05/10/13 女性の活躍推進協議会平成17年度第1回議事録            平成17年度女性の活躍推進協議会議事録 日時    平成17年10月13日(木)15:30〜17:00 場所    厚生労働省専用第21会議室(17階) 出席者   丹羽座長、内海委員、大橋委員、岡田委員、立石委員、       手島委員、樋口委員、水越委員、広瀬委員、矢野委員、       山崎委員、       北井雇用均等・児童家庭局長 (事務局)  石井雇用均等政策課長 議事次第  1 座長選出       2 ポジティブ・アクションの取組状況について       3 女性の活躍推進協議会の今後の活動について ○石井雇用均等政策課長  ただいまから、「平成17年度女性の活躍推進協議会」を開催します。本日は大変お忙 しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。なお、広瀬委員が少し遅れ るということでご連絡を受けております。  はじめに、北井雇用均等・児童家庭局長からご挨拶を申し上げます。 ○北井雇用均等・児童家庭局長  本日は誠にお忙しいところをご参集いただきまして、改めて厚く御礼申し上げます。 雇用均等・児童家庭局長の北井です。どうぞよろしくお願いします。また皆様方には、 この女性の活躍推進協議会にご参加をお願いしましたところ快くお引受けをいただきま して、厚く御礼申し上げたいと思います。  さて、我が国はご承知のとおり、人口減少社会という事態を目前に控えております。 今後我が国の経済社会は大きな転換期を迎えるわけですが、こうした中で経済社会の停 滞を避けるためにもどうしたらいいかということで、職場をはじめさまざまな活動の場 で、年齢や性別といったことにかかわりなく、すべての人が意欲、能力を十分に発揮で きるようにしていくことが何よりも重要なのではないかと考えています。  とりわけ職場におきましては、我が国ではこれまで必ずしも十分力が発揮できている とはいえなかった女性が、もっと元気で活躍できるようにすること、具体的にはもっと さまざまな領域で、あるいはもっと上のポストで活躍ができるようにするということ が、これまた喫緊の課題ではないかと思っている次第です。  ところが、我が国の状況についての国際的な評価を見ますと、残念ながら大変厳しい ものがあります。大手企業の中ではほとんど、役員の中に女性がいない。役員どころか 管理職もほとんどいないとか言われているわけでして、国連が出している各国の評価 も、非常に厳しいものがあります。こうした中で私ども行政も一生懸命取り組んでまい りまして、機会均等施策と、いわゆる仕事と家庭との両立支援施策を車の両輪として取 り組んでいるところです。  機会均等ということについても、これまではともすれば制度上の平等、均等というこ とがありましたが、これからはむしろ均等ということを本当に実効を上げるものにする ためには、事実上の格差をなくして、真の意味での平等が大事になってくるわけで、こ れがいわゆるポジティブ・アクションと言われる取組であろうと思っています。  ポジティブ・アクションは、男女の事実上の格差を解消するための、企業自らにお取 り組みいただく積極的な取組ということですが、これまで必ずしも我が国において理解 が十分普及されているとは言えない状況にあるわけです。大企業の中ではだいぶ、少な くとも認識は浸透してきましたが、まだまだ実績が上がっているとは言えない。あるい は中小企業においては、その考えですら十分ご理解をいただけていないという状況にあ ります。  ポジティブ・アクションの取組を進めていくためには、行政の働きかけもさることな がら、何よりも問題の重要性を深く認識していただいている経営トップの皆様方に、経 営者のお立場で語っていただき、行動していただくことが大変重要であるというように 思っている次第です。  女性の活躍推進協議会は、こうした観点で平成13年度から活動をしていますが、今後 はこれまでの活動の成果も踏まえて、さらに発展をしていきたいと思っています。  具体的には委員の皆様方に、これまで以上に自ら発信をし、行動をしていただくとい うことに期待をしているところです。企業、産業界のみならず、社会に多大な影響力を お持ちの皆様でありますから、皆様方が継続的に自らのお言葉や行動でこうしたことを 発信していただければ、ポジティブ・アクション運動が行政主体ではなく、むしろ官民 あげての国民運動になっていくのではないかと期待をしているところです。  ポジティブ・アクションというのは、ともすれば女性に下駄を履かせて女性を甘やか すのではないかと言われることもありますが、決してそういうことではない。むしろ女 性のためのみならず、男性にとっても企業にとってもプラスになる取組なのだというこ とを十分世間に広めていくことで、普及をしていくということを念願しているところで すので、今後この協議会の取組を、どうぞよろしくお願いしたいと思います。以上で す。 ○石井雇用均等政策課長  本日は委員の改選後の初めての会合ですので、座長が選出されるまでの間、事務局が 司会進行を務めさせていただきます。  まず始めに、資料No.1として、委員名簿を示しています。これによりまして委員の 皆様方を、お座席の右手から順にご紹介させていただきます。  まず、NECラーニング株式会社代表取締役執行役員社長の内海房子様です。 ○内海委員  内海です。よろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  株式会社西京銀行取締役頭取の大橋光博様です。 ○大橋委員  大橋です。よろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  株式会社ベネッセコーポレーション執行役員の岡田晴奈様です。 ○岡田委員  岡田です。よろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  オムロン株式会社相談役の立石信雄様です。 ○立石委員  立石です。よろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  株式会社ニチレイ相談役の手島忠様です。 ○手島委員  手島です。よろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  伊藤忠商事株式会社会長の丹羽宇一郎様です。 ○丹羽委員  丹羽です。どうぞよろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  東京海上日動火災保険株式会社相談役の樋口公啓様です。 ○樋口委員  樋口です。よろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  株式会社イトーヨーカ堂常務取締役執行役員の水越さくえ様です。 ○水越委員  水越です。どうぞよろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  お1人置きまして、社団法人日本経済団体連合会専務理事の矢野弘典様です。 ○矢野委員  矢野です。よろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  全国中小企業団体中央会常務理事の山崎克也様です。 ○山崎委員  山崎です。よろしくお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  なお、本日少し遅れられるというご連絡をいただいていますが、東京商工会議所常務 理事の広瀬一郎様も委員であります。名簿に載っていますように、本日ご欠席の日本ア イ・ビー・エム株式会社取締役専務執行役員の内永ゆか子様、株式会社資生堂名誉会長 の福原義春様にも、この協議会のメンバーになっていただいています。  資料No.2として、協議会の開催要綱をお配りしていますが、協議会の座長の選出を 進めていただければと思います。委員の互選ということになっていますが、どなたかご 推薦をいただけませんでしょうか。 ○矢野委員  丹羽委員にお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。                  (異議なし) ○石井雇用均等政策課長  皆様方の互選によりまして、丹羽委員が座長にご就任されることになりました。で は、こちらのほうにお移りください。  これからは丹羽委員が座長ですので、以後の議事の進行をお願いしたいと思います。 まず始めに、ご挨拶をいただければと存じますので、お願いします。 ○丹羽座長  今日は、実は私の所の人事部長が車の中でこう言いました。「今日は、60年前の1945 年10月13日に、婦人参政権獲得を閣議決定した日である。こういう非常に記念すべき日 にこのような会が開かれるということを、まず最初に申し上げたらどうだ」という提案 があり、そのとおりいま申し上げたわけです。そのような記念すべき日に、さすが課長 さんは大したものだというように思った次第です。  女性の活躍推進協議会があるのに、なぜ男性の会がないのかということの答えになる と思いますが、このような会ができるだけ早くなくなるように、我々としてはスピード を上げてポジティブ・アクションを実行していくことが大変大事ではないかと思いま す。それにつきましても、このような活動を我々はいろいろな企業でしているわけです が、あらゆる活動、事業のすべてにおいてトップの姿勢が非常に大事であります。  トップがそうした場で、あるいは会議にいるかどうかで部下の視線も違ってきていま すし、例えば官庁においても次官、局長が出席されるかどうかによって、部下の態度、 行動も違ってくるということを、私も国のいろいろな委員会に出る度に思うわけです。 そういう意味で今日は局長さんが出席されているということは、この省においてもこの 会が非常に重要な位置にあるということだろうと思いますし、部下も十分それを見てい るだろうと思います。そのような重要性を、我々は認識をしています。各分野、大変立 派な方々で、論客も揃っておられますので、是非活発なご議論をいただきまして、皆様 のご協力をお願いしたいと思います。  それでは、開催要綱3の(3)に基づきまして、本協議会の座長代理が必要というこ とになっていますので、指名をさせていただきたいと思います。座長代理は、水越委員 にお願いをしたいと思いますので、皆様どうぞよろしくお願いします。水越委員は、そ ちらに座っておられます。 ○水越委員  イトーヨーカ堂の水越です。ご賛同いただければ、微力ではございますが尽力したい と思います。 ○丹羽座長  皆さんご賛同をされていますので、お願いします。  本日の議題は「ポジティブ・アクションの取組状況について」と、「女性の活躍推進 協議会の今後の活動」についてです。まず最初に「ポジティブ・アクションの取組状況 について」、事務局からの説明をお願いしたいと思います。 ○石井雇用均等政策課長  それでは、ご説明をさせていただきます。資料No.3をご覧ください。本日は改選後 初めての会議ですので、基本的なデータについて用意させていただいています。まず、 女性社員を取り巻く雇用管理の現状ですが、そのうちの採用状況について、グラフでお 示しています。図の1をご覧ください。これは平成15年春卒業の新卒、そして平成15年 10月1日から遡ること1年間において、労働者を採用された企業において、男女の採用 状況がどうであったかを尋ねたものです。  例えば、四年制大卒の平成12年度、15年度の事務・営業系のほうをご覧いただきます と、平成12年度が43.8%の企業で男女とも採用していましたが、平成15年度は45.4%と 1.6%ポイント、上昇しています。また、技術系の四年制の大卒をご覧いただきますと、 平成12年度は29.0%でしたが、6.4%上昇しまして、35.4%となっています。またいち ばん下の中途採用を見ますと、平成12年度は男女ともの採用が49.5%で、これが平成15 年度には53.0%で、3.5%ポイントの上昇です。  次に、女性の配置状況ですが、各部門別に同様に、男女別の配置状況について尋ねて います。平成12年度、15年度をそれぞれ見ていきますと、部門別ではやや男女とも配置 が少ないのが営業です。下から3つ目の平成12年度、15年度と比べても62.0%、61.5% と、若干落ちている状況です。ただ、この2つの採用、配置にいずれも共通しているの が、男女とも採用、配置ということでして、仮に女性がたった1人採用、あるいはたっ た1人配置をされていても、ここに分類されているという意味では些か制約のかかって いるデータではあります。  2頁は、女性の管理職への登用状況です。時系列に数字を拾っていますが、係長、課 長、部長を役職別に、管理職に占める女性の割合の推移を折線グラフで示しています。 右肩上がりと言えると思います。係長につきましては、平成15年度において8.2%とな っています。しかしながら課長、部長となりますとそれぞれ3.0%、1.8%と数字は相当 低くなっています。勤続年数が一定程度ないとなかなかこうしたポストに就けないとい うことで、その辺が影響しているとは思いますが、なかなか緩やかな程度にしか上がっ てこないというのが現状ではないかと思います。  管理職の状況を産業別または規模別に見たのが表の1です。左から2つ目の二重線で 仕切りをしている所が、係長相当職以上に占める女性の割合です。産業計はここに記載 のとおり、カッコ内が平成12年度のデータです。まず産業別に見て、大変数字が高いの が、下から3つ目の医療、福祉です。係長相当職以上に占める女性の割合は、33.0% で、右のほうに部長、課長、係長とありますが、係長相当職になると46.8%が女性とい うことで、非常に高くなっています。それに続いて高いのが、ちょっと落差はあります が教育、学習支援業、あるいは飲食店、宿泊業という所ですが、そのほかの業種が大体 平均並ぐらいのところにとどまっているのが現状ではないかと思います。  規模別に見ますと、むしろ中小のほうが女性の役職比率が高いということで、例えば 5.000人以上の所をご覧いただきますと、係長相当職以上に占める女性の割合は3.3%で すが、30人から99人になると10.7%となっている状況で、規模別に見て違いがあるとい うのも1つの特徴かと思います。  3頁ですが、国際比較したものが図4で、主要国について、管理職の女性比率を取っ ています。これは労働力調査で取っていまして、この中には公務員も含まれているの で、直接的に先ほどのデータと比較はできないものですが、先進国ではかなり高い数値 にありますが、日本は韓国と双子のように低いのが現状であるということです。  先ほどの女性雇用管理基本調査に基づきまして、管理職がいない理由を尋ねていま す。最も多いのが、「必要な知識、経験、判断力などを有する女性がいない」が48.4% でして、これに次いでいるのが1つ置いて「勤続年数が短く、管理職になるまでに退職 する」が30.6%となっています。それに続いているのが、「可能性がある女性はいるけ れども、現在管理職に就くための在職年数等を満たしている者がいない」という回答が 27.6%です。  勤続年数については4頁です。先ほど係長の比率、あるいはいまのお答えの中にも勤 続年数という言葉が出てきましたが、女性の勤続年数も伸びてきているのは事実で、右 のほうに平均勤続年数をカッコ書きで書いています。また、その分布がわかるようにと いうことで、勤続年数0年、1〜2年、3〜4年というふうにシェアを棒線の中で示し ています。  昭和59年において女性の平均勤続年数は6.5年でしたが、平成16年には9.0年になって います。その下にあるカッコは男性の場合でして、これが13.4年です。ちなみに女性の 平成16年の平均勤続年数が9.0年というのは、昭和40年代後半の男性の勤続年数に相当 するものです。シェアから見ても、最近では10年選手という方の割合も高くなってきて いまして、男性は半数を超えていますが、女性も35.5%になっています。  協議会の中心的な課題であるポジティブ・アクションの取組状況について、図の7 は、産業・規模別にポジティブ・アクションに取り組んでいる企業の割合を、ここで示 しています。日本全国トータルで見ますと、29.5%の企業がポジティブ・アクションに すでに取り組んでいると回答されています。また、今後取り組むこととしている企業が 8.8%となっています。これを産業別に見ますと、取組企業割合がいちばん高いのは金 融・保険業の51.1%でして、これに情報通信業の43.5%が次いでいるという状況ではな いかと思います。  また規模別に見ますと、先ほどの女性の役職に占める比率と対照的で、大きい企業ほ どポジティブ・アクションに取り組んでいる企業割合が高くなっています。5,000人以 上では、4社のうちの3社が、すでに取り組んでいる。それに対して30人〜99人では、 4社に1社が現状です。  5頁は、ポジティブ・アクションが必要と考える理由、効果について尋ねています。 棒グラフが2つ並んでいますが、濃いほうが必要とした理由でして、実際に効果があっ たというものについても、併せて聞いています。