第32回年金資金運用分科会議事要旨


1. 日時 平成17年7月14日(木) 10時00分〜11時30分
2. 場所 富国生命ビル28階 第1会議室
3. 出席者 ・若杉分科会長 ・内海委員 ・大和委員 ・小島委員 ・島上委員 ・増渕委員 ・吉冨委員 ・吉原委員 ・米澤委員

4. 議事要旨(○は委員、●は事務局、△は年金資金運用基金の発言)

1. 平成16年度年金資金運用基金の業務概況書について
資料1−1、1−2、1−3について年金資金運用基金より、参考1について事務局より説明。以下、質疑。≫


 ○  業務概況書では、内外株式の超過収益の源泉として、業種配分の観点から記載しているが、実際の運用に当たっても、最初に業種配分を決めて、そこから超過収益の獲得を目指すという運用を行っているのか。個別銘柄の分析によるのであって、業種配分はリスクが偏らないように調整しているだけではないのか。
 △  業種配分については、運用機関を評価する際の目安の一つとして活用しているが、業種配分の是正等までは行っていない。
 ○  基金発足以来の各資産における累積の超過収益率はどうなっているか。
 △  15年度まで、特にアクティブ運用機関を中心としてマイナスであったため、累積でみるとまだマイナスの状況である。
 ○  どのような基準で自家運用の規模を決めているのか。
 △  職員の数や民間運用機関への運用委託を原則とするという考え方等を考慮して、資金の一割程度を目安に自家運用を行っている。ただし、一割というのは必ずしも固定的なものではない。
 ○  16年度の運用受託機関の株主議決権の行使状況はどうか。
 △  16年度については、すべての運用受託機関が議決権を行使している。
 ○  西武鉄道株を保有していたと思うが、損害賠償請求は考えていないのか。
 △  パッシブ運用で西武鉄道株を保有していたが、提訴する方向で準備中である。
 ○  運用結果が絶対額でプラスだから良いというのではなく、実質的な運用利回りを確保することが重要なのではないか。
 ●  御指摘のとおり、年金財政との関係では、実質的な運用利回りを確保することができたかどうかという点が評価の基準となる。
 ○  累損損失の解消といった部分に注目が集まることになると思うが、運用の目的は、あくまでも実質的な運用利回りを確保することにあるので、その点を十分に理解していただくよう努力すべきである。
 ○  16年度の運用結果をみると、概ねアクティブ運用がパッシブ運用を上回っているが、これは運用機関を入れ替えた結果によるものなのか。基金としては、この点をどのように考えているのか。
 △  基金発足以来、運用機関の採用に当たっては、過去の定量的な成績だけではなく、定性的な面からも評価を行ってきた。また、マネジャー・ストラクチャーの見直しを数年間かけて全資産について行ってきた。さらに、国内株式ではスタイル管理を導入するなど、より良い成績を少しでも残すべく努力してきた。ただし、これらの結果が直ちに運用結果に反映されたのかと問われれば、その点についてはもう少し時間が必要なのではないかと考えている。

2. その他
資料2について事務局より説明。以下、質疑。≫

 ○  18年度以降、年金資金運用分科会はなくなるということだが、市場運用の結果については、新法人の方で情報公開を行っていただくとしても、当面は預託金が残ることになるので、預託金を含めた年金積立金全体の運用結果についても、引き続き、国民の方々に分かりやすい形で情報公開を徹底していただきたい。
 ●  18年度以降も、積立金全体の運用が年金財政に与える影響について、厚生労働大臣が検証を行う仕組みとなっており、その中で十分に説明責任を果たしていきたい。
 ○  新法人は非公務員型ということだが、運用に対する責任の問題というのは変わってくるのか。
 ●  今後はポートフォリオ作りを含め、すべて新法人が行うことになるので、一義的には理事長が運用に関する責任を負うこととなるが、年金制度との関係においては、引き続き厚生労働大臣が責任を負うことになる。
 ○  運用委員会では、寄託された資金をどう運用するのかという議論しかできないはずであり、より広い意味での積立金の運用の在り方等は、年金制度全体の一環として考える必要があると思うが、年金資金運用分科会が廃止された後は、このような議論はどこで行われることになるのか。
 ●  現時点では未定であるが、財政検証と運用の在り方とは、密接に関連しているので、どのような体制で検討し、議論していただくのが最も望ましいのか、十分に検討していきたい。


〈照会先〉 年金局総務課 企画調査係
TEL 5253-1111(内線3358)

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