05/11/17 中国産中間種苗由来養殖カンパチのアニサキス幼虫寄生に対する食品安全対策 に係る検討会(平成17年11月17日開催) 議事録 05/11/17開催 中国産中間種苗由来養殖カンパチのアニサキス幼虫寄生に対する食品安 全対策に係る検討会 議事録       中国産中間種苗由来養殖カンパチのアニサキス幼虫寄生に対する             食品安全対策に係る検討会 議事録 1 日時     平成17年11月17日(木)14時〜17時 2 場所     経済産業省別館821号会議室 3 議事     (1)自治体から要請があった出荷方式による中国産中間種苗由来            養殖カンパチのアニサキス幼虫寄生に対する食品安全対策の検            討          (2)その他 4 出席委員   小川和夫、川中正憲、熊谷進、◎竹内勤(敬称略)          (注) ◎ 座長 5 要請者    香川県、宮崎県 6 オブザーバー 高知県、鹿児島県、全国漁業協同組合連合会、(社)全国海水養魚協会 7 事務局    厚生労働省 桑崎監視安全課長 他          農林水産省 長尾栽培養殖課長 他 ○事務局(厚生労働省)  それでは、定刻になりましたので、ただいまから中国産中間種苗由来養殖カンパチの アニサキス幼虫寄生に対する食品安全対策に係る検討会を始めさせていただきたいと思 います。  最初に、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。  まず、議事次第という1枚紙がございまして、その次に座席表と裏側が今日の出席者 名簿になっている紙がございます。そのほか配付資料一覧という1枚紙と、その後資料 1、2、3、最後に参考資料一覧という形で参考資料1〜5をまとめさせていただいて いるものを配布しております。特段不足があればお申し出いただければと思います。  特に問題ないようでしたら、議事の方に入らせていただきたいと思います。まず初め に、検討会の開催に先立ちまして、水産庁の長尾栽培養殖課長から一言ごあいさつをお 願いいたします。 ○栽培養殖課長  水産庁の栽培養殖課長の長尾でございます。  本日、竹内先生初め委員の皆様方、それから、関係者の方々、御多忙中御出席いただ きまして誠にありがとうございます。  開会の趣旨につきましては、事務局より御説明申し上げますが、本日の会議は、平成 16年秋以降の中国産の中間種苗に由来する養殖カンパチからアニサキス幼虫が発見され たことを受けまして、厚生労働省及び農林水産省としましては、平成17年6月より健康 被害の未然防止という観点から出荷の際、冷凍または加熱処理を行うことを指導してま いりました。また、その際、その他の方法で出荷する際には個別に協議するということ にしていたわけでございます。今般、宮崎県、香川県から個別協議の提案がありまし た。この提案につきまして、専門家の方々、食品衛生の観点から適切か否かについての アドバイスをいただきながら、私ども厚生労働省と協力して対応していきたいというこ とで開催させていただいたものでございます。  水産庁といたしまして、養殖業の振興というものを担当しているわけでございますけ れども、カンパチ養殖の振興のためには消費者のカンパチに対する安全・安心、信頼性 の確保といったことが非常に重要だと考えております。今回検討会で行われるいろいろ な御意見・御判断を踏まえまして、私どもといたしまして厚生労働省さんと協力しなが ら今後、安全・安心なカンパチ養殖業の振興ということで努めてまいりたいと考えてお ります。  どうか今日はよろしく御審議のほどお願いしたいと思います。 ○事務局(厚生労働省)  それでは、引き続き議事を進めさせていただきますが、本日はまず初めての検討会で ございますので、各委員の御紹介をさせていただきたいと思います。  初めに、一番左からですけれども、国立感染症研究所寄生動物部第二室長の川中先生 でございます。  その隣が、東京大学教授の小川先生でございます。  その隣が、慶應義塾大学医学部教授の竹内先生でございます。  その隣が、東京大学教授の熊谷先生でございます。  事務局の方ですが、本日の検討会は厚生労働省と農林水産省の共催という形で開かせ ていただいております。 (事務局紹介)  それでは、続きまして、座長の選出に入らせていただきたいと思います。  お手元の配付資料のNo.1を御用意いただけますでしょうか。こちらの方に検討会の 開催要綱がございますが、この中の第3条4によりますと「座長は、委員の互選により 選任する」とされておりまして、事前に委員の先生方と相談をさせていただいておりま して、慶應義塾大学の竹内先生に座長をお願いすることとなっております。  それでは、以下の進行を座長の竹内先生にお願いしたいと思いますので、よろしくお 願いします。 ○竹内座長  竹内でございます。座ったままで失礼いたします。そういう経緯なので、まとめ役を 今日はさせていただきます。  具体的な議事に入る前に、本日の会議に関しまして幾つか御確認いたしたいことがご ざいます。  お手元の資料No.1の第4条の3に「検討会は、公開で行うものとする。ただし、検 討会の決定により非公開とすることができる」となっております。本日の検討事項は、 後刻御説明があるのでおわかりいただけると思いますが、特定の養殖業者の名前が出て きましたり、カンパチの取扱いに関する個別具体的な案件を検討するということになる ために、特定の業者名等が開示されますと、特定の者に不当な利益もしくは不利益をも たらすおそれがあると判断されることから、非公開といたしたいと思います。その点、 御了承ください。  ただし、第4条の4にありますように「検討会の議事録は、公開するものとする」と いうことでありますので、議事録そのものは公開されるということになります。  また、要綱の第4条の5、次のページでございますが「検討会は、必要があると認め るときは、関係者の意見を求め、意見を聴くことができる」とございますので、本日は まず要請者として宮崎県及び香川県の担当者の方々に御出席いただいておるというわけ でございます。更に、当該カンパチの養殖を行っている関係県及び生産流通等の実態に 詳しい全国海水養魚協会の方々及び全国漁業協同組合連合会の方々にも同席していただ いております。  それでは、以上のような経緯で本日の議題、自治体から要請のあった出荷方式による 中国産中間種苗由来養殖カンパチのアニサキス幼虫寄生に対する食品安全対策の検討に 入りたいと思います。  まず、最初に、今回の検討に至った経緯及び各県でこれまでに実施した調査結果につ いて、事務局の方から御説明をお願いいたしたいと思います。 ○事務局(厚生労働省)  それでは、これまでの経緯につきまして簡単に説明をさせていただきたいと思いま す。  お手元に参考資料一覧というのがあるかと思いますが、それを1枚めくっていただき まして、参考資料1をお手元に用意いただければと思います。ここに書いてありますと おり、平成16年の秋以降、中国から輸入されました中間種苗に由来する養殖カンパチ等 におきまして、各県の水産試験場における調査でアニサキス幼虫の寄生が高頻度に認め られたという情報が農林水産省を通じてございました。各県におけるアニサキス幼虫の 寄生実態の調査結果の詳細につきましては、後ほど水産庁の方から御説明いただきます が、これらにつきましては、真ん中の段落にあるとおり、アニサキスの寄生率が極めて 高いことや、通常生食用として販売されることなどから、アニサキス症の発生を未然に 防止する観点から、出荷の際には冷凍処理等の指導を厚生労働省と水産庁が連携して行 っているところでございます。  その後、具体的な対応例といたしまして、5ページ目になりますが、こちらの方の通 知の中で、真ん中やや下に「(注2)」というところがありますが、そこの対応例1に 記載がございます。基本的には、事前に出荷計画書等を提出して、当該魚が確実に冷凍 や加熱加工が行われるよう対応をお願いしているところでございます。  ただし、この一番下に対応例2というところがございますが、これら以外の方法によ る販売の要請があった場合には、詳細な情報をとった上で協議することとされておりま して、今回はこれに基づきまして宮崎県及び香川県から特定の養殖業者のカンパチにつ きまして、由来の確認や出荷前の寄生状況の調査、あとは、加工時にすべての個体の内 臓について寄生の確認を行うことなどによって、生鮮での出荷を認めるよう要請があっ たところでございます。  本日は、これらの要請を受けまして、本検討会において科学的・専門的な観点から、 両県の出荷方式により安全性の確保が可能かどうかにつきまして、御意見をいただくこ ととした次第でございます。  経緯につきましては、簡単でございますが、以上でございます。  続きまして、調査結果の詳細をよろしくお願いします。 ○事務局(水産庁)  調査結果については、参考資料5をごらんいただきたいのですけれども、まず、この 調査については、厚生労働省の方から紹介があったように、今回の通知の対象となった カンパチを養殖している各県の水産試験場が独自に行ったということで、特に国の方か らこういう形でやってくれとか、何匹やってくれということではなくて、各県が独自に やったということで、県ごとに調査尾数とか検査方法というのが異なっているといった ものです。  調査としては大きく2つに分かれていて、1つは、ロットを特定しないでランダムに 魚を持ってきて、そこにアニサキスが寄生しているかどうかというのを調べたものと、 もう一つは、アニサキスが高率で寄生している生け簀の魚をとってきて、その魚をいろ いろな条件のもとに置いて、それによって寄生の状況がどうなるかというのを調べたと いう2つの調査を行っています。  まず、ランダムサンプリングなのですけれども、6月15日の時点でいろいろごたごた していて、後でまたいろいろ詳しく調べたり、更に追加したりということがあって、ラ ンダムサンプリングについては今のところ580尾調査されていて、そのうちの110尾から アニサキスの寄生が確認されています。6月15日のときは192となっていたのですが、 これは高水温試験とか別の試験と混ざっているところがあって、実際は110尾というこ とです。  次は、資料に沿って進めてさせていただきますけれども、資料に出ているのは、そう いった調査の中でも部位別に筋肉も含めて調査した部分について、その結果を部位別に 載せたものです。  県名がA県とかとなっていますけれども、県の方から県名を出さないでほしいとか、 個別のデータでなくて、ある程度まとめたデータで出してほしいということなので、一 応それぞれ平均値ということでアニサキスの寄生の匹数が載せてあります。  まず、一番上のA県のランダムサンプリングですけれども、この検査尾数は244尾で、 そのうちから60尾寄生しているのが見つかっている。そして、その60尾について部位ご とに平均を見ていくと、そこにあるようにそういった数字になっているということで す。  それから、次にA県の高水温試験というのが、これは一応、各々の条件ごとに10匹ず つ持ってきて、下の方にありますように、水温をいろいろ変えて飼育した上で検査をし たというものです。  それから、次にB県、これはランダムサンプリングですけれども、これは94尾調査し て、そのうち9尾に寄生が見つかっていて、部位別に見ると平均してこれだけの寄生が あるということです。  それから、次のページでこれはC県ですけれども、C県の場合は水温を変えるという ことではなくて、殺した後に数時間置くことによって、例えば筋肉に移行するのではな いかとか、そういった調査を行っています。この調査の中で、一番上の生け締め直後に 調べたものの中から1匹筋肉に移行しているものが見つかったということで、筋肉に移 行しているものはこの1例だけということで、あとはなかったということです。  あと、部位別に見て、やはり胃の外部が一番多く寄生していて、寄生しているものに ついては、すべて胃の外部に寄生があったという結果になっています。  以上です。 ○竹内座長  ありがとうございました。  それでは、ただいまのお二方の御説明につきまして、委員の方から御質問あるいは何 か確認されることがございましたが、どうぞ。  ちょっと確認したしたいのですが、平均というのは1匹当たりこうだという数字です ね。 ○事務局(水産庁)  そうです。 ○竹内座長  これも確認したいのですが、C県の一番上の行の筋肉の0.1というのは、1匹のカン パチにだけいたということですか。 ○事務局(水産庁)  そうです。 ○竹内座長  わかりました。  ほかに何か委員の先生方ございますか。 ○熊谷委員  済みません、教えていただきたいことがありまして。胃外部の膜外、膜内というの は、膜内というのは透けて見えるのでしょうか。 ○事務局(水産庁)  見えると聞いています。 ○熊谷委員  それは、肉眼で判断できるということですか。 ○事務局(水産庁)  はい。 ○熊谷委員  どうもありがとうございました。 ○竹内座長  ほかによろしゅうございますか。  それでは、次に、宮崎県と香川県の担当の方から、今回のこの検討会に対する要請の 内容について御説明をお願いいたしたいと思います。  