これが薄いほうの棒グラフで、いちば ん高いのが必要な理由、また実際の効果としても同様でして、男女ともに職務遂行能力 によって評価されるという意識を高めるということに集中しています。  これに次いでいるのが、いちばん上の女性の能力が有効に発揮されることにより、経 営の効率化を図るという点でして、4割の企業は実際に効果があったという回答をされ ています。また、次にも競争力強化につながるという回答も、相当いただいています。  ポジティブ・アクションに取り組まないとしている企業が、どのようなことを理由と しているのかが、図の9です。最も高いのが、すでに十分に女性が能力発揮し活躍して いるためです。これは特に大手の企業さんに多いようです。しかしながらトップの意識 は伴わないというのが8.1%ありますのと、ポジティブ・アクションの手法がわからな いというのは中小に多いようですが、そのようなところも6.6%ほどとなっています。 その他が26.6%と高くなっているのは、やや気になるところです。  6頁の図の10ですが、ポジティブ・アクションに取り組んでいる企業において、具体 的にどのようなことに取り組んでいるのかを尋ねたものです。取組内容として最も高く なっているのが、下のほうにある人事考課基準を明確に定めるが64.1%で、これに次い でいるのが女性の積極的な採用、登用でして、それぞれ4割以上の企業がこれに取り組 んでいるという回答をされています。  7頁以降は、これまでとは違った角度でデータを用意しています。ポジティブ・アク ションに取り組む理由として、経営効率化が先ほど上がっていましたが、女性社員の活 躍推進と経営業績の関係を、(財)21世紀職業財団が平成15年に調査をしているので、 それをご紹介したものです。図の11に、5年前と比較した売上指数が右にあります。5 年前を100としたもので、左の縦軸は、5年前と比較して、女性管理職比率がどうであ ったかを尋ねています。女性管理職比率が大幅に増えたとする企業においては、5年前 と比較して売上指数が173.7です。対しまして女性の管理職比率が大幅に減ったとする ところが83.5、5年前と比べて売上げが落ちたと回答しているところです。  少し定性的な評価になりますが、図の12には競争相手の企業と比較をした自社の業績 に関する評価を取っています。自己の評価、会社として女性の能力発揮促進の取組が進 んでいるとする企業、そこにおいては競争相手の企業と比較をして業績が良い、あるい はやや良いとしている企業割合が、些か高くなっているという関係にあります。  8頁からは参考として、国際機関などが出している各国比較といったようなものを順 次並べています。国連開発計画の「ジェンダー・エンパワーメント測定」、これが何か ということは、9頁のほうに注として示しています。女性が積極的に経済界や政治生活 に参加をし、意思決定に参加できるかどうかを図るものということで、具体的な指標の 策定に対しては、女性の所得、あるいは専門職・技術職に占める女性割合等々を用いて 算出をしていまして、80カ国の中の順位づけが行われています。よくさまざまな場でこ のような数字が引用されますので、今回紹介をさせていただきます。  日本は、この中ですと43位です。このところ日本は、40位前後をうろうろしていると ころです。それに対して人間開発指数、左のほうにありますのは、日本はかなり人的資 源としては開発されているという評価が国際的にも高くなっているというところです。 併せて10頁は、世界経済フォーラムが「ジェンダーギャップ指数」を発表していまし て、その数字を参考までに示したものです。次の11頁に、何から取っているのかを示し ていますが、先ほどのGEM同様に、日本の順位は38位ということで、スウェーデン、 ノルウェーなどと比べて、ずいぶん水をあけられている状況にあるわけです。  12頁は、先ほど局長が冒頭にご挨拶の中で若干引用したものですが、アメリカのNP OがFortune Global200社の中での女性の取締役比率の国際比較の数字を出して、AP 通信社など世界百数十社に配信しています。女性取締役比率の国際比較で、また日本は 断トツに低くなっています。  13頁は、ポジティブ・アクションを推進するために現在実施している主なものを5つ ほど取り上げています。まず最初に上がっているのは当協議会の活動で、平成13年度か ら実施しているものです。2つ目が、企業が自主的にポジティブ・アクションに取り組 む際のガイドラインなどを作って普及をしているという記載をしています。3つ目が、 21世紀職業財団に委託をして実施をしているもので、業種別の使用者会議、あるいはセ ミナーの開催をしています。  4つ目と5つ目は、当協議会でこのように変えたほうがいいのではないか、あるいは こういう事業があったらいいのではないかということをきっかけとして実施しているも ので、まず表彰制度です。平成11年度から実施していますが、この協議会での活動の中 で、公募制に切替えてもっと表彰基準を明確にしたほうがいいというご意見をいただき まして、平成15年度から公募制に切替えているところです。本日参加の委員の中にも表 彰を受けられた企業の方が多くおられます。  最後のベンチマーク事業の実施ですが、これも当協議会でまとめた提言の中に盛り込 まれたものをヒントに事業化したものでして、企業が自主的にポジティブ・アクション に取り組もうとする際に、何か具体的な目標を立てると効果的に進む。しかしながらそ れについて、参考となる情報が足りないということで、ベンチマークというものを構築 するために診断表を送りまして、それを評価をしてお返しをする。特に中小企業に対し ては、診断した結果を持って解説に回るという事業を実施しています。本日は時間の関 係がありますので説明は端折りますが、実際に現在返却している診断結果を別添でお付 けしていますので、後ほどご覧いただければと思います。以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございました。ただいまの事務局の説明に対してご質問、ご意見がござい ましたら、どうぞポジティブにご発言をお願いしたいと思います。  7頁の5年前と比較した売上指数と自社の業績に関する評価で、女性の管理職が増え たり、女性の能力発揮促進の取組が進んでいる所は業績がいいという結果が、調査の中 に出てきていますが、これはなぜなのですか。何か非常に良さそうなデータが出ている わけですが、どうしてこういうことになるのかがちょっと気になりました。これは現実 にそういう数字が出ているというのでしょうが、女性をこういう形でポジティブ・アク ションをどんどん実行すれば、それほど売上げが伸びるのであれば、みんなこれをやっ たほうがいいですね。それはどうしてだとお考えになっておられますかという質問で す。 ○内海委員  直接的に女性が活躍してその業績につながったというと、本当に私も嬉しく思うので すが、なかなかそういう因果関係を出すのは難しいかなと思います。会社が女性の活用 に積極的であるという姿勢が、いろいろな場面でいい方向に作用しているのではないか なと私は考えました。 ○水越委員  はっきりとした因果関係という形にはならないかもしれないのですが、ただ人材を資 源ととらえて見ますと、やはりその資源を100%以上発揮させているか、それとも同じ ように採用しているのに、その資源を50%しか使っていないかということを考えると、 やはり100%、120%発揮させていることのほうが、企業にとっても効率的というか、力 になるのではないかなと思います。120%の力を大いに発揮できるような環境に職場を していくようにすれば、当然利益及び売上げというのは上がってくると、私はとらえて います。 ○大橋委員  私は実際に銀行の頭取職になって8年になるのですが、私どもの取締役・監査役の中 に女性が3人います。全部で12人の中の3人ですし、私の次は女性です。こういう金 融機関では全く皆無です。我々の金融機関が非常に業績が悪いかというと、結果をはっ きり見ると公的資金に依存することもなくきております。  私は8年間で、一気に女性の管理職の人数を増やしました。いま総合職の採用割合も 5割近く採っているのですが、そのようにした結果、はっきりと我々の業績が上がって きています。我々の取組が金融界の皆さんも結構気づかれているのか、前から取り組も うとされてもいろいろ問題があってされなかったのかもしれませんが、最近は女性を支 店長にされるケースが、各銀行とも非常に多いのです。役員まではされませんが、急速 に女性支店長が増えてきていることは事実です。  これには非常に誤解がありまして、女性の登用をする、あるいは女性の採用比率を増 やすと、すぐ辞めてしまう、また、女性はモチベーションが低いという誤解があるので す。