資料1

看護師等学校養成所における教育内容等について

  入学資格
 看護師 学校教育法第56条に規定する大学に入学できる者
 准看護師 学校教育法第47条に規定する高等学校に入学できる者
 (保健師助産師看護師学校養成所指定規則 昭和26年文部省・厚生省令。以下「指定規則」)

  修業年限
 看護師 3年以上
 准看護師 2年以上
 (指定規則)

  教育内容と単位数(時間数)(表1、表2)
 看護師 93単位
 准看護師 1,890時間
 ※ 厚生労働省所管看護師養成所においては、看護師等養成所の運営に関する指導要領(平成13年医政局長通知。以下「指導要領」)において、93単位以上かつ2,895時間以上
 看護師3年課程: 母性看護学講義4単位、臨地実習2単位
 准看護師課程: 母子看護(産科及び小児科の領域を含む)の 講義70時間及び臨地実習70時間

 看護師教育及び准看護師教育の基本的考え方
(1)   看護師
 健康の保持増進、疾病予防と治療、リハビリテーション、ターミナルケア等、健康の状態に応じた看護を実践するための基礎的能力を養う。(指導要領)
(2)   准看護師
 医師、歯科医師、又は看護師の指示のもとに、療養上の世話や診療の補助を、対象者の安楽を配慮し安全に実施することができる能力を養う。(指導要領)

  内診について
 「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書」(平成15年3月)では、看護基礎教育において学生に実施させてもよい看護技術項目を明示しているが、内診はこの技術項目に含まれていない。
 また、看護師養成所の臨地実習においては、各看護師学校養成所が実習で経験する看護技術を実習要領等に明示している。大学及び養成所で示されている項目の例は別紙のとおりであり、内診については含まれていないか、内診の介助のみが挙げられている。


看護師学校養成所(3年課程)及び准看護師学校養成所教育課程

表1  看護師学校養成所(3年課程)教育課程
教育内容 単位数
基礎分野 科学的思考の基盤 13
人間と人間生活の理解
専門基礎分野 人体の構造と機能 15
疾病の成り立ちと回復の促進
社会保障制度と生活者の健康 6
専門分野 基礎看護学 10
在宅看護論 4
成人看護学 6
老年看護学 4
小児看護学 4
母性看護学 4
精神看護学 4
臨地実習 23
  基礎看護学 3
在宅看護論 2
成人看護学 8
老年看護学 4
小児看護学 2
母性看護学 2
精神看護学 2
合計 93

表2  准看護師養成所教育課程
科目 時間数
講義 実習
基礎科目 国語 35   35
外国語 35   35
その他 35   35
専門基礎科目 人体の仕組みと働き 105   105
食生活と栄養 35   35
薬物と看護 35   35
疾病の成り立ち 70   70
感染と予防 35   35
看護と倫理 35   35
患者の心理 35   35
保健医療福祉の仕組み 35   35
看護と法律  
専門科目 基礎看護 315   315
看護概論 35   35
基礎看護技術 210   210
臨床看護概論 70   70
成人看護 210   210
老年看護  
母子看護 70   70
精神看護 70   70
臨地実習   735 735
  基礎看護   210 210
成人看護   385 385
老年看護  
母子看護   70 70
精神看護   70 70
合計 1,155 735 1,890


臨地実習において看護学生が行う基本的な看護技術の水準

水準

項目
  教員や看護師の助言・指導により学生が単独で実施できるもの
  教員や看護師の指導・監視のもとで学生が実施できるもの
  学生は原則として看護師・医師の実施を見学する
環境調整技術 療養生活環境調整(温・湿度、換気、採光、臭気、騒音、病室整備)、ベッドメーキング、リネン交換    
食事援助技術 食事介助、栄養状態・体液・電解質バランスの査定、
食生活支援
経管栄養法(経鼻胃チユーブの挿入)
経管栄養法(流動食の注入)
 
排泄援助技術 自然排尿・排便援助、便器・尿器の使い方、オムツ交換、失禁ケア、排尿困難時の援助
膀胱内留置カテーテル法(管理)
浣腸、導尿、摘便、
ストーマ造設者のケア、
膀胱内留置カテーテル法(カテーテル挿入)
 
