05/06/15 中央社会保険医療協議会総会平成17年6月15日議事録 05/6/15 中央社会保険医療協議会         第66回総会議事録 (1)日時  平成17年6月15日(水)09:59〜11:29 (2)場所  厚生労働省専用第18会議室 (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 室谷千英委員 小林麻理委員       青柳親房委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員       宗岡広太郎委員 大内教正委員 飯塚孜委員 松浦稔明委員(代 矢野)       櫻井秀也委員(代 伯井) 松原謙二委員 青木重孝委員 野中博委員       佐々英達委員 黒ア紀正委員 登利俊彦委員 漆畑稔委員       大島伸一専門委員 岡谷恵子専門委員       星野進保元会長       <事務局>       中島審議官 麦谷医療課長 石原調査課長 他 (4)議題  ○先進医療の選定療養への追加について       ○医療機器の保険適用について       ○今後の検討の進め方について       ○その他 (5)議事内容 ○事務局(麦谷医療課長)  おはようございます。保険局医療課長でございます。  御案内したお時間になりましたので始めさせていただきますが、開会に先立ちまし て、私の方から委員の退任について御報告をさせていただきます。  まず、公益委員の村田委員は、任期満了により、去る6月10日をもって中医協委員 を退任されました。村田元委員におかれましては、これまで4期8年にわたり、公益委 員の一員として精力的な御議論をいただいたことを御報告させていただきます。  本日は、村田元委員にお越しいただいて一言御挨拶をいただくお願いを申し上げまし たが、既に所用が入っているということで、今日は御出席いただけません。また後日改 めてお願いしたいと思っております。  また、公益委員の星野会長は、任期途中ではありますが、去る6月11日をもって中 医協委員を退任されました。星野元会長におかれましては、3期4年3カ月にわたり、 中医協会長をお務めいただき、2度の診療報酬改定の取りまとめに御尽力をいただいた ことを御報告させていただきます。  本日は、星野元会長にお越しいただいておりますので、星野会長、一言御挨拶をお願 いいたします。 ○星野元会長  4年有余でございましょうか、皆様方に、本当に行き届かないことばかりでございま したが、助けられまして、何となく無事に過ごさせていただきましたことを、初めに御 礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。  私にとりまして、この中医協というのは、大変友情といいますか、人情の厚い協議会 だという思い出がいっぱいであります。今麦谷課長さんから2回の診療報酬改定という ことを言っていただきましたが、実は1回目というのは、私はその3月に、たしか公益 委員に任命されまして会長を仰せつかったわけでございますが、ほとんど勉強という か、知識もなかったわけでありますが、しかも、たしか2001年ですから、私はすぐ がんになりまして、9月、10月と、その年の診療報酬改定の勉強といいますか、議論 がたけなわのころに入院しておりまして、よれよれになって11月に出てきましたら、 1号側、2号側の皆さんから大変御丁重に扱っていただきました。そのときの診療報酬 は、御案内のように、マイナスの診療報酬改定でありました。今思い出すのですけれど も、当時の1号側の下村さん以下の皆さん、それから2号側の菅谷さん以下の皆さん、 実は、徹夜をしてでも議論するような大変な宿題を与えられたにもかかわらず、私が病 気上がりなものですから、大変、徹夜をしてまで議論しようということが一回もなかっ たのであります。議論も、極めてお互いに、私の主観なのですけれども、私をおもんぱ かってくださったような議論をして、ああいう結末に至らせていただいたと思います。 ただ、客観的には、当時の小泉総理の大変強力な指導力が実は大きかったのだと思いま すが、私にとっては、当時の皆さん方の、本当に友情というか、ヒューマニティーとい うか、そういう思いが非常に強かったわけであります。  中医協というのは、私にとってはある意味では鬼門だったわけであります。今日です から申し上げますと、米審と中医協の会長などはやるものではないというのが、私が若 いころから先輩から言い伝えられてきたことなのでありますが、私はその1回目の改定 が終わったときに、ああ中医協っていいところだな、こんなみんな友情というか、人間 性のあふれた人たちが集まって、しかもけんけんがくがく、行きたいところまで議論し ていく、こういう場というのは実にいい場だなというふうに思いました。  2回目は、もう今日御列席の方々いらっしゃるわけで、その前で言うとごますってい るように思ってしまうのですが、対馬さんはじめの1号側、それから当時は青柳さん、 櫻井さんたちの2号側、これはゼロ査定なのでございますが、実に忍耐強くお互いの意 見を言いながら結論まで持ってきていただきました。しかも、理論的な密度が大変濃か ったのではないかと私は思っております。これも実は総理から坂口大臣に、ともかくも 診療報酬の値上げ幅については決めてくれと、たしか御下問がありまして、坂口大臣が この会に参りまして、中医協でぜひ決めてくれというお声がかりがあったのが大変大き かったのだろうと思いますが、それにこたえて1号側、2号側、それから公益の皆さん が一緒になって何とかまとめようとしていただいたあの気持ちというのは、私にとって 一生忘れられません。  1号側の方も、実は被保険者側から、自分たちの納めている保険料が無駄に使われて いないかよく監視しているのかという監視を常に受けているわけでありますし、2号側 の委員の方々は、当然、ある時には徹夜してでも患者さんの面倒を見るお医者さん、あ るいは薬剤師の方々等々、背中に背負いながら、何とかここでそういう方々の御了解も 得ながら合意に達していこうというような御努力をされるわけで、私が務めておりまし た会長のような職よりは、はるかに厳しい職でいらっしゃると私は思っているわけであ ります。  本当にそういう中で、この中医協の現在、私は、大変科学的、しかもお互いの立場を わきまえながら、かといって自分の主張を曲げることのない、大変いい中医協になって いるのではないかというふうに思っております。  そこで、私自身、公益委員として一体何をかがみにしてここで議論に参加させていた だくかということにいろいろ思い悩みましたが、実は私の場合は、若いころといいます か、60ぐらいまでは専ら経済計画だとか、開発計画だとか、GNPというものにまつ わる、いかにGNPを大きくするか、それでそれによって物の生活がどう豊かになるか ということばかりやってきた男でありますが、どうも世の中そうではないのではないか というふうに思ったわけであります。GNPというのは、実は多分今日は戦争中子供だ ったのは私ぐらいだろうと思いますが、天皇制の時代の体制から戦後になりまして、戦 後の中で何をよすがにみんなが生きてきたかというと、実はGNPなのです。それで、 自分の生活、つまり電気洗濯機をはじめ、あるいは一平米でも家を広くしたいとか、そ ういうことを国民全体が願いながらGNPを大事にしてきたわけでありますが、もはや 時代が違ってきたのではないか。  私がこの中医協の公益委員の端の方を務めさせていただいたからというわけではなく て、実は健康保険というのは、本当は社会保障、貧乏人救済から始まったと思うので す。要するに、私どもが子供のころには、お父さんが病気になると、一家離散の憂き目 を見るわけであります。ところが、健康保険を先輩方がおつくりいただいたので、一家 離散というのがなくなってきた、非常にある意味では生活の底を維持したのだと思うの です。ところが、どうもこれからの時代を考えると、GNPにかわって多分健康という のが国民の目標になるのではないか。恐らく世界共通ですね。発展途上国でも、恐らく 先進国でも、健康というのが非常に大きなゴールといいますか、目標になっていくので はないかというふうに思うわけでありまして、健康をつかさどるということは、これか らの一番大きな価値になるように思うのであります。そう思いながら、実はここ何年 か、皆様の端くれで議論をさせていただいてまいりました。  このたびやめさせていただけることになりまして、私実は、なぜ今お許しを得たこと を喜んでいるかと申しますと、極めて率直に申し上げますと、これから診療報酬改定の 作業が、本当はもう、ちょっと遅いのでありますが、始まるわけであります。