05/09/02 平成17年9月2日医療機関のコスト調査分科会議事録 05/09/02 診療報酬調査専門組織 第8回医療機関のコスト調査分科会 (1) 日時  平成17年9月2日(金)15:00〜16:30 (2) 場所  厚生労働省 17階 専用第18〜20会議室 (3) 出席者 田中滋分科会長 石井孝宜委員 猪口雄二委員 井部俊子委員       今中雄一委員 柿田章委員 川越雅弘委員 近藤正晃ジェームス委員       椎名正樹委員 須田英明委員 手島邦和委員 西岡清委員 松田晋哉委員       青木重孝中医協委員       <事務局>       堀江保険医療企画調査室長、金子課長補佐 他 (4) 議題  ○平成16年度調査研究結果の報告について        ・訪問看護ステーションに係るコスト調査       ○平成17年度医療機関のコスト調査分科会における調査研究について        ・「医療安全に関するコスト調査」について        ・「医療のIT化に係るコスト調査」について (5) 議事内容 ○田中分科会長  ただいまより、「第8回診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会」を開 催させていただきます。  まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、尾形委員、高木委員、原委 員が欠席でございます。猪口委員は間もなくお見えになると思います。  また、本日は中医協委員である青木委員にも御出席いただいております。  さて、審議に入る前に、前回提出された資料に一部誤りあったということで、正誤表 が出されております。御確認いただきたく、事務局より説明をお願いします。 ○堀江保険医療企画調査室長  保険医療企画調査室長の堀江でございます。前回、7月26日に「診断群分類を活用し た医療サービスのコスト推計に関する研究」の概要を発表していただきましたが、16年 度研究者のところで、今中先生のお名前が抜けておりましたので、加えさせていただき ました。大変失礼いたしました。 ○田中分科会長  それでは、審議に入らせていただきます。  まず、「平成16年度調査研究結果について」を議題といたします。  それでは、「訪問看護ステーションに係るコスト調査」について、井部委員より説明 をお願いいたします。 ○井部委員  診調組コ−1をごらんいただきたいと思います。訪問看護ステーションに係るコスト 調査の概要について説明させていただきます。  まず1ページは調査実施概要ですが、この調査は2つの目的でなされています。1つ 目は、訪問看護ステーションの施設運営に係るコスト及び医療ニーズの高い重症者の訪 問看護に係るコストを調査するということ。2つ目は、訪問看護ステーションにおいて 利用者が使用する頻度の高い衛生材料・医療機材等の供給に係る問題点を把握するとい う目的です。  この目的のために、以下の3つの調査を実施しています。  1つ目は、全国の2,500カ所の訪問看護ステーションを対象に行われました大規模な 郵送調査です。この調査では事業所の内容、収支の状況、衛生材料の調達経路別の利用 者数を把握しています。また、医療ニーズの高い重症者として医療保険の重症者管理加 算を算定している利用者と介護保険の特別管理加算を算定している利用者について別途 調査票を作成して、心身の状況、処置の内容を尋ねています。  2つ目は、26のステーションに協力していただき、医療保険の重症者管理加算の算定 者と介護保険特別管理加算の算定者の1週間のケア時間の計測を行っています。これは 訪問看護師による自記式のタイムスタディです。また、その各行為について身体的負担 感と精神的負担感の評価をしてもらっています。  3つ目は、在宅医療に係る衛生材料・特定保険医療材料等の供給状況並びに問題点を 抽出するために病院、診療所、卸業者、企業など計6カ所のヒアリング調査を行いまし た。  3ページから、その結果です。  まず大規模調査ですが、これは1,177の事業所から回答をいただいています。経営主 体は医療法人が40%、営利法人が11%、社会福祉法人が9.3%となっていまして、介護 保険の居宅介護支援事業所を併設している事業所が70%を超えています。  図表1は訪問看護ステーションの規模ですが、1事業所当たりの職員数は常勤換算で 平均5.8人と小さい事業形態です。看護師1人当たりの1カ月の給与費は323,926円、1 時間当たりの給与費は2,094円でした。  4ページの図表2は訪問看護の利用者数ですが、1事業所当たり平均59.7人です。  延べ訪問回数は1事業所1カ月当たり平均333回となっています。重症管理加算・特 別管理加算の算定対象者は利用者数の約2割となっています。  5ページは事業所の収支の状況です。平成16年11月の1事業所当たりの平均事業収益 は284万4,095円、事業費用は280万9,457円で、収支差額は13万4,637円でした。  給与費が事業収益に占める割合は77.9%と非常に高くなっています。  損益費については図表4に示したとおり、5.1%という結果です。  6ページの図表7は、事業費用と事業収益から黒字・赤字の事業所別にどういった点 が異なるかというところを見たものです。黒字の事業者の方が職員数の規模、利用者数 が多くなっています。加算算定対象者の割合を見ましたところ、黒字と赤字の事業所で は介護保険の特別管理加算算定者の割合は同じ水準ですが、医療保険の重症者管理加算 の算定者の割合が「赤字」では18.5%に対して「黒字」では26.6%と高くなっていま す。これは訪問回数が多いことと関連があると思われます。  7ページは訪問看護1回当たりの収益と費用の推計です。