05/10/06 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会の 第10回議事録 厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会    第10回 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会 日時:  平成17年10月6日(木)10:00〜12:00 場所:  はあといん乃木坂「フルール」 出席者: 安部 好弘 委員  荻原 幸夫 委員      林  正弘 委員  松本 恒雄 委員      溝口 昌子 委員  望月 眞弓 委員 議題:  1.相対的リスク評価の検討について      2.その他 審査管理課長  それでは定刻となりましたので、ただいまより第10回の厚生科学審議会医薬品販売制 度改正検討部会 医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容等に関する専門委員会 を開催させていただきます。先生方におかれましては、御多忙のところを御出席いただ きましてまことにありがとうございます。  本日は、委員長の埜中先生が海外出張で御欠席のため、埜中先生の御了解もいただき まして、委員長代理であります林先生に以後の議事進行をお願いいたしたいと思いま す。 林委員長代理  御紹介をいただきました林でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それで は早速、本日の委員の出欠状況につきまして、事務局よりよろしくお願いいたします。 審査管理課長  本日の委員の出欠状況でございますが、本日は、委員10名のうち、松本先生が少しお くれているようでございますが、6名の委員に御出席をいただく予定でございます。  井村委員、高橋委員、細谷委員からは御欠席との御連絡をいただいております。  また、本日はオブザーバーとして、販売部会より、鎌田委員、少しおくれておられる ようですが、児玉委員、それから増山委員、安田委員にも御出席をいただいておりま す。  なお、当方の出席者でございます黒川審議官につきましては、所用のため、途中退席 させていただきますので、あらかじめ御了承願います。  また、大山委員は当初出席予定でございましたけれども、出席できなくなったとの御 連絡がございました。  以上でございます。 林委員長代理  どうもありがとうございました。それでは続きまして、本日の配付資料の確認を事務 局よりお願いいたします。 事務局  それでは配付資料の確認をさせていただきます。大きなクリップどめのものが二つ と、もう一つ別の資料があるかと思います。まず一つ目、議事次第が一番表になってお ります資料は、資料1から資料5までとなっております。議事次第の次に座席表がござ います。  資料1といたしまして、「委員名簿」。  資料2といたしまして、「販売部会よりの検討等の依頼事項」。  資料3といたしまして、「相対的リスクの評価方法について」。  資料4-1といたしまして、「「相対的リスクの評価方法について」に基づく評価手 順」がございます。  資料4-2といたしまして、「「評価方法」に基づいて評価できなかった成分及びリ スク評価の調整を行った成分について」。  資料4-3といたしまして、「「評価方法」に基づいて評価できなかった成分及びリ スク評価の調整を行った成分について」の別紙ということで、1から11となっておりま す。  資料5といたしまして、「相対的リスクの暫定評価(案)」でございます。  そのほかに、大きなクリップどめの資料がもう一つございます。  参考資料1といたしまして、「相対的リスク評価用のワークシート」でございます。  参考資料2といたしまして、「医薬品等の副作用の重篤度分類基準について」を配布 しております。  本日の資料は以上ですが、落丁などがございましたら事務局までお知らせいただけれ ばと思います。  また、これより議事に入りますが、写真撮影はここまでとさせていただきますので、 報道関係の方は傍聴席の方へお移りいただきますようお願いいたします。 林委員長代理  それでは本日の議事に入りたいと思います。本日は事務局より相対的リスクの評価方 法による暫定評価の案が配布されております。最初に、評価の考え方につきまして、事 務局より説明をお願いいたします。 事務局  それでは、配付いたしました資料に従いまして、御説明をさせていただきます。資料 をあちこちごらんいただきながらの方が恐らく見やすいかと思います。お手数ですがよ ろしくお願いいたします。  資料3は、こちらの専門委員会の春までの御議論で確定いたしました「相対的リスク の評価方法について」の手順でございます。春までの作業で、資料3の最初のワークシ ートの作成という部分の作業をお願いしたところで、その結果が、本日お配りしており ます参考資料1ということで、これまで作業をいただいたことかと思います。  今回は、資料3の2ページ目にございます相対的リスクの評価方法ということで、今 回、事務局の方で作業を行いました。その結果が資料5になりますので、資料5を参考 にごらんいただきながら、評価方法について、再度おさらいということで御説明をさせ ていただきます。  まずワークシートのAからHまでのすべてのリスクファクターについて評価をすると いうことですけれども、その段階におきまして、AからHの中のBとCとE、資料5で いえば相互作用と副作用と患者背景という三つの欄になりますけれども、こちらについ て、各成分の特性に着目した作業を行うということです。  もう一つ、F欄とG欄ですが、こちらは、資料5でいえば効能・効果と使用方法の二 つになりますが、それらの欄で、誤使用や過量使用のおそれを前提とした評価を行うと いうことが、評価の手順としていただいていたところでございます。  今回、資料3の評価方法というところに従って評価を行ったものでございます。  まずB欄の相互作用についてですけれども、併用禁忌をA、併用注意をBとし、Cは 記載がない場合としております。また、併用禁忌のうち、特に注意を要するものはAA という評価にしております。  資料5のワークシートでのC欄は、薬理毒性に基づく副作用と、特異体質アレルギー 等に基づく副作用の記載がある場合をAとしております。C’として、それ以外の副作 用がある場合にはBとしております。また、副作用のうち、特に注意を要するものにつ いてはAAとしております。  その次はE欄、患者背景の欄についてですけれども、こちらは適応禁忌がある場合に はA、慎重投与がある場合にはB、記載がない場合はCとしております。また、適応禁 忌のうち、特に注意を要する適応対象についてはAAとしております。  次に、F欄とG欄、効能・効果の欄と使用方法の欄ですけれども、こちらは、該当す るような情報がある場合にはP、ない場合にはQとしております。また、これらのう ち、特に注意を要する過量使用等についてはPPとしております。  資料3の4ページに移ります。そのほか、相対的リスク評価における留意点といたし まして、(1)ワークシート上、剤型が異なる同一成分の添付文書を基礎情報としている 場合、薬理作用や化学構造式に基づき、薬学的に見て明らかに同等に評価できる他の成 分の基礎情報をもとに相対的リスク評価を行うということで、若干調整を行ったものが ございます。  また、(2)使用量の違い等に起因する成分間の情報量に格差があるもののうち、薬理 作用及び化学構造式等に基づき、薬学的に見て明らかに同等に評価できるものは同程度 とみなすということで、こちらでも調整を行っております。  (3)としまして、ワークシート上、情報が得られなかった成分については、薬理作用、 効能効果、用法用量から見て、同等として取り扱えるものと同等に取り扱うとしており ます。  これらの調整を行ったものについては、後ほど別の資料で御説明をさせていただきま す。  こういった作業を行いまして、できたものが資料5となります。  引き続きまして、資料4には1から3がございますけれども、こちらを使いまして御 説明させていただきます。まず資料4-1でございますが、今回の作業のおさらいとい いますか、取りまとめたものでございます。  もともと、一般用医薬品は85製品群に分かれておりますけれども、そのうちワークシ ートとして整理していない、成分に着目した相対的リスク評価が適当でない製品群とい うのが8製品群ございました。