参考資料



経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005
(平成17年6月21日閣議決定)


(抜粋)


第3章  新しい躍動の時代を実現するための取り組み−少子高齢化とグローバル化を乗り切る−

3.持続的な社会保障制度の構築

(社会保障の一体的見直し)
 「基本方針2004」を踏まえ、引き続き社会保障の一体的見直しを推進するとともに、年金についても平成16年度改革において明記された道筋に沿って引き続き改革を進める。

(持続可能性を確保するための過大な伸びの抑制策)
 超高齢社会にあっては、社会保障制度が持続可能であることは国民生活にとって不可欠なことであり、社会保障給付費を今後考える上で「国民の安心」、「持続可能性」という観点は最重要である。そのためには、日本の経済規模とその動向に留意しなければならないと同時に、過大・不必要な伸びを具体的に厳しく抑制しなければならない。
 この観点から、以下の取組を行う。

(1) 社会保障給付費の伸びについて、特に伸びの著しい医療を念頭に、医療費適正化の実質的な成果を目指す政策目標を設定し、定期的にその達成状況をあらゆる観点から検証した上で、達成のための必要な措置を講ずることとする。上記目標については、国民が受容しうる負担水準、人口高齢化、地域での取組、医療の特性等を踏まえ、具体的な措置の内容とあわせて平成17年中に結論を得る。その上で、平成18年度医療制度改革を断行する。
(2) 上記目標を達成するために、これまでの施策の効果を検証しつつ、総合的に直ちに取り組む。
(3) 平成18年度の医療制度改革においては、保険給付の内容について、相当性・妥当性などの観点から幅広く検討を行う。また、診療報酬・薬価改定は、近年の賃金・物価の動向や経済・財政とのバランス等を踏まえ検討する。

 また、医療制度改革については、「基本方針2001」以降閣議決定された事項について、その完全実施の工程を策定し、取り組む。


1 「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」(平成13年6月26日閣議決定)
2 「医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針」(平成15年3月28日閣議決定)


(社会保険庁改革)
 社会保険庁改革について、以下の対応を行う。

(1) 現行の社会保険庁を存続することなく、政管健保については、その運営を国から切り離し、全国単位の公法人を設立する方向とし、公的年金については、組織、機能等について抜本的に改革を行った新たな政府組織による運営とする。
(2) 具体的には、市場化テストの実施等外部委託の拡大による大幅な人員削減、民間企業的な人事・処遇の導入、地方組織の抜本的見直し、意思決定の場や監査部門への外部専門家の参画や外部民間による監査を実現する。
(3) 新組織の名称・法令上の位置付け等、より具体的な姿を平成17年中に決定し、関連法案を次期通常国会に提出するとともに、新組織の発足後も、収納率等の状況を総合的に評価し、組織形態を含め全般を見直しながら、継続的に改革を進める。

(中医協改革)
 中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)について、「中医協の在り方に関する有識者会議」の議論を踏まえ、以下の方向を始めとする改革を行う。

(1) 公益機能を強化し、病院等多様な医療関係者の意見を審議に反映させるため、公益委員の人数など委員構成を見直す。
(2) 診療報酬改定に係る基本的な医療政策の審議は厚生労働大臣の下における他の諮問機関にゆだねた上で、中医協はこの基本的な医療政策や内閣において決められた改定率を前提として個別診療報酬点数の改正案を審議することとし、その機能・役割を明確化する。
(3) 診療報酬改定の結果を検証する機能を公益委員に担わせる。

(健康・介護予防等の推進)
 「基本方針2004」に基づき、「健康寿命」の延伸を目指し、「健康フロンティア戦略」の本格化、がん対策・ライフサイエンス研究の推進を図る。また、治験環境の充実、承認審査の迅速化など医薬品・医療機器産業の国際競争力の強化を図るとともに、後発医薬品市場の育成を図る。



健康保険法等の一部を改正する法律附則
 第2条第2項の規定に基づく基本方針


(医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針について)

(平成15年3月28日閣議決定)

第1  はじめに

 昨年7月に成立した健康保険法等の一部を改正する法律(平成14年法律第102号。以下「改正法」という。)附則第2条第2項において、政府は、

(1) 保険者の統合及び再編を含む医療保険制度の体系の在り方
(2) 新しい高齢者医療制度の創設
(3) 診療報酬の体系の見直し

に関する基本方針を平成14年度中に策定することとされたところである。

 この「基本方針」は、医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する今後の改革の基本的な方向を示すものであり、政府としては、この「基本方針」に基づき、今後、具体的な改革の内容を検討していくこととする。


第2  医療保険制度体系

 基本的な考え方

(1) 安定的で持続可能な医療保険制度の構築

 人口構成、就業構造等の構造変化に柔軟に対応し、経済・財政とも均衡のとれた、安定的で持続可能な医療保険制度を構築し、将来にわたり国民皆保険制度を堅持する。

(2) 給付の平等・負担の公平

 保険者の自立性・自主性を尊重した上で、医療保険制度を通じた給付の平等、負担の公平を図り、医療保険制度の一元化を目指す。

(3) 良質かつ効率的な医療の確保

 保険者、医療機関、地方公共団体等の関係者が連携して、地域の住民に対して質の高い効率的な医療を提供できるような取組を推進する。


 保険者の再編・統合

(1) 基本的な方向

 被用者保険、国保それぞれについて、各保険者の歴史的経緯や実績を十分尊重しながら、保険者の財政基盤の安定を図るとともに、保険者としての機能を発揮しやすくするため、再編・統合を推進する。

 再編・統合を進めるに当たっては、

(1) 保険者として安定的な運営ができる規模が必要であること
(2) 各都道府県において医療計画が策定されていること
(3) 医療サービスはおおむね都道府県の中で提供されている実態があること

を考慮し、都道府県単位を軸とした保険運営について検討する。

(2) 具体的な方向

 (1)  保険者ごとの再編・統合の方向

 国保

 市町村国保については、「市町村合併特例法」の期間中は、市町村合併の推進や事業の共同化等により、保険運営の広域化を図る。
 さらに、国、都道府県及び市町村の役割を明確にした上で、都道府県と市町村が連携しつつ、保険者の再編・統合を計画的に進め、広域連合等の活用により、都道府県においてより安定した保険運営を目指す。なお、被保険者管理や保険料徴収等の事務については引き続き住民に身近な市町村において実施する。

 また、低所得者を多く抱える市町村国保の保険運営の安定化を図りつつ、財政調整交付金の配分方法の見直しや都道府県の役割の強化を図る。

 国保組合については、市町村国保の補完的役割を果たしているが、職域保険と地域保険という観点から、その在り方について検討するとともに、小規模・財政窮迫組合の再編・統合に資するよう、規制緩和を進める。
 また、市町村国保との財政力の均衡を図る観点から、国庫助成の在り方について見直しを行う。

