05/08/22 第17回建設労働専門委員会議事録          第17回雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会 1 日時 :平成17年8月22日(月)15:00〜 2 場所 :経済産業省別館825会議室 3 出席者:   委員 (公益代表)椎谷座長、白木委員、冨田委員      (雇用主代表)奥田委員、下永吉委員、平石委員      (労働者代表)池口委員、池田委員、笹田委員、寺澤委員   事務局 職業安定局建設・港湾対策室吉永室長、小宅補佐、下出補佐   オブザーバー       職業能力開発局育成支援課杉澤補佐       国土交通省総合政策局建設振興課労働資材対策室塚原補佐 4 議題 :(1)改正建設労働者雇用改善法に係る政省令等の検討について       (2)建設雇用改善計画(第7次)について       (3)その他 5 議事: ○下出補佐  ただいまから、第17回建設労働専門委員会を開催いたします。本日は才賀委員が所 用のため欠席されております。最初に資料の訂正をさせていただきます。座席表に池田 委員が2人いることになっておりますが、1人は池口委員でございますので、訂正して お詫び申し上げます。なお、本日の資料は1〜8まであり、ご確認をお願いいたしま す。  では、議事に入りたいと思いますので、椎谷座長、よろしくお願いいたします。 ○椎谷座長  暑い中、お集まりいただきありがとうございます。前回は「建設労働者の雇用の改善 等に関する法律」の施行に係る政省令(案)等及び第7次建設雇用改善計画(案)につ いて議論を行ったところですが、時間の関係上、十分な議論ができなかった面がござい ます。本日は前回の議論を継続することといたします。まず前回出されましたご意見を 踏まえ、事務局で修正点、また補足資料を準備していただきましたので、その説明をお 願いいたします。 ○小宅補佐  まず資料1です。「3分の2以上」と下線の引いている所ですが、これは前回「過半 数」という案を出したわけです。しかし、過半数ではまだ不足ではないか、もう少し厳 しい要件にすべきではないか、というご意見がありました。今回は3分の2という案に しております。事業協同組合では、通常の議決は出席者の過半数でいろいろなことが決 定できるわけですが、重要事項は3分の2という規定が中小企業協同組合法にあります ので、何かを決議するときの厳しい要件として、それを参考にして3分の2としてはど うかと。事業協同組合等にとっては3分の2はかなり大きなハードルになっているとい うことで、この案を出しております。  次は資料2です。線が入っておりますが、特に強調するということではなく、これは 誤りで入ったものです。この資料は、前回委員から国会での労働者保護についていろい ろ議論があったはずであるので、それを踏まえ、どのような措置がどうとられているの かを分かりやすく、もう1回整理し、それから考えたほうがいのではないかというお話 がありました。1、国会で議論のあったブローカーなどを排除するために厳正な審査を していくかといったこと。2、労働者保護の観点から労働者の同意をきちんととるべき だというご議論がありましたので、それに対応するもの。  3、今回の建設業務労働者就業機会確保事業は常用の方が対象です。雇用契約上は常 用だが、送出が終わるとすぐに解雇してしまうというような、常用を偽装するようなこ とがあってはおかしいという議論がありましたので、それへの対応策。4、送出専門と いうようなものもおかしいだろう。5、送出労働者の賃金の問題が議論になりました。 また、事業主団体としてどう対応していくのかという議論もありました。これらについ て、今の案ではそれぞれどのようなもので対応しているのかをまとめたものです  簡単に申し上げますと、1の厳正な審査では、実施計画段階では、法律上は義務化さ れてはいませんが建設業の実状に詳しい方々が参画する労働政策審議会で、実施計画に ついても付議すべきではないかということですので、そのように雇用改善計画の中に盛 り込んでおります。また、事業主団体についても厳しい要件をというご議論がありまし たので、2ポツ目、3ポツ目がそれに対応したものとして省令で措置しようとしている ところです。(2)では、送出事業、事業の許可レベルについては厳しく見るということ で、法律上、明確に労働政策審議会に付議するとなっております。2ポツ目では、省令 において申請者は実際に建設業をやっていて実績がある、ブローカーが入って来ないよ うに実績のある人に限定することを省令で規定する、という措置で対応しようと考えて おります。  2番目は送出労働者の同意です。1ポツ目は法律上も書いてありますが同意を取る。 その同意の手法としては、2ポツ目、省令で書面によることを明確化しようと。3ポツ 目は、同意といいましても自由意思によらない同意であっては問題になりますので、同 意をしなかった場合に不利益取扱いをしてはならないという不利益取扱防止の措置を、 法律に基づくもの、また指針でも改めて措置するという案に現在なっております。  常用労働者に偽装することの防止対策として、常用であるということを雇用保険、社 会保険の加入状況できちんと確認していこうということを指針で書いております。2ポ ツ目は、さらに入口だけではというわけではなく、実際に長期間にわたって送出のあっ た後も常用であるのかどうかを、送出労働者の雇用形態、年度末時点でその雇用が継続 しているのかどうか、途中で解雇のようなことをしていないのか、ということを報告書 を取って確認することを省令で定めようという案にしております。3ポツ目は、指針に おいて送出終了後に解雇することの禁止です。常用労働者を対象とすることにし、雇用 を安定させることが目的ですので、3の4ポツ目として、退職予定者を送出するという ことは、趣旨に反するだろうということを指針で措置しております。  次頁では、この委員会の報告書にも、一時的に労働者が余剰になった場合の対策とし て今回の送出義務が設けられたわけですが、その余剰というのが合理的な理由なく受注 を取りやめるとか、労働力の余剰という事態が発生することを回避する努力を事業主が やっておらず、漫然と余剰を発生させた場合はその必要性が疑われるということで、指 針において5ポツ目の内容を盛り込んでいるところです。  4番目は、送出専門の労働者を置くことはローカル的なことにつながるということ で、1ポツ目で、「建設雇用改善計画」でも、また指針においても盛り込んでおりま す。