05/11/01 第5回補装具等の見直しに関する検討委員会の議事録について                第 5 回    補装具等の見直しに関する検討委員会                議 事 録           厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部          第5回補装具等の見直しに関する検討委員会議事次第         日 時:平成17年11月1日(火) 14:04〜16:56         場 所:三田共用会議所 3階 大会議室(A・B会議室) 1. 開 会 2.委員紹介 3.議  事  (1)補装具等の種目改廃に係る考え方について  (2)補装具等の価格設定に係る考え方について  (3)基準外補装具に係る考え方について  (4)補装具費の支給手続について  (5)その他 4.閉  会 〈配布資料〉  補装具等の見直しに関する検討委員会設置要綱  委員名簿  資 料 1 補装具給付事業及び日常生活用具給付等事業の見直しについて  資 料 2 補装具等の見直しに関する検討委員会中間報告(概要)  資 料 3 補装具・日常生活用具における対応方針  資 料 4 補装具等の支給の仕組みについて  資 料 5 障害者自立支援法案(抜粋)  補装具等の見直しに関する検討委員会中間報告書 ○伊藤座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第5回の「補装具等の 見直しに関する検討委員会」を開催したいと思います。  初めに、事務局から企画課の体制が新体制になられたということで御紹介をお願い いたします。 ○高木専門官 着席のまま失礼いたします。それでは、臨時委員の追加もございます し、こちらの事務局側の体制も10月1日付の人事異動で多少変わっておりますので、 併せて御紹介させていただきます。  私の方で御紹介いたしますので、一言お願いいただければと思います。なお、本日 委員の皆様の前にマイクを御用意しております。必ずマイクを通して御発言ください ますよう重ねてお願い申し上げます。  まず、この会の座長をお願いしております横浜市総合リハビリテーションセンター 長の伊藤利之委員でございます。 ○伊藤座長 伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○高木専門官 続きまして、東京都福祉保健局障害者施策推進部在宅福祉課長の太田 敏子委員でございます。 ○太田委員 太田でございます。よろしくお願いいたします。 ○高木専門官 宮城県障害者更生相談所長の樫本修委員でございます。 ○樫本委員 樫本です。よろしくお願いいたします。 ○高木専門官 神戸学院大学総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学 科教授の黒田大治郎委員でございます。 ○黒田委員 黒田です。よろしくお願いします。 ○高木専門官 本日御都合により御欠席ですけれども、千葉市障害部障害保健福祉課 長の栗原一雄委員、和洋女子大学家政学部生活環境学科教授の坂本洋一委員、以上が 本委員でございます。  続きまして、臨時委員の御紹介をさせていただきます。有限責任中間法人日本補聴 器販売店協会理事長の石井喬志委員でございます。 ○石井委員 今回から参加させていただきます石井です。よろしくお願いします。 ○高木専門官 社団法人日本義肢協会理事長の稲垣平八委員でございます。 ○稲垣委員 日本義肢協会の稲垣でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○高木専門官 社会福祉法人日本盲人会連合会長の笹川吉彦委員でございます。 ○笹川委員 笹川です。よろしくお願いします。 ○高木専門官 社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会事務局長の佐野昇委員 でございます。 ○佐野委員 社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の副理事長と事務局長を 担当しています佐野昇です。よろしくお願いします。 ○高木専門官 社団法人全国脊髄損者連合会副理事長の大濱眞委員でございます。 ○大濱委員 大濱です。よろしくお願いいたします。 ○高木専門官 福祉用具適合技術協会会長の松枝秀明委員でございます。 ○松枝委員 松枝です。よろしくお願いします。 ○高木専門官 車いす姿勢保持協会会長の光野有次委員でございます。 ○光野委員 今回、補装具の見直しということで、こういう場に呼ばれたことで、私、 この仕事をやって30年過ぎたところですけれども、本当に感無量です。こういう場所 に当事者の一員である私たちも参加させていただきまして本当にありがとうございま す。よろしくお願いします。 ○高木専門官 続きまして、社会福祉法人日本肢体不自由児協会常務理事の三村誠委 員でございます。 ○三村委員 三村でございます。よろしくお願いいたします。 ○高木専門官 全国肢体不自由児通園施設連絡協議会会長の宮田広善委員ですけれど も、15時からの御出席予定となっております。  社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常務理事の森祐司委員でございます。 ○森委員 森でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○高木専門官 どうぞよろしくお願いいたします。以上が臨時委員でございます。今 回、日程調整について皆様にかなり御無理を申したにもかかわらず、御参集いただき ましてありがとうございました。  続きまして事務局の紹介をいたします。まず、松嶋企画課長でございます。 ○松嶋課長 松嶋でございます。よろしくお願いいたします。 ○高木専門官 続きまして、長田社会参加推進室長でございます。 ○長田室長 長田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○高木専門官 國松指導係長でございます。 ○國松指導係長 國松です。よろしくお願いします。 ○高木専門官 指導係の山口係員でございます。 ○山口係員 山口です。よろしくお願いします。 ○高木専門官 私、福祉機器専門官の高木でございます。よろしくお願いいたします。  それでは、本検討委員会の再開に当たりまして、松嶋課長よりごあいさつ申し上げ ます。 ○松嶋課長 私も10月の1日付をもちまして、障害保健福祉部の企画課長いうことで 拝命いたしました。御存じのように約1か月間特別国会で自立支援法案の再提出とい うことで法案の審議等で没頭しておったわけでございますけれども、御承知のとおり、 昨日法案が可決されたわけでございます。それと同時に、夜になりましたら大臣の交 代ということで、目まぐるしい今の私どもの方の情勢ということでございます。  さりとて、法案が通ったわけでございますので、ここの今回の補装具の給付事業と か、それから日常生活用具給付等事業としての給付の在り方というものについて、こ れから淡々と皆様の意見を聞きながら詰めていかなければならないのではないかと、 このように思っておる次第でございます。  また、自立支援法においては、補装具それから日常生活用具という用具の整理とい うものも、過去何十年と続いてきたことも時代とともに新しい時代に向けて、また制 度に向けて整理もしなければならないということで、この委員会は本年2月に立ち上 がったわけでございますけれども、まずは、当委員会で御指摘を受けております補装 具と日常生活用具の範囲の見直しということに検討をおきまして、過去4回の御審議 をいただいて一定の結論を得たわけでございます。現行の種目の見直しに関して関係 者と調整中ではありますけれども、年末の予算編成に向けて、私どもの方も努力して いかなければならない、このように思っております。  それから、本日の委員会以降の御審議の内容でございますけれども、中間報告でも 御指摘いただいていますように、適正な価格設定や対象種目の見直しが可能となる仕 組みづくりについて、これらに関する皆様方の様々な課題について御検討いただけな いかということで、今後の委員会の審議議題というものは、そういったところに着目 して御審議をいただきたいと、かように思っておる次第でございます。  検討課題を鑑みますと、今回より、現在の委員に加えまして、先ほど来御紹介がご ざいました当事者の代表者及び用具の給付事業者の代表者の方々も委員に入っていた だきまして忌憚のない御意見をいただいて、今後の補装具と日常生活用具の価格の在 り方、また範囲の在り方というものを御審議いただきたいと、このように思っており ますので、今後ともよろしくお願いをしたいと、このように思っております。  限られた時間の中ではございますけれども、意義ある御審議をお願いいたしたいと、 このように思っております。  それから私、本当に身勝手ではございますけれども、法案が通って、またすぐに三 位一体、それから大臣の所管事項、私どもの方の予算というものも法案がどうなるか ということで、実は法案も予算の方も中断したままということで、財務省の方も審議 に実は入っておりません。等々を含めまして、途中で退席いたしますけれども、御了 承をいただきたいと、このように思っております。  本日は、御多忙の中、お集まりいただきまして心より感謝申し上げております。今 後ともよろしくお願いをいたしたいと思っております。本当にありがとうございます。 ○高木専門官 松嶋課長ありがとうございました。それでは、松嶋課長はここで退席 ということで、皆様どうか御容赦いただけたらと思います。ありがとうございました。 ○松嶋課長 すみません。ここでちょっと失礼させていただきますけれども、よろし くお願いいたします。 ○高木専門官 委員、事務局の紹介は以上でございます。  座長お願いいたします。 ○伊藤座長 それでは、本日の検討委員会の議事の進め方なのですけれども、まず、 臨時委員の皆様方も加わりましたので、これまでの審議の経過もございます。これを きちんと皆さんで意志統一を図って、合意をした上で新しい議題に向かって話し合い をしていきたいと、そういうふうに思いますので、そのことを含めまして、事務局か ら今説明をしていただきます。よろしくお願いをしたいと思います。配布資料を含め て御説明をお願いします。 ○高木専門官 まず、配布資料の御確認の方からお願いしたいと思います。  まず、委員の皆様には、このファイルと封筒の上に乗っています資料がございます。 資料の中身は傍聴の方々も同じでございます。まずは座席表が1枚ございます。それ から議事次第が1枚、この検討会の設置要綱が1枚、今回、臨時委員も入りました新 しい委員名簿が1枚、それから資料1として1枚。資料2も1枚ものでございます。 資料3が4枚もののペーパーとなっております。資料4が1枚、資料5は法案、もう 成立しましたので、法になりますけれども、「抜粋」と書いてございます2枚ものの ペーパー。それと冊子で「補装具等の見直しに関する検討委員会中間報告書」という ものが1冊入ってございます。  以上が資料ですけれども、足りないもの等ございましたらお知らせいただければと 思います。  申し忘れましたが、ファイルの中身は第1回から第4回の資料でございます。参照 しながら議論を進めていただきたいと思い御用意をいたしました。よろしくお願いい たします。  それでは、資料1の説明をいたします。  まず、「補装具給付事業及び日常生活用具給付等事業の見直しについて」というこ とで、一番上の四角のところが【現行】となっておりまして、左側に〈補装具給付事 業〉、右側に〈日常生活用具給付等事業〉と両制度を書いてございます。  制度の概要ですけれども、現行の補装具では、盲人安全つえ、補聴器、義肢、装具、 車いす、その他厚生労働大臣が定める補装具となっておりまして、給付方法は原則現 物給付。種目としまして、義肢、装具、座位保持装置、車いす、電動車いす、盲人安 全つえ、点字器、補聴器、人工喉頭、収尿器、ストマ用装具等となってございます。 費用負担ですが、現行では所得税額に応じた応能負担、ただし、一定所得税額以上は 全額自己負担となっております。  日常生活用具の方は、日常生活上の便宜を図るための用具であって、厚生労働大臣 が定めるもの。給付方法は現物給付。種目は、浴槽、体位変換器、移動用リフト、視 覚障害者用ポータブルレコーダー、聴覚障害者用情報受信装置、重度障害者用意思伝 達装置、電気式たん吸引器、透析液加温器、電磁調理器、火災警報器等でございます。 費用負担ですけれども、これも補装具と同様に所得税額に応じた応能負担となってお ります。  これらを制度改正に伴い見直しを図るということとしておりまして、その内容とし ましては、まず補装具、日常生活用具の範囲の見直し、これは定義の明確化をしてき ちんと両制度を確実なものにしていく。その他補装具給付制度及び日常生活用具給付 等事業の見直しのために必要な事項としまして、障害のある人にとって真に必要な用 具を、適正な価格で提供できる仕組みづくり。また定義に基づく現行種目の見直し。 補装具費の設定、補装具等の給付事務手続きの円滑化等、今回改正に伴うその他の事 項。また持続性のある安定した制度の維持。そのような見直しの内容をしていこうと いうことで、その一部をこの補装具等の見直しに関する検討委員会にて検討いたしま して、新しい制度へ反映させていくということでございました。  一番下の四角が「障害者自立支援法」、補装具等に係る見直し部分は平成18年の10 月施行となります。補装具の部分では、補装具費の支給となりまして、身体機能を補 完し、又は代替し、かつ長期間にわたり継続して使用されるもの。その他の厚生労働 省令で定める基準に該当するものとして、義肢、装具、車いす、その他の厚生労働大 臣が定めるものとしまして、給付方法としては補装具費の支給。種目としては今後検 討ということで、現在調整中でございます。費用負担としては、定率(1割)負担。 ただし、家計に与える影響を斟酌して一定の負担上限を設定ということとしておりま す。また、所得が政令で定める基準以上の場合は支給対象外ということは現行と同じ でございます。  また、日常生活用具の方ですけれども、これは市町村事業であるところの地域生活 支援事業の中の一つとなりまして、その中で日常生活用具、日常生活上の便宜を図る ための用具であって厚生労働大臣が定めるもの。給付方法は現物給付。種目につきま しては今後検討。費用負担としましては市町村が決定という形で、市町村の弾力的な 運用というものが主体となる事業となります。  これが両制度の見直しにおける概要ということでございます。  その中で資料2をごらんいただきたいと思います。これはこの検討会の中間報告の 概要ということでございます。  まず、両制度を確固たるものにするということから、補装具、日常生活用具の定義 を決めなければいけないということで第1回から第4回までの経過の中で決めてまい りました。これは今回の検討会に先立ちまして、「福祉用具給付制度等検討会」とい うものが平成11年2月に報告書を出されております。これを踏襲して定義を含めて見 直しを図るということとされておりました。  定義でございますが、補装具、次の3つの要件を満たすものとしました。  (1)身体の欠損又は損なわれた身体機能を補完、代替するもので、障害個別に対応し て設計・加工されたもの。アンダーラインの「a)」は、下の説明の「a)」に対応して おりまして、障害個別に対応して設計・加工されたものとは、身体機能の補完、代替 を適切に行うための処方、選定に基づくものであること。  (2)身体に装着(装用)して日常生活又は就学・就労に用いるもので、同一製品を継 続して使用するもの。それぞれ装用という意味は、必ずしも身体に密着させることで はなく、障害者別に応じた多様な使用方法を含むものである。日常生活というのは、 日常生活のために行う基本的な毎日のように繰り返される活動をいう。就学・就労で ございますが、「就学」とは義務教育に限らず、療育等も含めた広範な教育形態を意 味する。「就労」とは企業での雇用に限らず、多様な働き方を意味する。同一製品を 継続して使用とは、原則的には種目の応じた耐用年数の期間使用すること。  (3)給付に際して、専門的な知見(医師の判定書又は意見書)を要するものとしまし た。  (2)の日常生活用具ですけれども、これもまた次の3つの要件を満たすものとし まして、(1)安全かつ容易に使用できるもので、実用性が認められるもの。安全かつ容 易に使用できるものとは、選定や使用にあたって障害者自身や市町村職員等で判断が できるもの。  (2)日常生活上の困難を改善し、自立を支援し社会参加を促進するもの。日常生活上 の困難とは、日常生活のために行う基本的な毎日のように繰り返される活動上の困難 を指します。  (3)政策や改良、開発にあたって障害に関する専門的な知識や技術を要するもので、 日常生活品として一般的に普及していないもの。日常生活品として一般的に普及して いないものとは、一般市場では入手が困難であり、主に当該障害を有する人のために 使うものをいうとしました。  これらの定義を検討するに当たって、いろんな制度運営等に関する留意点も委員の 先生方から出されました。それを「2」にまとめてございます。  まず、補装具でございますが、定義に関する留意点としまして、教育と勤労の権利 の保障に鑑みて「就学・就労」を特記。耐用年数以内であっても破損等が生じた場合 は、再交付が可能。これは日常生活用具も同様でございます。  また、制度運営に関する留意点としまして給付システムの充実。身体障害者更生相 談所の充実および機能強化を図る必要があります。また、福祉用具に関する情報の適 切な提供体制の構築、適切な給付と使用状況の確認など、最初から最後まで保障でき る仕組みの構築。現行種目の整理としまして、仮に補装具から外れる種目を他の制度 で対応する場合、当該種目名を制度上明確に掲上するなど配慮すること。あと最後の (ウ)ですけれども、これは日常生活用具のウとも関連してございますが、価格や種 目の適正化への対応としまして、適正な価格設定や対象種目の見直しが可能となる仕 組みを構築。  日常生活用具のア給付対象者の範囲。施設入所や障害程度等級にとらわれず必要な 人に給付する。給付システムの充実としまして、実用性の確認のため、一定の試用期 間を設けるなどの仕組みを検討というふうな御意見が出されておるところでございま す。  第5回以降は、こういった第4回までに出された点も踏まえながら、また後で御説 明します第5回以降の検討課題に向かって御審議をいただきたいと思います。  それと現行種目の整理でございますけれども、今、補装具を必要とする関係団体、 関係者とも調整中でございまして、これは中間報告で出された定義を受けまして、厚 生労働省の方で現行種目の整理をさせていただきました。それを案として提示いたし まして、関係者の方々と調整中でして、これは年末の予算編成に向けて最終的な結論 を出すというふうにしておりますので、この検討会では議題にならないということで 御認識いただければと思っております。  それと資料4を開いていただきまして、これは補装具費の支給の仕組みについてと いうことでして、補装具費の支給ということになりますもので、原則償還払い。利用 者が全額一時的に事業者さんにお支払いするという仕組みとなっております。ただ、 これについても一時的にせよ、利用者さんが困ることのないように配慮しなければい けないと思いまして、一部代理受領というふうな制度も考えておりまして、臨時委員 の皆様方に供給者側の代表も入っていらっしゃいますので、できれば、事務的なこと でございますので、こちらの方を先に御審議いただければと思っております。  私の方からは以上です。 ○伊藤座長 それでは、今の御提案の中で、資料4の方を先議したいということでご ざいます。確かにこの方を確認しておかないと前に進まないと思いますので、資料の 4の御説明をいただいて、それでこちらを先に検討させていただきたいと思いますが、 よろしゅうございますでしょうか。 ○笹川委員 座長、今までの説明に対して質問があります。 ○伊藤座長 わかりました。それでは先にお聞きいたします。では、どうぞ。 ○笹川委員 お尋ねいたします。この中間報告はどういう意味合いのものなのか、そ の中間報告を出す前に障害当事者の意見を聴取したのか。実は私ども10月の18日に視 覚障害者の補装具の中から、白杖と点字器を外して日常生活用具に移すという説明を 受けました。これは決定的な話のように私どもは聞いたんですけれども、今のお話を 聞いていますと、これからまた検討するということですが、その辺は一体どうなって いるんでしょうか。補装具、日常生活用具というのは、我々障害者がその地域で生き ていくために絶対必要なものです。その重要なものを決めるのに、当事者の意見を全 く聞かないままに一部だけで決める。今はそういう時代ではないと思います。それを なぜ今回こういう形でやったのか。今日のこの委員会も突発的に開かれたものとして 私どもは受けとめています。今後こういうことがあるということになりますと、我々 は本当に安心して厚生労働省に物事を任すことはできない。その経過をひとつ納得い くような説明をしてもらいたいと思います。それから、来年度予算はもう12月までに 決まります。この委員会はあと何回開いて、どういう形で収拾するのか、その辺のと ころも聞かせていただきたいと思います。  以上です。 ○伊藤座長 では、事務局よろしくお願いいたします。 ○高木専門官 お答えします。位置づけの問題なんですけれども、これにつきまして は、まず有識者会議というふうな位置づけでございまして、それぞれの用具の範囲の 見直しから入って、実際面の支給の仕組みについて、価格や補装具、日常生活用具の 採り入れ、そういったものについては、当事者の方々や事業者の方々に入っていただ いて一緒に検討していこうということで進めてまいりました。  まず、定義でございますけれども、これは揺るぎのないものにしたいというところ で、本委員の先生方に4回にわたって御議論いただきまして、その中でいろんな歴史 的な経緯も踏まえて入っているものもございますので、慎重に取り扱わなければいけ ないというふうな形で御指摘も受けておったところでございますので、まず、定義を ここは受けて、現行種目に当てはめたところ、公正を期すために、それぞれの定義1、 2、3とございますけれども、それぞれに当てはめてみて、少しでも引っかかるなと いうものについては検討のテーブルに乗せて、そして各障害者団体の皆様とお話をし たところでございます。  盲人安全つえと点字器に関しましては、この間も私どもお邪魔いたしまして、定義 は定義としてある、これは揺るぎのないものとして取り扱いたいんだけれども、特に 盲人安全つえのケースについては、道路交通法という、いろんな制度の歴史的な経緯 があるということを御説明したところでございます。また点字器についても御意見を 伺ったところでございます。 ○長田室長 社会参加推進室長の長田でございます。ちょっとだけ補足をさせていた だきたいと思います。お許しをいただけますでしょうか。  今申し上げましたといいますか、4回までにこの検討会で御検討いただいて内容、 中間報告という形でまとめられておりますけれども、それはいわば定型的に補装具と いうのはどう定義づけるか、あるいは日常生活用具というのはどういうものであると いうことを定義づけるかという御報告をいただきました。それを具体の品目に落すと いいますか、当てはめてみるということについては、行政として、こういう案はどう かということで、我々としては、いろいろな品目についての当てはめをしてみたとい うことであります。最終的にそれを予算にどういうふうに反映していくかというのは、 皆さん当事者の方々も含めてそれぞれの団体と御相談をしながら、行政としての案を つくりたいというふうに思っております。それを予算上に反映させていきたいという ふうに思っているのが現状だということであります。  それから、この検討会につきましては、我々としましてはルールづくりをするとい うことでありますから、透明性を確保するためにも、なるべく早く結論をいただけれ ばありがたいというふうに思っております。可能であれば、年明け、1月になりまし ょうか、2月になりましょうか、そのあたりに結論をいただけるようであれば、大変 ありがたいなというふうに思っております。これは皆様方の年末におけるスケジュー ルもありますので、なかなかそうかなわないこともあるかもしれませんけれども、私 どもの希望としては、そういうことを考えているということを申し上げたいというふ うに思います。  以上でございます。 ○笹川委員 お尋ねします。その有識者の方々が出された中間報告、これに基づいて 品目を決めたということですか、それとも委員会で決めたということですか、どちら ですか。 ○高木専門官 委員会では現行種目の整理はしておりません。行政の方で案を出させ ていただいたということでございます。 ○笹川委員 いろいろな考え方があると思いますけれども、厚生労働省は何事につい ても学識経験者とか、有識者とか、そういう方々を大事にされます。しかし実際に補 装具、日常生活用具を使うのは障害者なんです。その障害者の意見も聞かないで一方 的に決めるということがあったら大変なことです。今後、こういうことは絶対にない ように、ひとつ当局でもしっかり踏まえていただきたいと思います。そうしませんと、 今回のように、もし白杖がなかったら我々は一歩も歩けないんです。そういうことす らもわかってもらえない、そして一方的に日常生活用具に落して、日常生活用具で給 付するからいいじゃないか、そんなものではないと思うんです。点字器についてもそ うです。これはもちろん、就学・就労ということでかかわってくるはずです。それも 日常生活用具に下ろすと。これでは全く話になりません。ですから、そういう点で、 何事についても当事者の声をまず聞く、そういう姿勢をしっかり厚生労働省として持 っていただきたいと思います。  以上です。 ○高木専門官 わかりました。ありがとうございました。 ○伊藤座長 誤解のないように申し上げておきますけれども、この中間報告の4ペー ジに、種目に関しましては、本委員会の中で、これまで補装具や日常生活用具の定義 について、過去の定義を踏襲しながら、より正確なものにしていくと、そういう作業 をしてまいりました。それはそれぞれいろいろな方々から、多くの国民からと言った 方がいいでしょうか、あるいは各省庁の中から補装具というのはどんなものなのか、 日常生活用具というのはどういうものなのかということが明確でありませんと、それ に対して予算をつけるわけにはいかんよということを言われても困るものですから、 きちっとその辺の定義をしてきたと。そういう中で、しかし、これらは歴史的な経緯 もあって補装具の対象種目とされているものでありというふうに書かれているんです が、これは、必ずしもその定義を正確に当てはめるとそれに当てはまらない、そうい うものも歴史的経過の中で補装具の中に入っております。それは歴史的経緯もあって 入っているのだから、一慨に補装具の定義に該当しないとして、これを整理すること は避けるべきだというふうに委員会としては報告をしているところでありまして、そ れに基づいて厚生労働省の担当課から各障害者団体の方々や、あるいは給付にあたっ ていらっしゃる業者の方々に御相談をしているというような経過だということを御承 知おきいただきたいと思います。  それでは、資料の4に基づきまして、これまでの補装具の支給の仕組みについて御 説明願いたいと思います。 ○高木専門官 それでは、「資料4 補装具費の支給の仕組みについて(案)」。  まず、流れですけれども、補装具の購入又は修理を希望する者は、市町村に費用支 給の申請を行う。イとしまして、申請を受けた市町村は更生相談所等の意見を基に補 装具費の支給を行うことが適切であると認めるときは、補装具費の支給の決定を行う。 ウとしまして、補装具費の支給の決定を受けた障害者は、事業者との契約により、当 該事業者から補装具の購入又は修理のサービス提供を受ける。障害者が事業者から補 装具の購入又は修理のサービスを受けたときは、事業者に対し、補装具の購入(修 理)に要した費用を支払うとともに、市町村に対し、補装具の購入(修理)に通常要 する費用の百分の九十に相当する額を請求する。市町村は、障害者から補装具費の請 求があったときは、補装具費の支給を行う。いわゆる償還払いの制度が原則というこ とになっております。  これによりまして、利用者サイドから見たときは、自由に事業者が選べるというよ うな選択の幅が広がるという利点もございますが、先ほど申し上げましたように、一 時的にせよ、百分の百というか、全額御用意をしないといけないということで非常に 負担が重たくなる方もいらっしゃるという心配をしておりまして、これは別途、市町 村、利用者、事業者の三者の契約に基づきます代理受領、いわゆる利用者は10%だけ 事業者にお支払いをし、あとの百分の九十の取り扱いは、事業者と市町村でやってい ただくというふうな形が何とかとれないかということを考えておりまして、それを図 にあらわしたのが下の図でございまして、点線部分が別途用意する代理受領というふ うな仕組みでございます。  もう一度申しますと、原則償還払い。ただ、別途こういう仕組みもつくるというふ うなところで御理解を得た上で、行政の方、あるいは更生相談所の方、あるいは事業 者、当事者とそろっておりますので、皆さん方の御意見をお伺いして、こういった仕 組みづくりをしてまいりたいと考えておりますが、よろしくお願いいたします。 ○伊藤座長 ちょっとお尋ねしますが、こういう仕組みをつくるのは、各市町村にそ ういうふうにお願いをして、それぞれがそういう契約を結べということですか。 ○長田室長 もちろん、そういうこともありましょうが、我々としては、どちらかと いうと、代理受領方式を本則であるかのように取り扱うということを、できればお願 いしたいというふうに思っております。 ○伊藤座長 それはそうだと、多分そういうふうに流れていくと思うのですけれども、 その場合に、一応、原則は償還払いでしょうから、各市町村がそれぞれ契約をすると いう手続きを踏まないといけないですね。それはやってもらう? ○長田室長 それは、そういう手続きが必要になります。 ○伊藤座長 ということだそうでございますが、どなたか、このことにつきまして御 意見ございますでしょうか。どうぞ。 ○黒田委員 現行ですと、処方の金額が増減をしても、本人負担は所得に乗っかって 負担しますね。今回の方式でいきますと、処方が変われば、当然、単価計算が変わっ てくる。ということは、1割というのが定率ではなくて、その人の給付される品物に よって、負担というのは1割だからということだけではなくて、処方の内容が、もし 許される範囲でいろいろやっていけばいくほど、どんどんその人の1割の幅が増えて くるということになる。その両面を見ながら方法を考えていかないと、1割というも のだけを頭の中に置いて見ていると、そこを処理したらクリアできるように思えるん ですけど、この後ちょっと資料を見ますと、基準外交付のものでいろいろなものが、 できれば補装具に加えていこうと。そのほか他の障害も出てくると思うんですけど、 今の代理とか償還の裏側に、要するに給付されるものによっては随分と、さらにもっ と大きな負担になる。というのをどこかに挙げておかないと、1 割でいけばすっきり ということの、言ってみればごまかしにならないようなちゃんとした説明は要ると思 うんです。方式としては、償還にしろ、代理受領にしてもいいんですけれども、何と なく1割ですっきりしたような感じに見えてきてしまって、給付されるものによって は、1割が相当大変、確かに100 %払うよりは楽かもしれないけれどもということで、 すっきり安心してはいけないなという受け取り方を私はします。だから、その過程に 説明がもう少し要るのではないかと。 ○伊藤座長 ちょっとよくわからないんですが、それは差額という意味ですか。 ○黒田委員 いえいえ。要するに説明的1割の中には、例えば電動車いすが基準価格 50万としますと、多少の調整をする。当然した分だけ1割の負担は大きくなっていく わけです。現行ですと、その辺の調整をしても本人負担は一律ですから変わりません ね。 ○伊藤座長 これは、50万の補装具費の給付の1割ですよね。それにプラスアルファ しようと何しようとね。 ○黒田委員 そうなんですか。 ○高木専門官 そこは、それがデザインだとか、色だとかという個人の嗜好に基づく ものであれば、当然、差額自己負担ということにはなるんですけれども、それが処方 の中であれば、当然、そこは補装具費の中に含まれると考えています。ただし、現行 で基準外交付ということで整理されているものに関しましては、それなりの手続きと いうことが現行では必要になるわけなんですけれども、それも10月からどういうふう な整理でいくかというところも含めての御検討というところでございます。 ○伊藤座長 ですから、そのことについては後でやるということで、まず仕組みだけ ということなんですが、今の仕組みの中に、何かそれに付加するようなことを入れな くてはいけないということですか。 ○黒田委員 そうではないんですが、ややもすると説明が1割だったら1割で納得み たいな格好になりますのでね。途中の説明は、さっきのいろいろな御意見もあって、 お金の問題は丁寧な説明をもっとしておかないと勝手な解釈が動いていく。今のもそ うなんで、差額負担の分も今回どう整理するか、仕組みの上の問題になってくるわけ でしょう。要するにこういうものは全く自分で払いなさいと。今の部分の処方上で変 化した部分は、全部1割負担の範囲に入りますというのを、償還払いにしても、代理 受領にしても、そこらあたりも説明を、欄外でもどこでもいいんですけれども、丁寧 にしておかないと制度運用上は混乱が起こるし、既に過去にも似たようなことをいっ ぱい起こってきているわけですね。それが利用者にとっての不満にもなりますし、逆 に言うと、それを大上段に振りかぶって門前払いみたいなことも多々起こっておりま すので、こういう制度が新しく変わっていくときには、できるだけ丁寧に詳しく、こ ういう仕掛けを説明していくというのが必要なのではないかということでございます。 ○伊藤座長 わかりました。ありがとうございました。  では、今のところの整理は、この仕組みというか、支給の仕組みについて、償還払 いを代替して代理受領することができるという仕組みをつくりたいんだということだ けにとどめておきたいと思うんです。それ以上幾らまで支給するとか、あるいは事業 者が幾ら幾らよと出したときに、それが処方の中なのか外なのかとか、そういう細か いことに関しましては後で検討して、それをここにどういうふうに書き込むか、それ はそのときにさせていただくということでよろしゅうございますか。  とりあえず、償還払いということでは、何十万ものお金を支払いすることができな い、そういうユーザーの方がいらっしゃるわけだろうと思いますので、その部分を代 理受領できるような、実はこれまでのやり方とほぼ同じになりますけれども、そうい うことができるようにするんだという仕組みということで御理解いただくことでよろ しゅうございますでしょうか。 ○森委員 日身連の森ですが、その辺のところで障害者との関係がどうなるのか。い わゆる、これは法律的に言えば、一応、補装具費の支給になっていますよね。それを 現実的にくくり直したときに、これは全部が現在と同じような代理受領制度にするの か、それにしてくれないと、障害者はどっちだかわからないという形になるんじゃな いかなという気がするんですけれども、その辺はいかがでしょうか。 ○高木専門官 これはどちらかが選択できるような形の方がむしろいいのかなという ふうに思っています。というのは、現金を御用意できる人にとっては、むしろ使いや すい制度となる可能性もございますので。 ○森委員 日身連では、支援費制度の導入のときに、いわゆる補装具について大分問 題にしたんです。それで、大変大きな金額を出すときになったときに、本人は持って いない、償還払いとなってくると、償還払いの前の実際のお金は、どこか貸付制度で もつくらなくちゃいけないんじゃないかというようなところまでいったわけです。だ から、代理受領したという制度にできれば、我々が心配したことは大丈夫だと、こう いうことなので、私はあえて聞いたんですが、よろしくお願いします。 ○伊藤座長 ありがとうございました。基本的には代理受領ということですので、こ れは選択制にするというようなことで、こういう制度をつくるということまでで、今 の段階では議論をとめておきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ○大濱委員 とめるんですか。 ○伊藤座長 今の段階では。後でまた幾らでも、この問題には戻りたいと思いますが、 一応、この代理受領の仕組みをつくるんだと。その仕組みをどうやってつくっていく のか、各市町村でどういう契約を結ぶのかとか、どういう指示を出してどういうふう にやるか、業者との関係をどうするか、そういうことについての細かいことは、また 後で詰めてお示しいただくということで。 ○光野委員 今の意見のぶり返しですけど、代理受領することと、もう一つ選択と言 われますけど、そのことが利用者にとってメリットがどうあるかというあたりの背景 がちょっとわからないので、両方あるよと言われても、どういうふうなメリットがあ るのかということですね。それがわからないと話についていけないところがあります ので、説明をお願いしたいんですけれども。 ○高木専門官 今の質問の内容の確認なんですけれども、代理受領は今までの現行制 度ですよね。ですから、償還払いについてのメリットの説明ということでいいですか。 ○光野委員 はい。 ○高木専門官 代理受領の制度ですと、事前に市町村が契約を結んだ事業者さんでし か買えないというか、そういった選択の幅がある意味狭められると。あと、例えば施 設で暮らしている方が施設所在地の業者から補装具を購入する際に、本人の地元の市 町村が今いる施設所在地の業者と契約を結んでいないというふうな状況もございます ので、自由がきかないということもございましたので、そういった面では、ある程度 自由がきく制度になるのではないかと。そういうことでございます。 ○伊藤座長 よろしいですか。それでは、資料4に関しましては、一応ここまでで話 をとめて、次の議題に移っていきたいと思います。  それでは、資料3の説明をお願いします。 ○高木専門官 それでは、資料3の方を御用意いただきまして、まず、「補装具・日 常生活用具における対応方針(案)」。両用具を次の視点で改革を行いまして、障害 のある人の自立と地域生活を支援する施策の一つとして充実を図る。  1から4までございます。1 両用具の明確な定義の下での適正を制度運用。2  自己決定の尊重と利用者本位のサービス提供。3 利用者のニーズや技術の発展を適 切に反映し、真に役立つものを、適正な価格で提供できる仕組みづくり。マルポツで ございまして、種目の取捨等について、透明性、公平性を確保する観点から、検討委 員会等の仕組みを構築。4としまして、安定した制度の維持。  左の方の【現行】が右の方の【対応方針(案)】に対応しております。  【現行】。関係団体等からの要望や専門家の意見を踏まえた給付種目の採り入れと 廃止を現在は行っております。また現物給付、特定品の引き渡しということを原則と して行っております。価格についてなんですけれども、昭和54年度厚生科学研究に基 づきまして、基準価格を設定させていただきました。以降、企業物価指数や民間給与 改定率をもとに、基準額を改定していっております。また、あるいは各事業者に対す る調査をもって基準額を改定して今までまいりました。費用負担ですけれども、応能 負担ということで、障害者の属する世帯の所得に応じた負担というのが現行でござい ます。  対応方針の案としまして、新種目の採り入れや現行種目の廃止に関するルールづく り、これを本検討会にて検討していただきたい。現物給付から金銭給付(装具費)と して利用者のニーズをより反映させる仕組みづくりをしていきたい。定期的な市場調 査に基づく基準価格の設定などのルールづくり、これにつきましても、本検討委員会 にて検討をお願いしたい。あとサービス量と所得に着目した負担の仕組みに見直す。 これは補装具費ですけれども、補装具については定率(1割)負担と所得に応じた月 額負担上限の設定をしてまいりたいということでございます。  2ページ目、この検討委員会における検討課題を整理しております。  まず、1〜4回見直しの内容としまして、補装具、日常生活用具の範囲の見直しを してまいりました。それを受けまして、現行種目の見直しを厚生労働省の方で行い、 現在関係者と協議中でございます。  5回以降ですけれども、その他見直しのために必要な事項としまして、障害のある 人にとって真に必要な用具を、適正な価格で提供できる仕組みづくり。これについて は、次のページに詳しく書いてございます。また、補装具費の設定、補装具等の給付 事務手続きの円滑化等、今回改正に伴うその他の事項。  対応状況としまして、今回以降の主な検討課題としまして、適正な価格設定や対象 種目の見直しが可能となる仕組みづくりについて。また補装具費の支給手続きについ ては、先ほど来御意見を賜ったところでございます。最後に、基準外補装具を基準内 への採り入れといったものを検討していきたい。  次のページ。「障害のある人にとって真に必要な用具を、適正な価格で提供できる 仕組みづくり」としまして、現行、問題点、検討内容とまとめてございます。  まず【現行】。これは先ほど申しましたように、要望や意見を踏まえてやっておっ たと。また、基準価格というものを設定して、以後、改定していったというふうなこ とでございますが、それらの問題としまして、どうしても予算編成等の中でやってい く部分も当然ありますので、また、その関係者の要望が何だったのか、専門家の意見 が何だったのかというふうな意味での透明性が低い。種目の改廃に関する透明性が低 いという問題点が一つございます。  2番目としまして、ある一定の基準価格を設定して、以降改定していったというこ とでございますので、市場の原理が働きにくい価格設定となっておりましたというと ころが問題点として挙げさせていただいたところでございます。  ですから、この検討会における検討内容としましては、新種目の採り入れや現行種 目の廃止、そういったものに関するルールづくりをまずは行っていきたい。これは種 目の採り入れや廃止等について、透明性、公平性を確保する観点から、検討委員会等 の仕組みを構築してはいかがかというふうな御意見を第1回から4回の中でも繰り返 しいただいておるところでございますので、こういった点を原点に検討を進めていた だきたいと思っております。  また、適正な価格の設定方法に関するルールづくり、これも同様に前々から御意見 をいただいていたところですので、また、市場調査と申しますけれども、どういった 市場調査がよいのか、皆さん方の御意見を賜った上でこういったことをしていきたい と考えております。  次のページ、これが基準外補装具の基準内への採り入れについてということでして、 どのような問題意識があるかというと、まず基準外補装具とはいえ、交付件数が全国 的に見ると非常に多いものが存在するということは前々から御指摘をいただいていた ところでして、平成16年度基準外補装具に関しまして、皆様方の御協力を得まして、 各更生相談所に調査をいたしまして、その結果の概要が左下の表にございます。  例えば、車いすのチルト機能の付いたものであれば、身体障害者では382 件、身体 障害児59件。これは分類の仕方によって多少この件数は変わってくるかとは思うんで すけれども、大体こういった内容でございました。また、基準内に採り入れる際に、 単に名称や型式といったものを追加していくのか、そうではなくて、根本的に基準の 示し方というものを変えていくのか、こういった点も御指摘をいただいているところ でございます。また、新制度においては、できる限り基準外交付というものをなくす 方向で検討したいと。これは行政側の方の意思でございます。また、使いやすい制度 となるように、これはしていかなければいけない。そういった点をぜひ念頭に置いて 御検討を進めていただければと思っております。  ちなみに交付件数の多い基準外補装具としましては、先ほども申しましたチルト機 能を持つ車いすですとか、座位保持装置と車いすの組み合わせですとか、児童の特殊 な歩行器や立位保持装置、補聴器に関しましては、デジタルのものや両耳装用など、 これらを踏まえて基準内への採り入れですとか、基準の整理あるいは基準外交付の位 置づけ、どういった条件づけをして、それを認めていくのかというふうなことについ て御議論をいただければと思っています。  資料3の方の御説明は以上です。 ○伊藤座長 ありがとうございました。それでは、これから少し議論をしていただき たいと思いますが、これはもう御承知のことだと思いますが、今回だけで終わるわけ ではございません。あと2回ほどこれをやりますので、今日はフリートーキングとい うことで、ぜひ自由な御意見をいただいて、それを事務局の方で後でまとめていただ きますので、結論を出すような議論はしないで、それぞれの方々の自由な意見を出し ていただければと思います。  それでは、先に資料3の問題からいきたいと思います。新種目の採り入れの問題か らやっていいですね。 ○高木専門官 はい、お願いします。 ○伊藤座長 新種目の採り入れや現行種目の廃止に関するルールづくりということか ら議論をしたいと思います。その次に、今日の時間なんですが、5時までということ ですので、適正な価格の設定方法に関するルールづくり、ここまでできればと思いま す。もし時間があれば、基準外のことまでいきたいと思いますが、とりあえず、その 2つの問題を念頭に置いて時間配分をしたいと思いますので、それぞれ1時間ぐらい ずつと考えたいと思います。それでは、新種目の採り入れや現行種目の廃止に関する ルールづくりということについて御意見をいただければありがたいと思います。 ○笹川委員 まず、補装具にしても、日常生活用具にしましても、その廃止とそれか ら新たに加えるという、この辺の検討はこの委員会でやるんでしょうか、それとも厚 労省の部局と障害者団体との間でやるんでしょうか、その辺をちょっと聞かせていた だきたいんですが。 ○高木専門官 ここで言っております新種目の採り入れ、あるいは現行種目の廃止と いうのは、今後制度の中でどういったルール決めをして、それをやっていくのかとい うふうな話でございまして、実際の種目の採り入れ、ないし廃止というのは、例えば 委員会方式でやるとしたら、そういった意見を踏まえて、これまた行政の方で行って いくような形になると思います。ですから、今回の議論の検討課題としては、そのル ールづくりということでございます。 ○笹川委員 わかりました。 ○伊藤座長 どうぞ。 ○光野委員 どういうふうな方針でもって、こういうものを今後決めていくかという 理解でよろしいのでしょうか。実は私はこの仕事にずっとかかわっていて、行政の壁 と言ってしまうと怒られるかもしれませんけれども、日常生活用具で、例えば時代の 流れとともに大いに変わっていく品目がありました。わかりやすい例で言うと、電動 タイプライターがワープロに変わっていく時期を体験しましたけれども、なかなか行 政の対応が、そこは文言どおり、実に安い便利なワープロが出てきたにもかかわらず、 ないよというようなことで、非常に歯がゆい思いをした障害者の皆さんもおられたと 思います。  そういうことから、この話は技術の進化と同時に新しいものが出てき、それが利用 者にとって非常に恩恵をもたらすものということが、私たちが今ここで議論していて もわからないものが来年出てくるかもしれません。そういうことで品目を決めるとい うより、時代とともにこういったものは見直すんだということが、こういう場所で決 まるということが大事なことだろうと思うんです。その見直し方については、公平性 や平等性、こういったものをきちっと押さえていくルールをつくっていくというよう なことだろうと思いますので、私は、この内容については、ここにこういうふうに掲 げられていることに対して大変期待をして今日来ているわけなんですけれども、そう いう面で実際の動向を1団体、あるいは1業界団体だけのリードでデフォルメされた ような形で、これが済まないような、そういう抑制も持ちながら、なおかつ実態に即 したと、こういうところをお願いしたいと思っております。 ○伊藤座長 まさにそういうものをつくりたいと思ってこれを提案してきたわけでし て、今、世の中からは透明性ということを非常に強く求められているわけです。国民 の方々もユーザーも、自分たちでお金を出すということを考えてもらわなければなら ない時代になったわけですから、そうなりますと、いいものじゃなければお金は出さ ないわけで、そういう点できちんとした公平なルールづくりが必要だと。そのルール に基づいて、その枠の中で具体的な品目については、行政のサイドでお金の問題もあ りますから、各団体等いろんな関係者と相談をして決める、こういうルールでいいで すね。その手前の基本的なルールづくりをしたい、そのアイディアをいただきたいと いうのが今日の趣旨でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。 ○大濱委員 全脊連の大濱ですが、まずその定義のところで、身体に装着(装用)と いうところがありまして、それとあと、日常生活用具でも身体に困難と、非常に似通 った部分がかなりあるんじゃないかと思うんです。