これらは漢方・生薬製剤、殺虫薬、検査薬などでござい ます。これらを除いた77製品群について、47のワークシートとして整理したものが参考 資料1ということで作業をいただいていたものです。今回、ここから相対的リスクの評 価方法により、評価を行いました。  まず、一番左の矢印で落ちていくものが、評価方法に従って機械的に評価を行ったも のです。ですから、ワークシートの記載のあるなしで、機械的にA、B、C、P、Qを つけたものが成分としてございます。  その次に、先ほどの評価方法についての説明の最後の方にございました類似成分での 評価の調整を行ったものが幾つかございます。  そのほかに、ワークシートを作成する段階で、そのもとの資料になる医療用の添付文 書がなかった成分については、類似成分の評価結果などを参考に評価をしておりますの で、そちらが真ん中の矢印の部分でございます。  そのほか、本日、ワークシートとしてこれまで整理していなかったものについては、 次回、その評価についての案をお示しする予定でございます。こういった作業の結果、 できたものが資料5になります。  続きまして、資料4-2と4-3で御説明をさせていただきます。その前に、資料5を めくっていただくとおわかりになると思いますが、白抜きのものと網かけをしているも のがございます。こちらの白抜きのものは、ワークシートをもとに機械的にA、B、 C、P、Qをつけたものでございます。その中で、AAとPPに評価を上げたものにつ いては、後ほど、資料4-2の方で御説明をさせていただきます。網かけをした部分は、 もとになる医療用医薬品の添付文書などがなかったものということで、ほかの類似成分 などの評価をもとに評価を行ったものでございます。それについての説明を、資料4-2、 4-3でさせていただければと思います。  資料4-2をごらんください。一つ目は、評価方法に基づいて評価できなかった成分 ということで、もとになる適当な医療用医薬品の添付文書が存在しなかった成分がござ います。これらは類似成分等の評価結果を参考に評価を行っております。こちらは資料 の4-3の別紙1になりますので、ごらんいただきたいと思います。  資料4-3、別紙1というものが、1ページから7ページまでございます。こちらは 今回の評価に際しまして、もとになる適当な医療用医薬品の添付文書が存在しなかった 成分の一覧でございまして、先ほどの資料5で網かけになっていた部分でございます。 これらにつきまして、その成分名と今回の評価に用いた考え方、それから評価結果をお 示ししております。  1番目としまして、風邪薬の成分としてございますマレイン酸カルビノキサミンにつ きましては、この成分が抗ヒスタミン成分になるということで、他の抗ヒスタミン成分 の評価のうち、相互作用ですとか副作用といった各項目において、リスクがもっとも高 いものの評価に合わせて、各評価項目の結果を、カルビノキサミンの仮の評価結果とし てお示ししております。  次に、グアヤコールスルホン酸カリウムという成分もございますが、こちらはその他 の成分ということで、特に類似の成分がないということで、風邪薬群の成分の評価の各 項目において、もっともリスクが高い成分の結果に合わせたものということで、各項目 の評価結果を入れております。  2番目はアリルイソプロピルアセチル尿素というものがございますけれども、こちら は同じ尿素を含有するブロムワレリル尿素の評価に合わせるということで、似たような 成分の評価結果をこちらの評価に流用しております。  次に塩酸メクリジンについては、抗ヒスタミン成分ということで、先ほど上にござい ましたものと同じように、他の抗ヒスタミン成分の各項目のリスクがもっとも高い成分 に合わせた評価としております。  ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートにつきましては、同じアルミニウムを含 有する製品群の各項目においてリスクがもっとも高い成分に合わせた評価として、類似 成分の評価を流用しております。  次のアシドフィルス菌末につきましては、乳酸菌成分の各項目においてリスクがもっ とも高い成分に合わせたということで、同じ類似成分の評価を流用しております。  そういった形で、各成分について、類似成分、あるいは類似薬効群の成分の評価を流 用した結果というものを1ページから7ページまでお示ししております。  こちらについては、後ほど御意見がございましたらいただくということにしまして、 次の説明に移らせていただきます。  同じく資料4-3で、別紙の順番に従って御説明させていただきます。詳しい説明は 資料4-2にございますので、後ほどごらんいただければと思います。  資料4-3の8ページをごらんください。別紙の2以降は、グルーピング評価という ことで、似たような成分群の評価をそろえるという作業を行ったものでございます。  まず8ページは、カルシウム含有製剤ということでございます。こちらについては各 製品群なり成分間で評価に若干ばらつきがございましたので、その評価をグルーピング による評価ということで、一番リスクの高いものに合わせるという作業を行っておりま す。  まず、上のグルコン酸カルシウムから無水リン酸水素カルシウムまでは同じ評価にで きるだろうということで、右にありますグルーピングによる評価の部分でそろえた評価 にしております。  次の沈降炭酸カルシウムにつきましては、カルシウムだけの評価で効能・効果のPP 欄がついているわけではないだろうということで、こちらについては上の群とは切り離 した形で、効能・効果だけをPにしたものという評価のままにしております。  下三つのパントテン酸カルシウムにつきましては、カルシウムが主ではなく、パント テン酸の方が主たる薬効として用いられているものであろうということで、上のカルシ ウムとは別の評価のままということで、このようにしております。  三つの中で一つだけ切り離されているのは、点眼薬ということで、上の二つの経口薬 としてのパントテン酸カルシウムの成分の評価とは切り離して、副作用がCになったも のということで評価を残しております。  続きまして9ページの別紙3に移ります。こちらはアルミニウムを含有した成分のグ ルーピングの評価でございます。こちらはアルミニウムを含むということで、恐らく一 律に評価できるだろうということで、すべてを一番高いリスク評価の結果に合わせた形 で各項目の評価結果をそろえたものでございます。  次に別紙4に移らせていただきます。こちらはマグネシウムを含有した成分のグルー ピング評価でございます。一番上の成分は、点眼薬ということで、C、C、C、Q、Q という評価をそのまま残した形にしております。  そのほかの経口薬の部分につきましては、制酸性分として用いているものとそうでは ないものということで、マグネシウムだけを含有する、いわゆるアスパラギン酸マグネ シウムと酸化マグネシウムについては評価を統一したものとして調整をさせていただい ております。  その下のケイ酸アルミン酸マグネシウム以降につきましては、アルミニウムも含有す る成分ということですので、こちらは、アルミニウム、マグネシウムともに含有する成 分ということで、一律に評価をそろえさせていただいております。  次に11ページの別紙5に移らせていただきます。こちらは抗コリン剤のグルーピング 評価でございます。成分としましては、ロートエキス、ベラドンナ総アルカロイド、臭 化水素酸スコポラミン、臭化メチルオクタトロピン、臭化ブチルスコポラミン、塩酸ジ サイクロミンというものがございます。これらは一律に抗コリン薬として評価をそろえ られるだろうということで、一番リスクの高い結果にそろえております。  12ページの別紙6はサルファ剤のグルーピング評価でございます。こちらはすべて一 律でいいだろうということで、同じ結果にそろえさせていただいております。  次に13ページの別紙7でございます。こちらはヨウ素を含有する成分のグルーピング 評価でございます。基本的にはヨウ素に対する過敏症の方に対する評価ということで、 一律に評価できるだろうということで、各項目を一番リスクの高い評価結果にそろえて おります。  