05/08/30 労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会 第16回議事録         第16回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会 1 日時 平成17年8月30日(火)15:00〜 2 場所 経済産業省別館 1020号会議室(10階) 3 出席者  〔委員〕    公益代表  石岡委員、稲葉委員、岩村委員、西村委員    労働者代表 佐藤委員、須賀委員、高松委員、寺田委員、内藤委員、          真島委員    使用者代表 泉川委員、紀陸委員、杏委員、下永吉委員、平山委員 4 議題 (1)平成17年度の労働福祉事業における成果目標について (2)アスベスト対策について (3)胸腹部臓器の障害認定に関する専門検討会報告書(案)について (4)「労災病院の再編計画」の取組状況について 5 議事 ○労災管理課長(中沖)  ただいまから、第16回「労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」を開催いたし ます。本日は、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。今回は、 委員改選後初めての部会ですので、部会長が選出されるまで、私が議事進行を務めます 。  部会の開催に当たり、労災補償部長の森山よりご挨拶申し上げます。 ○労災補償部長(森山)  皆様におかれましては、本日はご多忙の中をお集まりいただきまして誠にありがとう ございます。  本日は、今年4月に委員の改選がありましてから初めての労災保険部会です。前回か ら引き続き委員をお願いしています方、また今回新たに委員となられました方にもよろ しくお願い申し上げます。  本日の議題に先立ち、先の国会に提出いたしました「安全衛生法等の一部改正」の法 案につきまして、その経緯をご報告申し上げます。この法案の内容は、通勤災害の見直 しの労災保険法の改正、また、有期事業のメリット増減幅の拡大に伴う改正を行いまし た労働保険徴収法の改正を内容とするものでしたが、この法案についてはその要綱につ きまして、今年1月に厚生労働大臣より、労働政策審議会に諮問を行い、この部会でも ご議論を賜り、2月3日の労働政策審議会より、法案要綱は妥当という旨のご答申をい ただきました。これを受け、政府部内で法案作成をし、本年3月4日に法案を国会に提 出したところです。その後、衆議院の本会議において、趣旨説明の質疑がなされました 。また、衆議院の厚生労働委員会でも2度にわたりご審議をいただきました。ご案内の ように、8月8日の衆議院の解散に伴い法案は廃案となりました。この法案につきまし ては、再度国会に提出を行う考えですので、どうぞ委員の皆様方にはよろしくお願いを 申し上げます。  本日は4つの議題を用意しております。その内容につきましては後ほど担当からご説 明させていただきます。これは、いずれも諮問案件ではございませんが、それぞれの議 題が労災補償行政にとって重要なものですので、限られた時間ではありますが、皆様方 の忌憚のないご意見を賜り、今後の労災補償行政に活かしていきたいと考えております 。どうぞよろしくお願い申し上げます。  甚だ簡単ですけれども、冒頭のご挨拶に代えさせていただきます。 ○労災管理課長  議事に入ります前に、資料1「委員名簿」に基づき、新しく就任されました委員を順 にご紹介いたします。公益代表の西村健一郎委員です。本日はご欠席ですが那須民江委 員です。使用者代表の泉川正毅委員です。平山喜三委員です。以上4名の方々です。  なお、委員の皆様の辞令につきましては、席上配付という形で恐縮でございますが、 あらかじめお配りしております。なお、西村委員につきましては、労働政策審議会の委 員も兼任しておられますので、辞令はそちらのほうでお渡ししております。どうぞよろ しくお願いいたします。  本日は、公益代表の金城委員、那須委員、使用者代表の早川委員がご欠席です。  前回の部会以降、事務局側にも変動がありましたのでご紹介いたします。労災管理課 長の中沖、労災保険業務室長の本間、労災保険財政数理室長の石原、職業病認定対策室 長の只野です。  続きまして、部会長の選出についてご説明いたします。部会長は、労働政策審議会令 第7条第6項に基づき、公益を代表する労働政策審議会の委員のうちから選挙すること とされております。本部会において、公益を代表する本審議会の委員は西村委員のみで すので、西村委員に部会長に就任していただくことになります。以後の議事進行につき ましては西村部会長にお願いいたします。 ○西村部会長  ここからは、私が議事進行役を務めさせていただきます。  部会長代理についてですが、労働政策審議会令第7条第8項に基づき、部会長代理 は、当部会に所属する公益を代表する委員又は臨時委員のうちから部会長が指名するこ ととされておりますので、私から指名させていただきます。石岡委員に部会長代理をお 願いいたします。  それでは、本日の議題に入ります。第1議題は、「労働福祉事業における成果目標に ついて」です。事務局から説明をお願いいたします。 ○労災管理課長  資料2−1以下でご説明申し上げます。労働福祉事業については、従来から厚生労働 省内部において、社会経済情勢の変化により事業意義が低下していないか、事業本来の 目的を概ね達成したのではないか、財源と事業との関係に整合性が保たれているか、事 業に要する費用に比べて効果が低くなっていないか、という観点から見直しを行った上 で予算要求を行っております。今後は、この見直しの仕組みの中に、本日お示ししてお ります成果目標による目標管理という仕組みを新たに加えることにしております。  成果目標の背景についてご説明いたします。資料2−2は労働保険特別会計の改革案 です。これは、昨年6月に閣議決定された「骨太の基本方針2004」の中で、特別会計改 革として、「各特別会計について、それぞれの性格に応じ、・・・改革案を策定する。 改革案には、成果目標及び中期的な抑制の目標を設定する」とされ、その改革案を経済 財政諮問会議に報告することとされたところです。労災勘定においても、改革案を策定 し、本年4月の経済財政諮問会議に資料として提出しております。資料2−2は、その 労災勘定分の抜粋です。  資料2−2のいちばん上の段の、事業ごとの成果目標ですが、「平成17年度より労働 福祉事業について事業の性格に応じ成果目標の設定による目標管理の手法を導入する」 としております。次の段では中期的な抑制の目標として、「今後も引き続き更なる労働 災害の防止に努めるとともに、労災保険制度の適正かつ効率的な運営に努めることによ り、平成17年度予算の支出を対前年度予算比で抑制し、また平成18年度以降も、支出の 抑制に努める」としております。  3段目の改革工程は、「これまでの取組」「平成17年度の取組」「平成18年度以降の 取組」の3つに分かれております。「平成17年度の取組」の中では、「平成17年度より 労働福祉事業について事業の性格に応じ成果目標の設定による目標管理の手法を導入」 としているところです。そのほかには、「労災保険率の設定に関する基本方針を踏ま え、料率改定のための具体的作業を行う」。「『特殊法人等整理合理化計画』を踏ま え、平成17年度末までに休養施設及び労災保険会館を全廃」、「『労災病院の再編計画 』に基づき、平成17年度に2労災病院を廃止」等としております。  労働福祉事業の体系については資料2−3のとおりです。労働福祉事業は、労災保険 法第29条第1号から第4号までに規定されております。4つの柱である社会復帰促進、 被災労働者及び遺族の援護、安全及び衛生の確保、適正な労働条件の確保をそれぞれの 事業として実施しております。平成17年度の予算額は、特別支給金を除いて1,222億円 となっております。  資料2−1で、今回の成果目標について基本的な考え方をご説明いたします。  1頁に基本方針が載っておりますが、その真ん中辺りに「平成17年度から、以下の方 針に基づき目標管理を行う」として4つの方針があるわけです。  1点目は、目標設定の対象事業については、労働福祉事業のすべての事業を対象とし ております。ただし、事業ごとの成果目標の設定による目標管理の手法が馴染まないも のとして、現段階で対象としていない類型がいくつかあります。例えば、アフターケア の実施、外科後処置等のように保険給付類似の事業であって一定の要件に合致していれ ば必ず実施するという性格の事業については、目標設定に馴染まないのではないかと考 えており、今回、目標設定は行っておりません。また、労災保険事業の基礎データを得 るための調査など、本来の目的を持った事業の前段階で行われる予備的な性格を持った もの、その段階だけ区切って目標設定を行うことが困難であるという類型のものについ ては、今回、目標設定の対象外としております。  しかしながら、基本的にそれ以外の事業については、目標設定の対象にしております 。特に、公益法人等の業務に対する補助事業・委託事業については、一層の合理化・効 率化を図る観点から、原則として補助事業・委託事業の個々の事業ごとに成果目標の設 定を行っております。  2点目は目標の設定方法です。先ほどご説明いたしました労働福祉事業の4つの柱に 従い、大きく4つに分類しております。その上で、個々の事業について具体的な対策等 のまとまりごとに整理をいたしました。目標としては、行政の投入量ではなく、例えば 「社会復帰率を○%以上とする」、あるいは「有用であった旨の評価を80%以上得る」 など、どれだけ役に立ったかという視点に立った、具体的・定量的なアウトカム目標と するよう努めております。なお、アウトカム目標の設定が困難な事業についても、来年 度以降引き続きアウトカム目標化に努めていきたいと考えております。  3点目は目標管理の方法です。各事業の性格に応じて目標を設定した上で、年間を通 して事業運営を行い、平成17年度終了後、その実績を基にして適正な評価を行った上 で、事業の見直しの措置を講ずるとともに、平成19年度の予算要求等に反映させていく ことにしております。このように、「目標設定→事業実施→評価→見直し」という、い わゆるPDCAのサイクルによる目標管理を行うことにしております。  