例えば、リフトなんかは日生具に 入っているわけですが、リフトなんか、これがどこまで装用に近いものでも結構ある と思うんです、そういうようないろんなぎりぎりのところにあるものとか、その前に 厚労省、先ほど笹川さんの方から話が出ましたように、厚労省案で考えられている具 体的にどういうふうに補装具なり、日生具に持っていくかという、それの考え方があ るんでしたら、一回厚労省案をちゃんとお示しいただきたいというのがその前の第1 点です。  それと今、そこら辺のすみ分け部分で、ぎりぎりのどちらかわからないような部分 というのはどういうものなのかということを御説明いただきたいということと、今、 光野さんからありましたような、新たなそういうものが出たときに、例えば日生具の 中に入れていったら、地域生活支援事業ということで、市町村が幅広にいろんなこと を決められるわけですから、そういう形で日常生活支援の幅はかなり幅広に持ってい くのはどうかとか、そこら辺のことをちょっと少し厚労省側の考え方があれば聞かせ ていただきたいんですが。 ○高木専門官 御質問内容の確認ですけれども、まず、定義のところで似通った文言 があるというところをもう一度御説明いただいてよろしいですか。 ○大濱委員 この身体に装着(装用)ですね。この日常生活、就労に用いるもので、 同一製品を継続して使用するものと、日生具の困難を改善し、自立を支援し社会参加 を促進するものというものの中で、例えば、装用ということになると、具体的に私た ちが日常使っているリフトは、ある意味では日常生活の困難を改善するものですが、 装用に近いところもあるわけですね。そういう意味です。 ○伊藤座長 それは私の方からお答えしましょう。  これは誤解のないようにお願いしたいんですが、補装具は3つの要件を満たすこと が重要なんですね。ですので、日常生活用具についても3つ要件を満たすということ であって、一つの要件だけで捉えることはできないんです。 ○大濱委員 何ページですか。 ○伊藤座長 中間報告で言えば、2ページです。5ページが日常生活用具ですが、2 ページが補装具になっております。いずれにしても、「身体に装着して日常生活又は 就学・就労に用いるもので、同一製品を継続して使用するもの」というこの言葉と、 日常生活用具の中に入っております「日常生活上の困難を改善し、自立を支援し社会 参加を促進するもの」と。こういうふうに、ここだけを見れば似通った内容かもしれ ませんが、3つの要件を満たさないと補装具とは言いませんよということが定義でご ざいます。どういうものか、そしてそれはどういう目的で使用されるものか、そして それはどういうような要件で給付されるものかという、ある意味で「専門的な知識や 技術を要するもの」というのは、そういうことを担保しておりますので、この3つを 満たすという、そういう概念で捉えていただきたいということです。  後者の方のことをちょっと。 ○高木専門官 あとは、行政の方がそれを判断する判断材料というか、決め方という ところの御質問でよろしかったですね。 ○大濱委員 今、具体的な行政案が出ているということなので、そこら辺をお示して いただければと思ったんですけど。 ○高木専門官 それについては、脊損連さんの方にも意見調整をお願いしているとこ ろかと思うんですけれども、この場では、一品一品皆さんに御披露してというつもり は、ちょっと今ここでは考えておりません。団体の方々と調整の中で決めまして、公 表したいと考えております。そこはよろしいですか。 ○伊藤座長 申し訳ございません。ここの委員会の役割は、ルールづくりをしようと いうことで進めたいというふうに思うんです。品目については、今それぞれの関係者 と厚生労働省の方で折り合いをつけているようでございますので、そこはそれで交渉 していただきたい。ここの委員会は、そういうことを決めるために私たちが集まって いるのではなくて、品目そのものは当事者の方々や関係団体と直接やってくださいと。 私たちは基本的なルールづくりをしましょうというので委員が集まっておりまして、 これまでは定義を作成してきました。今回は現行種目の廃止や、新しい種目の採り入 れに関するルールづくりということについてやりたいということでございますので、 御理解いただきたいと思います。 ○石井委員 補聴器販売店協会です。私どもの補聴器でデジタル補聴器とアナログ補 聴器があるわけですけれども、現在、デジタル補聴器が一般市販用で70%を超してお ります。このように先ほど言われた電子化の変化の中でそういうような普及率、そう いうパーセンテージを一つのルールづくりにした方がいいんじゃないかと。現在70% というと、大体すぐ80、90になるということで、60%がいいのか、そういうような普 及パーセンテージ、それから日常生活用具で文字放送なんかを受ける場合の、アナロ グがなくなって、デジタルになるというような技術改正といいますか、完全に法律が 変わってしまうと。そういうもののときには完全に切りかえるとか、そういう法律、 制度化が明確に変換になった場合には切りかえていくと、そういうのも一つのルール 化かと思いますけれども。  以上です。 ○伊藤座長 ありがとうございました。介護保険でも最近そうですし、自立支援法案 でも最近そういうやり方を採り入れておりますけれども、一定の期間で見直しをする ということは原則持ちたいというふうに思うんです。これは診療報酬なんかの点数で もみんなそのようにやっておりますので、基本的には一定の期間で見直したい。それ はどのぐらいの期間が適当なのか、事務作業のことも含めまして、そういうことにつ いても御提案いただきたいと思いますが、ほかに御意見ないでしょうか。 ○松枝委員 現在の補装具の制度と日常生活用具の制度の運用の仕方という面がかな り違いがありまして、補装具はどちらかといえば利用者側の権利に近いものがあるん ですが、日常生活用具は少し権利の部分が低いように感じます。日常生活用具は基本 的に既製品をベースにしたもので、各自治体は入札制度をほぼ導入しているわけです。 だから、種目の決定とか、業者選定というのは安い方に決定されていくという決め方 があるんです。補装具は品質の維持とかそういうもので、基本的には原則定額みたい なやり方で品質の保障みたいなものをある程度維持しているように思うんです。  それで、もう一つ運用の仕方で、補装具は耐用年数というものが比較的短く設定さ れていますが、今回日常生活用具の制度改正で、1つはすごく長く設定されています。 それと各自治体によってすごく運用の仕方が違いまして、1年に1個だけという自治 体があります。例えば、電動歯ブラシ一個でも1個なんですね。それから、すごく高 額な医療用リフトも1個なんです。そういうことが実際には起きていまして、障害者、 利用者の生活の根源を支えるものとしては、やはり補装具という分け方のルールを一 つつくっておく必要があるんじゃないかと。  それともう一つ、日常生活用具は補装具に準ずるみたいな感じの位置づけでは、き ちんと品目ごとの振り分けは不可能になるんじゃないかなと。さっき笹川委員が言わ れたような感じの、何となく不利感が若干あるんじゃないか。そういうものを私も感 じています。  以上です。 ○伊藤座長 ありがとうございました。これも私の方の進行上のミスかもしれません。 資料3に書いてありますように、今ここで議論をしていただきたいのは補装具の見直 しです。補装具等の問題についてまずやっていただいて、日常生活用具は地方自治体 の問題でございますので、国から一定の指針を示すということがありますから、それ は後でやりたいと思いますけれども、基本的にまず補装具のことについて、どういう ようなルールづくりをしたらいいのか御検討いただきたいということです。どなたか いらっしゃいませんでしょうか。 ○大濱委員 現行の補装具というものがあるわけですが、現行の補装具の中で、例え ば今までの委員会の中で、現行の補装具からつえを外しましょうとかある程度出てい るようですが、現在は、それは具体的な方向性が出ているのはあるわけですか。補装 具、今、入っているものは、ここで見る限りでは、現行のものは十分補装具として、 また医師の意見書もあるし、この3項目に基本的には該当すると思っているんですが、 耐用年数とかその他の問題が若干あるようですが、そこら辺はいかがなんですか。今 までの委員会の経緯を踏まえて。 ○伊藤座長 何度もお話ししているとおり、私たちは補装具の定義をしました。その 定義に基づいて厚生労働省の方で、その定義に余りそぐわないと思うものについてい ろいろと具体的に品目を示して、各関係者あるいは障害の当事者の方々とお話をして いるということで、そこで決めていきたいということなんです。この委員会としては、 その定義と、定義に加えまして、先ほど申し上げたように、現行の品目に関しては歴 史的な経緯もあって入っているのだから、定義に必ずしもぴったり合わなくても一慨 に補装具の定義に該当しないとして、これを整理することは避けるべきだろうという 報告を出しているわけです。ですから、そういう問題がありますので、それに基づい て厚労省の方で各団体と話し合っているということで、この委員会でそれを検討する つもりはないんですね。それはそれぞれのところでやっていただきたいということで す。そのことについては、大濱さんの方の会にも、それは提示されているわけですよ ね。 ○大濱委員 私が心配していますのは、それぞれの団体だけでやった場合、全体の整 合性として、それでいいのかどうかという心配があるものですから、そういう意味で す。 ○伊藤座長 厚生労働省の方に、放射線状にそれぞれのところと話をして、ここでま とめちゃうのは嫌だよと、できるだけみんなで話し合いたいと。 ○大濱委員 最終的に整合性がとられていないと、それが心配だということです。 ○伊藤座長 わかりました。それはこの委員会の仕事ではございませんので、それは それで厚生労働省とちょっと御相談いただいて、どうでしょうか、そういう場を持つ のだったら持つように考えていただければと思いますが、それはそれで、ここの委員 会としては、そこまでやりたくないものですから。生々しい話は、私たちは基本的に はしたくはございませんので。 ○高木専門官 座長がおっしゃいますように、この検討会での検討課題ではございま せん。大濱委員、また別の場面を設けますので、そのときにお話をしたいと思います。 よろしいですか。 ○大濱委員 はい。 ○光野委員 車いす姿勢保持協会ですけれども、現行の法律が生きているわけです。 補装具の中で、私たちに関係あるのが、車いすであったり、座位保持装置であったり、 それからまた、その他という中に車いすと一緒にありますけれども、これまで座位保 持いすだったり、起立保持具だったり、そういうものが散見されるわけです。それが 今回少し大きく見直されるという話の中で、道具を見直すという、その見方も一つ大 事なんですけれども、もう少し切り口を変えて、実際に困っている部分について着目 して、そこで必要なものが取捨選択できるような発想はできないだろうかと。つまり、 現行の制度は座位保持いすというものが形骸化しているよという意見もあるんですけ れども、それがあるがゆえに、こういう場面では座位保持いすを使って、あるいは、 こういう場面では座位保持装置を使って、こういう場面では車いすを使ってというよ うなことで、上手に運用されて一定の生活を支援しているわけなんです。逆に言えば、 その制度があるがゆえに、そこの中でうまく利用して現場で組み立ててあるという感 じなんですけれども、それをもうちょっと無理のないような形で、例えば、この利用 者にとってみれば、非常に頭のコントロールがうまくない。座位保持機能、そういう ものがたくさん要る用具があって、なおかつ移動の面でも不自由があるよと。そうす ると、必要な道具というのは見えてきているわけです。そういう切り口でやらないと、 ここに道具を並列に置くのではよくないような気がするんです。  ですから、何が言いたいかといいますと、車いすだったら1台しか交付できないよ というような、あるいは職場と家庭と、こういうような言い方でするよりも、この人 が一日生活あるいは1年を通して生活するにおいては、こういう場面で想定される困 難さがあり、それを補装具でもってカバーするんです、こういう切り口に変えていく というのが出だしのところで必要であって、補装具を入れかえをしてみて、座位保持 装置があるから座位保持いすは要らないというような議論ではまずいんじゃないだろ うかと。その人の衰えた機能、あるいは失った機能をその人に応じて代替していく、 あるいはサポートしていくというふうに補装具を位置づけてみれば、当然、必要な用 具は個々に違ってきて、だからこそ、ここに給付に際して専門的な知見を要するとい うところが一つのスタートラインになってくるんじゃないか。それに合うような仕組 みというのが考えられるような気がしますけれども、いかがでしょうか。 ○伊藤座長 ほかにどうぞ。 ○樫本委員 ルールづくりをどうしようかということは、座長がおっしゃったように、 この委員会の目的だというのは皆さんわかったと思うんですが、補装具の種目に新し いものを入れようか、あるいはこれは補装具じゃなくて日常生活用具にしようかと、 そういうのをどういう視点で検討しようか、そういうことだと思うんです。個別の障 害者にとってどうかということではなくて、障害のある方たち全体にとって、その種 目が必要であると。生活なり就労なりいろんなところで、そういうものがあった方が いいだろうというようなことが相当理解できれば新しい種目として入れましょうと。  ルールづくりというのは非常に難しいと思うんですけれども、基本的には、この定 義にのっとって、この定義にちゃんとかなうものであるかというのがとても大事だと 思うんです。それから、先ほど補聴器の石井理事長さんからあったように普及率です ね、これもとても大事なわけで、市場調査等、実際にユーザーが今までの身障法を使 わないで、あるいは今度から自立支援法の制度を使わないで、実際に自己負担で買っ ている方もたくさんいると思うんです。そういうようなものがどの程度普及している かというようなことも、ルールづくりの必要、大事な点だと思います。 ○伊藤座長 ありがとうございました。光野委員が言われたこと、もう少し砕いて私 なりの理解を申し上げますと、例えば、座位保持装置と車いす、これを座位保持装置 だけではなくて車いすというふうに2つを組み合わせる。それを組み合わせてしまう と、車いすも使っちゃうし、座位保持装置も使っちゃうという話ですね。そうすると、 また車いすが出せないよという話、そういうことでは困るよということですね。  例えば、ここに一つのルールをつくるとすれば、あるもの2つを組み合わせるとい うことですね。その組み合わせたものを1つとして見るというようなルールをつくれ ばいいわけですね。ですから、そういう意味で必要なものが提供されなければいけな いわけですから、私はそれはそれで理解できないわけではないと思います。ユーザー の方々が実際上その補装具を使って生活ができなくて、ほこりかぶっているようでは しょうがないわけだから、それはそれでよくわかります。  あるものを2つ足した場合ですね、それはそれで1つとして認めるというような、 そういうふうなものもあっていいのではないかというふうに思いますけれども、それ が有効ならばですよ、それも一つの考え方だと思います。そういう意味ですよね。わ かりました。ほかにございますでしょうか。 ○松枝委員 資料の部分として一番最後のページがあるんですが、これは基準外で上 がってきたということで挙げられていると思うんですけれども……。 ○高木専門官 資料3の一番最後ですね。 ○松枝委員 そうですね。今出たように、読みかえがすごく多くて、実際は車内用座 位保持装置、カーシートとかチャイルドシートと言われているものとか、それから姿 勢保持付便器とか、そういったものがほとんど読みかえてつくられているというケー スが多くて、なかなかそれは資料として出せない。実態としては出てこないんですけ れども、そういうことがあるということを、ぜひ知っておいてもらいたいと思います。 ○光野委員 今のことと関連するんですけれども、先ほど伊藤先生がまとめてくださ ったことに関係するんですけれども、もう一度具体的にイメージしてもらいたいんで すけれども、例えば、首が座っていないような人たちにとってみれば、トイレに行く にしろ、お風呂に入るにしろ、学校に行くにしろ、今、言うように車でそういう施設 に通うにしろ、常に座位保持装置が要るわけですね。ベースになる部分が要る。それ ぞれに要るんだということをまず理解していただきたい。