資料2が宮崎県になっておりますので、まず、宮崎県の方から御説明をお願いいたし ます。 ○宮崎県  今日は検討会を開いていただきまして、ありがとうございます。本日、宮崎県から提 案させていただきますけれども、是非ともこの提案が承認されますように検討をよろし くお願いいたします。では、座って説明させていただきます。  資料が資料No.2と打ってありますけれども、頭3枚が国に向けての要請書というこ とになります。ページ数からいきますと4ページ目から説明をさせていただきます。  説明に入らせていただく前に、本県の養殖業の実態をまず御説明させていただきたい のですけれども、本県の海面養殖業の経営体が約70経営体ございまして、この70経営体 で1万4,000tほど養殖魚を生産しております。このうち約半分がカンパチの生産量と いうことでありまして、本県の養殖経営体70経営体のほとんどすべてがカンパチを主体 とした養殖をやっているということでございます。  今回このアニサキスの問題が起こりまして、本県としても大きな問題と考えておりま す。昨年、一昨年、今年と相次ぐ台風の襲来で大きな被害を受けているということ、そ れから、近年、魚価が非常に安いということで養殖経営体自体、非常に体質が脆弱化し ており、ここに追い討ちを掛けて今回の問題ということで、今回の問題がスムーズに運 ばないと、本県の一部の養殖業者が倒れてしまうというような厳しい状況にあります。  それで、6月15日付で国の方から冷凍出荷でないといけませんという御指導をいただ きました。本県でも現場といろいろ協議させていただいたのですが、冷凍出荷ですと売 れません。要は商品価値がないということで、何とか生鮮出荷の道をつくっていただき たいという希望が強く出されました。それで、国の方ともお話をさせていただいた中 で、その方法をきちんと提示できて、安全性が十分確認できるのであれば、今回の検討 会で協議しようということになりましたので、本日提案させていただきたいということ です。  本県の場合は、この対象となる対象魚を持っていらっしゃった養殖業者は6経営体な ので、全体のうちでは非常に少ないのですが、ただ、今回の問題は宮崎県だけの問題で はなくて、実際にカンパチを生産されている西日本の各生産地全体の問題ということ で、冷凍以外に新たな生鮮出荷の道ができれば、主産県にも新たな道が開けるのではな いかということで提案をさせていただきたいと思います。  別紙4ページですが、まず、本県が考えております出荷方式の概要ということでござ います。(1)から(4)の段階を経てやっていくということでございまして、まず初めに、 本県の出荷規制対象群の中で、中国の生産者がまず特定できているもの、それから、輸 入ルートが明確なものを把握したいということです。それらの群については、詳細な寄 生があるかどうかの確認調査を実施するということが第一段階です。  それをクリアしたものについては第二段階へ移るということでありまして、第二段階 につきましては、生産者、流通・加工問屋、それから、量販店が当該魚に関する情報を 共有します。生産者だけでこの情報を隠さず、末端まで情報を共有するということで す。それから、出荷あるいは加工をする場合には、寄生の有無を確認するということ。 それから、荷がトラックで運ばれる場合あるいは活魚船で運ばれる場合ですが、この場 合混載であるとか荷抜けがないように取り組みをきちんと行うということでございま す。  それから、3番目の出荷に際してですが、セミドレスまたはフィレ加工した上でとい うことでありまして、今回二通りの案を出させていただいておりますけれども、本県の 場合はフィレ加工の方で説明をさせていただきます。と、いいますのは、後からまたお 話しさせていただきたいのですが、本県で養殖経営体が非常に小さいものですから、自 分のところでセミドレスをやれる経営体が今のところなくなってしまったということで す。今回についてはフィレ加工をした上で、2番目の三者の取り決めを行った量販店に 出荷を行うということです。  それから、4番目です。量販店につきましては、消費者に販売する前に目視で可食部 のアニサキスの有無を確認した上で、寄生のない個体のみを販売するというようなルー トでいきたいということです。  下に具体的な出荷方式フローをつけさせていただいておりますが、まず、出荷規制対 象群ということで、今回の対象になりましたのが6業者の17万3,000尾でございました。 これにつきましては、国の方からかなり高頻度の寄生が見られるということでございま したので、各経営体5匹程度をまずランダムにとりまして、事前に寄生の確認調査をい たしました。その結果、寄生の確認が見られたのが左の方に寄生確認群とございますけ れども、1業者2万尾でございました。残りの5業者の15万3,000尾は寄生が確認され なかった群ということで次に進むわけですが、その15万3,000尾について中国の実際の 生産者が特定できるのか、あるいは輸入時に混載がなかったのかどうかの実態調査をさ せていただきました。  その結果、輸入、中国産地の実態がどうも不明確であるという群が2業者で1万4,000 尾ございまして、この分については安全の確保の観点で処分ということになりました。 これが1万4,000尾でありました。  実態が明確な群といいますのが残りの3業者、13万9,000尾になりますけれども、こ れにつきましては、1業者が先の台風14号で全滅をいたしまして、結果的に実態明確群 として現在宮崎の養殖池にいる在池尾数といいますと2業者の3万2,000尾ということ でございます。これについては当初4万尾だったのですが、自然へい死がありまして0.8 万尾減少し、現在3万2,000尾が残っているという状況であります。  その群につきまして、先日11月1日、2日ですが、寄生の確認を行うため、詳細調査 を実施しております。これについては60匹実施しておりまして、筋肉、内臓につきまし てキャンドリングによる寄生確認を行いました。その結果、寄生が確認された群はあり ませんでした。それで、3万2,000の2業者分がそのまま現在、下の寄生未確認群に進 んでおります。  これから先の話なのですが、まず、本日の検討の結果、御承認いただいた段階で各流 通段階での安全確保の取り決めということで、養殖業者、流通・加工問屋、量販店と安 全確認の取り決めを行うということを考えております。内容としましては、寄生の確認 でありますとか、寄生が確認された場合には処分するといったこと、それから、流通の 場面では混載を防止するといったところの取り決めを行いたいということです。  この取り決めを終えてから実際にフィレ加工に入りたいということでございまして、 フィレ加工につきましては、基本的には内臓をすべて除去いたします。その時点で内臓 の確認と腹腔内のアニサキスの寄生の確認をするということで、全数検査というふうに 考えております。これにつきましては、後で出てきますけれども、内臓を除去するとき の確認を加工場の責任者を設けまして、その責任者が確認を実施いたします。それか ら、県が認める職員、県認定職員というふうに呼ばせていただきますけれども、県認定 職員の立会い、それから、不定期ながら県の保健所の検査・立会いということをやらせ ていただきたいと考えております。  フィレ加工時に寄生が確認されたものについては処分いたします。寄生が確認されな かったものについては流通に乗せるということでございまして、量販店に引き渡し、消 費者に販売する前に、量販店の調理師が目視で可食部の寄生を関するということで安全 の確認をとっていきたいということでございます。  次に5ページ目でございます。個々に具体的に説明させていただきますけれども、ま ず「当該魚の定義、生産及び輸入に関する実態」ということで2番目でございます。  まず、当該魚の定義といたしまして、先に対象魚となりました6月15日付で国がお示 しになられているもので、中国で採捕され、中間育成されて国内に入ってきたものとい うことでございますが、本県の当該魚としての定義としては、中国の生産者は1名であ ることが特定できていること。その1名の方が生産されたものが、輸送時に混載がな く、同じロットとして本県に池入れされたという2経営体分、合計3万2,000尾を言う というふうに考えております。  まず、(1)稚魚の採捕ですが、これにつきましては、種苗輸入業者からの聞き取り調 査結果に基づいてまとめさせていただいております。稚魚の採捕場所は一昨年11月から 昨年3月に掛けて中国海南島周辺で採捕されたものということでございます。  続きまして、(2)中国での育成状況でございますが、これについても種苗輸入業者か らの聞き取り調査結果でございますけれども、海南島で採捕された当該魚を中国の羅原 というところで1業者が生産、中間育成をしていたということでございます。その中間 育成の期間は平成16年3〜11月に掛けてということでございまして、その当時の中国側 の生産者が持っていらっしゃった飼育尾数は約20万尾ということでございます。  その飼育期間中に投餌した餌の種類ですが、冷凍のサッパ、アジ、サバ等をやってい たということでありまして、今回の問題となっております生餌のカタクチイワシについ ては一切使用していないということでございます。  それから、それを証する書類ということになりますけれども、中国現地では養殖日誌 を記録するということが普及されていないということでありまして、へい死状況であり ますとか投薬の内容につきましては、当時、その中国の生産者はメモ書きをしており、 国内に持ち込まれる際に、そのメモの内容でこういう餌をあげましたとか、こういった へい死状況でした、こういった投薬をやりましたといったものをすべて口頭で説明した 上で、そのメモは破棄するということで、実際に残っていないということでございまし た。  それから、実際に国内に輸入する前ですが、種苗の輸入業者が対象魚に対して疾病の 罹患状況を確認しているということで、この1つの項目として内臓、腹を割ってアニサ キスの寄生も確認しています。その結果、寄生はなかったということでございました。  それから、(3)日本への輸入の状況ですが、これについても種苗輸入業者からの聞き 取り調査結果に基づいてまとめさせていただいております。日本への輸送につきまして は、平成16年11月に行われております。これは中国の羅原1業者のものということであ りまして、20万尾買っていた中の5万尾をこの輸入業者のチャーター船1隻に積み込ん で輸入してきていると。チャーター船は5万尾でちょうど満杯になっておりまして、そ のほかの荷はないということでございます。宮崎県内には、そのうちの4万尾が降ろさ れているということでございます。  輸入に際しての書類ですが、これについては通関書類がありまして、インボイスとか 積み荷証書、それから、パッキングリスト等がございます。これについては、通関資料 として提出が義務付けられていますので、作成して提出させていまして、それ以外の資 料については、特には用意していない、つくっていないということでございます。  次に、(4)日本での導入状況でございます。これにつきましては、種苗輸入業者から の聞き取り、それから、当該魚を所有する2養殖業者からの聞き取りと、それぞれの聞 き取りの内容の突合を行いまして、信憑性を確認しております。その結果ですが、当該 魚については平成16年11月に稚魚輸入業者同一の運搬船から本県の2経営体にそれぞれ 2万尾ずつが入れられたと。そのときのサイズが1.1kgということです。受入れ時の記 録につきましては、養殖業者が養殖日誌をつけております。輸入業者の輸入記録もござ いますので、そこで確認することができるということでございます。  それから、(5)国内養殖場での現在の管理状況でございます。これにつきましても、 養殖業者からの聞き取り調査結果でまとめさせていただいておりますけれども、この2 養殖業者でございますが、この対象魚のほかに同一年齢のカンパチを所有していらっし ゃらないということでございます。  飼育時の資料でございますが、モイストペレットを投餌しているということで、それ に使われる餌料については。冷凍のカタクチイワシということでございます。現在、飼 育中の通常へい死が若干ありまして、4万尾を両経営体で池入れしましたけれども、こ のうちの8,000尾がへい死、残りが3万2,000尾になっております。現在の飼育サイズは 2.4kgということでございます。両経営体ともに養殖日誌を記帳しておりますし、飼育 期間中の飼育・投薬の情報も記録されているということでございます。  続きまして、精密調査の手法と調査結果についてです。 ○宮崎県水産試験場  宮崎水試の中村といいます。よろしくお願いします。3「精密調査等の手法及び調査 結果」について説明いたします。  調査手法及び尾数につきましては、厚生労働省並びに農林水産省の助言のもと決定い たしました。  まず、(1)「精密調査」ですけれども、当該魚におきます寄生の有無を確認するとと もに、内臓に寄生が認められない場合は、筋肉にも寄生が認められないことを確認する ために実施いたしました。実施日といたしましては11月1日、2日の2日間。