05/06/10 医療機器産業政策の推進に係る懇談会第3回議事録             医療機器産業政策の推進に係る懇談会                    議事録        日時:平成17年6月10日(金) 13:00〜15:00        場所:厚生労働省専用第15会議室(合同庁舎第5号館7階) 1.開会 ○二川課長  定刻になりましたので、ただいまより医療機器産業政策の推進に係る懇談会を開催い たします。私は司会進行をさせていただきます医政局経済課長の二川でございます。ど うぞよろしくお願いいたします。  最初に、岩尾医政局長より御挨拶申し上げます。 2.挨拶 ○岩尾局長  本来なら事務次官の戸苅から御挨拶するところでございますが、よんどころない用事 ということで、急遽代わりまして御挨拶をさせていただきます。  本日はお忙しい中、御出席をいただきまして大変ありがとうございます。皆様方には 日ごろから、厚生労働行政に格段の御理解、御協力をいただいておりますことに改めて 感謝を申し上げる次第でございます。  厚生労働省におきましては、医療機器産業の国際競争力の強化と国民の医療機器に対 する理解の深化を目指すため、平成15年3月に医療機器産業ビジョンを策定・公表し、 策定後5年間をイノベーション促進のための集中期間と位置づけ、国が行なうべき施策 をアクションプランとして提示し、これら施策を計画的かつ段階的に実施していくとこ ろとしているところでございます。ビジョンの策定から、おおむね2年が経過したとこ ろでありますが、我が国の医療機器産業が今後ますます高度化する医療への要求に応 え、国民の保険医療水準の向上に貢献していくためには、最先端分野の医療機器の研究 開発を進め、臨床現場に迅速に導入することが重要であります。  しかし、我が国の医療機器産業は、グローバルな競争の激化、不十分な研究開発環 境、保険医療財政悪化等の影響もあり、このままでは国際競争力はさらに弱まる可能性 があります。その状況を打破し、国際競争力を強化するためには、医療機器産業に係わ る関係者と国が常に共通の認識を持ち、ともに力を合わせていくことが肝要でありま す。  アクションプランを着実に推進し、実りあるものとするためには、少なくとも年に一 度関係者の皆様とともにその道のりを振り返って点検し、評価していただくことが必要 であると考えております。  本日はこれを踏まえ、アクションプランの今後の進め方を含め広く医療機器産業政策 全般について、関係者の皆様から忌憚のない御意見を承り、一層の施策の充実に努めて まいりたいと考えております。どうか率直な御意見、御活発な議論を賜りますようお願 いいたします。  最後に、御多忙にもかかわりませず、本懇談会のために、お時間を取っていただきま した皆様方に心より感謝を申し上げるとともに、今後とも御指導、御鞭撻を賜りますよ う改めてお願い申し上げまして私の挨拶とさせていただきます。 ということでございます。ひとつよろしくお願いいたします。 ○二川課長  ありがとうございました。 3.出席者紹介 ○二川課長  続きまして、本日の出席者の御紹介をするところでございますけれども、時間の節約 の観点から、座席表をもって変えさせていただきたいと思います。  本日は医療機器産業に係わる方々のほか、健康保険組合連合会の対馬専務理事、それ から独立行政法人の医薬品医療機器総合機構の宮島理事長にも御出席をいただいており ます。また、日本医師会の松原常任理事にも御出席をいただく予定になっております が、ちょっと遅れられるという連絡がございます。  また、事務局で出席しておりますのは、厚生労働省の幹部で構成しております医薬品 医療機器産業政策推進本部員が出席をしております。  それから関係省庁から、経済産業省の商務情報政策局、医療・福祉機器産業室の藤本 室長に出席をいただく予定をしておりますが、藤本室長もちょっと遅れられるというこ とのようでございます。 4.意見発表 ○二川課長  それではこれからお手元の議事次第に従いまして、医療機器産業界より御出席の皆様 から御発言をいただきたいと思います。 なお平成16年度末までの、医療機器産業ビジョンのアクションプランの進捗状況等につ きましては、参考資料でお配りをしておりますので適宜御覧いただきたいと思います。 本会議は、医療機器産業ビジョンの国際競争力強化のためのアクションプランの進捗状 況を評価するための会議ではございますけれども、このアクションプランに係わらず医 療機器産業の国際競争力強化のための産業政策全般についての御意見、あるいは国際競 争力強化に向けた具体的な取り組み、そういったものなど幅広い見地から御意見をいた だければありがたいと思っております。 それでは進め方でございますけれども、お手元の議事次第の順番でお一人5〜6分程度 ということでお願いをしたいと思います。その後に意見交換という形で進めたいと思い ます。それでは最初に、日本医療機器産業連合会の和地会長からお願いいたします。 ○和地会長  日本医療機器産業連合会の会長の和地でございます。座ってお話しをさせていただき ます。(スライド使用…*)  * 医療機器産業政策の推進に係る懇談会〜医療機器産業ビジョンへの取り組みと課 題  まず、医療機器産業の振興に係るこのような場を設けていただきまして感謝申し上げ たいと思います。  機械系及び流通につきましては、後ほどそれぞれの代表者から御発言があると聞いて おりますので、私は、医療機器産業全般に係わる事項と主に材料系につきましてお話し をさせていただきたいと思います。  御承知のように、近年の新しい治療は、新しい医療機器から生まれております。例え ば心臓のバイパス手術からPTCAやステント治療への発展は、新しい道具と新しいテクニ ックによって実現したものです。その結果、患者さんの苦痛や負担は少なくなり、医療 費も3分の1程度となって医療経済の面からも効率化が進んだわけでございます。  * 1.はじめに  このように医療における医療機器の貢献、すなわち患者さんのQOLの向上、医療の安 全性と効率化の推進、医療経済性の確保などの面における医療機器の貢献が認知された ことによりまして、ようやく医療機器に光が当たり始めたというふうにとらえておりま す。かねがね私は、医薬品と医療機器の本質的な違い、例えば30万種以上にものぼる医 療機器の多種、多様性、あるいは工学を始めとする学問、技術の多様性、あるいは使い 方や保守点検が安全性に与える影響などにつきまして、いろいろな場で述べてまいりま したけれど、このような医療機器の特性に配慮した施策が徐々にではありますが進展し てきているというふうに考えております。しかしながら、先ほど医政局長の御挨拶にも ありましたが、日本の医療機器の国際競争力の強化という観点からは、まだまだ解決す べき課題を残していると言っていいと思います。  お手元の資料にもございますが、医療機器の役割には2つ大きな側面があります。1 つは先端医療機器の開発で、診断、治療方法の発展に貢献すること。そして2つ目は医 療現場のニーズにあわせて常に改良・改善を加え進化させる。この2つだと思います。  まず先端医療機器の開発ですけれども、御承知のように元来日本には世界トップ水準 の要素技術が豊富に存在します。これらの工業技術と医療技術を融合させることによっ て、高度な画像診断システムやナノテクなどの微細加工技術、あるいは素材技術を応用 したドラッグデリバリーシステムや、あるいはターゲット治療技術、内視鏡やロボット 技術の融合による低侵襲治療機器や新しい人工臓器、また遺伝子工学や細胞工学を応用 した再生医療の分野こういうものが有望視されております。  これまで日本では、基礎研究の成果を実用化に結びつける、この部分が弱いという面 がございました。日本の優れた要素技術を医療機器に応用してスピードを持って実用化 するためには、医工薬連携、産学連携に加えて異業種からの技術導入、異分野の技術と の融合に積極的に取り組む必要があると考えております。  次に、医療の安全確保や効率化及び患者さんのQOLの向上の貢献ですが、この点につ いては、日本の強みを生かした独自の日本型治療モデルを構築することが鍵となりま す。御承知のように日本は世界の少子・高齢化のトップを走っておりまして、医療ニー ズの方向性が今後大きく変わります。具体的には、治療成果だけではなく、患者さんに とって快適な医療ということが求められます。この分野では低侵襲治療、疼痛緩和、が んとの共生などが大きなテーマになってくると考えられます。また、急性期医療だけで はなく慢性期の医療にも着目する必要があり、生活習慣病などを少しずつ治す医療や予 防、自己管理が今まで以上に重要になると思います。  また日本の強みである生産技術を生かして、継続的な改良・改善によって新しい価値 を生み出すことも大切です。現場からのニーズが強いリスクマネジメントや、在宅医療 の分野などでは日本独自の成果が期待されると思います。  このように、先端医療と日常的な医療の質の改善の両面にわたって、日本独自の強み を生かした医療機器開発を目指すことが、日本の国際競争力の強化のベースとなると考 えております。  * 2.産業界の取り組みと主な成果  次に、医療機器産業としての取り込みと成果でございます。時間の関係上、詳細は資 料に譲りますが、厚生労働省を中心に省庁横断的に医療機器に目を向けていただいてい ることによりまして、産業全体としても活性化の兆しが見えてきております。医器工の 統計資料によりますと、日本企業の研究開発費は最近2年間で、年平均約3%の伸びを 示していることも一つの証左だと思います。またこの1年は、特に改正薬事法の準備に 多くの時間を割いてきましたが、認証基準363規格のJIS化や新クラス分類の策定への参 画などには大きな成果を上げたと思います。今後、引き続き承認・認証基準の策定、添 付文書のデータベース化を含む医療材料の情報化推進、そして産官学連携の推進による 新しい医療機器開発へのチャレンジに取り組んでまいりたいと思います。  * 4.アクションプランの進捗状況について  さて、アクションプランの進捗に関する評価ですが、研究開発から生産・販売・使用 の各段階を通じまして、さまざまな施策が検討、実行されまして、全般的には医療機器 の特性に配慮したインフラ整備が一歩一歩進みつつあるというふうに評価しておりま す。具体的に主なものを3つ挙げますと、まず医療機器の安全確保など、医療機器に焦 点を当てた改正薬事法の施行ならびに運用につきましては、医療機器産業の変革を求め る意味でも大きなインパクトがあったと思います。  2番目は、医療機器に関する窓口として、医療機器・情報室が設置されたことは産業 界側からも要望したことでありますが、高く評価するとともに今後の活動に期待いたし たいと思います。  3番目は、日本発の医療機器開発に向けて省庁横断的な産官学連携が動き出しまし て、医療技術産業戦略コンソーシアム、いわゆるMETISにおける重点7テーマの選定と か、あるいはガイドラインの策定が進められております。今後、産業側としましても、 産官学の連携をさらに強めながら、新しい医療機器の実用化のモデルとなるような道筋 を目指していきたいと思います。  *今後の課題と行政等への主な要望  最後に、今後の課題と要望について5点ほどあわせてお願いをしたいと思います。ま ず1つは、新しい医療機器の開発・実用化を加速させるために、研究開発から治験、承 認審査、保険収載までの実用化のスピードを図るために、総合的かつ重点的な支援をお 願いしたいと思います。2番目は、医療機器の治験につきましては正直言いまして、企 業側、審査側とも進め方についてノウハウの蓄積がされておらず、また医療機関におけ る体制も整っておりませんので、医療機器の特性に配慮した環境整備について御支援を いただきたいと思います。