図表8に示しましたよう に、医療保険による訪問1回当たりの収益は8,554円、介護保険による1訪問当たりの 収益は8,883円です。  図表9にありますように、訪問看護1回当たりの費用は8,431円で、内訳は、給与費 6,885円、材料費83円、経費1,003円、委託費100円、研究・研修費26円、減価償却費87 円、本部費144円となっています。このことから医療保険の訪問看護は1回当たり214円 の赤字になりますが、介護保険の訪問看護では1回当たり677円の黒字ということにな ります。  8ページからは、利用者の実態についてごらんいただきたいと思います。  医療保険重症者管理加算の対象者2,349人、介護保険の特別管理加算の対象者3,584人 の計5,933人分の回答を得ています。  9ページの図表12は主傷病ですが、医療は濃い斜線、介護はその下に薄い棒グラフで 示されています。訪問看護の利用者は、厚生労働大臣の定める疾病等で分けられてお り、医療保険では難病、悪性新生物を中心としていますが、介護では脳血管疾患が中心 となっています。  10ページの図表14は日常生活の自立度を示しています。医療保険、介護保険の利用者 に大きな差は認められません。  図表15にありますように、認知症については介護が多い状況にあります。  11ページは医療ニーズが高いと思われる重症者管理加算又は特別管理加算を算定する 訪問看護利用者の状況です。  調査時点の16年11月1カ月の訪問日数及び回数は3番目の○にありますが、中央値で 医療が9回、介護が6回となっています。  図表16は1カ月当たりの訪問時間を推計したものです。中央値で医療は575分、介護 は350分で、医療の重症者管理加算を算定する利用者の方が225分ほど長くなっていま す。 この結果は保険制度上の違いも考慮されますが、医療保険の利用者の方が重症度や介護 の手間のかかりぐあいが異なることが予測されます。  12ページの図表17は具体的な医療処置やケアの内容を示しています。疾病特性に伴う 影響はありますが、喀痰および気道内吸引、酸素飽和度の測定、気管カニューレの交換 ・管理、がんの在宅(緩和)ケア、緊急時の対応や指示が医療では多くなっています。  下の表は、これらのケア項目が1人当たり平均いくつあったかを示していますが、医 療保険利用者は4.6個で、種類数が多い傾向がみられます。  13ページの図表18は管理加算算定項目の種類を示しています。医療においても看護に おいても在宅酸素療法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、留置カテーテルが 多くなっています。  14ページはタイムスタディの結果が示されています。医療保険の重症者管理加算の対 象者124件、介護保険の特別管理加算の対象者303件について1週間分のケア時間を記録 しています。下の表に示されておりますように、医療は訪問回数平均2.8回で、1週間 の合計時間は210分、介護は平均1.9回の訪問で125分のケア時間となっています。医療 の方が回数で1回、時間で85分長くなっています。  15ページの図表20、21は加算算定の対象項目別の1週間のケア時間をみたものです。 上が医療保険、下が介護保険です。現行制度上、これらの加算点数は内容に限らず、一 律評価となっていますが、内容ごとにケア時間が異なっていることがわかります。  16ページ、17ページですが、加算算定の対象項目が同じ場合でも医療と介護では1週 間のサービス提供時間が異なっており、医療保険の方が多いことがわかります。ただ し、この時間はすべてのケア時間の合計ですので、この差が加算算定の対象項目によっ ているとは限りません。  18ページ、19ページですが、加算算定の対象項目が複数になった場合の傾向を示して います。算定の対象が1つの場合より、他の項目が加わった場合の方が1週間のケア時 間が長くなります。現行制度上、加算算定の項目が1つでも複数でも加算点数は一定と なっています。  20ページは医療・介護保険における代表的な傷病・状態別の1週間のケア時間を示し ています。医療で重度褥瘡の人は284分、ALSも262分と長くなっています。一方、介 護では主傷病の脳梗塞、肺気腫は比較的短くなっています。  21ページは、医療処置等における難易度などの評価として、ケアを提供した看護職員 の負担感をまとめています。負担感がない場合は0、少しある場合は1、重い場合は2 と記入していただき、平均点を算出して、平均点が0.9以上だったものを掲載していま す。  医師の指示による採血などの検体採取の精神的負担感が2.0と高い値を示しています。 これは在宅療養中の高齢患者の採血の難しさや、家族が見守る中での処置ということで 緊張度が高いということが起因しているようです。  22ページは衛生材料等の使用状況の調査及びヒアリングから把握できた問題点をまと めてあります。  衛生材料については、本来、支給すべき医療機関は31%、利用者が購入する場合は36 %という実態です。特定保険医療材料については、医療機関が9割支給しています。  23ページはヒアリング調査の結果です。衛生材料についてはさらなる徹底が必要かと 思われますが、特定保険医療材料については購入範囲の問題が指摘されています。診療 所が在宅医療を担う場合、卸企業からの購入単位が多く、不良在庫が生じやすいという ことです。  輸液ポンプなど医療器具のレンタルについては、現状の診療報酬では事業者が事業の 継続に困難を生じている。末期がん患者は在宅期間が短く、1日から2日の場合もあり ますので、医療器具の設置・回収の繰り返しによるコスト高になること、また、病院で のトレーニング期間中の費用が診療報酬上で評価されていない。例えば在宅仕様のIV Hのポンプなどがあります。このような問題点の指摘がありました。  簡単ですが、以上で報告を終わります。 ○田中分科会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの報告につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いいた します。 ○西岡委員  7ページに訪問看護1回当たりの収益と費用の推計がありますが、これでいきますと 医療保険の場合の方がかなり安くなってしまうということですね。ところが患者さんの 処置その他が多くなっているということで、中身と費用が逆転していると理解してよろ しいのですか。 ○井部委員  回数と時間が増えている割には収益は低いという結果になっています。 ○西岡委員  そうすると医療保険の方を使う患者が敬遠される傾向が出てくることになるのでしょ うか。 ○井部委員  訪問看護ステーションの訪問看護師たちがそこまで考えて選んでるかどうかわかりま せんが、この調査ではそのような結果になっています。 ○椎名委員  対象数が2,500ということですが、この結果は全国レベルで物が言えるような統計学 的な配慮はされたものですか。 ○井部委員  そこまで検討しておりませんので、データについて吟味したいと思います。 ○田中分科会長  ほかにはよろしいでしょうか。  それでは、本日御報告いただいた「訪問看護ステーションに係るコスト調査」につき ましては、本分科会において了承し、中医協・診療報酬基本問題小委員会の求めに応 じ、私の方から報告したいと思います。 ○椎名委員  事務局にお尋ねしたいんですが、16年度にやった調査で食事療養費の調査があったと 思うんです。そのへんの結果はどうなってるんでしょうか。 ○堀江保険医療企画調査室長  残っておりますのは食事療養費の調査と、先回、経過報告をさせていただきました部 門別のものの最終結果ですが、いずれも取りまとめ中ですので、次回にはお出しできる ように準備を整えたいと思います。次回はそう遠い先ではなくて、今月中あるいはおそ くとも来月初めまでにはお出しできるように準備させていただきたいと思います。 ○田中分科会長  16年度に行うことが決まっている調査は、でき次第ここで報告いただき、議論をして 了承し、それを私が基本問題小委員会に報告するという手順になっております。  本日のこの報告については御了承いただいたということにしたいと思います。 ○金子課長補佐  医療課の金子と申します。ちょっと補足させていただきます。椎名先生からのサンプ ルに代表性があるかとの件ですが、ステーション約5,000カ所、そのうち2,500を抽出し ておりまして、今回の抽出に当たっては、災害のあった新潟県を除いて、全国にわたっ て網羅的に取り上げるという手法をとっておりますので、一定の代表性は確保されてい ると思っております。 ○青木委員  2,500を調査していただいて、そのうちの何%が赤字であって、何%が黒字なんでし ょうか。 ○金子課長補佐  6ページにお示ししてありますが、今回の調査ではnとして黒字は286、赤字は283と なっております。これは正確に収支状況の回答があったところですので数字としては若 干下がってしまうのですが、トータルで569施設を分類しているという計算でやってい ただいています。  注1にお示ししているように、事業所の「黒字」「赤字」については、「事業費用/ 事業収益」が100%以下の事業所を「黒字」、100%超の事業所を「赤字」としていまし て、どういう分布になっているかという資料は入れておりません。 ○田中分科会長  それでは、次の議題に移りたいと思います。  「平成17年度の本コスト調査分科会における調査研究について」でありますが、前回 の分科会において、4つの調査研究項目について了承していただき、その後、中医協・ 診療報酬基本問題小委員会に報告を行いました。  中医協の意見としては、新規事項の2つの調査、すなわち「医療安全」、「医療のI T化」については調査設計を詰めた上で改めて報告していただきたいということでした ので、本日は、調査設計について御議論いただきたいと思います。  まず、前回のコスト調査分科会以降の調査設計に至る経過について、事務局より説明 をお願いします。 ○堀江保険医療企画調査室長  前回8月26日のコスト調査分科会の時に、「医療安全」と「医療のIT化」について コスト調査を行う必要があるのではないかということになり、基本問題小委員会に提案 しましたところ、分科会長からお話がありましたように、基本小委においては調査を行 うことは了解するものの、調査内容については改めて説明してほしいということでした ので、本日ここに準備しているところでございます。  なお、中医協でありましたその他の御意見としては、方法論のこともありますし、調 査設計をもう少し詰めるようにということ、また、医療安全とIT化は別々なものでは ないので、両調査の連携を図ってほしいということが出ておりました。  前回のコスト調査分科会の際に今中先生から、「医療安全」については御自身の科研 費の研究調査において類似のことがあるので、それとの関係をうまく整理するなら協力 していただけるというお話がありまして、本日、御説明いただくことになりました。  「医療のIT化」につきましては、前回のコスト調査分科会終了時点において松田先 生から設計について考えてみましょうというお申し出をいただきましたので、本日、御 説明いただくことになりまして、感謝しております。 ○田中分科会長  ありがとうございました。  中医協では私たちの提案を受けて、調査はOKである、しかし調査内容を詰めてほし いということですので、お二方の先生に調査設計についての案を御提示いただいて、議 論したいと考えております。  それでは、今中委員より説明をお願いいたします。質疑については、お二方の先生の 御報告を受けた後に、まとめてお願いいたします。 ○今中委員  診調組コ−2という資料で説明させていただきます。「医療安全に関するコスト調査 について(概要)(案)」でございます。  まず1ページの1.調査の目的及び進め方ですが、医療安全の向上のためには、安全 に関する管理体制の充実、医薬品の安全確保、医療機器の安全確保、医療安全における 情報技術(IT)の活用、医療従事者の資質向上といった項目への取り組みの強化が求 められています。そこで、本調査は、これらの医療安全に関するコストの実態を把握 し、診療報酬体系における評価の在り方について検討するための基礎資料を得ることを 目的としたいと考えています。  平成17年度においては、医療安全に関して先進的な取り組みを行っている医療機関を 対象に、活動状況を明らかにすることを目的とします。さらに17年度調査の結果を踏ま え、医療安全に係るコスト範囲等を確定し、18年度にはより幅広い医療機関を対象とし て、医療安全に関するコスト調査を実施することとしています。  ここには書いてありませんが、1999年ころより新しくいろいろな医療安全対策が出て いるかと思います。99年の初めに患者取り違い事故が社会で騒がれましたが、世界的に いろいろな現象がありまして、安全看護の組織づくりとか、インシデントレポートを集 めて患者に生かすといったようなことも99年、2000年ごろから多くの医療機関で導入さ れ始めています。  そのころと比較して、医療安全に関連して新しく出てきた活動などを中心に把握して いくことが現実的ではないかと考えております。医療安全に関するコストは医療費用の 全体という考え方もあるかと思いますので、どこかに起点を置いて、プラスアルファで 新しく安全のためにやっていることというとらえ方が現実的ではないかと思われます。  2.調査対象及び方法ですが、病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局を調査対象 とし、調査対象の選定に当たっては、既にデータ収集を始めています厚生労働科研費の 研究は300床以上の病院でやっておりますので、その調査結果を活用します。今回の調 査としては、300床未満の医療機関を10施設程度、一般診療所等も10施設程度、そのほ か歯科診療所及び保険薬局も対象として、調査票に基づく書面調査、聞き取り調査をも ってデータを収集します。  3.調査内容ですが、安全管理、感染制御、医薬品関連について分析を行います。な お、重複部分がありますので、ダブルカウントにならないように重複部分を明確に区分 しなければなりません。  それぞれについて取り組み状況を把握して、有害事象発生の予防のためのコスト、安 全水準を維持・評価するためのコスト、有害事象への対応のためのコスト等を調査しま す。また、医療安全対策の効果を計測するための指標(クリニカルインディケーター等 )についても調査を行いたいと考えています。  4.調査実施体制としては、シンクタンクへの委託調査という形です。  5.スケジュールとしては、17年11月中に少なくとも中間報告はしっかりとできるよ うに進めていきたいと考えております。  6.報告事項ですが、2ページから3ページにわたる表にありますように、安全管 理、感染制御、医薬品関連に関して、病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局におけ る取り組み状況を調査するという提案でございます。  別紙に調査票の案をお示ししています。これは300床以上の病院版ですが、これをも とに、小規模病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局に沿うようにうまく変更して使 っていければと考えております。  項目は2ページと3ページの表にある項目ですが、病院側に依頼して全部記入しても らうことは不可能ですので、聞き取りをしながら調査側で埋めていく形になるかと思っ ております。以上です。 ○田中分科会長  ありがとうございました。  引き続き、「医療のIT化」について、松田委員より説明をお願いいたします。 ○松田委員  診調組コ−3という資料に基づいて「医療のIT化に係るコスト調査について(概要 )(案)」を説明させていただきます。  1.調査の目的及び進め方ですが、医療のIT化は、標準化・透明化された医療情報 を国民に提供し、医療機関としての説明責任を果たすこと、医療の安全性の向上、医療 情報の共有による地域の医療資源利用の適正化、院内システムの効率化(ペーパーレス 化の実現、在庫の適正化など)、このような課題にこたえるための手段として、現在そ の重要性が増しています。  しかしながら、医療の各種ITシステム・機器(電子カルテ、オーダリングシステ ム、画像ファイリングシステム、レセプト等)の導入・維持には相当程度のコストを要 するにもかかわらず、その効果については検証されておりません。  そこで、本調査は、医療のIT化に伴うコストの実態を把握しようということで、平 成17年度においては、医療のIT化として先進的な取り組みを行っている医療機関を対 象に、IT化に係るコストについてヒアリングを行います。その結果を踏まえ、ITに 係るコスト範囲・導入効果の測定指標等を確定し、18年度にはより幅広い医療機関等を 対象として、医療のIT化に係るコスト調査をすることとしています。  2.調査対象及び方法ですが、病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局を調査対象 とします。  調査対象の選定に当たっては、先進的な取り組みを行っている病院を10施設程度、一 般診療所等も5施設程度を対象として、ヒアリングを中心とした調査を行いたいと考え ています。  3.