最後に、この成果目標ですが、本年6月に政府部内での調整を終えて公表を行ったと ころです。  私からのご説明は以上です。ただいまの成果目標についてだけでなく、労働福祉事業 全般についてご意見、ご質問等を承りたいと思いますので、よろしくお願いいたします 。 ○西村部会長  ただいまの事務局からの説明について、ご意見、ご質問等があればお願いいたします 。 ○佐藤委員  4頁の、「重点分野における労働災害防止活動の促進」にあるような、「80%」とい う表示、その次もそうですが、少しまいりまして、入退院の問題について言っていると ころもありますし、2頁の「医療リハビリテーションセンター運営」で「80%以上を確 保する」というのは、入院している者の80%が退院をしていくというふうに読み取れる のですけれども、そういう読み方は正しくないのかどうか説明してください。せき損の ところもそうですし、リハビリのところもそうですが、「退院患者の割合80%以上を確 保する」というのは、意味がよく読み取れないといいますか、私には理解がしにくいの です。  併せて、このような目標設定するのはそれでいいと思うのですが、同じ2頁に「納骨 堂の運営」というのがあります。「遺族等から慰霊の場にふさわしいとの評価を80%以 上得る」などというのは、どこの幼稚園で書いている文章なのかと思うような感じがし ます。これは、どういう意味合いなのですか。納骨堂が、そのこととして、誰が80%評 価するのですか。こういう目標の設定は少し粗っぽすぎませんか。 ○事務局  リハビリテーションセンター、せき損センターの職場・自宅復帰率を80%以上という ことですけれども、これはリハビリテーションセンター、せき損センターに現在入院さ れている方について、職場で再び仕事ができるようになるか、あるいは、自宅に復帰さ れている方を80%以上確保するということです。そもそも、リハビリテーションセンタ ーは、早期に職場復帰させることを目標としておりますので、なるべくたくさんの方を 復帰させるというのを目標として掲げているということです。  慰霊式についての満足度調査についてです。産業殉職者を祀っております霊堂の事業 を独立行政法人労働者健康福祉機構が運営しているわけですが、こちらの霊堂を利用さ れる方にとって適切な、理解される運営をするということから、その1つとして、年に 1回行われている慰霊式について参加された方の満足度を調査したものです。参加され た方が、この慰霊式について満足されたかどうかというのを、この事業が適切に行われ たかどうかという判断基準として目標設定させていただいたということです。 ○佐藤委員  そんなに目くじら立てることはないのですが、あまりにも数値目標だけを掲げること になると、なかなか絵の描けないようなことを字にしているというか、退院する人の80 %が職場復帰するのだ、という意味でこれは書かれているのですか。 ○事務局  そうです。 ○佐藤委員  それならそのように書いていただかないと、読めないのではないですか。 ○労災管理課長  この成果目標の表現については、もう少しわかりやすくなるように今後考えたいと思 います。 ○真島委員  同じような質問になるかもしれないのですけれども、3頁のところの「在宅介護支援 事業」で、質の高い介護サービスを提供することによって80%と書いてあります。佐藤 委員の質問と同じようになるのですが、質の高い介護サービスをすれば80%の満足度を 得られるという意味合いなのですか。介護サービスというのは質が高ければいいという ことではなくて、ちょっと言葉足らずかと思いました。  80%とかいろいろな数字があるのですが、具体的にその数字があるところとして、5 頁の「技能実習生に対する」云々というところで、「アドバイザーによる実地指導320 件以上実施する」とか、次の「60件以上実施する」というのは、どういう根拠から数字 が出てきたのかを教えてください。パーセンテージではなくて、何件というのが出てい ますが、それは何を根拠にこの件数が出てきたのか。これを達成すればいいのか、昨年 実績はどうだったのか、もしわかれば教えてください。 ○事務局  「技能実習生に対する事故・疾病防止」のほうですが、こちらの件数は予算上の数字 を踏まえて実施目標を定めております。予算上の数字ということですので、当然前年度 の実績等々を踏まえ、320件以上と60件以上という数字を設定しております。 ○労災保険業務室長(本間)  3頁の「在宅介護支援事業」の関係については、真島委員ご指摘のとおり、満足度と いうのは質を高めることに尽きるものではないのですが、基本的に満足度を高めるため には、質の向上を図ることが基本であるということで、端的に表現させていただいてお ります。いずれにしても80%以上を目標としているというものです。 ○須賀委員  いろいろなところで予算の執行状況、執行効果というものの進捗状況なり、成果の度 合を測る方法として、こういう数値目標が厚生労働行政だけではなく、ほかの行政にお いても同じような状況で実行されている実態にあります。国民の税金をどのように使っ たのかということで、いろいろな所で不祥事があり、必要のない予算執行がありという 評価なり批判の中で、そういう手法がとられている状況にあることは前向きに評価した いと思います。  いま、労働側の各委員から指摘したことは、果たして数値目標そのものを設定するこ と自体が馴染むのか馴染まないのかという本質的な議論が十分にないままに、予算の執 行状況だけをチェックするための成果目標になってはいないかという思いがあって、各 委員の指摘があるのだと考えます。そういう意味からすると、成果目標の立て方、ある いは目標に対しての評価の仕方を含めて、もう少し緻密な議論をし、その上で予算をど う執行していくのか、それに付随する成果目標をどのように立てるのか、それに対する 評価をどうしていくのかを議論していく必要があるのではないかと思うのです。そうい う議論を抜きにして、急に成果目標だけがボンと出てくることに関する違和感がある、 ということを意見として表明しておきたいと思います。  これは議題というよりも、こういう目標について報告をするということの扱いだろう と思っていますので、こういうことを議論するのはなかなか難しいとは思いますけれど も、そういうことについても、この部会の中で検討することは妥当でないとすれば、労 働政策審議会等で、こうした取扱いについて検討できるようなことがあるのであれば、 そうした状況に挙げていただければありがたいと思いますので、意見として申し上げて おきます。 ○平山委員  1枚目の4番目に、目標と実績は公表するとなっています。目標は、本日説明してい ただいた内容だろうと思います。実績の公表というのは、どういう形でされるかという のは決まっているのですか。この数値で、そのまま公表されると理解していいのですか 。 ○事務局  基本的には、いま掲げてある目標に対する実績を公表しますけれども、単に目標だけ ではその事業の成果が測れないものもありますので、その辺は内部でよく検討した上 で、皆様方にお示ししてご意見を賜りたいと思っております。 ○労災補償部長  これは、今年度が初年度ということで、特別会計についてはこういう手法でいろいろ な適正化を図っていくということの一環でやっているわけです。ここに書きましたよう に、実際の評価等については、またこの部会で実績をお示ししながら、評価の方法につ いてもご議論いただきます。また、これ自体は労福事業などでもいろいろご議論いただ き、それを踏まえて作ったものです。いま聞いておりまして、だいぶ修正すべき点もい ろいろあるかと思いますけれども、今年度はこれでやらせていただいて、また評価、そ れから次回の修正、表現方法についても、それを踏まえたものに改正していきたいと思 っておりますのでよろしくお願いいたします。 ○岩村委員  成果目標を立ててということは先ほどもお話がありましたように、どこの行政分野で も求められていることです。事務局でも留意していただきたいと思うのは、この成果目 標自体が自己目標化することは避けていただきたいということです。それから、この成 果目標というのは弊害もあるわけで、達成が難しいものはやらなくなってしまうという 非常に大きな弊害があります。  他方で、労働福祉事業の分野というのは、性格上かなり難しい課題が実際には存在す るはずです。成果目標自体、いま一般論として行政に求められているとしても、それぞ れの事業の性格に応じて適切に整理しながら対応していただければと思います。 ○稲葉委員  特別会計の問題は、一般会計に比べて非常に見えづらい、わかりにくい、不透明だと いう指摘があります。そういう一連の流れの中で、こういうアウトカムの目標を作り、 それの成果を測ろうということで、そのやり方自体は当然のことだろうと思います。  先ほどから意見が出ていますように、80%とか16%とか、それから笑ってしまうの は、11頁のフォーラムの開催回数17件以上とか、いやに細かいものがあります。要する に、説得力のある数値目標でないと、あらかじめ予算がこれだからこの数字を出して、 それでうまくいったらどうかというのは、我々としても非常に納得のいきづらいものが あるということを申し上げておきます。  特別会計の問題は、透明化をもってやらないと、いまは国民の批判がものすごく強い わけです。目標についても、今回が初年度ですので、いろいろ試行錯誤があると思いま すが、精査をし、国民の納得のいくような目標と、それの成果の判定をしていただきた いという要望を申し上げておきます。 ○西村部会長  事務局においては、ただいまの議論を踏まえ、労働福祉事業のより一層効率的な運 営、適正な運営に努めていただきたいと思います。  次に、第2の議題「アスベスト対策について」を、事務局から説明をお願いいたしま す。 ○労災管理課長  「アスベスト対策について」に関しまして、まず資料3−1をご説明いたします。資 料3−2から資料3−4までについては、後ほど補償課長からご説明いたします。  資料3−1「アスベスト問題への当面の対応」というのは、政府全体として7月29日 に取りまとめ、さらに関係閣僚会合を経て8月26日に改訂したものです。以下、労災保 険関係部分を重点的にご紹介しながら、全体についてご説明いたします。  対応策ですが、第1に「今後の被害を拡大しないための対応」として、1頁に「建築 物の解体時等の飛散予防の徹底」があります。