3番目は、総合機構が発足して1年が経過しましたが、工学 系人材等のさらなる拡充等の体制整備を進めていただくとともに、遅れている承認審査 の迅速化に、ぜひ御協力をお願いしたいと思います。4番目は医療機器の使用安全推進 の観点から、医療機器専門人材の育成、配置ならびに医療従事者のトレーニングシステ ムにつきまして、国としてのさらなる取り組みをお願いしたいと思います。最後に5番 目ですが、アクションプランの整備が進めば進むほど、その運用と活用が大事になりま す。仕組みができつつありますが、その運用及び企業側の活用が十分とはいえない面も ありまして、本格的な成果に結びつけるのはこれからだと思います。そのような観点か ら、医療機器の開発から保険収載に至るまで一貫した指導体制をとっていただくよう強 くお願いしたいと思います。  いろいろお願いを申し上げましたが、業界としましても志を高く持って課題にチャレ ンジしてまいりますので、今後とも一層の御支援をよろしくお願いいたします。ありが とうございました。 ○二川課長  ありがとうございました。続きまして、在日米国商工会議所医療機器・IVD小委員会 の田村副会長にお願いいたします。 ○田村副会長  在日米国商工会議所医療機器・IVD小委員会の田村でございます。よろしくお願いい たします。座ってお話しをさせていただきます。  今日はこのような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。皆 様御案内のとおり、今年の4月から改正薬事法が施行されまして、非常に私どもに大き なインパクトがございます。それとの関係を中心にお話しをさせていただきたいと思い ます。(スライド使用…*)  * 改正薬事法と医療機器産業ビジョンについて  まず非常に大きな話でございますが、改正薬事法と医療機器産業ビジョンとの関係で ございますが、大きな方向性についてはきわめてよく一致しているというふうに認識し ております。特に製品のリスクに応じてメリハリのあるものとすると、行政の限られた リソースを非常に重点的に、特に保健医療水準の向上に貢献できるような分野に傾注し ていただいているということについて、私ども両者が一致していると認識しておりま す。  ただ、改正薬事法にいたしましても実際の運用面はこれからでございまして、その両 者が今後実際に調和していくことを期待いたします。次、お願いいたします。  * 市販前審査について  次は、アクションプランによる生産に関連する部分ですが、市販前審査について1、 2お話しをさせていただきたいと思います。先ほどの資料にありましたが、改正薬事法 でクラスIIの医療機器について第三者認証が取り入れられたということで、本当に画期 的であり、合理的かつ現実的な政策であると私どもは高く評価しているところでござい ます。ただ、これも実際現実のものとして具体的に動くところに幾つか懸念がございま す。  1つは、第三者認証機関の仕組みがまだ詳細が決まっておらず、私どもの懸念として は第三者認証機関の審査の裁量の幅が制限されてしまうのではないかということです。  それから2つ目は、今着々と製品の認証基準が作成されているところでありますが、 これは全て日本工業規格JISとして制定・使用されております。ところが、国際規格と ISOは当然違う体系で一部不整合というか違いがございます。その違い自体は日本の方 がいいものもありますので、全て否定するわけではございませんが、その違いがある場 合には、その作成過程をどういうふうにしたか、あるいはどうしてこのような違いがで きたのかということをきちんと説明していただきたいと考えるところでございます。ま た新たな参入障壁というふうに言われることのないようにお願いしたいということでご ざいます。  それから3番目には、今回品質システムの監査導入が入りました。これはやはり医療 機器の生産特性、製造のプロセスなどから見て妥当なものであると考えております。医 薬品などのように、出来上がったもの、すなわちアウトプットを幾つか取り上げて、そ れで適切な監査ができるかというと、やはり医療機器の場合は異なりますので、生産プ ロセスをきっちり見ていくということが非常に重要であると考えております。ただ、こ れも監査の詳細について今まだ明らかになっておりませんので、早急に明確にしていた だきたいと考えるところでございます。次、お願いいたします。  * 未承認医療機器の早期使用/医療機器の適正評価  これまで再三さまざまなところで業界としては述べてきておりましたが、未承認医療 機器の早期使用の問題、それから医療保険における医療機器の適正評価について、でご ざいます。御案内のとおり、私どものさまざまな医療機器で、欧米に比べて日本で導入 されるのはかなり遅れているというのが現状でございます。もちろんこれは、業界も一 層努力しなければいけないところがあると思いますが、新しい機器をお届けできないの は患者様にとって本当に不幸なことでございますので、なんとか行政の皆様と一緒に努 力して直していきたいというふうに考えております。  ここでは例えばということでございますが、医薬品に関して適用されている適用外の ルールも、医療機器でも適用できないかということをお願いしたいということでござい ます。ちょっと具体的な細かな話になってしまいますが、現在医薬品では、外国での承 認があったり、医療での相当の使用実績があるような場合には、治験データなしで効能 ・効果が異なるものを適用することができる。そういう申請のルールがございます。も ちろん医薬品と医療機器とはさまざまな点で違いますので、医薬品でこういうルールが あるからといって、医療機器にも適用できるというわけではないと思いますが、こうい うものについても御検討いただきたいということでございます。  それから2番目のC1/C2のことは、順次さまざまな形で改良してきていただいて おりますが、私どもとしては、新しい機能区分をつくる場合に、どういう具体的な基準 で新しい機能区分とみなしていただけるのかどうかというところを再三明確にしていた だきたいというふうにお願いしてきたところでございますが、それについてまた再度お 願いしたいということでございます。  それからC2につきましては、適用時期が今のところまだいまひとつ明確でないとい うことがございますので、これについてもなんらかの形でお教えいただければ幸いでご ざいます。次、お願いいたします。  * 市販後の規制  次は市販後の規制で、アクションプランで言うと使用というところでございます。医 療機器の適正な使用促進というためには、医療機関側においての体制というのが非常に 重要になると考えております。薬剤部のような組織が、普通の医療機関、病院さんであ ればほとんどあるわけですが、医療機器管理室というようなものは従来あまりありませ ん。これがあることによって、医療機器のさらなる適正な使用が促進されるのはほぼ間 違いありませんので、こういうようなことについて推進していただきたいということで ございます。今、医政局で行なわれている「医療機器管理室施設整備事業」というのが ございますが、これは本当に私どもとしてもぜひ推進を望むものでございます。これま でのところあまり件数の実績が多くないということで、これの一層の推進をお願いした いということでございます。最後でございます。  * 市販前規制と市販後規制の連携・融合  最後は、リスクとベネフィットの問題でございます。これは私どもでも考え方を模索 しているところでございますので、ぜひこれも一緒に考えていただければということで ございます。  私どもは、医療機器に不具合がないように、リスクがないように日々努力をしている ところでございます。しかし、他のものもそうかもしれませんが、医療機器もリスクは ゼロというふうにはなかなか成り得ません。そうするとリスクを事前に把握して、その リスクをコントロールする手段を選択して実行し、それでその後さらに、使い始めた後 に、そのリスク情報をモニターするということが重要になります。こういう体制につい て、今までともするとリスクがあってはいけないというようなことが言われてきたわけ ですが、なかなかそれは現実的でないということでございます。現在、一部のものにつ いては、過去の不具合の発生率を見ながら報告するという仕組みが市販後についてはな されるようになりました。今回の改正薬事法でそういう体制がなされました。リスクに 関してどのような考え方が市販前規制、審査のときにも導入されて、さらにその市販前 と市販後が連携・融合するようなことが、何かしら考えられないかというのが私どもの この最後の問題提起でございます。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○二川課長  どうもありがとうございました。それでは続きまして、欧州ビジネス協会医療機器委 員会の橋本事務局代表にお願いいたします。 ○橋本事務局代表  EBCの橋本でございます。よろしくお願いします。お手元の発言要旨に従いまして、 意見を述べさせていただきたいと思っております。  まず、医療機器産業ビジョン「国際競争力強化のためのアクションプラン」の進捗状 況に関する評価につきまして、前回懇談会でも申し上げましたが、このアクションプラ ンの進捗状況を定量的に測るため、医療機器の研究、開発、生産、販売、使用のフェー ズごとに目標とする平成20年に、どのようになっていれば良いか、数値目標を設定した うえで、進捗を監視してはいかがでしょうか。  また、各フェーズをまとめた、つまり「国際競争力は強化されたのかどうか」につき まして、全体の数値目標も設定できないものでしょうか。  さまざまな「アクション」が、「国際競争力の強化」に確かにつながったということ が検証できることが重要かと考えております。  また、アクション済みの施策につきましては、国際競合力強化の観点から結果評価を 記載していただければ、進捗状況がより明確化されるのではないでしょうか。  次に、今後取り組むべき事項または新たに盛り込むべき事項といたしまして、ペース メーカーの小型化やバッテリー寿命の延長等、医療機器の開発は連続的であると言われ ております。過去にない最先端分野の医療機器の研究開発を推進するだけでなく、連続 的な開発の結果生まれてくる、既存の医療機器に付加される新機能にも着目した支援や 評価が必要ではないでしょうか。  例えば、最近のMRIやCT装置では、心臓や冠状動脈の診断、急性期脳梗塞の発見に寄 与する機器も開発されており、これらの新機能には積極的な保険評価などを行い、研究 開発マインドを鼓舞する環境の整備も必要ではないでしょうか。  続きまして、国際競争力強化につきましての意見でございます。“より優れた医療機 器”の開発が国際競争に勝つためには必要です。魅力的なマーケットが競争を生み、 “より優れた医療機器”を育てるとも言い換えることができるのではないかと思ってお ります。国内外の医療機器メーカーを問わず、多大な投資をし、開発し、上市した新医 療機器や新付加機能などが、その有効性に見合った適切な技術料や材料料で保険評価さ れる必要があるでしょう。  もう一つ大事なことは、上市までのスピードです。競争の激化に伴い、企業の開発サ イクルは短くなっております。開発から上市までの期間が諸外国より短ければ、国際競 争力の強化にもつながるのではないでしょうか。  つまり「より良い物が、早く、適切な価格で売れる」ように環境整備を引き続き行な っていけばどうでしょうか。  