05/07/22 独立行政法人評価委員会調査研究部会第16回議事録             独立行政法人評価委員会調査研究部会                   (第16回)                   日時:平成17年7月22日(金)9:30〜12:30                   場所:富国生命ビル(第1会議室) 出席者:市川委員、岩渕委員、酒井委員、清水委員、鈴木委員、田村委員、武見委員、     政安委員、中村委員(五十音順) 1.開会 ○政策評価官  ただいまから第16回の独立行政法人評価委員会調査研究部会を開催させていただきま す。事務局を担当いたします政策評価官の岩渕でございます。どうぞよろしくお願いい たします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして本当に ありがとうございます。本日は委員改選後の最初の会合になりますので、部会長を選出 していただくわけでございます。それまでの間、私の方で議事の進行を務めさせていた だきます。 2.委員紹介 ○政策評価官  それでは初めに委員の先生方の御紹介をさせていただきます。お手許の資料、議事次 第の次の頁に資料1−1として委員名簿をつけてございます。ごらんいただきたいと思 います。  市川厚委員でございます。岩渕勝好委員でございます。それから本日は御欠席でござ いますが岸玲子委員、それから岩渕委員のお隣が酒井一博委員でございます。清水涼子 委員でございます。鈴木友和委員でございます。田村昌三委員でございます。武見ゆか り委員でございます。政安静子委員でございます。中村英夫委員でございます。  そして大変失礼で申しわけないのですが、田村先生のお仕事は横浜国立教授の客員教 授ではなく、横浜国立大学教授でいらっしゃいます。大変失礼いたしました。 3.議事 (1)部会長・部会長代理選出 ○政策評価官  それでは議事に移ります。議事次第の第1は部会長代理の選出でございます。初めに 本部会の部会長を選出していただきたいと存じます。部会長の選出につきましては、独 立行政法人評価委員会令の第5条第3項におきまして、当該部会の委員の互選により選 任するということが定められております。どなたか御推薦をいただけますでしょうか。 ○清水委員  これまでの独立行政法人評価委員会での御経験が長く、また、担当3法人の業務全て に精通している田村委員が適任だと思います。 ○政策評価官  どうもありがとうございます。ただいま田村委員を部会長にという御推薦をいただき ましたが、皆様いかがでございましょうか。 ○委員全員  異議なし。 ○政策評価官  どうもありがとうございます。それでは田村委員に本部会の部会長をお願いしたいと 存じます。以後の議事進行につきましては部会長によろしくお願いしたいと存じます。 部会長席の方にお移りいただけますでしょうか。 ○田村部会長  ただいま部会長を御指名いただきました田村でございます。何分にも不慣れでござい ますので、ご迷惑をおかけするかと思いますが、どうぞよろしく御協力のほどお願い申 し上げます。では着席させていただきまして、以降の議事進行を務めさせていただきた いと思います。  それではまず初めに部会長代理を決めさせていただきたいと思います。部会長代理は 評価委員会令第5条第5項におきまして、部会長に事故がある時、あらかじめ指名する 委員がその職務を代理するということになってございます。部会長が指名するというこ ととされておりますので、これまでの御経験、御見識から、本日は御欠席でございます が、岸委員に部会長代理をしていただきたいと考えておりますが、いかがでございまし ょうか。 ○委員全員  異議なし。 ○田村部会長  ありがとうございます。それでは岸委員には別途部会長代理をお願いしたいと思いま すので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 (2)独立行政法人評価委員会総会決定事項等について(報告) ○田村部会長  それでは次の議事に移らせていただきます。去る7月6日に第13回独立行政法人評価 委員会が開催されましたが、そこでの決定事項等につきまして事務局から御説明をお願 いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○政策評価官  それでは説明を申し上げます。お手許の資料1−2をごらんいただきたいと思いま す。厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規定でございます。7月6日の総会におき まして一部改正がございました。その点を御説明をいたします。  資料の下三分の一ぐらいのところに第3条の2という、(議決権の特例)という規定 が追加されました。読みますと、「委員並びに議事に関係のある臨時委員及び専門委員 のうち、審議の対象となる独立行政法人の事務及び事業について利害関係を有する者 は、当該独立行政法人にかかる評価について議決権を有しないものとする。」という規 定が新たに加わりました。  これは昨年の秋から当省に限らず、各省におかれております独立行政法人評価委員会 の委員が評価の対象となる独立行政法人等の仕事をお引き受けになって、報酬を受けて おられるということが、その中立的な評価という観点から問題ではないかということ で、マスコミでも報道されましたし、また国会でも議論があったということが背景にご ざいました。各省庁の状況は非常に似ているのでございますが、複数の省庁におきまし て今回総会において決めていただきましたこの規定と同趣旨のルールを定めているとい うようなことでございます。  利害関係を有する者という、この利害関係の解釈が難しいところでございますが、総 会の場で御説明をいたしましたのは,まず、評価対象の法人の役員や職員をお引き受け になると、これは双方兼ねておられるような立場になりますので、利害関係ありという ことになるのであろう。それから継続的に同じお仕事をお引き受けになって報酬を受け 取られるということも利害関係がありということに該当するのではないかということで ございました。  その他、総会の場では御議論がございまして、例えば研究費などについては、透明性 の高い第三者の機関で審査されている場合には問題ないのではないかというような御議 論がございましたし、それから1回限りのシンポジウム等の御出席は基本的に問題はな いと思うのですが、それが金額が法外な金額であればやはり問題ではないかというよう な御議論もございます。その辺は一律決め難いということで、該当するのではないかと 思われるケースがあれば、その委員の方から部会長あるいは総会の場で委員長をお申し 出をいただいて、部会長委員長において御判断をいただくというような扱いにさせてい ただければと考えております。以上がこの運営規定の報告でございます。  それからもう一つ、資料1−3というものをごらんいただきたいと思います。独立行 政法人の業務システムの最適化についてということで、わかりにくい日本語なんです が、大型のコンピュータシステムを持っているところが関係省庁は多くあるわけです が、その合理化の話であります。政府内では当省の社会保険庁を初めとして、大変大規 模なコンピュータシステムを持っているところが多いわけですが、システム自体の設計 が非常に旧式であるとか、あるいは業務の見直しが伴っていないために効率が悪い、そ れから契約の形式が随意契約であったり、データ通信契約というようなことでやってお ったりするということで、コスト高になっているんじゃないか、そういうようなことで 政府全体としてこのシステムの見直しを進めていくということになっておりまして、そ れを業務システムの最適化と呼んでおります。  政府部内ではそういうことで今各省取り組んでいるわけですが、同じようなことを各 省所管の独立行政法人にもやっていただくということが6月に各省庁間で決定されまし た。独立行政法人は独立した存在でございますで、こういうことをやっていただくとい うことになりますと、大臣が中期目標を改正して盛り込むという手続きをとって、その 上でまた契約を改定していただくという作業になるわけですが、それを中期目標に盛り 込むことを17年度中に行うということになっております。  ただ、そもそもコンピュータシステムが一定の規模のものがないところは対象になり ませんので、今該当するかということを調査をしている段階でありまして、当部会所属 の三法人に該当するかどうかは今の段階ではわかりませんけれども、全体としてはこう いった動きになっているということを御報告をしたいと思います。総会での決定事項に ついては以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局の御説明につきまして御質問等はござい ますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは次の議題に移らせていただきたいと思 います。当面の調査研究部会のスケジュールにつきまして事務局より御説明をお願いし たいと思います。 (3)当面の調査研究部会のスケジュール等について(報告) ○政策評価官  それでは資料1−4をごらんいただきたいと思います。この部会の今後のスケジュー ルであります。本日は午前と午後を続けまして16回17回の部会を開催して、午前中は産 業安全研究所、午後は国立健康・栄養研究所の個別評価をお願いしております。  それから8月に入りまして、8月3日は第18回の部会で、産業医学総合研究所の個別 評価、8月11日は第19回の部会で16年度の業務実績評価及び財務書評に関する意見のと りまとめ、これは三法人合わせてのとりまとめでございます。8月18日は第20回の部会 ですが、ここではこの三法人いずれも中期目標期間終了が今年度となっておりますの で、中期目標期間全般にわたる評価をお願いするわけです。ただ、最終年度はまだ結果 が出てないということで、そういう意味で暫定評価という名前になっておりますが、期 間全般の評価をお願いしたいと思います。  それから中期目標期間終了に伴って法人の見直しをしていかなければならないわけで すが、産業医学総合研究所、産業安全研究所につきましては、昨年見直しの前倒しの対 象となり、3年たったところで見直し案を作成したところですが、今年は国立健康栄養 研究所の見直し案を、省の方から提示いたしまして御意見をお伺いするということにな っております。この作業をしていただいた上で、この中期目標期間終了時の暫定評価及 び見直し案の意見については、総会にも諮るという手続きになりますので、8月31日の 総会で同じく御承認をお願いするという手配になっております。  それから9月に入りますと、総務省の評価委員会との関係で、当省の間で栄養研の見 直しに関する研究班などが行われます。それから11月にはまた総務省の評価委員会で勧 告の方向性を決定を受け、これをふまえて各省同じですが、最終的な見直し案を作成し て、12月には最終的な御意見をまとめていく予定です。、これも12月中に総会にお諮り をするというようなスケジュールを予定しておりますので、よろしくお願いいたしま す。  例年のことではございますが、7〜8月の暑い時期に集中して会議をお願いすること になって大変申しわけないと思いますが、8月末の概算要求に向けて8月中に評価を終 えていただくという仕組みになっていて、どうしてもこの時期にお願いすることになっ てしまいますが、何分事情をお汲みいただきよろしくお願いしたいと思います。以上で ございます。  それからもう一点、資料1−5の御説明をいたします。当委員会では四つの法人につ きまして評価を部会全体としてやっていただくわけでありますが、ただ、主たる御担当 を決めていただきますと意見のとりまとめに際しまして、その主たる担当の委員中心に 起草の作業を行っていくことができて効率的かと存じまして、その担当を決めていただ くということを提案しております。  