4頁には「製造・新規使用等の早期全面 禁止」とありますが、これは8月25日に検討会等の発足がありました。「学校等におけ るアスベストばく露防止対策」も挙げられております。  5頁では、第2に、「国民の有する不安への対応」として、「国民への積極的な情報 提供」が挙げられております。囲みの中は、「アスベストによる健康被害の状況把握に ついて、労災認定に係る個別事業場名の情報開示」を行うこととしております。これに ついては7月29日、8月26日に公表した資料を配付しておりますので後ほどご説明いた します。  同じく5頁の下で、「労働者、退職者、家族、周辺住民を対象とした健康相談窓口の 開設」があります。ア.として「健康相談窓口の設置」ということで、7月8日に保健 所、産業保健推進センター、労災病院等に労働者等に対する健康相談窓口を開設してお ります。  ウ.は「アスベスト関連疾患の診断・治療の中核となる医療機関として、診断・治療 の体制が整備された22の労災病院に『アスベスト疾患センター』を設置し、関連疾患に 係る健康相談、診断・治療、症例の収集及び他の医療機関への支援を行う」としており ます。アスベスト疾患センターは、9月1日設置予定です。  6頁のいちばん下ですが、「国民の一般的不安・疑問に応えるためのQ&Aの作成・ 公表」ということで、Q&Aをホームページに公表しております。  7頁の第3は、「過去の被害に対する対応」です。「労災補償制度の周知徹底等」が 挙げられております。囲みの中でア.として「アスベスト関連事業場で働いていた人へ の対応」の1つ目の・として、7月15日に関係業界等に通知を発出し、健康診断の受診 を広く呼びかけるとともに、「労災補償」及び「健康管理手帳」の周知を図りました。 また、9月中に労災補償に関するパンフレットを作成し配布することにしております。  3つ目の・ですが、「アスベストによる疾病の労災認定についてはアスベストばく露 等の事実確認が困難な場合があることから、事実認定に係る事務処理の具体的な方法を 指示し、事務処理の迅速かつ適正化を図る」こととしており、7月27日に都道府県労働 局に対して通知を発出しております。この通知については後ほどご説明いたします。  8頁は、「労災補償を受けずに死亡した労働者、家族及び周辺住民の被害への対応に ついては、救済のための新たな法的措置を講ずることとし、次期通常国会への法案の提 出を目指し、厚生労働省及び環境省を中心に、被害の実態把握を進めつつ、引き続き検 討し、9月までに具体的な結論を得る」としております。  囲みの中ですが、対象者については「労災補償を受けずに死亡した労働者、家族及び 周辺住民について、隙間を生じないような仕組みとし、被害の実態把握を進めつつ、対 象者の具体的な範囲について引き続き検討すること」としております。給付内容、給付 の財源、実施主体等についても、引き続き検討を行うこととしております。  9頁は対応策の第4です。「政府の過去の対応の検証」が挙げられております。政府 の過去の対応について検証を行い公表したところですが、内容は非常に多岐にわたって おります。これについても後ほどご説明いたします。  次に、実態把握の強化です。9頁には、「吹付けアスベスト使用実態調査等の実施・ 早期公表」が出ております。10頁には、「事業場への立入調査」、「アスベスト製品製 造事業所周辺地域等における大気中アスベスト濃度の実測調査」という項目があります 。  10頁のいちばん下は、「アスベストによる中皮腫、発がんリスク等に関する研究」と して、アスベストによる中皮腫、発がんリスク等に関する研究の中では、中皮腫で死亡 した者について職歴やばく露歴、あるいは治療の成績、治療の方法等について調査研究 をすることにしております。  11頁のウ.として、「労働者健康福祉機構における研究等」として、「これまで全国 の労災病院で診断・治療がなされたアスベストにばく露した者の肺がん及び悪性中皮腫 の症例及び今後の症例を収集し、業務上のアスベストばく露との関連等について分析・ 研究を開始」したところです。  11頁の下ですが、「都道府県・市町村における適切な情報把握を促進する」、また、 「主要国における規制及び補償の状況について、在外公館を通じて照会する」としてお ります。これらについては、「引き続き各省が緊密に連携し、スピード感をもって対策 を実施していくとともに、国民に対する情報提供に努める」ことにしております。資料 3−1については以上です。 ○補償課長(明治)  資料3−2、資料3−3についてご説明いたします。資料3−2「石綿による疾病に 係る事務処理の迅速化等について」ということで、7月27日付で通達を発出しておりま す。この通達については、ただいま労災管理課長からご説明いたしましたように、政府 全体としての当面の対応の中にも、アスベスト関係事業場で働いていた人への対応の1 つとして位置づけられております。  石綿による疾病については、発症までの潜伏期間が特に長いという特徴があります。 したがって、建設業における転々労働者等については、石綿ばく露作業歴の事実認定が 極めて困難な事例もあります。そうした結果、調査に膨大な時間を要している実態もあ ります。したがって、この通達では、このような実態を踏まえ、転々労働者等に係る石 綿ばく露歴の調査に当たり、請求人が石綿ばく露の蓋然性の高い業務に従事したことに ついて、事業主や同僚労働者等からの確認が難しい場合には、本人の同意を得た上で監 督署長自らが社会保険庁等に依頼し、厚生年金保険等の被保険者記録照会回答票を入手 し、これを請求人主張の裏付資料とするということを通じ、石綿ばく露の事実認定の簡 素化を図る。ひいては、迅速的確な労災補償を行うことにしたものです。簡単ですが、 この通達についてのご説明は以上です。  資料3−3「石綿ばく露作業に係る労災認定事業場一覧表の公表について」のご説明 をいたします。石綿ばく露作業に係る労災認定事業場一覧の公表については、先ほども 「政府の当面の対応」という資料でご覧いただきましたが、7月29日に開催された、ア スベスト問題に関する関係閣僚による会合において取りまとめられた、当面の対応の一 環として行われたものです。  私どもとしては、この一覧表の公表によって、退職労働者あるいは周辺住民に対する 注意喚起となる一方、公表の方法によっては無用の混乱をもたらしかねないということ から、慎重に検討を進めてきたところです。その結果、7月29日及び8月26日の2回に わたり、平成16年度以前に石綿による肺がん又は中皮腫の労災認定を受けた労働者が所 属していた事業場の名称等を公表しております。  これは、そのペーパーの1の「公表の趣旨」のところにも書いてありますが、石綿に よる健康被害について国民の不安が高まっている状況を踏まえるならば、現時点におい て3点の観点をもち、こうした有益な情報を広く国民に提供することが極めて重要だと 考えております。そういう意味で、労災認定事業場一覧表は、そのための情報として欠 くことができないものだと判断したところです。  具体的な中身ですが、4枚目の横長の表には、石綿による肺がんと中皮腫に係る年度 別の労災認定件数の推移を示しております。平成16年以前の労災認定件数の総数は856 件です。そのうち肺がんが354件、中皮腫が502件という内訳です。年度別に見ますと、 平成14年度以降件数が急増しており、毎年、対前年度比40〜50%の伸びを示している状 況にあります。  2枚目の(3)には、これまで2回にわたって公表した事業場の状況を示しておりま す。平成16年度以前の労災認定総数856件のうち、給付データあるいは関係書類の保存 期間等の関係から把握できないものもあります。石綿による肺がん又は中皮腫の労災認 定を受けた労働者が所属していた事業場の名称等が確認できたのは、(3)の括弧書き してある労災認定件数739件です。これに対応する事業場は511事業場で、複数の認定を 受けている事業場があるということですが、そういう状況になっております。  注2)と注3)に説明を落としておりますが、注2)の(1)から(3)のような事情で、 最終事業場が特定できなかったということ、あるいは特別加入ということで、事業場と いう実態を備えていないということから、事業場名等の公表を差し控えた所が、上の 「事業場不明」、「特別加入者」というところです。  したがって、3の「公表する事業場情報」と書いてあるところの情報についてリスト の形で公表したのは415事業場です。この415事業場のうち32事業場については、リスト の構成の関係で重複して雇用している事業場があります。これを除くと、実際の事業場 は383になります。  資料の5枚目には、業種別の状況を示しております。この内訳をいちばん左の事業場 のところで見ますと、業種別に見ていちばん多いのが製造業、建設業という順に認定事 業場が多いということです。この2つの業種で全体の92%を占めております。さらに製 造業の内訳を見ますと、船舶製造業及び船舶修理業、次いで窯業又は土石製品製造業の 順で認定事業場数が多くなっている傾向にあります。  3枚目の5番「相談窓口の活用等」ですが、これまでに公表された事業場情報に関す る各種の問い合わせ、あるいは労災保険等に関する相談等については、本省、全国の労 働局、監督署の相談窓口で受け付けております。7月29日の第1回公表から一昨日まで の間に寄せられた相談件数は、全体で8,300件になっております。そのうち、石綿関連 疾患の労災認定の可能性を問い合わせる者、あるいは労災請求をどうしたらいいかとい う問い合わせが23%となっております。それから、一般に健康障害への不安、あるいは どこに相談をしたらいいのかという照会が22%、事業場関係者からの照会が32%という 状況です。  以上、「石綿ばく露作業に係る労災認定事業場一覧の公表について」を簡単にご説明 させていただきました。 ○職業病認定対策室長(只野)  資料3−4「アスベスト問題に関する厚生労働省の過去の対応の検証」についてご説 明いたします。  先ほど労災管理課長がご説明しましたように、政府全体としてこれまでの対応につい て検証するということで、厚生労働省、環境省をはじめ、防衛庁、消防庁、文部科学 省、経済産業省、国土交通省という省庁が検証作業を進めまして、8月26日に、政府と してこれを取りまとめて公表いたしました。