05/10/31 第3回「健やか親子21」推進検討会議事録             第3回「健やか親子21」推進検討会                    議事録             平成17年10月31日(月)14:00〜16:00             厚生労働省17階 専用第18〜20会議室 関谷補佐  定刻となりましたので、ただいまから第3回「健やか親子21」推進検討会を開催いた します。  本日は、お忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。  議事に入ります前に、事務局のメンバーの変更がございましたので、御紹介させてい ただきます。  8月26日付で北井雇用均等・児童家庭局長が着任いたしました。ただいま別の会議に 出席中でございますので、終わり次第、こちらの検討会に出席する予定でございます。 こちらに見えましたら紹介させていただきたいと思います。また、同じく8月26日付で 総務課長に着任しました香取課長ですが、少々おくれているようでございます。  次に、本日お手元にお配りしております資料の確認をお願いいたします。  まず議事次第、推進検討会名簿がありまして、その下に資料がございます。  資料1 「健やか親子21」指標中間評価・見直しの概要  資料2 「健やか親子21」指標の中間評価と今後の対策について  資料3 「健やか親子21」指標に関する暫定直近値一覧  資料4 「健やか親子21」における目標値に対する暫定直近値の分析・評価(案)  資料5 新しい指標の検討について(案)  資料6 健やか親子21推進協議会の取組実績の調査について  資料7 自治体の取組に関する調査の概要  資料8 妊産婦等を取り巻く社会環境の整備について  資料9 「食を通じた妊産婦の健康支援方策研究会」検討の目的、これ以降は研究会 の資料となっております。  そのほか、「21世紀の母子保健の推進について」というピンクの厚い冊子、「子ども ・子育て応援プラン」、健やか親子21のリーフレットを置かせていただいております。  資料は以上ですが、不足がございましたらお申し出いただきたいと思います。  では、ここからは柳澤座長に進行をお願いいたします。 裄V座長  それでは議事進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。  はじめに、本日の委員の出席状況について事務局よりお願いいたします。 関谷補佐  委員の先生方の出席状況ですが、本日は石井委員、中野委員、村田委員、森委員の4 名が欠席でございます。なお、村田委員の代理といたしまして平澤先生に御出席いただ いております。よろしくお願いいたします。 裄V座長  では早速、議事に入りますが、本日の議題は6題ございます。限られた時間でこれら をすべて検討していきますので、委員の皆様には進行について御協力をよろしくお願い いたします。  では、議題(1)「健やか親子21」の指標の分析・評価、推進方策の検討に入ります。  この議題につきましては、中間評価研究会にまとめていただき、いくつか暫定直近値 が出ていないものもあるようですが、おおむね指標についての評価を出していただいた ところです。評価の概要から順に山縣委員より説明をお願いしたいと思います。 山縣委員  資料1から説明させていただきます。資料1は今回の中間評価・見直しの概要であり ます。  「4つの課題、全61項目の指標」という枠から下に流れていく検討の流れが、これか ら御説明します「現行の指標の評価・検討」です。  枠から横にいきますと「新たなニーズに対する指標の検討」ということで、本日の議 題(2)で「新しい指標の検討」をしていただく部分です。  続きまして資料2「健やか親子21」指標の中間評価と今後の対策についてです。  今回61の指標について暫定直近値を出してベースラインと比較しているわけですが、 分析の結果を分類するためのフローです。  まず第1段階として、暫定直近値がベースライン値に比べて「A.良くなっている」 「B.悪くなっている又は変わらない」「C.かけ離れている」という3つの色に分け て考えました。この分類で次の資料3の色分けをしております。  その右に第2段階として、「A.良くなっている」ものを「A1.目標を達成している 」「A2.目標に向かっている」の2つに分類します。  「B.悪くなっている又は変わらない」ものは「B1.その理由が明確」なものと 「B2.理由が不明確」なものに分けます。  「C.かけ離れている」ものは「C1.目標値からかけ離れていても重要な指標」であ るものと「C2.指標自体またはモニタリング方法が適していない」ものに分けます。な お、第2段階からは、この資料では具体的にお示しできておりません。  さらに、それぞれの今後の対策を図の右に示していますが、「良くなっているもの」 は「問題なし」といたします。しかし、目標達成したものの中には次の問題が見えてき たものもあり、それらは資料4の評価シートの中に課題を示しています。  次に「悪くなっている又は変わらない」ものについては今後「重点目標としていく」 こととしまして、理由が不明確なものについては研究等で分析することが重要ではない かと考えております。  さらに「指標自体またはモニタリング方法が適していない」ものについては「見直し 」が必要であろうと考えております。  以上が、指標を評価するにあたっての内容です。 裄V座長  ありがとうございました。まずは概要について説明していただきましたが、引き続き 結果の説明をお願いいたします。 山縣委員  資料3と4をもとに説明いたします。先ほど資料2で説明しましたように、指標の暫 定直近値を色分けしたものが資料3、さらに指標一つずつに対して細かく分析、評価を 加えたものが資料4です。  まず資料3ですが、それぞれの課題ごとに、指標、策定時の現状値、ベースラインの 調査がどういうものであったか、目標、今回評価しました暫定直近値、調査方法などの 項目が一覧になっています。  先ほどの青、赤、黄色の分類でいきますと、調査中または分析中というものが61のう ち7つありまして、54について色分けされています。青いもの、つまり良くなった指標 が39で72%、赤いもの、つまり悪化している又は変わっていない指標が12で22%、黄色 が3つで6%ということで、7割強は目標達成または目標に向かっているということで す。  具体的に資料4で説明いたします。少し長くなりますが、一つ一つ見ていきたいと思 います。  まず課題1.思春期の保健対策の強化教育の推進です。  1−1.十代の自殺率  これは悪くなっているものでして、15〜19歳の特に女子でベースラインの3.8から5.6 に上がっており、増加傾向が問題です。男女合わせた数値目標に関してはその達成は難 しい状況になっていまして、今後、重点課題としておくことが必要なものです。2ペー ジにそのグラフを載せてあります。  1−2.十代の人工妊娠中絶の実施率  これは暫定直近値や目標に向かった動きを示していますが、目標達成に向けて一層の 取り組みが必要です。この調査の数値をどう把握していくかという点が課題でして、若 年層の性行動を経時的に把握していく全国無作為調査の継続が今後も望まれるというこ とです。数値は減っているのですが、理由が不明確であるという点も今後の課題として 取り上げる部分であろうかと思います。  1−3.十代の性感染症罹患率  これも増加傾向、つまり悪化しているものですが、目標への動きに関しては今回の調 査だけでは把握できませんので、モニタリングを含めて調査をどのように行っていくか を考える必要があるということです。  目標達成のための課題として、なぜ10代から20代前半に感染症報告が多くなるのかな どについて若年層の性行動を経時的に把握していく全国無作為調査を今後も継続して行 うことが必要であろうと考えています。  9ページの1−4.15歳の女性のやせ症の発生頻度、10ページの1−5.薬物乱用に ついては現在調査中です。  1−6.十代の喫煙率ですが、これは「健康日本21」の指標として取り込んでいくも のとして考えています。  