05/10/18 社会保障審議会介護給付費分科会介護予防ワーキングチーム第7回議事録 社会保障審議会 第7回介護給付費分科会介護予防ワーキングチーム議事録 1 日時及び場所 :平成17年10月18日(火) 10時から12時            霞ヶ関東京會舘 ゴールドスタールーム 2 出席委員:井形、大内、大川、開原、田中、栃本、吉池の各委員        川越、高橋、辻、松田の各委員は欠席 3 議題  (1)「目標の達成度に応じた評価の仕組み」に係る議論の整理(案)  (2)その他 ○渡辺認知症対策室長より資料に沿って説明。 (栃本委員)  1ページ目の「基本的な考え方」に「その際、評価については、利用者個々 人に着目した評価ではなく、事業者全体の質を評価する観点から、事業所単 位の評価とすることが適当である」と書いてある。この報告書の中で、「質」 という表現は多分ここ1か所だけだと思う。趣旨はよくわかるが、あえてこ こで「利用者個々人に着目した評価ではなく、事業者全体の質」という表現 になっているので、これは全体の質を評価するという積極的な観点から書く ということであれば、それはそれで一つの考え方だと思うし、そうではない というわけではないが、要するに個々人に着目してもいろいろな理由から議 論をしてきたように、なかなか何が寄与したかというのはわかりにくいから、 便宜的にというと非常に語弊があるけれども、便宜的な部分だけではもちろ んない。  議論してきたとおり、非常に全体的にいろいろなことを考えてしているわ けではあるが、いろいろなことから事業所単位ということになったと記憶し ているので、積極的な意味を持たせるということであればもちろんこれでも 結構だと思うが、ちょっと気になった部分が1つある。  それから、2ページ目の(2)の「対象とするサービスの内容について」 ということで、共通的サービスと選択的サービスの持つ機能というのは状態 を改善するためには両輪ということがあったと思う。ただ、それに対して評 価の対象となる事業所についてはエビデンスが明らかである新しいメニュー ということからこれに着目して、これを行っている事業者のみで出発すべき ではないかと受け取れる発言だったが、あえてこれらのサービスを提供しな い事業所について評価の対象としない。つまり、それらを排除することの意 義というか、対象とすることによって生ずる問題点を教えてほしい。あえて 外さなくてもいいのではないか。 (三浦老人保健課長)  確かに「質」ということが書かれているのはこの部分だけかもしれないが、 目標の達成ということ自体が利用者にとっては非常に重要なことではないか という意味で、もちろんその中にはいろいろな要素があると思うが、その要 素の一つとして今回はその目標の達成というものを取り上げているというこ とであり、特段「質」という言葉にこだわるわけではないが、この目標の達 成というものが非常に重要だということを強調したいという趣旨だと理解い ただきたいと思う。  それから、選択的サービスに限定して評価を行っていくという考え方につ いては、今回の評価の仕組みは初めて入る仕組みであるということからも、 かなり慎重に動かしていく必要があるのではないか。そういう点で、どの範 囲までやるかということについては、今回まずこの選択的サービスをターゲ ットにした評価を開始し、当面かなり限定し、慎重に動かしていきたいとい うことから、選択的サービスを基本としてはどうかということが提案されて いると考えている。 (栃本委員)  考え方はよくわかったが、最初から選択的サービスだけに限定すると、そ れでもって改善効果が表れたとか、これからデータを取っていく、そうする と、共通的部分で発生する効果が全く無視されてしまって、新メニューのこ のやり方だけで改善したというのか、そういう形でのデータの蓄積になるこ ともあると思う。したがって、慎重に扱うことは大切だと申し上げておきた い。  あとは、全体の質ということについてはよくわかったので、そうであるな らば、状態が改善するとか、目標志向の設定をしたサービスの提供自身が、 ある意味では実は介護のサービスの質だという文言が入ると、よいのではな いか。 (大内委員)  今の話に若干関連して、最後に第三者評価の話が触れられているが、これ は基本的には今回制度的に義務づけられたということで、事業所ごとの目標 の達成度というのは事業所の規模だとか、あるいは3か月継続して受けた人 の人数だとか、そういうものに影響されずに、基本的には全事業所を対象と するということでよろしいか。  もう一つは細かいことだが、質の話が出たので日本語の問題だが、2ペー ジ目のIIIの(1)の2番目の丸の「一方、事業者に対してサービス提供への インセンティブを喚起する観点からは」というのは誤解を招きかねない表現 なので、質の高いサービス提供か何かなのかと思うが、そこを考えていただ ければと思う。 (古都振興課長)  これから全事業所については客観的な情報を基本的な情報と、それからサ ービスに取り組まれてきちんと手順書をつくっているかどうかとか、そうい うことを出してもらって、それを全事業所に来年度から逐次義務付けていく ので、その中の項目として出していくこともあるのではないか。是非、今回 の取り組みなども一つの客観的な指標として出せるようにしていきたい。 (開原委員)  「目標の達成度に応じた評価の仕組みに係る議論の整理」ということだが、 目標の達成というのは今回の場合は通所系のサービスにおける目標の達成に 限られていたと思う。