05/07/05 中医協の在り方に関する有識者会議平成17年7月5日議事録 平成17年7月5日 中医協の在り方に関する有識者会議           第6回議事録 (1)日時    平成17年7月5日(火)18:27〜20:12 (2)場所    東海大学校友会館「望星」 (3)出席者   大森政輔氏 奥島孝康氏 奥野正寛氏 金平輝子氏 岸本忠三氏         尾辻厚生労働大臣         <事務局>         水田保険局長 中島審議官 間杉保険局総務課長 麦谷保険局医療課長         石原保険局調査課長 堀江保険医療企画調査室長 (4)議題    ○検討に沿った議論         (1)「診療報酬改定に関する企画・立案の在り方との関係を含めた中医          協の機能・役割の在り方について」         (2)「公益機能の強化」         (3)「病院等多様な医療関係者の意見を反映できる委員構成の在り方」         (4)「委員の任期の在り方について」         (5)「診療報酬の決定手続の透明化及び事後評価の在り方について」         (6)「その他、医療の現場や患者等国民の声を反映する仕組みの在り方          等について」         (5)議事内容 ○大森座長  では、定刻、若干前ですが、皆様おそろいですので、第6回の「中医協の在り方に関 する有識者会議」を開催いたします。  第4回及び第5回会議におきまして、基本的な6つの論点に沿って一通り御議論いた だきまして、それぞれについて、当会議としての一定の方向性を取りまとめたところで ございます。  本日は、この第4回及び第5回会議における議論のまとめを振り返りつつ、引き続き 議論を深めていくべき論点に焦点を当てまして、御議論いただきたいと思います。  まず、6月21日に閣議決定されましたいわゆる「骨太方針2005」において中医 協改革についても触れられておりまして、この点について事務局より若干資料が提出さ れておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(中島審議官)  それでは、お手元の資料1をごらんいただきたいと思います。いわゆる「骨太方針 2005」というものでございます。関連部分だけを抜粋しております。 (中医協改革)  中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)について、「中医協の在り方に 関する有識者会議」の議論を踏まえ、以下の方向を始めとする改革を行う。  (1)公益機能を強化し、病院等多様な医療関係者の意見を審議に反映させるため、公 益委員の人数など委員構成を見直す。  (2)診療報酬改定に係る基本的な医療政策の審議は厚生労働大臣の下における他の諮 問機関にゆだねた上で、中医協はこの基本的な医療政策や内閣において決められた改定 率を前提として個別診療報酬点数の改正案を審議することとし、その機能・役割を明確 化する。  (3)診療報酬改定の結果を検証する機能を公益委員に担わせる。  以上でございます。 ○大森座長  ありがとうございました。  随分丸めて書かれていますので、大体がカバーされているように思われます。  では次に、第4回及び第5回会議における議論のまとめと引き続き議論を深めるべき 論点につきまして、私の方で事務局に指示をいたしまして、整理をしてもらったものが 本日用意されております。  それでは、まず、事務局から資料の説明をお願いします。 ○事務局(中島審議官)  それでは、お手元の資料2に基づきまして、この議論を深めていただく論点につきま して一通り御説明をさせていただきたいと思います。  この初めの「*」に書いてありますように、四角の中は4回及び5回の会議における 議論のまとめということでございます。その下に書いております四角の外の記述につい ては、引き続き検討を深めていただく論点ということでございます。  まず第1点目は、「診療報酬改定に関する企画・立案の在り方との関係を含めた中医 協の機能・役割の在り方について」ということでございます。  この四角の中の議論のまとめ、3つございますけれども、これは省略をさせていただ きまして、その下の論点(1)でございます。これに関して、「どこまでを基本的な医療 政策に該当するものとして社会保障審議会の審議事項とするか。」という論点でござい ます。  次の2ページ目に参りまして、これまでの発言を整理させていただきますと、保険適 用とする診療行為の範囲は医療政策に属するべき事項であり、中医協から切り離した方 がよいという御意見、それからまた、2つ目のぽつにつきましては、この点について、 引き続き中医協で議論するべきではないかという御意見、また、この診療報酬の範囲と いうことについて、大枠は中医協とは別のところで決めるべきではないかというような 御意見があったかということでございます。  具体的な例といたしまして、その下の方に書いてございますが、例1といたしまし て、「入院時の食事に係る給付の見直しについて」ということで記述をしてございま す。入院時の食事についての給付に関しましては、それまで診療報酬の中で評価をされ ておったわけですけれども、平成6年10月から入院時食事療養費制度というものを導 入したわけでございます。そういたしまして、食事に関して家庭でも要している程度の 額を、標準負担額ということで患者から徴収をする取り扱いとしたところでございま す。このことにつきましては、医療保険審議会、これは当時の名称でございますが、に おきまして審議が行われて、法改正が行われたということでございます。また、この入 院時食事療養費の額の設定につきましては、中医協において審議が行われることとされ まして、その手続を経て、この6年10月から施行されたという経緯でございます。  3ページ目に参りまして、例2でございますけれども、「中医協の策定する「診療報 酬改定の基本方針」について」というものに関してでございます。診療報酬改定に当た りまして、改定の前の年の12月に、中医協では「診療報酬改定の基本方針」というも のを取りまとめてございます。この「基本方針」の中には、「基本的な医療政策」に該 当すると考えられる部分と、「基本的な医療政策」をもう少し具体的に記述していると 考えられる要素とが含まれているということでございます。  これにつきまして、「平成16年度診療報酬改定の基本方針」に基づきまして具体的 にお示しいたしますと、下の四角のような整理になるのではないかということでござい ます。  四角の左側が「基本的な医療政策」に該当すると考えられる要素、四角の右側が「基 本的な医療政策」をもう少し具体的に記述していると考えられるものでございます。 「基本的な医療政策」の関係では、小児医療について申し上げると、「これまでの診療 報酬上の取組の効果を評価しつつ、評価の充実を図る。」というような記述がございま す。また、「具体的には、小児救急医療体制について、評価の充実を図る。」、あるい は「また、新生児救急医療についても、評価の充実を図る。」と、こういった書きぶり でございまして、これらは基本的な部分ではないかということでございます。  また、もう少し具体的な部分といたしましては、右側の四角の、「小児救急医療につ いては、特に夜間診療体制に応じた評価や、専門的な小児入院医療等に対する評価の充 実を図る。」というような記述がございます。具体的にさらにそれぞれの項目が例示さ れております。また、次のぽつといたしまして、「新生児救急医療については、新生児 入院医療管理加算の見直しを含め」云々ということで、具体的な点数も引き合いに出し て記述をしているというような部分がございます。  また、2つ目の点でございますが、4ページに参りまして、「公益機能の強化につい て」ということでございます。これにつきまして、論点(2)といたしまして、「公益委 員の数を具体的にどの程度まで増やすか。」ということが論点ではないかということで ございます。これまでの発言の整理といたしましては、公益委員がキャスティング・ボ ートを握れるように、人数を全体の過半数とすべきではないかという御意見、また、人 数を増やして支払側及び診療側と同数とするべきではないかという御意見、あるいは、 8対8対4ではバランスを欠くので、公益委員の人数を増やすべきだという御意見、さ らには、量より質、専門分野のカバーといった観点から考えてもよいのではないかとい った御意見がございました。  次、5ページ目でございます。3つ目で、「病院等多様な医療関係者の意見を反映で きる委員構成の在り方について」ということに関してでございますが、論点(3)といた しましては、「支払側委員及び診療側委員の委員構成の考え方について、どのように考 えるか。」という論点がございます。それから、論点(4)といたしまして、「医療保険 における都道府県の役割の強化について、どのように考えるか。」という論点、それか ら、(5)といたしまして、医師を代表する委員について、大学病院等の意見をより適切 に反映させるための委員構成の見直しについて、どのように考えるかと、また、6ペー ジ目でございますが、(6)といたしまして、「病院の意見を反映できる医師の推薦の在 り方について、どのように考えるか。」