それが1回の座位保持装置 で終わってしまっているもので、いろんなこと皆現場では苦慮されているわけですね。 そういう面では首が座っていない体幹の保持が案外できている人についてみれば、例 えば車いす1つあれば、あるいは職場用と家庭用と2つあれば済むみたいなレベルと 両方あるので、そこら辺は運用が自由にできるような、重い人にとってはたくさんそ ういう座位保持機能、姿勢保持機能のついたものがベースにいって、それぞれ生活場 面にいるんですよというふうに、そこら辺のシステムがつくり直されるべきだという 意見です。 ○伊藤座長 ほかにございますでしょうか。 ○笹川委員 視覚障害者の場合は白杖とか点字器ということになっているわけですけ れども、これは60年間同じ品目なんですね。やはり時代が変われば、どんどん新しい ものも出てくるし、機能的にも高いものが出てくる。実際に補装具として白杖あるい は点字器が年間どれぐらい使われているかというデータは、当然、厚生労働省にはあ ると思います。それはそれとしてはっきり位置づけができるわけですけれども、新た に導入しようとした場合に、それをどう評価するかということがかなり問題になると 思うんです。もともと補装具というのは、障害者本人の障害の程度に応じた形で決め られるべきであって、定義できちっと決めてしまって、それ以外はだめだというよう なやり方では、本当の意味での補装具にはならないと思うんです。そういう点を、こ の検討委員会できちっと検討ができるような体制をつくる必要があるんじゃないか。  先ほどお話を伺いましたら、委員会としては、報告の中で大体方向づけをしたけれ ども、品目は厚労省の方が決めたということだと、その中には全く障害者は介在して いないわけで、その辺をきちっとしたルールで、例えば先ほど申し上げたように当事 者と厚生労働省の間で協議をするとか、そういうことをきちっと決めておかないと問 題が残ると思います。  それから支給の年限といいますか、何年に1回とかというような決め方も、これは 画一的にはとても決められないと思うんです。白杖給付を受けて、その帰りに車にぶ つかって折ってしまうというようなケースは決して珍しくないんですね。ですから、 ケース・バイ・ケースといいますか、障害の程度とか、補装具とか、その辺は個別に 考えないと、総合的に考えてもとても生きてこないというふうに思いますから、その 辺をぜひ配慮していただきたいというふうに思います。 ○伊藤座長 これも誤解を招かないようにもう一回確認をしておきたいと思うのです が、我々が今ルールづくりと申し上げているのは、ですからルールなんですね。その ルールの枠の中で具体的な品目に関しては、歴史的な経緯もあって、補装具の種目に 入っているものをやたらと落しては困りますよという立場で、それぞれのユーザーの 方々、関係団体と話し合って決めてくださいということになっております。今後もそ ういうルールは、これは踏襲していただきたいと思っておりますので、その際に大濱 委員から言われたように、個別では困るよと、そうではなくて少し集団でもそういう 会を設けてくださいと、これも一つのルールだと思います。  具体的な話になったときには、ユーザーの方々がお困りにならないようにしなけれ ばなりませんから、そこは確実に、この委員会で一括で決めてしまうというようなこ とはしないということは原則だと思っておりますから、それは今までもそのように厚 生労働省の方はやってきていると私は信じております。今のは、そこのところはちょ っと誤解かなというふうに思いますので、ちょっと御確認いただきたいということと、 もう一つは破損の問題ですね。こういうことはしょっちゅうあるわけで、ですから、 耐用年数の問題に関しましては、各更生相談所でいろいろとお決めになっているとは 思いますけれども、それは実際上のユーザーの方の使い勝手も見て判断をされている わけですね。報告書の中でも、そのことについてもきちっと書きまして、耐用年数以 内においても破損があった場合には、それはちゃんと給付すべきですよということを 報告書の中できちんとうたっております。このことは厚生労働省の方もちゃんと確認 しておりますので、そこは心配ございませんということを確認しておきたいと思いま すが、よろしゅうございますでしょうか。 ○笹川委員 それで厚生労働省の方から、品目については障害者団体等と話し合うと いう、そのことについての回答がないんですね。その辺はどういうことになるんでし ょうか。 ○高木専門官 それは今現在も行っていますし、これからもやるつもりでございます。 ○笹川委員 間違いなくやるということですか、今回の場合なかったんですよね。 ○高木専門官 いいえ、やっておりまして、今回についても現在調整中でございます。 ○長田室長 今、現在進行中というところがあるので、もうこれで終わりましたとい うことでもないし、もうやりませんという話でもないですし、ただ、すべての団体と スケジュールが折り合っていなくて、すべてが終わっているわけではないということ だけは御承知おきいただきたいと思いますし、我々としての案を最終的につくるのは 年末ですと。年末といいますか、どのぐらいになるのかちょっとわかりませんけれど も、今ここで必ずこうするということではないんだと。今お話し合いをしている最中 ですということは御理解をいただきたいというふうに思います。 ○笹川委員 わかりました。 ○黒田委員 補装具ですので、極めてシンプルな提案ですが、補装具交付基準の大枠 を見ますと、義肢、装具に分かれている。車いすとか補聴器は分類が全部「その他」 なんですね。今さらそんなものはないだろうと。公的な資料はちゃんと車いすになっ ているんですけれども、さらにその上位の交付基準は、車いすはその他です。ルール づくりですから、そのあたりをきちっとした代表名にしていかないと、何が引っかか るかという基準外交付というのは、もともと名称の中に入れば、それは基準外ではな いという考え方なんですね。私、ここにチルトとか仮に基準外に出したというのは不 思議で仕方がないんです。私、現役のころなんて基準外なんかしたことないんですね。 だってあり得ないです。車いすといったら交付基準に代表名があるんですから、代表 名のあるものは、それはもう基準外じゃないと。もともとあるのに、何でわざわざそ れを基準外にしたのかという経緯は……。そうすると、現行法のルールを新しいもの に読みかえていくとすると、まず1つは、出発の段階で補装具交付基準の名称の整理 をきちっとやらないといけない。車いすだって、これだけたくさん交付されているの に「その他」ですね。代表名がないんですよ。その下位分類で車いすです。こういう ところをまずしない限り、例えば現場で2つ出さないとか、1つ出さないとかという 話になってくるのも当然なんです。一つの仕組みに全部そこにつながっていくと思い ます。  ですから、一つのルールづくりということの提案なんですけれども、私は補装具交 付基準の名称の整理をきちっとして、義足、義手、車いす、座位保持装置とちゃんと した代表名で現行のものをあてはめていくこともまず出発の一つだと思っております。 ○伊藤座長 ありがとうございました。そういう意見も幾つかあるかと思いますが、 ほかにございませんでしょうか。 ○大濱委員 この3つのルールということなんですが、この中で「同一製品を継続し て使用するもの」という2番目の言葉がありますが、これはある程度の耐用年数とい うことを意味合いしているんだと思いますけれども、これについて、例えば装着する もので、もともと医療的な分野に近いようなものが補装具に入ってきているという経 緯が今までの中であるわけです。私にしてみれば、収尿器なんかは、そういうものな んですね。それが今補装具に入っているんですが、これは当然、耐用年数とかは非常 に短いものですから、それが補装具に入ってきたという、本来だったら医療品に近い ものが補装具に入ってきたという経緯を踏まえますと、ここの2番については、ルー ルとして例外規定をもっと設けてもいいんじゃないかと。そこら辺はいかがなんです かね。耐用年数が必ずしもなくちゃいけないそういうものという、これはそういう決 定ということなんですか。 ○伊藤座長 実際上、それは判定をする医師も含めてですけれども、耐用年数は一応 念頭に置くと、しかし必要であれば、そこは壊れているとか、使い勝手が悪くなっち ゃったとか、あるいは自分の体形が変わってしまったとか、そういうことで使えなけ れば、それは意味がないわけですから、ちゃんといたしましょうと、そういうふうに 出してくださいよというふうに報告書を出しているわけです。 ○大濱委員 私が言っているのはそういう意味ではなくて、収尿器等、1か月に1回 なり、定期的に交換するものも従来補装具に入っているわけですね。そういうものに ついて、今回のこの定義から全部外れてきちゃうわけですね。 ○伊藤座長 耐用年数というのは、これは一定の期間という意味ですから、実は消耗 品との区別なんです。ですので、一日に何度も取りかえる、ティッシュのようなもの、 これは困りますよと、そういう話でございまして、消耗品との区別で一定程度使って いただきたいというのが我々の委員会での合意事項です。 ○大濱委員 消耗品と消耗品じゃない区別というのは、一日に何回も交換するとかそ ういう区別でいくのか、例えば、収尿器を1週間に1回とか、2週間に1回交換する ものは消耗品じゃないと、そういう定義になるのか、そこら辺は非常に難しいと思う んですが、具体的に、こういう仕分けはちょっと心配なような気がするんですけれど も。 ○高木専門官 事務局の方からですけれども、ある一定期間という部分については、 中間報告の中にも、ある耐用年数というものを意識してということでございますので、 ある程度の耐用年数が存在するものと、こちらとしては解釈をして話を今進めておる ところでございます。 ○伊藤座長 ただ、収尿器等は、委員会の中では、幾つも必要なものですから、それ なりの数を考えてはおります。いわゆる消耗品とは違うというイメージです。その段 階までしか決めていないということです。ですから、具体的にどこまで品目に入れる か入れないかという話は、それぞれのところでやっていただきたいと、そういう発想 なんです。概念整理ですから、あんまり具体的な細かいところまで決めることはでき なかったということです。逆に言えば、そこのところは少しファジーにしておかない とお困りになる方々も出てまいりますので、そこのところを余りがっちと決めないと いうことが委員会としての合意だったというふうに思います。委員の方々、それでよ ろしゅうございますよね。 ○黒田委員 しばしば座長の発言の中にあるように、私も判定の現場におりまして、 非常に窮屈な思いをしておられた障害の方々がたくさんおられるわけです。ですから、 今の幾つかの御意見の中というのは、相当組み込んだ中身としてくみ上げてきており ますので、今、さらに追加として座長のおっしゃったようなある種のファジーさをど こかで担保しておかないと、もうちょっと先に出てくると思うんですが、システムの 問題というのは大きいわけですね。例えば、新製品を組み込んでいくための検討をど うするかという仕組みも当然出てくるでしょうし、今度は給付のときに舵取りを誰が やるのか。従来の更生相談所というのはなくしてしまうのかということまでして、そ うすると新しい公的制度の舵取りは誰がするのか。市町村が全部やっていいのかとい うところも全部含めていくと、最初のところで少しやんわりとしておいて、今度は運 用面の仕組みの中に託していこうという、そういう味わいをそこに含めたというのが、 ちょっと蛇足かもわかりませんが、そういうニュアンスで、座長からありませんかと いうことなので追加をさせていただきました。 ○伊藤座長 よろしいですか。 ○大濱委員 結局、当事者として使う側としては、ファジーな面が、あんまりファジ ー過ぎちゃうと非常に心配になるわけです。具体的に今後使い勝手がどうなるのか。 ファジーという言葉でそのまま置きかえられることが非常に心配なものですから、将 来的にそのファジーさをどうやって具体的にしていくのかということを、少しこの中 で出していただいた方が逆に安心できるのかなという思いがするんですが。 ○伊藤座長 ですから、それは先ほど来申し上げているように、個々にまず御相談い ただきたいと。個々の話し合いだけじゃ困るよと、放射線状の話し合いになっちゃう から困るよということであれば、またそれは御相談いただいて集団でやっていただき たいんですが、この委員会としては、そういうことは当事者との関係なんですから、 私たちが全部当事者の方々のことをわかるわけではございませんので、それぞれの当 事者の方々、それぞれの支給の業者の方々、そういう人たちとやっていただきたいと いうことです。逆に言うと、それを担保しておいた方がよろしいのではないかなとい うのが我々の判断でございますけれども。 ○光野委員 そういうルールにしようということですよね。 ○伊藤座長 そういうルールをつくりたいと。これからも、そういうルールをつくっ ていきたいというふうに思います。 ○松枝委員 当事者団体とか、業者団体とかの、そういう申請に頼るのではなくとい う部分がありましたよね。もっときちっと。 ○高木専門官 申請といいますか、単発的な要望ということですね。 ○松枝委員 そういうことが書いてあって、そうじゃないやり方でやりましょうとい うことだから、今の流れでいくと、どうも当事者団体とか、業者団体とかの意見を交 換して決めましょうというふうに聞こえたんですけれども、むしろ、もうちょっと高 いところから、きちっと全体を見渡しながら決めるという機関が要るのではないかな という気がします。今までもそうだったように、業界団体だったら力の強いところの 制度がどんどん改善されていたんです。弱いところはいつまでも放置されていたんで す。それが反省点として、そうじゃない方法を構築できないかということで提案があ ったような気がしているんです。それから、もう少し別の本当の意味で公平な機関と いうのができるかどうか。ぜひつくっていただきたいなということがあるんです。そ こを出発に始めないと、今までの繰り返しになるような気がします。 ○長田室長 どういうルールづくり、あるいはルールもそうでしょうけれども、例え ば今おっしゃられたような何らかの、この検討会とは違う、ルールをつくる検討会で はなくて、そのルールに従ってどういう品目を入れましょうか、あるいは外しましょ うかというのもあるかもしれませんけれども、そういう機関が必要だということであ れば、そういう御意見を賜れば、それは一つの御提案として私どもは受け入れたいと いいますか、検討させていただきたいと思いますし、この検討会でそういうものをつ くるべきだという御報告をいただければ、それをまた真摯に受けとめたいというふう に思っております。 ○伊藤座長 資料3のそこに書きましたように、本委員会で今まで話し合ってきた中 では、そういうルールづくりが必要だということと、その中で具体的にはという話の 中に、透明性、公平性を確保する観点から検討委員会等みたいなものを持つべきだろ うというところぐらいの意見は出ていたことなんです。ですから、そういう意味で大 所高所からというか、むしろその透明性とか公平性という立場で、いろんなところか らの御意見があった品目を見て、それについて調査をして、そしてエビデンスを出し て、それで検討しましょうと、こういうことですね。そういうようなところは出てい た意見でございます。ですから、出しちゃ困るという話ではなくて、出してもらわな いとどうにもならないわけですから、それぞれの団体やらユーザーの方々から意見を 出していただいて、それの裏づけをちゃんととって、それで検討委員会で検討したい というのがイメージでございます。  もう一つ誤解ないように申し上げておきますが、現行の今の補装具の品目を落すこ とと、要するに外すことと、新しい品目を入れることは全然違いますので、今、現行 のものをどうするかという問題については個々でやっていただきたいということなん です。これから新しいルールに基づいてつくっていくときには、今言ったような話で もって進めたいということでございますので、そこのところを御承知おきいただきた いと思います。 ○光野委員 先ほど黒田委員の方からも触れられていましたけれども、確認なんです が、例えば、車いすというのは、おっしゃるように「その他」の中に入っていて、か なりボリュームを占めてずっと歴史的に積み重ねられてきましたよね。いろいろ型式 ごとにやられていますけれども、ああいうものを見直そうという場所はここでよろし いんでしょうか。