05/06/21 第4回アレルギー対策検討会の議事録について             第4回アレルギー対策検討会 議事録                  日時:平成17年6月21日(火)13:01〜15:00                  場所:厚生労働省共用第8会議室(6階国会側) ○事務局  それでは定刻となりましたので、ただいまから第4回アレルギー対策検討会を開会い たします。委員の皆様方には本日はお忙しいところお集まりいただきましてまことにあ りがとうございます。  本日の会議の出席状況でございますが、池田委員、下川委員、橋本委員、古江委員の 4名が御都合により欠席されておりますので、9名の委員に御出席いただいていること を御報告申し上げます。  以降の進行は秋山座長にお願いいたします。 ○秋山座長  ではただいまからアレルギー対策検討会を始めたいと思います。本日もよろしくお願 いいたします。  まず最初に事務局から配付資料の御説明をお願いいたします。 ○事務局  それでは資料の確認を行います。まず最初に座席表、議事次第、配付資料一覧、委員 名簿がございまして、  資料1 アレルギー対策論点整理(案)こちらが6枚。  資料2 アレルギー対策検討会報告書(案)こちらが33ページまでございます。  皆様に配布した資料等に漏れ等はございませんでしょうか。ないようでしたら以上で 資料の確認を終了いたします。 ○秋山座長  はい。どうもありがとうございました。それではこれから議事に入りたいと思いま す。本日は前回の3回まででいろいろ皆さんに御審議いただきまして、そしてここにあ ります資料1にありますような論点整理に対しまして、右側が今まで埋まっていなかっ たのがこれまでの議論でいろいろ埋まってきたわけであります。これらを踏まえまして その次の資料の2にあります、アレルギー対策検討会報告書(案)というのを事務局の 方で作っていただきまして、これにつきましていろいろ御検討いただくということにな ると思います。  まず事務局からこの資料の説明ということでお願いしたいと思います。 ○事務局  それでは事務局より資料の説明をいたします。先ほど秋山座長より御説明がありまし たとおり、アレルギー対策論点整理(案)資料1のところの右側に主な対応案が記載さ れております。こちらは委員の皆様方の御審議をもとに作成されたものでございます。 こちらを踏まえまして、資料2、アレルギー対策検討会報告書(案)を作成したところ でございます。  目次をご覧いただきたいのですけれども、I.アレルギー対策の現状と問題点、II. 今後のアレルギー対策についてということの2つの柱になってございまして、アレルギ ー対策の現状と問題点のところでは、わが国におけるアレルギーの現状ということで、 患者の動向と主なアレルギー対策の経緯について記されております。  アレルギー対策における問題点は主に3つに分けられて記載されておりまして、医療 面での問題、アレルギー疾患患者等のQOLの問題、研究面での問題ということでござ います。  今後のアレルギー対策についてのところでは、1.基本的方向性と2.具体的方策と いうふうに分かれております。基本的方向性のところでは、今後のアレルギー対策の目 標と、国と地方公共団体の適切な役割分担と連携体制の確立について。アレルギー対策 の具体的方策のところでは、医療の提供、情報提供・相談体制、研究開発及び医薬品開 発の推進、施策の評価等について記載されております。  最後に「終わりに」が記載されておりまして、資料として検討会委員名簿、検討会の 開催日程と議題、本報告書における用語の解説、図表集、診療ガイドラインについてが 資料としてつけられております。  次のページをおめくりいただきまして、「はじめに」のところでございますけれど も、アレルギー疾患の現状、検討会の設置の経緯等について記されております。  2ページ目のアレルギー対策の現状と問題点のところですが、わが国におけるアレル ギー対策の現状ということで、アレルギー疾患患者の動向につきましては疫学研究の所 見と平成15年保健福祉動向調査、これまでの会議の資料でもつけておりましたその調査 の概要について記されております。  次のページに個別疾患ごとの状況ということでして、気管支喘息、アレルギー性鼻炎 ・花粉症、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーについて個別疾患ごとの患者有病率等に 関する状況が記載されておりまして、アレルギー関連死につきましては平成15年人口動 態統計から計算した数字が書いております。アレルギー疾患に関連した死亡者数は3,754 名ということで記載しております。  次のページにまいりますが、主なアレルギー対策の経緯といたしまして、厚生労働省 におけるアレルギー対策ということで、研究の推進、普及・啓発、病院及び診療所にお けるアレルギー科の標榜、アレルギー物質を含む食品に関する表示、シックハウス対策 について記載されております。  (2)のところで地方公共団体におけるアレルギー対策ということで、こちらは(表2) となっておりますのは、最後の方のページに図表集が添付されておりまして、こちらの 表についての記載でございます。  アレルギー専門の医師等の認定制度に関しましては、日本アレルギー学会によるアレ ルギー認定医制度について記載されております。  これを受けましてアレルギー対策における問題点が8ページから記載されておりま す。医療面での問題ということでございまして、早期診断の問題、適切なアレルギー診 療の可能な医療機関、アレルギー疾患を診療する医師の資質、アレルギー疾患に関連し た死亡について記載されております。  (2)アレルギー疾患患者等のQOLの問題のところでは、慢性期医療管理の問題、 情報の問題について、あとは相談の問題について記載されております。  (3)研究面での問題ですが、患者の実態把握、予防法が未確立、どの医療機関でも 実施できる抗原確定診断法が未確立、根治的治療法が未確立ということについて記載さ れております。  これらを受けまして、12ページから今後のアレルギー対策についてでございますけれ ども、こちらが論点整理のところで右側対応案ということで委員の皆様方に御審議いた だきました内容を踏まえて記載されているところでございます。  今後のアレルギー対策の目標といたしましては、「自己管理可能な疾患」へというこ とでまとめてございます。  (2)のところで、国と地方公共団体との適切な役割分担と連携体制の確立について 記載されております。  14ページにまいりまして、アレルギー対策の具体的方策でございますけれども、今後 5年、平成22年までを目途に重点的に取り組む具体的方策は以下の通りであるというこ とで、国が推進する必要のある事柄、今後の方向性について○で記されております。下 の方に、特に、各アレルギー疾患について重点的に取り組む事項は以下の通りであると いうことで、花粉症、喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎について取り組む事項 が記載されております。  (1)医療の提供のところ、15ページでございますけれども、かかりつけ医を中心と した医療体制の確立ということで、アレルギー疾患管理に必要な医療体制、喘息死等を 予防する医療体制について記載されております。  (2)人材育成のところでは、アレルギー疾患診療に精通したかかりつけの医師の育成 と、次のページにアレルギー専門の医師の育成について大きく2つに分けて記載されて おります。  (3)のところに専門情報の提供ということで、必要な専門的な医学情報について記載 されております。  (2)のところが情報提供・相談体制というところで、(1)患者自己管理手法の習得 についてどのような内容を習得するか、どのようにして普及するかについて記載されて おります。  (2)情報提供体制の確保ということで、国民及び患者にとって必要な情報はどのよう な情報であるか、またその情報はどのような手段で提供していくかということが記載さ れております。  (3)のところ、19ページでございますけれども、相談体制の確保のところで、国が行 っている相談員養成研修プログラムとその取組みを踏まえた各地方公共団体の方向性に ついて書かれております。  (3)研究開発および医薬品開発の推進のところでございますが、(1)効果的かつ効 率的な研究推進体制の構築、(2)研究目標の明確化というところで、(ア)当面成果を 達成すべき研究分野と、21ページになりますが(イ)長期的目標を持って達成すべき研 究分野、(ウ)その他必要な研究ということで、研究目標の明確化は(ア)(イ)(ウ )の3つに分かれております。  (3)医薬品の開発促進等についても記載されております。最後に(4)施策の評価等 ということで施策の評価について記載しております。  最後に23ページ「終わりに」ということで、本検討会についてのおさらいが書かれて おりまして、あとは最初に御説明いたしました資料がつけられているところでございま す。  手短でございますが、以上でございます。 ○秋山座長  はい、どうもありがとうございました。一応これからの予定としましては、本日と次 回とで最終的にはこのアレルギー対策に関する指針を出すということになっているとい うふうに思います。  本日は、特にこのアレルギー対策検討会の報告書の案につきまして今事務局から述べ ていただきましたけれども、これまで3回の討論を踏まえて作っていただいたわけです が、非常によくできていると思いますけれども、本日はこれにつきまして、それぞれの 項目につきまして一応皆様に再度討議いただいて、そして次回の指針につなげていくと いうことになると思います。  そういうことでありますので、まずきょうの議事の1としまして、アレルギー対策報 告書(案)についてということなのですが、まず最初に大きなIのアレルギー対策の現 状と問題点という、2ページから最終的には11ページまでの間に書かれているものにつ きまして、皆様の御意見を伺いながら検討していきたいというふうに考えています。  特にアレルギー対策を今後どうするかということが一番の論点だと思いますので、こ の現状と問題点につきましては一応ここに書いてあるものを見ていきながら、不足の点 あるいは変更が必要な点等について御意見をいただければと思います。  まず2ページの、アレルギー対策の現状と問題点、わが国におけるアレルギー対策の 現状ということで、(1)アレルギー疾患患者の動向というのがここに書いております が、このへんのところで何か御意見等まずありましたら。  きょう急に見てということもあるかもしれません。次回の指針の作成、最終案を決定 するときにもまたこれについて少しディスカッションがあると思いますので、そのとき にはまたこれを帰ってもう一度じっくり見ていただくということになると思いますけれ ども、現在の時点で、まずアレルギー疾患患者の動向等についての、2ページから4ペ ージまでにわたりますか、につきまして何か御意見等がありましたらよろしくお願いし たいと思います。何か御意見等ございますか。  ここは今までいろいろな御報告があったものについてまとめているということであり ますので、もし特に大きな問題がなければまた後で振り返ってみていただくということ にしてもいいと思います。  