案といたしましては、国立健康・栄養研究所の担当が武見ゆかり委員、政安委員、産 業安全研究所の担当が田村委員、中村委員、産業医学総合所担当が岸委員、酒井委員、 医薬基盤研究所担当が市川委員、鈴木委員、財務書評及び剰余金の使途に関する意見担 当は岩渕委員、清水委員、以上の分担で起草委員をお願いしたいという案でございます ので、御審議をお願いいたします。 ○田村部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局の御提案につきまして何か御質問、御意 見はございますでしょうか。よろしゅうございますか。それでは起草委員はこの案の通 りとさせていただきまして、総合評価の際には○印のついた委員から御報告をいただく ということにいたしますので、どうかよろしくお願い申し上げます。本日からの個別項 目の評価の進め方につきまして、事務局から資料が用意されてございますので、御説明 をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 (4)独立行政法人の個別評価の進め方について ○政策評価官  それでは資料1−6をごらんいただきたいと思います。個別評価に関する評価の進め 方についてでございます。本日、午前中に産業安全研究所、午後に国立健康・栄養研究 所、それから次回は産業医学総合研究所の順に、各法人全てにつきまして個別評価を行 っていただきます。評価の作業ですが、まず初めに各法人の理事長さんから重点事項の 御説明を10分程度お願いをするということにしております。このお話を聞いていただい た後に、各法人ごとに評価の項目を20項目程度用意しております。この20項目を四つに 分けてグルーピングいたしまして、グループごとにまとめて説明をしていただくという ことになります。  次の頁をめくっていただきますと、各法人の評価の個別項目のリストがございます。 20ちょっとの項目になっておりますが、これからやっていただく産業安全研究所につき ましては、最初1〜4までの管理的な事項でありますが、この部分についてまとめて御 説明をしていただき、そして評価の作業をしていただくということになります。  グループごとの説明をしていただい後で質疑応答、そして10分程度で評価結果を各委 員が評価シートに御記入いただくということになるわけですが、その評価シートです が、お手許の資料の一番下にこのような大きな評価シートが用意してございます。それ で評価シート1頁目に(1)と書いてございます。これが21枚あるわけです。それで4 グループに分けますので、最初に1〜4まで、4枚のシートについてまとめて法人から 御説明をいただいて、その御説明に基づいて質疑応答、そして評定の記入をお願いする わけです。  御記入いただくのはこのシートの右側の下の評定という部分になるわけです。評価シ ートを上から見てみますと、左上にまず大臣が定めた中期目標がございます。それに対 して法人が作成して大臣が認可した中期計画がございます。それに対して16年度は何を やるかということについて法人が16年度の計画を定めておりますので、その内容がここ に書いてございます。そして16年度が終った結果、法人としてどういう業務の実績があ ったかということをその右側の欄に今回御記入をいただいて報告をしていただくことに なります。そういう目標計画と実績について、どういう視点から評価をしていくかとい うことを、左下に評価の視点という欄があって、これはすでにお決めいただいているの で、これに基づいてお考えいただきたいと思います。  その次の自己評定とある欄は、これは法人の方で自己評価をしていただいて、5段階 評価でどういう結果であったという評価を下す、この場合はAと書いてありますが、な ぜそういう評価をしたかということの理由と特記事項を御記入いただいておるというこ とです。以上をふまえて、最後に委員それぞれに右側の欄にまず評定で5段階評価でS からDまでの評価、その理由の記入をお願いするわけです。  この評定の書き方ですが、大きなファイルが席の方にございますが、このファイルを めくっていただきますと、最初に青い部分の(5)という資料を見ていただきますと、厚 生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準というのがございます。それ で今回お願いしておりますのは、事業年度にかかる業務の実績に関する評価でございま すので、1頁の下半分2のところがここになるわけですが、そして評価書は総合的な評 価と個別的な評価からなるわけですが、きょうの作業は個別的な評価になりますので2 頁の上になるわけです。  そうすると個別的な評価は中期計画の個別項目ごとの進捗状況について測定するもの とする。個別的な評価にあたっては個々の業務の実施状況を幅広く把握し、可能な限り 客観的な評価の実施に務めるものとする。評価は以下の判定基準に基づく5段階評価と し、原則としてその理由を付記するものとするということで、Sが中期計画を大幅に上 回っている、Aが中期計画を上回っている、Bが中期計画に概ね合致している、Cが中 期計画をやや下回っている、Dが中期計画を下回っており、大幅な改善が必要だという ことでございます。この作業をお願いしたいということでございます。  さらに詳細なルールは6のところにその評価細則というのがございまして、考慮すべ き事項などが書いてあるわけでございますが、これは説明は省略させていただきまし て、適宜御参照いただければと思います。そのようなことで評価書を記入していただい て、本日お帰りの時にはこれを置いて返っていただきますと、私どもの方で評点は集計 し、またコメントの方はまとめて総合評価の際に資料で用意させていただくというよう な手続きで進めていきたいと思います。説明は以上でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局の御説明につきまして御質問等はござい ますでしょうか。 ○酒井委員  今までの説明でよくわかりましたが、これから行われる案件、それから次回の産医研 の合流といいますか、合併が決まっているわけですね。その場合にそのことを視野に私 たちは背景におきながらやった方がいいんですか。全く昨年度の個別の事業についての 評価をそのままやればいいんでしょうか。 ○政策評価官  基本的には例年通りの、もう目標も計画も変わってないわけでありますので、それに 従ってやっていただきたいと思います。 ○田村部会長  よろしゅうございますか。他にはいかがでございましょうか。それではこのような方 法で個別評価を進めさせていただきたいと思います。実際の評価に移るわけですが、本 日の進め方につきまして事務局より御説明をいただきたいと思います。よろしくお願い いたします。 ○政策評価官  今申し上げたことと重なりますが、それではこれからまず理事長さんから16年度の事 業のうち、特に重点的な事業につきまして10分程度で最初にお話をいただきます。その あと個別項目につきまして、4グループに分けまして順次作業をしていただきますが、 大まかな時間配分として1グループにつきまして法人の方からの御説明で15分、それか ら御説明に対する質疑で10分、それを受けて評価シートを記入していただく時間が10分 ということで、この1グループ35分ということになると思いますが、これを4回やりま すと140分ということで、最後に計算上5分ほど余るのですが、そこで総括していただく ということで午前の部は終了ということで予定しております。なかなかこの通り進まな いのでございますが、そういったことでやれればと思っておりますので、どうぞよろし くお願い申し上げます。 (5)独立行政法人産業安全研究所の個別項目に関する評価について  (平成16年度事業の重点事項について) ○田村部会長  それでは産業安全研究所の鈴木理事長から法人の平成16年度の事業のうち、特に重点 的な事項につきまして御報告をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたしま す。 ○産業安全研究所理事長  産業安全研究所理事長の鈴木でございます。冒頭にお断りをさせていただきたいので すが、私どもの16年度まで理事長をやっておりました尾添というのがこの3月に任期満 了で退任をいたしました。その後任ということで4月から理事長を仰せつかっておりま す。よろしくお願いいたします。私の方から16年度の事業の重点事項ということで説明 をさせていただきます。  皆様のお手許にカラーのパワーポイントの資料があるかと思います。それに基づいて 説明をさせていただきたいと思います。1頁目の下の方ですが、新しい委員の方もいら っしゃると思いますので、冒頭に私ども産業安全研究所、それから我々の業務につきお さらいというようなことをさせていただきたいと思います。  私ども産業安全研究所、略称として安研と言っておりますので、安研という言葉で言 わさせていただきますが、安研は我が国で唯一の産業安全を専門とする行政ミッション 型の研究所でございます。労働安全行政と密接に連携をとりながら調査研究というもの を通して我が国の労働災害の防止、産業現場の安全水準の向上ということに寄与すると いう役割と使命を担って仕事をしております。  労働災害の防止に寄与するといいましても、いろいろな形のものがたくさんあるわけ ですが、例えば一例ということで申し上げますと、私どもの調査研究、あるいは災害原 因調査の結果というものは、例えば安全関係の法律、規則、そういったものの補正改 定、あるいは基準とかガイドライン、そういったもので世の中に出ていっているという ことで御理解をいただけるのではないかと思います。  それでは16年度の私どもの重点事項ということで、2枚目をめくっていただいて、上 のスライドで説明をさせていただきます。まず最初に重点事項への我々の考え方,これ を最初に申し上げたいと思います。ざっくり申し上げて大きく言えば二つございます。 我々安研が特徴を持っている、そういう業務をより積極的に推進しよう、これがまず一 つです。 それから二つ目は、この部会でもいろいろ今まで私どもの業務について御評 価いただいてきているわけですか、そういった評価をいただいて、高い評価をいただい ている事項については、それを継続維持していこう、大きくこういった二つの考え方で 重点事項ということを考えております。そういった考え方のもとで、平成16年度は大き く言うと三つほど力を入れたということになろうかと思います。  そのまず第一点が内部進行管理の充実ということに関する事項でございます。これは 評価シートが後ほど出てくると思いますが、一番目の評価シート、あるいは二番目の評 価シートに関係する事柄でございます。  私ども、平成13年に独立行政法人になったわけですが、その時に業務を柔軟に行おう ということで、それまでの国研時代、4部2課の体制であったわけですが、それを2部 1課というシンプルな形に変えまして、柔軟に仕事に対応しようということで、その件 に関しましてはこの評価委員会でも高く評価をいただいていた事柄でございます。した がって16年度もそういった機能している評価を十分継続するように意を尽くしたという ことがございます。  例えば複数の研究グループで一つの課題に対応する、あるいは災害原因調査でも、複 数のグループからそれぞれ人を参加させて効率的に柔軟に対応しようというようなこと でやってきております。  第一点目の中の二つ目ですが、所内のいろんな制度がございますが、その中で個人業 績評価に関する事柄ですが、これは従来から我々いろいろ試行錯誤を繰り返して苦労し てやってきているのですが、平成15年16年で個人業績をポイント方式でカウントして客 観性・透明性・公平性を保った形でカウントしていく方法を何とか編み出してきまし た。また所内の業務管理のいろんなデータベースがございますが、そういったものとの 連携、整合を図るというようなこともやってきております。何とか形になってきたので はないかなということで、平成16年度の個人業績の結果というのは、本年度になります が、17年度に期末手当に反映させる等々、何とか形にすることができてきた、そういっ たことでございます。  それから16年度に力を入れた第二点目になりますが、これは研究業務、それから災害 調査、そういったものの積極的な推進ということになろうかと思います。