ということでございます。  これまでの発言の整理といたしましては、団体の意見を審議に反映させるのが相当で あるということであれば、直接その団体の推薦によって委員を選任すべきではないかと いう御意見、また、日本医師会が、推薦団体として全体を見渡しながら、大学病院、大 病院、診療所、開業医といった全体のバランスを考慮した上で選んでくる形ができれば 最もよいのではないかという御意見などがございました。  次、論点(7)でございますが、「支払側委員及び診療側委員の推薦制の在り方につい てどのように考えるか。」ということでございます。  これまでの発言の整理といたしましては、推薦制の廃止が難しいとしても、推薦団体 に複数の候補者を推薦してもらうというような、何らかの運用の改善が必要ではないか という御意見、また、強制加入ではない任意加入の組織が推薦権を持つのはおかしいの ではないかという御意見、また、推薦制によらなければ、適任者を選任できないのでは ないかという御意見、また、官がすべてを支配するというような形はよくないのではな いかという御意見、また、推薦制については、三者構成により「○○を代表する委員」 と法律上構成されておるので、その構成と不可分の関係にあるのではないかという御意 見などがございました。  次、7ページでございます。4つ目、「委員の任期の在り方について」という関係で ございます。論点(8)といたしまして、「前任者の残任期間を引き継いだ場合を含めて 考えたときに、このような取扱いでよいか。」ということでございます。欠員を生じた ときに任命された委員の任期につきましては、前任者の残任期間ということとされてお りますために、こういった場合、前任者の残任期間を引き継いだ任期の上限は、4年1 日から6年未満までの期間となるということなのですけれども、このことをどう考える かということがあるということでございます。  次、8ページでございます。5番目、「診療報酬の決定手続の透明化及び事後評価の 在り方について」ということに関して、論点(9)でございます。「診療報酬改定の結果 の検証の目的及び検証の結果をその後の改定に繋げていくための方策について、どのよ うに考えるか。」ということでございます。  また、9ページ目でございます。6番目といたしまして、「その他、医療の現場や患 者等国民の声を反映する仕組みの在り方等について」ということでございまして、論点 (10)として、「多様な医療関係者の意見を反映させるための方策について、どのように 考えるか。」ということでございます。  また、お手元の資料3につきましては、これまで提示させていただいておりますもの でございます。  また、資料4につきましても、これまで提示させていただいたものでございます。  さらに、本日までに事務局の方に出された要望書、一つは全国保険医団体連合会、い ま一つは日本看護協会のものが添えてございます。  私からの説明は、以上でございます。 ○大森座長  どうもありがとうございました。  それでは、早速、引き続き議論を深めていくべき論点ごとの議論に入りたいと思いま す。  論点は、合計10個ありまして、それぞれ中身のウエートの差はあろうかと思います ので、繁簡差をつけながら所要時間内に全部をカバーいたしたいと思います。  まず、論点(1)、「どこまでを基本的な医療政策に該当するものとして社会保障審議 会の審議事項とするか。」という点について御議論をいただきたいと思います。ただい まございました事務局の説明も踏まえまして、この論点について御意見をいただきたい と思います。かなり微妙な内容を含んでおると思いますので、ぜひ皆様の御意見をお願 いしたいと思います。ございませんか。  これは、中医協と他の審議会との間の審議事項の切り分けの問題でございますけれど も、先ほど事務当局から説明がございました例1、例2、特に例2については非常に微 妙なところでございまして、こういうふうに切り分けられるのかなと思いながら、なか なか読んでも、私自身もよくわからない点があるわけですが、いかがでございますか。 ○岸本氏  2ページの「これまでの発言の整理」の2番目のところは僕が言ったことだと思うの ですけれども、現場のことをよく知っている人がやはりかかわらなければならないと。 その一つの例としての、3ページの小児救急医療体制というものに書いてあることでい いますと、小児の救急医療の体制を充実させるということは非常に重要なことであっ て、それが十分でないことに不安を感じている人は多いと思うのですけれども、そのた めにどのようにして充実させるかというと、それはやはりどこに重点を置くか、保険の カバーをどういうふうにするか、どれだけの点数にするかというふうな、具体的な、ど こにウエートをかけるかということを決めることによって充実されるということが決ま ってくるのではないかと思うのです。そういう具体的なことはその現場で小児科をやっ ておられる先生とか、そういう方が一番よく知っておられることで、だから現場を知っ ている方が、そういう具体的なこと、何をカバーするかとか、どういうふうに点数の設 定を決めるかとかいうことはやはり決めるべきで、しかし、どういうことに重点を置く べきかという基本的なことは外の部分で決めて、その具体的なことは中医協で決めると いうのが、ここに書いてあることの1つの例はそういうことだと思います。 ○大森座長  どうもありがとうございました。  ただいまの御意見についてでも結構でございますが、ほかの問題についても結構でご ざいますが、御意見がございましたら、どうぞ。 ○金平氏  私は、基本的なところではこれまで整理してきたように、基本的な医療政策を社会保 障審議会で審議する、そして、それに沿って中医協が具体的な診療報酬の点数の設定と いうふうなものを行うということ、これでいいと思いますけれども、さて、個々のこと になってくると非常に難しいということは、例を2つ出していただいて、1の方は少し わかるのですけれども、2の方になると何かよくわからないので、これはやはり、少し 専門家の力が必要だなというふうに思います。ですから、基本的なところははっきりし ておいて、個々の事例については、やはり実際の現実的な運用の中に任せていくという 以外はないかなというふうにとりあえず考えています。 ○大森座長  どうもありがとうございました。ほかにございませんか。 ○奥島氏  金平委員の意見に賛成です。 ○奥野氏  何か一言言ったらいいと思うので。一言で言うと、基本的な方針を外、外という言い 方はおかしい感じがしますが、別の審議会に任せて、専門的なことを中医協でというこ とで、その境界をどこで引くかというのがかなり難しいといいますか、事前に引いてし まうとかえって後で困るという面も一方ではあると思うのです。ですから、あまり定義 をしてしまうということは、今後の弾力的な運用ということを考えるときにいいのかど うかというと、ちょっと首をかしげざるを得ないというふうに思います。  逆に言うと、議事録に残しておくものとしては、事務局の側で3ページの下に、例と してこういうものはどうですかということを多分おっしゃっていて、それに対して私は そんなに違和感は感じませんということを、多分一つ申し上げておくのはいいのかな と。そういう意味で岸本先生がおっしゃったこと、金平先生がおっしゃったこと、大体 私も賛成です。  さらにもう一言だけですが、2ページの方の例にどなたも触れていないので、一言だ けですけれども。中医協というのは医療に関する報酬とかカテゴリーというものをどう いうふうに考えるかということにかかわる審議会だと思うのですけれども、これからの 高齢化社会を考えると、やはり医療のことだけを論じるということは非常に難しくなり つつある。高度医療とか専門医療という、それはもちろん医療の専門家の方々にやって いただかなくてはいけないと思うのですけれども、ここにある入院時の食事みたいなも のというのは、ひょっとしたら介護とか年金とか、そういうさまざまなほかの国がやっ ている、特に高齢者の場合なんかはそうですけれども、そういう方にお支払いする給付 と医療というものの公的な援助、これをどういうふうに考えるかというバランスの中で 考えていくという面もありますから、そういう意味でいうと、この例1の具体例みたい なものは、ひょっとしたらもう少し大きな目で、そういう意味で大きな目で考えるとい うようなことが必要なのかなと思います。  そういう意味で、1とか2とかというのを挙げられたのかなというのが私の印象で、 違和感ないということでございます。 ○大森座長  どうもありがとうございました。  私のような医療面について素人は、この点についての集約がなかなか難しいわけでご ざいますけれども、例1、例2についての切り分けと切り分け説明というのは首肯でき るという御意見であったろうと思います。  これ、抽象的に切り分け基準を述べる限りは容易だと私も思いますので、どこまでを 公的保険でカバーするかという基本的な考え方に関する部分は社保審と、その社保審で 議論をさらに定められたものの適用として個々の診療行為を保険の対象とするかどうか というのは中医協と、大体こういう抽象的な切り分け基準というのは立つのだろうと。 その限りは、皆さん御異論がないのではなかろうかと思います。  