一日当た り25人の延べ50人体制で調査いたしました。  また、調査尾数といたしまして、60尾、これは統計学的に95%の信頼限界で感染率5 %以下であることを保証するために必要な数であります。  この検体ですけれども、調査日の前日、10月31日に県職員2名、行政職員1名、当研 究機関である水産試験場の職員1名が、養殖場の生け簀の取り上げから箱詰めまで立ち 会いまして、その後、水産試験場のトラックによりまして当水産試験場の冷蔵庫まで運 びまして、調査日である11月1日までそこに保管しておりました。  まず、(1)調査の手法ですけれども、当該魚のうち60尾を対象といたしまして、筋肉、 腹腔内、内臓におけるアニサキスの寄生の有無を確認するために県が実施いたしまし た。  精密調査の方法といたしましては、厚生労働省、農林水産省の指導を仰ぎまして、国 立感染症研究所の川中先生が推奨されましたキャンドリング法を使用いたしました。詳 細の方は後ほど説明いたします。  まず、筋肉につきましては、電子レンジで加熱した後に筋肉繊維をほぐしまして、キ ャンドリング法で寄生の確認を行いました。また、内臓、心臓、肝臓、脾臓、腎臓、 胃、幽門垂、腸及び腹腔内につきましては目視確認を行った後で、内臓は人工消化液を 用いて消化後に、腹腔部の筋肉につきましては、ほかの筋肉部と同様に処理いたしまし て、キャンドリング法で寄生の確認を行いました。  また、本調査の有効性につきましては、事前にポジティブ・コントロールであります アニサキスのサンプルを使って確認いたしました。  その調査方法について具体的に説明いたします。資料の8ページに手法が書いており まして、9〜12ページに写真つきで解説しております。9ページから写真で御説明いた します。  まず、内臓摘出及び筋肉の裁断作業でございます。こちらは箱からカンパチを取り出 しまして、個体別に識別するために、アルミ製のバットに個体番号を記入しておりまし て、このバットの上で検体が移動するようなこととしております。  まず、体長・体重測定を行います。その後に、頭と内臓の摘出をして3枚におろしま す。このときに腹腔部におきましてもアニサキスの穿孔後がないかどうかというものを 確認しております。  続いて、筋肉部の方から説明いたします。筋肉のアニサキス寄生確認調査といたしま して、まず、電子レンジで処理するために筋肉を30g程度の大きさに裁断いたします。 この裁断におきましても、個別管理としますためにバットにナンバーを振りまして管理 しております。その後の肉片を個体別管理しまして、電子レンジ、こちらは普通の皿に 肉片を置きまして、電子レンジで約30秒〜1分間加熱しております。その後、ビニール に入れまして肉片をほぐします。その後の作業に邪魔になりますので、肋骨部分は一本 一本丁寧に取り除きます。その後に、写真にはないのですけれども、フードプロセッサ ーに同量の水を入れまして、約30〜60秒掛けて粉砕します。その後、シャーレに分注し まして、また更に水を加えて希釈します。最後に、シャーレをトランスイルミネーター の上に設置いたしまして、その上でキャンドリングを確認するという作業を行っており ます。  この作業の前に、まだアニサキスを実際に見たことがない方もおりますので、実際の ポジティブ・サンプルとしまして実際のアニサキスを以前からとっておりましたので、 これをトランスイルミネーター上に置いて、どのような発光をするのか確認し合った後 で検査に入りました。あと、骨につきましても青く発光いたしますので、それにつきま してはピンセット等で触るなどして、アニサキスではないということを確認いたしてお ります。  また、筋肉繊維につきましても、同じように青く見える場合がありますので、その場 合は光学顕微鏡におきまして観察して、アニサキスではないということを確認して実施 しております。  続きまして、11ページは内臓のアニサキス寄生確認調査。まず、各臓器の摘出と寄生 確認、表面上の臓器の寄生の確認を行います。その後、胃の内部寄生を確認して、胃を 全部切り開きまして、内部にいないかどうかというのを確認いたします。その後、キャ ンドリングによる寄生確認の前に、まず、内臓消化液を作成いたしまして、その中に内 臓を裁断して漬け込みます。その後、37℃に設定しましたインキュベーター上で一晩起 きまして、翌日12ページにありますように、(7)一晩処理後の内臓、このように溶けて どろどろになった状態になります。これを同様にシャーレに分注いたしまして、同じよ うにキャンドリング、トランスイルミネーター上で確認するという作業を行っておりま す。  最後にあります精密検査の結果といたしまして、調査月日は平成17年11月1日、2 日。調査実施者は宮崎県。調査実施場所は宮崎県水産試験場。調査方法といたしまして は、目視確認は内臓と腹腔内。キャンドリング法による確認は、内臓と筋肉。内臓の調 査部位につきましては、心臓、肝臓、脾臓、腎臓、胃、幽門垂、腸を行いました。調査 尾数といたしましては60尾。調査魚のサイズは2.4kg。調査結果といたしましては、目 視確認及びキャンドリング法ともに、検体すべての部位でアニサキスの寄生は確認され ませんでした。  続きまして、6ページに戻っていただきまして、(2)「生け簀毎の確認調査」でござ います。ここにおきましての当該ロットにおける寄生の有無を更に詳細に調査するため に実施することとしたいと思います。そこで、調査尾数の300尾、これは精密調査との 合計尾数になりますけれども、これは統計学的に95%の信頼限界で、感染率が1%であ ることを保証するために必要な数字であります。  調査の手法といたしましては、生けすごとに腹腔内、内臓におけるアニサキスの寄生 の有無を確認するために県が調査を実施いたします。当該魚は合計8つの生けすに今の ところ分養されていますので、調査に供する尾数は生けすごとに30尾の合計240尾とい たしまして、内臓及び腹腔内のアニサキスの寄生の有無を目視にて確認いたします。な お、調査の実施日は今のところ、まだ、未定ですけれども、この調査におきましてアニ サキスの寄生が確認された場合は、当該魚はすべて処分することといたしております。 ○宮崎県  次の7ページをお開きください。これまで300尾の合計調査の結果、寄生が確認され なかった場合に次に加工場における検査ということで、4番目以降に移るということで ございます。加工場では、まず(1)検査の担当者といたしまして、加工場で責任者をつ くるということであります。  (2)検査の手順なのですが、まず、担当者が加工場で内臓が除去される際に、アニサ キスの寄生があるかどうかを確認するということ。それから、対象魚が実際に加工場を 出る際、それがどこに出荷されるのか、どれくらいの数が出荷されるのかの確認も行う ということを考えております。アニサキスが仮に確認された場合には、寄生が確認され た固体を適正に処分するということ、併せてその旨を県に報告するということを義務化 させたいと考えています。  それから、(3)検査担当者に対する研修ということでございますけれども、加工場の 職員は日々カンパチをさばいていらっしゃるということで、非常になれたところもござ いまして、アニサキスも結構判別できるということでございますけれども、今回の対処 魚に限っては、県がアニサキス、この県といいますのが水産部局と食品衛生部局でござ いますが、アニサキスに関する研修会、それから、食品衛生法に関する研修会を実施し て、知識の習得を図りたいということでございます。  それから、(4)記録の方法でございますけれども、担当者につきましては、毎回にな ると思うのですが、対象魚をどれくらい処理したか、それから、寄生があったかどう か、いつ出荷されたか、どこに出荷されたかを記録簿として残しておくということ。そ れから、県が報告を求めた場合には、速やかに報告ができる体制をとっておきたいとい うことでございます。  それから、加工場で対象魚の処理がすべて完了した場合には総出荷数量、それから、 出荷先、それから、アニサキスの寄生の有無等を県に報告することによりまして、生産 者から実際に流通問屋に魚がすべて出終わった段階でも数をチェックさせますので、そ の数字との突合をしたいと考えております。それで荷抜けを防止したいということでご ざいます。  それから、(5)県による確認職員の認定と立会い方法でございますけれども、立会い 職員につきましては、県職員も少ない状況でして、なかなか対応し切れないということ もございます。それで、県職員、市町村職員、漁協職員の中から認定したいと思ってお ります。これらの職員に対しては、県が先ほどの加工場の担当者と同様に、アニサキス あるいは食品衛生法に関する検証を行いたいと考えておりまして、そのノウハウを習得 した者のみを県の認定職員として立会いに当たらせたいと考えております。  立会いにつきましては、加工の責任者が加工場の記録をつけておりますので、基本的 にはこの部分の確認と、適正に加工が進められているかどうかの確認をしたいと考えて おります。  それから、(6)保健所の食品衛生監視員による監視ということでございますが、加工 場の検査につきましては、監視員につきましては、保健所の食品衛生監視員が実施する ということで考えております。ただ、加工場が県外になる場合でございますが、本県の 保健所が監視とはいきませんので、その加工場を所管する都道府県の食品衛生部局に対 して本県から監視依頼を行いたいということを考えております。その際に、文書にて当 該魚がどういうふうに移動しているということを通知したいと考えております。  監視員につきましては、加工場での監視、それから、監視後の結果報告の提出を依頼 すると考えております。  それから、5「量販店での調理段階における確認について」でございます。量販店の 調理師が対象魚の可食部、これは主に筋肉部ということになると思うのですが、アニサ キスがいないがどうかを確認した上で販売に供するということを考えております。  それから、県の出荷ルートの確認体制ということでありまして、県が生産者、それか ら、流通問屋等に報告書あるいは記録簿をつけるように、あるいは必要に応じて提出さ せるような体制をとっていきたいと、それで安全と出荷ルートの確認をとっていきたい ということでありまして、具体的にどういうふうな報告書を出させるかということであ りますが、例えば、出荷がまず決まったとき、生産者の段階でありますけれども、この ときには国の指導もありましたが、出荷計画書を生産者から県を通じて国に上げていき たいと考えております。それから、生産者が実際に対象魚を流通・加工問屋に引き渡す ときでありますけれども、このときは養殖履歴書を必ずつけて魚と一緒に引き渡すとい うこと。それから、出荷が終わりましたら出荷の報告書を提出させるということ、すべ ての出荷が終わった段階で出荷完了報告書を提出させるということ。それから、ここに は県の認定職員の立会いがありますので、その立会い職員は出荷立会い報告書を提出さ せるといったものを考えております。  加工場でありますけれども、これにつきましても、加工記録を作成させるというこ と、必要に応じて提出させるということ。それから、立会いの報告書を立会い職員から 県に上げさせるということであります。  それから、流通・加工問屋が対象魚を量販店に引き渡した場合ということであります が、出荷が完了いたしましたら、その出荷完了報告書を県に提出させるということも考 えております。  それから、量販店で仮に対象魚で確認された場合には、速やかに県あるいは生産者、 三者の申合せをいたしますので、それぞれに報告するということを義務付けたいと考え ております。  それから、最後に、7「その他」でございますけれども、当該魚の出荷が開始される 前に生産者、流通・加工問屋、量販店がそれぞれの段階でアニサキスの寄生の有無を確 認するということ。他の関係者や県への報告、流通段階での荷抜け、混載防止に関して 三者の取り決めを行うということで、それぞれの流通段階でそれぞれが安全確認をきち んとやっていくということ、併せて、お互いの情報を共有しながら安全を更に高めてい くということをやらせていきたいと考えております。  宮崎県の説明は以上です。 ○竹内座長  ありがとうございました。  それでは、まず、香川県からも御報告いただいた上で、少し皆さんの御意見を伺いた いと思います。では、香川県の担当者の方から出荷方式について御説明をお願いしま す。 ○香川県  香川県水産課の井口と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。  資料につきましては、資料No.3ということで御準備をいただきましたが、まず、香 川県におけます魚類養殖の状況についてお話を申し上げたいと思います。特にカンパチ についてお話をさせていただきます。本県平成17年度におきましては、カンパチの養殖 経営体が60ございます。全体で110万尾のカンパチを養殖してございますけれども、今 回6月15日に国からの御指導をいただきました。その対象となる魚につきましては、こ のうちの3経営体、8万1,000尾が対象ということでございます。  通常、香川県のカンパチ養殖でございますけれども、1歳魚、いわゆる中間魚でござ います。