05/08/12 地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会第2回議事録                      照会先 健康局総務課生活習慣病対策室                              武田(内線2348)                              友永(内線2339)                    第2回           地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会           日時:平成17年8月12日(金)13:00〜14:05           場所:経済産業省 別館944号会議室  武井補佐  定刻となりましたので、第2回地域がん診療拠点病院のあり方に関する検討会を開催 させていただきます。皆様方には御多忙中のところを御出席いただきまして誠にありが とうございます。私、生活習慣病対策室の武井でございます。しばらくのあいだ、進行 役を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  まずはじめに、資料の確認をさせていただきます。お手元の資料を御確認ください。 本日の議事次第にございますように、資料1−1として、がん診療拠点病院のあり方に 関する検討、これは前回の御意見を踏まえた修正案でございます。資料1−2、都道府 県がん診療拠点病院の役割(案)でございます。資料1−3、国立がんセンターの果た すべき役割(案)。資料2、指針の見直しに伴う既指定病院の取り扱いについて(案) でございます。以上、資料に不足等がございましたら、事務局までお申しつけいただけ ればと思います。それから委員の皆様方のお手元に、地域がん診療拠点病院現況調査集 計表がございます。こちらはアンケートそのものが公表を前提としない形で御回答いた だいているため、委員限りとなっておりますので、会議終了後、回収させていただきま す。よろしくお願いいたします。それでは、以降の議事進行につきまして、垣添先生に お願いいたします。  垣添座長  皆さん、こんにちは。お暑い中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございま す。前回、第1回で大変活発な御議論をいただきまして、それから、今週開かれました 第2回のワーキンググループ等で検討された内容を踏まえて、本日、資料が準備されて おります。議題の1、2とありますように、いずれも非常に重要な問題でありますが、 この2つを、できましたら本日の議論でひととおりのとりまとめをさせていただいて、 今月中に、このとりまとめを終わりたいというふうに考えておりますので、御協力のほ ど、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは各資料につきまして、事務局から一括して説明をお願いします。1番の、地 域がん診療拠点病院の整備に関する指針の見直しについてという議事につきましては、 前回、皆様方から頂戴しました御意見を整理して、修正を加えておりますので、その部 分を特に重点的に御説明いただければと思います。よろしくお願いします。  武井補佐  では、まず、資料1−1、がん診療拠点病院のあり方に関する検討(修正案)をごら んください。いま、座長の方からもございましたように、前回の議論の修正点を赤字で 入れてございます。この点をきょうは中心に御説明させていただきます。それと資料1 −1で、右側に現況調査の結果という欄がございます。これは既指定病院135病院に対 しまして、現状どうなっているかというアンケート調査を行いましたので、その結果が 一番右側に出ております。丸数字で主な論点となるところを整理してございますが、そ れ以外に特段記載のないところは、現時点で概ねクリアしている事項でございます。  では順次、1番からごらんください。特定機能病院に関する事項でございます。まず 1番が、特定機能病院内に腫瘍センターを設置することでございますが、これは1番、 2番をあわせて、現在、対応できている特定機能病院全体が5病院あるんですけれど も、3/5ということで3つの病院が対応できているということでございます。それと腫 瘍内科もしくは臨床腫瘍科という名称で、そういった機関を設置している大学は、少な くとも21施設あるということがわかっております。  2番をごらんいただきますと、腫瘍センターのセンター長でございますが、これは専 任の教授などを配置されているところが3/5という状況でございます。  続きまして3の役割分担およびネットワークに関する欄をごらんください。まず1つ 目の黒丸のところに、クリニカルパスの整備が望ましいというところが、新たに入って おります。これは前回の議論で指摘された事項でございます。次に3番をごらんくださ い。拠点病院において、医師、看護師、臨床心理に携わる者等を含めたチームによる緩 和医療の提供体制を整備することが望ましいというのが原案でございましたが、右側の 欄の実態を見ていただきますと、整備されている病院というのが95/121ということにな っております。こうした実態を踏まえまして、「望ましい」というよりも、これは積極 的に設置していただく方向で、「整備すること」ということで、文章を終えてはどうか というのが案でございます。ただしその注にございますように、一般病棟におけるチー ム医療の一部として緩和医療を提供できることを含むものとするということで、概念と しては幅広な概念をここで注書きで入れてはどうかということでございます。  続いてその下の4、5、6番でございますけれども、こちらは緩和医療に関する事項 でございます。4番が、かかりつけ医を中心とした緩和医療の提供体制を整備するこ と。5番が、「かかりつけ医とともに拠点病院内外」ということで「外」が新しく入っ ております。拠点病院内外で共同診療を行い、早い段階から緩和医療の導入に努めるこ と。6番が、かかりつけ医の協力・連携を得て、退院後の緩和計画を含めた早期退院計 画を立てること、となっております。  