05/11/18 労働安全衛生分野のリスクアセスメントに関する専門家検討会 第3回議事録     第3回 労働安全衛生分野のリスクアセスメントに関する専門家検討会                       日時 平成17年11月18日(金)                          15:00〜                       場所 厚生労働省労働基準局会議室 ○副主任中央産業安全専門官  ただいまより「第3回労働安全衛生分野のリスクアセスメントに関する専門家検討会 」を開催いたします。まず配付資料の確認をしたいと思います。お手元に本日の次第、 資料1、資料2が配付されているかと思いますが、不足はございませんでしょうか。  前回の議事内容と業界団体のヒアリング結果については、資料1の中にそれぞれ溶け 込ませて入っておりますので、個別の配付は省略させていただいております。  なお。本日は所用により杉本委員と田村委員がご欠席でございます。それでは、向殿 座長に今後の議事進行をよろしくお願いいたします。 ○向殿座長  それでは、3回目、最後になりますので、よろしくお願いしたいと思います。資料1 は前回の議論と意見を多方面、特に業界団体からヒアリングをした結果を踏まえてリス トアップしたことによって出来上がっております。また前回と同様に長いので2つに切 って説明していただいて議論をすることにさせていただきたいと思います。それでは、 1から6までの項目のご説明をお願いいたします。 ○副主任中央産業安全専門官  それでは、資料1に基づいてご説明いたします。資料1の構成ですが、「項目」「基 本的事項」「詳細事項」「意見等」と4つの行に分けて書いております。前回の検討会 のときには、指針の本文に盛り込むべき事項と解説に盛り込むべき事項と分けて、それ ぞれご議論いただいておりますが、資料1においては、どの項目を指針の本文に載せる かは、これから整理をしていかなければいけませんので、「基本的事項」と「詳細事項 」という分け方で整理をいたしております。  業界団体のヒアリング等で出された意見、委員の先生方から追加的にいただいた意見 などは「意見等」の欄にそれぞれ書き込んでおります。  まず項目の0ということで書いていますが、「全般的事項」に関して、業界ヒアリン グ等で出された意見を羅列したものです。たくさん書いてありますが、かいつまんで申 しますと、これまでそれぞれのやり方でリスクアセスメントを進めているのに、内容が 細かいので、こんな内容でできるのかというご意見がありました。今までの取組と齟齬 がないようにとか、これまでの取組を拘束するような形にはしないでほしいというご意 見が出されております。中小企業などでこういう細かい中身で本当にできるのだろうか という話や「例示」なのか、実際に要求される「要件」なのかの区別がよくわからない というご意見などもありました。用語の定義などについても分かりやすく書いてほしい という要望もいただいています。全般的な事項については、これを踏まえて、各項目と いう視点で、細かく見直しをしたところです。  1の「趣旨」の部分ですが、あまり大きな変更はなく、用語の定義でいろいろ「以下 何々という」という表現ぶりが一部入っていましたが、2に用語の定義を別途起こしま したので、そういう表現を削除しました。(3)は、指針の性格としての基本的な実施 事項について「包括的に定める」という書き方にしていましたが、あくまで概念整理で あることを明確にするために、「基本的な考え方及び実施事項を定め」という表現に直 しています。  2の「用語の定義」については、それぞれ本文で「以下何々という」という説明をし ていたつもりでしたが、今まで例えば、マネジメント指針やJISなどで使われている 用語との関係などで、この指針でどういう意味合いで使われているのかはっきりしな い、というご指摘を各方面でいただきましたので、「用語の定義」という項目を新たに 起こしております。  用語の定義として決めるのは3点です。1つは危険性又は有害性、いわゆる「ハザー ド」(hazard)についてで、労働者に負傷又は疾病を生じさせるおそれのあるものとい うことで定義をしております。  2つ目はリスクで、前回も定義したとおりですが、危険性又は有害性により、労働者 に生ずるおそれのある負傷又は疾病の程度及びそれらが発生する可能性を組み合わせた ものとしています。  3つ目は、危険性又は有害性等の調査、いわゆるリスクアセスメントのことで、こち らも前回の資料で解説をした表現のままです。「危険性又は有害性等の調査」というフ レーズ自体がかなり長いのと、危険性又は有害性に「等」が付くと付かないでどこが違 うのかなどといった議論等もありますので、「危険性又は有害性等の調査」というのを 1つのフレーズにして、これ以降は、このフレーズを単に「調査」ということで、以降 整理をしており、かなり中身がすっきりしたかと思います。それぞれ詳細事項で英語だ と何に当たるかということを書き、混乱がないようにしました。  3の「適用等」は、特に手直しはしておりません。  4の「実施体制等」ですが、これは前回の検討会で最後の項目として挙げていました が、特に実施体制の(1)の事業場のトップに対して、リスクアセスメントをやってい く上で、役割が大変重要であるということで、もっと前のほうできつちり書くべきでは ないかというご意見を複数いただいており、誰がやるかは、基本的事項で指針の最初の ほうに書くべきではないかということで、こちらに場所を移しています。(1)は「事 業場のトツプが」と書いていましたが、ちょっとイメージが分かりにくいというご指摘 がありましたので、「事業の実施を統括管理する者が積極的に関与する」と書いており ます。あとはいくつか意味がわかりにくい言葉を外したり整理をしております。  5の「実施時期」です。実施時期については、(1)に当初は1から4まで書いてい ましたが、いま安全衛生法の省令の策定作業を進めており、省令で実施時期についての 定めがあります。そこの表現に整合させ、(1)建設物を設置し、移転し、変更し、又は 解体するとき。(2)設備を新規に採用し、又は改定変更するとき。(3)原材料を新規採用 し、又は変更するとき。(4)作業方法又は作業手順を新規に採用し、又は変更するとき。 (5)その他の5つに整理をし直しております。詳細事項で工作物や仮設物の位置づけに ついても明確にしております。  (3)で「労働災害が発生したときには、過去の調査内容に問題があるかどうかを判 断して、問題がある場合には調査をやり直す」という表現があって、ここも労働災害等 の中に地震などが起きたときに、建設物などに被害が出た場合が含まれるという書き方 をしていましたが、地震の影響については、(1)の(5)に該当し、リスクに変化が生 じ、又は生ずるおそれがあるときであって、地震が起こったから、前のリスクアセスメ ントが正しかったか間違っていたかという話ではないだろうということで切り離しをし ております。  (4)は、定期的な調査のやり直しで、当初は少なくとも1年ごとに1回という形に しておりましたが、調査のやり直しの頻度を1年に1回という感じで画一的に定めます と、かえって調査が形骸化、マンネリ化するおそれがあり、作業や設備などの状況に応 じて決定するものではないかというご指摘も複数いただいておりますので、頻度につい ては本文から落とし、解説でどういう考え方でやっていくかを書いています。設備や作 業の状況に踏まえて決定して、それに基づいて計画的に実施をするという書き方で詳細 事項に書いています。調査のやり直しについては、全部やるわけではなく、リスクに変 容があった部分について行うということを解説で書いています。  4頁の詳細事項のいちばん上は、5の続きですが、これもいくつかご指摘をいただき ました。実施時期は基本的にリスクの変動があったときにやりなさいということで書い ていますが、既存の設備については、全くやらなくていいのかというご指摘をいただい ております。こちらで本指針の制定以前に設置されている建設物と採用されている作業 方法についても、リスクの変容があってから初めてやるだけではなく、計画的に調査を して、危ないものがあったらどんどん改善していくことが必要だという考え方を入れて おります。  