そのためには、このアクションプランに加え、新医療機器の保険の評価基準に、医療 経済や患者QOLへの貢献度を加える。次に、付加機能への積極的な保険適用。価格のみ の入札から、性能や機能を重視した入札の推進。保守管理に予算をつける。一部変更承 認不要範囲を大幅に拡大し、一変のスピードアップを図る。改正薬事法で、一般医療機 器の届出記載内容の簡素化など、申請書類のより簡素化を計っていく。等の追加措置が 考えられます。  また、さまざまな規制は、優れた医療機器の上市のタイミングを遅らせるブレーキと なりがちです。医療機器産業ビジョンの基本的な考え方にも記されておりますように、 「規制は、その目的を達成するうえで必要最低限であるべき」には大賛成です。前にも 述べましたように、一部変更承認不要範囲の拡大や申請書類のさらなる簡素化など、こ の観点に立った現行規制の必要な見直し、緩和が医療機器の早い上市のために、図られ るべきではないでしょうか。  まとめとしまして、繰り返しになりますが、市場競争が、顧客ニーズに沿う、より良 い製品を生むという側面にも着目しまして、医療機器購買力の強化や過剰な規制の思い 切った緩和等により、上市にいたるまでのスピードアップ等の施策を、この「国際競争 力強化のためのアクションプラン」に肉付けし、数値目標を設定・監視し、市場競争を さらに進めていくということが、国際競争力の強化につながっていくことと考えており ます。以上でございます。 ○二川課長  どうもありがとうございました。続きまして、日本画像医療システム工業会の桂田会 長にお願いいたします。 ○桂田会長  日本画像医療システム工業会、JIRAの桂田です。お手元の資料に沿ってお話させてい ただきます。(スライド使用…*)  * 医療機器産業育成・国際競争力強化に向けて  産業ビジョンの目的である医療機器産業の育成にとって、日本において開発した機器 が医療制度の中で適正に評価され、その結果として得られる適正な利潤が、次の開発の 再投資に向けられ、新しい機器が開発・供給され、医療水準ならびに医療効率の向上に 寄与するというそのサイクルを回していける仕組み、プロセスがなにより重要です。そ うすることによって、産業の国際競争力も強化されるものと考えております。  医療機器産業ビジョンに示される大綱は大いに評価できるものであり、具体的に早く 進めていくことが寛容であると考えております。  まず、お手元の資料でございます。医療機器産業育成・国際競争力強化に向けてのス ライドでございます。今回は、ここに示す4点についてお話しを進めたいと思います。  まず1番目、医療機器システムの果たす役割の適正な認識と評価でございます。医療 機器システムの重要性を深く理解していただくことにより、診療報酬としてその中身が 見え、議論ができる形で決まっていくことを望みます。次のスライドをお願いします。  そうすれば、ここに示したMRIのように、日本と諸外国の診療報酬の差はこのように 大きくなることはないと思います。この現状を改善するには、業界としてもより具体的 な提案が必要であると考えており、その一助として画像診断コンソーシアムを立ち上げ ました。これは医師、診療放射線技師、そして業界が一体となって経済的、技術的評価 に向けて取り組み始めたところです。次のスライドをお願いします。  * II.医療機器システムの多様化・高度化に対応した育成・規制のあり方  医療機器システムの多様化・高度化に対応した育成・規制のあり方でございます。医 療機器システムの高度化・多様化という中で、今やソフトウェアがより重要性を増して おります。ソフトウェア単独で診断や治療に直結するものさえ、薬事承認の対象となっ ていない点が問題であると考えております。また、ソフトウェアで診断・治療に直結す るものについては、診療報酬の範囲が検討されるべきものと考えております。次のスラ イドをお願いします。  * III.医療機器システムの適正使用を目指したインフラの整備  3番目でございます。医療機器システムの適正使用を目指したインフラの整備でござ います。医療機器管理室、機器の保守点検など既に重要であるとの認識は示していただ いており、具体的実行として法制化などにより、より速やかに整備が進むことを望みま す。特に、医療機器システムの高度化・多様化に対応していくことが重要であります。 高い性能を引き出すために、それに見合ったコスト、リソースが必要となります。この 点についても診療報酬における配慮が必要と考えております。次のスライドをお願いし ます。  * 医療機器の保守点検の実態  これは、医療機器の保守点検の実態でございます。ここに示しましたのはJIRAの調査 した保守点検の実態です。主要装置を対象とした保守契約率を見ますと、平均すると約 半分、50%です。国立医療機関においては38%と国立を除く医療機関の56%に比べて更に 低い水準にとどまっているのが現状でございます。次のスライドをお願いします。  * III.医療機器システムの適正使用を目指したインフラの整備  医療機器システムの適正使用を目指したインフラ整備の継続でございますが、インフ ラの整備の中でも、重要でありながら達成に時間がかかるのは、人材の確保と教育そし て有効活用かと考えます。例えば、専門性を考慮した医療機器管理責任者が必要である ことは周知のことでありますが、育成に要する時間も考えると、一例として全国に5万 人以上いる診療放射線技師の有効活用が鍵にもなるかと考えます。  また、放射線治療に関しては、ヒューマンエラーなどによる医療安全の問題や、放射 線治療技術が大きく進歩しているにもかかわらず、がん治療における我が国の放射線治 療の適用率が非常に低いというこの現状が問題になっておりますが、ここに示すように 放射線治療の専門有資格者数も日米では大きな差が存在しております。次のスライドを お願いします。  * IV.審査・承認に関わる要望  これは、審査・承認に関わる要望でございます。4月より施行となった薬事法に関連 して、医療法など関連法令との整合を早く進めていただく必要があると考えます。ま た、国際的整合への取り組みであるGHTFの活動につきましては、諸外国のように、特に 同一の行政側出席者による継続的な対応をお願いしたいと思います。最後に、医療機器 については、行政側に医工学系人材が不足していると既に認識していただいているとこ ろでございますが、引き続き医工系人材の増強をお願いしたいと思います。合わせて民 間人材の活用につきましても、積極的な対応を期待しております。以上、JIRAの立場で 述べさせていただきました。ありがとうございます。 ○二川課長  どうもありがとうございました。続きまして、日本医療機器販売業協会の諸平会長に お願いいたします。 ○諸平会長  日本医療機器販売業協会の諸平と申します。販売業の立場から、主に改正薬事法に伴 うことで、要望というか一言発言をさせていただきます。よろしくお願い申し上げま す。  我々の立場から見ますと、今度の改正薬事法の中では、市販後の安全対策の拡充・強 化と、この1点だけだというふうにとらえているわけでございます。今年の4月から施 行されました改正薬事法は、医療機器・医療材料の市販後の安全対策を重視する立場か ら、高度管理医療機器・特定保守管理医療機器に対して、譲渡・譲受に関わる情報の記 録・保管が義務付けられました。  譲渡・譲受に関わり記録が義務付けられる情報は、納品先・納品の日時とともにその 製品を特定する名称・その製品の製造由来を表現するロット番号まででございます。現 在、医療機器・医療材料の一般的な名称は4000余りあり、4044だと思いますが、品目数 では30万種類を越えているというような状況でございます。  薬事法上記録保管義務の対象となる医療機器・医療材料は、30万種類を越えるそれら の医療機器・医療材料の半分程度というように、現在私ども推測しているところでござ います。これらの記録を目視とかあるいは筆記で行なうことは事実上不可能でございま して、その記録の正確性と省力化を全く期待できないということになろうかと思いま す。  現在、医療機器・医療材料を特定するための業界統一コードというのが一応決められ ておるわけでございますが、普及の途上にある段階で、我々が推測しても50%を超えた 程度なのかなというのが現状でございます。まして製造由来を表すEAN128コードについ ても、この普及度は十分とは全くいえない状況でございます。これらの普及を図る方策 の思い切った実施が必要であるというふうに考えるわけで、ぜひお願いをしたいと考え ております。  なお、今年は来年の医療費の改定を控えて、特定保険医療材料の市場価格調査が実施 されることになっております。この調査を我々の団体も全面的に御協力するわけですけ れども、この調査の正確性と省力化を期すためにも、完全な統一コードがないといけな いのではないかと考えているところでございます。以上でございます。 ○二川課長  どうもありがとうございました。続きまして、日本臨床工学技士会の川崎会長にお願 いいたします。 ○川崎会長  日本臨床工学技士会の川崎でございます。きょうは、ありがとうございます。座らせ ていただきます。(スライド使用…*)  * 「医療機器産業と臨床工学技士」  私ども、臨床工学技士という立場で産業ビジョンを考えましたところ、スライドには 平成15年2月14日にプレゼンテーションさせていただいた時の課題ということで、最後 の締めくくりで、このように、臨床と研究開発の連携。それから学問としての「臨床工 学」の確立。それから3番としまして、臨床工学技術の標準化。ということが課題であ ろうということで平成15年の時に述べさせていただいたのですけれども、その次のスラ イドをお願いします。  * 臨床工学技士の専門認定制度素案  そのときに、新しい医療職でございますので、今まで教育環境がまだ未整備でござい ます。臨床工学技士の専門性、スキルアップをどう図っていくかということで、このよ うな一つのスキルアップのシステム化を図ろうということです。臨床工学技士の業務分 野というのが、人の呼吸とか代謝とか循環という、生命維持機能3つに分類しまして、 そういった領域の医療機器を駆使した「生命維持管理装置を操作及び保守点検を行なう 」ということが大きな前提でございます。そういったことから、代謝、呼吸、循環を扱 う機器という切り口で専門領域の確立ということで今まで行っております。  その様な中で、また学会レベルでもいろいろ専門技士を育成しているわけですが、そ ことの連携ということで私どもの方で中心となって動いております。次のスライドに具 体的にお示しいたします。  * 臨床工学技士専門研修の概念図  学校を出て新人研修をするわけでございますけれども、下からだんだん矢印の様に上 がって行きます。所定の期間、実地研修をして一つの分野別の認定試験を取って、また その次に研修をして次の専門分野へ進むというような形でございます。この中のスライ ドに示す幾つかがもう既に実施されております。  * 分野別認定試験の現況  透析関連では、透析関連の5つの学会で構成している認定委員会で「透析技術認定士 」という学会認定があります。それから人工心肺関係では、心臓関係の3学会で認定委 員会を構成し「体外循環技術認定士」試験を行なっております。それから呼吸関連で は、呼吸療法に関係する3学会で構成された委員会で「呼吸療法認定士」。それから次 に高気圧環境医学会で「高気圧治療技師」、日本アフェレーシス学会で「アフェレーシ ス技術認定士」、そしてME関連2学会で「臨床ME専門認定士」を認定しております。  