先ほど日韓の数字が悪いということが出ていましたが、日韓の誤解であるというよ うに実感しています。おそらくそのような女性登用の流れは、これからかなり進むので はないかというように、現実にやって感じています。 ○丹羽座長  ありがとうございました。時間が押しておりますので、また後ほどゆっくりご意見を 伺うことにします。  続きまして「女性の活躍推進協議会の今後の活動について」ですが、本協議会委員の 皆様方にポジティブ・アクションの推進に向けていろいろな努力をしていただくという ことで、発信して行動をするということに力点を置いた活動を、是非お願いをしたいと いうことです。事務局として提案があるということですので、説明をお願いします。 ○石井雇用均等政策課長  資料No.4をご覧ください。いまの座長のお話にありましたように、当協議会は発信 していく、行動していくことに力点を置いた活動、展開をお願いするということで、事 務局としても発信の場づくりとして、まずシンポジウムを開催してはどうかということ で、ご提案するものです。趣旨はここに記載のとおりでして、時期としてはこの11月か ら来年の2月までの間に、まずは都内でというように考えています。対象としては企業 の人事労務担当者など、もちろん企業のトップの方にご参加いただければいちばんいい わけですが、担当者については少なくともというような感じです。  仮のテーマとして、企業の中で必要性を浸透していくということを考えた場合に、企 業経営や企業戦略との関係でポジティブ・アクションをとらえていただくことが、1つ のテーマとして考えられるのではないかと思い、そのようなことで仮題というようにし ています。内容はパネル討論でありまして、協議会のメンバーの皆様のうち、3名程度 の方々にまずご参加を賜りまして、というように思っています。現時点ではまだどなた にもお願いはしていません。もしこれはこれでやってみたらということに相成りました ら、早速準備や調整に入りたいというように思っています。  なお、このほかに事務局としてご賛同いただければ幸いと思っている事項がありま す。まず1点目は、発信をし行動する協議会で、今後皆様方はインタビューやご講演、 あるいはさまざまな機会があると思いますが、それが協議会の一員としての行動である ことが、相手に伝わりますことによって、この協議会活動が1人の思いではなくて、日 本の経営者の有志が組織的にこの問題に取り組んでいるというメッセージにもなるので はないかということで、できるだけ協議会メンバーということを前面に押し出して、売 り込んでいただければありがたいなと思っています。  もし可能であれば、名刺などに協議会メンバーであることを記していただければ大変 ありがたく、印象づけられるかなとも思っています。国の予算で皆様方の名刺が準備で きればいいわけですが、なかなか皆様方の会社の組織の肩書を記したものを、公費で作 成するのはなかなか難しいところがあります。私どもとしては協議会の活動をPRする 資料や、そこに皆様方のお名前が一覧になるような形で資料としては、できる限り機会 をつくっていきたいと思っています。大変僭越ですが、ひとまず事務局の説明でござい ます。 ○丹羽座長  それでは、いまの提案を含めて、先ほどの続きで皆さんのご意見をお願いしたいと思 います。発信していく、行動するという協議会ですので、ポジティブ・アクションの取 組を進めるに当たって、自分ならこういうことができる、こういうことをやりたいとい うことにつきまして、それを中心にして何でもこれに関することなら結構です。お1人 大体5分程度というように、事務局から希望が出ていますので、皆さんに一言ずつご発 言をいただいて、お帰りいただくようにひとつお願いしたいと思います。いつも申し訳 ないのですが、内海委員がいちばんこちらに座っておられるので、この順で、最初にお 話になったほうがいいと思います。 ○内海委員  今日は、これからの協議会の取組というよりは、会社の現状を話してくださいという お話でしたので、簡単にまとめてきました。NECラーニングというのがいまの私の会 社ですが、NECラーニングを含めたNEC全体のポジティブ・アクションの取組につ いて、お話をさせていただきたいと思います。  ただ、先ほどもポジティブ・アクションが女性を甘やかすことになる、というような 誤解もあるというお話がありましたが、当社でもその辺は、誤解しているかもしれない と思います。というのは、ポジティブ・アクションというように銘打って何かをやって いることはないからです。  ただ、そうは言っても人事異動や上位資格への登用に関しましては、必ず全社方針と して「実力のある若手や女性の育成」ということを、大きく掲げております。これがま さにポジティブ・アクションだと思うのですが、ポジティブ・アクションはしておりま せんなどと言っていますので、もしかしたら先ほどのアンケートには入っていないかも 知れません。その辺の誤解を解いていくというのは、まず最初に必要なことかなと思い ます。  さて、NECでは、管理職(課長以上)全体に占める女性の比率が、徐々にではありま すが高まってまいりまして、昨年が2.8%、今年は3.3%です。先ほどの資料では、役職 者(主任・係長を含む)の全国平均が、ちょうどこのくらいの比率でしたが、当社では 役職者も含めますとかなり大きな数字になります。しかし3.3%という数字は、男性の 管理職比率と比べるとまだまだ大きな差があるのは事実でして、この差がどのように生 じているかというのを年齢別に調査して分析した結果、40代以降では男女差はあまりな いのです。30代の前半から半ばにかけて、女性役職者の比率がかなり低いということが わかりました。またここで、やはり子育てのときかということになりますが、ポジティ ブ・アクションというよりは、子育て期におけるキャリア開発の支援ということにこれ からは力を入れていこうと。  子育てと仕事の両立について、NECでは1980年代から取り組んでいるのでかなり歴 史が古いわけですが、それは女性が辞めなくてもすむというか、子育てのために仕事を 辞めずに続けることができるという、そのための支援をいままで行ってきたわけです が、もう1つ進めて、子育て中でもキャリアを伸ばしたい、キャリアを重視する者もた くさんいますので、そのキャリアを伸ばしたいと思う子育て期の人たちの支援のための 新しい施策を今年いくつか打っています。  その中で、マネージメント層に更なる意識改革をということで、子育て中の部下を持 つマネージャー層に対する教育を、今年度ほとんどのマネージャーに対して行います。 これはeラーニングを使って行うわけですが、私の会社が請け負って、まさに今そのコ ンテンツの作成に取り組んでいるところですが、育児経験のある(あるいは育児中の) 女性社員が集まりまして、現在内容を詰めているところです。以上、現状をお話申し上 げました。 ○丹羽座長  ありがとうございました。では、大橋委員、お願いします。 ○大橋委員  先ほど一部お話させていただきましたが、現実に取り組んでいる話をさせていただい て、そこでどういうことに自分なりに気づいたかということ、実はうまくいくだけでは なくて、必ずしもうまくいかない部分もあるので、その両方をご参考になればというこ とで、お話してみたいと思います。  私どもは金融機関、地方銀行になりますが、こうした地域金融機関というのは全部で 120ぐらいあります。大体各銀行で役員が、平均して10名いるとしますと、120の10名で 1,200人の役員がいます。その中で全部足して非常勤の役員が、おそらく4人程度だと 思います。常勤役員となるとたったの1人です。この話を外国人にしますと、ちょっと どこか日本は狂っているのではないかと。日本のそういうことについて比較的詳しい学 者の方にお話して、例えば1,200人いると銀行役員のなかで女性は何人いますかと聞く と、大体100人という数字は出るのですが、全然誤解なのです。  常勤役員は1人で、非常勤を入れて5人程度しかいない。しかもそのうちのお一人は 筆頭株主、実質オーナーの人の奥さんということですから、例外的なケースかと思いま す。  うまくいかなかった事例は、女子渉外への登用です。銀行というのは、営業部隊は渉 外といいます。どこの銀行も渉外という行員になりますと、これは営業でお客さんの所 をずっと歩いて回るということになります。この女子渉外というものを果敢にやったの ですが、なかなかうまくいきません。表彰もして、成績優秀者は海外出張をするという こともやったのですが、なかなかうまくいきませんし、根付きませんでした。