このタイトルは「通所系サービスにおける目標の達成 度に応じた評価の仕組み」と変更した方がいいのではないか。  なぜかというと、まだまだいろいろな目標を設定して、それを達成させて、 それを評価する方法があるのではないかと思っており、一番今回の介護予防 で大事なのは、言葉は悪いが、今までは訪問系に頼って訪問系を乱用してい た人たちがいかに通所系の方に移ってくるかではないかという気がしている。  それで、今の仕組みのままで今まで訪問系に頼っていた人たちが通所系に 移ってくると考えているのか。そこのところに、何のインセンティブも働い ていない気がするが、その辺の見通しがあれば伺いたい。 (三浦老人保健課長)  まず最初のテーマについては介護給付費分科会において、通所系サービス のみならず訪問系サービスについても一定の評価をすべきではないかという 議論があり、資料の中にも訪問系についての取扱いが一部書いてあるのはそ ういう趣旨である。委員が御指摘のように、通所系と書いた方が、より明ら かになることは事実だと思いますので、そこはまた検討させていただきたい。  それから、訪問系サービスと通所系サービスの取扱いについては、まさに 給付費分科会の中でどのように位置付けるかという議論があり、通所系サー ビスを主軸とする書きぶりをしていた資料も介護給付費分科会では示したが、 それに対して訪問系サービスも一定の役割を果たしているという指摘もあり、 どの程度通所系サービスに力点を置いた介護予防のサービスにしていくかに ついて、引き続き介護給付費分科会で議論いただいているところである。  それで、そのためのメカニズムをどのようにするかもその中で議論される べきものだと考えていて、現時点でこれという形になっているものではない が、サービスの種類を明示するかどうかはともかくとして、ケアマネジメン トの中で要介護状態の改善に向けたサービスの提供というものが、より明確 に打ち出されてくると考えている。その際に、より本人の状態や希望に合い、 かつ改善の可能性が高いサービスとして、通所系サービスがまず使われると いう姿が描かれるのかと考えている。 (井形座長)  ケアマネジメントが大体、通所系に行くようなものを推薦することになる と思う。しかし、権利としてのサービスの選択ができることになっており、 そこはやはり努力をしないとすんなりとはいかないと思う。  全体は皆の意見を取り入れてかなり工夫をしてつくっているが、少し具体 性をぼかしてある。例えば、このインデックスの幾つ以上を加算の対象にす るかというようなことは、来年の4月にはえいやと具体性が決まる。それは こういうものを決める上ではやむを得ないことだが、皆の希望があれば意見 をいただきたい。  読んでいて思ったのは、よくなる改善の見込みがない人を拒否するという ことが起こりそうな気がするがどうか。 (吉池委員)  事務局の説明で、式の計算で分母のZがどのぐらいの数から意味があるか という問題提起があったし、また対象施設の規模は利用実人員、登録者数で、 またこれはZとも違う数値で切るということで、両者の関係がまだ少し具体 的にイメージしにくい。  それで、5ページ目について確認をしたいが、実施時期について、どこで 提供されているサービスについての評価がどういう形で始まるか。その字句 的なことが少し見えにくいということを感じたので教えていただきたい。  あとは事業所の規模について、IIIの(1)の事業所の規模で、小規模事業 所をまず外すという理由づけとしては、ここで事業所の経営の安定性という ことが最初にきているが、基本的に今回の報酬のめり張りというのは個々の 事業所に著しい影響が及ぶことがない。どの程度かわからないし、人数が少 ないところでどの程度の経営の安定性を損なうことになるのかが少し見えに くい中で、経営の安定性ではなく、むしろこの評価の指標、それこそZが小 さいとその指標自体が意味をなさないという、その本質なことをもう少しこ こで触れた上で、そこの表現は工夫していただきたい。 (三浦老人保健課長)  まず改善の見込みがない方の排除や逆選択については、今でも運営基準に 理由なくサービスの利用を断ってはならないという条項が入っており、それ を適切に運営していくことが第一ではないか。記述上、はっきりしないとこ ろについては書き加えておきたい。  それから、対象施設の利用実人員と、それから4ページのZとの関係につ いて、実人員というのは実態として世の中にどの程度の事業者の分布がある のかという形で、これは改めて実態を把握する必要があると思っているが、 一方で4ページの方のZはむしろ明確な意味で統計的なというところまでい かなくても、一定の評価をするときに、その大数の法則としてどの程度の数 字がなければ大数の法則に合致しないか。大数と言っても大大数もあるし、 小大数もあるかもしれないので、一定の見極めとしてこれくらいの人数があ れば母集団として一定の改善が見られた、あるいは維持ができたという評価 がなじむものか。若干感覚的なところもあるかと思うが、そういう部分を議 論いただければということで、実人員の方の議論とは別にその議論をお願い したいと思っている。  それから、小規模事業者の事業所を今回除外すことの理由づけについては、 指摘のあったことも加味してまいりたい。 (田中(滋)委員)  介護予防の事業者評価の話と、介護予防に役立っているかどうかは別の次 元だということを理解しておくべきだ。