この今挙げてある認定ですが、受験医療資格は基本的には医療関係職種ということ で、臨床工学技士とか看護師、準看護師というようなことが基本になっておりますけれ ども、呼吸療法認定士になりますと、それに加えて理学療法士が受験できるということ になっております。アフェレーシス関係は、一応臨床工学技士だけということで、臨床 ME専門認定は臨床工学技士及びすべての医療資格という表現を使っております。基本的 に関連学会が、各々この様な試験を実施していただいているのですが、受験医療資格の ことであるとか、講習会の内容であるとか、具体的な部分で足並みが揃わない状況があ り、今後臨床工学技士会が中心となって全体の足並みを揃えていければと考えておりま す。  * 学問としての「臨床工学」の確立  次に、学問として「臨床工学」の確立ということでございます。現在、臨床工学技士 の育成施設は3年制の厚労省指定の専門学校がメインになっていますが、養成校に最近 大きな動きがあります。白字の北里大学の衛生学部というのは厚生労働省指定校という ことでございますが、その他のところで黄色で書いてある大学名ですが、臨床工学技士 法の受験資格の一つの厚生労働大臣が指定する科目を履修して4年制大学を卒業した者 という、条項があります。これは厚生労働省の縛りがないといいますか規制のかからな い大学ということで、こういった大学が最近急速に増えております。内容がよくわから ないところは失礼ですが、最後にクエスチョンマークをつけさせていただいたのです が、そういった大学が非常に増えております。  このような大学の教育内容や学生レベルというのも、把握できていない状況がありま す。特に、全て私立系の理工系大学ということでございます。残念なことに国公立大学 での学科の開設というのが現在ございません。ぜひ、臨床工学の先端を担う役割を果た す人間の育成を国公立でも進めていただければと考えております。  そういった大学教育の中から、一つの臨床工学という学問が育っていくのだろうとい うふうに考えております。次のスライドお願いします。  * 教員不足  次に教員不足ということもございます。先ほど、医工学者とか医工学人材というよう な表現が他の方々から出ておりますけれど、私どもの考え方としては、やはり臨床工学 という学問をこれから伸ばすべきではないかなと考えております。医工学と臨床工学の 違いはなんだという御意見もあるかとは思いますが、臨床という現場で、工学を活用し た領域の学問であり、いわゆる医工学に臨床学というのが加わるということを考えてお ります。  臨床現場では一人の患者へ何台もの異なったメーカーの機器が使用されることは希で はなくそれらの機器のマッチング、あるいは同じ部屋で同時に数十人の機器による治療 が行われる特殊な治療環境への対応など、臨床現場特有の諸問題へのきめ細かい対応が 臨床工学であると考えます。  医学者、工学者は沢山いますけれども、臨床工学者は大変少ない状況です。これから 育成しなければならないと考えております。その育成した臨床工学者を適正に起用し て、教員なり新しい医療機器の開発の担当者となることが望まれます。現在、養成校が 45とスライドにはありますが、もう少し増えて47ぐらいある様です、「ぐらい」という のは曖昧な言い方ですが、把握できないよう乱立に近い状況で学校ができております。  * 教育問題への対応  次に教育問題への対応ですが、私どもの日本臨床工学技士会の中に、臨床工学技士教 育施設協議会とで連携して日本臨床工学教育研究会というものを毎年開催しておりま す。昨年は大阪で開いたのですが、その結果学生の臨床実習のガイドラインを策定しま しょうということで策定いたしました。また日本の臨床工学の領域だけでなく、アメリ カの状況ということでAAMI,アメリカの医科器械学会の前会長を招請しまして特別 講演をお願いいたしました。そうしましたところ、今年の5月にAAMIの大会がフロ リダでございまして、そこへ臨床工学技士のセッションを設けていただけて、こちらか ら出向いて日本の臨床工学技士の現況と将来というテーマで講演をしてきました。そし て、アメリカのクリニカルエンジニアは医療機器管理が業務であり、日本は医療機器管 理業に加えて直接治療に参加し機器の操作も行っている点で、米国の参加者から好評を 得た感じです。世界へ向けて日本の日本初臨床工学技士を進め、またグローバルな人材 育成を行っていきたいと考えます。  * 臨床工学技術の標準化  次に、臨床工学技術の標準化ですが、昨今医療機器を使用した様々な治療の中で、医 療事故が多発しています。そこで使用者の適正使用に関して、標準化を推し進めており ます。その発端は透析での空気誤入死亡事故があり、事故防止のための標準的透析操作 マニュアルを14年度制定。15年度では、その標準的操作マニュアルを実施するために不 可欠な標準的な血液回路を策定し公開しております。その他に昨年度は、血液透析装置 の安全指針というものを業界にも協力していただき策定しました。透析以外には、人工 呼吸療法における安全対策マニュアルも策定し、更に今年は見直そうということで考え ております。次のスライドお願いします。  * 今後の課題と提案  今後の課題でございますが、先ほど来、医療機器管理室の設置の推進と臨床工学技士 の活用という部分が一つのポイントとなっておりますが「設置しよう、配置しよう」と いう掛け声だけではどうもうまく進まない現状がございます。というのは地方自治体も 財政難で医療機器管理室設置助成金が出せないとハッキリ言う都道府県も沢山聞きま す。  臨床工学技士と保険制度を考えますと、私ども臨床工学技士には全く技術フィーがあ りません。診療報酬でペースメーカー室、心カテ室、心臓手術の特掲施設の施設基準の 中に、臨床工学技士が常勤で1名以上いなければならないという規定だけです。臨床工 学技士がいくらがんばっても、目に見えた診療報酬なり技術料というものが表面にでて きません。ぜひ臨床工学技士のフィーとして手当していただくこと、また医療機器管理 室の維持管理にも費用が非常にかさみます。医療機器管理室設置の助成金だけでなし に、施設維持管理料を要望いたします。  次のスライド、お願いします。  薬事法の改正で医療機器業界への規制が、方向的には緩和という方向ですが、安全性 確保の観点から使用のフェーズでの保守管理や適正使用に関して責任を明確化する意味 で、医療法施行規則の外部委託業務の条項で扱われている医療機器の保守点検を、医療 機関の機能維持として医療機器管理室の業務の一部都市、一定基準を設けて医療機器管 理室の設置を義務化するなど医療法での手当を希望します。  また、特定保守管理医療機器等という分類ができているにも関わらず、医療機器産業 ビジョンに示されている保守点検実施の検査・監視機関が無く、早期に設置していただ きたく考えております。以上でございます。 ○二川課長  どうもありがとうございました。それでは、日本医療産業同友会の松本代表幹事にお 願いいたします。 ○松本幹事  松本でございます。今まで何人かの方がおっしゃっていますので、一部重複するかも 存じませんが、私の思うところ、順不同で、以下申し上げたいと存じます。次のスライ ド、お願いします。(スライド使用…*)  * 1)イノベーション促進の為の「産官学」連携  あそこに書きましたが、イノベーション促進の為の「産官学」連携、これは前回にも ビジョンの中に入りました。今朝の日本経済新聞の一面にも、十大学の例が取り上げら れていましたが、これからはさらに“キメ細かい”対応をしていただきたいし、我々も するべきではないかと。  ある中小企業の事例としまして、次のページですが。  * 日本医科器械新聞  連携する地方自治体と大学の取り組み姿勢に、まだアンバランスがあるのではないか ということで、このスライドにございますように、これは新聞記事の抜粋ですが、新潟 県にございますある中小企業と申しますか、中堅企業が産官学共同の開発研究所を1億 円で立ち上げました。新潟大学の医学部、歯学部とそれからNICOと称する県と進めてい ると。ただやはり、地方自治体と大学との間に多少積極的な姿勢のアンバランスがあっ て、当面もう少し何か望みたいところがあるという率直なところ、この社長は言ってお られました。たまたま私どもの会員でおられるので、この間ちょっとお聞きしたもので すから出しました。次のページをお願いします。  * 2)振興ベンチャー企業  これも前回ビジョンに、「バイドール委託制度」という表現がございましたけれど も、ここらへんが振興ベンチャー企業だけでなく既存の中小企業、アメリカでも欧州で も8割、9割が中小企業といわれますけれども、既存の中小企業の活力再生に向けても 行政による環境整備ということによって「やる気」を起こし、また起こさせると。その ためには、例えば総合機構での「バイドール委託制度」こういった制度をまだまだ知ら ない人が非常に多いということからも、さらなる周知徹底をお願いしたいということで ございます。次のページ。  * 3)国民の「健康診断」への貢献面から  国民の健康診断、予防医療ですが、これは内視鏡診断と画像診断のバランスと申しま すか連携と申しますか、低侵襲・非侵襲というのかもしれませんが、私事にわたって恐 縮ですが、私10年ほど前から自分の人間ドックでペットをCT・MRI等でずっと人間ドッ クを続けてまいりました。3年前からそれと併用して別の医療機関で内視鏡診断を始め ました。結果、3年前から大腸ポリープが1年に3個ずつ、3年間で9個発見されて、 いずれも良性ではあるけれども切除をするということで内視鏡で取りました。そこの参 考書の中にJIRAさんの画像診断の経済的効果という素晴らしい色刷りの資料があって、 私も感心して見ていたのですが、このパート1の2ページにも画像診断と内視鏡診断の 比較がございますけれども、そこらへんも含めて「迅速」病理診断、バイオプシーと思 いますが迅速治療のドッキング、ワンデーサージェリーができても、やはり迅速病理診 断は今1週間から10日、検体検査がかかるのが実態かと思いますので、そこらへんのと ころも含めて更なる研究開発が進めばと思います。次のページ。  * 4)中古品の使用実態や廃棄物処理に関する調査研究の迅速化  中古品の使用実態や廃棄物処理に関する調査研究の迅速化、これも前回ビジョンのフ ォローアップの厚労省さんの資料にございましたが、さらにぜひ進めていただきたい と。これが諸外国と同じように国内市場でも進みますと、いろいろな問題が出てきかね ない。先月、たまたまドイツのリファービッシュの会社へ行ったのですが、非常にCEマ ークを取ったり、あるいは安全対策の面でも非常に進められていると。部品も10年間の 保管をすればいい、オランダでは5年間でいいとかいうようなそういった保管年数も含 めて、保守管理にこういう責任を持とうというような安全対策も進んでくるかと思いま す。次の2枚は、  * LABCON LC 2枚  その時のドイツのリファービッシュの会社で、いかなる検査機器あるいは治療機器等 々のジェアというようなかなり規模の大きいリファービッシュの会社がドイツにござい ました。それから次のページですが。  * 5)改正薬事法の中の「流通」関連事項  改正薬事法の中の「流通」関連事項。先ほど医器販協の会長さんからございました が、私も日常的にいろいろな方にいろいろしますので、ここに列記しましたように分割 販売の指針ですとか、個包装へのソースマーキングの推進、あるいは添付文書規制の柔 軟な適用、ローリスクのものも同じように適用されないで考えたらと。あるいは商品価 格が下落してくると、どうしても付帯サービスが欠落してくるような、そういう相関関 連もぜひ今後お考えいただきたいと、バーコード等についてのさらなる統一化、標準化 等々のことも含めて、次のページの。  * 6)その他の要望  その他の要望は、治験・審査承認の更なる迅速化、これは皆様方おっしゃっていまし たのと同じですが、保険点数と研究開発費の費用対効果これも同じくでございます。外 国で取った方が早いのではないかとか、かなりちまたで言われています。「SPD」関連 等についても同じでございます。  * 7)国内企業の今後の方向性  最後の2枚のスライドは、確か厚労省さんの医薬産業政策ビジョン、薬の方の政策ビ ジョンにもあったかと思いますし、それから製薬産業でかなり産業としての今後の方向 性を出されていた。そういうことにちなんで、私なりに国内医療機器企業の今後の方向 性というものを見ましたときに、1枚目のAというのは、マーケットオリエンテッドと 申しますか、「市場」指向から見た方向性としますと、軸の真ん中に多国籍、マルティ ナショナルな企業あるいは業際的、薬と機器の業際的な面、これはますますこれからい ろいろ増えてくると思いますが、再生医療その他について。横軸に品目が少ないか多い かと、そういう軸で見ますと、右の上段の方にグローバル・メガ、これが主としてメー カーだと思いますが、左側の方にはグローバル・ニッチでもこういう行き方があると。 それから右下の方は国内市場で薬の卸さんと同じような統廃合も含めて起こってくるで あろうと。左側の方は、ニッチでいけば国内市場だけでもいけるのではないかと、それ がひいてはハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンにも関連するであろ う。  * B「リスク/リターン」指向からみた方向性  最後のスライドは、リスク/リターンオリエンテッドからみた方向性ということで、 縦軸はリスクリターンと、横軸は投資の額という軸でみた場合、真ん中の中心軸には研 究開発あるいは製造・販売ですが、特に研究開発ということで見ましたときに、右の方 にはいわゆるM&Aと、左の方には最近いわれる提携あるいはアライアンス、ライセンス ィングそういった関係が機器の方では多く出てくる、M&Aと同じように出てくるのでは ないかと。右下方には国内マーケット、海外マーケット問わず自社だけでやるという方 法はローリスク・ローリターンだけれども、投資を多く抱えた。一番投資が少なくてロ ーリスク・ローリターンは自社だけで国内ということかもしれない。しかしいずれにし ましてもAでもBでも4つの方向性が出てくる、またそれが最終的には、医療機器企業 の生き残りに関わってくるのではないかというふうに私なりに思ったわけでございま す。  いずれにしましても最後に申し上げたいのは、医療費の削減も大事かと思いますが、 医療費の削減以前に、医療費の適正な使い方、法律的な使い方ということをもう一度官 民一体になって考え直して、それで医療費の高さについて考える時代ではないかという ふうに思った次第でございます。以上でございます。 5.意見交換 ○二川課長  どうもありがとうございました。これで一応、皆さんから意見を御表明いただいたわ けでございます。これから意見交換に入らせていただきたいと思います。  これまで意見発表のありました論点を、いくつかのテーマに分けて御議論をいただき たいと思います。1番目が、研究開発。2番目、薬事審査。3番目、保険適用。4番 目、使用時の問題。5番目、情報化と、このように5つぐらいに分けて意見交換をお願 いしたいと思います。本来ですと、研究開発からということになるのですが、事務局で 出席している者の少し都合がございまして、順序が逆になりますが保険適用のところか ら最初に御議論をいただきたいというふうに思います。  保険適用につきましては、新医療機器の有用性、画期性あるいは安全性に関する評価 のあり方、それから迅速な導入そういったことにつきましての御指摘があったかという ふうに思います。まず、これにつきまして関係の方から少しコメントいただきますでし ょうか。 ○福田企画官  保険局医療課の企画官福田でございます。新医療機器の有用性それから画期性及び安 全性に関する評価と、それからそういったものが迅速に導入されていくということにつ きましては、大変に重要なことであるというふうに事務局の方としても考えているとこ ろでございます。  現状申し上げますと、新規の医療材料につきましては、御承知のように機能の内容に よりまして、有用性とか画期性の加算が行なわれるという仕組みになってございます。 安全性につきましても、有用性の加算の中にそういった項目というものが位置づけられ ておりまして、そういった中で安全性の面も含めた評価というものもされているという のが実情でございます。  また、迅速な導入ということにつきましても16年の改定、これにあたりまして、従来 年2回とされておりましたC1の部分につきましても、年4回という形で改善を図って きているところでございます。例えばその例といたしましては、従来ですと4月とか10 月というのが保険適用の導入の時期であった、C1につきましては、平成17年1月に眼 科領域でございますけれども、C1で新たに保険適用されるというようなものが出てく るというようなことなど、大きな進歩とはなかなか言えないのかもしれませんが着実に 改善がなされているというような状況というふうに私ども認識をしているところでござ います。  保険材料につきましては、中医協におきます部会の議論、これがちょうど5月に始ま ったところでございまして、これから具体的なその議論の中身というようなものにつき ましては、また議論をされていくところでございますけれども、今後そういった場を通 じまして議論が進められていくだろうというふうに考えているところでございます。以 上でございます。 ○二川課長  ありがとうございました。医療機器の保険適用に関しましてまだ何かございましたら 御意見を御自由にどうぞ。 ○田村副会長  ありがとうございました。先ほども中で伺ったのですが、C1については年4回とい うことで明確に定まったと思いますが、C2は、随時というような解釈もあります。C 2の保険適用時期というのは、どのように解釈すればよろしいでしょうか。 ○福田企画官  C2につきましては、新たな技術。新機能と新技術ということで、この2つのある意 味では枠がかかるわけでございますけれども、そういった意味から新しい技術というも のが保険に導入されていくと、そういうタイミングというのが結局C2のものについて も保険に適用されていくという、そういうタイミングであるというふうに現時点での理 解としてはそのようになっているというところでございます。 ○田村副会長  ということは、現状原則としては新技術の適用というのは、多くの場合2年に1回で すので、C2の適用は2年に1回しかないというふうに考えるのが現行のルールという ことでございましょうか。 ○福田企画官  新しい技術が保険適用されるということでございまして、現行のルールでいうと、そ れがある意味でルール化されている部分というのは今おっしゃられたようなことになる かというふうに思います。 ○二川課長  他に、何かございますでしょうか。 ○松原理事  日本医師会の松原でございます。私どもは、患者さんのためにはなるべく新しい、優 れた機器が増えることを強く望んでいるものでございます。なるべく速やかに保険収載 され、そして国民が使えるような形にしていただきたく考えております。  ただ、現在中医協でも検討しておりますように、あまり外国の価格と日本の価格が常 識を外れて日本だけが高いということでございますと、国民にそれだけ経済的負担をか けますので、そのあたりは適切な形にしていただきたく考えております。以上でござい ます。 ○二川課長  どうもありがとうございました。外国の価格との関係でございますけれど、これに関 しまして何かコメントがありますでしょうか。 ○田村副会長  内外格差は機器の価格にも診療報酬にもあります。私の方からは先ほどお話しさせて もらいました画像診断機器はですね・・・ MRIやCTなどのことですが、日本の方 が安いという逆の内外格差があります。 ○二川課長  ありがとうございました。どうぞ。 ○桂田会長  内外格差、コストそれから診療報酬の算定ですが、いろいろなコストからあるいは他 の大枠からの見方といろいろあると思うのですが、私の方から先ほどお話させてもらい ました画像診断のところですね、これMRI、CTもそうです。これは差と言ったらいいの か逆差ですね。こうのもあるので、このへんのところもさらに詰めていただきたいとい うことでお願いしているところです。よろしくお願いします。 ○対馬理事  内外格差といいますか、保険診療でこちらに入って来る場合の問題ももちろん問題意 識としていろいろあるわけですけれども、こちらのほうからむしろ輸出しているという ケースについて、どんな形になっているかということを少しお伺いしたいと思います。 例えば、診断系というのでしょうか、内視鏡とか胃カメラとかかなり日本が強い分野が あると思うのです。そうしたときにドイツとかフランスなどに持っていったときに、ま さに内外格差だと日本の場合は3倍も4倍も高いではないかと、こういう問題があるの かないのかです。このあたりお伺いしたいと思います。 ○二川課長  輸出する場合のことについての御質問ですけれども、どなたか。桂田会長いかがです か。 ○桂田会長  先ほど画像診断の例をお話しさせていただきましたが、診療報酬の差があります。特 に日米で大きな差があります。日本は非常に安いわけで、そのような背景もあって機器 の価格も日本は米国に比べて安いということで、ペースメーカーなどとは逆の内外格差 がついています。米国では高く売れるということです。 ○二川課長  ヨーロッパの関係はどうかと。 ○桂田会長  ヨーロッパはそんなに差がないです。日本と同じか若干高い。 ○二川課長  どうもありがとうございました。保険適用の関係で、何か他にございますでしょう か。  ないようでしたら、次のテーマに移りたいと思います。研究開発という最初に戻りま す。研究開発につきましては、医療機器の治験環境の整備とかあるいは産学官の連携に よる医療機器の開発促進、こういったことにつきましての御意見があったかと思いま す。まず、これにつきまして、関係のところからコメントをいただきたいと思います。 ○安達課長  医政局研究開発振興課長の安達でございます。座って失礼いたします。何人かの方か ら研究開発につきまして重点的な取り組みの重要性あるいは産官学共同での取り組み、 さらには各省の連携の取れた取り組みが重要であるという御指摘をいただきました。ま さにその通りの御指摘かと思います。  17年度、厚生労働省関係の医療機器だけではございませんが、主に医療機器を対象と した研究費の状況について御説明させていただきますと、まずナノメディスン研究につ きましては、約1億円強の増額で13億円程度の研究費を獲得しております。17年度、新 たに分子イメージングという分野について取り組むことにいたしましたが、この際に、 省を超えた取り組みということで本日、経産省の藤本室長も来られているようですが、 経産省が同じプロジェクトで機器に対して、経産省でもNEDOですが助成金を出す と。厚労省は研究者リガンドの方の研究を行なう、研究者に対して助成金を行なうと、 いわゆる選定委員会を合同で行ないまして、同じプロジェクトに厚労省と経産省がマッ チングして助成するという仕組みを16年度から新たに始めたところでございます。  さらに現在、文科省の方におきましても、分子イメージングに関しましては取り組み を検討しておられますので、文科省とも具体的にどういう取り組みができるのか検討を 始めているところでございます。  