05/11/09 第13回 医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する 検討会 議事録 第13回 医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する検討会 日時 平成17年11月9日(水)16:00〜 場所 専用第18・19・20会議室 ○赤熊補佐 ただいまから、第13回「医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方 に関する検討会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましてはご多忙中のところ、当検討 会にご出席いただき誠にありがとうございます。本日は小島委員、辻本委員から欠席のご連絡を 受けております。なお、遠藤委員は30分ほど遅れるとのことです。山路座長進行の程お願いい たします。 ○山路座長 本日は、本検討会まとめ(案)について検討していきます。初めに、事務局より資料 の確認をお願いいたします。 (資料確認) ○山路座長 議事に入る前に、本検討会宛にも、それから私宛にもいくつかの市民団体等から意見 書が届いております。  内容としては、産婦の立場からは、看護師の内診は望まないこと。助産師の適正な配置が望まれ ること。医療行為等に当たっては、利用者への明確な情報提供と同意の下に行われ、結果の説明 が望まれること等、産科における看護師の業務に関するものです。これらについては、前回の措 置と同様に、別途委員のお手元に届くようにお送りいたします。  それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。 ○鎌田看護職員確保対策官 資料として用意しておりますまとめ(案)を朗読させていただきます。  (資料読み上げ) ○山路座長 いま読み上げられた案について検討を行っていきます。前回、骨子案について検討を 行い、一部を除きある程度の議論の一致を見たところであります。本日は、その骨子案に、いた だいた意見を肉づけしてもらったまとめ案について検討していきたいということです。  議論の進め方ですが、今回も前回と同様、方向性がほぼ一致しているものについて、議論した後 で、議論の分かれている論点について検討という順序で進めさせていただきます。個別の議論の 最初に「はじめに」のところでありますが、これも前回はほぼ原案どおりご承認いただいたわけ ですけれども、この原案について何かご意見はございますか。 (特に発言なし) ○山路座長 それでは、個別の議論に入ります。最初に個別の論点の1「助産所の嘱託医師」につ いてご意見をお願いいたします。 ○山本委員 (2)で示された「今後の方向性」ですが、このとおりでよろしいかと思います。産 婦人科医会の先生方、医師会のご協力をいただきながら、この方向性のとおりに進むことを期待 します。よろしくお願いいたします。 ○石渡委員 助産所の妊婦、あるいは新生児の安全確保という観点から少々意見を述べさせていた だきます。助産所においては、医師が不在の状況で助産並びに新生児のケアがなされているわけ です。いちばん重要な部分は、異常が発生したときに、速やかに対処できるかが安全を確保する ために重要なことではないかと思っています。  最も重要な時点は、いわゆる胎児が娩出する時期であります。この時期は、例えば胎児ジストレ ス、これは子宮の環境が非常に悪くなって、胎盤胎児の循環が悪くなり、そのままにしておくと 胎児がお腹の中で死んでしまう、という状況と考えていただければいいと思います。それは、内 診という行為だけで判断できるのではないのです。いわゆる分娩監視装置という医療機器を駆使 して判断していくわけですけれども、そのときに問題になるのは、それから何分後に赤ちゃんが 娩出したか、もしそこで30分あるいは1時間の間に娩出しなければ胎児死亡、あるいは生まれ てからも新生児にかなりの障害を残す危険性がある。そういうときに、急速遂娩が必要になりま す。最も的確なものは帝王切開です。あるいは吸引分娩、鉗子分娩等々がありますが、そこの部 分が助産所には欠けていて安全確保できないところであります。確かにいまの状況から考えれば、 山本委員が言われたように、システムとして周産期の救急医療の中に組み込むこと。それで、助 産所でそういう異常が発見されたときに、速やかに医療機関に搬送することが重要ではないかと 考えております。助産所の中で、いわゆる救急医療に対処できるような設備、あるいはそういう ものを確保して異常に対して対応するということよりも、むしろ速やかに判断し、速やかに母体 搬送することが助産所における非常に重要な点ではないかということが1点です。  先ほど出ておりました、助産所業務ガイドラインを遵守していただきたいと思っております。例 えば、いろいろな情報が私どものほうに流れてきますけれども、ついこの間も、いわゆる逆子の 分娩を常習的にやっていた所があって、新生児死亡につながって訴訟問題に発展しています。こ れは、ごく一部のことかもしれませんけれども、やはり助産所は医療機関とは違って、そういう 点を十分遵守していただいて、とにかく異常が発生したときには、速やかにシステムの中におい て搬送できる体制を確立することが大事ではないかと思っております。  ましてや、いま分娩機関がどんどんなくなっていますので、すぐ搬送できる所がどの程度確保で きるか、その点についても私たち医療側は非常に心配しております。とにかく、いまはシステム の中で対応していかなければいけない。これは、助産所だけで努力してできる問題ではないと考 えております。 ○山路座長 いま石渡委員がご指摘になった点については、原案本文の中でもきちんと盛り込まれ ているように考えます。これについては、別に修正・訂正というところは具体的にはありません か。いまの原案で基本的にはよろしいということでいいでしょうか。 ○石渡委員 要するに、助産所でそういう救急処置をするのではなくて、可及的速やかに搬送シス テムに乗せて、急速遂娩等々の適切な医療ができる医療機関に搬送するというところを盛り込ん でいただきたいということです。 ○山路座長 今後の方向性の2つ目の○のところで、「その上で突発的な産科救急の対応が必要な 際には直接連絡、搬送できるようにするなど安心安全なお産を確保するためには、嘱託医師では 十分に対応できない場合の後方支援として、連携医療機関を確保する」ということが述べられて いるわけですから、趣旨としては盛り込まれているのではないかと思いますが、あえてそこの部 分は付け加えたほうがよろしいということですか。 ○石渡委員 はい、そのとおりです。 ○山路座長 それは、意見として承っておきます。ほかにはよろしいでしょうか。 (特に発言なし) ○山路座長 基本的には、原案を了承するということでよろしいですね。いまの石渡委員のご発言 の取扱いについては、座長と事務局で検討させていただきます。  次の論点は、(2)「新人看護職員研修」のところについてご意見をお願いいたします。 ○菊池委員 3頁の(2)「2)新人看護職員研修の制度化の必要性と課題」の2つ目の○で、追 加とかそういう意味ではなくて、文章をもう少しわかりやすくしたほうがいいという意味で、 「新人看護職員研修の制度化は、まず最初に医療の高度化などにより、従前より高い技術や能力 が求められる一方」、そのように状況が変わってきているということを先に出した上で、「新人 看護職員の臨床能力が」というふうに順番を入れ換えてはどうかということです。  あとは、「新人看護職員の臨床能力は低い一方で」というのは、確かに低いのですけれども、た だ低いといってもある程度期待される到達度に対して低いという意味なので、もうちょっと説明 を加えて、「臨床能力が一定水準に達していない」という表現にしていただいたほうがわかりや すいかということです。   