2ポツ目の送出専門部署設置の禁止も計画の中で盛り込んでおります。労働者ご と、各個人個人で見た場合の送出機関の制限ということで、年の所定労働日数の半分を 指針に書いております。4ポツ目は3ポツ目と違い、個人ごとではなく事業主ごと、送 出労働者の延べ数について制限をするということで盛り込んでおります。5番目は労働 者の保護です。1ポツ目は、指針において、賃金については送出事業主に支払い義務が あるということを明示しております。2ポツ目は、受入事業主が送出した就業の対価を 送出事業主に支払わない場合、この場合は賃金原資が滞ってしまうということになる可 能性もあるわけです。そうした場合であっても送出事業主には賃金の支払い義務はあ り、きちんと支払わなければならないということを指針で書いています。3ポツ目は、 送り出すことをもって賃金を引き下げるということは、禁止するということを指針で書 いております。  4ポツ目は、受入事業主が送出労働者の責に帰すべき事由以外の事由により、契約を 解除された場合、受入事業主は雇用の安定に配慮し、受入事業主の関連会社での就業を あっせんするとか、そうしたことで就業機会の確保を図ることを受入事業主の指針で書 こうということです。5ポツ目は、送出事業主が倒産した場合は賃金の不払いというお それがあるわけですが、実際に賃金の不払いということになれば公的な賃金支払対象と なりますので、ここは法律上明確になっておりますので、指針には盛り込んでおりませ んが、そういう対策が取られているということです。  6番目は、今回はスタート時点で事業主団体が計画を作るとあり、事業主団体の指導 などが非常に重要な役割を果たしております。このため事業主団体による周知啓発、送 出事業主、受入事業主の組合せの検討、労働保険・社会保険の加入促進、苦情処理、送 出・受入事業主に対する指導などをきちんと事業主団体が認定を受けた計画に基づいて やっていただくということ。認定計画に記載したこれらの措置、やると言っていたもの をやっていないという場合には、認定ケースは取消され、ひいては送出事業主の許可も それに伴い失効する仕組みになっております。これらについては建設雇用改善計画の中 でも明らかにしております。ここは前回、整理してみてはと言われたものをペーパーに したものです。  次は資料3です。資料1で事業協同組合の要件について3分の2という数が出てまい りましたので、それに伴い3頁の中ほど、点線で囲っている中の下線を引いている所で すが、「3分の2」としているといった手直しをしております。  資料4は送出指針です。2頁の(5)に下線を引いております。これは前回、国会で 労働者保護について議論があったので整理してはというお話がありました。それとの関 連で、もう少し明確にすべきであろうということで「なお書き」を入れております。 (5)送出期間中の賃金等の労働条件については、就業中においても賃金等の労働条件 は雇用契約に基づいて遵守しなければならないと。前の案は、すぐ下の「また、送出就 業を」というところにつながっていたわけですが、「なお、受入事業主は、受入事業主 の倒産等により受入事業主から送出就業に係る対価の支払いを受けていない場合であっ ても、送出労働者に対して適正な賃金を支払う必要がある」。ここに書かなくても当然 のことですが、書いて、より明確化をしています。  次は資料6です。2頁目、下線の引き漏れがあり、中段より少し下のアイウエオのウ です。入れておくべきものが前回抜けておりましたので加えております。ウ、「建設業 務有料職業紹介事業者は、高等学校若しくは中等教育学校又は中学校の新規卒業予定者 から応募書類の提出を求めるときは、職業安定局長の定める書類(全国高等学校統一応 募用紙又は職業相談票)により提出を求めるもの」と。建設業務有料職業紹介事業の求 人者・求職者については、求人者か求職者のいずれかが団体の関係者であるということ になっており、団体の構成員が学卒者をこの制度により職業紹介を受けることはあり得 ることになっております。学生を職業紹介するときは、普通の職業紹介においても就職 差別等のないように一定のきちんとした書式でやっていただくことにしておりますの で、これについても、それとの並びで統一的な様式でやっていただくことが、条件に入 れるべきだということです。  4頁目ですが、前回若干質問がありました。2行目のウ「次のいずれにも該当し、労 働関係法令に関する知識及び職業紹介事業に関連する経験を有する」。職業紹介事業に 関連する経験というのは、実際に職業紹介業者で働いたという意味かということでした が、これは下のア)・イ)を満たすということですので、これとは別個に職業紹介事業 に関連する経験を求めているものではないということで補足しております。  次は資料8です。2頁目、審議会関係についてもう少し明確化すべきではないかとい うご意見がありましたので、このような加筆をしてはどうかということで案を作ってお ります。  13頁目、前回指導監督、いわゆる偽装派遣もきちんと指導することをどこかで明確化 すべきではないか、というご意見がありましたので今回入れております。読み上げます と建設業務労働者就業機会確保事業に関連して、建設業務について、形式的には請負で あるものの実態として労働者派遣となっている、いわゆる偽装派遣については、「労働 者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」第4 条第3項違反、これは建設業務については労働者派遣をやってはいけないということを 書いてある条項ですが、の違反となるものであり、労働者派遣事業と請負により行われ る事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号)に係る周知を図るととも に、厳正に指導監督を行うということで、骨子的を踏まえて直したものです。  あと、若干ですが誤字・脱字の類があります。例えば10頁、「及び」は前回は平仮名 でしたので漢字に直しているとか、12頁の下のほうで「就業機会」が「終業機会」とな っていたりとか、少しミスがありましたので、その辺は各資料にわたって適宜直してお りますのでご報告という形にさせていただきます。 ○椎谷座長  ただいまの説明について、また前回できなかったご質問なり、ご意見、ご自由にご発 言いただきたいと思います。 ○笹田委員  資料2です。2頁の5の送出労働者の賃金等の2ポツ目、「受入事業主が」というこ とで始まっていますが、要は、送出事業主には賃金の支払い義務がありと、これは当然 のことですが、「送出事業主が賃金を支払うよう指導」となっています。