05/08/05 第16回建設労働専門委員会議事録       第16回雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会議事録(案) 1 日時 :平成17年8月5日(金)10:00〜 2 場所 :厚生労働省専用第21会議室 3 出席者:   委員 (公益代表)椎谷座長、白木委員      (雇用主代表)奥田委員、才賀委員、下永吉委員、平石委員      (労働者代表)池田委員、笹田委員   事務局 職業安定局建設・港湾対策室吉永室長、小宅補佐、下出補佐   オブザーバー       職業能力開発局育成支援課杉澤補佐       国土交通省総合政策局建設振興課労働資材対策室塚原補佐 4 議題 :(1)改正建設労働者雇用改善法に係る政省令等の検討について       (2)建設雇用改善計画(第7次)について       (3)その他 5 議事 : ○下出補佐  ただいまから、第16回建設労働専門委員会を開催いたします。本日は、冨田委員、池 口委員、寺澤委員が所用のためにご欠席されております。  資料の中で袋詰めしてあるものが前回使用した資料です。今後の議論で参考となると いうことで置いてあります。終了後、不要でしたら処分させていただきます。  それでは議事に入ります。椎谷座長、お願いいたします。 ○椎谷座長  前回は「建設労働者の雇用の改善に関する法律」の改正経緯や、建設労働問題研究会 の論点、それと「建設労働者の雇用の改善に関する法律」の施行に係る政省令案等につ いて審議を行ったところですが、説明に随分時間がかかりまして、十分な議論ができな かった点があります。本日は、前回の議論を継続することにいたします。初めに、前回 の議論の中でご質問等がありました関係で、補足的な説明を資料1から3まで、事務局 からお願いいたします。 ○小宅補佐  それではご説明いたします。まず資料1ですが、資料2の3頁目の省令1の(1)とい う真ん中の囲みの中の(2)のところの事業主団体として認める事業協同組合の範囲につ きましてこの前議論いただいたわけですが、この(2)の所のハの要件がわかりづらいと いうお話がありまして、何か説明資料をということでしたので、資料1を作ってまいり ました。もう一度簡単におさらいしますと、この事業主団体の範囲につきましては、ま ず資料2の3頁にありますように、民法第34条により設立された公益法人であるか、又 は事業協同組合連合会であって次の要件のすべてを満たすものということで、建設に関 する取組みをされている。専任の職員等の事務組織を設けている。それから、1つ飛ん で、設立以後5年経過している。5年以上の実績がある。ハとして、建設業法第27条の 37に規定する建設業者団体の構成員であること、又は、当該団体の直接又は間接の構成 員の半数以上が、建設業者団体の直接又は間接の構成員であること。このハの中の「又 は」以前については、比較的理解しやすいということだったのですが、この「又は」以 降の所がわかりづらいということで、表を作ってまいりました。  ちょっとこの資料に下線を引いておりますが、これは後ほどご説明することとしまし て、資料1のほうに戻っていただき、この「又は」以降の所についてですが、この文 中、「直接又は間接の構成員」という言葉が出てきます。それについて2頁目では、団 体の構成状況ということで、トップに団体Aというものがある。その下に階層的につな がっているというようなことが団体でよくあると思いますが、例えば団体Aというの は、「全国○○協会」というような形で、団体Bは、「都道府県○○協会」というよう なこういったイメージで見ていただければと思います。  直接の構成員というのは、団体Aから見まして、このイ、ロ、この一重線の囲みは個 別の事業主さんで、二重線の囲みは団体ということにしておりますが、このイ、ロは団 体の直接の構成員ですので、直接参加しておりますので、これを直接の構成員という。 団体Aから見まして、団体Bに組織されているハ、ニ、ホ、これを間接の構成員とい う、ということにしております。この直接・間接の構成員というのは法律上も出てくる 用語ですが、こういった意味であります。  1頁目に戻っていただきますと、まず要件、この団体Aが事業協同組合であった場合 ですので、団体Bは事業協同組合であったとしても、団体Aが「(社)○○協会」であ ったときには、それは該当しない。トップが社団法人のときは先ほどの資料の(1)の所 でも事業主団体に含まれてしまいますので。トップが事業協同組合の場合だけです。要 件1として、直接又は間接の構成員が30以上で、かつ、その8割以上が建設事業を営 む。  この資料の2頁の図に戻りまして、事業主団体Aについて考えますと、30以上という のが、このAでは、イ、ロ、ハ、ニ、ホという5社しか書いておりませんから、直接・ 間接の構成員、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、トという、全体の個別事業主さんの数が30。 Aについて考えているわけですけれども、直接の構成員だけではなくて、その傘下の団 体に加盟している人も含めて、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、すべてで30あるか、かつ、その人 たちの8割以上が建設業者かどうかということで、まず要件1を見る。  それを満たしている場合は、次に要件2に移る。要件2のすべてを満たしているとい うことで、(1)(2)(3)(4)ということで、(4)のアのほうは、事業主団体が建設業法でい うところの団体の直接の構成員であること。いちばんわからなかったというイの所につ いては図に書いております。団体の直接又は間接の構成員の過半数がということで、こ の直接又は間接の構成員というのは、この図でいいますと、今回、事業協同組合が問題 になっておりますので、この左手のほうにありますちょっと小さめの楕円、これについ て考えることになりますが、これについて見ますと、「(社)○○協会」というものと 構成員が重なっていたとしますと、AとBというグループ分けが出来ます。Aは事業協 同組合のみに加盟している。Bは事業協同組合の構成員でもあるし、「○○協会」の両 方に加盟している。このイで言っております要件は、このB「両方に加入している人」 というものの割合が、事業協同組合の構成員の半分以上、つまり、A+Bを2で割った ものより大きいと。波線を付けて網掛けしておりますけれども、この式を満たすだけの 構成員条件になっているということを言っております。資料1については以上です。  資料2については、前回省令をお出ししたのですが、ちょっと誤植等があり、また、 奥田委員から誤りを指摘された部分がありましたので、それを直しております。まず3 頁目の太線を引いている所ですが、「建設業者団体」の後ろに、「(民法第34条により 設立された公益法人に限る)」としております。この建設業法27条の37に規定します建 設業者団体の中には、事業協同組合形式のものがありまして、(2)で、全体が事業協同 組合のときはどうするのだという議論をしていたものですから、事業協同組合形式のも のが除かれるような形にすべきであったところを、ちょっと漏れがありましたので、そ こをわかるように「公益法人に限る」という形で補足を入れさせていただいておりま す。  4頁目の(4)の点線の5番ですけれども、これは単純にちょっと誤植があったもので すから、訂正させていただきたいと思います。5頁目のいちばん上の枠囲いですが、こ れは実施計画の認定基準の中で、その団体の構成員が就業機会確保事業を行おうとする 場合の認定要件として、就業機会確保事業をやると言っていた事業主さんが満たすべき 要件を書いておりまして、前回お出しした資料では、建設業の許可を有していて次のい ずれかに該当するということで、この1ポツ、2ポツのその次に、3ポツとして、主た る事業が建設業であるということで、ここの3ポツのいずれかを満たせばいいというよ うな書き方をしていたのですが、この「主たる事業が建設業である」というのは、どち らの場合でも満たさなければなりませんので、ちょっと書く場所が不適切であったとい うことで、この場所に訂正しております。資料2の訂正は以上です。  資料3は、送出の指針ですが、2頁目の下の4に「労働保険・社会保険の適用の促進 」というのがあります。これは委員会が終わってからではありますが、ちょっと雇用保 険や社会保険に元の案では加入しなくてもいいようにどうも読めてしまうようなきらい がないかというご意見をいただきまして、1段落目ですけれども、「送出事業主は、雇 用保険及び社会保険の適用手続を適切に進めること」と。これは進めるべきものですの で、「進めること」と明確に言い切った形にしております。  3頁目の(2)ですが、元の案ですと、1行目の「送出事業主は、労働保険・社会保 険に加入していない労働者については」ということで、「労働保険」というようなこと が入っていたのですが、労働保険については、当然入っていると。社会保険とは違っ て、必ず入る。