4頁のいちばん上の○の3行目に「並行して基礎教育を充実させることも課題である」と書い てあります。この文章では何と並行してというのが、前からの文章だけだとわかりにくいので、 その前の○で言っている「新人看護職員研修の制度化の検討と並行して」という意味だろうと思 いますので、それを入れたほうが何と並行しているかがわかりやすいかと思います。  そして、いま「基礎教育の充実」というのが緊急の課題と考えております。新卒で病院に就職し た1割近くは1年以内に辞めてしまう、一人前になる前に辞めてしまうという状況がある。それ は、自信をなくして辞めていく、医療事故が不安で辞めていく、といった切迫した状況がありま すので課題ではあるのですけれども、それはもう少し「早急に検討すべき課題だ」というふうに 強めていただきたいと思います。   今後の方向性の○の真ん中で、前半のほうに「臨床研修の別途検討会を設け検討する必要があ る」とあり、「その際」ということで「基礎教育のことも併せて検討すべきである」と書いてあ ります。ここのところをもう少し書き込んで、いまは「到達度を明確にして、技術教育の内容や、 新人研修との役割分担も併せて検討すべきである」となっていますけれども、基礎教育でどこま で修了しなければいけないかという到達度を明確にした上でないと、その上に新人看護職員研修 との役割分担をどう積み重ねるのかということが出てこないので、到達度を明確にすることが非 常に重要になると思います。  その到達度を明確にした上で、新人看護職員研修との役割分担を検討し、併せて基礎教育の到達 度に照らして、今度は基礎教育がいま十分に行われているかどうかということを、もう少しきち んと検証すべき時期に来ているのではないかと思いますので、「併せて基礎教育の到達度に照ら して、その基礎教育の現状と問題点を整理し、技術教育のあり方などを早急に検証する必要があ る」。前の議論のときにも、そもそも基礎教育でもっと頑張れるところがあるのではないかとか、 それぞれの問題点を整理する必要があるのではないかという意見が出ておりましたので、基礎教 育についても早急にその辺を到達度に照らして整理し、いまの技術教育のあり方等を検証する必 要があるのではないかと考えていますので、そこの表現をそのように変えていただきたいと思い ます。 ○山路座長 ほかにご意見はございますか。 (特に発言なし) ○山路座長 3番目はいちばん最後に回し、4番目の看護記録の7頁のところの件についてご意見 をいただきます。原案の(2)の3つ目の○のところで「区々となっている看護記録」という、 「区々」というのはどういう意味ですか、私はよくわかりませんでした。 ○鎌田看護職員確保対策官 「さまざまである」ということです。 ○山路座長 日常的に使いますか。 ○平林委員 「まちまち」だと思います。 ○山路座長 ここは、もう少しわかりやすい表現に変えてください。 ○鎌田看護職員確保対策官 わかりました。 ○山路座長 あとはいかがでしょうか。 (特に発言なし) ○山路座長 ご意見があれば後ほどいただくことにして、5番目の「看護職員の専門性の向上」に ついてご意見をいただきます。 ○青木委員 この問題の今後の方向性のところの2つ目の○の中ほどから「医療部会における広告 の在り方についての検討結果を踏まえ、制度的な処置を講ずることも考えられる」と書いてあり ます。「制度的な処置」ということについては、先回お聞きをしたわけですが、医療部会は医療 部会で、検討会はどういう意向かということについての意見聴取といいますか、この会の意向が さほど明確でない「専門性の広告に関して」という状況にあって、医療部会はいまの状況でそれ を決めていくことが適切なのか、その辺りが疑問に思えて、両方ともはっきりした意見を言って いないのではないでしょうかということを言っているのです。私には、そういうニュアンスを強 く感じるところがありますが、その辺りはいかがでしょうか。 ○鎌田看護職員確保対策官 ご指摘の点については、看護職員の専門性の(2)専門性の高い看護 師の養成のところの普及……のところに、今後専門性の高い看護職員が増えることを考えると、 看護の専門性について広告する必要性があるという、その方向性はこの検討会では意見が一致し ていると考えているところです。  そうしますと、具体的な措置をどのようにとるかということですが、まさにご指摘の10頁の(3) 今後の方向性のところで、課題でもご指摘がありましたように、いま行われている看護の専門性 に関する各団体が行っている認定制度について、1つは本当にそれが医療関係者として自主的な もの、広告の法的度合からいってどうなのか、ということをきちんと検証すべきである。  1つは、現行行われている制度について検証するというのがいちばん最初にいえるそこでの検討 があろうかと思います。そこの段階において整理がつけば、あとは今後医療制度改革の中で示さ れる広告制度、特に専門性の広告制度についてどうなるか、それを踏まえて対応するというよう なことになろうかと思います。したがって、一応この検討会においては、看護の専門性について 広告するという方向性について意見の一致を見たところ、いまある制度について検証を加えた上 で、その検証の結果広告に耐え得るものであれば、新たに設ける広告制度の下でやっていくとい うことで、そこで制度的措置を講ずることも考えられるというのは、そういうところを判断すべ きであるということが、この検討会のご意見ではないかと考えているところです。 ○青木委員 いまのお話だと、医療部会のほうで広告に関するネガティブかポジティブか、そうで ない第3の方法なのか、そういうことが決まってまいります。 ○鎌田看護職員確保対策官 そこは、そもそも専門性について広告するのはどうかというご議論も あろうかと思います。いずれにしても、医療関係者の専門性について広告すべきであるという結 論が出されて、それについてネガティブかポジティブか、あるいは第3の方式かによって決まれ ば、それに則って広告するということです。もちろん、その広告するものに値するかどうかにつ いては、今後の方向性の最初の○にもありますように、専門性を認定する体制、認定に際しての 基準について検証整理した上での話だと考えているところです。 ○金川委員 今後の方向に関しては、ここに書いてあるとおりかと思うのですが、最初の○の「看 護の専門性を認定する体制」云々ということの前提は、9頁の(2)の「専門性の高い看護師の 養成ということの必要性があり、こういう専門性を認定する体制」ということで前提はあると読 んでよろしいわけですね。 ○山路座長 はい。 ○平林委員 前回も同じようなことを申し上げて、やはり気になるので申し上げたほうがいいと思 うのです。どうも、私はこの文脈が気になってしようがないのです。看護職員の専門性の向上と いうことと、専門分化ということ、専門制度ということとは違うと思うのです。ここで議論して いるのは、看護の専門性そのものではなくて、看護業務の専門分化と、それに伴う制度化と、そ してそれにかかわる広告の問題が主として議論されているのだろうと思います。もちろん、看護 の専門性とは何かということを議論していくとエンドレスの議論になりますのでそれは置くと して、現実問題として看護業務が専門分化していることを踏まえて、それをどう制度化し、広告 していくのかということに論点を絞って議論をしたのだということをどこかで言っておきたい という個人的な思いがどうしても残ります。少なくとも、そのことは議事録に残しておいていた だきたいと思って発言させていただきます。  9頁の(1)の2つ目の○の下から3行目「衛生材料費が半額になるなど、費用対効果に優れて いる」とありますが、これは認定看護師が来て、衛生材料が半分で済むというわけではないです。 制度的にそういう制度になっているから半分になるだけで、実態的に費用対効果が上がるわけで はないように思うのです。 ○山路座長 実証研究の結果が、こういう形で書かれているのでしょう。 ○田村看護課長 既に提出した、看護等の医療技術の評価に関する研究の結果です。 ○平林委員 衛生材料費が半分で済む、という結果があるわけですか。 ○田村看護課長 はい。ほぼ1万円が5,000円になっていたという実態の報告がありましたので、 それをこのような表現にしております。 ○平林委員 それなら、私の誤解ですので了解いたしました。 ○山路座長 最初の指摘は、議事録にとどめるということでよろしいですね。 ○平林委員 本当は本文に載せたいのです。それをすると大変だと思いますが、私はそこをこだわ りたいと思っていますので、個人的にこだわらせていただきます。 ○山路座長 あとはいかがでしょうか。 (特に発言なし) ○山路座長 3以外について、後ほどご意見を思い出して、こういう意見を申し述べたい、追加し たいということであれば言っていただいて結構ですので、とりあえずほぼ了解いただいたという ことで、3番目の「産科における看護師等の業務」についての報告書(案)についてのご意見を いただきます。 ○山本委員 2つ申し上げたいことがあります。1つは、専門職と消費者混在の団体より、日本助 産師会の山本宛に意見書が出されております。その意見書は、山路座長にも届いたものと同様の ものかと思いますので、ダブっているかもしれませんので、後で確認の上委員の皆様方全員にお 配りいただければと思います。  2つ目は、日本助産師会は第7回よりこの検討会に参加させていただいております。医療安全の 確保に向ける検討会であり、ほかの看護師に内診をさせる問題以外は、安全に向けての検討会と 認識しています。3番の産科における看護師等の業務の件については、どうしても質の高い、よ り専門性のある高い医療を提供するという検討からはずれているように感じて仕方がありませ ん。いま日本の中で2万5,724名が就業しているという報告がありました。そして未就業の人た ちも含めると、全部で4万4,000人ぐらいの助産師が日本の中におります。約2倍の人数が潜在、 あるいは病院の中で助産師として勤務していない埋没している助産師と思っています。  日本助産師会、日本看護協会の方向性としては、潜在助産師の掘り起こし、埋没している助産師 の掘り起こしと、2万人以上の助産師を徹底的に教育し、そして適材配置をするという方向性で 検討をお願いしたい。あくまでも専門性の高い法的に確保された職業人を配置することをお願い したいと思います。 ○山路座長 山本委員の最初のご指摘については、冒頭に申し上げたように各委員のお手元に届く ように配付させていただくということでご了解いただいたはずですので、その点は了解しており ます。 ○山本委員 最終確認をしたいのは、山路座長の所に届いたものと、日本助産師会に届いたものが ずれていないかどうかの確認と、それから山路座長の所には届かなくて日本助産師会に届いてい る意見書がないかどうかの確認をしたいのです。 ○山路座長 基本的には、事務局に届いているのと私に届いているのと一緒であればいいでしょう。 ○山本委員 そうです。一緒でないときにお配りいただきたいということです。 ○山路座長 わかりました。 ○石渡委員 私のほうは、98.8%の分娩を担っている医療機関の立場からお話を進めてきたわけで す。この現状、つまり分娩機関がなくなってきた現状に対して、住民は非常な不安を抱えている わけです。安全な分娩はもちろん私たちが望むところでありますが、数が少なくなってくればな るほど、1つの医療機関にかかってくる負担は多くなってきますので、分娩機関を減らすという 方向はなんとか食い止めなければならないという観点から安全を考えていきたいと思っており ます。それで、11月7日付で、周産期にかかわる調査報告と意見書、これはこの前の検討会のと きにもお話しましたが、現在、産婦人科医療機関では、助産師が確保できていない、十分確保で きていない医療機関では、さまざまな方法で助産師を募集しておりますが、なかなか応募して就 業してくれる助産師が少ないという現状があります。この10年間に、分娩数としては約3%減 少しております。その減少率はわずかですけれども、分娩医療機関は20%減少しています。しか も、この2、3年の間には10%減少しています。この減少傾向は非常に加速している状況であり ます。これを分析すると、1つは産科医の高齢化があります。2つ目は、従来から行われていた 医療機関の看護師の内診問題も大きな影響を与えております。特に、産科診療所においてこうい う傾向があります。3つ目は、新人医師の卒後臨床研修が実施され、大学関連病院からの医師の 撤退ということが、特に地域の中核的な総合病院の閉鎖にもつながって分娩機関がなくなってい ます。4つ目は、新規の産科医療機関の開設がほとんどないということです。5つ目は、将来に わたって産科を希望する研修医学生がほとんどいない。こういうことが、いろいろな要因となっ て起きているわけです。いまの現状を放置すると、周産期医療の崩壊というのは火を見るよりも 明らかであります。現在診療所が、全分娩の46.6%になっていることは確かでありますけれども、 特に地方において中核的な病院の産科が閉鎖されたことに相俟って、ますます診療所の分娩が増 えてきております。それは、この前データとしてお示したように、平成15年の段階において、 50%以上の分娩を診療所が担っている県が既に24県になっています。このような状況も踏まえ て、今後どのようにしたらいいかということになってきます。そこで産婦人科医会としては、平 成17年8月に、47の支部を通して会員にアンケートをしました。その1つは、分娩医療機関が 消滅したことによる住民の不満と不安の声がどのぐらい上がっているか。もう1つは、助産師を 募集しても、応募がないのかどうかという状況。それに付随するような医師の不足、あるいは施 設不足ということについてアンケートをしました。その結果、分娩医療機関の減少が住民に不安 を与えていることは事実であります。例えば、沖縄でも総決起集会が開かれて、分娩機関の確保 が謳われています。このように、地域によって分娩機関がなくなったということは、住民に不安 を与えるばかりでなくて、国が対応していこうとしている、国是としている少子化対策に負の要 因となっていることは間違いないと思います。2点目の、助産師を募集しても応募がないかどう か。このことについて、新聞やハローワーク、助産師養成所等々に助産師の募集をしております が、実際に募集してもほとんど応募がないのが現状であります。それにはいろいろな要因があろ うかと思うのですけれども、1つ私たちが求めているのは、例えば当直ができる助産師、あるい は休日勤務できる助産師を主に募集しているわけですけれども、これがなかなか集まってこない。 それから、複数でなければ就業できないという助産師も大勢おられます。結局、ある程度大きな 所へ、助産師一人ひとりの負担が少ない所へ就業していく傾向があることがわかりました。単な る給料の問題ではありません。特に、産科診療所の医師は、住民の健康管理に、ほかの診療科も 同じですけれども、密接にかかわってきたわけです。診療所への不満とか不平が多々集まってき たことに危機感をもっています。いままでは、それが分娩第1期の経過観察において、子宮口の 開大と児頭の下降度ということもやれていたわけですが、それができなくなったことが分娩機関 の減少の1つの要因になっています。1つの医療機関がなくなると、別の産科医療機関はますま す負担が重なってきます。そういうことが1つのきっかけとなり、ドミノ倒しのように産科医療 機関がなくなる。それが、また住民の不安を募らせているわけです。   この内診問題については、1997年に日本看護協会の顧問弁護士であられる、また医療とか看護 に関する法律知識、あるいは医療事故等々の法的責任等も含めて、多数の著書があり、講演をな さっている高田利廣弁護士は、1997年に『看護師と医療行為とその法的解釈』という本の中で、 医師の指示による看護師の妊産婦への内診は許されるということを謳っているわけです。