これは評価シ ートの方でいいますと6番目7番目8番目あたりに関係してくる事柄でございます。い わずもがなでございますが、調査業務、災害原因調査、これは私どもの一番重要で大切 なメインの仕事でございます。  先程ちょっと申し上げました内部進行管理との絡みもございますが、研究業務、ある いは災害原因調査業務というのは、私どもの研究所の中にあります内部研究評価会議、 それから外の先生方にお出でをいただいて評価をいただく外部研究評価会議、こういっ た評価を通じまして適切な研究課題の設定、あるいは的確な進行管理のもとで十分適切 に業務を進行したというふうに考えております。その結果、16年度では年度当初計画し ていたものはもちろんのことですが、プラスαを含めて予期以上に成果を上げることが できたのではないかなと思っております。  プラスαの例としては後で話があるかと思いますが、年度計画の当初にはなかったわ けですが、これはRDF、これはゴミ、固形、これの火災が起こりまして、それの危険 性、あるいは安全な取扱いをどうしたらいいかというのが社会的な要請もありまして、 私どもで安全ガイドというようなものにまとめて公表をした、それに通して現地の局署 等の指導その他を合わせて行ったということで、プラスαというふうに考えておりま す。  あとは基盤的研究の方の成果が特許に結びついたというふうなことがございます。16 年度に入りましていくばくかの特許収益を上げることができたというようなこともあり ます。こういった点は私どもは力を入れた点ではなかったかというふうに思っておりま す。  それから第三点目ですが、国内外の基準の制改定への科学技術的貢献、これは後ほど 出てくる評価シートでは9番目にシートにあたるわけですが、例年と比べて私どもこの 項目に関しては多くの事柄に関しまして具体的な形になったものを研究所として貢献で きたのではないかというふうに考えております。先程のRDFの安全ガイドもそうなん ですが、皆様御記憶にあるかと思いますが、六本木の回転ドアの事故がございまして、 あの事故のあと安全基準を作らなければいけないという話になりまして、JISの安全 基準を作ることになったわけですが、実は中立的な立場で技術的にもそういうことに対 応できる頭脳というが実は国内ではあまり数が多くなかったということがありまして、 産業安全とは直接関係はないわけですが、私ども機械の安全ということに携わっている 人間がおりまして、そういった者が要請をされまして、実際には中心的な役割を担った ということがございます。こういったようなことでいろんな基準の制改定にも力を注い だということがあろうかと思います。  時間の関係もございますので、重点事項に対する基本的な考え方ということと、力を 入れた点、三つほど紹介をさせていただきました。以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして御質問等はございますでし ょうか。よろしゅうございますか。それでは個別評価の方に移らせていただきたいと思 いますが、まず第1グループの評価シート右下の項目番号が1〜4までの実績につきま して御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。               (個別項目1〜4の評価) ○産業安全研究所研究企画調整部長  産業安全研究所研究企画調整部長の前田でございます。以下、私の方から説明をさせ ていただきます。初めに評価シートをごらんいただきたいと思いますが、評価シートそ のものは基本的に昨年までと同様でございますが、今年少し書き方を変えた点がござい ますので、それを先に説明いたします。  評価シートは横長の大きなものでございますが、上の段の真ん中に平成16年度計画と いうところがございまして、ここに16年度計画が書いてございます。そのちょうど真下 あたりに自己評定の欄がございまして、その一番左側に評価の視点というのがあるわけ です。この構造は今までと同じなんですが、自己評定の欄の記載の時に、1頁目で申し ますと初めに計画視点というふうにカッコで括った記入がございますが、これで計画と 書いてありますのはその上の16年度計画でこういうことをやりますと書いてあるわけで すが、その内容に対して実施されたかどうかということを項目としてあげたということ でございます。具体的には計画ということで、効率的かつ柔軟な組織編成という項目が 下にはございますが、これは上の16年度計画のところで効率的かつ柔軟な組織編成を行 うというような記述があるということに対応したものでございます。  それから同じく視点とカッコ書きで書いてございますのは、その左側の評価の視点と いうことで、ここの点に注目して評価しなさいという意味だと思われますが、この評価 の視点に対応する内容をここに書いてございます。そういう意味でこの効率的かつ柔軟 な組織編成という内容につきましては、計画にもあげてあるし、評価の視点の中にもあ げられているということであります。  それに対する回答と申しますか、結果がその下の○で1課2部からなる云々というよ うな記述になってございます。このような書き方で自己評定のための判定をしていただ く、我々はこういうふうに考えましたということがまとめて書いてあります。というの が昨年度とちょっと書き方を変えた内容でございます。  それでは具体的な話に入らせていただきます。初めに評価シートの1〜4のうちのシ ート1でございますが、これは効率的な業務運営体制の確立ということでございまし て、説明自体はこの評価シートの自己評定欄のところを主としたものと、それから先程 からごらんいただいておりますパワーポイントのプリントアウトしたものというものを ベースにさせていただきます。  まず、パワーポイント資料の方をごらんいただきたいのですが、6頁に効率的な業務 運営体制の確立という見出しがございますが、ここで16年度に行いましたものといたし ましては、所内会議規定等の見直しというのが緑色の枠の中にございます。その中で研 究者評価指針等の制定ということが、これが一番大きなものというふうに考えてござい ます。下の方には毒物・劇物管理規定の改定とか、その他の改定の実施と書いてござい ますが、これは時代にあってそれぞれマイナーなチェンジをしただけということであり ます。  研究者評価指針等の制定につきましては、先程理事長の方から御説明申し上げました が、研究者の個人業績というものを具体的に評価していくというための指針の作成でご ざいます。これにつきましては実際に平成16年度に実施をいたしまして動き出したとい うような状態になってございます。この部分につきましては、研究者評価指針等の制定 ということが16年度一番大きなことと考えてございます。  それから同じ頁の真ん中下の方で柔軟な業務運営体制の確立ということに関しまして は、研究グループにまたがる研究の実施ということで、これは6課題を複数研究グルー プで実施しているということでございます。6課題という数は昨年と同じですが、終了 した課題もございまして、毎年内容が変わっているというものであります。  次の頁に棒グラフがございますが、複数グループ担当課題数の推移ということで、研 究課題数をここにずっと書いてございます。平成13年度からの推移ですが、大体毎年6 研究課題程度が複数の研究グループで協働しながら実施しているという状態になってお ります。  次に同じ頁の下側のスライドですが、効率的な業務運営体制の確立の中で研究員の採 用につきましてです。これでは若手任期付き研究員を前向きに採用するということがあ げられてございます。若手任期付き研究員につきましては、平成15年4月に初めてそう いうシステムのもと採用を開始いたしまして、その後15年7月16年4月17年7月という ような任期付き研究員の採用をしてございます。  その次の頁の上のスライドですが、平成15年から17年までの研究員の採用の状況を書 いてございます。この赤い丸で囲ったものが若手任期付きの採用ということでありまし て、全体的に黄色の任期を付さない研究員の採用に比べてほとんどが若手任期付きとい う形で採用していることがごらんいただけるかと思います。ただ、平成16年度に関しま しては、いろいろな事情から任期付きでない人間を採用した件数の方が実は多いわけで すが、全体的な採用計画の中でたまたまそういうのが16年度にあたったということにな るということをこの図から御理解いただければ幸いでございます。  前の頁に戻りまして、研究員の採用の募集に関しましては、公募選考によるというこ とで、いろいろなルートを使いまして、積極的に広報活動を行って採用を行っておりま す。具体的にはここにありますように、研究所ホームページ、それから科学技術振興機 構の人材データベースのホームページ、大学への案内、学会誌の広告、それから研究者 への直接働きかけというようなルートを使って採用してございます。  次は5頁の下のところ、効率的な業務運営の確立の10頁目ですが、柔軟な組織体制の 維持ということで、グループ間にまたがる研究課題、それから所内規定をいろいろ見直 した若手任期付き研究員の採用というようなことで、まとめてございます。  以上が評価シート1に関するものでございまして、自己評定といたしましては、研究 者評価指針等で頑張ったことなど、いろいろ考えまして、Sほどではないけれども、よ くやっているというふうに自己認識しておりますので、評定はAとさせていただきまし た。  パワーポイント資料の6頁目です。これは評価シートの2ですが、内部進行管理の充 実というところでございます。実際には内部進行管理、11枚目のスライド、研究所内の 運営に関しましては、いろいろな所内委員会など、それから管理会議、運営会議、理事 会というような位置づけで運営してございます。これは昨年度と大きく変わってござい ません。 下の頁にいきますと、内部研究評価会議の開催ということでございますが、 これは年度中間9月頃と、それから年度末1月頃に2回評価を行っております。これは 特徴といたしまして、研究所内の全ての研究課題について評価するということで、それ ぞれ丸3日ほどかけて行なっております。研究課題につきまして、研究開始前にその事 前評価をする、それから研究実施中に中間評価をする、それから終了後に事後評価をす るというような3段階の評価を半年毎に行っております。  それからもう一つ、災害調査につきましては、これは研究課題そのものではないので すか、これにつきましては同じく進捗状況等の評価をしております。この16年度の特徴 といたしましては、黒いまるでいくつか書いてございます。一番下の項目、研究費返却 の評価システムというのを一応取り入れた、年度途中で予定よりも研究費をあまり使わ ないで済んだというようなものを研究費を返却するというようなことが一応ポイントに なるというような制度で運用を始めております。ただ、実際にはこれは返却するという 事案が出てきてないのですが、後で申し上げますが,外部研究評価会議におきまして、 こういう研究費返却のシステムというのはそれなりに評価をいただいてございます。  その下の方の外部評価会議における評価といたしましては、外部評価会議において内 部評価会議を評価したものでございますが、内部研究評価会議の目的と役割は十分に設 定され、かつ適切に運営されている、それから内部研究評価会議も十分定着していると いうような、これは点数ではなくて、定性的な評点でございますが、そういう評価をい ただいております。  7頁目の右の頁へいきますと、内部研究評価会議で具体的に評価を行った研究課題数 というものがここに書いてございます。研究課題数のカウントですが、後で申し上げま すが、プロジェクト研究に関しましては、サブテーマ単位で一応ここの内部研究評価会 議では数えております。ということで別のところで数えることよりも若干課題数として は多くなるということになっております。下のスライドにいきますと、業務管理システ ムを構築したということと、それから個人業績評価の実施が大きな内容になると思いま す。  