調査内容ですが、本調査では、医療のIT化を、医療施設のIT化、保険請求・ 支払いシステムのIT化、施設間連携のIT化に区分して分析をしてみたいと考えてい ます。特に医療施設のIT化に関しては、実際のITシステム・機器を、オーダリング 系、画像診断系、臨床検査系、電子カルテ、物流系、医療事務系、その他に区分して分 析を行いたいと考えています。  施設によって部分的に導入しているところもありますし、総合的に導入しているとこ ろもありまして、一緒に分析することはできませんので、この区分で分析したいと考え ています。  4.調査実施体制ですが、シンクタンクへの委託調査という形でやりたいと思ってい ます。調査自体は、後で説明いたしますヒアリングシートに基づいて聞き取り調査をや っていきたいと考えます。  5.スケジュールについては、11月半ばには中間的なものになるかもしれませんが、 調査結果を報告したいと考えています。  6.調査項目ですが、3ページにありますように、ヒアリングシート案に基づく調査 を行い、対象病院ごとに下の表にあります事項について報告したいと考えています。基 本情報に加えて、どういうシステムを導入しているのか、システム構成はどうなってい るのか、導入費用、導入方法、メンテナンス等の契約形態などについてヒアリングシー トに基づいて調査をしていく形になります。  分析の視点としては、企業戦略、医療安全の向上、コスト合理化など経営者はどうい う目的でIT化を推進したのか、そういう視点を加えた分析も行いたいと考えていま す。  別紙にヒアリングシート案を示しています。基本情報、収支情報、資産・負債情報と いうのは一般的なものです。  3ページからがIT化に係る調査になりますが、そもそもどういうシステムを導入し ているのか。ベンダーごとにスペックが異なっていますので、そういうものをヒアリン グして分析してみる。あるベンダーの機械から別のベンダーの機械に乗りかえる時に、 もとになる情報の標準化が行われていないために膨大なコストが改めてかかってしまう という問題も明らかにしたいということで、スペック別の調査も考えています。  そのほか導入に関するコスト、維持にかかるコスト、それによってどのような削減効 果があったのかなどについてヒアリングをもとにして調査を行っていく。ものによって は具体的な数字を入れていただくという形で調査を行いたいと考えています。  なお、調査対象の選定に当たっては、ITシステム・機器の開発から関与した施設は 初期投資の費用が膨大にかかっていますので、そういう施設は対象外として、できあが った製品を導入した施設を中心に今回の調査を行いたいと考えています。以上です。 ○田中分科会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの2つの報告につきまして、御質問、御意見がありましたらどう ぞ。質疑というよりは、よい調査票にするために、こういうことが抜けてるのではない かとか、これは難しいのではないかとか、建設的な議論をお願いいたします。 ○井部委員  対象になる施設は、プログラムが確立された段階で導入した施設とおっしゃと思うん ですが、最初からプログラムを手づくりで開発したところは対象にはしないということ でしょうか。 ○松田委員  ばらつきが大きくなってしまうので。施設によってはメーカーとの共同事業という形 でやっていまして、お金の切り分けが難しいと思いますので、そういう施設は今回は対 象外にしたいと考えています。 ○井部委員  私の経験では開発にものすごく労力がかかったので、その苦労を知ってもらうのにい い機会だなと思ったんですが、そこが除かれるというのは残念だなと思ったんです。標 準化という点では、価格についてもかなりばらつきがあるのは確かなんですけど、人が ひとり死にそうになるくらい大変な開発をいくつかの病院はやっているのではないかと 思います。 ○手島委員  前回も発言したんですが、かなり膨大な費用をかけられている割に、それがうまく連 携しているのかということについて、私としては疑問があります。例えばオーダリング システムがありますが、医薬品をこういうふうに処方して、途中で変更があるわけで す。変更があった場合、その処理はちゃんとされてるのだろうか。薬剤師は薬歴を持っ てるんですが、その薬歴とのリンクがうまくいってるのだろうか。そういうことを見て みますと、そういう配慮がないところが多いんですね。  レセプトの電算処理システムでも、それぞれの薬を書く場合、DPCなどいりません ので、そのへんはリンクされてないのではないか。調べていただきたいのは、当初の目 的がどういうところにあって、どういうスタッフがつくっていったのかということが利 用のされ方に影響しているのではないかと思いますので、その点をよろしくお願いした いと思います。 ○堀江保険医療企画調査室長  先生がおっしゃいましたようにITの部分は難しい側面があって、費用はかかってい るけれども、効率的にいってるかどうかという話もあると思います。今回はITも安全 の方も先進的なところというので、かけたお金の割にうまくいってるらしきところを中 心的に見ていただくという発想でお願いしております。  先ほど井部委員からお話がありましたように、開発型のものも少しやってみてもよろ しいかとは思いますが、集計するという観点からすると不適当なところがあります。安 全の方は、やった目的と効果が見やすいのかもしれませんが、ITの部分は何年先に向 けての効率化であるかとか、開発をすることに目的があったりする開設者がいるような 側面もあるようにお聞きしまして、今回のような設計に枠をかけさせていただいており ます。 ○松田委員  井部委員に質問したいんですが、事例研究として聖路加を深掘りさせていただくこと が可能であれば、事例研究という形で開発型の施設のヒアリングをすることも可能だろ うと思いますので、そういう資料が聖路加に残っているのかどうか、お聞きしたいと思 います。 ○井部委員  確認しないとわかりませんが、システム室が保管していると思います。こういう業界 というのは、あるメーカーから次のメーカーに移しかえた時に、前のメーカーが全部も って帰ってしまうので、新たに開発するということが起こっていて、国家的に一定のプ ロトコールみたいなものが確立されていると、これからやる病院はとてもいいのではな いかと思っています。最初の質問に関しては確認いたします。 ○松田委員  まさに標準化のことをしっかり提案したいなという思いがあります。  先ほど手島委員からありました話ですが、これは大きな問題になっているようです。 ある病院ではクリニカルパスを電子カルテの中に組み込んでおいて、その中で、入院当 初の一定処方でパッと処方を出しちゃうんですが、途中でバリアンスが発生してしまう とオーダリングを一切受け付けなくなってしまうために、結局、全部手作業でという形 になって、非常にコストがかかる。そのようなことがどのくらい発生しているのかを調 べると、当初の目的とは違って、効率化を阻害しているということがヒアリングを通し て出てくるだろうと思います。その点については分析したいと思っています。 ○近藤委員  ITの調査を以前やった観点から2点申し上げたいと思います。IT化に関してシス テム導入の評価のところなんですが、効果があるという前提の質問票になっているよう な気がします。以前、私がいくつかの病院や施設で調査をした時に、削減コストではな くて、そのプロセス自身がコストであったという例がありました。完全に入れかえると か、井部委員からもお話があったように、ロックインされるようなものになって、後で のトータルコストが高かったとか、トータルコスト包含シップといって、全体でもって るシステムコストが過剰であったというケースもあるので、そこをどのようにとらえる のかというのが難しいかなと思います。そこを何とかしたいというのが1点です。  2点目は調査の記入者に関係があると思うんですが、以前やった調査で、システム担 当者に効果を聞くと、自分が導入を図った方は、大幅に損した投資ばかりやったという ことを書くことはほとんどないので、効果があったという結果になります。経営陣とか 実際に作業をされてる方に聞いてみると違う評価が出てくることもあると思います。評 価の記入者をどうするかということと、システム担当者がやった場合は、全体のコスト 削減とか安全性というものとそれが整合性があるのかどうか、そういったところの検証 プロセスが必要になりましたので、そういうところを解決するような調査ができればと 思っています。 ○松田委員  近藤委員が指摘されたとおりだと思います。実際の作業のラインに沿って関係者にヒ アリングを行うという形でやっていきたいと考えています。先生のお時間が許すようで したら、この調査の検討に加わっていただければと思います。 ○田中分科会長  できるだけいい調査にしないと、親委員会でそんなのではだめだといわれたら困るの で、よろしくお願いします。 ○椎名委員  この2つの調査の性格について教えていただきたいんですが、先駆的な取り組みをや っている施設ということで、基本的にこれはケーススタディという理解でよろしいんで しょうか。トップランナー的な施設をどうやって選ぶのか、それをはっきりしておく必 要があるのではないかと思うんですが、そのへんを教えていただきたいと思います。 ○今中委員  第1段階ではケーススタディになるだろうと考えています。選び方については、トッ プランナーというのを客観的に評価するのは難しいんですが、調査に協力していただく のも困難を伴うと思うので、協力していただけるところにお願いする。代表性を考えて のサンプリングとか、客観的にベストプラクティスをやっているところを検証すること は難しいと思うんですが、いろんな人が見てよくやっているところで、しかも全面的に 協力いただける施設ということになるのではないかと考えています。 ○田中分科会長  両者のサンプルは一致するのでしたでしょうか。重なるのですか。 ○堀江保険医療企画調査室長  調査の効率化を図る観点から、一部、同一の施設にお願いします。安全についてよく 取り組んでいるところとITについてよく取り組んでいるところが必ずしも一致しない と思いますが、ほとんど一緒だとおっしゃる中医協の先生もいらっしゃいます。1回お 聞きしたところから何度も基本的な情報をお聞きするのも大変ですので、効率化を図る 観点もあります。  ケーススタディなのかどうかというのは今中委員がお話しいただいたとおりだと思い ます。ITの範囲というのは把握しづらいところがありますので、17年度は先進的な取 り組みをしているのころの調査をして輪郭をつかんで、18年度にはより範囲を広げて調 査を行うことが有益ではないかというのが「医療安全」と「医療のIT化」の両方の調 査について基本的に流れている考え方でございます。 ○椎名委員  先ほどの今中委員の説明でよくわかりました。先進的な取り組みを行っているところ と断定したような書きぶりになっていますが、「と言われている」といった柔軟な表現 にしておいた方が調査の性格がはっきりわかるのではないかと思います。  調査票ですが、基本情報というペーパーがありますね。今後さらに詰めていく過程に あるものだと思うんですが、病院の場合、医療機能がわかるような項目を入れておく必 要があるのではないかと思います。 ○今中委員  基本情報については安全の方ではこのようなものを1枚つけていますが、機能その他 の各種情報について機能を明確にできるような形で情報をいただかなくてはいけないと 思っています。調査がスタートしていますが、基本的な情報をいただいております。