結果ですけれど、右をごらんいただきますと、4番が52/121、5番が37/121、6番が 58/121ということで、おわかりのように5番のところが数値としては少ない対応になっ ておりますが、この5番の項目自体が「努めること」という規定になっております。こ うした実態がわかってきたとういことでございます。1枚目は以上でございます。  次に2ページ目をごらんください。まず一番上の黒丸のところに、専門的な医療に関 わる医師の配置という事項がございますが、これは「がん薬物療法専門医(仮称)」と いう名称になっておりまして、これは出された意見の中に、現時点ですけれども、これ にふさわしい名称として、薬物療法がよろしいのではないかという意見が提出されてお ります。  次の7番をごらんください。こちらは、専門医および認定医の専門性や活動業績を定 期的に評価・改善すること、ということに対しまして、評価・改善しているという回答 が74ございました。専門性や活動業績についての具体的な内容につきましては、そこの 括弧の中に入っている内容でございます。  次の8番をごらんください。標準様式に基づく院内がん登録を実施すること、でござ います。これは結果としては85/121でございますが、見方によっては残りの3分の1が 現在ある標準様式に対応することが、やや難しい、もしくはまだ着手していないという ことでございまして、委員の方からも、下の欄外に注がございますので、これを見てい ただきますと、その対応が難しいということについては標準項目の医学的・統計学的妥 当性および実現可能性について、今後、臨床医を含めた検討会で議論し、必要に応じて 項目の見直し等を行うということで、内容についてもう一度、議論するような会議の場 を設けてはどうかという意見が出されております。  次、9番をごらんください。こちらも先ほど出ましたかかりつけ医に関する事項と関 連しておりますけれども、かかりつけ医等を対象とした早期診断、緩和医療等に関する 研修を実施すること、ということで、かなりの医療機関が既に対応しているということ で、110という回答を得ております。一番下でございますけれども、施設内禁煙等のた ばこ対策に積極的に取り組むこと、ということで、がんを予防する観点からのたばこ対 策ということについても意見が出されましたので、こちらに加えております。  続いて、その下の欄の4、医療相談室の機能強化でございます。まず一番上の黒丸の ところで、前回の議論の内容として、センター長は院長が併任するかどうかということ で、いろいろ議論をされたということでございまして、この一番上の欄のところでは、 むしろ、きちんと設置する旨を明記して、センター長については各病院の状況を踏まえ て設置するのが望ましいのではないかという意見が出されましたので、センター長は院 長併任ということを削除してはどうかという案になっております。  その下の10番でございますけれども、専任者の設置に関する事項につきましては、 101の病院から、専任者が配置されているという回答を得ております。その下の黒丸で ございますけれども、「相談支援センター(仮称)は、院内外の医療従事者の協力を得 て」という言葉が新しく入っております。患者さんからの相談に対応する態勢を整備す るうえで、医療従事者の協力が必要ということでございます。同じくその括弧の中の表 現につきましても、医療従事者を加えておりますし、一番下のところにありますよう に、各地域・各医療機関におけるがん診療拠点病院やかかりつけ医との連携事例に関し て情報を収集し、紹介することも非常に重要ということで、追加させていただいており ます。次の黒丸のところは、その情報ということがもう少しわかりやすい方がいいので はないかということで、疾患名等を入れております。  11番、臨床研究に関する事項でございますけれども、進行中の公的・私的研究内容お よび治験の進捗状況について公開することという、この書きぶりが新しくなっておりま す。それと、意見として出されましたのは、患者さんの知りたい情報は治験の中身に関 することではないかということで、むしろその額よりも進捗状況をしっかり知りたいと いうようなことから、一番下の額の公開については削除する方向が案として出されてお ります。11の右側のところに、確認中となっているんですけれども、現況調査を実施し たのちに、いくつか追加質問をしておりますので、それが現在、確認中となっておりま す。  それから5の、インセンティブの事項でございますけれども、拠点病院の名称を広告 することについて検討をするということが加わっております。それと右側の現況調査で すけれども、全135病院に対して依頼をして、121が有効回答となったわけでございます けれども、これは7月25日の締め切り後に、もう1週間ほど待ちまして、そこで集計し て121という数字になっております。  続いて資料1−2をごらんください。都道府県がん診療拠点病院の役割(案)という ペーパーですが、こちらは前回からあまり大きくは変わっておりません。2番目の「・ 」の情報発信について、内容について御指摘がございましたので、地域がん診療拠点病 院等に対して情報提供、症例相談や診療支援を行うという具体的な内容を追加しており ます。  続きまして資料1−3をごらんください。国立がんセンターの果たすべき役割(案) ということで、こちらにつきましては前回の検討会で、地域がん診療拠点病院や都道府 県の病院だけでなく、国立がんセンターの果たすべき役割についても示してはいかがか という御意見がございましたので、まとめてございます。一番左側をごらんいただきま すと、担うべき役割ということで、均てん化の報告書より抜粋させていただいたのです けれど、大きく4点ございます。1番目が地域がん診療拠点病院への支援、2つ目が専 門的医師等の育成、3つ目ががん登録の推進、4つ目が情報提供の推進となっておりま す。  1つ目の支援につきましては、地域がん診療拠点病院のネットワークの運営支援につ いてでございまして、例えば医師・コメディカルスタッフは、技術的な支援を行うこと ですとか、研修、それから自主的な研究会の開催、それから全国地域がん診療拠点病院 連絡協議会の運営を行う、といったことがあげられております。  