子宮口 の開大度を測定するという範囲であればよろしいのではないか。医師自ら行わなければならない 医行為としてみなくてもよいではないかという見解を出しています。   それから、医療法の中には、いわゆる診療所に助産師を確保しなければいけないという記述は どこにもありません。そういうことも診療所に助産師が足りない理由として背景にあったのでは ないかと思っております。私たちは医療機関における看護師の内診問題については、周産期医療 の根幹をなすものであって、その取り扱いを誤れば、周産期医療の崩壊を招く危険がある。事実、 助産師が確保できていない多くの分娩医療機関、これは主に産科診療所ですが、産科業務ができ なくなり、分娩機関が消滅した地域も現実にあるわけです。こういう住民の不安と不満を与えて、 国是である少子化対策に暗い陰を落としている。そういう観点から、現在国ができることは何か というと、現在ある人的資源を有効活用することは大事であり、少なくとも平成14年までは産 科医療機関において、看護師が分娩の第1期を協力していたのですから、そういうことができる 体制にもっていっていただきたい、というのが99%、現在の日本の分娩を扱っている医療機関側 からの要望です。 ○菊池委員 日本看護協会と日本助産師会から、山本委員と一緒に私も意見書を出しています。医 療安全の確保に向けた検討会の中で、これからいかに安全な医療、質の高い医療を提供していく か。そのための検討会という中で、時代に逆行するような提案があって、その結果、見直し論と 反対論、慎重論が同時に併記されるという、検討会報告書の中にそういう事態になっていること 自体、産む側の視点に立った検討が行われなかったのではないかと感じられ、非常に嘆かわしい ことだと思います。いま少子化ということで、安全で満足のいくお産をみんなが求めているわけ です。そのためには、きちんと出産について教育、訓練を受けた人がお産に関わることが大事で、 これからはそういう方向でいくべきだと思います。そういう観点で、母子とその家族、国民の望 む安全、安心な出産を提供するためには、助産師と医師以外の職種による内診を認めるべきでは ないと思います。助産師の内診は、分娩進行を判断する上で極めて重要な行為で、内診だけを切 り離して、全体を判断することはできないということです。内診は女性の性器に直接触れるとい う、本来的には人権を損なう行為であって、必要最低限に限るべきという部分もあります。それ は感染の問題もあり、不必要に行えない。しかも的確に診断しなくてはいけないという性格のも のです。ちゃんと教育訓練を受けた人が内診をやるべきだと考えます。内診として子宮口の開大 と児頭の下降度の2項目だけを観察し、それで、分娩監視装置による経過観察を行うだけでは、 異常の早期の発見の機会を逃がすことにつながり、医療安全の確保上からも問題になると思いま す。2点目として、助産師不足とおっしゃっていますが、事実上、「絶対的な助産師不足」とい うことは存在しません。問題は、病院と診療所のお産の割合に対して、病院に助産師が偏在して、 診療所は少ないということですから、産科診療所への就業を促進することが必要です。それは雇 用管理体制や労働環境の改善をしていくことで解決を図るべきだと思います。具体的な数字とし ては、いま就業助産師数は約2万6,000人いますが、潜在を含めると5万5,000人いると考えら れますので、絶対数の不足はないわけです。ただ、診療所に就業する助産師の割合が低いという 問題は確かにあると思います。実際に潜在の人たちがどういう方たちなのかを考えますと、本人 の妊娠・出産で離職している、あるいは家庭の都合で辞めている方もいると思います。病院勤務 の助産師のうち、助産の業務に就いていない助産師もいるわけです。それは病院内に必要以上の 助産師がいたり、あるいは産科病棟が閉鎖していく中で、産科で働いていた助産師が、看護業務 で他病棟に移って助産師でない業務に従事していることがあります。平成17年に滋賀県健康福 祉部が行った助産師の適正配置に関する検討会報告書が出され、その中で病院と診療所の助産師 の処遇や業務について調べた結果が載っています。その中で雇用形態を見ると、常勤助産師は診 療所で1.2名に対して、病院は4.5名と多い、管理職の割合が病院のほうが多い、雇用形態は常 勤より診療所のほうが多い、夜勤についても病院は3交替制が中心だとか、給与も病院のほうが いいとか条件の違いがあり、診療所の条件を改善すべきと言われています。   実際に求人状況を見ると、ナースセンターの調べでは、助産師の有効求人数3,597人に対して、 免許を持っている助産師の登録者は3,755人ということで、若干上回るぐらいの数が実際にはい るわけです。しかし、産科診療所からの求人は296カ所と少ない現状があります。本当に産科診 療所の方が助産師を求めて活動しておられるのか、こちらとしては疑問な点もあるわけです。求 人があってなかなかミスマッチで就業の斡旋が成立しないこともあるのですが、それはなぜ成立 しないかというと、夜勤のできる助産師をということで、いろいろな働き方ができる助産師がい るのですが、弾力的な勤務条件を整備するような雇用管理体制がまだ整っていない。給与なども 専門職にふさわしい業務内容、給与体系になっていないことがあり、なかなか産科の診療所に就 業しないことがあります。そういうことから助産師は足りないのではなく、偏在しているわけで すから、診療所にちゃんと就業を促進するような雇用管理体制や労働条件の体制を整えることが 必要だと思います。いま地域に産科病棟がなくなって、住民の方が困っているということが現実 に生じているわけです。それについては私たちも職能団体として努力していく必要があると思い ます。やはり方向性としては、産科医と助産師の連携で産婦が満足できるお産のためのシステム を将来的に向けて作っていくことが必要だと考えています。現に横浜市の中区などでは、オープ ンシステムを構築して、1つの医療機関を中心に3名の産科医の方と2名の院内助産師が、4名 の院外開業助産師と連携して、年間約420件の出産を取り扱っている状況です。少子化に伴い、 分娩件数自体が少なくなってきているわけで、助産師も本当はもっとお産を取り扱いたいという 人たちも結構多いのです。しかし、勤めている病院の中で、産科病棟を閉じたりして、実際には 助産業務に就いていない人もいるわけです。そういう人たちも産科診療所でたくさんお産を扱っ ている所で、実際にお産に携わりたいと願っている人たちもいるわけですから、就業を促進する ことがこれからは非常に重要だと思います。例えば産科診療所に実践力のある助産師を配置して、 そこで助産師の学生が実習を受け入れてもらうと、学生のうちから産科診療所で自然のお産に携 われるということで、診療所の魅力を学生のうちから感じることができます。そういうことが免 許を取ったあとの診療所への就業促進につながることもあるのではないか。そういうふうにいろ いろ工夫しながら、産科診療所に、助産をちゃんとやりたいと思っている助産師が行くような仕 組を早急に作る必要があると思います。実際に日本助産師会と日本看護協会では、そのための活 動もすでに始めています。助産師会では潜在助産師研修を4カ所でやって参加者が72名に上り、 それを就業に結び付けていることがあります。日本看護協会でも、潜在や定年退職の方の再就職 促進をやっています。5カ所で、実際に産科診療所に助産師を就業させるためのサポート事業を やって努力しています。それは今後も続けていきたいと思います。いま少子化の時代に、安全で 満足のいくお産を実施していくためには、とにかく助産師を確保する、助産師がちゃんとお産を 取り扱う方向に診療所への就業促進に持っていくことが大事です。そのためには職能団体として も、今後とも力を入れて、診療所の方、先生方とも一緒にやっていきたいと思います。 ○遠藤委員 私は大きく2点のことを申し上げます。何回かストレスフルな会議のあと、ずっと考 えていたのです。1点目は、平成14年まではやられていた、容認されていたとおっしゃいまし たが、私は基本的には認めてはいない。これは明らかに保助看法違反だと思います。というのは、 長年、産科看護師の育成を産婦人科医会でやられていた、あるいは副助産婦という名称を付けて、 あたかもその修了生は自分は助産師であるが如くの認識を持ってしまうような研修で、当時は受 講者に対してはまぎらわしい状況だったと思います。最近は診療所における看護職員の研修とい うことで納得しているわけです。そういうことを何回か言わなければならなかった状況というの は、本来的に法律で認められてない行為をやっていることは、妊産婦さんの安全が基本的には守 れない。レベルもさまざまな状況で、それを認めてはいないと解釈しています。  2点目は、子宮口の開大と児頭度下降度の2つが内診であるとは言えない。石渡先生は本当に産 科医のスベシャリストですが、その先生が内診をその2つで判断できるとおっしゃることが私に はどうしても理解できないのです。私どもが助産師になったときも、内診の技術を獲得していく ときに産科医や助産師というのは、この2本の指の先に目が付いているぐらい、診察をしたとき にすべてのものを包含して即そこで判断し、その方にそのことをフィードバックして、いまのお 産の進行度を納得して、その方に安全で安心なお産を進めていくという技術とコミュニケーショ ンが一致したところで初めて安全で安心できる出産があるわけです。何しろ、この2項目だけ取 り出されることが、産科医や助産師の信念としてあることが認められないというか、どうしても 納得いかないということです。事実、進行の変化というのは、ものすごく早い勢いできます。例 えば診察のときに臍帯下垂、臍帯脱出がないわけではないのです。そういう事例を、この2つだ け見てくれればいいということでは、安全という観点からどうしても了解ができません。そのこ とを長年一緒に働いてきた医師等に、こういうことをどう思うかと聞くと、大きい声では言えな いですが、本当にそう思うよと。でももう学会でこれだけの動きをしてしまっているから、個人 的にはそのことを代弁することは難しいですが、私どもはかなり仲間の産科や助産師の立場から は、これは決して国民の安全という、ましてや少子化の中で出産に満足がいくという点でいうと 容認できないと言っている方は多いと思います。 ○石渡委員 いま内診のことが縷々意見が出ましたが、私は第9回検討会で申し上げたとおり、助 産所の助産師が自ら単独で行う内診は、かなりの情報量がないとやっていけない。  もう一方、いろいろな医療機器が完備して、特に分娩監視装置は非常に有効な胎児のウェルビー イングといいますか、胎児の健康状態を把握するには、いまは最適な器具と思っています。そう いう監視があっての、いわゆる医師の監視、あるいは医師の指示のもとに行われている内診は、 その中身が随分違うと思います。  特に分娩第1期は長いわけです。そこで子宮口の開大、児頭の下降度を情報として医師に与えて くだされば、他の分娩監視等々の医療機器から出てくる総合的な情報と判断して、安全な分娩に 導くことができる。事実、そうしていたことが世界トップの出産医療を維持しているわけです。   助産所の方はそれと対局というか、ほとんどの部分を内診という情報で判断していくわけです。 これは医会の坂元会長が17項目挙げていますが、そのすべてのことを把握できなければ助産が やれない。医療機関ではそういうものではありません。最も重要なところは、急速遂娩のところ ですが、これは内診でわかることではありません。胎児の状況が健康か、健康でないかは内診で 判断できることではありません。これはあくまでも分娩監視等々の機械で判断していくわけです。 異常があるかないかの様態の診断は、医師がやることです。助産師が医療機器を使うことはもち ろんいい、異常がありそうだということを推測することももちろんいい。しかし、胎児の健康状 態の細かい様態の状況までを判断することは、医師に委ねられています。  それを踏まえて、助産所で医師のいない所で助産師が行う内診は非常に深いものがあります。そ れから我々側が求めている、看護師が行う2つの「測定」が、内診にふさわしくなければ名称を 「測定」に変えていただいても、私は一向にいいと思います。それとは自ずと違うことを認識し ていただきたいのです。 ○山本委員 石渡先生がおっしゃった看護師を人的資源として活用する。分娩第1期に看護師を登 用するというご意見がありました。それでは分娩第1期、分娩第2期、分娩第3期は切り離して 考えていくのかということです。分娩第1期は看護師が見て、分娩第2期からは先生が登場する わけですが、分娩数が多くなって、一晩に5人、6人、あるいは10人産まれる個人医院では、 分娩第2期、分娩の直接介助のときにドクターが毎回登場して分娩を介助するのかということに なります。そうでなければ助産師が分娩第1期を見た看護師と、助産師がスイッチすることはで きないのです。ですから、第1期、第2期、第3期、産後というのはスムーズな流れの中で観察 していくべきなのです。教育を受けていない無資格の看護師に内診をさせること、分娩を取り扱 うことが合法的でないことは明らかですので、あくまでもそれは助産師を登用することで検討す べきであると思います。 ○坂本委員 いままでの助産師教育というのは一体何だったのか大変気になることです。例えば病 院でお産することが増えたので、妊産婦、子死亡を少なくしたというか、いろいろありますが、 助産師の役割も随分大きかったのではないかと思います。1期というのは進行時期にあるわけで、 そのときに内診と分娩監視装置との関連性は大変重要なことで、内診だけしていいということに はならないということと、判断できないということです。それからドクターへの報告においても、 内診だけで報告する、じゃあ分娩監視装置はそのままかという話になると、やはり総合的な判断 が必要になってくると思います。私自身が経験したことですが、陣痛がある妊婦さんに内診をし たときに、臍帯に触れて、そのまま手を出そうとすると臍帯が下ってくるので、そのまま手術室 に運ばれて、臍帯を持ち上げたまま帝王切開して、赤ちゃんが出たと同時に手を放したという経 験をしています。それを考えると、分娩第1期は進行時期ですので、経過を開大と下降だけでど の程度判断できるのかは大変疑問です。私たちは助産師、ドクター、看護師で話合いをしていま すが、最近の妊産婦さんたちは、本当に赤ちゃんとか、そういうことに対しては大変慎重な状況 にあります。私は団塊の世代のときにたくさん産む人たちにかかわってきたのですが、いまは考 え方も違って、絶えず安全な完全な状況の中で産まなければいけないという意識が家族全員にあ ります。その状況を日本の中では認めて、それを確保してあげることを考えないと、これは大変 危険な状況になるのだと思います。やはり大切にするということから考えれば、いままでの日本 の助産師の教育、日本で助産師がいままできちんとそういうことをしてきたこと、産科医と必ず パートナーでやってきたこと。産科医が絶えず分娩を見ていればいいではないかという話は最高 で、それはいちばん安全な管理になるわけですが、それができないのであれば、いちばんいいパ ートナーである助産師との関係を、国としてきちんと保護していくやり方をしていただければと 思います。 ○石渡委員 医師と助産師の間のリレーションシップを否定していることでは全然ないのです。現 状を踏まえた上で、助産師が足りない状況をいま何とかしなければならない。しかも分娩機関が なくなっている。その中には内診問題が原因であることも事実です。どのぐらいのウエイトがあ るかどうかは別です。こういう状況で、助産師が充足された状況と、いまみたいに不足している 状況とは全然違うということです。