ただ、では個々具体的にどういうことなのかということについては、いずれにしても 厚生労働大臣の下における所管事項の切り分けなものですから、これはこういう抽象的 な基準を定めておきさえすれば、あとは厚労省の所管部局において具体的な当てはめを 慎重にお考えいただければ、それ以上のことはここで決めることは困難だと思います し、大体そういう方向でよろしゅうございますか。 ○金平氏  いいと思います。  これ、後の方で出てくるのですけれども、医療についての国民の意見をどうやって集 めるかというふうなことがあります。そのときに、社保審の方が聴くのか、何か中医協 でも意見を聴くと、意見が出ておりましたけれども、ここら辺のところはもうちょっと 後で論議をしたいと思うのです。やはり今後こういうふうな医療というものを入れてほ しいとか、そういう国民の意見が出たときに、まずその取り上げるのがどこかというと ころなども、今後この中医協と社保審がどういうふうにシェアしていくかというときに も非常に影響してくるのではないかと思っております。私は、キャッチボールとはいき ませんけれども、医療についての意見が恐らく今後は出てくると思うので、そういうふ うなものが出る中で、双方でうまくおさまるところにおさまるのではないかというふう に思います。  とにかく、今までは少し中医協に権限が集中し過ぎていたというふうなことを前提 に、我々は、こういうふうなシェアをして、また、仕組みを考えるべきという意見をし たということだけははっきりしておきたいというふうに思います。 ○大森座長  ありがとうございました。  ただいまの御意見は、論点(10)のところでもう一度お願いしたいと思います。 ○金平氏  はい。 ○大森座長  それでは、この論点(1)につきましてはこの程度で、次に論点(2)、「公益委員の数を 具体的にどの程度まで増やすか。」について御議論いただきたいと思います。事務局の 説明も踏まえまして、今までもかなり出ているわけでございますけれども、もう一度考 え得るところ、よろしくお願いします。  これ、先ほどの審議官の説明にもございましたように、今まで出されました我々の意 見は、3つぐらいに意見が分かれておりまして、増やすと言われてもどの程度増やすの かということを、もう少し意見を集約しておかなければ、なかなかこれに基づく対応は 難しかろうと思いますので、引き続いて御議論をいただきたいと思います。  どなたからでも、どうぞ。 ○奥島氏  「これまでの発言の整理」の中で、最初の「公益委員がキャスティング・ボートを握 れるように、その人数を大幅に増やし、全体の過半数とするべき。」というのは私の主 張でありましたけれども、私は基本的にはそのように考えておりますけれども、この公 益委員の数を大幅に増やすという表現で妥協するつもりはございます。といいますの は、先ほどの「骨太方針」の中でも、「診療報酬改定の結果を検証する機能を公益委員 に担わせる。」ということがありますし、それからまた、ここでの議論でも、後に論点 になりますように、報酬改定の結果の検証、それから、それが大きな政策に合致してい るかどうかの検証は公益委員の役割にするというような方向が出てきております。その ようなことを考えますと、公益委員のこの「公益機能の強化」という意味においては、 単にそういった検証機能だけではなくて、この議論の中での、言ってしまえば、意思形 成あるいは合意形成の中における公益委員の役割というのが非常に大きく期待されてい るというふうに考えますので、公益委員の人数を大幅に増やしてほしいという意見をも う一度申し上げておきたいと思います。ただ、「全体の過半数とすべき」というふうに 私は思っておりますけれども、それにこだわるものではありません。 ○大森座長  ありがとうございました。ほかにございますか。  「全体の過半数」というところは取り下げるということになりますと、大分近づきま したけれども、いかがでございますか。 ○奥野氏  そう言っていただけると、多分、もう少し落ちつくかなという感じはします。診療 側、支払側という三者構成を維持するというわけですから、そうすると、やはり公益委 員を含めて全部が3分の1ずつぐらいになって、ただし人数が8・8・8がいいのか、 あまり人数が増え過ぎるのはよくないのかもしれませんし、それから公益委員に関して も、いろいろなバランスを考えるということで、人数はとにかくとして、3分の1ずつ ぐらいをめどにすると。きちっと3分の1でなくてはいけないかどうかはまた別です が、そのぐらいでいかがかなと私は思いますが、奥島先生の御意見も含めて、まあ皆様 も。 ○大森座長  どうもありがとうございました。 ○岸本氏  今奥野先生が言われたのと同じような意見ですけれども、3つの、診療側、支払側、 それから公益委員が、バランスというか同じぐらいの数で、しかし何人というのは物す ごく数が増えてしまうと、やはり全体としての数というのもいろいろ制限もあるでしょ うし、それはまあ別に書かなくても大体バランスを持ってするというぐらいのところで いいのではないかと思います。  それで僕が言った意見は、一番最後に「量より質、専門分野」とか書いてあるのです けれども、やはり、国民か患者か、そういう人たちの意見が入るような委員もその中へ 加えていただくというふうにしていただいたらいいのではないかなと思いますけれど も。 ○大森座長  ありがとうございました。  金平委員はいかがでございますか。 ○金平氏  数はもう一つよくわかりません。この間、前回でしょうか、公益委員の役割みたいな ことが出まして、もともと何か調整機能だけではないということでしたし、特にこれか らは医療政策については別のところでやるにしても、やはり診療報酬の立て方自体が相 当政策的なことが入ってくると思うので、公益委員に、そういう見識というか役割の上 で、三者の中の一つの柱をしっかりとやっていただきたいなというふうに思います。や はり同数かなという気がいたします。  ただ、それ以上、奥島委員も過半数は取り下げてもいいとおっしゃったのでちょっと 安心したのですけれども、とにかく非常にハードな役割なので、そんなにたくさん公益 委員というふうなものを常時確保できるということは、私はやはりちょっと夢のような 話なので、あまり全体的な数も増やせないし、同数ぐらいでというところで、私の意見 といたします。 ○大森座長  ありがとうございました。  従前出なかった意見で、本日新たに出されましたのは、全体、合計数というものも考 慮しなければならないという点だろうと思います。船頭多くして船何とかでございます ので、やはり現在が20名で、8・8、同数でとなれば24名ということになってしま いますが、やはりどうも霞が関といいますか、永田町といいますか、その同意人事をた くさんというのは、実務的にもなかなか大変な面もあるという感じは私なんかはいたし ますので、そういうことになりますと、具体的な数はともかくとして、委員数全体の適 正を維持するということも踏まえながら、支払側委員、診療側委員の数と合わせて同数 がいいかなというニュアンスを持ちながら検討するというようなところでございますか ね。  それでは、一応そういうまとめにいたしたいと思います。  次に引き続きまして、論点(3)、「支払側委員及び診療側委員の委員構成の考え方に ついて、どのように考えるか。」という点について、さらに御意見をお願いしたいと思 います。  この点につきましては、いかがでございましょうか。  今現在、1号委員、2号委員それぞれ8名で、内訳が大体固まっているわけでござい ますけれども、議論の前提としては、やはり現在の構成を踏まえて、それをどういうふ うに修正していくのかというふうに考えていくのが合理的ではあるわけでございまし て、その辺、いかがでございますか。 ○奥野氏  やはり見直しが必要だろうと思うのですが、見直しがまたあまり恣意的になられ過ぎ てもひょっとしたらまずいというような気がいたします。支払側についても診療側につ いても、やはり議論になったのは、例えば支払側が、昔は大きかったのだけれども、だ んだん団体として小さくなってしまっていると、そういうところがかなり大きな人数を とっているのはどうかとか、やはり診療側についても、例えばですけれども、客観的な 支出のシェア、医療支払いのシェアとか、そういう種類の指標で比べてみてちょっとバ ランスが欠けているのではないかというような議論が随分あったように思うのです。で すから、別にこの客観的シェアでなくてはいけないという、特別の指標があるわけでは ないのですけれども、何か少し、やはり国民が見て理解できるような形の指標を幾つ か、別にあらかじめ決める必要もないかもしれませんが、そういうものを少し事務局な りあるいは中医協を組織するときにいろいろ調べてみて、それを時代の流れとともにそ の指標も変わるでしょうから、それに大体おかしくないよねというような、そういう発 想で委員構成をつくっていくという方向を考えられたらいかがかなと思いますが。 ○大森座長  ありがとうございました。この点に関しまして。 ○岸本氏  同じような意見ですけれども、この5ページの箱の中に書いてあるところの、「診療 側委員については、国民の目に見える形で病院の意見を反映できる医師の参画を推進 し、委員構成の見直しを行うべきである。」