05/07/04 家庭用の医療機器等の販売管理者制度等のあり方に関する検討会 第2回議事録                    議事録                          照会先:                           医薬食品局審査管理課                           医療機器審査管理室                           担当:高江                           電話:03-5253-1111(内2787)     第2回 家庭用の医療機器等の販売管理者制度等のあり方に関する検討会                       日時 平成17年7月4日(月)                          10:00〜12:15                       場所 経済産業省別館827号会議室 ○小野座長  ただいまから、第2回「家庭用の医療機器等の販売管理者制度等のあり方に関する検 討会」を開催いたします。笠貫委員は若干遅れてまいりますが、本日は全員ご出席で す。また、前回ご欠席でした上原征彦委員がご出席です。後ほど、厚生労働省の黒川審 議官と本田医薬食品局総務課長にもご出席いただきます。  議事次第に沿って議事を進行します。まず、事務局より配布資料の確認をお願いいた します。 ○山本室長  議事次第、配布資料一覧、座席表、名簿、資料1から資料6まで、前回の配布資料の 参考資料を用意しております。資料1から資料3については、販売管理に関して、日本 医療機器販売業協会(医器販協)、日本コンタクトレンズ協会、(社)日本ホームヘルス 機器工業会、それぞれにお作りいただいた資料です。資料4は国民生活センターの説明 資料を私どもで用意させていただきました。あとは資料5、資料6です。 ○小野座長  議事1「開会」について事務局からお願いたします。 ○安田室長補佐  前回の議事録についてご説明いたします。前回6月10日に開催いたしました第1回会 合の議事録については、既に先生方に加筆修正をしていただき、再度最終版を送らせて いただきました。前回の会議資料及び議事録については、厚生労働省のホームページに 載っております。  本日の会議は、前回の議事録を読んでご理解いただけると思うのですが、前回の会議 の中で出てきたのは大きく3点ありました。1番目は、販売管理者制度とは一体何なの か。販売管理者制度というところで、何を基にして行い、どういう販売管理者が必要な のか。それに基づいていくつか研修制度のあり方、考え方についていろいろご意見をい ただきました。  2番目は、販売管理者制度にも該当しますが、情報提供といわれているところをどう するか。情報提供というのは、もともと販売管理者制度の趣旨として、その製造業者か ら販売業者へ移った後に、販売先に適切な情報を収集し提供していくところが本旨で す。そうした中には、どういう情報があって、それはどう考えたらいいのかというとこ ろがあったと思います。その中の一環として、コンタクトレンズの場合には対面販売み たいなことも考えられるのではないか、通信販売みたいなところについてはどう考える のか、という議論の展開があったと思います。  その他として、通信販売の1つとしてインターネット販売についてはどう考えるのか という話がありました。この辺は、情報提供といわれているところをどう考えるかによ って、検討していただけるのではないかと思っております。  本日は、販売管理者制度において販売管理者をどのように考えたらいいのか、それか ら情報提供といわれているところをどう整理したらいいのかを主体に今回は資料を整備 しておりますので、そうしたところでご説明させていただきます。 ○小野座長  ただいまの説明について、ご意見、ご質問等はございますか。                 (特に発言なし) ○小野座長  それでは、議題2の「各業界団体における販売管理について」に移ります。事務局か ら説明をお願いいたします。 ○安田室長補佐  販売管理者制度といわれているところを議論するに当たり、前回議論をしたときに、 それぞれの医療機器の形態によって行われる業務が違いますと、中身が違うのではない か。情報提供といわれているところが、それぞれの業態によっても違うのではないかと いうご意見を踏まえ、本日は各業界団体における、販売業における販売管理者制度の考 え方について説明していただきたいと思います。  こちらからお願いした事項は大きく3点あります。1点は、各業界における主な製品 と、その製品の実際の販売形態です。  2点目は、各業界において、製品を販売している販売管理者が行っている業務につい てでして、具体的にこちらからお願いしたのは、情報の収集・提供はどのように行って いるのか、品質管理に関する業務としてはどのようなことを行っているのか、特に、販 売時に販売管理者は何に留意しているのか。  3点目は、各業界における販売業者が行う教育訓練研修等を具体的にどのように行っ ているか。高度管理医療機器を扱う業界においては、継続研修のあり方をどのように検 討しているか。それ以外に、各業界で特記したい事項があれば記載ということです。  今回は、医療機器全般を扱っている医器販協の諸平会長、高度管理医療機器であるコ ンタクトレンズを扱っているコンタクトレンズ協会の松岡相談役、家庭用医療機器を扱 っているホームヘルス機器工業会の楠参与に作業をお願いして説明をお願いいたしま す。 ○小野座長  それでは、順次ご報告をお願いいたします。まず、主に医療機関に医療機器を販売し ている立場から諸平委員にお願いいたします。 ○諸平委員  我々は、医療機関に販売することを業としている団体の代表です。これは、あえて言 えば医療保険の分野が絡んでいる販売だということです。そこが、一般のものとは全く 違うと認識していただければいいのかと思います。主な製品はそこに列挙してあります が、医療機器全般ということになろうかと思います。家庭用の医療機器等という表示も 入れてありますが、これはごく小さな部分です。分類の方法もいろいろな形があるわけ ですが、医療機関で使われている医療機器、医療材料はすべて我々の業界で扱っており ます、という表現のほうが正しいのかと思います。細かいことはそこにいろいろ書いて ありますが、そのようにご理解いただければと思います。  診療科別に分類した場合に、歯科というのは単独の業界が存在しております。私ども の業界でも若干ないわけではないのですが、家庭用と同じような感じで取扱いはほとん どありません。歯科を除く診療科については、すべて我々のほうで販売していると考え ております。  販売形態については、以前内外格差等で問題になりましたが、現在では製造販売業者 からの仕入れ、そして直接医療機関に納めるという販売をしています。商法上では、卸 売り業者が大多数です。そのほかに、医師、看護師等の紹介による患者への販売があり ます。この部分については、在宅医療の分野も含めてです。  3番目に、現在は販売業者同士の卸販売も若干残っているということです。そのほか は、一般向けの店頭販売があります。個人用の店頭販売と書いてありますが誤解のない ようにしていただきたいと思います。通常の家庭用の医療機器というのではなく、どち らかというと介護の関係の分野のものは、2番目にありました病院並びに医院からの紹 介によるということを含め、介護のものについて販売しているということがあります。  販売管理者が行っている業務を列挙しております。安田室長補佐からもお話がありま した情報提供、情報収集の問題についてですが、製造販売業者から提供される添付文書 の収集管理、製造販売業者の研修会・連絡会議等に出席して情報収集をする。学会や研 究会に参加し、論文等から情報を収集する。いまは、行政機関がホームページで回収情 報等を公開しております。  ここで、我々としていちばん大きな問題になってくるのは回収の問題です。製造販売 業者から、ロットのこの番号については不良品が発生したと、直接情報提供がある場合 です。この場合には、最優先で回収業務を行っております。その他、医療機関側からの 苦情等を含めての回収の問題が若干ありますが、時間の関係で割愛させていただきま す。  2番の「品質管理に関する業務として、どのようなことを行っているか」ということ ですが、ここではっきり申し上げておきたいのは、この4月以前は届出の状態でした。 その中で、遵守事項で義務付けられた条項がいくつかあります。こういう発言をしてい いかどうか私も躊躇するのですが、実際には都道府県、保健所等に、3年に1回こうい う問題について報告する義務があります。  ところが、現実には都道府県庁並びに保健所等は、こういうことに関する認識が全く ありません。届出に行った場合に、これは何ですかと言われるような実態になっていま す。最初からこういうことを申し上げていいかどうかわかりませんけれども、販売業に ついて、本省の行政も、いままで何もやっていなかった、という実態につながってくる 話だろうとあえて申し上げておきます。  これから申し上げることについても、このようにありたいということもあり書いてあ る部分があります。製造販売業者から提供される品質管理手順の活用、これはごく当た り前ですが、特に販売管理者が何に留意するのかということです。この件については、 我々に加盟している販売業者の規模等によります。いまの状態では、例えば200〜300人 いる会社の販売管理者は1名でいい。極端な話が10人以下で経営している会社も1人だ ということです。その販売管理者が何に留意するのかということになると、実際にその 販売管理者自身が医療機関に納品業務をやっている場合と、そうでない場合とでは全く 違ってきます。規模的な問題が重なってくるのですが、いずれにしても製品の仕様を確 認し、販売業者が全社的に製造販売業者から品物を受けた時点できちんとしたチェック を行い、間違いのない商品を医療機関に納める責任を負っていると考えております。  3番は、「当業界における販売管理者が行う教育訓練・研修等の実施状況」ですが、 実際には各社が単独で行っているのが大部分です。業界全体としてこういうものをや る、というところへはまだ行っておりません。部分的に、販売管理者の研修の中で、こ の中に書いてあるようなことについて勉強をすると。  私どもの会社は、3年生になったら全員この勉強をしろということで資格を取らせて おりますが、そういうものの考え方によって業界の中でもダークな部分があることは事 実だろうと思っております。  4番の、「継続研修の実施に向けてどのような準備をしているか」ということです が、これが、いま私どもとしては悩ましいところであります。基本的には医器販協とし て、各県別にやるような方向で準備に入っております。詳細については、行政から出た 通知等を含め、すべてではないような見解を私どもは持っておりますので、もう少し詰 めていきたいと思います。いずれにしても、平成18年4月からは実施するということな ので、今年の後半までには完全な準備をしていきたいと考えております。 ○小野座長  ただいまのご報告について、ご意見、ご質問等がありましたらお願いいたします。  私から質問させていただきます。ここの業界としてはとてもたくさんの種類の医療機 器を扱っているわけです。