6は「実施手順」ということで、調査のやり方、プロセスを書いています。(1)は作 業標準に基づき、体系的に作業を洗い出すということですが、作業標準なのか、作業手 順なのか、作業のステップなのか、どれぐらいの細かさでやる必要があるのかというこ とを求めているのか、という意見をいくつかいただいております。ですから、調査を実 施する上で、作業標準、作業手順、過去の災害の発生状況等を勘案して、計画的、体系 的に実施することとしています。最初は「網羅的」という表現がありましたが、網羅的 というと、どこまでやったら網羅的かという議論になりますので、外しております。  洗い出しの細かさについては、2つ目の○を追加して、作業の洗い出しは、設備、作 業等に応じ、危険性又は有害性を特定するために必要な単位で行うこととし、いたずら に細かい単位でやる必要もないことを書いています。  (2)については変わらず、(3)については優先順位というのは、何の優先順位かわかり にくいというご指摘をいただきましたので、リスクを見積もって、その結果に応じた優 先順位の設定ということで詳しく書いています。  (4)については、それぞれのリスクについて、既存の対策を評価して、不十分であれ ばどのような追加対策を行うかを検討するとしていましたが、ここで定めなければいけ ないのは、要はリスクを低減するための措置が必要か必要でないかということだろうと いうことで必要性と、必要だとすれば何を実施しなければいけないかを検討するという 表現にしています。  (5)の一連の流れの記録の作成、保存について、いつまで保存したらいいのかという ご意見をいただきましたが、次回調査をするときの大切な材料になりますので、そのと きまで保管するということを、詳細事項に書こうとしています。6までは以上です。 ○向殿座長  詳しく紹介をしていただきました。特に業界団体のヒアリングから、相当細かい意見 がたくさん出ました。その1つ1つに対応して文章、特に基本的事項に取り入れたり、 詳細事項に入れたり、いろいろ手を加えたのが今回の案です。いまのご説明で何かご質 問、ご意見等がございましたらお願いいたします。 ○毛利委員  4頁のいちばん上の項目は、もともと趣旨としては入っていなかったが、追加したと いうことですか。 ○技術審査官  法律に第28条の2を新たに制定して、施行以降に何か新しい作業をする場合という のが法律上での位置づけになっておりますので、基本的にそれ以前のものはカバーして はおりません。ですから、これは指針本文ではなく、望ましい事項として通達で示す形 になると思います。 ○毛利委員  それを望ましいということではっきりさせるということですね。 ○安全課長  3頁の実施時期には(1)〜(5)がありますが、法の施行は平成18年4月1日ですので、 4月1日からこういう規制がかかるわけで、そういう意味では厳密にいうと、それ以前 のものは外れると。 ○毛利委員  もともと法の趣旨から言って、(1)〜(5)が対象であると。 ○安全課長  努力義務がかかるのはこの部分だということです。 ○毛利委員  全体のイメージからいきますと、4頁のいちばん上の部分に随分重きがあるように受 け止めてきたわけですが、そうではないのですね。 ○技術審査官  努力義務がかかる部分については、新規のものを対象に具体的には考えています。 ○毛利委員  わかりました。 ○向殿座長  法律というのはそういうもので、決まったらそこから適用する。その前については望 ましいという形で、これと詳細事項の中に解説的なところで入れたということだと思い ます。それでは1つ1つ行きましょう。 ○梅崎委員  4頁のいちばん上の「建設物等」の中に、設備、原材料というのは入ってくるのです か。 ○技術審査官  一応入らないという解釈を立てております。建設物と申しますと、いわゆる器だと思 っていただければと思いますので、その中に設備を設置するとか、その中に材料を入れ るというものについては、切り離して考えるという整理をしています。 ○安全課長  厳密には法律上の定義はなく、建設物というと建築基準法上でいう建築物と土木工作 物が一般的な考え方ですので、設備は外れるというのが一般的な概念です。 ○梅崎委員  そうしますと、製造業における設備などについて、特にリスクアセスメントを実施す るのが望ましいというのは。 ○安全課長  それは(2)で、「設備を新規に採用し、又は変更する」というわけですから。化学プ ラントみたいなものは、建築物でもないし、土木工作物でもないので、建設物では読め ない。 ○向殿座長  1つ1つ行きましょう。まず、0の全般的事項ですが、いろいろな意見がたくさん出 ており、具体的にはあまり細かすぎるという話と、用語の定義をということでしたが、 これはしっかりしました。要件などを明確にしろとか、従来とあまり違わないようにし てくれというのは、ある意味ではリスクアセスメントのあり方、標準を示して、なるべ くこれに合わせるということですので、このように策定することは非常に意味があると 思います。  1の趣旨は、前回議論して問題はない。2は用語をちゃんと入れましたということ で、本来なら、我々はハザードやリスクやリスクアセスメントは慣れているのですが、 化学のほうが入ったり、今度通った安全衛生法の第28条の2も、見ると日本語に合っ ているということで、これはこういう日本語にして、詳細事項で、英語で言うとこうだ というのを入れましょうということです。用語については、これでかなり明確になりま す。  2頁の最後にリスクアセスメントは長すぎるので、日本語では「調査」ということ で、この報告では統一したということです。ここまではよろしいですか。リスクアセス メントは「調査」と言うという話です。3はほとんど問題なく、前回の議論のままで す。  4は、意見のところを見ると、トップがちゃんと入らなければいけないということを 明確にしろという意見がいくつかあるので、4の(1)の事業の実施を統括管理する者 (事業場トップ)と最初に明確に入れたということだと思います。 ○毛利委員  「実施計画を策定し、その計画に沿って」としたのですが、事業場としてのやり方 を、事業場として取り決め、それから推進してくださいということで、言うまでもない ことかもしれませんが、入れてはどうかと思います。特に趣旨を理解してもらうとか、 準備なども必要だろうと思います。それから先ほど出てきた既存の設備についてもやろ うということになると、どれとどれを取り上げるとか、そのような取り決めを事業場と して、年に1回ぐらい決めてからかかるというのが、スタイルとしていいのかなという 気がしました。そんなことは分かり切っているから、あえて書くことはないと言ってし まえばそれまでですが。 ○技術審査官  「計画的に実施すること」というのが言葉としては出てきていますが、明確に「計画 を作らなければいけない」とまで言えるかどうかの問題だと思います。実態的に計画的 に進める上では、計画は必要だと思いますが、努力義務の要件として計画を定めるとい うことまでは求めないということ。 ○毛利委員  「計画的に進めてください」と言えば、当然計画を作ることも入っていると言ってし まえばそれまでです。 ○技術審査官  ここに計画を定めなければと書くと、監督官が現場へ行って、定めていませんねとい う勧告書を切ることになりますので、果たしてそれが意味があることかと言われます と、リスクアセスメントを実態的に行うことが重要なわけで、計画的に実施されていれ ばいいわけです。 ○毛利委員  逆に言えば、計画を作ってくれと書いてあるのだから、計画書を作りましょうよとい うことでいくと、事業場の中でやらなければいけないという認識を浸透させるにはプラ スになるのではないかというのが、私の感じです。 ○向殿座長  いかがですか。あまり細かく書きすぎるとね。 ○安全課長  「計画的に」という言葉はあちこちに入っています。 ○毛利委員  むしろあちこちに入っているから、計画書というか何というか、そういうものを紙1 枚に書いておくようにしてというのが進みやすいのではないかと思います。 ○技術審査官  そうですね。例えばここで計画と位置づけると、当然計画は何を書くのだという話が くるわけで、がんじがらめになっていくという傾向がありますので。 ○毛利委員  計画書だけあれば、それでいいのかというマイナスの面もありますが。 ○技術審査官  趣旨本文ではなくて、計画を定めることが望ましいのような話を通達で書くとか、そ ういうのはあるかもしれません。書けるかどうか検討したいと思います。 ○毛利委員  本文にまで書くことはないと思います。 ○向殿座長  次の5はいちばん問題で、しかも意見も多いので、少なくとも1年に1回というのが 書いてありましたが、何かあったごとにということにしよう。少なくとも1年に1回と いうのはやめて、こういうときにはやりなさいと。それからいつまで保持するかは、前 のものが終わって新しくチェックし、調査するときは、そこで前のものと切り換わって も構わないという話ですね。 ○技術審査官  (4)は(1)のようなリスクに変容があったときにはもちろんやるのですが、(4 )は、それ以外に経年損傷やMSDSのように情報が変わることがあります。その度に やるのは現実的ではありませんので、定期的な見直しをやってくださいという趣旨で す。  あとは定期的な見直しをどのぐらいの頻度でするかの部分の定量的な規定を削除しま した。これは大規模な施設を使うような産業ですと、リスクアセスメントをすること自 体に2、3年かかる事業場もあって、2、3年かかるのなら、1年ごとにやるのは不可 能ですので、そういうものは削除して、それぞれの設備や作業に応じて、とにかく頻度 は自分たちで決めてもらい、決めたからには守ってくださいということにしました。 ○向殿座長  定期的に調査をやり、直すことだと(4)に書いてあるのはそういう意味ですね。 ○技術審査官  そうです。 ○向殿座長  ここはよろしいですか。 ○毛利委員  確かに年に1度ぐらいはやってほしいという願望はあります。 ○向殿座長  事業場によりますがね。 ○毛利委員  決めてしまうと、形骸化してしまうという心配はありますね。 ○向殿座長  次は6です。ここは標準という手順の中身、ステップするとか、細かさの話が表に出 てくるということです。これについても意見がたくさん出ております。それに対応して 文章を直したということですが、ここはいかがですか。 ○技術審査官  ここは実務家としては、非常に重要な部分ですし、どのぐらいの細かさでやるか。我 々の例示が最初は作業手順書、作業標準と書いてあるものですから、作業手順というの は相当細かく書いてあるらしいのです。それを全部やるのかと取られて、そうではあり ませんという説明をしたことが非常に多かったのです。どのぐらいの細かさにするかに ついても、個々の事業場の実態に応じて決めてもらいます。ただ体系的にやってくださ いということです。 ○向殿座長  いかがですか。 ○毛利委員  これは自分の仕事に合わせて自分で考えてもらうより仕方がないのです。 ○技術審査官  設備によっても違いますし、作業の性格も違うと思います。 ○向殿座長  私は前から引っ掛かっていたのですが、6の詳細事項の2番目の中に、「危険性又は 有害性を特定するために」というのがあります。あとで「ハザードの危険性、有害性の 特定」という言葉が出てきますが、国際規格ISO12000をJIS化したときに、「特 定」と「同定」という言葉の両方を出して、どう使い分けるかという議論をして、アイ デンティフィケーションという英語は、チェックリストがあって、それに対してあるか どうかを見なさいという意味なのです。  日本語だと「特定」というより「同定」という言葉にしたのです。「特定」しなさい と言うと、自分で一生懸命努力するという意味が入ってしまいます。そうすると、その 人の能力や運によって漏れたりする。大事なことはちゃんとチェックリストがあって、 そのチェックリストで、これは危ないところがあるかどうかを見付ける作業が重要だと いうので、特定のほかに「同定」という言葉を使ったのですが、今回はどうですか。今 までずっと国際規格を日本語に訳すときに、今の議論をかなりやって、アイデンティフ ィケーションという英語は、チェックして見る、誰でもできるというところに実は意味 があるということで使ったのですがね。 ○毛利委員  OSHMSの指針は「特定」という言葉をすでに使っているのです。もともと良い日 本語がないのです。私も何がいいのか、随分昔は悩みましたが、そこで「特定」となっ たから、それでいいかなと思って、変える必要があるかどうかということになると、私 の感覚としては、あえて変えるまでもないのかなという気がします。 ○技術審査官  「同定」というとわりと特殊な世界で、放射性物質の核種の同定のようです。座長が おっしゃるように、リストがあって、その中から選ぶという意味で使われているのは確 かですが、すごく狭い世界で使われている用語なのです。 ○向殿座長  悩んでそういう言葉にしたのですが。 ○安全課長  ここも、英語で言うとこの用語ですよという注を入れましょう。 ○向殿座長  そうしていただけると統一ができますね。 ○毛利委員  今までこれは英語ではこうだなどというのは、あまり文章には出てきませんでした が、この際、それを入れましょう。 ○向殿座長  明確にしたほうがいいですね。 ○安全課長  これの翻訳ですという、注を入れます。 ○内山委員  5の(1)(5)の詳細事項で、被害が出た場合、又は被害が出るおそれがある場合が、 事業場のリスクに変化が生じているところですが、事故が起こったり、天災が起こった ら、リスクアセスメントはクライシスアセスメントになるのではないかと思います。こ れは直後を意味しないのだろうと思いますが、維持管理のときとはまた違う。リスクア セスメントを立て直すときとは、また時期が違うかなと思います。 ○内山委員  また何かやり直したときに、新たなものに対してリスクアセスメントをするのではな いかと。 ○向殿座長  地震も含めて変化が生じたときに、すぐあとやるべきことは危機管理みたいな話があ るのではないかというご提案ですね。 ○技術審査官  おっしゃるとおりで、我々はクライシスマネジメントは全く想定しておりませんでし た。例えば、救助や避難など、一連のプロセスが終わったあとで、実際に作業を再開す るまでにやってくださいというイメージですので、その辺が分かるようにします。 ○内山委員  本来は事故を想定したときのリスクもやっておくべきだというのがあるのですが、こ この指針ではしていませんね。 ○向殿座長  たぶん危機管理の話で、そういう場合の手順をちゃんと用意しておけという話です が、これはそうではなくて、リスクを前もって評価して、ちゃんと手を打って事故が起 きないようにしておけという話ですね。 ○技術審査官  そうです。純粋にリスクアセスメントのやり直しということです。 ○向殿座長  よろしいですか。それでは、6まで終わったということで、7からご説明をお願いい たします。 ○技術審査官  7からご説明させていただきます。まずリスクアセスメントの「対象の選定」を行う ということで、これについては、従来危険性又は有害性による負傷又は疾病の発生は、 合理的に予見可能なものに限る。(2)で、仮に合理的に予見可能であったとしても、 軽微な負傷又は疾病しかもたらさないものは除いていい。前回までは(3)として、過 去に労働災害が発生したもの、重大な負傷や疾病を引き起こすおそれがある作業といっ たことが規定されていたわけですが、これは論理的に、例えば、過去に労働災害が発生 した作業というのは、おそらく合理的に予見が可能ですし、重大な負傷や疾病を引き起 こすおそれがあれば、もともと(2)の軽微には該当しませんし、論理的に矛盾してい るのではないかというご指摘があって、再度整理し、(3)に書いてあったようなもの は、(1)の合理的に予見可能として扱いなさいということを通達で定め、過去に労働 災害が発生した作業あるいはヒヤリハット、怪我はなかったが何か事故があったもの、 あるいは作業方法が非常に複雑なものについては、負傷又は疾病の発生が予想可能であ るとみなしなさいという形で入れてあります。  