今のタイ ミングを逃したら、多分私の任期は11月だったと思いますが、11月だったら、次に 選ばれる会長さんが、恐らく指揮能力がないままになってしまうだろうということが非 常に心配でございまして、せいぜい今回の6月がぎりぎりいっぱい、今実態調査もやっ ていただいておりますし、それから、これから主要項目、本当は春に主要項目をやって おくことが必要だったと思いますが、いろいろの都合があって今にずれ込んでおります が、改定主要項目について早急に検討していかなければならないという時期でございま すので、今のタイミングが一番いいのではないかなというふうに事務方にもお考えいた だきまして、いろいろ御配慮いただいたということだと思っております。  私、今回こうやって皆様方に、この会議の上ではお別れすることになりますが、私は お一人お一人と本当に酒を酌み交わしたいぐらい皆さんが好きです。ひとつ、今後とも よろしく、どこにあっても御指導、あるいは友人としておつき合いいただければ大変あ りがたいと思います。  私は、健康というテーマをもって、健康というのがなぜ大事なのかというのを、もっ と自分が納得するように考えてみたいと思います。ちょうど老いてきましたので、老い と健康というものを考えるのにちょうどいい年齢になったのではないかと思いますの で、これからはそういうことを私のライフワークにしてみたいなと思いながら、今回の 中医協の経験を大事にさせていただきたいと思っております。  本当に、ありがとうございました。改めて御礼申し上げます。(拍手) ○事務局(麦谷医療課長)  星野会長、どうもありがとうございました。  それでは、星野会長はこれで御退出されます。 ○対馬委員  ちょっといいですか。  星野会長、本当に大変どうもありがとうございました。私ども委員の意見を本当に十 分聞いていただきまして、また、節目節目のときにはきっちり方向を示していただいた ということで、本当に感謝の念でいっぱいでございます。一委員としていささか出過ぎ てはおりますけれども、感謝の気持ちをお伝えしたいということです。本当にどうもあ りがとうございました。 ○松原委員  私ども昨年の6月から新執行部になりまして、この席に座らせていただいたわけでご ざいます。この1年、先生の御判断を見ていまして、まさに国民の皆様のことを考え、 国民の立場に立った公平、公正な判断をされていらっしゃることに対して、敬意を表す るとともに感謝を申し上げたいと思います。どうも本当にありがとうございました。 ○事務局(麦谷医療課長)  それでは、皆さん、どうもありがとうございました。  会長、どうもありがとうございました。 ○星野元会長  どうもありがとうございました。               〔星野元会長退出、拍手〕 ○事務局(麦谷医療課長)  それでは、星野会長が退任されましたので、新しい会長の選任まで、恒例によりまし て、中島審議官が議事の進行を行うこととさせていただきたいと思います。いかがでし ょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○事務局(麦谷医療課長)  それでは、中島審議官、お願いいたします。 ○中島審議官  新しい会長の選任までの議事進行につきましては、私の方で務めさせていただきたい と思います。よろしくお願いいたします。  それでは、ただいまより、第66回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  まず、委員の選任について御報告をさせていただきます。  6月11日付で、村田委員の後任として小林麻理委員が、星野委員の後任として室谷 千英委員が発令されております。なお、両委員からは、「自らが国家公務員であり、高 い倫理を保って行動する」旨の宣誓をいただいております。  それでは、小林委員及び室谷委員より、一言御挨拶をお願いしたいと思います。 ○小林委員  小林麻理でございます。早稲田大学政治経済学術院公共経営研究科で教育と研究に携 わっております。ただいま星野前会長から強いメッセージをいただきましたので、私も 心を引き締めてこの任務に取り組みたいと思っております。よろしくお願いいたしま す。 ○室谷委員  室谷千英と申します。現在、神奈川県立保健福祉大学の顧問をしておりますその前は 神奈川県に43年勤めておりまして、保健、医療に関して大変関心を持っておりました けれども、大変難しいこういう会議の委員を引き受けて、ちょっと身の引き締まる思い をしております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○中島審議官  次に、委員の出欠状況について報告をいたします。  本日は、青柳委員、松浦委員、櫻井委員及び針ヶ谷専門委員が御欠席であり、松浦委 員の代理として矢野さんが、櫻井委員の代理として伯井さんがお見えです。  また、小島委員は、30分遅れられるという連絡をいただいております。  なお、保険局長は、公務のため、欠席とさせていただいております。  次に、会長の選挙について議題としたいと思います。  社会保険医療協議会法第5条第1項の規定によりまして、中医協には、「公益を代表 する委員のうちから委員の選挙した会長一人を置く」こととされております。  会長につきましては、従来からの慣例で申し上げますと、1号側及び2号側の御意見 を伺った上で、御賛同が得られれば決めていくということになっております。今回もこ のような方法をとりたいと思いますが、いかがでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○中島審議官  どうもありがとうございました。  それでは、そのように進めさせていただきます。  まず、1号側の委員の方から御推薦をいただきたいと思いますが、いかがでしょう か。 ○対馬委員  公益の先生方は、どの先生方も皆様、人格、識見、専門性、いずれも秀でておられる 先生方ばかりでございますので、推薦と言われましてもちょっとというところがあるの ですけれども、いろいろな課題を抱えているということでございますので、もう大変御 経験も豊富でございますし、また、これまでの議論、経緯、すべて熟知されている土田 先生にお願いできたらなと、こういうふうに思いますけれども。 ○中島審議官  続きまして、2号側の委員、いかがでしょうか。 ○松原委員  私どもも、これまでの委員会のおさばきを見せていただきまして、卓越した指導力を 持っておられる土田先生にぜひお願いしたいと思っております。 ○中島審議官  どうもありがとうございました。  1号側、2号側ともに土田委員を御推薦いただいたわけですけれども、土田委員に会 長をお願いするということで、よろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○中島審議官  どうもありがとうございました。  それでは、土田委員に、中医協会長をお願いいたします。  土田会長より、一言御挨拶をお願いいたします。 ○土田会長  一言御挨拶を申し上げます。  私が中医協の委員になりましてから3年余りになりますが、その間、今退出されまし た星野会長の議事の進め方につきまして、毎回非常に心を打たれておりました。中で も、1号側、2号側の意見をよくよく聞きまして、また各委員の意見を十分に踏まえま して議論を進めていくというやり方、それからさらに、必要なときには見事な決断を下 していくという姿勢にも非常に感服しておりました。それから、星野会長の常日ごろお っしゃっていることは、素人にもわかる議論をしていきたいと、そしてまた、素人の方 でも納得できる結論を出していきたいということで、論理あるいはエビデンスというも のを非常に尊重しながら議論を進めていくという姿勢をそばで拝見しておりました。非 常に、なかなか真似のできないことだなというふうに日ごろ思っておりました。私は、 ただいま会長を拝命されましたが、基本的には星野会長のやり方というものを踏襲して まいりたいというふうに考えております。しかしながら、星野会長と私とは、あらゆる 面で到底力が及びませんので、皆様方にはいろいろと御迷惑をおかけすることが多いか と思いますが、何とぞよろしく御支援、御協力の方をお願いいたしたいと思います。  それで、ついででございますが、この機会に一つ二つ、ちょっと申し上げておきたい ことがございます。1つは、中医協での合意の形成ということについてでございます。 