またもう一つは、フィジオームと私ども呼んでおります、いわゆる機器開発研究につ きましては、17年度から、新たにこれまで指定研究だけ行なっておりましたが、公募研 究を始めることにいたしました。それに伴いました研究費も6億円から10億円という増 額を行なっております。この公募研究を行なうにあたりましては、必ず産、企業と一緒 に申請していただくと。産学での共同研究を採用のといいいますか、申請の条件にして 進めているところでございます。これら昨年度といいますか、今年度医薬・医療機器関 係の研究費、私ども約6億円の増額だったわけですが、そのうち5億円は実は医療機器 関係、きょうは医薬品の方がいらっしゃらないと思いますので、内緒ですが6億のうち の5億は医療機器関係の増額に当てたということでございます。  次に重点的な取り組みということについて、でございますが、先ほど和地会長の方か ら医療機器産業戦略コンソーシアム、いわゆるメティス(METIS)と呼ばれる組織、産 官学でのコンソーシアムについて御紹介いただきましたが、私どももこの組織の有効活 用といいますか、一緒になって重点的な取り組みを進めたいということで、これも昨年 度私どもの研究班とそれから経産省の重点施策検討会ですか、の合同会議を何度か開き まして、いわゆる重点的に促進すべきテーマを産官学のアンケート調査を基に、7つの 重点促進テーマを選定しまして、それについて特に重点的に取り組んでいこうと。さら に先ほど申し上げましたメティスにおきましては、この重点促進テーマについて要素技 術でありますとかいわゆる取り組みのプランづくりをしていただくという作業を行なっ ております。既にそれぞれのテーマごとに参加していただく企業については、企業の募 集は終わりまして、現在研究者、ワーキンググループに参加していただける研究者の募 集をしているところであるというふうに聞いております。  それから治験の話も。治験について、特に医療機器に即した治験について、これまた 何人かの方々から御指摘いただきました。治験につきましては、御案内のとおり平成15 年4月に文部科学省と共同で、全国治験活性化3カ年計画を策定して現在取り組みを進 めているところでございます。特に、治験の活性化ということに関して申し上げます と、率直に申し上げて医薬品中心に今取り組んでいるところでございますが、昨年度か らは、この治験活性化3カ年計画のフォローアップ会合、さらに実務者会合に医療機器 関係団体の方々にもオブザーバーの形で参加していただいて、具体的かつ実効のある取 り組みができるようにいろいろとお話し合いをしているところでございます。今後と も、特にフォローアップ会合につきましては、医療機器産業の方々もオブザーバーでは なくて実際のメンバーとして参加していただけたらと考えております。  なお、附則でございますが、私どもの国立病院機構の方では今年4月から医療機器の GCP導入に先駆けまして、医者等関係者に対する医療機器のGCPについての説明会を行な って、医療関係者、治験に関わる人たちに対して、医療機器についても治験についても 認識をきちっと持っていただく、知識を持っていただくということに今後とも努めてい くこととしております。以上でございます。 ○二川課長  関連で、医療機器審査管理室長お願いします。 ○山本室長  医薬食品局の医療機器審査管理室長の山本でございます。まず、医療機器の治験に関 しましてGCPについては、今研究開発振興課長から御紹介いただきましたように、今年 の4月から薬事法の改正に伴いまして制度を整備いたしました。その中で、新たに医薬 品と同じように医療機器でも医師主導治験ができるような制度の整備などを図ったとこ ろでございますが、これについては今後円滑に治験が行なわれるようにさらに運用面に ついていろいろと見ていく必要があると思いますので、それにつきまして引き続きよく 業界の皆様とも意見を交換しながら、円滑な治験ができるように制度を運用していきた いと考えております。  それから次に、開発と審査との連携ということについてですが、最初の和地会長から 御紹介いただきましたような省庁横断的な連携の推進という観点で、次世代の医療機器 の開発の指標というものをつくっていくという事業を、今年度から予算の事業として取 り組んでおりまして、この中でMETISで7分野御提案いただいたような、具体的なもの は今後さらに経済産業省あるいは医政局とともに相談しながら詰めてまいりますが、あ のようなテーマの中から、実際には医療機器の有効性、安全性評価をするための開発の 指標、それを裏返していえば審査の指標になるようなものでございますが、それを設定 していくという事業を今年度から経済産業省などとも協力しながらやっていくこととし ております。とりあえず以上でございます。 ○二川課長  それから経済産業省さんも、研究開発をだいぶ積極的に取り組んでいただいておりま すが、何かコメントをお願いします。 ○藤本室長  簡単に経済産業省の取り組みを御紹介させていただきます。今、安達課長、山本室長 がお話しされたことと重なる部分はお話しませんが、我々7つの重点分野というのを厚 生労働省と一緒に選ばせていただいて、これの詳細は、和地会長から御紹介のあった METISに詰めていただくということですが、それを待ちながらおおむねお金が必要だろ うという3つの分野ぐらいについては、そろそろ研究開発の我々持っている予算の集約 を始めております。実際に、何にどういうふうに振り向けていくかについてはMETISか らの御提言を待ちながら、今後来年ぐらいにかけて重点化を完了すると、その後は成果 を何年かにわたって待つということを考えております。  その中については、やはり現場で実際に厚生労働省考えておられる御構成と一致して いないといけないと思いますので、実際に研究をやられる方をうまく厚生労働省とマッ チングを取りながらやっていくという、実際に審査を一緒にやるとか、先生方が研究現 場でつながるとかそういうやり方を取っていきたいと思っております。  もう一つは、そういう研究開発をやればやるほど、今までコンセプトになかったよう な治療機器などが出てきますので、それをたまたま開発した企業や企業グループに薬事 法の審査への考え方を整理してくれというので、これまたなかなか難しいので、行政と 皆が一緒になりながらやると。その際、経済産業省としても工学的な観点からこういう 問題があるぞということを整理をさせていただくお手伝いを一緒にさせていただくとい うことで、うまく研究開発の予見可能性というのでしょうか、予見可能性が見えるよう なそういう研究開発の一貫した支援をしていきたいと考えております。 ○二川課長  どうもありがとうございました。今のコメントとその他でも結構でございますけれ ど、研究開発に関連しまして何か御意見がございましたら御自由にどうぞ。  特にないようでしたら、また後で戻っても結構でございます。続きまして、薬事審査 のところに移ります。  薬事審査につきましては、承認審査の迅速化、国際的整合性の推進、これは皆さん言 われていたかと思います。それから専門性の高い審査官の確保とか、あるいは改正薬事 法におきます承認基準、第三者承認基準の明確化それから細かいことかもしれません が、医薬品におきます課長通知の取り扱いを医療機器にもと、こういったようなことが あったかと思います。その他もあるかと思いますけれど、それらにつきまして少し関連 のところからコメントをいただきたいと思います。 ○川原課長  審査管理課長の川原でございます。私の方から全体的に、最初少しコメントさせてい ただきます。  まず審査の迅速化ということでございますけれども、これに関しましては先日行なわ れました医薬品産業政策に推進に係る懇談会でも同様の指摘がございました。私どもと しましても、革新的な医療機器の重要性ということについては十分認識しているところ でございまして、審査の迅速化については心がけていかなければならないというふうに 考えております。医薬品と違うところ、専門性のバックグラウンド等、皆様方の御意見 もございましたけれども、そういったところが違う部分もございますけれども、薬の部 分の整備と同様に、現在本省とそれから独立行政法人の医薬品医療機器総合機構が協力 をして体制整備に努めているという状況でございます。  それぞれの整備の状況それからそれに付随する部分につきましては、山本室長とよろ しくければ宮島理事長から御説明いただければありがたいと思います。 ○山本室長  まず、薬事法改正の関係から御説明申し上げますと、御案内のとおり薬事法改正の中 では、医療機器の特質を根ざした医療機器の審査体制をつくるということ。それからそ のためには国際化を進めて合理化をはかるということが大きな柱となっております。そ れに従って、この4月からいよいよ実施をしてまいっているところでございます。その 中では、承認基準あるいは認証基準をつくる中で、JISを制定する中で国際基準との整 合性を大幅に考えながら取り込んでいるところでございます。  その中で、JISとISO、国際基準との不都合についての御指摘がございましたけれど も、それに関しましては、JISを制定する場合に必ずISOと相違するものを設定する場合 については、どういう理由で相違させるかということにつきまして、相当詳細な議論、 審議を経てJISを制定しておりますので、制定過程において不透明ということは必ずし もその御指摘は当たらないかと思いますけれども、しかしながらそれが「合理性のある ものしか、日本独自の規定を設けない」そういう考え方でできる限り国際化を図って基 準を設定しているところでございます。  次に、第三者認証制度について、でございますが、まず認証基準につきましてはこの 2、3年の取り組みの中で、企業界からも非常な積極的な協力をいただきまして、大変 多数の基準を可決することができました。それによって今後、第三者認証基準が円滑に 動けば大幅に審査の合理化が図られると思いますけれども、その中で現在の制度が不透 明である、あるいは運用が不透明だという御指摘をいただきましたが、書かれているル ールとしてはようやく全体のルールが整備されたところでございますけれども、確かに オペレーション、運用面につきましては、今後さらに実行していかなければわからない 部分があるかと思いますので、それにつきましては私どもも円滑なその第三者認証制度 の運用というものに対してできる限り意を払いますし、またこれに関しましては必要に 応じて業界の皆様方からも意見を交換しながらさらに改良、改善に努めていきたいと考 えております。  それから一方、承認基準につきましては、まだこれから多くの整備をしなければいけ ないところでございます。これにつきましては、引き続き技術的な側面も含めて業界の 皆様方と協力をいただきながら積極的な整備を進めて、合理化を進めていきたいという ふうに考えております。  それからそれも含めまして、国際的整合性の推進ということにつきましては、私ども は国際化を通じての審査制度の合理化というのは非常に重要な側面と考えておりまし て、そのためには国際GHTFと言っております、日・米・欧それからオーストラリア・カ ナダが入っているわけでございますが、それの規制当局と業界から成り立つ会議に関し ましては積極的に参加しているところでございます。その中で、さらに議論を進めなが ら国際的な整合性を含めての審査の合理化を図っていきたいと思っております。  その中で特に一つ御指摘のありましたソフトウェアについての取り組みでございます が、現在の薬事法では、医療機器と一体となったソフトウェアを、その医療機器として 評価をするということで、ソフトウェア単独で医療機器として扱っているという扱いは していないわけでございます。