。それはそういうことだと思いますけれど も、大学病院とか大病院とかは、やはり全体の中で占めている比率が相当の部分がある わけで、今はそれが完全に反映されているかというと、やはりそこに問題があると。だ から、そこのところは、やはり委員構成を何らかの形で見直す必要がある。しかし、そ れをどういうふうにやるかという問題がありますけれども、それに関しては、これは僕 が言った意見かと思いますけれども、6ページのところに、「日本医師会が、推薦団体 として全体を見渡しながら、大学病院、大病院、診療所、開業医といった全体のバラン スを考慮した上で選んでくる形ができれば、もっともよいのではないか。」というふう な意見が書いてありますけれども、僕はそういうことではないかと思いますけれども。 ○大森座長  ありがとうございました。  6ページの論点(6)は、推薦制の在り方に焦点を置いて述べられている御意見ではあ るわけですけれども、依拠すべきこの指標としてはどのようなことを指標にして考える のが相当ではないかという御意見でございますか。 ○岸本氏  いろいろな指標はありますけれども、全体の医療費のどれだけがどこで使われている かという指標もありますし、どれだけの患者の数がどこへ最初に行っているかとかいう ふうな問題もあるし、それは非常に複雑ですけれども、大体どこの意見も入るようなバ ランスをやはり考える必要もあると思います。だから、大学病院、大病院というような 部分と、診療所、開業医といった部分とのある程度のバランスという。 ○大森座長  ありがとうございました。 ○金平氏  私、何回か前でしたでしょうか、この委員の中にナース、看護師さんを入れるべきで はないかということを申しました。ちょっと整理から外れておりますけれども、これに ついてもう一回ちょっとコメントさせていただいていいでしょうか。 ○大森座長  はい、どうぞ。 ○金平氏  私、実はこの会議に参加したときに、患者の声というのをもっと入れるべきだろうと いうふうに思っておりまして、ぜひそのことを発言しようと思っておりました。ところ がこの会が始まったと同時ぐらいに、もう先取りされてしまって、この会から意見が出 る前に患者さんが委員に入られました。それは公益委員としてではなくて、あくまで支 払側の委員という枠の方で入れたということでした。それについてここでも討議いたし まして、それについては了解しております。  もう1つ、ナースの問題です。ナースは、すでに基本問題小委員会に入っているとい う事でした。基本問題小委員会というのは中医協の下部組織ではないのでしょうか。 ○事務局(中島審議官)  中医協の一つの組織ですから、下部組織と言ってよろしいと思いますけれども。 ○金平氏  下部と言ったら、上・下があるようにとられますか、まずいですか。 ○事務局(中島審議官)  一部というか。 ○金平氏  では一部。  ナースがどこにも出てこないというので、私はやはりこれからの社会、在宅医療とか それから訪問看護というのがはっきりと制度に乗っているものですから、これを担って いらっしゃるのはナースが当然ながら非常に多いわけなので、これが診療報酬という観 点からもどこかで反映されるべきだろうと思っておりました。それで前回か前々回、ナ ースの代表を入れたらどうかということを申しましたけれども、それはあまり取り上げ ていただけなかったのですけれども、やはり基本問題小委員会の中にナースが入ってい るから、基本問題というのは今言ったように、中医協の中の委員会だから、そこで反映 するチャンスがあると言われればそうなのですけれども、これはやはり、そこをどうい うふうに考えたらいいのか、この基本問題小委員会というふうなものが実際にどう機能 しているのか、そこをちょっと厚労省の方から教えていただきたいのですけれども。 ○大森座長  よろしいですか。 ○事務局(中島審議官)  現在、看護協会、看護の職員の代表の方につきましては、中医協の委員の専門委員と いう形でお入りをいただいておりまして、いわゆる1号側、2号側、公益という委員で はないのですけれども、総会及び基本問題小委員会の審議に御参加をいただくという形 で、総会の方にも御参加をいただくというふうになってございます。そういう意味で は、御議論にも参加をしていただいているということでございます。 ○金平氏  ただ、中医協としての決定権の中には入っていないということですね。 ○事務局(中島審議官)  そうです。 ○岸本氏  同じようなことが、僕はこの前言いましたけれども、薬とか医療機器とかいうのは全 体の医療費の何十%かを占めるわけですね。それに全体の医療費の中でのウエートをど ういうふうにするか、どこを削るか、あるいはどこを増やすかというときには、やはり その中医協の中のコアのメンバーにあってもいいという考え方もあるわけですけれど も、しかし、看護師とか、そういう薬とか、機械とかあるいは技師とかいうのは自分で 直接診療費を受け取る側ではないので、ここは、診療側というのはそれを受け取る人を 言うのであるという定義なら入らないということにもなるのかと思いますけれども、そ の辺のところは非常に大きく変えるなら、そういうのをどういうふうに入れていくかと いうようなことも考えなければならないのではないかなと思いますけれども。 ○金平氏  もう1点、ナースのことにつきましては、今岸本委員がおっしゃったことと、もう1 つの、このごろはナースの方も医療経営というか病院経営に参画、参加なさるという事 例が出てきているというふうに承っているのです。確かに、私も、副院長というふうな ところにナースが既にもう入っていらっしゃるというふうなことになると、いわゆる病 院経営という、診療側の一つの機能というふうなものをナースも担っていると、この点 もちょっと忘れてはいけないだろうというふうに思っています。 ○大森座長  ありがとうございました。ただいまの質問部分、答えられますか。 ○事務局(中島審議官)  御質問の部分というのは、ちょっとどの部分なのですか。 ○大森座長  ナースが経営に参画している例があると。 ○金平氏  まだ数は少ないと思いますが、方向としては既にあると思うのです。 ○事務局(中島審議官)  私どもも、実際に看護師の方が副院長に任命されておられる病院が幾つかあるという ことは存じ上げております。ただ、どこまで経営に参画しておられるかということにつ いてまでは承知しておりませんけれども。 ○大森座長  ありがとうございました。  従前もその同様の意見を出されたことは記憶にあるわけでございますが、そのときの 議論の整理では、現在、医療保険の主体に焦点を当てて1号、2号委員が立てられてい るという、そういう整理だったように思います。  本日出されました御意見、最終的な報告におきましては、その出された御意見を踏ま えるような取りまとめに努力したいと思いますので。 ○金平氏  もう1点だけすみません。  岸本委員もおっしゃいましたけれども、医療におけるほかの職種のこともあるかと思 いますが、中医協の中に基本問題小委員会というものの位置づけ、役割とか、どういう ふうになっているか、今後は明確にすべきではないかと思います。そしてこの委員の構 成を考えていくことが重要だと思います。整理の仕方によって今後は、基本問題小委員 会からの意見の反映ということもあっていいのではないかというふうに思います。 ○大森座長  どうもありがとうございました。  最後の論点(10)も若干この論点に関係する問題ではございますけれども、ただいま述 べられました御意見は議事録に残りますので、それを踏まえて報告書ではそれを盛り込 みたいと考えます。  では、一応現在のところはそういうことにして、先に進んでよろしゅうございます か。  先ほど、構成についてどういう考え方に基づいて考えるべきかということで、その考 えるべき要素として一体何を取り上げるかということからも少し議論を始めたわけでご ざいますが、この医療費のシェアとか、医療施設等のシェアとか、あるいは従事者の数 とか、これについて事務当局で、これに基づけば大体こういうシェア、これに基づけば こういうシェアだというようなことの概略でも説明いただければ参考になると思います が、できますか。 ○事務局(中島審議官)  極めて概略でございますけれども、例えば医療費をベースとして考えますと、平成1 5年度の医療費が、いわゆる医療が24.3兆円、歯科医療が2.5兆円、薬剤、調剤 関係が3.9兆円というような比率になっておりまして、割合でいきますと、医療が約 80%弱、歯科医療が8%、調剤が12.7%というような比率になります。  それから、施設数、従事者数ということで申し上げますと、医師については24万 9,000人、歯科医師につきましては約9万人、薬剤師につきましては15万 4,000人というようなことになりまして、その割合で申し上げますと、医師が 50.5%、歯科医師が18.3%、薬剤師が31.2%というような比率になるとい うことでございます。  施設の関係ですけれども、医療施設、薬局数等でございますが、医療施設につきまし ては10万4,000、歯科医療の施設につきましては6万5,000、薬局につきま しては4万9,000余りということになりまして、その割合で申し上げますと、医療 施設が47.6%、歯科医療施設が29.8%、薬局が22.6%というような割合に なるということでございます。 ○大森座長  それからもう1つは、医療費の生ずる原因である患者数ということを基本にすればど ういうことになりますか。 ○事務局(中島審議官)  患者数で申し上げますと、病院が333万人、また診療所が345万人、歯科診療所 が115万人というようなことになりまして、その比率で申し上げますと、病院の患者 数が42%、診療所が43.5%、歯科診療所が14.5%というような比率になると いうことでございます。 ○大森座長  ありがとうございました。  またこれは後ほど具体的にそれぞれの1号委員、2号委員の内訳をどう考えるべきか というところで再び御議論いただきたいと思いますので、ここでは、ただいま紹介のあ りました医療費のシェアとか、あるいは医療施設等の数とか、あるいは医療施設と従事 者とか、あるいは患者数とか、このあたりを、どれか1つに基づいてというのはなかな かそう簡単に割り切れるものではないと思いますので、以上のような指標を総合的に勘 案しながら、明確な考え方に基づいて決定していくべき事柄であるということぐらいで は全員一致できるのではなかろうかと思いますので、とりあえずはそういう取りまとめ にさせていただきたいと思います。  次に、論点(4)の「医療保険における都道府県の役割の強化について、どのように考 えるか。」ということにつきまして、先ほど事務当局からもございました説明を踏まえ て、さらに御意見がございましたら、お願いしたいと思います。 ○奥島氏  この点は奥野先生が強調された点でございますので、私も全く賛成でありまして、医 療保険における都道府県の役割ということを、これを支払側で考えるのか、あるいは公 益委員の側で考えるのか、それにはいろいろ考え方があろうかと思いますけれども、い ずれにしても、そこをやはり三者構成の中に一枚かませる、かませるというのはおかし な話ですけれども、一端を担っていただくという、そういう配慮が必要であると私は考 えます。 ○大森座長  ありがとうございました。  ただいま名前が引用されました奥野委員、いかがでございますか。 ○奥野氏  私のイメージとしては、やはり1つは高齢化というのが日本の将来ですけれども、も う1つはやはり地方分権というのが非常に重要になってきて、医療の問題というのはか なり地方分権というのにそぐう話だと思うのです。そういう形でこういうことを考えた ときに、正直言って、奥島先生がまさにおっしゃったように、支払側がいいのか、公益 委員がいいのか、ちょっと私もすぐに判断はしかねるのですけれども、少なくとも1人 程度は入っていただいた方がいいのではないかと思っております。どちらかというと、 公益委員の方がいいのかなというのが私の印象ではありますが、別にどうしてもという ことではありません。少し、むしろきちんと皆さん、あるいはこの後もゆっくりお考え になって決めていただければと思いますけれども。 ○大森座長  公益委員の中で処理するということになりますと、現行制度を前提とすれば、国会同 意人事になると。都道府県代表を仮に知事ということになりますと、知事を国会同意人 事の対象にするということになるわけですが、これは例があったのですかね、ちょっと 奇異な感じはせぬことはないのですけれども。 ○事務局(堀江保険医療企画調査室長)  地方分権推進委員会にのみ、1件だけございました。 ○大森座長  そうですか。まあ1件例があれば、前例がないということで一蹴されることはないと いうことにはなろうかと思います。 ○奥野氏  私自身もどちらがいいかわかりません。ほかの方々が御意見がありましたら、ぜひ。 ○大森座長  この都道府県の役割強化につきまして、実態、それが一体どういうことなのかという ことをちょっと説明いただいた方が理解しやすい面があるのですけれども、それについ てちょっと説明いただけますか。現在行われようとしている都道府県の役割の強化とい うのは一体どういうことなのかということですね。 ○事務局(中島審議官)  これは今現在は直接都道府県にお願いしていることというのは、例えば医療計画の策 定ですとか、介護の関係の計画の策定、あと健康増進の関係の計画の策定というような ことをお願いしておるわけでございますが、今後は、今社会保障審議会の方で議論いた だいておりますのは、それに加えて、医療保険のサイドからも県にも一定の役割をお願 いをして、医療費適正化等にも県としての見識を発揮していただきたいということで議 論が進められておるところでございまして、この部分についてはまだこれからというと ころもございます。  ただ、三位一体改革の中で、この都道府県の負担というものを、この際、国の調整交 付金の一部を都道府県の方に移譲いたしまして担っていただくというような改革は行っ たところでございます。 ○大森座長  たしか前に質問したことがあるのですが、都道府県が新たに保険者としてあらわれる ことが予定されているということではなかったでしたね。 ○事務局(中島審議官)  まだそこまでの議論には至っておりません。 ○大森座長  だから、現行制度を前提としますと、1号委員に入れるのは少し無理があると。その 場合に、ただいま意見がありました公益委員の中で処理していくことも含めて検討を深 めるということではなかろうかなという感じがいたしますけれども、それもまたいろい ろ検討を要する面があると思いますので、これはなお今後の課題ということになろうか と思います。  では、この点はそれぐらいにいたしまして、次に論点(5)、すなわち「医師を代表す る委員について、大学病院等の意見をより適切に反映させるための委員構成の見直しに ついて、どのように考えるか。」ということに進みたいと思います。  先ほども若干の意見が、御議論がもう先取りされましたけれども、この点、非常に重 要な論点でございますので、もう少し議論を深めておきたいと思いますが、いかがでご ざいますか。 ○岸本氏  論点(5)と論点(6)は連携して1つの問題だと思うのですけれども、今患者の数とか診 療所や病院の数とか医師の数とかいうのを考えますと、もし5人という代表なら、3人 を例えば診療所・開業医の代表、大病院を代表する委員を2人とかいうふうな関係で、 しかし、それを医師会が一本釣りして、これは病院代表ですよとするのではなしに決め ればよいと思います。しかし、医師会というのは日本の医者を代表する団体としての唯 一というか、それが全部病院の医者もみんなそこに会員として入っているという形にな っていますから、病院の側から委員を決めて医師会に推薦して、そして医師会が全体を まとめてこういう形ですと、それは国民に見える形でだれもが納得する形で提案すると か推薦するとかいう形が、考えてみると一番スムーズにいくのではないかなという感じ がしますけれども。 ○大森座長  ありがとうございました。  既に方向づけとしては、国民の目に見える形でというところまでは方向づけしている わけでございますが、ただいま具体的に医師代表委員が5名だとすれば、2名ぐらいは 病院の意見を反映できる医師とするのがいいのではないかと。ただ、その推薦の仕方に ついては、岸本委員は日医からの推薦でもいいということでございますね。 ○岸本氏  病院のそういうところで出たものを一緒にして医者の団体である日本医師会がこうで すよと言って推薦してくるという形。ばらばらにこうしてくると、そうするとどういう ことになるかというのは非常にややこしいのではないかなと思いますけれども。 ○大森座長  ありがとうございました。この点については、ほかの。 ○奥島氏  大枠におきましては岸本先生の御意見に賛成でありますけれども、ただ問題は、やは りこういうふうな問題が一番起こったのは日医との関係で起こったわけでありまして、 そういう意味ではこういう問題についてはもっとわかりやすく、推薦団体は、病院の場 合には病院の方で出していただくというふうに書いた方がよろしいのではないかと。今 までのこの診療側委員が実質的にどうであったかということは私は知りませんけれど も、形式的に言いますと、高度医療が全く正面からこの委員構成の中に反映されていな かったということはやはり基本的に問題であり、しかも、ある意味で、開業医と大病院 と、あるいは大学病院というものは、形式的にあるいは実質的にと言うべきでしょう か、対立関係にもありますので、それぞれ推薦母体というのは別にした方がこの場合に は明快で、国民の納得を得られる選出になるのではないかと思うのです。私は、国民の 目に見えるというのは、国民が納得できるということも1つつけ加えるべきであると考 えており、そういう意味において、この大病院であるとかあるいは大学病院であるとか いうところから選出されるべき2名については、これはもう岸本先生の御意見に全く賛 成でありまして、その2名については別個の団体に推薦されるべきであると、こういう ふうに思います。 ○大森座長  ありがとうございました。奥野委員はいかがでございますか。 ○奥野氏  私も、岸本先生の御意見はよくわかりますが、当面は、私はどちらかというと、やは り奥島先生がおっしゃったように、病院団体という方がいいのではないかと思っている のです。  