1号側及び2号側というのは、各関係団体の代表でございまして、その主張というもの は、当然ながら各関係団体の利害というものを反映したものであろうというふうに思い ます。そのことは何ら非難さるべきことではございませんで、当然の主張であろうとい うふうに思います。しかしながら、もう1つは、この中医協という場は診療報酬を決定 するという場でございます。したがいまして、単に議論を行うというだけではなくて、 そこで一定の合意を形成していくという役割を担っております。この、1号側、2号側 がこの場に会して議論し合うという、いわば当事者自治といいますか、日本では非常に 珍しいネオコーポラティズムの仕組みをとっていると思いますが、そういうやり方とい うのは極めて尊重すべき仕組みであろうというふうに私は考えております。そういう観 点からしますと、1号側、2号側とも、きちんと激しく行うと同時に、合意の形成とい うものに対して最大限の努力をしていただきたいというふうに考えております。  この場は、先ほど星野会長もおっしゃっておられましたが、公開されている場でござ いまして、ここでの議論、ここでの決定というのは国民が納得できるような形で精いっ ぱいやっていくという責務を担っている、そういう場であろうというふうに考えており ますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  合意というのは、言うまでもありませんが、当初の主張からしますと、お互いに譲り 合うということですから、当然ながら何らかの不満、あるいは非常に大きな不満かもし れませんが、不満を残しながらの合意ということにならざるを得ないわけで、これは1 号側、2号側ともそうですが、そこのところを、国民の視点あるいは患者さんの視点と いうことを十分にわきまえながら合意の形成に当たっていただきたい。そういうことに 関しまして、公益側も最大限の主張、あるいは最大限の判断というものをしていきたい というふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  それからもう1つですが、これは合意の形成にも関連いたしますけれども、何を基準 にしてこの議論を進めていくかということであります。ちょっと漠とした言い方になり ましたが、言いたいことを先に申し上げますと、国民皆保険体制というものは、やはり 維持すべきものであろうということであります。ちょっと話が飛んだかもしれません が、つまり、国民皆保険というのは、国民のすべてが何らかの医療保険に加入している ということだけではございません。産業あるいは職業の違い、あるいは地域や所得の違 いというものが医療の内容に反映しないということが国民皆保険の大事なポイントでご ざいまして、そういう公平性、どこにいても同じような十分な医療が受けられるという ことが非常に大事なことでございまして、そのために1961年以降、これまで多くの 努力を積み重ねて、それでそれなりの実績を上げてきたというふうに思います。  と同時に、もう1つは、国民皆保険で受けられる医療、つまり保険医療ですが、その 保険医療によって、すべてとは言いませんが、ほぼすべての病気が治癒できるという内 容を備えていくということが大事でございまして、よく戦前はそうでございましたが、 保険はある程度までで、それ以上は保険外の診療であるというようなことは、国民皆保 険という理念から考えますと、それは許されないことでございまして、できるだけ保険 医療ですべての病気が治っていくと、そういうことがやはり、国民が国民皆保険体制と いうものに対して信頼を寄せるという基盤になっていくであろうというふうに考えてお ります。  それはいずれもまだ理想でございますが、そういう理想に向かって、この中医協の場 も一歩ずつ進んでいきたいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いし たいと思います。  挨拶にかえさせていただきます。 ○中島審議官  どうもありがとうございました。  それでは、以後の議事は土田会長にお願いを申し上げたいと思います。よろしくお願 いいたします。 ○土田会長  それでは、引き続きまして議事の進行に入りたいと思います。  最初に、部会及び小委員会の委員構成について議題にしたいと思います。  ただいま小林委員及び室谷委員に御就任いただいたわけでございますが、お二人に は、薬価専門部会、保険医療材料専門部会、診療報酬基本問題小委員会及び調査実施小 委員会への所属をお願いしたいと思います。  また、これまで星野会長にお務めいただいてまいりました診療報酬基本問題小委員会 の小委員長につきましては、私が務めることにさせていただきたいと思います。それ で、私がこれまで務めてまいりました保険医療材料専門部会の部会長につきましては、 遠藤委員にお願いすることにしたいと思います。よろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。  それでは、次の議事に入らせていただきます。「先進医療の選定療養への追加」につ いて議題にしたいと思います。  本件につきましては、既に4月6日の総会におきまして、「先進医療への対応につい て」という形で了承をいただいておりますが、本日、厚生労働大臣より諮問がなされて おります。  事務局の方から、資料の説明をお願いしたいと思います。                  〔資料配付〕 ○事務局(麦谷医療課長)  今お手元に大臣の諮問書が配られているかと思いますので、しばらくお時間をいただ きたいと思います。  お手元に、大臣から土田会長あての諮問書が届いているかと思います。おわかりにく いということで、括弧書きで「先進医療の選定療養への追加について」という副題がつ いておりますが、本日付で出された諮問書でございます。  めくっていただきますと、これは諮問書でございますので、要するに、健康保険法第 六十三条第二項の規定に基づき厚生労働大臣の定める療養に追加するという改正案でご ざいます。これは健康保険法と老人保健法が2枚ついているだけでございます。  非常にわかりにくい構成かと思いますので、中医協の資料総−2−1をまずごらんく ださい。「先進医療技術に係る特定療養費制度の改正について」ということで、今の諮 問書の内容をそこにちょっとわかりやすく書きました。  「改正内容」のところをごらんください。「別に厚生労働大臣が定める先進医療を、 医療技術ごとに別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合する保険医療機関等において 実施する場合に、特定療養費制度の対象として保険診療との併用を認める。」というこ とで、これで、高度でない技術を健康保険の療養費と併用して認める仕組みになりま す。  では、どうしてこれを選定療養に追加するのかという御疑問があろうかと思いますの で、そのために、中医協総−2−2という資料を用意させていただきました。これを御 参照いただきたいと思います。  最初の丸でございますが、この先進医療技術につきましては、平成17年4月27日 の中医協総会におきまして、保険給付との併用ができるように、医療技術ごとに医療機 関に求められる一定の要件を設定して、該当する医療機関は届出により実施可能な仕組 みを設けるとされております。これに、本年夏までを目途に実現するということが合意 されておりますので、夏までにこれを行うには、現行法の枠の中でやらなければいけな いという一つの命題がございます。  したがって、現行法の枠の中でやるとしますと、次の丸でございますが、現在、健康 保険法で特定療養費として規定しているものは、俗に言いますと、特定療養費には2種 類あって、高度先進医療と選定療養と言われておりますが、実は、健康保険法の規定は そこに書いてございます。特定療養費の支給は、高度の医療を提供するもの、すなわち 高度先進医療でございます。高度の医療を提供するものとして厚生労働大臣の承認を受 けた特定承認保険医療機関における療養、これは高度先進医療です。それともう1つ、 特定承認保険医療機関以外の保険医療機関等における選定療養と、健康保険法はこのよ うに規定をしておりまして、わかりやすく高度先進と選定療養と言っているのですが、 実際は書き方は、特定承認保険医療機関で実施する医療と特定承認保険医療機関以外で 実施する医療と、こういう分け方にしかなっておりません。したがって、現行法上対応 するとなると、高度ではない先進医療技術をあらゆる保険医療機関で実施するようにで きるには、2番目の黒ぽつ、選定療養しか選択肢はありません。