14ページの別紙8は、点眼薬の充血除去成分ということで拾い出したものですけれど も、エフェドリンについては相互作用がAAの評価になっておりましたが、点眼薬とい うことで、他の成分に合わせていいだろうということで、相互作用をAとしておりま す。  15ページの別紙9は点鼻薬の血管収縮薬の評価でございます。点鼻薬ということで、 比較的吸収がよいことも想定されますので、評価結果については高い結果にそろえると いうことをしております。  16ページの別紙10は、抗白癬菌成分、水虫薬成分のグルーピング評価でございます。 こちらはトルナフタートの効能・効果の欄でPがついておりましたので、抗白癬菌成分 はすべて同じだろうということで、この結果を各成分の評価に反映し、そろえておりま す。  11ページの別紙11は、アミノ安息香酸エチルの評価でございます。こちらは投与経路 に従いまして、評価を幾つかに分けております。まず経口投与、あるいは経口投与と同 程度の吸収が考えられるものとして、上の二つの胃腸鎮痛鎮けい薬に用いる場合、外用 痔疾用薬に用いる場合については評価をそろえることにしております。  そのほかの外用用途、鎮痛、鎮痒、収れん、消炎薬、あるいは点耳薬として用いる場 合には一律でいいだろうということで、三つを同じ評価にそろえております。  また、歯痛、歯槽膿漏薬は、粘膜に適用するということですので、こちらの評価はそ のまま単独にしております。  以上のような調整を行った結果というのが、先ほどの資料5でございます。  それでは資料4-2にお戻りいただきたいと思います。ただいまの御説明の内容につ きましては、資料4-2の4ページまでに詳しい文章を記載しております。資料4-2の 5ページ以降の御説明をさせていただきます。  評価方法の中では、AA評価、PP評価については、例示としてはお示ししておりま したけれども、基本的に、特に注意を要するということで評価方法が決まっておりまし たので、こちらにAAあるいはPPと評価したものをすべてお示ししております。  まずAA評価をしたものということで、相互作用欄についてですけれども、こちら は、もし併用を行ってしまった場合には心停止のおそれがあり、特に危険度が高いとい うことで、メチルエフェドリンをAA評価としております。  副作用の項目はAAに上げた成分が多かったということで、こちらでは成分の具体例 の一例ということでお示ししております。AAにした基準は、本日、参考資料2とし て、「医薬品等の副作用の重篤度分類基準について」というものをお配りしております けれども、そちらで重篤な副作用のグレード3と評価されている副作用が、重篤な副作 用の欄に記載されているものということで、一律に拾い上げております。  具体的に申しますと、例えばスティーブンス・ジョンソン症候群ということで、解熱 鎮痛成分のこういったものの副作用欄がAAになっております。  また、H2ブロッカーは汎血球減少症ということでAA評価になっております。  そのほか、ショックが見られるものとして、例えば局所麻酔成分ということで、これ らの成分をAA評価としております。  次に6ページをごらんください。患者背景の項目で評価にしたものでございます。こ ちらは、特に注意を要すべき問題となる患者背景ということで、各成分の評価結果をA Aにしております。  拾い上げた患者背景というのは、こちらにございますように、まずは年齢に関する記 載があり、患者背景がもともとA評価になっていたものでございます。  例えば、低出生体重児か新生児、それから小児、乳幼児、あるいは高齢者などで使用 禁忌になっているものです。  成分で申しますと、抗ヒスタミン成分ですとか、解熱鎮痛成分になりますけれども、 これらは、こういった患者について適応禁忌が設定されているということで、AA評価 にしております。  また、そのほかに問題となる患者背景としましては、6ページの下にございますよう に、婦人に関する記載ということですが、これは流産、早産、催奇形性等の問題がある ことから、妊婦、あるいは妊娠している可能性のある方が適応禁忌となっている成分で ございます。  7ページに移らせていただきます。こちらでは緑内障の方が適応禁忌になっている成 分を挙げております。こういった成分を緑内障の方に使うことによって、症状悪化、最 終的には失明に至るおそれがあるということで、こちらをAA評価としております。そ ういった成分が8ページの上の方まで続いております。  次は前立腺肥大の方が適応禁忌になっている成分でございます。こちらは排尿障害 で、最終的には腎臓の方に影響が出るということで、程度が大きいだろうということ で、これらもAA評価にしております。  その次は透析療法を行っている方が適応禁忌となっている成分でございます。透析療 法も、最終的に、もしそういった方に使ってしまうと重篤な健康被害が起こるだろうと いうことで、これらについてもAA評価にしております。  続いて9ページをごらんください。先ほど、別の項でも出ておりましたけれども、心 停止のおそれがあるということで、カテコールアミン製剤を投与中の患者のメチルエフ ェドリンについてもAA評価としております。  それ以降は、効能・効果と使用方法の欄でPPにしたものになります。まず、効能・ 効果の欄でPP評価としたものがH2ブロッカーでございます。これを使用対象の患者 さんが誤った判断で使ってしまった場合、胃がんを隠ぺいするおそれがあるということ で、PP評価としております。  G欄は、使用方法の欄でPP評価にしたものでございます。まず妊婦さんに対して情 報提供が必要なもので、もし誤使用あるいは過量使用、長期使用した場合に、流産、早 産、催奇形性などの危険性があるということで、こちらをPP評価としております。  それから、長期連用した場合には、子宮内膜がん、あるいは乳がんが起こる可能性が あるということで、女性ホルモン薬についてもPP評価としております。  10ページに移ります。長期連用した場合に薬物依存の可能性があるということで、リ ン酸ジヒドロコデイン、ブロムワレリル尿素について、PP評価としております。  また、長期連用した場合にアルミニウム脳症を起こす可能性があるということで、ア ルミニウム含有の成分についてもPP評価としております。  それから過量投与した場合に、意識障害、それから意識消失を起こす可能性があると いうことで、ここにございますチペピジンとテオフィリンをPP評価としております。  また、過量投与により心停止が起こる可能性があるということで、β刺激薬の2成分 がPP評価となっております。  また、過量投与による呼吸抑制の可能性ということで、スコポラミン、同じく過量投 与によって昏睡、呼吸抑制、麻痺性イレウスなどを起こすおそれがあるということで、 止瀉薬の塩酸ロペラミドをPP評価とさせていただいております。  11ページに移ります。再生不良性貧血の患者さんに長期大量投与をした場合に肝腫瘍 を起こす可能性があるということで、メチルテストステロンをPP評価としておりま す。  また、過量投与により心室性期外収縮を起こす可能性があるということで、こちらの 塩酸フェニレフリンをPP評価としております。  また、過量または長期連用により、広範囲の使用により全身的投与をした場合と同様 の症状があらわれることがあるということで、ステロイドの成分についてはPP評価と させていただいております。  そのほか、何らかの理由で上限量が定められているものについては、過量投与による リスクが大きいということで、PP評価としております。  12ページ以降は、相互作用の欄で、併用禁忌ではなく併用注意ということでB評価に されていた成分のうち、これらの成分と併用したことにより、相手方の医薬品のリスク が高いだろうということで、一般薬の成分としてはB評価ですけれども、相手方の医薬 品のリスクを考慮して、相互作用としてはA評価にした方がいいだろうと判断したもの を挙げております。  まず、クマリン系抗凝血薬ワーファリンとの併用注意が記載されているこれらの解熱 鎮痛成分、ビタミン成分については、ワーファリンの作用を増強させる、あるいは減少 させるということで、A評価にした方がいいだろうというふうに考えております。  同じように、テオフィリンとの併用注意がございます中枢神経興奮成分のこれらのも の、また、肝薬物代謝酵素P-450の活性低下により、これらのリスクが高いような医薬 品の代謝、排せつを遅延させるような薬剤ということでH2ブロッカー、また、糖尿病 との併用注意がございますウルソデオキシコール酸、13ページに移りまして、感染症の 治療薬になります、これらの抗生物質、あるいは抗菌薬との併用注意が記載されており ますマグネシウム含有成分、鉄含有成分などの金属含有成分については、B評価をA評 価に上げております。  