簡単にだけちょっと、なぜそう思うかということをお話ししたいのですが、中医協と いうのは、歴史的な経緯はともかく、これは厚生労働大臣の下で諮問する、いわば審議 会ですから、これ、政情的な議論をしたり交渉する場では本来あるべきではないという ふうに私は思っているのです。だから、政治団体はやはりできるだけ排するべきであ る。政治の話はやはり議会で、国会できちんとやるべきであって、ここはむしろ行政府 であるところの内閣の意見をまず取りまとめる場であって、ここを政治の交渉の場には あまりすべきではないというふうに思っているのです。そういう意味でいうと、今度の 日歯の事件というのは、ある意味で典型的ですし、実は、今までの中医協のやや不幸な 歴史というのも、そういう側面が非常に強いと思うのですけれども、やはり日医とか日 歯とかいうものが、政治団体である日歯連、日医連というものときちんと切り離された 形でないままに、審議会である中医協でいろいろお話をされてきている。それがまあ、 いわば分捕り合いという、まさにある意味ではこうなっているのですよと、実態はそう だというお話は会長からもあったわけですけれども、そういうことになってしまってい る。それはやはり、ある意味で有識者みたいなことでは冷静に中立的な、お互いにお互 いの立場を尊重した議論をきちんとするというのは本来の審議会のあるべき姿だと思う ので、そういう意味でいうと、最終的に日医が推薦することになっても私はそれは構わ ないと思うのですが、むしろそれの方がいいかもしれませんけれども、そのためにはま ず政治的な組織であるものとは一線を画すると、それははっきりと影響力がないとい う、もう少し中立的な、まさに医師の代表の見識をぜひ提供していただく、そういう場 としての日医にぜひ推薦権を上げて、いい推薦をしていただきたい。  当面、そこに関して、やはり国民の目から見るとやや不満があるので、そういう意味 で、今の段階で日医とか日歯に完全に全部推薦権を、とりわけ、大学のところも病院の ところも与えてしまうというのは、国民のことを考えるとちょっと抑えたいなというの が私の意見です。 ○大森座長  この論点(5)と論点(6)、これは切り離せない問題でございますから、必然的に同時に 意見が出ることは、これはやむを得ないところだと思いますが、一応、2つを切り分け ますと、代表として病院代表を何人にするのかという問題と、その代表を推薦する推薦 母体、あるいは推薦依頼をどこの団体にするかという問題は、一応は別の問題ではある わけでございます。  ただいま奥野委員の御意見では、現在のところは、推薦も病院団体にゆだねるべきで あるという御意見でございますか。 ○奥野氏  つまり、大学病院関係の委員の推薦に関しては、少なくとも病院団体にお任せした方 がやはりわかりやすいのではないかと、今の状況を見る限りはという、そういう意味 で、奥島先生の御意見に賛成です。 ○大森座長  そうですか。その点が岸本委員と若干意見の分かれるところであろうというふうに理 解してよろしゅうございますかね。 ○岸本氏  実際的な問題を考えますと、大病院とか大学病院といったっていろいろな、僕もわか らないのですけれども、集団、団体が何とか何とか病院協会、いろいろ私立の病院もあ れば国立の病院もあれば、それをどういうふうに取りまとめていって、例えば2人なら 2人を出してくる、それはほとんど不可能に近いことになるのではないかと。そうする と、どこかに取りまとめる団体があって、決してそこがここからとってくるとかという 恣意的なことをするのではなかったら、どこかのところでまとめるコアがなかったら、 結局厚労省という官が決めるというようなことにもなりかねないことになるのではない かと。そうすると、日本の医者の団体としての医師会が一応取りまとめ役という形で病 院側と両方から話し合いの場をつくってもらって、そこで委員を5人なら5人、それを 選んでくると。そしてそれを提示するとかいう形が、実際やり方としてはスムーズにい くのではないかなと思うのですけれども。 ○大森座長  ありがとうございました。  そういたしますと、このだれが推薦するかという問題をちょっと横に置きまして、ま ず病院の意見を代表する医師の数として今2名と、2名はあるべきだという数が出てい るわけでございますが、これは金平委員はその点はいかがでございますか。 ○金平氏  数の問題ですか。 ○大森座長  はい。 ○金平氏  数人、私は医師4人ぐらいかなと思いますけれども、根拠としてはあまりはっきりし ない。もう少し考えさせて下さい。 ○大森座長  現在は1名と、こう考えまして、これでは。 ○金平氏  ちょっと元に戻るかもしれませんけれども、私はやはりここの6ページのところに 「日医が、推薦団体として全体を見渡しながら」云々と、こういうのが一番いいのだと いうことについて、これは私もこれができたらそれにこしたことはないと思いますけれ ども、やはりこういう問題を指摘されながら、委員の構成とか推薦制というふうなもの が長年にわたってどうしても続けられてしまったと。ここの問題を考えると、やはりこ このところで、今までの日医推薦というのを一回壊さなくてはならないだろうというふ うに思うのです。そうかといって「推薦制を廃して官がすべてを支配するというような 形はよくない。」とありますけれども、これは私ももう絶対によくないと思います。ま さに国民の医療は自分たちで決めていくべきであって、今まで問題があるからといっ て、すべて官が決めるというふうなことには、あえてここではっきりと発言しておきた いと思いますが、反対でございます。  そう考えたときに、今までの病院関係が入っていなかったとすれば、3と2という関 係も一つの考え方としてリーズナブルかなというふうに思います。 ○大森座長  ありがとうございました。  では、まず、病院の意見を反映できる医師が現在1名ということになりますと、これ を増やして2名ぐらいはあるべきだという点については大体全員一致しておるというふ うに取りまとめてよろしゅうございますかね。そういたしますと、その2名の選出をど ういう形で行うかという推薦の在り方の問題について、これは若干意見が分かれている わけでございますが、日医説と病院団体説と、仮にそういう言葉を使わせていただきま すと。  この推薦を依頼する、あるいは責任を持って推薦できる病院団体が現在あるのかとい う点については、その実態認識は、審議官、いかがでございますか。 ○事務局(中島審議官)  最近ですけれども、病院団体が10団体ほど集まりまして、病院団体全体の団体とい うようなものをつくったという経緯がございますけれども、それはいわゆる法人格なり を持った団体ということではないというふうにお聞きしております。ただ、それは診療 報酬改定に当たって、病院団体の病院全体としての意見を集約するというようなことを 目的につくられたというふうにお聞きしております。 ○大森座長  そうですか。  追加して説明する必要ないですか、事務当局の方は。  では、その病院団体の連合組織がどういう実態であるかということは、またいろいろ 調査して考えていただくことにしまして、いずれにしましても、推薦団体については2 つの意見が出されたと、そのいずれをとるにしても、要するに、国民に見える形、すな わち国民が納得できるような形で行われるべきであるというところを、抽象的に言いま すと、そういう集約としてはよろしゅうございますね。これを踏まえて、具体的にどう いう形をとって推薦依頼をし、そして推薦を受けるかと。どこへ推薦依頼をし、推薦を 受けて、それに基づいて任命するかというのは、これは任命権者である厚生労働大臣の お決めになることでございますから、それは今の意見を十分そんたくされて、その方向 で運用していただければということにとどめておきたいと思います。 ○金平氏  今の座長のおまとめで全くいいと思います。私は、やはり中医協の今回のいろいろな 問題を考えたときに、中医協の今までの問題点というふうなものがここですっかり表に 出てくる、そして、やはりその中でこの推薦母体の問題は非常に大きな問題を抱えてい たと思いますので、私はこれからはどういう形で推薦の団体、母体が決まっていくかと いうところを含めて、国民がやはり改革への評価していくだろうと思うのです。これ は、国民にとっても非常に大事なことなので、私はここから先は、日医にしても、病院 の関係者にしても、十分御自分たちで討議をしていただいて、国民の批判にたえ得る、 そういうものをみずからつくり出していただければなというふうに思っています。これ は希望でございます。 ○大森座長  ありがとうございました。  取りまとめばかりして、おまえの意見はどうなのかという面があるわけでございます けれども、私はやはり特定の被推薦者が、確かに病院団体の意思に基づくものであると いうことが外形的に書面であらわされるということが絶対必要だと思いますので、それ が私の理解する目に見える形ということであるべきだと、これは個人的な意見でござい ますので、まず取りまとめの前にそういう意見を私は述べたということにしていただき たいと思います。少なくとも、書面で外形的にあらわされる必要があるということをぜ ひ申しておきたいと思います。  その次に、大体推薦制については当然、推薦制度自体は存続させるということを前提 とした議論がなされましたので、次の論点(7)、「支払側委員及び診療側委員の推薦制 の在り方についてどのように考えるか。」