2005年6月24日
厚生労働省研究会ヒアリング 使用者側意見
日本経済団体連合会
常務理事 紀陸孝
1. | 新しい労働時間制度としてのホワイトカラー・エグゼンプション
(1) | 制度創設の背景
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(2) | 制度の内容(要件)
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(3) | 効果について
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(4) | その他 労働者の健康確保のための配慮 |
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2. | 現行法の(上記以外の)見直しについて
(1) | 裁量労働制について
(1) | 対象業務の範囲について
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(2) | 要件
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(3) | 効果
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(4) | その他 導入手続等
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(2) | 管理監督者について
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3. | その他の問題
(1) | 年次有給休暇の取得促進について
・ | 日本にはもともと休日が多い |
・ | 年休の取得促進−計画年休の積極的利用促進 |
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(2) | 所定外労働の削減
・ | 賃金不払い残業をなくすことは当然 |
・ | 労働者が生活のため積極的に残業することもあり。割増率の引き上げは、かえって逆効果に。 |
・ | 労働時間削減の企業の自主的な取組みの例 |
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以上
ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言
2005年6月21日
(社)日本経済団体連合会
目次
はじめに
1. | ホワイトカラーの労働時間概念と労働時間管理の考え方
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2. | ホワイトカラーにおける労働時間と成果の問題
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3. | ホワイトカラーにおける多様な働き方と労働時間の 弾力化の必要性
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4. | みなし労働時間制の問題点
[1] | <専門業務型裁量労働制> |
[2] | <企画業務型裁量労働制> |
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5. | 管理監督者(労働基準法第41条第2号)の労働時間等 適用除外の問題点
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6. | 労働時間規制の見直しについて
[1] | <ホワイトカラーエグゼンプション制度の新設> |
[2] | <ホワイトカラーエグゼンプション制度の具体的内容> |
[3] | <労働者の健康への配慮措置について> |
[4] | <ホワイトカラーエグゼンプションの法文化について> |
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おわりに
ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言
はじめに
労働基準法は、戦後間もない1947年に制定され、労働者保護に大きく寄与してきた。同法は、第1条第2項で「この法律で定める労働条件の基準は最低のものである」としたうえで、戦前の工場法が年少者や女性を保護するために労働時間規制を行っていたのと同様に、労働者保護の観点から労働時間を制限することを一つの大きな柱としている。しかし、こうした労働時間規制の考え方は、工場内の定型作業従事者等には適合するものの、現在のホワイトカラーの就業実態には必ずしも合致していない。
裁量性が高い業務を行い、労働時間の長さと成果が一般に比例しない頭脳労働に従事するようなホワイトカラーに対し、一律に工場労働をモデルとした労働時間規制を行うことは適切とはいえない。他方、仕事と生活の調和を図るため、多様な勤務形態の中から、効率的で自らが納得できる働き方を選択し、心身ともに充実した状態で能力を十分に発揮することを望んでいる者も少なくない。
こうした労働環境の変化を受け、労働基準法の改正が数度にわたり行われた。とりわけ、2000年に企画業務型裁量労働制が導入され、2003年には適用事業場の拡大など規制緩和の方向で改正が行われたことは、ある程度評価できる。しかしながら、規制緩和とはいってもその内容はいまだ不十分であり、現行の労働時間法制は依然としてホワイトカラーの主体的な働き方に十分資する内容とはなっていない。
現行の労働時間法制には、主体的で柔軟な働き方に道を拓く制度として、企画業務型裁量労働制のほかにも、フレックスタイム制、事業場外みなし労働時間制、専門業務型裁量労働制が用意されている。しかし、これらも労働時間規制という考え方から脱却しておらず、労働時間にとらわれない自由な働き方に対応するには不十分である。
また、労働基準法第41条第2号に定める管理監督者の規定も、深夜業の割増賃金の支払いが適用除外とされていないという点で、真の意味における労働時間の適用除外とはなっていない。しかも、その対象者の範囲が、判例・通達の解釈によれば、極めて狭い範囲に限定されており、現在の企業の実態に鑑みると、大いに疑問が残る。