2つ目の人材育成につきましては、レジデント、がん専門修練医の教育、これは人事 交流も含めてでございますが、そうした事項。2つ目として指導的な立場の医師等を対 象とした専門的研修を実施するという事項がございます。  3つ目のがん登録でございますが、地域がん登録の標準化の推進、全国罹患率の推 計、院内がん登録につきましては標準化の推進と、実務者に対する研修の推進という事 項があげられております。  4つ目の情報提供の推進ですけれども、がんなどの統計データの提供、こうしたこと をホームページにより行う、そういった体制の強化ということ、一般国民に対する情報 提供、それから医療関係者に対する情報提供として、例示として診療ガイドラインです とか標準的な治療法、副作用の対応や緩和医療の工夫、医療機関への逆紹介ということ があげられております。  次に臨床研究・治験の遂行と情報提供ということで、これは先ほどお示しした内容と 同じでございます。それから勤務環境の確保と専門性や活動業績の定期的評価・改善と いうことがあげられております。以上が資料1でございます。  続いて資料2をごらんいただきたいのですけれど、指針の見直しに伴う既指定病院の 取り扱いについて(案)となっているものでございます。これは新しい指針に移行した 際に、既に指定されている135の病院の扱いを、今後どのように行うかということで、 いわゆる経過措置に関する案でございます。  1番のところに考え方が示されておりますけれども、こうした拠点病院に対しまし て、むしろ新たな指定要件を満たせない場合の取り扱いについて、指定要件を満たすま での猶予期間を与えるということでございます。経過措置期間の案としては2年間。3 番の、期間中の取り扱いは2つございますが、1つ目は名称についてでございます。こ れは18年以降、医療法に基づき、地域がん診療拠点病院である旨の広告が可能になった 場合ですけれども、広告することができるということでございます。(2)国庫補助に ついてでございますが、18年度の概算要求において検討中ではございますが、4つほど 例示を出させていただいております。研修に関する経費、がん登録の支援経費、代診医 の雇上経費、それから連絡協議会の経費でございますが、こうした事業については、当 該事業を実施する場合においては補助の対象とするという案でございます。  4番の、今後のスケジュールですけれども、今後、指針を策定後、9月というふうに なっておりますが、135病院に対して所定の様式に基づく報告をお願いします。それを 受けて10月、12月に、出された資料の確認、12月から18年1月にかけて、運営に関する 検討会で審査ということで、こちらの検討会は、いわゆる認定に関する検討会になって おります。この検討会において、新規要件をクリアする病院においては、通常どおりの 指定になります。新規指定要件をクリアできない病院の場合には、20年3月末までは経 過措置期間を置くということと、19年12月までに再審査を行い、クリアできなければ指 定を取り消すという、そういった案になっております。以上で資料の説明を終わりま す。  垣添座長  ありがとうございました。資料1と資料2に関して、一括して事務局より説明をいた だきましたが、通して何か御質問等がありましたらお受けしたいと思います。よろしい でしょうか。それでは、資料1−1から順次、細かな検討に入りたいと思います。資料 1−1、これはがん診療拠点病院のあり方に関する検討の修正案でありますけれども、 説明がありましたように1から11までありますので、これを順次、御議論いただければ と思います。まず、1番、特定機能病院内に腫瘍センター(仮称)を設置すること。そ れから2番が、腫瘍センター(仮称)の長は、専任とすること。この部分に関して、い かがでしょうか。前回の議論で、専任としないと、ここの部分が将来さらに拡張してい った場合、非常にたがが緩んでしまうという御指摘がありましたし、それから、こうい う形で動くことによって、特定機能病院の統一性が保てるのではないかというふうに考 えられますが、よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。  それでは今度は、3番、拠点病院内において、医師、看護師、臨床心理に携わる者等 を含めたチームによる緩和医療の提供体制を整備する。「望ましい」というのはカット して、整備しますということを言い切っておりますが、この点に関していかがでしょう か。  北島委員  これはチーム医療だと思いますが、臨床心理に携わる者というのは、これはナショナ ルボードというか、何か資格とかどのように規定したらよろしいのでしょうか。他の、 医師、看護師は、これは資格がありますよね。  武井補佐  はい、先生が御指摘のように、この臨床心理については、いま、ナショナルボードに ついては検討を進めているということでございまして、現時点、臨床心理に携わってい る方々というのは民間資格で取られた資格がいくつかございますので、そうした方々 が、おそらく対象になってくるかと思いますが、今後はそうしたナショナルボードをき ちっと持たれた方に、こうしたチームに入っていただくような形になるかと思います。  北島委員  ありがとうございます。  垣添座長  これはもうひとつ事務局に質問ですけれど、実際にこういうチーム医療を行ったこと による緩和医療の加算を受けている施設が意外に少ないですけれど、それはどこがネッ クになっていますか。  武井補佐  やはり現時点におきましては、きちっとした体制をとる規準というのが、かなり、あ る意味、厳しめの規準になっているということが、ひとつあると思いますし、拠点病院 につきましては最後の5番のところのインセンティブに関することとも非常に関連して きていると思うのですけれど、例えば補助金ですとか診療報酬加算等について、こうし た面からの検討ということも、今後、予定している中の業務のひとつとしてはございま すので、あわせてその辺は考えていくということになろうと思います。  垣添座長  はい、わかりました。他にいかがでしょうか。  