という論点については、特に再び改めて議論 するまでもないところかもしれませんが、実は6月20日に、私が規制改革・民間開放 推進会議に出席いたしまして、有識者会議のそれまでの検討状況を報告いたしました際 に、報告の後の意見交換の中で、会議の側から、一度ならず再三にわたって団体推薦制 を廃止する方向にぜひかじをとっていただきたいという強い御発言がございました。こ れは私は、要するに、その話、そういう御意見を聴きまして、そういう意見が述べられ たということは次の有識者会議において紹介いたしますということで帰ってきたわけで ございますが、紹介するという約束だけはしてきましたので、ここで紹介をいたしてお きます。これで責めは果たしたということになろうかと思います。  それで、既に推薦制は存続という前提でただいま御議論をなされたわけでございます が、改めて、なぜこの推薦制は維持すべきなのかというあたり、これは報告書にどう盛 り込むかのこともございますので、さらに意見を言っておきたいという方がございまし たら、ぜひこの機会にお伺いしておきたいと思います。 ○奥島氏  推薦制の場合の一つの問題点というのは、推薦ができるのに、気に入らなかったら、 自分たちの代表は出さないという形でもって、審議の一種のサボタージュを行うという ようなこともあり得るわけなので、そういうふうな、正当な理由のない推薦の候補者を 出さないというようなことがあった場合には、それは要するに大臣の方でもって緊急避 難的に任命することができるという考え方だけは明らかにしておく必要があるのではな いかというふうに思っております。 ○大森座長  ありがとうございました。要するに、現行法の解釈としてもそういう解釈であるべき だということでございますね。 ○奥島氏  はい。 ○大森座長  その点は名実ともに賛成ということでございますかね。私も、こういう協議会が法律 設置されて、その構成員は厚生労働大臣が任命すると、その任命の前提手続として関係 団体の推薦によるという規定を設けている場合の関係規定の総合解釈としては、関係団 体が推薦を依頼されながら正当な理由なく期限内に推薦を行わないという場合には、も ちろん任命権者である厚生労働大臣が、職権でというよりも、直ちに自分の考えに従っ て任命できるという解釈で、それ以外の反対はあり得ないと思います。これは、いざこ ういうときになれば、内閣法制局に一応は意見を聴く必要があろうかと思いますけれど も、大体似たような問題について同じようなことを言ってきておりますので、その点は 私が言っても今や権威は全然ないのですけれども、まあ、おっしゃるとおりだと思いま すので、そういう方向で取りまとめたいと思います。  では次に、論点(8)につきまして、「前任者の残任期間を引き継いだ場合を含めて考 えたときに、このような取扱いでよいか。」、その任期の限度をどう考えるかというこ とについての御意見を伺いたいと思います。  最長6年、再任の回数は2回というのでおおむね意見は一致しておりましたが、この 残任期間の問題がございますので、具体的な適用としては4年1日から6年未満までと いう現実の運用があり得ると。したがいまして、最長6年、再任回数2回と決めます と、現実の運用はそういうことになるけれども、それでいいかということだけ確認をし ておきたいと思います。大体そういうことで、それでも再任は2回、最長は6年という ことにすべきだということでよろしゅうございますか。  前任者が1年と11カ月と29日で辞任したというときには、その後任者は残任期間 1日で任期切れと。あと再任2回となれば、4年と1日の人が出てくると。それを避け るためには複雑な規定が必要だということですが、そこはそんなのは希有の事例だから あまり気にしなくてよろしいということでよろしゅうございますかね。  はい。では、これはもう決断の問題でございますから、そういうふうに決めたいと思 います。  あと論点2点。論点(9)の「診療報酬改定の結果の検証の目的及び検証の結果をその 後の改定に繋げていくための方策について、どのように考えるか。」という論点につい て、御意見がございましたら、よろしくお願いします。  「改定結果の検証」と一言で言えば簡単なようなわけでございますけれども、一体何 のためにどういう観点から検証するのかということになりますと、これは大きく分けて 2つの問題が役割としては考えられるのではなかろうか。要するに、まず個々の診療報 酬改定が企図した効果を上げているかという結果の、効果の検証ということでございま す。もう1つは、そもそも他の審議会で策定された基本方針に従って実際改定が行われ たのかどうかという観点からの事後チェックといいますか、そういう検証ということも 考えられると思いますが、公益委員がこの機能を担うという点ではもう既に方向性が出 ておりますので、公益委員がこの2つの観点からの検証を行うということで、この点は よろしゅうございますかね。  ただ、そのためにはこの公益委員、今までのような選考基準から選ばれた公益委員で 十分にこの役割は果たせるかどうかという点は、これは考えなければならない問題だと 思いますが、このあたりについては、特に。 ○奥島氏  専門的な委員を活用するということが認められるとすれば、その点の補充は十分きく のではないかと思いますので、公益委員が中心になって、そして自分の不得意なところ については、できるだけ専門家を活用することによってこの検証を行うということでよ ろしいのではないでしょうか。 ○大森座長  何か既に専門組織があるのだということをちょっと聞いたことがあるのですけれど も、その点はどういうことですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  中医協の下に幾つか調査専門組織というのがございまして、そこで専門家の方々によ る委員会形式のものがございます。そこにおろすことも可能ですけれども、やはりリー ダーシップは公益委員の方々にとっていただいて、ということになろうかと思います。 ○大森座長  それから、専門委員も活用できるわけですか。 ○事務局(麦谷医療課長)  10名の専門委員がおりますので、その方々をもちろん検証には活用できます。 ○大森座長  どうもありがとうございました。  では、ほかにございますか。 ○奥野氏  さっき金平先生がおっしゃったこととも関連しますけれども、中医協というのは、や はり現状でいえば20人の委員会だけではないということで、もう少しきちんと組織の 関係を整理しておくということが1つ大事なことだと思うのです。  もう1つやはり重要なことは、とりわけ検証作業みたいなことを考えるということ で、他方では、現状の診療報酬の事実といいますか、データだけでもこんな厚い本にな っているということを考えると、それを検証していくためには膨大な作業が必要であっ て、経常的にデータをきちんと集めて、それを準備しておかないと、いくら専門委員会 があってもだめだと思う。ですから、もっと言えば、やはり事務局機構をもう少しきち んと整理していただくことも必要だろうし、それと、委員会の中でのさまざまな組織を うまく連携させていって、その上で最終的に中医協の本委員会ですか、そちらに上げて いくというような組織体系をもう少しきちんと整備していくととともに、それで経常的 に国民にもデータを開示したり、国民の希望をいろいろと吸い上げるような、そういう 仕組みをぜひ御検討願いたいというふうに思います。 ○大森座長  非常に重要な点でございますので。 ○金平氏  一言で言えば、検証結果を公表すべきだと思います。  そのためには、そもそもやはり突然この検証というふうなことが中医協の中に入って きたわけで、公益委員の役割というのが飛躍的に大きくなったのだと私は思うのです。 これまでの通常的な中医協の診療報酬の改定の際の調停機能の他にこの検証機能が入っ てきたということを考えただけでも、これは相当な負担があるだろうと思います。  ですから、専門委員が仮に入ったとしても、その負担の軽減ということは、そう簡単 なことではないだろうと思うのです。ただ、どういう検証をしたのか、検証するという のは格好いいですけれども、国民が必ずその検証の結果を享受して、そして国民がそれ に意見を言えるようにというところまで、また国民の批判にたえ得るところまでの検証 結果ができるかどうかというところが、これからの中医協のステータスにも関係してく るのではないかと思う。大変難しいですけれども、検証するということについては、中 医協みずからがお決めになったことですから、そこのところの負担も背負っていただい て、どうぞ国民が納得するようなものを出していただきたいと思います。 ○大森座長  ありがとうございました。  では、ただいま指摘されました諸意見、報告書に明確に記載をして残したいと思いま す。  それでは、最後の論点、もう既に若干の意見が出ておりますが、論点(10)の「多様な 医療関係者の意見を反映させるための方策について、どのように考えるか。」という点 について、具体的な意見がございましたら、どうぞ。  この「多様な医療関係者」の中に、先ほど指摘されました看護師も一つでしょうし、 医療機器あるいは製薬についても、一応これにも含まれるのではなかろうかと思います が、もう既に述べられました観点のほかの観点から何か御意見がございましたら、どう ぞ。  