前回は(2)で「最悪の状況を想定しても軽微な負傷又は疾病しかもたらさない」と 書いてあったのですが、最悪の状況というのは、ここで想定して議論しなければいけな い。これはリスクアセスメントする前の話ですから、それをやっていると、本末転倒で すので、これは直感的でいい。明らかにそのようなものがないものは除いていい。  明らかにとは何ぞやということを解説で書き、例示で書くしかないわけですが、例え ば、普通の平べったい通常単に歩くような作業などは大丈夫だと。一見して明らかにと いうことで何も表現は変わらないのですが、直感的にわかるものは除いていいという整 理にしてあります。  8は、「入手する必要のある情報」ですが、これについては若干の字句の整理が行わ れたのと、(4)で、作業周辺の環境に関する情報として、特に土木工事の場合は発注 者において実際の場合はなされるのがほとんどですので、それを入手するということを 明確にしています。  (5)は、混在あるいは錯綜などいろいろな表現がありましたので、同一の場所で作 業するという整理にしてあります。  (6)に関しては、健康診断と書いてあったのですが、プライバシーの問題もありま すし、そもそも一般健康診断を入手する必要性はあまりありません。特殊健康診断につ いては、その人のばく露状態などを示すことになりますので意味がありますが、一般健 康診断のような、その人の健康状態そのものがリスクにつながるわけではないというこ とで、削除してあります。  もう1つ、労働者の職歴などもプライバシーに当たるのではないか。人間が1人替わ ったらリスクアセスメントをやり直すかというと、必ずしもそうではないことがありま すので、人ではなく、そもそもそういう作業を行うのにどういう資格、教育が必要なの かを把握しなさいということで変更しています。  9は、「危険性・有害性の特定」です。従来はここに危険性又は有害性の分類を入れ ていました。危険性、有害性の分類はもともと一例にすぎないという位置づけをしてい ましたので、一例にすぎないものを指針本文に入れる必要性はないだろうということ で、それは全部詳細事項としております。  では、本文に何を書くか、基本的事項には何を書くかと申しますと、危険性又は有害 性の特定に当たっては、洗い出された各作業ごとに、各事業場における設備、作業等に 応じて体系的にやってくれということを書きます。詳細事項、これは基本事項になるか もしれませんが、体系的に実施するための手段としては、事前に危険性を分類しておい て、その作業ごとに当てはまるかどうかのチェックリストとして使いなさいということ を入れてあります。その分類には当然JISもありますし、GHSのような化学物質の 分類もあり、そういうものを活用してくださいと。あるいはもちろん独自の事業場に合 致するようなものを作っていただいても構わないということを明確にしてあります。あ とは我々の前回の資料に入っていた分類は1例だということで、通達で示す形になると いうことです。  (2)については、付加要因ということで疲労のようなものについては、そのまま重 要であるので、基本的事項に残す。ただ、例示が疲労の蓄積のように、どちらかという と、脳・心疾患につながるような例示でしたので、それよりは単調作業の連続による集 中力の欠如あるいは深夜労働による居眠りというリスクアセスメントに馴染む内容に直 すということです。  10は、「リスクの見積もりの方法」です。これについては(2)で従来からリスクと いうのは、負傷又は疾病の程度とそれらの発生の可能性の2点を考慮して決めなさいと いうことだったのですが、化学物質に関して発がんリスクファクターのようなものは、 有害性(発がんリスクファクター)にばく露を掛けてリスクを計算する手法がありま す。これは有害性独特の考え方で確率的事象の場合はしようがないので、それを排除し ないということで(2)の(2)で入れてあります。  (3)ですが、従来は負傷又は疾病の程度あるいはその可能性を評価するために配慮 すべき事項ということで別項を起こして、基本的事項の中に相当詳しいことを書いてい ましたが、そういうことはケース・バイ・ケースで事業場の設備あるいは作業によって 異なりますので、基本的事項として書いてしまうと、全部それをやらなければいけない のかという、かなりたくさんのご意見がありましたので、基本的に詳細な部分について は、必要に応じてやってください。例えば、こういうことをやればいいというガイドの ような形で詳細事項を示すという形で整理をし直しております。  それ以外の部分、根本的な部分だけを基本的事項は残してあり、(3)の(1)につい ては、最悪の状況を想定してほしいという従来の考え方。(2)は負傷又は疾病の程度の 尺度には、前回は労働能力の損失を書いていましたが、これですと、後遺障害の等級の ように読めるというご意見がありましたので、休業日数等という形で直してあります。  (3)の見積もりは、有害性の場合は予防原則でということを入れてあります。それ以 外の部分については(4)として、その他、負傷又は疾病の程度又はその発生の可能性の 見積もりに当たっては、事業場の設備、作業等に応じ、必要な事項について配慮してく ださいということで、はさまれ、墜落等の物理的な作用による危険性による傷の程度、 その可能性については、こういうことを必要に応じて配慮してくださいとして、例示を 入れてあります。  爆発、火災のような化学物質の物理的効果によるものについては、必要に応じてこう いう内容を検討してくれと。これは田村委員からご意見をいただいて、できるだけシン プルに反応、分解、発火、爆発、火災等の起こしやすさに関する化学物質の特性(感度 )。これはどちらかというと、可能性に影響する分です。  爆発を起こした場合のエネルギーの発生挙動に関する化学物質の特性ですが、威力と いうのは、どちらかというと程度に影響するものですが、そういうものと化学物質の保 管量ということでいいのではないかというご意見をいだきましたので、そのように整理 しております。有害性による疾病については、このような事項、あるいは生理学的要因 (単調連続作業など)を必要に応じて配慮してくださいという事項として位置づけてお ります。  11頁です。(4)は、いわゆる安全装置の関係で、必要に応じてではなく、やってく ださいと明確に言う必要がありますので、基本的事項にそのまま残してあります。若干 整理をしており、従来1、2、3、4と4つに分かれていたものを2つに整理し直して おります。(1)は、そのような安全装置などの機能や方策の維持能力、信頼性、無効化 又は不使用の可能性ということで、詳細事項においては、そのようなものを評価するに 当たっては、必要に応じてここに書いてあるような事項をやってくださいということで す。この辺りは前回の議論から特に変更はありません。  (2)は、意図的、非意図的な誤使用、危険行動という整理にして、それも従来に整理 をした内容を例示として示すということです。  11番は、「リスク低減措置の必要性の判断」です。前回(1)(2)は実施しなけれ ばならないみたいな記載でしたので、必要性の判断ですので、死亡災害、後遺障害をや るような場合については、リスク低減措置を実施する必要があるという形で整理をし直 しています。  12ですが、これに関しても大きなご意見はなかったわけですが、法令がある場合に は、それを必ず実施しなさいみたいな、義務規定のように読める部分がありましたの で、法令事項は必ず実施することを前提とした上で、以下の優先順位で措置内容を検討 してくださいという表現に直してあります。  あとは危険性・有害性の除去又は低減の具体的な例示をもっと付け加えてほしいとい うご意見がありましたので、より危険性又は有害性の低い材料への代替、あるいはより 安全な反応への変更、より安全な施工方法への変更などといった例示を付け加えまし た。説明は以上です。 ○向殿座長  全体的に何かございますか。 ○毛利委員  程度の見積もりと可能性の見積もりと合体したのですね。 ○技術審査官  配慮事項としては、あえて区別しない。必要に応じてということになってしまい、例 示になりましたので、わざわざ分ける必要はないと思います。 ○毛利委員  化学物質のこれを分けるのは大変だと思って、困っていたのですが、これで楽になり ました。 ○技術審査官  特に化学物質の危険性の場合は、事実上分けるのは非常に難しいということもありま す。 ○向殿座長  それでは、まず7ですが、何が軽微かというのが少し書いてあって、軽微なものは無 視していいと書いてありますね。前回はだいぶもめて、軽微なものでもしょっちゅうあ るものは対象にしろという話があったような気がしましたが、いいのですか。 ○技術審査官  軽微な程度を、今回定義しておりまして、医師による治療を要しないような程度とい うことで、いわゆる赤チン災害、そもそもこういうことを書かなくても認識のうちで除 外しているという気もするのですが、一応字句上は書かなければなりません。 ○毛利委員  非常に細かいのですが、「平滑」ではなくて、「平坦」のほうがいいと思います。 ○技術審査官  そうですね、滑って転びそうですね。 ○向殿座長  それでは8ですが、これはほとんど変わっていませんね。不安とは何かということが 書いてあります。日常不安を感じている。 ○技術審査官  労働者が日常不安を感じている作業ということで、「作業」を付けます。不安を調べ るのではなくて、労働災害発生の不安を感じている作業、要するにどうも危ないなと不 安を感じている作業はやっていきなさいということ。 ○毛利委員  細かいですが、不安と危険とはどう違うのですか。その人によって違うのでは。 ○向殿座長  不安の反対は安心だから、安全と安心と。 ○毛利委員  不安というのは危険ではないのかと言われやしないかなと思います。 ○技術審査官  いわゆる安全と安心はちょっと違うという議論があると思いますので、危険よりも不 安のほうが広いのではないかという気はします。 ○向殿座長  俗に言う気がかりというのもここに入っているのですね。 ○技術審査官  はい。 ○毛利委員  あまり具体的ではないが、何となく気になる。 ○技術審査官  漠として、定量的にこういう災害が起こると明確に言えるわけではありませんが、ど うも不安だというものはリスクアセスメントして見てくださいということです。 ○小林委員  8の最初に、「非定常作業も含め」とありますが、実は建設業の仕事は全部非定常業 務なのです。定常業務の作業などというのはプレハブの工場建設以外はなく、全部非定 常です。その辺はご認識いただきたいと思います。 ○技術審査官  それは定義によると思います。 ○小林委員  定義はいいのですが、これを読む人は、建設業の人は全部非定常業務と思っていると いうことです。工事がスタートしてから1週間すると違う設備に入れ替えて、動線まで 全部変わって、作業内容も変わってということになるのです。同じ定常業務で最後まで 行くということは、建設工事では絶対にありません。 ○技術審査官  定義の問題だと思いますが、例えば、足場の組立ては、どこでもあります。ただケー ス・バイ・ケースで違う部分もあると思いますが、ベーシックな作業手順は同じです。 あるいはトンネルを掘るのも、どんどん掘り進んでいきますから、場所は変わります が、発破をするなどという基本的な作業手順は同じです。 ○小林委員  トンネル作業を定常業務と思ってはいけないのです。動線がどんどん変化しますか ら、そのたびに圧そうや照明などは全部変えていかなければいけないし、最初の短いと きには圧ケーブルなども小さいものですが、だんだん変えていかなければいけません。 ここでは「非定常作業を含め」とありますが、実は建設の工事では非定常業務で、いわ ゆる「うって替え」、「段取り替え」と言うのですが、このときに事故を起こすので す。大体ここでは、事業場であるから作業しながら、毎日繰り返しの作業の中で起きる 確率の高い仕事でいろいろな事が起こるというのでしょうが、建設業の場合は、もちろ んそれもありますが、いちばん事故が起きやすいのは「段取り替え」、「うって替え」 のときなのです。 ○技術審査官  わかりました。 ○向殿座長  ここで「非定常作業も含む」と書いてあるので、メインはどちらかという話になるの だと思います。定常、非定常の両方を含むと書いてあります。 ○小林委員  意見等の所にあったのです。いわゆるエキストラみたいな感じなのですが、実はエキ ストラはアディショナルではないと思うのです。 ○向殿座長  意見を出した人が認識が少し不足しているという話で、文章としては、基本的事項の 中には「定常及び非定常」と両方入っているので問題はないと考えてよろしいですか。 ○技術審査官  ここで書いている文章が、維持管理に伴う非定常となっていますので、どちらかとい うとメンテナンスのように読めますので、その辺りは表現を見直したいと思います。 ○向殿座長  「維持管理に伴う非定常」と書いてありますね。 ○小林委員  確かに維持管理のときには、定常業務の途中にポッと入ってくるわけです。土木の場 合は、例えば1カ所に1週間ぐらいありますが、現場全体から見ると、毎日のようにあ ちこちでやっていて、定常的に非定常なのです。 ○建設安全対策室長  委員が言われるように、土木の建設の工事は、上の通常の作業の中が、基本的に非定 常であると。 ○小林委員  工場作業みたいなほうから言うと、毎日が非定常の連続です。 ○技術審査官  そこは混乱が起こらないように表現を考えます。 ○小林委員  建設業の場合というコメントが随分ありました。だから、その人が読んだときに違和 感がいろいろあったのではないかと思って申し上げたのです。 ○向殿座長  それでは、この辺も少し工夫をしていただくことにしたいと思います。 ○小林委員  6頁の8の途中ですが、(5)の意見等に、「建設業では」とある3行目ですが、ミ スプリントではありませんか。「こととなる」で「欲しい」は要らないのですね。 ○向殿座長  「欲しい」は要らない。ほかにいかがですか。 ○内山委員  健康診断の利用は非常に難しいことはあると思いますが、労働災害の大きな原因は人 的要因で、いろいろな健康診断の中に情報はあると思うのです。職場によっては、こう いう健康状態であればということもあるのだと思います。消してしまうのは惜しいとい うか、特殊健康診断だけ情報があればいいということは、定期健康診断を否定している ようなものなのです。 ○技術審査官  リスクアセスメントと申しますのは、リスクに変容があったときに、例えば、極端に 言えば、1年に1回とか、それくらいの頻度なわけです。一方、健康管理というのは、 日常的な健康管理だと。リスクアセスメントがあってもなくても、もともとやらなけれ ばいけないものだからという説明を担当課がしていましたが、どうでしょうか。 ○毛利委員  リスクアセスメントだけではないというわけですね。 ○技術審査官  そうです。個別の健康管理というのは、事業場全体を見るようなリスクアセスメント とは次元が違うのだと。 ○向殿座長  そういう話をしていましたが、どうなのでしょうか。 ○内山委員  わかりません。そういうリスクを減らすためにやっているのだと私は思っていたので す。 ○宮川委員  前は健康状態等々があったと思ったのですが、それよりはすっきりしたとは思うので す。逆にちょっと気になったのは、真ん中の詳細事項で、「特殊健康診断結果等の『等 』には、作業環境測定結果がある」とありますが、順番からいけば、まず上のほうでM SDS等でどういうものがあるかを見て、必要に応じてどの程度職場にその物質が出て いるかという作業環境測定をやって、もし個人についてもばく露をある程度検討するの であれば生物学的にモニタリング等々でばく露状況を見て、それと併せて、ものによっ ては決められた特殊健康診断をするというように順番に並んでくる。まずそちらのほう が本来は先にやって、作業環境測定等々で、どの程度ばく露が起きる可能性があるかを 調べた上で、もう少し先を行ったのは特殊健康診断と考える。  一般健康診断まで広げてしまうと、実際のエフェクトがあったのかどうかというほう なので、初めに集めるべき情報のところで、一般的な健康診断まで入れてしまう必要は ないのかなと。そのあとのほうで、もちろん結果として何か対策をやらなければいけな いところに持ち込むのであれば、一般も進むという考え方もあり得るかもしれません。 