これは単なる 指導でいいのですか。指導すればそれで事足りるということになってしまうので、もう 少し厳しい表現にしておかないとまずいのではないか。つまり指導さえすれば、払う は、そこの確認はどうとるのかということもありますので、この辺はどうお感じになっ ていますか。 ○吉永室長  この部分は労働基準法関係の違反ですので、その辺は指導を行うわけですが、最終的 には法的な罰則を伴う指導という意味です。その趣旨を明確にする意味で、例えば「指 導監督」とするか、その辺の書きぶりについては、若干検討したいと考えております。 これは労働基準法違反ですので、最終的には罰則金を伴う厳しい指導であることをご理 解いただきたいと思います。 ○笹田委員  一般的にパッと見ると、指導ということだけで事足りるのかという部分も見られます から。もちろん法律違反になるわけですが、ここで指導だけで終わっていいのかなとい う感じが、ちょっとするものですから。室長が言われていることは分かるのですが、こ の辺、ちょっとお願いしたいと思います。  それと、資料4と5です。前回も問題意識はあったのですが時間等の都合で言えなか ったところがありますので、送出事業主指針の2枚目の4の労働・社会保険適用の促進 です。ここは具体的でないものですから明確にしておかないと困るのではないかと思い ます。雇用保険はいいのですが、社会保険類については、いわゆる事業主責任において は、例えば健康保険も厚生年金も半額負担は通常です。ここでは国民年金も一応社会保 険の中に入るわけですし、我々がやっているような、健康保険組合がやっているのも社 会保険の一部です。我々の所に入っていれば送出・受入が可能だということになってし まうと、肝心の送出事業主の責任は、半額負担も何もしない。自ら労働者が勝手に入っ ていればこの制度は使えるのだということになりますので、ここは明確に政府管掌健康 保険(政管健保)と厚生年金を入れないと、その意味がなさない。  つまり送出事業主責任といいましょうか、雇用主負担という点では抜けてしまうの で、ここは是非入れてほしい。我々のような国保組合を運営している所はいっぱいあ り、我々も23組合を持っています。その健康保険に入っていればいいのだということに なると、いわゆる送出事業主責任はどこにどうあるのかが曖昧になります。この曖昧さ でやると、とんでもないことが起こってくることは将来考えられますので、ここは明確 に政管健保と厚生年金を入れてほしい、とお願いしたいと思います。  それと関連して、3頁の(2)は、それが前提になりますから、これは要らないので はないかと思います。同様に送出と受入にも関係しますので、見解をお聞きしたいと思 います。 ○吉永室長  送出労働者に対する労働社会保険の適用の問題は、今回、就業機会確保事業が常用労 働者に限っているという趣旨を明確にする観点から、こういう労働者に限る、という形 で法案の段階でも説明したところです。その際、池田委員からのご質問だったと記憶し ておりますが、これについては健康保険が当然考えられると回答したところです。私ど もとしても被用者保険を中心としたもの、政管健保や厚生年金に入っていることが原則 だと考えております。  実際に制度を見てみますと、零細の個人事業主の場合、法律上厚生年金や政管健保は 義務化されていない部分があります。こういう層であって常用労働者という部分もあり 得るところで、当然そういったものに代替するものについて労働者のほうは図られてい く必要があると考えるわけです。それは政管健保や厚生年金に入れとまで、今回の制度 を作る上で言えるかどうかという趣旨もあるということで、代表的な形で雇用保険に入 っていればいいのではないかということで、こういう記述にしたところです。  この辺りの考え方として、今回の制度に乗る以上、個人事業主であっても政管健保に 入る、あるいは厚生年金に入る形で対応すべきであるという考え方。一方で全体として の雇用の安定を図る観点からすると、最低限入るべきものは入っていなければいけない が、法律に違反しない範囲で、その他の制度、例えば建設国保などを利用することもあ り得る。ここは2つの考え方があるのだろうと思っております。正直申しまして私ども 完全に決めかねる部分ではあるわけです。  その辺り建設業の実態として、そういったものを残すことが就業機会確保事業の運営 に悪影響を及ぼすのであれば、かなり厳しい要件でいくべきだろうと思っております。 原案としては幅広く、法律で入るべき被用者保険について入っているものについては当 然入っていただくし、それ以外のものについても、健康保険、建保、建設健保等々とい うことで対応すべき部分があるということであれば、そういうもので救っていく。今回 のスキームが雇用の安定ということであれば、個人事業主4人以下の、非常に例外的な 場面の差ということで、そういったものも考えに入れていく必要があるのかなと思って いる次第です。この辺りは、率直に各委員のご意見などをいただければ2つの対応につ いて検討したいと考えております。 ○笹田委員  まさに室長が言われるように雇用の安定のためにと。だから、雇用改善の一部改善の 中でこれをやるわけですから、労働者の雇用改善という観点を重視するということにな れば、当然そういう関係となる厚生年金は、雇われている事業主がきちんと負担すると いうところをはっきりさせておかないと、私は駄目だと思います。建設はものすごくそ こは曖昧になっていますし一般の中小の製造業等も含めて、この辺はかなり曖昧になっ ているのはわかるのですが。  この期に及んで、社会的な流れがあるから仕方がなく何かそれらしきものに入ってお けばいいということになると、この制度そのものがめちゃめちゃになっていくというこ とも含めて、政管健保と厚生年金はきちんと位置づけをしてやって、そこをやらすとい うことを是非お願いしたいと思います。 ○吉永室長  私どもは建設における雇用改善を目的としている法律に基づいてやっているところで す。その内容として厚生年金や政管健保に入ることは、ある意味、建設における雇用改 善に向けた一歩だろうと思っております。そういう意味で、いまの笹田委員のご指摘を 踏まえ、我々としては検討したいと考えております。 ○池田委員  ちょっと補足します。笹田委員と私も同じ意見であります。実態が実態ですから笹田 委員も心配していると思います。どういうことかと言うと、旧厚生省の中では適用除外 というか、建設の場合は事業主は組合国保に入れるのです。