それでは時間の関係もありますので進めていきますが、次5ページ目からの(2)の 主なアレルギー対策の経緯ということがここに書かれておりますが、(2)の5ページ から7ページのところで、事務局に対する質問等でも結構だと思いますので、何かござ いましたら御意見等出していただければと思いますが。  栗山委員どうぞ。 ○栗山委員  そこの部分だけしか読んでいないので、ほかのところに書いてあるかもしれないので すけれども、「病院及び診療所におけるアレルギー科の標榜」というのがございます が、アレルギー科の標榜施設というのは、必ずしもアレルギーの専門医がいるわけでは ない、認定医や専門医がいるわけではないということを割と知らない方が多いと思うの で、その標榜していることの実態を明らかにする方法を何か取っていただけるというこ とはいかがでしょうか。 ○秋山座長  6ページの○の「病院及び診療所におけるアレルギー科の標榜」という、そこについ てですよね。 ○栗山委員  はい、そうです。アレルギー科を標榜しているとアレルギーの専門医とか認定医と か、アレルギーに特に詳しい先生がいらっしゃるということを患者は暗黙のうちに了解 してしまうので、そこの区別をはっきりさせていただきたいなと思います。 ○秋山座長  そういうのは、厚生労働省としてはどう。 ○疾病対策課長  おっしゃっているのは、制度的にしろという話ですか。それともこの実態の表現とし てある程度整理しなさいということであるならば、アレルギー科の標榜については自由 標榜性ですからこういうような箇所数である。7ページをお開きいただくと、どの程度 詳しいかという詳しさの程度のレベルはいかんともしがたいのですが、今の学会が認定 している学会のルールとしては認定医制度というのがある、その方々はこれだけの数が いらっしゃるというふうに書き分けて表現しておりますので、これをごらんになってい ただいて引き算なりしていただくと、そのようなだぶりのないところが出てくるのでと いう話になるのだと思いますが。 ○秋山座長  結局栗山委員のおっしゃるのは標榜医と認定専門医とは違うということがもっと明確 に、いわゆる患者さんの側からすると明確ではないということなのです。そういうのに ついてはどうなのでしょう。 ○疾病対策課長  ただそのときに認定医がどれだけ確かなものかということはあるわけですね。認定医 のレベルでも。したがって、そういうことを書くことがどういうことなのかというとこ ろを我々は疑問視しております。それは、かかりつけ医だとはいえ、今後対策で出てま いりますけれども、ガイドラインを周知徹底していくということによって、それだけ的 確なる診療が一定程度可能になるであろう、そこのところの重要性というのがあるので はないだろうかというふうに思っておりますが、ただ制度としてアレルギー科とアレル ギーの専門にやっている医師ということで、アレルギーを専門にやっている医師を代表 して明示するならばアレルギー学会に認定されている医師との区別を書けといえば、た だ実態はわかっておりませんので、それを調べろと言われても、調べたからといって、 ではどうなるのですかということにはならないのだと思いますね。  だから今のお話をどういうふうに整理すればいいのか、もうちょっときちんと教えて いただければ。ただそれをやったからと言って、どういうことなのだろうというふうに 思っているのですけれども。 ○秋山座長  結局は数字で見ますと、標榜医というのが4,480施設あって、学会の認定専門医が約 3,000ということで、その違いが少しあるということなのだと思いますけれども。 ○疾病対策課長  もしこれを書くとするならば、「医療法上自由標榜となっている」とかですね、そう いうことでよろしいのであると、自由標榜ということを書けば、お話のところは一定程 度くみ取れるのかなと。 ○栗山委員  ごめんなさい。そういう意味ではどう書けばどうというのを私として詳しく御提案申 し上げたわけではないのですけれども、今私が申し上げたような問題点があるというこ とを、受診する患者の側からするとそういう問題点があるので、例えば今課長さんのお っしゃってくださったような例えばアレルギー科の標榜は自由標榜ですということを書 いていただくだけでもちょっとは違うかなと思います。  そのことについてどういう解決法があるかについては、ちょっともし可能であれば御 議論いただく。 ○疾病対策課長  そこはですね、学会の認定のルールが今ありますから、その認定された医師について はその標榜が可能になっております。医療法上一定の要件を具備すれば。  したがって、アレルギー科という標榜とそれから認定医であるという標榜が可能であ りますので、そういう標榜の表示は、学会自体が一定の要件を満たせば可能というふう に、仕組みとしてできあがっているのですけれども。 ○秋山座長  そうですね。今の認定医専門医の標榜というのですか、あれはアレルギー学会が社団 法人にまさに今ならんとしている、それができた段階で掲げることができるということ ですので、今のアレルギー科というのが標榜科としては自由に出せるけれども、それに アレルギー学会認定施設とか認定医とかいうのが書けるようになるのはもう少ししてか らという、そういうことですかね。 ○疾病対策課長  まだアレルギー学会自体は。 ○秋山座長  ついこの前の春の春季大会で、いわゆる設立総会というのをやりまして、まだ最終的 に文部科学省からの認定は下りていないのですよね。でも今は着々として進んでいる と。 ○疾病対策課長  もし栗山委員のお話ですと、そういう情報も利用者の方に提供する必要があるのでは ないかということであればそれはそれとして、この対策の方の後ろに。 ○秋山座長  なるほど。そうしますと先ほどの学会の認定医のところに、現在そちらの法人化によ ってそういうのは掲げることができるというふうに入れておくと、もっとわかりやすく なるということですか。 ○栗山委員  ごめんなさい。表現が適切でないのかもしれないのですけれども、例えば社団法人と なったアレルギー学会が認定するに足るというか患者が信頼するに足るアレルギーの専 門医であるということを期待するのはもちろんなのですけれども、はい。  そこまで申し上げていいのかどうかなのですが、期待する部分、アレルギー科の、そ れはアレルギー科の標榜はそれが自由標榜である、でも認定医は学会がきちんとそれを 担保しているものであるということであれば、それが例えば重なっていたとしても、そ の事実をどんどん公にしていくことによって患者は選べるようになると思います。 ○秋山座長  はい。そうですね。今の学会の認定医専門医のあれは、ある一定のいろいろな経験と それから点数がありますから、それに加えて試験を受けて一応パスした人がというそう いう格好になっております。学会としてはある程度の担保を持って認定しているという ことではありますけれども。それ以上についてはなかなか難しいのかもしれませんけれ ども。 ○栗山委員  はい。でも患者はそれに頼るしかない部分がありますので、かかってみてしばらくす れば判断なり何なりができると思いますけれども、多分この中を読んでいくうちに具体 的な患者への情報提供という部分があると思いますけれども、そこは基本的にやはりぜ ひ担保していただきたいところですので、お願いを申し上げておきたいと思います。 ○秋山座長  では岡谷委員、どうぞ。 ○岡谷委員  すみません。私は今のこととちょっと関連するのですけれども、おっしゃる通りで、 アレルギー科というふうに標榜しても、そこに本当にアレルギーの治療の専門家がいる かどうかというのは患者から見ればわからないので、ここの部分ではアレルギー対策の 経緯ということですので、ぜひ今後の対策のところの情報提供とか、そういうところで 少し踏み込んでそのあたりの方針を明示するようなことを検討した方がいいのではない かというふうに思います。 ○秋山座長  確かに現状は現状として、今後の対策としてそういうことということで、また後ほど 検討したいと思います。では島崎先生どうぞ。 ○島崎委員  これは厚労省のアレルギー対策の今までの実績みたいなものをここに書いてください ということですね。  急性アレルギーというのですか、アナフィラキシーにかかわる食物、そばとかの食物 アレルギーとかハチとかのアレルギーに対するそういうアレルギーの既往のある人とか 営林署で働いている人たちに対するエピネフィリンの処方がプレビルドで可能になって いるということは書いておかれた方がいいのではないですかね。医療機関からそれが医 師の裁量で処方できるようになったということは重要だと思うのですけれども。 ○秋山座長  そうですね。これはかなり大事なことだと思いますし、患者さんの要望もあったとい うこともありますし、それは事務局の方で現状として。 ○島崎委員  いつからはちょっとわからないのですけれども。 ○秋山座長  そうですね。たしか一昨年の8月でしたっけ。ですからそのへんの経緯を書いていた だいた方がいいと思います。ほかにございますか。横田先生どうぞ。 ○横田委員  2ページからの「現状と問題点」から続いての話なのですけれども、2ページの上の 方にはアレルギー性疾患を有するものが乳児何%、幼児何%、小児全体で何%とござい ます。また3ページに行っても気管支喘息で大人より小児の喘息が1から5%と、30年 でかなり増加しているというふうに書かれていますし、またその次、アトピー性皮膚炎 なんかでも増加傾向が小児で多いということが言われていると思うのです。  その中で「対策の経緯」というところへ入りますと、小児も非常に小さい子供さん と、それから小学校中学校の子供さんとで発症の様態とか対応の仕方とかが随分違うは ずだと思いますし、実際現場ではなかなか違う。以前申し上げましたように、特に乳児 喘息が非常に増えていて、それの対策が困っているということもございます。  そういう中で、「経緯」という中に入りますと、突然小児の言葉が1つもなくなって しまうのですね。それでアレルギー全体の対策という形で、出てきてしまう。大人への 対策の仕方と、乳幼児それから小学生への対策の仕方がおそらく違うし、特に栗山委員 が言われていたように、超急性期のアナフィラキシーとか、それから急性期の発作時の 対応という急性対応と、それから慢性期の対応と、これはやはり大人とちょっと違うの ではないかと思いますし、慢性期の対応をきちんとやっていれば発作がいかに減るかと いうこともあちこちで報告が出ているわけですし、そういう意味で、少し生活年齢に応 じた対策の立て方といいますか、そういう部分を次の「問題点から対策」にかけてひと つ項目として入れていただいた方がよろしいのではないかという気がいたします。 ○秋山座長  今横田委員のそういう御指摘がありましたけれども、確かに今までの3回の議論の中 でも小児のアレルギー疾患と成人アレルギー疾患のメカニズムもそうですし、あるいは 治療あるいはそれに対する対応の違いというのは、かなりいろいろ明確に出てきている と思います。  この報告書でも21ページの長期研究目標というようなところに、枠の中に小児アレル ギーと成人アレルギーの病態異同の解析等とありますけれども、長期研究目標だけでは なくて、確かに現実の対応とか何かに関してはかなり重要な違い等もあると思います し、今喘息の治療のガイドライン、小児喘息の治療のガイドラインでも乳児というのは また別に扱っているということもありますので、それにつきましては経緯等の中でも何 らかの形で触れていただくのと、あと今後の対策のところでまたさらに細かく検討して いくことがいいのではないかというふうに思いますが、ほかにございますでしょうか。  