そ れに加えて基本的な情報をいただく必要があるという認識はございます。 ○近藤委員  今中委員の調査項目を見させていただきますと、安全管理とか感染制御に関して効果 があるであろう独立変数みたいなプロセスとか体制に関する要因について質問している のだと思うんです。最後の調査内容の目的のところに、難しいながらも効果を計測する ための指標についても調査を行うということがあるので、何らかのアウトプット指標と いうか、実際にそれらの変数がどういう効果があったのかということを聞く、あるいは それを結びつける変数みたいなものが調査票の中には入ってないように思うんです。 ○今中委員  この調査票の中でも使えるものも出てくるかもしれません。効果の指標についてはい ろいろな考え方があるかと思いますが、まだ十分整理できてないというのが現状でし て、具体案として提示できておりません。今年度の研究の中で方向性を見出していきた いと思っております。 ○石井委員  メモ書きの方の一番最初に「医療情報を提供して説明責任を果たす」と書いてあるん ですが、こういう項目を導入効果の欄に入れる必要はないんでしょうか。導入効果は、 コストが削減したり内部で安全性が高まったとか在庫が適正化したとか稼働率が上がっ たという評価なんですが、ITを導入した結果、その医療機関における医療情報の提供 が進んだというのは導入効果の中に入れなくていいのかどうか。あるいは視点を変え て、これをやった結果、在庫の適正化が行われたというんじゃなくて、患者サイドがど んな満足を得たかということが本来はそれが一番大きい導入効果ではないかと思うんで すが、いかがでしょうか。 ○松田委員  各医療施設がどのくらい情報を提供しているかということが基本としてあると思うん ですが、病院を選択するに当たって、そこの病院が提示しているウェブ上の情報を見 て、それが役に立ったとか、それがこの医療機関の受診を決定するのに役立ったとか、 そういう形の調査を別途組む必要があるのかなとは思います。  もう一つは、今回、ヒアリングの対象として、病診連携で情報共有を図っている医療 機関を選びたいと考えています。そういうところは病院と診療所で情報を共有すること によって患者さんに対する説明とかいろんなことをやってますので、診療所の医師を通 じた情報提供とは違いますけど、そういうものに役立ったかどうか。そういうところに ついては石井委員から御指摘いただいた内容で少し調査をしてみたいと思います。  国民への情報提供は非常に重要だと思いますので、調査協力医療機関にお願いして、 そこにかかっている患者さんに別途、調査票をお配りして、それを回収して、医療情報 の国民への提供がどのくらい進んできて、その効果はどうなのか、参考になったかどう かという形も考えてみたいと思います。 ○田中分科会長  私の一学者としての経験から言いますと、IT化によって情報伝達がうまくいったか どうか、連携がうまくいったかどうかというのはIT化が原因ではなくて、もともとI Tがあろうとなかろうと、うまくいっていたところはITが入るとさらにうまくいく し、もともとうまくいってなかったところはIT化してもうまくいかない。IT化が原 因ではなくて、face to faceでの情報伝達が患者さんにうまくできていたり病診連携が うまくいってるところはIT化がプラスになる。そっちの方がはるかに重要で、ITが 原因だととらえちゃうと、ちょっと違うかなという感じがするんですけどね。重要な点 だと考えます。 ○柿田委員  対象が10施設程度で、サンプリングという意味で病院の規模を考えておられると思う んですが、調査票を見ると、非常に多岐にわたるんですね。私の関係しております大学 病院のようなところですと大型のコンピュータシステムを入れながら、なおかつうまく いってない部分もあるし、中型の病院では地域のネットワークを大変よく運用されてい るところがあるわけです。まずはリサーチをしておいて、IT化に係る経費やコストを 考えるという意味で調査項目のポイントを絞る方法など、今後やられることになります か。 ○松田委員  絞るという点では、システムの周囲のところで、調査票案の別紙の3ページにありま すけど、オーダリング系とか画像処理系とか、そういう形でまとめてみたいと考えてい ます。IT化の範囲が非常に広いので、きちんと分けて整理しないと何を見ているのか わからなくなってしまいますので、こういう形でシステムの種類別の分類をして、まと める段階では、どういう目的で導入したのかということを切り口にして分析をしてみた いと考えています。 ○柿田委員  対象が10施設か15施設ですが、いったん調査をした上で、その中から拡大またはピッ クアップして詳細な調査を進めるという計画でしょうか。 ○松田委員  追加調査が必要になると思います。一つの施設でオーダリング系、画像処理系、臨床 検査系、電子カルテ、物流系、医療事務系を同時に入れる例は少なくて、順番に導入し ていますので、一施設で複数の調査という切り口もあると思います。いずれにしても調 査施設については適宜増やすことを考えたいと思っています。 ○手島委員  医療安全とITと両方とも調査対象に保険薬局が入ってるんですが、保険薬局は調剤 のレセ電の普及率がなり高いので、この2つの調査では同じような保険薬局を選定され ることになると思います。薬の分野というのはなじみやすいので、質問票はもう少し絞 っていただいた方がいいかなという感じがいたします。 ○今中委員  安全とITと同じような施設で多くできれば効率がいいと思っております。安全の方 の2ページ、3ページの表に一つの案がありますが、病院の場合はこういう要素、保険 薬局の場合はかなり限って重要な要素を見るという形で、一律に全部同じことを聞くわ けではないというプランでいきたいと思っています。 ○田中分科会長  松田先生の調査票の2ページに第3.資産・負債情報という欄がありますね。負債と までは言わなくてもいいけど、IT化に関する資金調達は聞かなくていいのでしょう か。自己資本でやった、補助金をもらった、借入れた、リースだった、その程度でいい と思いますが。 ○松田委員  その視点も加えたいと思います。 ○青木委員  今中先生の調査票の7ページに「安全管理に係る院内研修の取組状況」という項目が ありますが、看護師の新卒研修というのが80%ぐらいの病院で行われてるんですね。秋 口までとか、その年いっぱいとか、そのくらいの規模で行われておりまして、研修に関 する病院のコストは相当な負担になってるはずなので、そういう項目を7ページの中に 立てて、チェックしていただけるとありがたいと思います。  感染制御関係だと思いますが、職員の健康診断によって感染症が見つかったとか、そ ういうことに対する手当てというのが必要ではないかと思いました。 ○今中委員  感染関係については事前に抗体の検査をするとか、ワクチンを打つとか、やってみな くてはいけないと思いますが、そういうことも情報を収集するような計画になっており ます。  前者については、新卒の看護師の院内研修が行われているかどうかということです か。 ○青木委員  4月に入ってくる新卒の看護師に対して院内研修を数カ月やる医療機関が80%以上あ るということです。例えば夜勤帯に看護師を1人増やすという形で新卒者を入れて研修 をやりますと、それはコストが当然かかるんですが、その人にとっては丸1日の研修と いう考え方もできます。  健診については、通常の会社でも行われている35歳以上及び40歳以上の健診というも のもこの中に含めていくのか。そのへんの考え方が私にはよくわかりませんので。 ○今中委員  入れる方向で検討してみたいと思います。 ○須田委員  医療安全に関するコスト調査票案を見ますと、最初のページでは職員の状況のところ に医師・歯科医師と入れていただいてるんですが、2ページ以降の記入欄には歯科医師 がありません。医師・歯科医師にしていただけると、そのまま使えると思います。よろ しくお願いします。 ○今中委員  御指摘ありがとうございます。 ○田中分科会長  猪口先生は調査を受ける方の立場ですけど、こんな調査票は難しいとか、何かござい ますか。 ○猪口委員  答えるのは難しいだろうと思います。実際にやってる費用から、ここに切り分ける作 業ができるのかと思って。実際の算出方法を具体的なところまで御指示いただかない と、それぞれの病院では、あれもあるのかな、これもあるのかなというのがわからない のではないかという気がします。 ○田中分科会長  それぞれの病院で違うデータを入れられても困りますから、標準的な切り分け方を教 えてほしいということですね。それは根本的に大切な点ですね。 ○堀江保険医療企画調査室長  本日いただいたいろいろな御指摘を整理して、簡便化するところはして、できるだけ 記入欄を明確にして、最後にまとめていく際に無駄が出ないように、必要かつ十分な形 で最小限のことをお聞きするような形に整えたいと思います。私どもも今中先生、松田 先生と一緒に整理させていただきたいと思います。 ○田中分科会長  調査は10月ですから、すぐですよね。 ○堀江保険医療企画調査室長  中医協の基本問題検討小委員会では、こういう調査の検討を進めていくことについて は了解をいただきつつ、具体的な設計を聞かせてほしいということでしたので、本日の 御意見を踏まえてどんどん進めまして、より進化させた形で中医協に説明できるように 準備し、その間に調査準備も進めまして、中医協の了解が得られましたら、ただちに調 査にかかれるように、場合によっては事前にテストをしながら進めてまいりたいと考え ております。 ○田中分科会長  今年度は完全な答えを求めるというよりは、調査の仕方がこれでよいかどうかテスト していく方が主眼になると思います。後でお気づきのことがありましたら事務局に言っ ていただきますが、本日はこれでよろしゅうございますか。  それでは、本日はいろいろと御指摘をいただきましたので、それを踏まえて修正を行 い、私が確認した後に、中医協・診療報酬基本問題小委員会の求めに応じ、私から報告 したいと存じます。  なお、私の方で必要と判断した場合には、委員の皆様に個別に事務局を通じて御相談 することがあるかもしれませんが、そういう取り扱いでよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○田中分科会長  ありがとうございました。それでは、そのような取り扱いにさせていただきたいと思 います。  今中委員、松田委員には御苦労をお願いしておりますが、よろしくお願いいいたしま す。  本日予定しておりました議題につきましては以上です。本日の分科会を終了したいと 思います。  次回の分科会について事務局より説明をお願いします。 ○堀江保険医療企画調査室長 次回の日程につきましては現時点では決まっておりませんので、おって連絡させていた だきます。次回は食費の関係と、部門別調査の最終報告ということで準備を整えさせて いただき、そこを中心に会議を開きたいと思います。今月中か来月の早いうちか、その へんをめどに御案内させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○田中分科会長  それでは、「第8回診療報酬調査専門組織・医療機関のコスト調査分科会」を終了さ せていただきます。本日はお忙しい中をありがとうございました。                【照会先】                 厚生労働省保険局医療課 保険医療企画調査室                 代表 03−5253−1111(内線3287)