また、ワーファリンとの併用注意がございますメチルテストステロン、14ページに移 りまして、ブロメライン、セラペプターゼ、それからカテコールアミンとの併用注意が ございますβ刺激薬、トリメトキノールについてもB評価をA評価としております。  こういった調整によりまして、最終的に評価を行ったものを資料5でお示ししており ます。先ほど、資料4-2、資料4-3で御説明いたしました、ワークシートが作成でき なくて類似成分から評価したもの、それからグルーピング評価ということで評価の調整 を行ったものを資料5の中でお示ししております。  また、AA評価、PP評価については、先ほど御説明したような理由で、こちらの方 に反映しております。そのほかに、相互作用がBだったものをAに上げたものが最後に 御説明したものでございます。  現在、こういった考え方によって、資料5で評価の結果をお示ししておりますけれど も、これはあくまで事務局の方で作成しました暫定案と考えておりますので、本日、こ ういった考え方についての御意見等をいただければと思います。どうぞよろしくお願い いたします。 林委員長代理  どうもありがとうございました。大変に細かい内容ですので、簡単にごらんになった だけではわかりにくいかもしれません。そこで、ただいまから少し御意見をちょうだい したいと思いますけれども、今の事務局の御説明に追加コメントがございましたらお願 いしたいと思います。 事務局  事務局から補足させていただきます。今回、事務局の考えを御説明させていただきま したけれども、この作業の過程では何人かの先生に御相談させていただきながらやって おりましたので、その過程のことも含めてのコメントもいただければと思います。よろ しくお願いいたします。 林委員長代理  わかりました。それではそういった相談の中でお気づきの点がありましたら、よろし くお願いいたします。  望月先生から何かございますか。 望月委員  すみませんが、まだ追い切れていませんので、少しお時間をいただきたいと思いま す。 林委員長代理  わかりました。専門家の目で見て違和感を持った点や、あるいは何かお気づきの点で も構いませんけれども、何かございますか。 審査管理課長  事務局の方から説明をさせていただきましたが、もしよろしければ、資料4-1の評 価手順でございますとか、資料3なども、これまでに先生方の御意見や御協力をいただ きながら手順や評価方法ということになりますが、細切れになりますけれども、そうい った形で分けて御確認等をいただければと思います。  最後の資料5の方は、暫定的なものでございますけれども、そういうものを反映し た、かなり細かいものでございますので、きょうここですべてをというわけにはいかな いかとは思います。 林委員長代理  わかりました。なかなか御意見が出にくいかと思いますので、ただいまのコメントを 参考にさせていただき、資料4-1には評価手順がございまして、資料4-2は評価方法 に基づき云々という詳細な成分云々に入っていくわけですけれども、そういう手順ある いは評価の中で、今まで御検討いただいた感想等も含めまして、何か御意見があればお 願いしたいと思います。いかがですか。 望月委員  資料4-1の整理の仕方、評価の手順というのは、今回の基礎資料をつくった段階で、 恐らくこういう形が妥当ではないかと考えております。  ただ、1点気になりましたのは、資料4-3別紙1ですが、添付文書が存在しなかっ た成分について、例えば1番の風邪薬、マレイン酸カルビノキサミンという抗ヒスタミ ン成分について、抗ヒスタミン成分のいろいろな成分の中で、それぞれの項目において リスクがもっとも高い成分に合わせるということで、添付文書がなかった成分について はかなりリスクを高めに評価するという形にされているということですが、添付文書が 存在しなかったので、ほかの成分から項目ごとにリスクが高いものを持ってきたという ことが、最後の評価の段階まできちんと残るような形で、あくまでも暫定的なものであ るということがわかるような形で整理していただいた方がよいと思います。かなり高め に評価をしているのではないかということも考えられますので、資料の方では網かけに なっていますけれども、何かの理由があって特別な評価をしているという形が常に残る ような形にしていただくのがいいかという感じがしました。  最終的には、事務局側がこういう形で整理をされているということが、抗ヒスタミン 成分全体をどう評価するか、あるいは、例えば、その下のその他の成分のグアヤコール スルホン酸カリウムは風邪薬に合わせているという形になっていますので、そこの整理 のところで、これから御議論になるところだと思いますが、かなり影響する部分もある かと思います。この二つがたまたま最初に出てきてしまっていますし、ほかの添付文書 が存在しなかった成分に比べると、整理の仕方としては非常に高次のレベルの整理をし ているような気がしましたので、申し上げておきたいと思いました。 林委員長代理  ありがとうございました。事務局は今の御意見についていかがですか。 事務局  今、望月委員からお話をいただいたとおりのことを、こちらとしても気にはかけてお りましたけれども、作業としては、要するに根拠のない状況で評価をするのは適当では ないだろうということで、このように、ある意味でリスクを高めに評価したものという ことで記載をしております。今、御指摘がありましたように、これらはこういう条件の もとでの暫定評価であるということを、今後ずっと残した形で、今後の作業をお願いし ていきたいと思います。  例えば、先ほど風邪薬の量ということでお話をいただきましたけれども、よりわかり やすい例ということでは、資料4-3の2ページの12番の銅クロロフィリン塩でござい ますが、こちらは医薬品だけではなく、ガムなどにも入っている成分です。こちらでは 暫定的に粘膜修復成分ということで、こういったリスク評価になっております。  このあたりは恐らく感覚には合わない部分かと思いますが、今回はあくまで暫定評価 ということでお示ししておりますので、こちらの別紙1に記載した成文については、暫 定評価ということで今後もお話をさせていただければと思います。 林委員長代理  ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。 黒川審議官  評価の幾つかの表がございますけれども、事務局の方から御説明申し上げましたこと に加えまして、先生方も既にお気づきのとおり、例えばアスピリンのように100年以上 の歴史があるものから、あるいは30年くらい使われているもの、あるいはつい最近開発 されて御利用いただいているものまで、時間的な要素、あるいはそういった専門家、一 般の方々における蓄積、経験といったものが、この資料の形では必ずしも明らかにはで きない構造になっております。  先ほど座長から、先生方に違和感があるようなものというお話がありましたけれど も、私なりに解釈いたしますと、まさに御専門の先生方が、日常の御研究、業務等を通 じまして、バランス等から見て、あるいは本当のところの手ごたえなども含めまして御 指摘をいただければベストのお勧め案になるというようなことで、改めまして、暫定で あるということからぜひインプットをお願いしたいと思っております。 林委員長代理  ありがとうございました。4-1、4-2、そして4-3あたりで、何かお気づきの点 などありますでしょうか。 安部委員  きょうお示しいただきました暫定の評価につきましては、以前決めましたルールに基 づいて慎重に評価をしていただいたと思っております。  また、一般の相対的評価ができない例外についても、わからないものは高めに評価す るというのは、私は大変いいやり方ではないかと思います。  ただ、少し先走った話になるかもしれませんが、一つ一つの成分を医療用医薬品の情 報を用いて評価して、次に一般薬としての評価をするときに、一つ一つの成分では今回 の暫定評価のようになるけれども、それが製剤になったときにどう評価するか。