つまり、「その他」の中に置いて、ああいうふうに細分化していく、 ずっと続けていくことは非常に現実的じゃないと私は思うんですけれども、そういう ものの見直しというのが、この場で可能なのかということの質問なんですが。 ○伊藤座長 それはいかがですか。 ○長田室長 今回お願いしておりますのは、そういったルールをつくりましょうとい うことでありますので、そのルールを作成するという過程で、そういうことを検討す べきだというふうにおっしゃっていただければ、我々としては、それはそういう資料 もお出ししなければならないでしょうし、そういうことも考えていかなければならな いのだろうというふうには思っております。ただ、そこで全部結論が出るかどうかと いうのは、またちょっと別かもしれません。 ○伊藤座長 法律に関しましては我々の権限ではございませんから、我々としては、 そういう答申を出すと、それに対して厚生労働省の方で検討し、それは挙げていただ くということになります。 ○光野委員 要は現実に即した形、そして両方にとって、提供する側も受ける方にと っても非常にリーズナブルなものにしようということの見直しが常に行われるような 仕組みをつくってほしいというところで私たちとしてはよろしいんですかね。そうい うふうにお願いしたいと。 ○伊藤座長 どうぞ。 ○石井委員 品目以外に価格とか、サービス量の点についてもお話ししてよろしいん ですか。 ○伊藤座長 どうぞ。 ○石井委員 補聴器の立場から現状をお話ししますと、今、デジタル補聴器等になり まして、現物とフィッティングの量、こういうのが非常に装用者の効果を左右するも のになってきています。ということでメーカーさんのうたい文句では、何回も調整で きますというようなことになっていて、一旦交付しましても、さらにさらにというよ うなことで、それに対する流通の負担が非常に多くなってきているんですね。だから、 市場で見てみますと、現物プラスの設置費用とか、流通費用というのが大体社会の一 つの価格のルールになってきています。そういうことも、補装具の中で非常に専門性 を要求されるものが出てきたときには、そういうのもやはり考慮すべきだということ で、補装具という一つの狭い範囲じゃなくて、社会の市場の動向というものも十分に 調査する必要があるかと思うので、そういう面での普及率とか法の改廃性とかと同時 に、市場のそういうものを見ていくという、何かの検討委員会とか、そういうものか ら提言してもらうことも必要かと思います。  以上です。 ○伊藤座長 ほかにございますでしょうか。 ○森委員 確認なんですけれども、どうも私よくわからないんですが、1つは、この 定義ですね、補装具と日常生活用具の定義ですね。これは行政として決まったと理解 してよろしいんですか。それとも、これからやるというふうになるのか。というのは、 現行の補装具を日常生活用具に持っていくかどうかという基準は何なんだというとこ ろが問われるに決まっています。それは、例えば笹川委員がおっしゃっているとおり、 白杖というのは、いわゆる日常生活用具なのか、補装具なのか、そういう問題だと思 うんです。それはこういう基準に基づけばこうなりますよと、こういう話が一つある と思います。  その点が1つと、もう一つは、資料3で出ている「検討委員会等の仕組みを構築」 という、透明性あるいは公平性という、それはここの今の見直し検討委員会じゃなく て、違うもののことでいいんですね。例えばどこかの審議会と、そういうものをつく ってやりますよと、そういう意味でいいわけですね。 ○高木専門官 2つ目に関しましては、そのとおりでございます。別の検討会という 形でございます。  1点目につきましては、第1回〜第4回のこの検討委員会での御議論の結果という ものを重く受けとめた上で決めていきたいと考えております。 ○伊藤座長 よろしいですか。ほかにございますでしょうか。  それでは、適正な価格設定方法に関するルールづくりということも含めてお願いし ます。 ○黒田委員 先ほど交付基準の項目についても、当然、検討ということなんですが、 そうすると、その行き方とまた別のものの提案なんですが、交付基準そのものは、対 象のもので切っていくわけですね。車いすなら車いす、義肢なら義肢。当面そこにず れが起こりはじめているのは、車いすと座位保持装置を組み合わせて、それが、1た す1が一になるという、そういうものが、交付にかかわるシステムの幾つかはいつま で経っても処理ができない。したがって、それを求める側、つくる側との間に常にそ こに大きなストレスが起こって、いわゆる現行システムの中の矛盾につながっている と。もっと言ったら行政悪者みたいな格好になってしまうわけです。これは、視点を もう一つ交付基準の中に入れるべきではないかというのが提案でありまして、それは 何かというと、例えば脊髄損傷の人なら、こういう範囲のものが日常的に補装具とし て必要であるという、これは絵でもいいんですけれども、もしくは何かそういう仕掛 け、例えば移動ならこういう仕掛けが要る、視力障害の人なら、ここまでの範囲が本 来補装具の適用の範囲に入っているというような、種目として適当かなのかどうかは わかりませんけれども、給付という限りにおいてはそこまで示していかないと、現物 だけですとポンポンと切っちゃってここでしまいということになって、新しい組み合 わせとか、そういうある種のコラボレーションがなかなか発達していかない。  ですから、どこかでぶつかっているのが、例えば義足をはいている人でも車いすの 交付を求めていったときに、それはだめですよと。実はそれの方がはるかに生活自立 上いいことだってあるわけですし、あるときにクリアできなかったのは、人工透析の 人が歩いていけないから車いすといったら、あなたは内部障害だから車いすはだめだ という時期すらあったわけです。これはその人の生活実態に合わせての補装具という、 こういう見方がありますよというのは、交付基準ではないけれども、次の事務取り扱 いの中には、こういう絵をもう少しきちっと見せていくという仕掛けはほしいなと思 います。それは逆に言うと、組み合わせ価格のつくり方になってくるだろうし、今度 は供給する側に工夫をしてもらうのは、ある時期、車いすと座位保持装置を加えると 単なる足し算をしたものですからべらぼうに大きくなっちゃった。ジョイントの部分 というのは、技術的に足したり引いたりするのは難しいんですね。交付基準上は加算 が増えていって見えなくなる。これは単純にやると部品が二重三重に重なっていると ころをどうするかというのは、これは、行政担当はわからないんですよね。こんなと ころもお互いに親切に仕組みの盛り上げ方として歩み寄らないと、ある種の不信も起 こってくる。  ですから、交付基準として額面上のものをまず整理することと同時に、今度は使い 方として、こういう対象にはこういう範囲のものが供給できるんですよという、これ までもあったんですけれども、これからもう少しルールづくりの中では、その点のテ ーマも取り上げていきたいと私は考えております。 ○伊藤座長 大変難しい。私の頭の中でどういうふうにするのか考えながらお聞きし ていたんですが、大変難しいですね。一つのルールとして、AとBという製品を足し て1個にしてしまう。そういう品目をつくっちゃう。そして乗せてしまう。これが一 番単純な方法だと思うんですが、それでは、今の黒田委員のおっしゃっているような 現場の行政の支給をする事務方と、またそこでコンクリートの話になってきてストレ スがたまるねという感じなんですね。ですから、もう少し絵をかいて概念をつくって、 その中だったら自由ですよということですよね。そういうふうなものをつくろうじゃ ないかと。よくわかるんですけれども、どうやっていくかなというふうに、難しいな というふうには思います。  はっきり言って、その問題はかなり現場の工夫が必要だろうと思うんですが、例え ば、そういう委員会である程度幾つかの概念をつくることは可能かもしれませんが、 そういうことを示すというのも一つの方法ではあると思いますね。どうぞ。 ○光野委員 先ほどから大体ヒントが出ていると思うんですけど、私の方の車いす姿 勢保持協会の立場からしても、座位保持装置と車いすを分けておく意味が随分今少な くなってきていると思うんです。そこはもう一体のものとして、義肢と装具は明確に 線が引けると思うんですけれども、そこで次に3番目のところを「座位保持装置・車 いす」というような大きなカテゴリーに組みかえて、そこの中で必要な、要するに座 位保持機能がたくさん要るものとそうでないもの。車いすというのは、座位保持機能 がない車いすというのはあり得ないわけです。つまり座るための機能を持つ道具のひ とつであるわけです。その車いすにたくさんのサポートが要る人とそうでない人がい る。こういう区分けになってきます。一つの移動用具であると同時に姿勢を保持する ための道具というのは、この辺はもともと欧米の考え方の中でも一体だったわけです ね。日本がちょっと特殊な発展の仕方をしたもので、座位保持装置というのが一つあ って、これはかなりリードしてきたのは事実なんですけれども、そこに移動機能とし ての車いすがあったり、電動車いすがあったりしたわけです。こういう一つのまとま りにしておき、そこの中に入れ込むことができるのであれば、そこにしておいた方が 今の話はつながっていくと思うんですが、いかがでしょうかね。 ○伊藤座長 そこの概念は多分まとまると思うんです。ただ、一緒にすると安くなり ますか。 ○光野委員 そこの中に安くならないというよりは、非常に合理性が出てくる。そこ の読みかえが車いす流の名義と、座位保持装置流の名義が混在しているというのが実 態だと思うんです。そこを整理し合えるし、お互い共通とおっしゃったけど、そこは 十分考えられる。結果、安くするかしないかというのはもうちょっと別の観点で、い わゆる市場の原理みたいなものがうまく反映できるような、競争できていくような仕 組みが必要です。ただ、重い人の座位保持装置というのはなかなか競争が起こりにく い。非常に手間暇かかって参入がしにくいという側面もありはするんですけれども、 もうちょっと全体をカバーする、車いすからつなげてやっていく中で、座位保持装置 もここはシンボリックにきちんとした仕事を示すよと。そのことによってここの事業 者さんの車いすの信頼が得られるとか、そういう仕組みになれば、結果、安くなると 私は思いますけれども、いかがでしょうか。 ○伊藤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○松枝委員 座位保持装置という機能的なものを制度の中に品目として今は挙げてあ るんですね。どちらかといえば機能です。それが車いすというのは移動という目的な んですね。道具としての位置づけ。それが、先ほど光野委員も言われたように、歩行 器においても、便器においても、車いすにおいても、電動車いすにおいても、品目ま たは目的の次の段階に姿勢保持という概念が本来はあるべきであって、これは平成6 年、7年の座位保持装置検討委員会の報告書の中にもそのような概念図は出ています。 テクノエイド協会からの報告書です。今回大きな見直しがあるのであれば、実態に則 した目的別に、機能を付加した、整合性のとれたものになるんじゃないかと思います。 ○黒田委員 価格の問題ですが、これも古い時代のものをそのまま引き継いでいると 思うんですけれども、例えば、つえ1本、山の奥まで届けるとしたら、つえ1本の価 格で済まないわけですね。輸送料をどこに誰が補うのかということです。町村合併で はなく、郡部で村を統括していたときには、兵庫県の場合ですと13なので、送るとき は13か所の福祉事務所に送れば、そこから各自きていた。ところが市町村全部それぞ れが交付決定するということになると80になってしまう。80か所から注文があったと きに、たったと言うと失礼ですけど、歩行補助づえを80か所へ送ると郵送料はべらぼ うなものになってしまう。それは供給業者さんが全部負担している。補装具の中に輸 送料というようなもの、供給する側のコストはどこに入るんだということが我々の中 でも話がありまして、表には余り出なかったんですけれども。ただ、利用する側と供 給する人と市町村並びに更生相談所が寄って議論したときには、将来こういうものも きちっと価格の中に含めるのか、別個に考えていくのか、それがまた普及の問題を促 進することにもなるだろうと。  同時に文書判定という形で在宅におられる方の場合には送っていくと。適合判定を やる場合には、当然本人さんに直接渡すということは起こりますから、ある程度輸送 コストの問題が出てこないんですけれども、福祉用具そのものの中の郵送コストとい うことも出ていかない限り、供給上の問題に大きな足かせになっていかないか。今後 普及を促進するならそれに伴う、先ほど石井理事長がおっしゃったように、技術料と いうようなものもそこに出てくるだろう。その前に、その物を届けていく、もしくは 受け取っていくときもお互いに、そこに物自体とは別の、それをその人のところに確 実に行くための経費というか、過去には全くそういうものを考えずにきた。もちろん 義肢装具でも、つくる過程で多少その辺を斟酌した価格設定をしたという経緯は聞い ておりますけれども、そんなものは入っているとは言っていないわけです。ただ、補 装具の経緯の中には3か月以内とか、本人の事情によらずに、製作上起こってきたも のは満額業者さんの負担ということで、明記している中には輸送も全部込みにした価 格という読みかえもできるので、新しい時代のときには、この価格決定の中に輸送コ ストというようなものがどこまで読み込まれるのか、入っているのかというようなこ とを少し考えていってもよろしいのではないかと思います。 ○伊藤座長 その点については、厚労省の方から何かありますか、事務局の方から御 意見。  例えば、安いものが出たときに、輸送コストの方が高くなるという問題があります よね。そういうのをどうするかということも含めてなんですけれども、今までの考え 方として、何かそれはございますか。 ○高木専門官 御指摘ございましたように、今までやはり輸送コストというところで は、補装具費の価格の中に含まれていないというふうなことでしたので、業者さんが 負担するなり、業者さんのいろんな工夫で安くできるようにしていらしたんだろうと 思います。輸送料をどうするかというのも、またサービスの一環という考え方もでき ると。どこから利用者さんが買うのかといったときに、輸送料等も含めてなるべく安 いところから買うといった考え方もあるでしょうし、また、そこは工夫をしてもして もしきれないぐらいのところまで、業者さんが赤字を出すところまで詰めるのかとい ったようなことも、また考えていかなければいけないだろうしと、そんな思いではお ります。 ○伊藤座長 昔は更生相談所で判定をするということを大原則でやってきましたから、 事務の簡略化が進む中でそういう問題が起こってきていると思います。そのことを、 事務の簡略化だけを進めて少し落してきた、検討してこなかったという経緯もありま すので、黒田委員の意見は十分重く受けとめて考えていきたいというふうに思います が、ほかに御意見ございませんか。 ○稲垣委員 日本義肢協会の稲垣と申しますが、ただいまの話で私ども一番今悩んで おりますが離島の問題ですね。いわゆる鹿児島とか、北海道あたりの離島へお邪魔し て、例えば義足をつくりに上がりますね。そうするとそれの運賃ですね、全くそれが 含まれていない。内地にいる方はそのまま更生相談所の判定の際に納品できるんです けれども、ただ、離島にいらっしゃる方ですと、早い話が飛行機で行ったりしますね。 そうすると全くその費用は加算されない。労災でやった場合はそれは加算できます。 本人が更生相談所にいらっしゃいますから、それに対しての費用は基準局の方から出 ます。ところが一般身障の場合はそれは全くみていただけない。これはずっと長年の 課題でありまして、そういうところも一つ頭に入れて価格というものに対して考えて いただきたい。価格の中に入れるんじゃなくても、ただ、離島とか何キロ以内に行っ たときには、幾ばくかのプラスができますよというような、そういう考えを入れてい ただくとなおありがたいと思います。ひとつよろしくお願いいたします。 ○伊藤座長 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。 ○樫本委員 ちょっと確認したいんですけれども、この委員会の効力というとあれで すけれども、ここで決めたことが一体どういう形で反映されるのかといいますか、例 えば実際に更生相談所で補装具を給付する現場から見ますと、国が定めた給付基準と いうのは、歴史的に古い項目がたくさんあって使いづらいんですね。