 政管健保

 政管健保については、事業運営の効率性等を考慮しつつ、財政運営は、基本的には、都道府県を単位としたものとする。

 都道府県別の年齢構成や所得について調整を行った上で、保険料率の設定を行う仕組みとし、国庫補助の配分方法の見直しや、被保険者等の意見を反映した自主性・自律性のある保険運営が行われるような仕組みについて検討する。

 こうした取組を通じ、各都道府県単位で政管健保の健全な財政運営が確保され、被保険者の適切な負担の下で、地域の実情に応じた医療サービスが保障される姿を目指す。

 引き続き、政管健保の組織形態等の在り方について検討する。

 健保組合等

 健保組合については、小規模・財政窮迫組合の再編・統合に資するよう規制緩和等を進めるとともに、再編・統合の新たな受け皿としての都道府県単位の地域型健保組合の設立を認める。

 全国展開の健保組合や都道府県単位の健保組合で、健全かつ安定的な運営が確保されているものについては、引き続き、自主性・自律性のある保険運営を行うものとする。

 共済組合については、その自立性を尊重しつつ、保険者としての運営の在り方を検討する。

 (2)  地域における取組

 地域の実情を踏まえた取組

 保険者、医療機関、地方公共団体等の関係者が、都道府県単位で連携して地域の住民に対し質の高い効率的な医療を提供できるような取組を推進する。

 保険者・医療機関・地方公共団体が協議する場を設け、医療の地域特性の調査・分析・評価を行うとともに、医療計画、介護保険事業支援計画及び健康増進計画との整合性を図りつつ、医療費の適正化に向けて取り組むための計画を策定する。

 当該計画の実施に当たり、住民の健康づくりや適切な受診、病床の機能に応じた効率的な利用の促進等地域における取組に関し、国と都道府県の間で協議・検討を行い、必要な措置を講ずる。

 医療の地域特性に起因して生ずる医療費の地域差部分については、地域における適正化努力を促すような仕組みを導入する。

 保険者による取組

 再編された保険者は、レセプト点検等の取組を更に強化するとともに、被保険者相談、地域の医療サービス等に関する情報提供、きめ細かな保健事業について都道府県単位で共同実施を推進する。


 高齢者医療制度

(1) 基本的な方向

 個人の自立を基本とした社会連帯による相互扶助の仕組みである社会保険方式を維持する。

 年金制度の支給開始年齢や介護保険制度の対象年齢との整合性を考慮し、また、一人当たり医療費が高く、国保、被用者保険の制度間で偏在の大きいことから、65歳以上の者を対象とし、75歳以上の後期高齢者と65歳以上75歳未満の前期高齢者のそれぞれの特性に応じた新たな制度とする。

 これに伴い、老人保健制度及び退職者医療制度は廃止し、医療保険給付全体における公費の割合を維持しつつ、世代間・保険者間の保険料負担の公平化及び制度運営に責任を有する主体の明確化を図る。

 現役世代の負担が過重なものとならないよう、増大する高齢者の医療費の適正化を図る。

 この方向に沿った(2)のような制度の骨格を基本とし、今後、これを軸として検討を更に深める。

(2) 具体的な方向

 後期高齢者については、加入者の保険料、国保及び被用者保険からの支援並びに公費により賄う新たな制度に加入する。
 新たな制度の保険者については、後期高齢者の地域を基盤とした生活実態や安定的な保険運営の確保、保険者の再編・統合の進展の状況等を考慮する。
 なお、国保及び被用者保険からの支援については、別建ての社会連帯的な保険料により賄う。

 前期高齢者については、国保又は被用者保険に加入することとするが、制度間の前期高齢者の偏在による医療費負担の不均衡を調整し、制度の安定性と公平性を確保する。その際、給付の在り方等についても検討する。

 高齢者については、現役世代との均衡を考慮した適切な保険料負担を求める。

 後期高齢者に公費を重点化するという改正法の考え方を維持する。

 高齢者について、医療給付と介護給付が適切かつ効率的に提供されるようにするとともに、自己負担の合算額が著しく高額になる場合の負担の軽減を図る仕組みを設ける。

 高齢者の一人当たり医療費が現役世代と均衡のとれたものとなるよう、国、都道府県、地域の関係者等の取組を一層推進するとともに、保健、医療、介護等の連携による各サービスの効率化等を進め、医療費の適正化を図る。



第3  診療報酬体系

 基本的な考え方

 診療報酬体系については、少子高齢化の進展や疾病構造の変化、医療技術の進歩等を踏まえ、社会保障として必要かつ十分な医療を確保しつつ、患者の視点から質が高く最適の医療が効率的に提供されるよう、必要な見直しを進める。
 その際、診療報酬の評価に係る基準・尺度の明確化を図り、国民に分かりやすい体系とする。


 基本的な方向

 診療報酬体系については、(1)医療技術の適正な評価(ドクターフィー的要素)、(2)医療機関のコストや機能等を適切に反映した総合的な評価(ホスピタルフィー的要素)、(3)患者の視点の重視等の基本的な考え方に立って見直しを進める。


 具体的な方向

(1) 医療技術の適正な評価

 医療技術については、出来高払いを基本とし、医療従事者の専門性やチーム医療にも配慮しつつ、難易度、時間、技術力等を踏まえた評価を進める。そのために必要な調査・分析を進める。

 高脂血症、高血圧、糖尿病等の生活習慣病等の重症化予防を重視する観点から、栄養・生活指導、重症化予防等の評価を進める。

 医療技術の進歩や治療結果等を踏まえ、新規技術の適切な導入等が図られるよう、医療技術の評価、再評価を進める。

(2) 医療機関のコスト等の適切な反映

 入院医療について必要な人員配置を確保しつつ、医療機関の運営や施設に関するコスト等に関する調査・分析を進め、疾病の特性や重症度、看護の必要度等を反映した評価を進めるとともに、医療機関等の機能の適正な評価を進める。

 (1)  疾病の特性等に応じた評価

 急性期入院医療については、平成15年度より特定機能病院について包括評価を実施する。また、その影響を検証しつつ、出来高払いとの適切な組合せの下に、疾病の特性及び重症度を反映した包括評価の実施に向けて検討を進める。

 慢性期入院医療については、病態、日常生活動作能力(ADL)、看護の必要度等に応じた包括評価を進めるとともに、介護保険との役割分担の明確化を図る。

 回復期リハビリテーション、救急医療、小児医療、精神医療、在宅医療、終末期医療等について、医療の特性、患者の心身の特性、生活の質の重視等を踏まえた適切な評価を進める。

