2  年金担保貸付制度との関係

  (1) 年金担保貸付制度の概要

 年金担保貸付制度は、年金受給者に対して、年金受給権を担保として、不意の事情により必要が生じた生業資金等の小口の資金の貸付を行うもの。(昭和50年度に旧年金福祉事業団が開始し、現在は独立行政法人福祉医療機構が実施。受付業務は受託金融機関が実施。)

   ○  貸付条件
    (1) 償還方法
     ・ 現在は、「全額償還」(年金の全額を返済に充当)又は「半額償還」(年金の半額を返済に充当)を制度利用者が選択。
     ・ 平成17年10月より、制度利用者が一定の返済額(1万円単位、2ヶ月毎の年金支給額の1割が下限)を選択する「定額償還」に改める予定。
    (2) 貸付限度額
     ・ 全額償還:年間の年金支給額の1.5倍以内
     ・ 半額償還:年間の年金支給額の範囲内
     ・ 定額償還:年間の年金支給額の1.2倍以内であり、年金が支給される2ヶ月毎の返済額の12倍以内
  →さらに、いずれの場合も、10万円から250万円の範囲内の額を貸付。
    (3) 貸付金利(平成17年4月15日以降)
 1.4%(財政融資資金からの借入金利+事務費相当分)

   ○ 事業実績としては、貸付件数、金額ともここ数年伸びており、平成16年度(速報値)には約21万件、2,398億円の貸付を実施。

表

  (2) 生活保護制度と年金担保貸付制度間の問題について

   【生活保護と年金担保貸付との関係における問題】

   ○  年金担保貸付制度は、借受人の年金が直接(独)福祉医療機構に支払われて返済に充てられるため、年金担保貸付を受けている被保護者については年金を収入認定できない。
↓
 年金担保貸付を受け、借入金を全て借金の返済や遊興等により費消した後、生活に困窮したとして生活保護を受給することを繰り返す例も見られる
  → 全額税を原資とし、国民の最低生活を保障することを目的とする生活保護制度の趣旨に著しく悖るもの。
    (参考)(1) 65歳以上の被保護者のうち、年金担保貸付制度を利用している者の割合 0.90%
 (2) (1)に該当する者のうち、過去にも年金担保貸付制度を利用することにより生活保護に陥ったことがある者の割合 24.30%
 ( ※ 平成14年に厚生労働省保護課が14道都県・6市を対象に行った「年金担保貸付制度の利用者に係る生活保護の適用状況調査」の結果に基づく推計)

   ○ また、年金担保貸付制度は、利用者の選択により年金の全額又は半額を返済に充てるものであり、返済期間中に生活困窮に陥る例も見られる。

   【現行の対応】

   ○ 年金担保貸付制度は、年金受給者の不意の事情による一時的な資金需要(生活、住居、医療等の支出のための資金需要)に対し、低利で貸付を行うものであり、年金受給者の利便に資する制度である。

   ○ 年金担保貸付後の生活保護受給等を防止するため、貸付申請者に対して、受付窓口((独)福祉医療機構から業務委託を受けた金融機関)において、「償還期間中の生活に支障が生じないよう十分に検討した上で利用すること」、「生活保護受給中である場合は、年金担保貸付が生活保護の受給に影響する可能性があるため、福祉事務所に相談した上で借入申込を行うこと」をパンフレット等により説明しているところ。

   ○ 年金担保貸付制度の利用者が無理のない返済額を選択できるよう、平成17年10月から定額償還制度の導入を行う予定であり、更なる改善案についても検討中。

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