その場合の労働者は国保は 全額支払いです。この人たちが本当に常用労働者というように見られるという危険性が 十分あるわけです。笹田委員が言われているように、ここは被保険者保険とか、あるい は政管健保をきちんとしておかないと、使用者委員からも言われたように、私たちも言 っておりますが、暴力団や不正なブローカーが参入してくるときに、そういう手法も使 われ、これが運営されていくと大変心配になります。ここはきちんとしておいたほうが いいのではないかと私も笹田委員と同じ意見であります。 ○椎谷座長  いまの点、使用者側の方はどうでしょうか。 ○奥田委員  そうでしょうね。これを制度として使う事業主団体、事業主はそういう、言ってみた らそのクラスの人を代表にして動かす必要があるのではないかなと私も思います。制度 は詳しくわかりませんが、個人が全部払っているような人をまとめて連れて来てやるケ ースは、ないとは言えない。 ○池田委員  社会保険という中に入っているのです。 ○奥田委員  そういう意味では、スタートに当たっては厳しい運用等を設けてやる必要があるので はないか。何でもかんでもやる人を救うのではなく、この制度が将来有効に働くという 意味でも、かなりシビアな条件を付けてスタートしたほうがいいのではないかと思いま す。 ○椎谷座長  私自身はそういう部分で働いている人がどのぐらいいるのかよく分からないので意見 らしいことはないのですが、つまり、政管健保にも入ってなくて、そういう場面でしか 働いていないような人が、この制度で救われなくていいのかというような意見はないの ですか。つまり、きちんとした常用労働者として救われている人たちはまだいいではな いかと。そうでない人たちで、仮にこの制度に乗れそうな分野でそういうのが出てきた 場合には駄目ですよと言うことによって、その人たちの門戸を狭めているという意見は 出てこないのかな、ということを逆に考えたのですが、それはいいのでしょうか。 ○平石委員  池田委員、あなたの保険の参下の方で、一人親方だけど一時的に労働者になる人がい ますか。 ○池田委員  います。 ○平石委員  そういう場合も同じようにしろというお話ですか。趣旨はいい。政管健保に入らせて もね。 ○笹田委員  一人親方の立場の方で、たまたまその期間応援として労働者になるというケースがあ りますでしょう。 ○池田委員  あります。 ○平石委員  そういうふうな形になるとともに、同じようにしろというように聞こえたのですが、 そういう話ですか。 ○笹田委員  そこは、原則はやっとくべきだと。 ○平石委員  ここの中で送出雇用期間というのは、年度ごとに稼働率は半分だよという取り決めが あるでしょう。 ○笹田委員  はい。 ○平石委員  その間、労働者になっている期間が、例えば半年なら半年しませんか、3カ月分だけ 保険料は取られますよと。一人親方は政府管掌も国民年金にも入っているけど、たまた ま手伝ってくれということで労働者として入っていく場合に、二重に保険取られるでは ないかという不利益が出てくる可能性も、なきにしもあらずではないかなという気がす るのです。 ○笹田委員  それは起こらないです。健康保険はどこかに属していれば片方は消えます。 ○平石委員  それはそうですが。 ○笹田委員  国民年金は商店の事業主や、我々クラスも含めて入っているわけです、そうではなく て、送出事業主が抱えている労働者という観点から見れば、厚生年金は当たり前として 入っておくべきだと。つまり雇用主責任をきちんと負ってもらうのだということをはっ きりさせておかかないと。皆様方は何かあった場合は使えなくなるのではないかと言わ れるのですが、そこは我々としては別にどうということはないのです。 ○平石委員  理屈はわかるのです。例えば、参下の一人親方の方々が今年1年間手伝いに行かなけ ればいけないよという場合のとき、今まで入っている国民健康保険の脱退届を出した り、また加入届を出したりすることを現実的にやるのかなという懸念があるのですが、 そこはどうなのでしょうか。  制度として決めるのは言われるとおりだと思うのです。だけど、現実に働いている個 々の人たちが不利益にならないような、手を煩わすことを想定した場合にすべて、パー フェクトに、がんじがらめにしなければならないのかどうか。私よくわからないので、 いまお二方が言われるところは、現実論とすれば少し難しいかなという気がしたので す。 ○池田委員  それはこういうことなのです。先ほど言った5人未満の事業主が適用除外を申請する ことによって政管健保だけやめて、私たちがやっている組合国保に加入できるというも のです。そういう中で、うちに入っている組合はすごくいいのですが、そういう労働者 を抱えている事業主が送出事業主となった場合には、これは常用労働者とは言えないの ではないか。それは何かというと、適用除外をして、これは事業主の都合だと思います が、そのことはここでは言いません。とにかくそういう加盟をするということになれ ば、そこはきちんとした線を持っていないと、政管健保と被用者保険に入っていて、そ して事業主と本人が半々で支払うような保険を基準にして、それが常用労働者という定 義をしているのだと思います。  建設業は非常に特殊な面があります。先ほど言った適用除外をして、そして事業主が 現場で建設労働者を抱えていて、そういう人を送り出すことが果たしていいのかと。奥 田委員が言うように、そういうものは最初にきちんとする。そこははっきりと常用労働 者ではないのだと規定したほうがいい。そういうのを認めると、必ず不正が。悪質ブロ ーカーはものすごく勉強していますし、そういうスキをつくって、そういうようにやれ ばすごく事業主が儲かることになるわけです。保険を半分払わなくても済むのですか ら。それはそういうのを抱えていてそれで食べていくという制度ではないのではない か。あくまでも政管健保に入って、事業主と労働者が半々で持つ保険、すなわち被用者 保険をきちんと位置づけてやっていかないと、将来、建設業に。  一般の製造業はいいのです。建設業は特殊ですから、ここはきちんとしておいたほう がいい、と笹田委員が言われているのだと思うのです。平石委員が言うように、そうい う労働者が行ったときに使いにくいというようにしてしまうと、それが拡大解釈になっ て、いってしまうような気がしてならないのです。 ○平石委員  いまは常用労働者の話ですが、通常常用でやるとして雇ったけど、仕事が途中でなく なったりする可能性も生じるわけでしょう、仕事がなくなったから送出労働契約をやめ ようというわけにはいかないのだから。