平成8年の全国調査のベースに比べて減少傾向にありますが、目標に向けて改善して いるとは言えない状況で、今後、「健康日本21」の中でも検討していくということで す。  12ページの1−7.十代の飲酒率ですが、これに関してはデータの再集計を行ってい るところですので、今回は評価はまだです。  1−8.避妊法を正確に知っている18歳の割合  これは赤色で示されている指標でして、目標を達成するには遠い状況にあります。  調査・分析上の課題として、避妊法は多数存在し、パール指数もさまざまなものとな っています。それぞれの避妊法は、それぞれに特徴があり、それらを把握した上で避妊 法を選択することが望ましいと言えますが、男性用コンドームと経口避妊薬のみを取り 上げて、それらを「適切な避妊法」と設定し、その知識を問う評価方法については再考 の余地があると考えています。  目標達成のための課題として、知識と行動がどのように結びついているのか、若年層 の性行動を経年的に把握していく全国無作為調査の継続が望まれるとしています。  1−9.性感染症を正確に知っている18歳の割合  これは参考値同士の比較ですが、目標に向かいつつも、目標達成には遠いという指標 です。  目標達成のための課題として、クラミジア感染症については、教える側(学校)にお いても認知度や意識があがってきていることが推測されますが、思春期の子どもたちの みならず、教える側の世代を含め、国民にどれほど知識がゆきわたっているかを把握す る調査も必要です。今後はランダムサンプリング等による知識の把握調査が必要ではな いかと考えております。  1−10.学校保健委員会を開催している学校の割合  現時点でわずか数%の設置率の都道府県があり、100%の達成は難しいが、近づくこ とは可能な指標です。  目標達成のための課題として、設置率100%の目標を達成している県の学校保健委員 会設置による効果について情報を紹介することにより、他県への設置につながると思わ れます。まだ十分でない都道府県については、教育委員会に学校保健委員会の活用に向 けての働きかけや普及啓発を強化する等の対策を講じていく必要があると考えておりま す。  1−11.外部機関と連携した薬物乱用防止については調査を予定しているところです。  1−12.スクールカウンセラーを配置している中学校の割合  評価としては、達成に向けて改善しています。今後は都道府県別のデータなどによる 分析が必要で、配置が推進されていく中で、スクールカウンセラーの資質の向上、配置 による効果の評価が必要であろうと考えられます。  1−13.思春期外来の数  策定時の523カ所から1,374カ所へと増加しています。今後は調査方法をどうするかと いうことが課題です。また、医療施設における標榜名の工夫など、対象者が相談に行き やすい場の提供が望まれており、例えば、産婦人科では行きにくいので、行きやすい名 前を考えている地域もあるようです。  19ページからは課題2.妊婦・出産に関する安全性の確保と不妊への支援です。  2−1.妊産婦死亡  出産10万対妊産婦死亡率は平成13年6.3から15年6.0と減少はみられますが、目標の達 成は困難です。  目標達成のための課題としては、数が少ないので死亡例全例の詳細な分析によって死 因と死亡状況を明確にし、対策を講じる必要があること、また、産科救急医療体制の早 急な整備も重要ではないかと思われます。  2−2.妊娠・出産に満足している者の割合  策定時の84%に比べ高くなっていますが、こういう調査をすると「満足」と答える方 が多いので、具体的な満足の中身についての検討も必要かと思っています。  22ページの2−3.産後うつ病の発生率については現在調査中です。  2−4.妊娠11週以下での妊娠届出率  62.6%が66.17%と年々上昇していますが、そのカーブが緩やかで、目標の100%に近 づくには解決すべき問題があると考えられます。妊娠19週以内に95%の届出がなされて おり、12〜19週に届出された30%ほどの遅れた理由などの分析が必要です。届出が遅れ る原因として、医療機関によって妊娠の確定診断時期が異なっているということもある ため、妊娠11週までに届出をする意義を医療機関に周知する必要があると思われます。  24ページの2−5.母性健康管理指導連絡カードについては現在調査中です。  2−6.周産期医療ネットワークの整備  これについては都道府県の半分ほどです。ベースライン時の準備状況にも差があった と考えられ、全都道府県での設置に向けて、「子ども・子育て応援プラン」の定める平 成19年度までに目標達成時期を延長することが望ましいという評価をしています。  2−7.正常分娩急変時対応のためのガイドライン  これは作成されておりますので、目標は達成されたということです。  2−8.妊産婦人口に対する産婦人科医・助産師の割合  これは増加傾向ということで、数値的には目標は達成してるんですが、これは妊産婦 人口の減少による相対的な増加で、依然、医療現場での不足感は続いています。  目標達成のための課題としては、地域格差、施設間格差、産婦人科医の高齢化など本 指標に表れない重要な課題が存在しています。また、産科医数不足の問題だけでなく、 産婦人科における女性医師の割合は、眼科、皮膚科、麻酔科に次いで多いため、女性医 師が仕事と家庭の両立が可能な勤務環境の整備も今後の課題です。限られた産科医を有 効に活用するため、産科医療機関の集約の動きが進んでいますが、これに伴ってもたら される変化についても今後検討が必要であろうということを課題としてあげておりま す。  2−9.不妊専門相談センターの設置  平成16年には全都道府県に設置されており、目標は達成されたということです。  今後の課題として多くを書いていますが、相談センターの質や内容の問題を考えてい く必要があるのではないか、不妊のカウンセリングをどこの施設で行えばよいのかとい うことを課題としております。  2−10.不妊治療を受ける際に、患者が専門家によるカウンセリングが受けられる割 合  これも目標には向かっておりますが、まだ遠いという状況です。関連学会も推進し て、専門家を配置している割合が増加しておりますが、大きな専門的施設だけでなく、 施設内外を問わず患者が専門家によるカウンセリングを受けられるような環境を整備し ていくことも必要ではないかということを今後の課題にあげておきました。  2−11.不妊治療における生殖医療技術の適応に関するガイドラインについては現在 作成中です。  31ページからは課題3.小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備です。  3−1.周産期死亡率  これは順調に目標を達成し、現在も世界最高を維持しています。  3−2.全出生率中の極低出生体重児の割合 全出生数中の低出生体重児の割合  これに関しては「減少傾向へ」という目標を達成しておらず、むしろ増加傾向にあり ます。その理由として、不妊治療の増加、妊婦の高齢化、妊娠中の体重管理の問題、医 療技術の進歩による従来死産となっていた例の救命等が考えられます。多胎児や先天異 常などの胎児の要因の他に、妊婦の能動および受動喫煙、妊娠中の過度のダイエット、 クラミジア等の感染症などもあげています。これらに対する危険因子を改善することに よって目標の達成はできるのではないかということで、このあたりの対策を考えていく 必要があるということです。  3−3.新生児死亡率 乳児死亡率  これは順調に目標を達成しています。次のページからのグラフを見ていただきたいと 思います。  3−4.乳児のSIDSの死亡率  3年間で27%改善されており、10年間において、「半減」という目標に向けて順調な 進行であると考えられます。剖検率が低いため、SIDSであるか否かについての診断 の正確性には問題がありましたが、診断基準の厳格化の方向に動いていますので、年々 減少しているという結果となっています。そのあたりの評価も必要であろうということ です。  3−5.幼児(1〜4歳)死亡率  策定時には人口10万対30.6であったのが暫定直近値では人口10万対25.0になり、3年 間で18%改善され、目標の10年間での半減に向けておおむね順調な進行であると考えら れます。