やはり営 業はなかなか難しいというのが実感です。ですから、これは失敗例です。  非常に成功しましたのが、女性の主査です。各業界によってそれぞれ営業所や支店が あると思うのですが、大体金融界の場合は支店というのは10名や20名の人数ですが、支 店長の下にナンバー2、ナンバー3という言い方もする主査というポジションに、私が 8年前に頭取に就任したときに、女性はたった1人しかいなかったのを、一気に40人に 増やしまして、この主査登用では大成功しました。なぜかと言うと、支店長が大変安心 するのです。つまり内部の要で地域のことをよく知って、しかも事務に詳しく融資に詳 しい、こういう人が中を締めてやってくれると、いちばん安心できるので支店長は外回 りができるのです。これはやる前からある程度効果はあると思ったのですが、実際にや ってみて、非常に成果が上がりました。  もう1つわからなくて、やってみて副次的効果があったなと思ったのは、主査による 若手の女性行員の教育です。これは男性の支店長や次長や代理などが教育しますと、大 体親子ぐらい歳の差がありますので、22、23歳で入ってきた女性行員に、仕事を教える のは非常に苦手です。「ここがわかりませんから」と聞きに来ますと、すぐ教えてしま うのです。  ところが、主査の人は教える人もいますが、多くは教えなくて、「あなたは聞きにく る前にちゃんとマニュアルとか審査の規定があるでしょう。見ましたか、読みましたか 」と言われると、親御さんも含めてそういうことを言われたことがない。トイレに駆け 込んで出てくると涙がある。これが非常に成長につながるというか、これができるのは 大体40歳前後の女性主査です。これで一気に成果が上がりまして、支店長連中は必ず自 分のすぐ下は女性主査にしてほしいという要望が出てくるようになったのです。これを 私は繰り返しやりました。  いちばん大事なのは、絶対にトップがやらないと駄目です。人事に任せますと、人事 は絶対にやりません。横並びにやりたがりますから。銀行界というのは、首を横に振る のが非常に好きな集団です。縦に振るとありがたいのですが、横に振りますから。頭取 がやれと言うとその直後はとりあえずやってみますが、しばらく目を離すとすぐまた元 に戻ります。だから必ずトップ自らが繰返してやることが大事だというように実感して います。  もう1つやらなければいけないのは、結果を早く出すということです。結果がすぐに 出ると、絶対に組織には根付きます。結果を早く出すためにはきちんとトレースをし て、発表をして定着させることが非常に大事だと、私は思います。そのためにはきめ細 かい配慮が必要です。  逆差別という言葉は本当はよくないのですが、家庭を持って子どもさんがいるような 場合は、総合職だからどこへ行かせてもいいというのはおかしいので、状況を見て配慮 しながらやることは大事です。つまりスキルをキープすることが組織にとっていちばん 大事なわけです。総合職だからどこに飛ばしてもいいということではなくて、スキルを キープし、中断させないためには、このときのこの人についてはこのような所で支店長 をやってもらうということです。もう7人も女性支店長がいますので、絶対にそういう ことをきめ細かくやることが大事です。ほかのことをきめ細かくやるトップの人は結構 あるのですが、そういうことが非常に苦手な人がいます。  これは笑い話でよくあるのですが、ある大会社の社長さんのケースですが、優秀な大 学を出て総合職で大企業に入った社長さんのお嬢さんが、家に帰ってこぼしているので す。例えば男女差別が激しくて、同期の彼君には敗けてないのに、私は係長職などをさ せてもらえないと。そうしたら、社長さんであるお父さんはカンカンになって怒るので す。一流企業なのに、けしからん会社だなと言って。ところが、ご自身の会社はどうか というと、女性は管理職にならないというようなケースが非常に多いのです。だからお 嬢さんの話になると非常によくわかるというような感じがします。これはちょっと蛇足 です。 ○丹羽座長  ありがとうございました。それでは、ベネッセの岡田委員。 ○岡田委員  今日は弊社の取組状況についてということだったので、現状をまずはお話させていた だければと思います。ベネッセコーポレーションというのは通信教育を中心とした会社 なのですが、大体規模としては社員が2,000人程度で、そのうち女性が1,110人で男性が 830人ということで、どちらかというと女性のほうが社員数が多いという現状がありま す。  今回ポジティブ・アクションというお話をいただいたときには、正直言いましてあま りピンとこなかったというのはあります。女性の活躍を推進するということを意識しな くても、そもそもそうなっていたというところがあるのかなと思っています。ですが管 理職の比率などで見ますと、そうはいっても30%程度にとどまっていますので、社員の 男女比から比べると、女性の管理職というのはまだ若干少ないのかなと思っています。  また勤続年数ですが、これは去年のデータですが、男女ともに約10年ということで、 ほぼ男性、女性の勤続年数の差異がなくなってきています。そこまで女性の勤続年数が 伸びてきた要因としては、お子さんを持つ女性社員の支援に20年くらい前から力を入れ てきています。現在は育児期間中は時短制度を取り入れているのですが、大体基本的に は7時間勤務なのですが、小学校3年生までのお子さんを持つ社員に関しては、5時間 や6時間という勤務形態が選択できる形になっています。現在それを選択している女性 社員が57名います。  そのようなことを通して、一度産休・育休に入っても、女性の復職率は、平均して9 割を超えています。ワーキングマザーと呼ばれている人たちは、女性社員の約17%まで 上がってきているという状況ですので、弊社に来社していただいた皆さんが、女性が非 常に多いですねと感想をおっしゃいます。また、平均年齢そのものも32、33歳だったと 思いますので、まだまだ若い会社だとは思いますが、その中で子どもを持っても仕事を 続ける人が非常に増えてきているという現状があります。  本社は岡山ですが、東京では多摩センターと神保町に会社があります。多摩センター のほうには敷地内に多摩キッズクラブという形で、社内の託児施設を設けていますの で、2歳までのお子さんに関しましては、優先的に預け入れをすることができるという ことです。また多摩センターということで、かなり都心からは離れていまして、その深 意としてはやはり職住接近というか、これから家庭を持ち子どもを持って、さらに働き 続ける人が増えてくるだろうという予測の下に、都心ではなかなか家賃が高いですの で、少し外れた所に会社を置くことによって、職住接近を可能にしていこうという目論 見があったというように聞いています。  弊社の場合は人事部というのはありません。「人財部」というのが人事関連の仕事を している部署になるのですが、人財部の考え方としては、そういった形で女性の活用は 平均的なところから見ると進んでいるということで、女性にやさしい会社と見られがち なのですが、女性だからやさしい会社ではないということを前提として、リクルートの 場ではかなり言っているということでした。  冒頭の局長のお話の中でも、やはり制度上の均等だけではなくて、真の意味での平等 ということを目指さなければいけないという話がありましたが、やはり制度的な対応だ けではなくて、現場のマネージメントであるとか風土、それから一人ひとりのキャリア アップの志向とか、その人の能力に合った人材活用をキメ細かくやっていこうというの が、今年の方針として挙げられています。  制度的には、ライフサイクルの上で一時的に生活と仕事の両立というのが難しくなる のが、やはり育児期と、介護がかかわってくる時期であろうということで、育児支援制 度と介護にかかわる支援制度については充実させていくというのが、今年の方針でござ います。大体取組としては以上です。 ○丹羽座長  ありがとうございます。それではオムロンの立石委員、お願いいたします。 ○立石委員  私は今回2回目ということで、先ほど、局長のお名前がすごくふさわしいのではない かと、多分この委員会がうまくいくことを「期待」して、北井局長をお付けになったの ではないかと思いますが、これは冗談です。  いままでの成果を踏まえてというお話だったのですが、やはり私ども平成13年からや っていて、その総括といいますか、厚生労働省、あるいはいまの雇用均等・児童家庭局 ですか、そこが一体いままでの活動をどのように評価なさっておられるのか。何がよか ったか、何がまだ不足しているのか、そういうものを一度はっきり振り返って出してい ただきたいなという感じがするのです。