資料3


第3回検討会において、「免許保持者の届出義務」及び「看護師、助産師及び准看護師の名称独占」に関して出された主な意見


免許保持者の届出義務について

(潜在看護職員の把握、確保対策の必要性)
 届出の仕組みを作って、潜在看護職員の把握をしていかない限り、今までの状況ではますますその把握がよくわからなくなってくる。
 潜在看護職員が働きやすいような環境をつくるため、なぜ潜在化しているのか、どのような状況があって働けないのかについて把握することが大切である。
 人確法の基本指針を見直して、再就業促進対策を強化すべきである。労働時間が希望に合わない、パート賃金が安すぎるなどの問題があり、これらを含めて対策を考える必要がある。

(届出制の趣旨)
 看護職は国家免許なのに、業務の把握は都道府県任せで、離職した看護職員の実態を国がわからないことがおかしい。その後のフォローを何らかの形でやっていく必要がある。
 日本の国全体のリスクがあったとき、国中に看護師がどれだけいるか把握し、きちんと統制していく必要がある。
 潜在看護職員の人材確保の観点から届出制も1つの方法である。
 時代に応じて届け出制の目的も流れていく。今日的には人材確保も含めた看護行政への活用を考えるべき。
 医療安全の確保との関係を確認しておく必要があるが、医療安全のためにも潜在看護職員の活用を1つの目的として確保対策を講じる必要があると理解する。
 潜在看護職員の把握を始め確保対策のためのデータを集めることと、届け出制とすることとはあまりに次元が異なる問題である。
 医療関係職としての統一性があった方がいろいろな局面で賢いというぐらいのメリットしかない。潜在看護職員を何とかしようとしてぎりぎりやろうというのは間違いである。
 国家資格を有している者の義務として、求めに応えるという倫理感を持つべきであり、業務状況だけを調べるのではなくて、国の管理の下で、届け出義務を果たしてもらうという姿勢も必要である。
 新卒者の就職状況を大学、学校で追跡することは個人情報保護の観点から難しくなってきている。届出するというルールを卒業時点から植え付け、職業人として仕事をしていく1つの条件とすべきである。

(届出制の実効性)
 就業していない者に届出を義務化しても届出を期待できない。
 就業義務を課すわけにはいかず、届出制にしても有効に機能しない。
 うまくいくかどうかわからないが、今がチャンスであり、仕組みをつくってみる価値はある。

(罰則について)
 未就業者に届け出させるとした場合、届出違反の罰金が50万円以下では重すぎる。
 人材確保の観点から届け出制を徹底させ、違反には50万円を科するとすると、現場が混乱する。
 罰則が実際には有効に機能していない。

(今後の方向性について)
 抜本的な見直しを含め検討すべき時期に来ているが、当面何をするかで問題を解決することが現実的である。その意味では、保助看法本体ではなく、人材確保の観点から取りあえずの措置を講じるべきである。
 基本的には保助看法全体を見直す中でどうするかを考えた方がよい。
 大きな見直しに関する問題として免許の更新制があり、仮にこれが導入されれば、自ずと問題は解決する。
 看護の質の確保という観点から、将来的に免許の更新制を考える必要があり、検討を開始してもいい。新卒看護職員の臨床研修制度も早急に検討すべきである。


看護師、助産師及び准看護師の名称独占について

(名称独占の是非)
 過去に紛らわしい名称が使用されて混乱し、患者が不信感を持ったことがあった。国民、患者に信頼できる情報を伝える必要がある。また、患者は、保健師、看護師だから、ここまで話そうと思ってくれる。このような意味から、是非、名称独占とすべきである。
 今まで、なぜ助産師、看護師、准看護師が名称独占でなかったのか疑問である。患者側では、看護師と看護補助者を明確に区別する意識が出来ている。また、在宅では誰が入れ替わり入ってくるのか混乱状態である。保助看法を改正してすっきりすべきである。
 現場では誰がケアを行うかについて患者側の意識がシビアになっている。正確な情報提供とするためにも名称独占とすべきである。
 罰則規定をみると、暗黙の前提として名称独占的なものを既に保助看法自体が認めているとも読み取れる。法の基本的な考え方を表に出すだけであるともいえる。
 医療の安全、看護の質を確保する1つの仕組みとして、名称独占は必要である。
 保助看法の中期的な見直しよりも早く、次期医療法改正とあわせて名称独占を盛り込むべきであり、また、准看護師を忘れるべきではない。

(名称独占規制の範囲)
 「付き添い看護婦」のように、業として行う場合、「看護」の言葉を使用することは適当ではない。
 看護補助者、看護職員などの言葉で、資格者を入れるのか、入れないのかは、医療現場においては明確にわかっている。
 名称独占とした場合、どこまで制限するのかは、国民の目、受け手から見たときにどのように受け止められるのかという視点から判断する必要がある。
 看護という言葉自体、一般的にはあまり使わない方向とした方がよいのではないか。
 名称独占として、どこまで規制すべきかは今後さらなる詰めが必要である。

(保健師の名称独占について)
 保健師は、保健指導だけを業務としているわけではなく、いろいろな形で患者や住民と接している。業務を限定せずに一般的な名称独占にしたほうがよい。

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