経済活動のグローバル化、産業・就業構造の変化、就業意識の変化、雇用形態の多様化など、労働環境をめぐる状況の変化に柔軟に対応するためには、これまでの画一的な働き方を前提として労働時間規制を行う考えを根本的に改める必要がある。少なくとも一定の要件を満たすホワイトカラーについては、労働時間規制の適用除外とする制度を早急に整備すべきである。
2004年に日本経団連が行った「労働時間問題に関するアンケート調査」(以下「日本経団連のアンケート調査」という)においても、ホワイトカラーについては、労働時間規制の内容を「現行よりも緩和すべきである」という意見が強い。そして、規制緩和の方向性については、「アメリカのホワイトカラーエグゼンプション制度に近い制度の導入を図るべき」、「裁量労働制の適用範囲の拡大、要件の緩和、手続の簡素化などが必要」といった意見が大勢を占めている。
働き方の選択肢を増やし、労働者の勤労意欲に十分に応えつつ、生産性を向上させ、我が国産業の国際競争力の強化にも繋がるホワイトカラーに適した労働時間制度とは一体どのようなものか。以上の点を踏まえつつ、以下では、そのあり方について具体的に検討する。
1.ホワイトカラーの労働時間概念と労働時間管理の考え方
ホワイトカラーは、「考えること」が一つの重要な仕事であり、職場にいる時間だけ仕事をしているわけではない。自宅に居るときや通勤途上などでも、仕事のことに思いをめぐらすことは、珍しいことではない。逆に、オフィスにいても、いつも仕事をしているとは限らない。つまり、「労働時間」と「非労働時間」の境界が、ホワイトカラー、その中でもとりわけ知的労働者層においては、曖昧といえる。
さらに、ホワイトカラーの場合、会社の業務が終了した後、自分の興味がある分野の研究や自己啓発などを自発的に行うこともある。これらの時間は、会社の業務ではないからといって、一概に「労働時間」ではないともいいきれない。場合によっては、こうした研究や自己啓発が本人の職業能力の向上に繋がり、業務に役立つことも十分に考えられるからである。
このように、ホワイトカラーの場合、「労働時間」と「非労働時間」の境界が曖昧であるという特徴は、IT機器の普及によるモバイルワークの拡大によって今後ますます強まっていくことが予想される。
そこで、ホワイトカラーの労働時間について考える場合には、まず労働時間の概念について整理する必要がある。
これまで、労働時間については、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」、「賃金計算の基礎となる時間」、「健康確保措置の対象とすべき時間」などと、その整理が十分になされないまま、さまざまな議論が行われてきた。
ブルーカラーとは異なり、「労働時間」と「非労働時間」の境界が曖昧なホワイトカラーの場合、賃金計算の基礎となる労働時間については、出社時刻から退社時刻までの時間から休憩時間を除いたすべての時間を単純に労働時間とするような考え方を採ることは適切ではない。「業務を中断している時間」というのも当然考えられるわけであるが、賃金を支払う側にとってこうした業務の中断時間を厳密に把握し、事後的に証明することは、事実上不可能といえるからである。
他方、労働者の健康確保の面からは、睡眠不足に由来する疲労の蓄積を防止するなどの観点から、在社時間や拘束時間を基準として適切な措置を講ずることとしてもさほど大きな問題はないといえる。
このように、労働時間の概念を、賃金計算の基礎となる時間と健康確保のための在社時間や拘束時間とで分けて考えることが、ホワイトカラーに真に適した労働時間制度を構築するためには、その第一歩となると考える。
2.ホワイトカラーにおける労働時間と成果の問題
ホワイトカラーの労働には、仕事の成果と労働時間の長さが必ずしも合致しないという特質がある。したがって、ホワイトカラーの労働に対しては、労働時間の長さ(量)ではなく、役割・成果に応じて処遇を行っていく方が合理的である。労働者にとってもその方が、公平感が保て、モチベーションも上がる。
また、経済のグローバル化の進展や国際競争の激化に伴って、ホワイトカラーには、これまで以上に高い生産性が求められている。こうした状況を反映してか、賃金の決定に際し、業績、成果、職務遂行能力、職務、職種などの要素を重視する成果主義賃金制度や能力主義賃金制度を導入、拡充する企業が増えている(図表1参照)。この傾向は、今後もしばらく続くものと考えられる(図表2参照)。
図表1 過去3年間の賃金制度の改定状況
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出所:厚生労働省「平成16年就労条件調査」より |
図表2 仕事の成果を賃金に反映させる制度の導入状況
資料: | 労働政策研究・研修機構(JILPT)「労働者の働く意欲と雇用管理のあり方に関する調査(企業調査)」(2004年) |
ところで、労働時間の長さを賃金支払いの基準とする現行法制下では、非効率的に長時間働いた者は時間外割増賃金が支給されるので、効率的に短時間で同じ成果を上げた者よりも、結果としてその報酬が多くなるといった矛盾が生じる。このような矛盾は一過性のもので、長期的に見れば、効率的に働いた者の方が、昇進等を含め、結果的に報酬が多くなり、不公平は自ずと是正されるといった考えもある。しかしながら、労働者の貢献に対する対価が長期的に見て公正で均衡したものになればよいという考えは、雇用の流動化や労働者のモチベーション等に着目した場合、説得力を失うことになる。
このように、ホワイトカラーの仕事の特性を考えると、賃金と労働時間の長さとを関連させている現行の労働時間法制には大きな限界があり、ホワイトカラーについては、こうした労働時間と賃金の直接的な結びつきを見直す時期にあるといえる。とりわけ、労働時間の厳密な算定が困難な業務、裁量性の高い業務に従事するホワイトカラーについては、一定の要件を満たすことを条件に、少なくとも賃金と労働時間とを分離することが急務といえよう。
3.ホワイトカラーにおける多様な働き方と労働時間の弾力化の必要性
労働者の中には、生活のためだけに働きたい、仕事よりも自分の趣味や家庭団欒に重点をおきたい、したがって決められた時間以上は働きたくないと考える者もいる。一方、労働時間にとらわれず、納得のいく仕事、満足のいく仕事をしたい、自由に自分の能力を発揮したい、仕事を通じて自己実現をしたいと考える者もいる。このように、価値観は人それぞれである。