だから、必ずしもガチガチにする必要はないの かなという気はします。全建総連に所属されている組合は、そういうのはしっかりして いるからいいだろうけれど、そうではない人、例えば、いま自分たちが直請する仕事が ないから当分は、言葉は悪いのですが外で稼ごうかと。自分たち直請ではなく、手伝い に行って稼ごうかということが生じた場合、そういうところで若干ずれが生じるのでは ないかという懸念があるのです。 ○笹田委員  私はこの制度について、当初反対だと言ったのはなぜかという話になると、逆選択を して、これを利用してしまえというものがはびこってくるというのが1点。もう1点 は、平石委員が言われるそういう場については、請負の、例えば手間請の方法もあるわ けで、それでおやりになったらいかがですかと。あえてこういうものを作ることなく、 我々の現状ではこれが常識化しているものがあるわけですから、それを利用されたらい いではないかと。そういう意味では、これは必要ないと言ったことを覚えています。請 負労働を決められたとおりやれば問題ないのではないかと思います。  ここは特殊なわけだから、事業主間の協力というか、そういう立場だからそこは厳格 にしておいて、言われるようなところでいろいろあるのでしたら、私は請負の関係でき ちんとやれるような。これは日常的に我々の世界でも動いています。ここが終わったら 次は口コミでこっちへ行ったりすることは現実にやっています。 ○平石委員  終わったらという期間が切れればいいという話であって。期間中のものはそうはいか ないでしょうから、大体この期間送り出すよという約束をするわけでしょう。そういう 立場になった人は、不利益を被るのではないかという懸念がありますよという話をして いるのです。その辺は、必ず政府管掌の分を入れなければ使えないよということにする のか、それとも原案どおりにするのかということです。皆さんは想定されている部分で きちんと収まるのか、必ずしもそうではないケースも出てくるよと言うのか。その狭間 にいる人が不利益を被るよというのでは、ちょっとまずいかなという気がするわけで す。不適格業者を入れることは断固として止めなければいけないけれど。これだけ聞け ば、その歯止めがないのかというとそうでもなさそうだから、それで話をしているわけ です。 ○笹田委員  常用労働の定義も含めて私は問題意識を持っています。ここの事業主責任は、健康保 険なり厚生年金は半額負担をやっているというのが原則だと思うのです。この世界では あまり一般的ではないけれども、そうしないと建設労働者はたまったものではないです よ。 ○椎谷座長  座長があまり意見を言うのはどうかと思いますが、お伺いしている限りではこういう ことなのだろうと思うのです。つまり、もともとこの制度が考えられたということは、 一方では余っている人がいて一方で足りない人がいる、それをうまくつなげようと、た だし変なのは入れたくないと。いま笹田委員なり池田委員のお話を伺っていて思ったの ですが、やはり常用労働者として厳格にやるほうが、まさに建設業の雇用改善になるの ではないか。一度そういう枠組を作れば、それに合うようにみんなもってくるだろうと 思うということで、全体として雇用改善が進むという行き方はあるのです。そういうこ とを考えれば、言われるようなことのほうがいいのかもしれません。 ○吉永室長  今回こういう形で原案を作っておりますのは、いまご議論をいただいた対象は先ほど 池田委員からご説明いただいたとおり、非常に限界的な事例の場面で、現在の程度では それほど大きなものではないのだろうと思っております。そうした中で、国会などの議 論を聞いておりますと建設国保に対する評判が非常にいいし、むしろ建設国保に入るよ うな施策も設けるべきではないか、というようなご指摘もありました。そうした制度が いい制度であるとすれば、そういったものも対象とすべきではないかということで現在 の案になっている次第です。  実際に常用労働者の範囲が今回のスキームの中核的なものです。4人以下の労働者を 抱えた個人事業主が、例えば事業主団体に入っているケースはどのぐらいあるのか、実 際に送出事業ができる可能性はどのぐらいあるのかと考えた場合、それほど大きく今回 の就業機会確保事業に載せる可能性は非常に少ないだろうと思っております。先ほど笹 田委員が言われたような形で、逆選択でそういうことがいまは少ないが、将来的に増え てくる可能性もないわけではないと考えております。  先ほど奥田委員のご指摘にもありましたので、今回についてはもう少し実態について 整理をした上でということですが、いずれにしても政管健保を中心とした被用者保険が 制度の中核であることは変わらないわけですので、その辺りを踏まえ、記載ぶりを改め たいと思いますので、次回改めてご審議いただければと考えます。 ○奥田委員  資料2です。2頁の5の2ポツ目に、対価と賃金は実施計画の中で明確になるように なっていたのでしょうか。というのは、ピンハネしていないかどうかのチェックはこれ しかないかなということで。その辺は実施計画の中の具体的な賃金と対価はこれだとい うのは、何か入ってくるのでしたでしょうか。これは確認です。 ○小宅補佐  許可の段階において、いろいろな事例がありますので平均的なものとして対価をどの ぐらいを想定しているということは書いてもらおうと思っております。対価ということ ですと、受入側からするといろいろな方が来るので、いまは大体一律の額になると思い ます。一方賃金となりますと、行く方は経験や年齢とかでいろいろ賃金があるでしょう し、例えば若い人が来たときは対価と比べて賃金が若干低目ということもあるでしょう し、逆にベテランの方が来ると、対価とのバランスで見ると、かなり上の方が来るとい うこともあるでしょうから、完全に1対1で対応ということではないでしょうが、一応 平均的に想定している対価は、許可申請の際に書いて出していただこうと思っておりま す。 ○奥田委員  対価を一式表示というのは非常に危ない話です。1対1の対応は考えていかないとピ ンハネは防止できない。ある程度口銭はあってもいいと思うのですが、その辺は非常に 難しいところです。例えば対価を1カ月一式500万ですよというような認定の仕方は危な いのではないか。この人は保険料を含めて10万とか、20万とか、25万とか具体的な打合 せがいるのではないかと、これは検証する意味ですが。我々が実際書類を見たときに大 丈夫かなというのは、打合せがきちんとあって、初めて判断できることではないのか な。 ○小宅補佐  言い方がちょっとラフだったかと思いますが、想定している標準的対価は、具体的に は1日8時間いくらという形で書いていただき、審議会に出す資料の中にも、この業者 は大体1日8時間このぐらいの対価を払う予定だ、というようなことは出せるのではな いか。一式500万ではなく、1人1日、8時間いくらと。 ○奥田委員  1人いくらと。年齢に応じて段階的にと。 ○小宅補佐  実際はある。 ○奥田委員  あるのでしょうね。私は、これは送出事業主が金儲けする話ではないから、プラマイ ゼロで雇用を確保するぐらいでいいのかなと。自分の抱えている労働者を確保するとい う意味では、そこで利益を出す必要はないのではないかなと個人的に思っていますの で、ある程度の対価はシビアな対価に、賃金と非常に近い対価になるのではないかと個 人的に思っております。 ○笹田委員  請負でやれば事業主は、これがないと若干でも身入りがあるでしょうね。まさに言わ れるとおりです。 ○奥田委員  身入りを考えた制度ではないのですよね。 ○笹田委員  そうです。 ○奥田委員  送出事業主が労働者を確保するという目的だから、そこで利益が出るという考え方で 対価の交渉はないのではないかと、私は思っています。対価をフリーハンドにするのは 非常に危ないことになりはしないかな。 ○笹田委員  手っ取り早く請負でやったほうがね。それでやれば送出事業主は、いくらかの事業経 費は取れるわけです。 ○椎谷座長  要するに、送出は業として行うわけではないからという意味でしょう。 ○笹田委員  そういうことです。 ○池田委員  業としてならば対価という言葉は正確だと思います。事業主が事業として提供したと きに対価を支払っています。消費税だって、みんな対価というのはすべて事業です。こ れは人間を送るのに対価という言葉を使っている。 ○奥田委員  対価というと誤解を生みますからね。 ○池田委員  そうは言わないですよね。事業をやる場合は、請負契約などどんなことをしても構わ ないですが、人を送るのに何で対価というのか。いま奥田委員がいいことを言ったの で、私もここは非常に疑問を持ちますね。 ○笹田委員  何かいい言葉はないのですか。これだと後から我々やられそうだね。 ○小宅補佐  賃金とは書けないので。 ○奥田委員  それは書けない。 ○小宅補佐  それで一応「対価」という形にしたわけです。賃金と書くと、今度は雇用関係が移っ たのではないかということになりますので、賃金ということは絶対にあり得ない。それ 以外で何か。 ○奥田委員  賃金プラス社会保険料等とかを踏まえた費用ですよね。 ○小宅補佐  省令などにもありますが、いろいろ連絡事項を置くとか、責任者を雇っているのであ れば要らない責任者を置けとか、実際に働いた時間をきちんと定期的に事業主間で連絡 する手間はかかりますので、賃金相当額だけよりは実際やろうとすれば、動きがなくて もかかるのはかかる。 ○奥田委員  それをどこでどう判断していくかというところですね。 ○寺澤委員  対価の妥当性を指針か何かでチェックできるようにしておかないと。フリーハンドに なると法律の趣旨から離れてしまうことになるので、対価というのはどういう範囲かと いうことを、少し明確にしておいたほうがいいと私は思います。 ○吉永室長  実際には個別の事業主の許可の段階で、先ほど申しましたような大体1日8時間当た りいくらということも報告させますし、また、事業報告のような形で適宜、そういった ものについて情報把握することを考えております。ここは率直に申しまして、いくらで あればそれが適正なものなのか、社会保険料までなのか、それを超えた福利厚生費まで なのかというのは正直、厳密な意味でここまで入れていいというのはなかなか言いづら い面もありまして、特に福利厚生がいい会社ほどそういったものが膨らんでいくという ものもあります。いずれにしても賃金水準というものはある程度わかりますし、個々の 労働者について年齢、技術において、ばらつきがあるにしても、ある程度の金額という ものはわかりますし、それに対して個別の料金が大体いくらぐらいなのかということが わかれば、そこで過剰に取っているかどうかということを見ていくということは可能な のだろうと思います。極端な場合、通常支払われる賃金の倍とか3倍とか、そういうよ うなことがあれば、さすがに今回のスキームの趣旨からしてどうかというようなことは 言っていけるのだろうと思いますので、そういう観点で料金をチェックしながら、いま ほどご議論があったような事態は生じないような形で対応していきたいと考えていま す。 ○池田委員  ちょっとそのほかにお尋ねします。資料4の趣旨文献なのですが2ページ。先ほど座 長のほうから「受入事業主は」という所の線が引いてある部分の「送出事業主は」と改 められます。そこで、最終段階に入りましたのでちょっとお聞きしたいのですけれど も、この文章の中で見ますと、確かに送り出された労働者に対する賃金というのは、き ちんとこの中で守られていると思っています。しかし、送り出した自業主に対する問 題、例えばここに書いてあるように、倒産等による受入事業主から送出事業主に係る対 価の支払いを受けていない場合であっても、送出労働者に対しては適正な賃金を支払う となっていますので、これはこれでいいと思うのですけれども、送出事業主の救済とい うか、そういうものは法律的にあるのかないのか。ちょうど塚原さんも国土交通省で来 ています。これはどのようになっているのかお聞きしたいと思っているのですが。 ○椎谷座長  もういちどお願いできますか。 ○池田委員  送出事業主と受入事業主が契約をしますね。対価とか賃金で。そのときにそこから送 り出された労働者の保護というのは、どんなことをしても送出事業主が賃金を払うとい うことになっていますよね。受入事業主が倒産しても。ところが、送出事業主の倒産に よる損害は救済できないものかということをお聞きしたいというふうに思います。 ○椎谷座長  こういう質問と受け取ればいいのですか。つまり、送出事業主というのは困っている から送り出したのでしょうと。 ○池田委員  そうです。 ○椎谷座長  資金的な余裕もないし。抱え込むことができないから出したと。ところが受け入れた 事業主も倒産してしまったと。そうすると送り出したほうで何とかしなければいけな い。何とかすると。したのはいいが、助けてくれるのかとこういうことですよね。 ○池田委員  そういうことです。座長の言うとおりです。 ○椎谷座長  何かありますか。 ○国土交通省塚原補佐  パッと思いつかないのですが、そこは、いまお答えは勘弁させていただければと思い ます。 ○笹田委員  それとは違った逆のケースがあると思います。つまり、受入事業主側が倒産したと。 いま池田さんが言ったのは送り出しのことですよね。 ○池田委員  受入事業主が倒産したときに、賃金は送出事業主が払うから、その送り出された事業 主は損しますよね。ですからそのときの救済というのはどういうものがあるのかないの かということをお聞きしたかったのです。室長、何かありましたらお願いします。 ○吉永室長  私ども厚生労働関係法令では、そういう事業主間の取引についての保護政策というも のは特段ありませんけれども、建設業法において、またいろいろな形での取引につい て、規定してほしいというものはあるのだろうと思います。その辺り、勉強して、また 次回にご報告させていただければと思います。 ○椎谷座長  賃確法の適用はあるのでしょうか。 ○吉永室長  賃確法は、あくまでも事業主が倒産した場合になりますので、送出事業主が倒産した 場合には適用になると。ただ、受入事業主が倒産した場合には、直ちに事業主、雇用主 ではありませんので、そこで賃確法は効いてこない。ただ、そうは言っても、対価が入 らないと結果的に連鎖倒産的な形になってしまうのではないかということでのご質問だ ろうと思います。 ○椎谷座長  逆に言えば、送り出された労働者についての賃金の確保というのは、ある意味ではか なりの部分で救われるということはあるわけでしょう。送出事業主がつぶれようが、あ るわけですよね。事業主側は受入にしても送出側にしてもあまりこちら側ではわからな いということですよね。何かそういうものがあれば、また次回にでも出していただけれ ばと思いますけれども。ほかにどんなことでも結構ですから、この前までは政省令の関 係がありましたけれども、今回だいぶ、指針についてもご意見が出たので、どうぞ指針 なり計画についてご意見があればお出しいただければと思います。 ○池口委員  まず最初に、前回、前々回欠席して大変申訳ありませんでした。  そのときに議論されていれば結構なのですが、ちょっと気が付いたところで、送出事 業主の指針の所で、おそらく福利厚生に入るのではないかと思いますが、私どもが現場 で管理するときに、協力業社から名簿をもらうわけです。個人の雇用契約まではチェッ クし切れないのが現状なのですけれども、そこでまず健康診断を受けているかどうかと いうのをチェックするわけです。法で定められているのが年1回だったり、特殊な労働 条件によっては年2回だったりとかいうことをチェックするのですけれども、それがお そらく福利厚生の面からいうと、送り出し業者の責務として、法で定められている健康 診断を受けさせる義務があると解釈するのですが、それは福利厚生の部分に含まれてい るという解釈でいいのか、もし含まれているのであれば健康診断という文字を具体的に どこかに記入したほうがいいのではと思います。以上です。 ○椎谷座長  はい小宅さん ○小宅補佐  いまのお話は法定のことのようでございましたので、法定のほうは当然送出、受入間 で連絡を取合ってということになろうかと思います。いまの時点におきまして、法の43 条において、送出契約を結んでいただき、その中で安全衛生に関する事項を書いていた だくとしています。受入れるべき一定の業務に就くためには、研修、資格を持っている とか、有害業務の健康診断とかいろいろありますので、法令上必要なものは、契約の所 で受けているかどうかということを書いていただくようなことで考えています。福利と いうよりは、ちゃんと連絡すべき事項として契約の中で書いていただくのではないかと 思います。 ○池口委員  はいわかりました。 ○椎谷座長  その他いかがでしょう。 ○白木委員  ちょっとまだスキームで誤解しているところがあるかもしれないのですが、先ほどの 受入事業主側が倒産した場合、スキームとしては、これは事業主団体の傘下の中でやり 取りしているわけですよね。そうすると、事業主団体がなんらかの責務まではいかない ですが、助力というかそういうことは考えることはできますよね。責任があるかどうか はちょっと僕はわからないのですけれども。具体的な案があるわけではないのですが、 そういう感じもしますね。 ○吉永室長  白木委員のご指摘のとおりでございます。事業主団体の中である意味短期間の事業と して行われるものですので、これは団体によっていろいろ濃淡もあって、一律にという ことは難しいのだろうと思っていますけれども、私どもで考えているのは、仮に受入事 業主が倒産した場合に、あくまでもコーディネートも含めた形で、送出事業主、受入事 業主のカップリングも、団体が関与しているわけですので、可能であれば、ほかの事業 主を紹介するなり、可能な限り労働者が突然路頭に迷ようようなことというのは回避で きるような形で対応できればというふうに思っております。ただ、事業主団体に取りは ぐれた料金の業務を立て替えてくれとかそういうところまでは、なかなか難しいだろう と思っておりますけれども、そういったいろいろな形の条件、指導を通じた形で労働者 の雇用の安定を図るためのいろいろな事業というものは団体を通してやっていくのにふ さわしい事業だろうと思っていますし、可能な限り自主計画などにも書いていただけれ ばというふうに考えております。 ○椎谷座長  はいどうぞ ○国土交通省塚原補佐  先ほどの池田委員笹田委員からのお話もあった点と関係するので一応お話します。建 設業法の41条の第3項という条文がありまして、その条文の趣旨は、下請負人が他人に 損害を与えた場合における特定建設業者。これはいわゆる元請になるわけですけれど も、この方々に許可を出している大臣や都道府県知事の場合もあるのですけれども、そ ういった行政庁から立て替え払いの勧告ができるという制度が一応あります。先ほど私 が趣旨をお話しした、他人に損害を与えた場合という要件が41条3項の中にあるのです けれども、損害というのは、当然不法行為による損害もありますし、取引行為に基づく 損害もありますし、取引行為をしたけれども、対価を払わなかったということが入り得 ますので、状況は個別具体の案件によってちょっとまた違うところがあるのかもしれま せんけれども、条文上からいきますと、建設業法41条の第3項の所、これは受入事業主 側が送出事業主のほうに対価を、倒産かどうかは別にして、支払わなかった場合、41条 3項に基づいて、なんらかの措置をすることも有り得ると思っています。 ○椎谷座長  はい。 ○池田委員  すみません。ありがとうございました。 ○笹田委員  その辺はちょっと、グレーゾーンでございまして、あまり白黒はっきりさせないでグ レーゾーンというのは残していただいたほうが、これからの我々の立場からいけば、立 替払い制度について、ある意味では元請責任という感じで、ものを売ったりする場合は ありますね。この場合は、ここはあまり、はっきりしないで、グレーにしておいて、そ ういう切磋琢磨で解決していくということも1つはあるのではないかという感じがしま す。 ○国土交通省塚原補佐  いまのお話にも関連するかと思いますけれども、いわゆるこの、41条3項というのは 基本的に不払いみたいな話があったときに当事者間でお話していただくのが第1の話だ と思っていて、この41条3項が発動されるというのは救済の必要が本当にあるときだと か、かなり限定的で、条文上も限定的な書き方をしているのですけれども、基本的に は、まず民々同士のお話ということで、当事者間でよくお話をしていただくと。倒産し たのであれば倒産の中の清算手続があるでしょうけれども、そういったところで処置さ れるべきものだと考えているところです。 ○椎谷座長  ほかにご質問、ご意見はございましょうか。よろしいでしょうか。それではほぼ議論 も終息してきましたので、本日の委員会はこれまでとして、次回にはまたお気づきの点 がありましたらお出しいただくのは構いませんけれども、一応本日までに出されました ご意見を踏まえまして、まとめの議論を行いたいと思います。そういうことで取運びを させていただくようにお願いをいたします。  それでは本日はこれにて委員会を終わりにしますが、本日の委員会の議事録の署名委 員の指名をさせていただきます。本日の署名委員ですが、雇用主代表の下永吉委員、労 働者代表の池口委員にお願いをいたします。次回の日程等について事務局から何かござ いましたらお話ください。 ○下出補佐  次回第18回の建設労働専門委員会ですが、8月25日木曜日、今週の木曜日ですけれど も、10時から12時までの予定で開催させていただきます。場所については本省厚生労働 省13階職業安定の第1会議室でございます。ここで開催しますのでよろしくご参集して ください。 ○椎谷座長  はいどうぞ。 ○下永吉委員  今後のおおよその予定というのをどのようになっていますか。 ○椎谷座長  長期的な予定ですね。もし差し支えない限りどうぞ。 ○吉永室長  次回25日に当専門委員会におきまして取りまとめいただければ、それを踏まえてパブ リックコメントに現在ご議論いただいているものをかけたいというふうに考えていま す。通常パブリックコメントを1カ月が予定されていますけれども、今回の場合10月1 日施行を考えた場合には、なかなか1カ月取るというのが物理的に不可能ですので若干 短い期間のパブリックコメントということで考えています。その上で、どういうものが 出てくるかということにもよるわけですけれども、大きく修正する必要がなければ、こ のまま基本問題部会、職業安定分科会、この当専門委員会の親組織のほうにご報告させ ていただいて、省令案等々について、諮問答申の手続を踏まえて、その上で10月1日に 施行いたしたいと考えている次第です。施行後になりますが、実施計画、あるいは個別 の許可について労働政策審議会の審議を経るという形の取り扱いになるかと思います。 このあたり、労働政策審議会全体での議論も必要となるかと思っていますが、事務局と しましては、当専門委員会が労働政策委員会の議論を行うに、もっともふさわしい委員 会だろうと思っていますので、個別の実施計画あるいは個別の許可が上がり次第、改め て当専門会においてご議論いただいて、具体的な施行の手続に入りたいと考えている次 第です。 ○下永吉委員  親委員会が終わった後にパブコメですか。 ○吉永室長  いえ、現在考えているのは、25日終了後にパブリックコメントにかけたいと考えてお ります。 ○下永吉委員  先ほど2週間とおっしゃいましたね。 ○吉永室長  おそらく3週間程度を取れるかなと思っております。 ○下永吉委員  それが終わって、親委員会のほうにかけると。 ○吉永室長  委員会のほうにかけるというふうに考えています。 ○下永吉委員  それが終わって閣議了解ですか、決定ですかね。 ○吉永室長  政令事項がございましてそれにつきましては、閣議にかける必要があります。 ○下永吉委員  閣議決定ですか。 ○吉永室長  はい、閣議決定でございます。それが9月末、ぎりぎり10月1日の直前ぐらいです。 ○下永吉委員  物理的に10月1日しか無理ということですね。 ○吉永室長  9月末に政令が上がり、省令告示を9月中に公布を行うということで、10月1日には 何とか間に合わせたいと思っています。 ○下永吉委員  実は私どもの所に問合せがありましてね、いま10月1日が施行日になっているもので すから、皆さんそれが頭にありまして。いつ実施通達か実施に伴う説明会をしてくれる のだとか、もろもろのご質問があるわけです。ですから、なかなか明快な解答ができな いのでお聞きしたのですが10月1日というのは言ってはいけないですね。 ○吉永室長  私どもといたしましては、10月1日に間に合わせたいという形でやっていまして、法 令的な意味では10月1日の施行というのは十分可能だろうと思っております。ただ、10 月1日に実施計画が上がってくる。あるいは個別の許可の申請が上がってくるという状 態には正直言って難しい状況かなあと思っています。ただ、いずれにしても、パブリッ クコメントをお出しする段階で、ある程度骨格が定まったのだろうと思っていますの で、その辺りの必要な説明会等々を開催できる状況になるのだろうというふうに思って おります。もしもご関心があればお話いただければ私ども建設基本対策室より、講師を 派遣するということは、喜んでやらせていただきたいと思っております。パブリックコ メントをおそらく今月中にはお出しできるかと思っていますけれども、それ以降、説明 会を開催できればというふうに思っておりますので、その辺ご協力いただければと思い ます。 ○椎谷座長  10月1日施行を目ざして準備をしているということでよろしいのではないでしょう か。25日は10時から、31日はなしでいいですね。皆様のご協力が得られれば。あとは、 特にご発言はないですか。それではお暑い中、どうもありがとうございました。                     照会先:厚生労働省職業安定局                          建設・港湾対策室 建設労働係                     TEL:03-5253-1111