ここでは種目を 見直すという意味のようですけれども、種目以外に型式とかいろんなこともたくさん 見直さなきゃいけない基準表なんですね。そういうことまでここでやるのか。そうい うことは一体どこでやって、どこかの委員会がやるのに対して、我々がそれに対して どういう意見が反映されるのか というようなことが実は私よくわからないんですけれども、それを教えていただければ。 ○長田室長 あらかじめどこかで検討するという場を、我々としては今持っているわ けではありません。ありませんので、そういう御指摘があって、どこかでそれは一遍 整理する必要があるのだというお話をいただければ、それは別途何かを考える必要が あるのではないかというふうに思います。こうする、ああするということについて、 事前に決めているわけではありません。そういう問題意識が出てくれば、それにそれ ぞれに対応していかざるを得ないかもしれないというふうに思っています。今、我々 がやっているのはルールを決めましょうという主旨の検討会です。その次に別のルー ルに基づいた価格の決め方みたいなことをやる委員会なのか、検討会なのかわかりま せんけれども、そういうのがあるかもしれないし、今、おっしゃられた別途の検討会 を設けなければいけないのかもしれませんし、それを統合した何かの検討会を設ける ということもあり得るのかもしれません。そこについては、我々は今何かを持ってい るということでは、申しわけありませんが、ありません。 ○伊藤座長 こういう委員会というのはそういうものなんです。ですから、今、ここ に我々が求められているのはルールづくりですから、そのルールづくりに関連して、 こういう問題もあるよ、ああいう問題もあるよという発言、これは非常に重要なこと で、それがしかし、ルールづくりとは直接関係ないけれども影響するという問題と、 直接関係するものとは分けさせていただきます。もし直接関係しないものでも言って いただいて、それはそれでルールづくりをする上で、こういう問題も考慮に入れなさ いという報告書にしたいと思うんです。そのルールづくりを我々がここで提案します。 そのことが現実のものになるかどうかは、それは厚労省での中の検討でございますし、 それが結局通知となってあらわれる、あるいは法になる。そういうことでございます から、私たち自身が言わない限りは出てきませんので、そこが大切なんですね。言っ たことが全部載るわけじゃなくて、それは落とされるかもしれませんが、言わない限 りは出てこないということです。そこのところをきちっと我々としては報告書を出し ていきたいということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○光野委員 日本とスウェーデンと随分社会の仕組みが違う部分があったんですが、 私も1年間勉強させてもらった時期があるんですけれども、スウェーデンの場合には、 公的に給付されるというよりは、貸与の形で必要な人に必要な用具がかなりタイムリ ーに出せると。それは無料貸与という形で、それもある一定期間というよりも、かな り日本より長い期間が使われ続けるような例があります。なかなかいい仕組みである 部分があるんですけれども、もちろん、まずい点もあるんですが。そこで私がいいな と思うのは、スウェーデンのテクニカルエイドセンターで、利用できる種目というも のの見直しが毎年行われているんです。多分今も行われているはずです。それを行う 期間をある程度定めてありまして、そこで性能について、あるいは機能についてのチ ェックと同時に価格の妥当性みたいなものもかなり公平にやられているんですね。そ れで毎年入れかえがあって、市場性のないやつでも、これは必要はあるというものは 残るし、そういう理由がちゃんと全部付けられて、そのシートは我々もいつでも見ら れるようになっています。そういうようなものを一つ持っているということが、すご く私は大事だと思うので、ここの委員会は、今年で解散になるのかもしれませんけれ ども、ある程度恒常的な見直しが毎年行われるものも残し、そしていろいろ公的な機 関も活用して、例えば車いすであれば、こういう機関でこういう点をチェックして、 それで妥当なものはリストに挙げていくみたいな仕組みをつくっておく時期に来てい るような気がするんです。  一方で、こことちょっと話がずれますけれども、やはり日本が工業立国を今後やっ ていくわけですから、そういう面ではここにまた輸出という問題も加わってくる。そ ういう面で単に日本の当事者の満足を得るというレベルを越えて、ひとつ産業化して 輸出の基本的な産業になり得るものを持っているんですね。実際にアジアの人たちは 学びに来ていますから、そういう面でも私たちが範を示すチャンスで、そのためには、 常にそのレベルで満足するのではなくて、いつでもステップアップしていく、ブラッ シュアップしていく、こういう仕組みというのは継続的に残しておく。大体チェック すべき内容はもう既に専門のところでは知見がありますので、そこでいつもやってい く。こういうことをぜひお願いしたいと思います。 ○伊藤座長 ありがとうございます。どうぞ。 ○宮田委員 遅れてきまして申し訳ございませんでした。  子どもの意見書を書くたびに、いつももったいないという気がするんです。1年ぐ らい経ったら何十万のものがまたつくりかえになってしまう。これから応益負担にな る中で、どれだけ価格を抑えられるかということが大きな課題になると思います。今 だと交付か修理しかないんですが、ほかの子どもたちにつくった補装具をリサイクル するというような制度というものがないので、リサイクルできるようなルールを持ち 込めないものかどうかと思っているんですが。 ○伊藤座長 もちろん、そういうルールもできる可能性は十分ありますので、それは 一つの考え方だと思います。私たちは、実際上、現場ではそういうこともやっており ますから、できないことではないとは思いますけれども。ほかにございますでしょう か。 ○松枝委員 価格の適正化ということですが、今進んでいるということでいいんです よね。現在、同一機能のものですごい価格差が発生しているんですね。これはどうい うところから来るかといいますと、車いすに座位保持を採り入れるときと、座位保持 装置に車いすを取り込むときと価格は違います。これがまず1点。  それから、同一機能の補装具が供給される場合に、完成用部品を中心に構築される 場合と、オーダーで一から製作される場合にもかなりの価格差が生じています。場合 によっては、三倍くらいの差が発生していることが起きています。これは適正化とい うところで捉えていくと、かなり大きな矛盾、問題があるんじゃないかなということ があります。  それと、ユーザー心理とか業者心理からいいますと、経済意識みたいなものがない から、高いものにどんどん張りついていくという、問題が出てくるのではないかなと、 そういう気がしています。以上です。 ○伊藤座長 ありがとうございました。価格について何かございますか。 ○佐野委員 全難聴の佐野です。私ども補聴器のユーザーの立場からしますと、なか なか現行の補装具の給付制度というのは、給付の在り方、基準といいますか、その基 準自体が非常に現状にマッチしていない、あるいはニーズにマッチしていないという 部分が非常に多いんです。ただ、そういう個々の問題をこういう場で検討するのでは ないと。ですから、そういう検討できる場を、ぜひ当事者、それから補装具の製作す る立場、あるいは判定する立場の方、それからユーザー、その四者で内容的に価格の 問題とか、どういう基準で価格を決めたり、給付する基準を決めたりするのかという ことの話し合いができるという場をぜひ確保していただきたいなと。厚生労働省さん の方が個々の障害者の団体と話をするのではなくて、やはり広く、同じ補装具の中で も補聴器の問題について考えられる関係者、当事者と一堂に集まって協議できる場を つくってほしいなと、そういうふうに思います。  それから、補聴器の場合なんかも補装具の基準外給付というのが幾つか行われてい ます。その一つに人工内耳の方々への基準外給付というのがあるんですね。その基準 外給付が人工内耳の人は医療で手術をします。それは更生医療の対象になっています から、福祉の方からもお金は出ているんです。いるんですけど、人工内耳そのものに は、福祉の方からはお金は出ていないわけです。そして例えば、何年か経ってスピー チプロセッサーを新しいタイプのものができたとか、それから新しいタイプのものに したいとかといった場合は全額自己負担になるわけです。それから消耗品にしても、 電池のことにしても、最新型のものですとボタン電池が大体3個入って1週間で終わ っちゃうわけです。そういう費用も全部自己負担でやってきたわけです。補聴器を使 っている人は今まで電池の給付は受けられたんですが、人工内耳の人は受けられてい なかった。そんなこともあって、どちらかというと、例えば、医療と福祉の接点で、 それに外れる部分を今後は考えていただきたいというふうなこともあります。  ただ、そういう個々の問題をこの場で皆さんに御理解いただいて、そうだそうだと いって、それを盛り込みなさいよということになれば私はうれしいですけれども、た だ、ここの委員会の本来の在り方ではないかなというような気がいたしました。以上 です。 ○伊藤座長 ありがとうございました。そのようなルールをつくるんだという意見と して受けとめたいと思います。基本的には新しい医療技術が進歩しますと、例えば、 感覚系の障害の補装具についてはこれからだと思うんです。直接脳と結びつく、そう いうものが今出てきています。そうしますと相当高額なものになるかと思いますが、 フィッティングの問題を含めて非常に重要な専門的な判断が必要になってくる。それ こそ白杖どころの問題ではない、大きな進歩になると思いますね。そういうふうなも のが入れるような条件をつくっていくことが必要なんだろうと思っています。そうい うものを補装具として、ちゃんと位置づけることができるか。その場合に、予算的に どこまでもつか、技術的に本当に普及し得るのか、そういうことをちゃんと裏づけを とっていく、そういう作業が必要だろうと思いますので、そういうルールづくりをぜ ひ皆さんでアイディアを出していただいて、今日のところはフリートーキングですが、 思いつき程度ですけれども、この次の会議までにはもう少し具体的な案をお考えいた だいて、ここで各委員とも提案していただけるような、そんな会議にしていきたいと 思いますが、いかがでしょうか。  それでよろしければ、時間が今ちょうど4時半でございますので、種目に関するル ールづくりと価格の問題、設定等に関するルールづくり、一応、ここは討議したとい うことにとどめまして、ありますか、どうぞ。 ○三村委員 先ほどの宮田委員の関連でございますけれども、リサイクルというお話 が出ましたけれども、子どもの場合、やはり親の稼得能力が非常に低い世帯が多うご ざいます。そんな中で1割負担、負担の問題にかかってくるわけでございますけれど も、年々子どもの体は大きくなる、そうすると合わなくなる、1年ごとに更新しなき ゃならない。一方で耐用年数があるということでございますけれども、リサイクルを どう活用するかというのは、もう少し議論を深めてもいいんじゃないかなというふう に思います。といいますのは、下取り制度といいますか、同じような形式のもので少 し型を大きくしなきゃならない。同じような障害を持ったお子さんがいれば、その人 に渡すというようなことは可能だと思いますので、リサイクルと下取り制度といいま すか、公的な制度の中でそういったルールもあってもいいのではないだろうかと。新 しく更新する、大型にする差額の分についての1割にするのか、あるいは全額にする のかというのは、それはまた議論の余地はあろうかと思いますが、そういった今、も のが非常に大事にされない時代ですけれども、だんだん地球の資源も少なくなってき ておりますし、そういった観点からもリサイクルの在り方というのを、このルールの 中でも考えていってもいいんじゃないだろうかというふうに思います。  以上でございます。 ○太田委員 不勉強で申し訳ないんですが、児童のリユースできる主な品目としては、 実態としてはどんなものが考えられるんでしょうか。 ○宮田委員 例えば、義肢装具とかというところではなかなかリユースできないと思 うんですけれども、例えば立位保持装置だとか、座位保持装置も、少し手直しができ れば土台の部分とかというのはリユースできるんじゃないかとかいうところはあるか なと思います。 ○太田委員 そうすると、データバンクというんでしょうか、リユースするバンクと しては、施設だとか、学校とか、そういったところがネットワークの機関として機能 するんでしょうか。私は障害をお持ちのお子さんが、それぞれの区市町村でそういっ たデータバンクみたいな形でリユースできるのか、ある程度コーディネートするとこ ろがなければ、リユースする機能が働かないんじゃないかなという危惧を持っている ものですから。 ○宮田委員 多くの肢体不自由施設では、親が置いていった、そのようなものでいっ ぱいになっちゃっているというところがあります。その次の方にもらってくださいね と言われながら、でもリユースできない。技術的にも制度的にも難しいというところ で、放置されているわけではないんですけれども、たくさん保管されているものがあ る。そういう意味では、保管場所という問題がありますけれども、施設が窓口として は一番いいのかなと思いますが、それ以上のことはわかりません。 ○伊藤座長 そのリサイクルの問題は倉庫の問題が一番大きいと思いますし、それを 確かにコーディネートする人がいないとできません。そのコストの割には余り益がな いというのが今までの実態だと思うんです。これをやるのだとすれば、それこそテク ノエイド協会も一つですけれども、もう一つ重要なことは業界がまとまって、そうい うふうなものをどうするかということをお考えいただくというのも一つの道だろうと いうふうに思います。その辺の現実的な裏づけがないと、こういうルールづくりをし ても余り意味がないものすから、そういう無駄が起こっていることは事実で、私もお 子さんたちの補装具に関しましては、学校といろいろと交渉してきまして、普通のお 子さんであれば机も椅子も用意するのに、何でこのお子さんたちには机や椅子を用意 しないのかと、これは学校の教育上の問題だということで、教育委員会に掛け合って 学校の費用でつくったことがあります。身障法で出すべきではないと。家で使うもの ならいざ知らず、学校の教室で使うものなら、その必要はないんだということでやっ たことがあって、そしたらば、つくってくださいました。けれども、どんどんたまる 一方で、一つの部屋がいっぱいになっちゃってどうにもならなくなってしまって、そ のうちにお金がなくなりましたから、先生、勘弁してくださいと言われたんですけれ ども、そういうことにもなりますので、学校といえども、余りそれはウェルカムじゃ ないと思うんです。ですから、そういう点ではちょっと工夫がたくさん必要かなとい うふうに思います。かなり困難な問題があるかと思いますが、リサイクルのルールは、 できれば現実化した方がよろしいかとは思いますね。どうぞ。 ○光野委員 現実の話をさせていただくと、車いすの例でいうと、ある一定のレベル の車いすは、非常にきちっとしてつくられた車いすを例に挙げると。子どもさんが二、 三年使ってもびくともしない車いすが結構あるんです。ただ、見かけが悪くなります。 子どもたちが荒く使うというよりは、食べ物をこぼしたりとか、そういう汚れもつい たりします。だから、布の部分は交換して新品にかえる、あるいは塗装を全部塗りか えてやると全く新品になり得るんですね。そういうことで、私たちは対応している例 が、そんなにたくさんはないんですが、例は幾つか挙げることはできます。  そのときに今ちょっと思いついたんですけれども、学校も1年契約みたいな形で一 定の、今、お年寄りの方はレンタルが盛んになっていますけれども、ああいう場所に 1年間そういう形でレンタルしてくれと。きれいにして来年また返すよというような ものが、個人との契約でもいいし、そういう学校や通園の施設との契約でも1年レン タル幾らというのもあっていいような気もするんですね。それは学校用・家庭用とい うものについて、費用的な面では抑制するし、また1年ごとにきれいになって利用で きる。それでそれはほかの子どもたちにもパスしていく。そういうことをやるだけの 力のあるレンタル事業者も既にたくさんできてきていますので、そういうところは、 今、リユースという側面、あるいはレンタルというものを上手に組み合わせていくと、 それなりに耐え得る車いすというものも、十分これから出てきますので、子どもたち の世界なんかはいいところじゃないでしょうか。