土屋委員  先ほどの北島委員の御意見に関係することですけれど、この臨床心理に携わる者とい うのは、この種のものは、ほかにもありまして、これは議員立法で、これを国家試験資 格にしようかというような話も、最近ありました。これが、いろいろな事情から、少し 検討を要するということで先送りになりました。少なくとも、厚労省が公の文書として 出すものの中に、こういうものは入っていない方がいいのではないでしょうか。実際の 臨床の現場では、こういう人たちがお手伝いをするにしても、何か、こういう格好で、 なしくずしに既成事実化するのは如何なものか。私どもは、臨床の現場でそういう人た ちが将来的に意欲を持ってやっていただけるようになることは大変に結構なことですけ れども、こういう、取り決めごとの中には登場させない方が、誤解を招かないだろうと 思うのですが。  瀬上参事官  御指摘のことを受けて、臨床心理に携わる者という、もってまわった言い方をさせて いただいているんだと思います。こうした方々が、緩和ケア体制の中で、それなりの重 要な役割を担っているということは、これまでの御議論の中でも、また、これに先立つ 均てん化の報告書をつくる段階でも、御意見を賜ったところだと思います。その下にあ ります、専門的な医療に関わるコメディカルスタッフの配置の3番目にも、そういう意 味で臨床心理に携わる責任者が1人以上配置されていることが望ましいとあります。こ れも必置にせずに「望ましい」という表現になったのも、そういった視点からだと思う わけであります。これについては、これからのがん診療拠点病院における緩和ケア体 制、それもチームワークで進めていく中、かかりつけ医と一緒に進めていく中で、きわ めて重要な役割を担う人材と思われますので、ぜひ、この点については言及をさせてい ただきたいと考えております。  垣添座長  ありがとうございます。臨床心理士という言い方はしないで、臨床心理に携わる者と いう表現になっているというところが、いまの苦渋に満ちた表現ということになろうか と思います。ただし方向性としては、これは間違いなく、将来、我が国の緩和医療を強 化していくうえで重要な部分でありますから、土屋委員、いかがでしょうか。携わる者 ということで残しておくということについて。  土屋委員  そういうことならば……。ただ、これに似たようなものが、もうひとつあるんです。 そうしますと、そちらの方は、じゃあ私たちは入らないんですかということになりかね ないと思うんですが。まあ、現場での御判断でしょうから。ただ、こういう既成事実を 積み重ねていって、だからということにならないように、御配慮いただけるといいので はないかと思うわけです。  垣添座長  ありがとうございます。その点は配慮させていただきますが、「等」を含めたという ことになっていまして、この「等」の部分に、例えば薬剤師とか、医療機関によって様 々な職種の人たちが加わって、こういうチームをつくって緩和医療にあたるということ になっているかと思いますので、御了解ください。  では、今度は4番。拠点病院は、地域において、かかりつけ医(診療所、在宅訪問医 等)を中心とした緩和医療の提供体制を整備すること、ということでありますが。  それと関係がありますので続けますと、5番が、拠点病院は、かかりつけ医とともに 拠点病院内外で共同診療を行い、早い段階から緩和医療の導入に努めること。それから 6が、拠点病院は、かかりつけ医の協力・連携を得て、退院後の緩和計画を含めた早期 退院計画を立てること。この4〜6は非常に密接に関連した話でありまして、キーワー ドは連携ということではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。高嶋委員、四 国の実態では、この言いぶりでよろしいでしょうか。  高嶋委員  緩和医療というのは、一医療機関で完結するものではありませんし、地域ぐるみでや らないとできませんので、こうした医療連携というのは、ぜひ、ここに、こうした文言 で入れていただくのは、私はいいと思います。  垣添座長  よろしいでしょうか。他にないようでしたら先に進みます。今度は次のページになり ます。7番、「がん薬物療法専門医(仮称)」および「がん治療認定医(仮称)」の専 門性や活動業績を定期的に評価・改善すること、ということで、そこに注1、注2があ りますが、このあたりはいかがでしょうか。  よろしいでしょうか。その下に、専門的治療室の設置ということで、集中治療室、無 菌病室、外来抗がん剤治療室、放射線治療を専門とする場合の連携体制と、いずれも 「望ましい」規定でありますが、これは以前からのとおりでありますけれども、これは 現状、やむを得ないと思いますが、これもよろしいでしょうか。はい、ありがとうござ います。  では、今度は8番にまいります。標準様式に基づく院内がん登録を実施すること。こ れには注があって、標準様式項目の医学的・統計学的妥当性および実現可能性につい て、今後、臨床医を含めた検討会等で討議し、必要に応じて項目の見直し等を行う。こ れは従来、こうした標準様式というのが、疫学者側の要望が中心になって出てきたとい うことで、必ずしも現場の実態に合っていない部分もあるのではないかという懸念が表 明されて、このような形になっているかと思いますが。それからもうひとつの黒丸は、 都道府県が行う地域がん登録事業に積極的に協力すること。「実施すること」「協力す ること」と、この2点でありますが、いかがでしょうか。現況調査のところでは、8番 の右にありますように標準様式に基づく院内がん登録を実施しているのは85施設という ことですから、まあ、だんだんと整備されてきている、と。あとで議題2のところでご らんいただきますように、これがまだ実現できていない部分は経過措置に入って、今後 2年間のうちに実現を図るということにつながっていくかというふうに思いますが、よ ろしいでしょうか。  では9番、拠点病院は、主に地域のかかりつけ医等を対象とした、早期診断、緩和医 療等に関する研修を実施すること。これはかなり実現されていますね。それから研修対 象者の募集・選定にあたっては、医療機関格差の是正に配慮すること。院内外の講師に よる公開カンファレンスを定期的に開催すること。