もしよろしければ、時間の関係もありますので、主に今後のアレルギー対策について という12ページからの項目につきましては、皆さんがゆっくり見る時間がありませんの で、できれば1つ1つ項目ごとにディスカッションをしていっていただいた方が実り多 いのではないかというように思っております。  まず12ページの今後のアレルギー対策についてのアレルギー対策の基本的方向性の (1)今後のアレルギー対策の目標というところであります。  ここで示されておりますのは、アレルギー対策の目標としては、アレルギー疾患に関 して、予防・治療法を確立し、安心・安全な生活の実現を図ることにある、ということ で、特に「自己管理可能な疾患」へというのが特別書かれているわけですけれども、こ のへんにつきまして何か目標のところに加えたいもの、あるいは何か問題点等ありまし たらお願いしたいと思いますが。何かございますか。  ではこれもまた後ほどまたあれば出していただくということで。あ、山本委員どう ぞ。 ○山本委員  先ほどから出ている、年齢によってというところがあるのですけれども、この自己管 理、要するに乳児期、乳幼児期の対象者もいるということを考えると、すべてをまとめ て「自己管理可能」という表現をしてしまっていいのかとか、ちょっと疑問があるので すが。 ○秋山座長  いわゆる自己と、あと自己を取り巻く人というようなことも含めてということですよ ねこのへんの表現等につきまして、何かいかがでしょうか。  ここの文面を読みますと、「身近なかかりつけ医による指導の下、患者及び患者家族 が生活環境を改善し」云々ということで、家族の方々のことも書いてあるわけですけれ ども、基本的に自己管理というのは医者任せではいけないというそういう含みだと思っ て見ておりますけれども、何か御意見、はい、栗山委員どうぞ。 ○栗山委員  確かに患者は自分の病気ですから、自分で自己管理することがとても必要だとは思う のです。こう書かれていることに対して、それが患者だけの責任になっていくことの不 安感というのがあるのです。  私がガイドラインの作成に参加しているときも、ぜひこのガイドラインはお医者さん が患者さんに手渡して、「ここに書いてあるよ。これをよく読んで勉強してそのとおり にしなさい」と言われる使い方をされないことが大切なことだということを思っていま すし、よくお話に伺うのです。  それと同時に、私たちのところには、患者さんの自己管理についてちゃんと会話がで きないというか、そういう体制に入る状況にない医療者の声がたくさん届くのです。で すから、もちろん患者は自分の病気ですから自己管理は大切だと思いますけれども、そ のための医療制度、これから先そういうことは出てくるので、いちいちこういうところ で言うのはどうなのかなと思うのですけれども、できれば並列してそれが書かれている とありがたいなと思います。 ○秋山座長  目標の中に自己管理というのが、もう少しほかというか、医療者側の立場からもとい うことですか。 ○栗山委員  はい、いわゆるパートナーシップによって実現するというような感じのものがほしい なと思います。自己管理は患者の責任だという、それは事実なのですけれども。そんな ことを思って書いていらっしゃらないのはわかるのですけれども、でもこういうふうに 書かれるとそっちにウエートが移されていくという不安を患者としては感じます。すみ ません。 ○秋山座長  なるほど。確かにそうですね。ほかに御意見ございますか。山中委員どうぞ。 ○山中委員  自己管理に関してなのですけれども、例えば患者さん方が除去食を探そうにもなかな か簡単に手に入らないとか、あるいは町の中に出て行ったときレストランに入っても食 べられるのか食べられないのかわからないとか、あるいは花粉症についてもスギ花粉の ような、花粉の少ない杉を今開発しようとしているとかそういった動きを考えると、や はり自己管理だけではできない、社会が患者さん方が自己管理をしやすいような環境作 り、環境整備をしていく必要があるのでないかと思いますので、そういった文言が入り ますともう少し患者さんとしては自分だけじゃないのだと、皆さんが支えてくれるのだ と、そういう感じになっていただけるのではないかと思います。 ○秋山座長  なるほど。確かに前提条件があった上でということなのだろうと思いますが。ほかに 誰か。岡谷委員どうぞ。 ○岡谷委員  もし今までの議論の中で行われていたら申し訳ないのですけれども、このアレルギー 対策のところで「かかりつけ医」というのが出てくるわけなのですが、この12ページで も「身近なかかりつけ医による指導」というようなことで、この「かかりつけ医」とい うのは、主治医とかそういうのとはまた違ってどういう位置づけというか、今、ここだ けではなくて医療法の改正とかいろいろなところで「かかりつけ医」というのがすごく 出てくるのですけれどもその定義というか、どういう位置づけなのか、どういうことな のかというのがちょっとわかりにくいのですが、ここで言っている「かかりつけ医」と いうのはどういう医師を指して「かかりつけ医」というふうに言っているのでしょう か。 ○秋山座長  これは多分おそらく後からまた、アレルギー疾患管理に必要な医療体制という15ペー ジのところでまた医療提供が出てきていると思いますけれども、これは私自身の理解と しましては、こういう日常的な慢性疾患において、普段自分の生活範囲の近くでいつも 相談等ができるGPの先生というか、あるいはGPでないにしてもいわゆる普段、例え ば遠くの専門医ではなくて近くのかかりつけ医という、そういう認識で私はいましたけ れども。 ○岡谷委員  それは主治医とは違うのですか。主治医というか。では例えば国民の皆さんはそうい うGPのような、自分の身近な自分が暮らしている地域の中でそういうかかりつけ医を 見つけたりとか、かかりつけ医を決めたりとか、そういうことというのはかなり簡単に できるのでしょうか。 ○秋山座長  それはどうでしょうか。 ○疾病対策課長  よろしいですか。要するにかかりつけ医というのは、アレルギーについての身近な主 治医ですよね。だから「主治医」といった場合ごちゃごちゃとなるようですけれども、 GPと言ったのはイギリスとかのような家庭医とか、あるいはアメリカのようなジェネ ラル・フィジシャンのようなことがいますけれども、ここで使っているのはあくまでも アレルギー疾患についてかかりつけ医となっていらっしゃる医師のこと、主治医といえ ば、敢えて言えば「主治医」ということになりますが。そういうことで言葉を整理させ ていただいたと。  この言葉自体はもう既にかなり定着している言葉でもありますから、大体一般の方々 がお読みになってもわかるのだというふうに理解しています。 ○秋山座長  はい、どうぞ。 ○岡谷委員  かかりつけ医というのはよく使われていますけれども、それが本当に理解されてい て、例えばアレルギー疾患、対策のところでも出てくると思うのですが、では日常的に 自分の身近なところでアレルギー疾患に関してある程度専門的な知識もある、いわゆる そうしたらアレルギー科を標榜しているようなそういう病院の先生にかかりつけ医とし て機能していただいて、いろいろなことはその先生に指導したり治療してもらったりし ていくという、ですからそれは、「身近なかかりつけ医」といったときに、かかりつけ 医をちゃんと見つけなさいよというのは言われるのですけれども、どうやってそのかか りつけ医を決めたり見つけたりしていくのかというところが本当にわかるのかな。だか ら対策としてそういうふうに言われても、そのあたりがもうちょっと具体的に明確にな らないと、何か「かかりつけ医」と言われても実態がよくわからないということはない でしょうか。 ○秋山座長  今ここで示されているのは、いわゆる対策の目標という、ある意味では大きなあれ で、ここは先ほど言いました15ページのところで、具体的にかかりつけ医についてのど ういうふうな体制を作っていくかということがあると思いますので、ここでそういうこ とを細かく書くかどうかということについてはいかがなものでしょうか。 ○岡谷委員  ここで書くかどうかはあれですが、ただ目標として、「自己管理可能な疾患」へとい うことで、自己管理をしていくというか疾患管理を患者さん自身がしていくことを、い ろいろな医療関係者が助けていくわけですよね。そのときに、「身近なかかりつけ医」 というのが非常に重要になって中核になってやっていくわけで、そうするとアレルギー 疾患を持つ患者さんたちは、そういう自分が本当に何でも相談できるあるいは信頼でき るそういう身近なかかりつけ医というものを持つということを推奨しているわけですよ ね。  そうすると、ではそのかかりつけ医というのはどういう人なのだろうか、どういうふ うに見つけていくのだろうかというところが全く何もないというのは。 ○秋山座長  それが15ページ以降で検討というか、対策としてこうはどうだろうかというのが書か れてくるということだと思うのですが。違いますか。 ○岡谷委員  だから、15ページ以降の対策のところで全体としてそういうことが書かれていれば。 ○秋山座長  そこでディスカッションしなければいけないと思います。 ○岡谷委員  次のところで。はい。 ○秋山座長  ですからこれは目標として、一応大きな目標としてはこういうものであるということ で示されているというふうに理解しておりますけれども。  ただその場合に、栗山委員がおっしゃったように、これで患者さんの自己責任という ことにあまりなるというのは問題だろうということなのだと思いますが。  課長さん。 ○疾病対策課長  これについては必ずしも自己責任という意味で書いていなくて、ただそういうふうに 誤解されると問題ですから、おそらくかかりつけ医による「指導」とか、ここを「支援 」とかあるいは「支援の下に」といって、ただし(2)のところについては、そういう かかりつけ医による支援の下における患者家族の自己管理ということを、より環境作り をやっていこうということで(2)のところを書いていると。したがって、(2)のと ころでは、(1)のアレルギー対策の目標が可能となるよう、国と地方公共団体の役割 分担については云々かんぬんという整理でありますし、またこれを進めるにあたっても 関係団体との連携が重要である、こういうことがありますので、もう少しそこをきちん と整理してわかりやすくしたいと思っています。  自己管理については、必ずしも患者の方々、家族の方々について十分な情報が行き届 いていなかったと。例えば自分のアレルゲンは何なのだろうということすらわからない 状況で管理をしていたということに、今までの御議論にそういう御議論がありましたの で、そういうアレルゲンすらわからないで自己管理が果たしてできるのかと、そこに問 題意識としてこのような言葉を書かせていただいたと。 ○栗山委員  今までの議論を踏まえていてそうであることは、この会に出ていてそれをフォローし ているとわかるのですけれども、おっしゃったこともすごくよくわかります。でも多分 この文言の整理の仕方というかをちょっと変えていただくと、それが読んでいない方に も、それからこれから社会に出たこの文言に対しても、実体が伴っていくと思いました ので発言させていただきました。 ○秋山座長  確かに今までの議論の中ではいいのですけれども、報告書という形で書面になります と、一言一句がかなり重要な意味を持ってきますので、言葉の言い回しとかあるいは使 い方というのはかなり慎重にしていかないといけないというふうには思います。  丸井先生どうぞ。 ○丸井委員  今の部分とか、その同じページの(2)のところもそうですけれども、一回で読んで わからないような、なにか裁判の判決のような形になっているためになおさらわかりに くいというかということがあると思います。  今のところでも(「自己管理可能な疾患」へ)というところ、6行ほどですけれど も、これも1つのセンテンスで非常に入り組んでいるのでわかりにくくなっていると思 います。それで結局、自己管理可能とすることを目指すべきだであるというのの主語 が、これだけで見ると「患者及び患者家族が」が「目指すべきである」というふうにし か読めないというのがありまして、おそらく今までの議論、それから先ほどのお話はそ うでなくて、「患者、患者家族が自己管理をすることが可能にできるように支援する環 境を整備していく」ということであろうかと思いますので、このままでは確かにそのよ うには読めないし、非常に入り組んでいるので、これを2つか3つぐらいに分けて、前 提となること、そしてそのために誰が何をするのかということを少し分けて書く方がい いと思いますし、報告書としてわかりにくいのはかえってよくないと思いますので、 (2)のところも10数行1つのセンテンスで非常にわかりにくくなっているので、全体 として少しすっきりと、言い切るような形が。  なかなか行政の文章はこうなりがちなのですけれども、せめてこういうところでの報 告書はもう少しわかりやすくしたいなというふうに思います。 ○秋山座長  はい。貴重な御提言ありがとうございました。これはぜひ今後の最終案の作成にあた りましては御考慮願いたいというふうに思います。  今、基本的方向性についていろいろ御意見が出たと思いますけれども、次の具体的な 方策の方に入りながら、また基本的な方向性の方に戻るということでやっていきたいと 思います。  また、申し上げますけれども、最終的にはこれを皆様もう一度持って帰られまして熟 読していただいて、今の言葉の言い回し等も含めまして御意見をいただくということに なると思いますので、よろしくお願いいたします。  では次の14ページからの「アレルギー対策の具体的方策」ということにつきまして は、ちょうどこれは○ごとにある意味でまとまっておりますので、そのへんについて逐 一御議論いただくのが一番いいのではないかと思います。  上記の方向性を具体的に達成するため、今後5年(平成22年度まで)を目途に重点的 に取り組む具体的方策は以下の通りである。  (今後の方向性)1.(1)、先ほどありました対策の目標ですね、それを実現する ために以下の取組みを国は推進する必要がある。  医療の提供については、安定時には身近なかかりつけ医、ここにもまたかかりつけ医 が出てきておりますので、これはまた後でかかりつけ医のあれがありますのでここでは このまま行きますが、身近なかかりつけ医において診療ガイドラインに基づいた診療を 行い、重症難治例や著しい増悪時等には病院において適切に対応できるよう、円滑な連 携体制の確保を図る。  また、ガイドラインに基づく計画的治療は、従来の患者の自覚症状による治療法より も患者QOLの向上及び効率的医療の提供が図られることが報告されており、診療ガイ ドラインの普及定着の徹底が重要である。  というようなところですが、御理解できましたでしょうか。というか、何か御意見等 ありますですか。特にもしなければまた、逐一これをやっていきましてまた戻っていた だいて結構だと思いますが。  それから次は、情報提供・相談体制については、アレルギー疾患を自己管理する手法 等の確立を図るとともに、地方公共団体においては普及啓発体制の整備を図る、という ことが書いてあります。  それから、研究開発の推進については、アレルギー疾患を自己管理できるよう、患者 が自ら抗原を回避するためにアレルギーの原因物質の特定が可能となる手法及び早期診 断手法等を開発する。  有効な治療法に関する情報収集体制の整備に努める。  特に、各アレルギー疾患について重点的に取り組む事項は以下の通りである。  ・花粉症については、舌下減感作療法等根治的治療法の開発を推進する。  ・喘息については、喘息死の減少を目指し、適切な医療体制の確保を図る。  ・食物アレルギーについては、可能な限り患者自身が正しく抗原を知り抗原を回避で きるよう、対策を講じる。  ・アトピー性皮膚炎については、患者のQOLの向上のため、患者の医療に対するコ ンプライアンスを維持し、自己管理が可能となるように方策を講じる。  というようなことが示されておりますけれども、このへんにつきまして、はい、では 栗山委員どうぞ。 ○栗山委員  1つ1つのことについてはいいかどうかというか、何かもうちょっとあるかなという 気がするのですけれどもそれはさておいて、「コンプライアンスを維持し」と書いてあ るのですけれども、今あまり「コンプライアンス」という言葉は使わないのではないか と思うので、ここで適切かどうかをちょっと。 ○秋山座長  栗山委員の方から何か御提言は。 ○栗山委員  言葉ですか。この「コンプライアンス」というのは医者からの指示で患者が従うとい うニュアンスがあるものなので、やはりこれがだめと言っているわけではないのですけ れども、このままでいいでしょうかという。 ○秋山座長  何か御意見というか。ただ、何かいい言葉を言っていただいた方がと思うのですけれ ども。 ○山中委員  例えば「患者の医療の継続を支援し」とかいうふうにすると、少しイメージとしては 近いのでしょうか。医師だけではなくて看護士さんだとか栄養士さんとか、いろいろな 周辺のスタッフが医療の継続だとか日常管理を支援するという、そういうことの方がよ ろしいのでしょうかと思いましたが。 ○秋山座長  そういう御意見でした。どうもありがとうございました。ほかにどうですか。  どうも全般に患者さんの立場からのが欠けているという御指摘かもしれませんけれど も。あとほかに、今項目等につきまして何かございますか。はい、どうぞ。 ○山中委員  すみません。○の2つ目なのですけれども、情報提供・相談体制についてなのですけ れども、ここちょっと文章が、最初「情報提供」と言って最後「普及啓発体制の整備」 というふうに書いてあるので、例えば「アレルギー疾患を自己管理する手法等の確立を 図るために、地方公共団体は情報提供・相談体制、普及啓発の整備を図る」という、そ ういうことなのではないかと理解しているのですけれども、そういうことでよろしいの ですか。 ○秋山座長  おっしゃることはそういうこと。 ○疾病対策課長  いや、2つありまして、17ページ、18ページ、19ページということで、主要な情報に ついてのコンテンツとしては、患者自己管理の手法、それからどういう情報を提供して いくかという、先ほどのどこの医療機関にかかったらよろしいのですかというようなお 話も含めてどういうコンテンツがあるのかということと、それをどういうようなルート で流していくのかということについて、それぞれのパーツごとで整理しているというこ とであります。  とりわけ患者自己管理の手法というのが目玉になりましたのでこれを先に書いて、そ して地方自治体においても普及啓発の整備を図るということで整理して書いたと。単純 にその手法のための普及啓発だけではないということです。 ○秋山座長  ここに○で書いてあるのは、どうも次からのまとめを書いてあるというふうな理解に なると思います。ですので、「医療の提供について」という最初の○のところに関して の具体的な記述というのは15ページ、16ページにあるというふうに考えていいのです ね。そうですね。  ですので、どうも今は最初に申し上げたのはまとめということで、先ほどのかかりつ け医の方の問題ということにつきましても、今の一番最初の○のところについての具体 的なところで、15ページ16ページのところで御議論いただいて、そして今の情報提供に つきましてはその17ページ、18ページのところでまた御議論いただくという方がどうも いいと思います。どうも司会の不手際で申し訳ございません。  その15ページ、16ページの方に行きまして、医療提供のところのかかりつけ医を中心 とした医療体制の確立という項目が(1)でありまして、(2)につきましては、そのための 人材育成をどうするかというようなことがここに書かれていると思います。  急なことでまだ内容を読み切れていない面があるかと思いますけれども、まずこのか かりつけ医を中心とした医療体制の確立というところでは、アレルギー疾患管理に必要 な医療体制ということで、いわゆる身近なかかりつけ医というようなことに関するも の、それから二次医療圏での専門医等をどうするかということがここに書かれていると 思います。  それから、アレルギー疾患の医療体制確保のために各機関団体が提携、連携してガイ ドライン等を普及させるというようなことが示されていると思います。  それから、都道府県単位でどうするかということ。  それから次の○としまして、喘息死をゼロにするという先日の大垣の試み等を受け て、ここに喘息死を予防する体制をどうするかというようなことがここに示されている わけでありますが、これのところで何か御意見等ございますか。はい、栗山委員どう ぞ。 ○栗山委員  15ページに入る前の14ページの段階でちょっとよろしいでしょうか。さっきの喘息の ところなのですけれども、横田委員がおっしゃってくださったように、小児と成人とは 目標が全く違うと言っては何なのですけれども、喘息死の減少というのは成人の目標で あると思うのです。  小児において喘息死がないわけではないのですけれどもそれはかなり少なくなってい て、小児においてはどちらかというと早期発見と適正な治療による完治寛解ではないか と思うので、ぜひそれを分けて目標を設定していただきたいなと思います。 ○秋山座長  はい、わかりました。ほかにございますか。はい。 ○横田委員  今の栗原委員のお話に少しつけ足して加えるとすれば、幼少時の喘息の実態の経年的 全国的な調査とそれへの対応というようなことを入れていただければよろしいのではな いかと思います。 ○秋山座長  14ページのところですね。下の○の「重点的に取り組む事項」ということですね。ほ かにございますか。どうぞ。 ○疾病対策課長  よろしいですか。もしよろしければ、ここについて記載しているのは細かい話ではな くて今後の方向性ということで書いていますので、小児とか成人について類別してアプ ローチするということが必要であるならば15ページに「喘息死を予防する医療体制」と いうのを書いてある。  ここで、目標はこういうような方向ですというふうに書いていただいて、そして15ペ ージのところで成人と小児を分けたアプローチということでそれぞれ整理された方が重 複しなくてよろしいのかなと思っているのですけれども、もしそれでよろしければそう いうことで御議論していただければありがたいと。 ○疾病対策課長  15ページの「喘息死を予防する医療体制」とありますですね。そこにまさにその喘息 については喘息死の減少を目指すということで書いていますので、そこを具体的にどう いうふうにするのかというのが10ページのところから始まっていますから、15ページか ら16ページにかけて書いています。