詳細につきましては、表、グラフをごらんください。  3−6.不慮の事故死亡率  0歳では26%、1〜4歳では24%、15〜19歳では18%の減少率となっています。5〜 9歳、10〜14歳については8%の減少率ですが、もともとここは少ないということもあ りまして、全体としては改善傾向にあるといえます。  0歳では不慮の窒息、1〜4歳、5〜9歳は交通事故、10〜14歳は交通事故および溺 死・溺水、15〜19歳は交通事故が多く、外での事故が主な原因になっており、年齢に応 じた対策が必要であると言えます。  3−7.妊娠中の喫煙率、育児期間中の両親の自宅での喫煙率  これは悪化しているものの一つです。母親については目標に向かって改善傾向にある んですが、まだまだ問題の大きいレベルです。父親に関しては今回は評価がなかなか難 しいということです。  妊娠中、育児期間中の禁煙指導は重要なんですが、妊娠に気づく前の妊娠初期の喫煙 を防止することは困難であり、出産前後は禁煙しても、その後、再喫煙する人がいるの で、未成年者に対して喫煙を開始しないようにする教育が本質的に重要であろうという ことです。  3−8.妊娠中の飲酒率  数値的には改善傾向なんですが、まだまだ問題の大きいレベルで、妊娠が判明した時 に飲酒していた人のうち半数は妊娠中も飲酒を続けています。いろんな理由があるんで しょうが、喫煙に比べて、飲酒の妊娠に対するリスクの知識の啓発がさらに必要であろ うということです。  3−9.かかりつけの小児科医を持つ親の割合  これはベースラインが高いんですが、目標に向けて改善傾向にあります。病気になっ てから受診する時以外にも、個別健康診断や予防接種などで小児科医を利用すること が、今後、かかりつけ医の普及には重要になってくると思われます。  3−10.休日・夜間の小児救急医療機関を知っている親の割合  策定時の現状値が高い値でありまして、暫定直近値も87%で、おおむね横ばいという ことです。  3−11.事故防止対策を実施している家庭の割合  目標値が100%なんですが、ベースライン、暫定値とも4.5%、2.9%と、かけ離れて います。チェックリスト20項目について、すべてが実施できてないと「実施している」 ことにならないという取り方も一つ問題です。もう一つは、不慮の事故死亡率は減って いますが、事故対策を実施している家庭の割合は変わらないということで、この指標を 見ていくことが指標として適切かということも考えなければいけないものであると思っ ています。  3−12.乳幼児のいる家庭で風呂場のドアを乳幼児が自分で開けることができないよ う工夫した家庭の割合  これもベースラインの調査時と比較して、おおむね横ばいであります。家庭の努力に は限界があって、賃貸住宅におけるチャイルドロックの設置の理解促進と推奨、ユニッ トバスメーカーには製造するすべての製品にチャイルドロックを整備することを義務づ けるなど、そういった方向での検討も必要ではないかと考えております。  3−13.心肺蘇生法を知っている親の割合  これは目標に対して悪化傾向にあります。必要なことですので、今後、心肺蘇生法の 普及を行う必要があると考えます。  3−14.乳児期にうつぶせ寝をさせている親の割合  これも目標は達成していませんが、改善傾向にあり、ほぼ達成ということであろうと 思います。しかし、一時期よりもSIDSについての社会の関心が低下している傾向に あり、引き続きキャンペーンは必要であろうかと思います。  3−15.1歳までにBCG接種を終了している者の割合  結核予防法の改正に伴い、1歳までにを6カ月までにに変更する必要がありますが、 暫定直近値では非常に高く出ておりまして、この5年間の改善度からみると、目標の達 成は十分に期待できるということです。  3−16.1歳6カ月までに三種混合・麻疹の予防接種を終了している者の割合  三種混合に関してはあまり変化はないんですが、麻疹に関しては70.4%から85.4%と 改善しています。日本医師会、日本小児科医会、厚生労働省主催、健やか親子21推進協 議会後援の「子どもの予防接種週間」といったキャンペーン等が予防接種率の向上に寄 与したのではないかと考えられます。この5年間の改善度からみますと、麻疹について は目標の達成は十分期待できると思われます。三種混合については目標達成に課題があ りますので、今後検討していく必要があります。  3−17.初期、二次、三次の小児救急医療体制が整備されている都道府県の割合  三次については100%ですが、二次は12.8%から54.8%と小児救急医療体制への関心 は非常に高まっていて、全体としては改善傾向にあります。今後も引き続き二次の小児 救急医療体制の整備に向けての努力が必要であると言えます。  3−18.事故防止対策を実施している市町村の割合  3〜4カ月児健診は政令都市で71.64%、市町村で47.95%と高くなっていますが、引 き続き事故防止の重要性を普及するとともに、実施にあたっての技術的な支援も充実さ せる必要があるということです。  3−19.小児人口に対する小児科医・新生児科医師・児童精神科医師の割合  順調に目標を達成している傾向にあります。鴨下先生らの「小児科・産科の若手医師 の確保・育成に関する研究」において、女性医師が働きやすい環境整備等が重要である としています。  3−20.院内学級・遊戯室を持つ小児科病棟の割合  これは異なった主体が行った異なった調査票に基づく調査結果でして、不明な部分が あるんですが、数値上はベースライン調査と比較して低下しており、目標達成は難しい と言えます。大幅に改善させるには財政的な裏付けや、教育・医療機関を含む関係機関 への働きかけが重要な課題として残っています。  3−21.慢性疾患児等の在宅医療の支援体制が整備されている市町村の割合  これも目標達成が非常に難しいところです。都道府県が主体になっているところが多 いと思うんですが、今後、都道府県保健所が積極的に市町村を支援していく対応が必要 であろうということです。  65ページからは4.子どもの心の安らかな発達の促進と産児不安の軽減です。  4−1.虐待による死亡数  ベースラインの44人に比べて暫定直近値は51人と増えています。  厚生労働省の検討においては、死亡事例の8割が関係機関が何らかの形で関わってい たケースであると報告されています。関わっていながら、なぜ防げなかったのかという のが大きな課題で、それらを今後十分に検討して対策を立てていくことが重点事項の一 つになろうかと思います。  4−2.法に基づき児童相談所等に報告があった被虐待児数  68ページのグラフを見ていただきますと、増えておりまして、15年度に比べて16年度 はさらに増えています。これは増加を経て減少へということで、まだ掘り起こし、増加 の段階にあると評価しています。  4−3.子育てに自信が持てない母親の割合  3カ月、1歳6カ月については減少傾向にありますが、3歳児については29%にのぼ っています。子育て支援というと乳児が中心になっているようですが、3歳児に対して も必要であり、社会での子育て支援を考えていくことが重要であろうと考えています。  4−4.子どもを虐待していると思う親の割合  これは減少傾向にあって目標を達成していますが、引き続き減少に向けた対策の強化 が必要であり、自分だけで悩まずに相談できる体制というのが具体的な対策になろうか と思います。  4−5.ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間がある母親の割合  策定時現状値68%に比べると暫定直近値は3カ月児では高いんですが、3歳児では低 い。3歳児になると活動が活発で目が離せない時期であって、親がゆったりとして過ご せる時間を持ちづらいのではないかと考えています。父親が育児に参加しやすい環境整 備、地域の子育て支援対策、保育所の活用など、アクセスしやすい環境づくりが必要で あろう。企業の支援策も大事であろうと考えております。  4−6.