第16回多様就業型ワークシェアリング制度導入実務検討会議議事要旨


日時平成17年7月15日(金)14:00〜16:00
場所経済産業省別館827号会議室
出席者今野座長、荻野、小澤、川本、北浦、武石、田村、成瀬、山極の各参集者
議題
 1 多様就業型ワークシェアリング制度導入・利用の検討課題について(意見交換)
 2 その他

議事要旨 :
 1.事務局より資料説明後、意見交換(主な発言内容は以下のとおり)

 例えば、育児時間で10時から16時の働き方を希望する者が多数出てきたときに、代替要員としてふさわしいスキルを持った要員を、朝8時半から10時、16時から17時半という半端な時間に集められるかどうかという問題がある。

 朝夕で時間に穴の空いた部分だけを埋めようとするのは、募集の面から見ても困難であると考えられる。例えば、長期の働き方として半日勤務で雇うということであれば、要員管理の面でも従業員育成の面でも考え得る。

 生産ラインや、営業職のように顧客がついている場合は、短時間勤務へのニーズと、働くことが可能な時間帯のニーズとの間にミスマッチがつきまとう。その隙間をどう埋めるかが問題で、当座は日勤業務に移るなどの緊急避難的な措置になるかも知れないが、それが一時的な措置であり、キャリア形成上の配置転換とは異なるということがしっかり位置づけられれば、1つの対応方法になるのではないか。

 現状において、人員がかなりタイトになっているのが問題。相対的にいつも何割かの短時間勤務者がいるというときに、人員的に余裕ができればカバーできる。ただし、どれくらいの要員を余裕として持てるかという問題もあるが。

 例えば、パートで雇ったが優秀であったため徐々に仕事を与えるうちに正社員と同じ仕事をするようになった場合と、フルタイム正社員で雇ったが短時間勤務を希望した場合とでは、処遇の取扱いを同じにするのかどうかという問題がある。

 短時間での働き方の現状について整理すると、
  1.一時的な期間のものについては既にやっているところはある
  2.1の中には期間が常態化する場合もあり、その場合は個別に対応している
  3.個別対応には限界があるから、制度化することが望まれる
  4.制度化するための選択肢を今の段階から考えておく
ということなのではないか。

 フルタイム正社員から短時間正社員に移るときは本人の希望によるのだろうが、再びフルタイム正社員に戻れるかどうかは、企業の要員管理にかかっている。

 フルタイム正社員から短時間正社員に移ったときに、穴が空いた部分を代替要員で埋めてしまうと、当該短時間正社員がフルタイム正社員に復帰する場所が無くなってしまうため、復帰できるようにする工夫が必要である。

 在宅勤務と言ったとき、週あるいは月のほとんどを在宅で勤務する場合と、部分的に在宅で勤務する場合とが考えられる。

 仕事の内容として、月1回の出勤のみで、あとは自宅で勤務しても問題がなく、毎日の連絡もメールで対応でき、処遇は実績中心でよいということであれば、ほぼ完全な在宅勤務もできる。

 育児などの理由で一定期間のみ在宅で勤務したいという場合や、何らかの理由で通勤が困難な場合に、ほぼ完全な在宅勤務ということはあり得る。選択肢としてあってもよいのではないか。

 どういう仕事が在宅勤務に向くかという問題はあるかも知れない。時間管理の面からも、勤務しているはずの時間帯に席を外していたとしても、それを評価から差し引くか、あくまでアウトプットで見て評価するかという違いはある。

 多様就業型ワークシェアリングが、いろいろな働き方によって雇用を拡大していくというものならば、例えば会社から家が遠くて通えないという人にとっては就業の機会が広がるという面で、在宅勤務も繋がるところがあるのではないか。

 夫婦共稼ぎが増えてきた中で、例えばどちらかが転勤になった場合に、別居しなくても、もう一方がついていって在宅勤務ができればいい、そういう選択肢もあっていいということではないか。

 事務局より、次回の日程について、9月28日(水)14:00〜16:00に開催する旨説明。


照会先:
 雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅労働課 企画法規係
 電話03−5253−1111(内線7876)


多様就業型ワークシェアリング制度導入実務検討会議開催要綱


 趣旨
 多様な働き方を推進する多様就業型ワークシェアリングに取り組んでいくためには、企業の活力や経営効率・生産性を高め、雇用機会を拡大し、労働者がその能力を十分発揮できるようにし、多様な働き方が労使双方にとって適切な選択肢として位置付けられる必要がある。しかしながら、例えば短時間正社員制度を導入しようとすると、社会保険料をはじめとする人件費コストの増大への対応、業務の円滑な引継や分担の方法、その他解決すべき問題点が多く、企業においても導入になかなか踏み出せない現状にある。
 そこで、本検討会議では、多様就業型ワークシェアリングの業界、企業での普及促進を図るため、制度導入に当たって生じうる問題点及びそれに対する解決策をできるだけ具体的に提示し、当該企業における制度導入検討の際の参考に資することとする。

 構成等
(1)本検討会議は、雇用均等・児童家庭局長が企業の労務管理に詳しい学識経験者、実務者等の参集を求めて開催する。
(2)本検討会議には、必要に応じ、関係者の出席を求めることができる。
(3)座長は、構成員が互選し、座長代理は座長が指名する。

 検討事項
 本検討会議では、以下の事項について検討を行う。
(1)多様就業型ワークシェアリングを企業に導入する場合の選択肢の検討
(2)(1)で得られた各選択肢について、制度導入に当たって生じうる問題点のピックアップ
(3)(2)の問題点に対する解決策の検討(利用しうる既存の助成金の精査を含む)
(4)その他、多様就業型ワークシェアリングの導入を後押しすると考えられる事項の検討

 運営
 本検討会議の庶務は、厚生労働省雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課にて行う。



多様就業型ワークシェアリング制度導入実務検討会議参集者名簿

平成17年6月29日現在
  氏名 役職
今野 浩一郎 学習院大学経済学部経営学科教授
  荻野 勝彦 トヨタ自動車(株)人事部企画室担当部長
  小澤 明子 日本サービス・流通労働組合連合中央執行委員
  川本 裕康 日本経済団体連合会労働政策本部長
  北浦 正行 社会経済生産性本部社会労働部長
  武石 恵美子 (株)ニッセイ基礎研究所上席主任研究員
  田村 雅宣 日本労働組合総連合会総合労働局中小労働対策局長兼労働条件局長
  土田 道夫 同志社大学法学部教授
  成瀬 豊 全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会書記次長
  山極 清子 (株)資生堂CSR部次長
(敬称略・50音順、○は座長)

トップへ