しかしながら、わが国の労働時間法制は、前者のような考え方をする労働者のみを想定しているように思われる。ホワイトカラーの中には、与えられた仕事を単純に処理するのではなく、仕事の目的、意味、価値を十分に認識した上で、自律的、主体的に仕事に取り組み、創意工夫により仕事の効率を高めようとする労働者も多数いる。そして、こういった考え方をする労働者には、集中して効率よく働き、結果として労働時間を短くするよう努力している者も少なくない。
ホワイトカラーの場合、企画、立案、調査等の主要な業務以外にも、打ち合わせや商談等、必ずしも日々の時間が決まっていない非定型的業務を渾然と行っている者が多い。この場合、集中的に働く必要がある部分と時間的に余裕のある部分があり、当然のことながら、仕事密度の濃淡は、労働者の職種や業務内容等により異なる。1日、1週間、1ヵ月、3ヵ月、半年等の単位で割り切れるものでは決してない。
このような業務の繁閑に対応するために、始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねるフレックスタイム制が現在認められているが、清算期間が1ヵ月以内の期間とされ、1ヵ月を超える期間については対応できないという問題がある。
他方、1週の平均所定労働時間が法定労働時間を超えないことを条件に、特定の週又は特定の日に法定労働時間を超えて労働させることを可能とする制度として、変形労働時間制がある。ただ、フレックスタイム制とは異なり、各週や各日の労働時間を労働者が自由に決められるものではなく、労働者の側から見た場合、労働時間に対する主体性は自ずと制限されることになる。このように、変形労働時間制は使用者側の業務の繁閑に対応するための制度であることから、仕事の進捗状況にあわせて労働者自身が労働時間を自主的にコントロールすることは難しいといえる。
多様な働き方を実現するためには、個々の労働者の業務の繁閑に応じ、必要があるときには集中して働くが、時間的に余裕のあるときは休暇をとったり、労働時間を短くしたりできるようにする制度、つまり自己の裁量で労働時間を弾力的に運用できる制度が必要である。
また、頭脳労働の場合、調子が上向いたときに集中的に働く方が効率的であることは明らかであるし、その方が本人の疲労感も少なく、逆に達成感や満足感は高くなる。このことからも、労働者の健康に配慮しながら、労働者が労働時間を自主的に設計できるような弾力的制度の導入が望まれる。そして、このような効率的な働き方は、結果的には総労働時間の短縮に繋がると考えられる。
さらに、時間管理の面からも、一定の要件を満たすホワイトカラーについては、思い切った労働時間の弾力化が必要である。たしかに、労働基準法には裁量労働制や管理監督者の適用除外規定等が用意されている。しかし、その対象とはならないホワイトカラーの中にも、実労働時間管理になじまない者が多数存在するのが実態である。
そこで、これまで通り厳格な実労働時間管理を必要とする労働者とそうでない労働者とを明確に区分し、実労働時間管理をすべき労働者については、きちんと時間管理を行うが、そうでないホワイトカラーについては、その実態に適合した労働時間弾力化の方策を検討する必要がある。
4.みなし労働時間制の問題点
第3次産業の拡大や技術革新の進歩に伴い、具体的な指揮監督が及ばず、労働時間の算定が困難な業務が拡がった。
同時に業務の性質上、その具体的な遂行方法を労働者の裁量にゆだねる必要があることから、通常の方法による労働時間の算定が適切とはいえない業務も増えた。
このような状況に対応するため、みなし労働時間制の規定の整備が行われてきた。具体的には、1987年の労働基準法の改正で「事業場外労働制」と「専門業務型裁量労働制」の規定が新設され、さらに、1998年の労働基準法改正により「企画業務型裁量労働制」が設けられた。
従来の労働時間制度のあり方に関する議論は、裁量性の高いホワイトカラーの労働に適合するよう労働時間の柔軟化を大幅に進めるべきであるとする主張と、長時間労働やサービス残業を増長させる懸念があることから、労働時間の柔軟化を最低限にとどめ、あるいはこれに厳しい要件を課すべきであるといった主張が対立する形で進んできた。
とりわけ、裁量労働制に関してはこの傾向が強く、現在の制度は、その導入や運用にあたって厳しい要件が課せられている。2003年の労働基準法改正により若干の規制緩和がなされたとはいえ、労使委員会の設置をはじめ、労使委員会での決議、本人同意要件等があり、制度の導入が容易でない部分が数多く残っている。日本経団連のアンケート調査においても、裁量労働制を導入しているか、またはその導入を検討している企業の実に85%以上が、制度について「不都合な点や緩和、改善すべき点がある」と回答している。
本来、「みなし労働時間制」は、文字通り一定の時間労働したものと「みなす」ことを目的とした制度であって、労働時間規定の適用を除外するものとはなっていない点に問題がある。前述のアンケート調査で「制度に不都合な点や緩和、改善すべき点がある」と回答した企業の約半数が「みなし労働時間制」について改善を求めていることからも、「みなし労働時間制」は企業の実態に合っていないといえる。また、旧労働省の「裁量労働制に関する研究会報告」(座長:現 明治大学法科大学院教授 菅野和夫氏)においても、裁量労働制を労働基準法第41条に定める「適用除外」として位置付けるべきであるという主張がなされていたことに留意すべきである。
これらの理由に加え、業務の遂行方法や時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねるという裁量労働制の本来の趣旨から考えても、「みなし労働時間制」ではなく、「労働時間の適用除外」制度を採用することが、制度本来の姿だといえる。
そこで、以下、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制におけるその他の問題点についてさらに検討する。
[1]<専門業務型裁量労働制>
専門業務型裁量労働制における最大の問題点は、厚生労働省令と厚生労働大臣告示に定める対象業務の範囲が狭いという点にある。現在、対象業務は19に限定されており、労使協定を締結したとしても、それ以外の業務に裁量労働制を適用することは認められていない。