育児について相談相手のいる母親の割合  ベースラインが高いので、「増加傾向へ」という目標の達成はなかなか難しく、目標 値をどう考えていくかということが今後の課題です。  4−7.育児に参加する父親の割合  「よくやっている」「時々やっている」、いずれも増加傾向にあり、目標は達成され ています。どのような育児に参加しているのかという内容も重要ですので、そのへんの 評価も今後大切であると考えています。  4−8.子どもと一緒に遊ぶ父親の割合  これも「増加傾向へ」という目標は達成されています。  4−9.出産後1カ月時の母乳育児の割合  目標達成に向けて増加傾向であるんですが、さらに啓発をしていく必要があり、支援 していく機関に努力事項を伝えていく必要があるということです。  4−10.周産期医療施設から退院したハイリスク児へのフォロー体制が確立している 二次医療圏の割合  二次医療圏になっていますが、ベースラインの時には保健所の割合で見ていまして、 今回も保健所の割合ということで、比較ができると考えています。暫定直近値は98%と 非常に高く、今後100%を達成できる可能性はあるということです。  4−11.乳幼児の健康診査に満足している者の割合  30%という低いレベルからスタートしたので、あまり達成されていません。どういう ところに満足していないのか、満足度が伸び悩む理由の分析と、その解消のための取り 組みが必要です。疾病の発見や指導中心の、親から見れば「子育ての評価を受ける機会 」から「子育てを応援してもらえ、エンパワメントされる機会」への転換が必要であ る。乳幼児健診がどういう目的なのかという従事者の意識改革も必要であろうという評 価です。  4−12.育児支援に重点をおいた乳幼児健康診査を行っている自治体の割合  これも目標に向かって順調に増えておりまして、育児に自信がない親の減少とあわせ て考えますと、こういったことが一定の効果を出しているのではないかと考えておりま す。  4−13.常勤の児童精神科医のいる児童相談所の割合  策定時の現状値3.3%から暫定直近値7.1%になっていますが、目標値とは大きくかけ 離れており、この指標を今後どのように考えていくかということが課題です。児童相談 所だけに限らず、別の組織でも子どもの心の診療を行う機関が設置されていって、それ らとの連携、取り組みもモニターしていきながら、専門家へのアクセスがどのくらいよ くなっているかを評価していくことも大切だと思っております。  4−14.情緒障害児短期治療施設数  17施設から27施設に増えていまして、「健やか親子21」に本指標を設定したことが当 該施設の増加にも影響を与えたのではないかと考えています。今後は急速な増加ではな いにしても、増加傾向は続くと考えられます。一方で専門職としての質の担保も必要で あります。  4−15.育児不安・虐待親のグループの活動の支援を実施している保健所の割合  35.7%から46%と増加傾向でありますが、5年間の伸びは緩やかですので、100%の 達成には何らかの別の対応が必要でしょう。  育児不安対象者と虐待親へのグループの活動支援については、運営上の違いがあるた め、育児不安の親へのグループに限定して実施率を把握する調査方法も検討する必要が あると考えています。  4−16.親子の心の問題に対応できる技術を持った小児科医の割合  6.4%から8.4%と目標値からはかなり低い状況にあります。「子どもの心の診療に携 わる専門医師の養成に関する検討会」で子どもの心の問題に関する診療を行うことがで きる医師の養成に関する検討が行われています。このような時代の要請の中で、研修後 認定を受けた小児科医の数は徐々に増加していますが、今後モニタリング方法または目 標の設定を検討する必要があります。  以上、今回61指標のうち7つはまだですが、解析したことについて報告させていただ きました。 裄V座長  ありがとうございました。  暫定直近値の分析評価を個々の項目について御説明いただきました。指標については 御議論があろうかと思いますが、研究会で丁寧に検討していただいておりますので、御 意見がありましたら、事務局に届けていただきたいと思います。それらをもとにして中 間評価研究会で今後の推進方策、特に重点目標とする指標などについての案をまとめて いただき、それを次回、12月の検討会で取りまとめたいと思います。分析、評価の説明 については、そのような取り扱いをさせていただきたいと存じます。  それでは次に議題(2)「新しい指標の検討」に移りたいと思います。こちらも研究会で 検討していただきましたので、山縣委員より説明をお願いいたします。 山縣委員  資料5をごらんください。新しい指標について研究会で検討して方向性を考えさせて いただきました。その案を示しております。現段階で材料としましたのは「子ども・子 育て応援プラン」と、検討会の委員の皆様より御提案いただいた案です。  結論から申しますと、最終的に新しい指標として採択すべきものは、2にあげており ます3点ほどになろうかと考えております。と言いますのも、まず現行の指標の中で数 値を示せず、いまだ空白のものもあり、仮に示せても継続的に比較可能なデータがとれ ることが保証できないものもあります。このような状況の中で新しい指標を追加すると いうのは学問的にも行政的にも難しいと考えました。最終的な御判断はこの検討会でと いうことになろうと思いますが、現行の状況を加味して、このような案とさせていただ きました。  新しい指標として掲げることを考慮するものは、食育の取り組みを推進している市町 村の割合、7歳児での肥満児の割合、1日1時間以上運動している小学生の割合、この 3つの指標と考えております。  これ以外の提案につきましては、「21世紀の母子保健の推進について」というピンク の冊子の44ページの表3に示されていますが、これをリニューアルして、この中に書き 込んでいくのが妥当ではないかということになりました。よろしくお願いいたします。 裄V座長  ありがとうございました。  研究会の案を提示していただきました。確かに、現行の61の指標は中間評価をするに も暫定直近値がないとか、調査も難しいなど大変苦労して今回データを出しています。 現行でもこれだけ難しい部分がありますので、追加すればいいというものではないと考 えます。これは現行の指標の整理とともに考えなければいけないと思います。  資料5の2ページに、委員の皆様から提案された事項が掲げられています。「健やか 親子21検討会報告書」の44〜45ページは、国民、地方公共団体、国、専門団体、民間団 体に分けて、それぞれの取り組みの例があげられていますが、これをリニューアルする 形で取り込んでいったらどうかという説明だったと思います。  委員の皆様から御意見をお願いいたします。 吉池委員  新しい指標として取り上げることを考慮するものとして具体的に(1)に掲げられてい るものはどれも大変重要なものであり、指標としてもきちんとモニタリングができるも のだと思います。  この指標そのものというよりは、「健康日本21」関連課題と書いてあることも含め て、事務局側に伺います。これらは「健やか親子21」での取り組みでもあり健康づくり 一般での取り組みといったことになると思うのですが、具体的な推進体制とか、例えば 食育の取り組み云々というのが「健康日本21」においても検討される予定なのかどうか ということをお聞きしたいと思います。  食育については「食育基本法」という新しい法律的基盤ができたので、そのへんとの 関係がどうなのかということも教えていただけたらと思います。 事務局  今の段階では、皆様から挙げていただいたものと「子ども・子育て応援プラン」を中 心に抽出したのみで、まだ細かい検討は行っておりません。本日、先生方の御意見をい ただいて、もう一度、ワーキンググループで内容も含めて検討していただきたいと考え ております。 裄V座長  それでは、今の御意見を踏まえて、先ほどの現行の指標の見直し、具体的な推進方策 とともに、再度、研究会で整理していただきたいと思います。よろしくお願いいたしま す。  続いて、議題(3)「健やか親子21推進協議会の取組実績の調査について」に移ります。 調査の進捗状況について山縣委員からお願いいたします。 