それが今回出されているアンケート調査の結果 がそうなのだということです。  それではそれが本当に、それ以前の段階と比較して、どの程度プラスになっているの かということもひっくるめて、もう少し何か、せっかくみんな時間を潰して取って来て いるわけですから、そういう意見表明なり、あるいは文書でもいいのですが、出してい ただくとありがたいという感じがします。  それから、西京銀行さんは素晴らしいと思うのですが、私ども製造業は大変なので す。製造業の中で、女性の係長クラスまではまだいいと思うのですが、やはり課長、部 長というところになると、なかなかそれに適した人が少ないということもございます。  私どもとしては、いま、早期にそれを育成しようということで、女性のリーダー研修 というものを、これはもう3年前から始めていまして、大体一期6カ月から9カ月、そ のグループによって変わりますが、ファイナンスとか、あるいはマネージメントとか、 ロジカルシンキングとか、いろいろなそういうマネージメントの手法までひっくるめて 研修をしている。そういうことで、おかげさまでまだそれでも卒業生の中で、やっと課 長補佐クラスが出だしたという段階です。引き続いて何とか育成して、ポジティブ・ア クションにふさわしいような企業になっていこうと思っております。  それから、この協議会については、いろいろなところで話をして、その中で、ポジテ ィブ・アクションに触れてほしいというお話がございました。私は平成12年から、これ は地方経営者協会もひっくるめて、21世紀職業財団、地方の労働局が行うシンポジウム とか、そういうセミナーで、計12回、お話をさせていただきました。  なぜポジティブ・アクションが必要であるか。なぜ女性の登用がいまこういう環境の 中で必要であるかという、これはもう人口構造の問題、少子・高齢化の問題もそうで す。あるいはダイバーシティマネージメントといいますか、そういうものの必要性と か、それからやはり、私ども企業家としては、CSRの一環としてこれを取り上げてい くべきだという思いが強いものですから、そういうお話を兼ねてやっております。  今後も、そういう意味では協力していきたいと思うのですが、アンケート調査から何 が引き出せるのか。例えば皆さん方にお願いする場合に、少なくともこのポーションは というのは、これだけのお話ではなくて、やはり経営の話もすると思うのです。その一 環として、女性の登用の必要性を説くときに、こういうアンケート調査から、やはりこ ういうシナリオをつくって攻めようという、何かそういうものを事務局として是非つく っていただいたほうがよいのではないか。それぞれまちまちに話をするよりも、統一し たそういう攻め方をしていったほうが、私はよいのではないかと強く思います。  もう1つ、アンケートで、ポジティブ・アクションをもうすでにやっていて、いろい ろな項目が出ていますが、一体、どういう成果があがっているのか。そのやっていると おっしゃっている所の実態も、空回りしているところがあるかもしれませんし、そのあ たりを調査していただければ、大変参考になるのではないかと思います。 ○丹羽座長  大変よいご意見をいただいておりますが、過去の活動のレビューとか、調査の結果を 踏まえた議論をするというようなことは、一度事務局で是非ご検討いただきたいと思い ます。  それではニチレイの手島委員、お願いします。 ○手島委員  私どもは、大したことをしていたわけでもないのですが、考えてみると、女性を男性 と同じように、例えば四年制大学を卒業した人を同じ条件で採用しはじめたのは、昭和 60年、1985年くらいです。その頃からだったと思います。それ以前は、女性の方は、言 葉が悪くて失礼ですが、事務の補助とか、何かの補助とかというような位置づけだった ように思います。  それは、女性だけのことではなくて、男性の間でも、やはり若い者は年上の人には話 しにくいとか、何だお前、若造のくせに黙っていろというような雰囲気はきっとあった と思うのです。世の中みんなそうだったのではないかと思うのです。  それで、1990年くらいですか、15年くらい前から、ちょうど日本の国内の状況も少し 難しくなりかけた頃ですね。やはりいままでのやり方では駄目だなということで、思い 当たるようなことが次々と世の中にたくさん起きてきて、そんなこともあって、これか らはやはり一人ひとりの社員の人たちが十分力を発揮できるような会社になっていかな いと駄目なのではないか、というようなことを考えるようになりました。  先ほどの話にもありましたが、男の人も女の人も、あるいは若い人もお年寄りも、何 でもこの会社の仕事について自由に意見が言えて、そのことをみんなで真面目に考え て、もっとよい方法を探していく。何かそういうことができる会社になろうではないか と。そんなことを、会社のこれからの方針の1つに入れて、みんなでやってきました。  そのつもりでいたのですが、2000年くらいになって、一体どの程度そういうことが進 んだかについて、たまたま人事制度を変えるきっかけがあって、そのときにいろいろ社 内のアンケートを取ったりしたわけです。そうしてみたら、思ったほどあまり進んでい なくて、大して変わっていないよということで、これはいかんなということになったわ けです。  それで、考えてみると、1985年以前は、全くの男社会で、結局その頃、女性がこれこ れで役職にしないんだとかという理屈があるわけではなくて、根っからそういう考えは なかったわけです。ですから、女の人の役職者もあまりいなかったということだと思う のです。  2000年頃になりましたら、やはりいろいろ頑張った人も出てきまして、女性の役職者 がほんの1%くらいですが、出るには出たのです。それで、ちょうどその頃、人事制度 を変えて、役職登用の制度を新しくして、自分で手を挙げて役職試験をいろいろ受ける というような制度にしたところが、女性の方からの希望はあまりありませんでした。  最初やってみたら、1人か2人しか女性はいなかったというので、これはまずいなと いうことになって、そういえば最近、ポジティブ・アクションとかいうものを新聞で見 たことがあるから、あれを1つやってみようではないかと、そんなことで始まったので す。  それで、どうも考えてみると、1985年くらいから採用を始めた四年制大学を出た女性 の方々は、まだその頃は新入社員でなくなったくらいのときですので、まだ役職年齢に は、ちょっと間があったのです。しかし、どうも見ていると、女性の方々は、皆さんも のすごく優秀で、どちらかというと男よりずっと出来がいい。体力もあれば気力もあっ て頭もいいし、最近そういう意味では女性のほうがすべてに優秀な人が多いということ に、それはいまでもそうなのですが、だんだんそういうことになってきました。  つまり、85年くらいから入った方々は、多分何もしなくても、もう男の人と同じよう に、どんどん伸びていかれる人たちだなと思いましたので、その人たちが出てくる前 の、ちょうど3年くらいだったのですが、タイムラグがあるので、そこのところをポジ ティブ・アクションをしてみようと思って、3年間やってみようということでやりまし た。それが2001年から2003年までやったのですが、その結果は、3年間で女性の役職者 を5%にしようというような目標をもってやりまして、おかげさまで、3年やってみた ら4.7%になりました。皆さんとても優秀な人たちで、それなりに、仲間からも評価さ れているのではないかと思います。  そういう特別のポジティブ・アクションというのは、この辺でやめても、おそらくこ の後は、そう無理なく、先ほどの岡田委員のお話にもありましたが、みんな普通に、役 職になる人も、どんどん出てくるだろうと思っております。  それで2004年はどうだったかと聞いたら、応募した人は、女の人は1人しかいないの ですという話で、それはえらい、どうしたんだと言ったら、いや、少し前倒しでだいぶ 受けてもらったので、ここは人材がいなくなりました。来年はきっと増えると思います と、そう言っていますので、促成栽培をやると、多少の歪みもできたりするのだなとい うことになります。  先ほど皆さんから、早くポジティブ・アクションなどもうしなくてもいいようになれ ばいいのだという話で、私も本当にそうだなと思います。多分、そうなってきてしまう と思うのです。すでに最近入っている若い人たちは、本当に学校のときも何も全部、男 の人も女の人も一緒にやっていますから、そんな特別、女だから男だからというような 違和感はもうないのです。  もう1つは、お話にもありましたが、日本の労働力の供給の構造が、もうすっかり変 わってきてしまって、昔みたいに手頃な男の人が山のようにいて、どんどん試験をし て、どんどん落として、よほど良さそうな人だけ集められるという世の中ではもうなく なってきました。