これに関しましては、国際的にもいろいろと議論がある ところでございますので、またその中で将来の統一的な評価の方法、手法というものが 国際的な取り組みの中ででてくるのではないというふうに考えています。  それから個別的な御指摘で、医薬品における平成11年の2課長通知と呼んでおりま す、既に承認が得られたものについて、適用外というものについて臨床試験を特にしな くても適用外の追加をしなくてもいいというようなことについてはルールを定めまし て、平成11年の審査管理課長、研究開発振興課長の2課長の通知を医療機器に適用して はどうかというような御指摘でございますけれども、これにつきましては大変いい御指 摘をいただいたと思います。平成11年から、医薬品についての進捗をみますと、これは 適用外というものの問題の解決に非常にこのルールは大きく寄与し、それによってかな りの適用外のものが広知という形で臨床試験を経ずして、承認することが可能になった ということでございますけれども、ここでは医療機器において本当に同じようなことが 有効な施策があるかどうかということにつきましては、ちょうど御指摘にあったように そういうことの検証は必要だと思いますが、一方では今般の薬事法の改正におきまし て、かなり医薬品領域とギャップが埋められてきたというところがございます。例え ば、一部変更申請中の一部変更申請は今医薬品でのみ認められて、医療機器で認めてい ないというような現状でございますけれども、そういったものについてどうするかとい うようなこと。そういったようなことも含めて医薬品の制度を医療機器に適用するとい うことについて、その薬事法改正を受けてこれからできることにつきまして、いろいろ 御提案もいただきながらさらに検討を進めていきたいと考えております。以上でござい ます。 ○二川課長  ありがとうございました。少し前向きな回答も何か入っていたなと思いましたけれど も、それでは総合機構の宮島理事長。 ○宮島理事長  審査業務を担当しております総合機構の状況につきまして、少しお話しを申し上げた いと思います。  ちょうど昨年の4月に発足いたしまして約1年が経過いたしました。その間、私ども としても新しい組織の体制整備に全力を挙げて取り組んでまいりましたが、率直に言い まして現在のところ、いまだ皆様方の期待に十分お応えできていないという状況にある かと思います。特に医療機器の審査業務につきましては、医薬品に比べて体制整備がこ れまで非常に不十分な点がございましたので、機構としても特に重要な課題として取り 組んできているところです。  この1年を振り返ってみますと、第一にやはり業務を円滑に遂行するために必要な人 員がこれまで十分確保できていないという問題がございます。中期計画におきまして、 医療機器審査スタッフの大幅な増を予定しておりますけれども、機構設立前から平成16 年を通じまして採用募集を精力的に行なってきましたけれども、一方で病院などからの 出向者の減少というようなことがありまして、結果的には16年度はわずかな増員にとど まったということであります。しかし17年度に入りまして、多数の技術系の職員を新た に採用できましたし、17年度におきまして増員予定の方もおりますので、増員予定の枠 の過半数はなんとか17年度中には埋めることができるということで、ようやくマンパワ ーの面でも充足が進んでいると思われます。  それから17年度から今もいろいろ話がありましたが、改正薬事法の施行に伴いまして 医療機器制度が大きく変わりましたので、新制度に沿った円滑な業務遂行を行ないたい と思っていますが、それに加えまして新たに医療機器の審査におきましても昨年の6月 から治験相談、申請前相談という事業をスタートいたしました。本年からは、医薬品審 査と同様に多様な専門スタッフによるチーム審査制というのを新しく導入いたしまし て、治験相談から審査まで一貫して行なう体制をという形で審査業務の充実を図ること としておるところでございます。  本年4月から、やはり新しくGMP基準への適合性が承認の要件とされましたので、海 外の製造所などもGMP調査の対象とされますので、GMPの調査対象の強化もこれから図っ ていく必要があると思っています。いずれにしましても医療機器関係のスタッフの充実 強化というのが非常に喫緊の課題でありますので、工学系の職員の充実を特に重点に置 いて今後とも引き続き採用募集、リクルートを精力的に行なってできるだけ早い時期に 所要の人員を確保したいと考えております。  きょうのお話の中でも民間企業からの採用というお話もありましたが、一定期間の業 務制限等はございますが、それをクリアすれば民間からの採用というのを私ども医師の 人材をぜひお願いしたいと思っていますので、今後とも大いに応募していただきたいと 思っております。  それからこれ以外の問題といたしましては、新機構が旧審査センターから引き継ぎま したいわゆる審査未処理案件、いわゆる滞貨問題がまだ残っておりまして、これに相当 のエネルギーを取られているという問題もありますけれども、これも厚生労働省と連携 しまして特別対策を実施して、いわゆる承認困難なものや塩漬け状態のようなものは取 り下げをお願いするという形で、できるだけ早期に解消して審査業務の平準化を図って いきたいと思っているところであります。  それから今年の4月から改正薬事法が施行されたことに伴いまして、実は施行直前の 3月にいわゆる「駆け込み申請」といいますか、そういったものが集中して出てまいり まして、その件数が例年の半年分ぐらいの件数として膨らんでおります。こういった新 しい事態に対しても、特に特別の体制を組んで早く解決していきたいと思っておりま す。いずれにしましても審査基準も本来の軌道に早く乗せまして、円滑な業務を行って いくということが最重要課題と考えておりますので、皆さんから期待されている成果を 早期に上げるよう引き続き組織の全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っています。 ○二川課長  どうもありがとうございました。皆様方からいただいたいろいろな御指摘等々につい て一通りコメントがあったわけですが、また何かさらに関連で御発言がございましたら どうぞ。 ○松本幹事  先ほど山本室長のお話で、審査承認のところで国際的整合化に関連してGHTF云々とい うお話がございました。先ほどのJIRAの桂田会長の要望例示の中に、最後のページだっ たかと思いますが、GHTF関連の行政側出席者、担当者の継続性云々という確か表現がご ざいました。決して私も行政側の人事に関して云々と僭越なことを申し上げているので はなくて要望ということですが、私もまたGHTFの日本副議長をやっていた間、1年半ほ ど厚労省の方と一緒になってやりました。そのときの体験からいたしましても、諸外国 に比べますと日本側の担当官の方と申しますか、御担当の方はもう少し継続的にお続け いただけるとありがたいという気もいたしますので、御要望としてお聞きいただければ と存じます。 ○二川課長  国際的な整合性の会議の行政側の出席者の御要望でございますけれど。 ○山本室長  御指摘の点は大変実感をもってよくわかるわけでございますけれども、行政側は、ど うしても人事異動の関係で人が代わらざるを得ない局面がございます。そういう局面を 除いては、極力同じ会議には同じメンバーが出るようにというようなことで努力はして おります。ただ、なにぶん御指摘のように外国の出席者に比べると日本出席者の方が、 行政出席者の方がローテーションがやや早いかなという傾向は否めないところではござ いまして、そういうところについては可能な範囲内で改善をしたいと思います。 ○二川課長  ありがとうございました。その他、薬事審査に関しまして御発言ございますでしょう か。  特にないようでございましたら、次のテーマに移らせていただきたいと思います。次 は、使用時の問題ということで、医療機器の保守管理の推進、中でも医療危機管理室で すか、それの推進といったことを何人かの方がおっしゃられたかと思います。これに関 しましてどなたかコメントをいただきます。 ○安達課長  先ほど和地会長の方から医療機器情報室の設置の件でいただきましたが、情報室長が せっかくの機会なのに今海外出張をしておりまして欠席しておりますことをお詫び申し 上げす。  医療機器管理室の施設整備事業でございますが、この医療機器情報室が行っておりま すが、これは医療機器の保守管理の徹底、医療機器の一元管理、安全性情報、使用方法 等の共有を目的とした事業でございます。平成16年度は3施設、17年度は4施設に助成 予定という実績でございます。ただ、こういった医療機器の安全管理を含めまして、現 在、来年度の要望改正を視野に入れて、社会保障審議会の医療部会でさまざまな議論が 行われております。特に医療安全に関しましては、医療安全対策検討会議での議論、さ らには下部組織の医療ワーキンググループでの議論も行なわれておりまして、こういっ た議論を踏まえつつ今後の取り組みを検討していきたいというふうに考えております。 ○原課長  医療機器の関係ですが、私は医政局の総務課長ですけれど、私どもの課は医療安全対 策の推進ということで今議論しております。平成18年に、医療法改正の予定をしており まして、そこに向けて社会保障審議会の医療部会で議論しております。その医療部会で も今話題になっています、医療機関における医療機器の管理の問題について議論してお ります。医療機器の保守管理については医療機関側の責任の問題それから売る側の問 題、これ双方あろうと思いますけれども、両方がやはり努力をしていくということ。そ れから制度としてもそういうものが円滑に進むような制度にしていくという行政として の責任、こういうものがあろうかと思いますので、ぜひ医療安全という観点からも、あ るいは医療の質の向上という観点からもこれをぜひ進めていきたいと考えております。  また医療安全ワーキンググループの報告書が先般まとまりましたけれど、その中でも 医療事故が起きにくい医療機器の開発あるいは流通が求められています。こういう面で もぜひ企業側にも今後とも御努力をお願いしたいということを申し上げておきたいと思 います。 ○二川課長  ありがとうございました。それで使用時の問題につきまして、さらに何か御発言ござ いますでしょうか。 ○桂田会長  おっしゃるとおり、医療安全というのは、機器・装置そのものにとっても、又それら を使用していただく際にも重要なテーマです。機器がこれだけいろいろ高度化・複雑化 していますので、先ほど機器の保守契約率をデータでお示ししましたが、やはり保守・ 管理の法制化だとか、あるいは保守契約を結ぼうというインセンティブがわくような仕 組みづくりなどお願いしたいと思っています。もちろん産業側も医療安全にしっかり取 り組んできていますし、これからも更に努めたいと思っています。 ○二川課長  ありがとうございました。これに関して何かありますか。 ○川崎会長  昨年のこの会議でも、実際のME室の設置状況というのを報告させていただきましたけ れど、本当に進まないというのが現状です。今のお話のように、診療報酬上の何かドラ イビングホースを何かかけないことには、このままではそんなに多く進んでこないので はないかという気がします。そのへん特定保守管理医療機器という括りができたわけで すので、ぜひなんらかの縛りとか、特定保守管理の管理方法など具体的な部分を早期に 打ち出していただきたいと。なおかつ、その保守管理の第三者のチェック機構をできる だけ早めに明示していただきたいと思っております。 ○二川課長  ありがとうございました。