日本経団連のアンケート調査においても、専門業務型裁量労働制について「不都合な点や緩和、改善すべき点がある」と回答している企業の約7割が、「対象業務の範囲」について改善を求めている。
「業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅にゆだねる必要がある業務」というのは、各企業の業種・業態によって一律ではなく、対象業務の範囲を労使が決定することにより拡大する道を拓く必要がある。
他方、2003年の労働基準法改正において、労使協定に「対象労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置の具体的内容等」が追加され、労働者保護が図られ、制度運用の適正化に向けた取組みの強化は十分図られている。
そこで、省令及び大臣告示で定められた業務以外にも、個々の企業の実態に応じて、労使協定により専門業務型裁量労働制を導入できる業務を決定することができるような制度が必要である。
[2]<企画業務型裁量労働制>
日本経団連のアンケート調査では、企画業務型裁量制を導入しているか、またはその導入を検討している企業の実に94.5%が、現行制度について「不都合な点や緩和、改善すべき点がある」と回答している。
中でも、特に「業務が所属する事業場の事業の運営に関するものであること、企画、立案、調査及び分析の業務であること等の要件を課している対象業務の範囲についてその緩和、改善を求める」といった回答が多くなっている。
2003年の労働基準法改正においては、企画業務型裁量労働制の導入率があまりにも低いことから、分社化による支店等への本社機能の移転という企業の実態を考慮し「本社など事業運営上の重要な決定が行われる事業場に限る」という事業場の制限が廃止された。
しかし、対象業務については見直しが行われず、「企画、立案、調査及び分析の業務」のままとなっており、「経営企画部」「経営戦略室」等のきわめて限られたセクションでしか、この制度を適用することができない状況にある。本店のこれらの機能を支店等に移した企業では適用対象労働者が若干増加したが、そうでない企業では、依然ごく限られた労働者にしかこの制度を適用できないのが現状である。
また、「企画、立案、調査及び分析の業務」以外の業務、たとえば、広報部門でも広報を企画、立案する者については、企画業務型裁量労働制の適用対象とするが、原稿の校正の業務担当者は対象外とするのが行政解釈である。しかし、原稿校正のアルバイト等をのぞき、広報部門の労働者は、広報の企画立案も、原稿の校正も渾然一体として行うのが通常である。こうした行政解釈は不自然であるばかりか、行政解釈のような区分に従えば、事実上広報部門(もっぱら企画、立案、調査及び分析の業務以外の部門)には適用できないことになる。
そこで、制度の利用をさらに促進するべく、たとえば、広報、法務、提案型営業、ファイナンシャルプランナ−等についても、対象業務に含め、適用対象業務の拡大を図るべきである。
また、企画業務型裁量労働制は、本来、事業活動の中枢に位置する労働者が創造的な能力を十分に発揮できるようにするための制度であるといえるが、制度の濫用を懸念するあまり、その導入手続が複雑に過ぎるものとなっている。
そこで、制度のさらなる利用の拡大を図るためには、手続の簡素化を一層進める必要がある。具体的には、企画業務型裁量労働制についても、専門業務型裁量労働制と同様、本来は労使協定による導入を可能とすることが望ましい。ただし、労働契約法制を整備する中で、労使委員会に特別の権能(就業規則の変更において合理性を推定する機能等)を付与する動きもあり、そうした動向にも目を配る必要がある。なお、仮に労使委員会の決議を要件とする場合においても、現行の5分の4以上の決議要件は厳格に過ぎるので、その緩和を図るべきである。
5.管理監督者(労働基準法第41条第2号)の労働時間等適用除外の問題点
労働基準法第41条第2号に定めるいわゆる管理監督者は、労働時間等の規制の適用を除外されている。しかし、こうした管理監督者については、前述したようにその範囲をめぐる解釈に問題があり、これを実態に沿ったものに改める必要があるほか、深夜業に関する規制が適用除外の対象とされていないという問題がある。
他方、経済のグローバル化や24時間化が一層の進展を見せる中で、海外とのやりとりをはじめとして、重要な職務や責任を有するこれら管理監督者が深夜に活動しなければならない状況は数多く想定される。
労働基準法第41条第2号が管理監督者を労働時間の規制の適用から除外した趣旨が、これらの者が労働時間、休憩及び休日に関する規定の規制を超えて活動しなければならない企業経営上の必要にあるとすれば、その活動時間の範囲が深夜にも拡がっている実態を無視すべきではない。
また、管理監督者についても、深夜労働に関する規制がおよび、深夜(午後10時から午前5時まで)に働いた場合には、割増賃金の支払いが義務付けられることから、事実上、管理監督者についても深夜の時間帯に限って時間管理をしなければならないという問題が生じている。
このように、法律上も一般に時間管理の義務を負わない管理監督者について、深夜の時間帯に限って事実上時間管理を義務付けるというのは、いかにも不自然である。さらに、労働基準法施行規則第54条に定める賃金台帳の記入事項をみても、管理監督者をはじめ労働基準法第41条各号の一に該当する労働者に関しては、深夜労働の時間数についてもこれを記入することを要しない旨が明記されている。このことは、我が国の法令自体が深夜における管理監督者の時間管理が必要ではないことを示唆しているということもでき、その点においても現行制度には無理があるといえる。
日本経団連のアンケート調査においても、この管理監督者の労働時間等の適用除外制について、「管理監督者であっても深夜労働に関する規定の適用は排除されないという点」について改善等を求める回答が、「不都合な点や緩和、改善すべき点がある」と回答した企業のうちの4割強にのぼっている。
以上のことから、管理監督者については、早急に深夜労働についても割増賃金規制の適用が除外されることを明確にするよう、必要な法改正を行うべきである。
6.労働時間規制の見直しについて
[1]<ホワイトカラーエグゼンプション制度の新設>
現行の労働時間規制の主な問題点と改善の方策については、以上に述べたとおりであり、これまで述べた意見に沿った法改正が求められるが、今日、個々の制度の見直しをすることでは、もはや労使のニ−ズ(多様な働き方、高付加価値の創造等)に対応することは困難となっており、抜本的な見直しが急務である。