次の頁の業務管理システムはこのような形で行っているということ、それからその下 の方ですが、法人の長のリーダーシップの発揮ということでは、これは前年度ですから 尾添理事長時代ですが、基本方針を明確化して、産業安全研究所の使命と役割をはっき り示す、それから研究所の運営に関して陣頭指揮をとるというようなことを行っており ます。以上でこのシート2につきましては自己評定Sをつけさせていただいておりま す。  次の9頁目にいきますと、これは評価シートの3頁目ですが、業務管理の効率化に伴 う経費節減の項目です。いろいろな内容の省エネ、省資源の努力をしております。年度 によって少しずつ違いますが、ここに書いてありますような内容をしております。  9頁目の下のスライドですが、光熱費の推移をグラフにしてございますと、平成13年 に比べると明瞭に毎年減っている。減り方がだんだん鈍くなっているのは仕方がないこ とかなとは思っておりますが、こういうことで明確に成果をあげてきたというように自 負しております。  次の頁にいきまして経費削減につきましては、いろいろここに書いてありますような ことで、最終的に中期目標の数値を達成できる状況にあるということで、計画では66億 某かというような値が、63億某かということで支出総額の見込みというのが現在の計算 でございます。  最後に、評価シートの4番目ですが、効率的な研究施設の設備の利用ということで、 施設の有償貸与、それから共同研究などによる有効な利用ということを歌われた項目で ございます。  11頁目の上のスライドをごらんいただきますと、ここに平成13年度からグラフにして ございますが、施設、実験施設の貸与件数そのものは多少のデコボコがあるということ もあるのですが、共同研究数というものと一緒に考えてみますと、ほぼ右肩上がりに上 がっていて、効率的な施設の利用ということは行ってきたのではないかというように考 えております。これはこういう数の計算ですので、Sをつけるほどではないということ で、これは自己評定Aにさせていただいております。以上、評価シート1〜4までの説 明でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。それでは御質問等ございましたらいただきたいと思います が、いかがでございましょうか。 ○市川委員  効率的な業務運営体制の中で、研究グループにまたがる研究の実施について、一番の 基本的なところでちょっとお聞きしたいのは、この6課題で17%ぐらいというのは大変 結構なことだと思います。これは結局課題によっても依存するのでしょうが、これから どんどん先々増えていくというのか、組織として考えた場合、マンパワーというのが片 一方であるかと思うんですね。いろんな業務をお互いにやっていくということは。その 辺の考え方というのは、今の途中の段階で何かお考えを持ってらっしゃるんでしょう か。それとも大体いつもこのぐらいにしておこうという考え方なのでしょうか。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  明確にこれをふやそうという動きは特にしてございません。私ども研究所がもともと 非常にバラエティの富んだ電気工学から機械工学から化学から、いろいろなところが入 っておりますので、一緒にやれといってもできないところは当然ある。その中で相互に 交流しあってできるというのが大体6件ぐらいの比率で落ち着いているのかなというふ うに思っております。 ○岩渕委員  システマティックにずいぶん整理されているのは大変結構だと思うんですが、前から ちょっとだけ気になっているは、やっぱりテーマによっては半年ごとに評価評価と迫ら れることに関する、研究者にとってみるとかなり精神的な重圧になりかねない部分もあ るのではないかな、そこのところが若干気になっている点と、評価の回数が結構多いの で、評価事務というのもこれもかなり、もしかしたら負担になっているのかなと、そう いう心配があるんですが、事務といいますか、この資料づくりを初め、そのあたりのと ころはいかがなものでしょうか。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  内部研究評価会議そのものに関してはそれほど昔から差はないということになってい ると思っております。ただ、それでもいろいろ大変だという話はありますので、なるべ く簡素化するというような努力はしておりますが、現在のところまだそれほど簡素化の 効果は出てないのですが、今年度の実施につきましては、一応スケジュール的に3日と っているのですが、それを1日半ぐらいで終わらせるようなことができないということ を今検討をしているということで、何とか負担を軽くしたいというのが一点でございま す。  それと加えまして、評価に関しては、きょうのこの会議もそうなんですが、独立行政 法人になりまして外部評価、それから厚労省の評価、総務省政独委員会の評価とか、評 価が非常に増えたなという印象は残念ながらございましてなるべく負担を軽くしていた だきたいということは思っているところでございます。以上です。 ○部会長  他にはございますでしょうか。 ○武見委員  今の岩渕委員の御質問にも関連するのですが、その内部評価で研究者とか、それぞれ 評価をすごくきちっとやってらっしゃるのは素晴らしいと思うんですが、例えばこの評 価シートの2−1のところを見ますと、評価した結果、非常に優れた貢献をしている場 合には、例えば研究費の追加配分とか増額とか、そういう形でプラスの方向の対応にど う使ってらっしゃるかということはわかるのですが、状況によってはその年の評価があ まりよろしくないような状況に出てきた時の、そちら側についての対応はどのようして らっしゃるのかというあたりのことを一つ聞かせていただきたいというのが一つです。  もう一つは全体にも関わることなんですが、自己評定のところでSというのをつけら れているところ、今後ともいくつか出てくると思うんですが、例えばこの評価シートの 2−1で、Sというのは中期計画を大幅に上回った場合ということなんですが、具体的 にどのような点を大幅に上回ったということで自己評定をSになさったかというあたり を聞かせていただくと私たちも参考になると思うんですが。 ○田村部会長  いかがでございましょうか。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  二点ほど御質問をいただきまして、初めのマイナスの評価が出た時にどうしているか ということですが、評価として今私どもで言っているのは2種類ございまして、研究課 題に対する評価と、それから個人の研究業績に対する評価と、その二つございます。そ れで内部研究評価会議というものはこの研究課題に対する評価でして、これは良いもの は研究費の増加をするというような措置をとっていますが、悪いものに関しましては、 この研究内容の見直しのようなことを求める、場合によっては、この16年度はたしかな かったと思いますが、その研究課題はやるに値しないから中止する、もしくは事前評価 であれは最初から実施しないというようなことになることもある、というのが研究課題 の方の評価です。  あとは個人業績につきましては、プラスの評価だけで、マイナスの時は上司がしっか り頑張れという程度に今のところはなっていますが、今後どうするかは、これは私の方 よりは役員サイドの決定事項でございますので、場合によっては理事長からお答えいた だくかもしれませんが。  それから二番目の質問が、Sをつけたはっきりした理由ということなので、これはい ろいろ難しくて、例えば数値でなるべく表せるようにということになっているのです が、数値として目標が100で、それを140いったとか50いったとか、そういうふうに表せ ることができるといいのですが、必ずしもそういうことではないということで、実際の ところ、何をもってSとするかは大幅に上回るという以上のちょっと明確な答えがなか なか作りにくくて、ここは計画であればこの程度であるというものの想定よりも、訂正 的にかなりいっているなと、自己認識というのはなかなか伝わりにくいところなのです が、というようなものが結構ございます。そしてあとはもともと計画になかったのをや ったとか、そういうようなものはそれなりに御説明を申し上げたいと思っております。 ○酒井委員  二点教えていただきたいのですが、12番のスライドで研究費返却の評価システムとあ りますが、これはある意味で罰則的な意味合いなんですか。それとも効率的に研究等が 進めたことによって予算が余りそうなので、それは戻しなさいという話なのかというの が一点と、もう一つは17番のスライドで重点研究支援協力員8名と書かれていて、先程 御説明がなかったのですが、評価的には非常に高く見ていられるようですが、これは実 際どんなことで、かつその安研の運営にどのくらい貢献しているものなのかということ を教えていただければと思います。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  初めの返却システムですが、これはよく言われる予算がついているから無駄なものを 買うということをなるべく避けたいということで、研究の進捗状況で、研究者本人が判 断して、こんなに金は要求して貰ったけれど、要らないよということがわかったものに ついては、これは年度末ではなくて中間なんですが、年度末に返されるとちょっと困る ので、中間的で見通しでこの返却しますというようなことを申し出るものにつきまして は、評価点をプラスするというようなシステムにしております。  それから二番目が重点支援研究協力員でしたか、これは支援員というレベルの研究者 とアルバイトの、より研究者に近いシステムでして、これは科学技術振興事業団でそこ で重点研究支援協力員制度、これは廃止される制度なのですが、ありまして、ある研究 に対するドクターレベルの補助者をつけてくれるという競争的資金の一つです。月額30 万か40万程度の人件費を貰う人がそのまま張りつくということで、強力なメンバーにな っているという制度でございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。それでは評価シートの方の御記入を委員の先生方にはお願 いしたいと思います。               (個別項目5〜10の評価) ○田村部会長  それでは次に第2グループの評価シートの項目5〜10までの実績につきまして御説明 をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  それでは評価シート5から説明をさせていただきます。評価シート5につきましては スライドの23頁目1枚でございます。この評価シート5は労働現場のニーズ把握と業務 への積極的な反映という内容でございまして、計画及び評価の視点で言われているもの は大きく二つの点でございます。  一つは情報交換会というものを開くことということです。これにつきましてはスライ ドの上の○にございますが、産業安全に関する情報交換会というものを平成16年11月19 日に開催してございます。これは毎年今まで会の性格を少しずつ変えながら開いており ますが、この平成16年に関しましては、企業の安全環境部門の担当者の方に集まってい ただきまして、ダイレクトメールでいろいろ集めたのですが、都合29名の方に参加いた だいて、研究所の紹介、それかから研究所の見学など、それから意見要望を伺うディス カッションの場を設けてございます。このスライドの背景に、産業安全に関する情報交 換会の状況の写真を、討論しているところですが、写してございます。  そのスライドの下の方に枠があって、産業安全に関する情報交換会というのは、この 写真の説明のつもりでございました。ということで情報交換会は計画通り実施をしたと いうことでございます。  それから二番目の内容のニーズ把握と反映でございますが、これに関しましては所内 の研究討論会と呼んでおります会に外部の講師を呼んで研究討論をして意見を伺うとい うようなこと、それから労働行政側からのニーズ把握ということでは、労働安全衛生研 究連絡会議という厚生労働省の安全衛生部と研究所の幹部との定例の会議というような ものを開いてニーズを把握するというようなことが定例的に行っております。  