(1) |
女性には特有の感性・特性があるなどの先入観や固定的な男女の役割分担意識に基づき、女性のみを募集・採用や配置の対象とすることなどは、かえって、女性の職域を限定したり、女性と男性の仕事を分離してしまうという弊害をもたらすものである。
法第9条は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置は法違反とならないことを定めたものであり、逆に、上記のような見地から、それ以外の女性労働者に係る措置は違法となることを明らかにしたものであること。 |
(2) |
法第9条における「支障となっている事情」とは、固定的な男女の役割分担意識に根ざすこれまでの企業における制度や慣行が原因となって、雇用の場において男女労働者の間に事実上の格差が生じていることをいうものであること。この格差は最終的には男女労働者数の差となって表れるものであることから、事情の存否については、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない状況にあるか否かにより判断することが適当であり、指針4の柱書きはその旨を明らかにしたものであること。 |
(3) |
「女性労働者に関して行う措置」とは、女性のみを対象とした措置又は男性と比較して女性を有利に取り扱う措置をいうものであること。 |
(4) |
「妨げるものではない」とは、法に違反することとはならない旨を明らかにしたものであり、事業主に対して支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関する措置を講ずることを義務づけるものではないこと。 |
(5) |
法第9条により特例とされる女性労働者に係る措置は、過去の女性労働者に対する取扱い等により女性労働者に現実に男性労働者との格差が生じている状況を改善するために暫定的、一時的に講ずることが許容されるものであり、指針4の「相当程度少ない」状態にある限りにおいて、認められるものであること。 |