そこで、労働時間管理に適さないホワイトカラーについては、一定の要件のもとに労働時間規制の適用を除外するホワイトカラーエグゼンプション制度を新設することを提言したい。
[2]<ホワイトカラーエグゼンプション制度の具体的内容>
この新しい制度の内容(適用対象者の要件と効果等)は以下のとおり。
1 | 適用対象者の要件
(1) | 現行の専門業務型裁量労働制の対象業務に従事する者
現行の専門業務型裁量労働制の対象業務(新商品等の研究開発、情報処理システムの分析設計等)に従事する労働者については、その年収の多寡にかかわらず、ホワイトカラ−エグゼンプション制度を適用する。
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(2) | 現行の専門業務型裁量労働制の対象業務以外の業務に従事する者
現行の専門業務型裁量労働制の対象業務以外の業務に従事する労働者については、下記の(1)及び(2)の要件を充足する場合に限り、ホワイトカラーエグゼンプション制度を適用する。
(1) | 業務要件
次のいずれかの業務に該当すること。
(@) | 法令で定めた業務(現行の専門業務型裁量労働制の対象業務を除く。) |
(A) | 「業務遂行の手段や方法、その時間配分等を労働者の裁量にゆだねること」を労使協定又は労使委員会の決議により定めた業務 |
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(2) | 賃金要件
(@) | 賃金の支払形態が月給制又は年俸制であること。したがって賃金が週給、日給又は時間給で支払われている労働者については新制度を適用しない。 |
(A) | 当該年における年収の額が400万円(又は全労働者の平均給与所得)以上であること。年収額が400万円未満の労働者については新制度を適用しない。
法令で定める業務に加えて労使で対象業務を定める場合、年収額が700万円(又は全労働者の給与所得の上位20%相当額)以上の者については、労使協定の締結又は労使委員会の決議のいずれにおいても追加を可能とする。
また、前記の場合、年収額が400万円(又は全労働者の平均給与所得)以上、700万円(又は上位20%の給与所得に相当する額)未満である者については、労使委員会の決議のみにより追加を可能とする。 |
※1 | 賃金要件として課す賃金の具体的な額については、さまざまな角度からの議論が必要であり、現時点ではあくまで例示にとどめる。 |
※2 | 賃金額については、民間給与実態統計調査等を指標として全労働者の給与所得を基準とすることを前提としているが、当該企業内における各労働者の所定賃金を指標として「所定内賃金が上位〇%の者」とするような賃金要件も考えられる。なお、官庁統計資料等を活用する場合には、適時これを見直すことを基本とする。 |
業務要件と賃金要件等との関連
業務要件 |
賃金要件 |
その他 |
現行専門業務型裁量労働制対象業務 |
(賃金要件なし) |
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上記の業務を除く裁量的業務であって法令で定めた業務 ただし、これ以外の業務であっても、※労使協定の締結又は労使委員会の決議による場合には、対象業務を追加することができるものとする。 |
当該年における年収額が700万円(又は全労働者の給与所得の上位20%相当額)以上の者 |
※の場合、労使協定の締結、労使委員会の決議のいずれでも追加が可能。 |
当該年における年収額が400万円(又は全労働者の平均給与所得)以上700万円(又は全労働者の給与所得の上位20%相当額)未満の者 |
※の場合、労使委員会の決議による場合に限り追加が可能。 |
● | 当該年における年収額が400万円(又は全労働者の平均給与所得)未満の者については、ホワイトカラーエグゼンプション制度を適用せず、通常の労働時間管理を行う。 |
*1 | 額はあくまでも例示であり、さらに詳細な検討が必要である。 |
*2 | 年収には、家族手当等扶養家族数によって変動する賃金、給地手当や寒冷地手当等勤務地により変動する賃金項目等もすべて含める。 |
[参考] | 年収700万円の基準は、職業安定法施行規則に基づき、求職者から手数料を徴収できる経営管理者、科学技術者等の範囲の基準とされている額である。 |
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2 | 効果
労働時間、休憩、休日及び深夜業に係る規制の適用除外とする。 |
3 | 所轄労働基準監督署長への届出
法令に定める業務以外にホワイトカラーエグゼンプション制度の対象となる業務を労使で追加する場合、締結した労使協定または労使委員会の決議を所轄労働基準監督署長に届け出ることが必要である。
ただし、届出をしなかった場合でも上記2の「効果」には影響しない。(届出義務違反については、過料による制裁が考えられる。) |
4 | その他
ホワイトカラーエグゼンプション制度の適用対象者に対して、就業規則等に出退勤時刻の定めをしてもよいが、労働時間の管理は行わず、「遅刻」「早退」「休憩時間」についての賃金控除は行わない(ただし、「欠勤」については賃金を控除する)。
* | 在社時間の把握等の健康への配慮面の措置は下記[3]以下で検討する。 |
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[3]<労働者の健康への配慮措置について>
ホワイトカラーエグゼンプション制度の導入にあたっては、労働者自らの働き過ぎによる健康障害を防止するための措置も同時に検討する必要がある。ただ、長時間労働が労働者に与える肉体的、精神的負荷要因に関しては、職場環境や業務内容等をはじめとして大きな個体差があることも否定できない。したがって、労働者の健康については、それぞれの企業の業種、業務、職種内容の実態に応じ、労使で産業医の活用方法や取組みなどを自主的に取り決めるべきであると考える。
さらに、各企業における労働者の健康への配慮に関する具体的な取組みとしては、次のような例が考えられる。
・ | 労使でホワイトカラーエグゼンプション制度適用対象者の一定期間の在社時間や拘束時間の上限を取り決め、その時間を超えないようにする。 |