 (2)  医療機関等の機能に応じた評価

 入院医療については、臨床研修機能、専門的医療、地域医療支援機能等の医療機関の機能及び入院期間等に着目した評価を進める。

 外来医療については、大病院における専門的な診療機能や紹介・逆紹介機能等を重視した評価を行うとともに、診療所及び中小病院等における初期診療、かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬剤師の機能、訪問看護、在宅医療等のプライマリケア機能等を重視した見直しを進める。

(3) 患者の視点の重視

 (1) 情報提供の推進

 医療機関の施設基準や機能等に関する情報、診療・看護計画等の情報の提供を進める。

 (2) 患者による選択の重視

 患者ニーズの多様化や医療技術の高度化を踏まえ、特定療養費制度の見直しを行う等患者の選択によるサービスの拡充を図る。

(4) その他

 (1)  歯科診療報酬

 上記のほか、口腔(くう)機能の維持・増進の観点から、歯科診療所と病院歯科における機能や連携に応じた評価、う蝕(しょく)や歯周疾患等の重症化予防、地域医療との連携を重視した在宅歯科医療等の評価を進める。

 (2)  調剤報酬

 上記のほか、医薬品の適正使用の観点から、情報提供や患者の服薬管理の適正な推進等保険薬局の役割を踏まえた評価を進める。

 (3)  薬価・医療材料価格制度等

 薬価算定ルールの見直しについて検討を行う。

 画期的新薬について適切な評価を推進するとともに、後発品の使用促進のための環境整備を図る。

 医薬品等に係る保険適用及び負担の在り方について検討を行う。

 医療材料価格について、引き続き、内外価格差の是正を進める。

 医薬品、医療材料、検査等について、市場実勢価格を踏まえた適正な評価を進める。


第4  改革の手順・時期

 この基本方針に基づく医療保険制度体系に関する改革については、平成20年度に向けて実現を目指す。法律改正を伴わずに実施可能なものについては逐次実施に移すものとし、法律改正を伴うものについては、概ね2年後を目途に順次制度改正に着手する。
 診療報酬体系に関する改革については、次期診療報酬改定より、逐次、実施を図る。

 この基本方針に基づく検討に当たっては、社会経済情勢の変化、医療保険及び国・地方の財政状況の推移等を十分に勘案するとともに、地方公共団体、保険者、医療関係者等を含め広く国民の意見を聴いた上で具体的な内容をとりまとめるものとする。
 また、医療保険制度の改革に当たっては、年金制度、介護保険制度等の関連する社会保障制度の改革や政府の経済財政運営の方針との整合性を確保するとともに、その実施に当たっては、現行制度から新制度への円滑な移行がなされるよう十分に配慮するものとする。

 この基本方針のほか、先般の改正法附則第2条に規定されている医療及び医療に要する費用に関する情報の収集、分析等の体制の整備、保険給付の内容及び範囲の在り方等の課題についても引き続き検討を行い、医療制度の改革を総合的に推進するものとする。



医療費の動向

我が国の国民医療費は国民所得を上回る伸びを示している。
特に老人医療費の伸びが著しい。

医療費の動向の図
国民医療費等の対前年度伸び率(%)
  60 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
国民医療費 6.1 3.8 5.9 4.5 5.6 1.6 2.3 3.8 ▲1.8 3.2 ▲0.5 1.9
老人医療費 12.7 7.4 9.5 9.3 9.1 5.7 6.0 8.4 ▲5.1 4.1 0.6 ▲0.7
国民所得 7.4 ▲0.1 1.4 0.1 3.3 1.2 ▲3.1 ▲1.6 1.5 ▲2.8 ▲1.7 1.8
注: 国民所得は、内閣府発表の国民経済計算(2004年12月発表)による



OECD加盟国の医療費の状況(2002年)

OECD加盟国の医療費の状況(2002年)の図 OECD加盟国の医療費の状況(2002年)の図
出典:OECD「HEALTH DATA 2005」
注1) トルコは2000年データ
注2) 上記各項目の順位は、OECD加入国間におけるもの
注3) 医療費については、現地通貨で発表の統計数値を該当する年の年間平均為替レートで換算



医療費増加の構図

医療費の増加
医療費増加の構図



生活習慣病の医療費と死亡数割合

生活習慣病は、国民医療費の約3割を占め、死亡数割合では約6割を占める。

医療費(平成15年度) 死因別死亡割合(平成15年)
生活習慣病・・・10.2兆円 生活習慣病・・・61.1%
医療費(平成15年度)の図 死因別死亡割合(平成15年度)の図
(注) 国民医療費(平成15年度)、わが国の慢性透析療法の現況(2003年12月31日)等により作成
  (注) 人口動態統計(平成15年)により作成



年齢階級別受療率(主として生活習慣病に分類される疾患について)

外来のグラフ
入院のグラフ
(注) 「患者調査」(平成14年)により作成



生活習慣病の現状

肥満者の生活習慣病の重複の状況(粗い推計)
 肥満に加え、糖尿病、高血圧症、高脂血症が・・・
生活習慣病の現状の図



生活習慣病とはの図
「不健康な生活習慣」の継続により、「予備群(境界領域期)」→「内臓脂肪型肥満に起因する生活習慣病」→「重症化・合併症」→「生活機能の低下・要介護状態」へと段階的に進行していく。
どの段階でも、生活習慣を改善することで進行を抑えることができる。
とりわけ、境界領域期での生活習慣の改善が、生涯にわたって生活の質(QOL)を維持する上で重要である。



生活習慣病の発症・重症化予防
生活習慣病の発症・重症化予防の図



(参考)糖尿病関連データ

(1)糖尿病有病者数 (2)慢性透析患者数
糖尿病有病者数のグラフ 慢性透析患者数のグラフ
出典)厚生労働省「糖尿病実態調査」 出典)日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況」

(3)糖尿病医療費
糖尿病医療費のグラフ
出典)厚生労働省「国民医療費」



政府管掌健康保険における健診・医療費データの分析結果

健診結果と医療費の関係
糖尿病患者と健診・医療費の関係
健診結果と医療費の関係の図 糖尿病患者と健診・医療費の関係の図
出典: 「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究報告書」(医療経済研究機構)



生活習慣病対策の現状と今後の方向

基本的な考え方
生活習慣病対策の要点は、高血糖、高血圧、高脂血及び内臓脂肪型肥満といった「生活習慣病危険因子」の保有者(生活習慣病の予備群)を減らすこと。
そのために、有効な取組は、
(1) 生活習慣病危険因子の保有者を健診によって効率的に抽出すること
(2) 抽出された者に対し、保健指導を確実に提供し、本人の自主的な行動変容に結びつけること。
これらの一連の取組によって、
生活習慣病危険因子保有者の割合が減少し、
糖尿病、高血圧症、高脂血症等の疾患及びこれらが重症化した結果引き起こされる心疾患や脳血管疾患の発症が抑えられ、
健康寿命の延伸と医療費の伸びの抑制に至ると考えられる。
現状
健診や保健指導等の保健事業については、医療保険者と市町村(老人保健事業)との間で責任・役割分担が不明確。(特に、被扶養者、自営業者等)
こうしたことから、
(1) 個人ごとの健診の受診状況が把握されていない、
(2) 健診を受けても事後の保健指導につながっていない、
(3) 健診結果等のデータが活かされていない
という状況にある。

