これまでの流通改善懇談会における「返品」に関する主なご意見


 ・ 医療用医薬品の包装変更は、医薬品そのものの品質あるいは価値を下げるものではないことから、医療機関・調剤薬局においては、できる限り購入在庫(変更前の医薬品)を消化するべきではないか。
 ・ 製薬メーカーにおいては、包装変更を行なう場合には必ず卸の流通在庫の状況を十分に調査した上で実施するべきではないか。
 ・ ただし、包装変更の中には、医薬品としての内容変更を伴うものもあり、これを流通現場に放置しておくことは混乱を招くことから、メーカーの団体のモデル契約書における返品条項に卸・メーカー双方で協議して扱いを決定する旨を明記するべきではないか。

 ・ 返品については、包装が開いたもののチェックが困難という問題がある。医薬品の安全性の観点からも包装を厳重なものとすることが必要ではないか(日薬連から各メーカーに対応を要請済み)。

 ・ 薬局は処方箋によって調剤する、いわば「受け身」の立場にあり、自らの在庫管理が非常に困難。
 ・ 多量包装では期限切れになりがちであり、返品につながり易い。
 ・ 取引規模において返品に関して不公平な扱いがなされているのは問題ではないか。

 ・ 返品が起こる理由は過剰供給のためであるが、医薬品はその性質上過剰供給はやむを得ない面があることから、薬剤管理ということで需要管理費用を少し高め、そこで返品の費用をみることとしてはどうか。

 ・ 「期限切れ」や「不良在庫」といった原因は、メーカー・卸・医療機関等の連携によるマネジメントの工夫で解決可能なのではないか。

 ・ 生命関連商品である医薬品の品質保全を考えれば、管理責任の観点から返品は問題があるのではないか。
 ・ 製薬メーカーと卸と購入者側のそれぞれの立場に立ってみれば、製薬メーカーの包装変更による返品は、通常の返品とは分けて考えるべきではないか。

 ・ 医療機関に納入するに当たってロット番号等で要件を課ことが不要な返品を招いているのではないか。
 ・ 包装変更を行う場合には、メーカーとしては卸や医療機関に十分な周知期間をとっているが、包装変更品の返品が問題化してくる背景にはメーカー・卸業者・医療機関の間の情報連携の不備なども考慮することが必要と考えており、今後情報連携をいかに行って円滑な製品の切りかえを行っていくかが課題ではないか。

 ・ 買う側の不測の事態で返品というケースが本当にあるのかということを含め、返品率がどれくらいあるのか、イレギュラーな返品がどの程度あるのか等、一概に返品と捉えるのではなく、類型分けを行うべきではないか。

 ・ 医薬品は消費量を調整できない点や、薬価制度の下で大量購入しても単価は変わらないといった点が通常のモノとは異なり、医療機関も薬局も在庫調整はできないという特徴がある。
 ・ 返品の類型分けを行い、薬剤管理費用のような別の仕組みの中でそれを解決せざるを得ないのではないか。

 ・ 医薬品の議論をしているのであって、それは患者に一番安全な方法を使ってストックをなるべく少なくするということを議論するというのが医薬品の流通の議論ではないか。

 ・ 医薬品については、必然的に過剰供給とならざるを得ない中で、返品はその流通の効率性にマイナスに働く。したがって返品については、流通関係者全体においてできる限り極小化するというコンセンサスを持つべきではないか。

 ・ 返品問題は契約で標準的に整理すべきであり、メーカーと卸の間で、話し合いがなされるべきではないか。

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