これを九州等県外から導入いたしまして、おおむね5月の中旬以降、6月の初 旬に掛けて導入を毎年されてまいります。大体1kgないし1.5kgぐらいの重量でござい ます。これを県内に持ち帰りまして養殖をいたします。各養殖業者が給餌管理を行いま して、早いもので11月初旬から出荷が始まってまいります。本県の場合は、カンパチの 適水温の下限になりますのが、おおむね毎年12月中旬、13〜14℃を下回りますとカンパ チはもちませんので、本県におきましてはこれまでに出荷を完了するというのが例年で ございます。  それから、種苗の導入でございますけれども、本県の県漁連が種苗の導入を扱ってお ります。そのほか商系のいわゆる導入業者、種苗業者というものからも導入をいたして おります。ほぼ半分半分ぐらいの割合かなと考えてございます。  生産したものの販売でございますけれども、種苗を導入した業者が取り扱うというの が通常でございます。香川県漁連の種苗を入れると香川県漁連が販売をする、商系の業 者の種苗を入れると、その商系の業者が販売をするというのが通常のパターンでござい ます。中には生産者が個別に出荷をするといったようなものもございますけれども、こ れはごくわずかでございます。  それで、今回対象魚を養殖しております3業者につきましては、このうちの2業者に ついては、それぞれ個人でこの対象魚を導入してきたということでございます。残り1 業者につきましては、2業者のうちの1つが導入した種苗を入れているということで、 同じロットの種苗ということになってまいります。  本県の養殖カンパチの出荷先でございますけれども、先ほど申しましたように、県漁 連なり商系の流通業者が取り扱いますので、県漁連におきましては京阪神、それから、 関東といったようなところに出荷基地を設けておりまして、ストックヤードということ でそこから全国各地に流通していく。それから、商系につきましては、私どもよくわか りませんけれども、恐らく同じようなパターンで流通しているだろうと。本県の生産者 が出荷いたしますのは活魚でございます。一部、最近は鮮魚も増えてきております。鮮 魚につきましては、箱出荷というような形で1匹ずつ箱に入れますので、小回りがきく というようなことで、最近の流通ニーズにかなり合っているといったような状況がござ います。  そういうことで、本県の販売先、先ほどの宮崎県さんと違いまして、極めて多岐にわ たっております。水産物市場、それから、量販店、それから、個人出荷などでは料理屋 さんというようなところまで、かなり多岐にわたっております。大きいところから小さ いところまで、いろいろなところにそれぞれ出荷をしているというような形になってお ります。これがあと非常に難しい問題ということでなってきますので、そこら辺を少し 御理解いただきまして、資料の説明に入らせていただきます。  資料につきましては、添付資料ということで7ページものをつけてございます。それ から、更に中にまた出てまいりますけれども、別添1、2、3ということで補足資料を 準備いたしております。ただ、別添2につきましては、個人情報がかなり入っておりま すので、委員の先生、それから、関係の方以外のところは省略をさせていただいており ます。誠に申し訳ございません。よろしく御理解いただきたいと思います。  それでは、添付資料の方から御説明をさせていただきます。これにつきましては、国 の御指導によりまして項目を作成いたしました。  まず、1「出荷方式の概要」ということでございます。1ページ目でございます。 1)「出荷の形態及び出荷基準」ということで、この国の指導対象となった魚につきま しては、本県が独自に作成をいたしましたカンパチの生食用出荷マニュアルというもの を別添1でございますけれども、作成をいたしまして、これに従ってフィレの形で出荷 をするというふうにいたしてございます。生け簀の中から取り上げ、それから、フィレ に加工するまでの各段階で次の検査を実施する。それから、最終調理加工の段階でも確 認をしていただくというようなことで、都合5段階の検査ということにいたしてござい ます。このうち、3つにつきましては県が実施する。あと加工段階での検査、それか ら、調理段階での確認につきましては、それぞれの事業者の方にやっていただく。た だ、フィレ加工段階での検査につきましては、県が指導・監督、立会をするという形で いきたいと考えてございます。  次に、2)「検査」でございます。検査につきましては、中国での生産状況、それか ら、輸入時の混載状況について確認をするということで、搬入日ごと、それから、搬入 船舶ごとに検査をするということでございます。中国での養殖状況、それから、輸入時 の混載ということについて精査をいたします。中国での養殖段階でアニサキスの寄生が 認められた原因ということで、生餌というのが言われております。この生餌の使用状況 あるいは今回、御検討いただきますロットにつきましては、凍結餌料を使用していると いうことでございますので、そういう状況。それから、輸入時の船舶への積載・運搬状 況というものを確認いたします。  この検査で、養殖状況があいまいなもの、それから、輸入時にほかのロットの魚との 混載が認められるというようなものにつきましては、生食用出荷の対象とはしないとい うことにいたしてございます。  それから、2番目の検査でございます。内臓、腹腔内及び筋肉への寄生の確認検査と いうことで、(2)でございますけれども、この中を精密検査、詳細検査と2つに分けさ せていただきました。精密検査につきましては、60尾を抽出いたしまして、内臓、腹腔 内及び筋肉につきまして表面、それから、内部という検査をいたします。この検査でア ニサキスの寄生が認められた場合は、このロット全体を生食用の出荷対象とはしないと いうふうにいたしてございます。  それから、この60尾の精密検査で認められなかったものにつきましては、次のイの詳 細検査に掛けます。当初300尾の精密検査というような国からの御指導もございました が、なかなか時間とか労力という問題もございますので、これまでの協議の中で240尾 については内臓、腹腔及び筋肉の表面への寄生の有無を目視により確認するということ にいたしてございます。なお、胃につきましては、盲嚢部分の切開をいたしまして内部 への寄生についても確認をいたします。  この詳細検査で寄生が認められた場合は、このロット全体を生食用の出荷対象とはし ないということでございます。  それから、(3)フィレ加工時の内臓、腹腔内及び筋肉への寄生の確認ということで、 先ほどの精密検査、詳細検査におきましてアニサキスの寄生が認められなかったものに つきましては、フィレ加工に回せるということで、加工時にすべての魚について内臓、 腹腔内及び筋肉の表面、これは切断面になりますけれども、そこへのアニサキスの寄生 の有無を目視により確認をするということにいたしてございます。このフィレ加工時の 目視検査によりまして寄生が認められた魚体につきましては、生食用の出荷対象とはし ないということにいたします。  それから、(4)でございますけれども、調理者による筋肉寄生の確認ということで、 フィレ加工におきまして寄生が認められなかったものについては、生食用で出荷される ということになります。これが最終の消費者に販売されるときには、刺身なり切り身な りということで調理・加工されます。この段階で調理・加工する者に寄生の有無を確認 していただくということで、その段階で虫が認められたものについては、生食用として は販売をしないということにいたしたいと思っております。  それから、1ページ下の3)「検査の体制および方法」でございます。(1)の中国での 生産状況、輸入時の混載状況検査につきましては、生産者から検査に必要な書類等を県 に提出をさせます。県が別紙確認表とございますが、これは別添1の13ページ、14ペー ジでございますが、これは私どもの方でこの項目を押さえれば中国での生産状況、それ から、輸送時の混載状況が把握できると考えまして、つくった書式でございます。この 確認表を埋めていく、この作業の中で確認をしてまいります。ただ、書類だけでは不備 な点もございますので、必要に応じて生産者から聞き取りを行うということで検査をし てまいりたいと考えてございます。  それから、(2)の内臓、腹腔内及び筋肉への寄生確認でございます。まず、精密検査 ですが、この精密検査につきましては県が行うということで、内臓のうち、胃と腸管を 除く臓器、心臓、幽門垂、肝臓、脾臓、腎臓とございます。これにつきましては、粉砕 いたします。それから、胃及び腸管につきましては、それぞれ切開をして外部のみなら ず内部への寄生の確認も行います。また、胃、それから、腸管につきましては、消化法 によりまして組織内部への寄生の状況も確認するということでまいりたいと思っており ます。  それから、筋肉でございますが、筋肉につきましては、私どもの水産試験場の方でち ょっと考えさせていただきましたけれども、電子レンジによりまして加熱をいたしま す。非常に粉砕・すりつぶしが容易になりますので、レンジで加熱してすりつぶし、そ れから、UV照射でもって確認をするということでやってまいりたいと思っておりま す。  それから、イの詳細調査でございます。検査とか調査とか文字が統一されておりませ んが、詳細検査ということでございます。これは240尾についてですが、内臓につきま しては、脂肪層や幽門垂等を除去して胃のみを取り出しまして、外側全表面を目視によ り検査をいたします。それから、切開をして内側表面についても確認をするということ でございます。  それから、240尾開きますので、そのときには腹腔内部、それから筋肉切断面への寄 生状況も目視により検査をするということでやらせていただきたいと思っております。  それから、(3)のフィレ加工時の内臓、腹腔内及び筋肉への寄生の確認検査でござい ます。これにつきましては、この魚をフィレ加工するときに、先ほどの別添1のマニュ アルにございますけれども、これによりまして内臓、腹腔内及び筋肉への表面になりま すが、アニサキスの寄生状況を検査するということで、これにつきましては加工業者が 行うということでございます。その加工業者が検査を行いますけれども、県は検査の体 制でありますとか、あるいは方法等につきまして加工業者を指導する。それから、加工 の各工程におきまして指導いたします。それから、立会をして監督もするということで やらせていただきたいと思っております。  検査につきましては、具体的に内臓を除去するときに内臓表面への寄生を確認する と。それから、工程といたしまして頭を落として内臓を除去して3枚におろしてという いろいろ工程がございますが、その中の1つで成形・洗浄ということで腹腔内に残りま したいろいろな雑物、脂肪とかそういうものですけれども、そういうものの成形をし、 洗浄する。そのときに腹腔内の表面、それから、筋肉切断面、これへの寄生の状況を確 認する。更に、最後、検品・包装のときに更に腹腔内、切断面への寄生を再度確認する ということで、かなり厳重な体制でもって確認するということにいたしたいと思ってお ります。  それから、(4)の調理者による筋肉寄生の確認でございます。これは生食用として出 荷されましたフィレ加工品を消費者に販売する販売業者ですけれども、これを切り身あ るいは刺身という形で調理する段階で寄生の有無を確認していただくと考えておりま す。  それから、4)「情報の把握・提供」ということでございます。この対象魚を出荷し ようとする生産者につきましては、検査協議書ということで加工のための出荷でござい ますけれども、その日程、それから、検査の日程といったようなものを協議する必要が ございますので、これもまたマニュアルの中につけてございますけれども、様式1とい うようなことで検査協議書というものをつくっております。これによって具体的な検査 の実施について生産者と県が協議するという形にいたしてございます。  それから、県の精密検査、詳細検査によりまして、寄生が認められなかった魚はフィ レ加工に回すということになりますけれども、そのフィレ加工に回すときに、これもマ ニュアルの中にありますが、出荷計画書を県に提出するようにしております。どこの加 工場へ出荷をする、幾ら、何日、何尾出荷するということにいたしてございます。  県は、この出荷計画書に記載されましたフィレ加工業者に対しまして、先ほど申しま したような検査体制、それから、手順といったものにつきまして指導・研修を行い、ま た、加工時には監督・立会をするという形になります。  フィレ加工業者につきましては、これも中にございますが、出荷マニュアルの加工計 画書というものを、あらかじめ生産者との間で話ができた時点で計画書を県に提出する というふうにいたしてございます。この加工計画書には、いつ加工する、それから、ど こどこへ出荷する予定というようなことで計画を出させるということにいたしてござい ます。  県はこのフィレ加工業者につきましては、生産者が提出する出荷計画書で把握できま すので、この生産者、それから、フィレ加工業者、それと県の三者でもって協議をいた します。それで、どういう状況の魚であるか、それから、国の対象の魚、どういう経歴 で養殖をしてきたかというようなこと、いわゆる情報の共有を三者で行うというふうに いたしてございます。