資料3−4は厚生労働省分の中で、労災補 償対策についてはどうであったのかということについて概略ご説明をいたします。  48頁、「第6 労災補償対策について」ということで、石綿による健康障害に対する 労災補償としては、昭和22年に施行された労基則第35条第7号ということで、石綿肺に 対する補償から始まりました。戦後、この時期においては石綿による肺がん、中皮腫の 発症に関する医学的知見はまだなかったということを述べております。なお、石綿の有 害性についての国際的な知見が確立したのは、昭和47年、ILO、あるいはWHOの専 門家会合で、石綿にがん原性があるという指摘があったことによるものであります。  (2)で、昭和40年代前半までの石綿肺に対する補償の歴史を、(3)では、石綿に よる肺がんに係る最初の労災認定は昭和48年であること。これは、業務上疾病として具 体的に明示されてはおりませんでしたけれども、いわゆる包括的救済規定によって業務 上とされたものであることを説明しております。  49頁の2「業務上疾病の範囲の見直しと認定基準の策定」ですが、(1)で述べてい ますように、包括的救済規定の運用では対応できてはいたのですけれども、(2)で述 べておりますように、職業がんに係る労災請求の増加等を背景に、労基則第35条の全面 見直しを行い、石綿については別表第1の2の第7号の7で、「石綿にさらされる業務 による肺がん又は中皮腫」ということで例示され、(3)で述べておりますように、認 定基準を策定したということの流れです。  なお、ILOの121号条約で、職業病リストが定められているわけですが、ILOの 職業病リストに「石綿による肺がん又は中皮腫」が追加されたのは1980年(昭和55年) ですので、労災補償の昭和53年に追加したということですので、2年前に追加されてい たという歴史的経過があります。  52頁の3「業務上疾病の範囲に係る定期的検討、調査研究の状況」ということで縷々 述べております。つまり、認定基準が策定されて以降、調査研究、医学的知見の収集に 怠りがなかったという状況について述べております。  53頁の4「認定基準の改正」の(1)にありますように、平成13年に心膜中皮腫の労 災認定を契機に労災認定基準の見直しに着手し、平成15年9月に認定基準を改正しまし た。これが、石綿に係る労災補償の対応の流れです。  この検証においては、次の問題について踏み込んで検証したわけです。すなわち、55 頁の5「認定基準等の周知」の(2)ですが、平成15年の「人口動態調査」によれば、 中皮腫により死亡したのは878人、一方、平成15年度における中皮腫の労災認定者数は 83人、この間の乖離が大きいとの指摘があるということについてです。中皮腫は、石綿 ばく露と特異的な関係があると指摘されており、欧米の報告の中には、中皮腫の約80% が石綿ばく露と関連があるとされているものがあります。  しかしながら、(1)行政に寄せられた最近の相談事例に見られる状況(主治医から中 皮腫という診断名は告知されたが、その原因として、石綿ばく露の可能性を示唆され ず、労災請求の機会を失った等の相談例が見られる)。(2)中皮腫の労災請求において 不認定事例が少ないこと(平成14年度及び15年度における中皮腫に係る全処理件数141 件中138件を業務上、3件を業務外と認定しており、請求が行われた上で不認定として いる事例は少ないこと)などの事実から見まして、「患者、医師双方において、作業環 境における石綿ばく露と発症との関連性について認識がないまま労災請求に及んでいな い事例も相当数存在しているものと考える。」としております。私どもは、この55頁 (1)に述べているように、さまざまな周知活動を行ってきたわけですが、結果として このようなことが起きているということです。  このことを踏まえて、66頁以降の評価ですが、75頁の最初の段落で、「このことは、 30年から40年という潜伏期間を経て発症するという中皮腫の特質も要因となって、これ まで行政が行ってきた周知活動が結果として労働者や使用者、医療関係者に対して十分 に浸透していなかったことを示しており、行政の周知活動のあり方等にも問題があった と考える。厚生労働省としては、このような問題点の認識に立った上で、石綿による疾 病の特質を踏まえた、労使の関係者や医療関係者等に対する効果的な周知活動を今後よ り一層進めていくとともに、医療従事者による的確な診断等が確保されるための方策等 を強化していく必要があると考える」との評価を下したわけです。  このような検証作業を踏まえ、私どもとしては労働者・使用者向けのパンフレット、 あるいは医療機関向けのチェックリスト等を新たに作成し、9月中に配布することとし ています。また、9月から、全国22の労災病院に「アスベスト疾患センター」を設置す ることとしており、医療機関に対する支援等も努めていきたいと、このようなことで関 係者への理解の促進を図っていきたいということです。以上、検証作業について説明い たしました。 ○西村部会長  ただいまの事務局の説明について、ご意見、ご質問があれば承りたいと思います。 ○佐藤委員  総括的に申しますが、アスベストによる人体への影響、健康破壊の問題については相 当古くから言われてきて、厚生労働省も昭和51年に通達を出している。にもかかわら ず、今日、クボタ旧神崎工場でその問題が発生してから、大きな社会問題になってきて いる。私は、今度の問題が、基本的には、いまの経過の報告の中で問題があったという ふうに言われているので、まあそういう認識なのかなと思いますが、国民の健康を考え られる厚生労働省としては、このアスベストの危険性について、先ほどの人口動態調査 によると、1999年で647人が中皮腫という診断で死亡している、でも25件しか認定して いないという、これは厚労省自身が出された資料ですね。そういうことから言うと、今 度の問題が発生しなかったらあまり問題にならずに、だから年とって癌になって死んだ ということで過ぎていくような、そういうことになってしまったのではないかと思うわ けです。  今日は部長もお見えになるので、国会の場でも集中審議が行われて、大臣もいろいろ おっしゃってみえるけれども、石綿問題について厚生労働省の取ってきた対応は必ずし も十分ではなかったのではないかと思うので、その辺のお考えを少し聞いてから質問し ます。 ○労災管理課長  私どもの対応全体の話ですが、昭和51年ということがありましたので、ちょっとその 点の事実関係からだけご説明をしたいと思います。報告書の63頁ですが、実は新聞ある いは国会等でもいろいろご議論があったわけですので、この点についてまず事実関係を 説明しておきます。  63頁の(3)、「石綿粉じんによる健康障害予防対策推進に係る通達の発出」という 点です。新聞等で問題になりましたのは、私どもの通達の中で出てきた、特にその身内 の方、あるいは工場近くの居住者の方に中皮腫が発生したというものがあったわけです が、こうしたものが環境庁にちゃんと伝わっていなかったのではないかというご指摘が あったわけです。この点については、3行目以降で書いていますように、イギリスの論 文が、通達の参考資料の中に入っているわけです。実は、この参考資料自身が環境庁の 委託調査による、環境庁自身がやった報告の一部です。したがいまして、7月の閣議後 の記者会見において、小池環境大臣からも、環境省としても当時の労働省が持っていた 資料は当然持っていたんだと、連絡が遅かったということはないということで、関係各 省それぞれ連携にはかなり気をつかっていたということです。なお、この通達について は、私どものほう参考資料も含め、通産省にお示しをして、十分な説明もいたしている ところです。  それでは、全体としてどのように考えるかですが、いちばんのポイントになるのは、 やはり製造の禁止はどうだったのかという点です。その点については71頁をご覧くださ い。石綿についてはいろいろな種類があるわけでして、3の「製造等の禁止について」 の部分があります。クロシドライト、これは青石綿、いちばん毒性の強いものですが、 これについては、昭和50年の特化則の改正によって、代替物の使用を努力義務化すると ともに石綿等の吹付け作業を原則禁止し、51年には、いま申した通達を出したわけです 。そうした通達について、監督指導を通じて徹底を図る中で、昭和61年にクロシドライ ト使用禁止を求めるILOの石綿条約が採択されました。昭和62年には、各企業は自主 的に使用を中止していまして、私どもが平成元年に実施した調査的監督においても、使 用する事業場がないことを確認いたしています。したがって、この時期には国内におけ る使用状況は解消されていたわけです。法制面については、平成7年に禁止を行ったわ けですが、外国では平成5年にEU、ドイツ、あるいは平成9年にフランスが使用を禁 止しています。  また、青石綿より毒性は弱いわけですが、アモサイトについても青石綿と同様に、監 督指導を通じて代替化の促進を図ってきたわけです。もともと、ILOの石綿条約では 管理使用の対象とされ、ただ平成元年になってWHOから使用禁止の勧告が出されたこ とを踏まえて、強い指導を行ったわけです。その後、平成5年にEU、ドイツ、平成9 年にフランスが使用禁止を行ったわけですが、私どものほうも平成7年に製造等を禁止 しています。  この点についての総括がどうなのかという点は、73頁の「まとめ」をご覧ください。 61年にILO条約があったこと、平成元年にWHOの勧告があったこと、諸外国ではド イツが平成5年、フランスが平成9年となっており、米国では現在でも一部使用可能で す。我が国では、先ほども述べたように、使用がないことを確認し、アモサイトの代替 化の進展を待って、両物質の使用等を禁止しているわけですが、実は今回のこの検証自 身、1カ月でやったという、非常に期間が短かったということもありますので、いちば んポイントになる製造の禁止については、なお精査をする必要があるということで、も う1カ月かけてきちんと外国の状況等も把握して検証していきたいというのが、中心的 な結論になっています。したがって、この点について今後海外に調査の人間を出し、例 えばILOが162号条約をどういう考えで作ったのか、あるいはWHOがどういう知見 を持って禁止したのか、さらにはドイツ、フランス等がどういう考え方でこの時期に行 ったのかということを、さまざま調査し、十分な検証をしていきたいというのが考え方 です。 ○佐藤委員  あまりくどくど言う気はありませんけれども、使用は禁止したと言っても、それまで に青石綿、茶石綿は使われてきたわけですよ。現に存在しているわけですよ。燃えてな くなるわけでもないし。そういう問題について、国際的に見て何ら劣ってないというこ とを、いま課長はおっしゃったのだと思うけれども、現実に今いろいろな所で石綿被害 が出て、マスコミは毎日のように報道している。そういう状況を見たときに、厚生労働 省の対応としては十分であったのかどうかということを聞いているのです。 ○労災管理課長  ちょっと言葉が足りなくて、大変恐縮でした。66頁をお開きいただきたいと思います 。「評価」の最初の「概観」の部分です。粉じん対策としての石綿対策があるわけです 。石綿による健康障害の問題及び対策については、実はILO、WHOの専門家会議等 で石綿のがん原性が認められたのは昭和47年で、この時点までは国際的にもがん原性と いう点についてのきちんとしたものがなかったわけです。したがって私どものほうも、 例えば特化則の中ですでに規定はありましたが、これは粉じん対策として実施していた もので、質的に違う部分であったわけです。これがILOやWHOからきちんとした指 摘があったということもあり、それ以降はがん原性に着目して、特化則の改正を行い、 石綿等の吹付け作業を原則禁止するなど、規制内容の強化を図ってきたわけです。ま た、最初の労災認定は昭和48年であることは、先ほどご説明したとおりです。  なお、平成11年度から15年度までに、石綿による労災認定をされた方の9割は、こう いった昭和47年より前に石綿取扱い作業を開始しており、こうした方はやはりがん原性 に着目した石綿対策が講じられる前から作業をしていた方であったという点です。した がいまして、がん原性に着目して進めてきた対策が、実際に効果を発揮したか否かにつ いては、この健康障害を防止できたかどうかが大変ポイントになるわけです。30年から 40年という潜伏期間を経て発症するという中皮腫の特質に鑑みますと、今後の健康障害 の発生状況を注視する必要があり、なかなか現時点で検証を完結することは大変難しい わけです。ただ、こうした制約はあるわけですが、対策を適切に展開できるよう、現時 点で可能な限りの検証作業を行ったわけで、この検証文書自身も、10年後、20年後には 再び検証は必要なのだ、ここで終わりではないというのが、私どもの基本的な立場で す。  なお、対策については、長くなりますが68頁以降、例えば石綿粉じんばく露対策、あ るいは建築物の解体改修の工事の対策、石綿管理などに関する対策について縷々述べて いるところです。 ○佐藤委員  認定室長もお見えですが、その878件で83件ということについては書かれていました が、その前の状況も含めて言うと、やはりそういう医学的な知見が全国に及んでいなか ったとか、そういう立場の人、立場というのは医者のことですが、ドクターがいなかっ たとかという理由はあるのでしょうけれども、積極的にそうしたものが石綿によるもの だという捉え方をしようとする厚生労働省の姿勢がなかったのではないかと聞いている のですが、そこはどうですか。 ○職業病認定対策室長  その点につきましては、認定基準の策定をしたとき、あるいは15年6月に改定をして いますが、そういう場面場面で周知をしてきたつもりではおりました。特に、15年の認 定基準の改正時に当たっては、先ほど新たに作り直して配るというように言いました が、関係労使、それから医療機関に対する周知用のパンフレット、医療機関向けは全国 の医療機関全部に配れるぐらいに作ってやったわけですが、なかなかそれをもってして も、まだ周知がされなかった。ある研究者のアンケート調査によりますと、中皮腫とい う疾病が石綿起因であるということの正しい理解をしている医師が4割しかいなかった ということで、中皮腫ですねという診断をしても、それが石綿に思いを馳せない。まし てや30年、40年前にどんな仕事をしましたかということまで質問をしないということ が、どうも労災請求のほうにこなかったということですので、なお今回これだけの報道 になっていますので、国民の方々にはこのことについて十分浸透したかとは思います。 過去、20年前に学校の問題があったときも、確かに浸透したはずだと思っているわけで すが、あるいは横須賀の米軍基地の問題などでも大分社会的な問題になり、皆さんそう した認識になっておられるかなとも思っていましたが、やはりこういうような状態にな っているわけですから、私どものほうの周知の努力がまだまだ十分でなかったというこ とを、大いに反省したいと思っています。 ○佐藤委員  当面の対応の問題でお聞きします。特別立法をされるというように言われており、そ れは大いに結構なことだと思いますが、その内容は何も書かれていないと思います。い ま、まさに選挙中でして、各党がマニフェストの中にもそうしたものも書いているわけ ですが、先ほど説明された、当面の対応の8頁で、9月までにその具体的結論を得ると いうことですが、次期国会に出すと言っているものについて、いままだそうしたものが ない。それから、これは主管庁はどこが、あるいは各省が合わせ持つということになる のか知れませんが、主管庁はどういう所になるのかということを聞いておきたい。  「Q&A」を出されて、国民にサービスをした、インターネットで公開したと言って いるのですが、「肺線維症」という言葉が使われていますが、肺線維の「線」という字 が違っていて、繊維の「繊」が書いてあるのです。それで、国民にQ&Aを出したなん ていうのは、やはりちょっと本気でやっているのかと、私はあれを見て思いました。い まは直されているのですか。もうこれで発言を終わります。 ○労災管理課長  まず、労災補償を受けずに死亡した労働者あるいは家族、周辺住民の被害に対する対 応ですが、先ほど委員ご指摘のとおり、各党のマニフェストに入っているということ で、各党ともこれについては真剣に対応しなくてはいかんという態度です。政府として も今回8月26日にこういう形でとりまとめたわけです。1頁に「アスベスト問題に関す る関係閣僚による会合」と書いていますが、これは大臣レベルの決定であるわけですの で、これは政府として責任を持ってやらざるを得ない、やるんだという意思表明だと考 えていただいて結構だと思います。ただ、何ぶん時間がないということもあり、現段階 で書ける内容を内閣官房のほうでまとめられたということです。なお、次期通常国会で すので、通常、年明けに提案ということになるわけですが、それでは時期として中身が わかるのが遅いということもありますので、9月までに具体的な結論をということで、 政府部内で関係各省が協議をし、中身を詰めて出していくということです。この辺まだ 検討中で、主管官庁もどこになるか。環境省及び厚生労働省が中心になることは事実だ と思います。  それから「Q&A」ですが、こちらのほうはきちんともう一度確認した上で、ご返事 をしたいと思います。 ○下永吉委員  過去の検証も大事ですが、とりあえず当面の対策としてお聞きしたいのです。私ども は8月1日に、厚生労働省をはじめとして6省に緊急要望をさせていただきました。そ の間、各省といろいろ連絡をしているのですが、特に厚生労働省の対応は、我々として は非常に満足いく対応をしていただいており、この場をお借りしてお礼を申し上げたい と思います。お礼を申しつつ、質問させていただきたいのですが、1つは健康管理手帳 の話です。私ども一定期間ばく露の可能性のある職場で働いた人には、退職時、すべて の人に手帳を発給してくれないかというようなお願いをしているわけですが、「今回、 調査研究を実施し、その結果を踏まえて健康管理手帳制度等の見直しを検討する」とな っております。もしよろしければ、現時点で、その検討の方向はある程度お示しできる のであればお話しいただきたいというのが、1点です。それから、現場にまいります と、特別教育を受けなければ現場に入れないという責任規則が、7月1日に施行されま した。そうなりますと、事業主の費用負担というものはなかなか莫大なものになってま いります。何十万という作業員がいるわけですから、これの費用について国で何とか確 保という形を取っていただけないものだろうか。これは切実な問題として要望させてい ただいているのですが、この2点についてちょっとお話しいただければと思います。 ○労災管理課長  担当は安全衛生部ですので、ここで分かる範囲でお答えしたいと思います。まず、健 康管理手帳の要件の関係ですが、こちらは研究関係の専門家の方に集まっていただいて おり、その中で検討していくと聞いています。まだ検討途中ですので、方向については 定まっていませんが、できるだけ速やかにそうした見直しの作業をしていきたいという 方向だと聞いています。  次の特別教育ですが、これは安全衛生法で、大変恐縮ですが罰則をもって強制してい る義務で、ほかのいろいろな業務についても特別教育はあるわけで、こちらでそうした 支援をしている例はないわけですので、特別教育について財政的支援をする、特に罰則 がかかっているものについて、当然やるべきものについて国の金を使うというのはなか なか難しいような気がいたします。ただ、その一方で、当然支援措置は必要ですので、 例えばマニュアルを作るということで、マニュアルについて無料の講習会をやるといっ たようなことは、当然建災防等で考えていると聞いています。また、相談窓口もあちこ ちに設けて、特に来年度予算では47都道府県すべてについての建災防の支部で相談に応 じることはできるような形も考えているところですので、そうした側面的な支援を通じ て援助したい。こうした対策については、当然業界のほうと話し合いをしながら進める 必要がありますので、安全衛生部と委員のほうでいろいろお話し合いがあると思います が、そうした中で、もし必要な要望があればお伝えいただきたいと考えています。 ○下永吉委員  安衛部の担当であるということは十分わかった上で、お尋ねしているので。それから 最後に1点、先ほど佐藤委員からお話がありましたが、救済のための新法制定、これは 来年の常会では遅いのではないかという認識を持っていますので、できる限り早めに何 とか救済のための新法制定ができないものか、これは希望です。 ○労災管理課長  できるだけ速やかにいくように、政府全体として努力したいと思っています。 ○稲葉委員  このアスベストの問題は、国会で厚生労働副大臣が、行政の決定的な失敗と言われ て、行政の不作為みたいなものを認められたというのが、いちばん重要なポイントだと 思います。残念ながら、この検証の報告書にはそこのところが、私が読む限りは抜け落 ちているということです。  それから細田官房長官は閣僚会議で、省庁間の連携が不足していたと。つまり、アス ベストの危険性は認知していて、安全対策を十分取っていなかった。その原因は省庁の 連絡が不足していたと、こういうことを言っておられるわけで、当然この検証をこれか らも続けるということですので、その辺りは十分検証してもらいたいと思うのです。一 体、行政がアスベストの危険性をどこまで認知して、早急に使用中止あるいは使用禁止 の手続きを取ったかがいちばん問われるわけで、そこのところをきっちりやっていただ きたい。最近もまだ白石綿については原則禁止だけで、使用がなされているという状況 がありますので、これは直ちにやめてもらいたいと思うわけです。  といいますのは、これから数10年かけて肺がんになる方の数は相当なものにのぼるこ とが予想されておりまして、その人たちの対策ももちろん重要ですが、これがどういう 理由でアスベストの問題が起きてきたかというところを十分検証しないと、ここのとこ ろの対策がやはりその検証の上にのらないと不十分なものになってしまうので、ここの 検証の文章を読ませていただきましたが、過去の対策がこんなことしました、あんなこ としましたと書いてあり、先ほどの75頁も、結局は十分に周知徹底が行われていなかっ たと。これは周知徹底が十分に行われていなかったのではなく、周知徹底を行う行政の ほうが努力をされたかということ、その製造禁止ももちろん素早くしていれば、周知徹 底をする必要もなくなるわけですので、その辺のところの検証をしっかりしていただく ということです。副大臣も、決定的なミスと言われていますので、そこの因果関係をし っかりしていただいて、当然責任問題を明確にする。多くの死亡者も出ているわけです から、その人たちのためにもそこはしっかりやっていただきたいと思います。以上です 。 ○労災管理課長  ただいまの点について、私のほうで答えられる範囲でお答えいたします。まず、副大 臣が決定的な失敗とお答えしたのは、この昭和51年通達の問題でして、副大臣のほう は、各省庁間に隙間がひょっとしたらあったのではないかというご懸念から、そういう 発言をされたわけです。私ども今回検証した中では、先ほど63頁で申しましたが、もと もと環境庁の資料であって、環境庁自身は当然それは持っていたという点であったわけ です。  反省がないではないかというご指摘だと思いますが、いちばん最後の77頁をご覧くだ さい。「なお」以下です。いまの51年通達について書いておりまして、関係省庁は早い 時期から認識を共有していたわけです。いちばん最後の段落ですが、厚生労働省として は法律、政令、省令、あるいは通達の時期等において、関係各省に対していろいろ詳細 に、事前に説明をしてきたわけです。また、関係省庁連絡会議の開催等を通し、必要に 応じて情報を提供するように努めてきました。しかしながら、例えば、これは環境省の 主催ですが、関係省庁連絡会議というのは、平成2年、平成5年の2回しか開かれてい ない。したがって、そうした会議がもう少し多ければ、もっと積極的に情報の交換がで きたのではないか。また私どもは、いろいろ危険性があるということを、法令の改正時 等を通じて、いろいろ各省庁に投げてきたわけですが、そうした情報が、例えば建材な り車なり、いろいろな部分に石綿が使われていますので、そうしたものが各省庁のほう でどのように生かしていただいたのかということまで把握してこなかった。フィードバ ックを行ってこなかった点については、当然反省の余地があるわけです。したがって、 内閣官房を中心に、「今後、関係各省庁とより緊密な連携を図っていく必要がある」と いうことで、現形体制についても十分これから検討し、構築していくという方向でおり ます。  なお、石綿の禁止については、これは安全衛生部の担当ですので、ご指摘の点につい ては十分、安全衛生部の担当者にお伝えしたいと思います。 ○内藤委員  いまの77頁の文章を読ませていただきまして、例えば、いろいろ大きな災害が発生し たり、被害が起きたときに、民間の企業がその調査をして、「反省の余地がある」と か、「周知が十分行われていなかった」ということで止まった報告書が上がってきたと きには、おそらく許されないと思うのです。もちろん、技術的な問題とか化学的な問題 とかいろいろありまして、当時はわからなかった部分はいっぱいあったかもしれません が、国は国民の生命を守る義務があるわけですから、結果責任が問われるわけです。し たがいまして、反省の余地があるとか、そういうのではなく、もう少しきちっと事態を 受け止めて、そして、それを踏まえて対策を立てないと、また同じことが起こるのでは ないかという不安が少し起きました。これは厳しい意見かもしれませんが、どこにも責 任が問えないとしたら、国が結果責任を取るしかないと私は思います。そのことを十分 踏まえて、今後の対策を立てていただきたい、そういう感じがいたしました。これは意 見です。 ○労災管理課長  わかりました。その点、ご意見についても、担当部局には十分お伝えしたいと思いま す。 ○岩村委員  1、2点だけ。1つは質問でして、もし即答が難しいようでしたら、取りあえずは結 構ですが。石綿について、健康管理手帳によって健康状態の把握をしていたということ が、今回の報告書の中でも書かれているわけですが、お伺いしたいのは、今回、被災者 という形で把握されている、もちろん労働者の方ですが、どの程度の方がこの手帳を持 っていらしたのか。この報告書の書きぶりだと、手帳を作っていて、従事者のその後の 健康管理は十分だったんだということなのですが、そこのところが結果としてどうだっ たのかを知りたいというのが1点です。  それから、これはもう要望になりますが、1つは、長期にわたる疾病であるので、先 ほどもちょっとご紹介がありましたが、場合によっては、労災保険法の中の時効にかか る場合が出てき得るので、とりわけ問題になるのは起算点の問題ですから、起算点につ いて最高裁判例などもありますので、そういったものも踏まえて柔軟な対応ができるよ うなことをご検討いただきたい。ちょっと今日の資料では、その点についてあまりなか ったので、そこが気にかかったということです。  それからもう1つは、新しく立法を用意されるということで、それ自体は非常に事後 的な救済としては結構なことで、しかも周辺住民も含めてということですから、いいこ とだと思うのですが、おそらく、制度を作るにあたって問題になり得るのは、石綿への ばく露と発症との因果関係なので、これは従来も同じような仕組みがあった水俣病であ るとか、原爆などについても、過去においてかなり問題になって訴訟が起きたという経 緯もあるので、そういった最高裁判決なども踏まえた上で、適切な因果関係の考え方の 設定を、各省庁と合わせてご検討いただければというのが、私の要望です。 ○労災管理課長  まず、1点目の健康管理手帳の関係ですが、健康管理については委員もおわかりと思 いますが、基本的には特殊検診というのが1つのシステムです。半年に1回、直接エッ クス線撮影を行って、所見があれがCT等で更にというのが中身です。平成16年度にお いては2,000事業場で、受診労働者1万7,000人ということで、これはかなり幅広く実施 しています。健康管理手帳というのは、企業にいる間は特殊検診があるわけですが、辞 めた後の方の手帳であるわけで、こうした方については当然、不正形陰影がある、ある いは胸膜肥厚、プラークがあるという症状によってお出ししていますので、いま正確な 数字がありませんが、いままで出した方は延べで700ぐらいだったかと思います。これは なぜかといいますと、もともと健康管理手帳は、じん肺のほうでも出ることになってい ますので、じん肺のほうの症状があると、そちらの手帳に出てしまいます。じん肺につ いては1万数千の手帳が出ていまして、実はそのうち石綿による方はどのぐらいの割合 なのか、ちょっと分からないわけです。実際、粉じん作業については健康管理手帳が出 るわけですが、作業としては9割以上の部分は既にそちらのほうでカバーされています ので、したがって石綿の方全体でどのぐらい健康管理手帳が出ているか、はっきり分か らない部分があります。じん肺のほうでかなりの部分は、既にカバーされていたのでは ないかと考えています。  2点目の消滅時効の問題ですが、労災保険法においては、実は明文上の規定がないの で、委員ご指摘のとおり、民法166条1項を準用しています。この規定においては消滅 時効の起算点は「権利を行使することができる時」とされています。この解釈について は、判例において一般的に権利者が権利行使の可能性を知り得たかどうかを問わず、法 律上の障害がなくなった時です。労災保険の時効が争われた事案においては、そうした 法律上の障害がなくなった時というのは、支給事由が発生した時点としているところで す。したがって、行政においても、遺族が疾病あるいは死亡に関して、権利行使の可能 性を知り得たかどうかという主観的な事情を問うことなく、支給事由が発生した時点か ら時効が進行するとしているところです。ただ、今回、救済措置の法的なものを検討す ることになっていますので、そうした時効の問題も含めて、当然その中で検討していく ことになると考えています。 ○西村部会長  3つ目の因果関係の問題については。 ○岩村委員  それは意見だけですから、いいです。 ○須賀委員  いずれにしても、このアスベストの問題は、率直に言って政府の対応としては珍しく 早かったとは思いますが、あとは、いろいろな意見が委員から出ていますように、どう 救済をし、そしてさらにこれは長期戦になってきますから、財政面を含めてどれだけの 予算が取れるのか。アメリカでは基金がパンクしそうだという話も聞いていますので、 そういうトータルとしてきちんとした対策を立てないと、どこまで広がりを見せるかわ からないような状況でありますので、是非、これまで委員がそれぞれ指摘してきたこと を踏まえていただきたい。