05/06/13 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事録(平成17年6月13日開催分)                薬事・食品衛生審議会                  食品衛生分科会                    議事録              厚生労働省医薬食品局食品安全部          薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 議事次第                    日時:平成17年6月13日(月)14:00〜15:58                    場所:三田共用会議所3F B〜E会議室 1.開会 2.挨拶 3.審議  議事:1 議題      (1)食品添加物の使用基準改正について      (2)食品に残留する農薬の残留基準の設定について      (3)「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の策定に伴う         栄養表示の見直しについて     2 報告事項      (1)食品に残留する農薬等に関するポジティブリスト制度の         導入について      (2)豚ボルデテラ感染症不活化・パスツレラ・ムルトシダトキソイド混合         (油症アジュバント加)ワクチンに係る食品中の残留基準の設定につ         いて      (3)特定保健用食品(規格基準型)の規格基準の設定について      (4)特定保健用食品に係る新開発食品調査部会の審議結果について      (5)BSE問題に関する事項について 4.閉会 ○事務局  それでは、委員の皆様方、おそろいになりましたので、ただいまから「薬事・食品衛 生審議会食品衛生分科会」を開催させていただきます。本日は、御多忙のところ御参集 いただき厚く御礼を申し上げます。  なお、政府では、地球温暖化防止対策等の観点から、6月1日〜9月30日を軽装期間 と定めまして、執務中の軽装を励行することとしております。このため、当分科会にお いても、ノーネクタイ・ノー上着等の軽装での御出席を御案内させていただいたところ でございます。御理解のほど、よろしくお願いいたします。  それでは、まず、本日6月13日付に新たに御就任いただきました委員の御紹介をさせ ていただきます。  独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長の渡邊昌委員でございます。 ○渡邊委員  渡邊です。よろしくお願いします。 ○事務局  また、清水実嗣委員につきましては、御退任される意向を示されており、現在手続中 であることを併せて御報告いたします。  続いて、本日の出欠状況について御報告させていただきます。  本日は、垣添委員、神田委員、熊谷委員、倉田委員、正田委員、土屋委員から欠席と の御連絡を事前に受けております。  現在の分科会員総数20名のうち、14名の御出席をいただいており、出席委員が過半数 に達しておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。  それでは、開催に当たりまして、松本参事官からごあいさつ申し上げます。 ○松本参事官  大臣官房参事官医薬食品担当の松本でございます。本日は大変お忙しいところ御参集 いただきまして、誠にありがとうございます。  本来であれば、食品安全部長があいさつ申し上げるところでございますけれども、国 会用務のために後ほど参りますので、私の方からあいさつをさせていただきます。  委員の先生方におかれましては、常日ごろから、それぞれのお立場から食品安全行政 の推進に御支援いただいていることにつきまして、この場を借りまして厚く御礼申し上 げます。  現在、食品を取り巻く環境は、BSE問題、残留農薬等に対するポジティブリスト制 の導入、添加物の指定、健康食品に関する制度の見直し等々、さまざまな問題が山積み しておりますが、国民の健康の保護を図るため、食品安全行政の一層の推進に鋭意取り 組んでまいりたいと存じますので、先生方の一層の御理解、御協力のほどをよろしくお 願い申し上げます。  本日は「(1)食品添加物の使用基準改正について」。  「(2)食品に残留する農薬の残留基準の設定について」。  「(3)『日本人の食事摂取基準(2005年版)』の策定に伴う栄養表示の見直しにつ いて」の3項目についての御審議をお願いしたいと考えております。  また、報告事項といたしまして「(1)食品に残留する農薬等に関するポジティブリ スト制度の導入について」。  「(2)豚ボルデテラ感染症不活化・パスツレラ・ムルトシダトキソイド混合(油症 アジュバント加)ワクチンに係る食品中の残留基準の設定について」。  「(3)特定保健用食品(規格基準型)の規格基準の設定について」。  「(4)特定保健用食品に係る新開発食品調査部会の審議結果について」。  最後に「(5)BSE問題に関する事項について」の5項目について報告させていた だきたいと考えております。  本日の分科会におきましても、限られた時間ではございますが、委員の先生方から貴 重な御意見等を賜り、食品安全行政のさらなる推進を図りたいと考えておりますので、 よろしくお願い申し上げます。 ○事務局  それでは、議事次第につきましては、先ほど参事官から御説明いただきましたが、御 審議いただく議題といたしましては。  「(1)食品添加物の使用基準改正について」。  「(2)食品に残留する農薬の残留基準の設定について」。  「(3)『日本人の食事摂取基準(2005年版)』の策定に伴う栄養表示の見直しにつ いて」の3題を予定しております。  具体的には、(1)につきましては、亜塩素酸ナトリウムの使用基準改正について。  (2)につきましては、農作物等に係る農薬クロチアニジンの残留基準の設定につい て。  (3)「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の策定に伴い、食品衛生法施行規則第 21条に規定する栄養機能食品の表示に関する基準を改正することについて、それぞれ御 審議をお願いしたいと考えております。  また、報告事項につきましては、開催通知には記載されておりませんでしたが、2点 増えて5点を御報告させていただきたいと思っております。  報告事項につきましては、議事次第の方に書いておりますので、御参照いただきたい と思います。  次に、配付資料の確認をさせていただきます。  配付資料につきましては、まず議事次第1枚を付けておりまして、その後ろに席図、 分科会の名簿、資料一覧の紙を付けさせていただいております。  資料につきましては、資料1−1から資料3−5まで振っておりますので、御確認い ただきたいと思います。  なお、その後ろに報告資料を付けさせていただいております。  もし、不足や落丁等がございましたら、事務局までお申し付けていただきますよう、 お願い申し上げます。  なお、本日資料が多くなっておりますので、会議終了後、お席の方に資料をお残しい ただければ、後ほど郵送させていただきますので、お願いいたします。  それでは、以後の進行につきましては、吉倉分科会長にお願いいたします。 ○吉倉分科会長  それでは、始めたいと思いますが、審議事項はそんなに多くないんですが、報告事項 がたくさんありまして、なるべく効率よくお願いします。  それでは、最初の「(1)食品添加物の使用基準改正について」、お願いします。 ○中垣課長  基準審査課長の中垣でございます。よろしくお願い申し上げます。  資料1−1から御説明申し上げます。  本日、お願いいたしますのは、食品添加物でございます亜塩素酸ナトリウムの使用基 準の改正についてでございます。  この亜塩素酸ナトリウムは、既に指定され、使われている添加物でございますが、こ の使用基準を改正して、かずのこを追加しようというものでございます。  資料1−1が「諮問書」でございまして、9月15日付で大臣から会長あてへ諮問され ております。  1ページめくっていただいて、資料1−2でございます。  「食品安全委員会」に既にリスク評価をお願いし、11月18日付で大臣あてへ結果をい ただいております。「亜塩素酸ナトリウムのADIを亜塩素酸イオンとして0.029mg/kg 体重/ 日と設定する」というのが「食品安全委員会」の結論でございます。  その内容について、3ページ以下で御説明申し上げます。  3ページの資料でございますが、「1 はじめに」のところでございます。  先ほど申し上げましたとおり、亜塩素酸ナトリウムは、我が国で既に添加物として指 定されている殺菌漂白剤だということで、現在、食品衛生法に基づく使用基準におい て、かんきつ類果皮、サクランボ、生食用野菜類、卵類などなどに一定の条件の下で使 用が認められているところでございます。  アメリカにおきましては、蓄肉・蓄肉製品あるいは水産物への使用が認められている ところでございます。  EUにおきましては、亜塩素酸ナトリウムについては使用が認められていないという 状況にございます。  このような背景におきまして、「3 使用基準改正の概要」を見ていただくとありが たいんですけれども、かずのこ、特に調味加工用味付けかずのこというふうに言われて いるようでございますけれども、この味付けかずのこについて、加工段階で特別な殺菌 処理をやることなく生産されているんですけれども、業者の方から亜塩素酸ナトリウム を使いたいというような要望があったことから、「食品安全委員会」にリスク評価をお 願いし、その結果を踏まえて「添加物部会」で御議論をいただいた上で、本日の分科会 という形になっているわけでございます。  11ページをごらんいただきたいと思います。11ページに「食品安全委員会」としての 評価結果のまとめが載っております。11ページの「9 評価結果」でございます。  亜塩素酸ナトリウムの各種動物試験データを評価した結果、本物質の摂取による最も 一般的で主要な影響というのは、酸化的ストレスによる赤血球の変化だと。また、特段 問題となるような遺伝毒性を有するとは考えられない。更に発がん性も認められない。 このようなことから、一番低い無毒性量としては、ラットの二世代繁殖試験の結果であ って、2.9mg/kg体重/ 日ということから、安全係数100 として、先ほど申し上げました ADIとして0.029mg/kg体重/ 日というのを決定したということでございます。  18ページをごらんいただきたいと思います。  この「食品安全委員会」のリスク評価結果を踏まえて、4月4日付でございますけれ ども、この分科会の下にございます「添加物部会」で御議論をいただいて、部会長の長 尾先生の名前で分科会長の吉倉先生に報告されたものが18ページ以下の文章でございま す。  19ページをごらんいただきたいと思いますが、「2.使用基準改正の概要」でござい ます。  塩かずのこは使う必要がないということでございますので、「カズノコの調味加工品 (塩カズノコを除く。)」という形になっておりますが、新たにかずのこの調味加工品 に使用できるようにする。「使用量は、1kgにつき0.50g 以下である」ということでご ざいます。  