それからホームページに対するメールの問い合わせ、それから直接来所するとか、電 話とか、そういうようなことで技術相談などにも応じておりまして、そういうようなこ とから世の中ではどのような需要があるか、どのような研究が必要であるかというよう な把握をしてございます。  最後の項目といたしまして、産業安全関連団体、委員会がいろいろございますが、そ こでカウントしますと、これが昨年は延べ201委員会に出席していることになりまして、 これはかなり多すぎるぐらいの数値かと思いますが、必ずしもこの内容は現場のニーズ 把握目的ではございませんものも多いかと思いますが、研究所から外に出て現場の人た ちとそういう場でいろいろと話しあうチャンスがあるということで、こんなことが困っ ているというようなニーズ把握にはかなり役に立っているというようなことを考えてご ざいます。 それで評点でございますが、ノルマを果たしたという意味プラス、この研 究所が委員会にちょっと多すぎるぐらい出ているということで、多ければいいかどうか はちょっと難しいところですが、プラス側に解釈いたしましてAということをつけさせ ていただきました。これが評価シート5の内容でございます。  続きまして評価シート6でございますが、これはプロジェクト研究課題の項目でござ います。プロジェクト研究と称します年間2,000万円から4,000万円程度の予算をつけま す研究の実施でございます。平成16年度は24枚目のスライドにございますように、5課 題を実施しております。5課題が重点研究領域として4分野に分類されておりますが、 このような内容で、何カ年計画の何年目というような形で実施しております。研究の内 容そのものについて、ここで詳細に御説明を申し上げますと時間がなくなりますので、 各1枚ずつのスライドに簡単にその内容を表したものをつけさせていただいておりま す。  25枚目のスライドですが、これがプロジェクト研究課題の、これは外部研究評価会議 用の資料でもございますが、このような課題をこのようなスケジュールで実施する予定 になっているという表でございます。このようなことで平成16年度5課題を実施してい ることがおわかりいただけるかと思います。  16年度開始した課題は1課題で、あとはみんな継続課題ですが、26枚目のスライドに プロジェクト研究の情報化技術を援用した中小規模掘削工事の安全化に関する研究とい うことを簡単にここに紹介してございます。内容につきましては説明は省略いたしまし て、文字から御判断をください。  次のスライド27頁目は継続課題で、建設労働災害の発生原因としてのヒューマンエラ ー防止に関する研究、それから次へいきますと仮設構造物の耐風性、それから人間・機 械協調型作業システムの基礎的安全技術、最後に産業リサイクル過程における爆発・火 災災害の防止に関する研究というような五つのプロジェクト研究を実施してございま す。  最後の産業リサイクル過程云々という、この課題につきましては、後で述べますが、 災害調査にも非常に大きな関連がある課題でございます。  次は31枚目のスライドですが、プロジェクト研究に関しましては、外部研究評価会議 という外部の研究者等を先生にお招きして、外部の目で評価していただく会議において 評価していただいております。そこでは事前評価、中間評価、事後評価という3ステッ プございますが、事前評価、中間評価におきましてはその結果、研究計画の見直しをす るというようなことがあげられております。  ここに具体例を記載しておりますが、これは実は16年度実施のテーマではなくて、事 前評価ですから18年度開始予定のテーマなんですが、災害多発分野におけるリスクマネ ジメント技術の高度化と実用化に関する研究という、これを実施する予定ですというこ とで、事前評価をいただいております。その結果、いろいろ御指摘いただいたことがあ りますが、一つ、いろいろな分野の問題を寄せ集めているからもっと横断的な内容のも のが必要であるというような御指摘のもとに研究課題を少し内容を変更するというよう なことを行っております。  それでプロジェクト研究といたしましては、内部研究評価会議では先程申しましたよ うに全課題の評価ということを行っておりまして、成果は学会、論文、技術誌などに発 表しているということで、プロジェクト研究を適切かつ効果的に実施ということが結論 としてあげさせていただきたい項目でございます。ということで、学会発表数などもい ろいろありまして、これは標準よりは少し上であろうということでA評価をつけさせて いただいております。  次は評価シート7ですが、これは基盤的研究です。基盤的研究に関しましては、目標 に13の研究領域において基盤的な研究を実施するということがございます。スライドの 33枚目にそこらへんは書いてございますが、34枚目では基盤的研究で13の領域というの がこれこれであろうということをあげております。  次は35枚目のスライドですが、年度当初は23課題を予定していたのですが、3課題が 年度途中にプラスして立ち上げる、それから競争的研究資金、厚生労働科研費と略称し ておりますが、それと文部科学省の科研費、これが採用が決まりまして、これは途中か ら新規に入ったもの5課題というようなこと、それから受託研究を基盤的研究に入れる べきかどうか、ちょっと2種類あるのですが、受託研究を1課題というようなものを実 施しております。  内部研究評価会議で全課題評価しているということは先程申し上げた通りです。外部 評価会議において内部研究評価会議が適切であるというような評価をいただいていると いうことも先程申し上げました。  基盤的研究では、コロナ荷電による粉塵の放電着火エネルギーへの影響に関する研究 という研究課題があるのですが、それに関しました論文が安全工学論文賞というものを 受賞したというようなことで、そのポイントを考慮いたしまして、ここの基盤的研究は S評価をつけさせていただきました。 受託研究につきましては1件ですが、非常に高 い評価をいただいております。以上が基盤的研究の評価シート7でございます。  評価シート8は労働災害の原因調査でございますが、これにつきましては37枚目のス ライドに平成16年度実施の18件の略称と、あとは何県で起こったかというようなことを あげております。この内容はそのほとんどが行政側からの依頼ということで、なかなか これは一般のところに公開しにくい内容でございますが、こういうような調査を行って いる。その下の方の枠で、その他鑑定依頼などがありまして、これも10件ということ で、合計すると28件分の災害調査等を行っております。  災害調査に関しましては、38枚目のスライドにありますように、厚生労働省の安全 課、化学物質対策課と連絡をとりながら調査の実施、それから報告書の作成などを行っ ているというのがこの絵でございます。  次は39枚目のスライドですが、災害調査を実施すると研究者に負担になるということ で嫌われる傾向があるのですが、それだけではなくて、研究における災害調査のメリッ ト、利点というものもいろいろあるということで、4項目ほどあげております。個人業 績評価において災害調査をしたということがプラスになる、それから研究課題の業績の ところでも災害調査を行ったところはインセンティブを高めるために考慮してプラス加 点にするというようなことを行っております。  それから当然ですが、災害調査の結果得られた知見、ノウハウは研究に活用できると か、内容によってはそれを学会などで発表して、研究成果そのものにするというような ことがございます。  災害調査の結果は、まずはその災害調査を依頼してきた行政監督署などの第一線で防 止対策の実施ですとか、同種災害の防止などに活用されている、広く一般に出されるも のであれば行政通達に反映するというようなこともございます。内容によりましては学 会などで発表することがございます。16年度に関しましては、先程の理事長からのお話 もありましたRDFの災害調査に関しまして、研究所の報告の形で公開してございま す。このようなことで非常に大きな産業安全研究所の業務であって、しかもかなり有効 に活躍しているというふうな判断をいたしますので、これはS評価とさせていただきま した。  次は評価シート9ですが、国内外の基準制改定への科学技術的貢献ということで、い ろいろ行っておりますが、41枚目のスライドで、産業安全研究所安全ガイドの発行とい うようなこと、それから安全資料というレポートを二つ出している。それからいろいろ な国内外へ委員を派遣しているというようなことで、先程の理事長のお話にもありまし たように、大型自動回転ドア、これはもともとは労働災害ではないので、一応テリトリ ーからいきますと産業安全研究所の範囲外でございますが、特にというような要請があ って出席している、いろいろなそういう規格改定など、委員会数として延べ委員数201名 となっているということで、非常に貢献をしているというふうに考えております。  下のスライドはその具体的な反映の例でございます。まだ規格として完成してないも のもございますので、番号を見てというようなものはそういうことでございます。とい うことで基準制改定に関しましても、これは自己評価Sをつけさせていただいておりま す。  今回のシートの10番目ですが、産業安全に関する国内外の科学技術情報、資料などの 調査ということで、これを調査して行政に提供するという内容でございます。これにつ きましてはこのスライドの43頁目の五つほど項目をあげてございますが、その真ん中、 設備上と作業上の直接原因の究明のため、挟まれ、巻き込まれによる死亡労働災害の分 析ということを行って安全衛生部に報告というのがございます。これは文書で書くと他 のものと大して差がないのですが、単純に情報収集を行って報告したという程度のもの が普通なんですが、この内容につきましては、かなりの分析を行って、公表できれば研 究論文一本分ぐらいの内容のものだというふうに認識しておりますので、こういうこと をしたということは非常に基準をはるかに超えた成果であるというふうに認識いたしま して、これはSをつけさせていただいております。評価シート10までは以上でございま す。 ○田村部会長  ありがとうございました。ただいまの第2グループにつきまして御質問等をいただき たいと思いますが、いかがでございましょうか。 ○岩渕委員  いろんな団体の,いろんなところにたくさんの委員を派遣されているということは、 これは要するに日本の各産業別の各種団体たくさんあると思うんですが、そこにほぼ満 遍なく出されて、それに各産業に対する貢献をすると同時に、ニーズを把握してらっし ゃるということなんでしょうか。  それからもう一点は、最近の話ですが、アスベストにはどういうふうに関わっていら っしゃるのか、今年の話というか、実は古い話で、なぜ今まできちんと取り組んでこな かったのかという、その反省も含めて何かありましたらどうぞ。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  まず委員会など、各業界に満遍なくいっているかということでございますが、実際に は満遍なくとは申せないと思います。産業安全研究所の研究員がいろいろ縁のあるとこ ろといいますか、産業安全分野の、例えば建設の安全をやっている人ですと、その建設 業の安全という形の委員会がいろいろありまして、そういう要望があるわけですが、そ れが本当に業界そのものを満遍なくとなっているという保証は全くない。  そもそも産業安全研究所の研究そのものが産業安全の分野全てを賄うことになってお りますが、人数が研究企画調整部入れて38名ですので、全ての労働災害の分野というの は無理だということで、現在五つの研究グループに分かれてやっているわけですが、大 体そういうところに委員会も同様に集中しているという状況であると思っております。  それから二番目のアスベストの問題ですが、基本的にアスベストは労働災害の一種で すが、あれは事故側ではなくて、職業病側であるので、私どもではなくて産業医学総合 研究所がいろいろ研究する内容だ。