ってないから、基準に入れてほしいと、そういうニーズが、多分それがほとんどではな いかと思うんです。 ただ、日ごろ更生相談所で判定していて思うのは、どんな既成品も必ずその方の障害状 況に合わせて、何らかの加工が必要なんです。既成品をそのまま当てはめていいという方 は余り、これは肢体不自由に関しての話ですから、誤解なさらないようにしていただきた いと思います。 そうしますと、この委員会で検討して基準の中に入れる意味は何かということなんです。 というのは、その方にとってこれが必要で効果がある。使うことで生活が改善するという ことであれば、今までは基準外という方式で給付していたわけです。給付してはいけない ということでも何でもないんです。それを今度基準の中に入れましょうというのが、いろ んな既成品の中でも値段の格差がある。それを基準額を決めて格差を少なくしようとか、 何らかの基準の中に入れる効果があるとは思うんですけれども、その辺がよく見えてこな いといいますか、何のために基準の中に入れた方がいいとか、入れてはいけないとか、基 準の中に入っていなくても、更生相談所が必要だと思えば今までも出せたわけです。皆さ んの話を聞いていて、そういう疑問を感じました。 ○伊藤座長 最後の基準外の整理のところの話になってきているんですけれども、ここに 書いてありますように基準外補装具を、どのように概念整理するかとか、基準外として給 付する際の条件とは何かということなんです。これに対する意見は、今までほとんど出て ないので、今日ちょっとやりたいと思っているんですけれども、そこに飛んでよろしいで すか。 「種目の見直し」のところはこのぐらいで、次の「基準額の設定」と「基準外の整理」 というところに移りたいと思います。そこで「基準額の設定」についてでは、そこに書い てありますように、価格設定の具体的な方法をどうすべきかとか、価格上げ要素と価格下 げ要素はそれぞれどのようなものがあるのかとか、先ほど出ましたリサイクルの問題、そ れから今、樫本先生おっしゃいました基準外補装具をどのように概念整理するかとか、こ こは一緒にやりましょう。御意見があれば、どうぞお願いします。 ○高木専門官 その前に前提としまして、要は、種目の見直しをする委員会をつくろうと いうわけですので、種目の見直しの○の2番目ですけれども、そこに合わせて当然そこは 基準、交付基準だとか、基準の額とかいうところも検討いただいて、それを受けて告示等 に反映していくというふうに我々としてはとらえておいてよろしいでしょうか。 ○伊藤座長 私、当然だと思ったものですから飛ばしてしまいましたけれども、これはそ うですね。これなしには、種目の取り入れだとか、外しだとかできませんね。委員会をい っぱい持つわけにいきませんから、できればこの1つで種目の取り入れだとか、取り出し だとか、あるいは受託報酬の額だとか、そういうことを合わせて検討するということでよ ろしいですね。そういう考え方でまとまっておりますね。ここはそういうことでよろしい と思います。異論がなければ。 それでは「基準額の設定」と「基準外の整理」のところに移りたいと思います。御意見 お願いします。 どうぞ。 ○松枝委員 車いすの場合に、今、生産拠点の多くが中国、台湾に移っていると思うんで す。それを基準として価格を設定していくのかどうか。国内では、ほとんどが今、大手4 社、5社で車いすの生産が行われておりまして、フルオーダーの外注は、基準額とほとん ど同じ額になっております。それは、多分ユーザーから見ると差額を払っているか、基準 外に交付されているか、どちらかになっております。 中国でつくると、それはまた3分の1とか、そういう金額にどんどん落ちてしまうんで すが、まずこれは1点あります。 それともう一点、今の補装具の制度で、例えば保証期間とか、アフターフォロー、調整 とか、修理は項目があるものに対しては修理があります。それから、先ほどのアフターフ ォローは項目はありません。それから、保証ということに関しても項目はありません。 もう一つ、最終処分、リサイクル、そういうことに対しても価格の設定がなくて、全部 サービスになってしまっているということで、価格というものが一般商品と同じような考 え方を持ち込むのであれば、分解する必要があるんではないかと、純粋にものの値段とい うことと、サービスということ、リサイクルというものに関する価格を分解してとらえれ ば、物自体は相当安くなってもいいのかなと。 その代わり、使用期間中5回アフターケアが行われれば、それに関する価格保証という ものがあってもいいのかなととらえております。 ○伊藤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 どうぞ。 ○石井委員 今までの標準価格というのが、補聴器の場合でしたら、一つひとつの部品の 価格の積み重ねでなってきたということで、補聴器の場合でしたら同じものをたくさんつ くればコストが下がるんではないかという論理で、単価は非常に低い。 ただ、我々の認識としては、これは補装具の基本的な認識で、すべてオーダーメードだ ということです。補聴器の場合もオーダーメードであって、そのものを交付されてもこれ は役に立たないわけです。その一人ひとりの聴力に合わせて調整していく、そういうこと によって効果で出てくるということですから、部品の単価はそれで積算して知っても、交 付基準としてはやはり技術料、そういうものが加算されるわけであろうと私は思います。 ○伊藤座長 ほかにございますか。どうぞ。 ○光野委員 前回からの議論の引き続きとして、1つは車いすを、その他から移して姿勢 保持車いすというものに仮にするという前提の話なんですけれども、そうしたときには、 ある一定の利用者像というのを想定していた方がよろしいかと思うんです。体幹機能が低 く、あるいはヘッドコントロールがうまくないと、そういう人についてこういう形で、補 装具としての車いす姿勢保持というカテゴリーのものを利用できますと。 一方、仮にこれは私だけの判断でどうこうすることはできないかもしれませんが、日常 生活用具としての車いすというのが仮にあるとすれば、今、高齢者のところでレンタルで やられているようなところ、これもまた今後いろいろ進化して、見直されていくんだろう と思うんですけれども、その中にやはり実際もうちょっと中間的な部分も出てくるんだろ うと。つまり御利用者のニーズの確認というレベルから、場合によっては試しに乗ってい ただくという期間。それから、若干ここは補装具としての車いす姿勢保持装置と似てくる んですけれども、いわゆる仮合わせが場合によっては必要な部分も出てくるかもしれない。 また、いわゆる適合調整、そういったプロセスが要るかもしれない。 そういう中間的な部分をどう位置づけていくかということがあると、やみくもにヘビー な補装具としての、いわゆる積算方式の座位保持機能付き車いすというものだけに頼らな くても、もうちょっと簡便な部分があって、ちょうど利用者のニーズにそれはちょうど合 うと。 もう一つは、もっと本当に簡単な、右から左へと言ったらあれですけれども、いわゆる 日常生活用具として車いすがとらえられる範疇の利用システムをつくるという3つぐらい の枠で車いすを見ていくというふうにすると、非常にリーズナブルになってくるんではな いかと思います。 それは、この参考資料2で車いすについて門外漢の方には、こんなふうになっているこ と自体なかなか難しいと思うんです。普通型、リクライニング式普通型、要するに、形状 を表している基準なんです。これは、私から言わせると随分時代の流れの中で形骸化して きている部分があると。つまり車いすの型式を見ていると、そうではなくて私は利用者像 を見て、それに合致させるように切り換えていくという提案を前回もさせていただいたん ですが、もうちょっと今日は踏み込んでそこをお話しさせていただきました。よろしくお 願いいたします。 ○伊藤座長 今、大きな改革をしようとしているときですので、そういう大枠全体を見直 すという考え方もあろうかと思います。確かにおっしゃるとおり、車いすの型式について 言うと、ほとんど出してないものもありますし、こういうふうに、これは要するに現物給 付でしたからこういう形を取らざるを得なかったわけですので、もう少し目的別にくくっ てもよろしいかなと思います。 ほかにございますでしょうか。 基準外の話が先ほど出ましたが、要するに、先生は疑問なんですね。基準の外にあるも のと、中にあるもの、どうして中に入れるのか、入れる必要は必ずしもないんではないか という考え方ですか。 ○樫本委員 結局、基準内に入れるというのは、価格の安定化といいますか、それで大量 生産するように業者が努力するとか、そういうふうにつながるのかなという思いはあるん ですけれども、基準の中に入れなければ出せないということではないので、その辺がどう も誤解があるのかなと思うんです。 ○伊藤座長 基準の外だと出せないという誤解よりも、基準外交付が面倒臭いというのが 現実ではないんですか。どうなんですか。 ○樫本委員 種目として基準の中か外かという考え方と、いろんな部品ですね。完成用部 品であるとか、あるいは車いすに付加する機能を、今の基準表に乗っていないから基準外 で少し多機能にしようと、オーダーメードでつくるときなんかはそうやっていろいろ付け なければいけない部分がたくさんあるんです。それまで認めないということではないです ね。大きな種目として補装具の名称として入れるか入れないかという話として理解してよ ろしいですね。 ○長田室長 まさにそのとおりです。 ○伊藤座長 ここで話をしているのは、そういうことだということです。先生の今の御理 解でいいと思います。 どうぞ。 ○黒田委員 見直し等の検討委員会で、新しい種目を入れて、古いものを整理していくと いうものをつくってはいかがかというのが検討委員会であって、それで新しく出直して、 こういうのが2回ほど続いている。そのことについては、検討委員会が検討してきた方向 が、自画自賛ですけれども、正しかったと思っておりまして、今日ずっとお話を伺ってい て、今日は私たちの出る幕は余りないなと、むしろ中身として面白く、興味深く聞いてお りました。 ただ、後段になって基準外の問題は、当然この供給システム全体に関わる問題なわけで す。つまり公的な費用を使って供給するときの、どういう仕掛けをしていくか、この見直 しも本来はそこにあって、ただそうしていくためには、やはり自由度の高い補装具の供給 ということで、今回上がった組織で検討してもらって、そして選択の自由度をできるだけ 保障していくのが将来の方向だろうと。 だから中身は、本来発想として基準外なんてないと、つまり利用する人が必要とするも のであるかどうかをきちっととらえれば、それでいいと。では、そのとらえる仕掛けはど うやってくるか。どういう仕掛けがこの国に必要なのか、それは従来更生相談所というも のがあって判定してきたんだけれども、これも将来的に果たしてその必要があるのかない のか、なかったら更生相談所は要りませんよと、むしろどなたか先生なり専門家が証明し たら、それで供給できるようにするかという、むしろ供給システムがまずあって、それが 円滑に行くのであれば、中の科目も基準外、基準内という分け方の必要もなくなってくる だろうと。 