菊池委員が先ほど、数はかなり充足されているようだが、実 は偏在しているところに問題がある。その偏在を解消できるかというと、そういう的確な方法は すぐには思いつかない。出産がたくさんあって、重なったときはどうなるのか。これは助産師の 場合も同じで、お産がたくさんある場合はかなりの数がいなければ助産師は足りないわけです。 3頁に充足状況が書いてありますが、実際に1人で勤務して8時間交替でやっていくと、数の上 では足りているように書かれていますが、実際はそうではなく、私たちの試算でも約5万人ほど いなければならない助産師が、現状は半分しかいない。しかも診療所で勤務されている助産師は わずか17%ぐらいしかおられない。これが現状です。これは1人で勤務することが条件になって いますが、実は2人、3人と複数で勤務しなければいけない状況が出てくれば、ますます助産師 は不足していると理解すべきだと思います。これから国もいろいろな施策をもって助産師を確保、 または増やす方向に努力されていくと思います。この2年の間に10%の分娩機関がなくなってい るのです。この事実に目を伏せないでほしいのです。そのために地方では分娩できない所がたく さんでてきています。それで私たちが今できることは何かと言えば、いままでやってきたような 方法で分娩第1期の所は、ある程度任せられるところは任せて、もちろんそばに医師がいるので すから、異常があればすぐ対応できるわけですから、そういう医師の責任と指導の下で、何とか 分娩第1期については、「内診」という言葉が不適切であれば、「頸管の開大度の測定」という ことで看護師ができるように考えていただきたい。分娩監視装置は最も胎児の健康状況を把握す る非常に優れた道具ですから、そういうものを駆使して、医療機関はいままで現実にやってきた わけです。その中で世界でトップの周産期医療を提供してきたという自負があります。これはも ちろん医師と助産師と看護師の協力のもとでなし得たことです。一言付け加えておきます。 ○山路座長 私から改めてのお願いです。いままでのご意見、ご議論が、当初からの意見のほとん ど繰り返しの部分で尽きているところがあります。そのご意見については、この原案の中に盛り 込まれていると考えます。原案の中身に則して、ここは最終段階ですので、ここはこうしたほう がいいというご提言、ご意見を承ったほうが、より建設的な議論になると思いますので、そのこ とを意識してご議論をいただければと思います。 ○山本委員 まず受け手側の女性たちが、看護師による内診を求めていないことです。それがいち ばん大きなことです。そして分娩に関する全機関において、助産師にそばにいてほしいという意 見があります。それから産科のなり手がいないのはなぜかということをもっと考えていただきた い。石渡先生は当初から、日本は世界のトップレベルまで上り詰めたと言いますが、医療訴訟が いちばん多いのも、また周産期にかかわることが多いのです。これはそばに助産師がずっと継続 的にかかわって見ることにより防げた事故も大変多くあると認識しています。ですから、助産師 がずっと機械だけに頼るのではなく、機械と人の手によって観察を続けることが大切だと思いま す。あくまでも助産師の専門的な目で見ることが大事で、正常分娩であれば、6割、7割は正常 に経過するわけですから、その正常産に関しては、助産師は医師の指示がなくても分娩を完結で きることが法的に守られています。異常を察知したときには、速やかに医師に伝えるという役割 もありますので、正常分娩を助産師が完結し、異常のときには医師の協力を得ることで進めてい くべきではないかと思います。 ○青木委員 2つほど申し上げます。菊池委員は先ほど、「助産師不足は存在しない」とはっきり おっしゃいました。仮に助産師不足が存在するならばという仮定の話だと思いましたが、離職対 策をもっとしっかりやるべきだと言われました。これは看護職の離職対策のいままでの実績を見 ていただきたい。平成12年から平成17年、今回またあります。その前もありました。今回が6 次です。ですから20年以上にわたりやってきたわけです。この中で厚労省は離職者対策に補助 金をつぎ込んで、一生懸命看護協会と協力してこの仕事を進めてきたわけです。どれだけの効果 がありましたか、どれだけの実績を上げられましたか。私から見ればほとんど何もありません。  それから、繰り返しになって座長にお叱りを受けることになるかもしれませんが、もう1つは、 看護職員の研修で触れられましたが、基礎教育が足りないと言われました。今回は、教育訓練が 足りないと言われました。前にも申し上げたように、これは恥ずかしいことなのです。我々を含 めて、医療関係者が十分な基礎教育をしかるべき期間でやらなければいけないということが前提 なのです。私はそういう意識でこういう問題に取り組んでいくことが大事なのではないかと思い ます。以上です。 ○菊池委員 いまのご意見に対してですが、まず基礎教育から先にお話します。確かに恥ずかしい という部分も、看護師の手で教育をしているわけですから、そういうこともあると思いますが、 自分たちの努力だけではもう対応できない状況になっていることをご理解いただきたいと思い ます。医療が高度化し、看護職に求められるものが高度になっていますし、幅広いもの、専門的 なものを求められるようになってきています。そういう中で、看護師の基礎教育は50年以上前 に保助看法で3年以上と決められてから、基本的には変わっていません。しかし、他の職種は一 体どうなっていますか。医師は6年に対して臨床研修が2年、歯科医師も1年が義務化されてい ます。薬剤師も4年プラス2年で6年ということで、他のコメディカルでも歯科衛生士などが伸 びてきています。そういうふうに全体をチーム医療で進めなければいけない中で、看護師の基礎 教育だけが50年以上も前のままになっている条件がある中で、自分たちとしては精一杯努力し ているわけですが、もう限界にきています。そういうことで基礎教育を早急に見直す必要がある と申したわけです。   2点目の離職対策については、看護協会が請け負って行っているナースセンターの効果はどう か。これは確実に効果を上げています。年間2万人近くの就業者を出していますし、これは平成 4年に人確法ができて、その前からナースバンク事業として各県でやっていますが、ちゃんとし た実績があって、就業斡旋につながっています。それが助産師についてまだまだ不十分なことは 確かにあると思います。それは今後とも力を入れていく必要があると思いますが、その効果がな かったことはないと思います。先ほど石渡委員から助産師不足であることのお話がありましたが、 私どもも意見書の2頁に必要な助産師数を考えています。産婦人科医会の試算ですと、1分娩医 療当たり6人から8人必要ということで、それを3,300カ所に掛けています。これで計算すると、 6人ですと1万9,836人、8人ですと2万6,448人で、いま就業者が2万6,000人ですから、数 だけ見た場合には充足していると考えられます。 ○石渡委員 これは1人で勤務しているということですか。要するに、常時1人しか助産師は勤務 していないという計算ですか。 ○谷野委員 ここの委員の先生方石渡先生も含めてですが、看護師が助産行為をやっていいとか、 そういうことにしていいとか、ましてや当たり前だという認識では私はないと思います。すさま じい偏在も足りない。それによって安心した分娩行為ができない。産科の先生も疲れ果てている。 そういう状況は極めて不幸だから、過渡的に何か良い方法はないか。この方法はこれから考える べきだと思います。それは早急にやらないと、これは少子高齢化以前の問題で、子どもを産むこ とすらできない。もしそうだとすれば国民にこの状況を明らかにして、出産すらこの国では安心 してできないことになっているということを国民に問うた場合、どういうことになるのか。