ただ、この評価委員会の以前の会議の記録などに も、では解体作業中にアスベスト問題がある時には安研と産医研と両方いるんじゃない かとか、そういう話題が出たように議事録に出ております。そういうことはあると思い ますが、現実、産業安全研究所では今まではアスベスト問題を直接研究したというよう なことはございません。 ○田村部会長  他にいかがでございましょうか。 ○中村委員  労働現場のニーズの把握と業務への積極的な反映ということで、いろいろな場を通じ て行っていますという報告をいただいたのですが、関連しまして、基盤的研究の中で三 課題を年度途中に立ち上げということがありますが、これはそういった中から生れたも のと理解してよろしいんでしょうか。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  平成15年の新規立ち上げ課題はそうだったのですが、16年はそういう事情ではなく て、研究員の新規採用に伴う途中立ち上げのようなものです。 ○中村委員  ニーズをいろんなところでもって把握したというのはわかるのですが、積極的な反映 というあたりで何か御説明いただけるとありがたいのですが。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  文章上は積極的に反映と申し上げているのですが、実際の所はなかなか難しいという か、それは情報交換会のような場での話でございますが、ニーズそのものがもっと委員 会に参加して何か指導をいただきたいとか、そういう定性的なというか、こういう内容 の研究をぜひやるといいとか、そういうものはなかなか出てきてないんです。 ○中村委員  もっと幅広いニーズであったというふうなことですか。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  はい。それで個別の委員会などに出て、こういうような問題が今あるんですというよ うなことにつきましては、実は私の方では把握しきれないものですから、ちょっとお答 えしかねるのですが。 ○中村委員  それからもう一点、災害調査18件という中で、地震による土砂崩壊とか、項目として 同じ中に入ってしまうわけですが、非常に大きなものが昨年度はたくさんあったかと思 うのですが、これに伴う実際に従事したものに対するケアということを伺って安心した のですが、逆にそれがゆえに年度当初考えていた研究業務が十分に行えなかったものも あるんじゃないか。片方でそういった調査に対するプラスと同時に、そのマイナスに対 する何かフォローというのはあるんでしょうか。そういう中でやるのは非常に大変だと 思うのですが、そこらへんに対して少し情状酌量といいますか、そういったことは考え ておられるのでしょうか。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  結局どんどん入ってくると、そのままオーバーワークになるということは私ども懸念 しているところなんですが、研究の進捗が多少遅れるというので、それはマイナス要因 になるわけですが、研究の評価の観点からいきますと、災害調査を実施しているという ことがプラス要因になるということで、そのまま足し算引き算すれば災害調査を行って 研究がマイナスになっても特別な総合的にはマイナスにならないという制度にしてはい るつもりでございます。 ○酒井委員  プロジェクト研究についてお伺いしたいのですが、スライドの26頁以降に具体的にあ るのですが、ただここに書かれているのが全部研究の必要性、あるいは期待される成果 であって、実際にどうだったのかということで、これは時間がありませんので、皆さん の自己評価表には計画通り実施されていると書かれているのですが、成果もきちんと出 ている、もしくは出つつあるというふうに理解してよろしいですねというのが一つ。  それと昨今、労働災害はかなりの勢いで減少しているというふうに行政から言われて いるわけですが、その辺に対してやはり安研の貢献といいますか、そういったあたりで 何かアピールするようなことがあったら教えていただきたいと思います。実際の災害動 向について、安研の貢献というふうなものはいかがでしょうか。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  まず初めの方が簡単なんですが、ここで紹介いたしましたプロジェクト研究は、結局 研究段階の時のプレゼンテーションをベースにしていますので、こういうことをやりま すというものになっているのは事実でございます。順調に進捗しているということにつ きましては、当然ここの資料では出て来ないのですが、プロジェクト研究に関しまして は一番大きなプレッシャーが外部研究評価会議でございまして、外部研究評価会議につ きましては、先程25枚目のスライドにございますが、外部研究評価会議実施予定という のがありまして、終ったあと事後評価をするということで、その時に先生方の前でこう いう成果がきちんと出てますということを発表して、しかも採点までしていただくとい うことで、それに合わせるべくみんな必死でやっているというような状況でございま す。 ○産業安全研究所理事長  産業安全研究所の研究が災害減少にどれだけ具体的に役に立ったようなものがある か、これは私の方からお答えさせていただきます。例えばということでお話をいたしま すが、先程プロジェクト研究の成果、あるいは災害原因調査の成果ということで、その 例としてRDFの安全ガイドの話をさせていただいたのですか、これは現場のニーズが ありまして、緊急に私ども印刷物にして作ったということがございます。これは実際に 現場の人たちがそういう、言ってみればバイブルが欲しい、実際に事故が起こったあと どういうふうに対応しようかということで困っているということで、似たようなところ ということで、そのためのいろんな危険性とか、安全な取扱いというようなものが具体 的に世の中にないということで、私どもに要請されまして、急遽作った。具体的にどれ だけ減っているかという数字はなかなか難しいのですが、ある意味そういった私どもの 刊行物なりが現場で災害防止にはお役に立っているという認識をしております。 ○安全衛生部計画課調査官  今ほど労働災害が減っているというお話がございましたが、実は統計的に見ますと、 私どもは重大災害というふうに言っているのですが、1日に3人以上の方が被災するよ うな事故は最近ずっと増加傾向を示しておりまして、これは昭和61年を底に増加してき ておりまして、平成16年の数字は昭和51〜2年ぐらいの、いわゆる30年前ぐらいの数字 と同じぐらいになっているんですね。  ただ、休業災害とか死亡災害、これは30年前と比べると4割ぐらい減っているんです が、したがって非常に表面的な安全対策は進んでおるのですが、ポッと漏れが出て、そ れが起こると非常に大きな事故になる。災害調査に行っていただいた例えば製鉄所のガ ス爆発にしましても、定期検査などが実はやられてなくて腐食が進んで、バッと落ちた ことによって、それですれてそれが着火源になって爆発したみたいなことが起きている のですが、そういった企業の中の安全対策にちょっとした漏れが出てきて、それが一旦 起きると何人も死亡するような事故につながる、そういうふうな傾向にありますので、 そういう意味では早期の災害原因の究明、同種災害の防止対策というのが行政上は非常 に重要になってきているというふうに考えているところでございます。 ○鈴木委員  評価シート7の中期計画のところで、将来のプロジェクト研究の基盤となる萌芽的研 究等を毎年度研究計画を作成して実施するとあります。これまで伺っていますと、安研 は研究の評価というものが非常に厳しく行き届いているということは間違いないと思う んですが、将来を見据えた新しい萌芽的な研究が出てくる雰囲気はどうなっているの か。16年度の萌芽的研究というのはどのぐらいありましたでしょうか。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  数字ではとっていないのですが、萌芽的研究に関しましては、将来のプロジェクト研 究の基礎基盤となるという、この将来がどの程度の先の将来かという意味では、大体プ ロジェクト研究が見えているというものを念頭におくケースが多いというのが現状で す。ということで、プロジェクト研究の17年度開始の橋梁仮設中の不安定要因の解明と いうのがあるのですが、これに関しまして2テーマ、前年度に萌芽的研究としてその先 駆的研究を行っている。それと同様に、液体噴霧時の静電気における爆発というのがプ ロジェクト研究にありまして、それに対応する先行ボーリング的な研究を行っていると いうような例などがございます。  次期中期計画になりますので、今回出しました資料には出ていないのですが、数年後 先程にプロジェクト研究として立ち上げようという、現在案がある課題につきまして、 今年から萌芽的研究として行っているという、そういうようなものもございます。そう いうことで全く将来どうなるかわからないけれど、一か八かやってみようという程度の 萌芽的というのは、制度上はそういうものも歓迎はするのですが、研究者としてはなか なかそこまで博打は打ちにくいということなのかどうかわかりませんが、大体見えるプ ロジェクトに対する先行的な研究として萌芽的な研究を行っているということでござい ます。その比率としてどのぐらいかというのは、今はデータがございません。 ○田村部会長  ありがとうございました。それでは評価シートの記入をお願いしたいと思います。               (個別項目11〜17の評価) ○田村部会長  それでは次に評価シートの項目11〜17までの実績につきまして御説明をお願いしたい と思います。よろしくお願いいたします。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  それでは次は評価シート11に入らせていただきます。評価シート11は外部評価の実施 とその公表でございます。スライドの45頁目にプロジェクト研究課題の外部評価実施予 定と結果でございます。先程と少し変わりまして、この表の中で実施したところに数字 が出てございますが、例えば1番上の建設労働災害の云々というところで、中間評価は △印ですが、平成15年のところで4.2という数字が記入してございますが、これはいわ ゆる5点満点の評価点でございます。○印が事前評価、事前評価が終って通常はその次 の年に計画を練り直しをした予算要求をして、実施は2年後ということになってござい ます。  全般的に事前評価から中間、事後とだんだん成績が悪くなるようなんですが、特に事 前評価であまり高くない評価の場合には、見直しをするというようなことを行っており ます。これが外部評価の実施の実績でございまして、このシートでは外部評価を実施す ることということと、3カ月以内に公表ということで、公表に関しましては外部評価を まとめて、それからホームページに公開してございます。  46枚目のスライドですが、これは外部評価の実施の結果の評点をまとめただけでござ います。外部評価会議で内部研究評価会議の実施状況というものも16年度は評価いただ いております。ただし、これは点数はつけないで、定性的な表現でございます。内容に つきましては先程も御説明いたしましたので、省略いたします。  次は47頁目ですが、外部評価結果はこのようなことで、ホームページに掲載しており ますということでございます。ということで評価シート11につきましては自己評定Aを つけさせていただいております。  続きまして評価シート12に入ります。学会発表等の促進ということでございまして、 48枚目のスライドでは、このようなところに出していますというような例です。49枚目 にいきますと、学会発表の推進として、具体的には所内では内部研究評価会議等におい て進捗管理してしっかり発表しようというようなプレッシャーがかかるというようなこ とで、促進を図っております。その結果、難しい論文誌などにも出るとか、論文賞をい ただくというようなことがございました。  