また、この加工業者に対しましては、販売に際してその情報を的 確に伝達するということを依頼するということにいたしてございます。  対象魚をフィレ加工場で検査いたしますけれども、この加工場に検査の責任者を置い ていただきます。その検査の責任者は、加工して検査をした結果を県に報告していただ くということいたしてございます。  県は必要に応じて提出されました検査報告書に出荷先も明記するようにいたしてござ います。そういうことで、この検査報告書により把握した出荷先、この業者に対してこ の魚の情報を提供し、調理・加工時には確認をするように依頼するということにいたし ます。  この加工場から出てまいります検査報告書に載っております搬出先が、調理・加工し ないというか、その前の段階の業者という場合もございますので、その場合に県はこの 業者に対しまして販売先の調理・加工、最終販売者にこの魚の情報を伝達し、それか ら、調理・加工時の検査を要請していただくというようなことで、県からお願いをいた します。  更に、その先といいますか、県の方で把握できる情報がございますれば、それは県か らも当然通知をいたします。対象魚の生産者、それから、フィレ加工業者、搬出先の業 者、それから、最終の販売業者、これらにつきまして情報を共有するということにいた したいと思っております。  それから、販売先の業者名等、香川県へ連絡するようにということで、出荷先の業者 に求めます。そういうことで県としては情報を把握していきたい、適正に管理していき たい。国並びに、これは県外へ出荷される場合でございますけれども、販売業者が所在 する自治体、この衛生部局に対しまして情報提供して、関係の自治体ともども監視をし ていこうと、依頼もお願いしていこうということにいたしてございます。  それから、2ページ目の一番下、5)「リスクの負担」ということでございます。基 本的には生産者がすべてのリスクを負うということにいたしてございます。ただ、生産 者から加工場が魚を買い取って加工する場合は所有権の移転がございますので、この当 該魚の所有者が責任を持って処分するということに相成ると考えてございます。なお、 本県の場合、今回の場合につきましては、生産者が加工業者に対して加工作業のみをお 願いするということで、加工した魚はまだ生産者のところに戻るというふうに今考えて おりますので、その場合は、生産者の責任で処分していくということになろうかと思っ ております。  なお、調理・加工の段階で認められた場合、これにつきましては、生食用として販売 できないということになりますけれども、これは調理、加工、販売をする者の責任とい うことになってまいると考えてございます。いわゆる販売者がリスクを負って、この魚 をそこまでして購入するかというような話もございますけれども、そういうことを理解 した上で売買契約が成り立つと考えてございますので、調理、加工、販売、この者にも 責任は及ぶと考えてございます。  3ページの下のところにずっとフローを書いてございます。先ほど来御説明申し上げ ましたように、出荷規制の対象魚、検査を(1)(2)のア、イというところまで県が実施い たします。それに合格したものについてはフィレ加工ということで、検査の(3)加工業 者によります全数検査という形になってまいります。それで寄生のないものについては 出荷をして販売店に引き渡す。最終の販売店で筋肉の寄生を確認して、販売をしていた だくというような形になります。  今回御検討いただきますロットでございます。2「当該魚の生産及び輸入に関する実 態」ということで、4ページに整理をいたしてございますが、詳細は別添の2におつけ しているところは見ていただければと思います。当該魚というのは、先ほど来御説明が ございました平成16年に採捕された種苗、平成16年の秋まであるいはそれ以降まで中国 で養殖したカンパチということで、平成16年秋以降中間魚として本県に導入したものを 指します。そのもののうち、今回ここにありますA漁業協同組合というところがござい ます。それと、B漁業協同組合というところがございます。この2つの漁協の組合員が 養殖している魚、2経営体が養殖している魚ということに限定をいたしたいと思ってお ります。  この魚の生産及び輸入の実態でございますが、1)「稚魚の採捕」につきましては中 国の海南省三亜というところでとったという履歴がございます。採捕時期は平成16年2 月となってございます。  それから、2)「中国での育成状況」でございます。場所につきましては、広東省の 陽西ということで、2004年2月から2005年5月ということで、養殖をされております。 ここの養殖場での全体の養殖尾数というのはわかりません。不明でございます。生産者 からの聞き取りでも不明ということでございます。  それから、餌の種類でございますが、サンマというのは読めたのですけれども、別添 2の方に中国からの履歴をつけております。私どもの国際交流課の担当職員もなかなか 読めない字があるのだなと思ったところでございますが、3種類の餌を使っているとい った状況が読み取れます。これらにつきましては、凍結・粉砕をして給餌しているとい うことがわかります。  それから、3)「日本への輸送状況」でございますが、これは2005年5月30日、福建 省の寧徳から船積みをしたという記録がございます。  それから、混載につきましては、運搬船1隻で輸送しております。船倉数が12という ことで、このロット2万6,000尾ございますけれども、この2万6,000尾で1船、これで 運搬をしてございます。ほかの魚は一切混じっておりませんということでございます。 この記録も別添につけてございます。  4)「日本での導入状況」でございますけれども、平成17年6月3日にそれぞれの漁 場に搬入されております。これは当初、この問題が持ち上がりましたときに全漁協に対 しまして調査を掛けました中から出てきております。6月3日ということで申告がござ いました。導入尾数につきましては、A漁協の漁場には6,047尾。それから、B漁協の漁 場には2万811尾という数が搬入されてございます。当初の飼育尾数はそれでスタート いたしました。  5)「国内養殖場における管理状況」でございます。これは当初尾数でございます。 現在尾数は若干のへい死もあるというようなことで、生産者からの生産記録というもの もつけてございます。これには若干のへい死を見込んでおりまして、概数で6,000、そ れから、2万ということで記述をされてございます。  餌につきましては、モイストペレット、船上型ということで、一般的な餌のやり方で ございます。  そういうことで、若干個人情報等もございますので、資料を省略させていただいたと ころもございます。よろしく御理解をお願いいたしたいと思います。  それから、3「精密検査の手法及び検査結果」でございます。まず、先ほどの来歴に つきましてはそういう状況ということで、かなり中国での養殖状況、それから、輸送の 状況もはっきりしたものということでございます。アニサキスの寄生というものは考え られないと思っております。このロットにつきまして、精密検査を実施いたしました。 この調査の手法及び尾数につきましては、厚生労働省さん、それから、農林水産省さん の助言のもとに行いますということでございます。  1)「検査手法」でございます。精密検査につきましては、寄生の有無及び内臓への 寄生が認められない場合にも、筋肉への寄生が認められないということを確認するため に実施したということで、検査尾数は60尾でございます。統計学的に95%の信頼限界で 感染率5%以下ということのための必要な数ということでございます。  検体魚の採取でございます。これは当事者と、それから、県のかん水養殖漁協、それ から、県の三者が連携してサンプリングを行いました。この検体魚の採取2万6,000尾 を1ロットとしまして、60尾を取り上げてございます。魚場が違いますので6,000尾の 生け簀の中から10尾、2万尾の生けすそれぞれの中から取り出しまして、それを合計50 尾ということでいたしてございます。  検体魚の採取はそういうことで行いまして、採取した検体につきましては、その場で 活け締めをして水産試験場に持ち帰ったということでございます。  それから、目視の検査でございます。内臓と腹腔内表面ということでございます。開 腹した検体魚から全内臓を取り出しまして、その内臓につきまして表面への寄生の有無 を目視により確認をしてございます。特に胃につきましては、内臓膜、脂肪等を除去い たしまして胃盲嚢の後端部を中心に詳細に観察をいたしました。  それから、内臓を取り出した後の魚でございます。これにつきましては、腹腔内をあ る程度きれいにいたしまして、表面への寄生の有無を目視と触診によりまして確認をい たしました。  それから、胃及び腸管以外の内臓、そこにありますような内臓につきましては、はさ み、メス、ピンセット等を用いまして細かく砕きまして、内部への寄生の有無を確認い たしてございます。  なお、内臓及び腹腔内の確認ということには、1つの検体につきまして2人以上の者 で行っております。  それから、精密検査1の内臓内部でございます。内臓の中からそれぞれの個体ごとに 胃と腸管を切り離しまして、はさみによって切開をし、内部への寄生の有無を確認いた しました。その後、1cm角程度に裁断いたしまして、これは4ないし5尾分という形に なります。おおむね150g程度ということで2Lのフラスコに収容いたしまして、消化 液を加える。37℃の恒温水槽で攪拌しながら3時間消化をさせております。この消化し たものにつきましては、金属メッシュでろ過をいたします。ほとんど消化をされてしま っているというような状況でございましたけれども、一部メッシュの上に残りましたも のにつきましては、ガラストレーに移してUV照射ということで確認をいたしました。  それから、消化の後のろ液といいますか、メッシュでろ過したろ液でございますけれ ども、これについても少しずつガラストレーに移しまして、静かに上澄みを捨てるとい うような形でアニサキスの有無を確認いたしております。0.85mmのメッシュでございま すので、ほとんど固形物は流れ出ていないという状況でございました。  それから、筋肉内部の検査でございます。これは腹部を中心に行いました。別図のと おりということでございますけれども、別図はつけてございません。申し訳ございませ ん。腹部を中心に行ったということでございます。1尾分を小さく切りまして、レンジ で加熱をしたということでございます。500Wのレンジで3分間加熱をしたもの、その 筋肉を取り出してバットの中で皮とか骨といったものを取り除いて、あとは手でよくも むようにして破砕をする。更に、ピンセット、はし等で細かく粉砕していったというこ とでございます。これをバケツに移しまして、温水でもって脂分を除去するということ で洗浄したということでございます。金属メッシュでろ過した後、少量ずつガラストレ ーに移しまして、これもUV照射を掛けまして確認したということでございます。  なお、この検査に際しましては、事前に天然魚も含めましてポジティブ・コントロー ルで確認をいたしてございます。  検査結果につきましては、ただいまの精密検査の結果からはアニサキス幼生は全く検 出されてございません。これは別添3の方に少し検査結果ということでつけてございま す。内臓につきましては1個体ずつ見ておりますので、こういう1〜60まですべて「− 」という格好になってしまいました。  それから、消化をいたしました胃と腸管ですけれども、これは4尾ないし5尾のとこ ろもあるかと思いますが、それぐらいずつを1つのフラスコに放り込んでやりましたの で、そういう形になっております。いずれの検査検体からも出ていないというようなこ とで、後ろの方に若干、写真をつけさせていただきました。こういう状況で検査をした ということでございます。  それから、6ページに移らせていただきます。4番、240尾の詳細検査でございます。 この検査につきましては、更に詳細にということで精度を上げるためにということでや ってございます。先ほどの60尾と合わせて300尾ということで、統計学的に95%の信頼 限界で感染率1%ということを保証するために必要な数ということで、先ほどの60を引 きまして240ということで検査をするということでございます。  検体魚の採取につきましては、先ほどの60尾と同じ形でございます。240尾を採取い たしまして、これにつきましては数が多うございますので、人力でさばくのは難しいと いうことで、香川県の漁連が県内に整備しておりますフィレ加工施設へ搬入いたしまし て、内臓除去なりあるいは筋肉断面への寄生の確認をいたしてございます。  このフィレ加工施設で加工工程の中で腹腔内、それから、筋肉断面の検査を私どもの 水産課の職員、県漁連の職員が行うということでございます。  内臓につきましては、水産試験場の方に持ち帰りまして胃、腸、幽門垂、肝臓、脾 臓、腎臓等各臓器の表面を目視により検査をするということでございます。また、胃に つきましては、外部の脂肪層、それから、1枚皮膜がございます。これを除去して膜の 中側も検査いたしてございます。