先ほどの訪問事業者が介護予防に役 立っているという意見は当然である。役立っていることと、報酬上評価をす ることは別の話で、介護予防のケアマネジメントだって役に立っているはず だが、そこは評価しない。  評価を通所事業者に限る理由は、要は因果関係が比較的先ほどの特別な事 業という新しいプログラムということで、今までとは違う実験をするので、 その効果があるかを実験計画として測り得るとか、訪問事業者に比べると他 の変数の影響が恐らく少ない。訪問事業者の場合、家庭内の事情の影響が入 る可能性があるが、その影響が少ないと想定される。  それから、ある程度数が大きいという意味で、測れるという意味が大きい から報酬の中で評価をする。それ以外の事業者については予防に役立たない から評価しないのではなく、今、言ったように条件を満たしていないから測 りようがないということで、こういうシステムとして測ることは不可能なん だという理解に立たないといけない。  次に、こういうものは実際には本当にいろいろな人たちの予防に役に立っ ているはずで、本人の努力もあるが、それを具体的に測るとなるとテクニカ ルになればなるほど、実は本音ではかなり無理をしていることが見えてきて、 何件以上と理論的に言えと言われてもと難しい。どこかで決めるしかなくな って、最後のところでは、そのくらいならば何とかシステムができる、測れ るということで決めるしかない。  私の昔からの持論だが、本来は予防に役立つ、あるいは要介護の方々でも サービスをきちんとするというのは事業者としての当然の責任であって、予 防の段階、要介護1や要支援の方が増え過ぎて、そこが悪化しているから何 とかしたいというのでここだけ取り入れていて、できるだけ無理のないよう に仕組みをつくらなければいけない。無理が1つだけあると思っているのは、 地域包括支援センターに維持の評価をさせるということが入ってきたが、こ れはどうなのか。  地域包括支援センターは本来実務よりは、どちらかというと地域のケアマ ネジメント体制を支えるという地域の基盤としての役割が大きいはずだが、 予防のケアマネジメントとか、予防の給付管理とか、予防の評価というのは、 地域のシステムを支えるというよりは割と実務に近い、少し別枠の系統の仕 事がひとかたまり入っている。これを実際に包括支援センターができるかど うか疑問である。  それから、実施時期とのずれについて、18年4月より評価対象にしてとい うのも、包括支援センターは18年4月に全部できるわけではないというずれ をどうするのか。  3つ目は、維持をするという評価については、客観的な判断基準を定める ことが必要であるということだが、まだ要介護度以外に何を指標とするのか がよく見えない。判断基準を定めることが必要であるというのは確かだが、 要介護度以外にどんなものが例としてあり得るのか、よくわからない。そう なると、地域包括支援センターの人員体制の中で、しかも能力にものすごく ばらつきが出ることは目に見えている。その客観的な指標というのはつくれ るのだろうかと、非常に疑問を持っている。 (三浦老人保健課長)  地域包括支援センターでの維持の評価について、今回、地域包括支援セン ターでは個々のケアプランの内容について、その内容が適切なものであるの かどうか。そして、そのケアプランに基づいて行われたサービス利用によっ て目標が達成できているのかどうかというのはルーチンの仕事として、それ は実施していくことになる。  そういう意味では、地域包括支援センターの目標が達成できているかどう かは、今回の事業所評価の導入の有無にかかわらず、一定の業務としては出 てくると考えている。指摘のとおり地域包括支援センターがすぐできない地 域も出てくるかと思うが、そこは一定の経過措置を置いて対応していくとい うことになるのではないか。  それから、客観的評価基準について、これは一番難しい部分というのは指 摘のとおりであり、これについては引き続き検討してまいりたい。 (井形座長)  こういうシステムを円滑にするのは、やはりペナルティの減算よりも、少 しでもいいことを増やすという一つの精神がこの発案に流れていると思う。 だから、差し当たりできるところからやって、全体にこういったムードが生 まれることは非常にプラスだろう。  介護予防には選択メニューが3つあり、それぞれが目標を持ち、達成され たかが決まっていくが、これが要介護度が反映する重さになる。例えば、運 動機能はものすごく貢献するが、栄養を改善した場合には要介護度にどのく らいの影響があるのか。それから、口腔衛生がどのくらいの影響力があるか によって、その程度は恐らく運動機能が圧倒的に大きいのではないかと予想 している。  そうすると、例えば3つの柱を立てたが、運動機能では非常に成果を上げ ても、栄養、口腔衛生がだめになったとか、そういうものは表に出なくなる が、そういうことは検討されているか。ちょっと意識しておいた方がいい。 (三浦老人保健課長)  私どもが収集したデータ、あるいは自治体でいろいろ試みたデータなどを 見ても、指摘のとおり方法論も違うし、介入の期間等でも要介護度の改善に ついてはすべての選択的なサービスが同じような効果を同時に表すことには ならないと考えるが、一方でこれらのサービス、つまり運動、栄養、あるい は口腔機能という3つのサービスについてはお互いにかなり相関がある。全 く違うことというよりも、運動をするためには栄養、栄養をとるためには口 腔機能という関連性があると考えている。  