これについてさらに具体的に小児のアプローチ、あ るいは成人へのアプローチをどうするかということがあるならばここで整理して書いて いただいた方が、いろいろな具体的な方策について御提言されるのならここで整理して いただくのがよろしいかなと。 ○秋山座長  栗山委員がおっしゃるのは、小児喘息の場合には大人で言うほど喘息死ゼロというの が第一目標ということではないということをおっしゃりたいのだと思うのです。 ○疾病対策課長  ただ、そのときまだまだ小児の喘息死というのはいらっしゃるわけですね。 ○秋山座長  もちろんいないわけではないでしょう。 ○疾病対策課長  それも含めて、やはりこれは大きな問題であるからきちんと対応しましょうよという ことはあるのではないでしょうか。 ○秋山座長  喘息死をひとつ大きくやって、そして小児と成人とで対応が違って、小児の場合には 完治寛解を目指すという方向に行く、そういうことですか。 ○疾病対策課長  はい。それで、そこをきちんと。まだまだ小児においても問題と。 ○横田委員  課長さんのお話ももっともで、15ページの最後の「喘息死等を予防する医療体制」の 中か、あるいはそれの次に別項を立てて、小児喘息云々という形で持っていっていいで すよね。 ○秋山座長  そういうようなことで御理解できましたでしょうか。栗山委員何か。 ○栗山委員  はい、わかりました。 ○秋山座長  ということでございます。 ○疾病対策課長  いや、もう小児の方がお亡くなりになっていなければ、いらっしゃらないのですか。 ○栗山委員  いや、亡くなっていないことはないのですけれども、目標としたときには喘息死とい うのは確か1けたぐらいですよね。 ○秋山座長  小児は少なくとも、アレルギー学会の喘息死委員会での小児というのは本当に少ない ですね。 大体喘息死というのは60歳を超えますと幾何級数的にこういうふうになっているのです けれども、いわゆる5歳から34歳までという部分で言うと、世界的に見ても決して多く はない、10万人に0.5ぐらい。ところが60歳以降の方も加えると10万人に今でも4から 5ぐらいになっていくのだと思います。  ですから、確かに大人にとっては本来亡くなってはいけない、アレルギー疾患で亡く なることを防ぐというのは一番大事ですけれども、小児の場合はもっと目標がさらにあ る意味では高くなって、完治というそういう方向を目指している方の方がより大きいと いうか、そういうことを多分おっしゃりたいのだと思いますけど。  ですから、喘息死でくくるのがいいのか、成人と小児での喘息のいわゆる目標はちょ っと異なった方がいいのか、そこで分けるのがいいのかというところが議論になるので すか。 ○横田委員  よろしいですか。私の考えは最初に14ページの方はそのままにしてもよろしいのかな と。むしろ15ページで具体的な医療体制の確立の中に別項を設けて、小児喘息の問題を こういうふうに考えるということを四、五行入れていただくような形。その内容を考え ろと言うのでしたら考えます。 ○秋山座長  確かにアレルギー疾患というのは小児から成人まで続くというのはひとつありますけ れども、ただそれとは別個に小児と成人とのかなり違う部分があるというのもある程度 明確にしておいた方がいいのかもしれないというふうに思いますが。  ほかにございますでしょうか。山中先生どうぞ。 ○山中委員  医療の提供の「かかりつけ医を中心とした医療体制の確立」という、私ども行政だと 比較的わかりやすい言葉なのですけれども、やはりかかりつけ医だけでなくていろいろ な分化した病院だとかのネットワーク、あるいは国レベルでのネットワークということ を考えると、医療ネットワーク体制とかそういうのをを加えた方がいいのではないかと いうことと、それから本文の方に入ると「かかりつけ医」という言葉が出てこないので す。  先ほど岡谷委員の御質問がありましたように、例えば1つ目の○の本文の方に、「安 定期には身近な医療機関においてアレルギー疾患に精通した医師が診療し」となってお りますけれども、実際アレルギーの認定医だとかは3,000人ほどしかいないので、本当に 身近なところで精通した医師が診られるのかということもあると思いますので、かかり つけ医ということの定義というか、このアレルギーについての「かかりつけ」はどの程 度まで見られるのかということを何か示された方がいいのではないかと思いました。 ○秋山座長  ほかにございますか。確かにこの「かかりつけ医」という解釈はかなり随分広く解釈 されると思いますけれども、皆さんそれぞれの解釈があると思いますが。  ただ、勝手なことで私自身のイメージとしましては、先ほど山中委員がおっしゃった ように、学会の認定医、専門医というのは非常に日本全体から言えば限られておるわけ でありますので、その人たちがいるところを身近にというわけにはなかなかいかない と。  そうしますと、我々の感覚ですと、「かかりつけ医」というのはやはり先ほど私が申 し上げた、いわゆる家庭医の先生ということを申し上げましたけれども、少なくともガ イドライン、例えば喘息のガイドラインもそうですし、あるいはアトピー性皮膚炎のガ イドライン、アトピー性皮膚炎のガイドラインなんか特に非専門の先生が見てもわかる ようなガイドラインということでできていると思いますが、そういうようなものに関し ての知識なり、そういうことに対して関心といいますか、そういうものを持っていただ けるように身近なGPの方にも教育と言ったらあれですけれども、少なくとも生涯教育 的な形でもやっていくという、そういう意味で身近なかかりつけ医というのを私は理解 していましたけれども。  ほかに御意見は。はい、岡谷先生どうぞ。 ○岡谷委員  今先生のおっしゃったことはよくわかるのですが、もしそうだとすると、先ほどの課 長さんの方からの意見とは随分かかりつけ医のイメージが違いますよね。そうすると、 では本当にここで言っている「かかりつけ医」というのは何なのかということは、国民 から見て本当にわかるのかということと、それからどこでもかかりつけ医と専門医の専 門的な治療とかそういうものができる病院との連携とか、病診連携とかいろいろなこと が言われているのですけれども、実際にはこのアレルギーの疾患に関してそういうこと というのはかなり整備状況ではないのですが、実態としてはどうなのですか。  結構、病診連携とかいわゆるそういう日常的にかかっている、診てくれている医師、 ガイドラインに沿って診てくれている医師と、専門的な何かがあったときにかかるよう な病院との連携というのはスムーズに。 ○秋山座長  現時点でまだまだ不十分だということだと思います。ガイドラインの認知度等につき ましても、アレルギー疾患といくつかいろいろな疾患ごとにガイドラインがあるわけで すけれども、認知度は必ずしもまだ十分ではないというというのがおそらく専門の先生 たちの理解だと思いますし、患者さんたちの理解だと思いますが。 ○疾病対策課長  よろしいですか。「かかりつけ医」という先ほどお話があったのは、あくまでもアレ ルギー疾患について多用される主治医と言っただけで、基本的には秋山座長がおっしゃ ったことも含まれますし、これはアレルギー疾患の場合は内科、耳鼻科、小児科にそれ ぞれ分かれてきますから、そういう単純なくくり方ではなかなか定義づけが難しいとい うことで、アレルギー疾患を診られるような主治医の方でしょうと。したがって、そう いう身近にいらっしゃるのがかかりつけ医という、継続的になってきますから、したが って先ほどそのようにお答えさせていただいたということです。  それと、都道府県レベルでこの医療体制作りというのはどういうふうになっているか というと、この30ページで私ども調べましたが、計画自体がきちんと対応性が取れてい ないというところが大多数であったということであります。要は30%以上の国民の方が 罹患しているにもかかわらず、そういうところである。したがって、何がしかの方向と いうものを示す必要があるのではないかという問題意識であります。ちょうど30ページ に書いてありますけれども、まさにそういうようなことであると。ですから今のよう な、では誰が診るのですか、どうするのですかという非常に素朴な疑問というのは、ま さにこういうようなところの表れなのだろうと。  それから、わかるような形で委員の方々がいろいろとおまとめいただければと。利用 者にとってわかりやすい形でおまとめいただけるとありがたいと。 ○秋山座長  確かにアレルギー疾患というのは非常に多彩というかいろいろな臓器にわたっており ますので、いわゆるアレルギー医というのが本当にいるのかどうかというとかなり難し いものがあって、小児科の場合には小児のアレルギー疾患は大体まとめて出たりするこ ともあるでしょうし、ですので喘息もアトピー性皮膚炎も、あるいは食物アレルギーも 1人の先生が診る場合がかなり多いと思いますけれども、大人の場合にはアトピー性皮 膚炎は皮膚科で、喘息は内科というか呼吸器科なりでということで、なかなかトータル なアラジストというのは世界中でもなかなか育っていないのだと思います。  外国なんかに行きますと、トータルで診る人はいわゆるGP的なというか広く浅く、 その代わり広くですね、そして何かあるとそこから専門医にというそういう格好になっ ているという、そういうことが多分あるのだと思いますので、どういう診療科、先ほど の標榜のこともありますけれども、アレルギー科でも皮膚アレルギーはアレルギーの専 門だけれども、呼吸器は全然というようなこともありますので、そのへんが難しいとこ ろだと思います。  今後例えば我が国でそういうトータルなアラジストという形で進むのか、あるいはそ うではなくてアレルギーの何という形で進むのかというのは、今後やはり医療の側でも 問題があるのだと思いますけれども。 ○岡谷委員  よろしいですか。 ○秋山座長  はい。岡谷先生。 ○岡谷委員  私なんかも「かかりつけ医」というと、どちらかというとGPのような様相を持つ、 本当に広く浅くで、一応一定のガイドラインに沿ってきちんと治療ができると。それで 何かあれば専門医に連携していくという、そういうイメージがやはり「かかりつけ医」 と言った場合のイメージとしては強いのですけれども、それだけにその言葉だけが一人 歩きして、実態は、今おっしゃったように、例えば私たちが受診するときには、眼科だ とか内科だとか皮膚科だとかそういう形で、要するに国民は目に異常があるとじゃあ眼 科に行こうとか、何か胃がおかしいと内科に行こうと、もうその時点で自分たちで選ば ざるを得ないような状況で標榜されていることが多いわけです。  だけど、ではその眼科に行ったらこれは目じゃなくて何かもっと内臓から来ていると か言われれば、また別のところに回されるという状況なので、本当に「かかりつけ医」 という言葉を使うのだったら何かそういうイメージと、何か実態がちゃんと重なるよう な体制を作っていかないと非常に難しいのではないかと思うのです。 ○疾病対策課長   よろしいですか。