成分が 複合されている、もしくは一つ一つの成分が非常に少量であったり、用量依存的に高い ものか低いものかというところを加味しないと、製品や製剤になったときの評価ができ ないといったところをこれからどうするかということは、この成分の評価表を利用し て、考えなければいけないところかというふうに感じました。 林委員長代理  それは成分の量的なものでしょうか。配合したときのバランスといいますか、量の問 題でしょうか。 安部委員  そうです。例えば医療用薬品では一般的に効能・効果を認められた1日量なり用量な りで、リスクなり副作用なりがあるわけですけれども、それが一般薬になったときに、 例えば医療用の3分の1の用量しか入っていないもので同じ評価をすべきかどうかとい うところは考えなければいけないでしょうし、また、一般用医薬品の場合は複合剤が多 いですから、例えば成分が4成分あった場合に、そのリスク分類はすべてを足し算する のかといったことも考えなければいけないかと思います。  というのは、私もオブザーバーとして部会に出席させていただきまして、一般的に、 薬剤師ですとか専門家ではない委員の方がその評価を見て、製品の持っているリスクの イメージと、成分ごとの足し算をしていったときのイメージが必ずしも一致しないもの もあるかと思います。そのあたりは考えなければいけないところかと思います。 林委員長代理  少し難しい問題ですが、事務局の方ではどう思われますか。 事務局  まず製品としての評価の話ですけれども、こちらは資料3で、以前に御意見をいただ いて決めました相対的リスクの評価方法についての4ページに、そのことについての言 及が一応ございます。相対的リスク評価における留意点の(5)としまして、製品として の相対的リスク評価については、成分ごとの評価結果のうち、もっとも上位の評価結果 とするということで、例えば複数成分が入っている場合には、各成分の評価で一番高い ものを拾ってくるということが、その製品としての評価になるのではないかというふう に考えております。  ただ、それはあくまで、例えば既存の製品であれば、認められている組み合わせ量の 範囲内ということだと思いますので、一律にどのような量でもというわけにはいかない と思いますが、基本的にはこれまでの範囲内でということかと思います。  また、量についてのお話もあったかと思いますけれども、基本的に今回のリスク評価 に当たりましては、適正使用下における状況だけではなく、誤使用や過量投与した場合 のリスクも一応勘案しようということで基本的な考えがあったかと思います。  ですので、例えば医療用に比べて一般用では量が少ない場合なども、もし過量に使っ た場合にはやはり同じような可能性があるのではないかという点が一つです。  もう一つは、例えばショックなどのように、量に依存しない副作用もあるだろうとい うことで、今回、そういった可能性があるリスクについては、こちらの作業で拾ったと いう理解でこういった作業を行っておりました。 林委員長代理  はい。安部委員、いかがでしょうか。 安部委員  私もそのことは大体理解していたつもりですが、一つ一つの製剤になったときに、難 しいのは、例えば(5)のところで、相対的リスクの中でもっとも上位の評価結果というと きに、複合成分で1、2、3という成分があって、例えば1番目の成分にはAAという 評価が多く、2番目の成分にはAAはないけれどもPPがあったというときに、どちら を上位にするかという難しさがあります。  それは、例えばPPであれば、販売時の確認ですとか、そういったことが非常に大切 になると思いますけれども、そういったところを、この評価をうまく使って、部会でイ メージしていただくためには少し説明が必要な部分もあるかというイメージです。  また、用量につきましては、おっしゃったように、少量でも有害作用や相互作用など があり得るわけですから、それはこの考え方でよろしいかと思います。 審査管理課長  今の御指摘の点は、事務局としましても、実際問題としまして、親委員会の方でのリ スクの考え方と関連してくる部分でございますけれども、そこは踏まえて、今後の作業 の中で対応していきたいと思います。 林委員長代理  わかりました。ここは非常に難しい問題かと思います。今後の大きな課題の一つかと 思います。ありがとうございました。  ほかに御意見はございますか。 望月委員  今の安部委員の御発言でも、最終的に暫定的な評価の基礎資料をどのように切り分け ていくかというところにつながっていくというお話が少し出ていましたが、そこでわか らないところが若干ありました。  資料3の5ページに、リスク評価の分類のイメージというものが出されていますが、 これも、それから前回に部会の方で提案された横型のものも含めて、AAの数、Aの 数、Bの数、あるいはPPの数という形で、数的な部分で整理をしていくイメージにな っています。  そのときに、同じAAでも、B欄、C欄、E欄のそれぞれでニュアンスが違うような 気がしております。そこをただ単にAAの数で整理をしていってよいものかどうかとい うことに若干疑問があります。  例えばB欄やE欄というのは、お買い求めになる前に御注意をいただかなくてはいけ ない部分、例えば相互作用というようなことで、今、何を飲んでいらっしゃるかという ことだと思います。  そして、E欄は患者様の背景ですから、持病は何があるか、あるいは妊婦さんや小児 に使う目的ではないだろうかというような形で、最初の段階のやりとりで必要になる注 意事項になる部分です。  C欄というのは、飲んだ後にこういったものが出てきたら注意をしてほしいというよ うなレベルの問題ですので、同じAAなどでも、少し色合いが違っているような気がし ますので、そのあたりを数的に整理ができるかどうかというのは悩ましいところかもし れないと思っています。 林委員長代理  これもまた難しい問題だと思いますが、どうですか。 事務局  当初の専門委員会の作業として、要するにリスクの順位づけ、ランクづけを行うとい うことで、最初のイメージをつかむためにこういった表をこれまでにお出ししてきたと ころです。  ただ、上の部会の方でも、これまでにこのようなリスク分類の話が若干進んでいまし て、例えば販売時の対応なども含めて、リスクの分類の方は、例えば前回の部会の結果 も若干御報告をさせていただきましたが、二つ、三つ、四つくらいの分類になるのでは ないかという話も出ているところですので、あるいはこちらのようにきっちりとランク づけをする必要はなく、二つなり四つなりというくらいの分類で、専門委員会の方から お示しすることでいかがかというふうには考えております。  その過程で、例えば同じAAであっても、相互作用、患者背景のように、事前に説明 しなければいけないものと、事後に出てくるものに対する注意喚起のような違いがある のではないかという望月委員の御意見なども考えながら、今後のリスク分類のところ で、どこで分けていくかといったことを考えていきたいと思います。 松本委員  今の望月委員の御指摘は非常に重要だと私も思います。特に部会の方で議論している のは、リスクに応じて情報提供をどのようにすべきか、説明をどのようにすべきかとい うことであって、情報提供、説明という場合に、お客、患者が購入の決定をするまでの 段階における説明、情報提供と、購入の決定をした後、当該医薬品を適正に使うために 必要な情報提供は少し次元が違うのではないかと思います。実際はそのあたりをきちん と区別せずに対応をされることが多いかもしれませんが、本来は2段階あるのではない かと思います。  そうしますと、先ほどの併用禁忌ですとか、患者の個人的な背景などは、購入決定を する前までに、その人にとってどの薬が最適か、あるいはこの薬が適切か適切ではない かという判断をさせるべきものですから、購入決定前に提供されるべき情報と、それに かかわる大きなリスクだろうということになります。しかし、その後の、たくさん服用 しすぎてはいけないということや、何か症状が出ればこちらへ連絡してくださいといっ たことは、薬自体は当該患者にとって適正に使えば有用なものだけれども、それでも何 かが起こった場合の話ということに恐らくなるので、それを具体的にどういう形で切り 分けて説明をさせる仕組みをつくっていくのか、そして、それぞれ、だれがどういう形 でやるべきなのかといった、部会の方で決めなくてはならないことと、今の御指摘の問 題は非常に密接に結びついていると思いますので、きちんと御審議をいただきたいと思 います。 