最後の検討中でありますけれども、今後の継続研修について は、たくさんの種類について1つをやるのか、少し専門的にいくつかに分けてやるのか という見通しみたいなものはありますか。 ○諸平委員  現段階では規制と、不具合が項目としてあります。それが、2時間以上やりなさい、 というのが行政から出ているのです。それ以外にどうやっていったらいいか、というの が1つの大きな問題です。この前、笠貫委員からも出たと思うのですが、この辺を含め て方向性を出さなければいけないのだろうと思っています。  いまのところは、現在の販売管理者に対して、継続研修としては2時間以上やりなさ い、年度内にやりなさい、4月から3月までの間に1回受けなさい、というのが法律的 な義務となっています。 ○笠貫委員  諸平委員のお話から、協会として努力されているということはよく理解できました。 その中で、品質管理についての届出義務があるのに届出をしても十分認識されていない というお話がありましたが、これは次の問題として議論されるのだろうと思います。い まご指摘がありましたように、非常にたくさんの医療機器全般を扱っているわけです が、届出義務は、医療機器の種類によってどういうクラス分けをして、どういうものは 届けなくてはいけないかといったマニュアルはありますか。 ○山本室長  制度のことですので、私どもから申し上げます。従来、医療機関に医療機器を販売す る業者はすべて届出制になっていました。許可ではなく、単に届け出ればいいというこ とになっていました。いま諸平委員からご指摘がありましたのは、届け出てもそれは自 動的に受理するだけで保健所、都道府県の行政は終わっていたという点がありました。  今後は、人工透析やペースメーカーといった高度管理医療機器を取り扱う販売業者 は、届出ではなく、すべて許可になりました。許可になりましたので、今度は許可の適 正性について、都道府県では更新時に必ずチェックしなければいけないということで す。そういう点で、いままでの医薬品の販売業や、医療機器の製造業と同じように、高 度管理医療機器の販売業についても、都道府県が許可の対象業者とすることになりま す。  これは諸平委員にお伺いしたほうがいいかもしれないのですが、ほとんどの医療機器 納入業者は、高度管理医療機器と通常の管理医療機器の両方を扱っていますので、実態 としては高度管理医療機器の販売業で許可に当たる場合のほうが、医療機関に納入する 販売業者のほうが圧倒的に多いのではないかと考えております。 ○安田室長補佐  もう1つ補足させていただきます。先ほど諸平委員からありましたように、過去には 3年ごとに販売業に関する報告がありました。いままで販売業は、最初に届出を行った 後、3年ごとにどういう状況かを報告することになっています。それはなぜかという と、当初は届出制ですから、販売管理者がいつの間にか変わった、住所が変わった、と いう場合の補足だと思うのです。そういう形で、いままでは3年ごとに届出をするよう にという通知をさせていただいておりました。  今回の法改正により、その制度がなくなってしまい、それとともに、クラスが高いも のについては、許可制にして、許可の範囲内で行うという形をとらせていただいていま す。 ○諸平委員  私どもでも、この4月以前の実態というのは、あくまで家庭用のいまからご発言され るような方々を除いて、各都道府県に届出がなされていました。それが、厚生労働省と してはおそらく3万数千ということで、販売業者はなんでこんなに多いのだという時点 があったわけです。  3万4,000とか3万5,000というのは、都道府県には届出だけですから累積していって いるわけです。やめた人も、あとの状態も放ってある。届出の場合は、行政としても積 み重なっているだけだということです。途中で監査みたいなものはありませんし、何も ないわけです。それが実態だった、ということははっきり申し上げておいたほうがいい と思います。そんな状況だったのが、4月以降変わってきたということだろうと思いま す。  私どもは、各都道府県に窓口担当者を置いていますから、その人たちにいま、各都道 府県には、許可を取ったのがどのぐらいあるのかということを調査をしてもらっていま す。行政のほうでは、既に許可業者が何件あるのかは掌握されているとは思っていま す。 ○小野座長  次に、コンタクトレンズの販売実態等について、松岡委員からお願いいたします。 ○松岡委員  コンタクトレンズの業界についてのご案内をさせていただきます。いまもお話があり ましたように、コンタクトレンズは家庭用の機器とはジャンルが違いますけれども、一 般消費者に渡るという点では同じであるということです。資料にありますように、コン タクトレンズの装用人口、実際に使っている人は現在1,400万人から1,500万人と言われ ております。年間に購入される人口でいくと、大体1,000万人ぐらいということです。  ここでは、コンタクトレンズのみのことが書かれておりますが、我々の業界ではコン タクトレンズと、それを使っていく上で重要なケア用品があります。この中には、一部 医療機器もありますが、その多くは雑品と医薬部外品です。医薬部外品のほうは、消毒 を要するものというもので、そんな市場があります。  今年から施行されている中で、販売業の許可を取っている店がどのぐらいあるかとい うことですが、現状をまだ正確にはつかめておりません。最終的には今年度中に約2万 件ぐらいの店舗ができるのではないかという予測をしております。この中には、1社で 100店以上を持った大手のチェーン店もありますし、コンタクトレンズだけをやってい る所もあります。また、10店舗、20店舗を持っている店も結構ありますので、そういう 所も含めて個別に計算すると約2万件ぐらいになるのかということです。  昨年、コンタクトレンズ専門の講習会(基礎講習)がありましたが、これを受けた方 は6,000人台でしたので、かなりの方がほかの講習会、医療機器センターが実施してい る通常の講習会、ホームヘルス機器工業会がやっているのも実際は許可になりますの で、それを受けている方等があります。これは、つかめておりませんのでなんとも申せ ませんが、約1万人ぐらいは既に受けているのではないか。今年度は、1万人はいかな いかもしれませんが、かなりの方が受けるという状況です。  コンタクトレンズの場合は、眼科医院で医師の検査・処方が必要ですので、その近く に併設された販売店があるケースがたくさんあり、いままではそこが中心で動いてきた 業界です。そういうこともありますので、管理可能であれば、眼科の医師も管理者を兼 務できることになっております。この兼務をされている医師がどのぐらいいるかはつか めておりません。  商品の追加の資料ですが、多くはハードタイプ、ソフトタイプ、ディスポタイプ、使 い捨てタイプの流れがあります。最近は、ディスポタイプのコンタクトレンズが非常な 勢いで伸びています。実際の使用者でいくとこのぐらいの比率になりますが、全く新た にコンタクトレンズを始めようという方については、おそらく8割ぐらいはディスポタ イプのコンタクトレンズを使っているのではないかといわれています。  ディスポタイプのレンズの種類は、大きく分けると、1日使って外して捨てるという タイプ、それから、1週間で捨てる、2週間で捨てるタイプがありますが、主流は毎日 使って捨てる、それから2週間で捨てるタイプの2種類が主流を占めている状況です。 大きな問題は、1日使って捨てなければいけないものを2日使う、3日使う、あるいは 1週間使うといったところが障害に結び付くということで、ここがいちばん大きな問題 になります。2日使えば、値段は2分の1ということですからご理解いただけると思い ます。  販売の種類にもいろいろな種類があります。次の資料は大雑把に分けてあります。患 者(CLの使用者)が眼科施設に行き、検査・処方を受ける。この検査は、コンタクト レンズの使用に耐え得るかどうか、眼病があるかどうかをチェックし、その患者に合っ たレンズの規格を決めることで処方が行われます。その近くに販売店があれば、その指 示が販売店へ行って、そこでレンズが販売されます。ここでは、中心に太字で「対面販 売」と書いてありますが、対面販売が確保されて、情報伝達、その他もきちんといくと いうスタイルです。  ただ、最近ではコンタクトレンズの販売だけを独立して行う所が随分出てきておりま す。そこには、眼科医師から出された指示書が的確に届く、あるいは指示事項が必ずし も届くということではありませんので、ここに新たな問題が出ました。最初はそういう 所から買うけれども、2回目からは、特にディスポタイプでいうと箱等に規格が書かれ ておりますので、それを提示すれば買えてしまう状況があります。その段階では、情報 伝達は完全に別の次元のところへ行っているという状況です。  もう1つ販売会社の新しいスタイルとして、この右側にあるインターネット販売があ ります。これは、通販もよく似たことだと思います。いま言いましたように、最初は対 面で買うのですが、2回目からはインターネットを通じて買う。規格は最初に購入した パッケージに書かれているので、それで注文するケースが増えています。  それから、最初から眼科医院で指示書、あるいは処方せんを切ってくださいというこ とで切っていただき、その規格をインターネット業者に注文するケースも最近は増えて います。先生方では、処方せんを発行するかどうかで悩んでいるところだと思います。  いずれにしてもこの仕組みでいくと、従来約60年近くの歴史を持っているコンタクト レンズの販売が、実際は患者と販売店が直で対話の中で販売されていたものが、新しい スタイルに転換されてきてさまざまな問題も出てきている状況です。  現状の販売管理者の業務については、情報提供の収集と提供方法です。まず収集につ いては、先ほど諸平委員からお話があったような状況です。まず基礎講習や継続研修を 通じ、基本的なところの情報入手をするということがあります。行政からの規制や通知 については、行政のホームページ、あるいは日本コンタクトレンズ協会でもホームペー ジで情報提供しておりますので、そういうものから入手するということがあります。  かなり多くの大手各メーカーでは、自社で教育システムを持っていて、得意先に当た る各販売業者は、それぞれそういう所の研修を受けているのが通例になっています。当 然、メーカーから出されている添付文書は義務化されていますので、この内容をきっち り把握する。その他、かなりさまざまな資料が各メーカーから出されておりますので、 それを入手していくことになります。  ユーザーの情報については、一般的にいままでもおそらくやられていると思います が、購入時点での申込みのアンケートの中で記入しますので、直接の対話の中で、これ はどういうことなのですかと話合いながら情報交換がされるということもあります。大 手ですと、定期的な顧客のアンケート調査をやっていますので、そういうものを通じて くることが大きなものとしてあります。それから、医師から入る情報も、当然重要な情 報です。ここには、各種マスコミ報道とありますが、良い情報はあまり出ないのですけ れども、不具合に関する情報がよくマスコミ報道されますから、そういう情報もありま す。  