山縣委員  資料6をごらんください。前回もお示しいたしましたが、調査内容には特段変更はご ざいません。現在、推進協議会の調査を行っている段階でありまして、資料は、調査票 として送った内容を示しております。  この調査の目的ですが、推進協議会の取り組みを評価するというよりは、この5年 間、どのくらい取り組みを行っていただいたかという実績を集約して、それをもとにし て今後の取り組みの活性化につなげたいというのが主眼であります。  研究会のメンバーが、それぞれの幹事会に参加させていただきながら、協議会の取り 組みについてデータを集めている段階であります。次回の12月の検討会にはある程度の データをお示しできると思っております。以上です。 裄V座長  ありがとうございました。何か御意見があればお願いいたします。  今はデータを集めている段階で、その取りまとめは次回の検討会に出していただくと いうことでしたので、先に進みたいと思います。  続いて議題(4)「自治体の取組の評価について」ですが、これも結果をまとめていた だいたのは研究会ですので、山縣委員より説明をお願いいたします。 山縣委員  資料7「自治体の取組に関する調査の概要」ですが、その結果を説明いたします。  3.結果をごらんください。回収率は非常に高く、都道府県47すべてから回答をいた だきましたし、政令市・特別区、市町村に関してもほとんどのところから回答をいただ きました。  指標のうち、自治体に尋ねることでデータがとれるであろうものに関してはここで調 査をいたしました。それが(2)にあげたものであります。  「健やか親子21」の取組状況ですが、3ページをごらんください。  1.「健やか親子21」計画を策定しましたかという問いに対して、策定していないとこ ろが17%で、8割以上の都道府県は策定しています。  「健やか親子21」を踏まえて市町村の母子保健計画を見直しましたかという問いに対 して、政令市では75%以上が見直していますが、市町村では56%でした。  2.「健やか親子21」の推進状況やその課題について、住民や関係者と協議を行ってい ますかという問いについては、(4)「協議の機会を持っていない」が市町村では半分、 都道府県、政令市では20%台ですが、市町村では半分がやっていないというところが課 題として浮き彫りになりました。  3.「健やか親子21」の内容は次世代育成支援行動計画に盛り込まれましたかという問 いに関しては、市町村では「盛り込まれた」がほぼ9割で、「盛り込まれていない」は 少なかったという結果です。  5ページからは具体的な取り組みですが、ざっと見ていただきたいと思います。  まず都道府県ですが、薄い色が「取り組んでいる」、濃い色が「取り組んでいない」 です。一番上の「人工妊娠中絶、性感染症、薬物乱用に関する取り組み」は100%。 「小児の二次救急体制の整備」についてもほとんどが取り組んでいますが、「母乳育児 の推進、授乳室の設置」はあまり行われていないという状況です。  6ページは政令市です。あまりよくないものとしては、「満足できる“いいお産”に ついて医療機関等と連携した取り組み」「産科医師・助産師の確保・育成」「小児科医 師の確保・育成」などですが、これらは県の役割ということで低いのかもしれません。  「生後4カ月に達するまでに新生児訪問や乳児健診のいずれにも接触のなかった全乳 児の状況把握」「休日健診の推進等乳児健康診査受診率の向上」は低く、このあたりは 課題であろうと思います。  7ページは市町村です。高いものとしては、「生後4カ月に達するまでに新生児訪問 や乳児健診のいずれにも接触のなかった全乳児の状況把握」は非常に高くなっています し、「育児支援に重点をおいた乳幼児健康診査の実施」もよく取り組まれています。  一方、「慢性疾患等の在宅医療の支援体制」「休日健診の推進等」は「取り組んでい ない」が多くなっていますが、専門性が必要であるということが原因かもしれません。 以上です。 裄V座長  ありがとうございました。自治体の状況、特に都道府県、政令市、市町村とそれぞれ の特性を生かした母子保健、「健やか親子21」の取り組みについて御報告いただきまし た。何か御意見はございますでしょうか。 杉山委員  この調査結果は積極的に公表した方がいいのではないかという気がするんですが、そ のあたりはどのようにお考えでしょうか。  5ページのところで、「授乳室の設置など授乳しやすい環境づくりの推進」というの は「取り組んでいる」都道府県が少ないという御指摘があって、市町村がやっているの かなと思って見ましたら、同じ指標がないんですね。都道府県のデータと市町村のデー タが必ずしも重なっていないので、都道府県が少ない分は市町村が取り組んでいるの か、全くないのか、そのへんを教えていただければと思います。 事務局  今回の自治体調査に関しましては、母子保健課から各自治体に調査をかけておりま す。結果の公表につきましては、取りまとまった段階で各県にお返しする必要があると 思っておりますので、公表は行いたいと思っています。  調査票につきましては、今回お示ししておりませんが、前回、資料として出させてい ただいております。都道府県、政令市、市町村では役割が多少違いますので、調査項目 も、例えば母乳育児の推進に関しても、それぞれの調査項目は多少違っております。た だいま御指摘がございましたところですが、都道府県に対しては、医療機関やその他の 関係団体との連携や、授乳室の設置などハード面の整備といった視点で聞いておりまし て、市町村、政令市に対しては、実際の対人サービス的な視点で聞いておりますので、 内容が重ならないところがございます。御了解いただければと思います。 曽根委員  これは粗々のデータだと思うんですが、市町村のデータを都道府県別と地域別とで分 析していただいて、都道府県の取り組みが町村の取り組みとどうつながっているかと か、その逆であるとか、そのへんも分析していただけたらと思います。 山縣委員  個別にも乳幼児健診などで先ほどお示ししました中にも直接調べたものがありますの で、地域での取り組みと、そこでの母親の意識なり状況といったものをクロスしながら 解析していくということを研究班でやっております。 曽根委員  先ほどの推進協議会の取り組みと都道府県での取り組みと両方の調査のリンクもお願 いしたいと思います。 裄V座長  推進協議会についての評価と自治体の評価とリンクさせるべきだということですか。 曽根委員  推進している都道府県はこういう推進協議会等が活発であるとか、他のこともいいと か、そういう根拠があればいいなと思うんですが。 山縣委員  推進協議会は全国的な組織とか学会が多いので、地域別の活動と直接的に解析するの は難しいと思いますが、できるところはやっていきたいと思います。 裄V座長  他にはよろしいでしょうか。では、研究会でさらに分析を進めていただいて、今後の 取り組みの推進方策についての提案につなげていただきたいと思います。  続いて、議題(5)「妊産婦等を取り巻く社会環境の整備について」検討したいと思い ます。  この課題については、前回の検討会において議論しましたが、いくつか異論が出たこ ともあって、研究会で改めて検討し、本検討会に諮ることになったと記憶しています。  本日は、そのもととなる研究会での検討内容について山縣委員から説明をお願いしま す。 山縣委員  資料8「妊産婦等を取り巻く社会環境の整備について」をごらんください。  1.座長から御説明がありましたが、第2回「健やか親子21」推進検討委員会におけ る意見の概要を示しています。  2.バッジの取り扱いの普及についての「健やか親子21」中間評価研究会での議論の まとめを書いております。  1)主な論点は次の6つになります。  (1)「妊産婦にやさしい環境」づくりの普及啓発においてバッジは有効か  (2)普及啓発等に新たなバッジが必要か  (3)誰がデザインを作るのか  (4)バッジは妊婦全員が持つべきか  (5)バッジの使用・着用は強制か  (6)その他  2)上記の論点について、議論の概要は次のとおりです。  (1)「妊産婦にやさしい環境づくり」の普及啓発においてバッジは有効かに関しては、 妊産婦への配慮に関する一般的な普及啓発、妊産婦においては交通機関等での座席の確 保、受動喫煙防止の2つの面で一定の効力を持つと考えられるという意見がありまし た。  (2)普及啓発にはバッジが必要かに関しては、現時点でバッジの取り組みを行ってい る自治体は少数であり、今後、全国的な展開を図ると、それが啓発に効果があるかどう かということがわかるであろう。ただし、既存のバッジについては、その実施主体ごと にさまざまなデザインを用いていることから、これまでの取り組みを尊重しつつも、今 後はある程度の共通性をもったデザインが必要であろうということです。  (3)誰がデザインを作るのかに関しては、ある程度の共通性を持ち、しかも全国的に 展開していくためには、国等の関与が有効と考えられます。従って、バッジのデザイン は「健やか親子21」推進検討会において公募・決定してはどうかということです。  (4)バッジは妊婦全員が持つべきかについては、もちろん希望する妊婦が持つ。  (5)バッジの使用・着用は強制か。これは妊婦自身の選択による。  (6)その他として、有償とするか無償とするか、どのような方法で配布するかは自治 体によって多様な方法があるということです。  そのほか、妊婦自身がつけるバッジも必要ですが、支援する側の「私たちは妊婦さん に対してやさしくできますよ」という意思表示的なものも必要だろうという意見があり ましたが、今回は妊婦がつけるバッジについての検討といたしました。  3)結論としては、次のようになりました。  ○「健やか親子21」推進検討会としてデザインを公募、決定してはどうか。  ○デザインについては、以下のように普及啓発する。   ・関係省庁を通じて交通機関、飲食店等に情報提供を実施。   ・厚生労働省ホームページ等で国民にPR。   ・各自治体、関係団体等に対して情報提供を実施。  ○デザインは厚生労働省ホームページ等に掲載し、自由に使用。  次のページは、いろいろな取り組み例を紹介していますので、ごらんいただければと 思います。以上です。 裄V座長  ありがとうございました。ただいまの説明について、委員の皆様から御意見をいただ きたいと思います。 杉山委員  目的は「妊産婦にやさしい環境づくり」の普及啓発だと思うんですが、恥ずかしい し、つけたくないという妊婦さんもいるのではないかというお話が前回もあったかと思 います。そういう状況の中で、国がバッジはどうでしょうかと提案することが、どのく らい共感をもって受け入れられるかという不安な面があります。  結論のところに、関係省庁等を通じて交通機関、飲食店等に情報提供を実施というこ とがあるんですが、「こういうバッジをつけた人が行きますから、よろしくね」という んじゃなくて、逆に、お店とか駅とかが「私たちは妊産婦や子連れの方たちを大事にし ます」とか、そちら側のアピールがあってもいいのではないか。困ってる人も何かしら アピールするし、それを受けとめる人もアピールする。子ども100番の標識が軒先に張 ってあるような、そんな感じで、「私たちの店はやさしいんです」ということを見せる 方がいいんじゃないかという気がします。  子ども未来財団が身近な子育て応援活動推進連絡会というのを今年から始められて、 ちょっとした思いやりの行動をしますという人に「子育て応援証」を配るという試みが あるようです。そういうものと連携しながら進めていかれた方がいいのではないかとい う気がいたします。 佐藤課長  杉山委員から貴重な御意見をいただきました。私もそのとおりだと思っておりまし て、両方の施策が重要だと思います。バッジについては前回の御意見を踏まえて、山縣 先生のところでまとめていただいたように、希望する方にということですし、市町村に 対しても強制ではなく、やっていただくことになっております。  こうした取り組みにおいて、人間というのは哲学とか思想だけでは難しい部分があり まして、乳がんキャンペーンのピンクリボンとか、東京タワーがピンク色にライトアッ プされるとか、目に見える形でシンボリックなものがあるというのが運動を進める上で 重要だなというのを、いくつかの局面で私どもも見てきました。交通機関とか飲食店が メインだとは思いますが、そういうところに話をもちかける時も、バッジの話だった り、取り組み、そういうことを両面でお伝えしていきたいと思います。答えになったか どうかわかりませんが、杉山委員がおっしゃった趣旨は、私どもが最終的にお受けする 段階でも常に念頭に置いて対応したいと考えます。 戸田委員  妊婦さんがバッジをつけるということにこだわる必要はなくて、皆さんがおっしゃっ たように、受けとめる側がちゃんと受けとめていますというマークをつけるという考え 方もあるわけですね。現存する妊婦バッジがいくつかあり、1999年以来、少しずつ、市 町村とか、三重県では県レベルでも民間で作られているものを採用しつつあります。や っと歯車が回りだしたところで、国民運動としての「健やか親子21」が体現されている 萌芽をつぶすような形になると非常に残念だという感じがします。受けとめる側が妊婦 さんに対するいいサービスを提供しているとか、そういうバッジをつくっている民間の 団体に対してマークを贈るという、そちらの方がシンボルとしてはふさわしいのではな いか、そして広範に使えるのではないかと感じています。 椎葉委員  以前、私は母子保健を担当していまして、今も県で母子保健を担当してるんですが、 母子保健がこれだけ我が国に浸透していった象徴的なものが母子健康手帳ではなかった と思っています。新聞の投書欄に「大切な母子健康手帳をなくした、だれか探してほし い」という投書が載ることがよくありますが、手帳を超えた象徴的な意味合いを持って いて、やさしい思い出が詰まったものになっていて、それが母子保健を推進したような 気がします。  母子健康手帳にプラスして妊婦バッジのようなものも新しい21世紀の母子保健を象徴 する意味で出してみるのもいいかなという気がしております。というのは、母子健康手 帳と労働関係の母性健康管理指導連絡カードについては知らない人も多いわけで、そん な中でバッジがあれば、交通機関や飲食店を通じて知る人が増えると、そういうやさし い取り組みをしないといけないかなというきっかけにもなるのではないかという感じが します。このバッジは希望する妊婦が持てて、使用選択ということであれば、試みとし ては象徴的なものが一つ増えるということで、いいかなという感じがいたします。 曽根委員  バッジの意義については今まで十分御議論いただいたと思うんですが、お二方がおっ しゃるように、受け手側のマークみたいなものを同じようなデザインで、公共交通機関 では「妊婦さんにやさしい公共交通機関です」といったステッカーを張る。最近、首都 圏では女性専用車両がありますが、その中に妊婦さんの席を置くとか、そういう工夫を したところにはそういうステッカーを張っていただくとか、受け手側も何らかの意思表 示をするようなものを考えて、同時に発表してはいかがかなという提案です。 裄V座長  妊婦バッジは一定の効果が期待できるので推進すべきだということと同時に、受け手 側の意識の向上、普及啓発を目指した活動のためにステッカーを考えたらどうかという 御意見がありました。本推進検討会としてバッジのデザインを公募することをお認めい ただければ、それについての今後の手順を事務局から示していただきたいと思います し、同時に、今出された御意見をどのように具体化するかということも示していただき たいと思います。 事務局  公募の趣旨を先生方に御確認いただきまして、それから公募に移らせていただきたい と思います。第5回の「健やか親子21」推進検討会は2月の予定ですが、その場で決定 するという対応をさせていただきたいと思います。 裄V座長  第5回の検討会で決定するというのは、それまでに公募をして、デザインを決定する という意味ですか。 事務局  公募の期間が必要ですので、12月1日に予定されております第4回の検討会では途中 報告をさせていただく形で、最終的には第5回の2月になるのではないかと予測してお ります。 