かずのこは、御存じのとおり、塩かずのこ、干しかずのこ、味付けかずのこのほか、 松前漬、山海漬などとして使われているようでございますけれども、今回の対象という のは、味付けかずのこ、松前漬あるいは山海漬等に使われるかずのこが対象となってま いるわけでございます。  「4.有効性」でございます。  「(1)食品添加物としての有効性」について、(1)として大腸菌群等への殺菌の効 果のデータが出されておりますし、20ページをごらんいただきますと、(2)として殺菌 工程中の濃度の変化。あるい(3)として、至適濃度の検討等が行われているところでご ざいます。  更に、21ページでございますが、この亜塩素酸は最終的に残存しないようにというよ うな使用基準があるわけでございまして、このものについてもその規定が係るわけでご ざいますけれども、その点についてどのような形で減っていくかということが21ページ の「(2)カズノコ中に残存する亜塩素酸塩について」ということで調べられていると ころでございます。  「(1)要請者による試験結果」として、水を替えるごとに亜塩素酸ナトリウムの残存 量が減少していって、32時間後には検出限界以下になる。21ページの下から3行目でご ざいますが、検査法について国立医薬品食品衛生研究所でも分析していただいて、それ に従って分析をしたんですけれども、それでも検出されないレベルに達したというとこ ろでございます。  22ページに、(2)として国立医薬品食品衛生研究所の添加物部の仕事が載っておりま すし、(3)でございますけれども、かずのこから、例えば松前漬ですと、松前漬の溶 液と申しますか、浸し汁と申しますか、そちらの方へ移行していくのではないかという ことで、移行についてのデータも議論していただいたところでございます。  このような検討を踏まえて、部会といたしましては、23ページの「7.使用基準案」 でございます。  「カズノコの調味加工品(塩カズノコを除く)」という規定を使用基準に設けて、更 に、その使用量はほかの生食用の野菜等と同じく、1kgにつき0.50g 以下。更に、使用 した亜塩素酸ナトリウムは、最終食品の完成前に分解、除去するというような規定で使 用基準を改正するということについて御了解いただいたところでございます。  この部会での御議論に従って、パブリック・コメント等を実施しております。26ペー ジをごらんいただきたいと思います。  26ページの資料が、パブリック・コメントをやった結果でございますけれども、国内 でのパブリック・コメントの結果、御意見等はいただいておりません。  同時に、WTO通報もやっているところでございまして、これは7月8日までの期限 でございます。現在のところ、意見は来ておりません。  そのような状況でございまして、本日御決定いただきたいのは、亜塩素酸ナトリウム の使用基準に調味加工品のかずのこを追加するかどうかについて、御決定をいただけれ ばありがたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  何か御意見・御質問ありますか。  長尾さん、何か付け加えることはありますか。 ○長尾(美)委員  特にありません。 ○吉倉分科会長  それでは、よろしくお願いいたします。  審議する内容は、この23ページの「7.使用基準案」のところの「改正案」です。 「カズノコの調味加工品(塩カズノコを除く)」という改正でよろしいかですけれど も、いかがですか。  これは、EUであれをしていないというのは、どういう理由ですか。 ○中垣課長  添加物の場合に、どこも業者からの申請に基づいて審査をするという仕組みになって おりまして、EUにおいて積極的な観点から使用を認めていないというようなことは聞 いておりません。恐らくは申請がないというようなことが反映されているんだろうとい うふうに考えております。 ○吉倉分科会長  それでは、この23ページの「改正案」のところは、これでよろしいですか。                (「はい」と声あり) ○吉倉分科会長  それでは、こういうことで、この使用基準案を承認でしたか。 ○中垣課長  了解いただいたということでよろしいんだろうと思いますが、先ほど御報告いたしま したように、WTO通報がまだ切れておりませんので、WTO通報の結果を改めて各委 員に送付して、もう一度分科会を開催するかどうかを御判断いただいた上で、最終的な 御答申をいただきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  それでは、そういうことで今後処理したいと思います。  それでは、次をお願いします。 ○中垣課長  次が、資料2−1をごらんいただきたいと思います。クロチアニジンという農薬の残 留基準の設定についてでございます。  資料2−1が、12月9日付の大臣から審議会の会長あての諮問書でございます。  1枚めくっていただいて、3ページ、資料2−2でございますけれども、このものに つきましても、あらかじめ「食品安全委員会」にリスク評価をお願いいたしておりまし て、この3ページの資料2−2が「食品安全委員会」の委員長から大臣あてのリスク評 価の結果の通知でございまして、1月27日付で「クロチアニジンの一日摂取許容量を 0.097mg/kg体重/ 日と設定する」という旨の御回答をいただいております。  その内容について、少し説明したいと思います。10ページをごらんいただきたいと思 います。  10ページ、1でございますが、このクロチアニジンというのは殺虫剤でございます。  構造式、分子量等はここにあるとおりでございまして、「7.開発の経緯」をごらん いただきたいと思います。  1988年に、日本の武田薬品工業が合成をし発見したネオニコチノイド系化合物と言わ れる種類の殺虫剤だということでございまして、国内では2002年4月に農薬取締法に基 づく登録がされました。2004年7月現在で、我が国のほか、アメリカ、イギリス等で農 薬として登録、販売がされているというところでございます。  動物試験の結果あるいは作物残留試験の結果がまとめられているところでございます が、総体的には27ページにまとめがございますので、こちらで御説明をしたいと思いま す。  27ページ、「III .総合評価」として「食品安全委員会」におけるクロチアニジンの 評価結果がまとめられております。  最初のパラグラフが、動物体内運命試験。2番目が植物体内運命試験。3番目が土壌 中運命試験。更には加水分解、水の中での光分解、作物残留試験、土壌残留試験等々の 結果がここにまとめられております。  更に、28ページの上から5行目から、今度は動物を用いた毒性試験の結果がまとめら れておりまして、急性毒性、亜急性毒性、慢性毒性、発がん性、2世代繁殖、発生毒 性、遺伝毒性という形でまとめられているわけでございます。  それを表形式にしましたのが29ページの表でございまして、急性毒性等を除いて、こ こにあるような中期あるいは慢性毒性の試験が行われているところでございまして、そ れぞれの中で一番小さな無毒性量が、ラットの上から3つ目のカラム、「24ヶ月間慢性 毒性/発がん性併合試験」と書いたものの雌の9.7mg/kg体重/ 日が一番小さい数字でご ざいまして、これよりも小さければ、少なくともいろんな毒性試験をやっても動物に影 響は出ないということから、9.7mg/kg体重/ 日というのを無毒性量としてセットした上 で、これに100 の安全係数をかけて、ADI0.097mg/kg体重/ 日というものを「食品安 全委員会」として結論を述べたわけでございます。  この「食品安全委員会」の評価結果に基づきまして、部会で御審議をいただいており ます。39ページをごらんいただきたいと思います。  この39ページが6月2日付で、この分科会の下にございます「農薬・動物用医薬品部 会」の部会長でございます井上先生から分科会長あての報告書でございまして、この 「農薬・動物用医薬品部会」での御議論をおまとめいただいたものでございます。  40ページをごらんいただきますと、このクロチアニジンについて、先ほどと同様に用 途でございますとか構造式等があります。  「5.適用病害虫の範囲及び使用方法」等を見ていただくと、41ページでございます けれども、稲、キュウリ、メロン、スイカ、ナス、トマト、大根、レタスと、各農薬の ブランドネームごとにまとめておりますので、46ページまで延々と出ているわけでござ いますが、殺虫剤としてアブラムシあるいはカメムシ等々に有効だということで、その ような適用が並んでいるわけでございます。  次に、46ページから作物残留試験、今、申し上げたような作物に使った場合に、どれ ぐらい農作物に残留してくるかというような試験の結果がまとめられております。  具体的には、46ページの「(2)作物残留試験結果」の「(1)稲(玄米)」からある わけでございますけれども、50ページまで36ございますので、中身は省略させていただ きますが、稲、大豆、バレイショ、カンショ、てん菜、大根、キャベツ、レタス、ネ ギ、トマト、ピーマン等々、あるいはミカン、あるいはスイカといった果物のたぐい等 々について作物残留試験が実施されております。  51ページでございますけれども、7番として乳汁への移行試験、すなわち稲に使われ ると、それが稲わらに残留して、稲わらが飼料、えさとして使われたときに牛乳に移行 してくるかということを調べた試験でございますけれども、0.01ppm の検出限界では残 留は検出されなかったということでございます。  「8.ADIの評価」については、御説明申し上げました。  「9.諸外国における使用状況」でございますけれども、アメリカ、カナダでトウモ ロコシ、菜種、乳に基準が設定されているということがわかっております。  そこで「10.基準値案」でございますけれども、51ページの一番下からでございます が、今、申し上げましたクロチアニジンというのは、52ページにございますが、チアメ トキサムという世界的にも広く使われている殺虫剤がございます。このチアメトキサム が使われて残留するときに、クロチアニジンの形態を取って残留をするということもま たわかっているところでございまして、クロチアニジンの基準値を検討する際には、ク ロチアニジンを使ったためにクロチアニジンが残留する。もう一つは、チアメトキサム を使ったためにクロチアニジンが残留するという2つのケースを併せて考えていく必要 があるということをここで述べておるわけでございます。  したがいまして、別紙2、59ページをごらんいただくと御理解いただけるんですけれ ども、クロチアニジンだけではなくて、チアメトキサムを使ったときにクロチアニジン としてどの程度残留するかというのを試験結果あるいは基準値から推測をしているわけ でございます。  59ページの表、ちょっと小さくて申し訳ないんですけれども、一番左に部会としての 基準値の案が出ております。  その次のカラムからクロチアニジンのカラムでございまして、クロチアニジンを使っ たときにどれぐらいの残留をするかというのが作物残留試験成績の欄でございますし、 クロチアニジンとしてどういう基準があるか。例えば、国内の登録保留基準あるいは外 国の基準が載っているわけでございます。  その右の欄がチアメトキサムでございまして、チアメトキサムの代謝物の一つがクロ チアニジンということでございますので、チアメトキサムについても基準値あるいはチ アメトキサムを使ったときに残留するクロチアニジンの量をここで試験成績を求めてい るわけでございます。  