それから、国民生活センターからの、さまざまなご指摘等もありますので、そういう 所からユーザーの情報、行政側の情報、実際に動いている苦情情報を、特にメーカーが 中心になって入手することになろうかと思いますが、販売店も自主的にそういうものを 入手し、メーカーからは積極的にその情報提供をするという形になろうかと思います。 これは、従来も同じような形でやられておりますけれども、さらに強化していく方向だ と思います。  提供の方法は、先ほど申しましたように、いまも基本的には直接対面でさまざまな情 報を与えながら、あるいは消費者の皆様からの要望を聞きながらコンタクトレンズを提 供していくのが基本ではないかと思っております。  その他、最近では販売店といえども自社のホームページを作っている所が結構ありま すので、そういう所からの情報提供、独自に作っているパンフレット類、協会からは毎 年安全使用、適正使用に関する啓発ポスター等を作っておりますので、こういうものを 各店に掲出していただくことをお願いしておりますがそんなこともあります。  これも重要な案件ですが、再検査等の案内です。これが、いつも議論を呼んでいると ころですけれども、調子が悪くないのに、なぜ再検査する必要があるのかということが あります。コンタクトレンズというのは、調子が良いと思っていても、目に何らかの不 具合を生じているケースがありますので、そういうことの発見が障害を事前に防ぐ重要 なところだと思います。その他、新しい機器を使用した情報提供のあり方等は義務付け られたものではありませんけれども、自主的にやっている情報提供のあり方です。  「品質管理に関する具体的な業務」については、通知に出ております、必ずやらなけ ればいけない事項については、各社とも今回に関してはマニュアル化し、それに従った 実施を展開していると思っておりますけれども、これはどこまで浸透していくのか。業 界はメーカーの団体なのですけれども、メーカーの責務としても販売の皆様がきちんと されているかどうかをチェックするというのではなく、より正確にやられていくための 方法としてお互いに確認していただこうと思っております。  苦情や回収の問題についても、当然きちんと決められた方法でやっていくわけですけ れども、販売店独自で起こる問題と、責任がメーカーにあるもの、それから実際に使っ ている消費者にあるものという3つの段階であります。特に、使っているところで起こ ったものというのは、なかなか判断が難しい状況ではありますが、できるだけ話合いの 中でそれらを的確に把握し、的確な対応をしていくという形で進めていくことになって おります。特に、これもメーカーサイドのマニュアルがしっかりしていると思いますの で、それを販売店の皆様に情報提供し、それに従った管理をしていただくという形で動 いていくと思っております。  教育については先ほども言いましたように、各社立派な研修システムを持っていて、 各販売店の皆様は、各社どこかでこれらの基礎知識、眼科的な基礎知識も含めて結構勉 強しているようです。製品知識については、各社が競争関係の中で積極的に案内をして おりますので、これはかなり豊富に持っていると思っております。  法規制等については、若干いままでは落ちこぼれていた部分もありましたので、今度 は高度管理医療機器になったことを通じて、よりシビアに把握し、きちんと認知した上 で販売する体制が望まれておりますので、そういう認識で各販売店がいると思っており ます。そのほかに添付文書、自主規制の徹底についてもこれから強化していく予定で す。  自主的な啓発活動についてですが、コンタクトレンズ協会でも毎年最低1回は業者の 参加も含めたセミナー等を予定しようと思っており、今後もそういう計画です。幸いに も、この業界にはいろいろな講習会がいっぱいありますので、各販売店の皆様はおそら く自主的に参加していくことになろうと思います。同じ販売業でも、小売ではなくメー カー側が持っている販売業の皆さんは、日本コンタクトレンズ学会等の学会もあります ので、そういうものへの参加もかなりされている状況です。  特に留意している事項ということですが、これはどちらかというと極めて模範的な内 容で、こうあるといいなということで書かれている状況です。基本的には、添付文書が あるからそれを読んでくださいということではなく、特に注意する内容はきちんと情報 伝達することが重要ではないかという気がしておりますので、そういうマニュアルを作 っている販売店も結構あるようです。  特に障害に結び付くような案件については、繰り返し情報提供するということです。 最近、協会のほうでも使用時間、あるいは使用期間の徹底にポイントを合わせ、いろい ろなツール類も作っております。販売管理者の皆様が対面するとは限りませんで、そこ の従業員が対応するということもありますから、従業員の教育も重要になってくると思 います。日常的な管理も必要だろうということがあります。  競争関係でいくと、アフターサービスの競争も結構激しいものがあります。その内容 については、特にトラブルを未然に防止する、あるいはトラブルがあったときの対処方 法の内容をきちんと事前に案内していくことも重要かということです。これは昔から言 われていることですけれども、実際に使う皆様というのは、それぞれの生活環境の中で 使いますので、どういう使われ方をされるかわからないということで、使用者に合った 内容の指導をしろということです。そのようなことに、重点的に留意する事項として前 向きに捉えている販売店には、こういうものをマニュアル化してきちんと対応している ということです。  ただ残念なのは、最近はきちんと時間をかけて対応するというよりも、待ち時間が少 ないほうがいい、行ってすぐ買えるほうがいいという消費者側のニーズがありますの で、その辺で結構悩んでいる販売店があります。この辺が業界の中にある課題かと思っ ております。  継続研修については、先ほど諸平委員からお話がありましたように、いま医機連のほ うで、いわゆる継続研修の体制の中で、業界全体でまとめられる部分はあるのだろうか というところを協議していて、かなりの部分は共通事項として作られるのではないかと 思っております。それを受けて、それプラス各業界特有のものを各業界でやることにな ろうかと思います。研修そのものは各業界独自にやるというのはかなり増えると思いま すが、日本コンタクトレンズ協会でも、現在独自の研修体制をつくろうということで準 備をしております。  今年から実施が予定どおりいけば必要だろうということで、既に準備をしておりまし て、いつでもスタートできる段階にありました。その後ストップしておりますので、医 機連の進行状況を待って、具体的なところを再チェックして動こうと思っております。 ポイントは、ここに10〜15都市と書いてありますが、各都道府県別に全部やるのか、主 要都市に絞るのか、当初教育も対面でということがありましたので対面でやるのか、衛 星回線を使ってやるのかというところですが、その辺を固めて正式に講師をお願いする 先生方を要請しなければいけないし、1回の受講料をどうするかという最終チェックを した上で、来年からスタートしたいと思っております。  最後になりますが、コンタクトレンズは度々言っておりますようにリスクがありま す。もちろんほかの商品と一緒で製品上で起こるリスクもあります。必ず眼科の処方が 必要ということで、処方上の原因も当然あります。しかしながら、その障害に結び付く 多くの部分は、やはり患者の皆様の不適正な使用によるところがありますので、この部 分をどうやって解決していくかというのが最大の課題かと思っております。  その中でもいちばん大きな要因は、使用期間や指定された期間を超える無理な使用。 それからメインテナンスの不良、いわゆる指定されたレンズの洗浄の方法などがきちん とやられていないがために起こる問題。それから、ケア用品との相性でうまくいかない もの、あるいは指定されたものと違ったものを勝手に使っている誤使用の問題等がある と思います。  それから、最近クローズアップされている、インターネット等で未承認で販売されて いるもの。承認が下りていない商品、あるいは雑品という形での商品が使われているこ とによる眼障害があります。全般的には、コンタクトレンズが非常にたくさんの人に使 われることにより、医療機器というよりも、雑品という感覚がかなり強くなっているこ とが非常に問題だと思っています。実際にコンタクトレンズを渡すときの指導や情報不 足が鍵かと思っております。  いま現実に考えているのは、これはなかなか難しい部分がありますし、薬事法だけで の対応ではいけないということも度々お話を伺っておりますが、眼科医からの指示書を 義務付けして、それを受けて対面販売していくことをルールとしていただけないかとい うことを非常に強く思っております。それから、添付文書に従って、注意事項の徹底と いうのも、対面販売との関係もありますので必要だと思います。  ただ、誤解を招くといけませんが、インターネット販売や通信販売の方が情報提供し ていないということでは決してありません。よく見ますと、非常に克明な情報提供をさ れておりますが、言えるのは一方通行だということだと思います。  啓発活動の強化というのは、業界ぐるみでもさらに必要だと思っております。広告自 主基準の改定については、眼科の医師からは医療機器、いわゆる眼科で処方・検査する ものが、なぜ一般消費者向けに広告できるのだという強いご指摘を受けております。こ れは、逆に言うと我々がきちんとした啓蒙活動、啓発活動をやる上ではむしろ重要だと いう認識をしております。ただ、現状ある自主基準をさらに強化し、運用面でも強化し て、より有効な内容にしていきたいということです。既に改定案を作り、現在厚生労働 省並びに公正取引委員会でその内容のチェックを受けている段階です。 ○小野座長  コンタクトレンズ業界は、コンタクトレンズという1つの種類のものですので、ほか の業界と比べるとだいぶやりやすいという印象を受けましたが、ご質問、ご意見等があ りましたらお願いいたします。 ○金井委員  コンタクトレンズの販売ですが、実際には眼科医が処方指示せんを書いて、販売店へ 行って、使用者がそのまま使用するものではないと思います。入れたレンズがちゃんと 機能しているかどうか、さらに追加修正などが必要な場合も度々あります。特に、眼疾 患を伴ったコンタクトレンズ、例えば円錐角膜などは1度ではなかなか処方できません ので、患者にレンズを入れた後、再度眼科医を再受診するのが大変重要ではないかと思 います。そういう点で、インターネットなどでの通信販売は大変危険ではないか。  10頁のコンタクトレンズの対策のところでは、私自身も指示書、あるいは対面販売と いうのはいま言ったようなことで大変重要ではないかと思っています。広告の問題は、 協会では改定されているという話だったのですけれども。実際に高度管理医療のレンズ でありながら、例えば電車内に広告が出ている場合、コンタクトレンズの値段が出てい るのです。そうすると、一般の方は値段の安い所へ行こうとします。高度管理医療機器 であれば、そういうところは規制すべきではないかと思います。 ○宗林委員  事務局にお聞きします。販売管理者にはいろいろな責務がある、ということはそれぞ れお話を伺いました。最初のお話の中では、例えば10人に1人、あるいは100人に1人 というケースも両方あるようなお話を伺いました。  