林委員長代理  難しいと思いますけれども、今の件に関して何かコメントはございますか。 審査管理課長  今、松本委員から御指摘があった部分につきましては、恐らくそういう形で、親委員 会の議論とかなり関係してくると思います。したがいまして、一応まだ暫定評価という 案でございますけれども、いわゆるB、C、E、F、Gといった各欄のそれぞれに、評 価の結果をつけた形での評価という形で残してあるという形になっております。 林委員長代理  ありがとうございます。それではほかの点で何かございますか。 望月委員  今回のリスクの分類のこととは直接に関係がないかもしれませんけれども、これから の一般医用薬品のあり方ということに少し関係するかもしれないと思いますので申し上 げます。  今現在、一般用医薬品ということで承認基準が制定されているものは、その基準の中 で認められた成分について、その範囲内で配合して、製品化していくということが比較 的簡単にできます。新しい成分の場合には、スイッチにしても、ダイレクトOTCにし ても、いろいろな情報をつくっていくということになると思います。今現在認められて しまっている成分を、私が整理をしていた中で、これが本当に必要なものなのかという ことや、こういうものがOTCとしてある必要があるのかというように疑問に思ったも のが幾つかあります。  例えば、資料5の15ページにありますように、本当に効能があるのかどうかも私には よくわからないのですが、ちょうど網かけになっていて、恐らく医療用の医薬品に添付 文書がなかったものではないかと思いますけれども、このあたりの成分で、まさか私は 硝酸ストリキニーネがOTCの中に残っているとは全く思っておりませんでしたし、そ ういったことの見直しのようなことを今後御検討される余地はないのかどうかというこ とをお聞きしたいと思います。リスク評価の話とは全く違う話になって申しわけないの ですが、もし方向性がありましたら教えていただきたいと思います。 審査管理課長  御指摘の点につきましては、私どもの長いところの宿題でございまして、実際には昭 和42年に、それまで一本化されていました医薬品の承認制度が医療用と一般用に分かれ ました。それで医療用医薬品と一般用医薬品という形でずっとやってまいりまして、法 的な整備もされたわけでございますけれども、今回も先生方にこういう作業をお願いし ますときに、違和感をお持ちになるような成分があったということでございますけれど も、結局、その後、昭和55年の法整備なども受けまして、医療用と一般用を一応確立し た形でございます。それを受けて、新規のものにつきましては、それに基づいて承認基 準などをつくりましたし、その承認基準をもとに再評価の基準などもつくりまして、一 般用の再評価の方も進めてきてはいるのですが、そのあたりにいろいろな事情が重なり まして、まだ全部は終わっていないという形でございます。  そういう中で、昭和42年以降のいわゆる新しい一般用医薬品として認可を受けたもの だけを整理の対象にいたしますと、医療用でも一般用でもないというものも出てまいり ますので、この販売規制の段階では、現実には医療用以外のものということで販売され ているということであるならば、そのあたりを議論の対象にしないわけにもいかないと いうこともございまして、議論はしていただき、検討もしていただいているわけでござ いますけれども、ただ、リスクが高いものが多かったり、使用法が難しいものがあった りということもございます。そういった点につきましては、少し一般的な再評価の作業 といったようなものがまだ進んでいない部分もありますので、そこは今後も急ぎ対応し ていかなくてはいけないというふうに考えております。 林委員長代理  わかりました。ほかには何かございますか。 増山部会委員  これは前からお願いしていることですが、外箱に、リスクの程度評価の結果といいま すか、そういったものを何らかの形で表示してほしいというお願いをしてきまして、そ れについては何らかの形で反映しましょうという話にはなっているのですが、どういっ た形で表示するかということは、まだあまり詰められていないと思います。  私自身は、科学的ないろいろなデータをもとにリスク区分をしてきたというやり方 で、きちんと整合性があって、根拠に基づくものになるということはすごく整理されて よいと思います。ただ、リスクの回避の仕方というのは、必ずしも薬効成分だけについ て制限をするということだけではなく、今回、テーマになっている情報提供のあり方も そうですし、医薬品に対する副作用や、リスクについて教育の中できちんと理解をしな くてはいけないといった、いろいろな要素がこの中で検討されてきたと思います。  ですから、今、問題になっている、特に購入前に十分に留意しなければいけないとい うことは、消費者の側から見て非常に大切だと思います。どこをより留意しなくてはい けないかということは、この表を見るだけではわかりません。例えば、思いつくところ で言いますと、併用禁忌があり、絶対に飲みあわせができない薬があるという場合や、 あるいは子供には絶対に飲ませてはいけない薬というものを、最低でも服用の前に十分 に理解しておいた方がいい、注意喚起が必要だというものについても、外箱に、何らか の方法でわかるように記載をしていただくということも検討していただけるといいと思 いますが、いかがでしょうか。 林委員長代理  わかりました。事務局からいかがですか。 事務局  ありがとうございました。増山委員からは、部会の方でも何回かにわたって御意見を いただいておりまして、この御意見につきましては部会の委員の間でも共有されている と思います。これは部会と専門委員会との分担の問題かと思いますけれども、今、おっ しゃった点は、もちろんこちらの専門委員会での審議に反映していただく必要はありま すが、どういう表示の仕方をするかということについては、外箱表示で、例えば現在も 禁忌の事項は表示してあって、副作用は表示していないとか、さらに部会の方では色分 けをすべきであるというようなことも幾つかありましたし、さらに議論は必要だと思い ますけれども、そういった点を含めまして、表示のあり方をどうするかということ自体 は部会の審議事項だと思っております。  ただ、もちろんそういったことも念頭に置いて、リスク分類の作業を行っていただけ ればと考えております。 林委員長代理  よろしいですか。 増山部会委員  はい。 林委員長代理  ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。 望月委員  増山委員から表示のことを再三お聞きしていて、私も重要な事項だと思っています。  今回、AAとAとBとPとPPをどう整理していくかというときに、先ほどのお話に もありましたように、事前に御説明をして、使えない方、使える方を含めて必要な情報 というB欄とE欄の部分ですけれども、AとAAの違いというのは、例えば相互作用の 場合のAというのは、禁忌をAとしています。その禁忌の中で、さらに非常に重大な副 作用の発現等につながる組み合わせというものがAAになっています。  E欄の方では、いろいろな御病気に対しての禁忌があるのがAということで、特に人 口的に領域が広い、妊婦さん、あるいは小児、あるいは高齢者といった方々が対象にな っている場合はAAになっています。  ですから、部会で、三つや四つというような整理になったときに、例えば、AAが一 番、直接対面で、絶対に説明もしなければいけなくて、できれば文書もきちんとつける ということになったときに、Aのところの禁忌に当たるものとか、併用禁忌に当たるも のというのが、もしその次の分類になったとすると、やはりどこかに、飲んではいけな いということが外箱にきちんと表示されて、消費者の方が選ぶときに伝わるようになっ ていないと、まずいだろうと思ってはいます。  仮にそのようにしたことを想定した場合、今、ざっと見ると、Aというものが結構た くさんあります。実行可能性といいますか、実効性が上がるということで考えると、増 山委員がおっしゃっているような外箱表示ということで、そこがうまく消費者にきちん と伝わるような形というものがつくれるとよいのかもしれないという感じが今の時点で はしています。 林委員長代理  ありがとうございます。ほかにございますか。 