社会保険の場合ですと、任意の部分がありますので、加入していないと いう場合もあり得るわけですけれども、労働保険の場合は、入るべきものでありますの で、労働保険が例示で入っているというのはおかしいというご指摘を受けまして、そこ を修正しております。以上です。 ○椎谷座長  ありがとうございました。それではただいまの説明について、それから、前回ほとん ど議論しておりませんので、許可基準なり指針も含めてご意見があれば、どうぞご自由 にご発言をいただきたいと思います。 ○池田委員  いまご説明があった資料1ですけれども、これはスキームというか、図解にしていた だくと理解ができたように思います。前回、才賀委員が言われたように、この建設労働 者雇用改善法の一部改正法を審議するときに、入口論でいちばん問題になったのは、や はり暴力団や悪質業者が入らないようにということがいちばんの大きな課題になったは ずです。そこで、資料1の1頁を見ますと、要件1の中に、「直接又は間接の構成員が 30人以上であって、かつ、その8割以上が建設事業を主たる事業とする建設事業主であ ること」と書いてあるわけです。そこを見ますと、(4)の「次のいずれかであること」 のイですけれども、「当該団体の直接又は間接の構成員の過半数が建設業者団体の直接 又は間接の構成員であること」。やはり才賀委員が言われたように、暴力団員が入って も、悪質ブローカーが入っていてもわからないのではないか、というようなこともあり ました。やはりここは過半数ということではなく、もっと厳しくすべきではないかと。 上には「8割以上が建設事業を主たる事業とする」と書いてありますから、そこまで持 っていくのがいいのか、あるいは、70がいいのか、その辺を検討していただきたいので すけれども、過半数というのはやはり甘すぎるのではないかと私は思うわけです。した がって、この件について一つご質問をしたいと思っております。以上です。 ○椎谷座長  いかがですか。 ○吉永室長  池田委員のご指摘のとおり、今回の就業機会確保事業にしても建設業務有料職業紹介 事業にしても、この団体がきちんとした形で事業をやるということが、そもそも適正な 事業運営を行う上で前提になるものだと考えております。公益法人、あるいはその他に つきましても、非常に限定的にしているつもりです。その中で、事業協同組合について も、適正を担保するという方法はないものかどうか、実態として事業協同組合でいろい ろな事業をやっているところもありますので、事業協同組合そのものを排除するという ものはなかなか適当ではないとは思いながら、ただ一方で手を挙げればできてしまうと いう中で、どういう形で適正な事業主を設定するのかということで今回の案を作ったと ころです。ある意味、社団法人であれば、民法上のさまざまな規制を受けているという こと。  そういう中で、また社会的な責任等々もあるという中で、適正な事業運営ができるの ではないかということで、基本的に認めている形で作っておりますけれども、この事業 協同組合につきましても、両方とも一定の関係があるということで、その適正を担保し ていこうということで、過半数であればその建設協会の意向というものが大きくかかっ てくるのではないかということで、過半数という要件で設定したところです。正直申し まして、これが過半数なのか、あるいは3分の2なのか、4分の3なのか、あるいは8 割なのかというところ、どこまでいけば、ある意味、適正を担保できるのか、その社団 法人としての業界団体の信用力、適正に事業を実施する能力の影響を受けられるのかと いう辺り、ご指摘のとおり、過半数だと甘いのではないかという辺りを検討しまして、 どこまで上げればいいのかというところがなかなか明確なものにはならないわけですけ れども、その辺りを検討しまして、次回にでもまたお諮りするような形でやっていきた いと思っております。なかなかどこまでという明確な基準がないということで、原案 は、過半数であればある程度支配力があるのかなということで設けたものではあります が、改めて検討して、その割合を設定したいと考えております。 ○笹田委員  それに関連しまして、池田委員からも出ておりますが、あまり事業協同組合等でやる よりは、この図からいくと、本体の社団法人の中でおやりになればいいという感じがし ます。だけども、ということではあるのですけれども、そういう意味では、池田委員も おっしゃるように、別にこの過半数でなく、もう少しハードルを上げたって。その場合 はもう本体でやればいいと。つまり社団法人でやればいいと。そういう意味では、ハー ドルをちょっと上げたほうが、変に事業協同組合でやるよりはいいのではないかという 感じがしますので、そこはひとつ、ハードルをちょっと上げていただいたほうがいい。 何回も申しますように、本体でやれば問題ないわけですからね。是非そこはお願いをし ておきたいと思います。 ○下永吉委員  この法案についてはもう最後の質問だと思うのですが、2つ3つ質問したいのですけ れども、時間の関係もありますので、端的にお考えをお示しいただければと思います。 まず最初の問題ですが、認可基準の中で、雇用管理責任者が日帰りで往復できる地域に 送出することというようになっておりますが、いまは飛行機もありますので、沖縄であ ろうが北海道であろうが日帰りできるわけですが、このような遠隔地の送出というのは 可能ということなのでしょうか。 ○小宅補佐  文字どおり実際何かあったときにちゃんとすぐに駆けつけて処理できるということで すので、その日に解決できるような交通機関があるのであれば、それは可能としてよい のではないかと思います。ただ、これは、基準としてそれがありますけれども、実際ど こまでやるかということになりますと、前の審議会でもお話があったとおり、労働者の 同意というのがありまして、その同意の中には、自分としては地域を限定したいとかそ ういった同意もありますので、この基準としては「日帰り」と、ここではそれだけで言 っておりますけれども、ほかのシステム全体で見て、意に染まない送出というのはない ようにできるのではないかと思っております。 ○下永吉委員  次に、労働組合とか労働組合連合会とかのエリアの話なのですが、都道府県内をエリ アにするもの、あるいはブロックをエリアにするもの、全国をエリアにするもの、いろ いろあるわけですが、この場合、要件を満たせば、エリアに関係なく、事業主というの は可能なのでしょうか。 ○小宅補佐  特にエリアの要件は設けておりません。事業主団体の範囲を超えて仕事をやることが 建設業法等の関係から可能であれば、それは可能だと思います。ただ、ここも繰り返し になりますけれども、実際どこでやられるのかというのは労働者の同意ということもあ りますので、ご質問の点だけをお答えすれば、それは可能であると。ただ、実際にどう なるかというのはまた別の要件があると思います。 ○下永吉委員  別な要件ですか。 ○小宅補佐  別の。労働者の同意とかそういう実際上の問題というのは別にありますけれども、エ リアを制限しているか、いないかということだけで言えば、それは制限はしておりませ ん。 ○吉永室長  補足しますと、私どもの法律でそのエリアを限定するということにはなっておりませ んけれども、例えば事業協同組合であれば事業協同組合の活動の範囲ということは、定 款上明確にするというように考えております。そういう要件がそもそも前提なので、そ の事業協同組合としての活動ということであれば、当然そのエリアなのだろうというよ うに思いますけれども、それについて私どもの法律で規制はかけていない。ただ、自ず からその団体が活動する範囲というのは書いてありますので、その範囲でしかできない ということになる。それにつきましては、当然私どもの申請に対する計画の認定につい ての申請があった段階で、それについて、当然エリアについても記載事項になると考え ておりますので、それは自ずからその事業協同組合の活動の範囲というものと重なって くるのだろうと。ただ、1点問題として、事業主の所在地と現場の所在地との若干のず れというものが出てくるという問題がある。そこについては、私どもの問題というより は、むしろ建設業法の許可等々の問題になるというように考えております。 ○下永吉委員  1つの企業が複数の団体に加入しているケースというのがあります。加入している団 体のいくつかが実施計画の認定団体となっている場合、その当該の企業というのは、団 体ごとで事業の実施というのが可能になるのかならないのか。 ○小宅補佐  資料2の5頁を見ていただきたいのですが、2つ目の枠囲いの所で、「その他の認定 基準」というもの。これは実施計画の認定基準ですけれども、2ポツ目に「法第12条第 2項第5号に規定する場合」ということで、これは就業機会確保事業をやる場合であり ます。その場合には、「建設業務労働者就業機会確保事業を行おうとする構成事業主が 他の認定計画において建設業務労働者就業機会確保事業を行おうとする構成事業主とし て記載されていないこと」。つまり、就業機会確保事業の実施については1つの計画で ちゃんと整理していただきたいと。