活動・休息
援助技術
体位変換、移送(車いす)、歩行・移動の介助、廃用性症候群予防、体位変換、入眠・睡眠の援助、安静 移送(ストレッチャー)、
関節可動域訓練
 
清潔・衣生活
援助技術
入浴介助、部分浴・陰部ケア、清拭、洗髪、口腔ケア、整容
寝衣交換など衣生活援助(臥床患者)
沐浴

寝衣交換など衣生活援助(輸液ライン等が入っている患者)
 
呼吸・循環を
整える技術
酸素吸入療法、気道内加湿法、体温調整、吸引(口腔、鼻腔) 吸引(気管内)、体位ドレナージ、
酸素ボンベの操作、
低圧胸腔内持続吸引中の患者のケア
人工呼吸器装着中の患者のケア
人工呼吸器の操作
低圧胸腔内持続吸引器の操作
創傷管理技術 褥創の予防ケア 包帯法、創傷処置、  
与薬の技術 経口・経皮・外用薬の与薬方法 直腸内与薬方法、点滴静脈内注射・中心静脈栄養の管理
皮内・皮下・筋肉内・静脈内注射の方法
輸液ポンプの操作
輸血の管理
救命救急処置
技術
意識レベル把握   救急法、気道確保、気管挿管、
人工呼吸、閉鎖式心マッサージ、除細動、止血
症状・生体機能
管理技術
バイタルサイン(体温、脈拍、呼吸、血圧)の観察、身体計測、症状・病態の観察、検体の採取と扱い方(採尿、尿検査)、検査時の援助(心電図モニター、パルスオキシメータの使用、スパイロメータの使用) 検体の採取と扱い方(採血、血糖測定)
検査時の援助(胃カメラ、気管支鏡、腰椎穿刺、12誘導心電図など)
 
感染予防の技術 スタンダードプリコーション
感染性廃棄物の取り扱い
無菌操作  
安全管理の技術 療養生活の安全確保、転倒・転落・外傷予防、医療事故予防、リスクマネジメント    
安楽確保の技術 体位保持、罨法等身体安楽促進ケア、リラクセーション    

「看護学教育の在り方に関する検討会報告(平成14年3月26日)」に一部項目を追加した。


看護師基礎教育における母性看護学実習の看護技術項目

A大学看護学部
  臨地実習の手引き
  母性看護技術の習得
(1)  妊婦の腹囲・子宮底測定、レオポルド触診法、児心音測定
(2)  分娩時の呼吸法・怒責法
(3)  新生児の観察・計測
(4)  新生児の沐浴、衣類の着脱、抱き方、授乳法
(5)  乳房ケア、乳房マッサージ、搾乳
(6)  褥婦の子宮底輪上マッサージ、子宮底測定、外陰部消毒
(7)  各種個別指導(授乳指導、沐浴指導、育児指導、退院指導、家族計画指導、 その他の指導)


B大学看護学部
  看護技術の学習に関する指導要領
  分娩期の女性(児とその家族を含む)の健康を支援する技術
分娩予備室での援助(主に分娩開始前〜分娩第1期)
  問診、外診、聴診、NST測定、産痛緩和のための援助、食事・飲水の援助、排泄の援助、分娩進行上の援助、環境の調整、全身状態の観察、清潔と着脱の援助


C養成所
  実習要綱 母性看護学
  目標 産婦の看護が理解できる。
 1)  産婦に行われている健康診査および検査・処置の必要性が述べられる。
 2)  安全・安楽を配慮した産婦の診察の介助ができる。
 3)  陣痛発作・間歇の観察ができる。
 4)  破水時の看護が述べられる。
 5)  胎児の健康状態の観察ができる。
 6)  産通緩和のための援助(補助動作の指導・マッサージ等)ができる。
 7)  産婦への声かけ、励ましの行動がとれる。
 8)  分娩様式・後産の娩出様式が述べられる。

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