2.評価方法

1)評価のプロセスの決定
 平成15年2月27日、厚生科学審議会科学技術部会は、総合科学技術会議が行う評価の方法も踏まえ、次の要領で厚生労働科学研究費補助金の成果の評価を行うことを定めた。その中で、厚生労働省の科学技術施策に関する概算要求前の評価については、厚生科学審議会科学技術部会において行うこととした。

厚生労働省の概算要求前の評価

図


2)評価対象
 総合科学技術会議の「平成18年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針」において、優先順位付け等の対象範囲は、基本的に、(イ)1億円以上の新規施策等及び(ロ) 概算要求額又は業務規模(見込み)が10億円以上の継続施策等、とされたことから、厚生労働省の科学技術関係予算の中から、以下の事業を対象として実施する。

・厚生労働科学研究費補助金の各研究事業
・国立病院特別会計によるがん研究助成金
・独立行政法人医薬基盤研究所運営費交付金

3)評価方法
 今回の評価は、各研究事業の内容について、平成15年5月に公表された、「厚生労働科学研究費補助金の成果の評価」及び、平成15年7月に総合科学技術会議において決定された「競争的資金制度の評価報告書」において行われた評価結果を参考として実施する。
 平成18年度実施予定の各研究事業について、厚生労働省の各担当部局が、外部有識者等の意見を踏まえて評価原案を作成し、厚生科学審議会科学技術部会において審議を行う。
 なお、評価は、研究事業所管課評価を行う際の指針(参考1)及び総合科学技術会議の「平成18年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針」(参考2)で示されている観点等を参考として実施するものである。
 また、今回の評価は、厚生労働科学研究費補助金全体を評価する「政策評価」の観点である「必要性」「効率性」「有効性」等についても、総合的に評価するものである(参考3)。

<参考1>
 「厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針」
(平成14年8月27日、厚生労働省大臣官房厚生科学課長決定)

第2編 研究開発施策の評価の実施方法
1. 評価体制
 各研究事業等の所管課は、当該研究事業等の評価を行う。
2.評価の観点
 政策評価の観点も踏まえ、研究事業等の目標、制度、成果等について、必要性、効率性及び有効性の観点等から評価を行う。
 研究事業等の特性に応じて柔軟に評価を行うことが望ましいが、「必要性」については、行政的意義(厚生労働省として実施する意義、緊急性等)、専門的・学術的意義(重要性、発展性等)、目的の妥当性等の観点から、「効率性」については、計画・実施体制の妥当性等の観点から、また「有効性」については、目標の達成度、新しい知の創出への貢献、社会・経済への貢献、人材の養成等の観点から評価を行うことが重要である。
3.評価結果
 評価結果は、当該研究開発施策の見直しに反映させるとともに、各所管課において、研究事業等の見直し等への活用を図る。

<参考2>
 「平成18年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針」p.24 科学技術関係施策の優先順位付け等(平成17年6月16日、総合科学技術会議)

1)対象
 優先順位付け等の対象範囲は、基本的に、(イ)1億円以上の新規施策等及び(ロ) 概算要求額又は業務規模(見込み)が10億円以上の継続施策等、とする。 ただし、以下の経費に係る施策等は、原則として除く。
 ・人件費
 ・調査費
 ・制度運営のための管理費
 ・国庫債務負担行為の歳出化経費
 なお、この他の施策等であっても、総合科学技術会議有識者議員が重要性等の観点から特に指定したものを対象とすることがある。また、各府省から要望があれば対象とすることを検討する。

2)観点
 優先順位付け等の検討に当たっては、各府省の考えを十分聴取しながら、分野・事項を横断し、以下の観点を含む総合的な見地から実施する。
必要性:国にとって必要であり、現時点で国が関与しなければ実施ができないものか。
国が関与する理由(研究開発については、理念から導かれる大きな政策目標の実現に必要な個別政策目標を実現するために国が投資しなければならない理由 等)
中長期的な科学的・経済的・社会的インパクトと我が国の科学技術の国際的水準を踏まえた戦略の妥当性
国際的視点からの必要性(世界的な研究動向、知的財産の形成、国際市場の創造等)
総合科学技術会議の各種意見具申をはじめとする各種政府方針との整合 等
計画性:目的を実現するための手段・体制が計画として適切か。
中間及び事後的に評価可能な具体的な達成目標の明示
推進体制の適切性(研究・制度を総括する責任者、産学官の連携等)
関係府省との分担、連携
類似又は関連する施策等との分担、連携
実施方法の妥当性(フィージビリティスタディを行うべきではないか等) 等
有効性:期待される効果は十分なものか。
個別政策目標を実現するために達成すべき研究開発等の目標の妥当性、目標の達成度
期待される成果の科学的、経済的、社会的影響
成果の波及性 等
効率性:期待される成果は、投資に見合うものか。
費用対効果
必要経費、投資計画の妥当性 等
評価等の実施・反映状況
各府省等における事前評価及び中間評価の実施状況、評価結果並びにその反映状況
過去に優先順付け等を実施した施策等について、指摘事項等の反映状況 等

3)結果
 科学技術政策担当大臣及び総合科学技術会議有識者議員が、次の区分で施策の優先順位を付けるとともに、その理由や留意事項を明らかにする。
 S:特に重要な施策であり、積極的に実施すべきもの
 A:重要な施策であり、着実に実施すべきもの
 B:問題点等を解決し、効果的、効率的な実施が求められるもの
 C:研究内容、計画、推進体制等の見直しが求められるもの
 優先順位、その理由及び留意事項については、各府省からの意見を十分聴取した上で、10月中旬を目途に決定し、関係各府省に伝達するとともに原則として公表し、総合科学技術会議に報告する。
 独立行政法人、国立大学法人等については、優先度等の検討結果を踏まえて見解をまとめ、当該法人の主務省に伝達するとともに原則として公表し、総合科学技術会議に報告する。 関係府省においては、この見解とりまとめの結果を踏まえた取組が必要である。
 また、優先順位付けの結果を十分に踏まえた予算編成が行われるよう、必要に応じて財政当局と連携を図る等適切な対応を行う。

<参考3>
 「厚生労働省における政策評価に関する基本計画」
(平成14年4月1日、厚生労働省大臣決定、平成16年4月1日改正)
基本目標11 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること
施策目標 2 研究を支援する体制を整備すること
I 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること

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