健診受診率(平16年国民生活基礎調査)
 20歳以上  60.4%
  男性  65.9%
  女性  55.3%
今後の施策の方向
今後は、保健事業のうち、「生活習慣病危険因子」の減少に資する健診及び保健指導(個別健康支援プログラム)については、医療保険者が計画的に事業展開を進めるなど、取組強化を図る。
 その際、確実に保健指導につなげるとともに、事業改善のための基礎資料等とするために、データの管理及び評価についても、位置付けを明確化する。

各医療保険者、市町村等の関係者間の調整や連携を図るため、都道府県の役割を重視し、健康増進法に基づく都道府県健康増進計画の内容を充実する。



健やか生活習慣国民運動推進会議(仮称)の設置について

 趣旨
 生活習慣病は、今や健康長寿の最大の阻害要因となるだけでなく、国民医療費にも大きな影響を与えている。
 その多くは、不健全な生活の積み重ねによって内臓脂肪型肥満となり、これが原因となって引き起こされるものであるが、これは、個人が日常生活の中での適度な運動、バランスのとれた食生活、禁煙を実践することによって、予防をすることができるものである。
 また、こうしたよい生活習慣の積み重ねは高齢期においても、できる限り元気に過ごすという「介護予防」にもつながるものであり、運動器の機能向上や低栄養状態の改善などを通じた生活機能の維持・向上にも資するものである。
 このため、今後は運動習慣の定着、食生活の改善、そして禁煙を柱とする「生活習慣病予防」及び「介護予防」の取組が、食育とも連携しながら地域及び職域等において活発に展開されることにより、健やかな生活習慣は気持ちがいいことを一人一人が実感し、国民の生活文化として定着することを目指す国民運動を展開していく必要がある。
 そこで、各界各層の幅広い理解と協力を得ながら、“健やか生活習慣国民運動”を展開していくための方策を検討するため、広く関係者の参画を得て、健やか生活習慣国民運動推進会議(仮称)を設置する。
 そのため、まず、所要の準備会議を設置する。

 今後の進め方(案)
今後の進め方(案)の図



平均在院日数の国際比較(時系列)

平均在院日数の国際比較(時系列)の表
出所 OECD Health Data 2005による。
(注1) 対象病床は以下の通り
日本 全病院の病床
アメリカ American Hospital Associationに登録されている全病院の病床
イギリス NHSの全病床(長期病床は除く)
ドイツ 急性期病床、精神病床、予防治療施設及びリハビリ施設の病床(ナーシングホームの病床を除く)
フランス 急性期病床、長期病床、精神病床、その他の病床



医療提供体制の各国比較(2003年)

医療提供体制の各国比較(2003年)の表
(出典) 病床百床当たり医師数、病床百床当たり看護職員数:「OECD Health Data 2002」
平均在院日数、人口千人当たり病床数、人口千人当たり医師数、人口千人当たり看護職員数:「OECD Health Data 2005」



医療施設数・病床数

平成16年10月1日現在
医療施設数・病床数の図
資料:『平成16年医療施設動態調査・病院報告』



1人当たり老人医療費の診療種別内訳(全国平均との差)
〜平成15年度〜

1人当たり老人医療費は、最大(福岡県)と最小(長野県)で約30万円(約1.5倍)の格差が存在しており、都道府県格差の約7割は入院医療費が寄与している。

グラフ



人口10万対病床数と1人当たり老人医療費(入院)の相関

人口10万対病床数と1人当たり老人医療費(入院)の相関のグラフ
人口10万対病床数(介護療養型医療施設を除く)

病床数は、病院の病床数と一般診療所の病床数の合計から、介護療養型医療施設の病床数を減じたものである。
資料出所 保険局調査課調べ(厚生労働省官房統計情報部「医療施設調査」、「介護サービス施設・事業所調査」(平成15年)、厚生労働省保険局「老人医療事業年報」(平成15年度)より作成)



平均在院日数と1人当たり老人医療費(入院)の相関

平均在院日数と1人当たり老人医療費(入院)の相関のグラフ
資料出所 保険局調査課調べ(厚生労働省大臣官房統計情報部「平成15年病院報告」、厚生労働省保険局「老人医療事業年報」(平成15年度)より作成)



医療機関における死亡割合の年次推移

医療機関において死亡する者の割合は年々増加しており、昭和51年に自宅で死亡する者の割合を
上回り、更に近年では8割を超える水準となっている。
医療機関における死亡割合の年次推移のグラフ
資料 「人口動態統計」(厚生労働省大臣官房統計情報部)



熊本市内使用されている「医療連携クリティカルパス(連携パス)」について

(1) 連携パスの基本構造
疾患別に診療ネットワークを形成し、連携パスの共通様式を作成の上、使用する。
連携パスの基本構造の図
 (注) さらに、外来医療との連携も視野に入れた連携パスも今後の検討課題。

(2) 現在使用されている連携パス
現在使用されている連携パスの図
 
(3) 大腿骨頸部骨折(人工骨頭置換術、骨接合術)における連携パスの導入効果

 (1) 急性期病院における平均在院日数の変化
急性期病院における平均在院日数の変化の表
 (2) 連携先病院(ある回復期リハビリテーション施設)における平均在院日数の変化
連携先病院(ある回復期リハビリテーション施設)における平均在院日数の変化の表



医療と介護の機能分担・連携について(尾道市の例)

高齢の長期フォローアップとケアカンファレンスの継続
主治医とケアマネジャーがケアカンファレンスに参加

図
(注)尾道市医師会作成資料を基に厚生労働省にて作成



医療計画制度の見直し等による地域の医療機能の分化・連携の推進

基本的な考え方
 医療計画制度の見直し等を通じた適切な機能分化・連携により、急性期から回復期を経て在宅療養への切れ目のない医療の流れを作り、患者が早く自宅に戻れるようにすることで、患者のQOLを高め、また、トータルな治療期間(在院日数を含む。)が短くなる仕組みをつくる。
現状
(1) 地域の医療提供体制の現状や将来の姿が客観的・具体的な指標・数値目標により示されておらず、事後評価の仕組みも確立していない。