地方から、農村から人がどんどん東京へ集まってきて、その中から人 を集めるという時代ではなくなってきましたから、多分、丹羽座長がおっしゃるような 時代は、もうすぐ来るのではないかと、そんな感じがしております。それまでの最初の いろいろな弾みをつけるようなことが、いまはちょうど必要なのだろうと、そんなふう に思っております。 ○丹羽座長  それでは樋口委員、お願いします。 ○樋口委員  いちばん最初のお尋ねからいきますと、新しい女性の活躍推進協議会は、今後何をす るかということについて考えるところを言えというふうな質問だったように思います。 そういう点では、いますぐ言われて、ただちに、こういうアイデアがありますというこ ともないのですが、ご提案のシンポジウムをしたり、そういうことはよろしいのではな いかと思います。  いま、各委員の方のお話を伺っていて、それぞれポジティブ・アクションに向けて、 いろいろ各社ごとに進めておられるわけで、その内容を基に、いろいろシンポジウムな どでお話合いをされれば、それを聞いている人たちは、やはり随分参考になるのだろう と思いました。  それでは、私どもの会社がどういう具合にやっているかということは、最近、かなり 大幅に変わっているのかもしれませんが、以前は人事体系でいえば、一般職、総合職と いうコースによって決められた人事制度だった。そういう制度の下で私どもが一線にい た時分から、女性の採用とか活用とかを随分前から言っていました。我々の会社では4 割が女性です。5,500人が女性で、7,000人が男性です。実態として男性社員の代替を女 性社員でという方向でやってきて女性を活用しないことには会社がうまく回っていかな いということはそのとおりなので、女性を何とか活用しなければいけないということ は、ずっと以前から認識していた。しかし、相変わらず何の進歩もないといったら、今 日は後ろにお目付け役の女性がついてきています。私はいろいろな委員会に出させても らって、お付きの人が女性というのは今度が初めてなのですが。  ですから、我が社も少しずつ進歩しているのではないかという気はするのですが、正 直言って勤務期間とか勤務地とか、やる気の問題、その辺の3つくらいがネックになっ ていて、女性がそのように、それぞれあまり昇進・昇格しなくても、社内ではそれなり に納得感があった時代をずっと過ごしてきた。  ところがやはり、このところ、そういう状況の中で、そういう制度を維持するのでは なく、ネックとなっている部分をどう変えるかということが、いま1つ我が社でもやっ ているポイントになっているわけです。勤務期間というなら、結婚したら辞めなくては いけないという、何となくそういう、辞めなきゃいけないということはないのですが、 辞めるというのが会社の中の1つの不文律でもないのですが、そういう慣習があった。  それが、辞めないのがむしろ当たり前で、辞めないで済むためには、どういう方法が あるかを会社のほうで考える。以前は認めていなかったのが、旦那さんが転勤になった ら、奥さんもその転勤務地に、我が社の支店なり支社に一緒に転勤してもらう制度を入 れる。それから、勤務期間も、一定期間後に、結婚の後に育児が終わったら、戻ってき てもらう制度とか、これはIターンとかUターンとか、いろいろな名前の制度を入れ て、女性にそういう希望を募ったりしていると、結構応募があるという話なものですか ら、そういう制度を進めることはよいことではないかと思っております。そういうこと を、今後皆さんで論議を進め、同時に私どももそれなりのことをいろいろ考えてやって いく。先ほど大橋委員がおっしゃった中で、思いきって支店のナンバー2を女性にされ たというのは、我々も、支社長代理みたいなものについて、それくらいのペースで思い きってやってみる。少しずつではなくて、これも制度として思いきってやるんだという ことでやれば、ちょっと面白いのではないかということも思いましたし、そういう知恵 を伺わせていだたく機会をどんどん出していただくのは非常に結構ではないかと思いま す。 ○丹羽座長  ありがとうございました。それではイトーヨーカ堂の水越委員、お願いいたします。 ○水越委員  私も、13年より委員をしておりまして、微力ではありますが、各県でいろいろ行われ るセミナー等々には、時間の許す限り参加させていただくようにしております。6月の 推進月間には、今年度は沖縄と奈良と福井に行ってまいりました。沖縄は、出生率がい ちばん高い、確か1.72だったと思いますが、奈良は逆に1.18という、平均より低い県で した。  私は、沖縄に勉強をするつもりで伺いました。コミュニティの方たちがフレンドリー で、特におじいさん、おばあさん等が子供たちの面倒を見てくれるということを伺って いましたから、そのノウハウを伺いましたら、最近の沖縄は特に、徐々に、中心部で崩 れているんですよと言っていました。  ただ、沖縄の方たちの女性の気分というか気風が、「産めば何とかなるんじゃないの 」という楽天的なところがまだ残っているので、まだまだ出生率は高い方ではあるけれ ども、やはり下がっていますよということで今後の問題も抱えておりました。  また奈良のほうは1.18ということですが、そこで表彰された企業の社長さんのお話を 伺いますと、100人以下の会社だったと思いますが、その社長さんが女性の労働力をと ても高く評価していて、結婚して出産してもまた戻って働いてもらおうというような形 でやっているので、既婚の管理職も多くいらっしゃいました。出生率が高い所、低い所 とも問題は抱えておりました。  ただ、各地方を回って感じるのは、女性の活躍推進協議会で、どういうような打ち出 しをしているのかということは、とても真面目に受け止め、そのテーマに向かって、み んながそれぞれの県の活躍推進協議会で議論をしているということなのです。したがっ て、私は各地に行くたびに、とても重く感じてまいりました。  今回の白書では、女性の労働力率が高い県ほど、出生率が高い傾向にあるという調査 結果も発表されて、そのいろいろな原因等々についても述べられておりますが、この辺 のところは、むしろもっとマスコミ等にもPRしていくことで多くの方の理解を得られる のではないかと思っております。  先ほど、立石委員がお話されたのは、私も大いにそうしていかなければいけないので はないかと思っています。やはり、頑張っているのですが、突き抜けられないというの が、実状です。これをどのようにしたら突き抜けることができるのかを、やはりもう一 度真剣に考える必要があるのではないかと思います。  実は私どものイトーヨーカ堂では、役員や部長クラスは、若干名ですが誕生しました が、なかなか店長、ラインの長ができませんでした。それは、ラインに管理職が少ない 理由の中にもあるように、仕事がハードで、とても女性には向かないという、逆に女性 の過保護ということもあったでしょうし、在職年数が、店長ですと大体、現状では40代 中頃以上が平均年齢になっておりますので、そこまでのキャリアの女性がなかなか少な い。  育たないというか、勤続年数が足りないということで、なかなかならなかったのです が、10年くらい前から、トップから、女性の店長を出せと言われ続けていたのですが、 人事部門や営業部門では出せなかった。それで3年か4年前、指示として出されて、ど うしようもなくて出しました。ところがその店長は大変に優秀で、男性に負けないだけ の店長としての働きをしております。  現在5名おりますが、それでは誰でもができるのかというと、そうではない。すでに 8名任命され、実際にやってみて、マネージメントよりも、やはりスタッフのほうが合 うという人もおりました。そういう場合には、またバイヤーに戻しました。管理職に合 う資質をもっている女性、それからそうではなくて、スペシャリストに合う女性と、い ろいろいるわけですから、それに合った形、ただし、そのチャンスをどう与えるかとい うことだと思います。  実は先日北京に行ってきましたが、北京には5店舗、あと成都に2店舗あるのです が、そこでは約60〜70%が女性の管理職です。いま副店長は全部女性です。次の店長に は、女性の候補がいま挙がっております。  日本のイトーヨーカ堂自身は、15%から18%が女性の管理職なのですが、会社の方針 も、トップの考え方も同じなのに、そうなっているという、この実情を、もっともっと 真剣に我々日本では考えなければいけないと、いま捉えております。  それにはやはり、経営者ももちろんそうなのですが、女性の意識自体も、さまざまな 選択肢があるために、管理職を望まない女性もたくさんいることも、また事実です。