それから、今回新たに加わった施設 内禁煙等のたばこ対策に積極的に取り組むこと。これは、いままでは議論されたことが なかったのですが、考えてみますと、がん診療拠点病院という名称を使うからには、少 なくともその施設内は禁煙ということを、やはり、ひとつの大事な条件として入れよう ではないかという話になりました。この9番に関して、何か御発言はありますでしょう か。南委員、この、たばこの話なんかは、こういうところに入れることに関してどうで しょうか。  南委員  よろしいのではないかと思います。医療施設は、どこも本当に禁煙に積極的に取り組 むべきと思いますので。  垣添座長  敷地内という話もあったんですけれど、それはちょっと、なかなか、いまの現状では 厳しいのではないかということで、少なくとも施設内はということで、こんな形になっ ておりますが、よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。  では、4の医療相談室の機能の強化。10番、拠点病院内に相談支援センター(仮称) を設置すること。前回、ここの部分が議論されて、一応、ペンディングの状態で終わり ましたが、この、センター長は院長が併任するというところが、果たして実態に合うか どうかという御議論がありまして、ここはむしろ各施設に一任するという方が、現状に 即しているのではないか、それでいて、かつ、機能はきちんと維持できるということ で、「設置すること」ということで整理しましたが、これはいかがでしょうか。ですか らこれは、各特定機能病院あるいは診療拠点病院ごとに、それぞれの医療機関の事情に よってこれが決まってくるということです。特にこれからは、これに加わる特定機能病 院の数も増えてきますが、一応、支援センターを設置するということを義務づけるとい うことで、その動かし方は各施設に一任するということにしますが、よろしいですか。  2番目の黒丸は、相談支援センター(仮称)は専任者が1人以上配置されているとい うことですが、これは既に101病院ということで、かなりの部分で実現しているようで すけれども、これも非常に重要な機能ですので。これは医療機関によっては、がんだけ ではなくて、いろいろな他の疾患も含めての専任者ということになろうかと思いますけ れど、やはりがんは非常に重要な疾患ということで、1人以上専任者が配置されている ということで、これでまいりたいというふうに思います。  では3番目の黒丸、相談支援センター(仮称)は、院内外の医療従事者の協力を得 て、地域医療機関や患者からの相談に対応する体制を整備すること、ということであり ます。その内容としては、「医療従事者の」という言葉を入れている。それから、一番 下のところにありますように、各地域・各医療機関におけるがん診療拠点病院やかかり つけ医との連携事例に関して情報を収集し、紹介すること、ということでありますけれ ども、この10番全体に関していかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい、ありがと うございます。  そうしますと11番、臨床研究を行っている拠点病院は下記について公開すること。進 行中の公的・私的研究内容および治験の進捗状況について公開すること。それからもう 一点は、過去の公的・私的研究成果を一般人にわかるように開示すること。3つ目にあ りました、研究費の額のことは公開しない。要するに、これを公開されても一般の方は なかなか判断が難しいのではないかという議論がありまして、むしろそれよりも、一般 の方とか特に患者さんやその御家族にとって、知りたい情報は、あの拠点病院ではどう いう治験に加わっているのか、あるいは、自分はこういう薬を使ってほしいと希望する けれど、それはどこでやっているのかという情報がちゃんとわかるような状況になって いるのが大事であろう、と。患者会からのいろんな御意見を伺うと、どうもそのあたり が非常に重要だということで、そういう議論を踏まえて、このように3番目を削って、 上を少し強化するような形に整理したということでありますが、よろしいでしょうか。  これは千村委員、地方の立場といいましょうか、例えば鹿児島県では公的あるいは私 的研究、あるいは治験に加わっているというようなことに関して、どんな状況ですか。 ちょっと答えにくい質問かもしれませんけれど。  千村委員  例えば県内の県立病院などについて見ますと、正確なデータはいま、覚えていないん ですが、治験などに参加した実績というのは、ごくわずか、過去にあったということ は、いくつかございますが、さほど多くないというのが実情ではあると思います。  垣添座長  ある程度の実績がないと、特にがんの新薬などの治験、あるいは臨床試験に加わると いうのは、なかなか難しいところがありますから、だんだん、全体としてレベルアップ が進むと、どこでもこういう治験に加われるというような状況になっていくだろうと思 いますが、いまの段階では、少し、努力目標みたいなところがありますけれど。  高嶋委員  この公開の方法というのは、ホームページなどでもいいわけですね。あるいは文書で とか、いろいろな方法がありますけれど、これは一応、どういう方法でもいいというこ とですね。  垣添座長  はい、そこはよろしいかと思います。特にこういう情報を取って利用するということ になりますと、若い方が中心になると思いますが、ホームページに出していただいて、 それで親御さんや親戚の方などに情報提供するというのは非常に実際的なのではないか というふうに思います。よろしいでしょうか。では、先にまいります。  あとは5番が、インセンティブが働くように。これは拠点病院に対する補助金、診療 報酬加算等について検討するということ、これは現在、検討中でありますので、この方 向でぜひ御努力くださいということを、強く要請するということで、とどめておきたい と思います。それから拠点病院の名称を広告することについて検討する。これは来年度 の医療法の改正に伴っての話かと思いますが、そういうことがあるということです。  一応、前回の議論を踏まえて修正した部分は以上で、基本的にはいまの1番から11番 まで、御議論をいただきましたが、大きな変更はなく、御承認いただいたかと思います が。