資料1
平成17年9月15日

生活保護費及び児童扶養手当に関する関係者協議会
共同作業における議論の中間まとめ


 失業率等の経済・雇用情勢、高齢化等の社会的要因の影響について
 保護率と、失業率や高齢化、離婚率等との相関は高く、経済・雇用情勢や社会的要因は保護率・保護費の上昇や保護率の地域間較差に極めて大きな影響を及ぼしている。


 生活保護以外の社会保障制度や厚生労働省の制度運営の影響について
 生活保護以外の社会保障制度における自己負担の増加や給付水準の上昇、低所得者施策の在り方や生活保護の適正実施に必要な厚生労働省の制度運営に係る通知等が保護の動向に影響を与えているという定性的な見方もあるが、定量的にはその具体的な影響の有無や程度を示すデータは示されていない。


 地方自治体における保護の実施体制や取組状況等について
(1) 地方自治体における保護の実施体制や実施状況には地域間で較差があり、これらの指標と保護の動向の間の相関のあるデータ等も見受けられるが、相関のないデータもある。

(2) 保護の適正化や就労自立支援、高齢被保護者や傷病・障害被保護者が入院せず、在宅や施設で暮らせるようにするための支援等に組織的に取組むことは重要であり、これにより保護率低下や保護費削減に一定の成果を上げている自治体がある。
 ただし、全国平均的には高齢者世帯や傷病・障害者世帯が8割を超えている現状においては、就労自立支援が保護率を低下させる効果は限定的であると考えられる。


 その他
 地方自治体における医療提供体制と医療扶助の実施状況には相関があり、この傾向は、国保や政管健保などの他の医療保険と同じである。



(参考資料)

 失業率等の経済・雇用情勢、高齢化等の社会的要因の影響について
(1)保護率の上昇
 保護率は現行法が始まった昭和26年の24.2‰以降長期継続的に低下傾向にあったが、平成7年の7.0‰を底として再び上昇に転じ、平成15年には10.5‰に上昇した。

(2)保護率の上昇や地域較差をもたらす要因
 以下の社会経済的要因と高い相関がある。
(1) 失業率などの経済・雇用情勢(データ:保護率と各種指標との相関係数)
(都道府県)
 ・ 完全失業率:r=0.74、0.70
 ・ 完全失業率と保護率(20〜64歳):r=0.71
 ・ 失業者人口比:r=0.80
 ・ 共働き世帯割合:r=−0.76
(指定都市)
 ・ 完全失業率:r=0.70
(2) 高齢化の進展、都市化の進展(データ:保護率と各種指標との相関係数)
(都道府県)
 ・ 高齢単身世帯割合:r=0.80、0.59
 ・ 高齢単身世帯割合と保護率(65歳以上):r=0.79
 ・ 高齢単身借家世帯:r=0.77
 ・ 単身世帯割合:r=0.70
 ・ 3世代同居率:r=−0.69、−0.67
 ・ 持ち家比率:r=−0.60
(指定都市)
 ・ 高齢単身世帯比率:r=0.82
 ・ 高齢単身借家世帯比率:r=0.77
(3) 離婚率の上昇などの家族の変容(データ:保護率と各種指標との相関係数)
(都道府県)
 ・ 離婚率:r=0.75、0.73
 ・ 女性離別率:r=0.77
 ・ 女性就業率:r=−0.66
 ・ 母子世帯比率:r=0.45、0.65
(指定都市)
 ・ 離婚率:r=0.76
(4) その他の社会的要因
項目 総務省・地方団体 厚生労働省
相互扶助の度合いといった地域のコミュニティーの状況や生活保護に対する意識の違い
 相互扶助の度合いといった地域 のコミュニティーの状況や生活保護に対する意識の違いなどによって、地域較差が生じていると認められる。
【データ】
民事訴訟件数:r=0.62
国民年金未納率:r=0.56
低所得世帯に占める被保護世帯
割合:r=0.82
 民事訴訟件数、国民年金未納率、低所得世帯に占める被保護世帯割合が、それぞれ相互扶助の度合いといったコミュニティの状況や生活保護に対する意識の違いを説明するデータ(代理変数)とは言えない。
(5) 保護率と社会・経済指標の相関(重回帰分析)
 失業率a、高齢単身借家世帯率b、女性離別率c:R=0.76
 (係数とt値:a=1.00(1.25)、b=4.25(4.63)、
c=3.54(3.33))
 個人所得a、高齢単身借家世帯率b、女性離別率c:R=0.82
 (係数とt値:a=0.01(3.76)、b=6.71(6.77)、
c=1.63(1.58))
 個人所得a、高齢単身借家世帯率b、女性離別率c、低所得者に占める被保護世帯割合d:R=0.95
 (係数とt値:a=−0.01(−9.03)、b=2.45(3.62)、
c=1.31(2.36)、d=1.21(10.29))
項目 総務省・地方団体 厚生労働省
重回帰分析について
 経済・社会的要因を表す失業率(又は個人所得)、高齢単身借家世帯比率、女性離別率の3つの指標で、保護率の地域較差の8割程度は説明でき、この3つの指標に、低所得者に占める被保護世帯の割合の指標を加えると、地域較差の9割程度は説明できる。
 なお、多重共線性の検証、t値の検証から当該分析は有効。
 保護率を説明する3つの変数相互間に相関があること(多重共線性)、係数のt値に有意でないものがあることなどから、左記の分析は有効でない。
 低所得世帯に占める被保護世帯割合が、相互扶助の度合いといったコミュニティの状況や生活保護に対する意識の違いを説明するデータ(代理変数)とはいえない。