これは事務局からのお願いなのですが、かかりつけ医自体の言葉 というのは医政局の方で、あるいは例えば保険局の医療課の通知などで出てくる場合も ありますし、したがって、ここのところで議論していただくというよりはまた別の場で もしそういう御疑問があるならば議論していただくなりして、私どもとしてはそういう アレルギーを診ていただけるような身近な主治医の方々の体制作り、そしてそれを支援 する対応、供給体制と、そしてそれとともに医療を受けられる患者さんのあり方という ことを御議論していただいたいので、かかりつけ医論というのも重要なのでしょうけれ ども、基本的に先ほど私どもが説明させていただいたような趣旨でございますので、限 られた時間でありますのでよろしくお願いいたします。 ○秋山座長  はい、わかりました。一応そういうことですので。 ○岡谷委員  もしそうだとすれば、ここで言う「かかりつけ医」とはこういうようなことを指し て、こういうことを言っているのだというようなことがわかるような文言も入れておい ていただけるといいかなと思います。 ○秋山座長  はい。ほかにございますか。それからここでいわゆるアレルギーについてちょっと先 ほど私の言い方が悪かったと思いますけれども、大人の場合には内科、耳鼻科云々と申 しましたけれども、ただその中でアレルギーとして共通の部分というのは少なくとも理 解できるような、そういう形で「かかりつけ医」というのとはちょっとあれですけれど も、少なくとも最初に言ったところで、疾患ごとの特異性を超えた共通の意味でのアレ ルギーをよくわかってほしいという、そういう要望が患者さんの側にあると思いますの で、そういうことがわかる医師を増やしたいということで理解していただければと思い ます。  では、時間の関係もありますけれども、あとこのへんのところで何か問題があります でしょうか。人材育成も含めまして、医療提供につきましてほかにございますでしょう か。  はいどうぞ。岡谷先生。 ○岡谷委員  ここでの人材育成なのですけれども、医療の提供のところもかかりつけ医のことで医 師なのですが、例えばアレルギーの疾患の人たちの自己管理というようなことを進めて いくときに、栄養士さんですとか保健師ですとか看護師ですとか、そういったチームで いろいろ取り組んでいくことの必要性とかそういうこと、人材育成もただ医師の育成だ けで本当にことが足りるのかという点についてはどうなのかなというふうに考えるので す。 ○秋山座長  確かにここでは医師のことが主に書かれておりまして、コメディカルの方たちについ てのあれが必ずしも十分でないということがあるかもしれませんし、特に食物アレルギ ー等での栄養士さんとかあるいは学校の養護の先生とかも含めた形のもう少し広い意味 でのということでいらっしゃいますか。そういう御意見でした。  ほかにございますでしょうか。それでは次に情報提供のことですが、17ページの(2 )の「情報提供・相談体制」先ほどもちょっと話題が出ましたけれども、そこの患者自 己管理手法の習得ということと情報提供体制の確保、それから相談体制の確保というよ うなことにつきまして御意見等挙げていただければと思いますが。  先ほど山中委員が何かおっしゃっていた相談とその体制のことを確かおっしゃってい ましたね。もしここでもう一度ここでもし議論していただければと思います。  先ほど文章の問題でしたっけ、まとめの文章の問題でしたっけ。 ○山中委員  そうです。文章です。 ○秋山座長  この情報体制・相談体制等につきまして現状、それから今後どういうふうなものが特 に望まれるかということですが。御意見ございますか。栗山委員どうぞ。 ○栗山委員  ごめんなさい。ほかのところに書いてあるのかもしれませんけれども、ちょっと17ペ ージの下の○のところで「自己管理手法の普及」というところで、「国は、日本アレル ギー学会等と連携し、上記内容について効果的な教育資材等を作成し、都道府県等や医 療従事者等に配布する」となっているのですけれども、こういうものをぜひ患者会とか 患者さんに直接届くような形というのはいかがでしょう、という形にしていただける と。 ○秋山座長  それはここに書いてある「都道府県等や医療従事者等」というところに、もう1つ患 者さん直接とかいうのを加えた? ○栗山委員  患者団体とか患者に直接届くような方法というのもルートを考えていただけたらと思 います。 ○秋山座長  はい、そういう御意見です。それからここに今「アレルギー学会等」という言葉もあ りますのでいいと思いますが、こういうのは今主にアレルギーの関係ですとアレルギー 協会の方が実際患者さんとの関係では主と思いますが、「等」の中に含まれるからいい と思いますけれども。ほかにございますですか。  情報提供につきましては、確か前回か前々回に、いわゆる提供している側はしている つもりでいるけれども、実際患者さんとか周りの方の目には入らないとか届かないとい うような、そういう行政と実際の受ける側とのギャップみたいのが言われたと思います が、そのへんについてはいかがですか。栗山先生どうぞ。 ○栗山委員  今おっしゃった通りで、例えば無料のとてもいい資料とかが、ごめんなさい新しい名 前を忘れたのですけれども、公健協会とかですごくたくさん作られているのですね。学 会などではそれが山のように積まれているのですけれども、患者がそれを直接手に入れ る、ホームページから申し込むことはできるのですけれども、そういうものが存在する ことを知る手段がない。作られると同時に配布するルートまでぜひ視野に入れていただ きたいなと思います。 ○秋山座長  はい。貴重な御提言です、はい。横田委員どうぞ。 ○横田委員  言葉つきの問題かもしれないのですが、(2)の2行に入っております「患者を取り 巻く」云々なのですが、ここは多分「患者及び家族の自己管理手法の習得を支援するた め、患者を取り巻く生活環境の改善を図る。そのために情報提供体制の整備や相談体制 の整備をする」いうことではないでしょうか。 ○秋山座長  はい。その文章の構成といいますか、これはもう一度この文章の組み立て方をちょっ と推敲といいますか考えて、また最終案の方に反映していっていただきたいと思いま す。ほかにございますか。  それでは時間の関係もありますので、その次の(3)「研究開発及び医薬品開発の推 進」、19ページからですが、そこの項目等につきましての議論をお願いします。  まず(1)としましては、効果的かつ効率的な研究推進体制の構築、(2)としましては研 究目標の明確化、その中でまず当面成果を達成すべき研究分野というのと、長期的目標 を持って達成すべき研究分野、そしてその他必要な研究というのがその研究目標の明確 化の中にありまして、(3)としまして医薬品の開発促進等というのがあります。この研 究開発及び医薬品開発等につきまして、研究体制とかあるいはこの研究目標とか、そう いうことにつきまして御意見、御討議お願いしたいと思いますが。  まず研究目標の明確化ということで、(ア)当面成果を達成すべき研究分野ですが、 平成22年度までというふうに書いておりますけれども、いわゆる今後5年間ということ だと思います。中期目標といいますか、平成22年度までに研究成果を得られるよう、次 の研究分野を重点的に研究を推進していく。  アレルギー、自己管理がまた出ておりますけれども、アレルギー疾患患者自己管理手 法の確立。  ・国においては、アレルギー疾患を自己管理できる疾患とするための手法の確立を最 優先の目標とし、関係学会等と連携し、平成22年度(2010年度)を目標に、より確実で 簡便な抗原診断法の開発を進め、患者がアレルギーの原因物質を日常生活の中で適切に 管理できるよう、抗原回避等の自己管理手法の確立や早期診断法の確立等に重点化を図 る。これら研究成果はかかりつけ医等にその技術の普及を図り、患者がアレルギーの原 因物質を日常生活の中で適切に管理することを目指す。  というようなことが示されておりますが、いろいろキーワードでいろいろ問題になっ ていることが出ておりますけれども、皆さん何かありますでしょうか。  ではもう1つの○のところへ行きますが、  自宅で治療可能な減感作療法の開発の推進。  ・自宅で行うことができる治療法開発は、今後さらに研究を進めていくべきである。 特にスギ花粉症に対する舌下減感作療法の治療法開発についての臨床研究を推進し、安 全性、有効性を確認する。  というようなことが示されておりますが、岡本先生、今舌下減感作療法の研究につい てこういうふうに書かれておりますけれども、何か御意見等ございますか。 ○岡本委員  実際ここに記載されているような舌下減感作療法の安全性,有効性を十分な根拠を基 に明らかにするには、ある程度の規模で行う必要があります。平成22年度まで4〜5年の 間で確認するのは現状では容易ではないかもしれません。 ○秋山座長  ほかに。当面成果を達成すべき研究分野ということで、ここには○が2つのところで すが、ほかに短期的中期的目標として挙げなければいけないようなものとかございまし たら。  先ほどの横田先生が前からおっしゃっている小児の研究基幹施設の連携云々というこ とに関して何かもし。 ○横田委員  やはり当初この案の一番最初の方にも取り上げられていますが、非常に局所的な報告 が多いのです。全国を網羅したような報告ではなくて。したがって、あるところは非常 にアレルギー疾患が増えているような数字が出てきても、他方別な地方ではあまり変わ っていないような報告がございます。  したがって、対策を立てるのに現状がどうであるかということを知らずして立てるわ けにはいかないわけですから、全国の小児病院とか旧国立療養所等の小児施設でそんな にお金をかけなくていいですからネットワークを構築して、診断の根拠とか何かを統一 して、それで5年10年のスパンで現在クライテリアに乗っかった疾患がどういうふうな 推移で動いているかということを常に毎年チェックできるようなシステムをぜひ置いて いただきたいということを前回お願いしました。 ○秋山座長  今疫学といいますか、いろいろな現在の治療あるいは診療体制の検証をするようなシ ステムということだと思いますけれども、そういう疫学の、確かに我が国におきまして は経年的な疫学調査のシステムとしては必ずしも十分できていないということがあると 思いますけれども、そういうことについて例えばこの5年間でぜひシステムを構築し て、今後のいろいろな研究のある意味では入り口となる疫学調査を、地についた疫学調 査を経年的にやっていくというようなことを盛り込んではどうかということがあります けれども。  ほかにございますでしょうか。 ○疾病対策課長  よろしいですか今の点で。その点は、先ほどの説明が悪かったかもしれませんが、20 ページの「・有効な治療法選択のための情報収集体制の構築の検討」で、「治療効果も 含めたアレルギー疾患患者の動向を適切に把握することは」ということで始まって「定 点観測体制の構築が必要である」、こういうことで従前からも横田委員からお話がござ いましたので、このような形で、研究という話ではなくて、推進体制の構築の1つの柱 であるということで整理をさせていただいています。 ○秋山座長  そうすると、ここはあくまで、いわゆる厚生労働科学研究の中でどうするかという。 ○疾病対策課長  ことですね。 ○秋山座長  ことになりますか。この研究目標というのは。ということは、もうこれは既に実際的 なところまで進んでいるというふうに考えて。 ○疾病対策課長  ですから、これは検討ですから。今後そういうことで。ただし、もう既に小児喘息に ついては赤澤班というのを立ち上げて全国調査をしている面もございますけれども。 ○秋山座長  ほかにございますでしょうか。今のところ短期的中期的な目標ということで、特に研 究目標ということですけれども、ほかにございませんか。  