資料1−1に関して、何か追加して御発言いただくことがありましたら、お願いし ます。よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。  では、資料1−2、都道府県がん診療拠点病院の役割(案)。これはほとんど前回ど おりでありますが、赤字に示された情報発信について、都道府県がん診療拠点病院は、 地域がん診療拠点病院等に対して情報提供、症例相談や診療支援を行うということであ ります。これは地域がん診療拠点病院を2層構造にしてネットワーク化するという中 で、都道府県がん診療拠点病院はその中核機関という位置づけでありますので、このよ うな整理になったかと思いますが、よろしいでしょうか。  土屋委員  これについて、都道府県からあがってきている意見として、中心的な機能を担うとい うことから、これは1か所なのか、と。都道府県の事情によっては、あるいは似たよう な医療機関が複数ある。そういう場合に、どういう考えで臨んだらいいのかということ でございます。この際、ここで考えをまとめておいていただけるといいのではないかと 思うのですが、いかがでしょうか。  垣添座長  では、事務局からどうぞ。  瀬上参事官  これまでの御議論、そして過去からの流れを考えますと、基本的には1か所というこ とで動いてきたのではなかろうかと思っております。しかし人口の大きな都、府、ある いは面積の問題などもありますから、基本的には1か所ということで、都道府県の調整 をお願いして、それでもなお合理的な理由がある場合には、複数ということも考えざる を得なくなるのではないかと、このように考えております。  垣添座長  地域がん診療拠点病院のあり方の検討会でも、まさにいまのような議論だったかと思 います。やはり人口によって、特に東京都あるいは大阪府のようなところと、それから あとは県の面積との関係で、原則1か所だけれども、状況に応じて考えるということだ ったと思いますが、それでよろしいでしょうか。  土屋委員  はい。  垣添座長  ありがとうございます。他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。では1−3、 国立がんセンターの果たすべき役割の案でございます。これは均てん化報告書から引っ 張り出してきた、左側にあります1番から4番まで、拠点病院への支援と専門的医師の 育成、がん登録の推進、情報提供の推進でありますが、その中身として具体的内容が右 側に書いてあります。これはいかがでしょうか。  千村委員  ひとつ質問ですけれど、この2番の専門的医師等の育成のところで、レジデント、が ん専門修練医の教育を行うというところの括弧書きの中の、地域に密着した医療機関で 診療にあたる等の人事交流もあわせて検討するとあります。ここのところは、どのよう なイメージを持ったらいいのでしょうか。  垣添座長  室長、お願いします。  中谷室長  必ずしも私の、対策室長の立場ではなくて、国立がんセンターに関与する者という立 場からお答えいたしますと、やはり私たちのがんセンターのレジデントの方々にとっ て、地域の医療機関における研修、あるいは経験というのは大変価値があるのではない かということで、少し積極的に交流をしてはどうかという可能性を、いま、検討してお ります。その中で、がんの診療自体が、地域の医療機関ではこのような診療実態がある ということを理解していただくことが、がんの専門医にとっても非常に大きな経験にな るのではないかということを、いま、研修の担当者の間でディスカッションしておりま すので、それがここに表れているものでございます。  垣添座長  特にいま、このがん専門修練医、俗にチーフレジデントと言っておりますけれども、 チーフレジデントの2年間のうち1年目は病棟で臨床に専念する、次の1年間は研究に 従事するという形になっていますが、その1年間のうちのどこかに、例えば地域の医療 機関との間での人事交流を行うということによって、一般のがん診療拠点病院における 医療をも経験するということと同時に、人を派遣するということは、そちらからもまた 人を出していただくようなことで、人事交流にもつながるのではないか、と。これはま だ、私ども国立がんセンターの中で、最終結論が得られているわけではありませんけれ ども、こういう方向で検討を進めていきたいというふうに考えております。  千村委員  地方の立場としましては、非常にありがたいといいますか、こういう形でいろいろな 専門性を吸収させていただくといったことができると、非常にいいと思いますので、い ろいろ御検討をお願いしたいというふうに思います。  垣添座長  はい、わかりました。ありがとうございます。他にいかがでしょうか。  土屋委員  このレジデントと申しますのは、いままでのお話を伺っていますと、いわゆる後期研 修に相当するわけですね。  垣添座長  そうですね。  土屋委員  それは2年間ということですか。  垣添座長  ここにありますレジデントというのは卒後3年目以降で3年間。それから、がん専門 修練医はそのうえでさらに2年間ということになっております。ですから、これを両方 受けますと、通算5年間の研修を受けることになります。御承知のように、卒後臨床研 修は必修で2年間を設けているわけですが、その終わった人たちが、もし希望すれば、 こういうレジデントに入る可能性があるということになろうかと思います。  よろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。  ひととおり資料1−1、1−2、1−3を御検討いただきましたが、これで議題(1 )の地域がん診療拠点病院の整備に関する指針の見直しについては、よろしいでしょう か。  今度は2番目、指針の見直しに伴う既指定病院の取り扱いについてということで、こ れは資料2であります。これは先ほど事務局から御説明いただきましたように、A4用 紙の1枚ものでありますが、書いてある中身は、なかなか重要であろうかというふうに 思います。これに関して、いかがでしょうか。  