私は 国の責任をもう一回明確にして、国が本来きちんとやるべきしてやらないから、こういうことに なっているので、ここ2、3年の経過措置だけでもいいから、安心して出産してできるような緊 急措置を国がしないと、少子高齢化がこれだけ政治問題になっていながら、いちばん大事なとこ ろでつっかえてしまっている。出産すらできないことは、一体どういうことなのかについては、 やはり国の責任なのです。こういう実態があることを明確にして、国が政策的にきちんとやる。 これは少子高齢化よりも大事で、少子化対策の根幹をなすことで、安心して出産できない。場合 によっては安心して出産できないから結婚しない人もいるのかもわかりません。そういうことを 考えれば、もう少し国が責任を持って、何ができるのかを明確にしないと、石渡先生、青木先生 も看護師がやっていいとは全然言っておられないと思います。やはり助産師が足りないから、こ こを緊急避難的にどうすべきかという議論になっているのではないかと認識しています。 ○金川委員 私は基礎教育課程を担当していますが、その立場から言わせていていただければ、現 在の看護師教育において、看護師に内診を認めることは反対です。速効性はもちろんないという ことで、現在の時点でどうしようかという緊急避難の問題もありますが、一方、教育側の責任も 確かにあったということです。助産師の養成に関して、なぜ大学教育になって助産師の養成が難 しいかということに関しては以前に議論があったと思います。そういう意味で、もう少し基礎教 育において、助産師教育、特に大学が増える中でもう少し助産師の養成はきちんと増やしていく ことは関係者が認識すべきだとは思います。 ○坂本委員 もし緊急避難的に内診と胎児の下降度を看護師が見ていいとなったときに、ここで何 か見落としがあったときはどなたが責任をとるのですか。 ○石渡委員 現行ですか。現行の法律の中で、いまいろいろ訴訟がありますよね。 ○坂本委員 これからそういうことをやりましょうと決めたとき、まだ段階があると思いますが、 看護師というのは医師が何々してくださいと言ったら、はいと言ってやれるものではなく、自分 が責任を負うことでやることになっていますが、もし内診をしたときに、何か異常を見落として ドクターに報告しなかったとか、そういう事があったときは誰が責任をとるのですか。 ○石渡委員 それは現在行われているいろいろな医療サイドの中でですか。 ○坂本委員 法律はまだ変わっていないわけですから、これから先生たちは避難的にやりましょう と言ったときに、内診は看護師にやってもらいましょうということで、もしこれが段階的に進ん で、助産師の確保ができるまではそれをしましょうと言ったときに、内診をしたときもし異常が あって、ドクターに報告されず、何かあったときにそれは誰が責任を取るのですか。 ○石渡委員 いままでの多くの場合は医療機関で責任を持っていると思います。 ○坂本委員 医療機関で責任というよりも、最近は行政処分等で全面的にひどいことが上がってき ています。医療機関で負う責任と賠償とかそういうものの責任、それから本人自身がミスを見逃 がした責任と2つあると思いますが、それはどなたが、どういうふうに責任を負うのですか。 ○青木委員 私の頭の中でお答えすれば、診療の補助行為として行われることになれば、当然紛争 が起こったりしたときは、その過程で第三者、裁判訴訟なりが、過失の割合を決めていくことで はないかと思います。確信を持ってお答えできないですが。そこまで踏み込んだ発言をしていた だけるとは思っていなかったです。 ○菊池委員 観察ミスが起きた場合、責任をとればいいのかということではなくて、出産をする人 にとってはそのこと自体が問題なわけです。あとで責任をとればいいということではなく、責任 はとり切れないわけです。やはりそれは医療安全という観点から、そういう自体にならないよう な助産の体制を考えるべきだと思います。陣痛促進剤による被害を訴える会の調査では、1984 年から2003年の間で、助産師以外の看護師や准看護師が助産行為を行った結果、少なくとも12 件のミかが発生して、胎児、母親が亡くなっています。  こういう自体をなくすためにも、教育訓練を受けた助産師が助産にかかわるべきだと思います。 ○石渡委員 内診をしたからどうのこうのとなるわけではなく、管理の上の問題ではないでしょう か。 ○山路座長 あまり仮定の話は、いましても不耗な議論になり兼ねないので。 ○谷野委員 確認したいのですが、いまの看護師がそのまま助産行為をやるという意見はなかった と思います。もう少しプラスアルファのエキスパートのような教育は当然必要、ということだけ は付け加えておきます。いまの看護師がそのままやっていいよ、ということではないと認識して います。 ○山本委員 数の議論や責任の議論ではなくて、対策としての提案です。現在総合病院や国公立の 病院には助産師学生、大学の看護学生が実習に行って、10例程度の分娩介助をしているわけです。 その介助数がなかなか確保できにくい状況にあります。多くの分娩の例数を助産師学生に介助さ せているために、新人の助産師、あるいは1年目、2年目、3年目の助産師が、十分な分娩件数 を介助できていないのが、現実問題としてあります。  3年目、あるいは5年目になると、新人教育のためにプリセプターにおいても分娩介助例数がと ても少ない現状です。一方、個人医院では、診療所における分娩数が多くなっているということ で、ある先生においては1週間助産師学生が泊まり込んだら、20例、30例の分娩介助はできる と言われていました。ですから、これも厚生労働省が認可した上で、実習施設になるわけですか ら、個人病院に実習施設として認可して、助産師学生がどんどん診療所に入る体制をとること。 国公立や総合病院の分娩の例数の少ない助産師たちが、個人病院、診療所に出向いて、分娩介助 の訓練を十分に積み重ねること。病院と診療所が行き来があることにより、双方の理解が得られ るように思います。そのために何が発生するかというと、産む側、受け手の女性たちが安心して お産ができることが結果として出るように思います。助産師の力が総合病院だけではなく、診療 所でも十分に発揮されて、すごく楽しいお産だった、いいお産だったと思える分娩環境ができる ことを望んでいます。 ○菊池委員 産婦人医会の周産期医療にかかる調査報告と意見書の中で、本会の顧問弁護士の見解 について触れておられますが、このことについて説明したいと思います。この見解が述べられて いる中で、引用されている前段に、最近までは内診は医師自ら行うべき行為と解されていたとい うことがあって、そのあと文章が続いています。そのあとなぜこういう解釈を高田弁護士が示さ れたか、こちらもわからないのです。これは看護協会の見解ではありません。  本会にも数多くの顧問弁護士がおり、その1名の方の弁護士の個人的な見解、著者は介すると返 していますので、そういうことだと受け止めていただきたいと思います。  2頁目の8行目、分娩医療機関の減少が住民に不安を与えているということで、沖縄では住民の 総決起集会まで開催されています。沖縄の助産師は非常に活発に活動しており、自然分娩をたく さん取り上げています。新聞記事を見ますと、このときの総決起集会は、助産師学校が閉鎖され ていく中で、助産師の学校の開設をという趣旨の決起集会で、あくまで助産師を確保したいとい う趣旨で決起集会が行われたと新聞記事にも載っています。この文脈の中で、こういうふうに使 われるのはどうかと思います。 ○山路座長 そろそろ時間になりましたので、最後に平林委員、川端委員、何かご意見があればお 願いします。 ○川端委員 議論が対立している状況で、両論併記して別途検討ということですから、特に私から 述べるまでもないと思い、黙っていたのです。  ただ、私も谷野委員と同じで、そこは確認しておいたほうがいいと思うのです。児頭の下降度と 子宮口の開大度は単なる測定行為であり、診療の補助行為であるとなると、看護師は誰でも分娩 監視装置がない状況でもできることに論理必然的になるのです。  