累積欠損金解消計画(概要)(平成17年10月1日独立行政法人勤労者退職金共済機構中小企業退職金共済事業本部)

 計画の基本的考え方
(1)累積欠損金の状況
 一般の中小企業退職金共済事業(以下「中退共」という。)において累積欠損金は平成5年度末に4百万円を計上した後、市場金利の低下に伴って増加傾向で推移し、独立行政法人となった平成15年10月時点で3,230億円となったが、平成14年11月の予定運用利回りの引下げ(3.0%→1.0%)や市場環境の好転を背景に15・16事業年度において当期利益金を確保し、平成16年度末では累積欠損金が2,284億円に縮小している。

(2) 計画の性格
 総務省政策評価・独立行政法人評価委員会委員長通知(平成16年12月10日)や労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会意見書(平成17年3月11日)を踏まえ、平成17年3月17日、厚生労働省労働基準局長から独立行政法人勤労者退職金共済機構(以下「機構」という。)に対して「中小企業退職金共済制度の運営改善について」の通知が出された。
 このため、本計画を策定し、累積欠損金の解消に当たっての具体的な解消年限、中期計画期間内の解消目標額及び年度ごとに解消すべき累積欠損金の額としての目安額を明らかにするとともに、具体的な対策の基本となる考え方を示す。
 なお、本計画については、経済情勢の変化や目標達成の進捗状況等を踏まえ中期計画策定時等において必要な見直しを行う。

(3) 計画の前提
(1) 予定運用利回りは年1%とする。
(2) 年度ごとに解消する累積欠損金及び付加退職金の配分方法は、上記(2)の厚生労働省労働基準局長通知において示された以下の処理方法による。
(@) 利益の見込額が年度ごとに解消すべき累積欠損金の額の2倍に相当する額以上のときは、当該利益の見込額の2分の1に相当する額を累積欠損金の解消に、残りの2分の1に相当する額を付加退職金に充てる。
(A) 利益の見込額が年度ごとに解消すべき累積欠損金の額の2倍に相当する額を下回るときは、まず当該利益の見込額のうち年度ごとに解消すべき累積欠損金の額に相当する額を累積欠損金の解消に充て、残額を付加退職金に充てる。
(3) 加入者数、脱退者数、平均掛金月額・月額変更件数、月額変更による平均増加額等について、過去10年間のデータから推計した上で、責任準備金を推計する。
 なお、適格退職年金からの引継金収入については、引継金の上限撤廃(平成17年度から)による増要因、平成23年度における引継終了時の一時的増加要因を見込み、かつ、過去3年間の平均値を踏まえ16年度末適年契約総数の3割弱が中退共に移管するものと見込んでいる。
(4) 計画の始期は平成17年度とする。

 計画の課題
(1) 累積欠損金の解消年限
(1) 解消年限の分析結果によれば、平成27年度末で概ね50%の確率で解消できることとなっている。
(2) 確実性を担保するため、一定期間解消年限を延長することが適当である。
(3) 機構はその運営に当たり中期計画の履行状況を評価されること等にかんがみ、累積欠損金の計画的解消の目標年限は中期計画期間を念頭に置いて定めることが望ましい。
 以上から、次期以降の中期計画期間を5年と想定して、累積欠損金の解消年限は平成17年度を始期として、第3期中期計画終了時の29年度末までの13年間とする。

(2) 中期計画期間内の解消目標額及び年度ごとに解消すべき累積欠損金の額としての目安額
 平成16年度末の累積欠損金2,284億円を13年間で解消する場合、各期間均等に解消していくこととすれば年間約180億円となる。
 したがって、年度ごとに解消すべき累積欠損金の額としての目安額は180億円とし、中期計画1期間(5年間)当たりの解消目標額は900億円とする。

(3) 達成すべき運用利回り(目安)
 達成すべき運用利回り(目安)は、上記1(2)の労働政策審議会意見の趣旨を踏まえると、予定運用利回り1.0%に加えて、年度ごとに解消すべき累積欠損金の額としての目安額の2倍に相当する収益が必要となることから、2.2%とする。

 累積欠損金の解消を図るための具体的措置
(1) 収益改善の方策
(1) 健全な資産運用
 資産運用の基本方針に基づき、最適な資産配分である基本ポートフォリオの選定及び維持管理に努め、安全にして効率的な資産運用を実施する。
 また、外部の専門家から運用の基本方針に沿った資産運用が行われているかを中心に運用実績の評価を受け、評価結果を事後の資産運用に反映させる。

(2) 積極的な加入促進
 関係官公庁及び関係事業主団体等との連携の下に、費用対効果を考慮しつつ以下を中心に加入促進対策を効果的・機動的に実施する。
 広報資料等による周知広報活動
 各種会議、研修会等における加入勧奨等
 個別事業主に対する加入勧奨等
 集中的な加入促進対策の実施
 他制度と連携した加入促進対策の実施(特に適年制度から中退共制度への移行)