したがって、今回、選 定療養への追加ということで諮問をさせていただいております。  今お話し申し上げたのが3つ目の丸までで、最後の丸でございますが、ただ、こうし た先進医療の技術につきましては、将来的な保険導入のための評価を行うものであった ではないかということで指摘をされておりました。これは平成18年の通常国会に提出 が予定されています医療保険制度全般にわたる改革法案、これは健康保険法も含めてで ございますが、そのような中で法律を改正するときにきちんと位置づけようと思ってお ります。つまり、現在の選定療養の追加というのは、ある意味では一時的な措置という ふうにお考えいただきたいと思います。  それで、選定療養にどのように追加されるかというのを、1ページめくっていただき まして、これが選定療養でございまして、今まで14項目ございます。一番最初のとき に始まった差額ベッドから合金の歯、以下ずっと追加されておりまして、今回新たに 15番目として、「一定の要件を満たした医療機関における先進医療」ということで追 加をさせていただきたいというのが諮問書の内容でございます。  あと資料といたしまして、中医協総−2−3、これは既に何回もお出しした資料で、 中医協の番号が3つついてございますが、先進医療技術の内容でございます。これは既 に説明し、また供覧した資料でございますので、御参考までにつけさせていただきまし た。  以上です。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして何か御質問などございましたら、どうぞ。 ○松原委員  今回のこの選定療養へ先進医療を入れるという件につきましては、あくまでも現行法 の中で対応しなければならないという条件の下で考えたということを確認したいと思い ます。すなわち、選定療養の在り方についていろいろと議論があったわけでございます が、今回のこの先進医療につきましては、あくまでも将来的、できれば早く保険に導入 するための仕組みであるということが一番大事な点でございますので、そのあたりを確 認しておきたいと思います。 ○事務局(麦谷医療課長)  松原委員の御指摘のとおりでございまして、これは18年の法律改正のときにもう一 度御議論いただきたいと思っております。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、ほかに御質問などございませんようでしたら、引き続いて答申を行うこと にしたいと思います。いかがでしょうか、よろしいですか。  それでは、公益委員におきまして答申書案を検討したいと思いますので、しばらく休 憩にしたいと思います。                  〔暫時休憩〕 ○土田会長  それでは、ただいまから総会を再開いたします。  答申書案を配付してください。                  〔資料配付〕 ○土田会長  よろしいでしょうか。  それでは、事務局の方から答申書案を朗読してください。 ○事務局(水谷補佐)  朗読させていただきます。                    答申書            (先進医療の選定療養への追加について)    平成17年6月15日付け厚生労働省発保第0615001号をもって諮問のあ   った件については、諮問のとおり改正することを了承する。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  この審議に当たりましては、松原委員の方から先ほど発言がございましたが、これは 議事録の方に記させていただくということで、答申書の方には特に附帯意見はつけませ んでした。よろしいですね。 ○松原委員  はい。 ○土田会長  どうもありがとうございます。  それでは、これから中島審議官に答申書を手渡したいと思います。             〔会長から中島審議官へ答申書手交〕 ○土田会長  それでは次に、医療機器の保険適用につきまして議題としたいと思います。  区分A2及びBにつきまして、事務局から報告をお願いします。 ○事務局(福田企画官)  それでは、お手元の中医協総−3−1の資料をごらんいただきたいと思います。6月 1日より新たに保険適用となりました区分A2及び区分Bの医療機器につきまして御報 告をさせていただきます。  まず、医科についてでございます。1ページでございますけれども、区分A2は、頭 のところに書いてございますように、特定の診療報酬項目におきまして包括的に評価が されているものでございます。1ページにお示しをいたしてございますように、今回1 1件が新たに保険適用となってございます。  続いて、資料の2ページをごらんいただきたいと思います。区分Bでございますが、 区分Bは、材料価格が個別に設定をされ評価がされているものでございます。2ページ と、それから3ページまでわたってございますけれども、今回合計25件でございま す。  次に歯科でございますが、今回はいずれも該当するものがございません。  以上、今回、合計が36件でございます。  続きまして、お手元の資料の中医協総−3−2をごらんいただきたいと思います。前 回、A2、Bにつきまして御報告をさせていただきましたときに、それぞれの特定保険 医療材料で、機能区分ごとに見たときに同じ大きな分野の中に位置づけられている機能 区分のものであるにもかかわらず、価格といいましょうか、設定されている価格に随分 違いがあるものが幾つか見られるということで、それについてもう少し具体的にわかり やすく説明をしてほしいという御要望がございました。今回、お手元にお示しいたしま す資料、これを例といたしまして、どういった状況になっているのかということを、ち ょっと具体例を用いて御説明をさせていただきたいと思います。  1ページのところでございますが、特定保険医療材料につきましては、大きく分野と いう形で、ここでいいますと体外式のペースメーカ用カテーテル電極、ペースメーカで 体外式で行うカテーテルの電極という1つの大きなくくりがございます。そのくくりの 中に、構造でございますとか使用目的や医療上の効能でございますとか効果、そういっ たものから見て類似性の高いものを1つのグルーピングにいたしまして、これを機能区 分というふうに呼んでございます。材料の価格を設定をする際には、この機能区分ごと に償還価格が定められていると、そういう仕組みになってございます。今回御報告いた しました36件の中に、体外式のペースメーカ用カテーテルというものがございますの で、今回はその例を用いて御説明をさせていただきたいというものでございます。  この、体外式ペースメーカ用のカテーテル電極につきましては、1ページのところで ごらんいただきますと、真ん中の段のところに(1)から(5)まで、一時ペーシング型とか 心臓電気生理学的検査機能付加型・標準型とかいうような形でそれぞれ振られているわ けでございますが、これが体外式のペースメーカ用カテーテル電極という分野の中にお ける機能区分ということになります。機能区分についてはここに振られている(1)から (5)の機能区分があるということでございます。その横のところに、それぞれの償還価 格、(1)の一時ペーシング型については3万2,100円、一番下に参りまして、(5)の 心臓電気生理学的検査機能付加型・心房内・心室内全域型、これになりますと46万 5,000円と、こういうような償還価格になっていると。  では、なぜそういう形なのかというふうに申しますと、簡単に申し上げますと、(1) の一時ペーシング型というのは、このカテーテルが一時的なペーシング機能、不整脈が 起こったときにその脈を治すと、そのためのペースメーカ的なペーシング機能だけを有 すると、そういうカテーテル電極であるということでございます。  ただ今度、その下の(2)の方に入ってまいりますと、このカテーテル電極はいずれに しても心臓の中側の方に入っていっているわけでございますので、ただ単にペーシング をするだけではもったいないということでございまして、あわせて、どうしてそういう 不整脈が起こっているのか、そういった原因というものを検査する機能をカテーテルに くっつけたと、そういたしますと、この(2)のところ以下になってくるということでご ざいます。  (2)、(3)、(4)、(5)というのは、その検査機能がどういったところに向いているもの であって、どのくらいその精密な検査ができるのかというようなところで区分がされて おりまして、具体的には、センサーが幾つあるのかというようなところが一つの指標に なっているということでございます。