50枚目のこの学会論文等の実績をグラフにしたものでございますが、目標上のノルマ といたしましては、論文が5年間で200報、発表が300件となっておりまして、1年当た りに平均いたしますと、それぞれ40と60というラインになります。論文そのものは年間 40を多少上回る、16年度は若干下がるというようなレベルにございます。  ただ、中期計画で言われている論文の中には、災害調査報告を含めてという、要する に災害調査を一生懸命やるようにという意味でのインセンティブをつける意味で、災害 調査を含めた数がノルマですので、一番右側の赤いラインを加えると、それぞれ40を少 し上回るラインで経緯しております。  学会発表につきましては、それが国内国外を合わせて結局60という線なんですが、そ れですとはるかにそれを超えているという現状にありまして、平成16年度も国内学会発 表だけで110件程度というようなことで、非常に多いという現状にございます。という ことでこれは場合によってはS評価でもいいのかもしれないのですが、それほどのこと ではないかもしれないということで、これは自己評価Aということにしてございます。  次は評価シート13ですが、インターネット等による研究成果情報の発信、これにつき ましては、インターネットに限るわけではございませんが、いろいろ研究成果情報は発 信をしているということで、研究所の報告書類をいろいろ出しています。その報告書に 関しましては、平成3年以降は研究所内だけでなくて、研究所外を含めてですが、それ のタイトルなどをホームページに公開しております。  ホームページのアクセス回数がこれこれで、対前年比、アクセス回数としてはデコボ コがあってかなり減っているのですが、画面等のリクエスト等としては前年比5%アッ プというような状況になっております。それからガイドラインなど、研究所の論文の他 に、研究論文でないよく役立つはずの刊行物を出しているということで、その中で特徴 的なものが、先程の話にもありましたが、ゴミ固形化燃料、RDFの爆発火災に関しま した安全ガイドというものの発行があります。  これにつきましてもともと計画には全くなかったようなものを、災害調査も含めまし て、しかも業界の要望に応じて適切にかなりの価値のあるものを出したということで評 価いたしまして、この研究成果情報の発信につきましては、一応自己評定Sをつけさせ ていただきました。  それから評価シート14です。これは講演会の開催ということで、具体的な名称といた しましては、安全技術講演会を東京、大阪プラス1カ所で開くことというような計画に なっておりますが、16年度は東京と大阪、名古屋で開いております。総参加者数が308名 ということで、54枚目のスライドにありますように、安全技術講演会の参加者というの は14年が少し減っていますが、徐々にふえているということで、この増加傾向がいえる かと思います。  その反応といたしましては、概ね非常に良かった〜良かったというような結果をいた だいております。大阪でいつも悪いと言う方がいらっしゃいまして、非常に悪かったと いうところがたしか1票ついておるのですが、全般に大阪人は厳しいなというところで ございます。  それから研究所の一般公開を行うということがございまして、これは科学技術週間、 4月にございますが、そこで公開しております。参加者数が16年度は126名ということ で、前年度に比べて2割程度アップしている。前年度もこの方式ではもう限界ではない かと思っていたのですが、16年度はさらにきまして、この一般公開のやり方としてはも う限界であるというふうに考えております。やり方と申しますと、一般公開の見学者を 班分けいたしまして、それぞれ実験室のところに連れて行って説明をするというような スタイルで実施しております。126名ですと、30名ずつ分けても4班になるということ で、研究所の人員、それから公開できる施設等の数を考えますと、もう4班以上は無理 であるということで、おそらくこの16年度がほぼ飽和した状態であるというふうに考え ております。  以上のことは57頁目のところに記載した通りでございます。講演会、公開につきまし ては、それぞれ与えられたノルマをきちんとこなしているということと、ほぼ上限に近 い形でやっているということで、一応自己評定はAをつけてございます。  次は評価シート15番目の知的財産の活用促進ということで、特許、著作などになりま す。特許出願に関しましては、67枚目のスライドですが、金額ベースでいくのでこちら の方に入ってしまったわけですが、13年度から特許権、著作権などによる、これは収入 の話ですが、これはこのように伸びている。それで特許権で収益になったというのが、 実際は平成15年度から、ただし15年度の締めなどで、収入に具体的に結びついたのは16 年度が初めてであるということで、その金額もふえておりますし、これで儲かるほどか というと少し疑問がなくはないのですが、産業安全研究所の研究内容がもともと特許に 結びつきにくいものだというふうに考えておりますが、それを無理して特許に結びつけ て収益までいったということで、この点では自己評価Sをつけさせていただきました。  次は59枚目、評価シート16です。国内外の若手研究者、技術者の育成への貢献の状況 ということで、これは他機関、大学とか民間会社などか、それぞれここにありますよう な学生などを受け入れているということがございます。それから国際研究協定を結んで いる、これは中国ですが、そこから研究員を受け入れているとか、そのようなことがご ざいます。  三番目の学術団体による共催によるセミナーの開催、これは15年度の日付ですが、16 年度にもこの日ではないのですが、実施しております。それから他機関へ技術指導、講 演などを65件行っているというようなことで、いろいろ貢献しておりますということ で、これは自己評価Aをつけさせていただきました。  最後のシートですが、研究協力の推進でございます。平成16年度はいろいろなものが ございまして、初めから申し上げますとフェロー研究員制度でフェロー研究員を5名委 嘱しております。そして二番目は研究員の派遣、技術指導など46件ということ、それか ら大学などから大学院生を受け入れるとか、研究協力協定、これは英国、フランス、韓 国、中国などと結んでおります。  下から三つ目の国際シンポジウム、ISIS2004ということで、主として韓国の研究 協力協定を結んでいる相手と安全に関する国際シンポジウムを開いたということが昨年 16年度に始めて行いまして、これが大きな進歩であったというふうに考えております。 これがここの一つの注目する点であります。  それからその次に連携大学院協定を締結したということで、これは日本大学、長岡技 術科学大学というのが平成16年度に結んでおりまして、これも今までになく進歩したと ころであるということで、この二点がこの年度の大きな目玉になるということで、これ を考慮いたしましてS評価というふうにさせていただきました。61枚目は以上のような ことを書いてございます。ということで簡単ですが、17番目のシートまで説明いたしま した。 ○田村部会長  ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして御質問はございますでしょ うか。 ○酒井委員  いろいろありがとうございます。安研は工学ベースで技術のところにスタッフを揃え ておられるのですが、そしてそういう活動はよくわかるのですが、昨今やっぱりいろい ろな災害を見ていきますと、やっぱりヒューマンファクターということが非常によく言 われます。ですからいろいろ外部等の協力でも、田村先生が学会長をされている安全工 学会とか、そういうところでの活動連携というのは、これは理解できるのですが、そう いうヒューマンファクターの面で少し、例えばですが、産医研と具体的な事例等を通し た共同研究をやるとか、話し合いをするとか、他の機関、外国も含めてやるというご計 画はあるんですか。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  今回お話ししていますのが平成16年度ですので、16年度に関しまして、例えば産医研 と共同でということはございません。17年度、今年度、これは協力して厚生科研費の研 究を一から動いております。その他にもどういうことができるかということはまだこれ から検討中ですが、統合することも決まっておりますし、統合が決まるまでは実はあそ ことはいろいろ違うから、こんなに困難があるので統合できないと主張していたのです が、これからは統合したらこんなにいいことがあったと言わなければいけない、それだ けではないのですが、産医研さんとはいろいろ今まさに交流を始めるところで、突破口 といたしまして今年度から研究を進めております。  それからヒューマンファクター関係に関しましては、その分野のメンバーを増強しま して、これから重点化といいますか、進めていく方向になっております。 ○市川委員  たくさんいろんな努力をなさっているのはよくわかりました。この中で私は研究所の 一般公開という点から、国民へのサービスという観点ですが、技術者、あるいは研究者 に対するサービス、これは十分にされてらっしゃる、あるいは内容的、質的にも講演会 があって、でも一般公開という場合、ここに参加されている方は大体どういうレベルの 方がまず参加されてらっしゃるのかなとうのが気になっています。  特に私が思うには若手の方々、あるいはアーリーエクスポージャーとしての最初にこ の安全研究所で行われているいろんなことを体験するということが、私は特に大学関係 におりますので、非常に大事だなという感じはするのですか、そういう高校生、大学生 に向かってのより積極的な活動というのが大変これから望まれるのではないかというよ うに思うのですが、その点はいかがお考えでしょうか。  マンパワーとして限界であるというのはよくわかります。そしてかつ今のところは一 回でございますね。これを仮にもう一回二回という形でされれば、国民という観点から すれば大変いいのかなという気もするのですが、そういうのはまた別個どこかの組織が あるというならば、それはそれでいいのですが。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  一般公開といたしましては、今は4月がちょうど科学技術週間ということで、全国の 研究所が一斉にその週間に公開を集中しているわけですが、その中の一環として行って いるということで、これは例えば夏休みにやろうとか、そういうような話は出てはいる のですが、具体的にそこまではふみきっていません。  私どもが結局、いまのところ公開して来ていただく人が、やはり会社の人が主でし て、その中で新人教育の一環としてちょうど4月に団体で見学したいというような話は 何件かあります。ということですが、やはり学生さんは一般公開の中にはなかなか乗り にくい。ただ随時の見学というのがありまして、直接申し込みをいただきまして、何月 何日に見学したいというようなことはやっておりまして、大学そのものもありますし、 例えば学会などの見学会、そういう流れになっているものもあります。もう少し高校生 レベルから中学生とか、そういうのは全くないことはないのですが、ちょっと少ないで す。  その一つの理由は、平成13年に独立行政法人になりましたが、それまで産業安全研究 所には、田町にあるのですが、産業安全技術館という博物館をもっていたんですね。そ こに例えば工業高校がそこを見学するコースにしているとか、それは博物館ですから、 まさにわかりやすく展示をしてあるというところで、そういうものの活動は結構してい たのですが、いろいろな事情から、研究所は研究だけということで切り離しまして、産 業安全技術館というのは今でもあるのですが、それは国の管理になっているということ で、そういう事情もございます。 ○田村部会長  ありがとうございました。他にはいかがですか。 ○武見委員  今、市川委員が御質問なさったことは、多分去年もたしか話題になったような気がす るのですね。