 ○ 完全失業者数の増減と被保護者数の増減との相関(都道府県、平成9→15年度)
 :r=−0.16

 他の社会保障制度や厚生労働省の制度運営の影響について

総務省・地方団体 厚生労働省
 老人保健、介護保険等における自己負担の増加や、DV被害者やホームレスへの保護の適用方針等が保護率の上昇要因の一つとなっているというのが現場の感覚ではないか。
 生活保護制度は他法他施策を優先し、また、困窮に陥った原因を問わず最低生活を保障する制度であるが、他の社会保障制度や低所得者施策の在り方が保護率等に及ぼす具体的な影響の有無や程度の評価はできていないのではないか。
 国民健康保険料滞納者のうち生活困窮者への生活保護申請勧奨、生活困窮者把握のための情報収集等や、申請権の侵害の防止等に関する厚生労働省通知(別添)が、保護率・保護費の増加につながっているのではないか。
 これらの通知は保護を受けるべき人に保護が適用されることを確保し、また、保護を適正に実施するために必要なものではないか。

 地方自治体における保護の実施体制や取組状況等について
(1)保護の実施体制や実施状況に関する指標と保護の動向の相関
(1) 保護の実施体制及び実施状況に関する地域間較差
 保護の実施体制・実施状況の較差の例
 現業員充足率(都道府県別)
  最高184.4%、最低68.4%(全国平均98.9%)
 申請一件当たりの関係先に対する資産・収入調査件数(都道府県別)
  最高43.4件、最低6.1件  (全国平均23.1件)
 被保護世帯一世帯当たり年間訪問調査活動回数(都道府県別)
  最高6.91回、最低2.32回 (全国平均3.86回)
新規保護申請件数に対する保護開始件数(都道府県別)
  最高96.0%、最低70.1% (全国平均89.2%)
 これらに対する評価
 調査件数、訪問件数の較差は、実施体制によるものではなく、対象となる世帯類型などに関係するものであり、件数の多さよりも効率性・実効性が重要である。
 生活保護手帳に「生活圏内の関係先調査」と明記されており、較差が生じるのは当然。

(2) 保護の実施体制・実施状況と保護の動向の相関

項目 相関がないとするデータ 相関があるとするデータ
 保護の実施体制と保護率の関係
1)  現業員充足率と保護率の関係
 標準数2人以上の福祉事務所の保護率と現業員充足率(専任換算有):
 r=0.22(都道府県別)
 r=−0.21(指定都市別)
 標準数2人以上の福祉事務所の保護率と現業員充足率(専任換算無):
 r=−0.26(都道府県別)
 r=−0.19(指定都市別)