才村委員  妊婦さんが持たれるバッジについては趣旨もわかりますので、事務局が提案された形 で進めていただいたらどうかと思います。受け手の方の商標ですが、これも趣旨は理解 できます。それのイメージですが、消防のマル適マークのように何らかの基準があっ て、手順を踏んで出すのか、提示する側の自主性にゆだねるのか、基準とか手順につい ては実務レベルでの検討が必要ではないかと思います。 杉山委員  時期があわただしいかなという印象を持ちました。先ほど戸田委員もおっしゃったよ うに、既に各地でさまざまな妊婦バッジが広まりつつありますので、国で大あわてで公 募をして決めてしまうというのは、そのあたりをきちんと御理解いただきながら進めて いかないと、せっかくのキャンペーンがパッとしないで終わってしまうのではないか。 ピンクリボンみたいに成功してほしいわけで、あっちでもやってる、こっちでもやって るという状況にならないように配慮して進めていただけたらと思います。 裄V座長  ただいまの杉山委員からの御意見などを十分配慮して、これからの作業を進めていた だきたいと思います。  それでは、次の議題に移らせていただきます。議題(6)「食を通じた妊産婦の健康支 援方策について」ですが、吉池委員から説明をお願いいたします。 吉池委員  資料9を説明させていただきます。「食を通じた妊産婦の健康支援方策研究会」から の中間的な報告につきましては、前回の第2回本検討会において試案を示しておりま す。先生方からいただきました御意見、その後、より詳細なデータの解析、文献の収集 ・解析等を行いまして、今回、今の時点でまとめた妊娠期の至適体重増加チャート、妊 産婦のための食生活指針、また、その食生活指針の中でより具体的な食べ方を示すもの として「食事バランスガイド」について報告させていただきたいと思います。  1ページは本研究会の検討の趣旨、目的ですので、説明は省かせていただきます。  2ページからが「妊娠期の至適体重増加チャート」についてです。妊娠前の体格別に 妊娠中の体重の増加量が至適と考えられるものを示していくということで、前回御説明 したとおりです。  結論部分を先に申し上げたいと思います。4ページをごらんください。表1は妊娠全 期間を通じた推奨体重増加量、表2は妊娠中期から末期における1週間あたりの推奨増 加量ですが、前回お示しした数字と全く変わっておりません。その後いろいろ検討を重 ねましたが、この数値が現時点ではエビデンスという意味でも現実的な適用という意味 でも良いのではないかと考えております。  3ページに解説が書いてあります。  妊娠全期間を通じての体重増加量は、分娩直前の体重と妊娠前の差について、各種の 分娩異常との関連を見た上で体重増加量の範囲を示したものです。既に報告されている 国内外の文献、今回、関連の研究班で詳細に数値を検討しております。  妊娠前の体格がBMI18.5未満の場合、18.5〜25の場合、25以上の場合では数値が異 なっていますが、もう一度、表1をごらんいただきたいと思います。それぞれにリスク の上昇が観察されますが、これらは連続的なものですので、どこかを境に急にリスクが はね上がるということではありません。連続的な緩やかなリスクの低下あるいは上昇の 中で、どこかに数値を決めなければいけないことになりますが、相対的にいくつか設定 して、どこで切った場合、一番はっきりとした差が得られるか。そのようなことから出 したものです。  もともとの体重がBMI18.5未満の人については9〜12kg、ふつうの場合は7〜12 kg、肥満の場合は少なくとも5kgとしましたが、画一的に幅で云々というよりは、個別 的な対応が必要です。肥満者の場合はいろいろなリスクが生じてきますので、妊娠期間 中の胎児、胎盤、循環血漿量の増加等を勘案した時の生理学的な範囲として、少なくと も5kgと書いています。  妊娠期間別に、どこの時点で何キロと言えるかどうかということも検討しましたが、 細かい表現は難しいというのが結論です。特に妊娠初期についてはデータが乏しいとい うこともありますが、その時期に体重をモニタリング管理すること自体も難しかろうと いうことで、表2では中期、末期のみについて示しています。肥満については個別対応 ということは、今説明したとおりです。  低体重、普通については0.3〜0.5kg/週というのは相対的な話ですが、日本で過去に 報告されているナチュラルコースとしての体重増加量、また、今回、正常な出産が行わ れた症例について体重増加量のパターン分布等を見まして、このくらいの幅であるとリ スクが低い範囲で抑えられるだろうということです。  これらのことについてたくさんの情報があるわけですが、ごく簡単に背景のデータ情 報としてまとめたものが5〜7ページになります。これについては後ほどご覧いただけ たらと思います。  8ページにまとめを書いています。今お話ししたことに加えて、2番目として、さら に、妊娠中毒症予防の観点からこれまで用いられてきた日本産科婦人科学会の指針等と 比較しましたが、数値として大きな差異を生じるものはありませんでした。今までと大 きなデータの差異があったということではありませんが、より適切な活用、運用が望ま れるのではないかと考えております。  3にありますように、各体格区分における妊娠期の望ましい体重増加量は、文献的研 究かつ集団をとらえた結果であるため、相対的なリスクの幅で整理せざるをえず、個々 の症例において勘案すべき点は多いかと思いますので、必要に応じて個別的な対応が望 まれるとしています。  12ページは「妊産婦のための食生活指針」です。  (1)「妊産婦のための食生活指針」作成の基本的考え方ですが、対象は基本的に妊産 婦に絞ります。最終的には一般の方向けの具体的でわかりやすいものを作る必要があり ますが、本報告書そのものは、管理栄養士、助産師、保健従事者等の指導者に対する報 告であることから、科学的根拠、文献等も十分に盛り込んだものとしています。また、 食生活のみならず、妊産婦の生活全般や、からだや心の健康にも配慮したものです。こ の4月から適用になっている「日本人の食事摂取基準」を栄養学的な基本としています が、内容については14ページにございます。  大項目が9項目あって、その中に個別的なメッセージが書かれています。基本的な考 え方、整理の仕方については前回説明申し上げたとおりで、大きく変わっておりませ ん。多少の表現等は変えております。各項目について専門家向けとして、見開き2ペー ジぐらいの資料を用意しているところです。  12ページに戻ります。「食事バランスガイド」は、一般成人を対象として、食事をど うとるかということを具体的にコマのイラストで示したもので、厚生労働省と農林水産 省が合同で作成し7月に発表したものです。これの妊娠期間中のものが作れないかとい うことで種々検討してまいりました。これについても「日本人の食事摂取基準」を参考 にして、妊娠中にどれだけ付加的にエネルギー、栄養素をとらなければいけないか、そ の実現のために具体的に食べ方をどう変えていったらいいかということです。  そもそも妊娠前からの食生活において量・バランスともに大きく崩れている場合も予 想されますので、若い女性、妊娠を予定している方はある範囲の中に食生活をおさめて いただいて、それプラス付加量としてこのくらいということを具体的に提示していこう というものです。  13ページをごらんいただきますと、「日本人の食事摂取基準−妊婦・授乳婦の付加量 を中心に−」というもので、妊娠各期でどのくらいプラスになるかということを示して いますが、説明は割愛させていただきます。  15ページに妊産婦のための「食事バランスガイド」(案)を示しています。  コマの絵で、主食5〜7、副菜5〜6、主菜3〜5、牛乳・乳製品2、果物2という のが成人女性で身体活動量が中等度以上の方のものです。妊娠中期の方は副菜、主菜、 果物が+1となり、ビタミン、ミネラル、たんぱく質を考慮したものです。  妊娠末期・授乳期の方はすべて+1となります。栄養学的にバランスをとって数値的 に合わせるというのは難しい作業ですが、「食事バランスガイド」が大まかな目安を示 すということですので、妊娠中は何が大事で何が大事じゃないというよりは、全体的に 食べるものをひと回り膨らませてほしいという適用上のこともありまして、全部+1と しています。