この2つを併せ考えて、部会におきましては基準値の案を設定していただいたところ でございます。すなわち、最初の米につきましては、クロチアニジンとしての登録保留 基準が0.5ppmである。更に、チアメトキサムの登録保留基準が0.1ppmなんですが、チア メトキサム由来クロチアニジン作物残留試験成績というのを見ていただきますと、実際 では、試験成績では0.005ppm未満であるということから、これはクロチアニジンだけを 考えればいいということで、0.5ppmという数字が提案されているわけでございます。  次の小麦でございますが、クロチアニジンには適用がないわけでございますけれど も、チアメトキサムが使われていて、作物残留試験の結果あるいはアメリカの基準値を 見ると、0.02ppm でどうだろうかというような形で決められている。すなわち、クロチ アニジンとチアメトキサムの2つを勘案しながらこの基準値が出てきているということ でございます。  そこで、そういった基準値をセットした上で、それではトータルとしてどれぐらいの 量を摂取することになるんだろうかというのが暴露評価でございまして、52ページに戻 って恐縮でございますが、52ページの下から5〜6行目のところに「(3)暴露評価」 として並べております。  すなわち、今、申し上げましたようなあらゆる食品からクロチアニジンが摂取され る。その摂取がどの程度かということを評価したのがこの暴露評価でございまして、国 民平均、幼小児、妊婦、高齢者といういつもの4グループについて評価をしております が、ADIの10.8〜25.7%程度であるということから、部会におきましては、十分AD Iの範囲内にとどまっているので、この基準値案でよろしかろうということでございま して、本日、分科会において御審議をいただいているところでごさまいす。  なお、これにつきましてもパブリック・コメント等をやっておりまして、69ページを ごらんいただきたいと思います。  69ページが現在の状況でございますが、パブリック・コメントが6月6日から始まっ たところでございまして、7月5日までの予定ということで、まだ始まったばかりでご ざいます。  一方、WTO通報は4月21日〜6月28日でございますから、もうすぐ切れるわけでご ざいますが、今のところ意見はいただいていないというような状況でございます。  本日の分科会において御議論願いたいのは、先ほど59ページのところで見ていただき ました基準値の案が65〜66ページにまとめられているわけでございますが、この基準値 の案で基準を設定するということについて分科会としての御決定をいただきたいという ふうに考えているところでございます。  よろしくお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長  何か御質問ありますか。  井上先生、何かありますか。 ○井上委員  今、御説明があったような次第ですので、なかなか複雑ですけれども私は了解いたし ました。 ○吉倉分科会長  これはえらいややこしいですが、59ページのチアメトキサムを考えてという話なんで すが、さっき言われたのは、チアメトキサムを使ったときのクロチアニジンの残留量、 それが今度65ページでやろうとするクロチアニジンの残留量を超えないように考えると いう意味ですか。そこのところがよくわかりません。  これは、1つの作物で両方を使うことはないですね。 ○中垣課長  両方使われる可能性も否定できないし、例えば米なら米あるいは小麦なら小麦を検査 する。そこでクロチアニジンが見つかった。このクロチアニジンが何に由来するか。ク ロチアニジンに由来するのか、チアメトキサムに由来するのかというのはわからないわ けでございます。  したがって、今回は何に由来しようと、クロチアニジンとして検出されたものはクロ チアニジンの基準値にすべて該当する。それで規制をするということにしました。 ○吉倉分科会長  要するに、使った農薬にかかわらず、クロチアニジン。 ○中垣課長  そのために必要となるのは、その基準をつくるときには、クロチアニジンに使われる こともチアメトキサムに使われることも想定した上で基準値をつくってあるというもの でございまして、基準値をつくるときに工夫をして、あとの検査を簡便にしていったと いうのが今回のこの案でございます。 ○吉倉分科会長  これは、チアメトキサムがそのまま残留する部分はあるんですか、ないんですか。 ○中垣課長  チアメトキサムとして残留する部分はあるんだろうと思います。主代謝物の一つがク ロチアニジンだというふうに聞いております。 ○吉倉分科会長  そうすると、チアメトキサムの残留量をまた別に決めるんですか。 ○中垣課長  チアメトキサム単独の残留についても、基準を決める必要があるというふうに考えて おります。現在このチアメトキサム単独のものについては「食品安全委員会」でリスク 評価をお願いしているところでございます。 ○吉倉分科会長  そうすると、結局チアメトキサムの場合は、クロチアニジンとしての残留量とチアメ トキサムの残留量を合わせて評価するという話になるんですか。そこのところはどうな んですか。  チアメトキサムを使用したときの米があるとします。そのときは、クロチアニジンと しての残留量は、この基準でやりますね。それで、チアメトキサムの残留はまた別につ くるんですか。そこがよくわかりません。 ○中垣課長  米を仮に測定するとします。それでクロチアニジンが検出されれば、この基準値の案 を適用します。チアメトキサムが検出されれば、あとにつくろうとしているチアメトキ サムの基準値を適用するという形で考えております。 ○吉倉分科会長  そうすると、チアメトキサムを使用したときは両方見つかる可能性はあるわけです ね。 ○中垣課長  両方見つかる可能性があります。 ○吉倉分科会長  そのときにそういう基準をつくろうという話ですね。 ○中垣課長  そうです。 ○吉倉分科会長  わかりました。  よろしいでしょうか。実際上、今のADI%にしても、52ページの下の表にあります ように、余り問題なさそうです。  あと、今回の答申としては65ページのこの表でよろしいかということです。よろしい ですか。                (「はい」と声あり) ○吉倉分科会長  それでは、これは了承されたということで、これは答申案はつくるんでしたか。 ○中垣課長  このものにつきましても、いまだパブリックコメント中でございますので、その意見 が出そろった段階で先生方に再度文書でお伺いをしたいというふうに考えております。 よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  それは、でき上がった段階で、要するに答申案をつくってやると。 ○中垣課長  はい。 ○吉倉分科会長  それでは、パブリックコメント、WTO通報で何もなければ、従来やっている方法で やるということです。  どうもありがとうございます。それでは、その次に行きましょう。今度は、3番の 「日本人の食事摂取基準(2005年版)」。お願いします。 ○阿部室長  新開発食品保健対策室長でございます。よろしくお願いいたします。  資料3−1でつづられております、「栄養機能食品の表示の基準の見直しについて」 という資料をご覧いただきたいと思います。  これにつきましては、8ページにございますように、資料3−4でございますが、4 月21日付で「『日本人の食事摂取基準(2005年版)』の策定に伴い、食品衛生法施行規 則(昭和23年厚生省令第23号)第21条に規定する栄養機能食品の表示に関する基準を改 正すること」ということにつきまして、諮問をさせていただいているところでございま す。  この関係につきましては、3月の分科会におきまして、専門的、技術的な事項につい て「新開発食品調査部会」の下に「第三調査会」を設けさせていただきまして、専門 的、技術的事項を整理させていただきたいということの御報告をさせていただいたとこ ろでございます。  調査会を、4月5日と4月13日に開催いたしまして、調査会の報告といたしましては 9ページ以下の資料3−5にまとめてございますが、そちらの報告をいただいてござい ます。  その上で、4月25日に「新開発食品調査部会」を開催していたしまして、その上で、 資料が前後しますが、資料3ページからございますように、資料3−2に基づきまして 田中部会長から分科会長あての報告をいただいたところでございます。  これらの資料、いろいろございますので、まとめた説明ペーパーとして資料3−1の 2枚がございますので、そちらの方で説明させていただきたいと思います。  「1.経緯」といたしましては、栄養機能食品、栄養素の機能を表示していいという 食品につきます表示基準につきまして、栄養素の含有量の基準ということで上限値、下 限値を設定しておりますが、これらにつきましては、これまで第6次改定栄養所要量に 基づいて定めていたところでございます。  この4月から、栄養所要量の位置付けなどにつきまして見直されまして、新しく「日 本人の食事摂取基準(2005年版)」というものが策定され、施行されたところでござい まして、基礎となっております数字が変わってございますので、栄養機能食品の上限 値、下限値についての見直しを行うということにさせていただいたものでございます。  2番でございますが、栄養所要量、それから食事摂取基準、これらの概要といいます か、そういったことで、数字はどういうふうに定められているかというものでございま す。  1つ目の○でございますが、栄養所要量、食事摂取基準におきましては、各栄養素ご とに性別・年齢階級別に設定されておりまして、原則として推定平均必要量あるいは推 奨量の2つの数字がセットで定められております。  推定平均必要量につきましては、日本人が必要とする平均値ということで、過不足の 判断に用いられる数字ということになっております。  推奨量は、平均値に標準偏差の2倍を加えたもので、98%、大多数の方が必要量を満 たすと推定される数値になっております。  この2つの数字が、セットで定められているところでございます。  一方、栄養素が食品成分表にないなどの理由によりまして必要量の測定ができていな いものにつきましては、それらに代わる数字として、(3)でございますが、目安量とい うことで設定をされているところでございます。これらの健康な集団の摂取量の中央値 を充てているということでございますが、推定平均必要量、推奨量よりは科学的根拠が やや低くなるといったようなものでございます。  こういった数字が定められている中で、どのように調査会部会で検討したかというこ とでございます。  3の(1)にございます、数値を定めるに当たって必要な整理ということでございま して、栄養所要量・食事摂取基準の中心概念でございます推定平均必要量・推奨量につ きましては、どちらの数字を用いるかということで考えてみますと、平均的な個人また は集団にとって必要な量を当該食品の栄養的な特徴としての情報提供をするということ が適当である。いわゆる、過不足の判断をしていくといったようなことから考えます と、(1)の推定平均必要量の数値を用いるべきではないかというのが調査会部会での答 えとしていただいたところでございます。  