コンタクトレンズの場合は、なるべくなら対面での説明というお話もあったのです が、イメージ的には随分乖離があります。例えば、同じ人が複数店舗に重複でもいいの か。それから、どのぐらいの販売の数に対して1人という規制があるのかどうか。100 人いる店舗であっても1人で済むということになると、いろいろ責務が書いてあって も、それに実効が伴ってくるのかどうかというところのイメージはだいぶ違うわけです が、その辺について伺います。 ○安田室長補佐  いま現在薬事法で定められているのは、営業所に販売管理者を設置することとなって おります。その営業所といわれている所が、いま諸平委員及び宗林委員から言われたと おり、営業所の中にもいろいろ大きさがあるのかと思っています。  いまご質問の、販売数といわれている数量によってある程度分けてもいいのではない かというご意見ですが、いまのところ薬事法の中では、数量によるというところの決め はありません。どの程度の数量が販売制度か、どの医療機器の場合どのようになるかと いうところは、必ずしも当初からわかるわけではありません。いま制度としてあるの は、1つの営業所に対して、販売管理者を設置するという要件をかけて、その販売管理 者が必要な教育等、あるいは必要な措置をとっていく形を法的には求めているわけで す。  もう1つの兼務の話は、ある一定条件下では認めることがあります。例えば、近接し た地域にあるとか、あるビルの中で階が違うとかです。同じビルの中でも、ある診療科 の医療機器、そして別の階では別の診療科の医療機器を販売するケースはあります。そ うしたときには、ある一定条件の下で認めることはあります。 ○宗林委員  それは、例えばコンタクトレンズ等の家庭で使われるような医療機器についても同じ ですね。そうすると、複数店舗の販売管理者を兼ねることができるということですか。 ○安田室長補佐  一定条件の下で、そういう場合もあり得ることがあるということです。 ○宗林委員  販売の場面において、常時いなくてはいけないという規定はないのですか。 ○安田室長補佐  ないです。実地で管理といっているだけですから、その「実地」というところをどう 読むかです。我々の所ではほかの規制と違って、販売業においては朝から晩までずうっ とその場所にいなければならないというところまでは考えておりません。 ○笠貫委員  2つ大きな問題が含まれていて、1つは販売管理者制度をどうするかという問題と、 コンタクトレンズそのものの販売をどうするかという問題だと思って聞いていました。 後者については、機器の進歩で1日用が増えてきていて、しかも、それが失明に至ると いう意味で人体への重大なリスクを持っている機器が、雑品のような形で販売されてい るという1つの流れがあります。  そういうことでいくと、10頁に出てきた指示書、あるいは対面販売、添付文書につい ては、前回も問題になったインターネット販売をどうするかということに入ってくると 思います。そこをどうするかについては、その実態がどうなのかということが非常に大 事な問題だと思います。その実態は、販売会社の数も2万件以上で正確に把握できない という状態ですから、その情報としては限界があるかと思います。  10頁の不具合報告がどのぐらいの頻度であって、重篤性がどれぐらいであって、その 原因としてここには不適正な使用と書いてありますが、それがどのぐらいあってという 具体的なデータがないと、先ほどの対策についての具体的な線引きが難しいのではない かという感じがいたします。  そういう意味で、不適正な使用の内容として、1日用を2、3日使うというのは理解 できるのですが、それがどのぐらいあって、その不適正な使用に至った理由がどこにあ るのかという分析も必要なように思います。製品上の原因だとすると、これはメーカー の問題と販売側の問題がどの程度あるのか、あるいは処方上の問題ということになる と、これは医師の問題になるわけですから、そこがどれくらいあって、どういうところ に問題があるのかというデータがあったら、お話いただきたいと思います。  その問題の次に、管理者制度はどうあるべきかということが議論されてくるのかなと 思うのですが、そういうデータは、存在するのでしょうか。 ○松岡委員  それでは私のほうから、答えられる範囲で答えさせていただきます。まず、不具合の 実態については、これは厚生労働省のほうからも、指定モニター制度、そういうもので 実際に押さえられた数字もございます。それから、別に日本コンタクトレンズ学会が、 定期的に行っているものもございますし、最近よくマスコミ等に出ているのは、日本眼 科医会が実施した不具合調査がありますので、そういうものの数字はございます。  この中では、一部コンタクトレンズ協会も、いわゆる3団体、日本コンタクトレンズ 学会、日本眼科医会、日本コンタクトレンズ協会の3団体で、一緒になって実施した調 査もあります。そういうデータについては、今日はお持ちしておりませんが、実際にお 出しすることは可能です。  得てして言われるのは、障害の程度が随分ありますので、何とも申せませんが、いわ ゆる障害として捉えられる案件については、実際の使用者の約10%くらい出ているので はないかと言われております。程度があるので、極めて軽くて、すぐ翌日には治ってし まっている程度のものも含めると、もう少し増えるかもしれませんが、その辺は金井委 員からお話がいただけると思います。  そのほかに、インターネットの販売ですが、これも、正確ではありませんが、最近あ るセミナーでご発表になった方の報告ですと、実際、ディスポタイプ、いわゆる使い捨 てタイプのコンタクトレンズの約3割くらいは、もうインターネットで販売されている のではないかと言われております。特に皆さんもご存じの、大手のインターネットで販 売されるサイトにおいて、コンタクトレンズがそこの年間トップに出てきたということ ですから、その販売量は極めて大きいのではないかと思っております。とりあえず、そ んな状況でございます。 ○笠貫委員  そういうデータはまた勉強させていただくことにしますが、いまの、インターネット が30%という数字にもちょっと驚いたのですが、例えば、指示書をどうするかというよ うなことは、ここでどこまで議論するのか、私はわかりませんが、先ほど金井委員から もご指摘がありましたように、目の疾患をもっている場合のみならず、適正なコンタク トレンズの処方内容は、時間とともに変わることはあり得るわけですね。そうすると、 その指示書がどれくらい有効なのか。薬の処方せんもそうですが、必ず期間が制限され ているように、人体は、常に時間の経過という時間軸で変わり得るもので、適正な処方 が出されるべきだと考えると、いまの状態、実態でよいのかということは、大変不安に なるのだろうと思います。この問題と管理者制度とどこまで議論するのかは質的に違う という感じもしたのですが、事務局としてはどのようにお考えになりますでしょうか。 ○山本室長  まずコンタクトレンズの、いわゆる眼科の処方書、あるいは指示せんというものにつ いてですが、これについては確かにコンタクトレンズの販売の形態では重要な一要素で すが、今般はまずはコンタクトレンズ販売業の管理者に関する点について、集中的にご 検討いただければと考えております。その中で、必要なご提言があれば、していただけ れば、またそれは受けて考える次第でございます。  ちなみに、現在の制度についてご説明申し上げますと、コンタクトレンズについて は、添付文書などで、医師の診断を受けて、その指示に基づくことが必要だということ を記載しております。それから一定期間、例えば3カ月置きには受診していただきた い、というようなことが添付文書に記載してあります。購入するときに、毎回必ず医師 の指示を受けなければいけないということではなくて、どんなコンタクトレンズが適切 かということについては、まず医師の診断が必要だということ、装着後については、安 全を確保するために定期的な受診が必要である、そういうことを規定しています。医薬 品の場合には、処方せんがなければ販売してはならないという形で、一方で禁止してお いて、例外として、処方せんがある場合にだけ販売してよろしいという制度になってい て、それで義務化を実現しているわけです。コンタクトレンズについてはそのような形 で、そのような場合には販売してはならないと禁止をするという薬事法の法律の仕組み にはなっておりません。  したがって、処方せんについての定義ですが、それについても、医師の書く処方せん については、医薬品の処方せんについては法律上もかなり厳密な定義がありますが、コ ンタクトレンズについては、そこまでの正確なディフィニッションは、現在はございま せん。そういう実態を踏まえて、まず実際の販売業者の方には、情報提供、あるいは販 売の管理について、どういうことをしていただくかということが1つのポイントであり まして、この問題は、またそれとは別次元の問題があります。 ○宗林委員  コンタクトレンズに関しては、販売は店舗などでされるわけですが、いまお話があっ たように、実際に不具合の情報は、症例として、医師から、眼障害として上がってくる という状況だろうと思うのです。そういう形では、たくさんあるのですが、製品の原因 を追及した眼障害情報というのは、ほとんどないのだろうと思うのです。  ですから、ものを売った者、販売管理者に不具合情報の云々ということが少し書いて あるようですが、コンタクトレンズとの兼合いでの製品関連の不具合情報が、私は今は 欠けているような気がしています。もし、販売管理者ということで、不具合ということ も情報収集できるのであれば、医薬品の場合ですと、必ず製造会社にいくというシステ ムがありますが、コンタクトレンズの場合もそういった形での収集がネットワークとい う形でできるのであれば、ありがたいと思いますが。 ○小野座長  一部は、現在の不具合情報等では、製品そのものの、どの製品でどいうことが起こっ たというのは、集められているとは思いますが。 ○宗林委員  割れたとか、明らかなものはもちろんあると思うのですが、眼障害との関係での製品 情報は、極めて見つけにくいといいますか、統計的に整理されたものがなかなかないの ではないかと思います。 ○山本室長  現在厚生労働省では、医療機器に関する不具合の情報を、年間1万数千件ほど、製造 業者あるいは販売業者、あるいは医療機関のほうからいただいておりますが、その中で は、実はコンタクトレンズに関するものは、数は非常に少ないです。それは、明らかに 製品に起因することが疑われる副作用・不具合というような形で発見されるというもの が少ないということが一因ではないかと思います。  むしろ、いまご指摘がありましたように、コンタクトレンズを使っている間に起きた 目の炎症とか目の障害で、どちらかというと、製品そのものよりは、製品の取扱いに起 因するのではないかというふうなことの認識から、おそらく薬事法で挙げている、製品 に由来するであろう副作用、不具合という形で報告はきていないということが、大きな 原因としてあるかと思います。それが現状でございます。 ○松岡委員  最近、やはり医療機関のほうから、レンズに起因する可能性が高いぞという話は、以 前に比べて結構お受けすることがあります。