国民へのサービスとして、いわゆる専門職ではなくて一般の方に広くとい う意味では一般公開でグループ制をひくとか、いろいろ工夫をされて、もう目一杯だと いうお話がありましたが、努力されている様子はよくわかります。もう一つ、学会の論 文数のところで、これはパワーポイントで50になるのですが、一般向けということでは ないと思うんですが、学会論文数は若干昨年より少なかったということがありますが、 一般誌は全体としてずいぶんふえているんですね。  一般誌、技術誌、この辺も場合によっては、やはり講読数は少し違うと思うのです が、これは、いわゆるより広くいろんな方への情報提供というか、そういうことを心が けていらした結果なのか、それともあまりそういうことはちょっと深読みしすぎなの か、そのあたりのことも今のことと関連して聞かせていただきたいなと思います。 ○産業安全研究所研究企画調整部会長  一般誌への投稿というのは、進めるようにということにはなっております。ただ一般 誌いくつ以上という数字的なノルマがまだないというか、あまりノルマをつけてほしく ないのですが、そういうことで一般誌への投稿がいくつ以上だからいいとか悪いという ことではないのですが、実際のところ、安全の分野の話からしますと、学会論文を出し ても、それを即災害防止に結びつくようなところまでは読まれないのですが、一般誌に 解説的な記事を書いた方がおそらく災害防止には直接には役に立つだろうということで 推奨はしてございます。 ○田村部会長  それでは評価シートの御記入をお願いいたします。               (個別項目18〜21の評価) ○田村部会長  それでは個別項目18から21の評価につきまして行いたいと思いますので、御説明のほ どをよろしくお願いいたします。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  それでは評価シート18から御説明申し上げます。18は運営費交付金以外の収入の確保 ということでございまして、競争的資金を獲得その他、ここに書いてあります通り、支 援員を得たとか、招聘を得たというようなこと、それから成果物の頒布というようなこ とをあげさせていただいております。  グラフを何枚かつけましたので、そちらをごらんいただきたいのですが、64枚目のシ ート、競争的資金研究、これは文科省の科研費がなかなか入らなかったのですが、16年 度からはちゃんとお金の入るような状態でつくことができたということで、それが大き くアップしている。それから厚労省の科研費も金額がグッと上がったというようなこと で、これはかなりのプラス要因かなと思っております。  次は65枚目の財産賃貸収入ですが、これは厳密にいいますと施設貸与と機器貸与とい うふうになりまして、機器というのは実験装置そのものを貸します、施設貸与は実験棟 等を貸すということで、施設貸与はもともと国の方針だったと思いますが、なくす方向 でいくということで、減少しております。これが今年から来年かにはもうゼロになるは ずです。それで実際に動けるものは機器貸与ですが、これは件数ベースでいくとデコボ コがあるのですが、金額ベースでいきますとこのように現在は右肩上がりになっている ということがいえます。  その次は66枚目のスライドでは受託収入ですが、政府受託と民間受託とございます。 政府受託というのは、国のお金できたものですが、これは14年以降はちょっと制度が変 わりまして、本質的にございませんので、ここで終っております。民間受託は毎年数件 あったのですが、16年度は残念ながら1件だけということで、非常に苦しい状況にある ということで、あまり出したくないデータではあったのですが、これはマイナス要因で 仕方がないかな、努力はしてございますという状況です。  次の頁へいきましてその他の事業収入です。著作物と、あとは特許権ですが、特許関 連の収入が最近急に得られるようになってきたということで、これは大きなプラス要因 であるというふうに考えております。ということからマイナス要因、プラス要因ありま すが、全体的に見るとレベルより少し上のA評価をつけさせていただきたいというとこ ろです。これが評価シート18でございます。  評価シート19番目は予算収支資金計画でございますが、これにつきましては中期目標 計画にしたがってある意味粛々と実施しております、競争的資金などがふえたり、いろ いろありますが、基本的に特別のプラス要因、マイナス要因なく実施しているという判 断でございまして、これは過不可なしでBランクを自己評価としてはつけさせていただ きました。  次の評価シート20ですが,人事に関する計画です。先程も御説明いたしましたが、若 手任期付き研究員を採用している、それから研究員が全て公募選考をしているというよ うなことがございます。あとは採用後、勤務に対する希望調査をとっているというよう なことがありまして、結果としては人員は年度計画通り進んでいる、人件費総額も計画 範囲内であるということで、人事問題に関しては適切であるということで、若手任期付 きなどもそれなりに粛々と採用しているということから、人事計画全体といたしまして はAランクをつけさせていただきました。  最後に21番目のシートですが、施設整備に関する計画のところです。これは平成16年 度はもともと計画自体が当初から施設整備の整備計画がございませんので、これはBと するという考え方もあると思いますが、平成13年度にもこういう計画がなくて、その時 はこの評価項目そのものに入っていなかったという記憶しておりますので、今年度に関 しましても、これは自己評定としては何もつけないで空白の状態で出させていただいて おります。ということで非常に簡単でございますが終わらせていただきます。 ○田村部会長  それでは委員の先生方から御質問等をいただきたいと思いますが、いかがでしょう か。 ○政安委員  一番最後の21のシートについては自己評定もされていないことから、委員としてはノ ーアンサーというような回答でもよろしいんでしょうか。 ○田村部会長  これは事務局の方はいかがでしょうか。 ○政策評価官  計画通りということで、Bというのが理屈から言えばそういうことだと思います。別 にこの個別事項の評価は全体を足して平均をするというような性格のものではございま せんので、あくまでも個別事項ごとに見ればいいということでございますので、事務的 に申し上げれば計画通りでBということでよろしいかと思います。 ○田村部会長  よろしゅうございますでしょうか。それでは我々としては評定をさせていただくとい うことでよろしくお願いいたします。他に御質問はございますでしょうか。 ○酒井委員  大変たくさんの活動の中で受託研究費、これは研究所としてはやはり受託研究費をふ やすという方針で取り組んでおられるのか、もしそれであるならば具体的に何かそうい う受託を獲得するための活動なり戦略なりというものがおありになるのかどうか、お聞 かせいただきたいと思います。 ○産業安全研究所研究企画調整部長  受託はふえたらふえた方が当然好ましいということで、ふやす方向であるかないかと 言われれば、ある方向ですとお答えすることになりますが、具体的に受託研究をとるた めに非常にいろいろな活動をしているかと言われますと、ホームページで受託研究を求 めますとか、講演会などで受託研究がありましたらというような話はしておりますが、 それ以上のレベルでは特に実施しておりません。 ○産業安全研究所理事長  少し付け加えさせていただきますと、受託研究は何でもいいかというと、我々はそう ではなくて、基本的にやっぱり産業安全に役に立つ研究、また特定の企業だけがメリッ トを被るような受託研究は当然のことながらちょっと避けさせていただく。所内に受託 研究を審査する委員会がございまして、何でもかんでも受けますよということでやって いるわけではございませんということは御理解をいただきたいと思います。 ○田村部会長  他に御質問はございませんか。 ○武見委員  人事計画のところなんですが、最初の方で質問したかったのですが、任期付きの採用 とそうでない採用をなさっていますね。それはいわゆる採用される領域というか、その ことによって決まってくるのかなと最初の時には思ったりしていたのですが、むしろこ の人事計画全体を考えた時に任期付きなのか、そうなのかという、採用する場合に違う わけですね。その辺というのはどういう判断でこうした人事が行われているかというこ とについて聞かせていただきたいと思います。 ○前田研究企画調整部長  一般的に申し上げますと、若手といいますか、ドクターとりたて程度の人たちを採用 する時は、全て任期付きでとる。任期付きで通常3年間を終ったあとは、若手任期付き で一応今は1期しかできないことになっておりますので、その次の世代の人をとる時に は任期付きでない人たちというような基準で動いているのが現状です。 ○産業安全研究所理事長  付け加えさせていただきますと、当然のことながら研究計画がどうなっいるか、どう いう人材が必要なのかということが一番最初のベースです。その上でたしか去年も前の 理事長が言っていたかと思いますが、我々の仕事は研究だけではなくて、災害調査を現 場へ行ってああだこうだとやらなきゃあいけない。そういう意味では経験豊富な人材を 育てていかなくちゃあいけないということもございまして、いろんな絡みでパーマネン トの方に来ていただく、あるいは若手の方に来ていただく、ケースバイケースと言い切 れないところはもちろんあるのですが、それに近いかと思います。 ○政安委員  今の関連なんですが、スライド9でリスクマネジメントのところの任期付きと任期を 付さないというところを、最初任期付きで、次には任期を付さないという形に変更した というところは、そういう考えで変更されたんでしょうか。 ○産業安全研究所理事長  ちょっと具体的な話になってしまうので、これは一般論ではないのですが、たまたま このケースということなんですが、若手任期付きですと、任期が限られているというこ とから、優秀な方でなかなか応募してくれないという事実もあるということがありま す。そういった関連もございまして、たまたまこの時にはしばらく経ってからリスクマ ネジメント関係のパーマネントの方を採用しますということで公募をかけまして、優秀 な方がきていただいたという状況でした。 ○鈴木委員  新しい職員を採用なさる時に応募者は任期付きと任期付きでない場合を分けて、どの ぐらいの方がいらっしゃいますか。 ○産業安全研究所理事長  今手元に資料がないので、これこれですとお示しすることはできないのですが、日本 全国あまねく公募をかけます。いろんな形で公募をかけますが、学会誌、ホームペー ジ、データベースその他でお願いをしますし、それでまず二段階で選考しております。 一段階目は書類審査、それから書類審査でふるいをかけた方何人か面接という二段階で やっています。非常にざっくり言いますと、応募者の大体6〜7倍、少ない場合で3倍 の応募がございます。例えば2人雇いますよというと10人ちょっとの型が応募をしてく る、それを書類で半分に落とします。面接は大体採用する方の2倍あるいは3倍の方を 面接にかけて人を選んでいるということで実施をしております。 ○田村部会長  それではシートの御記入の方をよろしくお願いいたします。                  (総括質疑) ○田村部会長  よろしいでしょうか。それでは最後に総括といたしまして、何か御質問あるいは御意 見等があれば頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。全般的なこと、総括的なこ と、何か御意見はございますでしょうか。よろしゅうございますか。 4.閉会 ○田村部会長  それでは長時間にわたり御苦労様でした。また何か疑問点等出てまいりましたら、本 日は午後にも部会がございますので、その際にも御質問をいただければというふうに思 います。それでは第16回調査研究部会はこれで終了とさせていただきます。                                     (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 企画係 電話 :03-5253-1111(内線7783)