溝口委員  一般的なことが議論されているところに突然細かいことで申しわけないのですが、こ の評価は、添付文書によって評価されたものだと思いますので、臨床医として少しコメ ントをさせていただいてよろしいでしょうか。 林委員長代理  お願いいたします。 溝口委員  資料5の25ページのウフェナマートとブフェキサマクが、非ステロイド系消炎剤、外 用剤として使うということで書かれていますが、右から二番目の効能・効果がQになっ ています。Qは評価が軽い方だと思いますけれども、実際にステロイドが悪者にされて から、非ステロイド系の抗炎症成分というものが外用に随分使われまして、特にアトピ ー性皮膚炎の人などに使われています。その中で、頻度はそれほど多くありませんけれ ども、かなりひどい接触皮膚炎を起こしますので、そういったことも考えて、この二つ のQの評価をPにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 林委員長代理  上から五つ目と六つ目の効能・効果の評価のQという評価をPにしてはどうかという 溝口委員のお話ですが、いかがですか。 審査管理課長  ありがとうございました。一応ここでの評価は、先ほど申し上げましたような手順に 従いまして、ある程度機械的にやってきたというところでございますので、そういう意 味では、溝口先生の御指摘のように、医療用の添付文書の内容を反映したという形にな っております。  そういう意味では、ステロイドと非ステロイド系の成分の差がかなり明瞭に出ている という形でございます。今後の作業の関係等もございますので、今の御指摘につきまし ては、この評価をどうするかということになりますと、全部についてもう一度見直すの かという話にもなりますので、今後の作業との関係も勘案いたしまして、この次に、リ スクの分類などで、親委員会もまだ開催されますので、そういった中で、今の御意見も 反映させるような形での対応を考えたいと思います。 林委員長代理  まだ暫定評価というふうに我々も思っておりますので、そういう御意見はどんどん出 していただいて構わないのでしょうか。 溝口委員  それでは今の件に関しては今後の問題というふうにとらえればよろしいですか。 審査管理課長  今後の作業におきまして、ただいまのような御指摘は反映させて作業をさせていただ くということでございます。評価を直接ということではございませんけれども、そうい うことでございます。 林委員長代理  わかりました。溝口先生、それでよろしいでしょうか。 溝口委員  はい。網かけの評価がない製品の、皮膚科関係のことに関しましては、事前にお話を いただいたので意見を述べさせていただいたのですが、きょう、皮膚科関係についてざ っと見ていて少し感じたことがありましたので申し上げました。今後の問題であれば結 構でございます。 林委員長代理  はい。ほかにもそういった御意見がございましたら、どんどん出していただいて構わ ないと思います。よろしくお願いいたします。  ほかに御意見がありましたらお願いいたします。 荻原委員  今まで我々は、リスクの分類を、主として成分を中心に行ってきたわけですけれど も、先ほど安部委員からも御発言がありましたように、成分だけで順位をつけてくる と、当然、複合剤になったときに、医療用の製剤でコンビネーション・テラピーという ものがあるように、例えばある薬を飲むと胃が荒れるので、胃の炎症を抑えるような薬 も一緒に飲むということは常識的に行われています。複合剤になりますと、実際にその 中でそういったことが行われ、それがポジティブにいく場合もありますし、ネガティブ にいく場合もあり、一つの成分でリスクがあると判断した場合に、実際に複合剤になっ た場合にはそうでもないような形になっていることもあるわけです。  ところが現状においては、今まで我々が決めたルールでリスクを判定していく場合に は、今まで発表された文献上の知識をきれいに整理して、このようなワークシートをつ くって我々が判定しましたので、この範囲内では自信を持っています。  ただ、これは将来的なことになりますけれども、私は漢方薬の研究をずっとやってき ましたが、漢方薬というのは個人個人の体質ということが一番重要なポイントですの で、今まで何ともなかったのに異常なアフィニティーを持つレスポンスを示す人が出て くる可能性も十分にあるわけです。そういうときの対応の仕方をバックアップする方法 を、次のステップとして我々は完璧にしておかなくてはいけないと思っております。  この委員会を通して私はあまりしゃべらなかったのですが、最終的には専門家がきち んと対面販売をして、ユーザーに説明をしながら医薬品を売る、そしてもし何か起きた ときにはそれに対応できるような知識を持った人が、いつもユーザーの目の届くところ にいるという体制をつくることが、医薬品の行政の上でもっとも重要なことだと思って います。  これは余分なことですが、今、薬科大学が倍近くにふえて、これから10年もたてば、 薬剤師が1.5倍から2倍ほどになるわけです。そうすると、そういうところで十分に対 応のできる専門家が育ってくるわけです。薬剤師と、薬剤師を初めとした専門家たち、 薬に対する知識を持った人たちの販売における責任を持った対応というのは、私は現状 よりももっともっと厳しくやってほしいと思います。そこさえきちんとしていれば、私 はあまり気になりません。 林委員長代理  わかりました。ありがとうございます。非常に難しい、最終的な結論の方向性だと思 いますけれども、もしコメントがあればお願いいたします。 審査管理課長  ありがとうございました。荻原先生の御意見もよく理解できますけれども、一方、現 状に対する批判の声もありました。そこで、リスクといったようなものをもとに、もう 少しきめ細かくやっていけないだろうかということで、リスクの評価をできるだけ客観 的にやっていこうというようなことで、リスクの評価をした上で、なおかつ販売の方法 でございますとか、そういったところにつきましては、先ほど企画官の方から説明があ りましたように、親委員会の方での話でございますけれども、そういったものを組み合 わせて、今後の新しい販売制度はどうあるべきかといった議論が進んでいるというふう に理解をしております。  現状の理解や、今までそれでどうだったのかというところも踏まえて議論もいたしま せんと、外に対しての説得力という部分もございますので、非常に難しいところではな いかというふうに思います。  先ほど、望月先生の御指摘の点で、松本先生が特に重要なポイントだと言われたよう なところも、今後の議論の中では非常に重要な点になってくるのではないかというふう に事務局の方も考えております。以上でございます。 林委員長代理  ありがとうございました。 荻原委員  実は我々はOTCの医薬品の議論をしているわけですが、医療用の方は、何かが起き てもケアできる医者が後ろについています。ですから、非常に無責任な言い方になりま すが、何かが起きても何とかしてしまいます。そういう意味ではOTCの方がはるかに 厳しいものがあると思います。薬局ですぐ買えるので簡単な薬だと思いがちですが、む しろそちらの方が、問題が起きたときに怖いという気がしています。規制緩和のもとに どんどんオープンにされていくことについては非常に疑問を持っています。  余計な話ですけれども、きのうかきょうの新聞で、アガリクスの問題が紙面をにぎわ していました。あれは医薬品ではないので、問題ではないですが、要するに、やはり言 い過ぎることになるのでやめておきます。 林委員長代理  先生のおっしゃることはよくわかります。それではリスクのことについて、ほかに御 意見はいかがですか。 溝口委員  私は皮膚科医ですので、外用のことばかり申し上げて申しわけありませんけれども、 先ほど安部委員から、一般医用薬品になるといろいろな薬が併用されるというお話があ りましたけれども、それに関しましては外用薬も同じでございまして、医療用の外用薬 では考えられないくらい、いろいろなものがたくさん含まれております。  伺いたいのは、こういった外用薬の成分で、評価結果を見ますと、内服と外用と書い てありまして、これは当然で結構なことだと思いますけれども、こういった外用の成分 というのは、外用薬にするときに、これ以上の濃度を超えてはいけないといった縛りが あるのでしょうか。  また、尿素軟こうが入りますと、角質が軟化されまして、尿素の成分が入りますと吸 収がものすごくよくなるのですが、そういったものを含むときの規定や縛りがあるかど うかといった2点を伺いたいと思います。  