その中で、やはり届け出る必要があるもの は、積極的に届けていこうということで、先生方も、そういう意識でいまおみえになり ますので、以前のように埋没してしまうということは少なくなったかなという気がして おりますが、まだ、どこまで全面的にオープンに出ているかということは何とも申し上 げられませんけれども、そういう傾向にはあるのではないかと思っております。 ○宗林委員  例えば、ケア用品の問題も出ましたが、ケア用品も何種類もあって、誤使用も含めて なのですが、非常に重篤なものが多いものですから、どういったケースの組み合わせの 場合に起きているのかという、使った場面の不具合も含めて情報があると、後で大変整 理しやすく、改善につながるのかなと思いましたので、あくまでも意見でございます。 ○金井委員  先ほどの笠貫委員のご質問の中の眼障害のデータですが、約3年前に、日本コンタク トレンズ学会と日本眼科医会と日本コンタクトレンズ協会と、三者が一緒になって、4 都市での眼障害の発症頻度を調べております。この次の会議にでも、そのデータは出る と思います。そのデータでは、レンズ別の集計も全部出ておりますので、ある程度ご参 考になるのではないかと思います。 ○小野座長  それでは、少し時間も押しておりますので、次のご報告をいただきます。いわゆる家 庭用の医療機器の販売実態等について、楠委員のほうからお願いします。 ○楠委員  それでは家庭用医療機器の販売管理の実態ということで、発表させていただきます。 目次にもありますように、約6項目からできていて、1番目は、「家庭用医療機器業界 の販売形態と主な製品」ということでまとめております。我々のホームヘルス関係の業 界は、販売形態が、いままでの2つの例よりも広くて、その辺が特徴だと思っておりま す。  1番目が展示販売。これは、展示販売の中に個展が2つあって、もう1つは合同展示 会と、この3つがございます。個展Aというのは、主に体験をしていただいて、その会 場でお客様に販売する、または、後で販売に結び付くということがメインで、この場合 には大体場所をもっていて、1製造販売業の営業所や代理店の営業所が展示会場で、お 客様に説明する。個展Bというのは、これは1販売店といいますか、一時的に場所を借 りて、毎日そのような展示をして販売をするということです。3番目は合同展示会で、 傘下の販売店が集まって、合同で年間の祭事のときに販売をするようなものです。  ここにあるように、個展Aというのは、主には、電位治療器、低周波、家庭用電気磁 気治療器。個展Bでは、それに若干の小型のマッサージ機等も入ります。合同展示会で は、非常に多くの業者が入りますので、ほとんどの家庭用医療機器が入ります。  次の2番目の職域斡旋販売は、いろいろな事業所で職域販売をするということで、そ の場所をお借りして、そこで展示等をして販売に結び付けていくというもので、主に低 周波治療器、家庭用マッサージ器等が販売されております。  次の頁の3番目ですが、訪問販売、連鎖販売というようなものもあって、特にこの訪 問販売は、業者が家庭用医療機器については21社から22社ありますが、販売員は約10万 人以上といわれております。主な製品は、家庭用電位治療器、温熱治療器、電解水生成 器、永久磁石磁気治療器というものです。この訪問販売は、販売員が直接家庭を訪問す るということと、連鎖販売というのが、ご存じのように、販売員がお客様への販売とと もに販売員の勧誘を行って、自分を中心とした販売員のグループの組織化も図っていく 取引です。  4番目が店舗販売です。これがいちばん多いのですが、電器店による販売で、約5万 店舗あります。主な製品は、マッサージ器、電解水生成器、家庭用低周波、血圧計、体 温計。その次が薬局・薬店。これは約3万店舗あって、ここには販売管理者が従来から もおられますので、こういうところでは、小型の商品で、家庭用永久磁石磁気治療器、 血圧計、体温計が主に販売されております。コンビニエンスストア約1万店舗で、ここ では、家庭用永久磁石磁気治療器が販売されております。  5番目には住設・建材ルート。これはキッチン台の下にアンダーシンク型の家庭用電 解水生成器を組み込むようなものがあって、約8万店舗で、住設・建材ルートを通じて 販売が一部されております。その他、ここには挙げておりませんが、通販、インターネ ットも若干いま出ております。  2番目の「販売管理者の業務」ということで、特に情報の収集は我々のホームヘルス で、特徴あるものとしては、商品の説明書、パンフレット、そういう数値を必ず製造販 売業者を通して情報提供します。それから、いろいろなホームページもありますが、特 にホームヘルスでは、製造販売業者を通して、HAPIマークという、ホームヘルスの マーク付きのしおりを同梱して、ご意見をホームヘルスにいただいて、そして業者間の 統一の問題を、ご要望を聞いていこうというような情報収集をしております。その他各 業者ごとの新商品、内覧会とか講習会、そういうものがあります。  それから、特に商品に同梱した、ご愛用者の葉書があって、それによって、直接購入 された人、もしくはご使用者からのご意見をいただいております。それから、体験会場 等講習会で情報をいただきます。  提供方法としては、情報提供では、特に納品時にお客様に機器の取扱説明を中心にや っておりまして、そのときに、注意事項、禁忌事項、その他連絡先等を連絡する。提供 資料としては、商品に入っている取扱説明書、組立書、注意事項、コーションペーパー と言っておりますが、そういうものを特に同梱したものがあって、それによって情報を 提供する。あとは保証書、適正使用に係る説明資料ということです。  6頁目の品質管理に関する業務は、特に家庭用ということで、一般のそのようないろ いろな形態のところで販売されるわけですが、特に製品受け入れ時には、外観ですね、 特にこのような中に書いてあるものを確認の上、記録して指定の場所に保管して、不適 合品があれば連絡する。それから販売するときにも、先ほどの外観を中心に確認して連 絡するということです。あとは、製品の保管ということで、特に保管場所を届け出るわ けですが、その場所の3Sを管理していくということです。  苦情処理に関しては、販売店に起因する場合とか、製品に起因する場合等いろいろあ りますが、販売店に起因する場合には、その旨を記録して、指定の場所に保管する。そ れから、製品とか複合的な要因が想定される場合には、製造販売業者に報告する。そし てその指示に従って、共同して原因究明をする。その他、回収が必要な場合には、その 旨を記録して、製造販売業者の指示を待って行動するということです。  7頁の「販売時の販売管理者が留意している事項」ということで、特に、先ほどあっ た納品のときに、機器の取扱い、注意事項、禁忌事項の内容をよく観察して、読んで確 認する。それから特に我々の商品は、高齢者を対象としているものが多いですから、そ の高齢者については、家族の方を入れて、使用方法を、もちろん禁忌事項等を含めて、 できるだけ説明をする。それから、販売管理者の資格を持たない従業員も、同じような 営業所の場所にいる場合には、その日常の教育をするために、朝礼等によって指導す る、または講習会に参加させる。新しい販売者が来た場合には、販売管理者が同行し て、やらせてみて、説明をして経験をさせていくということです。  8頁の「販売業者が行う教育訓練・研修」ということですが、まず、製造販売業者、 販売業者とあるわけですが、社内研修として、製造販売業者の講師の下に、特に電気商 品が多いものですから、基礎電気回路とか、薬事法、生体と医療の基礎知識等につい て、大きな製造販売業者の下にはやっております。以下、このような内容について、社 内研修等をしておりまして、あとは、ホームヘルスの工業会員の自主行動基準とか、そ ういうものも参考にしていただいております。  自主的な啓発活動としても、製造販売業者と販売業者の会合をして、その中で、教育 訓練、情報提供をしていく。その他、各種講習会への出席を継続的にやっていくという ことです。  9頁の「基礎講習体制」ですが、平成17年度1年間をかけて、この新しい販売管理者 制度が、家庭用の医療機器、管理医療機器にも採用されましたので、基礎講習体制を以 下のような体制でやっております。平成16年度の後半からスタートして平成17年度末ま で、約3万2,000数十名、193会場でする予定で、ほかの講習会と共同してやっていこう ということで、こういう体制で、講師21名を擁して、現在やっておりますが、次々と受 講者が新たに発生して、現在では、いちばん高齢の受講者は、92歳という方も参加して おられますし、車椅子で来られる方もおります。特に女性の方もたくさんおられて、こ の基礎講習では、皆さんから拍手の出る会場もあります。薬事法とか電気用品安全法、 消費者法とか、その他いろいろなものを初めて聞いたと。いま一生懸命この体制で活動 をしております。  その下の5番目、「継続研修」については、我々の家庭用医療機器の管理医療機器 は、努力義務ということになっていて、こういうお話をもっともっと聞きたいという方 もおられるのですが、本当にお金を払ってでも聞きたいのかということもあって、この 基礎講習受講者にアンケートを実施して、今後継続研修体制を検討していこうという形 でやっております。講師はたくさんおりますが、どのような体制でどのような場所でや るかということが問題になります。特に家庭用の医療機器は、北海道から沖縄まで、現 在実施していて、北海道でも、もう何十箇所もやらなければいけないというような広い 場所です。  10頁目は「その他」で、このような新しい制度が、この4月から実施されているわけ ですが、コンビニ等での販売は、業務に3年以上従事した条件に適合する人は、もうほ とんどおられない。むしろ1年でも少ないというような形で、現在、取扱い中止がたく さん出てきている状況で、先ほどのコンビニの1万店舗、現在販売が危ないような状態 です。  個展で、毎日日替りでやっておられるような所も、毎日届出、廃業届出と、毎回それ をやるということで、取扱店が減少しているということです。  2番目の日本ホームヘルス機器工業会では、1980年から、販売する人の資質の向上 と、正しい販売をしようということで、販売第一線のアドバイザー教育、またはその販 売員のリーダーの総合アドバイザー通信教育をずっとやっておりまして、現在全国に 1,169名のアドバイザーがおります。毎年、その継続研修も行っておりましたが、今回 新たに販売管理者制度ができたために、この方々の資格要件をどうするかということ で、現在悩んでおります。このアドバイザー教育というのは、販売管理者講習にプラス して、電気一般とか、リーダーシップとか、販売促進といったものも加えて、4カ月か ら6カ月の通信教育で行っております。そういうような関係でございます。  その他、医師の指導の下に使う商品が、我々のところに2つほどありまして、1つは 血圧計で、もう1つは自己検査用尿糖計というものがあります。在宅で計測したデータ を医者のほうにを持っていったり相談に行くというような機器で、この中の自動電子血 圧計というのは、非常に定着して、販売の届けも、従来からやっているわけですが、こ の自己検査用尿糖計というのは、高度管理医療機器に属していて、その販売をするため に、現在薬店とかで販売もされていますが、実際に許可を取る必要があって、東京都の 場合、3万4,100円の許可費用が要るということで、ある販売グループの100店舗ある所 では341万円の費用が要ると。