こういったいわゆる電極数がたくさんになってま いりますと、短時間で効率的な検査ができるということで、価格は上がりますけれど も、一方では効率化とか正確性というようなものが図られるという、そういったメリッ トもあるということでございます。  さらに(5)に行きますと、検査機能が付加されるだけではなくて、磁気センサーとい うものがこのカテーテルの中に入ってございまして、これはどういうふうに使われるか といいますと、磁気が中に入っていまして、そこで磁場の強さというものを分析するこ とによって、カテーテルの位置とかが心臓のどの位置にあるかというのを磁気センサー を使って把握をすることができると、そういった付加的な機能を持っているということ で、体外式のペースメーカのカテーテル、それ自体は原則として細い線なのでございま すが、それにさまざまな機能が付加されることによって償還価格も変わってきていると いうことでございます。  具体的には、2ページ、3ページをごらんいただきますと、それぞれのカテーテルに ついておおよそこんなものというような形の図もお示しをしてございます。現物そのも のではないので、必ずしもこれで全体のイメージを正確に受け取っていただけるかどう かというところはなかなか難しいわけでございますが、こういったようなさまざまな形 なり、そこにいろいろな電極もつくなりしてこのような形になっているということでご ざいます。  今回は、ペースメーカのカテーテル電極というものがその報告内容にございましたの で、それを用いまして、簡単ではございますけれども、機能区分の中でどのような形で 機能というものをベースにした償還価格というものが決められてきているのかというこ とを例として御説明をさせていただきました。  事務局からの説明は、以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして何か御質問などございましたら、どうぞ。  よろしいですか。  それでは、ただいまのことにつきましては承認するということで進めさせていただき たいと思います。  それでは次に、「簡素化対象技術として承認申請のあった高度先進医療」につきまし て事務局から説明をお願いします。 ○事務局(麦谷医療課長)  中医協総−4の資料をごらんください。高度先進医療の枠組みの中で、簡素化技術と してリストアップされたものは20ございます。その1番目のインプラント義歯、これ に関しての申請が1件ございました。日本大学松戸歯学部附属歯科病院からでございま すが、これは既に簡素化技術対象でございますので、このまま承認したいと思います。 よろしくお願いいたします。 ○土田会長  ただいまの説明につきまして御質問などがございましたら、どうぞお願いします。  よろしいですか。どうもありがとうございました。  最後に、今年は次期診療報酬改定を行う年でもありますので、そうした観点も含めま して今後の検討の進め方について議論をしたいと思います。  最初に、事務局より資料が出されておりますので、その説明をお願いしたいと思いま す。 ○事務局(麦谷医療課長)  中医協総−5の資料、この後にまた資料1、2、3、4とついてございますので、ち ょっとたくさんございますが、ごらんいただきたいと思います。これは、どのような資 料がついているかというのを、まず総−5の一枚紙でごらんいただきたいと思います。 資料1が、15年3月に閣議決定されました診療報酬改定に当たっての基本方針でござ います。資料2が、平成16年度に診療報酬改定がされたときの中医協の基本方針。資 料3が、15年12月に改定を行ったときの中医協の審議報告。最後に資料4が、16 年2月に実際に16年の診療報酬改定を行ったときの会長から大臣への答申書、もちろ ん写しでございますが、それをつけてございます。  簡単に各資料を御説明申し上げます。まず、資料1でございますが、詳細は中をごら んいただきたいと思いますが、閣議決定のうち、例えば2ページをごらんください。診 療報酬点数改定というのがどのような基本的な方向で行うかということで、「2 基本 的な方向」というところに、診療報酬体系については、(1)ドクターフィー的要素、(2) ホスピタルフィー的要素、(3)患者の視点と、こういったことを重視しながら基本的な 考え方に立って見直しを進めるというふうに閣議で決定されております。  それを受けまして資料2でございますが、資料2は、「平成16年度診療報酬改定の 基本方針」、これは中医協了解でございますが、ここにも全く同じように医療技術の適 正な評価としてのドクターフィー、それから医療機関のコストの適切な反映としてのホ スピタルフィー、それから患者の視点の重視といった基本戦略を土台にして、1番が技 術、それから2ページ目の2番が医療機関のコスト、ホスピタルフィーです。それか ら、めくっていただきまして4ページ目が患者の視点と、先ほど閣議での基本的な方向 性にのっとってこのような案が具体的にそれぞれの大項目の下につくられているという のを御理解いただきたいと思います。  以上が資料2でございますが、実はこの資料2は非常にたくさん書いてございます が、この16年の改定のときに実現したものと、当然実現していないものとございます ので、当然その実現したものの進捗状況、あるいは実現していないものをどう扱うかと いったようなことがこれからの御議論になろうかと考えております。  資料3でございますが、実際に平成16年の診療報酬改定に際して、中医協が了解と して行ったものでございまして、1が診療報酬改定の審議の内容でございます。次期診 療報酬改定に当たっては、というのは16年ですが、フリーアクセスを原則としつつ国 民皆保険体制を持続可能なものとし、患者中心の質がよく安心できる効率的な医療を確 立するという基本的考え方に立って、先ほど御紹介した基本方針に沿って、合理的でメ リハリのついたものを目指すというようなことが書かれてございます。  それから、薬価及び特定保険医療材料価格改定につきましても、このような内容の下 に改定を行ったというのが資料3でございます。  資料4は、実際に改定が行われました答申書でございます。これは答申書でございま すので、答申はこのとおりでございますが、「答申に当たっての本協議会の意見」とい うのが別添でつけてございまして、1枚めくっていただきますと、別添で1番から9番 までございます。これが16年改定のときの附帯意見として中医協から大臣あてに出さ れた意見でございまして、この9項目がある意味では今後検討すべきことであるという ふうに残って、今後検討すべきであると合意をされているという事項でございます。こ ういうものが今後の議論の土台になろうかと思います。  以上が資料の説明でございますが、一方、既に中医協で何回か御報告させていただい ておりますが、中医協の在り方に関する有識者会議というのが別途ございます。これの 会議の中で、こういった基本的な医療政策の審議につきましては、厚生労働大臣の下に ほかの諮問機関があるではないかと言われております。例えば社会保障審議会の医療保 険部会、これは医療保険本体ですね、それから医療部会、医療部会というのは、例えば 医療計画そのものですね、そういったところで、もう少し大まかな基本政策を議論して いただいて、そこから出てきた基本政策あるいは基本方針の枠内で診療報酬点数を議論 してはどうかというような議論が進んでおります。これはまだ結論が出ておりません が、仮にそのような基本的な流れになった場合、その場合には厚生労働大臣の下におけ るほかの諮問機関において策定された基本方針に基づき診療報酬点数の改正の調査ある いは審議を行っていただくようなことになろうかと思います。当面は16年の改定のと きに既に附帯意見がございますので、こういったことを踏まえて、中医協で実際の診療 報酬点数改定はどうなるのかといった御議論を先行して、あるいは準備のために進めて おいていただけるのは、これは当然だと思いますので、今日そのような資料をまとめて 提出させていただきました。  以上です。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの事務局の説明を踏まえて、今後どのような形で検討を進めてい くかということにつきまして、どうぞ御自由に御議論いただければと思います。 ○勝村委員  最初に質問をお願いしたいのですけれども、資料2なのですけれども、今の御説明で は、平成16年度の改定の前に基本方針として出されているのが資料2ということです が、それが16年度の改定の際に、実現できたものとできなかったものがあるというお 話でしたので、ちょっと私ども、そのあたり詳しくないという点もありますので、どの 点が改定に反映できた、どの点が反映できなかったということをちょっとわかりやすく まとめていただけないものかということと、さらにまた、反映できたというふうに考え ておられたものが、実際にそれが本当に問題を解決するに効果を発揮しているのかとい う検証も必要かと思いますので、その点もコメントを踏まえて、もしまとめていただく ことが可能ならば、まずお願いできないかと思います。 ○事務局(麦谷医療課長)  資料はまた準備いたしますが、例えば一つの例を申し上げますと、今勝村委員から御 指摘の資料2でございますけれども、この中で例えば、2ページの2の真ん中ごろ、 「(2) 慢性期入院医療」という項目がございます。丸が3つございますが、一番最後 の丸、「慢性期の入院医療について、調査に基づき、患者特性に応じた包括評価につい て検討する。」。これは16年の診療報酬改定では全くできておりません。この調査も 実は今まだやっておりまして、この調査結果は、もちろん近々に出ますが、その調査に 基づいて患者特性に応じた包括評価というのは今後の課題と、やるかやらないかは別で すが、今後の課題ということになっておりまして、これは解決しておりません。 それからDPCそのものも、この間から御議論いただいたように、完成したものではあ りませんので、引き続き検討するということです。それから、一方、後半で言われまし た亜急性の回復の、例えば回復期リハビリテーション病棟は設けさせていただきました が、その評価については今後やらなければいけないと思っております。そういったもの をちょっと整理をいたしますが、例えば私ども事務局が勝手に終わったと思っていて も、必ずしも終わっていないという1号側、2号側の御意見もあろうかと思いますの で、一つのたたき台として資料は作ってみたいと思います。 ○小島委員  すみません、遅れて申し訳ございません。  今勝村委員から指摘された点にかかわって、今後の検討課題ということになります。 昨年の10月27日の中医協全員懇談会の場で、中医協のこれからの見直しということ でまとめていただいたものの中に、2点ほど、ぜひここは実施してもらいたいという点 があります。それは、勝村委員が指摘されたように、前回、16年度診療報酬改定の結 果、それがどう実施されたかということの検証をする新たな部会を立ち上げるというこ とです。これは公益委員を中心にという、たしかそういう文章になっていたと思いま す。16年度の診療報酬改定の結果がどうなったかという検証はぜひ必要ではないかと いうことが、1つ。  もう1つは、同じ全員懇談会でまとめていただいたものの中の最後に、「国民の意見 を聴く機会」を設定するという項目が入っております。ぜひ、そういう国民の意見を聞 くような機会を設けるというようなことも含めて今後検討いただければと思います。  さらに、ついでにといいますか、16年の診療報酬改定に伴う答申で、最後の資料4 の「写」についてです。これの2枚目の附帯意見の中でも指摘をされておりますけれど も、3項目めに、「慢性期入院医療について」ということで、「介護保険制度・介護報 酬との整合性も図りつつ、引き続き、検討」とあります。これは来年度が初めて介護報 酬の見直しと診療報酬改定時期が同じになるということもありますので、ぜひそこは具 体的な形で、今回その整合性を図るということは、ぜひ検討すべき課題だと思っており ます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ほかに御意見ございますでしょうか。 ○対馬委員  個別の問題はもちろんあるのですけれども、全体観として、これまで決めてきたこと はここに載っているのですけれども、今回の改定がどういう位置づけの中でなされるか という基本のところがあると思うのです。これまで決めてきたその延長線上、もしくは そのレールの上に乗っかっていってやっていけば、大変は大変なりに2年に一遍の改定 がいけるのかと、どうもそうではないのではないかという感じもあるのです。今もちょ っとお話がありましたけれども、介護報酬との同時改定の問題もありますし、あと医療 課長の方から話がありましたけれども、在り方そのもの、我々が議論する土台のところ が議論されていますので、それをどういうふうに持っていくかといったところがありま すし、また、調査専門組織で精力的な御議論はいただいてはいるのですけれども、DP Cの問題もまた後ほど議論になると思うのですけれども、そういったものがどんどん出 てくるわけです。そういうのがありますし、また、ここには出てきませんでしたけれど も、薬価の問題についても、先般、全面的にちょっと見直そうではないかと、こういう 話もあるわけですね。もっと言いますと、療養の給付と直接関係のないサービスという ことにつきましても、あれを個別に議論していくというのはなかなか大変だなと。た だ、しかし、一方ではそれもやはり大変国民に身近でもありますし、やらなくてはいけ ないよねと。こういうことからいきますと、大変危惧されるのは、やはり本当に最終的 にまとめ切れるのかどうかといったところが非常に大きな危機感もありますし、問題意 識なわけです。  そうした中で、これまではこうでしたということだけでは、やはりちょっと危ないの ではないかなと。相当、スケジュール感覚、全体の、まだなかなか難しいかもしれませ んけれども、いつぐらいまでにはこれをやるのだと、いつぐらいまではこれをやってい くのだという、節目節目ごとのある種のマクロの認識を、1号側、2号側、公益委員の 先生方を含めて共有すべきだというふうに思いますし、そういう中において、場合によ っては、本当はすべてやりたいのはやまやまなのだけれども、節目節目ごとにはある種 の集中審議も当然やっていくのですけれども、メリハリをつけて、例えば重点化を図る とか、ないしは優先順位づけをしなくてはいけないのではないかと、こういう非常に危 機感を持っていますので、従来の資料が淡々とこう出されて、淡々とこう説明されます と、逆に本当に大丈夫かなというところもございますので、そのあたりは、今回初めだ ということでの御説明だとは思いますけれども、いずれそういうスケジュール感覚な り、何を本当に議論していくのだというところを詰めてお出しいただきたいなと、こう いうふうに思います。 ○土田会長  ありがとうございました。  ほかに御意見ございましたら、どうぞ。 ○勝村委員  ここの4つある資料に書かれてある以外に、今後の検討の進め方ということですの で、私としては、ぜひ早急に絶対に実現していただきたいなと、そのために至急検討を 始めていただきたいなと思う点が3点ありますので、この機会にお願いできればと思い ます。  1点目は、産科医療に関することです。私自身が、子供を陣痛促進剤の被害で失って おるわけですけれども、その経験がきっかけで、さまざまな医療事故、薬害の人たちと ともに、医療被害を患者の立場からなくしていけないかということで、いろいろ考えて きておったところなのですけれども、5月の末ですか、先月ですけれども、関西の方で は同じ日に、どちらも新聞の1面ですけれども、大きなニュースが二つ載っておりま す。1つは、大阪府内の大きな自治体の病院から産科がどんどんなくなっていっている という記事。もう1つは、大阪のベッドタウンであります三重県の名張市というところ から小児科医がいなくなってしまったという記事です。地域の不安が訴えられているわ けで、これから子供たちをどう守っていくのかということです。医療というのが、都会 の中でも小児や産科が非常に過疎になってしまっており、小児科、産科の医療が、きち んと確保されていないというような現状が報道されているわけです。  一方で、例えば陣痛促進剤、子宮収縮剤の事故に関しては、30年以上前の1974 年の段階から、すべての産科の医師に対しては、医学的に必要のない子宮収縮剤、陣痛 促進剤の投与によって胎児死亡、胎児仮死、重度の脳性麻痺、子宮破裂、母親死亡が続 発しているということが毎年のようにくり返し配布されているのは御存じのところかと 思うのですけれども、そういう中で、現に出産時の母親死亡率というのは、先進国の中 で日本は非常に高いということも従来言われてきているということがあります。  