常にその辺をキャッチボールしながらいかなければいけないだろうと思うんですが、た だ、今までのことを新しく改革するためには、やはり原点にあるものそのものもをどうと らえるかというところの議論がちゃんとされていた方がいいと、補装具はいかにあるべき か、そうすると医療との接点が如実に出てきたので、これもものすごい進歩だと思います。 でも、最終的には公費を使う限りにおいて、例えば、不正なシステムがそこに起こらな いようなことは、絶対に考えておかなければいけないわけです。今度補装具費の支払いと いうことになってしまうと、これはもうきちんと話として出しますと、要するに、だれか が証明して現金もらったら、ものがそこに存在しなくてもいいことだって起こってくるわ けです。そういう事件が起こり得るわけです。こういうことがないことを前提に今ここで は話されておりますけれども、ある種の供給する側から見れば、要するに、税金でものを 供給する側からすると、果たして本当にそこにもの実態として残るかというのは、補装具 の場合は、ある種の怪しさがそこに伴ってくると。 例えば、介護保険ですと、間違いなく介護されている、介助の実態はあるんですけれど も、ものの場合にはどこかできちっと供給というものが確実に行われて、さっきちょっと 出たんですけれども、仮合わせとか、適合というのか、間違いなく行われる、処方もでき るという、そういう仕掛けが一方であって、それに合ったようなものの供給なんです。 私は、ものは広がれば広がる方がいいともと思っております。だから、従来の更生相談 所で判定する補装具の種目の狭隘さというのは、ものすごく苦しかったわけです。おっし ゃっているように、欲しいというのをできるだけ供給したいけれども制限があると。そこ で工夫をしてきた経緯があって、その結果基準外交付というのはなくしてほしいというの が本来で、それは樫本先生おっしゃるように、更生相談所という存在をうまく使って、そ こがいいと言ったら何でもいいではないかという形で来たものですから、樫本先生のおっ しゃる意味もわかるわけです。 これからの方向は、新しいものと同時に、一方でどんな供給の仕方をするかということ を、きちっとキャッチボールしながらいかないと、ものはできたけれども、懸念されてい るように、地方によっては、それはいいけれども、うちは出しませんみたいな態度が、仕 掛けの側にできてしまったら、また同じことになってしまうと。 私が行っていた大学のあった市町村などは、2万7,000 の人口で5年間電動車いす出し てないわけです。何で出さないかといったら、町の方の予算そのものに補装具の公的費用 の割合が予算上乗ってこないと。元で乗ってこないのに、幾ら逆立ちしても出ようがない わけです。 ですから、確実に供給できる財源を確保しながら、不正な供給がされないような仕掛け に持っていくと。この委員会のもともとは、その仕掛けの問題があって、それと一方でや はり新しいものがどんどん出てくる、それをできるだけ早く届ける仕掛けを身障法、自立 支援法は持つべきだと、この辺はもう全部一致していると思うんです。 ですから、次の段階はある種の分かれ道になっていく、新しいものに向かっていく方向 と、当然それを吸収してシステムとしてどううまく適切に供給するか、ここをうまく組み 合わせていってもらいたいと思います。 ○伊藤座長 ありがとうございました。義務的経費でありながら、それを出さないという のもいんちきなわけでして、同じいんちきでも出さないのは罪にならないけれども、出し てもらってしまうと、逆に言うとお金だけもらってしまえばこれは罪になるわけですから、 そういうところをきちっと見張っていかないといけないというのも、我々の仕組みの中に 必要なんだろうと思います。 事務局、基準外を基準の中に入れることの意義みたいなことについて、意見があったら 出してみてください。 ○高木専門官 意義というよりも、今回こういう提案をしたのは、基準外といいつつも一 般的になってしまっているものが結構あると、そういったものについては、当然もう実績 として給付されているものですので、それは基準の中に取り込んではいかがかというのが、 最初の発想でした。 前回の議論を踏まえると、ただそれだけではなくて、概念整理も必要なものがあるので はないかというのがありましたので、そこはやはり整理をしながらきちんとしていかなけ ればいけないのかなというところでございます。 ○伊藤座長 私の意見として言わせてもらうと、今の点は最初の出発点は同じなんですけ れども、結局予算として出ているという御意見がある以上、だったらみんな取り込んでし まえばいいではないかという気もするんです。ですので、予算として出ているものであれ ば取り込んでもいいんではないかという立場です。 問題は、予算額、受託の額をどう決めるかということの方に大きな比重がかかってくる のであって、補装具の給付であれば、むしろそういう形で取り込んでいける可能性がある と。だから、基準外はむしろ本当に限定されて、今、出ている種目を超えるものに限られ てくると。それは、後で概念整理をしなければならないだろうと思いますけれども、でも それはそういうものに限られてしまうというふうに考えていたんです。 ですから、私は広く考え過ぎだったかもしれせんけれども、そこを含めての考え方でい いんですね。 ○高木専門官 ちょっと私の言い方が悪かったのかもしれませんけれども、具体的に言い ますと、例えば、チルト機能の付いた車いすがある。