(2) 脳卒中、がん、糖尿病などの疾病や小児救急などの医療機能(質)や連携の状況が十分明示されていない。

(3) 地域で疾病予防(健康づくり)、治療、介護サービスの提供と連携していないことが多い。
今後の施策の方向
(1) 医療計画制度を見直し、脳卒中、がん、糖尿病、小児救急医療など事業別に、分かりやすい指標と数値目標でもって住民・患者に明示し、事後評価できる仕組みにする。
数値目標の例:
疾病別の年間総入院期間の短縮、
在宅看取り率の向上、
地域連携クリティカルパスの普及など

(2) (1)の事業ごとに医療連携体制を具体的に医療計画に位置付け、住民・患者に医療機関や連携の状況を明示する。

(3) 地域の医療連携体制内では、地域連携クリティカルパスの普及等を通じ、地域で切れ目なく疾病予防、治療そして介護サービスが提供されるようしていく。



都道府県医療費適正化計画の骨格(イメージ)

最初の計画期間は平成20(2008)年度〜平成24(2012)年度
都道府県医療費適正化計画の骨格(イメージ)の図



都道府県医療費適正化計画の策定、実施、検証、取組強化の流れ

都道府県医療費適正化計画の策定、実施、検証、取組強化の流れの図



都道府県における3計画と医療費適正化計画との関係

都道府県における3計画と医療費適正化計画との関係の図



関係当事者全員参加による医療費適正化

関係当事者全員参加による医療費適正化の図



高齢者の患者負担

【改正後】
高齢者の患者負担の図



療養病床に入院する高齢者に係る食費及び居住費の負担の見直し

介護療養型医療施設
医療保険適用療養病床
介護療養型医療施設のグラフ 医療保険適用療養病床のグラフ
自己負担額(モデル)
計8.9万円/月
自己負担額
計6.4万円/月
自己負担額
計9.6万円/月
図
 新たに負担を求める部分に係る自己負担額については、具体的な制度設計のあり方等を踏まえて変更があり得る



自己負担限度額等の見直し
【現行】 【見直し案】
一般医療対象者の図
70歳以上の高齢者の図
(注) 低所得者とは、世帯員全員が住民税非課税等の場合の区分であり、その中でも住民税の課税対象となる各種所得の金額がない等の場合(年金収入のみの場合、年金受給額65万円以下)には、低所得者Iの区分が適用される。
※1  金額は1月当たりの限度額。( )内の金額は、多数該当(過去12ヶ月に3回以上高額療養費の支給を受け4回目の支給に該当)の場合。
※2  平成18年実施の公的年金等控除等の見直しに伴い、平成18年8月から2年間、次の経過措置を講じる。
(1)  新たに現役並み所得者となる者については、自己負担限度額を一般並みに据え置く。
(2)  世帯員のうち一部が課税者となるが、一部は非課税者の場合、非課税者について低所得者の自己負担限度額を個人単位で適用する。



定額・定率部分の変更に伴う負担増の額

(1)  入院レセの平均医療費(約39万円・16日入院)の場合の自己負担額(一般)
 <現行> <見直し後>
入院レセの平均医療費(約39万円・16日入院)の場合の自己負担額(一般)の図
(2)  胃がん(医療費約150万円・30日入院)の場合の自己負担額(一般)
 <現行> <見直し後>
胃がん(医療費約150万円・30日入院)の場合の自己負担額(一般)の図
(3)  大動脈解離(医療費約3,000万円・15年度1月最高)の場合の自己負担額(一般)
 <現行> <見直し後>
大動脈解離(医療費約3,000万円・15年度1月最高)の場合の自己負担額(一般)の図
 ※ <医療費>は、全体の医療費から、定額の限度額に対応する医療費を控除した額



現行の医療保険制度の基本構造

図
老人保健制度

 75歳以上の人は国保、被用者保険に加入して各々の保険に保険料を払いつつ、老人保健制度(市町村が運営者)にも加入し、給付を受ける。市町村は、国保、被用者保険からの拠出金と公費を財源として制度運営

(注)平成14年10月以降、対象年齢を70歳から毎年1歳ずつ引き上げ平成19年10月に移行完了
(現在は73歳以上が対象)

退職者医療制度

 サラリーマンの期間が20年以上の退職者(国保に加入)の医療費について被用者保険が市町村国保に拠出金を出して負担



医療保険制度の加入者数(平成15年度)

医療保険制度の加入者数(平成15年度)の図
 各制度の加入者数は9月末における数値である。
 厚生労働省保険局調査課調べ



国民健康保険(市町村)・政府管掌健康保険・組合管掌健康保険の比較

国民健康保険(市町村)・政府管掌健康保険・組合管掌健康保険の比較の図
※1  ( )内は70歳以上の者を除いた場合。
※2  65歳以上の寝たきり老人を含む
※3  政管健保、組合健保は一被保険者当たり。( )内は事業主負担分を含む。
※4  老人保健対象者を(国保は退職被保険者等も)除いた数値である。



市町村国保の財政状況

○ 国民健康保険の財政状況(一般被保険者)
国民健康保険の財政状況(一般被保険者)
の図
注)1 「単年度経常収支」は単年度の財政状況をより的確に把握するため、収入から基金繰入金及び繰越金を除き、更に当該年度の国庫支出金精算額を加えたもので、( )書は、「単年度経常収支」から一般会計繰入金(法定外)のうち、赤字補填額を除いたものである。
なお、平成14年度分より支出から基金積立金、前年度繰上充用金を除いている。
平成10年度以降の「老人保健拠出金」の額は、退職被保険者の老人保健拠出金に係る退職者医療制度の負担額(退職被保険者の老人保健拠出金の2分の1。平成10年7月実施。)を控除した額である。
「赤字保険者数」は、単年度経常収支における保険者数である。
平成14年度分は、会計年度所属区分の見直しに伴い、平成14年4月診療分から平成15年2月診療分までの11か月分となっている。