そのような形で現在販売しています。  いろいろ申し上げましたが、ホームヘルスの機器は、非常に多岐に渡っていますが、 我々の努力もさることながら、会員が製造業、製造販売業を合わせて約120社あります。 それ以外に、この2、3倍の企業が存在し、まだホームヘルス機器工業会に入っておら れない。国民生活センターから出ている、宗林委員の「家庭用医療機器のセールストー クに注意」は、そのとおりでして、オーバートークが問題になっております。我々の会 員企業だけでなく、その他も取り入れて、この新たな課題に向かってやっていきたいと 思っております。 ○小野座長  ありがとうございます。主体である家庭用医療機器の実態と問題点が浮き彫りになっ ていますが、何かご質問あるいはご意見等ございますか。 ○笠貫委員  これはコンタクトレンズのときもそうだったのですが、品質管理に関する具体的業務 で、管理者制度の最も大きな業務になる「情報の伝達と収集」の中で、苦情処理、回収 処理の項目はコンタクトレンズの家庭用の場合も、製造販売業者に報告して、その指示 に従うということですが、これですと、その判断や苦情処理の中に、多分不具合情報が 入っていて、そこにメーカーサイドの問題か、販売側の問題なのか、使用側の問題なの か、あるいは先ほどのコンタクトレンズの場合には、双方の問題かという、いろいろな 問題が含まれていると思います。その苦情処理に対する対応というものを、製造販売業 者の指示に従うということだけでよいのかどうかということは、気になるのですが、現 実的には、その指示に従うだけなのでしょうか。 ○楠委員  いまおっしゃったように、この苦情とか回収で、現在、新たに4月からの改正薬事法 の施行により不具合報告の内容が変わりました。それに沿っていま、教育をしながら仕 組みを変えていこうということで、身体に影響があるとか、感染に影響があるとか、そ ういう場合にまず報告をするというところで、いま手順書づくりをしておりまして、そ れを、製造販売業者に教育していくというところが、いま始まったばかりでございま す。いままでは、そういう手順というのが、メーカーによってはありましたが、新たに そういう製造販売業者に、その内容の報告ができるように教育するような予定をしてお ります。 ○笠貫委員  事務局にお尋ねしたいのですが、もし不具合の重篤な場合に、重篤かどうかの判断は 非常に難しい面があるとは思うのですが、重篤度あるいは原因によっては、苦情処理、 回収処理で出てきた不具合を、行政サイドに報告する義務ということは、どういう枠組 みをお考えになっていらっしゃるのでしょうか。 ○山本室長  不具合の報告の義務ですが、一義的には、そのメーカー、すなわち製造販売業者が厚 生労働省に対して報告をするということを義務にしております。それは、1つには生命 に危険があるような重篤なもの、もう1つは、さらには従来の添付文書等から予測でき ないような新たなもの、そういったものを重点的に報告してもらうという制度になって おります。そういう点では、情報の収集、それからその対策について、何といってもメ ーカー、製造販売業者が責任の担い手の中心というのが、薬事法の制度になっておりま すが、ただ、販売業者の方には、適正使用の情報、逆に不具合の情報、そういったもの が正確に伝達されるようにという点での、情報の伝達管理の義務については、それなり の義務が販売業者のほうにはかかってくる形になっております。  したがって、実際には販売業者と製造業者、メーカーとの間では、どういう情報につ いてはメーカーのほうに見ていただくというのは、個別のいろいろな対応となっており ますが、おそらく実態としては幅広く製造メーカーに情報が集まったものを、さらにメ ーカーで判断して、例えば本当に重篤なもの、あるいは未知で解明が必要なもの、そう いったものについては厚生労働省のほうにも報告するという対応になっているかと思い ます。 ○上原委員  私は専門が流通論で、医療機器のほうはあまりよくわからないのですが、グローバル な観点から、ちょっとご質問申し上げたいと思います。先ほど、3年以内の販売に従事 する人がいなくて、だんだん取扱い店が少なくなっていくという話がありましたが、私 は、この問題は極めて大きいと思うのです。これは、ともすれば家庭用医療機器の機能 をなくしてしまうことになりかねないのではないか。これが第1点です。  第2点は、家庭用の医療機器というものには、情報の非対象性があります。消費者の 情報量が少ない。このとき、やはりもう少し考えていただきたいのは、一般の流通制度 の中で、ちょっと問題になっている販売形態があるのです。連鎖販売がそうです。これ をどうするか。それから、もうちょっと一般のチャネルでも扱いやすいようにする。そ の点に関して、ちょっとご質問したいのですが、製造物責任とか、そういうものが、医 療以外で、例えば食品の規制とか、そういう問題で、この医療機器問題に対処できる領 域というのは、かなり多いのではないか。これで対処できない領域はどこなのか。この 点について、ちょっとお聞きしたいのです。  私は、下手に規制するということはまずい、家庭用の医療機器は、もともと消費者が 使いやすい、簡単に買いやすいということが前提で成立しているものでして、ほかの法 律関係の規制で、随分処理できるところがあるのではないか。その点についてご質問し たいと思います。  世界の流れは大体そういう方向でいっています。つまり何を言いたいのかというと、 たくさん規制するようであれば、家庭用の医療機器の流通など必要ないのではないか。 ある程度規制をなくして皆さんが使えるものだから、家庭用医療機器はあるのではない かという考えもあるわけですので、その点から見て、ちょっとご質問したいと思うので す。 ○安田補佐  それでは事務局から少しお答えさせていただきます。まず最初に、ご指摘のありまし た、販売管理者の要件を満たしていない、満たすことができないがゆえに、どんどんこ れが廃れていくのではないかというところがあります。実は、私どももこの検討会の1 つの役割として、家庭用の医療機器について、例えば要件としたときに、どういうもの を掲げられるのかというところは、実は1つのポイントになっております。  本日は、どちらかというと、それぞれの業界において、どういうような医療機器がど ういうふうな実態で販売されているかというところをクローズアップしており、いまは こういう業務になっていますが、いま上原委員からご指摘のあった、例えば、3年以上 を満たしている人はいない、あるいは1年以上を満たしている人だってほとんどいない ではないか、そういうところをどうするのかというところは、実は今回の議論のポイン トにもしているつもりでございます。  その次に、もう1つご指摘のありました、情報の非対象性というところで、ほかの法 律の中で、ある程度対処できて、薬事法でなければ対処できない分野というのはどこに あるのだというご指摘だと思います。正直なところ、これは私個人の考えかもしれませ んが、先生がおっしゃるとおり、例えば製造物責任、物に対しての製造者の責任と言わ れているもの、あるいは、家庭用と言われているものであっても電気用品安全法といわ れている、電気的な安全というものもございます。  薬事法で、例えば家庭用といわれている医療機器、それぞれのパーツに分けると、そ れぞれの中で行われているものの、そういう規制は確かにあります。しかしながら、薬 事法といわれているところは、そういうところのそれぞれの要件をクリアした上で、有 効性、安全性、それから品質が保たれるかどうかというところで行っているので、我々 も闇雲に規制を強化したいというつもりはありません。あくまでも、それぞれのパーツ があって、パーツの連なるそれぞれの法律があって、そのところで法律で規制されてい るものを基にして、薬事法で、その有効性、安全性が、実際にあるのかないのかという ところを、実は、承認許可制度で行わせていただいております。  ですから、承認許可制度の中で行った後の話として、どのようにしてその製品を、例 えば使用者に提供していくかという中で、販売業者としての役割があるのだというふう に考えているところです。 ○小野座長  ただいまご指摘のあったところは、本検討会の、だからどうするかというところだと 思っておりますので、今後まだ議論していきたいと思いますが、時間も押していて、ま だ少し議題が残っておりますので、次の議題に移らせていただきます。次の「医療機器 の規制の概要について」に移りますので、事務局よりご説明をお願いします。 ○安田補佐  それでは時間も少ないので、短く説明をさせていただきたいと思います。この後の議 題が2つ続いております。「医療機器に関する規制の概要について」と「家庭用の医療 機器等の概要について」とあります。これは、それぞれ連関しますので、一緒にご説明 させていただきます。  まず、資料4で、これは平成16年10月6日に、国民生活センターから、消費者発表を 行ったものです。題名は「家庭用電気治療器具類に関する消費者相談にみる問題点」で す。それぞれ、いろいろなことが記載されていて、読んでいてなかなか興味深いところ もあるのではないかと思うのですが、この中で、私どもの今回の議論の中に特記させて いただきたい、ちょっとご紹介させていただきたいと思ったのは5頁目です。  5頁目で、PIO−NETに寄せられた情報のうち、「具合が悪くなった」「けがを した」という危害情報といわれているところです。PIO−NETといわれているの は、全国の消費者センターに情報網があって、そちらのほうに寄せられた消費者からの 情報です。実は今回の家庭用の電気治療器具に当たっては、消費者サイドからの問題 が、国民生活センター及び国民生活センターの下にある都道府県の消費者センターに寄 せられていますが、そのうち、危害情報として、全体の2.2%がこれに当たるとのこと です。どういうものなのかというと、これは、それぞれ複数回答ですべてを足したもの ですが、痛みとか皮膚障害、あるいはこの表の1に記載されているように、いくつかの 危害といわれるものが発生しているのは事実です。  そして、この危害は、それぞれの機種ごとに違うとは思うのですが、3割弱が医療機 関を受診しているということです。  次に6頁目の表2を見ていただきたいのですが、家庭用の電気治療器といわれている ものの中に、あるいはそれ以外のところにも入っているのですが、温熱治療器、電位治 療器、電気マッサージ器、低周波治療器というところがあって、いちばん右側に危害情 報として、それぞれ熱傷とか痛みといったようなものが発生しているということです。  先ほども、山本室長のほうからもご報告がありましたが、厚生労働省においても、副 作用情報といわれているものを収集しておりますが、残念ながら、明確に、これが機械 の副作用だ、あるいは不具合だという形で報告されている件数は、それほど多くはあり ません。本日、その数字を用意させていただこうと思ったのですが、言えるところまで 準備されていません。