これは既に中医協でもう実行されていることなのですかね。 ○事務局(中島審議官)  ヒアリング等の形で意見を聴かせていただいている団体もありますし、またその枠を さらに広げてという御趣旨かというふうに思います。 ○岸本氏  今言われたような人々は、幾つかの専門委員会というのがあるわけですよね、そこに 入っておられるわけですけれども、その専門委員会でのディスカッションあるいは結論 が中医協の本会議に反映される、そのメンバーの座長かだれかが中医協のメンバーであ るとか、そういうふうになっているのでしょうか。 ○大森座長  その点はどうですか。 ○事務局(中島審議官)  これは各部会、小委員会に本委員が何名かずつ入っていただきまして、それで議論を するということになっております。公益委員につきましては、皆さん入っていただくと いうことでやっていただいております。 ○大森座長  本委員がその組織にそれぞれ入って、その席上でも耳に入るという、そういう形です ね。 ○事務局(中島審議官)  はい。それぞれが分担していただいてということでございます。 ○大森座長  そうですか。それが、全体の中医協の委員の総会に報告をされたりして、すべての人 に周知されるという工夫、努力はなされていないのですか。 ○事務局(中島審議官)  各委員会での議論の様子は総会に報告をされるようになっております。 ○大森座長  そうですか。どうもありがとうございました。  ほかに、特にこの点ございますか。  では、そういう努力を積極的になお充実して行っていただきたいと思います。  一応、予定されました論点は以上のとおりでございますが、ほかにぜひ作成すべき報 告書の中に盛り込んでもらいたい、盛り込むべきだという点がございましたら、若干時 間が残っておりますので、いかがですか。 ○金平氏  今、最後のところで言うべきだったのかもしれませんけれども、今日のこの会議の冒 頭の方でも言いましたけれども、国民の医療に対するいろいろな意見、要望というふう なものを聴くのは、社会保障審議会の医療保険部会か医療部会、そちらも恒常的に持っ ていらっしゃるのでしょうか。 ○大森座長  恒常的にというのは。 ○金平氏  恒常的というか、定期的に何か。 ○事務局(中島審議官)  必ずしも定期的にということではございません。 ○金平氏  そうですか。  ちょっと思いつきみたいで恐縮ですけれども、この前大臣もご出席になって、がんの 患者さんたちが大きな集会をお持ちになって、一生懸命がん治療について訴えていらっ しゃいました。大臣も初めから終わりまで参加していらっしゃったと、テレビで言って おりました。ああいうふうに患者さんの側がいろいろ設定して、そこに、厚生労働省の 側がお出になっていたのでしょうけれども、中医協の委員が出るということもあり得る だろうし、中医協の方が何か設営して、そこに行けば必ず意見が言えるというふうなこ とがあれば、私は恒常的と言ったのは、いつもそういう場があるというふうな、そうい うところは中医協には今まではなかったのですよね。そうした社会保障審議会の方でも ないのですよね。 ○事務局(中島審議官)  これまではなかったようです。 ○金平氏  そうすると、やはり、がんの患者さんの団体というか会議のように、その都度双方で 意見を聞いてください、聞かせてくださいというふうな形で設営しながら意見を聴くと いうふうなことでしょうか。 ○事務局(水田保険局長)  私ども直接関係あるところは社会保障審議会の医療保険部会になるわけなのですけれ ども、まさにこれは医療保険の世界でありまして、一方でがん対策をどうするか、これ は医療部会といいまして、別のところがございますので、全体としてどういうふうに受 ければいいか、それはちょっと今この場でなかなか私どもですべてというわけにいきま せんけれども、どういうふうにしたらいいのか、それはまた全体で考えさせていただき たいと思います。 ○金平氏  私が言いたかったのは、局長が今おっしゃいましたけれども、医療保険の問題と医療 の内容とそれから診療報酬と、これはこちらの側でこそ、どこで受けるべきかと客観的 におっしゃいますけれども、訴える側の方はどこに訴えていいかがわからないのだと思 うのです。そこのところを、私は国民の方の側がわかるような形に今後はしておくべき ではないかというふうに思っていますので、診療報酬が、国民の声を聴くということ、 中医協が意見を聴くと言っていますけれども、これは同時に、ほかの医療部会、そうい うところもあわせて整理しておいていただいた方がいいように思います。  何か意見を言えとおっしゃったから、ちょっと言わせていただきました。 ○大森座長  どうもありがとうございました。  第何回目かは忘れましたが、予算措置が講じられているという地方公聴会、これは中 医協自身が行う公聴会なのですね。 ○事務局(中島審議官)  おっしゃるとおりです。 ○大森座長  したがって、中医協の審議事項についての審議を行うに際して、参考の国民の意見を 聴くための会議、地方公聴会の開催のための予算と。だから、社保審の方はまたそれは 別問題と、こういう理解でよろしいですね。 ○事務局(麦谷医療課長)  結構です。私ども通称「ミニ中医協」と申しておりますが、地方で何回か中医協を開 催する費用と御理解いただければ、それで正しいかと思います。 ○大森座長  ただ、今後は基本的な医療政策についての審議はその他の審議会にゆだねるというこ とになりました場合に、その予算というのは、もともとはどうも基本的な医療政策につ いての国民の意見を聴くためにとってある予算ならば、これは社保審の地方公聴会に充 てられることになるものですから、そうではないわけですね。 ○事務局(麦谷医療課長)  今とっております予算は、すぐれて中医協に限定した予算でございます。 ○奥野氏  我々が議論してきたのは、中医協の権限と社保審の権限と、それと厚生労働大臣との 関係ということを議論してきたのだと思うのです。権限に関していえば、中医協は基本 方針に関しては、権限を今後は、どう定義するかですけれども、権限はもう極めてミニ マムになるということだとは思うのですが、ただ、じゃ、基本方針に関して何も言って はいけないということを決めたわけではないと思うのです。当然、専門家の医師の方が たくさんいらっしゃるわけで、いろいろな問題意識も持っていらっしゃるでしょうか ら、それはいわば、諮問に答えて答申といいますか、厚生労働大臣に戻されるときに、 こういうことはやはり基本的に大事な問題なのだと思うということをおっしゃってもい いと思うのです。むしろおっしゃることは大事だと思うのです。それを社保審なりいろ いろなところに反映させていくと。逆に言えば、国民はどこにでも持っていけると。中 医協に持っていった議論も最終的に大臣に行って、必要ならば社保審に行くと、そうい う仕組みをきちんとつくっていただければ、私はそれでいいのであって、ただ、無用に 大きな権限を与えてしまうことによって弊害が起こることを避けましょうというのが、 今回のこの会議の目的だったし、そういうことで我々合意したのかなというふうに私は 理解しておりますけれども。 ○大森座長  どうもありがとうございました。  では、ほかにございませんか。 ○金平氏  今の御意見に賛成です。 ○大森座長  では、それも報告書にしかと書くことにいたしましょう。  それでは、ただいま8時10分で、若干時間は残っておりますが、本日の会議をもち まして、引き続き議論を深めていくべき論点10項目についても、一通り御議論いただ いたことになろうかと思います。  つきましては、今後の予定でございますが、次回に予定されている会議におきまし て、私の方からこれまでの議論を踏まえた報告書の案を提示させていただきたいと思い ます。もちろん、その起案は事務局の助力を求めるわけでございますが、それを私の責 任において報告書の案として取りまとめ、その案を皆様に提示したいと思います。  あらかじめお届けいたしますので、十分にご覧いただき、そして改めるべきところあ るいは書き足すべきところを指摘いただきましたら、最大限度それを反映させていただ きたいという、こういう段取りにしたいと思いますが、いかがでございましょうか。よ ろしゅうございますか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○大森座長  それでは、そういうことで、事務局の方もよろしくお願いします。  では、次回の日程につきまして、事務局の方から。 ○事務局(中島審議官)  次回につきましては、7月20日水曜日でございますが、また夜で恐縮でございます が、18時30分から開催をいたしたいと考えております。なお、場所等詳細につきま しては追って御連絡をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしま す。 ○大森座長  それでは、これをもちまして第6回の会議を終了させていただきます。どうもありが とうございました。            【照会先】            厚生労働省保険局医療課企画法令第1係・企画法令第2係            代表 03−5253−1111(内線3288・3276)