政管健保の財政収支の変遷

(単位:億円)
区分 平成7年度 平成8年度 平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度
収入 保険料収入 56,920 57,997 59,969 60,524 59,294 58,851 58,214 56,636 60,167 60,221
国庫補助 8,809 9,227 9,028 8,980 9,597 8,878 9,057 9,091 8,321 7,942
その他 353 285 260 301 200 170 173 181 206 163
66,082 67,509 69,257 69,805 69,091 67,899 67,444 65,909 68,695 68,326
支出 保険給付費 46,429 47,712 45,755 43,187 42,584 42,290 42,524 41,008 38,534 38,956
 医療給付費 41,591 42,818 40,786 37,892 37,432 37,221 37,634 36,331 33,625 33,754
 現金給付費 4,838 4,894 4,969 5,295 5,152 5,069 4,890 4,677 4,909 5,203
老人保健拠出金 17,057 18,566 18,897 20,769 23,372 20,568 21,836 23,288 21,579 18,993
退職者給付拠出金 3,802 3,816 3,948 4,215 4,754 5,086 5,816 6,539 6,693 6,888
その他 1,577 1,608 1,607 1,600 1,544 1,524 1,499 1,242 1,185 1,084
68,865 71,702 70,207 69,771 72,254 69,468 71,675 72,077 67,991 65,921
単年度収支差 ▲2,783 ▲4,193 ▲950 〈▲35〉
34
▲3,163 ▲1,569 ▲4,231 ▲6,169 704 2,405
国庫補助繰延又はその返済 0 1,543 1,413 0 4,183 0 2,885
事業運営安定資金残高 8,914 6,260 6,857 6,932 8,039 6,701 5,526 ▲649 ▲174 2,164
基礎計数 被保険者数 (1.3%)
19,862,968人
(1.3%)
20,129,494人
(0.7%)
20,263,623人
(▲1.1%)
20,044,980人
(▲1.3%)
19,778,274人
(▲0.3%)
19,710,746人
(▲0.7%)
19,564,396人
(▲2.1%)
19,160,150人
(▲0.9%)
18,989,053人
(0.5%)
19,089,854人
平均標準報酬月額 (0.8%)
285,633円
(0.9%)
288,119円
(1.1%)
291,377円
(0.4%)
292,437円
(▲0.5%)
290,853円
(▲0.4%)
289,694円
(▲0.2%)
289,112円
(▲0.7%)
286,979円
(▲0.8%)
284,544円
(▲0.5%)
283,208円
平均賞与月数 (▲2.5%)
2.11ヶ月
(▲0.1%)
2.11ヶ月
(▲1.5%)
2.07ヶ月
(▲6.8%)
1.93ヶ月
(▲4.1%)
1.85ヶ月
(▲1.5%)
1.83ヶ月
(▲3.9%)
1.75ヶ月
(▲4.2%)
1.68ヶ月
(▲3.3%)
1.62ヶ月
(▲1.8%)
1.60ヶ月
被保険者1人当たり
医療給付費
(2.3%)
208,692円
(1.6%)
212,088円
(▲5.3%)
200,784円
(▲6.0%)
188,640円
(0.1%)
188,912円
(▲0.2%)
188,520円
(1.9%)
192,062円
(▲1.4%)
189,369円
(▲6.6%)
176,906円
(▲0.1%)
176,664円
(注1) 基礎計数は、一般被保険者分。
(注2) ( )内は、対前年度伸び率。
(注3) 〈 〉内は、健康保険組合の解散に伴う承継財産を除外した場合の計数。
(注4) 端数整理のため、計数が整合しない場合がある。
保険料率は平成15年4月以後82‰



健保組合の財政状況

(単位:億円)
区分 平成7年度 平成8年度 平成9年度 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度
収入 保険料収入 52,637 54,095 57,529 57,881 57,126 56,220 56,346 55,343 58,613 58,098
事務費国庫負担 59 56 57 44 44 51 49 48 48 49
その他 2,368 2,106 1,663 1,655 1,601 1,532 1,484 1,422 1,392 1,388
55,064 56,257 59,249 59,580 58,772 57,803 57,880 56,814 60,054 59,535
支出 保険給付費 32,905 33,531 33,585 32,151 31,843 31,702 32,008 31,278 29,953 29,960
 法定給付費 31,609 32,337 32,545 31,200 31,025 30,949 31,226 30,539 29,121 29,128
 付加給付費 1,295 1,194 1,041 951 817 753 782 739 831 832
老人保健拠出金 14,000 15,065 15,678 17,107 18,801 17,059 18,138 18,379 16,846 14,428
退職者給付拠出金 3,394 3,464 3,693 3,822 4,206 4,548 5,251 5,887 6,727 7,014
その他 5,987 6,172 6,309 6,095 5,915 5,657 5,496 5,269 5,131 5,072
56,286 58,232 59,266 59,175 60,764 58,967 60,893 60,813 58,656 56,474
収支差 ▲1,222 ▲1,976 ▲17 405 ▲1,992 ▲1,163 ▲3,013 ▲3,999 1,397 3,061
基礎計数 組合数(年度末) (0.2%)
1,819組合
(▲0.2%)
1,815組合
(▲0.1%)
1,813組合
(▲1.0%)
1,794組合
(▲0.8%)
1,780組合
(▲1.3%)
1,756組合
(▲1.9%)
1,722組合
(▲2.8%)
1,674組合
(▲3.1%)
1,622組合
(▲2.3%)
1,584組合
被保険者数(年間平均) (▲0.4%)
15,584,176人
(▲0.3%)
15,538,458人
(3.0%)
16,002,566人
(▲0.7%)
15,892,778人
(▲1.6%)
15,635,464人
(▲1.7%)
15,366,807人
(▲1.2%)
15,178,490人
(▲1.4%)
14,972,862人
(▲1.7%)
14,715,317人
(0.0%)
14,720,753人
平均標準報酬月額 (1.9%)
350,695円
(1.8%)
356,981円
(2.2%)
364,790円
(0.8%)
367,546円
(0.1%)
367,884円
(0.6%)
370,012円
(0.6%)
372,342円
(▲0.7%)
369,899円
(0.1%)
370,423円
(0.2%)
371,207円
平均標準賞与額 (-)
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
1,147,211円
(1.5%)
1,164,195円
平均賞与月数 3.10ケ月 3.14ケ月
平均保険料率 (0.5%)
83.40‰
(0.6%)
83.94‰
(0.8%)
84.60‰
(0.3%)
84.88‰
(0.3%)
85.11‰
(▲0.1%)
85.03‰
(0.7%)
85.59‰
(0.1%)
85.64‰
(▲11.9%)
75.47‰
(▲0.8%)
74.84‰
被保険者一人当たり
法定給付費
(3.8%)
202,818円
(2.6%)
208,121円
(▲2.3%)
203,346円
(▲3.5%)
196,313円
(1.0%)
198,245円
(1.6%)
201,455円
(2.1%)
205,638円
(▲0.9%)
203,809円
(▲2.8%)
198,190円
(0.0%)
198,101円
(注1) 端数整理のため、計数が整合しない場合がある。
(注2) ( )内は、対前年度伸び率。
(注3) 計数は、健保組合決算によるものであり、平成16年度は見込みである。



市町村国保財政の現状
市町村国保財政の現状の図
※1  それぞれ給付費等の9%、36%、5%の割合を基本とするが、地方単独措置に係る波及増分のカットや、保険基盤安定制度繰入金の一部に相当する額を調整交付金としていること等から、実際の割合はこれと異なる。
※2  この割合は、平成17年度における経過措置であり、平成18年度以降の割合は、9%、34%、7%である