その問題の背景として、中医協に関することで非常に大きな問題があるのではないか と思うのは、私たちからすれば、24時間、産科というのは、救急と同じでいつ出産が 始まるかもしれない、それでもきちんとフォローしてほしいと、非常に危険なこともあ るかもしれないという中でやってほしいのですけれども、どうも医療機関のサイドから 見ますと、そういう本当の患者のニーズにきちんと対応すると医師が過労死をしてしま うのだとか、または収入が入らないから病院がつぶれてしまうのだみたいな声はいろい ろな医療者から私は聞いているところであるわけです。逆に、今少子化と言って、日本 では1日当たり約3,000人子供が生まれていますが、陣痛促進剤の乱用によって、 現に例えば火曜日の出生数は日曜日よりずっと1,000人以上多くなっているわけで すけれども、そういうふうに平日の昼間に誘導して夜間の人件費を削減し、または、子 宮収縮剤を使っているときには、必要のない場合でも必ず微弱陣痛という病名をつけて レセプト請求しているような例が裁判などで明らかになっているわけですけれども、そ ういうことをしていくと、そういう医療機関は収入が非常に高いと。つまり、一生懸命 やろうとしているところが収入が入らない。患者からしたら、こんな産科医療、もうう んざりだというようなことをしている医療機関にたくさん収入が入っていると。こうい うところが患者にしてみたらば不本意な医療であったり、必要な医療がなくなっていく ことにつながっていったり、または、不本意な医療のきわみが医療事故だと私は思って おりますので、そういう意味で、至急にその辺を改善していくような策を本気で考えな いと、少子化の時代に、これからの日本ということを考えて、非常に心配なのではない か。そういうことの実現のために中医協の診療報酬の考え方というのは非常に大きい影 響力を持っていると思っております。具体的なことを今日は議論する段階ではないと思 いますけれども、産科医療の充実、これからの子供たちを無事に出産していくためにで きることを至急考えていただきたい。  2点目なのですけれども、同様に、小児科の問題はここの資料にもたくさん書かれて いるところですが、最近、昨年末に、私はたまたま尿路結石で救急車に乗ったのです が、私は奈良市に隣接する小さな町に住んでおるのですけれども、奈良市に大きな病院 がいっぱいあるのですが、救急車はすぐに来てくれましたけれども、結局たらい回しで どこにも受け入れてもらえず、救急車の隊員からは、そこから車で1時間ぐらいかかる 「京都市内まで行きますか」と聞かれてしまうようなことになりました。私は、「こん なことは多いのですか」と救急車の人に聞きますと、「特に小児では多いですね」と。 子供が本当に苦しんでいるときに、救急車はすぐに来るけれども、例えば奈良の市内だ ったら全部、結局たらい回しになってしまうのです。救急車の方たちも非常に心を痛め ておられるような話でしたけれども、結局どこも受け入れてもらえなくて、遠くの違う 都市まで運んでいくようなことがまだ行われている。一方で、小児科の医師たちも、非 常に過労が強いられているということもよく報道されているところですし、こういう現 状をいつまでも放置していて、ゆっくりと少しずつ改善していきますというような話で はないのではないかと思うわけです。これでもう大丈夫だと、これでもう日本の産科医 療、小児科医療は大丈夫だとだれもが思えるような大きな手だてを至急にしていただか なければいけないのではないかということを、ぜひお願いしたいということです。  3点目なのですけれども、「患者の視点の重視」ということが書かれておることを非 常にうれしく思っておるわけですけれども、それの具体策として先ほど厚労省がまとめ ていただいた医療安全対策の報告書などでも、患者自身もチーム医療の一員となってや っていくことが医療事故の対策に非常にいいのだという報告書をまとめていただいたこ とを、非常にうれしく思っているわけですけれども、その観点から考えますと、本当に 患者自身に医療の中身がもっと伝わっていかなければいけないということを思うわけで す。  先ほど、この中医協の方でまとめていただいたことだと思うのですけれども、外来で 持ち帰る薬に関しては、情報提供というのに点数をつけていただいた効果が非常にあら われて、患者は薬の副作用や薬の名前を覚えていくようになっていっているのですけれ ども、それが病院の中で受けた医療、点滴や注射などによる薬に関してはいまだによく わからない。陣痛促進剤の被害に関しても、私の子どもが被害に遭った市民病院では、 子宮口を柔らかくする薬ですとか、血管確保の目的で点滴をしますというせりふだけ で、実は知らない間に全員に子宮収縮剤を使っていた。だけど患者はそれを知るすべが ないのです。裁判になって初めてわかるというようなことになっていまして、病院の中 でなされた薬とか検査もきちんと具体的にわかるようになっていかないとだめだと思っ ております。  そのために、私は中医協の議論とそれをどう関連づけるかということでは、診療報酬 の単価、どれにどんな点数をつけるかということを決める場だと思うのですけれども、 その単価がどうなっているかというのが、国民や患者に知らされていない、そこが非常 に大きな問題だと思うわけです。にもかかわらず、国民の視点を重視するというのは具 体的にイメージができない。私は、至急まず議論の前提としてやっていただきたいの は、患者自身に単価がわかるというようなことをしていただきたい。診療報酬の単価を 収載した分厚い本があるではないかということですけれども、それを見ろということは とても言えないわけで、医療機関の側は、お金を請求する際にはその単価が幾らになっ ているかというのを見るのでしょうが、逆に患者側はお金を支払う際に単価が幾らなの かということを知るすべはないわけです。詳しい明細書を発行しているところでも小計 しか書いていませんから、どういう診療報酬の単価がつけられているかが全くわからな いというのが現状です。普通の国民からすると、お金を支払う際に明細がわからないの は医療費ぐらいなものであって、そういう状況を放置しておいて、国民の声を中医協に もっと反映させていこうと言っても、ちょっとそれは、本気でそう考えていただいてい るというふうに国民は思えないのではないかと。そして、そういうことがきちんと患者 に伝わっていくようなインセンティブみたいなものも中医協の場で検討することは十分 可能なのではないかと思っております。国民の個々の医療に対する価値観と、中医協が 診療報酬の単価としてつけている価値観を一致させることが、不本意な医療や医療事故 をなくすことにつながっていくと思いますので、そういうことをお願いできたらと思い ます。  ちょっと話が長くなってしまって恐縮です。以上3点、最初にお願いできればと思っ ております。 ○土田会長  どうもありがとうございました。 ○青木委員  今のお話ですが、最後の点の、患者さんの視点の重視ということで単価をできるだけ 知らせようということは、私どももそれは大賛成なことであります。ただ、多くの医療 機関において現在それは行われておると。ただ、なぜ単価がわからないのか。これは、 今の青本をはじめとするこの診療報酬体系というものがあまりにも細分化されて、玄人 ですらわからないというのが本当の状況に落ち込んでいるということの一番大きな原因 だろうと、私はそういうふうに考えます。  それから、最初の2つの産科医療それから小児科医療等の問題ですが、おっしゃるこ と、これはそのとおりでありますし、よくわかる話でありますが、中医協の在り方を検 討する有識者の会議等のおっしゃることは、そして、今までこの会が持ってきた性格と いうのは、そういうものは医療部会なり医療保険部会、そして、その下部組織であるい ろいろな検討会とか委員会、そういうところで現在も検討されておりますし、検討する べき問題であります。ですから、私どもが仕事をしなければならないのは、対馬委員が 先ほどおっしゃっていただいたと私は思うのですが、そういうところに乗っかって、こ れをどう考えていくかということだと思います。  それで、医療機関は多くの場合には一生懸命やっております。これは声を大きくして 申し上げたい。一生懸命やっておるわけですが、コストがついてこないというのが、今 のこの何年かの日本の医療の現状なのです。私どもは、そういう観点を非常に大きく持 っておりますから、そのように御承知をいただければと思います。  以上です。 ○土田会長  ありがとうございました。  ほかに。 ○勝村委員  ちょっと賛同をいただけたようでうれしく思いますが、私の話にちょっと誤解があっ たのかもしれませんけれども、多くの医療者が一生懸命やっておるということを私はわ かっていないのではなくて、逆にそういう方たちとの交流も非常にたくさんあるところ です。最後に青木委員さんがおっしゃったように、そういうところにコストがついてこ ないところが問題なのだと。