 現業員の標準数1人の福祉事務所は、複数の配置を余儀なくされ、結果として現業員充足率は高くなる。標準数1人の福祉事務所が多いのは農村部であり、もともと保護率が低い。このような地域では、自ずから現業員充足率は高いこととなる。
【データ】現業員充足率と標準数一人の福祉事務所数の全福祉事務所数に占める割合との相関
 r=0.79

 現業員数には、他の福祉関係業務を担当する兼務者を含んでおり、実態を反映していない。
 現業員充足率と保護率の相関
 (都道府県別・全福祉事務所)
  =0.51(y=306737x-2.24495
(特徴)
 (1) 現業員充足率が特に高い自治体においては保護率が低い
 (2) 保護率が10‰を超える自治体で現業員充足率が特に高いところはみられない
 現業員充足率と保護率の相関
(福祉事務所別):
 =0.32(y=3665.2x-1.3181
 標準数2名以上の福祉事務所の現業員充足率と保護率の相関(都道府県別):
 =0.31(y=387566x-2.3149
 現業員充足率が100%以上の福祉事務所が占める割合と、平成9年から15年の保護率の変化の相関:
 r=0.77
 現業員充足率と保護人員の伸び率との相関(平成11年〜15年度平均、指定都市別):
 r=−0.60
 現業員充足率が100%以上の福祉事務所と100%未満の福祉事務所における保護率の比較:
 前者は保護率の平均が7.63‰であるのに対し、後者は16.76‰であり、現業員充足率が100%以上の福祉事務所の方が、現業員充足率が100%未満の福祉事務所よりも、平均して保護率が低い。
2)  保護率の変化と現業員充足率の推移との関係
 現業員充足率と保護率の相関について、現業員充足率の低下は保護率の上昇に配置が追いつかないことから生じるものであり、現業員充足率が低いことが保護率が高い原因となっているわけではないのではないか。
 以下のデータから、現業員充足率の低下は保護率の上昇に伴い不可避的に低下するものではなく、自治体により充足率の変化状況に較差があるのではないか。
 指定都市における現業員充足率を経年的に比較すると、保護率の上昇局面においても現業員充足率を維持し、保護率があまり大きく上昇していない自治体と、保護率の上昇に伴い現業員充足率が低下し続け、保護率も大きく上昇している自治体がある。
 平成15年度現業員充足率が100%以上の都道府県と100%未満の都道府県の平均保護率と平均現業員充足率の推移について見ると、昭和60年には双方とも保護率は12‰、現業員充足率は110%前後であったが、平成7年から15年の保護率上昇局面には前者に比べて後者の保護率の上昇・現業員充足率の下落の幅がともに大きくなっている。
(前者: 保護率+2.1‰
現業員充足率−20.1% 
後者: 保護率+5.0‰
現業員充足率−28.4%)
 保護の実施状況と保護率との相関
 申請一件当たり関係先調査件数と保護率の相関:
 r=−0.03(都道府県別)
 r=0.11(指定都市別)
 年間訪問回数と保護率の相関
 (都道府県別、平成15年度):
 r=−0.12
 不正受給発見数と保護率の相関
 (都道府県別):
 r=−0.12
 過誤調整率と保護率の相関:
 r=−0.04
 同じ実施体制で事務を行っている同一行政区域内の各実施機関ごとの保護率や同一の実施機関内の小学校区の保護率に大きな差が生じている。
 大阪市の実施機関の保護率較差
 福島:  8.6‰
 西成:147.9‰ 約17倍
京都市の同一実施機関内の保護率較差
 A学区:  9.7‰
 B学区:176.7‰ 約18倍
 関係先調査件数が増加しているにもかかわらず、保護の開始世帯が増加しているところがある。
 申請一件当たり関係先調査件数と保護人員の伸び率
 (指定都市別、平成11〜15年度平均):
 r=−0.73
 年間訪問調査回数と保護人員の伸び率の相関
 (平成11〜15年度平均):
 r=0.49(都道府県別)
 r=−0.46(指定都市別)
 申請件数に対する開始件数割合と被保護人員数の伸び率の相関
 (都道府県別):
 r=0.61
 左記の主張に関しては、大阪市各区の実施体制・実施状況には大きな幅が見られ、「同じ実施体制」と言う ことはできない。
 また、大阪市の一部の区においてはホームレス等の偏在、京都市の同一実施機関内の一部学区については低所得者向け住宅の密集等の影響により保護率が突出して高くなっている可能性が高いが、このような特定の事情の保護率への影響をもって、保護の実施体制と保護の動向に関する相関の存在そのものが否定されるものではない。
 左記と同じ調査において、関係先調査件数の増加に伴い、保護の開始世帯が減少しているところもある。
 保護の実施体制と保護の実施状況との相関
 現業員充足率と関係先調査件数との相関(都道府県別):
 r=0.13
 現業員充足率と年間訪問回数との相関:
 r=0.29
 現業員充足率と不正受給発見件数との相関:
 r=−0.17
 現業員充足率と過誤調整率
 r=0.12