市町村国保の保険料(平成15年度)

市町村国保の保険料(平成15年度)の図
(※数値は、平成15年度国民健康保険実態調査報告等による。)



市町村合併の進展状況

市町村合併の進展により、平成17年度末には市町村国保の保険者数は1800余りとなる見込みである。全体として合併が進展したが、その進展状況は地域によって格差がある。

<市町村合併の進展状況>
市町村合併の進展状況の表
(注) 申請済みベースでの合併状況(出典:平成17年4月14日付け総務省報道資料「合併特例法(旧法)による合併の状況」)
括弧内は、被保険者数3千人未満の保険者数。(平成16年度末及び平成17年度末の数値は、平成15年度末の確定値を基に推計)



保険財政共同安定化事業(仮称)

 市町村国保の安定的な財政運営を図るため、1件当たり例えば30万円以上の医療費に係る給付費すべてについて、各市町村国保からの納付金を財源として、都道府県単位で費用負担を調整。
 財政的な影響の大きい1件当たり医療費が高額なもの(例えば70万円以上)については、公費を投入。

図



国保収納対策の現状と総合的な収納対策の取り組み等

H17.4.1現在
国保収納対策の現状と総合的な収納対策の取り組み等の図



政府管掌健康保険の改革

 (現状)
全国一律の運営で受益に応じた負担になっていない。また、被保険者等の意見を十分に反映できていない。
制度設計主体である国が保険者でもあるため、保険料率の変更に関し、保険者として柔軟な対応が困難

 (改革の方向−保険者機能の発揮)
国とは切り離した公法人を保険者として設立し、被保険者等の意見を反映した自主性・自律性のある運営を行う。
給付と負担の公平の観点から、地域の医療費に着目し、都道府県別に保険料率を設定。

図



政管健保の平成13年度医療給付費等実績
に基づく都道府県別保険料率の機械的試算


70歳未満の者に係る都道府県毎の医療費を基に保険料率を算出した上で、都道府県毎の年齢構成や所得の違いを調整。
これに、老人保健拠出金等に要する保険料率(37‰程度)を全国一律に加えたもの。

(単位:‰)
表
 老健拠出金分約23‰、退職拠出金分約7‰、傷病手当金等現金給付分約4‰、保健事業に係る費用等分約2‰、合計約37‰。(c)
注1. 事業所所在地に着目して都道府県を区分している。
注2. 保険料率は総報酬ベースである。
注3. 四捨五入の関係で合計が合わない場合がある。



健保組合の現状と方向性

健保組合の約8割は概ね県内単位で設立されている。

保険料率を高くせざるを得なかったり、小規模なため、安定した保険運営が困難な健保組合について、再編・統合の受け皿を整備する必要がある。

図
※1  単一組合(総数1297組合)・・・一企業により組織された組合(被保険者数700人以上)
※2  総合組合(総数287組合)・・・同種同業の事業主等で組織された組合(被保険者3,000人以上)
※3  財政窮迫組合・・・給付費及び拠出金に要する保険料率が90‰超の組合
※4  小規模組合・・・被保険者数が、単一組合で700人、総合組合で3,000人に満たない組合



現行の老人保健制度による老人医療費の負担の仕組み

 現行の老人保健制度においては、老人医療費について、患者負担を除いた給付費に対して、約5割の公費負担がなされ、その残りを医療保険者の拠出金により賄っている。

老人医療費(平成17年度予算)
老人医療費(平成17年度予算)の図
(注1) 現役並み所得者については、公費負担はなされない。
(注2) 市町村国民健康保険の拠出分については50%、政府管掌健康保険の拠出分については16.4%の国庫負担等がある。



老人保健制度における医療費の負担構造

[市町村]
(老人保健制度の運営者)
  [医療保険者]
(国保・被用者保険の保険者)
公費 国保

被用者保険からの拠出金
拠出



保険料の決定・徴収
主体(医療保険者)と
給付主体(市町村)
が別

給付
医療保険者の図



退職者医療制度の仕組み

 退職などによって企業を辞めた者は、国保に加入する。
 被用者の期間が長期にわたる者(20年以上)の医療費については、自ら支払う保険料と各被用者保険制度からの拠出金により賄っている。
 この拠出金については、各被用者保険が財政力に応じて負担。(報酬総額で按分)


老人保健制度の図
退職者医療制度の図
(注) 平成17年度概算療養給付費等拠出金の算定に係る見込額による。



高齢者の心身の特性、就業状態、所得の状況


 高齢者の心身の特性、就業状態、所得の状況は、後期高齢者(75歳以上)と前期高齢者(65〜74歳)とではかなり異なると考えられる。

(1) 心身の特性
 後期高齢者は、前期高齢者に比べ、生理的機能の低下や日常生活動作能力の 低下による症候が増加するとともに、生活習慣病を原因とする疾患を中心に、入院 による受療が増加する傾向にある。

(2) 就業状態
 就業している者は、前期高齢者では27.6%であるのに比べ、後期高齢者では9.0%に過ぎない。(平成16年度労働力調査(総務省統計局))

(3) 所得の状況
 1人当たり平均収入(年額)は、前期高齢者で218万円、後期高齢者で156万円となっている。(平成13年国民生活基礎調査(厚生労働省統計情報部)をもとに集計)


高齢者の心身の特性(疾病特性等)

 疾病全体で見ると、外来は壮年期から又は加齢に伴い増加するが、入院受療率(病院・診療所で受療した患者数を人口10万人対で表した数)は後期高齢期になって増加する傾向にあり、特に、生活習慣病のうち高血圧性疾患、虚血性心疾患、脳梗塞については、こうした傾向が顕著に現れている。

年齢階級別の受療率の図
出所)厚生労働省大臣官房統計情報部「患者調査」(平成14年)



年齢階級別1人当たり医療費(年額)

1人当たり医科診療費を見ると、前期高齢期までは入院より入院外(外来)の方が比率が高いが、後期高齢期に入るとその比率が逆転する。

(医療費計) (医科診療費)
年齢階級別1人当たり医療費(年額)の図



第20回社会保障審議会医療保険部会(H17.9.21)提出資料

医学的観点から見た後期高齢者と前期高齢者の違いについて

東京大学大学院医学系研究科教授 大内 尉義

 老年医学では、高齢者の定義は65歳以上、その中で75歳以上を後期高齢者、85歳以上又は90歳以上から超高齢とする、というのが現在の考え方であり、また、世界的なコンセンサスである。

