平成17年8月29日
照会先:健康局疾病対策課
野上・川口
 (代表)03-5253-1111
 (内線)2353・2354

厚生科学審議会疾病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会
(第10回)の概要について


.本日、厚生科学審議会疾病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会(委員長:北本 哲之・東北大学医学部教授)が開催されました。

.厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業「プリオン病及び遅発性ウイルス感染に関する調査研究班」クロイツフェルト・ヤコブ病サーベイランス委員会において調査された症例についての解析結果が報告・検討されました。

 (1)平成11年4月1日から平成17年1月31日までに得られたクロイツフェルト・ヤコブ病等(以下、「プリオン病」という)の患者に関する情報は852件(重複して報告されている例を含む)となりました。このうち、平成16年2月1日から平成17年1月31日の間に、サーベイランス委員会によって収集された157例に関する情報について、本委員会において検討しました。
その結果、157例中128例がプリオン病と判定され、現行のサーベイランス体制(平成11年4月1日に整備)以降確認された症例は629例となりました。
 また、乾燥硬膜移植歴を有する症例が新たに8例報告され、これまでに把握された乾燥硬膜移植歴を有する症例は116例(累計)となりました。

 (2)平成11年4月1日から平成17年1月31日までに、プリオン蛋白遺伝子検索は374例で実施されており、11例を除く363例で結果が判明し、そのうちプリオン蛋白遺伝子の異常を認めたのは78例で、その内訳はコドン102が21例、同105が2例、同178が3例(家族性クロイツフェルト・ヤコブ病1例、家族性致死性不眠症各2例)、同180が17例、同200が17例、同208が1例、同232が8例、extra-repeat insertional mutationが1例、詳細不詳が7例でした。

.感染症法に基づくプリオン病の届出症例については、平成17年には7月31日現在で合計75例(概数)であった旨の報告がありました。

.サーベイランス体制の強化については、感染症発生動向調査を用いてサーベイランスをより強化することになりました。



表1.患者の性・発病年の分布
 
発病年 -1995 7 ( 3) 10 ( 3) 17 ( 3)
1996 2 ( 1) 3 ( 1) 5 ( 1)
1997 7 ( 3) 23 ( 6) 30 ( 5)
1998 21 ( 8) 33 ( 9) 54 ( 9)
1999 30 (11) 54 (15) 84 (13)
2000 44 (17) 56 (15) 100 (16)
2001 52 (20) 60 (17) 112 (18)
2002 44 (17) 46 (13) 90 (14)
2003 37 (14) 55 (15) 92 (15)
2004 22 ( 8) 23 ( 6) 45 ( 7)
 
266 (100, 42) 363 (100, 58) 629 (100,100)

注)括弧内は%(四捨五入の関係で合計は100%にならないこともある)


表2.性・年齢別人口あたりの患者数
年齢(歳)  
患者数 人口
(千人)
人口10万人あたり
患者数
患者数 人口
(千人)
人口10万人あたり
患者数
 -39 12 30762 0.039 8 29537 0.027
40-49 12 8319 0.144 22 8233 0.267
50-59 54 9461 0.571 72 9628 0.748
60-69 91 7093 1.283 116 7711 1.504
70-79 77 4288 1.796 119 5742 2.072
80- 20 1566 1.277 26 3274 0.794

注)人口は2000年の国勢調査結果


表3.患者の発病時年齢分布[病態別]
年齢(歳) 全患者 孤発性
CJD1)
変異型
CJD
硬膜移植
歴のある
CJD
遺伝性プリオン病 分類
未定の
CJD3)
家族性
CJD2)
GSS FFI
10-19 2         2 ( 4)            
20-29 5 ( 1)       4 ( 7) 1 ( 2)        
30-39 13 ( 2) 6 ( 1)   3 ( 5) 1 ( 2) 3 (12)    
40-49 34 ( 5) 19 ( 4) 1 5 ( 9) 4 ( 7) 3 (12) 1 1
50-59 126 (20) 90 (18)   12 (22) 11 (20) 12 (50) 1  
60-69 207 (33) 165 (34)   20 (36) 17 (31) 4 (17)   1
70-79 196 (31) 169 (34)   8 (15) 16 (30) 2 ( 8)   1
80-89 46 ( 7) 41 ( 8)   1 ( 2) 4 ( 7)        
 
629 (100) 490 (100) 1 55 (100) 54 (100) 24 (100) 2 3
629 (100) 490 ( 78) 1 55 ( 9) 54 ( 9) 24 ( 4) 2 3
 
平均(歳) 65.0 66.6   56.5 64.5 54.3 51.5  
標準偏差(歳) 11.5 10.0   16.3 12.6 10.8 7.8  

1)プリオン蛋白遺伝子の検索を行っていない例を含む.
2)プリオン蛋白遺伝子の変異を認めないが,CJDの家族歴がある例を含む.
3)硬膜移植歴の有無を調査中が2例,プリオン蛋白遺伝子検索中が1例ある.
括弧内は%(四捨五入の関係で合計は100%にならないこともある)

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