そういう点では、この3つのサービスがお互いに連携しながら行われるこ とが最も望ましいと思っており、事業者においても3つ同時に取り組むとこ ろが相当出てくるのではないか。そういう点で、これらの選択的サービスの 総合的な評価として要介護度にどのように寄与したかということを見ていく というやり方でどうかと思っている。 (栃本委員)  今の部分で、特定の機能の向上と要介護度の改善はダイレクトではない。 先ほど3つの新予防給付の項目に関係があることはわかるが、それ以外もあ るわけで、また意欲なども関係ある。機能が向上しても、全体的な意欲の低 下が見られたらそれはできない。そうであるからこそ、差し当たり新予防給 付の部分だけという形ではなく、共通的な部分も見ることによって、比較勘 案できることもあると思う。  モデル的にというと変だが、これから出発させるということがあるのなら、 実際に結果的にどうなるかわからないが、幾つかの要素を入れて見ておくこ とは必要だと思う。  共通的部分のみというのも評価の枠に入れておいた方が、将来的に意味が ある。また、施設サービスにも同様のことが言えるわけで、それと同時にこ の議論の中で状態がよくなることはもちろんすばらしいことだが、それと同 時にサービスから離脱することが非常に保険上は重要だという話もあった。 したがって、居宅サービスの場合は機械を使ってということはあり得ないわ けだから、通所系の共通的サービスに着目してケアを行うことでもってサー ビスの離脱とかを図ることになると思う。  それと同時に、通所系もこの目標達成による評価を入れるのであれば、共 通項目のみのところも入れて差し支えないのではないか。  もう一つは、評価の対象について3か月以上という形にしている。評価の 対象を3か月以上にすることと、それから具体的な評価指標についての部分 で1年間に3か月以上同一事業所においてサービスを利用した者であって更 新とした者と分母はなっている。それは必ずしも一致しないという考え方も あると思う。一致しないというか、評価の対象について、つまりこういうタ ーゲットでこの人を選ぶというものと、その指標の部分における改善とか、 その維持というものの期間を定めるというものの場合の期間の設定というの は、本当に同一でないと論理的に合わないのかについてはどう判断するのか。 (三浦老人保健課長)  この指標が客観的な指標でなければいけないということで、一定の要件を かけて対象者を明確にしようという趣旨である。それで、サービス利用期間 を3か月というだけではなく、同一事業所において継続してサービスを受け た者で更新した者、これだけの要件をかけないと、どこまでが対象者である かわかりにくいため、この評価の対象となる者についてかなり具体的に要件 をかけたところである。 (大川委員)  今回の議論では主な事業所評価としてどういうインセンティブを持たせる かが主となっているが、介護予防全体がいかに効果的に行われるのかが一番 の根幹にあり、そのときに大事なことは、今後のことも考えると2つあると 思う。  1つは、やはり介護予防のマネジメントはこの対象となる事業者だけでは なく、ケアマネジメントも含めた全体としていろいろな事業所以外の人たち のサービス提供者もあるし、マネジメントのアセスメントのやり方とか、プ ランの組み方とか、さまざまなものがあるので、皆で介護予防の効果を上げ ていくことが大事である。  それから、今後更に介護予防の質的な向上を図らなければいけないという 2点で、今のプログラムだけを前提として考えるのはやはり危ないのではな いか。  そう考えると、「基本的な考え方」がかなりストレートに事業所評価のとこ ろにいっているが、むしろ「その他」の方に書いてあるケアマネジメントに 係る報酬とする考え方とか、本人の努力を評価すべきという今後の方向性と かを「基本的な考え方」にはっきりと書いて、ある意味客観的にそれから評 価になじむということで今回は事業所評価をまず行うと書いた方が、一緒に 介護予防をちゃんとやろうという意思をそぐことにならないのではないか。 少なくとも少しはとどめることができるのではないかという気がしている。  「利用者に対しては目標達成度の高い事業所であることから」となってい るが、ここはかなり気をつけないと、この事業所評価として評価されている ところがいいからそこに行くと短絡的に誤解されるのは危険ではないか。小 規模でもちゃんとやっているところだとか、対象にならなくてもちゃんとや ろうとしているところはたくさんあるので、これは目標達成度の高い事業者 ではなくて、目標達成度の高いケアマネジメントを行われた人が多く通って いる事業所ということであり、介護支援専門員もかなりきちんとした説明を していかないと危ないのではないかと感じている。  対象となるメニューについて、今後更に質の高い介護予防のメニューを開 発するということも考えなければいけない。共通メニューの方がより効果的 なこともあるわけだから、対象として新しいメニューを提供する事業所だけ ではなくすべての事業所を対象としていいのではないかと考えている。  評価の対象について、3か月以上というのは新しいメニューの内容によっ て3か月、6か月を1クールにすることが前提として考えられているが、介 護予防においては水際作戦として生活機能が低下したときに早く見つけて手 を打てば短い期間で効果が上がる。むしろそれが理想系だと思う。