 後期高齢者については、前期高齢者と異なり、次のような特徴がある。

 まず、生理的機能の低下(生理的老化)がかなりの率で病的な状態に結びつき、疾患(老年病)を発症しやすくなるということである。たとえば、骨量の減少による骨粗鬆症や脊椎圧迫骨折、あるいは、腎機能(腎臓の濃縮力)の低下による頻尿といった症候は、後期高齢者になると増加する。
 また、低栄養・免疫機能の低下により、感染症を発症し、疾患が慢性化する。後期高齢者においては、蛋白ビタミン摂取の低下が指摘され ており、このことが背景となって粘膜の防御機能が破綻しやすくなる。低アルブミン血症は、肺炎や尿路感染症の危険因子となっている。
 さらに、生活習慣病を原因とする糖尿病性腎症や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症といった臓器障害が顕在化するのも、後期高齢者である。

 こうした要因により、後期高齢者は、多くの種類の疾患・症候を同時に保有することとなる。我々の疫学調査によれば、入院入所症例で50項目の症候を調べたところ、後期高齢者では平均8個もの症候を有している。また、東大老年病科の473の入院症例を分析した結果では、75歳以上になると薬剤有害作用の出現頻度が急激に増えるということが分かっており、このことからも、後期高齢者は多病であるという特徴が捉えられる。

 一方、ADL(日常生活動作能力)の低下により、褥瘡や尿失禁、嚥下困難といった症候も急増する。特に、情報関連機能(視力・聴力・認知機能)の低下により、転倒や交通事故による外傷が増加するのが特徴である。このようなADL低下者や認知機能低下者は、要介護状態に陥りやすく、また、いったん入院すると退院が困難となる。

 さらに、後期高齢者においては、罹患疾病について、非定型的徴候あるい症候そのものが無いケースも増加する。例えば、心筋梗塞で痛みを訴えないケースが30%以上にのぼり、これらのケースではショックや意識レベルの低下によってはじめて疾患が発見されることが多い。

 以上のように、後期高齢者は、多病であり、また、後期高齢者に特徴的に著増する症候が見られる。このため、単に一つの疾病だけを診て治療するというのではなく、その機能を総合的に評価し、それが衰えないようにするという視点に立つ必要がある。こうした総合的機能評価によって、症候を全人的に捉えて対処することが、後期高齢者のQOLを維持し、高めていく上で極めて重要である。



新たな高齢者医療制度の創設

(現行)   (改正後)
(現行)の図 図 (改正後)の図



後期高齢者医療制度の仕組み(平成20年度)

 <対象者数> 75歳以上の後期高齢者約1,300万人
 <後期高齢者給付費> 11.7兆円
  給付費 10.6兆円  患者負担 1.1兆円

後期高齢者医療制度の仕組みの図
(注1) 国保及び政管健保の後期高齢者医療支援金(仮称)には、別途各々50%、16.4%の公費負担がある。
(注2) 現役並み所得者については、公費負担(50%)はなされない。



国・都道府県・市町村の役割分担

国・都道府県・市町村の役割分担の図



前期高齢者医療費の費用負担について(平成20年度)

 <対象者数>65〜74歳の前期高齢者 約1,400万人
 <前期高齢者医療費>6.4兆円
  給付費 5.4兆円  患者負担 1.1兆円

前期高齢者医療費の費用負担についての図
(注) 前期高齢者に係る後期高齢者医療支援金(仮称)についても、同様の調整を行う。



高齢者の在宅療養を支える新たな取組の推進

高齢者の在宅療養を支える新たな取組の推進の図



いわゆる「混合診療」問題への対応の考え方

図
【保険導入検討医療(仮称)】
《見直し後》 (保険導入のための評価を行うもの)
A類型 医療技術
・約100技術、約2,000
医療機関が新たに対象となる。

(平成17年夏までを目途に対応)
B類型 医薬品等
患者の要望を把握し、確実な
治験の実施を促す。
欧米で新たに承認された薬は
自動的に検証の対象とする。
(平成16年度中に対応)
  【患者選択同意医療(仮称)】
(保険導入を前提としないもの)
○快適性・利便性に係るもの
○医療機関の選択に係るもの
○制限回数を超える医療行為

(平成17年夏までを目途に対応)
○療養の給付と直接関係のないサービス等については、保険診療との併用の問題が生じないことを明確化



医療構造改革推進本部の設置について

【設置趣旨】
 国民の生活の質(QOL)を確保し向上する形で医療の効率化を図ることを基本として、医療費の適正化等を推進するため、医療構造改革推進本部(以下「本部」という。)を設置する。
 ※  この本部のメンバーは、当面、医療制度改革の広報等を積極的に担う。

【組織】
 本部の組織は別紙のとおりとする。本部の下に、必要に応じて関係部局の課長等からなるプロジェクトチームを置くものとする。

【プロジェクトチーム】
 平成18年度の医療制度改革は、健康増進計画、医療計画及び介護保険事業支援計画の見直しと、医療費適正化計画(仮称)制度の導入など医療制度を抜本的に改革することとなる。実効性のある医療費適正化の推進と、上記諸計画の円滑な策定に資するため、当面、本部第一回会合で、検討を急ぐ以下の3テーマについてのプロジェクトチームの設置する。
 (1) 在宅介護・療養・早期リハ推進PT
 在宅復帰、自立支援を推進するためのケアマネジメント及びリハビリテーション、在宅での介護・療養を推進するための病院・診療所・介護施設・訪問サービス等の各々の取組の在り方とそれらの間の連携の在り方等
 (2) 医療費適正化評価PT
 医療費適正化の取組の効果等を迅速・的確に把握して評価し、次の対策につなげるため、医療、介護やそれらの費用に関するデータ収集の円滑化・迅速化、評価手法の確立、対応体制の整備等(組織整備を含む。)
 (3) 計画策定等人材養成PT
 健康増進計画、医療計画、介護保険事業支援計画及び医療費適正化計画(仮称)の策定担当者に対する研修の在り方等



(別紙)
医療構造改革推進本部の組織

本部長  厚生労働大臣
本部長代理
(総括) 副大臣(本部長の指名する者)
大臣政務官(本部長の指名する者)
副本部長
(総括) 事務次官
厚生労働審議官
社会保険庁長官
本部員 官房長
総括審議官
技術総括審議官
統計情報部長
医政局長
健康局長
医薬食品局長
雇用均等・児童家庭局長
老健局長
保険局長
政策統括官(社会保障担当)
北海道厚生局長
東北厚生局長
関東信越厚生局長
東海北陸厚生局長
近畿厚生局長
中国四国厚生局長
四国厚生支局長
九州厚生局長
社会保険庁次長
社会保険庁運営部長

【事務局】
事務局長 社会保障担当参事官
事務局次長 本部長の指名する者
(医政局総務課長、健康局総務課長、老健局総務課長及び保険局総務課長を予定)
庶務 保険局総務課の協力を得て、社会保障担当参事官室

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