平成17年6月13日 健康局疾病対策課 |
後天性免疫不全症候群に関する特定感染症 予防指針見直し検討会報告書(概要) |
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1. | 我が国におけるHIV・エイズの発生動向 |
○ | 近年の発生動向の特徴
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○ | 新規感染事例等の分析
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2. | 現状の問題点 |
○ | 今後解決を図っていくべき問題点として、特に次のような指摘がなされた。
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1. | 総論:エイズ対策の見直しにおける基本的方向 |
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○ | 感染の拡大は性交渉がほとんどを占め、性行動の変化等に伴い、感染の危険性は増加しつつある。 |
○ | 「多剤併用療法」の進歩により死亡率は著しく減少し、「不治の特別な病」から「コントロール可能な一般的な病」、即ち慢性感染症へと変化しつつある。 |
→ | 国及び地方公共団体においては、今後、このような発生動向及び疾患特性の変化を踏まえた施策の再構築・展開が求められる。 |
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○ | 互いの比較優位性を踏まえた上で、我が国における発生動向と疾患特性の変化を踏まえれば、基本的に、地方公共団体が中心となってエイズ対策の実施に当たることが求められる。 |
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○ | 地方公共団体は、予防及びまん延の防止の対策に係る施策を中心に、重点的かつ計画的に取り組むことが望ましい。 |
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2. | 各論:指針に掲げられている各種施策分野の見直しの方向 |
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○ | 国は、感染者等の人権及び個人情報の保護に最大限配慮した上で、都道府県等が地域における発生動向を正確・適時に把握することが可能な仕組を検討することが必要。 |
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@) | 普及啓発及び教育の方向性 |
○ | 感染の危険性に曝されている国民へ向けた働きかけのみならず、それらを取り巻く家庭、地域、学校、職場等へも取り組み、行動変容を起こしやすくするような社会的環境を醸成していくことが必要。 |
○ | 無防備な性行動を低減するため、お互いの身体や心を思いやる心の醸成や豊かな人間関係を構築できるコミュニケーション能力の向上を図っていくことが大切。 |
A) | 具体的推進策 |
○ | 国は、国民一般を対象に、正しい知識等へのアクセスを確保する必要。 |
○ | 地方公共団体は、対象となる層を設定し、具体的な行動変容を促すことが必要。この場合、地域における発生動向を踏まえ、対象の実情に応じた普及啓発及び教育を重点的・計画的に実施することが重要。 |
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@) | 検査・相談体制の充実の方向性 |
○ | 早期検査による早期発見、陽性者に対する相談の機会と早期治療・発症予防の機会の提供が重要。 |
○ | 国及び都道府県等は、保健所における検査・相談体制の充実を基本とし、重点的・計画的に取り組むとともに、検査・相談の機会を個々人の行動変容を促す絶好の機会と位置付け、利用者の立場に立った取組を積極的に講じることが必要。 |
A) | 具体的推進策 |
○ | 国と都道府県等が連携し、
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○ | 相談体制の確保に当たっては、陽性者に対しては適切な相談と医療機関への紹介を、陰性者に対しては行動変容を促す相談を可能とすることが必要。 |
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@) | 医療の提供の方向性 |
○ | 国及び都道府県は、感染者等が一部の医療機関へ集中している現状を踏まえ、各都道府県内における総合的な医療提供体制の構築に重点的・計画的に取り組むことが必要。 |
○ | 良質かつ適切な医療の提供のため、人材の育成による治療の質の向上や医療機関の連携や各種研修の充実による知識や経験の交流を通じて、医療従事者の更なる資質の向上を目指していく。 |
A) | 具体的推進策 |
○ | 「中核拠点病院」制度を創設(原則、都道府県内に1カ所設置)し、そこを中心に、都道府県内におけるエイズ治療拠点病院間の機能分化を含めた医療提供体制の構築を図ることが必要。 |
○ | 都道府県は、医療計画等を活用し、重点的・計画的に医療提供体制の確保を図ることが必要。また、地域における各拠点病院等の機能を把握した上で、院内の他科診療との連携はもとより、中核拠点病院と拠点病院等との連携を図ることが重要。 |
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○ | 国は、研究課題の募集等の際各研究課題の目標や期待する成果を可能な限り具体的に示すとともに、目標の達成度合いや成果の評価を行うことが必要。 |
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○ | 国は、アジアにおけるHIV・エイズの拡大が懸念されていることや、全世界の新規感染者数の約90%がアジア・アフリカ諸国で発生している事実にかんがみ、引き続き、アジア・アフリカ諸国等への協力を進めることが必要。 |
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○ | HIV・エイズに対する偏見・差別の撤廃について、国及び地方公共団体は、患者等を取り巻く地域、職場等へ向けた普及啓発等にも取り組み、偏見・差別が防止されるような社会的環境を醸成していくことが必要。 |
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(1) | 施策の評価 |
○ | 国は、関係省庁と定期的な報告や調整等を行うことにより、関係省庁間の連携を一層進め、総合的なエイズ対策を推進していくべき。 |
○ | 地方公共団体においては、地域の実情に応じて、(1)施策の目標を記載するとともに、(2)定期的に、各種主要施策の実施状況等を評価することが必要。 |
○ | 具体的な目標の設定に当たっては、基本的には、定量的な指標に基づく目標を設定することが望まれるところであるが、必要に応じ、定性的な目標を設定することも考えられる。 |
(2) | NPO、NGO等との連携及び財団法人エイズ予防財団の機能の見直し |
○ | 個別施策層を対象とする施策を実施する際には、NPO、NGO等の民間団体等(以下「団体等」という。)と連携することが有効である。 |
○ | 財団法人エイズ予防財団は、こうした団体等における人材育成、活動等の支援等において、核となって機能すべき。 |