既に地域がん診療拠点病院として指定されている135病院について、新たな指定要件 を満たせない場合の取り扱いについては、指定要件を満たすまでの猶予期間を与えるこ と、その間も指定の効力を存続させることとする、という考え方です。経過措置は2年 間としている。経過措置期間中は、名称は平成18年以降、医療法に基づき、地域がん診 療拠点病院である旨の広告が可能となった場合、地域がん診療拠点病院として広告する ことができる。それから国庫補助として、平成18年度の概算要求において検討中である 国庫補助事業−−研修事業や院内がん登録支援経費、代診医の雇上経費、連絡協議会経 費等について、当該事業を実施する場合に国庫補助の対象とする。ここの部分は経過措 置中も、これが受けられるということであります。  それから4番目の今後のスケジュールですが、今年の9月−−本日なんとか、基本的 に合意に達すれば大変ありがたいと、私、冒頭でごあいさつ申し上げましたのは、この スケジュールに沿っての話でありまして、9月に見直し指針策定後、135病院に対して 現況報告、これは所定の様式をつくりまして、それで現況報告をお願いして、その提出 をしてもらう。そして10月から12月にかけて、現況報告の提出、内容の確認をしまし て、12月から18年の1月にかけて、新規指定病院とあわせて、運営に関する検討会で審 査をする。新規指定要件をクリアする病院に関しては継続指定をし、それがクリアでき ない病院に関しては、平成20年3月末までの経過措置として継続指定をする。平成19年 12月までに再審査を行って、指定要件をクリアできなければ指定を取り消すということ であります。  ですから、一応、新しい指定要件を、本日、だいたいお認めいただきましたので、こ れに基づいて、それに合致しない医療機関に関しては2年間の猶予期間がある、全体と しては4年ごとに見直しをかけていく、ということであります。いかがでしょうか。  これまで地域がん診療拠点病院が135病院指定されてきましたけれども、内容にかな りのバラツキがあるということ、それから、指定要件の中身がかなり抽象的な部分もあ ったというような御批判もありましたけれども、お聞き及びのように、これまでの御検 討からかなり具体的なものになってきたか、と。それから、見直しもきちんと加わり、 かつ、要件をクリアできない場合には、いったん指定されても、指定が取り消される場 合もあり得るといったことまで含めて、しかも、いままで地域がん診療拠点病院に指定 されても、特段のメリットが医療機関になかったというようなことがありましたけれど も、いま、努力中ではありますけれども、指定されたことによって経済的なインセンテ ィブにもつながるような、つまり各医療機関にとっての具体的なメリットにつながるよ うな御努力もいただいているということでありますが、いかがでしょうか。  土屋委員  従来の地域がん診療拠点病院を見直すという中で、これは前回、私の方から提案した ことで、このたびの医療計画の見直し等に関係する検討会でも、地域の連携というのが キーワードになっています。したがって、この際、名称もそれ向きの名称にしていただ いてはいかがかということです。具体的には「連携」という2文字を入れていただいて はいかがかということを提案させていただきました。これについては宿題になっていた と思うのですが、まだ結論は出ませんでしょうか。  垣添座長  これは事務局からお願いします。  瀬上参事官  名称については「連携」というのがどういう格好で入るのかというのが、文言の問題 として、すんなりと、ストレートに意味が伝わらないというようなこともあって、これ までペンディングになってきたのですが、ひとつの考え方として、例えば「がん診療地 域連携拠点病院」というような書きぶりにすれば、連携の意味が、地域連携ということ で、かかりつけ医あるいは地域の他の医療機関との連携ということを前面に出した形に なって、言葉としてはわかりやすいかなあと、このようなことを考えております。  垣添座長  いまのようなお答えに対していかがですか。  土屋委員  いろいろお考えいただいていると思いますけれども、最終的にそういう形であれ、い ずれにしても「連携」という意味あいが読み取れるようなものを入れていただくという ことを、重ねてお願いしておきたいと思います。  垣添座長  これまでのこの検討会の議論では、あるいはもとの地域がん診療拠点病院のあり方検 討会ですか、あちらでも、この議論はありましたけれど、この文言の中に繰り返し「連 携」という言葉が入っているからいいのではないかという整理でしたけれども、やは り、ぜひともこの「連携」という言葉を、病院の名称の中に入れてほしいという土屋委 員の御要望でありますが、その一案として事務局からは「がん診療地域連携拠点病院」 といったことも考えられるかというお答えがありました。何かこの点に関して御発言は ありますでしょうか。佐々委員、何かありますか。  佐々委員  いえ、特にございません。  垣添座長  北島委員、いかがですか。  北島委員  都道府県がん診療拠点病院の、役割を見ておりますと、かなり仕事が増えるのではな いかと思うんです。そのときに、研修期間中の代診医の雇上経費、これは国庫補助でい ろいろ、いま、検討していただいているけれど、この代診医の確保とかそういう問題も やはり考えておかないと、このような問題がひとつ生じてくるのではないかと、いつも 心配しています。これは個人的な意見なんですが、費用はできたけれど代診医がいない ということにもなりかねない。ですから、そうなると、国立がんセンターの役割にも入 ってくるかもしれませんが、国立がんセンターにもかなり負担が増えてくるのではない かと思います。この辺はもう少し議論はしておいた方がいいのではないかと思います。  瀬上参事官  その点については、やはり均てん化の検討会の中でも議論があったと思います。それ を受けて、今回の地域がん診療拠点病院のあり方の2番、資料1−1の2番の一番下 に、特定機能病院が拠点病院に指定される場合においては、拠点病院の指定要件に加 え、次の要件を満たすことのひとつとして、拠点病院への診療支援医師の派遣に積極的 に取り組むこと、というのがありまして、これが皆さんの合意事項だったと認識してお ります。