医療機器の管理室そういったことにつきましては先ほど来 コメントがございましたように、今後も医療制度の改革の検討を行なって医療部会でも そういったところの論点整理にも入ってございまして、今後の議論ということになろう かと思います。そういった問題意識を持って進めていきたいと思っております。他に何 か使用時のことに関しましてございますでしょうか。  それでは次のテーマでございます。情報化ということでございます。情報化につきま して、医療材料の情報化のJANコードの付番といったことにつきましての御意見がござ いました。これにつきまして、私ども経済課が一応担当でございますので私の方から若 干コメントさせていただきます。  JANコードはいろいろな形で使えるわけでございますけれども、私どもの関連で申し 上げますと、材料の価格調査、これまで2年に1度行なっておるわけでございますけれ ど、この価格調査におきましてもJANコードを利用して行なっておるといった状況でご ざいます。実際のところどのくらいついておるかといいますと、医療用具全体で言えば 6割ぐらいということでございます。ただ、特定保険医療材料すなわちそのものズバリ 価格が保険でつくというものに限れば8割ということのわけであります。しかしながら それにしてもついていないものがあるといったことでございまして、コードがついてい ないということは、価格調査がはっきりいって事実上できないということになるわけで して、そういった意味でこのへんはぜひ迅速にコードの付番をしていただきたいと思い ますし、私どもも強力にそういったことを進めていきたいと思っているところでござい ます。  これに関しまして、さらに追加の御意見ございましたらどうぞ。 ○諸平会長  先ほど申し上げたとおりでございまして、一つは今年行われる予定の特定保険医療材 料価格調査の精度を上げなくてはいけないというものについて、それからもう一つは高 度管理医療機器と特定保守管理医療機器を含んだトレーサビリティという部分につい て、コードが統一されていないでこのまま進んでいくことに対して非常に私どもとして は危機感を持っております。これは今までご発言をされたメーカーの皆さんに御協力を いただかないとどうにもならないわけですけれど、このままですと法的責任だけ販売業 者にあるというような状況が起きることは目に見えているわけでございまして、これに ついては私の個人的な見解からいえば、なんとか法的な規制をしていただく以外にない のではないかというところにまで追い込まれているという心境でございます。 ○二川課長  トレーサビリティの観点からもどうしても必要だといった御意見でございますけれ ど、これに関連しましてはメーカーさんかあるいは規制当局か、何かコメントあります か。 ○諸平会長  もう1点、きょうここに医師会の先生もおられますけれども、医療機関側に私どもと してはお納めするという段階でも、共通コードがないと医療機関も大変迷惑する話だと 思うわけでございます。そのことを含めてぜひよろしくお願いしたいと思います。 ○二川課長  メーカーさんから何かコメントございますか。 ○和地会長  特にはございません。後ほどまとめてコメントいたします。 ○二川課長  他に特にございませんか。 ○和地会長  このような機会を設けていただきまして、改めてお礼を申し上げたいと思います。私 はよく言っているのですが、医療機器に光が当たってきたのはここほんの数年でござい まして、その前はほとんど薬が主役ということだったのです。やっと舞台裏から医療機 器が表舞台に出てきたという感じがいたします。ただ出てきたはいいのですが、舞台が ほとんど薬の舞台であって、医療機器と薬というのは本質的に違うのですけれど、その 舞台が前のまま、これが皆さんの御努力で少しずつ変わりつつあるなというふうに思い ます。  そこで繰り返しになりますが、幾つか重ねてお願いをしたいと思います。やはり医療 機器の特性というのは薬と全く違いますので、これを十分配慮していただきたいと思い ます。一つだけ例を挙げますと、医療機器というのは改善、改良の歴史です。ですから 特に先端の医療機器というのは、つくったら必ず改善、改良をしなければならないわけ ですけれど一変をするのにものすごく時間がかかる。これは薬と全然違うところです。 そういうところの特性を踏まえないと、いくら先端医療に挑戦してもなかなか実用化ま で難しいというところがあります。  それから開発から保険収載までいろいろ御努力、御指導いただいているのですが、今 までの御指導はほとんどぶつ切れでございます。各セクション、そうするとやはり医療 機器の事業化が遅れる、なかなかできないというところの一つの大きな問題はここにあ ると思うのです。そういう意味では、ぜひ開発から保険収載まで一貫した御指導、御支 援をお願いしたい。  それから3つ目は、やはり先ほどから何度も皆さんから出ていますが、治験とか審査 のスピードアップ、これはやはりグローバルに戦っておりますので遅かったら必ず海外 に持っていく、残念ながら日本の旗を掲げてやりたいというのは我々の心情ですけれど も、それをやっていると間に合わないというところが正直なところでして、ぜひこれは 百も御認識いただいていると思いますけれど、審査やら治験やらスピードアップを相当 しないとこれは国際競争的になかなか勝てないというふうに思います。  それから今のバーコードですが、一言だけメーカー側からいいますと、これはやはり 時代の流れでそういう合理化策はある程度強制的にやっていく必要があると思います。 ですから強制の裏にもう一つ何かをつけないと説得力がないかと思いますが、私はその くらいのことをしないと進まないのではないかと思います。正直言いますと、業界とし てもしょっちゅうこれは進めるべく発言をし、やっておりますが、先ほどの発言のよう にまだまだ達していないので、このへんは一挙に解決する時期に来ているのではないか というふうに判断しています。  最後に総合機構でございますので、これは業界としては要望がものすごくあります。 審査を含めて率直に具体的に意見を交換させていただいて、お願いするばかりでなく民 間の登用も含めました解決を図っていただきたいし、我々としてもぜひそうさせていた だきたいと思います。きょうは本当にありがとうございました。 ○対馬理事  全般的なことでよろしいですか。一つ質問と一つお願いがあります。質問は、国際競 争力の強化が課題ですので、これまで個別項目ごとに議論をしてきましたけれども全体 的に競争力が増しているのか、それともやや欧米に比べてますます格差が開いているか どうか、そこが全体よく見えないというのが正直なところです。医薬品の方ですと、各 メーカーの売り上げがどうであったかとか、経常利益がどうであったか、国際収支がど うであったか、特許がどうであったかとそういった数字がでてきますからおぼろげなが らどのような状況にあるのかがわからないことがないのですが、今日ちょっと他に参考 資料的なものがありますので、これを見ればわかるかもしれませんがあまりそういった 説明はなかったと思うのです。そういう中で国際競争力の議論というのは本当にどうな のだろうかということ。その点について1点お話しいただければありがたいです。  それから要望は、この産業ビジョンについての進捗状況表ということで、きっちりこ ういった形で毎年、毎年チェックしていくというのは大変いいのだろうなというふうに 思いながら、去年もそうですしまた今年もそう思ってみていたのですが、去年と今年を 比べますと確かに今年度何か追記されているのです。ですけれども先ほどの議論と関係 しますが、全体的に前に向いて進んでいるのかどうか、確かに新しくやったことは書い ています、書いてありますが、全体間の中で当初ビジョン中で考えていたものに対して 本当にどうなのかと、例えば1年、2年ですとそのあたりについてはまだ途中ですから ということですが、3年、4年経ってきますと全体的に進んでいるのかそうでないのか といった観点がやはり必要だろうと、単純に進捗状況ということだけでなく、確かに難 しいかもしれませんがある種の評価というのでしょうか、そういった観点を交えて書い ていただけませんと読んでいてもあまり面白味がない、新鮮味がないそんな感じがする のです。したがいましてちょっと来年度以降、資料を見てなるほどと、面白いなと、臨 場感があるというのでしょうか、よく書いてあるところのところをずっと透かし読みし ていくとなんとなく全体的に進んでいるなとか、あまりここは進んでいないのかもしれ ないなというのがおぼろに出てくると、そのあたりいくら読んでもなかなかでてこない のです。というあたりを少し工夫していただければ大変ありがたいと思います。 ○二川課長  どうもありがとうございます。今後、この進捗状況をフォローアップする際、そうい ったことを考慮しながら進めなければいけないなと感じております。実際のところで申 し上げますと、参考資料4のところが今回の進捗をまとめたものでございまして、ここ が数字的なところになろうかと思います。実際のところ、じわじわと進んでいるのです が全体的に進んだぞということはなかなか言いにくいかなと、ただ何も変わっていない とか、何も進んでいないということはないのだなとは思いますけれど、すごく変わった ということで評価できるほどでもないのだろうなというふうに、数値的なところから見 るとあるのかなというのが私の正直なところでございます。  それから医療機器産業につきましての国際競争力どうだということでございますけれ ども、医療機器産業ビジョンを15年3月にまとめたときに、やはり医療機器の国際競争 力指数というのは、もともと輸入超過になっているわけですけれども、それが年々だん だん下がってきていると、こんなことが全体的な傾向ではございます。それはまた詳し く御説明申し上げたいと思いますけれど、一応そんなことでございます。  その他に何かございますでしょうか。特にないようでしたら、先ほど和地会長からも 全体的な総括的な御意見を最後にまとめていただきまして大変貴重な御意見をいただい たかと思います。きょうのところは大体時間がまいりましたので、これで終わりにした いと思いますけれどもまた個別にいろいろございましたら、経済課に言っていただきま したらまたいろいろなところへおつなぎをしたいというふうに思っています。 6.閉会 ○二川課長  それでは最後に戸苅厚生労働事務次官より、一言御挨拶申し上げます。 ○戸苅厚生労働事務次官  事務次官の戸苅です。本日はお忙しいところ、大変御熱心な御審議いただきましてあ りがとうございました。  保健医療水準の向上というためには、やはり最先端の医療機器の開発とそれから国民 が早くそうした最先端機器にアクセスできる用意をしているということが重要だろうと 思いますし、先ほど来いろいろお話がございますが、グローバル化で非常に環境が厳し い中で医療機器産業の国際競争力の強化を図っているというのも、所管官庁たる厚生労 働省としても非常に重要なことだと考えています。  本日、いろいろ御意見いただきました貴重な御意見につきまして、今後一層の医療機 器産業政策の推進の参考にさせていただければと思っているところでございます。御多 用中のところ長時間にわたりまして懇談会に御参加いただきましてありがとうございま した。今後とも厚生労働行政に対する御協力を賜りますようお願い申し上げまして、御 挨拶としたいと思います。本日はどうもありがとうございました。 ○二川課長  どうもありがとうございました。それではこれで懇談会を終わりとさせていただきま す。                                      以上 照会先:医政局経済課 担当者:一戸 和成 連絡先:(代表)03-5253-1111 内線2533