例えば2つの計画で同一の事業主、送出事業主と受 入事業主の間の送出を2つの計画に書くということがありますと、どちらの計画に基づ いたものかというのがわからずに、事業の適正運営という観点からちょっと問題があり ますので、送出事業自体は1つの計画でやっていただくと。ただ、送出事業を行わず に、団体としての雇用改善措置だけをやる事業主さんも中にはいると思います。そうい ったものについては、複数のものに参加することは、それはあり得ると。 ○下永吉委員  送出労働者についてですが、これは常用労働者であるというように規定されているわ けですね。常用労働者でありましても、随分高度な技能を有する者、そうでない者がい るわけですが、この各企業は、常用労働者で高度な技能を持つ労働者を送出、あるいは 受入に頼るということが今後あれば、長期的には建設業の技能の衰退に結び付くのでは ないかというように考えるのですが、どうなのでしょうか。 ○小宅補佐  送出事業が雇用の安定のためということで今回作られたわけですけれども、一方で、 この事業自体につきましては、送出と受入を恒常的に行うということには問題があると いうことで、臨時的に一時的にやるものだということになっており、許可基準の中にお きましても、現時点は案でありますが、ちゃんと訓練をやっていただくと。円滑に送出 されて、働けるように訓練をやっていただくということにもしております。それから、 法改正に先立つ報告書の中自体におきましても、技能の承継などの観点から、職業訓 練、能力開発はきちんとやっていくべきだというご提言をいただきまして、建設雇用改 善、助成金等々におきまして、対応をするということになろうかと思いますので、送出 がなされるということによって、直ちに技能が衰えていくということにはならないよう に、建設労働対策全体として対応していくべきものだと思っております。 ○下永吉委員  全国建設業協会は、いずれ前面に立って、この事業の推進のために頑張らなければい けないものですから、いま残された疑問点を質問させていただきました。ありがとうご ざいました。 ○奥田委員  確認なのですが、10、11頁の許可申請書添付書類で、(1)で、法人である場合と、(2) で個人経営。(2)の「次に掲げる書類」のハの(1)のホ、ト、チなのですが、法人が出す べきヘが削除されて、ヘがきちんと事業をやっているかどうかの確認の書類です。個人 経営の場合は、事業を確認しているかの書類は要らないということなのでしょうか。 ○小宅補佐  この類型のものが個人だと出せないということで、トですが、資産の内容や許可基準 には資産要件を何百万以上持っているという要件があります。そういったところは、ト で見ます。実際に事業をやっている者については、許可を持っていることを証明する書 類を。 ○奥田委員  許可を持っても、やくざとかをイメージしているのですが、その時点で本当に建設事 業をきちんとやっているかどうか確認できるのかどうかですよね。 ○小宅補佐  それにつきましては、これは建設業就業機会確保事業の許可ですが、その前段階の実 施計画の認定段階において、就業確保事業をやるときには、事業主要件として主たる事 業として建設業をやっている人かどうかを、実施計画段階で確認する仕組みになってい ます。 ○奥田委員  それは、実施計画で確認できるという規程が何かあるのですか。 ○小宅補佐  実施計画については、4頁の(4)の六「構成事業主が建設業務労働者就業機会確保事 業を行おうとする場合にあっては、当該構成事業主に係る建設事業の1年間の実績報告 書」ということで、一応ここで対応しています。 ○奥田委員  特に心配している、本当は休眠会社が事業をやらなくてポッと思い付きでこれへの参 加をしてみようという不逞の輩が出ないように、どのようにチェックするかという目で 見たときに、何重にもチェックをかける必要があるのではないかという意味でちょっと 疑問でしたので質問しました。 ○椎谷座長  三、四、六を総合的に見れば、大体わかるだろうということなのですかね。 ○小宅補佐  三、四自体は団体としてのということになります。 ○吉永室長  いまの奥田委員のご指摘ですが、何重にもチェックする必要があるというのはご指摘 のとおりだと思います。個人事業主の場合、どこまで資料が取れるのか、実際にどのよ うな資料があるのかという問題もありますが、いまのご指摘について改めて検討したい と考えています。いずれにしても、個人であろうと何だろうと実際に事業をやっている かどうかを確認する必要はあります。もちろん団体としての確認というのはあります。 その辺り、具体的にどのような手法があるのかをもう少し検討したいと思います。 ○椎谷座長  実際に審査する段階では、なかなか厄介かもしれませんね。 ○池田委員  というのは、事業といって銭をもらって銭を払っているのも事業の内ではないです か。そうすると、こちらの関係もそればかりでしょ。例えば、我々は請負契約をしてそ のようなものを添付してやっているから、契約書があるんですかというものもチェック するのですか。 ○小宅補佐  そのようなものがわかる書類ということにしていますので、事業主さんによってはい ろいろなものがあると思います。ただ、信用のおけない書類では問題がありますので、 例えば税務署に出して受理された書類や、建設業の許可関係で出した書類など、そうい った公的なものなど内容が確認できる書類である必要は当然あると思います。 ○池田委員  皆さんがいま心配しているそちらのほうの筋の人たちは、その辺の書類は、一般の企 業よりもしっかり作っています。ただ、問題は、契約時できちんとした契約の中で仕事 をしているのかという問題がわかる書類があるのかないのかという心配だけです。この ようなことについては、我々より詳しいです。どうやったら逃げ延びられるとか、どう やったら生き延びられるというのは、常に研究しています。 ○奥田委員  だから、実態をどうやって確認できるかに尽きると思います。許可は多分出ていくわ けですから、許可を受けたあとにどのような事業をやっているかをどうやって確認でき ますかと。税務署に税金を払っていればいいというものでもないだろうというところ を、どのように透明性を確保していくかというところがいちばん心配です。それをどう するのかなというのは、ちょっと知恵を出さないといけないのではないかなと思いま す。 ○才賀委員  社会保険の問題で、こちらの筋は8割ぐらいカットできると思うんですよ。ほとんど 掛けていませんので。ただ、中には何十人か掛けている人たちがいますので、それが主 たる仕事になってしまうと具合が悪いでしょうが、まだまだ少ないと思います。 ○池田委員  突拍子もないことを言いますが、これはまだ私も確認していませんが、法人の有限、 株式の改正が近くあります。株式は1,000万円で有限が300万で、これが無くなります。 今度1円から取れるようになると、最近税理士から聞きました。来年の4月1日から出 てくることになれば、いま心配している構成事業主の認可の問題のときに、このような 人たちがたくさん株式会社なり有限会社になって入ってくる可能性は十分考えられま す。先ほどから出ているように、どうやってそのようなものをきちんとするか。書類の 中では絶対にわからないと思います。その辺のことを事務局でわかっていたら教えてく ださい。 ○吉永室長  会社法の改正の作業は進んでいまして、ご指摘のような動きになっています。むし ろ、法人化されればそれが法人に伴なう、株式会社化されれば株式会社に伴なう貸借対 照表とかいろいろなディスクロージャーの手続きが必要になってきます。むしろ書類と しては整える方向になるのかなと思っています。  いま才賀委員等からご指摘いただいていますのは、書類が整っているものについてど うチェックするのか、あるいは最低限の書類としてどのようなものが必要なのかという ことだろうと思っています。私どもとしましても、最終的には実質のチェックをすると いうような、最終的に指導監督の方法の手法を使いながらということになると思ってい ます。その前段階として、どういう書類で最低限の形式チェックができるのかという辺 り。株式会社等の商法上の法人についてのある程度の資料は、法律上求められるものに ついては当然に税法上等のものを過剰な負担にならない範囲で集めたうえでチェックを するということはもちろんです。  それ以外の個人事業主についても、最低限そのような書類もないようなところについ て実際にこういう事業をやらせていいのかという議論もあろうかと思っています。過剰 な負担にならない範囲で、適切に事業が実施されているのかどうか、事業主がきちんと した事業主かどうかわかるような資料を、また意見をいただきながら、もう少し精査す る形で最低限の形式チェック、更に実質のチェックができるような形のものを添付書類 等について考えていきたいと思います。 ○才賀委員  折角国交省さんがお出でなので、国交省さんのほうで認可基準の調べはどのぐらいの ところまで調べるのですか。申請を出した書類が整っていればOKですか。 ○塚原補佐  当然、出すべき書類があって、その中身がどうなっているかということです。すみま せん、ちょっと実態は不勉強なもので、この場ではお話できません。そこは確認させて ください。ご心配のように、書類は当然ある程度整えて出してくれて、かえってそうい う方々はその知恵に長けているという実態は、こちらとしても十分気をつけなければい けないことだと思っています。過度な負担をかけない範囲でどこまで取れるのか、そこ は悩ましい話でいろいろご相談もしているところですが、なかなかいい知恵が出てきま せん。そこは、ちょっと確認をさせてください。 ○平石委員  2、3教えていただきたいのですが、資料2の5頁(7)「軽微な変更」のことです。 「受入事業主の小規模の追加」という項目がありますが、小規模とはどの程度をお考え なのでしょうか。次に7頁、受付手数料については、1件につき670円とあるのですが、 これは定額なのでしょうか。関連して、ウですが、定額であればこの点線の枠内には 「手数料表の変更の届出」とあるのですが、この変更の意味はどのようなことなのかわ からなかったので、教えていただきたいと思います。  9頁のオですが、「許可証は、新設事業所ごとに交付する」と。ここで言っているの は、いわゆる支部や出先機関なのでしょうか。もう1つは、有料職業紹介事業のことで すが、職業紹介責任者の要件の中に、職業紹介事業に関連する経験を有するものという 条件が付いています。多分前回の資料の3頁の(2)のウですが、職業紹介事業に関連す る経験というのは、具体的には活動していなければそのような経験がないのではないか と思います。別途何か労務管理の経験などをおっしゃっているのかという辺りを教えて ください。 ○小宅補佐  まず、資料2の5頁の(7)の小規模の追加ですが、計画においては、最初の段階で送 出、受入事業主、それからどのぐらいの労働者数かを書いていただきます。変更という ことですと、送出、受入のバランスを崩すような受入所を急に増やすことはまずかろう と。ただ、それを1、2社ということではなく、例えば受入事業主数は10社増えたと。 10社というと多いようですが、各社1人だけということであれば、全体への影響は少な いと。あるいは、受入事業主が1社であっても、例えば1社で急に300人とかになりま すと全体への影響が出てしまいます。そのような意味で、小規模は全体のバランスを崩 すものではないと考えています。  7頁の手数料ですが、これは上限としてここまでだということです。300円とか400円 にしても結構ですし、次のウの変更のところにも関連しますが、最初670円としてそん なに手数料もかからずできそうなので500円に下げるということが可能です。ですから、 この範囲内で変更できます。  9頁は、事業所については届出で増やすことができることにしています。1本許可を 取っておけば、必要に応じて必要な所に事業所を設けてきめ細かい対応ができるように しています。そうすると、最初1事業所でスタートしましたが、途中で変更届けを出し て事業所を増やすときには、増やす1事業所分だけ出せばいいので、増えるところだけ 許可証を出す。全部既存のところまで含めて許可証の書換えをするということではなく て、追加の分だけ出すという意味です。 ○吉永室長  手数料表のところですが、有料職業紹介事業については、職業安定法に基づく有料職 業紹介事業と基本的にパラレルな構成にしているところです。手数料の取り方として、 7頁の上にある受付手数料670円、あるいは賃金額の100分の10.5に相当する額を上限と するものという場合と、予め厚生労働大臣に届け出た手数料表に基づく場合がありま す。最初に申したところについては、自動的にできるわけですが、別途厚生労働大臣に 届け出た手数料、100分の10.5とか1件につき670円を超えた形で作ることも可能となっ ています。そのような意味で、不適切な場合について変更する、あるいは届出をするこ とが認められているということで、このような手続きが記載してあります。 ○平石委員  あとは職業紹介責任者の要件の話ですね。 ○小宅補佐  3頁の(2)のウですね。 ○平石委員  はい。 ○小宅補佐  職業紹介ですので、直接窓口でということではなく、職業紹介事業所での経験であれ ば直接窓口でカウンセリングしたというところまでは求めません。 ○平石委員  これは単に知識では駄目なのですか。経験と書いてありますので、新たに規則ができ ていろいろ事業をやっていく中でそのような責任者を選ぶときに、経験者だといっても なかなか難しいのではないかなという疑問点がありますので、その辺の運用については お含みおきいただきたいと思います。 ○小宅補佐  例えば、普通の会社で人事部門で職業紹介に関する知識をもっていて、普通の求人企 業としての立場です。 ○平石委員  そういう意味ならわかります。 ○吉永室長  もう少し詳細なものを次回用意します。ちょっと記憶があやふやなのですが、要件と しての考え方はもちろん職業紹介の経験があればそれで一発でいきますが、人事労務管 理の経験が何年という形での要件もたしか入っているはずです。 ○平石委員  併せて説明ありがとうございました。吉永室長から手数料の上限が670円だという補 足説明をいただきました。法令なりで、これが上限だとはちょっと読み取りにくい気が するのですが、いかがでしょうか。 ○小宅補佐  先ほど吉永室長が補足しましたように、手数料はここまでであれば特別な手続きなし に取れるという意味での上限です。それを超える分については、きちんと手続きを取っ ていただくと。 ○平石委員  20条の話ですよね。 ○小宅補佐  はい。 ○平石委員  ……の手数料報酬を受けてはならないという話がありまして、670円が上限とはちょ っと読みにくいという気がしたので、質問しました。 ○小宅補佐  20条の作りとしては、第1項に1号と2号があります。1号では、建設業務職業紹介 に通常必要となる経費を勘案して厚生労働省令で定める種類及び額並びに手数料を徴収 する場合には取っていいと。これとは別に、予め厚生労働大臣に届け出た手数料に基づ き手数料を徴収する場合ですので、2号は手数料を出さなければ取れない。一方1号は 出さなくても取れる。出さなくても取れるものとして、ここまでの範囲だということで す。 ○吉永室長  資料の作り方が不正確な部分もあります。具体的な省令で定める形の場合には、手数 料の最高額という形で1の要件を定めます。その最高額が、受付手数料として1件につ き670円、紹介手数料については100分の10.5という扱いになりますので、この辺りの資 料を改めて修正します。 ○椎谷座長  ほかにありますか。政省令のみならず、許可基準、指針とたくさんありますので、読 むだけで大変だと思います。 ○池田委員  15頁4の雑則ですが、「権限の委任」があります。厚生労働大臣の権限の都道府県の 労働局長への委任があります。47都道府県ありますので、それぞれの局によって温度差 が出てくることも考えられます。先ほど言いましたように、悪質な業者の届出の受理な ど、相当実態をきちんとつかんでやらなければならないと思います。各労働局に委任す るわけですから、温度差というものが出てくるように感じます。したがって、どのよう な形で温度差をなくすのかを、まずお聞きしたいと思います。 ○小宅補佐  具体的には、政省令等が固まってからという予定にしています。各労働局の担当者を 集めて具体的な法律の基本的な考え方、規制の対応等についてきちんと説明を行い、そ の辺りについてきちんとした訓練を実施したいと考えているところです。そのうえで、 例えばこの骨格の部分の許可については本省でやると考えていますので、その辺りはき ちんと本省の指導で各局にばらつきがないような形で一括して実施したいと考えていま す。1つ懸念していますのは、今回の新たな事業が導入されることによって違法な部門 が出てくるのではないかというところです。労働局における建設の担当の部門と需給調 整を担当する部門が、現時点では別の部門がやっているというのが実態です。これにつ いて必要な連携を取って、違法な実態が生じないような形で指導監督体制を強化するこ とを考えています。  いずれにしても、局においてばらつきがあるということになりますと、ある意味「悪 貨が良貨を駆逐する」ということではありませんが、県境を越えて悪質なブローカーが 広がっている可能性もあります。池田委員のご指摘のような事態が生じないように進め ていきたいと考えています。 ○奥田委員  意見ですが、そのような輩は書類審査でなかなか厳しいのは当然です。そのような情 報は、厚労省ではなく警察などにあるのではないかと予測するわけです。そういう意味 で、そちらからの情報提供等でそのような企業の排除等ができないかということを検討 いただけたらと思います。省庁間を越えてどのような情報開示ができるかわかりません が、警察庁辺りはそういう情報はかなり的確に持っているのではないかと予測します。 その辺を踏まえて、そちらからの情報に基づく審査も可能ではないかなという提案をし ておきます。 ○吉永室長  正直申しまして、私どもよりもはるかにその辺りの情報は持っているだろうと思って います。ただ、指定暴力団などということになれば明確になっておりますので、ある意 味わかりやすいわけです。違法な業者が何か違法なことをしようとするときに、どこま でそういう姿を、衣の下に鎧が出ていることを見せるかという辺り、なかなか難しい問 題もあるだろうと。実際にやるときにはきれいな衣を着て出てくるのだろうと思ってい ます。そういう意味で、どこまで情報が取れるのかということがありますが、必要に応 じて公安当局等とも連携を取りながら、排除できる部分については排除していきたいと 思っております。 ○椎谷座長  笹田委員、よろしいですか。 ○笹田委員  送り出してその先での就労が終わったと。この場合、当初は契約するわけですから、 労働者はいついつまでという期限や日にちがわかるわけですが、終わったときはそのま まになるのですか。  例えば、労働者と送出事業主との契約では7月31日までとなっていたとすると、そこ を確認するとか、また、ずるずるそのままやっていた場合に、それをチェックするとこ ろはあるのですか。つまり、ずるずるそのままいっても分からないことになっていくの か。当初契約がきちんとあるのだから当然それを守るべきですが、守らないでずるずる といっていた場合はどうなっていくのか。そこをチェックするものがここで表現されて いるのかということです。労働者保護の観点からそのような問題意識を持ったものです から、そのようなことが触れてあるのかについてお聞きしたかったのです。 ○吉永室長  基本的な考え方としては、当然、就業計画契約に基づいて送出就業がなされるわけで すから、その契約と実際の就労に齟齬があるかどうかについては非常に大きな問題にな ります。個別の労働条件が違っているという話ではなく、その期間も含めた形での問題 だろうと思っております。  確認の方法としては、その現場、その現場で確認するのはなかなか難しい面もありま すが、実際に送出就業が行われた場合には、送出事業主は送出についての台帳を整備す る、受入事業主側は受入事業主として台帳を整備する形にしております。この辺り、台 帳を突合することにより、きちんとした契約に基づき、きちんとした就業がなされてい るか。その辺りは時間とか、残業があったかないかとか、実際に現場での事故等がない か、苦情がないかどうかが分かるわけですので、こういったものは、送出側、受入側の 台帳を突合しながらそのような、契約があるのか無いのかが分からないような、あやふ やな実態で送出就労が行われているかどうかも当然チェックできるだろうと思っており ます。きちんと台帳を整備することは、送出指針に記載してあったかと思います。 ○笹田委員  法律上はどうなっていますか。 ○吉永室長  法律上の義務でもあります。 ○笹田委員  管理台帳で。 ○吉永室長  管理台帳です。そうしたものの中で記入・チェックできるだろうと思っております。 ○笹田委員  その中に解雇の禁止は入っていますが、どうやっていくのかなと。所詮労働者は弱い ものだから、とにかく社長なり親方から言われれば、あまり文句は言わないんだ。泣き 寝入りしてしまうわけです。そういう意味で、きちんとしておかないとという感じがあ るものだから。 ○椎谷座長  では、池田委員、どうぞ。 ○池田委員  15頁です。室長は、局内にきちんとした部署を設けて、苦情処理や、あらゆるものに 対応していくと言われたのですが、要望としては、やはりきちんとした部署を各労働局 にもってもらいたいです。そうしないと、どこに行けば、苦情や労働者の権利などいろ いろなことがありますから、その辺タライ回しにさせない部署を是非、作ってもらいた いと思っていますが、どうでしょうか。 ○吉永室長  苦情処理については、「労働者は申告することができる」と法律上の権利として明記 されています。申告によって不適当な取扱いを行うことは最も禁止されているところで あり、その中できちんとした申告が行われることは非常に重要なことだろうと思ってお ります。もちろん申告担当者は明確に決めるわけですが、どこに申告をすればいいのか についての周知啓発を改めて検討し、効果的な方法をとっていきたいと考えておりま す。 ○笹田委員  国会審議でもいろいろ話題になっているところですが、いわゆる送出事業主が倒産し たとか、受入事業主が倒産した場合、労働者保護の観点から答弁されていますが、それ はもう一度整理していただいたほうがいいのかなという感じがしますので、お願いをし ておきたいと思います。 ○吉永室長  受入事業主の倒産の場合ですが、厚生労働省所管の法律で賃金支払確保に関する法律 があり、これによって賃金のかなりの部分がカバーされると考えております。倒産にな りますと就業契約の期間中であっても、その契約自体がなくなってしまう。つまり、ま だ就業期間中であっても就業ができなくなることもあるわけです。そういう意味で、可 能な限り受入事業主が就業期間については、受け入れるのが望ましいということで、受 け入れてもらうような形で指導できればと考えております。  また、倒産してしまえば賃金債権等の問題があるわけですが、そこは先ほど申しまし た賃金支払確保等に関する法律でと。実際、年間6万件ぐらい出ている中で1万5,000 件が建設業であり、非常に使われている制度であると思っております。そういうものを 周知しながら、非常に不幸な事態ではありますが最低限、再就職の支援に合わせて、そ ういったものを代わりに使われる形で努めていきたいと考えております。  受入事業主が倒産した場合についてですが、受入事業主が倒産すると契約がなくなる 形になりますので、就業は中止するという形になるわけです。ただ、賃金債権自体は本 来の事業主である送出事業主との間で労働者は持っておりますので、賃金が支払われな いということはないと思っております。ただ、急に仕事がなくなってしまう状況ですの で、その辺りは新たな就業先を見つける等の努力を事業主にお願いしたいと思っており ます。最悪の事態として連鎖倒産にならないような形で、きちんとした雇用の安定を図 っていきたいと考えている次第です。 ○椎谷座長  倒産という書き方はしていませんが、例えば「受入事業主指針」には若干触れてある わけですね。つまり、送出された労働者の責めに帰さない格好で受入事業主側での就業 機会が確保できない場合どうするかというのは、若干触れてあるわけですね。 ○吉永室長  はい。 ○椎谷座長  笹田委員が言われるのは、万一、送出側あるいは受入側で倒産等の事態があって労働 者に支障が起きた場合、出された人たちがそのまま働き続けられない場合にいろいろな 問題があるのではないか、その辺をまとめてどうするのかと。例えば賃金の問題、次の 就業場所をどうするかという話でしょう。そういうのをうまくまとめて、これは指針に 書いてあります、これは何とかに書いてありますと整理しておけばよろしいのではない でしょうか。ほかにはありますか。  今日は説明された資料が「政省令」と「送出事業主指針」に関わるものですから、そ こに集中しておりますが、ほかにも「許可基準」「受入事業主指針」もあるわけです。 前回配られた資料が封筒の中に入っておりますが、もうお読みいただいて、特にご意見 があればおっしゃっていただければと思います。  それでは、本日は特に政省令を中心にご意見が出ましたので、それを踏まえて最後の まとめにいきたいと思います。ただ、今日はもう1つ議題があります。政省令指針、あ るいは許可基準については一応議論をしたということにさせていただき、もう1つの議 題に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (了承) ○椎谷座長  それでは、次に「建設雇用改善計画」に関してご議論をいただこうと思います。事務 局から説明をお願いします。 ○下出補佐  資料4「建設雇用改善計画(第7次)(案)」について説明いたします。本来です と、現行第6次計画は平成17年度いっぱい、平成18年度から新たにということになるわ けです。今般法改正により、雇用の安定を含む「労働力需給調整システム」を導入する ことになりました。1月に策定された新たな建設労働対策の中で、労働力需給調整シス テムの円滑な導入を推進する観点から、現行の建設雇用改善計画に、このシステムの運 営方針や、雇用の安定に関する重要な事項を加えた新建設雇用改善計画を策定すること となっております。これを受けて、本法律10月1日施行と合わせて、新しい改善計画を 策定することになっております。  お手元に参考として「建設労働問題研究会」がございます。これは前回議論をしたも のですが、この論点の修正したものと、第7次と第6次の改善計画を対比する表が付い ています。この論点ですが、一部前回いろいろ意見をいただき修正しております。1頁 では「名目で」とか、中段の「昭和60年以下の水準」を「昭和60年の水準以下」に修正 しました。大きい点では、3頁では、「技能の承継」という部分で、プレハブとか工法 の字句の問題、あと、現状の把握の状況です。