これが全国でたくさん基準外として 出ていると。今までの考え方からいきますと、これをただ単に型式にまた追加してやって いけばいいのかなという思いがありましたけれども、それだけではまだ不足ですよという 御意見があったものですから、そこは概念整理をしながらやっていかなければいけないの かなということです。 ○伊藤座長 要するに、概念整理をちゃんとすれば、ほとんどのものは入れられるんでは ないかという考え方でよろしいということですね。 ○高木専門官 はい。 ○光野委員 せっかくこういうチャンスですから、今までの概念を少し外して、もうちょ っとこの補装具、前回せっかく定義していただいたように、そういう身体機能の補完、あ るいは代替というのは、第一義にありますので、そこのところを踏まえて言うならば、一 応こういうAという方がおられて、先ほどの話とつながってくるんですけれども、そのA という人の身体状況がこうであって、ADL、日常生活動作としてはこういうレベルにあ ると。そういう人が、その補装具を利用することによって、ここまで行けるよと、あるい は行ったよという部分について、これは一定分認めましょうと。そうすると、基準内とか 基準外とかいう話はなくなってくると思うんです。今の補装具の組換えでいくと、そうい うふうに細かくもので押さえていっていますから、どちらかといったらものごとの方でこ れを構成し直すと、非常にシンプルに見えてくるような気がします。 ですから、もっとわかりやすく具体的に言うと、本当に脊損の人で、機能的にはすごく よいという人は、ある面では普通の車いすでもいいのかという疑問があります。でも、そ の人はやはり高機能の車いすで、仕事にも通いやすいような車いすが必要でしょうと。あ る程度そこに対しては、今、彼が持っている身体能力はこうですと。でも、補装具を使う ことによって、こういうふうに社会参加できますと、ここをきれいにはかる、みんなが合 意できるような物差しを持っておくと公平性が得られると思います。 もう一方で、例えば、脳性麻痺の人で体幹機能も低く首も座ってないような人、そうい う人が使う道具というのは、かなりいろんなものが出てきます。そういう中で、ひょっと したら電動も要るかもしれない。でも、そういうものは、例えば、100 、200 万するとし ます。でも、それはそのことによって、その人が社会参加がここまでできるようなADL が得られると、とすればそれが200 万あったにしても、一応これは補装具として認めまし ょうと。ただし、全体のパイがこのぐらいですから、200 万そっくりを公的に給付するこ とはできませんと。これは予算の状況の中で、今はできないと、けれどもこの程度は見ま すと、あとは自分でやってくださいというのも、ある面では仕方がないかもしれない。で も、そういうものを補装具として認めますよということを、この時点でやれることは、逆 に言えば予算が潤沢になったときには、これだけの負担があった分が半分で済むよという 時代も来ると思うんです。 今ここでやらなければいけないことは、そういう発想をもって補装具というのを定義づ けていく。それに対して費用負担を見ていくと。それが、公的に見れるのは今はこのぐら いだということで、今の時点では仕方ないのではないかと。ただ、物で見ていくんではな くて、そのことによって得られる効果、それは個々人のところで見ていくと、それに手間 暇かかる分も見ましょうというところだと思うんです。 そして、公的な負担は今は仕方がないということで、私は仕方ないんだろうと思ってお ります。 ○伊藤座長 今の話は2つあって、1つはその人が社会参加していく上で必要な道具とし て車いすのようなものが必要ですという話がまずあって、そのインディケーションがある ということが大前提なんです。 そうなったときに、ではどういうものが必要なのかといったときに、私はここで、言っ てみれば健保保障の範囲と、それ以外の、それ以上の範囲と、この論議だと思うんです。 ですから、国が保障する以上は、どうその人の基本的な問題を保障するかという話ですか ら、そういう意味では健保保障の分、これはお金を出す分です。そのほかの上乗せは自分 でやりなさいという話ですから、そういう意味で言うと、これはだめよということではな くて、むしろどこまでを私たちが出すのか、国が見るのか、そこの基準をどう決めるか、 これをちゃんとすれば、車いすの普通型まで出しましょうと、それが健保保障としての、 その人に対する基本的な保障ですよと。それ以外、自分で付ける部分については、どうぞ 付けてくださいというやり方が取れれば、例えば1つの考え方で、そういうやり方が取れ れば、逆に言うと予算的にはその範囲で収まりますね。ただ、その人の自由度が広がるん です。そうすると、ほとんど基準外で出す必要はなくなるという考え方はあると。それが 1つです。 それが、国の考え方ですから、国民が決めればいいことで、健保保障の範囲がここまで なのかというのは、50なのか、70なのか、100 なのかというのは、その都度その都度世の 中の変化の中で変わっていく可能性は勿論あるだろうと思います。そういう意味ですね。 ○光野委員 はい。ですから、今のところもう一つ補足すると、今、手でこげる車いすの ユーザーと、もう一方は体幹の保持、あるいは頭部の保持、こういったものが要る人につ いては、それはここまで見ますというセットですね。そういうものは基準ですというふう にする方が見やすいような気がします。 ただ、やはり高機能なもの、あるいは最新のものとなったときに高価になりがちです。 