それと、切開をいたしまして内部への寄生ということ でございます。  実はこれは一昨日、昨日と2日間で実施をいたしました。また、結果の方につきまし ては御報告申し上げますけれども、いずれの検体からもアニサキスの寄生は認められて いないということでございます。  次に、5「加工場における検査について」でございます。1)「検査の実施者」とい うことで、その加工場の加工責任者を検査の責任者ということにして、あと、加工の従 業員さんを検査従事者ということで、特に検査に当たっていただくということで考えて おります。  2)「検査手順」でございますが、船舶によりまして活魚の状態で加工場へ搬入する という形が一般的かなと考えております。搬入した魚は加工場のストック用の生けすに 一旦収容して、加工のスケジュールに合わせて取り上げ、加工をしていくということに なろうと考えてございます。  検査につきましては、頭部の切除から内臓除去、三枚おろし、成形、包装、梱包の過 程の中で行うということでございます。内臓の除去工程で内臓表面への寄生を確認する ということで、それから、成形の工程で腹腔内及び筋肉切断面への寄生の確認を行う。 包装工程で再度、腹腔内、筋肉切断面への確認を行うとしてございます。  これらの過程で寄生が認められた魚につきましては、出荷のラインから排除する。生 食用としては出荷しないということにいたしたいと思っております。  加工の責任者、いわゆる検査の責任者でございますが、これは検査記録というものを 作成いたしまして、万が一寄生している魚が認められたときにつきましては、その魚を 保管するということと、私ども県の方に報告をするということでお願いをしてまいりた いと思っております。  報告を受けましたとき、県はその加工場へ赴きまして当該魚を検査する。それから、 その寄生の状況を確認して、必要に応じて同一の生けすあるいはそのライン上のものに つきましても検査をする、立会をする、指導監督をするということで対応したいと考え てございます。  それから、3)「検査実施者に対する研修」でございます。加工業者ですので、ある 程度アニサキスについても見識があるかなと考えておりますけれども、なお、アニサキ ス幼生の形態ですとか寄生の状況、これは別途資料をつくりまして研修をしたいと考え てございます。それらを個別に説明をするということと、それから、各検査の工程、先 ほどの加工工程の中にございますけれども、それぞれの検査の担当者を確認いたしまし て、寄生した魚の排除徹底を指導するということでやってまいりたいと考えてございま す。  それから、具体的には内臓検査でアニサキスを確認したと。そのときには、魚は既に 成形加工に進んでいるということが考えられますので、その段階で作業担当者に通知し て排除していただく。成形のときは自分で触って見ておりますので、その時点で寄生が 確認されれば、その段階で排除するというような形でやってまいりたいと考えてござい ます。  4)「記録方法」でございます。先ほどの検査の責任者が毎日午前・午後、これは通 常の加工場では午前・午後の作業になってございますので、それぞれの作業ごとに寄生 したものがあれば記録簿にチェックをして、あと実際に排除した魚の数と合わせるとい うことで確認をとっていきたい、記録をとっていきたいと考えてございます。  5)「県による立ち会い方法」でございます。県の担当者ということで、私ども水産 課の養殖指導担当の職員、それから、水産試験場の漁業担当の職員ということで考えて おります。加工場での検査・指導につきましては、このうちの2名体制で行いたい。  それから、常時つきっきりというわけにはまいりませんので、当該ロットの魚の販 売、それから、加工のスケジュールに合わせまして、これは生産者と加工業者と県とい う三者の協議になろうと思っておりますが、そのスケジュールに合わせて、ここでは適 宜と書かせていただきました。回数を特定することが今の段階ではできませんので、協 議の中で立会指導についてはやってまいりたいと考えてございます。  それから、6)「保健所の食品衛生監視員による監視」でございます。今現在、私ど ものこのロットの魚につきましては、県外での加工ということを計画しております。生 産者がそのように今準備をしてございますので、県外での施設ということになります と、なかなか衛生部局の方は対応が難しいという部分もございます。加工施設の所在す る自治体と十分な連携を図って衛生指導を行うということで、これは、また関係する自 治体との協議の中で指導監督についてやってまいりたいと考えてございます。  それから、6「調理段階における確認について」でございます。本県の場合フィレ加 工場からの搬出先というのは冒頭申し上げましたように、水産物市場あるいは量販店、 鮮魚店、飲食店と非常に多岐にわたると考えられます。また、水産物市場から更なる量 販店なり鮮魚店という販売先が考えられますので、フィレ加工の段階、いわゆる加工計 画書なり検査結果報告書という時点で私どもが報告を受けました時点で、最終の調理加 工者を特定するというのが非常に難しいかなと考えてございます。そういうことで、フ ィレ加工場からの搬出先をまず1次販売先と呼ばせていただきますけれども、そこにつ きましては、検査結果報告書で把握できますので、その先2次販売先と仮に呼ばせてい ただきますが、その業者を把握することは非常に難しいと。商取引上のいろいろな問題 もあると考えてございます。そのため、調理加工段階での確認につきましては、フィレ 加工業者から1次販売先に対しまして、当該魚の性格なり情報を提供して検査をお願い する、2次販売先に十分に伝達するようにお願いするということで、調理加工段階での 確認作業を担保したいと考えております。  1次販売先については県の方でも把握できますので、県からも情報提供して、更に2 次販売先への情報の伝達、それから、調理段階での確認の実施ということを県の方から もお願いしていくということにいたしたいと思っております。  調理・加工段階での確認につきましては、食品衛生法上の対応というような形にもな ってまいります。問題が生じたときの迅速な情報のフィードバックというのが重要であ ると考えておりますので、2次販売先以降につきましては、少なくとも1次販売先のと ころで確実に把握できるように、必要に応じて情報を私どもに提示できるようにという ことで、伝票の整備等を徹底するように、これは指導をしてまいりたいと考えてござい ます。  本県の場合、非常に複雑な流通経路をとってございますので、先ほどの宮崎さんのよ うに三者の合意という話も難しいかなと思っておりますが、最大限努力をしてまいりた いと考えてございます。  以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○竹内座長  ありがとうございました。  この後討議に移るのですが、5分ほど休憩をとってちょっと一服して。では、45分ご ろに、またお集まりください。                   (休憩) ○竹内座長 宮崎県と香川県の方々は大変御苦労様でございました。それでは、宮崎県と香川県から 提示されました件につきまして、まず委員の先生方の御質問なり御意見を承りたいと思 いますが、何かございましたらどうぞ。 ○川中委員  香川県で1つお伺いしたいのですが、60匹の精密試験というものの筋肉ですが、いわ ば可食部分ですよね。それは一部分の検査をされたのですか。筋肉部分については、食 べる部分については全部おやりになったのではないのですか。 ○香川県  当初は全部やろうと思ったのですが、なかなか魚が大きゅうございますので、腹部を 中心にさせていただきました。それで、大体全体3分の1ぐらいの量になろうかと思っ ております。尻尾の方などは省かせていただきました。 ○川中委員  腹部という意味は、内臓があって恐らくアニサキスは内臓から拡散していくだろうと 我々も想定するのですが、それを腹腔の方をそぎ取るというのではなくて、どういうよ うな形で。図を示すというところがないのでわからないのですが。 ○香川県  申し訳ございません。私を魚と見てください。頭があって、ここにエラがありますけ れども……。 ○事務局  よかったら、ホワイトボードで。 ○香川県(ホワイトボードで説明)  こういうふうにカンパチがあって、ここが肛門ということにさせていただきますが、 ここに側線があるということですけれども、こういう形で肛門より少し後ろまでそぎ取 りまして、これぐらいのところでございます。ここに心臓があって、胃がありますの で、ここはエラですけれども、この部分でございます。  私どももいるとすれば、この辺りと考えましたので、ここに腎臓が通っていますけれ ども、これから広がっていくということであれば、まず、この腹腔のところ、それか ら、側線から若干上ぐらいまでですけれども、こういう形でとれれば余りこの辺りには うつることは考えられんと思いましたので、ここの部分でさせていただきました。  1匹が大体この魚で4.5kg、小さいもので3.8kgございます。頭と骨、尻尾をのけまし て可食部だけでもかなりな量になります。これを60匹という話になりますと、やってや れないことはありませんけれども、時間と手間が物すごく掛かってしまいますので、ち ょっとはしょらせていただいたという感じでございます。 ○川中委員  それから、もう一つよろしいですか。アニサキス検査にあたって筋肉に電子レンジを 掛けてから実施したいということで、香川県の水産試験場の方からそういう方法でどう だろうというようなことでお話がありました。元々この方法はアメリカのFDAが採用 しているもので、フードプロセッサーを用いて筋肉を破砕し、UV(紫外線)を透過す ることによってアニサキスの蛍光を検出しようとする方法です。実は以前からアニサキ スに関しては魚体を冷凍して、つまりアニサキスも冷凍処理後だとよく蛍光を発して検 出し易いということが知られておりました。生の状態で検査することはアニサキスが動 いているということで認識できて探しやすいというメリットがあります。しかしなが ら、冷凍しても非常に蛍光を強く発するということで、アニサキスの蛍光物質は、恐ら くクチクラの表面なのですが、温度には非常に安定なものだろうと思っていました。  今回、そういうようなお話があって、私も実はアニサキスそのものを電子レンジに掛 けてみたのですが、問題が無い事を確認してお伝えした次第です。それにしても宮崎県 の方は30秒、香川県さんの方は見ると3分電子レンジ処理やっていますね。それで、心 配するのは虫そのものがそういう長時間処理をした場合、表面の蛍光は余り変わらない と思うのですが、その後筋肉をぐちゃぐちゃにする中で、アニサキスが見えにくくなる のではないかということです。その辺りのデータをおとりになっているということです から、後で見せていただきたいと思うのですが、そういう配慮はどういうふうなことだ ったのでしょうか。 ○香川県  まず、この筋肉でございますけれども、このままではレンジにちょっと入り切らない ものですから、これを幾つかに切って、時間については中に入れる筋肉の量との兼ね合 いなのです。それで、余り時間が短くても、いわゆる生煮えの状態で今度はほぐすとき にほぐせなくなってしまうということがありますので、いろいろ試行錯誤をやってみ て、お皿の大きさとか、要するに何グラム入れるかという話もございますけれども、そ れで一応3分というのがまず一番適当な、要するに若干レアな感じ。 ○川中委員  虫の蛍光の方はどうだったのでしょうか。 ○香川県  虫については、残念ながら今回の60尾からは虫は見つかりませんでしたので、ちょっ とあれなのですが、その前にやりましたものを別に「カンパチの筋肉中に寄生するアニ サキス幼虫の確認方法について」というものを今日お持ちさせていただきました。その 2枚目の一番下、これはちょっと写りが悪くて申し訳ないのですが、実際の写真はもう 少し光っているのですけれども、プリンターの関係もありましてこういう感じなのです が、骨と同じ程度に光ります。骨はかなりピカッと光るのですけれども、ちょっと写真 では写りは悪うございますが、骨と同じ程度に光るということで、この方法はいけると 私どもも考えました。 ○竹内座長  ありがとうございました。今の点に関して小川先生と熊谷先生、何か御意見ございま すか。よろしいですか。そうしましたら、今の点はまたいろいろ御配慮いただいて、注 意を払っていただくというような形でよろしいでしょうか。  ほかに何か委員の先生方から御意見ございますか。 ○熊谷委員  済みません、1つ教えていただきたいのですが、フィレ加工の仕方というのは一通り の方法、先ほど3枚におろして包装というお話でしたけれども、これは1種類と考えて いいのですか。 ○香川県  恐らく日本でも製造されていますけれども、フィレマシーンという機械がございま す。要するに、魚は両側に身があって真ん中に背骨がございますけれども、それを機械 に入れますと歯がちょうど背骨の幅で動きまして、左右の身がいわゆる3枚おろしにな るという機械がございます。ある程度魚のサイズによって歯の間隔などは変えられます けれども、システムは全く同じだと思っております。