そうなる と、3か月も続けなくても、1か月くらいを期間の基準としていいのでない か。やはり3か月というのは漫然と続ける土壌を生む危険性はかなりあるの ではないか。  最後だが、漫然と続けるというところからいくと、4ページに関係するが、 維持をしている方の数の設定で、目標を達成したと認めるものという目標に 関して全く触れられていないので、非常に不安がある。今は低下をする人が 多いので、維持ができた場合に評価をするというのは現時点ではよくわかる が、維持が2ランク上がった人より2分の1くらいの評価をされることは、 漫然と続行する人が増える危険性もあるのではないか。そもそも要支援や要 介護1は通所に通わなくても地域で生き生きとした生活をして活発であれば かなり防げる可能性が高い人たちが含まれることを前提として考えるべきと 思う。 (開原委員)  文章上の点だが、事業所という言葉の使い方をずっと見ていくと、IとII までは通所系、訪問系を問わず事業所の一般論として述べていると思う。III からは事業所が一般論ではなくて通所系の事業所の話に変わると思う。その 辺がこれを読んでいると混乱してくるところがあり、よく読めばわかるが、 できればIIIを評価の対象となる通所系事業所についてと、ここから先はもう 通所系の話だとはっきりさせた方が、読む方に混乱を与えないのではないか と思う。 (三浦老人保健課長)  開原委員の指摘表記の仕方についてはそのような方向で考えていただけれ ばと思う。  それから、3か月かどうかという期間の設定については、確かに適切に行 うことも重要とは思うが、1か月の中でいろいろなサービスの使い方、特に 最初の1か月ということで考えるといろいろな調整を行いながらサービスを 利用される方もおられるということで、導入時期の調整等を考えると、1か 月くらいで終わると十分に効果が発揮されないまま終わってしまう方々が評 価の対象者として出てくる。もし3か月やればもう少しよくなったのに、1 か月だけで終わる方がいると、事業者にとってはちゃんと効果のあった人を 見てくれという意見も出てくるかという感もあり、余り短くし過ぎると効果 が上がらないまま終わった人たちを含めた評価になるのではないかというこ とで、一定の評価期間として3か月としている。一定のそういう仕切りから 検討する必要もあると思う。 (大川委員)  三浦課長の説明はよくわかる。ある意味で理想論的なことで話をしていた のかもしれないので、そこは納得できる。そうすると、評価の対象について、 ここでは新しい3つのメニューとの関係で3か月にするという論旨になって いるので、今説明いただいた内容の方がわかりやすいのではないかと思う。 (大内委員)  指標の案で分子の方に「要介護度の維持又は改善者数」とあるが、これは 効果を発揮されて開始して1、2か月でサービス提供が必要なくなり、結果 的には対象外になった人たちは数に入らないという整理か。 (三浦老人保健課長)  サービスとして、今回は運動器、口腔機能、栄養、それぞれ基本的なサー ビス提供の単位、期間を設けているので、そういう期間の中で利用していく のがまず一般的な利用方法だと思う。指摘のように短時間に改善されて使わ なくなったという方が出るかもしれないが、それは理屈から言うと対象外に なる可能性がある。  ただ、一定の期間を利用しながらサービスを今後使わないというところに 持っていくならばいくで、一定の調整期間は必要と思うので、そこは割り切 りの数字として3か月という数字をお示ししている。 (井形座長)  問題はたくさんあると思うが、ある程度はやってみないとわからないとい う面がある。やって問題が明らかになればそのときにさっとするということ が大事ではないかと思う。 (田中(滋)委員)  今のある程度置かないと難しい理由は、要介護認定の更新をするのはかな り期間が長い。3か月だって、その2年間なりの間に複数の事業所が関わる 可能性がある。1か月にするともっと複数の事業所が関わる可能性があって、 例えば1か月でこんな事業所は嫌だと辞めたが、次の事業所がよくて認定が 改善したときに、最初の捨てられた事業所まで一緒に評価されてしまう。だ から、両方外さなければいけない。1か月で非常に効果を出したところは気 の毒だが、1か月で捨てられたところも捨てなければいけない。  うまく1か月でいい結果を出したところは本でも書いて宣伝してもらうし かなく、システム上からすると、余り短いと悪い方の事業者も拾ってしまう という制度になるので、とにかく一定の期間の長さは必要だ。プログラムの ワンクールの長さで決まるのはやむを得ない。世の中に1か月で成果を出す ところもあるのは認めるが、逆もあり得る。 (開原委員)  今の話を聞いていてちょっとわからなくなったが、この評価はだれがやる のか。これは事業所が自分で情報を集めて自己申請をするのか。それで、そ の自己申請をした相手はだれなのかということと、その申請をしたものが正 しいか、正しくないかはだれか判断するのか、しないのかとか、その辺はど うなっているのか。 (三浦老人保健課長)  今回の評価をなるべく客観的に、かつ余り手間がかからないようにやると いうことが非常に重要ではないか。そういう点で、既存の請求システムがあ る。これは居宅介護支援事業者や地域包括支援センターから各国保連に請求 が送られることになっており、国保連ではどの要介護者がどの事業者を利用 したかということは把握できる仕組みになっているので、そういう仕組みな どを具体的にまだこれから検討する必要があるが、活用する方法も含めて、 自動的にある意味で運用ができる仕組みを作る必要があると考えている。 (開原委員)  そうすると、ある日突然あなたはいい事業者ですよと言われるという感じ になるのか。 (三浦老人保健課長)  例えば、この評価の対象となる事業者であっても、私はこの事業所評価の 報酬は要りませんというところもあるかもしれないので、事業所評価の報酬 算定の対象施設にしてくれということを届け出るプロセスは要ると考えてい る。その上で、その届けられた事業者が行っているサービスによって改善さ れた方がどれくらいいるかとか、データの分析などはかなり自動化をしない と、これは確認することも非常に難しくなるので、その部分については既存 の請求システムを活用することも含めて動かしていければと考えている。 (開原委員)  そうすると、5ページの「事業所における情報収集の困難性を踏まえると ともに」は、事業所においては情報収集が困難だから、情報収集はしなくて もいいという意味か。 (三浦老人保健課長)  個別の利用者が改善したかは、場合によってはサービスの利用が終了した ことによって把握できないこともあるので、要介護度が結果的に1年後に改 善したかどうかは事業所の努力によるのではなくて、もう少し自動的に把握 できる仕組みが必要ではないか。そういうことから、一定のシステムの導入 を考えてはどうかということです。 (開原委員)  ここの文章の意味を少し逆に考えていたが、事業者では情報収集が困難だ から、できるだけ電子システムなどを利用して事業者の方に情報をフィード バックしましょうという意味かと思ったが、事業者の方は別に申請しなくて もいいという意味ですね。 (三浦老人保健課長)  最初の手上げはしていただき、その後の計算は一定の自動化をしてはどう かということ。 (井形座長)  これは、介護予防にはエビデンスのあるものから導入するということで3 つある。本論には関係ないが、いわゆる健康づくりなどとよく似ている面が あると思う。つまり、要介護度をよくするには総合的な3つに限らず、ほか の要素もある。ですから、もちろんターゲットはこの3つの新しい選択的メ ニューになるが、要介護度の改善にはこの3つだけをやれば済むということ ではなくて総合的なものが必要です。また、それがいわゆる質を高めるゆえ んではないか。  今日でワーキングチームを終了して、皆さんの御意見を取り入れて、再度 この委員会は開かない予定です。ですから、全般的にこれでよろしいとか、 そういう意見でも結構ですし、意見があれば是非全部おっしゃっておいてい ただきたい。 (大内委員)  4ページの「維持」とされた方の中で地域包括支援センターが設定した目 標を達成したと認めた者とすることが適当と考えられるとあり、ほかにも「目 標」と出てくるが、これはケアプランに照らしということで書かれているか ら、基本的に介護予防のケアマネジメントの生活行為の目標がどの程度達成 されたかで評価するということでよろしいか。 (古都振興課長)  今おっしゃったとおりで、介護予防をやるときに新メニューだけという議 論ではなく、これも含めて全人的にきちんとケアマネジメントすることが大 前提であって、かつ今度いろいろとケアマネジメントの流れということでモ デル事業をやっているが、そういう中できちんと本人とケアマネージャーと 事業者を結んでケアマネジメントをする中で、できるだけ具体的な目標を一 人ひとり持ってもらい、つくっていただこう。その目標は少し広いものもあ るかもしれないし、あるいはもう少し具体的で細かいものもあるかもしれな い。  例えば、どこかに出かけていけるようになりたいとか、自分で家事ができ るようになりたいとか、いろいろ具体的な目標が出てくると思うが、その中 で、先ほどの新メニューをうまく使って動けるようになって、かつ自分で栄 養管理もある程度考えられるようになるということであればそういうメニュ ーを付けるとか、ある程度そういう具体的な目標の中で使えるツールとして こういうことが出てくる。では、最終的に短期的、中期的、長期的に目標と されたことがどの程度できたかがきちんと評価できるのではないか。そうい う意味で御自身がおつくりになる具体的な生活行為の中の目標とイメージし ている。 (大内委員)  そのように、生活行為を設定した目標を評価していくのであれば、3ペー ジの一番上だが、少なくとも選択的なメニューというのは利用者の状態に応 じてケアマネジメントの中で選択されているということなので、ここであえ て選択的なサービスを利用しない方を外すというのはやはりちょっと合理的 ではないのかなと思うが、いかがか。 (古都振興課長)  いろいろな要素が絡まっているのは確かですが、ある程度明確なもの、こ れはやはり社会保険ですので、ある程度定型化したものからきちんと評価を していくという考え方も基本的にあるので、いろいろな要素がどこまで明白 値としてとらえられるかが課題であって、選択メニューのところは特にある だろうという評価だと考えている。 (三浦老人保健課長)  今回のいわゆる新予防給付は、従前のサービスの提供方法に若干問題があ るのではないか。つまり、本来要介護状態がもっと改善が見込まれるにもか かわらず、重度者と同じように要介護状態が悪化していく。あるいは、なか なか改善が見込めない。