実際に計算しますと、妊娠中の付加量に近い範囲が示されるということは 検討していますが、このようなことを示していけばいいのではないかと思っています。  「食事バランスガイド」の考え方を用いて指導する保健・医療従事者等が妊婦さんの 食生活を簡単にスクリーニングする方法、指導する方法等のマニュアルについても準備 をしております。最終的には一般の妊婦・授乳婦向けのビジュアルなパンフレットにつ いても、今説明したようなコンポーネントを組み合わせて検討を進めている状況です。  以上が私どもの研究班のこれまでの検討結果ですが、本日は主に至適体重増加チャー トについての御意見をいただくようにということです。以上です。 裄V座長  ありがとうございました。ただいまの全体の説明、特に至適体重増加チャートについ て、委員の皆様の御意見をいただきたいと思います。 曽根委員  至適体重、推奨体重の増加量というのは、基礎疾患のない妊産婦ということでよろし いでしょうか。 吉池委員  基礎疾患のある方、または肥満等でリスクの増加が予想される方は個別対応というの が原則になるかと思います。 曽根委員  そのことは書かなくてもよろしいでしょうか。 吉池委員  そのへんは明示すべきことだと思っております。BMIが25を超えたら個別対応とい うことであり、ポピュレーション全体としての示し方と個別的なものについてはしっか り区別すべきだと思っております。 衞藤委員  基本的なことですけど、1日の食事の回数は問題ないんでしょうか。若い年代では朝 食の欠食が20%ぐらいあって、それが継続することが懸念されるんですが。 吉池委員  至適な回数というのは栄養学、生理学的に示しにくいものもあるのですが、朝の欠食 があると、1日に必要な栄養素、エネルギーの摂取が達成できないというデータははっ きりとしたものがあります。回数が不規則になる場合は朝の欠食が一番多いわけですの で、その点については食生活指針のところにも触れてあり、きちんと必要な栄養素、エ ネルギーをとりましょうということで、先生がおっしゃることも包含されております。 中村委員  14ページの「からだづくりの基本となる主菜は適量を」のところに「赤身の肉、レバ ーなどを上手に取り入れて、貧血を防ぎましょう」とあります。レバーが出てるんです が、レバーはビタミンAの含有量が非常に多くて、通常に食べても上限値を超してしま うことがあります。わざわざリスクの高い文章を出す必要があるのかどうか、ちょっと 心配なんですが。 吉池委員  そこは表現方法等も含めていろいろ検討した結果、現時点ではこのように残っていま す。これは短くまとめているので、報告書本体では先生が懸念されるようなことはない ように十分考えております。実際の表現ぶり等につきましても、これから細かいところ は検討しますので、先生の御指摘も踏まえて、より良い、誤解のないものにしていきた いと思います。 杉山委員  以前、妊娠の雑誌に記事を書いた経験があって、その点から言いますと、こういうチ ャートが出てくるというのはインパクトあると思います。私が物を書いていた時期は体 重が増えないようにというインフォメーションもあって、それを読者の方たちが自己判 断をしてしまったこともあったんだろうなと思うので、できるだけ正しい情報を妊娠雑 誌とかマスコミの方から出していくというのは大事なことだと思います。専門家の表現 になっている傾向があるので、報告書で出す時には概要編みたいなのでお示しいただけ ると助かるかなと思っております。  14ページの「食生活の指針」とか「食事バランスガイド」の案なども、妊娠中でも働 いている方がだいぶ増えてきていまして、時間をかけて食材を選ぶ時間もなかろうと思 いますので、これを食べるよりはサラダを食べた方がいいよとか、外食でも応用できる ようなものがあるといいと思います。  妊産婦の健康支援の検討があるわけですが、離乳食とか乳幼児期、学童期の食の健康 支援というのはやっているのかどうか確認させていただきたいんですが。 裄V座長  子どもについて食事を通じて健康支援をするというのは食育ということで、現在、国 家的な取り組みがされていると思います。 吉池委員  体重だけの話がポンと出てしまうと、世の中の傾向はダイエットというか体重を減ら す方向なので、いろいろ誤解が生じている可能性があるかと思います。今回は3点セッ トで、一般の普及啓発向けのパンフレットというイメージをつくっております。体重を コントロールしながらというのは重要なことですが、体重だけが独立してあるのではな くて、食事全体の大事さが結びつくわけです。  「食事バランスガイド」が出てきた背景は、外食ばかりでバランスが大きく乱れてし まっている方にも、20点、30点の人をなんとか50点にしようという意図のツールです し、大きく食事が乱れている若い女性の食生活を見直すきっかけにもなると思います。 コマのバランスがこんなに狂っていたらどうなるのかということをビジュアルに訴求で きると思います。体重が多い少ないというものをポンと示すよりは、本質的なことがわ かりやすく伝わるのではないかと思っております。働く女性も外食、コンビニ等も含め てうまく利用して、よりよい食生活にもっていくという視点は大事だと思います。 山縣委員  「妊産婦のための食生活指針」の中にも葉酸のことが書いてあるんですが、2000年に 出された時に、欧米に比べて葉酸の効果は日本では必ずしも大きくはないと私は推計し ました。もっと予算をとれば20%ぐらいは増えるかもしれないと思ったんですが、この 5年間でどうだったのかということが1点です。  もう一つは、葉酸をきちんと摂取しましょうというのが今まで十分に啓発されていな かったような気がします。自分は本当にこれをとらなくてはいけないのか、とるんだっ たらどういうふうにとるんだろうということが示されないと、過去5年間みたいな感じ になるのかなという気がしております。 裄V座長  いろいろな御意見をいただきました。これらの御意見を踏まえて、再度、報告書をま とめていただき、次回12月の検討会で最終報告をしていただきたいと思います。よろし くお願いいたします。  予定された議事については以上ですが、最初に御紹介のあった新任の雇用均等・児童 家庭局長がお見えですので、ごあいさつをいただきたいと思います。 北井局長  雇用均等・児童家庭局長の北井でございます。本日は内閣改造の日で、ばたばたして おりまして遅参いたしまして失礼をいたしました。  委員の先生方には日ごろから母子保健の推進につきまして大変お世話になっておりま す。また、「健やか親子21」というのは具体的な目標値を立てて国民みんなが運動して いくという、国民運動の老舗であると思っております。この検討会で、今までの取組の 検証と、新たな課題への対応の方針をお示しいただきまして、「健やか親子21」がさら に推進していくように、よろしく御指導をお願いしたいと思っております。よろしくお 願いいたします。 裄V座長  ありがとうございました。  最後に、今後のスケジュールについて事務局からお願いします。 関谷補佐  次回の予定ですが、12月1日(木)10時から12時までを予定しております。会場につ いては調整中ですので、後ほど御連絡いたしたいと思います。  最終の検討会は2月中旬で調整させていただいております。  なお、議題(1)で指標に関する意見を事務局へということでしたが、これについては 1週間をめどにお知らせいただきますようお願いしたいと思います。以上です。 裄V座長  それでは、これをもちまして第3回「健やか親子21」推進検討会を閉会いたします。 どうもありがとうございました。                                       了                    照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課                     電話:(代表)03−5253−1111                             市川(内線:7939)