私も世界じゅうのものを見たわけ でもないですが、システムとしてはそういうフィレマシーンという機械でやるというこ とで、多少背骨の肉のつき方がどうこうというのはあります。それは歯の幅を調整する ことでそうなりますけれども。 ○熊谷委員  そうすると、この加工場を出る養殖カンパチについては、すべてそのような形で。 ○香川県  そうです。3枚おろしの形で、要するに左右の身だけという格好になります。 ○竹内座長  ほかに何かございますか。 ○小川委員  まず、宮崎県さんも香川県さんも多分当然とお考えだと思うのですが、明言されなか ったので一応確認なのですけれども、今回アニサキスがいるということは中国で生の餌 をやった結果であるということで、日本ではそういうことは、勿論生餌は与えないとい う条件ですけれども、日本では起こっていないという認識でいいのですね。 ○香川県  ということはどういうことでしょうか。 ○小川委員  向こうで生で餌を与えたから今のカンパチの中に虫がいると。日本ではそういうこと はやっていないから、日本では寄生は起こっていないと。 ○香川県  日本で養殖中に例えばカンパチにアニサキスの寄生が生じ得るかどうか、可能性はな いとは言えないと思います。 ○小川委員  そこまでお考えの上でですか。というのは、そうすると、ロットをどういうふうに考 えるかということになると思うのですね。ロットの定義もちょっとはっきりとおっしゃ らなかったので、ロットごとにという表現はあったのですが、例えば、香川県の場合1 つの船で2業者用に運んできたわけですよね。それで、もう一つは、そこからまた分荷 をしたという形でしたか。 ○香川県  そうですね。1隻の船のうち。 ○小川委員  だから、元は1つですよね。日本で寄生が起こらないということであれば、持ってき たときの全部を1つのものとして扱っていいと思うのですね。そうじゃないとすれば、 日本に入ってきてからどの段階でどういうふうにロットを分けるかということになって くると思うのですよ。今の御発言だと、日本でも寄生が起こるとしたら、また、そのロ ットが細分化されてそれぞれのロットになるわけですよね。養殖の仕方が違うわけで す。 ○香川県  といいますか、要するに養殖の仕方というか、人工的な養殖管理の中で、少なくとも 私は香川県しか知りませんけれども、香川県の養殖管理の中で寄生することはないと考 えています。 ○小川委員  いいえ、このケースでいいのです。このケースを審査するわけですから。ですから、 このケースでは中国で寄生が起こっても、日本ではその後は起こっていない。 ○香川県  この魚について養殖管理の過程で寄生することはない。 ○小川委員  そういうことは、ですから、中国から来た船を1つのロットと見るということですよ ね。それを余りはっきりおっしゃらなかったので、ちょっと確認です。宮崎県もそうで すよね。 ○宮崎県  そうです。 ○小川委員  それで、また宮崎県の場合がちょっとよくわからなかったのは、精密検査の後の次の 段階の検査のときに、240調べるときに30掛ける8生け簀を調べたというのですけれど も、同じお考えならば別に240のどこからとっても同じということですよね。 ○宮崎県  1ロットですね。 ○小川委員  1ロットですから。それは何か特別な意味があって、ロットとしてそれは別々にお考 えになってやられたことなのですか。 ○宮崎県  これは今からやる話になるのですね。240は。要は、その240をどこからとるかという 問題だけで、うち基本的には1ロットなのでどこからとってもいいと思っています。た だ、実際加工場に運ぶときには生けすごとに運んでいくのですね。ですから、当然とり 方としてはむらなく全体からとりましたという形を一応とっておこうということだけ で、特に強い意味はありません。 ○小川委員  私もどこから取っても何匹調べたかというのが重要であると思います。  それから、60調べて5%の寄生率の危険度がというお話で、更に240足して300のとい うことですけれども、そうすると1%の確率でということですが、そもそも検査レベル が違いますよね。ですから、それ60+240にはならないはずなのですよね。合計の300に ついて、言わば第2段階のレベルでは寄生がなかったという証明にしかならないと思う のですよ。精密検査レベルで300やって1%と言うには、やはり240も60と同じことをや らなければ統計学的には言えないと思うのですよね。これは考え方なのですけれども、 それがあります。  ただ、私は一番大切なのは、中国で今回の場合は生餌をやっていなかったということ ですよね。その記録ないし証明するものがあるかないかが一番重要だと思うのです。も し、それが証明できれば、検査だってほとんど要らないはずなのですよね。それをどれ くらい、それが不完全なら検査をするしかないわけですけれども。  あと混載ですよね。ロットが混じってしまうということも輸送の段階、香川県の場合 はないと思うのですが、それから、あと国内飼育でもそういうごちゃ混ぜにしなかった という記録がありますよね。それをやはり県の行政がきちんと保証するとか、そういう ことができていれば、話はかなりすっきりして良いと思います。  それから、もう一点あえて申し上げれば、あと240もやる必要があるのかなと私は正 直思います。ですから、それは元のところがしっかりしていないから、どんどんそこま で後退してやらざるを得なくなってくるわけですよね。だから、本当は最初のところか らどんどんしっかり押さえていくのが本当は一番プロセスとして大切だったと思うので す。それを逆に、そこが余りはっきり言えなかったのかなという印象を持ちました。 ○宮崎県  うちで輸入業者にも実際に聞き取りをさせていただいたのですけれども、うちも確か にそれが一番欲しかったのです。中国側できちんとした記録があると。それを証明でき るところがあるというのが一番ベストだと思っていました。実際にいろいろ聞き取りを する中で、そういった養殖業者の方が中国では非常に少ないのか、いらっしゃらないの か、私が聞いたところではいらっしゃらないという話でしたけれども、それで結局証明 がとれなかったということ。最終的には、もう種苗輸入業者の言われることを信用する しかないということでした。  それで、では実際に、信用の中で本当にそれがうそであれば、例えば、精密検査をし たときに出てくるのかもしれない。それで、うちもちょっとびっくりしながら60匹筋肉 すべてをやらせていただいたのですけれども、実際にいなかったということで、ある程 度生産者、種苗輸入業者には責任のもとで、これはうちは国と協議させていただくとい うことで、きちんと話をしておりますので、最終的にはうちは種苗輸入業者なりの言っ たことを県の責任としてきちんと安全確認をしながらやる必要はあるのかなと思ってい ますし、当然、問題が出たときに最終的に責任を負うのは種苗輸入業者であり、養殖業 者なわけですから、そこはお互いがきちんと責任の所在をはっきりしてやるべきだとい うことで提案させていただいております。 ○小川委員  私は60でもいいかなと思います。 ○竹内座長  言わば輸入食品に相当するものじゃないですか。やはり2つの県とも一番大事なこと はオリジンをきちんと特定化、かつ、クオリティ・コントロールができないと、小川先 生が言ったように、後から山のように検査してどこまでをロットとするのだ、どこまで は検査するのだという話に多分なると思うのですよ。  輸入食品の問題というのは、やはりほかのもそうですけれども、きちんとオリジンの クオリティ・コントロールができるという前提で物事が考えられるのが筋だろうと思う ので、2つの県ともその辺のところは方法そのものの検討もそうですけれども、やはり 本来の輸入食品に係るところの努力を払っていただくべきだろうと思います。  方法は、私も小川先生も同じ感じを持ちましたが、非常によく努力されているのは見 えていますので、方法論についてとやかくというのはありませんが、やはり流通の過程 をきちんと押さえるというのが一番大事かなと。  それから、もう一つ2つの県とも懸念されていましたのは県外への流通ですね。県外 への流通でできるだけ情報をシェアして、クオリティ・コントロールをとおっしゃって いましたが、やはり他の都道府県でカンパチの養殖をしていない県に流通していく場合 には、温度差が多分あると思います。そうしますと、香川県さんとか宮崎県さんの方で こうやって、ここで調理のときに注意してくれと言っても、少し難しい局面もあるかな と思います。その辺のところは、やはりまた厚生労働省、水産庁その他と御相談いただ いて、しかるべく対応していただくというしか今はできないようですね。 ○香川県  私どもも、この魚については香川県で養殖をしていた魚ということになりますので、 例えば、東京の方へ流通してきても香川県の魚という話になりますので、私どもが把握 できる段階までは少なくとも香川県の私どもの方で責任を持ちたい、最終的な問題が生 じたときの責任というのは当然、食品衛生の問題がありますから、生産者なり何なりと いう話になりますけれども、少なくともそれが出ていく先の都道府県さんに余り迷惑は 掛けたくないというのが私の考え方でございまして、ある程度できるところまでは私ど もの県で責任を持って対応したいと考えております。 ○竹内座長  1つ宮崎県と香川県と比べて確認いたしたいのですが、240という対象にした検査で、 香川県の方はいきなり加工工程に240を乗せてしまって、そこの過程で検査をしている ということですね。宮崎県の方はそうではなくて、加工過程ではなくて240は240で出荷 の以前にと。加工過程の前にですね。 ○宮崎県  どうなるかわからないのですけれども、240についてはうちは出荷ではなくて、その 240使った分については処分しようと思っています。いろいろあってですね。 ○香川県  私どももフィレ加工場に持ち込んでやりましたけれども、それでできた製品を出荷す るということではありません。それは出荷に出しません。 ○竹内座長  そうですか。ただ、加工工程と書いてあったので。 ○香川県  加工施設ということでございます。240を手でさばくというのは大変な話です。60匹 やったときも私ども大変えらい目に遭いましたので、240についてはもう機械でやって しまおうということでございます。そういう意味でございます。 ○竹内座長  それは外へは出ないと。 ○香川県  出ません。 ○竹内座長  検査結果にかかわらず。そうですか、わかりました。  ほかに何か先生方ございますか。 ○小川委員  1つ質問です。宮崎県さんの4ページの生鮮出荷方式フローの中で、先ほどの240匹 というお話の次のところで、セミドレス、フィレ加工とあるときのセミドレスというの は具体的にどういう。 ○宮崎県  通常ラウンドで内臓がついたままで箱詰めで出荷されると思うのですけれども、セミ ドレスというのは内臓だけ抜いた形です。 ○小川委員  要するに、3枚におろすということですか。 ○宮崎県  いいえ、3枚におろしません。ラウンドのままで内臓を抜いた形です。 ○事務局(厚生労働省)  頭は。 ○宮崎県  頭は落ちていないということです。 ○香川県  頭を落として内臓を抜いたものがドレスという形になりますので。 (「セミドレスの「セミ」というのは」。) (「頭がついているのでドレスとは言わない。だからセミドレス。」) ○竹内座長  あと、ほかにございますか。それでは、もしオブザーバーの方から御質問なり御意見 があれば、承っておきたいと思うのですが、何か御意見ございますか。 ○高知県  高知県です。例えば、今日2つの県から提案があったものが仮に認められるとして、 それぞれの県にはいろいろな段階の養殖業がいると思うのですね。同じ時期に同時に全 部の種苗が入ったわけではありませんので。今のお話ですと、出荷の直前にその検査を されるということですが、前もってそういう検査をすることで出荷のときにも大変な作 業をしないで、魚がもっと小さいうちに検査することで、後の生鮮出荷を認めていただ けるようなことにはならないのでしょうか。全国には随分たくさんの魚がいて大変なこ となると思うのですよね。出荷の段階までみんな餌を与えて。その段階でもうだめだっ たら、そこでやめることができますので、生産者のリスクというのがそこで小さくでき ます。その辺りを御検討いただけたらと思うのですが。 ○竹内座長  事務局の方いかがですか。それは今回の議題には入っておりませんので、今後そうい う都道府県からお申し出があればということに多分なるのでしょうか。 ○事務局(厚生労働省)  少なくとも宮崎の例で言うと、まだ出荷サイズではないですよね。だから、今の段階 でお調べになられているというのは、まさに今おっしゃられたようなことを既に始めて いらっしゃる。だけれども、この段階で例えば見つかったら、そのロット自身は凍結で 処理するか、何らかのやり方をやるというやり方ですが、まさにそれは既に今やってい るような話というふうに理解していただいていいと思います。 ○竹内座長  よろしいですか。  先ほども言っていた廃棄というのは、凍結という意味ですか。それとも本当に捨てて しまうのですか。 ○宮崎県  はい。 ○竹内座長  凍結で出荷という選択はどうなのでしょう。 ○宮崎県  凍結で出荷をするということですか。