これを現状追認する形で「プレハブやツ ーバイフォー工法の住宅市場参入や、軸組工法のプレカット化の進行により、従来の技 能が軽視される傾向もあるが、反面、伝統的技能や技術を生かしたものづくりのニーズ も根強くあることから、あらゆる機会を通じて、熟練技能を後世に伝えていくシステム の構築が必要である」という感じで、現状を詳しく記述する形で修正しております。誤 字、誤植等を直しておりますが、これが主な変更点です。  こういう論点を踏まえ、また新たな建設労働対策での議論を踏まえた中で、新しい 「建設雇用改善計画(案)」を作成しているところです。それでは、建設雇用改善計画 の対比表を使い説明いたします。1〜2頁は「骨子」ということで表題を併記していま す。本計画の最大のポイントである、I、計画の基本的考え方は、1の(4)、建設業務労 働者の雇用の安定等に関する事項。この事項を盛り込むことがいちばんのポイントで す。そのほかは、第6次計画は平成13年から平成17年という考え方でしたが、平成13年 当初の動向等については、その時点から動向は建設業界にとりましては悪い方向にいっ ているのですが、全体的な流れはほぼ同じ状態が続いているというものもあり、第6次 計画をベースとして今回の論点等を加味した計画作りとなっています。この1〜2頁で 見ると、いまの「安定等」の記載の部分、2頁の5「建設業務労働者の雇用の安定等」 ということで、このパートが追加になっています。そのほかのパートは、第6次計画の パートとほぼ同じものとなっています。  3頁、「計画の基本的考え方」。アンダーラインを引いている所は主に第6次と変更 している点です。情勢の中では、2007年には人口が減少に転じて団塊の世代が60歳代に 到達するなど、我が国の経済社会が大きな転換点を迎えるという中で、労働力の大幅な 減少、人材の低下などさまざまな問題が生じ、経済社会の低滞を招くおそれが指摘され ています。全体としてこの部分が今回いちばん大きな変化であろうかと思っています。 このような中から建設事業主が必要な技能等を有する労働者を確保し、建設業内外の新 分野に進出することにより、建設労働者の雇用の安定を図ることが重要になっていると 思います。  また技能労働者については、過剰と不足の間を行き来する。過剰とする企業と不足と する企業が常に一定量で存在するという状況。さらに、中高年齢層以上の占める割合が 非常に高い。高齢化した技能労働者の引退や建設業を取り巻く情勢からの訓練の衰退と いったことを踏まえ、高度な教育訓練を受けて、高い水準の技能・技術を習得した人材 の育成・確保が必要になるのではないかという課題を提示しています。また、建設産業 の特性として重層的下請構造、中小零細企業の割合の高さは相変わらず特徴としてあり ます。そういった中で不明朗な雇用関係や臨時・日雇労働者への依存、労働災害の高さ などといった問題への適切な対応は、万全に今後も期していく必要があるという課題で す。  こうしたことを踏まえ、(2)「高い意欲と能力を持つ建設労働者が安心して生活で きる労働環境とする建設雇用改善を推進するとともに建設産業における就業機会の確保 ・拡大を図る」といったテーマで、以下、(1)(2)(3)(4)の4点について、重要な課題と して今後の対策を考えるということです。(1)建設労働者の雇用の一層の近代化を進め、 魅力ある労働環境づくりを図る。(2)能力開発として教育訓練の共同化・広域化を推進 し、その職業能力を高め、そして技能の伝承を図っていく。(3)若年の建設業への入職 促進・定着、高年齢者、女性が活躍できる労働環境の整備。(4)建設事業主が新分野に 進出することを円滑に行うことにより雇用される労働者の雇用の安定を図る。そして、 企業単位での労働力の過不足が恒常的に発生している建設業務労働者の雇用の安定を図 るために、今回創設する2つの事業の適正な運営を確保する。このように大きく4点が ポイントとなって改善計画を策定しています。  計画期間は、10月の施行に合わせて始期を10月、終期は、いまの計画でいくと平成22 年度までに整理したいと思っています。  次は、本文4頁のII、建設雇用等の動向です。これは本文16頁以降の参考資料とし て、建設労働関係統計資料ということで、前回まで計画の中で使っております諸数値を 更新する形で統計表を作っています。こういった統計資料に基づき、動向について把握 しているパートです。これまで委員会において動向について説明しておりますが、それ の集大成となります。  1は建設経済の動向です。平成2年度から平成16年度では、実質ベースで40%の減少 となっております。これまでの傾向について記してありますが、平成18年度は、やはり 景気対策のための大幅な追加が行われていた以前の水準を目安に重点化・効率化が推進 されるという情勢になっていることから、急速に回復することは考えにくい状態と考え ています。  2は雇用者の動向です。平成2年以降増加していたが、平成9年の685万人をピーク に平成16年は584万人で15%の減少となっております。過剰感という点では、昭和60年 の水準まで投資が下がっておりますが、就業者は、その時点より50万人ほどまだ多いと いう状況です。  こういった諸々の動向を比較しておりますが、統計の中で今回変えておりますのは、 これまでは建設業と全産業との比較にしていましたが、今回は建設業を除いた非建設業 の数値を、把握できるものについては限りなく把握し比較の対象としています。(3)雇 用者のうち、日雇労働者の占める割合5.6%が平成16年ですが、非建設業の2%と対照 すると高い。以下、(4)雇用事業所に見る雇用者の割合は、30人未満の割合は相変わず 高い。65%で建設業よりも非常に高い。(5)出稼労働者の就労先産業も、やはり建設業 が多い。(6)若年者の入離職状況についても平成16年は5%でかなり低くなっておりま す。新規学校卒入職3年後の離職率も、高校生で56%。これは全産業との比較となりま すが7ポイントも高い状況です。(7)若年層(29歳まで)の割合は非常に低くなってお り16.1%、非建設業21.6%に比べても低い状況です。(8)高齢化も相変わらず高く、平 成16年では約28%、平均年齢も42.5歳、非建設業と比べてもかなり高い状況です。(9) 女性労働者です。これは職種上難しい部分もありますが、相変わらず低く14.7%という 状況です。  3は技能労働者の需給動向です。過剰と不足の間を行き来している企業が一定以上存 在しており、高齢化が進む一方で若年労働者が減少しており、今後不足していくことが 非常に懸念されている状況です。  4は労働条件の動向です。労働時間についても、平成16年は2,058時間。非建設1,800 時間と比較して200時間も多いという長時間労働である。週休制も土曜閉所の割合がま だ低いこともありますが、平成16年は25.3%と完全週休二日制の導入割合はまだ低い状 況です。賃金の状態も、「欠勤差引なし」は、調査産業の中では低い状況ですが、平成 14年度の調査の34%に比べても平成16年度はやはり低くなっています。逆に「欠勤差引 あり」では、平成16年度は平成14年度より高くなっております。(4)の災害に関しては、 建設業界の努力もあり向上しています。平成7年以降は減少しており、全産業に占めて いる割合は、死傷者数22.8%で低くなっています。しかし死傷者に占める死亡者の割合 は、全産業に比べるとやはり高く、相変わらず危険な産業である状況です。  5は職業能力開発の動向です。(1)建設業のOFF−JT、このデータは古いのです が、平成13年度は63.8に対し、平成14年度は53.8と低下傾向になっています。また、計 画的なOJTも低下傾向で、52.1から43.8という状態になっております。(2)OFF− JTの未実施の理由をアンケートをした結果、いちばん多いのは、仕事が忙しく教育訓 練を受けさせる時間がない。次が教育訓練に要する費用を負担する余裕がないという回 答です。  本文7頁のIIIは、雇用の改善を図るために講じようとする施策に関する基本的事項 で、これからが施策に関する事項となります。総論は論点にもありましたとおり、建設 投資が減少して、建設業を取り巻く環境の厳しさが増す中、建設労働者の雇用が不安定 化、建設労働者の福祉が後退するおそれがあるのが1番大きい問題かと思います。その ような中で、需給調整と雇用関係の明確化、職業能力開発の問題、高齢化の問題といっ たものが前提として存在いたします。  これらを踏まえて、1、魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備。これについて は、(1)の(1)雇入れの主体及び雇用契約の内容等の明確化、雇入通知書の交付等。 (2)労働者の募集及び請負が適正に行われる法令遵守の問題。(3)臨時・日雇といった不 安定な雇用形態の安定就労の確保の問題。これらは前計画と同じですが、こうしたもの についても推進していきましょうということです。(4)労働時間について、いろいろ働 き方も多様化する中で、労働者の健康や生活に配慮した労働時間や休日設定に労使が自 主的に取り組むことを促進する。