資料8 |
(現状の問題点)
○ | 患者は看護師といえば誰でも同じように看護を提供できる人と捉えているが、新人とベテランでは、その能力に大きな隔たりがあること、新人看護師への教育が必要なことをきちんと国民に伝えてほしい。 |
○ | 新人看護職員に対する研修の必要性については、異論があるものは誰もいないと思うが、新人看護職員の臨床能力の低さは問題だ。 |
○ | 大学においては助産師の資格を取得できる人はごく少数であり、しかも、分娩実習を8〜9例程度で済ませていたり、新生児のケアのみも数に入れているなど、十分な助産師教育を行えない実態がある。教育の中にインターンシップを取り入れ、分娩件数を多く経験させてもらいたい。 |
(基礎教育の充実の必要性)
○ | カリキュラムの内容が古いことが問題。養成所は教育人事が硬直化している結果、本来学生が卒業時に新人看護職として期待されるレベルに達成していない。教育の中身を見直しつつ、平行して新人研修のことは考えていけばよい。 |
○ | 看護へのニーズは大きくなり、また医療の高度化が進行している現状では、現行の3年間の教育では十分に対応できない。看護の基礎教育を充実させ、それに追加して保健師教育、助産師教育を行うべきである。 |
○ | 今の教育年限でもきちんと教育できることはあるのではないか。職業としての倫理や社会人としての態度などは、基礎教育で十分対応可能。今の制度でもできることできないことを整理する必要があるのではないか。 |
(新人看護研修制度化の必要性)
○ | 新人看護職員は、知識・技術の未熟なため医療事故を起こす可能性が高いこと、病院の求める看護技術との乖離があること、基礎教育で臨床技術を習得することは困難であること、新人の育成を病院の努力に頼ることには限界があること、新人の離職率が上昇していること等の現状から、看護師の資質向上のためには、基礎教育の充実と卒後臨床研修制度の法制化が必要 |
○ | 厚労省の新人看護職員の臨床実践能力に関する検討会でまとめられた指導指針を実践するためには、制度化し、専任者の指導者を置くことが重要。 |
○ | 研修をやることを決めてから、詳細を検討すればいいと思う。実際に医師や歯科医師の臨床制度の時も、先に研修をやることを決めてから、実際に研修がはじまるまでの期間でいろいろと研修の中身を議論したはずである。 |
○ | 充実した教育や研修を受けたのに、6年で辞めてしまうのはなぜか。 |
○ | 急性期の病院の病棟は非常に多忙、かつ自己研鑽を常に行わないと業務を継続していけないという現状があり、結果として、疲れてしまい在職期間が短くなる。 |
○ | 研修をきちんと行えば、離職率が低くなる。 |
(制度化に向けて考慮すべき点)
○ | 医師の臨床研修は、必修化により、条件のよい病院に研修生が集中し、偏在がより顕著になるなどの問題がある。新人看護職員研修の実施に際しては、それらも踏まえ、研修方法、内容を考えていかなければならない。 |
○ | 新人看護職員の研修について、開始時期、研修期間、法的位置付けなど、これらのことが何も見えない中で、研修を始めるわけにはいかないのではないか。 |
○ | 現実に80%もの病院が人手不足の中で、個々に考えながら努力して研修を行っている現状で、いきなり、厚生労働省が決めましたのでやってくださいといわれても病院は納得できない。 |
○ | 医師の臨床研修制度では、医師は病院とは労働の契約をしていない。一方、看護師の場合は、病院と労働の契約を行ったうえでの研修となる。両者はその点で異なるので、少し別々に考えた方がいいと思う。(医師臨床研修制度においては、医師は病院と労働の契約をしていると理解している。研修医は労働者であるという判例もある。) |
○ | 議論してからでないと実行しないと言うことではなく、今の枠内でできることはやって、今後の臨床研修にあまり負担を掛けることは避けたいという考えはある。 |
(その他)
○ | 看護協会の調査でも、在院日数が短い病院ほど離職率が高いという結果が出ている。その背景には、看護職員の配置に問題があるのではないか。 |
○ | 文部科学省や厚生労働省において、看護基礎教育における技術教育のあり方検討会を行い、看護学生が学生の間に実習で行うべき技術教育についてガイドラインを示したが、現状のように事故を起こしやすい新人看護師が誕生しなくなるとよい。 |