 調査件数、訪問件数の較差は、実施体制によるものではなく、対象となる世帯類型などに関係するものであり、件数の多さよりも効率性・実効性が重要である。また、生活保護手帳に「生活圏内の関係先調査」と明記されており、較差が生じるのは当然。
 現業員充足率と関係先調査件数との相関
 r=0.40(指定都市別)
現業員充足率と年間訪問回数との相関
 r=0.53(指定都市別)
(2)保護の適正化や自立支援のための組織的取組の効果
 保護の適正化や自立支援のための組織的取組の例
 北九州市においては、生活保護の適正実施を図るため、(1)実施体制強化のため組織機構・人員配置の改編、(2)マネジメントサイクルを導入し生活保護業務の改善等を実施した結果、全国の保護率の上昇局面(平成6年:7.1‰→平成15年度:10.5‰)においても保護率は低下(平成6年:16.3‰→平成15年度13.0‰)
 横浜市においては、就労可能な者に対する支援を組織的に行うため、(1)各福祉事務所における自主事業の実施、(2)就労支援員の配置などを実施した結果、平成16年度には支援対象者928人中就労開始594人、保護廃止159世帯、収入増435世帯、財政支出削減効果252,326千円の成果。
 八尾市においては、母子世帯に対する支援を組織的に行うことを目的として「自立支援プログラム策定モデル事業」を実施した結果、平成16年10月から平成17年1月(3月末までの見込みを含む)で支援対象世帯53世帯中就職・転職等による増収31世帯、1ヶ月当たり財政支出削減効果879,448円の成果。
 大阪市においては、適正化担当の課長代理を配置し、母子世帯に対する自立支援プログラムを策定するとともに、被保護者の就労自立に向けた支援事業をモデル的に実施した結果、16年度(11ヶ月)では支援対象381世帯388人のうち、86人が就職し、11世帯が保護廃止となった。事業効果は、計14,651千円で、1ヶ月当たり財政支出削減効果は1,332千円である。なお、17年度には40人の自立支援担当係長を配置し、事業メニューを拡充して、支援に取り組んでいる。

総務省・地方自治体 厚生労働省
 全国平均的には高齢者及び傷病・障害世帯が8割を占めることから、就労支援が経済的自立につながる世帯はごくわずかであり、保護率や保護費の縮減に与える影響は軽微にとどまるのではないか。
 都内X区の実績(平成16年度)
被保護人員17,280人
(100.0%)
うち稼働年齢層
5,716人  (33.1%)
うち就労阻害要因なし
725人 (4.2%)
うち就労者 260人 (1.5%)
保護廃止世帯 20世帯
(被保護世帯の0.17%)
 高齢者及び傷病・障害世帯で、仮に就労が期待できないとしても、例えば入院せず、在宅や施設で暮らせるように支援することも生活保護の自立支援の範疇であり、これによって、保護費が縮減できることもあるのではないか。






(参考)総務省・地方団体側相関基準
0.0≦|r|≦0.2 ほとんど相関がない
0.2<|r|≦0.4 弱い相関がある
0.4<|r|≦0.7 中程度の相関がある
0.7<|r|≦1.0 強い相関がある