ということで、ここは特殊なでもいいとは思いますが、さらに言えは、私としては真ん 中の列にある作業環境測定結果のほうが重要ではないかと思います。 ○向殿座長  ということで、リスクアセスメントから見ると、別に広い次元で考えるというよう に、ここでは取り扱うことに。 ○技術審査官  もう一度検討してみます。いずれにしても宮川委員のご指摘に踏まえて、作業環境測 定を、どちらかといえば前に出して、特殊健康診断は「等」の中に入れるということに したいと思います。 ○小林委員  6頁の(4)作業周辺の環境に関する情報の詳細事項の「作業周辺の環境に関する情 報云々」の2行目に「周辺の地山の斜度や土質等があること」とありますが、もう少し わかりやすく。たぶん作業している周りに露出している勾配のきつい傾斜土があった り、むき出しになっている土があったりという意味だろうと思います。 ○技術審査官  そうですね、切り土を単に想定していると。 ○小林委員  切り土でなくてもいいのてす。 ○技術審査官  盛り土でもいいのですが、これは傾斜のほうがいいかもしれません。 ○小林委員  きつい地山が露出していたり、もっと言うと、そこから地下水の漏水があったりとい うことをイメージするような何かがあって、そうすると、事故につながるからというこ とだろうと思うのです。そのような表現に。 ○技術審査官  労働安全衛生規則の中にも書いてあるものがあります。 ○小林委員  地山の種類と掘削面の勾配とか。 ○技術審査官  掘削面の勾配ですが、必ずしも掘削にしていないので、表現は考えます。 ○向殿座長  わかりました、ほかにご意見はよろしいでしょうか。それでは、9に行きましょう。 9は今まで詳細事項の中にあった細かいもので、分類はJISやいろいろな所に出てい ることは出ていますが、ここでは基本的事項ではなく、例示であるということで詳細事 項のほうに移したということですね。  この内容ですが、機械のほうはよくわかるのですが、例えば、薬品や建築から見て、 この分類はよろしいですか。 ○小林委員  そうですね。エ、オ、カ辺りは、建設の仕事です。それはよくわかります。 ○技術審査官  これは実は、労働安全衛生法の条文で、この分類の下に省令症例がバーッと並んでい る形になっています。そういう意味では、いまの法令とは割に馴染みのある分類にはな っています。 ○向殿座長  整合性がとれている感じです。 ○技術審査官  それが実際リスクアセスメントに馴染むかというと、必ずしもそうかわかりません。 それはJISの分類やGHSの分類を使っても構わないと思います。 ○毛利委員  そうですね。法令に書いてあることだけ、特になぜ拾って書いてあるのかという意見 もあるみたいですから、やはり表には書かないほうが。こういうところで例示として並 べる分にはいいのですが。 ○向殿座長  例示としてならばね。これに限らない、例示だというイメージがちゃんとはっきりす ればいいわけですね。有害性のほうはよろしいですか。 ○宮川委員  多少気になりましたのは、ここの部分、そもそも9番は、「危険性・有害性の特定」 のところですよね。ここのものについて見るということですが、有害性は原材料、おそ らくそれから発生するというイメージでガス、蒸気、粉じん等があるのかと思います。 ものの性状が並んでいるところに、8頁のいちばん上ですが、「空気、病原体、排気、 排液、残さい物」の次に「腐食性の」の「腐食性」が前の頁の説明からすると、金属を 腐食したりとか、皮膚や目に腐食作用を及ぼすという意味の説明が、「意見等」に書か れているわけですが、そういう毒性の作用がいきなり、他のものと種類が違うものと並 んでいるのが気になったところです。原材料やガスとか、もののことが最初に書いてあ って、いろいろな種類のものが並んでいるところで、1つだけ最後に毒性が書いてあっ て、「あれ、毒性ってどこにあったのかな」と思って見ると、毒性が列挙されているよ うなところはあまりないのです。列挙するのが難しければ、まとめてどこかで書けばい いとは思います。 ○技術審査官  そうですね。並びは確かにこのままですとおかしいかなとは思います。 ○宮川委員  イのところにも物理的に毒性ごとに、種類がいろいろ書いてあるのですが。もし書く のであれば、それこそMSDSで書く、毒性について書かれる項目を列挙する。MSD Sに書くべき毒性の種類が列挙されてあれば並べる。そうすると、いちばん上にある腐 食性はここになくてもよくなるわけです。 ○技術審査官  検討させていただきますが、法令の並びに則っていますので、ここだけ突然GHSと いうわけにもできませんので、並びをうまく取れるようにはしたいと思いますが、全体 的な骨格としてはあまり変えられないです。 ○毛利委員  これにあるような要望をみんな網羅したかったから、ここに出てきたんですね。等が あるから、目をつぶれば、それもあるのかなとも思いますが。 ○宮川委員  法令での腐食性という意味は、そうしますとこれは。 ○技術審査官  法令で例示として出ているのは、腐食性のものというのは危険性のほうにしかないの です。 ○宮川委員  そうすると、この意味から言っているのではなくて、ここでは毒性のほうを。 ○技術審査官  これは田村委員のご指摘にあったものですから入れたのですが。確かに入れたが故 に、ちょっとバランスを崩しているかもしれません。 ○宮川委員  (2)有害性の中に入っていますので。 ○技術審査官  再度検討させていただきたいと思います。 ○向殿座長  田村委員の発言で入ったようですね。腐食性のものと。他に何かございますか。 ○宮川委員  ウの「作業行動等から生ずる有害性」の「有害性」の意味は、毒性という意味ではな く、健康障害を生じるおそれのある性質という意味ですね。 ○向殿座長  これは、そうですね。次は10番「リスクの見積もり」の話です。 ○宮川委員  これは特に見積もり方法で、(2)(2)発ガン性ということで、化学物質等の有害性 で、少し違った書き方をしている。そこはカッコの中で「化学物質等の有害性(発ガン リスクファクター等)」とありますが、有害性の例示として、発ガンリスクファクター 等が、しっくりこないような気がします。そもそも発ガンリスクファクターというの は、有害性の一部分を表す用語としては、不適切な気がいたしますが。内山委員、いか がですか。 ○内山委員  それもそうですし、リスクの場合にばく露と有害性をかけ合わせるのは、特に発ガン 性ではなくても、もうすでにマージンオブエクスポージャーなどの概念では出てきてい る。ばく露と有害性の両方を考えるというのは、発ガン性以外の物質も出てきているみ たいですから。 ○宮川委員  カッコの部分はなしでもよろしいということですか。 ○内山委員  なくてもいいし、むしろ「発ガン性物質」と書かなくてもいいのではないですか。リ スクの見積もりはもう有害性かけるばく露だと。これは化学物質に関してですが、その 他のものに関しては違うかもしれません。 ○技術審査官  GHSはハザードかけるばく露といきなり書いてあります。しかし内容を読んでいく と、キャンサー・スローピングファクターみたいなことを念頭において書いているのは わかるのです。それで例示を入れたのです。おっしゃるように、放射線みたいなものも 当然同じですので、いわゆる確率的影響ですね。 ○向殿座長  これは化学物質と普通の機械とのリスクの違いですね。ばく露という定義の。 ○小林委員  発生する可能性というのは、いわゆる発生確率のことですか。 ○技術審査官  発生する可能性については、下のほうで出てきますが、具体的に我々が想定している のは、9頁の下から出てきます。まず、「危険性へのばく露の頻度」、「機械等で発生 する事故、土砂崩れのような危険事象の発生確率」、「危険回避の可能性」、こういっ たものを全部配慮した状態です。 ○小林委員  頻度もあるし、確率もあるし。 ○技術審査官  回避の可能性もあると。それを全部包含した概念です。 ○小林委員  広い概念なわけ。 ○向殿座長  私どもが計算できないようなものがあるという意味ですね。 ○小林委員  要因とかね。 ○梅崎委員  むしろ、確率という形で、はっきり出てくるものというのは、例えば建設業などでは 少ないはずですので、むしろここは包括的な概念としての可能性。 ○向殿座長  統計が出たわけではないですからね。他に10の見積もりのところでいかがですか。 「休業日数等には死亡災害が含まれる」とあります。かなり詳しく。これはどうです か。特に10頁にずっと書いてありますが。化学物質の物理的効果と。難しくて、いきな り英語を使ってきましたね。 ○小林委員  10頁、「労働者の技量等を考慮すること」というところが、意見でこんなふうに書き 換えてほしいなどという意見がありますが、この辺はどういうふうにご考慮されたので すか。 ○向殿座長  10頁のいちばん上の「意見」です。 ○小林委員  「資格や教育歴」と書いてほしいというご意見ですが、工場の技術者というか、働い ている人ですと、割とそういうところは馴染むかもしれませんが、建設現場などは、も うすでに老人ホームみたいに高齢化しており、資格や教育歴などでは、こちらの詳細事 項で求めているような脱出しやすさとか、認識しやすさ等に必ずしもピタリとこないの です。むしろ、主観的であるけれども、こちらの詳細事項のほうが、管理者としては馴 染むかもしれないという気がしますが、どうですか。 ○技術審査官  これは製造業から出た意見なのですが、年齢も評価しなければいけませんしというお 話をして、一応ご理解は得たところです。 ○小林委員  わかりました。いまは採用していない。 ○向殿座長  意見は採用しなかったということです。 ○宮川委員  10頁の下のほうの真ん中辺ですが、有害性による疾病の○のところで、いちばん下の ポツですが、「有害物質等へのばく露量及びばく露限度等との比較」ですが、これは何 と何の比較なのですか。実際のばく露量を許容濃度等と比較するという意味であればい いのですが、ばく露量及びばく露限度等との。 ○技術審査官  これはちょっと表現がよろしくなかったです。最初におっしゃった実際のばく露と限 度の比較です。 ○宮川委員  それは結構です。もう1つは、「限度」という言葉は、これでわかりますか。 ○技術審査官  ばく露限界であったり、作業環境測定の場合「基準」と言っていますし、「許容濃度 」という人もおりまして、ちょっと難しくて、取りあえず「限度」にしたのです。 ○宮川委員  許容とか、そういう概念が「限度」という言葉に入るかどうかというのが、多少気に なります。これは許容できる限度という意味の「限度」ですね。 ○毛利委員  英語だと「オキュペーショナリー・エクスポージャー・リミット」となると思うので す。それでどの日本語を使うかとなると、統一がまだされていない。それも注釈を活用 したほうがいいかもしれません。 ○技術審査官  そうですね。ここは化学物質にかなり特化した部分ですので、あまり詳しくやるのは いかがなものかと考えました。 ○毛利委員  これは対策課とご相談いただいて、どの言葉がいちばん適当かご検討ください。 ○技術審査官  いや、これは「限度」がいいという感じです。むしろ「基準」というほうが狭いので はないかということで「限度等」に変えたのです。 ○向殿座長  そういう討議の結果ですので、よろしいですか。他にございますか。 ○宮川委員  もう1つ、議論が大きくなってしまうかもしれませんが、9頁の真ん中の「予防原則 」に関するところですが、これはいちばん左のコラムの(3)の書き方で、「完全に立証 されていない場合でも」という表現がちょっと気になったのですが。 ○技術審査官  平たく言うと、MSDSがあるかないかという状況だと思います。要するに、かなり 学術の世界で有害性があると認められるとMSDSになると思うのですが。ただ実際は 新規物質などで、よく似た組成のあるものは変異原性があると。これについてはまだ動 物実験していませんのでわからないものもあるのです。そういったものについても、あ る程度発がん性があると。 ○宮川委員  その論理を逆読みしてしまうと、MSDSというのは完全に立証されたものが書いて あるのか。 ○技術審査官  完全というところが問題ですね。 ○宮川委員  そうではなくて、いまおっしゃった程度のものも含めて、MSDSは作られている場 合が多いとすると、その辺の書きぶりが少し。 ○向殿座長  これは「完全」がなくなればいいですかね。 ○毛利委員  MSDSにばかり頼るような書き方はしないほうがよいと思います。MSDSにもい ろいろ質がありますから。 ○技術審査官  そうですね。いずれにしても「完全」は取りまして、「科学的に立証されている」と いう表現にまずさせていただきます。 ○向殿座長  「完全に」はないから、「完全に」は取ったほうがいい。 ○技術審査官  MSDS等が添付されない場合というので例示しているのですが、いまのご意見です と、MSDSさえ、あまり。 ○毛利委員  それさえ見ておけばいいと思われたら、困るということですから。 ○技術審査官  添付されていない場合でも、やはりメーカーにちゃんと、供給元にちゃんと「本当に 有害性はないんですね」ということを聞いてくださいということになってるのです。そ ういうことを聞いても「いや、大丈夫です」と言われた場合はやらなくていいというこ とになっているのです。全く何の根拠もなしにやるというのは、またナンセンスですの で、何かしらある場合を想定しています。 ○宮川委員  あまり漠然とした書き方でも、実際のユーザーが困るのかもしれませんが、私の感覚 では有害性の程度の見積もりに当たっては、一定の根拠がある場合は、「その根拠に基 づき見積もることも検討することが望ましい」ぐらいのほうが、あとから矛盾が出てこ ないような気がします。 ○技術審査官  「科学的に立証されている場合でも」というのは落としていいわけですね。 ○宮川委員  ええ。そういう議論に踏み込まないで、ある程度参考にすべきことがあるような場合 には、それを考えて検討はすることが望ましいということで。 ○技術審査官  これはHSEがまとめた委員会の報告書の表現をそのまま取ってますので、「サイエ ンティフィカル・プルーブン」という言葉なんですよね。そうでなくても、やってくれ という。書き移しただけではありますが、これを業界団体にご説明したときは別にそれ ほど気にされる方はおられなかったです。もともと当然やってますからみたいな、化学 業界の方はおっしゃっていましたので。 ○内山委員  「意見等」のところで「予防原則の取扱いについては、リスクアセスメント委員会に 議論して欲しい」ということは、この指針では、このアセスメントでは予防原則に則っ てやりなさいと言っているわけですよね。それでいいのですかということだと思うので す。 ○毛利委員  ですから、私の希望としては、化学物質の委員会との整合性があるから、ここは含み をもたせて、ここで最終決定ではないことにしていただくとありがたいのですが。 ○技術審査官  そうですね、当然、事実上並行して、化学物質の関係の委員会もありますので、そこ と連絡・調整しながら、最終的な指針の段階では整合性をとるようにしたいと思いま す。 ○毛利委員  実は先週、化学物質の委員会でちょっとその辺の話も出ました。私ほど皆さんは、こ こがつながってなくてもいいという印象だったので、安心したわけですけれども。 ○内山委員  逆にいままでこの分野のリスクがいちばん遅れていたのですが、なかなかプリンシパ ルに他の環境基準をつくるときに、いちばん先頭に今度は立つことになるのでしょう。 ○技術審査官  それはあくまで事業者の方にやっていただきたいということで、国がやるとは実は書 いていないわけですから。 ○宮川委員  理念としては、「予防原則」を取り入れることが述べられていて、詳細は、それこそ 詳細規定に委ねるようなことで、そのときに矛盾しないように、あまり深すぎないほう がいいということです。 ○技術審査官  わかりました。この辺りは調整させていただきます。 ○向殿座長  よろしくお願いします。私はできたら先駆的に予防原則をここに書いて、少し広めた ほうがいいような気もしますが、矛盾してしまうと確かにうまくなくて。あとはいかが ですか。特に10頁目です。 ○毛利委員  細かいですが、10頁の真ん中辺り、「取扱量、濃度、接触の頻度」という言葉が出て きていますが、本当は包括的に「取扱いの状況」ぐらいで済ませてしまうのがいいのか なという気がします。うるさく言うと、その3つだけになってしまうわけです。いろい ろなファクターがありますから、包括的にあっさりと取ってしまうのが。 ○技術審査官  「取扱量、濃度、接触の頻度等」みたいな感じですか。 ○向殿座長  「等」を入れれば。 ○毛利委員  そんなところでいいかもしれません。結局、状態ということなのですね。温度とか圧 力とか。そんなものも影響しますから。 ○向殿座長  これだけではないということが。 ○毛利委員  それしか考えられないのかと言う人もいないと思いますが、幅をもたせたらいいと思 います。 ○向殿座長  11頁目には労働災害防止のためのという話があって、これは機械安全に近い、無効化 の話、非意図的という、これはついうっかりという話を入れようということですね。現 実の労働災害は無効化によってかなり事故が起きてくるので。 ○梅崎委員  ファクターとしてはやはり4つあると思います。1つは、信頼性であり、安全性であ り、無効化、不使用という、ファクターがあるわけですが、安全性以外はここで明確に なっていますが、結局、カテゴリージルの関係の話が、ここで言う「維持能力」という 言葉で読めるかどうかなのです。機械での実務では、やはりカテゴリージルがどうかと いうことで、まず追っていきます。そうしたときにそれが「維持能力」という言葉の中 で、読み取ることができるかどうかです。 ○向殿座長  維持能力というのは、確かにカテゴリージルだとか、ああいう話ですね。そういった 意味も含めて、「維持能力」という言葉を使ったわけですから、それは読めるかといっ たら、読んでいただきたいという。方策の維持能力ということで、維持の能力の上下と いうか、レベルがある、ランクがあるという意味がたぶん含まれていると解釈できます ね。 ○技術審査官  そうですね。無効化しやすいか、しにくいか、そういうことも含めてということです ね。 ○向殿座長  あとで言いますが、まだありましたらあとでゆっくり読んでいただいて、事務局へ意 見を出していただければ考慮するということにしたいと思います。次は11番の「判断」 の話です。必要があることだという止め方をしています。 ○技術審査官  これは必要性の判断ですから、こういう場合には必要がある、ということを明確にた だ書いたというだけです。 ○向殿座長  詳細事項には、ALARPの形はちゃんと書いてあるということですね。最後の12番 目ですが、「検討」、要するにリスクアセスメントだから、リスク削減、低減の対策を やるとは言わない、措置内容を検討する、という話を前回もしました。この中の「本質 安全設計」という言葉はやめたのですね。 ○技術審査官  前回の議論も踏まえて、英語にしたら同じということもありますし、国際的にどうも 通用しないという話もありましたので削除させていただきました。 ○小林委員  日本語が通じないというのも、そういうことですか。 ○技術審査官  日本の、旧労働省で言う本質安全というと、「人が介在しない」という意味で使うの です。それは国際的にはほとんど通用しない言い方なのです。 ○向殿座長  私は「本質的安全」、「的」を入れて、少し広げて。 ○技術審査官  JISで言う本質安全とはまた違う概念で、我々は使っていた経緯がありますので、 あえて外しました。 ○小林委員  いろいろな概念があるという。 ○技術審査官  言葉はいろいろございます。 ○向殿座長  危険性・有害性の除去で本質的安全の話があって、あと低減、工学的対策、安全対策 で安全装置の話、マネジメントの話、それから個人的な教育訓練、防護というステップ でやっていただきたい。よろしいですか。 ○梅崎委員  12番はどちらかというと、労働安全のほうに近い概念だと思います。労働衛生のほう だと、作業環境管理、作業管理、健康管理という形で詰めて、どうなのですか。やはり こういうストーリーの上に入っていくという。 ○宮川委員  一応それは入っているとは思いますけれども。 ○毛利委員  化学物質のほうもこういうヒエラルキーということで、ほぼ共通しておりません。 ○技術審査官  それは国際的にこういう表現なのです。 ○向殿座長  国際的にこの順番に大体になっています。よろしいですか。まだたくさんあるかとは 思いますが、今日は最後ですので、もしコメントがある場合はいつまで。 ○副主任中央産業安全専門官  来週の木曜日ぐらいまでにメールでも、事務局にお寄せいただければと思います。 ○向殿座長  最後は議長に一任していただいて、私と事務局で相談して取りまとめをさせていただ くことにします。 ○梅崎委員  7頁目の「詳細事項」の上から3行目、「危険性又は有害性の分類には、JISやG HSに」とありますが、たぶんGHSのほうがある程度国際的なものなので、もしそう ならば、JISの前にISOを入れて、ISO、JIS、GHSというように。 ○向殿座長  それでは資料1はこれで終わります。資料2の説明を少ししていただけますか。 ○副主任中央産業安全専門官  資料2として、「検討会報告書(案)」をお出ししています。この3回でご議論いた だいた内容について、現在、資料1の横表になっていますが、これを「報告書」という 形に直して、最終的に取りまとめをしたいと思います。目次、中身としてはこの委員会 を設置した趣旨、目的、検討の経緯。次に、指針に盛り込むべき事項として、本日の資 料1の項目の順に基本的事項と詳細事項に分けてずっと書き下していく形にしたいと思 います。  先ほど座長からお話がありましたが、この資料について、また追加のご意見等があり ましたら24日ぐらいまでに事務局にいただいて、最終的にこの報告書の形にまとめるこ とについては、座長一任ということでお願いします。 ○向殿座長  ということで、最終的にはこういう報告書の形でまとめます。いまの案の3つ、主に 2つですが、こういう形で上下の形で書くということです。何かご意見がありました ら、メールでいただいて検討させていただきます。最終的には座長にお任せいただきた いと思います。よろしいですか。何かございますか。                  (異議なし) ○向殿座長  それでは3回にわたっていろいろと熱心なご議論をいただきましてありがとうござい ました。今日は部長さんもお見えですので、一言お願いします。 ○安全衛生部長  先月の初めに皆さん方に、ここでのご議論をお願いいたしました。非常に短期間で大 変ご無理なお願いを申し上げたにもかかわらず、この間、座長を始め、各委員の皆様方 には大変精力的にご審議をいただきまして、本日、指針に盛り込むべき事項を取りまと めていただいたということで、本当にお忙しい中ありがとうございました。  もうすでにお話をしていると思いますが、ちょうど労働安全衛生法の改正の法案につ いても、ご審議していただいている期間の10月26日に国会で成立して、11月2日に公布 したという段階です。来年の4月に向けての施行ということでいま準備も進めていま す。特にこのリスクアセスメントについては、今回の法改正の大きな柱として我々も位 置づけています。  そういう意味でも、折角こういうことで指針に盛り込むべき事項を取りまとめていた だきましたので、真の意味でこの指針が労働災害防止につながる指針になるように、我 々も行政として生きた指針をしっかり作っていきたいと思います。結果的にそれが現場 での労働災害防止に直結するような形になるような指針にしたいと思います。私のほう からは、この間の皆様方のご努力に対して御礼を申し上げまして挨拶とさせていただき ます。本当にありがとうございました。 ○向殿座長  それでは事務局にお返しいたします。 ○副主任中央産業安全専門官  以上をもちまして、第3回のリスクアセスメント検討委員会を終了いたします。皆 様、お忙しい中、本当にありがとうございました。                  照会先:厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課                          TEL:03-5253-1111(内線5487)