それについては申し訳ないけれども、この基準から上は別の形で利用してくださいという ところだろうと私は思います。 ○伊藤座長 ある意味、障害の重傷度で分けられるんではないかという考え方ですね。 どうぞ。 ○黒田委員 今の考え方も1つなんですけれども、もう一つ、逆に言うと全く同じものが 必要な場合があるわけです。2人の人がいて、こっち側の人が欲しいものは、やはりこっ ち側の人も同じ状態だったら欲しいだろうと思うんです。 仮にそれが交付基準よりもはるかに出ていたとしますね。こちらに足せる人はいいです ね。足せないけれども、同じものが欲しい人はどうするのかという話ですね。足せない人 は、制度的に足すんでしょうか。ここまでしかだめなんですね。でも、こちら側の人はこ こまで好きなようにやれると。好きなようにやれる人も保障するし、好きなようにできな い人は、そこで指をくわえて見ておれという話にするか。 だから、この辺も両方併せて、私はどっちもわかるんです。実際に現場で両方やってき たし、今もいろいろ相談に乗っていますから。ですから、健保上の保障の基本的な保障と いうことにしておいて、更に足せる人は幾らでも足しなさいということになると、足せる 人に交付金を渡して、足せない人はここで指くわえておけという話も、仕組みの上である ということにちゃんとしておかないと、もともとの出発は、実は車いすの差額支給という のは、本来は基本は出しますと、あとはシートの色を変えるとか、パイプの色を塗るとか、 これは自分で勝手にやるのはよろしいと、基本的に構造とか処方に関しては触らない。そ こについては基準の中でやると。それ以上は自分でやりなさいというのが本来の出発だっ たんです。ところが、ある瞬間から足したら幾らでもいいということで、公費もらって好 きなものをつくるという形になり始めたんです。それが今どんどん広がってしまっている んです。ですけれども、そういう方向でいいと納得するということで得られるなら、それ はそれで今後の方向としていいだろうし、もう既にある程度動いています。だから、これ を逆行させる意味は全くないわけで、それも1つの行き方だろうと。 しかし、一方であの人の欲しいものを私も欲しいと言っても、足せる人と足せない人、 これは社会福祉的に言ったら絶対ケースワーカーが言ってくる話になるわけです。同じも のをどうして保障してやらないんだと、そうすると、こちらの人はここまで交付基準にプ ラスは御自分でやりなさいと、同じものを欲しいけれども、ここまでしか私は費用がない、 ここの差額はどこで出してくれるかというと、またここの保障の問題が出てきてしまうと。 これは、常に対比させて、どこでバランスを取るかというのが、これは当然財政上の問題 としっかりリンクしていくことになっていくだろうと思います。 ですから、判定というものを、従来更生相談所が担ってきたときに、いつもそこのとこ ろで結局抑え込んできたわけです。こっちの人が辛抱しているんだから、あなたも辛抱し なさいという形なんですが、これからの時代はその辛抱をするのかしないのか。するとし たら、どんな仕掛けでしてもらうのか。どういう説明をするのかということもちゃんと用 意した格好の仕組みをしていかないとですね。 ですから、もう構わないと、ここまでの保障で全部OKだと、あとはもう今の完全に自 分で足せる人は自由にということをもう基本にするなら、それはそれでよろしいかと思い ます。この辺も、検討の中で打ち出してもらえればということです。 ○伊藤座長 今のような意見は、事務局としては非常に苦しくなりますね。先ほどの光野 さんの意見は、どちらかと言えば混合診療の話なんです。ですから、それに対して、いや そうではないという問題もあります。ですから、そこは例えば、では自分で上乗せする人 は逆に額を低くするという考え方もあるのかもしれないけれども、両方を入れるというこ とは相反する意見ですから、これは大変難しいと思いますが、それは議論の1つとして今 日は承っておきたいんですけれども。 ○高木専門官 これは、そこも含めての議論というよりも、私の考えでは、やはり必要最 小限のという言い方がいいのかどうかわからないですけれども、ここまでお支払いすれば、 とりあえず利用可能な補装具が手に入ると。それは、今、ご意見をいただきましたように 機能別に工夫を加えたにしても、必要最小限の保障としてはここまでです、という妥当な 金額というものはあると思うのです。 あとそれから、よりよくするために、こういったオプション品が必要ですとか、自分の 好みでこう変えたいという上乗せ部分については、そこは基本的な概念としては補装具に 入ってこない部分ではないのかなと思うんです。 そこはそうしておかないと、限りある財源の有効活用と、なるべく多くの人に使ってい ただくという理念からしても、希望する人に全部オプション品というところまでOKです というのは、そこはどうかなとは思います。 ○伊藤座長 おっしゃるとおりなんですけれども、オプション品の部分が機能にも影響す るわけです。コスメティックなものだけではないわけです。そうすると、格好よさだけで はなくて機能的にも優れたものが出てきますね。そうすると、欲しいなと思うのはみんな の気持ちなわけです。ですから、それをどうやって切り分けるかという基準をつくるのは、 大変難しいとは思うんです。でも、何かつくれば、それがみんなが納得できる基準であれ ば、それはそれでOKではないかと思います。 そうすることによって、かなりの品物が入り込むことができるようにはなると思います。 だから、光野委員が言ったような基準をつくれば、多分広がりが出てくると思います。 