そこを議論する場がここなのであって、そういうことを議 論していくということができないのですかということを言ったのであって、現状がこう だから、今まではこういうことでこうしてきたし、という話をいくらしても、いつまで たっても変わらない。だから、そのような話はいつまでもやっている話ではないでしょ うと思うわけです。  至急に、僕はその点を、ごく普通の通常に一生懸命やられている医療者の方々の多く の人にとっては、本当は患者にはそうした方がいいよと思うけれども、そうしたら赤字 になってしまうからこういうことをしろと言わんばかりに背中を押されているような診 療報酬もあるのではないかと、僕は思うわけです。多くの人はそこを踏ん張ってくれて いるのですけれども、時々背中を押されて勢い余って患者を踏んでしまうようなこと も、それが医療事故になっているのではないか。それだったら、その一人一人の足の出 方を批判するよりも、背中を押している力をもっと健全にしていくことが、ごく普通の 医療者たちの願いでもあるし、普通の医療者の願いと医療被害者たちが思っている願い は、その点で非常に一致しているのではないかと。そういう思いで、こういう場でも、 縦割りだとか、今までがこうだったということを超えて、本当にすべての厚労省の審議 会が産科や小児科に関してできることを全部やっていっていただきたいというぐらいの 気持ちを私は持っているということで、お願いしたいと思っているわけです。 ○青木委員  現在、ちょうどいい時期だと思うのですが、内閣府の骨太の方針の素案が示されて、 6月20日ではっきりしたものができて、その後閣議決定だと。この中に、マクロ的な 指標で管理をしていくということが、盛り込まれるのか盛り込まれようとしておること は、御承知のことだと思うわけです。そこは、ある意味では医療費そのものをそこで規 定してくる、総額を規定するような形に近いわけですから、それに対して私どもが主張 しておること、厚労省が申されておること、これは一つ一つの医療行為にこれだけのお 金はかかるのだから、それを積み上げていったときにどうなるかということをもっと尊 重しなければいけないということを申し上げておるわけですから、私は勝村委員が今お っしゃっていただいたことは、今私の申したことと一致するというふうに考えていま す。ですから、そういうふうになっていただきたいとは思うのですが。 ○大島専門委員  今勝村委員の言われていることというのは、ある意味で国民の悲鳴のようなものだと 思うのです。産科の問題にしても、あるいは小児科の問題にしても、あるいは麻酔科の 問題にしても、いろいろなところで医療体制そのものが非常にきしみを上げているとい うことは、もう間違いないと思うのです。ところが、この中医協の場で何ができるかと いうと、基本的にはお金の問題をどう配分するかという議論が中心になるわけで、それ によって医療体制をお金の問題で完全に誘導できるかといったら、それは不可能です。 これはもう完全に不可能なわけで、そういう意味では、どれだけできるかということは 別にして、そういう視点を持ちながら議論をするというのは非常に重要だとは思います けれども、しかし、本質は全然別のところにあるということを十分に押さえた上で、勝 村委員の言われたように、国全体を挙げてどういう医療体制に持っていくのかと、医療 提供体制に持っていくかということを緊急課題として総合的にやっていくということが 必要だということを、この場で、中医協の中からも声を上げてゆくということに意味が あるのではないかなという感じがします。 ○土田会長  どうもありがとうございました。 ○勝村委員  もう一言だけと思うのですけれども、中医協ではその議論は無理だということです が、僕としてはそうではないのではないかと思っているので、この場でお願いしている ところなのです。具体的な話をしていかないとそのことをお伝えするのは難しいかと思 うのですけれども、僕としては中医協の中でそういうことはかなりできるのではないか ということを思っているわけです。今日はまだ具体的なことは言いませんけれども。  大切なことは、患者のニーズに合った、国民のニーズに合った医療をしているところ に収入がきちんと与えられることです。そういう国民のニーズに合った医療をしようと している人たちが過労死になるとか、非常に赤字で苦しむということがおかしいのであ って、現にでもそういうことが起こっているのではないかということは、私はいろいろ な医療者の方から逆に話を聞くところなので、そこを改善していくということです。い いかげんな医療をしているところにお金が行っているわけです。つまり、必要がないの に投与している陣痛促進剤に使っているお金を、夜間や救急の人手の方に回していくと いうことです。だから、総額を増やさなければいけないかどうかということとは全く別 の議論であって、不本意な医療の方にはお金が行っているのではないか、より一生懸命 やっていて、非常に赤字で苦しんでいる、過労に苦しんでいるところに、そうではない 方のお金を回していけないのかなということをお願いしたいということです。  ちょっと1点青木委員に質問なのですけれども、先ほど医療費の中身の単価は、多く の医療機関がもう知らせているところなのだというふうにちょっと聞こえたのですけれ ども、私としては、医療機関で詳しい明細書を出してくれているところでも、小計、つ まり初診料幾らとか検査料幾らしか示しておらず診療報酬の具体的な点数に値する本当 の額を知らせている医療機関は一つもないのではないかという認識なのですけれども、 患者の窓口でそれを渡している医療機関というのはあるのでしょうか。 ○青木委員  今おっしゃられた、初診料、再診療、検査料、手術料ですね、そういうものがこの場 で決められて、各医療機関が持っている、いわゆる「診療報酬点数表の解釈」という本 がありまして、それにのっとって項目ごとに、今おっしゃっていただいたのが全部載っ て、小計が出ていると、私はそういうことが御説明であると。 ○勝村委員  ちょっと誤解があったようですが、私が求めているのは、その点数表に載っている本 当の単価を直接国民に知らせていく必要があるということをお願いしたいというふうに 思っているわけです。だから、例えば現状では、投薬料幾らという小計しか載っていな いのですが、その投薬料の中に、なんという薬で単価がいくらかを記載してほしいとい うことです。つまり外来で持ち帰る薬ならば、今患者は全部薬名まで知り得るのですけ れども、病院の中で点滴の中に何が入っていたのか、しかもそれぞれの薬に、それぞれ の検査にどういう診療報酬がついているのかということを国民に知らせていくことなし に、国民の視点に立った議論をしようと言っても、ちょっとそれは国民の納得を得られ ないのではないかということです。そういうことを進めていくためのリーダーシップも この中医協の中でやれるのではないかということを検討課題としていただきたいという ことです。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  まだいろいろ議論があろうかと思いますが、第1回目のフリートーキングですので、 基本的には、先ほど対馬委員が発言されましたように、全体として今回の改定は何を重 点に置くかと。それと、タイムスケジュールがございますので、それを見ながら中身の ある議論を重ねていきたいというふうに考えております。  まだ、この後の基本小委がございますので、第1回目としてはこのぐらいで一応時間 にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。  それでは、本件につきましては、今日の意見を踏まえて事務局において資料を作成い ただいた上で、引き続き議論を重ねていくということにしたいと思います。  よろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。  それでは、本日の総会は、このあたりで終了にしたいと思います。  次回の日程について事務局から何かありますでしょうか。 ○事務局(麦谷医療課長)  6月中の中医協の開催日は、22日と29日の水曜日、午前中を予定しております。 なお、6月中、総会はございません。  以上です。 ○土田会長  それでは、本日はこれで閉会としたいと思います。  引き続いて診療報酬基本問題小委員会を開催いたしますが、準備が整うまで、しばら く時間を下さい。 【照会先】 厚生労働省保険局医療課企画法令第1係 代表 03−5253−1111(内線3288)