やはり早く具体的な対応をしていただきたい。すでに連合 も、これまでの間に各省庁に対して要請を申し上げてきたのですが、そうした状況も踏 まえていただいて、是非、迅速な対応を更に強化していただけるように要望しておきた いと思います。 ○労災管理課長  予算措置ですが、法律を作れば、予算がなければ出来ないわけですので、当然一体の ものだと考えています。従来こういう問題が起こったとき、検証なども大体半年ぐらい かけてやるのが一般的でしたが、今回の検証は1カ月でやっています。その辺にも、政 府として早くやらなきゃいかんという意欲が表れているわけです。そういうことも踏ま えて、9月までに具体的な結論を得るという形になっているわけですので、できるだけ 速やかにこういった方向も道をつけていきたいと考えています。 ○佐藤委員  今日はこういう形で、当面の対応なり、これまでの反省が若干足りないと私も思うけ れど、反省が出されている。この問題はどこでやるのですか。どこで議論されていきま すか。 ○労災管理課長  たぶん、委員ご指摘の点でいちばん問題になるのは、やはり安全衛生法の関係でやっ てきた対策が、要するに、国際的な動向あるいはそのときの化学的な知見、そういった ものから見て本当に適切だったのかどうかということに尽きると思います。その点につ いては、やはり安全衛生部が担当になってまいりますので、安全衛生部のほうが責任を 持ってお答えすることになるのではないかとは考えています。ただ、折角の審議会の場 ですので、私で答えられる範囲で、お答えを今日はしているということです。 ○佐藤委員  だから審議の場所です。こういうふうにして、当面の対応を私たちに説明をいただい て、あるいは通達も出ている、それからこれまでの一定の反省を述べられたわけです が、今日はこういう形で報告されていますけれども、あと、こういったアスベストの問 題は安全衛生の問題だとおっしゃった。それは所管の問題であって、安全衛生の部会で やるということになるのですか。 ○労災管理課長  その点については、私から所管の部局にお話しいたしまして、委員のほうにお返事を するようにしたいと思いますが、よろしゅうございますか。すみません、私も担当者で ありませんので、例えば安全衛生部会でやるというふうに、私自身の責任ではお答えす ることができないものですから、所管の部局から委員のほうに回答するようにしたいと 思いますが、よろしいですか。 ○佐藤委員  結局、これは財源の問題になってくると、この労災保険の特会からお金を出すんだと か、あるいはトラストを作ってアメリカのようにやるのか、そういった問題の議論にな ってくると、非常にもう高い次元の話になってくると思うのです。けれども、ここで議 論をしてもいろいろな意見がいっぱい出るわけですから、多少重複する部分は重複する ことを承知の上で、先ほど時効の起点の問題が出ましたが、これもかなり議論されなき ゃいけない。例えばクボタの200万という補償が何か基準になってしまうような、そうい うことも言われてもいる。そういう問題があると、本当にどこできちっと議論されるの かも、法律になって出るときの審議会はバラバラで議論するのかちょっと分からないか ら、もう少し進んでからということになるのならそれで結構ですけれども、是非ともこ の部会に関係することについては、ここでやってもらいたいということです。 ○労災管理課長  わかりました。 ○労災補償部長  まだ所管省庁についても検討をしていますので、当然、本部会関係のことについては 本部会にまたご相談申し上げて、ご審議いただきたいと思います。 ○佐藤委員  相談ができるタイミングはあるわけですか。 ○労災補償部長  これは労災の時効の問題などもいろいろ関係してきますし、労災保険法の解釈などの 問題も絡んでまいりますので、この部会に関係あることにつきましては、この部会でご 相談申し上げて、ご審議いただくことになると思います。 ○須賀委員  基本的には新法ですから、労災保険法をいじらないで、新法にするのでしょう。 ○労災補償部長  どういう範囲を対象にしていくのか、どういう仕組みでやっていくのか、財源はどう していくのか、すべてまさにいま検討中です。どういう仕組みになっていくのか、そこ をいま関係省庁が集まってやっています。ですから繰り返しますが、当部会に関係のあ ることにつきましては、当部会にご相談させていただきたいということです。 ○岩村委員  どういうふうに設計されるかは、私は担当者ではないし、もう省庁間のお話し合いだ と思うのですが、簡単に整理すると、労災保険法でカバーできるところは労災保険でや る。ただ、労災保険でカバーできないところが出てくるはずなので、その部分をどうす るかという、いちばん単純に整理すると、そういう話になるだろうと。あるいは労災保 険でカバーする部分も含めて、一体化して新法でやってしまうという考え方もあるでし ょうし、いろいろな制度設計のやり方はあると思うのですが、いちばん単純な整理の仕 方は、いまいちばん最初に申し上げたことかなとは思います。例えば、時効で消滅して しまった人についてどうするかとか、そういう問題もあるでしょう。いくつかのパター ンがあり得るので、整理の仕方はいくつかあり得るだろうというように思いますが、そ れによってこちらのほうに審議がかかってくるのか、かかってこないのかというのは、 整理の仕方によって決まってくるのだろうとは思います。 ○稲葉委員  ですけど、この問題は労働災害という問題以上に、もっと広がっています。つまり家 族、それから周辺住民まで広がっていますから、もちろん最初は労災ですけれど、労災 問題を超えてもう公害問題に近くなっているということでありますから、そこの考え方 ですけれど、それは新法を作って、その中で救済するというのがメインではないかと思 うのです。そこの枠組みをまず作って、そこを維持するために労災保険から何ができる かということを考えたほうがいいのではないかと思うわけです。 ○須賀委員  そういう部分も含めて、これから枠が作られていくわけでしょうし、当然、労災保険 で言えば認定そのものもですね、これ非常に症例の出方とか診断の難しさみたいなもの もあるようですから、そういう関わりのある部分はこの部会の中で議論ができる、とい うことで捉えておいていいわけですね。わかりました。 ○労災補償部長  まさに先ほどご説明いたしましたように、新たな法的措置を講ずるということで、い ま検討しておりますので、その枠組みをどういうようにしていくのかというのは、まさ にいま検討中ですので、いろいろなパターンを私ども研究をしています。ですから当部 会関係のことについては、もちろん当部会にご審議いただきたいと考えているところで す。 ○西村部会長  それでは次の議題に移りたいと思います。第3の議題は、「胸腹部臓器の障害認定に 関する専門検討会」の中間報告についてです。事務局から説明をお願いします。 ○補償課長  資料4−1、4−2に基づき、説明をさせていただきます。説明は、本体の報告書が かなり分厚いものになっていますので、資料4−1の「中間報告について」というペー バーでさせていただきます。  初めに、このペーパーの「経緯」についてです。胸腹部蔵器の障害認定については、 ご案内のとおり労災保険法施行規則別表第1に定めるところの「障害等級表」、それと 労働基準局長通達である、これは昭和50年9月に出された通達ですが、「障害認定基準 」に基づいて行ってきています。昨年1月、「胸腹部臓器の障害認定に関する専門検討 委員会」を設置し、その後、全体の会合、それから障害の部位別に分かれていた部会に おいて、都合31回にわたり、障害認定基準の見直しのための検討が行われています。先 般、資料番号4−2のとおり、「報告書(案)」としてまとめられたところです。な お、障害等級の認定基準については、平成11年以降、障害の部位ごと、即ち1つは眼の 障害、1つは耳鼻口の障害、それから神経系統の機能・精神の障害、4つ目は脊柱及び その他の体幹骨、上肢並びに下肢の障害というように、部位ごとにそれぞれ医学専門家 による検討会を開催し、順次必要な改正を行ってきています。今回の胸腹部臓器の障害 の見直しを行うことにより、一連の見直しは終了する予定です。  なお、前回、障害等級表の見直しに関するご審議を、当部会で行っていただいていま すが、その際、今後の障害等級の見直しにあたっては患者団体からの意見聴取等も行う べきであるというようなご指摘をいただいているところです。今回は、このことを踏ま えて、見直しに関連する13の患者団体等に対して報告書案をお示しした上で、ご意見を お聞きしています。今回意見を聞かせていただいた患者団体の選定基準、あるいは団体 の一覧、意見の内容等については、別途配付の「患者団体等」という一枚のペーパーの とおりです。患者団体からは、この1枚ペーパーの下のほうの「意見の内容」の欄のよ うな意見が出されています。いただいたご意見の内容を要約しますと、すでに検討会に おきましても十分に検討がなされ、今回の報告書(案)におきましても別途評価される ということになっているもの、あるいは症状が重度で、通常治癒するとは考えられない ものについての意見というようなことです。  続きまして、IIの「現行の省令及び認定基準の問題点」について説明いたします。先 ほども申し上げましたとおり、現行の胸腹部臓器に関する障害等級の認定については、 障害等級表と障害等級認定基準という2つのもので行われているわけですが、いずれも 昭和50年の改正以降、一部を除き見直しは行われていません。このような状況におい て、現行の胸腹部臓器の障害等級表及び障害認定基準に関しては、監督署において障害 認定を行う際に医学的意見を頂戴する労災委員の先生方、あるいは専門医等から、大き く2つの問題点が指摘されているところです。  その1つは、障害等級の認定は、本 来、傷病が治った後に残った障害によって、労務の遂行にどの程度の支障が生じるかと いうことによって行われるべきですが、そのようになっていないものが見受けられる。 そしてまた、最新の医学的知見とは適合しなくなっているものがあるということです。  下に例示があります。例えば、現行の障害等級表では、一側のじん臓を失ったものは 障害等級第8級に該当する障害として評価されているわけですが、これは一側のじん臓 を摘出した場合であっても、残ったじん臓に明確な機能低下が認められなければ、じん 臓の機能上特段の支障はないというのが、現在の医学の常識となっています。