どうぞ。 ○大濱委員 今までの話なんですが、一応基準外、基準内という話になっておりますけれ ども、必要な人に必要な補装具というのが原則だと思っているんです。その場合、ここに 書いてありますような、重度障害者の補装具は市場原理が働きにくいと、これは本当にそ ういうことでして、例えば、チルトコントロールなんてすごく少ないわけです。そこら辺 に市場原理をどれぐらい働かせるかということになると、これは生産量の問題とか、コス トの問題が非常に難しくなってくる。しかもこれはアームレストがスイングアウトするか、 スイングアウトしないかとか、かなりいろんな市場原理が働きづらいものが基準外交付の 中に入ってきていると思います。 そこら辺の部分がないと生活できないという人たちが、私なんかも特にそうですけれど も、そういう人たちは必ずいるわけで、そこら辺の部分も全部も基準内に入れるというの は絶対無理ですから、やはり基準内の枠を、もっと生々しく言えば、現実的に予算として どれぐらいまでが基準内なのか、そしてそれに上乗せする基準外については、どういう人 たちが基本的に大体対象になるのかという、ある程度の対象者をモデル化していって1回 検討する必要があるのかなという気がしております。 ○伊藤座長 そのことは私もそう思います。更生医療、育成医療の方でも、今やっており ます。重度で継続するような人たちは、どういう人たちなのかということで検討している ところなんですが、そういう人たちはこういう人たちだというふうにある程度決めていく 必要があると。そういう場合には、基準外で今まで出してきたものをどうするかという話 が出てきますので、一定程度、そんなにたくさんの人たちがいるわけではありませんから、 そういうものは決める必要があると思います。 ほかにございますか。どうぞ。 ○石井委員 さっき黒田先生がおっしゃった、県でも市でもですけれども、更生相談所の 判定が地方によって非常にまちまちだと。我々の業界においては、これは基準内でできる んではないかというのが基準外に行くということが、非常に目に付くんです。 基準外の中で補聴器が非常に多いということですが、児童の両耳補聴とか、高度難聴の オーダーメードとか、こういうのは既に相当なる数があって、基準内に当然入るべきだと 思います。 それと、効用とか数字だけで行ってしまう、生活に必要だからそういうものを使って、 そして社会参加していく。お年寄りの方の、国が言う社会参加という面から言えば、あな たは何もしないから箱型でいいではないかということで終わってしまうということが実際 あるんです。 だから、基準外のある程度の基準が決まれば、私は更生相談所会議なんかで全国レベル の統一を図っていただきたいと思います。そうすることによって、この基準外、基準内の 考え方も相当変わってくると思うんです。是非そういうこともお願いしたいと思います。 ○伊藤座長 どうぞ。 ○佐野委員 今、補聴器の話が出ましたので、全難聴の佐野ですが、私の方から意見をさ せてください。 補聴器については、やはり基本的に基準というのが、多分全国的に片耳装用という考え を持ってらっしゃるということです。だから、聞く耳というのは2つあるわけですから、 2つで聞いていい聞こえが得られるわけですから、ですから、基準としては同時に装用す るというのが基本なんです。ですから、その辺のところを、周知していただきたいと思い ます。 ○伊藤座長 ありがとうございました。 どうぞ。 ○樫本委員 今、更生相談所の話が出ましたので、お答えしますけれども、我々は何を判 定しているかといいますか、その方にどんな補装具が必要か、これは補聴器も含めてです けれども、何が必要かということを大前提に判定しています。お金があるとかないとか、 出せるかどうか、これは我々が決めることではなくて、最終的な決定は市町村が決めるこ となんです。更生相談所の意見を基に市町村が決めます。ただ、ほとんどの市町村は更生 相談所の言いなりという言い方はよくないですけれども、決定に反論するところはほとん どないんですけれどもね。 それで、今、御存じだと思うんですけれども、更生相談所でも全国会議、あるいは各ブ ロックに分かれて、毎年のようにお互いに情報交換して、例えば補聴器を両耳出す人はど ういう人に出したらいいかとか、そういう議論はもうずっと前からやっていて、各県でな るべく差がないようにしてきているつもりなんです。何々県では出したけれども、こっち では出せない。 宮城県でよくあるのが、岩手とか、山形とか、県境の人たちは、岩手県だと出たとか、 いろいろあるんです。あと業者さんが、山形の業者が宮城に来て営業していると、山形の 相談所はこれを出してくれたのに、何で宮城は出してくれないんだと業者から言われる。 そうではなく、ちゃんとその人に本当に必要か、効果があるかということを踏まえて出し ているつもりなんです。そして各県の判断基準に差がないように努力しているつもりなん ですが、全国的にいろんな温度差があったり、地域によってばらつきがあるのはやむを得 ないんですけれどもね。 ○伊藤座長 もう時間が大分迫ってきたんですが、ほかにございますでしょうか。まだ、 意見を述べてらっしゃらない方、太田委員、何かありますか。 ○太田委員 いえ、今日は結構です。 ○伊藤座長 ほかによろしいですか。どうぞ。 ○長田室長 申し訳ありません。私たちに全く情報がないというか、知識がないところな のでサジェスチョンをいただきたいのですけれども、要するに、価格を設定しようとする ときに、どういう手法で、何を調べれば、補装具のそれぞれの価格を知り得るのだろうか。 