また、先ほど申し上げましたように、推定平均必要量・推奨量がない場合につきまし ては、科学的根拠がやや低くなりますが、設定されております目安量の数値を用いて算 出するべきではないかという意見をいただいたところでございます。  2ページの方に参りまして、推定平均必要量または目安量をそれぞれ栄養成分ごとに 用いるということになるんですけれども、これらの数字につきましては、性別・年齢階 級別に設定されてございますので、それぞれの人口比を踏まえた加重平均を用いまして 数値をつくらせていただきました。これを栄養素等表示基準値というふうに名付けてい ったらいいのではないかということでございます。  この数字につきましては、資料の一番最後、16ページにございます。これは調査会の 報告書のところでございますが、横の表になっております「NRV」ということで書い ております数字でございます。これがNRVの「改定数値(案)」と書いております数 字がこういう形で計算した数字ということになっております。これらの数字を基準とし て、栄養機能食品の数値の算定をしていきましょうということで答えをいただいており ます。  2ページに戻りまして、それでは、具体的に下限値、上限値をどういうふうに設定す るかというところでございます。  栄養機能食品の下限値は、従前の考え方でございますれば、基準値の3分の1、いわ ゆる1日で摂取する数値でございますので、食事を3回に分けたという発想で3分の1 ということでやっていたんですけれども、この考えについて再検討いたしましたとこ ろ、やはり機能表示以外の栄養表示に係る基準、ほかの表示ということで、そういった 栄養素が含まれていますとかおおめに入っていますとか、そういった表示にする関係の 表示の基準というものとの整合性。  それから、コーデックスなどにおきます国際的な議論では、例えば15%で入っている と言ってみたり、いわゆるたくさん含んでいるのは30%であるといったような整理もな されてきているところでございますので、これまでいわゆる3分の1、約33%で適用し てきたものでございますから、急激な変化をしないことも考えますと、国際的な動きな ども見て、その基準値の30%とすることが適当であるという御結論をいただきました。  また、栄養機能食品の上限値につきましては、従前からの考え方でございますが、過 剰摂取による健康障害を起こすことのない最大量としての栄養所要量ないし食事摂取基 準で定められております摂取量、または医薬部外品の最大分量などを参考として設定す るといったようなことを踏襲いたしまして、今回、食事摂取基準において、最大摂取量 について新たな知見として数字が変わりました銅とナイアシンについて基準の再計算を するということで、お答えをいただいたところでございます。  具体的な内容につきましては、4ページにございます資料3−2の部会の報告書の別 紙ということで、このように部会から報告をいただいたものでございます。  上の方の文章は、今、概略を説明させていただいたものをまとめさせていただいたも のでございまして、各栄養素につきましての上限値、下限値、下にございます表のとお り、一日当たりの摂取目安量の上限値としましては、銅とナイアシンにつきまして新た な知見に基づいて改正案のとおり増やしていく。下限値につきましては、先ほどの考え 方に基づきまして再計算をいたしまして、このような数字にしていくということで御報 告をいただいたところでございます。  それから、部会の御報告をいただいた後に、パブリック・コメントを募集させていた だきました。5ページからの資料3−3でございます。  4月28日〜5月26日まで募集いたしましたところ、全部で9件の御意見をいただいた ところでございます。主なものを簡単に御紹介させていただきたいと思います。6ペー ジをごらんいただきたいと思います。  まず、2番で、先ほど調査会の方で「第三調査会」の報告書にございましたNRVの 日本語名ということで、栄養素等表示基準値ということにさせていただいております が、これについての御意見をいただきました。  考え方としまして、栄養素等表示基準値は個人が食品を購入する際に参考とする表示 の基準であって、個々人がそれぞれ摂取すべき必要量として設定するものではなく、あ くまで、いわゆる表示のための基準値であるといったようなことで、名称を考えさせて いただいたものということでございます。  それから、食事摂取基準の中で新たに目安量という言葉も出てまいっておりますの で、そういった意味での紛らわしさもなくなるようにということで、名称を考えさせて いただいたものでございます。  個別具体的なもので出ておりますのが、7ページの方にございますナイアシンの上限 値が増えることにつきまして御意見をいただいております。  こちらの方につきましても、食事摂取基準におきますULにつきましては、さまざま な食事から摂取する量の合計として考えるべきものということでありまして、単一の食 品から摂取する量を設定する際には、医薬部外品よりも最大分量が定められているとき には、過剰摂取による健康障害防止の観点から医薬部外品の最大分量を用いるという考 え方になっております。これは、栄養機能食品の制度を導入する際に審議会の報告書か ら設定していただいたものでございます。  それから、8番で、経過措置として猶予期間を2年ぐらい欲しいという御意見をいた だいておりますが、数字によりましては、場合によっては現在販売できているものでも 販売できなくなるといいますか、栄養機能食品と表示できなくなる部分が若干ございま すので、そういったことも踏まえて経過措置を設定したいというふうに考えているとこ ろでございます。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  田中先生、何か追加ありますでしょうか。 ○田中委員  特にございません。 ○吉倉分科会長  それでは、委員の先生方、その他で何かありますか。  これは、さっきのパブリック・コメントの返事で、基本的には表示だという話なんで すが、表示という意味は推定平均必要量ということを示していることですか。そこのと ころは、要するに量を示しているのであって、食品の効能等を示しているのではないと いう返事なんでしょうか。 ○阿部室長  一応、そういうことです。 ○吉倉分科会長  どうぞ。 ○丸井委員  ちょっと頭がかたくなっているのかわからないんですが、ということは勿論、表示の 基準を変えようということですけれども、それが従来きちんとエビデンスに基づいて出 されたものであれば、この食事摂取基準が変わったという従来の所要量が変わったとい うことと、表示の基準を変えなければいけないというのがなぜ連動するのかというとこ ろをわかりやすく説明していただけますでしょうか。 ○吉倉分科会長  それでは、お願いします。 ○阿部室長  この資料の一番最初の「1.経緯」のところに書いてある部分なんですけれども、今 回の元の数字になりました、調査会の方で見ましたNRVという栄養素等表示基準値を 定めるに当たっての基礎となる数字が、これまでは栄養所要量の数字からいわゆる算式 を用いて、性別、人口ごとの加重平均を取って算出しているだけで、算式自体は今回も 変えてございません。基本的には、根っことなる栄養所要量の位置付けなり定義などに ついての考え方が新しく整理されたことによりまして「日本人の食事摂取基準(2005年 版)」というものに変わったということで、基礎の数字が変わっておりますので、それ に伴います数字の変更をしたい、簡単に言えば、その数字の変更だけを行いたいという のが基本的な発想で検討していただいたものでございます。 ○吉倉分科会長  ざっくばらんに言えば、この推定平均必要量がこれだけだから、それを考えて適当に 食べてくださいという話なんですか。 ○田中委員  もうちょっと科学的に言うと、従来、栄養所要量というものがあったのですが、これ は概念的に異なるものが一つの言葉で集約されていたのです。必要量と言われるもの、 狭い意味での所要量と言われるもの、目安量(adequate intake)、生活習慣病の一次 予防を目的とした目標量、そういったものが混合されていたわけですが、10年ぐらい前 からアメリカとカナダで、このものについての概念が非常に明確に整理されたわけで す。つまり、栄養学のみならず、確率論的な考えが導入されました。  そして、人間が生きていく上に必要な最小の量が必要量としますと、推定平均必要量 というものは、必要量を充足している、もしくは不足している確率が50%であるという 値であります。  したがいまして、個人レベルでこれ以下であると、不足している確率が50%以上にな りますから、それではいけない。つまり、摂取量の評価・判定、アセスメントの基準値 とするということが明確にされてきたわけです。  従来、言われていた所要量、つまり新しい食事摂取基準では推奨量ですが、推定平均 必要以下の人はそれを目指すべきである。そうすると、不足している確率は非常に低く なるというようなこと等々。それから、生活習慣病の一次予防というのでは目標量とい うことで、推奨量とは明確に区別していったということです。世界の流れとしてこうい う栄養素の表示基準値も推定平均必要量を用いて設定する。  つまり、科学的な根拠がだんだん蓄積されていって、それに伴って概念もその値も明 確化されていった。ですから、そういったことに準拠してやったものであるということ であります。 ○吉倉分科会長  田中先生、どうもありがとうございました。そういうことなのですが、何かこれで。  結局、この案件は、4ページの表が付いたここのページについて分科会としてよろし いかどうかということですね。 ○阿部室長  はい。そういうことでございます。 ○吉倉分科会長  そうすると、あとはパブリック・コメントはもう来てしまったんでしたか。あとは、 それで終わりなんですか。  そうすると、答申案をここで合意することになりますか。この4ページそのものが答 申案になりますね。  今後のことをお願いします。 ○阿部室長  今、分科会長からお話ありましたように、いわゆる部会と同様にこの別紙の部分を答 申案として答申いただけましたら、関係の省令改正など行って施行していきたいという ふうに思っております。 ○吉倉分科会長  この4ページを分科会の報告とするわけですね。それでは、そういうことで、合意さ れたということだと思います。  それでは、次の議題に行きましょう。そうしたらば、あとは報告事項ですが、これが 結構長そうなんですが、まずは農薬についてお願いします。 ○中垣課長  食品に残留する農薬等のポジティブリスト制の導入についての作業状況を報告させて いただきたいと思います。  お手元に、分厚い冊子2つをお配りさせていただいております。なお、傍聴者の方、 はなはだ恐縮なんですが、余りに大部でございますので、配付を省略させていただいて おります。厚生労働省のホームページに掲載されておりますので、御参照いただければ ありがたいと思います。  まず、これは上巻と下巻の2つに分かれておりまして、6月3日付でパブリック・コ メントに出したものがこの2つの冊子でございます。内容をかいつまんで御紹介させて いただきます。  上巻の(9)というページがございますけれども、そこをごらんいただければありが たいと思います。