このた め、これ以外の傷病の場合には、後遺症があるために、実際に就労することができる職 種がかなり制限をされるという場合でも、障害等級の第9級、8級の下のランクに位置 付けられているところです。明らかに不合理なものになっているということが指摘され ています。  問題点の2つ目です。胸腹部臓器の現行の障害等級認定基準が、具体性に乏しい、抽 象的な規定になっているということです。例えば、胸腹部臓器を損傷して、その結果、 その臓器の機能に著しい障害を残した場合の障害等級について、障害等級表では「特に 軽易な労務以外の労務に服することができないもの」として、障害等級第5級に該当す る障害と規定をされています。  その具体的な内容を示すべき認定基準の規定ぶりですが、「独力では一般平均人の4 分の1程度の労働能力しか残されていない場合」がこれに該当するというにとどまって いるわけです。現実問題として、このような抽象的な規定ぶりですと、結果的に、担当 医師等の総合判断に委ねざるを得ないといった状況が生まれるわけでして、最終的に障 害等級を決定する立場にある監督署においては、判断に困難を伴うことがままあるとい うことです。  「見直しの内容」ですが、検討会においては、このような現行の障害認定基準が抱え る問題点の解消を図るということを主眼として、関係する学会、国際的な動向も踏まえ つつ、最新の医学的知見に基づいて見直しのための検討が行われてきたところです。  その結果として、先ほどの説明といちいち対応させますが、1つ目は、障害等級が障 害等級表等に具体的に掲げられている障害については、最新の医学的知見に適合した後 遺障害の評価に改めるということで、例えば一側のじん臓を失った場合であって、か つ、残ったじん臓に明確なじん機能の低下が認められる場合は、その機能の低下に応じ て第7級から第13級の4段階に区分をして認定することが適当であるとされているとこ ろです。  2つ目ですが、障害等級の認定が、可能な限り各種検査結果、あるいは客観的な医学 的知見に基づき行われるということに改めるために、例えば胃を切除したというケース については、胃のどの部分を亡失したのか、あるいはその範囲はどの程度に及ぶのか、 さらには、それによって消化吸収障害、あるいは逆流性食道炎等の症状があるのかない のかといった具体的な状況を確認し、第7級から第13級までの間で4段階に区分して認 定することとされているところです。  時間の関係がありますので詳細な説明は省略をしますが、別添として、後ろに参集者 の名簿、検討結果の概要ということで、部位別に表記をしている5枚組みのペーパーが あります。  最後に、現行の等級に比べて評価が上がるもの、逆に下がるものということをピック アップした表が参考として付けてあります。後ほど、それぞれご参照いただければあり がたいと思っています。  「今後の予定」としては、9月12日に開催を予定している専門検討会の場において、 本日のご議論をご報告し、それを踏まえて最終の報告書を完成していただくということ を予定しています。  その後においては、最終報告書に基づいて、障害等級表及び障害等級認定基準の改正 案を作成してまいる予定にしています。  なお、障害等級表については省令事項ですので、省令改正が必要なものについては、 次回以降開催される労災保険部会に諮問を行う予定にしています。併せて、その際、障 害等級認定基準の改正案についてもご報告をすることにしています。  以上、簡単ですが、専門検討会においてまとめられた報告書(案)を中間報告という 形でご報告をしました。 ○西村部会長  ただいまの事務局の説明について、ご意見、ご質問があれば承ります。特にありませ んか。それでは、事務局においては、ただいま報告のありました専門検討会報告書の取 りまとめ作業を進めていただきたいと思います。  本日最後の議題に移ります。「『労災病院の再編計画』の取組状況について」です。 事務局から説明をお願いします。 ○労災管理課長  「労災病院の再編計画」について、資料5−1以下でご説明申し上げます。平成16年 5月に開催された第7回の本部会において、その概要を説明していますが、本日は、再 編業務を行っている独立行政法人労働者健康福祉機構における取組状況を報告します。  5−1です。平成16年度廃止予定のものとして、霧島温泉労災病院がありました。こ ちらは平成16年4月9日をもって廃止しています。  次に、平成17年度廃止予定のものです。珪肺労災病院については、平成17年8月17日 に独立行政法人通則法第48条1項に基づいて、機構から厚生労働省に対し、財産処分の 認可申請がありました。同病院は、国が出資した労災保険料を原資とする機構の財産で あり、労災保険財政にかかわる財産処分であるとの観点から、本部会に報告するもので す。  なお、機構の重要な財産の処分に当たりましては、適正な手続を担保するために独立 行政法人通則法に基づいて、厚生労働省の認可が必要となり、この認可に当たっては財 務省への協議、独立行政法人評価委員会の意見を聴く手続が必要となっています。この ため、先週の8月23日に独立行政法人評価委員会の意見を聴いたところ、当該財産処分 に係る申請を認可することについて異存ない旨のご意見をいただいています。  私どもとしては、認可するに当たって基本的な考え方として、次の2点を考慮する必 要があると考えています。1つは、機構の財産処分に当たっては、保険財政の健全運営 等の観点から、適正な価格で売却する必要があること。同時に、今回、資料5−2でも お配りしていますが、「労災病院の再編計画」の中で、病院の廃止に当たっては、地方 公共団体の長その他地元関係者と協議し、その地域における医療の確保に十分配慮する こととされています。労災病院が地域医療機関として果たしている役割を踏まえ、地方 公共団体を中心とした地元関係者の地域医療の観点からの意向を十分に尊重する必要が あること、この2点を基本としています。  今回の病院の財産処分の内容ですが、これは学校法人獨協学園に対して適切に算出し た時価から5割を減額して移譲する内容となっています。  これまでの経過を整理しますと、次のとおりです。再編計画の策定後、平成16年6月 より地元地方公共団体と、珪肺労災病院の移譲に関する連絡会議を設け、情報交換等を 行っています。その際、機構から栃木県に対し、地域医療の確保に必要な機能について 地元の考え方を取りまとめるよう要望しました。この要望に基づき、地元関係者から8 月2日、厚生労働省に対し、後継医療機関として獨協医科大学を軸に選定するよう要望 がありました。  その後、地元関係者が、珪肺労災病院廃止後の後継医療機関の在り方についての基本 構想を策定し、その基本構想を踏まえ、医療活動を安定的に遂行する意思・能力を持っ ており、移譲先医療機関として最も適当であると認める理由を明示した上で、獨協医科 大学を選定しました。  その次に、獨協医科大学が地元関係者と、その基本構想に基づいた医療活動を実施す ることについて合意し、併せて、獨協大学が労災病院の資産の移譲を受け、引き続き10 年以上医療機関の用に供することも約束をしているわけです。こうしたことを踏まえ て、地元における取組みを踏まえて機構会計規程第40条の「随意契約による」という規 定に該当するものと判断しています。  なお、珪肺労災病院は機構の財産であり、国有財産ではありませんが、国有財産であ りますと、国有財産特別措置法において地方公共団体、学校法人等に譲渡される国有財 産が病院等の施設の用に供されるときには、時価からその5割以内を減額した対価で譲 渡することができるとされています。このためこうした国有財産特別措置法の考え方を 考慮して、時価から5割減額としたところです。  また、移譲先である獨協医科大学においては、珪肺労災病院で現在雇われている職員 に対する雇用の確保に十分配慮するという約束もいただいているところですので、機構 不動産管理細則第27条の「業務の運営上特に必要があると認めるときは、理事長の承認 を得てこれを減額し、又は無償とすることができる」という規定を適用して、獨協医科 大学を運営する学校法人獨協学園に対し、5割減額して譲渡しても差し支えないものと 判断をしたわけです。したがいまして、今後、財務大臣協議を経て申請どおり認可する こととしたいと考えています。  なお、今後廃止する他の労災病院の財産処分については、厚生年金病院等と重なる可 能性が高いことから、そうしたものとの整合性も踏まえ対応していくことを考えていま す。  次に、大牟田労災病院ですが、厚生労働省においては、一酸化炭素中毒患者に対する 適切なリハビリテーションを実施するための診療体制、あるいは社会復帰に向けての支 援体制を整備するため、一酸化炭素中毒患者に係る特別対策事業として、平成17年度予 算計上をしています。現在、そうしたリハビリテーションを適切に行い得る能力を有す る医療機関に委託事業を委託するべく調整をしているところです。委託先の選定状況を 考慮し、財産処分の方法を現在検討しています。  平成18年度以降についてはここに書いてあるとおりでして、岩手労災病院、筑豊労災 病院については、それぞれ地元との連絡会議を開催したところですが、存続要望等があ りましたので、地元のほうに要望の取りまとめを依頼しているところです。そういった 観点からの協議を進めたいと考えています。  最後に、平成19年度統合のものですが、ここに書いてあるとおり、美唄と岩見沢、九 州と門司でして、現在、機構本部と関係病院間において協議会を開催し、環境の変化等 を踏まえ、運用のイメージ等を検討しているところです。九州労災病院、門司労災病院 については基本設計に入っており、統合についての基本的考え方及び基本設計に必要な 事項を整理したところです。以上です。 ○西村部会長  ただいまの事務局の説明について、ご意見、ご質問があれば、どうぞ。特にありませ んか。  それでは、本日の部会はこれをもって終了します。本日の議事録の署名委員は、労働 者代表の佐藤委員、使用者代表の泉川委員にお願いします。本日はお忙しい中、ありが とうございました。                照会先:労働基準局労災補償部労災管理課企画調整係                    電話03-5253-1111(内線5436)