私たちは、どちらかというとカタログ情報しか得られないということなんですが、それだ けで十分なのか。また、十分でないとすれば、どういう調べ方を少し工夫してみればいい のかということについてのサジェスチョンをいただけるとありがたいと思います。 ○伊藤座長 どうぞ。 ○黒田委員 価格そのものの在り方というのは、私もその辺の計算はわかりませんけれど も、一つの大義として、こういう補装具そのものを根本から見直していこうというのは、 初めてのことなんです。しかも、たくさんの団体、中間ユーザー、それから本当に使う人 も入れて考えようというのは、これはまさにすごい取組みだと思うんです。そのことを前 提として考えたときに、例えば、車いすの供給、つまり生産業者の方々も、この際一回本 当のところの値段を出してもらったらどうかと、そこから始めないといけない。 実は、そういう試みが一回私のそばであったのは、義肢装具の協会の方がおられるんで すけれども、靴型装具の価格が余りにも低過ぎるという、非常に小さな分野ですけれども、 それを生産原価から徹底的に調査してもらったことがあって、そのときは本当に忌憚のな い積算単価が出てきました。結局、それは整理されて、交付基準にまた一部反映したと、 十分ではなかったけれども。そのときに、相当突っ込んだ価格の積み上げをやられたとい うことがあります。 そういう経緯を踏まえますと、車いすにしても何にしても、一体どのぐらいかかってい るのか、これは新しい時代のものをつくろうというんですから、これは今度の検討委員会 からの要望、お願いとして、しかも団体の関係者も出ておられるので、私は出していただ くような呼びかけを是非していただきたい。 それは多少の仕掛けはそこにあったとしてもやむを得ませんけれども、8がけか9がけ ぐらいまではさらし出してもらえないだろうかと。でないと、こちらで調査して幾らやっ たとしても、本当のところは出てこない。つまり本当につくられる人のところから出てこ ない限りは、多少その辺色合いは出てもいたし方ないですけれども、そういう時代ではな いかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○伊藤座長 1つの方式として、それぞれの業界からちゃんと出してもらおうじゃないか という意見だと思います。そのときの基準として材料費だろうと、もう一つは技術料だろ うと、もう一つはサービス料だと、この3つは必要なように思います。いずれにしても、 そういうものを、特に市場の原理が余り使えない条件の中で言えば、つぶれてしまったら しようがないわけですので、そういう意味で、そういうプラスαの上乗せも考えなければ ならないわけですから、いずれにしても、その3つの要素をきちっと入れて、明細書が出 てくれば、それなりに調べようもあるかと思います。そういう業界から出していただくと いう提案でございますが、何か御意見ございますか。どうぞ。 ○光野委員 今の黒田委員の意見に私も賛成です。ある程度透明性を出していくことが、 私たちの業界としても責務だろうと。特に公的なものを使っていくわけですから、当然だ と思います。 ちょっとずれるかもしれませんけれども、スウェーデンの例をちょっとだけ紹介しろと いう話もありましたので、させていただきますが、スウェーデンの場合は最終的には利用 者は無料で、図書館から本を借りるようなといったらあれですけれども、借りられるんで す。しかし、その地域のユーザーさんたちの満足を得るという目標はあるわけです。そこ はどうしているかといいますと、まず国立ハンディキャップ研究所が、補装具としての貸 し出しのテクニカルエイドの基準をつくっております。かなりこれも細かいデータまで出 ている基準もあります。それでもって、そういう基準に達した者でない限り、基本的には テクニカルエイドセンターが貸し出す、いわゆる福祉用具にはならぬわけです。 それをどうするかといったら、県の連合の購入会社というのがあります。また一方、薬 局の協会があって、そこが購入の基準をつくるんです。テスト結果のデータはメーカーや ハンディキャップ研究所が持っています。それに基づいて、今度は購入の基準をつくって、 それを公開しているわけです。それを各県立のテクニカルエイドセンターですけれども、 そこはPT・OT上がりのコンサルタントと言われる人と、技術者がおりますけれども、 その人たちがどのよう用具を年間このぐらい買うということをやるわけですが、そここそ が彼らの腕の見せどころになるわけです。高品質で耐久性の高いものをある一定量買えば 5年、10年ともちますということでやる判断もあります。ただ、スウェーデンだって限ら れた予算の中なんですけれども、そういうことでそこでいろいろリストに挙げられたもの チョイスするという仕事が、現場の技術者たちに要求される能力なんです。 その中で、いいものをその地域の人に配って満足度を高めると、やはりそこのテクニカ ルエイドセンターのポジションも上がっていくわけです。そういうところに競争もありま す。だから、三重構造になっているわけです。国の基準、購入のときの基準、そしてそれ を現場が選ぶときの基準と、こういうフィルターがかかっていくので、非常にレベルの高 い福祉用具が北欧の国々で生まれてくる背景というのは、そこに仕掛けがあると思います。 こういうものを参考にしながら、日本が低いところでみんな談合してしまうようなこと ではなくて、頑張れば上に行けると、努力した分が報われると、こういう仕掛けを本当に 今回はつくるべきだとお願いしたいと思います。 ○伊藤座長 どうぞ。 ○稲垣委員 先ほど黒田先生がおっしゃったことに、誠に私ども賛成でございまして、今、 私どもの業界はすべての材料、すべてのものに対して、材料の単価を調査しております。 そして、市場で一番使用されるもの、そして輸入のものがどうであるかということも、今、 現実に調査しております。そうしないと、今の我々の価格設定というのを根本から崩さな いと、黒田先生おっしゃるように、非常に利益者の、いわゆる障害者の方に高価なものが 行ってしまう。今、国の予算が足らないと言っているときに、高価なものというより、で きるだけ少なく、最小限に落としたい、これはもう私どもも願っていることであって、た だ今までの価格設定されたものが、どこで、どのように設定されたかというのが、おおよ そのことはわかるんですけれども、実際のやられた元がどこになっているかということが よくわからなくて、今、私ども非常にそのことに対して神経使って調査しておりますので、 いずれそういうものが出てきますと、価格というものに対しての大きな変動が出てくるだ ろうと思って、私は楽しみにしておりますけれども、やはり皆さんがそういうことを心が けてやっていただけるということが、一番大切ではないかと思っております。 車いすにしても、このごろ非常に輸入品が多くなりました。学会なんかへ行きますと、 輸入品が随分出回っております。ですから、そういう輸入のものが価格の中へどういうふ うに設定されて、交付基準の中へ入っていくのか、今、基準外でやっておられるのか、そ このところは私どももちょっとよくわからなくて、一方では基準外交付でやっている。そ れは基準外交付でやるのが面倒臭くて、何かに当てはめてやっているということが現状で はないかと思います。ですから、そういう意味においても一度原点に戻ってやっていただ くことが一番大切ではないかと思っております。 以上です。 ○伊藤座長 ありがとうございました。 時間ですので、この辺で閉じたいと思うんですが、今のお話はいずれにしても、今の価 格設定を左に見て、新しくもう一回各業界からそういう情報を調査して得て、それと照ら し合わせて考えていこうと。これまで保障してきたものを一挙に減らしてしまうというこ ともできないでしょうけれども、逆に足すこともなかなか難しいと。 ただ、もう一回根本的に見直してみようじゃないかという発想だと思うんです。それに は、これが一つのチャンスですので、できれば各業界の御協力を得て、そういう価格の問 題については、まず基本的なデータをいただければと思います。そういうことでよろしゅ うございますか。 ○長田室長 ありがとうございます。そういうことも含めて、いろんな考え方を整理して みたいと思います。 一言だけ申し添えさせてください。厚生労働省が何でもかんでも安くすればいいと思っ ているわけではないということです。安く買えるものは安くしたいし、先ほど大濱委員が おっしゃられたように、市場原理が働かなくてどうしても高くなるものはやむを得ないと 思っております。 もう一つは、基準内、基準外の話で申し上げると、基準という形でこういうものが交付 されるということを、何でもいいよという言い方ではなくて、こういうものが交付される のだということを告示なり通知に出すということは、利用者にとってもメリットなんだと いうことを少しお考えいただけたらありがたいということを付け加えさせてください。 ○伊藤座長 公平性ということもございますので、見えないものどんどん出ていってしま うと、ああ申請すればよかったということも生まれますので、そうならないようにしない といけないということだと思います。 では、時間がまいりましたので、今日のところはこれで終わりたいと思いますが、次回 のこともございます。今日の話と前回の議論の内容を踏まえて、事務局の方から提案して いただくということでまとめていただくんでありますが、1月になるんですね、その辺に ついてちょっと御説明ください。 ○高木専門官 まずは、委員の皆様ありがとうございました。次回ですけれども、今、座 長おっしゃられたように、今回までの議論を踏まえて、事務局である程度とりまとめをい たしまして、委員会設置の案を提示したいと考えております。 そういった関係もございまして、当初12月末ごろと予定を考えておったところですけれ ども、事務的な作業等々の関係でちょっと難しいかなと思っております。12月末で努力し てまいりますけれども、念のために1月の御予定も今お配りしております日程表の中に書 き入れていただいて、1月開催もあり得るという幅を持たせたところでお考えいただけれ ばと考えております。 その日程表につきましては、12月12日の月曜日までに、事務局あてにファックスにて 御回答いただければと考えております。調整の後、日程の方は速やかに御連絡いたしたい と思います。 どうかよろしくお願いいたします。 ○伊藤座長 ありがとうございました。 どうも皆様お忙しいところありがとうございました。本日はこれにて終了したいと思い ます。 照会先                  [補装具等の見直しに関する検討委員会事務局]                       厚生労働省社会・援護局                       障害保健福祉部企画課地域生活支援室                               TEL 03−5253−1111                                  (内線3076)                            FAX 03−3503−1237