上巻の(9)ページのところに、総括的なこの2つの冊子の説明が載 っております。  「I ポジティブリスト制度の導入」でございますが、平成15年の食品衛生法改正に おいて、いまだ施行されていない唯一の課題がこのポジティブリスト制でございます。 法律上、公布後3年以内に施行するということが定められておりまして、そういう点か ら申し上げますと、来年の5月29日までに施行するということが決められているところ でございます。この点につきまして、分科会の下にございます井上部会長の農薬・動物 薬の部会において平成15年6月から議論をしてきていただいたところでございます。  議論していただいているのは3点でございまして、(1)でございますけれども、 「一律基準」という、すなわち基準がない場合に適用する基準をどうするかというのが (1)でございます。  (2)でございますが、ポジティブリストの対象外とする、例えばアミノ酸とかビタ ミンとか、そういうものの範囲を具体的に構築するというのが(2)の「対象外物質」 の議論でございます。  (3)が、「暫定基準」というものでございまして、ポジティブリストへの移行に伴 って、国民の健康を確保しつつ、不要な流通の混乱を起こすことがないように、暫定的 に基準をつくるということで作業を行ってきているところでございます。  この3つについて、法律上の作業を行っています。  これと並行いたしまして、検査法の開発を行っているというのが現状でございます。  (9)の下から3行目にございますように、平成15年6月から部会で御審議をいただ いてきて、15年10月に第1次案を出し、16年8月に第2次案を出し、5月31日に部会を 行っていただいて御了解を得て、6月2日に「食品安全委員会」に調査審議をお願い し、6月3日からパブリック・コメントに入りました。これと同時にWTO通報をやっ ているところでございます。  したがいまして、この分科会に最終的には御審議をお願いする案件でございますけれ ども、いまだ途中の段階で、分科会に御審議をお願いするのは8月の末とか9月とかと いうようなタイミングになるんだろうと思いますけれども、この大部にわたる案件につ いて分科会で御審議をいただくということとなりますので、あらかじめ、その前ぶれと して本日は御報告をさせていただければと考えている次第でございます。  (10)ページに入らせていただきたいと思います。  部会における審議と並行をして、「食品安全委員会」において調査審議を行っていた だいたところでございます。具体的には、4月14日、21日に御審議をいただいて、4月 28日付で「食品安全委員会」から大臣あてへ意見書を賜ったところでございますし、先 ほど申し上げましたように、6月2日には、その意見書への検討中の回答案の御審議を 含めて、また御審議をお願いしたところでございます。  「食品安全委員会」から言われておりますのは、(13)ページをごらんいただきたい と思います。  (13)ページが、「食品安全委員会」から大臣あての意見書でございまして、具体的 には(14)ページからございます。  大きく分けて6点、「食品安全委員会」から御意見をいただいております。  1番目が、暫定基準について再点検をしたらどうだろうか。特に、国際的なリスク評 価機関であるJMPRあるいはJECFAでADIが設定できないとされたものについ て慎重に取り扱ったらどうだろうかというのが1番でございます。  2番目は、リスク評価の計画でございます。今回のこの暫定基準などにつきまして は、ごらんいただきましたとおり大部にわたる作業でございますので、本来であれば事 前にリスク評価をするというのが食品安全基本法に定められているわけでございます が、事前のリスク評価が困難ということから、事後にリスク評価をお願いしようという こととさせていただいているところでございまして、そのためのリスク評価の計画をつ くるというのが2番でございます。  3番目は、いわゆる対象外物質について、その根拠を明確化すべきということでござ います。  4番目が、検査の問題でございます。検査法を開発するようにという御意見を賜って いるところでございます。  (15)ページでございますけれども、5番がいわゆるリスクコミュニケーションを積 極的にやりなさいという御意見でございます。  6番が、「食品安全委員会」への逐次の報告ということでございます。  これらについて御意見を賜って、これらの御意見も踏まえた上で最終案の御審議並び に現在パブリック・コメントに入っているところでございます。  (10)ページに戻らせていただいて恐縮でございますけれども、先ほど申し上げまし た3点について簡単に御説明をしたいと思います。  まず、(10)ページの「III  最終案の概要」の「1.一律基準の設定」でございま すけれども、基準がある場合には基準で規制をする。基準がない場合に、この一律基準 というものが適用されるということとなります。  諸外国で見てみますと、ポジティブリストを実施している国はまだ限られているわけ でございますが、アメリカでは0.01ppm 〜0.1ppmの範囲で運用がされているようでござ います。また、それ以外にポジティブリストをやっていると我々が把握しておりますの は、カナダ、ニュージーランド、ドイツでございますが、カナダとニュージーランドは 0.1ppmでございますけれども、カナダでは0.1ppmという数字が高過ぎるということで見 直しがされているところだと聞いております。ドイツは、0.01ppm でございます。  更に、最近ポジティブリスト制の導入を正式に決定したEUにおきましては、まだ実 施はされておりませんが、一律基準としては0.01ppm を決定したところでございます。  この基準がない場合に適用するという一律基準につきまして、JECFAにおきます 香料の評価でございますとか、FDAにおきます間接添加物の評価において「許容され る暴露量」とされている数字、あるいは国内、あるいはJECFA、JMPRにおきま すこれまでの評価結果等々を基に、(10)ページの下から3番目の段落でございますけ れども、許容量の目安として1.5 μg/day という数字で大体目安として妥当なんだろう ということが示されているところでございます。この数字というのは、先ほど申し上げ ましたように、数百化合物のこれまでに評価した結果のデータベースから導き出された 数字でございます。  この1.5 μg/day を超えることがないようにどうするかということでございますけれ ども、我が国の食品摂取の実態、すなわち米は大体190g程度食べるとか、それ以外の食 品についても国民栄養調査の結果があるわけでございますから、それらを基に計算を し、0.01ppm ということであれば、1.5 μg/day を超えるということは想定し難いとい うことで、0.01ppm が適当であろうということでございます。  その例外として、なお書きでございますけれども、ADIが極めて小さいもの、具体 的には動物用医薬品のトレンボロンというようなホルモン剤でございますとか、3つの 動物用医薬品が挙げられているわけでございますが、それらのものについては0.01ppm という一律基準に代わるものとして「不検出」というふうにすることが適当ではない か。  更には分析法の定量限界が0.01ppm まで行かないということが現段階で明らかになっ ているもの。これについては、表にされておりますけれども、現段階で95の農薬が挙げ られておりますが、それらのものについては定量限界をもって一律基準に取って代わる 基準値にしようということでございます。  更には、0.01ppm よりも小さい基準が実際に定められているケースがあるわけでござ いまして、これが49あるわけでございますが、0.01ppm よりも小さい基準値が定められ ている場合には、その最小の基準値をもって基準値にしようということでございます。  その次の(11)ページ。「2.対象外物質の指定」ということでございますけれど も、対象外物質というのは残留の状態、程度などから見て、残留したとしても人の健康 の確保に問題はないというような物質を指定するということとされているところでござ います。これまでの国内の評価でございますとか、国際機関の評価でございますとか、 そういうものを基に評価をして案をつくっていただいたところでございます。  具体的には、下巻の1468ページをごらんいただきたいと思います。  下巻の1468ページの「V 対象外物質」。ここにございますのが、対象外物質の現段 階で具体的な案として提示されているものでございまして、対象外物質全体につきまし ては、1463ページからその考え方についてまとめられているところでございまして、ア スタキサンチンとか重曹とかクロレラとか、「塩素」と書いてあるものは塩素イオンの ことでございますが、そういったものでございますとか、ビタミン、アミノ酸、ミネラ ル、そのようなものが並んでいるわけでございます。  そのうち、1469ページの末尾にブセレリンとかフロセミドとかというような、あるい はプロカインとかというような動物用の医薬品がございますけれども、代謝が早くて残 留しないということでございまして、EUでも対象外となっているというようなことか ら、対象外物質の例示に挙げているところでございます。  また上巻の(11)ページに戻らせていただいて恐縮でございます。  (11)ページの3が、「暫定基準の設定」となっております。  この農薬、今日もまたクロチアニジンについて御議論いただいたわけでございますけ れども、今、大体二百五十弱の農薬について基準があるところでございますが、国内で 農水省が登録、販売を認めておりますのが350 あるわけでございます。その350 のう ち、食品衛生法の基準がありますのは約二百でございまして、150 の農薬というのは国 内的に販売が認められている、すなわち販売するわけですから使用される、残留をす る。残留はするんだけれども、それを規制するような食品衛生法の基準がないというよ うな状態にございます。  同じような事態というのはコーデックスについてもございまして、コーデックスは現 在130 の農薬について基準がございますが、このうち食品衛生法の基準がありますのは 80ぐらいで、50ぐらいの農薬というのはコーデックス基準はありながら国内の基準はな いというような状態にあるわけでございます。これは、国内がまたそうでありますよう に、アメリカ、ヨーロッパについても同じような状況でございます。  このために、科学的に一定の信頼を持って基準がつくられているというようなものに ついては、暫定的な基準をつくろうというのがこの暫定基準でございます。  そのつくり方でございますが、(11)ページの下から2番目のパラグラフにございま すとおり、(1)として、国際基準であるコーデックス基準。(2)として、国内で、 例えば農薬の登録に用いる農薬取締法に基づく登録保留基準。(3)として、JMP R、JECFAにおける科学的な評価に必要とされているデータに基づいて基準を設定 していると考えられる国々の基準。  これらの国々については、条件を示して、各国からまず手を挙げていただいたところ でございますけれども、その上で部会で御審議をいただいて、この5か国を選定したと ころでございますが、この(1)〜(3)のものについては、これを参考として基準を つくろうということで、後でごらんいただきますが、714 の農薬について暫定的な基準 の案を設定しているところでございます。  