ところが、そういう状況では安全は確保できないということは、石渡委員は自らお認めになって いるので、やはりそういう解釈を求めているのではなく、何らかの新しい制度が必要だという意 見なのだと私は理解したいなと思います。 ○平林委員 最初に申し上げたと思いますが、そしていままでの議論をお聞きして、現行の保助看 法を前提とする限り看護師が内診をやれば、それが違法であることは当たり前だと思うのです。  それが違法であることを前提にして、一方で助産師が少ない、他方で助産師が足りているという 議論は、どうしてそういうことになるのか水かけ論で、何ともわからないのです。現実的な観点 から言うと、助産師が足りているという議論は、統計上そう言えるかもしれませんが、実態はそ うではないという実態のほうが分があるのかなと思います。むしろ看護協会なり、助産師会がも う少し具体的に助産師を補充する方策を提示しないと、助産師が足りているという議論に対する 説得力のある答えにはならないとは思いました。だからやっていいとはもちろん申し上げません。  もう1つは、産科の先生、特に石渡先生にお聞きしたいのは、分娩監視装置を付けて、一定の訓 練をした看護師に対してどういう指示を出して、具体的にどういう行為をどういうタイミングで させているのかについて、私は全くわからないです。そのことがわからないままに、理念論で、 助産師でなければ危険だという議論をしても始まらないと思います。だから黙っていたわけです。 慎重論の中で、医師と看護師と助産師がもう少し議論をしてほしいと言ったのは、もう少し実態 に則した議論をしていただきたいということで、それがあくまでも基本的な観点は、医療安全の 確保に向けたということですから、本当に安全性が確保できるのか。本当にそれが必要なのか、 有用なのか。何かあったときの事後的なチェックをどうするのか、教育体制はどうなっているの か。いくつかチェックするポイントがあると思います。そういうポイントをチェックしながら、 全体としてこういう問題をどう考えていくのか。  最終的に、もし制度を変えなければいけないならば、どういう段階を経て、どういう全体のパス ペクティブの中で制度を変えていくのか。その制度を変えていく前提として、それがすぐにでき ないならば、厚労省がどれだけ責任を持って踏み出していくのかという議論をしていかないと、 事柄は全然解決しないと思います。もしそういう議論を次回以降していただければ、実態に則し た、いま申し上げたところも踏まえて議論をしていただくのがいいのではないかと思います。そ れでも同じだというならば、両論、三論、併記で座長にお預けして、この会を閉じることも1案 かなとも思っています。  私が申し上げたようなことをやるとなると、結構大変だと思います。その辺は座長のご判断にお 任せいたします。 ○山路座長 需給の関係については、再三出たように、12月の需給見通しを踏まえてどうするか、 改めて検討します。これは国の責任も含めて、今回2人の委員からも出た話ですが、どういう形 で需給不足の解消、ミスマッチはあることは事実ですから、それをどうしていくのか検討してい く。この文章の中で、どういうふうに盛り込むのか、本日いただいたご意見、ご議論の中で改め て検討させていただきます。 ○平林委員 言い忘れましたが、先ほど横浜市中区はオープンシステムで問題解決しているという 報告があったと思いますが、これは非常に参考になるのではないかと思います。要するにコミュ ニティの中でお産にかかわっていくということを考えると、助産所の助産師さんと、地域の診療 所がどう連携をとっていけるのか、ということを勤務体制の重軟化も含めて考える余地は、制度 を変えなくても、現行の枠の中でもいろいろと工夫をしていく余地はあるという印象を受けまし た。これも思いつきですが、その辺もさらに検討していただければと思います。 ○遠藤委員 私は大学で助産師の教育を行っているものですから、手っ取り早くという通念をどう 乗り越えるかという谷野委員のご意見で、本当に看護学生で助産師を希望している学生は、実は かなり多いのです。ただ、教員数の不足と臨床実習のフィールドの問題で、やはり制限をかけて いるのが実態です。現在は82大学で助産の養成ができる課程を持っています。例えばそこが現 行は5人でしたら、10人に養成規模を上げると、5×8で、それだけの数、あるいはもう少し頑 張れないかということを踏まえると、7頁の「今後の方向性」の中に、「産科における看護師と の業務については」、「助産師の確保策」の中で「助産師教育を含めた助産師の確保策」という 1文を入れていただいて、720時間、1年間で養成できるわけですから、その大学側に教員を雇 用できるだけの補助と、実習を受けてくださるフィールドがあれば毎年それだけできるわけです。 それは来年の分は今年申請すれば規模は拡大できるということもありますので、先ほど金川委員 が教育の問題をおっしゃいましたが、そういう意味でも教育の責任も果たせるように、国の対策 を強化していただきたいと思います。 ○山路座長 それでは時間がまいりましたので、そろそろ終わりにしたいと思います。提案ですが、 いま平林委員からもご提案めいたことがありましたので、その話に乗るといいますか、これは座 長の判断ですが。  次回以降の日程については2回予定していましたが、本日の議論の状況から考えますと、議論は ほぼ出尽くしたのではないかと考えます。ついては、次の会合の持ち方を別途皆さん方にご相談 して、改めて1回にするのか、どういう日程にするのかについて、座長と事務局にお任せいただ ければそういう形にさせていただきたいと思います。いかがですか。 ○谷野委員 12月のそれが出てから1回というのはどうですか。12月なんていうのは、中間です るのは考えられない。 ○山路座長 ただし医療部会との関係がありますので、これはなかなか難しいと思います。これは タイムリミットですよね。 ○青木委員 改めて検討会を持っていただいて、その問題だけ集中的にやっていただければ、私ど もとしてはそのほうが実りあるものになるのではないかと思います。 ○山路座長 そのことも含めて次回日程をどうするのか検討させていただきます。さしあたっての 日程をお願いします。 ○鎌田看護職員確保対策官 今回いくつかのご意見、加えたい部分がありましたので、そのことに ついて先生方とご相談いたします。それでこの会合の持ち方とも関係するわけですが、予定では、 もともとこの報告書にあるように、この検討会のまとめについては医療部会に報告することにな っています。いま医療部会においても、さまざまな各論について検討しており、11月下旬の医療 部会に当検討会を含め、各検討会から報告してほしいと言われていますので、会合の持ち方につ いては先生方とご相談しますが、それに向けて報告書をとりまとめたいと考えています。 ○田村看護課長 もう1点、実は中間まとめをまとめていただいたときに看護師資格を持たない保 健師、助産師の業務のあり方についてということで、現行の保助看法の体系を基本的には踏襲し た上で、政令、省令等の試験のあり方を考えていく形でご意見をまとめていただいています。現 在、具体的にそれをどのような形で実現できるかということを内部的に検討しているところです。  1つは、保助看法の中にきちんとわかりやすく書き込んだほうがいいのではないか、という意見 も内部の中で出てきています。そういった方向性も含めて、技術的な議論ですが考えているとこ ろです。今後、それがどのような形になっていくかは未定ですが、そんなこと も最近方向とし て考えろという状況になっていることをご報告しておきます。基本的なところでご議論をいただ いたところは全く変わるものではありません。 ○山路座長 よろしいですか。それでは本日はこれで閉会いたします。どうもご苦労様でした。 照会先 医政局看護課 課長補佐 岩澤 03-5253-1111(2599)