そういう観点から、もう少し積極的な介護予防とい う理念を打ち立て、いろいろ支援をしてはどうかということで新予防給付の 導入になってきたという経緯を踏まえると、選択的サービスを入れないサー ビスというか、従前のサービスと余り変わらない形態のサービスを今回の評 価の中で新しく要素を入れたものと同じように評価するかどうかについては いろいろ考え方があるのではないか。要は、新しく導入されるサービスは従 前のサービスを改善した形で打ち出されるということを踏まえた評価方法が 要るのではないかという事務局の思いがあって、この選択的サービスをまず 評価してはどうかということがあると考えている。 (栃本委員)  前回の5回にわたる議論の中で、共通部分の中の2段構えだと。そして、 その基本介護という部分と、機能を向上させるようなものもしていくという 共通項目についても2段構えにしていた。共通項目についても一応の整理と してだが、そのときに多くの委員から出た議論は、その部分であっても従前 のやり方等を変えることによって向上するという議論だったと思う。それで、 共通項目の2段重ねの上の部分については、なるほど今のところエビデンス はないと思う。これからやることですから。  そういうことで、私の印象では今日の議論でもかなり多くの委員からは共 通部分のみでやっているところも入れるべきという意見が比較的多かった。 それは最終的に事務局の方で取りまとめられるでしょうけれども。以上です。 (井形座長)  介護予防を新しいサービスとして定着させたいというスタートがある。今 後やってみて、従来の予防だけでもよくなるケースがあるとなればまた考え 直せばいい。  まだ時間があるので、全般的な御意見をもう少し承れればありがたいと思 うので、全般的にこれでいいとか、最終的にこれだけは変えなければいかぬ とかでも結構です。 (田中(滋)委員)  今、議論になっていた共通サービスのところについて、お預かりサービス の部分は評価のしようがない。共通サービスの中でも新メニューに匹敵する 新しい工夫があればそれを取り出して、運動機能の向上とか、栄養改善と匹 敵するような旧来の共通サービスの中にあったもののうち、何か特定化した ものを引っ張り出せたらそれはいつでも載せていくと理解するわけで、何だ かわからないが共通サービスも効果があると言ってしまうと、さっき言った ようにあるのは認めるが、共通サービスの中で今後の工夫で何か品目が理論 的にできたということをまず指摘するのがいいと思う。  全体についてはさっき言ったように、テクニカルなところに無理が出てく ることは理解できるが、予防を重視することが、より上位の目標として存在 する以上、この仕組みを今回入れてみて、多分最初はかなりぎくしゃくする と思う。地域包括支援センターも何をやるかわかっていない状態の中で入れ るのだから、インセンティブを与えてやって少しでも効果があれば更に深め るということで、今回はこれでよいのではないか。 (栃本委員)  都合7回参加して大変勉強になったし、新予防給付が実際にサービスを使 わなくても生活できる形でいく。その最初のステップということでは大変い いものだと思う。  それと同時に、リハビリテーション等も重要だと思うし、アクティベート する介護等があって初めて日常生活において在宅でサービスを使うことなく、 またサービスを使ったとしても必要最小限度の、また人間の尊厳に値するよ うな生活ができるわけだから、その部分をよく重視してほしい。  前半の5回のときに議論をした共通項目のうち、生活機能向上という部分 があった。あの部分はまさに積極的介護に該当するもので、その評価は実際 にアセスメントを通じて効果を示すのは、それほど困難なことではないと思 う。そういうことで、是非いろいろな形で、適切な仕組みに持っていってほ しい。  それからもう一つはテクニカルなというか、技術的なことで少し考えてお かなければいけないということで何回か発言した。対象者を3か月にすると いうことと、全体的なフレームワークの改善度の評価システムみたいなもの を実際に3か月とか、そのものを一致させるかどうかというのは技術的なこ とだが、工夫の仕方というのはあると思う。  要するに状態の維持というのが1年間で状態の維持なのか、3か月で状態 の維持なのかで意味が違う。評価の組み立てというもので見ると、基本が非 常に難しい仕組みということで、理解しにくい部分があったかもしれないが、 全体的には大変工夫されたものだと思う。 (吉池委員)  検討会を通じて、いろいろな勉強をさせていただいた。本日のペーパーは 大筋このような形で進めてよいと思うが、6ページ目の「その他」のところ は、やはり「基本的な考え方」として強調して整理してほしい。特に第三者 の評価、客観的指標等を情報公開していくことは、報酬で表れる部分以外に 仕組み全体としての向上につながるから強調してほしい。  また、選択メニューと共通的サービスの話には同意するところが多いが、 最終的には事務局の方で更に検討されるだろう。ただし、現状では効果のエ ビデンスが薄いかもしれない共通的サービスを仮に対象として分母に含める ことによって、それをよりよくしようというインセンティブが働くとか、あ るいは更に選択メニューをうまく組み合わせることによって改善が見込まれ るような人について、漫然と共通メニューだけではなくて選択メニューが結 果としてうまく組み合わされるような方向に働くとも考えられるので、引き 続き事務局の方で共通メニューだけを受けている方について含めるか検討し てほしいと思う。 (開原委員)  最初に、この全体のタイトルを変更したらどうかと発言したところだが、 3のところに「通所系」という言葉を入れれば全体のタイトルはこのままで いいと思ったので、先ほどの発言は訂正したい。  それから、選択メニューの話について、測定できるという意味では新しく 導入されたものを測定しないと意味がないので、事務局の言われたことでい いのではないかと思う。  それで、全体としてはいいが、今回の介護予防が成功するかどうかは、通 所系にあるのではなくて訪問系にあるのではないかと思っている。  その意味は、通所系に通ってきている人は既にそこまできているわけだか ら、ある意味では既に介護予防のレールの上に乗っていると言ってもいい人 だと思う。むしろ問題は、自宅で訪問系を利用して、本来ならばもっと外に 出ても活躍できるのにしない人をどうするかではないかと思っているので、 全体の目標達成度に応じた評価という点からすれば、その一部のところを今 回のレポートの中で触れたにすぎないような感じがする。将来的には、これ で終わったということではなくて、介護予防全体のことを絶えず同じような 評価の目で見つめて、今後も見守っていくことが必要ではないかと思う。 (大川委員)  最初は成功報酬と言っていて事業所評価に落ち着くようだが、よくして当 然という考えがあって、介護でもよくして当然という考え方はだんだん広ま っていくと思うが、その中で評価の案をつくるのは難しいことだったと思う。  介護予防全体に関して、新メニューや事業所評価等ある事柄が非常に取り 上げられがちだが、やはり一番大事なことは、生活不活発病を起こしている ということから、本人にもっと生活行為自体をよくできるというところをま ず理解してもらうところが大事だと思う。その一番大事なところが具体的な 対策としてほとんど触れられていないところは大きな課題と思うので、その 辺はケアマネジメントや個々の事業所がきちんとやっていただきたい。  やっと初めて介護予防という観点が全国的に始まるので、是非いいプログ ラムがどんどん表にきて、それを皆で議論しながら普及するという方策も考 えてほしいと思う。 (大内委員)  とりあえず新予防給付はこれから新たに始まるところで、その中でこの目 標の達成度に応じた評価の仕組みをつくるのは、実態のないところでイメー ジしてやらなければいけないということで非常に大変だと思うが、前回の議 論などを踏まえて事務局で整理した今回の案については、基本的な考え方と してはこれで一度走らせてみて、状況を見ながら見直していくという考え方 をせざるを得ないと思う。  ただ、この評価のシステム一本だけで動いていくのは余り好ましくない。 これはある程度複合的なツールの一つであって、これから具体的な内容が決 まってくると思うが、運営基準や施設基準、あるいは情報公開のシステムを うまく組み合わせていかないと、単独で考えていたのではどうしてもうまく 動かないと思うので、是非そちらの方もうまく動くような形で検討してほし い。 (井形座長)  今日の意見を取り入れた形で修正して分科会に報告させていただく。この 結論がそのまま通るかどうか、修正を受ける可能性もあることを了承いただ きたいことと、報告については形式的には私に一任いただきたい。  介護保険は本来寝たきりになった人にサービスすることが目的とは書いて いない。自立支援が目的である。そういう意味では、180度方針が変わった というべきで、予防給付を始めておきながらそれが必ずしも十分な機能を発 揮しなかったということでこういう流れになってきた。それで、こういう目 標達成度に応じた報酬というのはほかの社会でも余りないので、外国の介護 福祉関係からは関心を持つと思う。  私はもともと減算を厳しくするより、前向きにやった人に評価するという 方が全体のムードが上がると思っているが、実際は介護保険制度と同様で、 走りながら考えるということになると考えている。 (田中(滋)委員)  介護予防を皆でするのはいいが、そのときに、評価の仕組みの対象になら なかった人へのディスインセンティブにしてはいけない。評価の対象になら なかったことは無視されたと思わせないことが大事である。これは介護予防 を推進する仕掛けの一つであって、ほかにもいろいろとあるが、アウトカム に基づく評価というのは極めて限定的にしか当てはまらない。ほかの評価の 方がいいようなサービスもあるし、評価のしようがないが効果はあるという ものもあるので、介護予防ということからすると評価の対象でない地域包括 支援センターのケアプランをつくった人とか、共通サービスを担当している 人とか、訪問介護系の人とか、あるいは本人も大変重要な役割を担うことは、 理解しているが、ここではアウトカム評価という極めて限定的なので、ほか のものも大切に思っているというのが伝わるよう1行入れるなりして、対象 でない人は無視されたという気持ちを持たないようにすることも大切である。 (井形座長)  この介護保険が大きく成功して要介護者の数が経ることになれば皆が得た 成果で、それは皆で御褒美をいただくというシステムが必要になるかと思う。  愛知県は昨日、知事が中心で会合を開いて、高齢者の中で要介護者の占め る比率を4%下げることをスローガンに掲げた。そういうことが全国的に起 こってくると思うし、高齢社会をつくっていく大きな流れの中の一つでこれ が前進することを希望したい。 ○井形座長より閉会の宣言 照会先 老健局 老人保健課 企画法令係 TEL03(5253)1111(内3948 3949)