それによってまた評価を変えなくてはいけないというふうに考えております。 林委員長代理  整理しますと、外用薬に量的な制限があるかどうかということと、尿素が入ります と、皮膚が変化して吸収がよくなるということですか。 溝口委員  そうです。例えば、資料4-3の17ページですけれども、同じアミノ安息香酸エチル でも、用途によって、副作用がBとAAというようにまるで違っております。同じアミ ノ安息香酸エチルでも、歯痛・歯槽膿漏用薬になりますと、パーセントがものすごく高 くなりまして、20%くらいになります。痔疾用ですと0.1から0.2%くらいだと思います けれども、そういったことも反映して添付文書がAAになっていたのだと思いますが、 これについては少しコメントをさせていただき、今までの経験も含めて、また子供が使 わないというようなことでAにしていただきました。こういったこともありますし、濃 度、または吸収が変わるということがリスクにつながる可能性がありますので、先ほど 伺った二つの点に関して、縛りがあるかどうかということを伺いたいと思います。 林委員長代理  はい。事務局からお願いいたします。 審査管理課長  先ほど御説明いたしましたように、一般用医薬品につきましては、順次承認基準とい うようなものを定めてきておりますけれども、承認基準がないものにつきましては、基 本的には前例の範囲内、それに、いわゆる先ほどお話がございました尿素のようなもの が、主薬ではなく佐薬というような形で配合される場合も、一応前例や配合量の根拠と いったものにつきましては、承認審査の時点で一応チェックしているという形になって おります。  ただ、一般的には、アミノ安息香酸エチルや尿素といった成分になりますと、ある程 度の低い濃度であれば、部外品や化粧品といったものにも配合されている成分ではあり ますので、経験的にはかなり安全性は高いと理解されているものと考えております。 林委員長代理  わかりました。ほかに御意見はございますか。 安部委員  先ほど少し話をさせていただいたことについて、再確認をさせていただきたいと思い ます。先ほど、事務局の方から、成分量が少な目であっても、長期連用といったこと で、副作用、有害作用が起こる可能性があるので、そこを広めに評価するというお話が ありましたけれども、私はその考え方は非常にいい考え方だと思いますが、一つ確認を させていただきたいと思います。  資料3の4ページの(4)を読んでみますと、製品としての相対的リスク評価に影響を 及ぼさないと考える成分については、当該成分の評価は行わないと書いてあります。例 えば、配合剤の中で、非常に微量の、主薬ではないプラスアルファの成分で、例えば医 薬部外品にも含まれるような成分だったとすると、その場合、例えば医薬品として主薬 になる場合にはリスクの評価に値するけれども、佐薬であって、量が極めて少なく、医 薬部外品程度の量しか入っていない場合には評価に入れないというふうに読んでよろし いのですか。  ここでは成分のことだけが書いてあり、用量については書いてないのですが、影響を 及ぼさないと考える成分というのは、用量を踏まえた評価ということで考えてよろしい ですか。 事務局  まず資料3の(4)の記載ですが、要はワークシートに掲げた成分の中で、今回のよう な相対評価をつくるときに、こういうことも一応考えられるのではないかという文章か と思っております。今回のこの作業では、ワークシートに挙げた成分はすべて相対評価 の方に反映しましたので、個別成分の評価という意味では、この文章は気にせずに、一 応すべて評価をしたということになっております。  最終的に、それを製品としての評価のときにどう反映するかというときには、最初に 申しましたように、成分の特性としてあり得るリスクというものもあると思いますの で、基本的には評価としては使うだろうと思いますけれども、今、安部委員の方からお 話がありましたように、既に医薬部外品として認められている成分そのもの、あるいは 分量の範囲内については、リスク評価の方には反映しないということはもちろんあり得 る話だと思います。 安部委員  ありがとうございました。そこのところを少し評価しておかないと、同じ成分であり ながら一般用医薬品では非常にリスクが高い成分、例えば脂溶性関連のビタミンですと か、先ほどの銅クロロフィンナトリウムなど、部外品に入っているようなものとの整合 性が若干取れなくなる可能性があるかと思って発言をいたしました。以上です。 林委員長代理  わかりました。ほかにはいかがですか。 望月委員  今の議論が少し気になりました。当然、部外品、化粧品に配合するとなると、それな りの安全性を担保された形で整理をされていると思っていますので、基本的な議論とし ましては問題がないかと思いますけれども、部外品だから云々という整理の仕方は今回 のリスク評価の基本からは少し離れてしまうかと思いますし、それが少し気になりま す。  例えば外用剤にメントールが入っていた場合、それは薬効を示すほどの量として、目 的があって配合されているのかというと、清涼感くらいの目的はあるかもしれないけれ ども、どちらかというと、私たちの専門用語でいう佐薬という部分になるだろうと思い ます。  そういった視点で整理をしていくということはいいと思いますが、部外品に入ってい る成分で、その程度の濃度だから整理からは外しましょうというような整理の仕方は、 今回のリスク評価の原理原則からは外れていくのではないかと私は思いますが、いかが ですか。 事務局  少し簡単に説明をし過ぎましたけれども、評価の基本につきましては望月委員のおっ しゃるとおりでございまして、申し上げたかったこととしましては、そうは言っても部 外品に配合されている成分は、それなりの根拠があってそうなっているので、結果的 に、最終的にはそのあたりとの不整合というようなものがない形になることが、こうい うリスク評価の作業の後の完成系としては望まれるといいますか、その程度のコメント でございます。 林委員長代理  これは今後のいろいろな課題の一つだと思います。  時間も詰まってまいりましたが、ほかに何かございましたらお願いいたします。  特に御意見がないようでしたら、私の方から申し上げることも大体このくらいかと思 いますので、本日の審議はここまでとさせていただきます。  それでは今後の予定等について、事務局からお願いいたします。 事務局  次回は第11回になりますけれども、17日月曜日の10時からの開催を予定しております ので、よろしくお願いいたします。  次回は、先ほど資料4-1で少しお話をしましたけれども、まず、ワークシートには なかった、漢方・生薬製剤、あるいは殺虫薬、検査薬の評価の考え方についてお示しす る予定でございます。  あわせまして、上の部会の方でも幾つかに分類するという話が出てきているところで すので、そういった議論も踏まえながら、今回行った評価結果に基づいて分類するとい うところの事務局案をお示しいたしたいと思います。それについて御意見をいただけれ ばと思っております。よろしくお願いいたします。 林委員長代理  どうもありがとうございました。次回の開催場所などは決まっておりますか。 事務局  後ほど御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。 林委員長代理  わかりました。それではありがとうございました。今回は資料がぎりぎりになりまし たけれども、次回は事前配布というところまでできますか。 事務局  次回は事前にお送りできるように努力したいと思います。よろしくお願いいたしま す。今回は申しわけありませんでした。 林委員長代理  ありがとうございます。  それでは、これをもちまして本日の専門委員会を終了させていただきます。皆様方の 御協力に感謝いたします。どうもありがとうございました。                                       了                        (照会先)                        厚生労働省医薬食品局審査管理課                         TEL:03-5253-1111(代表)                         担当:紀平(2738)、山脇(2743)