(2)経費節減の方策
 可能な限り契約方式を一般競争入札に変更するとともに、退職金共済事業の各業務の見直しを行い、事務の効率化に伴って全体の経費節減を図ることによって給付経理から業務経理への繰入額を節減し、累積欠損金の解消に充てる。
 また、委託運用機関の選定・評価を適切に行うことなどにより、当該機関の運用パーフォーマンスに留意しつつ委託費用の節減に努める。



累積欠損金解消計画(概要)(平成17年10月1日独立行政法人勤労者退職金共済機構林業退職金共済事業本部)

 計画の基本的考え方
(1) 累積欠損金の状況
 林業退職金共済事業(以下「林退共」という。)において累積欠損金は平成8年度末に307百万円を計上した後、市場金利の低下に伴って増加傾向で推移し、独立行政法人となった平成15年10月時点で2,137百万円となったが、平成15年10月の予定運用利回りの引下げ(2.1%→0.7%)や市場環境の好転を背景に15・16事業年度において当期利益金を確保し、平成16年度末では累積欠損金が1,650百万円に縮小している。

(2) 計画の性格
 総務省政策評価・独立行政法人評価委員会委員長通知(平成16年12月10日)を踏まえ、平成17年3月17日、厚生労働省労働基準局長から独立行政法人勤労者退職金共済機構(以下「機構」という。)に対して「中小企業退職金共済制度の運営改善について」の通知が出された。
 このため、本計画を策定し、累積欠損金の解消に当たっての具体的な解消年限、中期計画期間内の解消目標額及び年度ごとに解消すべき累積欠損金の額としての目安額を明らかにするとともに、具体的な対策の基本となる考え方を示す。
 なお、本計画については、経済情勢の変化や目標達成の進捗状況等を踏まえ中期計画策定時等において必要な見直しを行う。

(3) 計画の前提
(1) 予定運用利回りは年0.7%とする。
(2) 掛金収入、退職給付金等について、近年の加入者数の動向等を勘案し、直近3か年のデータにより推計した上で、責任準備金を推計する。
(3) 計画の始期は平成17年度とする。

 計画の課題
(1) 累積欠損金の解消年限
(1) 解消年限の分析結果によれば、平成30年度末で概ね50%の確率で解消できることとなっている。
(2) 確実性を担保するため、一定期間解消年限を延長することが適当である。
(3) 機構はその運営に当たり中期計画の履行状況を評価されること等にかんがみ、累積欠損金の計画的解消の目標年限は中期計画期間を念頭に置いて定めることが望ましい。
 以上から、次期以降の中期計画期間を5年と想定して、累積欠損金の解消年限は平成17年度を始期として、第4期中期計画終了時の34年度末までの18年間とする。

(2) 中期計画期間内の解消目標額及び年度ごとに解消すべき累積欠損金の額としての目安額
 平成16年度末の累積欠損金1,650百万円を18年間で解消する場合、各期間均等に解消していくこととすれば年間約92百万円となる。
 したがって、年度ごとに解消すべき累積欠損金の額としての目安額は92百万円とし、中期計画1期間(5年間)当たりの解消目標額は460百万円とする。

(3) 達成すべき運用利回り(目安)
 達成すべき運用利回り(目安)は、予定運用利回り0.7%に加えて、年度ごとに解消すべき累積欠損金の額としての目安額に相当する収益が必要となることから、1.33%とする。

 累積欠損金の解消を図るための措置
(1) 収益改善に係る方策
(1) 健全な資産運用
 資産運用の基本方針に基づき、最適な資産配分である基本ポートフォリオの選定及び維持管理に努め、安全にして効率的な資産運用を実施する。
 また、外部の専門家から運用の基本方針に沿った資産運用が行われているかを中心に運用実績の評価を受け、評価結果を事後の資産運用に反映させる。

(2) 積極的な加入促進
 関係官公庁及び関係事業主団体等との連携の下に、費用対効果を考慮しつつ以下を中心に加入促進対策を効果的・機動的に実施する。
 広報資料等による周知広報活動
 各種会議、研修会等における加入勧奨等
 個別事業主に対する加入勧奨等
 集中的な加入促進対策の実施
 「緑の雇用」など他制度と連携した加入促進対策の実施

(2) 経費節減の方策
 可能な限り契約方式を一般競争入札に変更するとともに、退職金共済事業の各業務の見直しを行い、事務の効率化に伴って全体の経費節減を図ることによって給付経理から業務経理への繰入額を節減し、累積欠損金の解消に充てる。

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