・ | 一定の期間内に一度以上、上司または産業医、産業保健スタッフによるヒアリング(面接)を実施し、労働者の健康状態を把握する。 |
・ | 毎月決められた期日に対象者に体調やメンタル部分に関する「問診表」を配布し、記入回収の上、産業医や保健指導員等の所見を聴く。 |
・ | 事業場内に健康相談窓口を常設する。 |
・ | 定期健康診断等の法令に義務付けられている健康診断とは別に、特別健康診断を実施する。 |
・ | 一定期間において一定の在社時間や拘束時間を超えた者に対して所定の休暇を与える。 |
・ | 労使で年次有給休暇の目標取得率などを取り決め、その取得を促進する。 |
[4]<ホワイトカラーエグゼンプションの法文化について>
以上のようなホワイトカラーエグゼンプション制度の法文化をどのように行うべきであろうか。
この点については、労働基準法の第41条(労働時間等に関する規定の適用除外)の第4号に、ホワイトカラーエグゼンプション制度に関する規定を新設すべきであると考える。
その際、この第4号の規定に「当該労働者については、深夜業に関する規定の適用も除外する」ことを明記する。なお、前述のように、第2号の管理監督者についても、深夜業に関する規定の適用を除外すべきである。
ところで、ホワイトカラーエグゼンプション制度と第41条2号に定める管理監督者の適用除外との最も大きな差異は、ホワイトカラーエグゼンプション制度においては、法令で定めるほかに、労使で対象となる業務等を定めることができることである。その場合、労働者の地位、権限、責任、部下人数等とは無関係に、労働時間規制の適用除外が認められる点にある。
このように、ホワイトカラーエグゼンプション制度は、原則として各企業の労使で適用業務や職務を取り決め、労働時間規制にとらわれない裁量的な働き方を実現しようとするものである。
おわりに
以上、ホワイトカラーの労働時間に関して述べてきたが、現行の労働時間法制を全面的に否定するものではない。また、ホワイトカラーエグゼンプション制度は、当然のことながら時間外労働に対する賃金の支払いを免れたり、労働時間を実質的に長くすることを目的とするものではない。
労働者の意欲を高め、効率的に働くことによって仕事と生活の調和を実現していくためには、これまでの労働時間規制の枠を超えた、新たな発想にもとづく労働時間制度の構築が急務である。ただ、ホワイトカラーエグゼンプション制度は、どのような労働者に適用してもよいというのではなく、労働の質が問われ、創造的かつ自律的な働き方をするホワイトカラーで一定の要件を満たす労働者に限られる。
上述した「ホワイトカラーエグゼンプション制度」を実現することこそが、労働者の仕事や労働時間に対する裁量性をいっそう高め、多様な働き方や結果的として労働時間の短縮にも大いに資すると考える。
政府は、このようなホワイトカラーエグゼンプション制度を含む労働時間規制のあり方について「規制改革・民間開放推進3か年計画(改定)」に則った形で現在検討を進めつつあるが、社会や経済の動きが加速度的に速まっている今、その検討が後手に回ることがないよう、迅速かつ着実な対応を強く求めたい。
働き方の多様化や生産性の向上を図るためにも、その導入は必要不可欠なものであり、経済界として政府・関係省庁に対し、その早期実現を積極的に働きかけていきたい。
以上
参考資料
労働時間問題に関するアンケート調査の集計結果について
アンケート配付日 : 2004年10月29日 | 回答期間 : 10月29日〜11月30日 |
アンケート配付総数 : 1,479通 | 回答総数 : 348 社 (回答率 23.5%) |
I | 労働時間に関する法規制について(問1〜問2) |
II | 各労働時間制度について(問3〜問9) |
III | 労働者の健康確保措置等について(問10) |
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[I 労働時間に関する法規制について]
問1. | 仕事の成果を単純に労働時間の長さで測れない、いわゆるホワイトカラーについて考えた場合、現行の労働時間に関する法規制について、どうあるべきと考えるか |
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回答数 |
回答率 |
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15 |
4.3% |
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78 |
22.4% |
|
229 |
65.8% |
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1 |
0.3% |
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20 |
5.7% |
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3 |
0.9% |
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2 |
0.6% |
問2. | ホワイトカラーの労働時間に関する法律による規制については、どのような緩和が最も必要と考えるか <問1で(3)と回答した企業のみ回答> |
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回答数 |
回答率 |
(1) | 裁量労働制等みなし労働時間制の適用範囲の拡大、要件の緩和、手続の簡素化 |
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64 |
27.9% |
(2) | 裁量労働制の労働時間算定をみなし労働時間制から適用除外制に変更する |
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49 |
21.4% |
(3) | 管理監督者の対象者の範囲及び深夜業の適用除外など内容の拡大 |
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28 |
12.2% |