建設業における完全週休二日制の普及が遅れているの で、その普及に向けた取組みを各部門、現場の状況に合わせて取り組んでいく必要があ る。  (5)は今回の研究会でも論点として掲げておりますが、労働災害の中で墜落や建設機 械が大きな要素ですが、その他、昨今の話題であるアスベストの対策といったものに対 する労働安全衛生の取組みといったものについて、「労働安全衛生マネジメントシステ ム」の普及・定着。安全情報センターの活用といった安全教育を推進していく必要があ るということです。さらに高齢者の割合が高いといったことから、今後も高年齢化が進 む中で労働者の健康管理、職場における適正配置などの指導等を推進することが必要と 思っております。(6)(7)については、相変わらずのことですが、保険等への加入の促進 及び周知。退職金制度加入促進といった普及・啓発指導を強化していくといった点につ いても、前計画同様の取組みをしていきたいということです。 (2)(1)労働環境の整備。福利厚生施設等を含め、引き続きその整備に対し助成等の 措置を行っていく。(2)一層魅力ある雇用の場とするために、助成制度について継続的 に政策評価、見直しを行い、助成制度の効率的、効果的な拡張を図る。政策評価が昨今 は非常に重要なことで、省としても不断に政策評価を行い見直しを進めていくというこ とで、これについて記しております。  2、職業能力開発の推進。これは大きい課題の1つと思いますが、(1)事業主等の 行う職業能力開発の促進。(1)、これは論点にも取り上げましたが、「また」以下、若 年者を初めとした技能労働者の確保、新技術への対応、新規・成長分野への進出、円滑 な労働移動等の面からも職業能力開発は重要な課題ですと、あえて謳っております。  本文の9頁、これも論点として取り上げていますが、「また」以下、さまざまな労働 者が集団として作業を進めている建設現場の実態に即した集団作業。その中での実践的 な技能の向上を図る観点から、建設現場における業務を通じた教育訓練の活用を図ると いうことで、富士教育訓練センターなど、教育訓練施設に対する助成の拡充を含めた検 討を行うのが必要だろうと記しております。その他、公共の職業能力開発施設等を地域 の職業能力開発の総合的センターとして活用するため、訓練指導員の派遣、受託訓練等 の提供についても、その実施を促進していきたいと書いております。  (2)労働者の就業形態の多様化が進む中で、個人ごとの適正なキャリア形成の必要性 が高まっている。また、ニーズに対応した即戦力になるような基礎的な知識と能力を有 する技能労働者の育成といったものも必要だろう。これも研究会において整理したもの ですが、こういったことに対応した助成制度や、職種ごとにモデルプランも前計画時点 で作ってありますが、そういったものを有効活用し、建設事業主等に対して相談・援助 を引き続き行っていくということです。それから、職業能力評価。職業能力評価の結果 が企業内における建設労働者の処遇に結びつくよう方策のあり方について検討を行う。 これは今後の検討かと思っております。(3)は新たに論点として出たITの活用です。 建設現場部門においても、工程、品質管理においてITの活用は非常に目覚ましいもの があり、ITを活用するための能力開発、周知啓発を図っていきたいということです。  (2)自発的な職業能力開発を促進するため、さまざまな支援体制を整備していく。  本文10頁、(3)熟練技能の維持・継承および活用です。先ほどの論点修正の中にも ありましたが、新しい技術進行があるが、かたや伝統的な技術や技能がニーズとしては ある。しかし、若年者が建設業離れをして、高年齢化している。熟練技能者が大量に今 後リタイアすることが見込まれていることから、熟練技能の維持・承継が必要である。 そうしたことから、若年者に対しインターンシップの取組みを通じて現場実習をさせ る。また、熟練技能をいかにして維持・承継していくか。あらゆる機会を通じて熟練技 能を後世に伝えていくシステムの構築を図る必要がある。このために技能労働者を講師 として活用したものづくり教育や学習を円滑に推進するための環境整備を行う。ほか、 技能士の技能、その地位の一層の向上、並びに技能の振興を図るとともに、こうした熟 練技能の重要性は社会に認識されるように卓越した技能者を「現代の名工」として表彰 する。これは能力開発局で進めているところですが、こういった表彰制度を活用、ま た、技能グランプリの開催を推進していく必要があるということです。  3、若年労働者の確保及び建設業に対する理解の促進。(1)は論点でも指摘されてい ますが、新規学卒者をはじめとする若年労働者の割合は平成年間は高まったのですが、 ここ数年は減少傾向であり、高齢化が進んでいます。未就労の若年者に対しても、建設 業に対する関心を喚起するため、ものづくりの重要さ、建設の仕事に対する誇りなどを 感じさせるための情報提供等を積極的に図る必要がある。(2)建設業で働いている若年 労働者がライフステージに応じた生活設計ができるように、体系的な処遇改善を図る。 労働者のキャリアルートの方針の策定から人材育成モデルの普及促進を積極的に進め、 意欲的かつ効果的な施策を実施しいくとともに、これらの取組みを実施する団体等に支 援を行うものです。これは前計画内で作られたものです。(3)国民一般への建設労働に 対する理解の促進。これを引き続き見学会や建設労働の実情紹介をするための方策、体 系的な職業情報の提供等を推進する団体等に対して助成を行っていく。  本文11頁の4、高年齢労働者及び女性労働者の活躍促進です。前計画において「活用 」と言っていましたが、活用となりますと、何か労働者が物のような感じがするという こともあり「活躍」としております。これは後ほど議論をしていただければと思いま す。  (1)の(1)は、いわゆる団塊の世代が高齢化していく中で、高齢者等の雇用の安定 に関する法律、継続雇用制度導入措置の義務づけについて周知、指導等を徹底する。高 年齢労働者の活用に取り組む事業主、高年齢者に対する再就職援助措置を行う事業主に 対して助成を引き続き行っていく。(2)高年齢労働者の特性や健康、体力に対して労働 環境の整備を進めていくために、適正な配置や柔軟な勤務形態、作業方法、安全衛生対 策等の取組みに対して検討していく事業主団体に、引き続き助成・支援をしていく。 (3)技能の継承。重複しますが伝統技能の価値や建設業の魅力等を伝える機会を設ける 技能承継を図るための支援の施策として検討していく。  (2)女性労働者の活躍促進としては、(1)は論点として記載していますが、近年建 設業への女性の関心は高まりつつあります。また女性の少ない分野にもかかわらず技能 者・技術者として就職希望する女性は、かなり意志があり、優秀な人材が多い。そうし た女性たちが就業しやすく、定着できる環境を整備するために、法律として雇用の分野 における男女均等の機会及び待遇の確保等に関する法律がありますので、これに関して 一層の周知、指導を徹底していくなど、女性労働者の建設職場への受入体制の整備を促 進していきたい。  (2)女性労働者が働く中では多少の問題がある。それは移動生産という特性があり、 場所の移動、住所等の移動を伴うことで、やはり結婚・出産で辞められる傾向が強いた め、長期勤続を促進し、家庭生活と仕事の両立を図れるような条件整備を進める。その 他、安全対策の配慮、福利厚生的な施設の助成を通じ、職場環境の改善に努めていくと いうことです。  (3)女性労働者を確保、育成することは、やはり建設業においてもイメージアップの 1つにつながるのではないかといったことから、内装、重機オペレーター等で女性労働 者が活躍している部分が結構ありますので、そういった好事例を作成するなど、建設業 における女性の入職を促進していきましょうということです。  (4)7月4日の「女性の坑内労働に係る専門家会合」の中で、坑内労働に係る女性の 就業の解禁についての検討の一定の結果は出ています。今後まだ議論を行っていく予定 ということですが、適切にその結果を踏まえ対応していきたいということです。  本文12頁の5、円滑な労働力需給の調整等による建設労働者の雇用の安定等。これが 今回のポイントです。今回議論しております有料職業紹介、あるいは就業機会確保事業 の運営方針や雇用の安定に関する事項を定めることを踏まえ、このパートに記載してお ります。内容はこれまでに説明した内容が入っておりますが、(1)円滑な労働移動及 び新分野進出の支援のために、余剰となっている労働者については、ハローワーク、職 業能力開発施設等が連携し、円滑な労働移動を図る。また、総合相談窓口、アドバイザ ーによる相談援助の実施で労働者の雇用を維持し、雇用の安定を図ることが必要であ る。  (2)有料職業紹介事業、就業機会確保事業についての趣旨を定義しております。こ れは重複しておりますので説明は省略します。  ここで訂正をさせていただきます。本文12頁の下から5行目、建設業務労働者終業機 会確保事業となっておりますが、これは「終業」ではなく「就業」ですので訂正いたし ます。  