それは買い手がつかないということで、値が非 常に下がる。流通業界でどのくらいというのはあるのですけれども、大体100円ぐらい しか値がつかないという話は聞いております。 ○竹内座長  そうですか。ほかにそちらの方からどうぞ。 ○鹿児島県  鹿児島県の水産部局でございますが、今初めてこういう方法もあるのだなということ をお聞きしたわけでございます。実は、鹿児島県は全国のカンパチ養殖の半分を占めて おります。まさに一大生産県でございまして、その分今回の中国産の中間種苗のものに ついては、半分は持っているわけですね。したがいまして、既に処分をされておられま す。6月15日に国の判断が出た段階で、直後でございますけれども、アニサキスが生き ているものについては処分しようということで20万尾をすぐ処分いたしました。冷凍し て魚粉の方に回したということがございまして、その後も段階的にやったりしておりま すし、かつ、ここで言う生産履歴がはっきりしているものがあるよと、前から業界の中 ではそういう声がございまして、今日出していただいたものも大体そういうものを拾っ ていくという御判断なんですね。今回は申告みたいな感じになっておるわけですよ。出 されたものを批判しているわけではなくて、これまでの経緯を申し上げておきたいの は、十分おわかりいただいているとは思うのですけれども、申し上げておきたいなと思 いますのは、白黒がわからない、そして、これまで我々もいろいろ御指導いただいた中 で、白黒がわからないし、1匹でも出ると大変なことだということで、危険率の云々と いうお話が初めて出てきたわけでございます。したがって、混在するものもあるだろう し、餌が生餌で使ったかどうかもはっきりしないよと。利用者に聞きますと、それはち ゃんとわかっているのだと言っておったのですが、そういうことはないのだということ が根底にございまして、やむなく最近になって既に白だと自分たちで言っていた業者も 処分をしているというのが実情でございます。そうした方々のこうした方法が採用され てできるということになりますと、現場ではやはり混乱が起こるだろうなというのが1 つはございます。  それと、更に1匹でもアニサキスに感染をしたという例が今後もし出てきますと、鹿 児島の業界はそうしたことがないように、やはり疑わしいものはすべて処分するという ことを業界自ら、これは全海水も一緒でございますが、お決めになったという前提のも とに県の方もいろいろ国の方とも協議をしながら、冷凍処分の一部を補助するとか、あ るいはPRする方法もあるだろうと。そして、かつ、全数処分をすることでやはり消費 者に安心感を与えるということがあるだろうということを大前提に、業界もそういうこ とでございましたので、今進んでいるということでございます。そこは是非、御理解を いただきたいということでございます。  それと、今日の御説明の中で、県が行われる場合は、いわゆるアニサキスが見られた 場合には全部処分するのだけれども、加工業者等で検査されるときには、アニサキスが 入っているものは処分するけれども、入っていないものはこの表で見ますと、もう流通 に乗せるのだというお話のように承ったのですが、本来鳥インフルエンザにしても、あ れはウイルス性の疾病かもしれませんけれども、そうしたものはずっと保存して最後ま で調べて、その上で1匹でもウイルス性の疾病が出たと、感染が確認されたと。それは 保健所の検査員がすべてされますが、今回はそうした代理人的な形で検査をされて、そ して、いわゆるアニサキスでないと判断するわけですね。片方は廃棄処分にするけれど も。だから、そこはどうなのだろうかなという、私は今日お聞きして、やはりそのロッ トで出されるという、1つの生け簀で出されるというのは実際の出荷数、経営体でござ いますので、そこはやはり危険なものが、もし、流通に乗せる前の段階で加工業者なり あるいは販売業者で見つかった段階では、そこは全数処分というのが基本ではないかと 感じた次第です。 ○竹内座長  ありがとうございました。この件は、また農水省あるいは水産庁あるいは厚労省も絡 みまして、また今後検討が進んでいくと思いますので、意見は今日は承るということに させていただきまして、ほかに後ろから御意見はございますか。 ○全海水  私は、実は鹿児島なのですが、今日はかん水の方から出席させていただいておるわけ ですが、まず、国の今回の厚生労働省の指導というのは何なのか、我々は国の指導に従 って、本当にみんなに同等なのかと。また、県に帰れば我々としてはこういう指導も出 たと、それについてどうなのか。疑わしきは処分しようじゃないかと、これは大変なこ とだと。出たら大変よというようなことの中で、やはりそういう協議を重ねてきたと思 っているのです。そういう中で、致し方ないなと、早目に目的を立ててやるよりもした 方がいいじゃないかということで処分した人、真面目な人がばかを見るのかと。今まで もこういうことは言ってきたわけで、白黒何とかならないのかと。私も漁業者として何 とか白は白で認めてほしいという気持ちが最初はあったわけで、どうにもならんのかと 再三聞いたけれども、これは覆らないのだと、白も黒もないのだというような話の中 で、確かに私も中国に見に行きました。寧徳にもわざわざ現地まで。確かに、寧徳の方 は全部生主体です、冷凍ものは高いです。そういうことを言ったって致し方ないけれど も、国の指導というのは何なのかと。真面目な者がばかを見るのか、横着者が得をする ということのないようにしてほしい。何といっても安心・安全なものを提供していくの だという一つの基本姿勢を全海水としても貫いていきたい。1匹でも出たら大変だ、ま してや今さっき協議されていますけれども、私は宮崎県も香川県も大変努力されている と敬服しております。ただし、その中で例えば、疑わしいものが疑わしいよと、そうい うアニサキスの懸念がある中間魚が入ったよというようなものを本当に量販店が、そこ まで努力して正規の値段で売ってくれるのだろうかと。そこまでいって、例えば餌代も 出てこないような買い方・売り方されるのであれば、正規のカンパチまでも値を崩して いくことになるのではないか。この虫の話からちょっと外れるとは思いますけれども、 総体論で考えた場合はそういうところが危惧されますので、一つ申し添えておきたい、 そういうふうに思います。 ○竹内座長  おっしゃったことは私にはよく理解できますが、やはり先ほどの鹿児島県の方の御意 見と基本的には同じといいますか、今後の関係省庁の検討の中で、また各関連都道府県 との交渉がございましょうから、そこでまたやり取りしていただくということに多分な ろうかと、今日はそう思います。ただ、御意見のほどはよく承りましたので、何らかの 形でまた。  ほかにございますか。 ○鹿児島県  鹿児島県の衛生部局の者ですけれども、一応アニサキスの危害を除去するという意味 で、国の指導文書に従って冷凍等の処理を水産部局の方で指導されて、衛生部局はそれ を確認するという業務を今まで行ってきたわけですけれども、今回の冷凍とかそういう 処理であれば、温度の自記記録等を確認することで危害が除去されたということを検証 できたわけですが、今回の宮崎さんと香川さんの案の場合には、衛生部サイドとしてそ の危害が除去されたというのを確認するのは、記録だけでしか確認できないだろうと思 うのですが、それで十分なのかどうか、その辺の判断をお聞かせ願えれば。 ○竹内座長  今の御意見は、宮崎県と香川県の両方の方法に多分共通しておると思うのですが、や はり先ほど小川先生もおっしゃったことと思いますが、すべてにわたってやはりきちん としたバックグラウンドのデータと、そもそもの出だしから、それから、流通、出荷、 加工、検査、それから、加工過程に乗せる、それから流通過程に乗せるというところ で、やはり他県に行った場合はどうなるんだということも申し上げたとおり、おのおの のステップできちんと情報をとっていただいて、その信頼度を確認していただいて、そ れで関係者にシェアしていただくというのは、やはり基本かなと思います。それは香川 県におかれましても、宮崎県におかれましても、やはりもう一度きちんと徹底を関係者 にしていただかなければいけないのだろうと私も思っております。それは一つ私からも お願いいたします。  ほかにございますか。それでは、先ほどの川中先生、それから、小川先生の御意見に 基づきまして、幾つか私が今申し上げたように、情報の信頼度、それから、各過程にお ける信頼度の確認はきちんとやっていただくと。  それから、川中先生が御指摘になった蛍光を使った方法のもう一回再確認を行ってか ら、やはり多分方法を少し手直しとまではいかないかもしれませんが、やはり少し水産 試験場その他で検討をしていただいた方がよろしいのかなと、川中先生が指摘された点 は思います。  それから、小川先生が御指摘になった点も私と似ているところがございますが、一番 重要なのは、60匹の検査方法と240匹の検査方法は違うので、それを足してどうこうと いう議論は、確かになかなか成り立ちにくいのですよね。ですから、60匹を精密検査さ れて更に240匹を目視でされるというのは、私としては確認した上で更に追加確認をす るという意味で別に悪いとは思いませんが、この方法両者、特に香川県の方はマニュア ルというふうにされておりますので、やはりそれが流通していった場合に、60匹を精密 検査で、240匹を同じ方法でやれば、確かに統計学的にはこういうふうに数字が出ます けれども、違う方法でやっていますので、その統計学的な厳密な評価というのは実はど ういう評価をしていいかというのは、かなり難しいですね。ですから、その辺のところ をもう一回押さえられて、マニュアルをリバイスすべきところはリバイスしていただく という方が、多分よろしかろうと思いますが、その辺はまた水産庁あるいは農林水産省 あるいは厚労省の方とも相談していただいて確認していただくのがよろしいと思いま す。 ○監視安全課長  済みません、1つよろしいですか。今の60、240の話なのですけれども、その考え方、 とらえ方があると思いますが、少なくともどのベースラインで検査をしているのかとい うことさえ明確にすると、統一化できるのではないかと思うのです。60と240の比較で いくと筋肉はやっていないけれども、内臓は全部見ているという前提になっています。 そういう視点でとらえると、229をトータルでやっているというとらえ方も決して私は 間違いではないのではないかと思います。確かに、その説明の具合で足し算のどうのこ うのと御説明をすると……。 ○竹内座長  その説明の具合を言っているのです。説明の仕方を60+240という方法が違うものを 足して1%の限界だと言った場合、我々は統計学者ではないので、そうかと思ったので すが、統計学の立場から見たら、クレームがつくかもしれません。 ○監視安全課長  説明ぶりということになるのだろうと思います。 ○竹内座長  そういうことです。ですから、特に香川県の場合はマニュアルをつくられております ので、その辺の説明ぶりをもう一回本省サイドと御検討いただいて。ですから、今日の 結論とすれば、私としては出荷方法について今出た意見を基に一部改編していだたい て、この検討会ではよろしかろうという結論にいたしたいと思いますが、先生方よろし ゅうございますか。  それでは、そういうことで一部改訂していただいた上で、今回はやっていただく、ゴ ーサインを出すということで。  あとは、事務局の方へお返しいたします。 ○事務局(厚生労働省)  それでは、今、竹内先生にまとめていただいた意見を基に関係県と御相談させていた だきまして、最終的には必要があればまた各委員に御相談させていただいた上で、関係 県に通知等で今回の出荷方式を周知したいと思います。  また、今後の話なのですが、今回の方法と同様の要請があった場合につきましては、 改めてまた検討会を開くまでもないと思いますので、そこは座長の先生と相談させてい ただいた上で同じような対応を取るようにさせていただきたいと思いますが、また全然 異なる別の出荷方式みたいな要請があった場合には、今回の検討会で再度御相談させて いただく場合もあるかと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。  それでは、最後になりますが、厚生労働省の監視安全課長の方から一言ごあいさつを 申し上げます。 ○監視安全課長  長時間どうもありがとうございました。大変貴重な御意見をちょうだいいたしまし た。幾つか宿題も出ましたので、関係県におかれてはその宿題をしっかり受け止めて、 マニュアルの改編も含めて対応していただき、また御相談をしていただければと思いま す。  それから、竹内先生から幾つか大事な御指摘があって、やはり生産段階の安全性確保 が非常に大事ではないかという御意見もありました。これにつきましても、水産庁と連 携を図りながら、もしくは関係県と連携を図りながらしっかりやっていきたいと考えて いますので、引き続きよろしく御指導をお願いいたします。  本日はどうもありがとうございました。                                     (了) 連絡先:医薬食品局食品安全部監視安全課 (03-5253-1111(内2455、2490))