更に、(11)ページの末尾、下から5行目でございますけれども、ADIが設定でき ない場合には「不検出」というような形で、15農薬について「不検出」という基準にし ております。  更には、抗生物質、合成抗菌性物質については、従来どおり含まれてはならないとい うような規定にしております。  更には、加工食品についても、コーデックス基準を参考に基準を提案していただいて いるところでございます。  一部、暫定基準についてごらんいただきたいと思いますが、最初の方に括弧書きのペ ージ数があって、途中から括弧書きのないページ数に移るわけでございますが、どれで もいいんですけれども、290 ページをごらんいただきたいと思います。  290 ページに、144 番としてカルバリルという農薬がございます。この表は、一番左 側に食品名、その次の欄が基準値案として現在パブリック・コメントをやっている案が 出ております。その右に参考基準国というのがあって、要するにその基準値をどのよう な形で決めたのかというのがございまして、その次の3番目の欄、残留基準というの は、現行の基準がある場合にはここに残留基準が載ってまいるわけでございます。登録 保留基準というのは国内の基準でございますし、コーデックス、アメリカ、豪州という 形になっているわけでございます。  まず、最初の米でございますが、1ppm という基準値の案になっておりますけれど も、これは残留基準が1ppm となっておりますように、また参考基準国のところに現行 となっておりますように、現行基準のものについては改正を考えておりません。現行基 準があるものはそのままでございます。  次の小麦からトウモロコシまででございますが、これはコーデックス基準がセットさ れているということから、コーデックス基準を参考に基準が定められております。すな わち、コーデックス基準が2ppm 、アメリカが3ppm 、豪州が5ppm 、カナダが2ppm 、 EUが0.5ppmとなっているわけでございますが、コーデックス基準を採用しているわけ でございます。大麦、ライ麦、トウモロコシについても同じでございます。  ソバでございますが、これはコーデックス基準がないわけでございまして、豪州が5 ppm でEUが0.5ppmとなるわけでございますけれども、この場合には、豪州の基準もE Uの基準もどちらも国内産あるいは輸入品について適用しているというようなことか ら、この平均値をもって基準の案とさせていただいたおります。すなわち、5ppm と 0.5ppmの真ん中ということで3ppm という形になっているわけでございます。  そのような形で、コーデックス基準がある場合には、コーデックス。コーデックスが ない場合で国内の基準がある場合には、国内の基準。国内の基準もない場合には、外国 の基準。外国の基準が複数ある場合には、その平均値ということを基本にして基準を設 定しているところでございます。  それをフローチャート化したものが、前の方に戻っていただいて恐縮でございます が、(27)ページでございます。この(27)ページが、暫定基準の設定方法をフローチ ャート化したものでございまして、コーデックス基準がある場合には、コーデックス基 準。コーデックス基準がない場合には、国内基準があるかどうかによって分かれるわけ でございますが、国内基準がある場合には、基本的に国内基準。国内基準がない場合に は、外国基準という形にして、それぞれに事情あるいはデータがあるというような場合 には、そのデータに基づいて部会において見直しをするというような形にしているとこ ろでございまして、現在この暫定基準、上巻と下巻で714 の基準があるわけでございま すが、これについて意見募集の手続をやっているところでございます。  あと、加工食品の関係でございますが、下巻の1435ページをごらんいただきたいと思 います。赤い紙が入って、別表3となっている「加工食品中の農薬等残留基準値案」と いうところでございます。具体的には1438ページからございます。  今回のポジティブリストというのは、加工食品もすべて対象となります。加工食品の 規制は、基本的には、その加工食品を使った原材料の農作物が、その農作物としての基 準を満足しているかどうかという形で判断をするということになります。すなわち、 100 %のオレンジジュースであれば、原料となったオレンジが基準にあっていたかどう かということが議論になるわけでございますが、加工食品として基準がセットされてい るもの、特にコーデックスにおいて加工食品として基準がセットされているものにつき ましては、加工食品としての基準をセットしておりますので、そちらが優先して規制が 適用されるということになるわけでございまして、この1438ページから1440ページまで 加工食品としての基準が並んでいるわけでございます。  また、1441ページでございますが、ミネラルウオーターでございます。  ミネラルウオーターの中にも農薬が残留するというケースが考えられるわけでござい ますが、ミネラルウオーターのコーデックスの基準におきましては、WHOの水道のガ イドラインが適用されておりまして、今回のポジティブリストの案の中でもこの基準を 適用しているわけでございます。  以上、余りに暫定基準の内容が大部でございまして、策定方法等、概要の概要という ことで恐縮でございますが、現在、部会において審議を賜り、パブリック・コメントを 進めているポジティブリストの案について御説明をさせていただいたところでございま す。  我々といたしましては、パブリック・コメント、WTO通報を終えて、そこで出てき た意見を再度部会において御審議をいただき、部会の御了解が得られた段階で、この分 科会において御審議を賜りたいというふうに考えているところでございます。  平成18年5月に施行というのは法律で決められておりまして、できれば、その半年ぐ らいの準備期間、周知期間を置きたいというふうに考えておりますので、本年の11月の 末には告示をしたいというふうに考えているところでございます。  したがって、パブリック・コメント、WTO通報の御意見が出た段階で早急にまとめ て、8月の末、9月には部会での審議、更には分科会での御審議というのを賜りたいと 思っております。と申しますのも、これだけの作業量でございますから、告示案を書く だけでも1か月、2か月かかるのではないかと恐れておりまして、せわしないスケジュ ールになるかと思いますが、よろしく御検討のほどを賜りたいと思っております。  どうもありがとうございました。 ○吉倉分科会長  これは、基本的には報告事項ですが、今日はいろいろ御質問あると思いますが、今日 は結構せわしないんですけれども、何か御意見あればお願いいたします。  暫定基準というのは、これはもう使うという意味ですか。暫定というのはどういう意 味ですか。 ○中垣課長  暫定的に基準として設定をしようと考えています。そこでできた基準というのは、法 的な効果としては普通の基準と全く同様に、食品衛生法に基づく強制的な基準という形 になります。 ○吉倉分科会長  これは、七百幾つについて暫定基準を差し当たり決めておいて、あとは全文について やるわけですか。 ○中垣課長  全文についてやるというのが、何をやるのかなんですが。 ○吉倉分科会長  要するに、これは基準に持っていく審議を全部やるわけですね。 ○中垣課長  暫定基準として御了解を得た後、やる作業としては、暫定基準がそれでいいのかどう かというリスク評価の議論に入らせていただきたいというふうに考えておりまして、そ のリスク評価を受けた後で、再度またこの分科会にどのような形にするのかというのは 御相談をしたいというふうに考えております。 ○吉倉分科会長  どうぞ、先生。 ○丸井委員  ただいまの座長の御質問に関連していると思うことです。随分すっきりと説明してい ただいてわかったところが多いんですが、一律基準というのがあって、暫定基準の対象 になる農薬とか添加物というのは一体どのようにして選ばれるのかということです。一 律基準で処理できないものを個別に暫定基準を設定していくのか。それとも、暫定基準 を設定するような、ある一連の、特定の農薬あるいは添加物というものがあるのか。一 律基準の対象あるいは特に暫定基準の対象というのは、一体何なのかということを御説 明いただければと思います。 ○吉倉分科会長  お願いします。 ○中垣課長  (10)ページと(11)ページをごらんいただきたいと思います。  今、丸井委員の御指摘のあった前者、一律基準でカバーできないものについて基準を つくるというような発想というのは、カナダとかニュージーランドではそのような発想 が使われていると聞いております。すなわち、その2つの国では一律基準が0.1ppmでご ざいます。  したがって、0.1ppm以下であれば基準をつくらない。それを超える部分だけ基準をつ くるというようなところから、その発想が前面に出ております。  今回の部会での御議論というのは、当初から0.01ppm というのが前提にございまし た。0.01ppm 以下の基準というのは極めて限られております。数十ぐらいの話でしかご ざいません。数万、4万、5万ある中の数十でございます。そういう意味から申し上げ ますと、いかに基準をつくるかという形で暫定基準の方は議論が進められております。  (11)ページの下から2つ目のパラグラフ、暫定基準は(1)〜(3)とあるわけで ございますが、そういう意味で、このような限られた国々であれば、一応、一定の合理 性はあるんだろうと。これらの基準を借りてきて、ポジティブリストを3年以内に実施 するという、緊急の中では暫定的な基準をつくるというのも一つの方法として選択する こともやむを得ないのだろうということで、暫定的な基準を諸外国の基準あるいはコー デックスの基準を借りてくる形で基準をセットしていくということでやっているところ でございます。 ○吉倉分科会長  どうぞ。お願いします。 ○丸井委員  そうすると、ただいまの御説明の理解としては、カナダのような例はある程度、一律 高くしておいて、それより低いものについて必要があれば決めていこうと。  それで、今回の場合には0.01ppm というかなり低いところを設定しておいて、それよ り緩めてよいものについて暫定基準をつくろうという、緩めてよいものを選ぼうとい う、そういうような方向と思ってよろしいでしょうか。 ○中垣課長  おっしゃるとおりでございます。  したがって、このある程度一定の科学的な合理性があるところの基準というものに限 定をしてそれを参考として基準を作る作業をしてきているということでございます。 ○吉倉分科会長  0.01ppm 以下のものが四十何品目あるという話なんですが、そうすると、そこのとこ ろ、0.01ppm にしたときに、それより毒性が高いものについてはどうなのか。私は余り 頭が整理されていないんです。 ○中垣課長  0.01ppm というのは基準値でございますから、0.01ppm あるいは基準値と毒性という のが直接リンクをするものではまずございません。ADIと毒性というものであればリ ンクするというふうに考えられるんですが、試験をしても残留をしないのであれば、そ の毒性のいかんに関わらず、基準値というのは低く定めるという考え方もあるわけでご ざいますので、そこは直接リンクしないと思います。  