それはぜひこういう場所で提案して いくと、業界もまたその方向でやっていけると思うんです。ただ、それを業界の負担 とか、あるいはボランティアという形で位置づけられると誰もが尻込みしてやらない し、自分たちの仕事、商売を縮めていくことになるので、多分それはやらないと思う んです。一定の仕事、汗を流した分に報酬がある。それは全体に得するよと、こうい う仕掛けはちょっと頑張ってやれば、私は今でもできると思っています。 ○伊藤座長 ありがとうございました。それでは、時間が35分でございますので、基 準外の問題について、基準内への採り入れについてという問題意識が、そこに4つ書 いてございますが、この問題について、どうしても意見を言っておこうと、今日の段 階でいろいろとお考えのことがあれば、今出しておいていただきたいと思います。こ れは次回また検討させていただきますけれども、今日の段階でお考えがあれば、どう ぞよろしくお願いします。 ○大濱委員 この基準外につきましては、やはり特に脊損なんかですと、伊藤先生は もちろん専門なので、かなり御存じだと思いますけれども、頸損なんかになりますと 相当レベル差がありまして、このチルト機能だけではもちろん足りなくて、リクライ ニング、足挙げだけは必要だとか、かなり個別な機能が相当必要になってくるわけで すね。頸椎や低血圧、その他褥瘡の問題とか、逆にそういう基準外があった方が褥瘡 はなりづらいとかそういうことがありますので、一律に基準がここでというのはいか がなものかというのは、これは非常に強く感ずるところです。ですから、できる限り という範囲内でそれはいいんですが、基準外というのは必ずあり得るんだという考え では置いておいていただきたいと思います。 ○伊藤座長 それは事務局よろしいんですよね。基本的に、その基準外が全然なくな ってしまうということは、将来ともに考えにくいんで、今、基準外でどんどん出して いるようなものは入れようと、こういう考え方だと思いますが、それでよろしいです よね。 ○高木専門官 そのとおりでございます。 ○伊藤座長 そこは大丈夫だと思います。 ○大濱委員 ここにチルトしか書いていないんですが、これはリクライニングという ことも、もちろん入っているということですか。 ○伊藤座長 リクライニングは、既に基準の中にありますのでということでしょう? ○大濱委員 そういうことですか。 ○伊藤座長 ほかにございますか。 ○石井委員 基準外交付の中に補聴器というのも入っておりますので、一言ちょっと お話ししたいんですけれども、今、補聴器の基準が名称で標準型補聴器とかそういう 名称だけなので、ただ、機能としてはデジタル型とアナログ型というのが市場にある わけですね。それで今の基準が厚労省のお話ではアナログというような表現になって おりますけれども、現実的には補聴器という機能からすれば、アナログもデジタルも ないんですね。これはもうデジタルとかアナログとか言い分けをしない方がいいと思 うんです。補聴器はデジタルでもアナログでもいいということになれば、こういう基 準もなくなってくる。  それから、児童の方の補聴器の基準が多いということなんですけれども、児童の方 で高度難聴の基準外交付の方が多いんですね。今の基準では高度難聴のオーダーメイ ドはないんです。標準型に全部なってしまっているんですね。オーダーメイドも標準 型と高度難聴用と、一般的には標準型とは言わないんですけれども、そういうふうに 重度難聴用というのが基準内に入れば、こういうのはなくなってくると思うんです。 そういうふうに現状に合わせた見直しをすればよろしいかと思います。 ○伊藤座長 ありがとうございました。それは恐らく年々進化すれば、またそういう 問題が出てきて、それをまた入れるということの繰り返しが起こってくるのだろうと 思うんです。ですから、必ず基準外交付があって、それがたくさん出るようになった ら基準内に入れていくと、そういう仕組みにしていきたいということです。ほかにご ざいますでしょうか。 ○黒田委員 これもまた古い話からいくと、基準外というのは、あくまでも基本は交 付基準の中にもともとは入ってないから基準外であって、先ほど名称を整理というの は、この中にもう既にある、この基準で何とかする。でも違ったものが出てきたとき に、それは当然必要であれば基準外、2つあると思うんです。項目はあるけど、単価 的に合わなくなってきちゃった。どうしても必要なんだけれども、この交付基準だと 交付してあげたいにもかかわらず、決められた費用の中では出ない。ですから、基準 外として何とか上増しをすることを認めていただきたいという1つと、もう一つは、 どうしても欠かせないにもかかわらず、現在の基準ではどこにも入っていない。基準 外の性格というのは、この2つがあると思うんです。  前の価格の方は、これは現場の話ですので皆さん御存じのとおりで、四苦八苦しな がらでも何とかできるわけです、やりようによっては。我々やってきたわけです。電 動車いすのチルトだとか、リクライニングなんてない時代にうまいこと修理基準を加 味して堂々とやっていたわけです。それは誰がやっていたかというと、本人さん、利 用する人とそれから交付する当時の措置権者、それから更生相談所、業者さんとの四 者がつるんで、はっきり言うとつるみまして、修理も交付の内だと。これはちゃんと 適用の解釈の中にありますので、ですから、交付する瞬間に修理を入れてしまう。そ ういうことでできるだけ価格設計を希望に合うようにもっていくという、これは仕組 みの問題としてできたわけです。さっき申し上げように、基準外交付というのは私の かかわったときにはなかった。何が欲しかったかというと、本当にほしいというのが 基準として示された項目にない。でも、周りから必要だというときに、改めてそれは 基準外としてやると。  今後基準外という概念がどこを目指していくのかというのを見ておかないと、価格 に合わないから基準外なのか、項目として存在しないのか、その両方なのか、それと も、新しく基準外という概念をつくるのか。どれでもいいんです。いいんですけれど も、これまでの経緯からすると、価格上の外、それから項目外が外。それが時々混同 した格好になるので、ここに挙げられたような、確かにチルトは入っていない、基準 外。でも、車いすという考え方なら、大きく言えばチルトが入っておるわけです。何 の基準外だという捉え方もあるわけでして、そこまで開き直ると、そんなものはリク ライニングなんて昔からやれるわけです。基準外と出す方がおかしいという捉え方で 動いたところもあるわけですから、ちゃんと基準外の基準外たるところをしっかりし ていないと、またこれから同じところでつらい思いをされる方が出てくると思います ので、その辺のルールづくりをしていきたいと考えます。 ○伊藤座長 どうぞ。 ○佐野委員 全難聴の佐野です。補聴器の基準外給付で資料の方に載っているのが、 「デジタルや両耳装用…など」というふうになっていますけど、この補聴器の基準外 給付の場合に、先ほど石井委員の方から出ましたけど、デジタルであるかどうか、両 耳装用であるかどうかということで基準外給付になるということは、私、初めてここ の資料でお伺いしたんですが、私たちが解釈している補聴器の基準外給付としては、 FM補聴器であるとか、赤外線の補聴器システムであるとか、そういったものが補聴 器の基準外給付として理解しているんですが、資料で補聴器のデジタルであるという こと、それから両耳装用であるということが基準外給付の条件になっているんですか、 それをお聞きしたいと思います。 ○伊藤座長 ごめんなさい。基準外補装具の基準内への取り込みについて、事務局の 説明を抜いてしまったものですから、今のところでちょっと混乱したかもしれません。 どうぞよろしくお願いします。 ○高木専門官 これに関しましては、平成16年度の基準外補装具の実態調査を全国的 にいたしまして、その内訳として、補聴器の基準外の場合、デジタル、あるいは今お っしゃったようなFMの装置ですとか、また原則片耳ということになっていますので、 両耳装用の場合も基準外として出している更生相談所があったと、そういうところで ここに挙がってきてございます。 ○伊藤座長 ですから、そういう地域による格差があるんですね。ちょっと言おうと 思っていますのは、そういう格差がだんだん広がっていく傾向にありますので、その 格差をなくす方向で、すなわち、公平、公正に各地方でもきちんと出していただける ようなルールづくり、ここもルールづくりの一つの条件だと思っておりますので、そ の辺も念頭においてお考えいただきたいと思います。  では、稲垣委員どうぞ。 ○稲垣委員 今、私ども、義手の電動義手というのが非常に普及してきまして、先生 も御存じだと思いますけれども、この基準交付で私どもの義肢が一番金額が高く出て いると思いますけれども、これは恐らく電動義手が基準外交付で出ていると思います。 電動義手というものも、ある程度装具の中へ今後は組み入れていただけるということ が大事ではないかと。最近非常に普及してきまして、特にお子さんなんか、恐らく1 件というのは、施設はちょっと聞き覚えないですけれども、1か所ありますけれども、 最近は非常に普及してきましたので、ぜひここのところを頭の中へちょっと入れてお いていただくとありがたいと思います。お願いいたします。 ○伊藤座長 どうぞ。 ○樫本委員 更生相談所の立場から言わせてもらいますと、伊藤先生からも地域格差 という話も出ましたけれども、給付システムの中で基準外というのは、ある程度あっ た方がいいと私は思っています。もちろん、たくさんユーザーがあって、これは基準 の中に入れた方がいいよという種目はどんどん入れていただいた方がいいわけなんで す。最近では、チルト式の車いすとかデジタル補聴器もそうですけれども、更生相談 所長会で厚生労働省の方に基準内に入れてくれという要求を今年度出しました。ただ、 基準外交付というのは、更生相談所の意見を必ず聞かなくてはいけないという決まり があるわけなんですね。そうしますと、基準外が必要な方というのは、特殊な個々の 障害状況に応じていろんなものを基準外でつけたいと。そのときに、なるべく自己負 担ではなくて公費で賄えるようにしてあげたいという形で我々は判定するわけなんで すけれども、更生相談所の目が、そこでチェックを受けるというのはとても大事なこ とだと思うんです。最近では既製品でチルト式が随分、いろんな車いすが出ています けれども、これは基準に入れてしまいますと、恐らく、安易にと言うとちょっと語弊 がありますけれども、その方の身体状況をちゃんと把握して、チルト式が本当に必要 であれば出すわけですけれども、チルト式にしておけば、状況の変化に応じて出せる よというような感じで、そんな安易な考えで出てきてしまうおそれもあるんです。そ んなことも最近ちょっと感じているんですけれども、給付システムの中で更生相談所 のチェックを受けるという点で、基準外という出し方というのを残しておいた方がい いなというふうに思います。 ○伊藤座長 御意見としてわかります。ただ、基準外でなければ、更生相談所のチェ ックをしなくてもいいというわけではないわけですので、基本的には、更生相談所の チェックは座位保持装置等はやるわけですね。そういうことになっていますから、そ ういう条件で基準外を残すとか残さないとかということになりますと、ちょっと違う のかなという感じします。ですから、基準外としてきちんと、どんどん新しい技術が 出てまいりますから、それは絶対必要だと思いますけれども、どこまでを基準外とし て、どこまでを基準内に入れるのかという問題についても、これはそういうような委 員会できちんと検討していく、そういうルールづくりだろうと思います。ただ、今の ような御意見で入れるか入れないかが決まるのかというと、ちょっと違うのかなと思 います。要するに先生がおっしゃっているのは、条件として更生相談所のチェックが あった方がいいよという話ですから、それは基準外か基準内かということとはちょっ と違うわけで、先生の気持ちとしてはわかります。基準外だったら確実に来ると。そ ういうお気持ちはわかりますけれども、そこはルールづくりの問題だろうと思うんで す。  ほかにございますか。ちょっと時間的にはぎりぎりなので最後にしたいと思います。 どうぞ。 ○大濱委員 恐らくこれから、伊藤先生なんか特に専門でかかわっておられると思わ れますが、再生医療とリハビリの関係でいきますと、リハビリの概念も相当変わって くると思うんです。そうなると新しい、例えば電気刺激の歩行器とか、新しいものが 今後出てくる可能性があるわけです。そういうことを考えると、基準外という概念の 中である程度1年に一回なり、きちんとしたどこら辺まではそういうものを入れ込ん でいくかというものをやっていただかないと、これからの新しい医療、新しいリハビ リの概念の中についていけないんじゃないかと思いますので、そこら辺は厚労省の中 でもきちんと考えていただきたいなと思っているんですが。 ○伊藤座長 わかりました。どうぞ。 ○光野委員 大体基準外となるときには、結構、難しい道具だろうと思います。そう いう中で私たちの方でいうと、座位保持装置とか、車いすとかというと首が座ってい ないような子どもたち、あるいは、そういう人たちを対象にかなり変形がある人。そ うなったときに、今日の委員会の構成の中にも、いわゆる中間ユーザーと言われるセ ラピストの立場の人たちはあえていらっしゃらないようなんですけれども、できれば 私はこういう委員会に中間ユーザーと言われる方にも参画していただきたいなと思い ます。傍聴席にはおられますけれども。そういうところで、この基準外という切り口 から議論をするのがいいかどうかわかりませんけれども、そういう難しい道具につい ては、当事者を中心にしながら、供給事業者とともに中間ユーザーはかなりかかわっ ている。もちろん、ドクターの処方があってということなんですけれども。そういう 面で、いつもこれはフィードバックできるようにして、つくりっぱなしにならない。 そこには中間ユーザーの責任を明記した上で基準外で出していくと。こういうふうに していくと非常に発展性のある、あるいは、そしてまた緊張感のある基準外の位置づ けができてきて、もう一つ高いレベルに持っていける可能性があると思うんです。こ れをぜひお願いしたいと思います。 ○伊藤座長 チームアプローチをそこにかけるということですね。  では、もう時間がまいりましたので、今日のところはフリートーキングということ で収めさせていただきたいと思います。  一応これでディスカッションを終えて、最後に事務局の方から今後の予定等を含め てよろしくお願いします。 ○高木専門官 皆様どうもお疲れさまでございました。次回以降でございますけれど も、強行軍で申し訳ないんですけれども、年内にあと2度ほどの開催をお願いしたい と考えておりまして、日程といたしましては、11月の下旬及び12月の下旬ということ で、そのあたりのいずれかの日で設定できればと考えております。委員の皆様の御予 定につきまして、お配りいたしました用紙に御記入いただいてファックスにて事務局 までお願いをいたしたいと考えております。調整の後、速やかに御連絡申し上げるこ とといたしたいと考えております。大変恐縮ですが、11月7日月曜日までにファック スの方は御返送いただければと考えております。  さらに今後の本検討会の予定ですけれども、年明けをめどに一定の結論を得たいと 考えております。どうかよろしくお願い申し上げます。 ○伊藤座長 ありがとうございました。ということで、時間をかければいい案が出て くるというわけではないでしょうから、ひとつここは張り切ってお考えていただいて、 少し盛り上げるディスカッションをして決めていきたいというふうに思います。この 会としての答申を出すということでございますので、意見を出すということでござい ますので、その範疇で議論をしていきたいと思います。少し具体的な御意見をいただ きたいと思います。  それでは、本日はどうもありがとうございました。これで終わりたいと思います。                   閉 会                                                            (照会先) 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部                      企画課社会参加推進室指導係                      TEL:03-5253-1111(内線3076)                      FAX:03-3503-1237 51