そして先ほど、国立がんセンターの今後の対応についての参考資料としても御 披瀝いたしましたように、国立がんセンターにおいても、そうした診療支援を代診医と いう形で行っていくなど、その辺を御検討いただいていると考えております。あわせ て、将来的には、そうしたプールなどを、どういうふうにしていくかということは、大 きな検討課題になっていくものと考えており、その辺について着実に検討を進めてまい りたいと思います。  垣添座長  これは卒後研修体制ががらりと変わりましたし、それから医師のものの考え方といい ましょうか、そういうことからも、小児科あるいは産科、麻酔科など、いくつかの科 で、多分、医師の絶対数が足りないというところにも至っているかと思いますので、こ の部分は、ただちには対応できないかもしれませんけれど、やはり将来に向けて、きち んと確保できるような努力をしていくということにしておきましょうか。  北島委員  特定機能病院が拠点病院に入ってくれば、そのような協力をできるだけしていただく ということだと思います。来年4月から、また多少、人員配置が変わってくるのではな いかと思いますので、それを期待しているわけです。  垣添座長  先ほどの土屋委員の御指摘の、「連携」を名称に加えるかどうかに関しましては、こ れは多分、医政局との調整も必要だと思いますので、ひとまず、そういう御発言があっ たということでお受けしておきまして、少し事務局の方で検討させていただきたいと思 います。よろしくお願いします。  他に、この議題1と2、資料1と2に関して御発言いただくことはありますでしょう か。予定はたしか3時まででしたが、この種の会議としては信じられないほどすっきり と意見の収れんを見たということで、大変うれしく思いますが、よろしいでしょうか。  瀬上参事官  先ほどインセンティブの話をさせていただいたわけですが、特に既存の病院について の取り扱いに関して、私どもでできる、広告の話と、それから補助金等については、充 実強化を図っていく過程で、インセンティブも付与していこうという、そういう姿勢で はありますが、いま、検討していただいております、診療報酬における、こういった裏 打ちということに具体的になってきますと、場合によっては、それは別枠での指定とい うことで、すなわちここにある指定基準を完全に満たしたところという、かなりしっか りした枠が別途−−別枠といっても、この基準の中ででございますが、満たしていなけ れば対象にしないというようなことも十分あり得るということを、とりあえず念頭に置 いていただければと思います。  垣添座長  要するにインセンティブがついたとして、それはいまの、ここで御議論いただいた条 件にきちっと合致する病院だけがそれを受けられるという形になるかもしれないという ことですね。  瀬上参事官  診療報酬に関しては、かなりストリクトに対処していくということは十分に考えられ るということです。  垣添座長  なるほど、わかりました。  瀬上参事官  補助金と広告に関しては、少しマイルドな対応ということが考えられるということ で、ぜひ、こういう機会に、条件を満たしていないところは一気に条件を満たすように 御努力いただきたいと考えております。  垣添座長  そうですね。やはりこの見直しがかかり、それから、そういうインセンティブの話が 出てまいりますと、これまでと違って、この拠点病院の内容の見直しというのも、一気 に進むのではないかというふうに、私も期待しております。  千村委員  地方で医療行政を担当する立場としまして、きょうまで地域がん診療拠点病院のあり 方について議論をさせていただいたわけでありますが、実際の運用にあたりましては、 できるだけ、地方としましても、この規準に合致するように、医療機関等々に指導を し、あるいは自らも頑張っていきたいと思いますが、中には、一部、規準を満たすこと ができないというところも出てくるのかなあとは思いますが、そういうところについて の指定につきましても、基本的にはできるだけ幅広に対応をしていただけると、ありが たいというふうに思います。  垣添座長  はい。御要望は承っておきます。やはり基本的にはそういう方向で臨まないと、全体 のレベルが上がっていかないということになろうかと思います。  本日御審議いただきました拠点病院の指針および既指定病院の取り扱いにつきまして は、御指摘の点を修正しまして、とりまとめをさせていただきたいと思います。修正部 分に関しては、座長および事務局に一任いただければ幸いでございます。少し時間が早 いですけれど、最後に事務局から何かございますか。  田中局長  本日は大変お忙しいところを、この地域がん診療拠点病院のあり方に関しましておま とめいただきまして、ありがとうございました。これは今年の4月にまとめられました がん医療の均てん化の検討会の報告書を受けたものでございまして、この均てん化の中 心的な役割というのは、このがん診療拠点病院ということになると思います。本日御議 論いただきました内容を踏まえまして、がん医療水準の均てん化に向けて、新たな取り 組みを進めていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。  これを実現するためには、いま、参事官が申しましたとおり、いくつかのインセンテ ィブを働かせるというようなことで、特に財政的な措置をとるということが必要になっ てくるのではないかと思います。国の予算は非常に厳しい状況でございますけれども、 私ども、一生懸命努力していきたいというふうに考えているところでございます。  垣添先生をはじめ委員の皆様方には、大変お忙しい中、専門的かつ大局的見地から御 意見をいただきまして、また、短い時間で集中的に御議論をいただきまして、本当にあ りがとうございました。簡単ではございますけれども、ごあいさつにかえさせていただ きます。本当にありがとうございました。  垣添座長  どうもありがとうございました。では、これをもって閉会とさせていただきます。                                    (終了)