世田谷区における子育てセーフティネットの取組

 東京都世田谷区では、区内に民間、関係機関等も含めた子育てに関する様々な相談事業があり、それぞれに機能を発揮してきているが、区民からは、どの窓口に相談すればよいのかわからず、的確な支援が得られない状況も存在。
 【基本的認識】
 子育てにあたっては、様々な緊急事態に直面するため、家庭・地域・行政が連携して的確な対応が必要。
 地域で「見張り合う」のではなく、「見守り合う」子育ての展開が求められている。
《世田谷区では、こうした状況や児童虐待防止法及び児童福祉法の改正を踏まえた対応が必要との認識に立ち、以下の取組を展開》
地域全体の家庭を予防の対象とし、区民、関係機関との密接な連携を図り、子育てに関する総合的な相談、解決のネットワーク(子育て見守り総合ネットワーク)づくりを推進
 
これらにより、子育て相談、虐待予防、子どもの初期救急医療などの各機能が、協働体制をとれるよう環境を整備。
さらに、これらの機能のとりまとめとして、子育てコールセンターの実現に努力。


子育てセーフティネットイメージ図

子育てセーフティネットイメージ図


(参考)市町村における子育て支援セーフティネットの構築

地域における子どもをめぐる現状

保健サイドの主なアプローチ
 ※ 平成15年度
 新生児訪問(生後28日以内など)【任意】
 −−−カバー率19.6%(未訪問901,728人)
 乳児健康診査(4か月児)【任意】
 −−−カバー率94.0%(未受診66,881人)
 1歳6か月〜2歳未満児健康診査【義務】
 −−−カバー率91.9%(未受診95,311人)
 3歳〜4歳未満児健康診査【義務】
 −−−カバー率88.5%(未受診138,601人)

福祉サイドの主なアプローチ
 ※ 平成16年度
 つどいの広場・地域子育て支援センター
 −−2,954か所設置(全国の中学校区の約3割)
 育児支援家庭訪問事業
 −−96市町村で実施(全国の市町村の約3.4%)

児童委員・主任児童委員〔226,927人
うち主任20,777人):平成16年12月1日現在〕の状況
 委員一人あたりの割当子ども数
 −−−108.6人(主任1,078.0人)
 → このうち、委員担当区域で顔と名前が一致する 子ども数
 −−−平均13.0人(主任平均38.6人)
具体的実施方策

(1) 「子ども・子育て見守り推進事業」(仮称)の全国展開
 (事業内容)
 (1)  乳幼児健診の場に、児童委員・主任児童委員が出向き、健診の順番待ちをしている親に声かけを行い、子育てに不安や悩みなどないか状況を確認するとともに、連絡先などを記したカードなどを配布し、自らをPRする。
 (2)  乳幼児等健診未受診児には、市町村から文書又は電話で受診をさらに促すとともに、状況確認を行い、連絡が取れない親などに対しては家庭訪問又は電話等で状況把握を行う。
 (3)  家庭訪問等は、保健師が行うほか、児童委員・主任児童委員又は
子育て応援隊
地域の子育て人材資源を活用(母子保健推進員、子育てサポーター、潜在保健師・潜在保育士 など)
に認定された者(一定の講習を受講後認定証の発行を受けた者)を訪問員に委嘱して実施し、結果を早急に市町村に報告。保健師は家庭の状況等を判断して必要な支援を行う。
(訪問員には、守秘義務を課す)
 (4)  また、児童委員・主任児童委員又は子育て応援隊は、子育てサークルやつどいの広場などに出向き、子育て中の親との交流・相談や各種子育て支援活動への参加を通じて、各家庭の支援ニーズを的確に把握し、必要に応じて子育て支援事業・機関の紹介、あっせんなどを行う。
 (5)  (2)〜(4)の状況把握の結果、虐待のおそれがあると判断された場合には、要保護児童対策地域協議会(虐待防止ネットワーク)につなぎ、関係機関の連携のもと継続的な支援を行う。

(2) 「児童虐待防止推進月間」を活用した啓発キャンペーンの実施
 毎年11月の「児童虐待防止推進月間」を活用し、この期間中、「子ども・子育て見守り全国キャンペーン」(仮称)を全国的に展開するため、地方自治体や児童虐待に関係する省庁及び民間団体からなる「児童虐待防止対策協議会」に子どもの虐待防止等に資する取組を全国一斉に実施するよう働きかけ、様々な角度から子育て家庭を支援する総合的な体制を構築する。

トップへ