し たがって、だからこそポジティブ・アクションが必要なのだろうとは思いますが、その 辺のところが大いにまだまだ課題かなと思います。 ○丹羽座長  ありがとうございます。大変ご熱心にご意見をいただいておりまして、時間がどんど ん押しております。誠に恐縮ですが、団体の東商さん、経団連さん、中小企業団体の方 々、一言ずつ、誠に申しわけございません、ご意見を是非お願いしたいと思います。 ○広瀬委員  2回目の出席ですが、にもかかわらず遅参しまして、申しわけございません。一言と いうことで申し上げれば、いくつかあったのですが。 ○丹羽座長  いちばん重要なことを。 ○広瀬委員  そうですね、どれが重要か。わかりやすく言えば、私どもは中小企業の方が多いです から、中小企業に軸足を置いた発言をさせていただきますと、かつては大体は情で動く という経営者の方が多かった。いまはいろいろな面で経営的に余裕がない中で、やはり 「り」にもいろいろな「り」があるのでしょうけれども、はっきり言えば「利潤の利」 という、そちらで動くケースが非常に多いわけです。  それでやはり、中小企業の方々は、日本の全企業の雇用の7割を占めているわけで、 中小企業の経営者の方々がそういう意識になっていただくのは、非常に重要なのです が、いま申し上げたように、利で動くとすれば、先ほどアンケートに関するご指摘が立 石委員からもございました。事前に資料をいただいていたのですが、7頁で、企業の業 績と女性の登用率との相関関係というか、見方によってこれがはたして説得のある材料 なのかどうか、ちょっとニワトリが先か卵が先かみたいなところがあって、私は多少疑 問なのです。  ここら辺について、より説得力のある、女性を活用することが企業の経営にとっても 大いにプラスになるという部分での分析とか、データづくり、こういったものが中小企 業の経営者に対して大きくアピールするのではなかろうかと思います。ほかにもいろい ろあったのですが、一言だけ申し上げます。 ○丹羽座長  それでは経団連の矢野委員、お願いします。 ○矢野委員  発信し行動する協議会としていくには、一体何を武器にするかということですが、こ れは「よい事例」であると思います。先進事例ほど説得力のある材料はありません。私 が、ポジティブ・アクションの講演とか、地方経営者協会の講演とか、あるいは女子大 学より依頼をうけて話をする機会がありますが、みんなが目を輝かすのはよき事例で す。今日ご出席の方々の会社の事例は随分使わせていただいておりまして、本当に反応 が大きいです。これを本当に徹底的に進めることをお勧めしたいと思います。  日本経団連としても、パンフレットを作ったり、ダイバーシティ・ワーク・ルール研 究会の報告書で、何か義務としてしなければならないというのではなく、戦略として積 極的に使っていこうという提言をして、ささやかな努力をしておりますけれども、やは りよい先進事例ですね。皆さん、小さいことでもよいと思います。管理職が何パーセン トになったという大きい話もありますが、それだけでなく、ちょっとご苦労なさって取 り組んでいる話といったものが、いちばん説得力があると思います。 ○丹羽座長  ありがとうございます。それでは山崎委員、お願いいたします。 ○山崎委員  先ほどの調査資料の中で、小企業において、女性が管理職に占める割合が多いという 反面、逆にポジティブ・アクションへの取組が少ないということですが、これはやは り、まだまだ中小の企業においては、その取組に対する雰囲気というのが醸成されてい ないのではないかということだと思いますので、もっと普及させることが必要と思いま す。  それと先ほど局長さんからも、国民運動として展開したいというお話がございまし た。いま「仕事と家庭を考える月間」が行なわれています。均等月間もありますが、や はりポジティブ・アクションも月間までいかなくても、10日ぐらいの旬間で結構ですか ら、そういうものをつくって、全国的な風を起こさないとなかなかうまく知らしめるこ とができないのではないかと思います。必要ならマスコットみたいなものを作ったり、 すぐわかるような形のものを作って印象づけて、浸透させていく運動、PRといったも のは必要ではないかということです。  それから、いま男女共同参画推進において、宣言都市とか条例をつくっていますが、 大方の市町村においては、なかなか進んでいないような状況があります。取組みが進ん でいる市町村においては、それだけホームページ等においてもPRが行き届いています ので、その地域の企業は、ポジティブ・アクションへの取組みに対する認識も高いと思 うのです。やはり、行政が主導権を握って、積極的に引き上げていくような措置が必要 だろうと思います。  また、いままでの協議会の成果を踏まえて、実行に移す仕掛けをつくっていただきた いと思います。私どもの団体もご支援申し上げようと思っておりますので、できる限 り、目に見える形の運動方針のようなものをつくっていただき、うまく成果に結び付け ていただきたいと思います。 ○丹羽座長  ありがとうございます。それからアイ・ビー・エムの内永委員から、コメントをいた だいているということで、事務局のほうで簡単に、長ければ全部ではなくて、重要な所 だけお読みいただいて。 ○石井雇用均等政策課長  簡単にポイントを絞って。内永ゆか子様からは、すでに内閣府の男女共同参画の委員 をしている関係上、セミナーなどのイベントに参加する機会があるので、引き続きこの 辺に積極的に発信していきたいということと、それから必要なこととして、中間管理職 のネットワークの支援を進めていきたい。さまざまな形で企業トップの意識改革に貢献 していくようにアピールを行っていきたい、というメッセージをいただいております。  またもう1つ、資生堂の福原名誉会長からも、引き続き資生堂のポジティブ・アクシ ョンの取組について、事例を紹介するなど、アドバイスを含めたPR活動を推進してい きますということで、メッセージを頂戴しているところでございます。 ○丹羽座長  私の意見は省略させていただきます。それで、提案がありましたシンポジウムの開催 ということですが、ここのところはちょっと変えたほうがいいとか、このままで具体的 に推進させていただいてよろしゅうございますでしょうか。ここはもうちょっと何か考 えろよとか、こういうものはございますか。もしございましたら、この委員会の後でも 結構ですので、事務局のほうにご連絡を頂戴できればと思います。一応この原案どお り、推進させていただくということで、ご了承をお願いしたいと思います。  どうも今日は大変ご熱心なご意見をいただきまして、ありがとうございました。これ からはもう少し時間をとって、皆さんに十分、もういいよというくらい、是非ご発言い ただくようにしたいと思います。委員の皆様方には、引き続き積極的な発信をしていた だき、また事務局、あるいは行政のほうもそれなりにご意見をいただいたことを十分斟 酌して、次回の会議につなげていきたいと思っております。  それでは、これで閉会したいと思いますが、事務局から何か連絡事項はございます か。 ○石井雇用均等政策課長  特に連絡事項はございませんが、先ほどの立石委員をはじめとして各委員様からもい ろいろとご示唆いただきましたことを、しっかり受け止めて対応していきたいと思いま す。  前回までの協議会の総括評価ということについて言えば、大手さんについては、取組 企業の割合が非常に進んだのは、この数年間の変化ですが、中身において非常にバラつ きがあったという状況であります。また実績について、非常に進展したかというと、実 績のほうも、それまでと同様程度の進展しかなかったというのが総括ではないかと思っ ております。  またこれからいろいろ発信していただくに当たって、何か私どもから提供できるまと まった資料のようなものは、考えさせていただければと思っているところでございま す。 ○丹羽座長  あと、次回の開催の件は何かございますか。 ○石井雇用均等政策課長  まず先ほどシンポジウムの開催についてご了解いただきましたので、これを基にし て、今後具体化、調整を進め、詳細が決まり次第ご連絡させていただきます。  また、次回の女性の活躍推進協議会の開催については、座長ともご相談の上、改めて ご案内させていただきたいと存じます。 ○丹羽座長  それでは今日は皆さん、ありがとうございました。                  照会先:雇用均等・児童家庭局 雇用均等政策課                      均等業務指導室 啓発指導係                    03−5253−1111(内線7843)