具体的には、(37)ページをごらんいただきたいと思います。(37)(38)ページに 載っているわけでございますが、例えば一番上のアゾキシストロビンということでござ いますと、畜水産物で0.008ppmという基準が定められているというものがあるわけでご ざいます。あるいは、その次のアバメクチンであれば、農産物で0.008ppmというのが定 められている。基準がないところを仮に0.01ppm としますと、基準があるのに0.008ppm という、基準がないところよりも緩い状態というのは論理矛盾しているのではないかと いうことから、0.01ppm を下回るような基準がある場合には、その基準値をもって一律 基準に代わる基準にしていこうということでやっております。 ○吉倉分科会長  いずれにせよ、これはポジティブリストだから、それでいいわけです。  それでは、よろしいでしょうか。                (「はい」と声あり) ○吉倉分科会長  それでは、これは今後、8月ぐらいにまた上がってくるという話ですね。 ○中垣課長  よろしくお願い申し上げます。 ○吉倉分科会長  それでは、次に行きましょう。そうしたらば、豚のワクチンについてお願いします。 ○中垣課長  それでは、報告資料2でございます。豚ボルデテラ感染症不活化・パスツレラ・ムル トシダトキソイド混合ワクチンというものでございますけれども、「食品安全委員会」 において、適切に使用する限り、この種のワクチン、人の健康確保上問題はないという ような評価結果をいただいたところでございます。したがいまして、食品衛生法上の残 留基準をつくらないということでよろしいのではないかということを部会において御審 議を賜ったところでございます。  厚生労働省としても、部会の御審議を踏まえて、こういったワクチンにつきましては 残留基準をつくらないということで作業を進めているということを報告させていただき たいと思います。  ありがとうございました。 ○吉倉分科会長  これは報告ですが、よろしいでしょうか。                (「はい」と声あり) ○吉倉分科会長  井上先生、特にないですね。  それでは、次、お願いしたいと思います。 ○阿部室長  それでは、続きまして、報告資料3−1からでございます。「特定保健用食品(規格 基準型)について」ということで、御報告させていただきたいと思います。  資料1にございますように、特定保健用食品の規格基準型の創設につきましては、昨 年6月に「『健康食品』に係る今後の制度のあり方について(提言)」におきまして、 許可件数が多い成分などについては規格基準を定めて、審議会などの審議、個別審査を 行わないということで、表示を迅速に行える仕組みを創設ということで提言をいただき ました。  この制度の導入、大枠につきましては、昨年末に分科会の方でも御了解をいただき、 本年2月から枠組み自体はスタートさせていただいたところでございます。ただ、具体 的な規格を定める作業をずっとやってきておりまして、今回その中身について御報告さ せていただきたいと思っているものでございます。  規格基準型の制度につきまして、簡単におさらいをさせていただきたいと思います。  2番にございますように、以下の3つのスクリーニング基準を満たすものについて規 格基準型の特保にしていきたいということでございます。  1つ目が、保健の用途のグループごと「おなかの調子を整える」とか「血圧が高めの 方に」といったようなグループごとに許可件数が100 件を超えている、たくさん出てい るということ。  それから、先行企業を保護する観点から、関与成分の最初の許可から6年を経過して いる。  複数の企業がその関与成分について許可をしているということで、いわゆる汎用性な り、いろんなたくさんの企業でやっていただいているといったようなスクリーニング基 準を満たすものについて規格基準を定めていこうというものでございます。  2の方の下の○にございますように、規格基準に適合していることをもって有効性を 確認し、当該食品での摂取試験だけをお願いする形にした上で事務局で判断していきた いというふうに思っております。書類などで、有効性、安全性について事務局で判断で きないものについては通常の個別審査にしていくという仕組みで考えてございます。  具体的に、今回規格基準を設定するものでございますが、先ほどの3つのスクリーニ ング基準を満たすものとしては、「おなかの調子を整える」という旨の表示をする10個 の成分、下にございますような食物繊維、オリゴ糖の関係で10成分について検討させて いただきました。  このうちの小麦ふすまにつきましてでございますが、めくっていただいたところに書 いてございますが、小麦の天然物であるということで、原料の規格を定めることが非常 に困難であったということで、今回設定にはなじまないということで判断をしたところ でございます。  ただ、小麦ふすまを使っております特保につきましては、品質の確保としては、原料 についての一定量の食物繊維量の確保を図っていることと、最終製品におきます食物繊 維量の規定によって確保はされているということでございますが、今回の規格基準とし て規格を定めるには至らなかったということでございます。それで、9個の成分につき まして規格を定めさせていただきました。  具体的規格でございますが、報告資料3−2の方にございますように、規格基準の案 として設定させていただきたいと思います。3ページが文章的なもの。それから、めく っていただきました4ページの方がその別表ということで、ちょっと見にくいですけれ ども、併せて見ていただければと思います。  関与成分につきましては、別表の第1欄ということで、先ほどの9成分について定め る。定められた成分規格に適合しているということで、成分規格につきましては、難消 化性デキストリン以下が5ページ〜43ページにそれぞれ食品添加物の公定書にならって 策定したものがございます。こちらの成分規格に適合しているということと、1品目中 に別表Iの掲げるものを複数含まないということでお願いしたいと思っております。  一日摂取目安量は、別表の2欄ということで、既許可の範囲のものにつきまして、そ の範囲の中で一日摂取目安量を設定していただこうと思っております。  それから、2番にございますように、食品の形態としては別表の区分ごとに既に許可 されているものにつきまして整理をしていきたいということでございます。原則として は、関与成分と同種の原材料は配合しない。これは同じような効果を発揮してしまうと 困りますので、そういった意味で同種の原材料は配合しないということでございます。  過剰用量における摂取試験ということで、一応3倍程度の摂取、いわゆる、その食品 を食べていただくという意味での確認をしていただきたいと思っております。  具体的表示でございますが、保健の用途としましては別表の3のとおり、食物繊維の 関係3つにつきましては「○○(関与成分)が含まれているのでおなかの調子を整えま す」という表示。オリゴ糖関係は、「○○(関与成分)が含まれておりビフィズス菌を 増やして腸内の環境を良好に保つので、おなかの調子を整えます」ということでの許可 表示をしていただくということでございます。  摂取上の注意事項といたしまして、おなかがゆるくなることがありますとか、疾病が 治癒するものではありませんといったような摂取上の注意事項と、併せて、今回トータ ルインテークの観点からの御指摘をいろいろいただいていたところもございますので、 他の食品からの摂取量を考えて適量摂取してくださいということでの注意喚起表示をし ていただくということにさせていただいております。  こういった規格を定めて、それぞれについて対応していきたいと思っております。  これらにつきましても、45ページからの報告資料3−3をごらんいただきたいと思い ますが、4月28日〜5月26日まで意見募集、パブリック・コメントを募集したところで ございます。24件、御意見をいただいたところでございますので、簡単に御紹介させて いただきたいと思います。  46ページの6番でございますが、摂取目安量については文献とか科学的根拠を背景に 設定されることが望ましいという意見をいただいておりますが、これは今回の規格基準 型はあくまで既に許可したものの範囲で設定するということにさせていただいていると ころでございます。  47ページの9番の配合ルールということで、関与成分について同種の原材料を配合し ないという解釈ということでございますが、具体的には個別に判断することになるんで すけれども、関与成分と同種類の原材料を配合することで安全性の観点からの注意をし ていきたいということで考えております。  49ページの26番でございます。表示の関係で、やはりいろいろ書かなければいけない ということになると文字数が多くなると読めなくなるのではないかということと、許可 表示がもう決まった文言になっているということについて御意見をいただいておりま す。  表示につきましては、有効性の情報、併せて注意喚起の表示についてもやはりきちん と表示していただきたいということ。それから、規格基準型はあくまで審議会での審査 を省略するということで、事務局限りで判断するということでございますので、一定の 基準として決められた文言で対応していただきたいということにさせていただきたいと 思っております。  あとは、関与成分、個別についての御指摘をいただいたりしておりまして、59ページ でございます。69というところで、総論的なもので、新しく個別審査で追加されたもの があった場合には規格基準として、いわゆる一日摂取目安量が幅よりも外れている場合 など、新規で許可されたものについては規格基準に早急に追加していく形を取ってほし いということで御意見をいただいております。  これらについては、市販後の成績を勘案してやっていくということで、基準の変更に は一定の時間を設けて必要な改正をしていく形で追加していくという方法を取っていき たいというように考えてございます。  最後、61ページ以下でございますが、報告資料3−4で、これは昨年末の分科会での 確認事項をさせていただいたところでございますが、この規格基準型の特保につきまし ては、63ページの「安全性及び効果の審査を経ているものとする食品について」の中の 1の後段の方、「また」以下のところでございます。こちらの方で、事務局で適合して いることを確認したものについては部会への報告ということで、審議会の審査を経たも のとするという扱いにさせていただいているところでございますので、よろしくお願い いたします。 ○吉倉分科会長  簡単に言うと、今、最後に言われたのは、資料3−1の「規格基準に適合しているこ とをもって有効性を確認することとし」、ここのところですね。 ○阿部室長  はい、そういうことでございます。 ○吉倉分科会長  事務局で大体適合しているのはわかっているということです。  それでは、これは報告事項ですが、よろしいでしょうか。今の報告にあったものは、 先ほどの参考のところが根拠になっております。  それでは、次に行きましょう。BSE問題をお願いします。  ちょっと待ってください。資料4というのを忘れてしまいました。 ○阿部室長  済みません。飛ばしてしまいました。 ○吉倉分科会長  似ているもので、飛ばしてしまいました。どうも済みません。 ○阿部室長  特保の「新開発食品調査部会」の審議結果の御報告でございます。3月24日に調査審 議を行ったものの3点について、御報告させていただきたいと思います。  資料の別紙の方でございますが、3点ございまして、1つ目が「ギャバのめぐみ」と いうことで、γ−アミノ酪酸。これについては、既に2つ許可が出ておりますけれど も、今回はこれまで許可されたものが一日当たり目安量10mg、それから20mgであったも のが、今回80mgということで、分量が増えているということで審議対象となったもので ございます。  2点目の「ゴマペプ茶」。これは血圧関係の清涼飲料水でございますが、新規成分と してゴマペプチド、LVYということで、ロイシン、バリン、チロシンということでの 成分ということで審議対象となったものでございます。  3点目の「DHA入りリサーラソーセージ」。こちらの方は、これまでもDHA、E PAを関与成分とする製品がございましたけれども、DHAの関与成分の方が、これま で許可したものが一日当たり260mg であったものが、今回は850mg ということで、一日 当たり目安量が増えたということでございまして、審議対象となったものでございま す。  よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長  これは報告ですね。何かコメントはありますか。  なければ、先ほどはどうも失礼しました。それでは、南さん、お願いいたします。 ○南課長  監視安全課長の南です。よろしくお願いします。報告資料5を基に、BSEに関連す る事項3点について報告します。  最初に、国内対策の見直し。次いで、牛肉輸入再開問題について。最後に、最近のB SEの発生状況について御説明をいたします。  まず、国内対策の見直しについてでございますが、5月6日に「食品安全委員会」か ら答申をいただきまして、これを基にと蓄場におけるBSE検査を現在のいわゆる全頭 検査を改めまして、21か月齢以上の牛に対して行うこととする。このための省令改正手 続を進めているところです。改正された省令の公布は7月上旬。施行は8月上旬を予定 しております。  なお、本省令案につきましては5月9日〜6月9日の期間、パブリック・コメントを 求めておりました。その概要を資料の3ページから13ページにまとめています。  3ページを見ていただきますと、御意見はインターネット及び郵送により450 通寄せ られました。資料では440 通ということになっておりますが、訂正をお願いいたしま す。  個々の御意見については、時間の関係で割愛をさせていただきまして、主な御意見を 紹介させていただきます。  まず、省令改正に反対の立場を取る御意見といたしまして、全頭検査の見直しの検討 は、特定危険部位の除去に関する監視体制、ピッシングの廃止など、一連の対策の実効 性が確認されてから行うべきであり、現段階での規制の改正は時期尚早である。  また、科学技術が進歩をしているので、検査精度は近い将来向上する。そこまで待つ べきである。  それから、「食品安全委員会」が行ったパブリック・コメント募集において、全頭検 査緩和への反対意見が7割ある中で、国民の理解を得ないまま緩和を急ぐべきではな い。  また、検査された牛肉とされない牛肉が出回ることによる混乱と不安が大きくなるの ではないかなどの御意見がございました。  賛成の立場からの御意見としましては、特定危険部位の排除が安全を保証するもので ある。また、検査の基準は諸外国と同様に30か月齢以上が妥当であるなどの意見がござ いました。  これらの御意見を、賛成の立場の方、反対の立場の方、どちらにも属さない、こうい うふうに分けてみますと、締切り間際に反対の立場の団体からまとまった御意見が寄せ られたということもありまして、反対の御意見が400 件、賛成の御意見が32件、その他 が18件となります。  なお、「食品安全委員会」の審議結果についてのパブリック・コメントでございます が、ここにおいても約七割が国内対策の見直しに反対の立場での御意見であったと聞い ております。これにつきましては、この資料の59ページから81ページに用意をいたしま したので、後ほどごらんいただきたいと思います。  厚生労働省といたしましては、「食品安全委員会」による科学的な評価に基づいて見 直しを進めておりますが、このような科学的な評価による安全が国民の安心につながる よう、今後ともリスクコミュニケーション等を通じまして国民の理解が得られるよう努 力をしてまいります。  次に、牛肉の輸入再開問題でございますが、資料の83ページからになります。  まず、92ページをごらんください。ここに、本問題の経緯が書いてございます。  簡単に御紹介いたしますと、BSE発生国で生産された牛肉については、食品衛生法 及び家畜伝染病予防法に基づきまして、国産牛肉と同様の安全性が確保されることが確 認されるまでの間、輸入を認めないこととしております。  アメリカ産牛肉につきましては、一昨年の12月に米国国内でBSE感染牛が確認され て以来、輸入を暫定的に停止しております。  これまでに、日本側専門官による現地調査、また日米のBSEの専門家や行政の実務 担当者から成るワーキンググループを設置いたしまして、協議を行いました。  昨年10月の第4回の日米局長級会議におきまして、日米の牛肉の貿易再開に関して 「食品安全委員会」による審議を含む国内手続を条件に、米国が日本向け牛肉につい て、1つは特定危険部位はすべての月齢の牛から除去すること。  もう一つは、生産記録などにより、20か月齢以下の牛であることが証明されることを 主な内容としました、牛肉輸出証明プログラムを設けることで認識を共有したわけでご ざいます。  その後、日米の実務担当者間で当該プログラムの詳細についての協議を行ってきたと ころです。また、カナダ産牛肉につきましても、この協議を並行して実施してきたとこ ろであります。  アメリカ産牛肉及びカナダ産牛肉の輸入再開問題につまきしては、「食品安全委員会 」の国内対策の見直しの議論が5月6日に終了したことを受けまして、5月24日に同委 員会に対して、資料の83ページに戻っていただきます。83ページの下段の「記」にあり ますように「現在の米国の国内規制及び日本向け輸出プログラム(別添)により管理さ れた米国から輸入される牛肉及び牛の内臓を食品として摂取する場合と、我が国でとさ つ解体して流通している牛肉及び牛の内臓を食品として摂取する場合の牛海綿状脳症 (BSE)に関するリスクの同等性」につきまして、食品健康影響評価を依頼したとこ ろであります。  また、この諮問に先立ちまして、5月13日〜20日までに全国9か所でのリスクコミュ ニケーションを実施し、関係情報の提供と御理解を求めたところでございます。  最後に、前回の分科会以降に我が国で報告されたBSE感染事例について概要を説明 します。資料の最後のページでございますが、3月27日に報告されたものを含めまし て、新たに5例が報告されています。17頭目は死亡牛の検査で発見されたものです。  これまで報告された20頭のBSE感染牛について、まず出生年月日について見てみま すと、12頭が平成7年の冬から平成8年の春にかけて生まれた牛で大きなグループをつ くっています。1頭が平成8年の夏生まれでございます。  平成9年、10年の生まれの牛はまだ報告はございませんで、次のグループとして平成 11年の夏生まれが2頭、更に平成12年の秋生まれが2頭、平成13年から14年の冬に生ま れたものが2頭出ております。  品種はすべてホルスタイン種で、性別は、前のページでございますが、8頭目、9頭 目の2頭を除き、すべて雌の牛でございました。  生産地は、調査中のものを含めて15頭が北海道で生産され、次いで神奈川県で2頭。 あと、群馬県、栃木県、熊本県でそれぞれ1頭生産されております。  臨床症状は、典型的なBSE症状を示したものはまだ報告されておりませんが、11頭 で何らかの臨床症状があったことは報告されております。  確認計算の結果は、8頭目、9頭目の若齢牛を除き、すべてウェスタンブロット法と 免疫組織化学検査の両方の検査で陽性が確認されております。また、病理組織検査で は、脳組織に明らかな空胞が見られた場合、陽性としております。  以上でございます。 ○吉倉分科会長  あと10分足らずしかないんですが、コメントをよろしくお願いします。  一番最後の牛などは平成12年なんですけれども、これは肉骨粉を食べているんです か。 ○南課長  飼料規制が法的に行われたのが、平成13年の10月からでございます。 ○吉倉分科会長  わかりました。それでは、御質問をお願いします。  これは、基本的には「食品安全委員会」で一応結論を出したわけですね。 ○南課長  はい。国内見直しについては答申を得ております。 ○吉倉分科会長  いかがでしょうか。  品川先生、何かコメントはありますか。 ○品川(森)委員  どういう立場で言えばよろしいですか。 ○吉倉分科会長  何でもいいんですが、勿論、委員として。 ○品川(森)委員  一言だけ、一番関係ないことだけ言います。  先ほど、一番最後のBSEの発生例ですが、17頭目というのが十勝家畜保健衛生所と いうところで解体し検査をしたところなんですが、このものについては、臨床診断はB SEとなってはいないんですが、症状の方では外部からの刺激に対する過剰反応という ような、いわゆるBSEの症状というようなものが見られていて、診断する勇気がなか った、名前を付ける勇気がなかったのかなと私は個人的に見ているんですが、そういう 症例です。 ○吉倉分科会長  ほかにいかがですか。  そうすると、あとは、この議題について今後この分科会に上がってくる予定は何かあ りますか。何か変わったことがあれば、報告が上がってくるんだと思いますが。 ○南課長  議題としては特にございませんが、分科会が開催される際には、その時点での最新の 情報について御報告をしたいと思っています。 ○吉倉分科会長  それでは、どうもありがとうございます。  そうしたら、最後に部長さんの方からでいいんでしたか。ト書きによると、部長さん が何かあいさつされることになっているんですけれども、別にされなくてもいいんです が。 ○外口部長  国会用務で出席が遅れまして、どうも大変失礼いたしました。  それから、分科会の審議、先ほど順調に進んだというメモを見ましたけれども、あり がとうございました。  御存じのように、たくさんの案件がいつも動いております。我々としては、これをで きるだけわかりやすく国民の皆様に説明しながら、御理解を得ながらいかなる、安全の 問題だけではなくて、信頼の問題、安心の問題も含めて進めていきたいと考えておりま すので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。  本当にどうもありがとうございました。 ○吉倉分科会長  それでは、今日はどうも御苦労様でした。大体時間どおり終わりました。                    照会先:                   厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課                   TEL:03−5253−1111(2449)