本文13頁、(3)建設業務有料職業紹介事業と就業機会確保事業の適正な運営の確 保。(1)認定や許可に当たって申請者に聞き取りを行う。事業所訪問をするなどにより 申請内容の確認を行う。認定に当たって労働政策審議会にお諮りするという原則論を書 いております。(2)指導監督の体制。ア、こういう事業を行う者から相談に応じること に対する援助。イ、労働者の雇用の安定を重視し、適正な職業紹介を行うほか、送出事 業主及び受入事業主の組合わせを検討する。ウ、労働保険・社会保険の加入手続を促進 する。エ、苦情処理。こうした点について事業主団体に対して指導を行う。  (3)、事業の適正な運営を確保するということから、事業報告の徴収。立入検査等に より適切な指導監督を行う。送出労働者等からの申告に対しても適切に対応していく必 要がある。(4)有料職業紹介事業や就業機会確保事業の趣旨、送出事業主・受入事業主 に課せられる使用責任の内容等について周知啓発を図る。繰り返しになりますが、申告 制度についても適切に処理していく。こうした雇用の安定に関する取組みを、この計画 の中にしっかり盛り込んでいくことが大きなポイントです。  本文14頁、6、雇用改善推進体制の整備。(1)雇用管理体制等の整備。これに関し て、元請事業主の役割が適切に果たされるようにする。(2)事業主団体等における効 果的な雇用改善の推進を引き続き行う。(3)地域の実情を踏まえたきめ細かな雇用改 善の推進をする。雇用改善に関するいろいろな運動がありますが、それを推進するとい うことです。(4)雇用改善の気運の醸成。これも毎年11月に「建設雇用改善推進月間 」を設定し運動を行っていますが、こうしたことを通じ、雇用改善に取り組む気運の醸 成に努めていく。(5)雇用改善助成金の活用。これは先ほどの課題のところでも申し ましたが、政策評価に基づき効率的・効果的な運用を図っていくものです。(6)関係 行政機関相互の連携の確保。先ほどの推進月間、その他、各関係行政機関で行う「建設 雇用改善推進会議」の活用等を図っていくということです。(7)雇用改善を図るため の諸条件の整備。労務関係諸経費の確保、適正な工期の設定などを、やはり建設業行政 等を始めとする関係行政機関による指導により、適切な対応を行い雇用改善を推進して いく必要がある。あと、公共工事の発注は平準化をできるだけ進めることについて理解 と協力を各発注機関にお願いする必要がある。  7、外国人労働者問題への対応。この点については、論点においても慎重に検討して いくべきということです。結果から言うと第6次の記載内容と変わらない状況ですが、 やはり慎重な問題ですので、引き続き慎重に検討していくといった旨の記載をしており ます。  時間がなく多少端折った部分もありますが、第7次計画素案として提示させていただ きます。 ○椎谷座長  ありがとうございました。本日は本格的に議論する時間がないわけですが、いまここ で気が付かれた点がありましたら、1、2点お伺いできればと思います。 ○笹田委員  一部改正時にも指摘をしたところですが、建設業に、いわゆる偽装派遣の問題があり ます。これは今後やっていくということですが、その辺の記述もされておいたほうがい いと思います。重要な点ですから、そこは是非お願いしたいと思います。どこにどう付 けるか、ちょっと見たのですが見受けられないので、その辺のところはよろしくお願い いたします。 ○下出補佐  はい。 ○白木委員  文言でちょっと気になる所があります。2の「職業能力開発の推進」で、レジュメの 12頁の左右対照のものです。ここの(2)「ニーズに対応した即戦力になるように基礎的 な知識と能力」と書いてありますが、即戦力になるようにするには「基礎的な」では少 し違うのではないかという感じがします。例えば、幅広い基本的なとか、そういうので ないと対応できないのかなと思います。これは文言ですが、ちょっと考えていただけれ ばと思います。 ○下出補佐  わかりました。 ○下永吉委員  「女性の坑内労働の解禁に適切な措置を講ずる」とありますが、適切な措置というの は何ですか。これは我々が要望書を出して始まった話だから十分よくわかっているので すが、雇用改善計画の中で「適切な措置を講ずる」となっていますが、何の話でしょう か。これは「対応する」ですか。 ○吉永室長  基本的には研究会の検討結果に即した形です。 ○下永吉委員  報告はもう出たのですか。 ○吉永室長  はい。法改正が必要な事項ですので、直ちにやる、やらないということが、私どもの 計画の中に書き込めないということです。 ○下永吉委員  この文言は要らないのではないですか、解禁になるのだから。何に対応するのかがよ くわからないのです。 ○椎谷座長  女性が坑内労働するについて配慮すべき点があるということなのでしょう。それを行 政としても対応しようと。具体的に法改正をする事項とそうでない事項があって、それ がこれから詰まっていくと。そういうのを見て、具体的な中身を決めたいという趣旨だ と思うのです。 ○吉永室長  そうです。 ○椎谷座長  だから、書こうと思えば書けるけれど、今の段階では書ききれないということでしょ う。 ○吉永室長  そうです。 ○椎谷座長  今まで女性は坑内労働はできないことになっているのを、解禁するということですか ら新しい動きなのでしょう。そこのところを何か対応したいという気持が現われている と思います。 ○下永吉委員  何か腹案があるわけですな。 ○吉永室長  全体の流れを見ながら対応すべきことをやっていきたいということです。そもそもの 前提については、まだ私どもとしては。 ○下永吉委員  改善計画だから書けないようなものは省いたほうがいいのではないですか。 ○吉永室長  ただ、経過期間中にこういう動きが出てくるかもしれませんので、とご理解いただけ ればと考えております。 ○下永吉委員  途中で修正はできるわけですね。 ○吉永室長  不可能ではありません。 ○下永吉委員  早くても来年の常会だから。 ○椎谷座長  わかりました。奥田委員、どうぞ。 ○奥田委員  10頁の(3)「出稼労働者の安定就労の確保等を推進する」と。私の現状認識として出 稼労働者の問題があるのかないのか、よくわからないのですが、出稼労働者という言葉 を使っていますね。 ○才賀委員  いま我々の業界には、出稼労働者はほとんどいないのではないでしょうか。 ○奥田委員  そういう人たちはいるのかな、という疑問で質問しました。 ○才賀委員  土木はどうですか。 ○奥田委員  土木はよくわからないのです。出稼労働者という位置づけで世の中動いているのかな という疑問があるのです。 ○才賀委員  冬は、土木は若干あるかもしれないです。 ○笹田委員  土木はあるのではないですか。 ○才賀委員  冬場、秋田や新潟の雪の多い所から少ない所へ。 ○吉永室長  次回にどのくらいいるかという資料はお出しいたします。だいぶ減ってはいますが、 なくなったという状況ではないと思っております。 ○笹田委員  住宅はまだ残っています。例えば冬場、山形の雪の深い所から。私どものレベルで言 えば組合ベースで、集団でこちらの住宅メーカーの所に来るのはあります。 ○椎谷座長  そうすると、実態はあるわけですね。 ○才賀委員  失業保険を調べれば、すぐわかるのではないですか。 ○吉永室長  そのデータがありますので、次回にそれをお出しいたします。 ○椎谷座長  まだご意見があるかと思いますが時間もまいりましたので、この問題については次回 ということにしましょう。 ○小宅補佐  1点だけ訂正があります。先ほど下永吉委員から日帰り地域のご質問を受けました。 私から建設業法上の規制があるやにと聞こえるような発言をしましたが、別にそういう ことではありません。日帰りで帰れるという所は、ここでは書いてありますが、他の法 令で、もし何か記載があればそれは別の話ということです。建設業法上、規制があると いうことではございません。この点だけ訂正させていただきます。 ○椎谷座長  それでは本日の委員会はこれまでといたします。最後に本日の議事録の署名委員の指 名を行わせていただきます。雇用主代表の奥田委員、労働者代表の笹田委員にお願いい たします。よろしくお願いいたします。  次回の日程等について事務局からご説明ください。 ○下出補佐  次回は8月22日(月)、午後3時から5時までです。場所は経済産業省別館825会議 室です。 ○椎谷座長  日程を見ますと、22日の次は25日ですので、これから2週間でいままで出ました資料 を、もう一度ご覧いただいて、ご意見があればまとめておいていただければと思いま す。22日にご意見を伺い、おそらく25日が最終の議論になるかと思いますのでよろしく お願いいたします。  では、本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。                     照会先:厚生労働省職業安定局                          建設・港湾対策室 建設労働係                     TEL:03-5253-1111