(4) | アメリカのホワイトカラーエグゼンプション制度に近い制度の導入を図る |
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76 |
33.2% |
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4 |
1.7% |
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8 |
3.5% |
[II 各労働時間制度について]
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回答数 |
回答率 |
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63 |
18.1% |
(2) | 導入していないが、導入について検討している |
|
97 |
27.9% |
(3) | 導入していないし、導入することも考えていない |
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143 |
41.1% |
|
41 |
11.8% |
|
4 |
1.1% |
[(3)について、どのような理由からか]
問4. | 現行の専門業務型裁量労働制において、不都合な点やさらに活用しやすくなるよう要件等の緩和や改善を要すると感じる部分はあるか、あるとすればどんなところか<問3で(1)、(2)と回答した企業のみ回答> |
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回答数 |
回答率 |
|
19 |
11.9% |
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139 |
86.9% |
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2 |
1.3% |
[(2)について、緩和・改善すべきところはどんな点か](複数回答)
(実体的要件)
(手続的要件)
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49 |
c | 労使協定により定めた事項の労働基準監督署長への届出 |
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40 |
d | 業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し労働者に具体的な指示をしないこととする要件 |
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44 |
(効果)
e | みなし労働時間であり労働時間規定の適用除外とはならないといった効果の部分 |
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75 |
(その他)
f | 健康・福祉確保措置に基づく対象労働者の勤務状況把握義務の部分 |
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30 |
|
4 |
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回答数 |
回答率 |
|
25 |
7.2% |
(2) | 導入していないが、導入について検討している |
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121 |
34.8% |
(3) | 導入していないし、導入することも考えていない |
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143 |
41.1% |
|
55 |
15.8% |
|
4 |
1.1% |
[(3)について、どのような理由からか]
問6. | 現行の企画業務型裁量労働制において、不都合な点やさらに活用しやすくなるよう要件等の緩和や改善を要すると感じる部分はあるか、あるとすればどんなところか<問5で(1)、(2)と回答した企業のみ回答> |
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回答数 |
回答率 |
|
8 |
5.5% |
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138 |
94.5% |
|
0 |
0.0% |
[(2)について、緩和・改善すべきところはどんな点か](複数回答)
(実体的要件)
a | 対象業務の範囲について、業務が所属する事業場の事業の運営に関するものであること、企画、立案、調査及び分析の業務であること等の要件を課していること |
|
101 |
b | 対象業務を適切に遂行するための知識・経験等を有する者とする対象労働者の範囲 |
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49 |
(手続的要件)
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52 |
d | 委員の4/5以上の多数決によるものとする労使委員会における決議要件 |
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67 |
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57 |
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51 |
(効果)
g | みなし労働時間であり労働時間規定の適用除外とはならないといった効果の部分 |
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69 |
(その他)
h | 対象となる労働者の労働時間状況と健康及び福祉の確保措置実施状況に関する6ヵ月以内に1回の労働基準監督署への定期報告 |
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66 |