 医療扶助に係る要因
 保護率や医療扶助人員数と医療提供体制関係指標との相関(都道府県、平成15年)
 人口10万対病床数と人口10万対医療扶助における入院人員数:r=0.67
 人口10万対精神科病床数と人口10万対医療扶助における精神疾患入院人員数:
  r=0.79
 人口10万対医療機関数と保護率:r=0.39
 人口10万対医療機関数と人口10万対医療扶助における入院外人員数:r=0.39
 医療扶助保護率と人口10万対病床数の相関:r=0.46
 人口10万対病床数と医療扶助保護率の相関:r=0.37



(別添)

厚生労働省の関係通知等

1.ホームレスへの保護適用(平成15年7月31日社援保発第0731001号)
 「居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものではないことに留意」
 「公営住宅等を活用することにより居宅において保護を行うこと」
 「公営住宅への入居ができず、住宅を確保するため敷金等を必要とする場合」は、「保護開始時の敷金等の支給の対象になる」

2.DV法の被害者への保護適用(「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針」平成16年内閣府、国家公安委員会、法務省、厚生労働省告示第1号)
 「被害者に対し、事案に応じ、生活保護制度の適用について、福祉事務所に相談するよう、情報提供等を行うことが必要である」

3.国民健康保険料(税)滞納者の保護適用(平成17年2月15日保国発第0215001号)
 「生活保護申請が必要な状況にもかかわらず、生活保護の申請を行わない被保険者の発見に努め、資産状況、収入状況を把握して、早急に生活保護の申請を勧奨すること」

4.関係機関の連携による保護適用
 「水道も生活に困窮していることを発見できる機関の一つであるとの視点に立ち」、「厚生省からは、市民団体の意見を参考に、督促状の下に、『○月○日には給水停止を行いますので、真に生活に困窮されている方は、○○(市町村の福祉事務所等)へ連絡願います。』と付記することを検討するよう提案したところ」(平成12年4月13日事務連絡 厚生省水道整備課)
 「水道・電気等の事業者や居宅介護支援事業者等の福祉サービス提供事業者等との連絡・連携体制についても強化を図り、要保護者の把握、適正な保護の実施に努められるよう管内実施機関に対し周知されたい」(平成13年3月30日社援保発第27号)
 「生活困窮者と把握できた場合には、」「福祉部局等との連携について協力していただくようお願い申し上げます」(平成14年資源エネルギー庁電力・ガス事業部ガス市場整備課長通知等)

5.職権による保護適用
 「生活保護制度は、申請主義をとっているため、生活に困窮する者からの申請で保護の開始決定を行うことが原則となっている」が、「単に本人等からの申請を待つだけでなく、真に保護が必要な者に対して適切に保護が実施できるように、地域の実情に応じて、住民に対する制度の周知や民生委員等の関係機関との連携によって生活に困窮する者の情報が福祉事務所につながるような工夫が必要である」(平成15年3月31日社援保発第0331004号)
 生活保護の「申請の意思のある方への申請手続きの援助指導をお願いしたい」、「特に、申請行為の有無を争点とする審査請求等が見受けられることから、法律上認められた保護の申請権を侵害しないことは言うまでもなく、侵害していると疑われるような行為自体も厳に慎まれたい」(平成17年3月2日生活保護関係全国係長会議資料)

6.施術給付の取扱い
 「被保護者に対して事前の医療機関への受診を求める誤った取扱いがなされていたことから、あらためて、管内の実施機関に対し、施術(柔道整復、あん摩・マッサージ及びはり・きゅう)の取扱いについて再確認していただくよう周知徹底をお願いいたします。また、生活保護受給者に対しても、保護開始時にその取扱いを説明するなどし、医療扶助の実施に遺憾なきを期されたい」(平成13年12月13日社援保第58号)
 「施術者等関係機関及び生活保護受給者に対する周知をお願いいたします」(平成13年12月13日事務連絡 社会・援護局保護課医療係長)
 「施術の給付を希望する者に対して一律に医療機関への受診を指導したケースや、正当な理由がなく施術の給付を認めなかったケースなどが見受けられ、関係団体からも『被保護者に対する受診妨害や、指定施術機関に対する営業妨害等になるのではないか』との指摘を受けているところであります」、「施術の給付について適切な取扱いがなされるようご指導方をお願いいたします」(平成15年4月28日事務連絡社会・援護局保護課医療係長)

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