それくらいの状態ですが、実際的には、よく話としては聞くので すが、消費者サイドからの問題としては、ある程度のこういう危害と言われているもの が、水面下ながら存在しているということはあり得るのだろうと理解しているところで す。  その次に、資料No.5で、前回お配りさせていただいた資料No.2の2頁目の中で、 「管理医療機器」というところをご覧ください。この管理医療機器といわれているとこ ろは、すべて電子体温計、家庭用永久磁石磁気治療器、家庭用電位治療器によって、改 正前にはそれぞれバリエーションがあったということをご説明させていただいていると 思います。それを、前回の資料では、要件としてかかってくるのが届出か許可か、ある いは今回の改正薬事法では、販売業者の手続としてはどうなのか、それから、販売業者 の義務として管理者の設置が必要なのか、それとも、管理者の講習受講はどうなのか、 というところをまとめさせていただきました。  今回資料No.5でまとめさせていただいたのは、この販売業者の手続及び販売者の義 務以外のところで、実際にどういうような責務がかかってくるのかというところです。 この資料No.5のうち、上の「販売業の許可の要件等」のところ、下の「販売業の遵守 事項」の中の「販売管理者の継続研修の受講」と言われている部分があります。そちら のほうよりも上の記載が、前回の資料No.2で記載している「要件」にかかるところで す。  そして、この「販売業の遵守事項」の下にある「管理に関する記録」よりも下のとこ ろが、今回ご紹介したいところで、これは何を言いたいのかというと、まず、それぞれ の医療機器ごとに手続の仕方、あるいは販売者の管理者設置、あるいは管理者の講習な どの義務がかかりますが、それ以外のところでは、実はこの管理に関する記録、あるい は品質の確保、苦情あるいは回収処理、教育訓練というところがあり、これらは今ま で、改正前においては品質確保、あるいは苦情処理体制、情報提供等の必要性はありま したが、法改正後は、すべての販売業者において、その管理に関する記録、品質の確 保、苦情処理、教育訓練が必要となったわけです。  その必要になったというところは、管理医療機器、あるいは一般医療機器、高度管理 医療機器の区別なく、まず販売業者として実施していただくものがあって、そのしてい ただくものの程度をどうするかというところで、実際にこの管理者制度といわれている ところが出てくるという話です。  この管理者制度のところで、本日問題となるところは、高度管理医療機器、それから 管理医療機器、一般医療機器の中で、管理医療機器といわれているものの中で、例え ば、両極端である家庭用永久磁石磁気治療器のようなもの、あるいはそうではなくて、 それ以外のところ、従来は届出が必要であったものの、管理者を設置する必要がなかっ たというところについてのものがありますので、それをどうするかというところが、今 回の議論になるかと思っております。  次に資料No.6で、では実際に家庭用の医療機器といわれているもの、前回議論があ ったところですが、前回の資料No.6を改訂して作らせていただいたものです。前回の ものと比べて変わったところは、コンタクトレンズを含めたところ、それから、医療用 に使われるコンタクトレンズは除いています。一般の消費者が使われると思われるコン タクトレンズと補聴器を含めて、前回指摘があった家庭用の医療機器のうち、治療用に 使われる2品目を、落としたものについて並べさせていただいております。  ここで、家庭用の医療機器といわれているものは、いままでずっと何気なく使ってい ますが、それでは家庭用の医療機器というのは一体何なのだろうということで、一度こ れを整理しなければいけないのではないかと思っております。それで、家庭用の医療機 器と言われているものは、共通性は一体どこにあるのかというと、「専ら、家庭で使用 されるように設計されているものであって、使用者自らの意思で選択、使用する医療機 器」だろうと考えております。そうすると、資料No.6に記載されているものは、まさ にそれに当たるようなものかなという気がしています。  これは、実はここの中で、この家庭用の医療機器と言われているものを、それぞれパ ラパラと見ていくと、いちばん最初のコンタクトレンズについても、これは高度管理医 療機器になっていて、今回の薬事法の中では、許可制となっております。前回ご指摘い ただいた補聴器は、中に入れさせていただいて、これは旧薬事法の中では、届出が必要 で、現行の薬事法の中では、また届出が必要という区分になっているものです。その後 に、家庭用の電気治療器がそれぞれ続いて、家庭用の電気治療器の後に、磁気治療器、 それから医療用吸入器、バイブレーターというふうに続いています。  今日の区分の違いは一体何なのかというと、家庭用電気治療器のところまでは、旧法 においても届出が必要でしたが、管理者の設置は要しなかったといわれているもので す。磁気治療器よりも下のところは、従来届出が不要だったもの。ですから、管理者自 身も不要だったものが、今回の改正によって届出が必要、それから管理者も必要となっ たというものです。  今回の改正によって、実は、いままでは届出も不要だという区分があったのですが、 今回の薬事法の改正によって、管理医療機器の場合は、届け出なければならないという 法規定になっております。ですから、届出自体は必要です。ただ、問題は届出をさせる 中で、例えばどういうバリエーションがあるのかというところは、ご議論の対象になる かと思っているところです。どういうところかというと、例えば要件としてはどういう ものが必要なのかというところは、考える必要性はあるのではないかと思っています。  ただ、要件としても、例えば、この管理医療機器の中でも、ある程度品目によって、 必ずしも要件をかけなければ、すべての家庭用と言われている機器について、管理者要 件というものをかけなければならないのかどうかというところは、1つ議論があるので はないかと思いますので、そちらのほうについて、ご意見を賜れればと思っているとこ ろです。以上でご説明を終わらせていただきます。 ○小野座長  3つの資料についてご説明いただいたので、わかりにくかったかと思いますが、何か 全体について、また、いまのご説明以外の議論でも結構ですので、全体的な議論等あり ましたらお願いします。  いちばん最後におっしゃった、5頁以降の旧薬事法の届出不要というところから、1 つの線が引けるのではないかというようなお考えではないかと思いますが、そういうこ とも含めてご議論いただきたいのですが。 ○松岡委員  いまの安田補佐のお話を聞きますと、いちばんポイントに合わせているのは、管理医 療機器、特に家庭用の医療機器について、従来は届出を要しなかったところが届出にな った部分、それから、管理者の設置云々のところが中心課題というようなお話でした が、是非、高度管理医療機器のほうの、先ほども、家庭用のほうで問題になった、経験 3年以上というのが本当に必要かどうかということです。我々も1年で十分ではないか と思っています。  もう1つは、基礎講習のほうの免責事項で、医師等が基礎講習を受けなくてもいいと いうのがあるのですが、その中に、現実的には、コンタクトレンズの検査・処方を、医 師の補助者として実際にやっている看護師とか視能訓練士の皆さんは、その資格が十分 あると思っておりますので、その2つの国家資格を受けておられる方についても、その 対象者に加えていただけないかという案件をもっておりますので、是非、議論の中に加 えていただきたいと思います。  もう1つは、冒頭にあった、薬事法とちょっと離れるからということで、どうも議論 から外れそうな、指示書の問題とか対面販売の問題、これは、仮にここで結論が出なく ても、この委員会の提言として、何らか然るべき所で検討して結論を出すようなまとめ 方を是非お願いしたいと思っております。 ○諸平委員  本当に時間もあまりないので、これからの進め方をですね、私もちょっと今日話した 部分があるのですが、一緒にやるのか、方向をきちんとしていかないと。いまお話にも 出たのですが、コンタクトレンズの場合にしても、宗林委員からもご指摘のあった対面 販売は、どうしても管理者ではなく、販売士という制度だと思うのです。販売管理者と 販売士は、自ずから資格を違えていかなければいけないし、上原委員のように、「その ようなものは全部オープンにしろ」というお話もあるのでしょうが、安全を担保する場 合に、対面販売の場合も、そういう資格は業界がやるのか国がやるのかは別の話とし て、起こり得るのかと。それがゴッチャになって、管理をする人と対面販売の人の話が 一緒になっているような気がします。  それと、我々のように医療機関、医療保険を代表にしている仕事の部分と分けるの か、分けないのか、次回からはここら辺で決めていただかないと、また同じようなこと になってくるのを心配するのですが。 ○上原委員  対面販売について一言だけご意見を申し上げたいと思います。対面販売はいいように 見えて悪い面もあります。例えば、今回のシロアリのリフォームの件で、実は情報の非 対象性があるときには、対面販売によって騙すということがあり得ます。それよりもっ といいのは、インターネットで取引をすると全部記録として残ります。そういうことも 少し考えていただきたいと思います。 ○山本室長  意見というより、本日の進行に関してです。冒頭で12時までと申し上げたのですが、 とても終わるような状況ではないので、あと10分ないし15分くらいはこの会場を使って いても大丈夫ということですので、そのことを申し上げます。  さらに、本日、事務局の不手際で、予想外に情報量が豊かだったもので、議論がまだ 十分に尽くせていない部分もありますので、そういった部分については残された10数分 ということではなく、さらに必要なだけの論議をいただければと思います。 ○小野座長  基本的には、ここは家庭用の医療、家庭用といっても、いわゆる家庭用の医療機器の 定義の中ではなく、家庭で使われる医療機器の販売管理者制度について議論をするとい うことは整理しておきたいと思います。それに関連して、その他のものについて議論を することはあり得ると思います。ただ、ここでは家庭用の医療機器が必要なのか、必要 ではないのかということまで含めて、必要ならどのような規制が必要かということで話 をしていくと。  なお、先ほどの販売管理者というのは、責務としては販売員の教育までが販売管理者 の責務であろうと思いますので、それは販売管理者の議論をすることが販売員の資質向 上ということになるのだろうと思っていますので、そういう整理で議論をしていただき たいと思います。  ですので、今後家庭用の医療機器の販売をするに当たって、何を考えていくべきか、 あるいはいろいろな情報提供をするときに、どのような情報を提供すべきか、というこ とについてご議論いただきたいと思います。まだ少し時間がありますので、ご自由にご 発言願えればと思います。 ○上原委員  販売管理者というのは企業に与えるのではなくて、個人に与えるものなのですか。 ○山本室長  どういう方が販売管理者になれるかということに関しては、個人単位で、3年以上従 事していて所定の講習を受けた方を管理者として、販売業者はそういう人を管理者に選 任しなければならないとしています。したがって、その資格は個人個人の資質を問うて いますが、それを任命するのは、販売業者が営業所ごとにします。 ○上原委員  そういう流れでいくのも1つの手だと思いますが、もう1つの考え方があります。販 売管理の資格を企業に与えるのです。個人については販売士という形にして、試験制度 のようにして、任意にしてしまうのです。競争するときに、販売士を多く雇っていると ころは高く評価される、そういう方法を考えてもいいのではないかと思います。ただ し、これはいままでの制度上、無理してそうせよとは私は言っていません。流れから見 たら、皆さんの方向を聞いていると、どうもそのような方向だと思うのです。個人に与 えるのではなく、責任を持って医療機器流通に携わっている企業について、販売管理士 の資格を与えるのか。その辺についても、時間があれば検討していただければと思いま す。 ○山本室長  お答えにはならないと思いますが、行政側からの考え方を申しますと、通常の商品と は違って、通常であれば販売会社の社長が責任を取れば、それだけで十分に責任義務関 係は全うできるという考え方になるかと思います。医薬品あるいは医療機器の場合に は、1つには疾病の治療、予防、診断に伴う、非常に高度なものであることがありま す。それからそれに付随して、機械あるいは薬によっては、使い方を誤れば非常に危険 があるようなことから、企業に対して、販売をするときには1人は責任者を固定して決 めていただいて、それを決める単位も会社ごとではなく営業所単位に1人責任者を決め ていただいて、その人が販売に関する品質、安全に関することを実地に管理をしていた だく、そういうことを想定して、それで営業所ごとに販売管理者を置くとしているとこ ろです。  ただし、医薬品の場合については、例えば医薬品の販売業、医薬品の製造業の場合に ついては、薬剤師あるいは医師である者が管理者や責任者になるという法制にしていま すが、医療機器の場合には、販売については販売の経験年数と所定の講習をもって、専 門性に関する要件としています。  そういった制度がありますので、先ほどのご指摘で、個々の販売管理について薬事法 ではどう考えているかを申し上げると、そこは販売業者の方の管理、あるいは販売業者 が管理者を通じて管理するとして、そこに法律上の責任は整理できるのかと考えていま す。 ○笠貫委員  上原委員に対して、医療サイドとしての根本的な考え方の違いかと思うのですが、製 造物責任というのは、何かが生じたときの製造物責任であって、この管理者制度は何が 大事かというと、医療機器を使う人たちの安全性をどのように担保していくか、どうや って安全に使用していくかという前向きな話だと思います。  そういう意味で、先ほどの企業の責任であとは販売士という個々の問題だとするの は、本質的に違う制度だと私は認識しています。この管理者制度は販売管理者のもとで 個々の販売士というか、そういう人たちがどのように責任を持って情報の収集・伝達を して、安全に医療機器を家庭内で使っていただけるかということで、非常に大事な制度 だと思います。  先ほど事務局からお話がありましたが、家庭用の医療機器の定義が専ら家庭内で使 う、自己の意思で選択して使う機器ということで、資料6として挙げていただいたと思 うのですが、この中で管理者制度の対象になるものを選択していく、という考え方でよ ろしいのでしょうか。例えば、改正薬事法の中で、「クラスIというのは極めて低い」 というのがあります。これでいくと、今度の薬事法でも届出不要というクラスIのもの まで、管理者制度が必要かどうかというのはここで議論できることなのですか。あるい は、これはもう家庭用であるならば管理者制度という枠組みの中で、内容で濃さを変え るという検討と、どちらの方向をお考えなのでしょうか。 ○山本室長  まず最後の笠貫委員のご質問に対しては後者です。仮に一般医療機器となったら、法 律上の仕組みとして、それは自動的に管理者を置かずによくて、届出も不要としていま す。もし個別の医療機器が、一般医療機器としてクラスIでは不適切だということであ れば、その医療機器の区分から見直さなければいけないことで、一般医療機器であるも のの販売管理制度を見直すことではありません。個別の医療機器の区分が間違っていた のではないかということです。  それから、管理医療機器については、法律上の定義だと、販売業の届出をしていただ くところ、管理者を置くところまでは定まっているところですが、どのような方に管理 者になっていただくかは先ほどから議論がありますが、3年や1年の経験を要するの か、講習の受講、定期的な継続講習の受講を要するのかといったところについては、現 在は医療用の医療機器と一律な定めを、管理医療機器であればすべてするという規制の 構成になっていますが、そこについては今般ここで検討していただいていますが、そこ については機器の対応、実態に合わせての改定の余地がある、すべきではないかという ことではご議論いただいたものがあります。 ○笠貫委員  先ほどコンタクトレンズ協会での話がありましたが、前回も管理者制度の研修内容に 「求める要件として2段階というのもあっていいのではないか」という話をしたかと思 いますが、9頁で医機連での医療機器の共通のテキストと、それと別にコンタクトレン ズ協会の特殊なものと2階建てにしていく考えなのかと思いますが、これが医療機器販 売側として受け入れられる考え方として、共通認識としてどこまで醸成されているかを 教えていただきたいと思います。 ○松岡委員  ちょっと説明不足だったかもしりませんが、医機連のほうで準備しているのは、おそ らく共通法規等です。法令等の内容については、共通項目になるという前提があるの で、特に講習会を設定するというのではなくて、テキストの面で共通テキストを作る部 分があるのではないかと。それにプラス、各業界独自の内容についてのテキストの追加 をしていくということで考えていて、研修そのものは、コンタクトレンズ業界はコンタ クトレンズ業界の中で、そのテキストを活用してやると考えています。医機連のほうは 研修期間そのものをつくる計画はないと思います。 ○諸平委員  いまのお話ですが、非常に多岐にわたっていて、私の考え方では、どちらかというと コンタクトレンズについての販売管理者というように仕分けをしていかないと。逆に私 どもがそちらへ参入しようといっても、そちらのことはわからないわけです。それだけ 独自性があるわけだと思うのです。しかし、いま松岡委員からお話があったように、共 通項というのはあるわけですから、医療機器という法律上の共通項についての共通の部 分については、いま医機連のほうでは私も管掌役員ということで責任者をやるのです が、その中で共通項の教科書だけは共通のものを使おうと、それ以外のプラスの部分 は、ホームヘルスはホームヘルスで加えてもらう中で研修を考えていかざるを得ないの かという段階です。 ○上原委員  私は医療機器は事前担保が重要だと思っています。ただ、いろいろなことを考える と、事前担保が弱くていいものと強くていいものがあります。自己責任によって事後解 決できるものを見つけ出すのが、流通を効率化していく1つの手だと思います。私はそ こを見つけたいために申し上げていますので、誤解しないでいただきたいと思います。 ○宗林委員  いまコンタクトが特別なことだというお話があって、私ももっともなことだと思いま すが、それ以外にも、今日厚労省のほうで用意してくださった「家庭用の電気治療器具 類」というものの中で、4つのものだけでも、5年間で苦情の相談件数が2万件あるわ けです。先ほど危害件数をご紹介いただきましたが、それ以外に使い方の情報、効能・ 効果に関しての誤解でもトラブルが起こっています。十分な情報が、わからないままに 販売がされ、消費者が購入している実態があると思いますので、家庭用の医療機器の中 でも、もう少し個別に販売管理者の教育研修なども細分化していただきたいと思いま す。それ自身の専門的な知識であり、それにとって必要な、PL法でいえば禁止条項の ような、警告マークがあるわけですが、それはどこまで付けなくてはならないのか。例 えばコンタクトレンズの場合ですと、「間違って装用した場合には失明する恐れがあり ます」というようなことが書いてあるわけですが、この違う家庭用の医療機器について は、それをどこまでしなくてはいけないのかなどを、もう少し個別にきちんとする必要 があるからこそ、現状として苦情という形でかなりの数が上がってきているのだと思う のです。  先ほどの販売方法の中でも、展示、連鎖販売といった、いろいろな方法があることも 相加わって、こういう状況にあると思いますので、ぜひとも販売管理者のあり方とし て、コンタクトレンズはもちろんのこと、他のものについてももう少し細分化したよう な形での、専門知識を身につけるような運営をやっていただきたいと思います。 ○小野座長  どうもありがとうございました。司会の不手際で若干時間が延びました。延ばしても らった時間もそろそろ切れるようですので、ただいまの議論のまとまりはまだありませ んが、方向性としては、家庭用医療機器の販売管理者制度をどうするのか、その中の法 の改定も含めてどうすべきか、あるいは何段階にすべきかということもあるでしょう し、専門を合するということもあるでしょうし、いろいろな議論は今後出てくるものと 思いますが、今後もう少し何を議論していくべきかを精査した上で、また次の会議に続 けたいと思います。事務局から何かございますか。 ○山本室長  次回は7月20日(火)の10時からということでお願いしています。そこでは本日の議 論を深めるべく、補足的な資料を私どものほうで事前に用意させていただいて、お送り したいと思います。 ○安田補佐  次回ですが、本日第1回目にいただきました意見、第2回目にいただいた意見を基に して、ある程度皆様方からいただいたご議論の中から、共通項などは大体わかってきま したので、そうしたものを基にして事務局案を出させていただいて、それに基づいて皆 様方とご議論したほうがいいかと思いますので、そういう方向で準備させていただきた いと思います。  それと併せて、もし可能であれば最終的にどういう報告がいいかというところで、報 告書案の骨子をご議論できればと思います。そういう中で、少し個別に委員の方とご相 談させていただくこともあると思いますので、よろしくご協力いただければと思いま す。 ○山本室長  したがいまして、次回は論点の整理ができるような資料を用意させていただきたいと 思います。 ○松岡委員  論点の整理の中で、継続研修の毎年研修というのがありますが、この必要性も随分議 論されていると思うので、ぜひ入れていただきたいと思います。 ○安田補佐  今回まとめる中の1つには、第1回目でも説明しましたが、継続研修も入れていま す。それから、先ほどあった「高度管理医療機器はどうするのだ」とありましたが、今 回のこの会議は家庭用の医療機器等といっていますが、それと比較する形で高度管理医 療機器も出てきますので、そうしたところも整理させていただければと考えていますの で、その点をご了解いただければと思います。 ○小野座長  今日は活発な議論をどうもありがとうございました。この議論を次の7月20日の議論 で続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本日はこれで終了いた します。ありがとうございました。