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1 |
問7. | 事業場外労働のみなし労働時間制の導入状況について |
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回答数 |
回答率 |
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120 |
34.5% |
(2) | 導入していないが、導入について検討している |
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54 |
15.5% |
(3) | 導入していないし、導入することも考えていない |
|
136 |
39.1% |
|
31 |
8.9% |
|
7 |
2.0% |
[(3)について、どのような理由からか]
問8. | 現行の事業場外労働のみなし労働時間制において、不都合な点やさらに活用しやすくなるよう要件等の緩和や改善を要すると感じる部分はあるか、あるとすればどんなところか<問7で(1)、(2)と回答した企業のみ回答> |
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回答数 |
回答率 |
|
40 |
23.0% |
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130 |
74.7% |
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4 |
2.3% |
[(2)について、緩和・改善すべきところはどんな点か](複数回答)
(実体的要件)
a | 事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場にもどる場合など、みなし労働時間制の適用はないとして通達に定められている事業場外労働の範囲 |
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106 |
(手続的要件)
b | 協定で定める時間が法定労働時間を超える場合の労使協定の労働基準督署長への届出義務要件 |
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36 |
(効果)
c | 労働時間のみなしに関する規定が適用される場合であっても、休憩に関する適用は排除されないといった部分 |
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33 |
d | 労働時間のみなしに関する規定が適用される場合であっても、深夜業に関する適用は排除されないといった部分 |
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43 |
e | 労働時間のみなしに関する規定が適用される場合であっても、休日に関する適用は排除されないといった部分 |
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40 |
(その他)
問9. | 現在の労働基準法第41条2号の管理監督者の労働時間等の適用除外制について、不都合な点や改善の必要があると考える部分があるか、あるとすればどんなところか |
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回答数 |
回答率 |
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67 |
19.3% |
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274 |
78.7% |
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7 |
2.0% |
[(2)について、緩和・改善すべきところはどんな点か](複数回答)
(実体的要件)
a | 対象者の範囲について、法律に具体的判断基準が示されていないにも関わらず、判例・通達で「経営者と一体的な立場にある者の意味」であるなどとしてその範囲が指導されているが、現代の企業の実態に即しているといえない点 |
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236 |
(その他)
b | 管理監督者であっても、深夜労働に関する規定の適用は排除されないといった部分 |
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123 |
c | 管理監督者であっても、年次有給休暇に関する規定の適用は排除されないといった部分 |
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12 |
d | 深夜業や過重労働防止の観点から、実質的に労働時間管理の対象とされているといった部分 |
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90 |
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5 |
[III 労働者の健康確保措置等]
問10. | 労働時間の規制・管理に関しては、一方で使用者の安全配慮義務や労働者の健康確保措置との関連が問題になると考えられるが、これについてどのように考えるか |
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回答数 |
回答率 |
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25 |
7.2% |
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125 |
35.9% |
(3) | 企業の実態に応じ、労使での取組みを検討すべき |
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187 |
53.7% |
|
7 |
2.0% |
|
4 |
1.1% |