それでは続きまして、次のページの21ページ、今度は長期的目標ということに入って いきたいと思いますが、(イ)ですけれども「長期的目標を持って達成すべき研究分野 」ということで○に書いてありますのはアレルギー疾患の予防法と根治的治療の開発と いうことで、これはかなり確かに根本的な目標でありますけれども。  長期目標としてアレルギー疾患の病態・免疫システム解析と病因解明を行い、その成 果に基づくアレルギー疾患の根治的治療法の開発を目指す。  というのが総論でありまして、四角の中に書いてありますのが長期研究目標。病態・ 発症機序の解明、アレルギー発症予防法の確立、治療法の開発というようなことが出て おります。これらにつきまして、何か御意見等ございますでしょうか。 ○疾病対策課長  これは事務局の方から。「長期目標」とあえて書いてしまったのですけれども、本来 であるならばこういうのは早く解明していただきたいのです。ただ、なかなか今までの お話を伺うとここ5年で成果が出てくるのが難しいということで長期的目標と書いてし まったのですが、本当に最優先の研究項目というのは、自己管理ができるような情報提 供ができるように、患者さんに自己管理できるような情報提供ができるようなもの、あ るいは重症化を防止するようなものを抜き書きしたわけでありますけれども、長期研究 目標の中でももう少し最優先でやらなければいけない事項がありましたらばお教えいた だいて、そしてそれを今からでもしっかりとやって、その研究者の方は5年以内に成果 を達成していただくということです。そういうものがあるならば、もう一度御議論して いただいて見ていただければと。  そうすると私ども5年間はこの2つを、それから前回減感作療法について集中的に研 究費が流れてしまうということになりますから、もうちょっと御議論していただけると ありがたいのですが。 ○秋山座長  長期目標から当面の方に移るものはないかというような、そんなようなことですね。 ○疾病対策課長  ええ。そうですね。 ○秋山座長  それにつきまして、あとここの中に書かれていること以外でも結構だと思いますけれ ども、ぜひここ5年以内何とかしなければいけない、あるいは何とかなるかもしれない というような研究課題等についてありましたらぜひ御提言いただければ。岡本先生。 ○岡本委員  先程も話題になりましたが、この長期研究目標の最後のところに記載されている治療 法の開発というのはぜひ急ぐべきだと思います。なかでも最も現実的な治療法として減 感作療法がありますが、障害となっているのは抗原エキスの問題です。例えば花粉症や 通年性アレルギー性鼻炎に対する治療は行われていますが、使用出来る抗原の種類が制 限されているのが問題になっています。また、今後抗原エキスの臨床試験は容易ではな いため、製薬会社や理化学研究所との共同研究も不可欠です。抗原エキスの問題が解決 されれば減感作療法はより有効,安全になり広く普及することが期待されると思いま す。 ○疾病対策課長  それは抗原の供給。 ○岡本委員  その事も含まれます。また、スギ花粉は日本独特の抗原ですが、その舌下減感作療法 の普及には薬価収載可能な安全性が確認出来る抗原エキスが必要です。どのようにした ら使用可能なのか、精製したものをどう入手できるのか、といったことが大きな課題だ と思います。 ○秋山座長  これはあれですね、今先生がおっしゃっている抗原というのは、いわゆる外国では手 に入るのに日本では入らないという、そういう意味も含めているのですね。 ○岡本委員  意味も含めてです。はい。ただあとは、もし日本のこの現状のいわゆる薬価収載と か、いわゆる医療として認めていかれるためにやはりきちんとした、そういう試験が必 要だとなればやはり、まだハードルも高いですから、それなりの精製したものをいかに 準備するとか安全性を確認するかといったことが大きな課題だと思います。 ○秋山座長  今アレルギー疾患において国際的にというか国内外の壁というのは、1つは入手でき るアレルゲンの量といいますか種類が非常に限られているというのが今、それは研究面 というより実際面でまさにそれが入れば現在の治療法でもさらに広がるという、そこの ネックというのがあるという、そういう意味でのアレルゲンの問題ということ。 ○岡本委員  ええ。それももちろん含んでいます。 ○秋山座長  はい。横田先生どうぞ。 ○横田委員  新たにということでもないのですが、病態・発症機序の(1)の、自然免疫と獲得免 疫というのと、その下の(1)の小児のアレルギーと成人のアレルギーの異同の解析と いうのが大変重要な点だというふうに考えています。  どこが重要かというと、これまで免疫学的な解析というのは成人を中心に行われてき ましたので、形としては獲得免疫というものが中核になって解析されてきました。しか し、子供の病気をいろいろ見ていますと、2歳3歳でがらっと変わるのです。アレルギ ーももちろんそうです。つまり対象となる抗原が、例えばですが食物の場合に牛乳、 卵、卵白なんかから穀物に変わっていくというのは皆さん御存知のとおりです。  それは、幼少時の免疫というのが自然免疫を中心にカバーされているいうことが最近 は随分わかってまいりました。しかし、まだここもできつつあるという段階で、かつそ うするとイネート・イシュニティがどういうふうにかかわるかという問題で、感染症と のかかわりをどうしても捨てきれないし、乳幼児の喘息に関して感染症との対応という ことが非常に問題とされています。  最近も特に乳幼児の喘息に関して、クラミジアの慢性感染症ということが問題なのだ ということが出てきていますし、さまざまな感染症との対応の中で自然免疫の、特に乳 幼児の自然免疫の解明というところがおそらく小児のアレルギーの病態解析に一番重要 な点だろうと思って、国立感染症研究所とそれから私どもと、今成育医療センターもそ うですけれども、そういう視点でアレルギーの解析、つまり大人と違った小児の解析と いうことを始めたいと思っています。 ○秋山座長  はい。ほかにはございますでしょうか。 ○岡本委員  先程横田先生がおっしゃいましたが、小児と成人が違うということで喘息を例に取り 上げられていました。喘息に限らず小児のアレルギー疾患の有無はその後の一生の経過 に関わってきます。喘息,アトピー性皮膚炎,食物アレルギー,アレルギー性鼻炎とい ったアレルギー疾患全体の関連をとらえながら検討していくことが重要であろうと思い ます。上気道と下気道との関連についてもかなり不明な点が多いのが現状です。従来の アレルギーマーチの内容は見直す必要がありますが、アレルギー疾患の根本制御を目指 すならばアレルギー疾患の包括的研究が非常に大切だと思います。 ○秋山座長  丸井先生。 ○丸井委員  今の御発言のとおりで、私もそんなことを思っていたのですが、やはり先ほど来あり ますが、アレルギーは非常に横断的なとらえ方をしないといけないと思いますので、こ の前から話が出ていますが、小児から成人に至るナチュラルヒストリーがきちんとつか まえられていないというところが非常に大きい問題だと思うので、そういう意味では長 期研究目標として、それは小児科だけとか皮膚科だけでなくもっと横断的な研究を進め て、ナチュラルヒストリーを明らかにするというようなことは、短期中期は無理かもし れませんけれどもどこかにきちんと書いておく必要があるだろうなというふうに思いま す。 ○秋山座長  はい。ありがとうございます。確かに今口では皆で、アレルギー疾患というのは多科 に及んでいろいろな臓器で表われかたが違うということで、横断的であり年齢的にも小 児から成人までといいながら、どうしても研究体制というのは疾患ごとだったりあるい は小児だったり成人だったりというふうになっている面があるのではないかと私も思い ますので、確かにそういう点では今おっしゃったような、年齢的にもあるいは疾患でも 共通に見ていく、あるいは全体を眺めていくという形での研究課題というか、そういう ものが必要ではないかというふうに私は思います。  はい、栗山委員どうぞ。 ○栗山委員  皆さんが言ってくださったのでそのままなのですけれども、私たちの方からしまして も、「アレルギーマーチ」と言われていて、できればそれをどこかで遮断する、食物ア レルギーとアトピー性皮膚炎は全く別なものと言われつつ関係ある部分もある。それか ら、それが喘息に移行しないためにはどうしたらいいのかとか、そういう研究をぜひ私 たちの方からもお願いしたいと思います。 ○秋山座長  はい。非常に貴重な御意見いろいろとありがとうございます。ほかにございますでし ょうか。  特にこれは厚生労働省としての研究ということから考えますと、そういうメカニズム とともに実際のそういう医療の面での研究というのがいろいろ必要だと思いますけれど も。例えば島崎先生、何かアナフィラキシーあるいは救急医療という視点からの何か、 アレルギー疾患に関する研究の提言というか何かございますか。 ○島崎委員  そうですね。大体このどれかに入るのでしょうか、アナフィラキシーそのものですと いろいろサイトカインなんかが絡んでくると思うのですが、そういうところとどう結び つくのかちょっとまだはっきりわからないのですけれども。リウマチなんかですとあれ なのですけれども、こういう喘息とかあるいは花粉症等なんかとサイトカインなんかと の関係の、あるいはサイトカインブロックなんかはまだほとんどそのへんのところへの 注目というのですか、目が向いていないので、そのへんがちょっともおもしろいかなと 思っているのですけれども。具体的にアイデアを持っているわけではありません。  ただアレルゲンというのですかね、どういうリガンドがどういう格好でサイトカイン 発生にあれするかというのは、感染ではわかっているのですけれどもこういうものでは まだちょっとあれしていないので、これからかなという気がします。 ○秋山座長  確かにアナフィラキシーの話も数は喘息とかアトピー性皮膚炎とかコモンディジィー ズというわけではないので、なかなかそういう対象というのは難しい面もあるかもしれ ません。  あとはこれは私のあれなのですけれども、いわゆるいろいろなアレルギーというの で、薬物アレルギーに関しての検討というのがどうもなかなかなされていないというふ うに、私自身は感じていますので、薬物に対するアレルギー、アナフィラキシーという のは実際は決して少なくはないし、結局薬物の場合にはなかなか特定が、今現在アレル ゲンの特定という視点からいうと、非常に難しいわけでありまして、大体状況証拠でい ってしまう。状況証拠で言うと、前もちょっと申し上げたかもしれませんけれども、ア ナフィラキシーを起こす場合に10種類の薬剤を使ったら10種類がすべて被疑薬になりま して、その後もしそれでどれかを使って何か起きたときにはそれは医療過誤という格好 にもなってくる可能性があるわけです。  実際は10種のうち1種だけが犯人で、あとの9種というのはいわゆる無実の罪を着せ られている薬剤ということもありますので、そのへんの薬物アレルギー、アナフィラキ シーの原因薬剤の特定法というのがin vitroでもしできるようになれば、それは非常に それによて恩恵を受ける方が多いのではないかということもあって、それを私自身はそ ういうことについてもう少し検討してできないかというふうに思ったりしています。  ほかに、栗山委員どうぞ。 ○栗山委員  この中につけ足していただくという意味ではないのですけれども、食物アナフィラキ シーもすごく幼児にとって、大人の方は割と「自分はこうなるからこれはやめておく」 とか選択ができるし、いざとなったときに対応ができるのですけれども、お願いしたい と思っているのは、万が一食べてしまっても大丈夫というか、予防薬というのがいくつ か言われているのです。食べる前にこれを飲んでおけと、可能性があったら。大人は実 感としてそれが活用できるのですけれども、まだエビデンスになっていないと思うの で、もしそういうのも入れていただけたらと思います。 ○秋山座長  どうしても避けられないものがあるという前提で、それを予防する手段をということ ですね。 ○栗山委員  そうですね。親の目の届かないところで食べる可能性のあったときとか、宿泊先で万 が一十分避けられない状況でも食事をするようなときとか。 ○秋山座長  はい。わかりました。ほかにございますか。  ではなければ時間のこともありますので、続きまして(ウ)の方に「その他必要な研 究」ということで、民間医療の評価というのがありますが、このへんのことにつきまし て、これも患者さんの側からはかなりいろいろ御意見もあるのではないかと思います が、栗山委員何かございますか。 ○栗山委員  私たちも患者さんからはそういう質問もたくさんいただきますし、それから民間療 法、「うちはこういうのを開発して周りの人がすごくこれでよくなったからぜひお宅の 患者会でも広報してくれ」とか、中には、「こんないいものがあるのに、それを患者会 を通じて広報しないのは情報の遮断という犯罪に等しい」という言い方をしてまで売り 込みがあります。私たちは基本的には現段階ではお金の使い道、患者さんが治療に向か ってのお金の使い道を限定していきたいので、一切そういうものに対しては広報のお手 伝いはしないことにしていますと言ってお断りしています。  ただ、患者さんからの医薬品以外での要望というのはとても多いので、将来的には取 り上げていただくこともいいとは思っているのですけれども、研究費なりお金なりの使 い方としてはそれが有効なのかどうかというのは私たちの患者会としてはあまり優先順 位は高くないのですけれども、もし仮にいろいろなところから詰めてみてそういう可能 性が高いものであれば、始めていただくことはいいことの1つだとは思います。 ○秋山座長  はい。ありがとうございました。今の民間医療あるいは代替医療についての評価とい うことですね。現在ですと民間医療イコール悪みたいな感じになっていますけれども、 そのへんのところの評価ということもやはりある程度、そういうシステムというのを作 る必要があるのではないかというふうに私自身は思っていますけれども、何か御意見は ございますか。なければそのようなこともここに書かれております。  続きましては、医薬品の開発促進等というふうにありますが、これにつきましては研 究との関係であると思いますけれども、ただあれの調査といいますか評価の迅速化とい うのは前からよく言われていることだと思いますけれども、何かございますでしょう か。  横田先生どうぞ。 ○横田委員  2つあります。1つはアレルギーに関する医薬品も、また小児小児と言われるかと思 われるかもしれませんが、なかなか認可が通っていない薬剤が多いのです。新薬の治験 の中に、成人治験の第2相が終われば小児での治験が認められるということが片方であ るわけですから、なんとか小児の治験をどんどん進めて認可していただくような方法を とっていただきたいというのが1つと、もう1つは先回も言ったことですけれども、こ れと平行して行われているリウマチ対策検討会でもその案文が載るというお話を聞いて いるのですが、医薬品の患者さんによる評価、効果の評価のシステムを導入する必要が あるかなと、しかも自己管理をしながらアレルギー疾患に対策を立てていこうという趣 旨が今回の検討会では大きいわけですから、そういう意味では医薬品の効果についての 患者側の評価をなんとか盛り込んでいくようなシステムが作られればいいなというふう に思っています。 ○秋山座長  はい。ありがとうございました。岡谷委員どうぞ。 ○岡谷委員  ちょっとわからないのですけれども、ここでの研究というのは比較的医学的な研究が 多いのですが、例えば患者さんが自己管理をしていくときに御自身の行動変容だとかい ろいろな面で、いわゆる社会精神的な側面というようなことの知識というかそういうこ ともあるのではないかと思うのですけれども、そういった面での研究というのは対象に はなかなかなりにくいのでしょうか。 ○秋山座長  そのことについて、もちろんよく言われる厚生労働省的研究、文部科学省的研究とか よく言われますけれども、今のようなのはある意味では厚生労働省的な研究の中には入 るのではないかと思いますが。いかがですか。 ○疾病対策課長  具体的には。 ○秋山座長  いや、今おっしゃったようなことですけど。 ○疾病対策課長  もう少し具体的におっしゃっていただいたら。 ○秋山座長  ではもう一度ちょっと。 ○岡谷委員  いわゆる精神的社会的なサポートという面なのですけれども、患者さんが自己変容を していくときに、やはり自分自身の自己評価だとか、そういう手法の一環として本人の できた部分を非常に強化してほめていくとか、そういったようなコミュニケーション、 関わりの中で患者さんが自分の自己評価を高めて行動修正をしていくとか、そういうよ うな、いわゆる単なる医学的なそういうことだけではなくて、患者の行動を変えていく ときのいろいろな社会的精神的なアプローチといったようなこともかなり方法論として はいろいろありますので、そういうアレルギーの患者さんたちの独自のいろいろな苦難 とかいろいろなことがあるわけですから、そういったことの側面の研究というのも一方 で必要なのではないかなというふうに思います。 ○秋山座長  一応そういう御意見ということでいいですか。それでは時間の関係もありますので、 最後に施策の評価等ということなのですが、政策評価等で、  国においては、都道府県等が実施する重要な施策の実施状況等を把握し、より的確か つ総合的なアレルギー対策を講じていくことが重要である。また、地方公共団体におい ても目標に主要な施策について政策評価を行うことが望ましい。  というようなことが書かれております。これとは直接関係ないのかもしれませんけれ ども、いわゆる今先ほどのかかりつけ医というような問題とか専門医の問題があったわ けですが、アレルギー疾患のいろいろにかかわっていく医療者の側としてのインセンテ ィブとしての診療報酬の問題なんていうのは、やはりこれから考えていかなければいけ ない面だと思っています。  例えば、喘息の患者さんを診るときに、今までもいろいろ出てきていますが、自己管 理のために日記あるいはピークフローモニタリングをするようにということが言われて いますが、それに対するいわゆる医療する側の方のインセンティブというものが今不十 分であるということとか、例えば吸入ステロイド等が非常に普及するようにということ が広く言われてきていますけれどもそれに対しての指導料等の問題とか、そういうよう なことを含めた形で広く医療する側に対するインセンティブというのを考えた形で喘息 死ゼロに向かっていくというのも1つの方法だというふうに考えておりますけれども。 そういうような施策といいますか、そういう行政あるいは医療政策といいますか、そう いうことに関しての問題点等もまだあると思います。  そういう政策として、あるいは政策評価としてということで何かここに加える、ある いは何か問題点はございますでしょうか。  もし特にございませんようでしたらば、一応これで本日のこの報告書案についてかな り駆け足になりましたけれども一通り目を通していただいたわけでありますけれども、 ここに関しましてはまたぜひお持ち帰りいただいて、いろいろ文面の問題点とか内容の 問題点等につきまして次回までに御意見等ございましたら事務局の方に知らせていただ きまして、そして報告書を策定し、そして次回は指針を作るということでありますけれ ども、そちらの方に進めていかなければいけないというというふうに考えております。 そういうことでいっていただければと思います。  それでは事務局の方から何かございますか。 ○事務局  先ほど秋山座長からお話がありましたとおり、次回の検討会におきましては報告書の まとめと、あと指針の案の策定ということになっておりますので、今回の報告書の案に 基づいて指針の案を策定いたします。こちらに関する御意見ですけれども、次回の検討 会までというふうに秋山座長おっしゃいましたが、申し訳ないのですけれども短い時間 で恐縮ですが6月の23日までに、あさってになりますけれども、とりあえず意見がある かどうかについて御連絡いただければ御相談させていただきたいと思いますので、どう ぞよろしくお願いいたします。 ○疾病対策課長  これですね、意見があるかどうかと担当のものがお話ししたのですが、できれば早め にいただけると。そうしますと指針の、報告書の内容が固まって、そして指針ができま すので、早めに報告書を固めたい。その上で指針を書いていくのでちょっとお時間を私 ども持たせていただくために、23日というのにさせていただきました。 ○秋山座長  今この会で出た議論はそれを踏まえた上で報告書の中に盛り込まれると考えていいの でしょうか。また改めてそれぞれに出して。 ○疾病対策課長  そうですね。きょう御欠席されている委員もいらっしゃいますので、したがってその 委員の方々にも23日までにというお話をさせていただいて、きょう御出席された委員の 方々は大体もうかなり意見を言っていただいたと思います、23日までに届く分について は私どもにお寄せいただきたいと。 ○秋山座長  そうすると、もし特に強調したい方は再度23日までに先ほどお話になったこと。 ○疾病対策課長  はい。それから先ほど横田委員がおっしゃられたように、喘息の小児の部分につい て、成人の部分について切り分けて整理していただけるというお話もございましたの で、それもあわせて私どもにいただければと。 ○秋山座長  それではそういうことでございますのでよろしくお願いいたします。 ○山本委員  先ほどの中で、この文章の表現の仕方だと思うのですけれども、主語と述語がとても わかりにくい部分がたくさんありましたよね。それに関しては特にこことこことという ことを申し上げなくてももう一度整理していただけると。 ○疾病対策課長  非常に気になる場合はお知らせいただいて。私どもも点検いたしますけれども。 ○秋山座長  ではそういうことですので、よろしくお願いいたします。それでは次回あと最後に指 針ということで、また皆様に時間を割いていただいて御検討いただくと思いますけれど も、これまでの4回のこの議論の中でできるだけいい指針を作っていくということで、 これが我が国のアレルギー診療あるいは研究の指針となるということでありますので、 ぜひよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。                         ○照会先                          厚生労働省健康局疾病対策課                          tel 03−5253−1111                          担当:中川(内線2359)